説明

光学用粘着シート

【課題】曲げ、ねじれやひねりの応力に対する接着性に優れた光学用両面粘着シートを提供する。
【解決手段】本発明の光学用両面粘着シートは、貯蔵弾性率(80℃)が2×104Pa以上、損失弾性率(80℃)が1×104Pa以上である粘着剤層を有し、L字剥離試験による剥離力が0.16MPa以上であり、定荷重剥離試験による剥離距離が50mm以下であることを特徴としている。上記L字剥離試験では、L字型ステンレス製治具とアクリル板とを両面粘着シートを介して貼り合わせ、50℃、5気圧、15分間処理後、ステンレス製治具を、アクリル板の面と垂直方向に引っ張り、剥離力を測定する。上記定荷重剥離試験では、アクリル板に両面粘着シートを貼付し、50℃、5気圧、15分間処理後、両面粘着シートの長さ方向の片末端に、アクリル板の表面と垂直方向に100gfの荷重をかけ、3時間経過後の両面粘着シートの剥離距離を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材の貼付に用いられる粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの前記表示装置と組み合わせて用いられる入力装置が広く用いられるようになってきている。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合わせる用途に透明な粘着シートが使用されている。例えば、タッチパネルやレンズなどと液晶表示装置(液晶ディスプレイ等)との貼付に透明な両面粘着シートが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
上記の表示装置や入力装置は、近年、携帯電話や携帯情報端末(PDA)などの小型の携帯機器にも多く用いられるようになってきている。それに伴い、例えば、携帯電話をズボンのポケットに入れたまま座った場合など、ディスプレイなどに曲げ、ねじれやひねりの応力(曲げ方向やねじれ方向の応力等)がかかり、ディスプレイとタッチパネルやレンズなどが剥がれる問題が生じている。
【0004】
従って、上記のような光学部材を貼り合わせる用途においては、粘着シートには、従来求められていた接着性(例えば、180°ピール引き剥がし粘着力の大きさなど)、透明性等に加えて、貼付物に対して曲げの応力やねじれやひねりの応力が加わった場合の接着性(以下、「ねじれ接着性」と総称する場合がある)が求められるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−238915号公報
【特許文献2】特開2003−342542号公報
【特許文献3】特開2004−231723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、貼付物に対して曲げの応力やねじれやひねりの応力が加わった場合の接着性(ねじれ接着性)に優れた光学用両面粘着シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討した結果、80℃における貯蔵弾性率および損失弾性率が特定の範囲となるように設計した粘着剤層を有する両面粘着シートであって、両面粘着シートのL字剥離試験により測定される剥離力及び定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)により測定される剥離距離を特定の範囲に制御することによって、ねじれ接着性に優れた両面粘着シートが得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、動的粘弾性測定により測定される、80℃における貯蔵弾性率が2.0×104Pa以上、80℃における損失弾性率が1.0×104Pa以上である粘着剤層を有する光学用粘着シートであって、 該粘着シートの、下記のL字剥離試験により測定される剥離力が0.16MPa以上であり、下記の定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)により測定される剥離距離が50mm以下であることを特徴とする光学用粘着シートを提供する。上記のL字剥離試験は、以下の通りである。L字型のステンレス製治具とアクリル板とを、粘着シート(サイズ:長さ25mm×幅25mm)を介して貼り合わせた後、オートクレーブ中で50℃、5気圧の条件で15分間処理する。その後、23℃、50%RHの条件下で、ステンレス製治具を、アクリル板の面と垂直方向に引張速度200mm/分で引っ張り、剥離力を測定する。また、上記の定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)は以下の通りである。アクリル板の片面に、粘着シート(幅20mm×長さ60mm)の上記粘着剤層側表面を貼付した後、オートクレーブ中で50℃、5気圧の条件で15分間処理する。その後、23℃、50%RHの条件下で、粘着シートの長さ方向の末端に、アクリル板の表面と垂直方向に100gfの荷重をかけ、3時間経過後の粘着シートの剥離距離を測定する。
【0009】
さらに、本発明は、可視光波長領域における全光線透過率が90%以上であり、ヘーズ値が1.0%未満である前記の光学用粘着シートを提供する。
【0010】
さらに、本発明は、引張速度200mm/分で測定した、アクリル板に対する180°引き剥がし粘着力が、10N/25mm以上である前記の光学用粘着シートを提供する。
【0011】
さらに、本発明は、前記粘着剤層のゲル分率が、30〜80重量%である前記の光学用粘着シートを提供する。
【0012】
さらに、本発明は、前記粘着剤層がアクリル系粘着剤層である前記の光学用粘着シートを提供する。
【0013】
さらに、本発明は、前記アクリル系粘着剤層が、直鎖状又は分岐鎖状の、炭素数が1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを必須のモノマー成分として形成されるアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤層である前記の光学用粘着シートを提供する。
【0014】
さらに、本発明は、前記粘着剤層が、モノマー混合物又はその部分重合物を含む組成物に、紫外線を照射して形成された粘着剤層である前記の光学用粘着シートを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の両面粘着シートは、粘着剤層の80℃における貯蔵弾性率及び損失弾性率、並びに、両面粘着シートのL字剥離試験により測定される剥離力及び定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)により測定される剥離距離が特定の範囲であるため、ねじれ接着性に優れる。このため、両面粘着シートを用いて貼付した被着体(光学部材)に曲げ、ねじれやひねりの応力が加わった場合にも、被着体の剥離が生じることがない。このため、得られた製品、特に曲げ、ねじれやひねりの応力が加わりやすい小型製品や携帯用の製品における接着信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、L字剥離試験における、L字型のステンレス製治具を示す概略図(斜視図)である。
【図2】図2は、L字剥離試験における、貼り合わせサンプル(L字型ステンレス製治具/両面粘着シート/アクリル板の貼り合わせ体)および測定時の引張方向を示す説明図(側面図)である。
【図3】図3は、定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)における、アクリル板、両面粘着シート(又は測定用サンプル)、錘の位置関係を示す説明図(斜視図)である。
【図4】図4は、定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)における、測定開始時の、アクリル板、両面粘着シート(又は測定用サンプル)、錘の位置関係を示す説明図(側面図)である。
【図5】図5は、定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)における、測定開始から3時間経過後の両面粘着シート(又は測定用サンプル)の剥離状態、及び、定荷重3時間剥離距離を示す説明図(側面図)である。
【図6】図6は、ねじれ接着性評価における試験片を示す概略図(平面図)である。
【図7】図7は、ねじれ接着性評価の試験方法(変形前)を示す説明図(側面図)である。
