説明

光学素子の製造方法、光学素子

【課題】遮光部、透光部、および位相シフタ部を正確に画定する。
【解決手段】基板上に形成された遮光膜がパターニングされてなる遮光部と、基板の一部表面が露出してなる透光部と、基板の一部表面がエッチングされてなる位相シフタ部と、を有する光学素子の製造方法であって、基板上に遮光膜と第1のレジスト膜とがこの順に積層された光学素子ブランクを用意する工程と、第1のレジスト膜を描画して現像することにより、遮光部の形成予定領域を覆うと共に、位相シフタ部の形成予定領域を画定する第1のレジストパターンを形成する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に遮光部、透光部、および位相シフタ部を有する転写パターンが形成された透過型位相シフトマスク等の光学素子、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基板(たとえば石英等の透明基板)上に遮光部、透光部、および位相シフタ部を有する転写パターンが形成された透過型位相シフトマスク等の光学素子が知られている(例えば特許文献1参照)。遮光部は、基板上に形成された遮光膜がパターニングされてなり、光学素子に照射された光を遮断するように構成されている。透光部は、基板上の一部表面が露出してなり、光学素子に照射された光を透過させるように構成されている。位相シフタ部は、露出した基板の一部表面がエッチング等されてなり、光学素子に照射された光の位相を所定の量だけシフトさせつつ透過させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−330159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の光学素子を製造する方法として、例えば図1に例示する方法が考えられる。
【0005】
まず、基板101上に遮光膜102、第1のレジスト膜103がこの順に形成された光学素子ブランク100bを用意する(図1(a))。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、位相シフタ部110の形成予定領域110’以外の領域(透光部111の形成予定領域111’及び遮光部120の形成予定領域120’)を覆う第1のレジストパターン103pを形成する(図1(b))。そして、形成した第1のレジストパターン103pをマスクとして、部分的に露出した遮光膜102をエッチングして除去した後、遮光膜102がエッチングされることにより部分的に露出した基板101の表面を所定の深さだけエッチングして、位相シフタ部110を形成する(図1(c))。そして、第1のレジストパターン103pを除去する(図1(d))。そして、透光部111の形成予定領域111’、遮光部120の形成予定領域120’、及び位相シフタ部110の全面を覆うように第2のレジスト膜104を形成する(図1(e))。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、遮光部120の形成予定領域120’を覆う第2のレジストパターン104pを形成する(図1(f))。そして、第2のレジストパターン104pをマスクとして、露出した遮光膜102をエッチングして除去し、基板101の表面を部分的に露出させて透光部111を形成する(図1(g))。そして、第2のレジストパターン104pを除去する(図1(h))。これにより、基板101上に遮光部120、透光部111、および位相シフタ部110が形成された光学素子100が製造される。
【0006】
また、上述の光学素子を製造する他の方法として、例えば図2に例示する方法が考えられる。
【0007】
まず、基板201上に遮光膜202、第1のレジスト膜203がこの順に形成された光学素子ブランク200bを用意する(図2(a))。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、遮光部の形成予定領域220’を覆う第1のレジストパターン203pを形成する(図2(b))。そして、形成した第1のレジストパターン203pをマスクとして、露出した遮光膜202をエッチングして除去する(図2(c))。そして、第1のレジス
トパターン203pを除去し、遮光部220を形成する(図2(d))。そして、透光部の形成予定領域211’、遮光部220、及び位相シフタ部の形成予定領域210’の全面を覆うように第2のレジスト膜204を形成する(図2(e))。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、位相シフタ部210の形成予定領域210’以外の領域(透光部211の形成予定領域211’及び遮光部220)を覆う第2のレジストパターン204pを形成する(図2(f))。そして、形成した第2のレジストパターン204pをマスクとして、露出している基板201の表面を所定の深さだけエッチングして、位相シフタ部210を形成する(図2(g))。そして、第2のレジストパターン204pを除去する(図2(h))。これにより、基板201上に遮光部220、透光部211、および位相シフタ部210が形成された光学素子200が製造される。
【0008】
上述した2つの方法では、いずれも2回のフォトリソグラフィ工程を経ることによって遮光部、透光部、および位相シフタ部を画定する。例えば、図1に示す方法では、1回目のフォトリソグラフィ工程(図1(b)に示す工程)を経て位相シフタ部110が画定され、その後、2回目のフォトリソグラフィ工程(図1(f)に示す工程)を経て遮光部120及び透光部111の境界を画定する。また、図2に示す方法では、1回目のフォトリソグラフィ工程(図1(b)に示す工程)を経て遮光部220を画定し、その後、2回目のフォトリソグラフィ工程(図2(f)に示す工程)を経て位相シフタ部210及び透光部211の境界を画定する。
