光導波路の製造方法及びこれに用いられる型の製造方法
【課題】 信頼性が高く、容易でありかつ低コストな光導波路の製造方法及びこれに用いられる型の製造方法を提供すること。
【解決手段】 クラッド11とコア9との接合体12からなり、コア9を通して光が導かれるように構成されている光導波路15の製造方法において、支持体1上に感光性レジスト2を配する工程と、感光性レジスト2をコア形状にパターニングする工程と、このパターニングされた感光性レジスト2の端面3aを傾斜面3に加工する工程と、この感光性レジスト2上に型材5を設ける工程と、型材5と感光性レジスト2とを剥離する工程と、型材5において、傾斜面3が転写してなる傾斜面3’の周辺部に存在する突起部6を除去する工程と、これによって作製された型7を用いてコア9を成形する工程とを有する、光導波路の製造方法。
【解決手段】 クラッド11とコア9との接合体12からなり、コア9を通して光が導かれるように構成されている光導波路15の製造方法において、支持体1上に感光性レジスト2を配する工程と、感光性レジスト2をコア形状にパターニングする工程と、このパターニングされた感光性レジスト2の端面3aを傾斜面3に加工する工程と、この感光性レジスト2上に型材5を設ける工程と、型材5と感光性レジスト2とを剥離する工程と、型材5において、傾斜面3が転写してなる傾斜面3’の周辺部に存在する突起部6を除去する工程と、これによって作製された型7を用いてコア9を成形する工程とを有する、光導波路の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源モジュール、光インターコネクション、光通信等に好適な光導波路の製造方法及びこれに用いられる型の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、LSI(大規模集積回路)等の半導体チップ間の信号伝搬は、全て基板配線を介した電気信号によりなされている。しかし、昨今のMPU高機能化に伴い、チップ間にて必要とされるデータ授受量は著しく増大し、結果として様々な高周波問題が浮上している。それらの代表的なものとして、RC信号遅延、インピーダンスミスマッチ、EMC/EMI、クロストーク等が挙げられる。
【0003】
上記の問題を解決するため、これまで実装業界などが中心となり、配線配置の最適化や新素材開発などの様々な手法を駆使し、解決に当たってきた。
【0004】
しかし近年、上記の配線配置の最適化や新素材開発等の効果も物性的限界に阻まれつつあり、今後システムの更なる高機能化を実現するためには、単純な半導体チップの実装を前提としたプリント配線板の構造そのものを見直す必要が生じてきている。近年、これら諸問題を解決すべく様々な抜本対策が提案されているが、以下にその代表的なものを記す。
【0005】
・マルチチップモジュール(MCM)化による微細配線結合
高機能チップを、セラミック・シリコンなどの精密実装基板上に実装し、マザーボード(多層プリント基板)上では形成不可能である微細配線結合を実現する。これによって配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を広げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0006】
・各種半導体チップの封止、一体化による電気配線結合
各種半導体チップをポリイミド樹脂などを用いて二次元的に封止、一体化し、その一体化された基板上にて微細配線結合を行う。これによって配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を広げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0007】
・半導体チップの三次元結合
各種半導体チップに貫通電極を設け、それぞれを貼り合わせることで積層構造とする。これにより、異種半導体チップ間の結線が物理的に短絡化され、結果として信号遅延などの問題が回避される。但しその一方、積層化による発熱量増加、半導体チップ間の熱応力等の問題が生じる。
【0008】
さらに、上記のように信号授受の高速化及び大容量化を実現するために、光配線による光伝送結合技術が開発されている(例えば、後記の非特許文献1及び非特許文献2参照。)。光配線は、電子機器間、電子機器内のボード間又はボード内のチップ間など、種々の個所に適用可能である。例えば図18に示すように、チップ間のような短距離間の信号の伝送には、チップが搭載されているプリント配線板50上に光導波路51を形成し、この光導波路51を信号変調されたレーザー光等の伝送路とした光伝送・通信システムを構築することができる。
【0009】
また、図19に示すように、光導波路51はクラッド52及び53と、これらのクラッド52、53間に挟着されたコア54とからなり、クラッド52の端部にはレンズ部55が配されている。また、コア54の光入出射端面56a、56bはそれぞれ、傾斜面、例えば45°ミラー面に形成されている。
【0010】
以下に、光導波路51の製造方法について、図20を参照して説明する。
【0011】
まず、図20(a)に示すように、レンズ部55を含むクラッド52に対応した形状を有する上型57及び下型58を用い、図20(b)に示すようなレンズ部55付きのクラッド52を作製する。
【0012】
次に、図20(c)に示すように、コア54に対応した形状の凹部59を有する型60を用い、この凹部59にコア材54aを充填する。次いで、図20(d)に示すように、コア材54a上に上記のようにして作製したレンズ部55付きのクラッド52を押圧しながら、UV照射してコア材54aを硬化する。次いで、図20(e)に示すように、クラッド52とコア54とからなる接合体と、型60とを剥離する。
【0013】
そして、図20(f)に示すように、射出成形等によって作製したクラッド53をコア54に接合すれば、光導波路51を得ることができる。
【0014】
以下に、コア54の成形に用いる型60の製造方法について、図21を参照して説明する。
【0015】
まず、図21(a)に示すように、支持体61上にレジスト62を設ける。そして、図21(b)に示すように、レジスト62の端面63を加工刃64などを用いて傾斜面に加工する。
【0016】
次に、図21(c)に示すように、このレジスト62上にNi等を用いてめっき65を施し、次いで、図21(d)に示すように、支持体61及びレジスト62と、Ni等のめっき65を剥離すれば、コア54に対応した形状の凹部59を有する型60を作製することができる。
【0017】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス、“光配線との遭遇”2001年12月3日の122頁、123頁、124頁、125頁、図4、図5、図6、図7
【非特許文献2】NTT R&D, vol.48, no.3, pp.271-280 (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上記の従来例による型の製造方法では、図21(b)に示すように、加工刃64などを用いてレジスト62の端面63を傾斜面に加工するためには、支持体61に達する深さ位置まで切り込みを入れなくてはならない。このように支持体61に切り込み溝67が形成されると、図21(d)に示すように、型60において、レジスト63の傾斜面63が転写してなる傾斜面63’の周辺部に突起部66が存在してしまう。型60において、傾斜面63’の周辺部に突起部66が存在すると、図20(d)に示すように、この型60を用いてコア54とクラッド52との接合体を作製するのに際し、突起部66によってコア54とクラッド52との接合強度が弱くなり、光導波路の信頼性が低下する。また、突起部66が邪魔して前記接合体の作製自体が困難になる。
【0019】
これを解決するために、高精度な加工機を用い、光漏れを抑制できる最大膜厚1.5μm以下に突起部の高さを抑えるよう、切り込み溝の深さを抑制制御し、加工する方法がある。しかしながら、この方法では、非常に高精度な装置管理が必要となるため、型の作製及び光導波路の作製において、大幅なコストダウンが困難である。
【0020】