【図8】図8は、ねじれ接着性評価の試験方法(変形後)を示す説明図(側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の両面粘着シート(光学用粘着シート)は、両側の表面が粘着面(粘着剤層表面)となっている両面粘着シートである。また、本発明の両面粘着シートは、動的粘弾性測定により測定される、80℃における貯蔵弾性率が2.0×104Pa以上であり、80℃における損失弾性率が1.0×104Pa以上である粘着剤層(以下、「本発明の粘着剤層」と称する場合がある)を少なくとも1層有している。さらに、本発明の両面粘着シートは、後述のL字剥離試験により測定される剥離力が0.16MPa以上であり、後述の定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)により測定される剥離距離が50mm以下である。
【0018】
なお、本発明においては、「両面粘着シート」とは、テープ状及びシート状のいずれの形態も含むものとし、即ち、両面粘着シートおよび両面粘着テープを含む総称とする。
【0019】
本発明の両面粘着シートは、基材(基材層)を有しない、いわゆる「基材レスタイプ」の両面粘着シート(以下、「基材レス両面粘着シート」と称する場合がある)であってもよいし、基材を有するタイプの両面粘着シートであってもよい。また上記基材レス両面粘着シートは、上記の本発明の粘着剤層のみからなる両面粘着シートであってもよいし、本発明の粘着剤層と本発明の粘着剤層以外の粘着剤層(以下、「他の粘着剤層」と称する場合がある)とを有する両面粘着シートであってもよい。また、基材を有するタイプの両面粘着シートは、基材の少なくとも片面側に本発明の粘着剤層を有しておればよい。中でも、透明性などの光学特性向上等の観点からは、基材レス両面粘着シートが好ましく、より好ましくは、本発明の粘着剤層のみからなる基材レス両面粘着シートである。なお、上記の「基材(基材層)」には、両面粘着シートの使用時(貼付時)に剥離される剥離ライナー(セパレータ)は含まない。
【0020】
本発明の粘着剤層の、動的粘弾性測定により測定される80℃における貯蔵弾性率(以下、「貯蔵弾性率(80℃)」又は「G’(80℃)」と称する場合がある)は、2.0×104Pa以上であり、好ましくは2.0×104〜1.0×107Pa、より好ましくは3.0×104〜3.0×105Paである。貯蔵弾性率(80℃)が2.0×104Pa未満では、特に高温下において粘着剤層が柔らかく接着性が不十分となり、被着体である光学部材の剥離が生じやすくなる。また、1.0×107Paを超えると、曲げやねじれによる変形に粘着剤層が追従できず、剥離が生じる場合がある。
【0021】
本発明の粘着剤層の、動的粘弾性測定により測定される23℃における貯蔵弾性率(以下、「貯蔵弾性率(23℃)」又は「G’(23℃)」と称する場合がある)は、4.0×104Pa以上が好ましく、より好ましくは4.0×104〜1.0×108Pa、さらに好ましくは4.0×104〜1.0×106Paである。貯蔵弾性率(23℃)が4.0×104Pa未満では、粘着剤層が柔らかく接着性が不十分となり、被着体である光学部材の剥離が生じやすくなる場合がある。また、1.0×108Paを超えると、曲げやねじれによる変形に粘着剤層が追従できず、剥離が生じる場合がある。
【0022】
本発明の粘着剤層の、動的粘弾性測定により測定される80℃における損失弾性率(以下、「損失弾性率(80℃)」又は「G”(80℃)」と称する場合がある)は、1.0×104Pa以上であり、好ましくは1.0×104〜1.0×106Pa、より好ましくは1.0×104〜3.0×105Paである。損失弾性率(80℃)が1.0×104Pa未満では、特に高温下において粘着剤層が柔らかく接着性が不十分となり、被着体である光学部材の剥離が生じやすくなる。また、1.0×106Paを超えると、曲げやねじれによる変形に粘着剤層が追従できず、剥離が生じる場合がある。
【0023】
本発明の粘着剤層の、動的粘弾性測定により測定される23℃における損失弾性率(以下、「損失弾性率(23℃)」又は「G”(23℃)」と称する場合がある)は、1.0×104Pa以上が好ましく、より好ましくは1.0×104〜1.0×107Pa、さらに好ましくは1.0×104〜1.0×106Paである。損失弾性率(23℃)が1.0×104Pa未満では、特に高温下において粘着剤層が柔らかく接着性が不十分となり、被着体である光学部材の剥離が生じやすくなる場合がある。また、1.0×107Paを超えると、曲げやねじれによる変形に粘着剤層が追従できず、剥離が生じる場合がある。
【0024】
なお、上記貯蔵弾性率及び上記損失弾性率は動的粘弾性測定により測定される。例えば、粘着剤層を厚さ約1.5mm程度になるように複数層積層させ、Rheometric Scientific社製「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」にて、剪断モードで、周波数1Hzの条件で、−70〜200℃の範囲で昇温速度5℃/分で測定することができる。
【0025】
本発明の粘着剤層のゲル分率は、30〜80%(重量%)が好ましく、より好ましくは45〜80%である。上記ゲル分率は、酢酸エチル不溶分として求めることができ、具体的には、酢酸エチル中に23℃で7日間浸漬した後の不溶分の浸漬前の試料に対する重量分率(単位:重量%)として求められる。ゲル分率が30%未満では、粘着剤層が柔らかくなり、曲げ、ねじれやひねりが加わった場合に、粘着剤層の破壊が起こり剥離が生じる場合がある。一方、ゲル分率が80%を超えると、粘着剤層が硬くなり、曲げ、ねじれやひねりが加わった場合に、変形に追従できず剥離しやすくなり、ねじれ接着性が低下する場合がある。
【0026】
上記ゲル分率(溶剤不溶分の割合)は、具体的には、例えば、以下の「ゲル分率の測定方法」により算出される値である。
(ゲル分率の測定方法)
本発明の両面粘着シートから本発明の粘着剤層:約0.1gを採取し、平均孔径0.2μmの多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工株式会社製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とする。なお、該浸漬前重量は、粘着剤層(上記で採取した本発明の粘着剤層)と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸との総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸との合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とする。
次に、上記の粘着剤層をテトラフルオロエチレンシートで包み凧糸で縛ったもの(「サンプル」と称する)を、酢酸エチルで満たした50ml容器に入れ、23℃にて7日間静置する。その後、容器からサンプル(酢酸エチル処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥して酢酸エチルを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量とする。
そして、下記の式からゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=(A−B)/(C−B)×100 (1)
(式(1)において、Aは浸漬後重量であり、Bは包袋重量であり、Cは浸漬前重量である。)
【0027】
本発明の両面粘着シートにおける、本発明の粘着剤層表面のアクリル板に対する180°引き剥がし粘着力(以下、「180°引き剥がし粘着力(対アクリル板)」と称する場合がある)は、10N/25mm以上(例えば、10〜50N/25mm)が好ましく、より好ましくは15N/25mm以上である。180°引き剥がし粘着力(対アクリル板)が10N/25mm未満では、接着信頼性が低下する場合がある。なお、上記180°引き剥がし粘着力(対アクリル板)は、両面粘着シートを被着体であるアクリル板に貼付し、オートクレーブ中で50℃、5気圧、15分間の条件で処理した後に、180°剥離試験により測定することができる。より具体的には、例えば、被着体(試験板)として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)板[三菱レイヨン(株)製、「アクリライト MR−200」、厚さ1.5mm]を用い、本発明の両面粘着シートの本発明の粘着剤層表面を該被着体に貼り合わせた後、オートクレーブ中で50℃、5気圧、15分間の条件で処理した後に、JIS Z 0237に準拠し、引張速度200mm/分の条件で180°剥離することにより測定することができる。なお、測定面と反対側の粘着剤層表面(粘着面)には裏打ち材(PETフィルム、東レ(株)製、「ルミラー S−10」、厚さ25μm)を貼付して測定することができる。
【0028】