【0009】
しかしながら、発明者等の鋭意検討によれば、このように2回のフォトリソグラフィ工程を経ることで遮光部、透光部、および位相シフタ部をそれぞれ形成しようとすれば、例えば遮光部と位相シフタ部との相対位置が意図せずにずれてしまう場合があった。すなわち、上述の方法では、1回目のフォトリソグラフィ工程と2回目のフォトリソグラフィ工程との間に、処理中のマスクブランクを描画装置から一旦取り外して第2のレジスト膜を形成する工程(例えば図1(e)、図2(e)に示す工程)を実施する必要がある。しかしながら、処理中のマスクブランクを描画装置から一旦取り外すと、光学素子ブランクを再現性良く描画装置に設置することは困難である。その結果、1回目のフォトリソグラフィ工程における描画結果と2回目のフォトリソグラフィ工程における描画結果との間にアライメントズレが生じることを完全に防止することはできなかった。すなわち、描画装置に再設置したマスクブランクに位置ズレ等が生じると、図1に示す方法では、1回目のフォトリソグラフィ工程で画定した遮光部120と、2回目のフォトリソグラフィ工程で画定した位相シフタ部110との相対位置が(図5(b)におけるA,Bに対するCの位置)が、設計上の相対位置に対して例えば10〜30nm程度ずれてしまう。同様に、図2に示す方法でも、1回目のフォトリソグラフィ工程で画定した遮光部220と、2回目のフォトリソグラフィ工程で画定した位相シフタ部210との相対位置(図5(c)におけるCに対するA,Bの位置)が、設計上の相対位置に対して例えば10〜30nm程度ずれてしまう。
【0010】
そこで本発明は、遮光部、透光部、および位相シフタ部を正確に画定することが可能な光学素子の製造方法、及び光学素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、基板上に形成され、パターニングされた遮光膜によってなる遮光部と、前記基板の一部表面が露出してなる透光部と、前記基板の一部表面がエッチングされてなる位相シフタ部と、を有し、かつ前記位相シフタ部と前記透光部とが隣接する部分を有する光学素子の製造方法であって、前記基板上に前記遮光膜と第1のレジスト膜とがこの順に積層された光学素子ブランクを用意する工程と、前記第1のレジスト膜に描画と現像を施し、前記遮光部の形成予定領域を覆うと共に、前記位相シフタ部の形成予定領域を画定する第1のレジストパターンを形成する工程と、を有する光学素子の製造方法で
ある。
【0012】
本発明の第2の態様は、基板上に形成され、パターニングされた遮光膜によってなる遮光部と、前記基板の一部表面が露出してなる透光部と、前記基板の一部表面がエッチングされてなる位相シフタ部と、を有する光学素子の製造方法であって、前記基板上に前記遮光膜と第1のレジスト膜とがこの順に積層された光学素子ブランクを用意する工程と、前記第1のレジスト膜に描画と現像を施し、前記遮光部の形成予定領域を覆うと共に、前記位相シフタ部の形成予定領域を画定する第1のレジストパターンを形成する工程と、前記第1のレジストパターンをマスクとして前記遮光膜を部分的にエッチングすることにより、前記遮光部を形成すると共に、前記位相シフタ部の形成予定領域を画定する画定パターンを形成する工程と、少なくとも前記基板の露出面を覆う第2のレジスト膜を形成する工程と、前記第2のレジスト膜に描画と現像を施し、少なくとも前記位相シフタ部の形成予定領域を露出させる第2のレジストパターンを形成する工程と、前記画定パターン及び前記第2のレジストパターンをマスクとして前記基板の露出面をエッチングすることにより、前記位相シフタ部を形成する工程と、前記第2のレジストパターン及び前記画定パターンを除去することにより、前記基板の一部表面を露出させて前記透光部を形成する工程と、を有する光学素子の製造方法である。
【0013】
本発明の第3の態様は、前記透光部と前記位相シフタ部とが隣接する部分を有する第2の態様に記載の光学素子の製造方法である。
【0014】
本発明の第4の態様は、前記第1のレジストパターンは、前記位相シフタ部の形成予定領域の外周側を覆うことにより、前記位相シフタ部の形成予定領域を画定する第1から第3のいずれかの態様に記載の光学素子の製造方法である。
【0015】
本発明の第5の態様は、前記第2のレジストパターンを形成する工程では、前記位相シフタ部の形成予定領域の寸法に、アライメントマージンを加えた寸法のパターンデータを用いて前記基板を露出させ、前記位相シフタ部を形成する工程では、前記画定パターンにおける前記位相シフタ部の形成予定領域側エッジ及び前記第2のレジストパターンをマスクとして前記基板の露出面をエッチングする第1から第4のいずれかの態様に記載の光学素子の製造方法である。
【0016】
本発明の第6の態様は、前記基板が石英からなる透明基材である第1から第5のいずれかの態様に記載の光学素子の製造方法である。
【0017】
本発明の第7の態様は、前記基板が、透明基材と、前記透明基材上に形成された位相シフタ膜とを備え、前記位相シフタ部を形成する工程では、前記画定パターン及び前記第2のレジストパターンをマスクとして前記位相シフタ膜の露出面をエッチングする第1から第5の態様に記載の光学素子の製造方法である。
【0018】
本発明の第8の態様は、前記透光部における透過光の位相と、前記位相シフタ部における透過光の位相と、の差が45度以上200度以下である第1から第7のいずれかの態様に記載の光学素子の製造方法である。