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、信頼性が高く、容易でありかつ低コストな光導波路の製造方法及びこれに用いられる型の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
即ち、本発明は、クラッドとコアとの接合体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成されている光導波路の製造方法において、
支持体上にパターン材を配する工程と、
前記パターン材をコア形状にパターニングする工程と、
前記パターニングされたパターン材の端面を傾斜面に加工する工程と、
前記加工されたパターン材上に型材を設ける工程と、
前記型材と前記パターン材とを剥離する工程と、
前記型材において、前記傾斜面が転写してなる傾斜面の周辺部に存在する突起部を除 去して型を作製する工程と、
前記型を用いて前記コアを成形する工程と
を有する、光導波路の製造方法に係るものである。
【0022】
また、コアの成形に用いられる型の製造方法において、
支持体上にパターン材を配する工程と、
前記パターン材をコア形状にパターニングする工程と、
前記パターニングされたパターン材の端面を傾斜面に加工する工程と、
前記加工されたパターン材上に型材を設ける工程と、
前記型材と前記パターン材とを剥離する工程と、
前記型材において、前記傾斜面が転写してなる傾斜面の周辺部に存在する突起部を除 去する工程と
を有する、型の製造方法に係るものである。
【0023】
ここで、本発明において前記「コア」とは、単一のコアに限らず、複数個のアレイも含む意味である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、前記パターニングされたパターン材の前記端面を傾斜面に加工するに際し、上記の従来例のように、加工刃などを用いて前記支持体に達する深さ位置まで切り込みを形成し、前記型材に前記突起部が存在しても、前記突起部を除去する工程を有するので、この突起部が前記接合体の作製に悪影響を及ぼすことは無い。従って、前記パターニングされたパターン材の前記端面を傾斜面に加工する際に、前記加工刃を前記支持体に深く切り込ませることができ、前記加工刃の食い付きがよくなり、刃先振動が減少し、結果として、加工面精度、面粗度が向上する。
【0025】
さらに、前記突起部を除去する工程を有するので、従来例のように、高精度な加工機を用い、前記突起部の高さを最大膜厚1.5μm以下に抑えるよう、切り込み溝の深さを抑制制御する必要がないので、大幅なコストダウンが可能となる。
【0026】
従って、本発明に基づく製造方法は、信頼性が高く、容易でありかつ低コストである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明において、前記コアは入射した信号光を導波する役割を果たし、前記クラッドは前記コア内に信号光を閉じ込める役割を果たす。前記コアは高い屈折率を持つ材料からなり、前記クラッドは前記コアより低い屈折率の材料で構成されている。
【0028】
また、化学的機械的研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing)によって前記突起部を除去して平坦化することが望ましい。これにより、前記型において、前記パターン材の形状が転写してなる凹部側壁のエッジが1μm程度のR断面形状となり、前記コアと前記クラッドとからなる前記接合体と、前記型との離型性が大幅に向上する。また、前記コアと前記クラッドとの接着面積が増え、製品の歩留りが向上し、一層のコストダウンが可能となる。
【0029】
また、前記パターン材として感光性レジストを用い、前記感光性レジストを露光及び現像処理し、その端面を前記傾斜面に加工することが好ましい。
【0030】
また、前記傾斜面を含む前記パターン材上に前記型材としてのめっき(例えばNi)を施すことが好ましい。
【0031】
そして、前記型にコア材を充填し、前記コア材上に前記クラッドを配して、前記コア材を硬化し、前記型と、前記コア及び前記クラッドとを剥離することにより、前記接合体を得ることが好ましい。
【0032】
本発明に基づく製造方法により得られる光導波路は、光導波路で効率良く所定の光束に集光されて出射し、或いは光導波路に効率良く入射した後に出射した信号光を次段回路の受光素子(光配線やフォトディテクタ等)に入射させるように構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
【0033】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
【0034】
第1の実施の形態
図1及び図2は、本発明に基づく型の製造方法の一例を工程順に示す概略図である。また、図3は、本発明に基づく製造方法により得られる型の概略平面図(a)、及び一部概略断面図(b)である。図4は、本発明に基づく光導波路の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【0035】
まず、図1(a)及び図2(a)に示すように、支持体1上に前記パターン材としての感光性レジスト2を配する。次いで、図2(b)に示すように、感光性レジスト2を露光及び現像処理し、所望とする前記コア形状にパターニングする。例えば、感光性レジスト2は、支持体1上に複数個が並んで配列され、各感光性レジスト2の端面3aの位置が長さ方向において揃っている。
【0036】
次に、図1(b)及び図2(c)に示すように、パターニングされた感光性レジスト2の端面3aを加工刃4などを用いて傾斜面(例えば45°面)3に加工する。
【0037】
次に、図1(c)に示すように、傾斜面3を含む感光性レジスト2上に型材5としてのめっき(例えばNi)を施す。具体的には、感光性レジスト2上に、無電解めっき法によって薄膜めっきを形成した後、電解めっき法によってこれを厚膜化してもよく、或いは、無電解めっき法により所望とする厚さのめっきを形成してもよい。これにより、感光性レジスト2の傾斜面3を含む形状が型材5に転写される。次いで、図1(d)に示すように、支持体1及び感光性レジスト2と、型材5とを剥離する。
【0038】
次に、図1(e)に示すように、型材5において、感光性レジスト2の傾斜面3が転写してなる傾斜面3’の周辺部に存在する突起部6を除去する。具体的には、CMPによって突起部6を除去して平坦化するのが望ましい。例えば、突起部6は高さ数μmの微小な突起であるため、数十秒のCMP研磨で除去することが可能である。一般的なメタルCMPでは、前記めっきとしてのNiの研磨レートは500NM/Minであり、更に突起部6はその3〜5倍で除去されるため、実際では30秒程度で十分平坦化が可能であった。このように、CMPによって突起部6を除去して平坦化すれば、図3(b)に示すように、型7において、感光性レジスト2の形状が転写してなる凹部8の側壁のエッジが1μm程度のR断面形状となる。
【0039】
以上のようにして、図1(f)及び図3に示すように、前記コアの形状に対応した凹部8を有する型7を作製することができる。なお、図3(a)は、図1(f)に示す型7のA方向から見た概略平面図であり、図3(b)は、図1(f)に示す型7のB−B’線一部概略断面図である。
【0040】
次に、図4(a)に示すように、型7の凹部8にコア材9aを充填する。次いで、図4(b)に示すように、コア材9a上に射出成形等によって作製したレンズ部10付きのクラッド11を押圧しながら、UV照射などによってコア材9aを硬化する。
【0041】
次に、図4(c)に示すように、型7と、コア9及びクラッド11とを剥離することにより、クラッド11とコア9とからなる接合体12を得ることができる。なお、本発明に基づく製造方法のように、CMPによって突起部6を除去して平坦化すれば、図3(b)に示すように、型7において、感光性レジスト2の形状が転写してなる凹部8の側壁のエッジが1μm程度のR断面形状となり、コア9とクラッド11とからなる接合体12と、型7との離型性が大幅に向上する。また、コア9とクラッド11との接着面積が増え、製品の歩留りが向上し、一層のコストダウンが可能となる。
【0042】
次いで、図示省略したが、コア9のクラッド11とは反対の面側に、他のクラッドを配すればよい。
【0043】