本発明の両面粘着シートにおける、本発明の粘着剤層表面の偏光板に対する180°引き剥がし粘着力(以下、「180°引き剥がし粘着力(対偏光板)」と称する場合がある)は、2N/25mm以上(例えば、2〜20N/25mm)が好ましく、より好ましくは2.5N/25mm以上である。180°引き剥がし粘着力(対偏光板)が2N/25mm未満では、接着信頼性が低下する場合がある。なお、上記180°引き剥がし粘着力(対偏光板)は、被着体として偏光板(日東電工(株)製、商品名「TEG1465DUHC」、ハードコート面)を用いる以外は、前述の180°引き剥がし粘着力(対アクリル板)と同様にして測定することができる。
【0029】
本発明の粘着剤層は、高い透明性を有していることが好ましく、例えば、可視光波長領域における全光線透過率(JIS K 7361に準じる)が90%以上であることが好ましく、さらに好ましくは91%以上である。また、本発明の粘着剤層のヘーズ値(JIS K 7136に準じる)は、例えば、1.0%未満が好ましく、より好ましくは0.8%未満である。なお、上記全光線透過率及びヘーズ値は、例えば、スライドガラス(例えば、全光線透過率91.8%、ヘーズ値0.4%のもの)に本発明の粘着剤層を貼り合わせ、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所製、商品名「HM−150」)を用いて測定することができる。
【0030】
また、本発明の両面粘着シートも、高い透明性を有していることが好ましく、例えば、可視光波長領域における全光線透過率(JIS K 7361に準じる)が90%以上であることが好ましく、さらに好ましくは91%以上である。また、本発明の両面粘着シートのヘーズ値(JIS K 7136に準じる)も、例えば、1.0%未満が好ましく、より好ましくは0.8%未満である。なお、上記全光線透過率及びヘーズ値は、例えば、スライドガラス(例えば、全光線透過率91.8%、ヘーズ値0.4%のもの)に本発明の両面粘着シートを貼り合わせ、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所製、商品名「HM−150」)を用いて測定することができる。
【0031】
本発明の両面粘着シートの、L字剥離試験により測定される剥離力(「L字剥離力」と称する場合がある)は、0.16MPa以上であり、好ましくは0.2〜1.0MPaである。上記L字剥離力は、曲げ、ねじれやひねりの応力が加わった際(応力が加わった瞬間)の剥離しやすさを表す。両面粘着シートのL字剥離力が0.16MPa未満では、ねじれ接着性が不十分であり、両面粘着シートを介して光学部材を貼付固定した製品に曲げ、ねじれやひねりの応力が加わった際に、光学部材が剥離し、製品の信頼性が低下する。
【0032】
上記のL字剥離試験は、以下の通りである(図1、図2参照)。
(L字剥離試験)
図1に示したL字型のステンレス製治具11[L字断面の長辺の長さ(高さ)100mm、L字断面の短辺の長さ30mm、幅30mm、板厚1.0mm]、及び、アクリル板[PMMA板、三菱レイヨン(株)製、「アクリライト MR−200」、長さ100mm×幅50mm×厚さ1.5mm]を用いる。
図2に示すように、上記のL字型ステンレス製治具11の底面(長さ30mm×幅30mmの面)と上記アクリル板12とを、両面粘着シート13(サイズ:長さ25mm×幅25mm)を介して貼り合わせた後、オートクレーブ中で50℃、5気圧の条件で15分間処理する。その後、引張試験機により、23℃、50%RHの条件下で、ステンレス製治具11を、アクリル板12の面と垂直方向に引張速度200mm/分で引っ張り、剥離力(MPa)を測定し、「L字剥離力」とする。
【0033】
本発明の両面粘着シートの、定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)により測定される剥離距離(「定荷重3時間剥離距離」と称する場合がある)は、50mm以下であり、好ましくは0〜45mm、より好ましくは0〜40mmである。上記定荷重3時間剥離距離は、長時間曲げ、ねじれやひねりの応力がかかった場合の剥離のしやすさを表す。両面粘着シートの定荷重3時間剥離距離が50mmを超えると、ねじれ接着性が不十分であり、両面粘着シートを介して光学部材を貼付固定した製品に曲げ、ねじれやひねりの応力が長時間加わった際に、光学部材が剥離し、製品の信頼性が低下する。
【0034】
上記の定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)は、以下の通りである。
アクリル板の片面に、両面粘着シート(幅20mm×長さ60mm)の本発明の粘着剤層側表面を貼付した後、オートクレーブ中で50℃、5気圧の条件で15分間処理した後、両面粘着シートの長さ方向の末端に、アクリル板の表面と垂直方向(アクリル板から離れる方向)に100gfの荷重をかける。その後、23℃、50%RHの条件下で、3時間放置し、両面粘着シートの剥離した長さ(剥離距離)を測定し、「定荷重3時間剥離距離」とする。
【0035】
より具体的な試験方法としては、例えば、以下の通りである(図3〜5参照)。
[定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)]
アクリル板[PMMA板、三菱レイヨン(株)製、「アクリライト MR−200」、長さ100mm×幅30mm×厚さ1.5mm]の片面に、両面粘着シート(幅20mm×長さ60mm)の本発明の粘着剤層側表面を貼付した後、オートクレーブ中で50℃、5気圧の条件で15分間処理する。
次いで、図3、図4に示すように、上記アクリル板21を、両面粘着シート22を貼付した面が下面になるように水平に設置する。両面粘着シート22を、長さ方向の末端(片末端)から長さ方向に5mm剥離し、長さ方向の端部(幅方向の中心位置)から、100gの錘23をひもで吊し、両面粘着シート22の長さ方向の末端に、アクリル板の表面と垂直方向に100gfの荷重をかける。
その後、23℃、50%RHの条件下で、3時間放置し、両面粘着シート22の剥離距離26を測定し、「定荷重3時間剥離距離」とする。
なお、上記剥離距離は、測定開始時から3時間経過する間に両面粘着シートが剥離した長さ(長さ方向の距離)であり、測定開始時に両面粘着シートとアクリル板が密着している末端位置24から、3時間経過後に両面粘着シートとアクリル板が密着している末端位置25までの距離26をいう(図4、図5参照)。
なお、両面粘着シートは、アクリル板側とは反対側の粘着面上に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼付(裏打ち)して測定に用いてもよい。
【0036】
本発明の両面粘着シートの、定荷重剥離試験(荷重100gf、24時間)により測定される剥離距離(「定荷重24時間剥離距離」と称する場合がある)は、50mm以下であり、好ましくは0〜45mm、より好ましくは0〜40mmである。上記定荷重24時間剥離距離は、定荷重3時間剥離距離よりも、さらに長時間曲げ、ねじれやひねりの応力がかかった場合の剥離のしやすさを表す。上記の定荷重剥離試験(荷重100gf、24時間)は、放置時間を3時間から24時間に変更し、「測定開始時から3時間経過する間に両面粘着シートが剥離した長さ」にかえて、「測定開始時から24時間経過する間に両面粘着シートが剥離した長さ」を測定する以外は、前述の「定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)」と同じ方法で測定することができる。
【0037】
本発明の両面粘着シートにおいては、本発明の粘着剤層の貯蔵弾性率(80℃)及び損失弾性率(80℃)が上記の特定範囲にあることにより、比較的高温条件下においても、粘着剤層が軟化し過ぎることがなく、ねじれ接着性が向上する。
【0038】
また、本発明の両面粘着シートは、L字剥離力が上記特定の範囲にあるため、曲げ、ねじれやひねりの応力が加わった瞬間に剥離しにくく、さらに、定荷重3時間剥離距離が上記特定の範囲にあるため、曲げ、ねじれやひねりの応力が長時間加わった場合にも剥離しにくい。
【0039】
さらに、本発明の両面粘着シートにおける本発明の粘着剤層側の表面の180°引き剥がし粘着力(対アクリル板)が上記範囲にある場合には、特に、アクリル板に貼付した際に、アクリル板から剥がれにくく、発泡しにくくなる。また、本発明の両面粘着シートにおける本発明の粘着剤層側の表面の180°引き剥がし粘着力(対偏光板)が上記範囲にある場合には、特に、偏光板に貼付した際に、偏光板から剥がれにくく、発泡しにくくなる。このため、特に光学用途に適した両面粘着シートとなる。
【0040】
本発明の粘着剤層の厚さは、特に制限されないが、50〜600μmが好ましく、より好ましくは70〜500μm、さらに好ましくは70〜250μmである。粘着剤層厚さが50μm未満では、粘着剤層が薄く、曲げ変形やねじれ変形に追従できなくなるため、ねじれ接着性が低下する場合があり、600μmを超えると加工性が低下する場合がある。なお、本発明の粘着剤層は、単層、積層体のいずれの形態を有していてもよい。
【0041】