【0019】
本発明の第9の態様は、前記遮光部と前記位相シフタ部との相対位置が、設計上の相対位置に対して±5nm以内にある第1から第8のいずれかの態様に記載の光学素子の製造方法である。
【0020】
本発明の第10の態様は、基板上に形成され、パターニングされた遮光膜によってなる遮光部と、前記基板の一部表面が露出してなる透光部と、前記基板の一部表面がエッチン
グされてなる位相シフタ部と、を有する光学素子であって、前記位相シフタ部と前記透光部とが隣接する部分を有し、かつ前記遮光部と前記位相シフタ部とは、前記遮光膜をパターニングする工程により同時に画定されている光学素子である。
【0021】
本発明の第11の態様は、前記基板が、透明基材と、前記透明基材上に形成された位相シフタ膜とを備え、前記透光部は、前記位相シフタ膜の一部表面が露出してなり、前記位相シフタ部は、前記位相シフタ膜の少なくとも一部表面がエッチングされてなる第10の態様に記載の光学素子である。
【0022】
本発明の第12の態様は、前記透光部における透過光と、前記位相シフタ部における透過光との位相差が45度以上200度以下である第10または11のいずれかの態様に記載の光学素子である。
【0023】
本発明の第13の態様は、前記遮光部と前記位相シフタ部との相対位置が、設計上の相対位置に対して±5nm以内にある第10から第12のいずれかの態様に記載の光学素子である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、遮光部、透光部、および位相シフタ部を正確に画定することが可能な光学素子の製造方法、及び光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】2回のフォトリソグラフィ工程を経ることによって遮光部、透光部、および位相シフタ部を画定する参考例に係る光学素子の製造方法のフロー図である。
【図2】2回のフォトリソグラフィ工程を経ることによって遮光部、透光部、および位相シフタ部を画定する他の参考例に係る光学素子の製造方法のフロー図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る光学素子の製造方法のフロー図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る光学素子の製造方法のフロー図である。
【図5】遮光部、透光部、および位相シフタ部の画定精度を説明する概略図である。
【図6】(a)は本発明の一実施形態に係る光学素子の部分断面図であり、(b)は本発明の他の実施形態に係る光学素子の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<本発明の一実施形態>
以下に、本発明の一実施形態を、主に図3,図6(a)を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る光学素子300の製造方法のフロー図である。図6(a)は本実施形態に係る光学素子300の部分断面図である。
【0027】
(1)光学素子の構成
図6(a)に示すように、光学素子300は、基板301上に形成された遮光膜302がパターニングされてなる遮光部320と、基板301の一部表面が露出してなる透光部311と、基板301の一部表面がエッチングされてなる位相シフタ部310と、を有する。なお、図6(a)は光学素子300の積層構造を例示するものであり、実際のパターンはこれと同一とは限らない。
【0028】
基板301は、例えば石英(SiO)ガラスや、SiO,Al,B,RO,RO等を含む低膨張ガラス等からなる平板として構成されている。基板301の主面(表面及び裏面)は、研磨されるなどして平坦且つ平滑に構成されている。基板301は、例えば一辺が6インチ程度の方形とすることができる。基板301の厚さは例えば0.25インチ程度とすることができる。
【0029】
基板301の表面は、例えばCFとOとの混合ガスをエッチングガスとして用いてエッチング(ドライエッチング)することが可能なように構成されている。位相シフタ部310は、基板301の一部表面を、得ようとする位相シフト量に応じて掘りこむことで形成できる。例えば、ArF用の位相シフトマスクであれば、位相差180度を得るために、170nm程度の掘りこみとすることが可能である。
【0030】
遮光部320を構成する遮光膜302は、実質的にクロム(Cr)を主成分として、例えばスパッタリング等の成膜方法により形成されている。遮光膜302の膜厚は、例えば100nm程度とすることができる。なお、遮光膜302の表面にCr化合物(CrO、CrC,CrN等)の層を設け、表面に反射抑制機能を持たせることが出来る。遮光膜302は、例えばClとOとの混合ガスをエッチングガスとして用いてエッチング(ドライエッチング)することが可能である。
【0031】
後述するように、遮光部320と位相シフタ部310とは、1回の描画工程を行うことにより同時に画定されている。遮光部320及び位相シフタ部310を画定する様子については後述する。これにより、遮光部320と位相シフタ部310との相対位置を、設計上の相対位置どおりとすることができる。例えば、遮光部320と位相シフタ部310との相対位置を、設計値に対して±5nm以内とすることができる。より好ましくは±3nm以下である。なお、透光部311は、遮光部320と位相シフタ部310との間に設けられており、透光部311と位相シフタ部310とは隣接する部分を有するように構成されている。
【0032】