以上のようにして、前記光導波路を作製することができる。
【0044】
本発明に基づく製造方法によれば、パターニングされた感光性レジスト2の端面3aを傾斜面3に加工するに際し、上記の従来例のように、加工刃4などを用いて支持体1に達する深さ位置まで切り込みを形成し、型材5に突起部6が存在しても、突起部6を除去する工程を有するので、この突起部6が接合体12の作製に悪影響を及ぼすことは無い。従って、感光性レジスト2の端面3aを傾斜面3に加工する際に、加工刃4を支持体1に深く切り込ませることができ、加工刃4の食い付きがよくなり、刃先振動が減少し、結果として、加工面精度、面粗度が向上する。
【0045】
さらに、突起部6を除去する工程を有するので、従来例のように、高精度な加工機を用い、突起部6の高さを最大膜厚1.5μm以下に抑えるよう、切り込み溝14の深さを抑制制御する必要がないので、大幅なコストダウンが可能となる。
【0046】
従って、本発明に基づく製造方法は、信頼性が高く、容易でありかつ低コストである。
【0047】
第2の実施の形態
本発明に基づく製造方法により作製される光導波路は、この光導波路の前記コアに光を入射させる光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部(例えば、フォトダイオード等の受光素子)とから構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
【0048】
図5は、上記の第1の実施の形態による製造方法で作製された光導波路15と、この光導波路15のコア9に光を入射させる光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)16と、コア9からの出射光を受け入れる受光部(例えば、受光素子)17とを有する、光情報処理装置18の概略図である。
【0049】
本実施の形態において、45°ミラー面である光入射部19a及び光出射部19bを有するコア9は、図5(b)に示すように、複数個が並んで配列されており、各コア9の光入出射部19a、19bの位置が長さ方向において揃っている。
【0050】
また、発光素子16は、各コア9の光入射部19aに対応する位置にそれぞれ配置されている。なお、図示省略したが、各発光素子16の間隙には、発光素子16と半導体チップ(図示省略)との間の電気的な接続を行う貫通電極(図示省略)が配置されている。なお、受光素子17においても、上記の発光素子16と同様である。
【0051】
図5に示す光情報処理装置18では、コア9の並ぶ配列ピッチと同じピッチで、発光素子16や受光素子17が配列することとなる。
【0052】
この動作メカニズムは、一方の半導体チップ(図示省略)から発信される電気信号が光信号に変換されて、各発光素子16から光信号として出射される。出射された光信号は、レンズ部10によって集束され、コア9の光入射部19aに入射し、45°ミラー面から構成される光入射部19aにおいて反射し、コア9が延伸する導波方向に導波され、他方の45°ミラー面からなる光出射部19bにおいて再び反射してコア9の光出射部19bから出射する。光導波路15から出射された光信号は、レンズ部10を介して対応する受光素子17に受光されて電気信号に変換され、他方の半導体チップ(図示省略)に電気信号として伝送される(以下、他の実施の形態も同様。)。
【0053】
なお、上記にコア9の光入出射部19a、19bの位置が長さ方向において揃っている例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、図6〜図8のような構造であってもよい。
【0054】
図6では、コア9は複数並んで配列されており、また、各コア9の光入出射部19a、19bが、隣接する他のコア9の光入出射部19a、19bに対して長さ方向にずれて形成されている。この場合、発光素子アレイ16aは、各コア9の光入射部19aに対応する位置に配置された複数の発光素子16を備える(これは、受光素子アレイ17aの受光素子17についても同様である。)。
【0055】
これによれば、各コア9の光入出射部19a、19bが、隣接する他のコア9の光入出射部19a、19bに対して長さ方向にずれて形成されているので、コア9の長さ方向において配列する発光素子16同士のピッチは、上記の長さ方向のズレ量だけの大きさとなる。例えば、隣接するコア9の光入出射部19a、19bを延伸方向において100μmだけずらした場合には、コア9の長さ方向において配列する発光素子16同士のピッチは100μmとなる。これは、受光素子17においても同様である。
【0056】
また、コア9の配列方向に並ぶ発光素子16のピッチは、複数個のコア9の配列ピッチの合計分だけの大きさとなる。例えば、各コア9が20μmの配列ピッチで配列している場合には、コア9の配列方向に並ぶ発光素子16のピッチは、100μmとなる。
【0057】
このように、各コア9の光入出射部19a、19bが、隣接する他のコア9の光入出射部19a、19bに対して長さ方向にずれて形成されていることにより、コア9に対応して配置される光素子(発光素子、受光素子を併せて称する。以下、同様。)16、17を二次元的に配置することができ、光素子16、17を100μmピッチ程度で配置しながら、コア9を20μmピッチにまで集積することが可能となっている。
【0058】
即ち、光素子16、17の距離を光干渉や素子発熱によりクロストークの影響を避けるためのピッチで配列させつつ、コア9の集積度を向上させることが可能となる。
【0059】
また、コア9を高集積化させつつ、光素子16、17を二次元的に配列することにより、無駄なスペースが無くなり、一素子当たりの基板占有面積を削減することができる。このため、一層のコストダウンを図ることができる。
【0060】
図7では、各コア9−1、9−2の光入出射部19a、19bは、隣接する他のコア9−1、9−2の光入出射部19a、19bに対して長さ方向にずれて形成されている。即ち、光入出射部19a、19bの位置がずれた2つの第1のコア9−1及び第2のコア9−2を一単位として、繰り返し配列されている。そして、各コア9の長さ方向の一方側において、第1のコア9−1の光入射部19aに対応して配置された発光素子16を複数有する発光素子アレイ16a−1と、第2のコア9−2の光出射部19bに対応して配置された受光素子17を複数有する受光素子アレイ17a−2が配置されている。また、各コア9の長さ方向の他方側において、第1のコア9−1の光出射部19bに対応して配置された受光素子17を複数有する受光素子アレイ17a−1と、第2のコア9−2の光入射部19aに対応して配置された発光素子16を複数有する発光素子アレイ16a−2が配置されている。即ち、この光情報処理装置18では、並列に配置された各コア9−1、9−2に対し、発光素子16及び受光素子17が交互に配置されている。そのため、各コア9−1、9−2は、互いに隣接する他のコア9−1、9−2に対し逆方向に光を導波する。
【0061】
これによれば、上記した図6のような構造と同等の効果が得られると共に、並列に配置された各コア9−1、9−2に対し、発光素子16及び受光素子17が交互に配置されていることから、例えば、半導体チップの特定の回路に接続する入出力パッドに対応する発光素子16及び受光素子17の位置は、図7(a)のC部に示すように近接配置されていることから、電気配線の長さを短くすることができ、高周波対策が容易になるという効果がある。
【0062】
図8では、並列に配置された各コア9に対し、発光素子16及び受光素子17が交互に配置されており、各コア9は、互いに隣接する他のコア9に対し逆方向に光を導波する。また、各光素子アレイ16a−1、16a−2、17a−1、17a−2における光素子16、17は、図8(c)に示すように、隣り合う他の光素子16、17に対し、コア9の長さ方向にずれて配置されている。
【0063】
これによれば、各光素子アレイ16a−1、16a−2、17a−1、17a−2において光素子16、17が直線的に配列している場合に比べて、光素子16、17間のピッチを大きくとることができることから、上記の図7のような構造の効果を維持しつつ、光素子16、17間の距離を光干渉や素子発熱によるクロストークの影響を避けるためのピッチで配列させることができ、コア9の集積度を向上させることが可能となる。