本発明の両面粘着シートの総厚み(一方の粘着面から他方の粘着面までの厚さ)は、50〜600μmが好ましく、より好ましくは70〜500μm、さらに好ましくは70〜250μmである。両面粘着シートの総厚みが50μm未満では、粘着剤層が薄く、曲げ変形やねじれ変形に追従できなくなるため、ねじれ接着性が低下する場合があり、600μmを超えると加工性が低下する場合がある。
【0042】
本発明の両面粘着シートにおける本発明の粘着剤層は、貯蔵弾性率(80℃)が2.0×104Pa以上であり、損失弾性率(80℃)が1.0×104Pa以上であって、かつ、両面粘着シートのL字剥離力が0.16MPa以上、定荷重3時間剥離距離が50mm以下となる粘着剤層であればよく、粘着剤層を形成する粘着剤の種類は特に制限されない。本発明の粘着剤層を形成するための粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤などの公知の粘着剤が挙げられる。これらの粘着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型(溶液型)粘着剤、活性エネルギー線硬化型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが使用できる。
【0043】
本発明の粘着剤層を形成するための粘着剤としては、上記の中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。即ち、本発明の粘着剤層はアクリル系粘着剤層であることが好ましい。上記アクリル系粘着剤層は、アクリル系モノマーを必須の単量体(モノマー)成分として形成されるアクリル系ポリマーをベースポリマーとして含有する粘着剤層である。該アクリル系ポリマーは、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを必須のモノマー成分として(さらに好ましくは、主たるモノマー成分として)形成されるアクリル系ポリマーであることが好ましい。
【0044】
また、本発明の粘着剤層におけるベースポリマーであるアクリル系ポリマーを形成するモノマー成分には、さらに、極性基含有単量体、多官能性単量体やその他の共重合性単量体が共重合モノマー成分として含まれていてもよい。
【0045】
なお、上記の「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を表し、他も同様である。また、特に限定されないが、ベースポリマーであるアクリル系ポリマーの本発明の粘着剤層中の含有量は、粘着剤層の総重量(100重量%)に対して、60重量%以上(例えば、60〜100重量%)であることが好ましく、より好ましくは80〜100重量%である。
【0046】
上記の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、単に「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」と称する場合がある)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどのアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、アルキル基の炭素数が1〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。特に、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)が好ましい。
【0047】
また、上記の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル[アルコキシアルキル(メタ)アクリレート]としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−エトキシブチルなどが挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、アクリル酸アルコキシアルキルエステル[アルコキシアルキルアクリレート]が好ましく、アクリル酸2−メトキシエチル(2MEA)が特に好ましい。
【0048】
なお、上記のアクリル系ポリマーを形成する必須のモノマー成分[(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル]の含有量は、粘着剤層の接着性の観点から、アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、5重量%以上(例えば、5〜100重量%)が好ましく、より好ましくは30〜100重量%である。なお、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの両方が用いられている場合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量と(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの含有量の合計量(合計含有量)が上記の範囲を満たせばよい。
【0049】
上記の極性基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体又はその無水物(無水マレイン酸など);(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコールなどのヒドロキシル基(水酸基)含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有単量体;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系単量体;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有単量体;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単量体などが挙げられる。上記極性基含有単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。極性基含有単量体としては、上記の中でも、カルボキシル基含有単量体又はその酸無水物、ヒドロキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体、複素環含有ビニル系単量体が好ましく、特に好ましくはアクリル酸(AA)、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)である。
【0050】
上記の極性基含有単量体の含有量は、アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、35重量%以下(例えば、0.01〜35重量%)が好ましく、より好ましくは0.5〜35重量%である。含有量が35重量%を超えると、例えば、粘着剤層の凝集力が高くなりすぎ、接着性が低下する場合がある。また、含有量が0.01重量%未満で少なすぎると、接着性が低下する場合がある。
【0051】
上記の多官能性単量体としては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。上記多官能性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。多官能性単量体としては、上記の中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)が好ましい。
【0052】
上記の多官能性単量体の含有量は、アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分全量(100重量%)に対して0.5重量%以下(例えば、0〜0.5重量%)が好ましく、より好ましくは0〜0.3重量%である。含有量が0.5重量%を超えると、例えば、粘着剤層の凝集力が高くなりすぎ、接着性が低下するおそれがある。なお、架橋剤を用いる場合には多官能性単量体は用いなくてもよいが、架橋剤を用いない場合には多官能性単量体の含有量は0.001〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは0.002〜0.1重量%である。
【0053】
また、上記の極性基含有単量体や多官能性単量体以外の共重合性単量体(その他の共重合性単量体)としては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルやフェニル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどの前述の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルや極性基含有単量体や多官能性単量体以外の(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニルなどが挙げられる。