また、位相シフタ部310の光透過率は、透光部311の光透過率とほぼ同等であることが好ましい。例えば、位相シフタ部310の光透過率は、透光部311の光透過率の80%以上100%以下、より好ましくは90%以上100%以下であるように構成されている。尚、位相シフタ部310を基板301の掘り込みによって形成する場合には、掘り込み側面の露光光の乱反射によって、位相シフタ部310の光透過率が、透光部311の光透過率よりも小さくなる傾向があるが、この場合であっても、位相シフタ部310の光透過率が、透光部311の光透過率の80%以上となることが好ましい。
【0033】
また、透光部311における透過光と、位相シフタ部310における透過光との位相差が、45度以上200度以下であるように構成されている。なお、係る位相差は、位相シフタ部310における基板301の掘り込み量を選択することで調整できる。
【0034】
(2)光学素子の製造方法
続いて、本実施形態に係る光学素子300の製造方法について説明する。
【0035】
(光学素子ブランク300bを用意する工程)
まず、図3(a)に例示するような、基板301上に遮光膜302と第1のレジスト膜303とがこの順に積層された光学素子ブランク300bを用意する。基板301及び遮光膜302の構成は上述のとおりである。第1のレジスト膜303、後述する第2のレジスト膜304、及び後述する第3のレジスト膜305は、ポジ型レジスト材料或いはネガ型レジスト材料により形成されている。以下では、第1のレジスト膜303、第2のレジスト膜304、及び第3のレジスト膜305が、それぞれポジ型レジスト材料より形成されているものとして説明する。第1のレジスト膜303、第2のレジスト膜304、及び第3のレジスト膜305は、例えばスピン塗布やスリットコータ等の手法を用いて塗布された後にベークされて形成され、その厚さは例えば500nm以下である。
【0036】
(第1のレジストパターン303pを形成する工程)
次に、電子ビーム描画機やレーザ描画機等により描画露光を行い、第1のレジスト膜303の一部を感光させ、スプレー方式等の方法により第1のレジスト膜303に現像液を供給して現像することにより、遮光部320の形成予定領域310’を覆うと共に、位相シフタ部310の形成予定領域310’を画定する第1のレジストパターン303pを形成する。
【0037】
第1のレジストパターン303pが形成された状態を図3(b)に例示する。図3(b)に示すように、第1のレジストパターン303pは、遮光部320の形成予定領域310’を覆う部分303aと、位相シフタ部310の形成予定領域310’を画定する部分303bと、を備えている。位相シフタ部310の形成予定領域310’を画定する部分303bは、位相シフタ部310の形成予定領域310’を露出させつつ、その外周側を所定の幅で覆うことにより、位相シフタ部310の形成予定領域310’を画定するように形成されている。
【0038】
このように、本実施形態では、1回の描画工程を行うことで、遮光部320の形成予定領域310’を覆う部分303aと、位相シフタ部310の形成予定領域310’を画定する部分303bと、を同時に画定する。すなわち、遮光部320の形成予定領域320’と、位相シフタ部310の形成予定領域310’と、を1回の描画工程を行うことで同時に画定する。これにより、複数回の描画工程に伴う、描画パターンのアライメントずれを完全に排除しつつパターニングを行うことが可能となり、遮光部320、透光部311、および位相シフタ部310を正確に画定することが可能となる。例えば、遮光部320に対して形成される位相シフタ部310の相対位置と、遮光部320に対する設計上の位相シフタ部310の相対位置を精緻に制御できる。結果として、後述するように、マスク上の位置と設計値上の位置との差異(例えば図5(a)〜(c)における位置Bと位置Cとの実距離と設計距離との差)を±5nm以下とすることが可能となる。また、遮光部320と位相シフタ部310との間に形成される透光部311の幅や形状(図5(a)〜(c)における位置Aと位置Bとの距離等)を、正確に制御することが可能となる。
【0039】
(遮光膜302をエッチングする工程)
次に、第1のレジストパターン303pをマスクとして、遮光膜302を部分的にエッチングし、遮光膜パターン302pとすることにより、遮光部320を形成すると共に、位相シフタ部310の形成予定領域310’を画定する画定パターン302bを形成する。
【0040】
遮光膜302を部分的にエッチングした状態を図3(c)に例示する。図3(c)に示すように、遮光膜パターン302pは、遮光部320を形成する部分302aと、位相シフタ部310の形成予定領域310’を画定する画定パターン302bと、を備えている。画定パターン302bは、位相シフタ部310の形成予定領域310’を露出させつつ、その外周側を所定の幅で覆うことにより、位相シフタ部310の形成予定領域310’を画定するように構成されている。
【0041】
(第2のレジスト膜304を形成する工程)
次に、少なくとも基板301の露出面、すなわち、少なくとも位相シフタ部310の形成予定領域310’と、画定パターン302bに覆われていない透光部311の形成予定領域311’と、をそれぞれ覆う第2のレジスト膜304を形成する。
【0042】
第2のレジスト膜304が形成された状態を図3(e)に例示する。本実施形態では、図3(d)に例示するように第1のレジストパターン303pを除去した後、基板301の露出面と、遮光膜パターン302pの上面(遮光部320の上面と画定パターン302bの上面)を全面的に覆うように第2のレジスト膜304を形成している。
【0043】
(第2のレジストパターン304pを形成する工程)