【0064】
第3の実施の形態
本発明に基づく製造方法により作製される光導波路は、プリント配線板上に直接実装することができるが、この他に、前記光導波路をソケットに設置して光電複合装置とし、この光電複合装置をプリント配線板上に実装してもよい。
【0065】
図9は、前記ソケットの概略斜視図である。図9(a)は、前記ソケットの光導波路が設置される面側から見た概略斜視図であり、図9(b)は、図9(a)の反対の面側から見た概略斜視図である。
【0066】
図9に示すように、ソケット20には、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を位置決めして固定するための、凹凸構造からなる位置決め手段が設けられている。具体的には、前記凹凸構造が、前記光導波路を嵌め込んでその幅方向を位置決めするための凹部21と、前記光導波路の長さ方向を位置決めするための突起部22とを有している。また、凹部21の深さは、前記光導波路の厚さよりも大きい。
【0067】
また、ソケット20の前記凹凸構造の凸面23には、ソケット20の表及び裏面とを導通するための導通手段、例えばターミナルピン24が設けられている。そして、この凹凸構造の凸面23上に、後述するように、前記発光素子及び/又は前記受光素子が実装されたインターポーザーが固定される。
【0068】
ソケット20の材質としては絶縁性樹脂であれば、従来公知の材料を用いることができ、例えばガラス入りPES(ポリエチレンスルフィド)樹脂、ガラス入りPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等が挙げられる。このようなソケット20の材料は、その種類、絶縁性、信頼性等のデータが既に多く存在し、また扱っているメーカーも多岐に渡る。従って、機能、コスト、信頼性等の全てにおいて受け入れ易い構造物であり、既存のプリント配線板実装プロセスとの融合も図り易い。
【0069】
図10は、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路15をソケット20に設置してなる光電複合装置25の概略図である。図10(a)は、光電複合装置25の概略斜視図であり、図10(b)は、図10(a)の分解図である。
【0070】
図10に示すように、光電複合装置25は、一対のソケット20と、このソケット20に設置された光導波路15とを有し、この一対のソケット20間に光導波路15が架け渡されている。なお、光導波路15は、本発明に基づく製造方法により作製される。このとき、光導波路15は、後述するプリント配線板とは非接触となっているので、半導体チップの放熱により、光導波路15が破壊されるのを効果的に防止することができる。
【0071】
また、ソケット20の前記凹凸構造の凸面23上に、半導体チップ26a、26bと、前記発光素子(図示省略。例えばレーザー)及び/又は受光素子(図示省略)とが実装されたインターポーザー27が固定されている。
【0072】
インターポーザー27は、例えば図11に示すように、一方の面側には半導体チップ26が実装されており(図11(a))、他方の面側には光導波路15に光入射を行うための発光素子アレイ16aと、光導波路15からの出射光を受けるための受光素子アレイ17aとが実装され、周辺部にはその他の信号配線用の電極(例えば電源配線、DC信号等)28が設けられている(図11(b))。なお、発光素子アレイ16a及び受光素子アレイ17aは、光導波路15の各光入出射部に対応する位置に配置された複数の発光素子及び受光素子を備える(図示省略)。各発光素子及び受光素子の間隙には、発光素子及び受光素子と半導体チップとの間の電気的接続を行う貫通電極が配置されている(図示省略)。
【0073】
そして、凹部21に光導波路15が設置されてなる一対のソケット20と、インターポーザー27とを固定するに際し、インターポーザー27の発光素子アレイ16a及び/又は受光素子アレイ17aが実装された面側をソケット20の凸面23と接するように構成し、またソケット20のターミナルピン24とインターポーザー27のその他の信号配線用の電極28とを電気的に接続するように固定する。
【0074】
また、上述したように、ソケット20の凹部21の深さを、光導波路15の厚さよりも大きく形成することにより、図10(a)に示すように、光導波路15の一方の面29側と、インターポーザー27の発光素子アレイ16a及び/又は受光素子アレイ17aが実装されている面側との間に空間30を形成することができる。
【0075】
上記したように、ソケット20上に、インターポーザー27を介して半導体チップ26を実装し、及び光導波路15の一方の面29側と、インターポーザー27の発光素子アレイ16a及び/又は受光素子アレイ17aが実装されている面側との間に空間30を形成することにより、光電複合装置25の使用時に半導体チップ26が発熱しても、この熱によって光導波路15が破壊されるのを効果的に防ぐことができる。
【0076】
このような光電複合装置25は、光導波路15が光配線として用いられる光配線システムを構成することができる。即ち、図12に示すように、この光電複合装置25をプリント配線板31に電気的に接続された状態で固定する。
【0077】
この動作メカニズムは、一方の半導体チップ26aから発信される電気信号が光信号に変換されて、発光素子アレイ16aの各発光素子(図示省略)からレーザー光による光信号として出射される。出射された光信号は、光導波路15における対応するレンズ部10によって集束され、コア9の光入射部19aに入射し、コア9が延伸する導波方向に導波され、他方のコア9の光出射部19bから出射する。そして、光導波路15から出射された光信号は、受光素子アレイ17aの対応する受光素子(図示省略)に受光されて電気信号に変換され、他方の半導体チップ26bに電気信号として伝送される。
【0078】
このような光電複合装置25によれば、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路15をソケット20の凹部21に設置された状態でプリント配線板31に電気的に接続することができるので、既存のプリント配線板31の実装構造をそのまま利用できる構造である。従って、プリント配線板31上にソケット20が設置できる領域を設ければ、その他の一般の電気配線は従来通りのプロセスで形成することが可能である。
【0079】
また、光導波路15が高熱プロセスに弱くても、例えば、プリント配線板31にソケット20を固定し、更にはんだリフロー、アンダーフィル樹脂封止などの高温プロセスを含む、全ての実装プロセスを完了した後、ソケット20の凹部21に光導波路15を設置することができるので、光導波路15が高温によるダメージをこうむることなしにその自走を行うことが可能である。
【0080】
また、プリント配線板31と比較して剛性の高い樹脂によってソケット20を作製でき、このソケット20上で、前記発光素子及び/又は前記受光素子及び光導波路15間の光結合を行うことができるため、光結合に必要とされる実装精度を容易に確保できる。例えば、現状のモールド技術により、数μmオーダーの組立て精度は確保可能である。従って、光バスの高密度化も可能となる。
【0081】
さらに、半導体チップ26と、発光素子アレイ16a及び/又は受光素子アレイ17aとを、インターポーザー27を介してその上下面に近接させて設置することができるので、半導体チップ26と、前記発光素子及び/又は前記受光素子との間の配線長を短くすることができる。従って、電気信号のノイズ対策、クロストーク対策も容易となり、光変調速度も向上させることが可能となる。
【0082】
また、光導波路15がソケット20の凹部21に設置された状態でプリント配線板31に電気的に接続することができるので、プリント配線板31の高密度配線とその設計の自由度を確保しながら光配線システムを安価かつ高い自由度でプリント配線板31上に展開することが可能となり、プリント配線板31上での高速分散処理、電子機器トータルでの高機能化、及び開発の短TAT(turn around time)化等が期待できる。
【0083】
ここで、図13は、光電複合装置25をプリント配線板31上に展開した例を示す模式図である。例えば、光導波路モジュールを規格化することで、4方向に自在に展開することが可能となる。