【0054】
上記のアクリル系ポリマーは、上記のモノマー成分を公知乃至慣用の重合方法により重合して調製することができる。アクリル系ポリマーの重合方法としては、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法や活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)などが挙げられる。上記の中でも透明性、耐水性、コストなどの点で、溶液重合方法、活性エネルギー線重合方法が好ましく、特に比較的厚い粘着剤層を形成する場合には、活性エネルギー線重合(光重合と称する場合がある)方法が好ましく、中でも、紫外線照射による紫外線重合方法が好ましい。
【0055】
上記の活性エネルギー線重合(光重合)に際して照射される活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適である。
【0056】
活性エネルギー線重合(光重合)の際の、上記活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などは、光重合開始剤を活性化させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよく、特に限定されない。
【0057】
上記の溶液重合に際しては、各種の一般的な溶剤を用いることができる。このような溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などの有機溶剤が挙げられる。溶剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0058】
上記のアクリル系ポリマーの調製に際しては、重合反応の種類に応じて、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)などの重合開始剤を用いることができる。重合開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0059】
上記光重合開始剤としては、特に制限されず、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などを用いることができる。光重合開始剤の使用量としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分全量100重量部に対して0.01〜0.2重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜0.15重量部である。
【0060】
上記のベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾインなどが含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、例えば、ベンジルなどが含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤は、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3、3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが含まれる。ケタール系光重合開始剤には、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが含まれる。
【0061】
上記熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤[例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなど]、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなど)、レドックス系重合開始剤などが挙げられる。熱重合開始剤の使用量としては、特に制限されず、従来、熱重合開始剤として利用可能な範囲であればよい。
【0062】
本発明の粘着剤層には、必要に応じて、架橋剤、架橋促進剤、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂など)、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を、本発明の特性を損なわない範囲で用いることができる。また、粘着剤層を形成する際には、各種の一般的な溶剤を用いることもできる。溶剤の種類としては、特に限定されず、前述の溶液重合に際して用いられる溶剤として例示されたものなどを用いることができる。
【0063】
上記架橋剤は、粘着剤層のベースポリマー(例えば、上記のアクリル系ポリマーなど)を架橋することにより、粘着剤層のゲル分率をコントロールすることができる。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤を好適に用いることできる。架橋剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0064】
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネ−ト、水素添加キシレンジイソシアネ−トなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられ、その他、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]なども用いられる。
【0065】
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。市販品としては、例えば、三菱ガス化学(株)製、商品名「テトラッドC」を用いることができる。
【0066】
上記架橋剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤層の場合には、アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分全量100重量部に対して0〜1重量部が好ましく、より好ましくは0〜0.8重量部である。
【0067】
本発明の粘着剤層の形成方法は、公知慣用の粘着剤層の形成方法を用いることが可能であり、またベースポリマーの重合方法などによっても異なり、特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(3)などの方法が挙げられる。(1)ベースポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)を形成するモノマー成分の混合物(モノマー混合物)又はその部分重合物及び必要に応じて光重合開始剤や架橋剤などの添加剤を含む組成物を、基材または剥離ライナー上に塗布(塗工)し、活性エネルギー線(特に、紫外線が好ましい)を照射して、粘着剤層を形成する。(2)ベースポリマー、溶剤、必要に応じて架橋剤などの添加剤を含む組成物(溶液)を、基材または剥離ライナー上に塗布(塗工)し、乾燥および/または硬化して粘着剤層を形成する。(3)上記(1)で形成した粘着剤層をさらに乾燥させる。上記の中でも、比較的厚みの厚い粘着剤層(例えば、厚さが70μm以上の粘着剤層)を形成する場合には、上記(1)又は(3)の粘着剤層の形成方法が好ましい。即ち、本発明の粘着剤層は、モノマー混合物又はその部分重合物及び必要に応じて光重合開始剤や架橋剤などの添加剤を含む組成物に、活性エネルギー線(特に、紫外線)を照射して形成された粘着剤層が好ましい。なお、上記「モノマー混合物」とはベースポリマーを形成するモノマー成分のみからなる混合物を意味する。また、上記「部分重合物」とは、上記モノマー混合物の構成成分のうち1又は2以上の成分が部分的に重合している組成物を意味する。
【0068】
なお、上記の粘着剤層の形成方法における塗布(塗工)には、公知のコーティング法を用いることが可能であり、慣用のコーター、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーターなどを用いることができる。
【0069】
本発明の粘着剤層がアクリル系粘着剤層である場合、粘着剤層の貯蔵弾性率(80℃)、損失弾性率(80℃)や両面粘着シートのL字剥離力、定荷重3時間剥離距離は、アクリル系ポリマーを形成するモノマーの種類や含有量や架橋剤の種類や使用量等を上記の範囲内で適宜調整することにより、調整することができる。
【0070】
(基材)