次に、上記同様の描画露光を行い、第2のレジスト膜304の一部を感光させ、現像することにより、少なくとも位相シフタ部310の形成予定領域310’を露出させる第2のレジストパターン304pを形成する。
【0044】
第2のレジストパターン304pが形成された状態を図3(f)に例示する。なお、第2のレジストパターン304pを形成する工程では、位相シフタ部310の寸法に対して、アライメントマージン(たとえば30nm以下)分、大きい寸法の描画データを用いて、位相シフタ部310形成予定領域を描画する。これにより、形成されるレジストパターンは、位相シフタ部310の形成予定領域310’を露出させると共に、画定パターン302bにおける位相シフタ部310の形成予定領域310’側のエッジ部分を露出させるようにする。これにより、位相シフタ部310の形成予定領域310’のエッチングの際、第2のレジストパターンと上記遮光膜パターンに対する位置ずれの影響を防止でき、エッチング領域が正確に画定される上、エッチング経過によってレジストパターンがダメージを受けても、位相シフタ部310のエッチング形状が影響を受けない。位相シフタ部310部のエッチングの際、エッチングマスクのエッジとして、レジストパターンのエッジでなく、画定パターンのエッジを使用できるからである。
【0045】
(位相シフタ部310を形成する工程)
次に、画定パターン302b及び第2のレジストパターン304pをマスクとして基板301の露出面を部分的にエッチングすることにより、位相シフタ部310を形成する。ここでは、露出させた画定パターン302b(特にその位相シフタ部310の形成予定領域310’側エッジ)及び第2のレジストパターン304pをマスクとして、基板301の露出面をエッチングする。
【0046】
基板301のエッチングは、例えばCFとOとの混合ガスを用いたドライエッチングにより行うことができる。位相シフタ部310の深さは、透光部311における透過光と、位相シフタ部310における透過光との位相差を調整するように適宜設定されることが好ましい。位相シフタ部310が形成された状態を図3(g)に例示する。
【0047】
上述したように、第2のレジストパターン304pを形成する工程では、画定パターン302bにおける位相シフタ部310の形成予定領域310’側(エッジ部分)を部分的に露出させるようにしている。そして、位相シフタ部310を形成する工程では、画定パターン302b及び第2のレジストパターン304pをマスクとして基板301の露出面をエッチングするようにしている。
【0048】
ここで、実質的にクロム(Cr)を主成分として形成される画定パターン302b(遮光膜302)の断面形状は、レジスト材料からなる第2のレジストパターン304pの断面形状に較べてエッチングなどによりダメージを受け難い。また、実質的にクロム(Cr)を主成分として形成される画定パターン302b(遮光膜302)は、レジスト材料からなる第2のレジストパターン304pの断面形状に較べて基板301表面への密着性が高い。このため、露出させた画定パターン302bをマスクとして基板301の露出面をエッチングすることにより、位相シフタ部310の外縁部(側壁部)を正確に形成することが可能となる。
【0049】
また、上述したように、第2のレジストパターンを形成する工程では、画定パターン302bにおける位相シフタ部310の形成予定領域310’側のエッジ部分を使用する。これにより、位相シフタ部310を形成する工程では、基板301のエッチングを確実に行うことが可能となり、位相シフタ部310の形状や深さを正確に制御することが可能と
なる。
【0050】
(透光部311を形成する工程)
次に、第2のレジストパターン304p及び画定パターン302bを除去することにより、基板301の一部表面を露出させて透光部311を形成する。
【0051】
具体的には、図3(h)に例示するように、第2のレジストパターン304pを除去する。そして、図3(i)に例示するように、基板301の露出面と、遮光部320を形成する部分302aと、遮光膜パターン302pの上面(遮光部320の上面と画定パターン302bの上面)と、位相シフタ部310の上面を全面的に覆うように第3のレジスト膜305を形成している。そして、上記同様の描画露光及びを行い、第3のレジスト膜305の一部を感光させ、現像することにより、図3(j)に例示するように、少なくとも画定パターン302b及びその周囲を露出させる第3のレジストパターン305pを形成する。そして、図3(k)に例示するように、画定パターン302bをエッチングして除去する。画定パターン302bのエッチング除去は、上述の、遮光膜302のエッチングと同様の手段により行うことができる。ついで、レジストパターン305pを除去する。
【0052】
以上により、図3(l)に例示するような光学素子300の製造を終了する。
【0053】
(3)効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0054】
(a)本実施形態によれば、1回の描画工程を行うことで、遮光部320の形成予定領域310’を覆う部分303aと、位相シフタ部310の形成予定領域310’を画定する部分303bと、を同時に画定するようにしている。すなわち、遮光部320の形成予定領域320’と、位相シフタ部310の形成予定領域310’と、を1回の描画工程を行うことで同時に画定するようにしている。これにより、複数回の描画工程に伴う、描画パターンのアライメントずれ(これは描画機の精度によるずれ、および、描画機に基板を載置するたびに生じる載置ずれを含む)を完全に排除しつつパターニングを行うことが可能となり、遮光部320、透光部311、および位相シフタ部310を正確に画定することが可能となる。例えば、遮光部320と位相シフタ部310との相対位置を、設計上の相対位置に対して±5nm以内、好ましくは±3nm以内とすることが可能となる。