【0084】
第4の実施の形態
本発明に基づく製造方法により作製される光導波路と、この光導波路の前記コアに光を入射させる前記光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる前記受光部とを有する前記光情報処理装置の入力側に入力信号を供給する回路素子を設け、また出力側に出力信号を受ける回路素子を設けることにより、電子機器を構成することができる。この場合、前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されているのがよい。
【0085】
図14は、上記の電子機器としてのコンピュータシステム200の構成を示している。このコンピュータシステム200は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリコントローラとしてのノースブリッジ202と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)203と、I/Oコントローラとしてのサウスブリッジ204と、バス205と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)206と、記憶装置207と、その他の入出力装置(I/O装置)208とを備える。
【0086】
ノースブリッジ202は、光配線として構成された上記の光情報処理装置210aを介してCPU201に接続されている。また、サウスブリッジ204は、光配線として構成された光情報処理装置210bを介してノースブリッジ202に接続されていると共に、さらに光配線210aを介してCPU201に接続されている。また、DRAM203は、光配線として構成された光情報処理装置210cを介してノースブリッジ202に接続されている。CPU201は、OS(Operating System)及びアプリケーションプログラムに基づいて各部を制御する。ノースブリッジ202は、メモリ203へのアクセスを統括制御する。
【0087】
バス205は電気配線214を介してサウスブリッジ204に接続されている。また、ネットワークインタフェース206、記憶装置207及びその他のI/O装置208はそれぞれ、バス205に接続されている。記憶装置207は、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、CD(Compact Disk)ドライブなどである。I/O装置208は、ビデオ入出力装置、シリアルやパラレルのインタフェースなどである。
【0088】
図15は、図14における光配線として構成された光情報処理装置210a、b、c(但し、図15では光配線210と記載している。)の構成例を示している。この光配線210は、Nチャネル分の光伝送系220−1〜220−Nを有している。光伝送系220−1〜220−Nはそれぞれ、第1の回路から第2の回路に光信号を伝送する第1の伝送系221と、第2の回路から第1の回路に光信号を伝送する第2の伝送系222とからなっている。ここで、図14における光配線210aを考える場合、前記第1の回路とはCPU201を示し、前記第2の回路とはノースブリッジ202を示す。図14における光配線210bを考える場合、前記第1の回路とはノースブリッジ202を示し、前記第2の回路とはサウスブリッジ204を示す。図14における光配線210cを考える場合、前記第1の回路とはDRAM203を示し、前記第2の回路とはノースブリッジ202を示す。また、光配線210は、図7に示すような光導波方向を有するよう構成された例を挙げる。
【0089】
第1の伝送系221は、パラレル/シリアル変換器(P/S変換器)221a、ドライバアンプ221b、前記発光素子としての半導体レーザー221c、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路221d、受光素子としてのフォトダイオード221e、トランスインピーダンスアンプ(TIA)221f、I/V変換アンプ(IVA)221g及びシリアル/パラレル変換器(S/P変換器)221hを備えている。この場合、P/S変換器221a、ドライバアンプ221b及び半導体レーザー221cは前記第1の回路側に配置され、フォトダイオード221e、TIA221f、IVA221g及びS/P変換器221hは前記第2の回路側に配置される。また、光導波路221dは、上記の各実施の形態で説明した本発明に基づく製造方法により作製され、半導体レーザー221cから出射された光信号を効果的に入射するよう配置されると共に、光導波路221dを導波して出射された光信号がフォトダイオード221eに効果的に受光されるよう配置される。
【0090】
また、第2の伝送系222は、第1の伝送系221と同様に、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b、半導体レーザー222c、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路222d、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222g及びS/P変換器222hを備えている。この場合、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b及び半導体レーザー222cは前記第2の回路側に配置され、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222g及びS/P変換器222hは前記第1の回路側に配置される。また、光導波路222dは、上記の各実施の形態で説明した本発明に基づく製造方法により作製され、半導体レーザー222cから出射された光信号を効果的に入射するよう配置されると共に、光導波路222dを導波して出射された光信号がフォトダイオード222eに効果的に受光されるよう配置される。
【0091】
ここで、P/S変換器221a、222aはそれぞれ、伝送すべきデータ、例えばb0〜b7の8ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。ドライバアンプ221b、222bはそれぞれ、P/S変換器221a、222aで得られたシリアルデータに基づいて半導体レーザー221c、222cを駆動し、この半導体レーザー221c、222cからシリアルデータに対応した光信号を発生させる。TIA221f、222fはそれぞれ、フォトダイオード221e、222eからの光電変換による電流信号を、後続のIVA221g、222gに供給する際に、インピーダンスマッチングをとる。IVA221g、222gはそれぞれ、TIA221f、222fの出力信号である電流信号を電圧信号に変換する。S/P変換器221h、222hはそれぞれ、IVA221g、222gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータをパラレルデータに変換する。
【0092】
次に、前記第1の回路から前記第2の回路にデータを伝送する際の動作について説明する。前記第1の回路からの伝送すべき8ビットのパラレルデータがP/S変換器221aでシリアルデータに変換され、このシリアルデータがドライバアンプ221bに供給される。このドライバアンプ221bにより半導体レーザー221cが駆動され、この半導体レーザー221cからシリアルデータに対応した光信号が発生される。そして、この光信号が光導波路221dを導波し、前記第2の回路側に伝送される。
【0093】
前記第2の回路側では、光導波路221dを導波し、出射された光信号がフォトダイオード221eに受光される。このフォトダイオード221eからの光電変換による電流信号が、インピーダンスマッチング用のTIA221fを介してIVA221gに供給され、電圧信号に変換される。そして、このIVA221gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータがS/P変換器221hでパラレルデータに変換され、前記第2の回路へと伝送される。
【0094】