本発明の両面粘着シートが基材を有するタイプの両面粘着シートである場合、基材としては、特に制限されないが、プラスチックフィルム、反射防止(AR)フィルム、偏光板、位相差板などの各種光学フィルムが挙げられる。上記プラスチックフィルムなどの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリサルフォン、ポリアリレート、商品名「アートン(環状オレフィン系ポリマー;JSR社製)」、商品名「ゼオノア(環状オレフィン系ポリマー;日本ゼオン社製)」等の環状オレフィン系ポリマーなどのプラスチック材料が挙げられる。なお、プラスチック材料は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、上記の「基材」とは、両面粘着シートを被着体(光学部材等)に使用(貼付)する際には、粘着剤層とともに被着体に貼付される部分である。両面粘着シートの使用時(貼付時)に剥離される剥離ライナー(セパレータ)は「基材」には含まない。
【0071】
上記の中でも、基材としては、透明基材が好ましい。上記「透明基材」とは、例えば、可視光波長領域における全光線透過率(JIS K 7361に準じる)が85%以上である基材が好ましく、さらに好ましくは90%以上である基材をいう。また、上記透明基材としては、PETフィルムや、商品名「アートン」、商品名「ゼオノア」などの無配向フィルムが挙げられる。
【0072】
上記基材の厚さは、特に限定されず、例えば、25〜50μmが好ましい。なお、上記基材は単層および複層のいずれの形態を有していてもよい。また、基材表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理などの適宜な公知乃至慣用の表面処理が施されていてもよい。
【0073】
(他の粘着剤層)
本発明の両面粘着シートが、他の粘着剤層を有する場合、他の粘着剤層としては、特に制限されず、例えば、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤から形成された公知慣用の粘着剤層が挙げられる。上記粘着剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0074】
(剥離ライナー)
本発明の両面粘着シートの粘着剤層表面(粘着面)は、使用時までは剥離ライナー(セパレータ)により保護されていてもよい。なお、両面粘着シートの各粘着面は、2枚の剥離ライナーによりそれぞれ保護されていてもよいし、両面が剥離面となっている剥離ライナー1枚により、ロール状に巻回される形態で保護されていてもよい。剥離ライナーは粘着剤層の保護材として用いられており、被着体に貼着する際に剥がされる。また、本発明の両面粘着シートが基材レス両面粘着シートの場合には、剥離ライナーは粘着剤層の支持体の役割も担う。なお、剥離ライナーは必ずしも設けられていなくてもよい。上記剥離ライナーとしては、慣用の剥離紙などを使用でき、特に限定されないが、例えば、剥離処理層を有する基材、フッ素系ポリマーからなる低接着性基材や無極性ポリマーからなる低接着性基材などを用いることができる。上記剥離処理層を有する基材としては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等が挙げられる。上記フッ素系ポリマーからなる低接着性基材におけるフッ素系ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられる。上記無極性ポリマーからなる低接着性基材における無極性ポリマーとしては、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)等が挙げられる。なお、剥離ライナーは公知乃至慣用の方法により形成することができる。また、剥離ライナーの厚さ等も特に制限されない。
【0075】
本発明の両面粘着シートは、光学用途に用いられる光学用両面粘着シートである。より具体的には、光学部材を貼り合わせる用途(光学部材貼り合わせ用)や光学製品の製造用途などに用いられる。
【0076】
上記光学部材とは、光学的特性(例えば、偏光性、光屈折性、光散乱性、光反射性、光透過性、光吸収性、光回折性、旋光性、視認性など)を有する部材をいう。光学部材としては、光学的特性を有する部材であれば、特に限定されないが、例えば、表示装置(画像表示装置)、入力装置等の機器(光学機器)を構成する部材又はこれらの機器に用いられる部材が挙げられ、例えば、偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、導光板、反射フィルム、反射防止フィルム、透明導電フィルム(ITOフィルムなど)、意匠フィルム、装飾フィルム、表面保護フィルム、プリズム、レンズ、カラーフィルター、透明基板や、さらにはこれらが積層されている部材が挙げられる。なお、上記の「板」及び「フィルム」は、それぞれ板状、フィルム状、シート状等の形態をも含むものとし、例えば、「偏光板」は「偏光フィルム」、「偏光シート」も含むものとする。
【0077】
上記表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパーなどが挙げられる。また、上記入力装置としては、タッチパネルなどが挙げられる。
【0078】
本発明の両面粘着シートは、上記の中でも、液晶表示装置を構成する部材又は液晶表示装置に用いられる部材を貼り合わせる用途(液晶表示装置用光学部材貼り合わせ用)に用いられることが好ましい。さらに具体的には、例えば、偏光板とレンズの貼り合わせ、液晶表示装置とタッチパネルの貼り合わせ等に好ましく用いられる。
【0079】
上記の光学部材としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ガラス、金属薄膜などからなる部材(例えば、シート状やフィルム状、板状の部材など)などが挙げられる。なお、本発明における「光学部材」には、上記の通り、被着体である表示装置や入力装置の視認性を保ちながら加飾や保護の役割を担う部材(意匠フィルム、装飾フィルムや表面保護フィルム等)も含むものとする。
【0080】
本発明の両面粘着シートによる光学部材の貼り合わせの態様としては、特に限定されないが、例えば、(1)本発明の両面粘着シートを介して光学部材同士を貼り合わせる態様、(2)本発明の両面粘着シートを介して光学部材を光学部材以外の部材に貼り合わせる態様であってもよいし、(3)光学部材を含む本発明の両面粘着シートを、光学部材または光学部材以外の部材に貼り合わせる態様であってもよい。なお、上記(3)の態様においては、本発明の両面粘着シートは基材が光学部材(偏光フィルムをはじめとする光学フィルムなど)である両面粘着シートであることが好ましい。
【0081】
なお、光学部材の表面(少なくとも片面)に、本発明の両面粘着シートを、貼付、積層することにより、光学部材の少なくとも片面に粘着剤層(本発明の粘着剤層であることが好ましい)を有する粘着型光学部材を得ることができる。
【実施例】
【0082】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、各実施例および比較例における、プレポリマー組成物を作製する際のモノマーの配合組成[モノマー種及びモノマー割合(重量比)]、アクリル系粘着剤層形成用組成物の配合組成を表1に示した。
【0083】
実施例1
アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)70重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)26重量部、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)4重量部が混合された混合物に、光重合開始剤として、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア184」0.05重量部及びチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア651」0.05重量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度30℃)が約20Pa.sになるまで紫外線を照射して、上記モノマー成分の一部が重合したプレポリマー組成物を作製した。
【0084】
上記プレポリマー組成物100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネートL」)を固形分換算で0.05重量部添加して、アクリル系粘着剤層形成用組成物を作製した。
【0085】
上記アクリル系粘着剤層形成用組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)セパレータ(三菱樹脂(株)製、「MRF75」)上に塗布し、塗布層を形成した。
次いで、上記塗布層上に、PETセパレータ(三菱樹脂(株)製、「MRF38」)を設け、塗布層を被覆して酸素を遮断した。