【0055】
これに対し、2回のフォトリソグラフィ工程を経ることによって遮光部、透光部、および位相シフタ部を画定する図1,図2に示す方法では、上述したように、例えば遮光部と位相シフタ部との相対位置を精緻に制御できない。例えば、処理中のマスクブランクを描画装置から一旦取り外すと、光学素子ブランクを再現性良く描画装置に設置することは困難だからである。これに対し本実施形態によれば、遮光部320の形成予定領域320’と、位相シフタ部310の形成予定領域310’と、を1回の描画工程で同時に画定するようにしているため、2回のフォトリソグラフィ工程の間で生じるアライメントずれを解消でき、遮光部320、透光部311、および位相シフタ部310の位置を設計値どおりに正確に画定することが可能となる。
【0056】
(b)また、本実施形態に係る第2のレジストパターン304pを形成する工程では、画定パターン302bにおける位相シフタ部310の形成予定領域310’側エッジ部分を露出させるようにしている。そして、本実施形態に係る位相シフタ部310を形成する工程では、画定パターン302b及び第2のレジストパターン304pをマスクとして基板301の露出面をエッチングするようにしている。これにより、位相シフタ部310の外縁部(側壁部)を正確に形成することが可能となる。
【0057】
すなわち、実質的にクロム(Cr)を主成分として形成される画定パターン302b(遮光膜302)の断面形状は、レジスト材料からなる第2のレジストパターン304pの断面形状に較べてエッチングなどによりダメージを受け難い。換言すれば、レジストパターンのエッジを使ってエッチング領域を画定しようとすれば、エッチング途中のレジストパターンのエッジ形状が劣化する不都合がある。また、実質的にクロム(Cr)を主成分として形成される画定パターン302b(遮光膜302)は、レジスト材料からなる第2のレジストパターン304pの断面形状に較べて基板301表面への密着性が高い。このため、露出させた画定パターン302bをマスクとして基板301の露出面をエッチングすることにより、位相シフタ部310の外縁部(側壁部)を正確に形成することが可能となるのである。
【0058】
(c)また、本実施形態に係る第2のレジストパターンを形成する工程では、位相シフタ部310の寸法よりアライメントマージンを考慮した分だけ大きい寸法としたパターンデータを用いて描画し、画定パターン302bにおける位相シフタ部310の形成予定領域310’側エッジ部分を部分的に露出させるようにしている。これにより、位相シフタ部310の形成予定領域310’内への第2のレジスト膜304の残留を確実に防止できる。これにより、基板301のエッチングを確実に行うことが可能となり、位相シフタ部310の形状や深さを正確に制御することが可能となる。
【0059】
(d)また、本実施形態に係る光学素子300は、位相シフト効果を利用して所定の転写パターンを被転写体上に転写する位相シフトマスクとして用いることができる。
【0060】
具体的には、位相シフトマスクとしての光学素子300を投影光学系に設置し、被転写体上の感光体に対して露光を行い、配列する複数の遮光部320の像を感光体上に転写する。ここで、上述したように、位相シフタ部310の光透過率は、透光部311の光透過率の80%以上100%以下であるように構成されているため、必要な光量の露光光を被転写体に照射することができる。また、透光部311と位相シフタ部310とは隣接する部分を有するが、透光部311における透過光と、位相シフタ部310における透過光との位相差が、45度以上200度以下、より好ましくは160〜200°であるように構成されているため、透光部311と位相シフタ部310との境界領域における露光光の反転を生じさせ、光強度のコントラストを向上させることができる。尚、使用する露光光はi線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)等を用いることができる。
また、遮光部320と位相シフタ部310との相対位置を、設計上の相対位置に対して±5nm以内、好ましくは±3nm以内とすることが可能となるため、被転写体上に所定の転写パターンを高精度に転写することができる。
【0061】
(e)また、本実施形態に係る光学素子300を複数配列させた素子(透光部311と位相シフタ部310とが遮光部320を挟んで隣り合う構成が周期的に配列する素子)は、位相シフト効果を利用して露光装置のベストフォーカス位置を求めるフォーカスモニタとして用いることができる。すなわち、フォトマスクに形成された転写パターンを被転写体に転写する場合、フォトマスクを、露光装置が備える投影光学系のベストフォーカス面から焦点深度の範囲内に配置する必要がある。しかしながら、投影光学系のベストフォーカス位置を求めることは容易ではない。これに対して、図6(a)に示す光学素子300を複数配列させたフォーカスモニタを用いれば、投影光学系のベストフォーカス面を容易に求めることができる。この場合、位相シフタ部310における透過光との位相差を、例えば45度以上135度以下であるように構成することができる。
【0062】
具体的には、光学素子300を複数配列させたフォーカスモニタを投影光学系に設置し、被転写体上の感光体に対して露光を行い、配列する複数の遮光部320の像を感光体上