このようにして、前記第1の回路から前記第2の回路にデータの伝送が行われる。なお、詳細説明は省略するが、前記第2の回路から前記第1の回路にデータを伝送する際の動作についても上記と同様に行われる。図15に示す光配線210では、Nチャネル分の光伝送系220−1〜220−Nを有しているので、Nチャネル分のデータ送受信を並行して行うことができる。
【0095】
上述したコンピュータシステム200においては、図示しないプリント配線板(マザーボード)上に、電子部品としてのCPU201、ノースブリッジ202、DRAM203、サウスブリッジ204及びバス205等をそれぞれ構成する半導体チップ、及び光配線として構成された光情報処理装置210が実装される。
【0096】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された前記光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0097】
また、光配線210における光導波路221d、222dは、本発明に基づく製造方法によって作製されるので、上述した各実施の形態と同様の効果が奏せられる。
【0098】
従って、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路221d、222dを用いて構成される電子機器は、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0099】
第5の実施の形態
図16は、上記の電子機器としてのゲーム機300の構成を示している。このゲーム機300は、ゲームアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムに基づいて信号処理や内部構成要素の制御を行うメインCPU301と、画像処理を行うグラフィックプロセッサ(GP)302と、インターネット等のネットワークとのインタフェースを行うためのネットワークインタフェース(ネットワークI/F)303と、インタフェース処理を行うIOプロセッサ(IOP)304と、DVDやCD等の光ディスク305の読み出し制御や読み出されたデータのデコードを行う光ディスク制御部306と、メインCPU301に接続されるメインメモリとしてのDRAM307と、IOプロセッサ304が実行する命令やデータを保持するためのIOPメモリ308と、主にオペレーティングシステム用のプログラムが格納されたOS−ROM309と、音声信号処理を行うサウンドプロセッサユニット(SPU)310と圧縮波形データを格納するサウンドバッファ311とを基本構成として備えている。
【0100】
メインCPU301とネットワークI/F303は、光配線210dにより接続されている。メインCPU301とグラフィックプロセッサ302は、光配線210eにより接続されている。
【0101】
なお、光配線210d、210eはそれぞれ、上記した図15に示すように構成されており、メインCPU301とネットワークI/F303の間、及びメインCPU301とグラフィックプロセッサ302の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0102】
メインCPU301とIOプロセッサ304は、SBUS314により接続されている。IOプロセッサ304と、光ディスク制御部306、OS−ROM309及びサウンドプロセッサユニット310は、SSBUS315により接続されている。
【0103】
メインCPU301は、OS−ROM309に格納されたプログラムや、光ディスク305から読み出されてDRAM307にロードされたり、或いは通信ネットワークを介してダウンロードされた、各種のゲームアプリケーションプログラム等を実行する。グラフィックプロセッサ302は、例えばビデオゲームにおけるレンダリング処理等を行い、ビデオ信号をディスプレイに出力する。
【0104】
IOプロセッサ304には、コントローラ(図示せず)が接続されるコントローラポート321、メモリカード(図示せず)が装填されるメモリカードスロット322、USB接続端子323及びIEEE1394接続端子324が接続されている。これにより、IOプロセッサ304は、コントローラポート321を介して接続されたコントローラ、メモリカードスロット322を介して接続されたメモリカード、USB接続端子323を介して接続された図示しない携帯電話機やパーソナルコンピュータとの間でデータの送受や、プロトコル変換等を行う。
【0105】
サウンドプロセッサユニット310は、サウンドバッファ311に格納されている圧縮波形データを、メインCPU301からの命令に基づいて所定のサンプリング周波数で再生することなどにより、様々なサウンドを合成し、オーディオ信号をスピーカに出力する。
【0106】
上述したゲーム機300においては、図示しないプリント配線板(マザーボード)上に、メインCPU301等の基本構成電子部品としての半導体チップ、及び光配線として構成された光情報処理装置210d、210eが実装される。
【0107】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された前記光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0108】
また、光配線210d、210eにおける前記光導波路として、上述した本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を適用するので、これを用いて構成される電子機器は、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0109】
第6の実施の形態
図17は、上記の電子機器としてのサーバ400の構成を示している。このサーバ400は、CPU401、402と、チップセット403と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)404と、メモリ405と、PCIブリッジ406と、ルータ407とを基本構成として備えている。
【0110】
チップセット403には、光配線210f、210gを介してCPU401、402が接続されていると共に、光配線210hを介して、ネットワークI/F404が接続されている。ネットワークI/F404は、ネットワークとのインタフェースを行う。チップセット403は、CPU401、402、ネットワークI/F404、メモリ405及びPCIブリッジ406などを制御する。
【0111】
なお、光配線210f、210g、210hはそれぞれ、上記した図15に示すように構成されており、CPU401、402とチップセット403の間、及びチップセット403とネットワークI/F404の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0112】
また、チップセット403には、電気配線により、メモリ405、PCIブリッジ406及びルータ407が接続されている。
【0113】
PCIブリッジ406には、PCIバス414を介して、記憶装置などのPCIデバイス415〜417が接続されている。ルータ407は、例えば、スイッチカード421及びラインカード422〜425から構成されている。ラインカード422〜425は、パケットの前処理を行うプロセッサであり、スイッチカード421はパケットの行き先をアドレスに従い切り替えるスイッチである。
【0114】
上述したサーバ400においては、図示しないプリント配線板(マザーボード)上に、CPU401、402、チップセット403等の基本構成電子部品としての半導体チップ、及び光配線として構成された光情報処理装置210f、210g、210hが実装される。
【0115】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された前記光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0116】
また、光配線210f、210g、210hにおける前記光導波路として、上述した本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を適用するので、これを用いて構成される電子機器は、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0117】