その後、このシート(MRF75/塗布層/MRF38の積層体)の上面(MRF38側)からブラックライト(東芝製)にて、照度5mW/cm2の紫外線を300秒間照射した。さらに、120℃の乾燥機で2分間熱処理を行い、残存モノマーを揮発させて、粘着剤層(アクリル系粘着剤層)を形成し、さらに50℃で1週間加温エージングを行い、厚み(粘着剤層厚み)が151μmの両面粘着シート(基材レス両面粘着シート)を得た。
【0086】
実施例2
表1に示すように、コロネートLの添加量および粘着剤層厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして、プレポリマー組成物、アクリル系粘着剤層形成用組成物及び両面粘着シート(基材レス両面粘着シート)を得た。
【0087】
実施例3、4
表1に示すように、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)80重量部、アクリル酸2−メトキシエチル(2MEA)11.5重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)7重量部、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)1.5重量部が混合された混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、プレポリマー組成物を作製した。
上記で得られたプレポリマー組成物に、表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(「コロネートL」)を添加し、アクリル系粘着剤層形成用組成物を作製した。
また、上記アクリル系粘着剤層形成用組成物を用い、粘着剤層厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして、両面粘着シート(基材レス両面粘着シート)を得た。
【0088】
比較例1、2
表1に示すように、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)99重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA)1重量部が混合された混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、プレポリマー組成物を作製した。
上記で得られたプレポリマー組成物に、表1に示すように、イソシアネート系架橋剤(「コロネートL」)を添加し、アクリル系粘着剤層形成用組成物を作製した。
また、上記アクリル系粘着剤層形成用組成物を用い、粘着剤層厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして、両面粘着シート(基材レス両面粘着シート)を得た。
【0089】
(評価)
上記の実施例および比較例で得られた両面粘着シート(アクリル系粘着剤層)について、以下の評価を行った。評価結果は表1に示した。なお、ゲル分率は前述の方法で測定した。
【0090】
(1)動的粘弾性測定[貯蔵弾性率(80℃)、貯蔵弾性率(23℃)、損失弾性率(80℃)、損失弾性率(23℃)]
実施例および比較例で得られた両面粘着シートからセパレータを剥離して、アクリル系粘着剤層のみを積層して、厚さ約1.5mmのアクリル系粘着剤層の積層体を作製し、測定サンプルとした。
上記測定サンプルを、Rheometric Scientific社製「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」を用いて、剪断モードで、周波数1Hzの条件で、−70〜200℃の範囲で昇温速度5℃/分で測定して、貯蔵弾性率、損失弾性率を算出した。温度80℃における貯蔵弾性率、損失弾性率を、それぞれ「貯蔵弾性率(80℃)」、「損失弾性率(80℃)」とした。また、温度23℃における貯蔵弾性率、損失弾性率を、それぞれ「貯蔵弾性率(23℃)」、「損失弾性率(23℃)」とした。
【0091】
(2)L字剥離試験[L字剥離力](図1、図2参照)
実施例および比較例で得られた両面粘着シートを、長さ25mm×幅25mmに切り出して用いた。
治具として、図1に示したL字型のステンレス製治具11[L字断面の長辺の長さ(高さ)100mm、L字断面の短辺の長さ30mm、幅30mm、板厚1.0mm]を用いた。また、上記治具と貼り合わせる被着体として、アクリル板[PMMA板、三菱レイヨン(株)製、「アクリライト MR−200」、長さ100mm×幅50mm×厚さ1.5mm]を用いた。
図2に示すように、上記のL字型ステンレス製治具11の下面(30mm×30mmの面)の中央部分に、片面側のセパレータを剥離した両面粘着シート13を、2kgローラー[2kgのゴムローラー(幅:約50mm)]を用いて片道1回で圧着した。
次いで、上記の両面粘着シート13を貼付したL字型ステンレス製治具11を、両面粘着シート13から残りのセパレータを剥離して、上記のアクリル板12に、2kgローラーを用いて片道1回で圧着した。これにより、図2に示す貼り合わせサンプル14(L字型ステンレス製治具11/両面粘着シート13/アクリル板12の貼り合わせ体)を得た。
上記の貼り合わせサンプル14を、オートクレーブ中で、50℃、5気圧の条件で15分間処理した。
上記処理後、オートクレーブにより貼り合わせサンプル14を取り出し、23℃、50%RHの条件下で、引張試験機(ミネベア(株)製、型番「TCM−1kNB」)を用いて、貼り合わせサンプル14におけるL字型ステンレス製治具11の剥離力を測定した。測定は、アクリル板12を固定し、ステンレス製治具11を、アクリル板の表面と垂直方向に、引張速度200mm/分で引っ張り、剥離力(粘着力)(MPa)を測定し、「L字剥離力」とした。なお、剥離曲線における最大値を、剥離力とした。
【0092】
(3)定荷重剥離試験[定荷重1時間剥離距離、定荷重3時間剥離距離、定荷重24時間剥離距離](図3、4、5参照)
(3−1)定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)[定荷重3時間剥離距離]
実施例および比較例で得られた両面粘着シートを、幅20mm×長さ60mmに切り出し、片面側の粘着面上のセパレータを剥離して、該粘着面にPETフィルム(東レ(株)製、商品名「ルミラー S−10」、厚み25μm)を貼付(裏打ち)し、測定用サンプル22(両面粘着シート/PETフィルムの貼り合わせ体)とした。
上記の測定用サンプル22を、両面粘着シートから残りのセパレータを剥離して、露出させた粘着面側を、アクリル板21[PMMA板、三菱レイヨン(株)製、「アクリライト MR−200」、長さ100mm×幅30mm×厚さ1.5mm]の片面(中央部)に、2kgローラーを用いて片道1回で圧着した。
次いで、上記の測定用サンプル22を貼付したアクリル板21を、オートクレーブ中で、50℃、5気圧の条件で15分間処理した。
上記処理後、オートクレーブにより、上記の測定用サンプル22を貼付したアクリル板21を取り出し、該アクリル板21を、クランプを用いて、測定用サンプル22を貼付した面が下側になるように水平に設置した(図3、図4)。
図3、図4に示すように、アクリル板21から、測定用サンプル22を、サンプルの長さ方向の末端から長さ方向に5mm剥離した。さらに、測定用サンプル22の長さ方向の端部(上記剥離した部分)から、100gの錘23をひもで吊し、アクリル板21の表面と垂直(下)方向に100gf(0.98N)の荷重をかけた。なお、上記の錘23は、測定用サンプル22の幅方向の中央、長さ方向の末端から5mmの部分に穴をあけて通したひもの先に取り付けた。
上記のように荷重をかけた後、23℃、50%RHの条件下で、3時間放置した。測定開始時から3時間経過する間(3時間放置の間)に測定用サンプル22が剥離した距離(剥離距離)26を測定し、「定荷重3時間剥離距離」とした。
なお、上記剥離距離26は、測定用サンプル22の長さ方向における剥離距離であり、測定開始時に両面粘着シートとアクリル板が密着している末端位置24から、3時間経過後に両面粘着シートとアクリル板が密着している末端位置25までの距離26をいう(図4、図5参照)。上記剥離距離26は測定サンプル22の幅方向の中心位置で測定する。
また、測定用サンプル22が全て剥離して、測定用サンプル22及び錘23が落下した場合(剥離距離が50mmを超える)には、表1では「落下」と表記した。
【0093】
(3−2)定荷重剥離試験(荷重100gf、1時間)[定荷重1時間剥離距離]及び定荷重剥離試験(荷重100gf、24時間)[定荷重24時間剥離距離]
なお、上記の3時間放置を1時間放置に変更した以外は、上記と全く同様にして剥離距離を測定し、「定荷重1時間剥離距離」とした。また、上記の3時間放置を24時間放置に変更した以外は、上記と全く同様にして剥離距離を測定し、「定荷重24時間剥離距離」とした。