に転写する。ここで、上述したように、透光部311における透過光と、位相シフタ部310における透過光と、の位相差が45度以上135度以下であるように構成されているため、フォーカスモニタがベストフォーカス位置からずれた位置に配置されていれば(デフォーカスが生じていれば)、ずれ量に応じて遮光部320の像が移動する(遮光部320の像の間隔が変化する)。すなわち、遮光部320の像の移動量(遮光部320の像の間隔の変化量)を調べることにより、ベストフォーカス位置を容易に算定することができる。また、遮光部320と位相シフタ部310との相対位置を、設計上の相対位置に対して±5nm以内、好ましくは±3nm以内とすることが可能となるため、ベストフォーカス位置を正確に算定することができる。
【0063】
<本発明の他の実施形態>
続いて、本発明の他の実施形態を、主に図4,図6(b)を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る光学素子400の製造方法のフロー図である。図6(a)は本実施形態に係る光学素子400の部分断面図である。
【0064】
図6(b)に示すように、本実施形態においては、基板301が、透明基材301aと、透明基材301a上に形成された位相シフタ膜301bとを備える点が、上述の実施形態とは異なる。
【0065】
また、図4に示すように、本実施形態においては、位相シフタ部310を形成する工程(図4(g)に示す)で、画定パターン302b及び第2のレジストパターン304pをマスクとして位相シフタ膜301bの露出面をエッチングする点が、上述の実施形態とは異なる。すなわち、位相シフタ部310は、位相シフタ膜301bがエッチングされることにより形成されている。また、透光部311は、位相シフタ膜301bの表面がエッチングされることなく露出されることで形成されている。
【0066】
位相シフタ膜301bとしては、ハーフトーン以外の位相シフタに用いるものとして、例えば、SiO(スパッタSiO、CVDSiO、TEOS-SiO)、ハーフトーン型の位相シフタとして、MoSi化合物、Cr化合物(化合物とは酸化物、窒化物、炭化物、それらの混合)、Ta化合物、SOG(スピンオングラス)などにより形成することが可能である。位相シフタ膜301bは、素材の選択と膜厚により、所望の位相シフト量を与えるものとすることができる。例えば、160〜200度の位相シフトを与えるものとすることができる。なお、位相シフタ部310の光透過率と、透光部311の光透過率とは、ほぼ同等であることが好ましい。但し、位相シフタ膜301bの透過率によって、位相シフタ部310の光透過率が、透光部311の光透過率よりも小さくなってしまう場合がある。この場合であっても、位相シフタ部310の光透過率が、透光部311の光透過率の80%以上となるように、位相シフタ膜301bの材料等を選択することが好ましい。また、位相シフタ膜301bがハーフトーン膜の場合は、位相シフタ膜の露光光透過率を5〜30%とすることが好ましい。
【0067】
その他は、上述の実施形態と同じである。
【0068】
本実施形態においても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。これにより、位相シフトマスクの遮光帯(転写しようとする転写用パターンの領域外に配置し、露光時に不要光が被転写体に届かないように遮光する部分)を、転写用パターンに対して、精緻に位置決めすることが可能となる。
【0069】
また、位相シフタ膜301bをエッチングする際に用いるエッチング液或いはエッチングガスに対して、透明基材301aが耐性を有するように構成されている場合、すなわち透明基材301aが位相シフタ膜301bをエッチングする際のエッチングストッパとし
て機能する場合、位相シフタ部310の深さを正確に制御することが可能となる。その結果、透光部311における透過光と、位相シフタ部310における透過光との位相差をより正確に制御することが可能となる。一方、透明基材301aの上記耐性が十分に得られない素材を用いて位相シフタ膜を形成する場合には、透明基材と位相シフタ膜の間にエッチングストッパ膜を介在させることもできる。
【0070】
<本発明のさらに他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0071】
例えば、本発明に係る光学素子は、所定の転写パターンを被転写体上に転写する位相シフトマスクや、露光装置のベストフォーカス位置を得るためのフォーカスモニタとしてだけではなく、位相シフト効果を利用する他の素子に対しても好適に適用可能である。
【0072】
なお、本発明は、透光部と位相シフタ部が隣接するパターンを有する光学素子に対して特に有効である。元来、こうしたパターンには、境界を画する際に機能する遮光膜パターンが該境界に存在しないため、遮光パターンの端部(エッジ)を使ってパターンの外縁を画定することが困難である。しかしながら、上述の実施形態に係る画定パターンを用いることで、暫定的に該境界部に遮光パターンを設け、パターンの寸法精度、位置精度を高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0073】
300 光学素子
300b 光学素子ブランク
301 基板
302 遮光膜
303 第1のレジスト膜
303p 第1のレジストパターン
310 位相シフタ部
311’ 位相シフタ部の形成予定領域
311 透光部
320 遮光部
320’ 遮光部の形成予定領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成され、パターニングされた遮光膜によってなる遮光部と、前記基板の一部表面が露出してなる透光部と、前記基板の一部表面がエッチングされてなる位相シフタ部と、を有し、かつ前記位相シフタ部と前記透光部とが隣接する部分を有する光学素子の製造方法であって、