以上、本発明を実施の形態について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
【0118】
例えば、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路は、レーザー光に信号を乗せた上述した光配線システムに好適であるが、これ以外にも、光源等の選択によりディスプレイ用などにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】第1の実施の形態による、本発明に基づく製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【図2】同、本発明に基づく製造方法の一例を工程順に示す概略平面図である。
【図3】同、本発明に基づく製造方法により得られる型の概略図である。
【図4】同、本発明に基づく製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【図5】第2の実施の形態による、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を用いて構成した光情報処理装置の概略図である。
【図6】同、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を用いて構成した他の例の光情報処理装置の概略図である。
【図7】同、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を用いて構成した他の例の光情報処理装置の概略図である。
【図8】同、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を用いて構成した他の更に例の光情報処理装置の概略図である。
【図9】第3の実施の形態による、本発明に基づく製造方法によって作製された光導波路を設置するソケットの概略斜視図である。
【図10】同、前記ソケットに本発明に基づく製造方法によって作製された光導波路を設置してなる光電複合装置の概略斜視図である。
【図11】同、前記ソケットに接合するインターポーザーの概略斜視図である。
【図12】同、前記光電複合装置をプリント配線板上に配した概略断面図である。
【図13】同、前記光電複合装置の実装構造の一例の概略平面図である。
【図14】第4の実施の形態による、本発明に基づく製造方法によって作製された光導波路を用いて構成された電子機器の一例を示す模式図である。
【図15】同、前記電子機器において、光配線として構成された前記光情報処理装置の構成の一例を示す模式図である。
【図16】第5の実施の形態による、本発明に基づく製造方法によって作製された光導波路を用いて構成された電子機器の一例を示す模式図である。
【図17】第6の実施の形態による、本発明に基づく製造方法によって作製された光導波路を用いて構成された電子機器の一例を示し模式図である。
【図18】従来例による、光導波路の実装構造を示す概略図である。
【図19】同、光導波路の概略図である。
【図20】同、光導波路の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図21】同、コアの成形に用いられる型の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0120】
1…支持体、2…感光性レジスト、3a…端面、3、3’…傾斜面、4…加工刃、
5…型材、6…突起部、7…型、8…凹部、9a…コア材、9…コア、10…レンズ部、
11…クラッド、12…接合体、13…クラッド、14…切り込み溝、15…光導波路、
31…プリント配線板
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源モジュール、光インターコネクション、光通信等に好適な光導波路の製造方法及びこれに用いられる型の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、LSI(大規模集積回路)等の半導体チップ間の信号伝搬は、全て基板配線を介した電気信号によりなされている。しかし、昨今のMPU高機能化に伴い、チップ間にて必要とされるデータ授受量は著しく増大し、結果として様々な高周波問題が浮上している。それらの代表的なものとして、RC信号遅延、インピーダンスミスマッチ、EMC/EMI、クロストーク等が挙げられる。
【0003】
上記の問題を解決するため、これまで実装業界などが中心となり、配線配置の最適化や新素材開発などの様々な手法を駆使し、解決に当たってきた。
【0004】
しかし近年、上記の配線配置の最適化や新素材開発等の効果も物性的限界に阻まれつつあり、今後システムの更なる高機能化を実現するためには、単純な半導体チップの実装を前提としたプリント配線板の構造そのものを見直す必要が生じてきている。近年、これら諸問題を解決すべく様々な抜本対策が提案されているが、以下にその代表的なものを記す。
【0005】
・マルチチップモジュール(MCM)化による微細配線結合
高機能チップを、セラミック・シリコンなどの精密実装基板上に実装し、マザーボード(多層プリント基板)上では形成不可能である微細配線結合を実現する。これによって配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を広げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0006】
・各種半導体チップの封止、一体化による電気配線結合
各種半導体チップをポリイミド樹脂などを用いて二次元的に封止、一体化し、その一体化された基板上にて微細配線結合を行う。これによって配線の狭ピッチ化が可能となり、バス幅を広げることでデータ授受量が飛躍的に増大する。
【0007】
・半導体チップの三次元結合
各種半導体チップに貫通電極を設け、それぞれを貼り合わせることで積層構造とする。これにより、異種半導体チップ間の結線が物理的に短絡化され、結果として信号遅延などの問題が回避される。但しその一方、積層化による発熱量増加、半導体チップ間の熱応力等の問題が生じる。
【0008】
さらに、上記のように信号授受の高速化及び大容量化を実現するために、光配線による光伝送結合技術が開発されている(例えば、後記の非特許文献1及び非特許文献2参照。)。光配線は、電子機器間、電子機器内のボード間又はボード内のチップ間など、種々の個所に適用可能である。例えば図18に示すように、チップ間のような短距離間の信号の伝送には、チップが搭載されているプリント配線板50上に光導波路51を形成し、この光導波路51を信号変調されたレーザー光等の伝送路とした光伝送・通信システムを構築することができる。
【0009】
また、図19に示すように、光導波路51はクラッド52及び53と、これらのクラッド52、53間に挟着されたコア54とからなり、クラッド52の端部にはレンズ部55が配されている。また、コア54の光入出射端面56a、56bはそれぞれ、傾斜面、例えば45°ミラー面に形成されている。
【0010】
以下に、光導波路51の製造方法について、図20を参照して説明する。
【0011】
まず、図20(a)に示すように、レンズ部55を含むクラッド52に対応した形状を有する上型57及び下型58を用い、図20(b)に示すようなレンズ部55付きのクラッド52を作製する。
【0012】
次に、図20(c)に示すように、コア54に対応した形状の凹部59を有する型60を用い、この凹部59にコア材54aを充填する。次いで、図20(d)に示すように、コア材54a上に上記のようにして作製したレンズ部55付きのクラッド52を押圧しながら、UV照射してコア材54aを硬化する。次いで、図20(e)に示すように、クラッド52とコア54とからなる接合体と、型60とを剥離する。
【0013】
そして、図20(f)に示すように、射出成形等によって作製したクラッド53をコア54に接合すれば、光導波路51を得ることができる。
【0014】
以下に、コア54の成形に用いる型60の製造方法について、図21を参照して説明する。
【0015】