【0094】
(4)180°引き剥がし粘着力(対アクリル板、対偏光板)
実施例および比較例で得られた両面粘着シートから、幅25mm×長さ100mmのシート片を切り出し、セパレータを剥離して、一方の粘着面(測定面と反対面)にPETフィルム(東レ(株)製、「ルミラー S−10」、厚さ25μm)を貼付(裏打ち)して、短冊状のシート片を作製した。
次いで、上記短冊状のシート片からセパレータを剥離して、もう一方の粘着面(測定面)を試験板に2kgローラーを用いて片道1回で圧着し、測定サンプルを作製した。
上記測定サンプルを、オートクレーブ中で50℃、5気圧の条件で15分間処理した後、オートクレーブにより取り出し、引張試験機を用いて、JIS Z0237に準拠して180°剥離試験を行い、試験板に対する180°ピール引き剥がし強度(180°引き剥がし粘着力)(N/25mm)を測定した。測定は、23℃、50%RHの雰囲気下、剥離角度180°、引張速度200mm/分の条件で行った。試験回数(n数)は3回とした。
試験板として、アクリル板(PMMA板、三菱レイヨン(株)製、「アクリライト MR−200」、厚さ1.5mm)を用いた場合の180°ピール引き剥がし強度を、「180°引き剥がし粘着力(対アクリル板)」とした。
また、試験板として、偏光板(日東電工(株)製、商品名「TEG1465DUHC」、ハードコート面)を用いた場合の180°ピール引き剥がし強度を、「180°引き剥がし粘着力(対偏光板)」とした。
【0095】
(5)ねじれ接着性評価(図6、図7、図8参照)
[試験片の作製(図6)]
アクリル板(PMMA板、三菱レイヨン(株)製、「アクリライト MR−200」、幅100mm×長さ200mm×厚さ1.5mm)の片面側(全面)に、偏光板(日東電工(株)製、商品名「TEG1465DUHC」、幅100mm×長さ200mm、片面側に粘着剤層を有する)のハードコート面とは反対側の面(粘着剤層側の面)を貼り合わせ、アクリル板と偏光板の貼り合わせ体31(アクリル板/偏光板)を作製した。
実施例および比較例で得られた両面粘着シートから、幅50mm×長さ50mmのシート片を切り出し、片面側の粘着面上のセパレータを剥離して、アクリル板(PMMA板、三菱レイヨン(株)製、「アクリライト MR−200」、幅50mm×長さ50mm×厚さ1.5mm)の片面側(全面)に貼り合わせ、アクリル板と両面粘着シートの貼り合わせ体32(アクリル板/両面粘着シート)を作製した。
図6に示すように、上記のアクリル板と両面粘着シートの貼り合わせ体32を、貼り合わせ体32の両面粘着シートからもう一方のセパレータを剥離して、上記のアクリル板と偏光板の貼り合わせ体31の中心に貼り合わせて、23℃、50%RHの雰囲気下、1日間放置し、ねじれ接着性評価用の試験片とした。
なお、貼り合わせ体32の両面粘着シート側と、貼り合わせ体31の偏光板のハードコート面側が接するように、貼り合わせ体31と貼り合わせ体32を貼り合わせた。
【0096】
[評価方法(図7、図8)]
23℃、50%RHの雰囲気下で評価を行った。
図7に示すように、上記で作製した試験片の下から20mmの部分(図6の33の部分)を、ジャッキ34で固定した。
次いで、図8に示すように、試験片を45°の角度に(試験片の先端とジャッキ固定部分が45°の角度をなすように)、貼り合わせ体31及び32の面方向に曲げた。
上記曲げた状態で、60秒間保持した後、貼り合わせ体32の貼り合わせ体31からの剥がれ(浮き)35を観察した。
サンプル数(N数)は2で行った。
【0097】
(6)透明性(全光線透過率、ヘーズ値)
実施例、比較例で得られた両面粘着シートを、一方のセパレータを剥離して、スライドガラス(松浪硝子工業(株)製、商品名「S−1111」、全光線透過率91.8%、ヘーズ値0.4%)に貼り合わせ、その後もう一方のセパレータを剥離して、両面粘着シート(アクリル系粘着剤層)/スライドガラスの層構成を有する試験片を作製した。
該試験片の全光線透過率及びヘーズ値(%)を、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所製、商品名「HM−150」)を用いて測定した。なお、ヘーズ値(%)は、「拡散透過率/全光線透過率×100」の式を利用して求めた。
【0098】
【表1】

【0099】
評価結果からもわかるとおり、本発明の両面粘着シート(実施例)は、ねじれ接着性評価で剥がれ(浮き)が生じず、優れたねじれ接着性を示した。一方、L字剥離力が小さすぎる場合や定荷重3時間剥離距離が大きすぎる場合など、本発明の規定を満たさない両面粘着シート(比較例)は、ねじれ接着性評価で剥がれ(浮き)が発生し、ねじれ接着性に劣るものであった。なお、ねじれ接着性評価で剥がれ(浮き)が生じない両面粘着シートは、実際に携帯電話やデジタルカメラ等のウィンドウレンズとLCDの貼り合わせに用い、ウィンドウレンズに曲げ、ねじれやひねりの応力が加わった場合にも、ウィンドウレンズと両面粘着シート、又は、LCD表面と両面粘着シートの剥がれなどの不具合が生じないことが経験上わかっている。
【符号の説明】
【0100】
11 L字型ステンレス製治具
12 アクリル板
13 両面粘着シート
14 貼り合わせサンプル(L字型ステンレス製治具/両面粘着シート/アクリル板)
21 アクリル板
22 両面粘着シート[又は測定用サンプル(両面粘着シート/PETフィルム)]
23 錘
24 測定開始時に両面粘着シート(又は測定用サンプル)とアクリル板が密着している末端位置
25 3時間経過後に両面粘着シート(又は測定用サンプル)とアクリル板が密着している末端位置
26 剥離距離(定荷重3時間剥離距離)
31 アクリル板と偏光板の貼り合わせ体
32 アクリル板と両面粘着シートの貼り合わせ体
33 固定部分
34 ジャッキ
35 浮き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的粘弾性測定により測定される、80℃における貯蔵弾性率が2.0×104Pa以上、80℃における損失弾性率が1.0×104Pa以上である粘着剤層を有する光学用粘着シートであって、
該粘着シートの、下記のL字剥離試験により測定される剥離力が0.16MPa以上であり、下記の定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間)により測定される剥離距離が50mm以下であることを特徴とする光学用粘着シート。
L字剥離試験:L字型のステンレス製治具とアクリル板とを、粘着シート(サイズ:長さ25mm×幅25mm)を介して貼り合わせた後、オートクレーブ中で50℃、5気圧の条件で15分間処理する。その後、23℃、50%RHの条件下で、ステンレス製治具を、アクリル板の面と垂直方向に引張速度200mm/分で引っ張り、剥離力を測定する。
定荷重剥離試験(荷重100gf、3時間):アクリル板の片面に、粘着シート(幅20mm×長さ60mm)の上記粘着剤層側表面を貼付した後、オートクレーブ中で50℃、5気圧の条件で15分間処理する。その後、23℃、50%RHの条件下で、粘着シートの長さ方向の末端に、アクリル板の表面と垂直方向に100gfの荷重をかけ、3時間経過後の粘着シートの剥離距離を測定する。
【請求項2】
可視光波長領域における全光線透過率が90%以上であり、ヘーズ値が1.0%未満である請求項1に記載の光学用粘着シート。
【請求項3】
引張速度200mm/分で測定した、アクリル板に対する180°引き剥がし粘着力が、10N/25mm以上である請求項1または2に記載の光学用粘着シート。
【請求項4】
前記粘着剤層のゲル分率が、30〜80重量%である請求項1〜3のいずれかの項に記載の光学用粘着シート。
【請求項5】
前記粘着剤層がアクリル系粘着剤層である請求項1〜4のいずれかの項に記載の光学用粘着シート。
【請求項6】
前記アクリル系粘着剤層が、直鎖状又は分岐鎖状の、炭素数が1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを必須のモノマー成分として形成されるアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤層である請求項5に記載の光学用粘着シート。
【請求項7】
前記粘着剤層が、モノマー混合物又はその部分重合物を含む組成物に、紫外線を照射して形成された粘着剤層である請求項1〜6のいずれかの項に記載の光学用粘着シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−99073(P2011−99073A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256033(P2009−256033)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】