前記基板上に前記遮光膜と第1のレジスト膜とがこの順に積層された光学素子ブランクを用意する工程と、前記第1のレジスト膜に描画と現像を施し、前記遮光部の形成予定領域を覆うと共に、前記位相シフタ部の形成予定領域を画定する第1のレジストパターンを形成する工程と、を有する
ことを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項2】
基板上に形成され、パターニングされた遮光膜によってなる遮光部と、前記基板の一部表面が露出してなる透光部と、前記基板の一部表面がエッチングされてなる位相シフタ部と、を有する光学素子の製造方法であって、
前記基板上に前記遮光膜と第1のレジスト膜とがこの順に積層された光学素子ブランクを用意する工程と、
前記第1のレジスト膜に描画と現像を施し、前記遮光部の形成予定領域を覆うと共に、前記位相シフタ部の形成予定領域を画定する第1のレジストパターンを形成する工程と、
前記第1のレジストパターンをマスクとして前記遮光膜を部分的にエッチングすることにより、前記遮光部を形成すると共に、前記位相シフタ部の形成予定領域を画定する画定パターンを形成する工程と、
少なくとも前記基板の露出面を覆う第2のレジスト膜を形成する工程と、
前記第2のレジスト膜に描画と現像を施し、少なくとも前記位相シフタ部の形成予定領域を露出させる第2のレジストパターンを形成する工程と、
前記画定パターン及び前記第2のレジストパターンをマスクとして前記基板の露出面をエッチングすることにより、前記位相シフタ部を形成する工程と、
前記第2のレジストパターン及び前記画定パターンを除去することにより、前記基板の一部表面を露出させて前記透光部を形成する工程と、を有する
ことを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項3】
前記透光部と前記位相シフタ部とが隣接する部分を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の光学素子の製造方法。
【請求項4】
前記第1のレジストパターンは、前記位相シフタ部の形成予定領域の外周側を覆うことにより、前記位相シフタ部の形成予定領域を画定する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
【請求項5】
前記第2のレジストパターンを形成する工程では、前記位相シフタ部の形成予定領域の寸法に、アライメントマージンを加えた寸法のパターンデータを用いて前記基板を露出させ、
前記位相シフタ部を形成する工程では、前記画定パターンにおける前記位相シフタ部の形成予定領域側エッジ及び前記第2のレジストパターンをマスクとして前記基板の露出面をエッチングする
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
【請求項6】
前記基板が石英からなる透明基材である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
【請求項7】
前記基板が、透明基材と、前記透明基材上に形成された位相シフタ膜とを備え、
前記位相シフタ部を形成する工程では、前記画定パターン及び前記第2のレジストパターンをマスクとして前記位相シフタ膜の露出面をエッチングする
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
【請求項8】
前記透光部における透過光の位相と、前記位相シフタ部における透過光の位相と、の差が45度以上200度以下である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
【請求項9】
前記遮光部と前記位相シフタ部との相対位置が、設計上の相対位置に対して±5nm以内にある
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
【請求項10】
基板上に形成され、パターニングされた遮光膜によってなる遮光部と、前記基板の一部表面が露出してなる透光部と、前記基板の一部表面がエッチングされてなる位相シフタ部と、を有する光学素子であって、
前記位相シフタ部と前記透光部とが隣接する部分を有し、かつ前記遮光部と前記位相シフタ部とは、前記遮光膜をパターニングする工程により同時に画定されている
ことを特徴とする光学素子。
【請求項11】
前記基板が、透明基材と、前記透明基材上に形成された位相シフタ膜とを備え、
前記透光部は、前記位相シフタ膜の一部表面が露出してなり、
前記位相シフタ部は、前記位相シフタ膜の少なくとも一部表面がエッチングされてなることを特徴とする請求項10に記載の光学素子。
【請求項12】
前記透光部における透過光と、前記位相シフタ部における透過光との位相差が45度以上200度以下である
ことを特徴とする請求項10または11のいずれかに記載の光学素子。
【請求項13】
前記遮光部と前記位相シフタ部との相対位置が、設計上の相対位置に対して±5nm以内にある
ことを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の光学素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−128504(P2011−128504A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289010(P2009−289010)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】