まず、図21(a)に示すように、支持体61上にレジスト62を設ける。そして、図21(b)に示すように、レジスト62の端面63を加工刃64などを用いて傾斜面に加工する。
【0016】
次に、図21(c)に示すように、このレジスト62上にNi等を用いてめっき65を施し、次いで、図21(d)に示すように、支持体61及びレジスト62と、Ni等のめっき65を剥離すれば、コア54に対応した形状の凹部59を有する型60を作製することができる。
【0017】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス、“光配線との遭遇”2001年12月3日の122頁、123頁、124頁、125頁、図4、図5、図6、図7
【非特許文献2】NTT R&D, vol.48, no.3, pp.271-280 (1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上記の従来例による型の製造方法では、図21(b)に示すように、加工刃64などを用いてレジスト62の端面63を傾斜面に加工するためには、支持体61に達する深さ位置まで切り込みを入れなくてはならない。このように支持体61に切り込み溝67が形成されると、図21(d)に示すように、型60において、レジスト63の傾斜面63が転写してなる傾斜面63’の周辺部に突起部66が存在してしまう。型60において、傾斜面63’の周辺部に突起部66が存在すると、図20(d)に示すように、この型60を用いてコア54とクラッド52との接合体を作製するのに際し、突起部66によってコア54とクラッド52との接合強度が弱くなり、光導波路の信頼性が低下する。また、突起部66が邪魔して前記接合体の作製自体が困難になる。
【0019】
これを解決するために、高精度な加工機を用い、光漏れを抑制できる最大膜厚1.5μm以下に突起部の高さを抑えるよう、切り込み溝の深さを抑制制御し、加工する方法がある。しかしながら、この方法では、非常に高精度な装置管理が必要となるため、型の作製及び光導波路の作製において、大幅なコストダウンが困難である。
【0020】
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、信頼性が高く、容易でありかつ低コストな光導波路の製造方法及びこれに用いられる型の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
即ち、本発明は、クラッドとコアとの接合体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成されている光導波路の製造方法において、
支持体上にパターン材を配する工程と、
前記パターン材をコア形状にパターニングする工程と、
前記パターニングされたパターン材の端面を傾斜面に加工する工程と、
前記加工されたパターン材上に型材を設ける工程と、
前記型材と前記パターン材とを剥離する工程と、
前記型材において、前記傾斜面が転写してなる傾斜面の周辺部に存在する突起部を除 去して型を作製する工程と、
前記型を用いて前記コアを成形する工程と
を有する、光導波路の製造方法に係るものである。
【0022】
また、コアの成形に用いられる型の製造方法において、
支持体上にパターン材を配する工程と、
前記パターン材をコア形状にパターニングする工程と、
前記パターニングされたパターン材の端面を傾斜面に加工する工程と、
前記加工されたパターン材上に型材を設ける工程と、
前記型材と前記パターン材とを剥離する工程と、
前記型材において、前記傾斜面が転写してなる傾斜面の周辺部に存在する突起部を除 去する工程と
を有する、型の製造方法に係るものである。
【0023】
ここで、本発明において前記「コア」とは、単一のコアに限らず、複数個のアレイも含む意味である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、前記パターニングされたパターン材の前記端面を傾斜面に加工するに際し、上記の従来例のように、加工刃などを用いて前記支持体に達する深さ位置まで切り込みを形成し、前記型材に前記突起部が存在しても、前記突起部を除去する工程を有するので、この突起部が前記接合体の作製に悪影響を及ぼすことは無い。従って、前記パターニングされたパターン材の前記端面を傾斜面に加工する際に、前記加工刃を前記支持体に深く切り込ませることができ、前記加工刃の食い付きがよくなり、刃先振動が減少し、結果として、加工面精度、面粗度が向上する。
【0025】
さらに、前記突起部を除去する工程を有するので、従来例のように、高精度な加工機を用い、前記突起部の高さを最大膜厚1.5μm以下に抑えるよう、切り込み溝の深さを抑制制御する必要がないので、大幅なコストダウンが可能となる。
【0026】
従って、本発明に基づく製造方法は、信頼性が高く、容易でありかつ低コストである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明において、前記コアは入射した信号光を導波する役割を果たし、前記クラッドは前記コア内に信号光を閉じ込める役割を果たす。前記コアは高い屈折率を持つ材料からなり、前記クラッドは前記コアより低い屈折率の材料で構成されている。
【0028】
また、化学的機械的研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing)によって前記突起部を除去して平坦化することが望ましい。これにより、前記型において、前記パターン材の形状が転写してなる凹部側壁のエッジが1μm程度のR断面形状となり、前記コアと前記クラッドとからなる前記接合体と、前記型との離型性が大幅に向上する。また、前記コアと前記クラッドとの接着面積が増え、製品の歩留りが向上し、一層のコストダウンが可能となる。
【0029】
また、前記パターン材として感光性レジストを用い、前記感光性レジストを露光及び現像処理し、その端面を前記傾斜面に加工することが好ましい。
【0030】
また、前記傾斜面を含む前記パターン材上に前記型材としてのめっき(例えばNi)を施すことが好ましい。
【0031】
そして、前記型にコア材を充填し、前記コア材上に前記クラッドを配して、前記コア材を硬化し、前記型と、前記コア及び前記クラッドとを剥離することにより、前記接合体を得ることが好ましい。
【0032】
本発明に基づく製造方法により得られる光導波路は、光導波路で効率良く所定の光束に集光されて出射し、或いは光導波路に効率良く入射した後に出射した信号光を次段回路の受光素子(光配線やフォトディテクタ等)に入射させるように構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
【0033】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
【0034】
第1の実施の形態
図1及び図2は、本発明に基づく型の製造方法の一例を工程順に示す概略図である。また、図3は、本発明に基づく製造方法により得られる型の概略平面図(a)、及び一部概略断面図(b)である。図4は、本発明に基づく光導波路の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【0035】
まず、図1(a)及び図2(a)に示すように、支持体1上に前記パターン材としての感光性レジスト2を配する。次いで、図2(b)に示すように、感光性レジスト2を露光及び現像処理し、所望とする前記コア形状にパターニングする。例えば、感光性レジスト2は、支持体1上に複数個が並んで配列され、各感光性レジスト2の端面3aの位置が長さ方向において揃っている。
【0036】
次に、図1(b)及び図2(c)に示すように、パターニングされた感光性レジスト2の端面3aを加工刃4などを用いて傾斜面(例えば45°面)3に加工する。
【0037】
次に、図1(c)に示すように、傾斜面3を含む感光性レジスト2上に型材5としてのめっき(例えばNi)を施す。具体的には、感光性レジスト2上に、無電解めっき法によって薄膜めっきを形成した後、電解めっき法によってこれを厚膜化してもよく、或いは、無電解めっき法により所望とする厚さのめっきを形成してもよい。これにより、感光性レジスト2の傾斜面3を含む形状が型材5に転写される。次いで、図1(d)に示すように、支持体1及び感光性レジスト2と、型材5とを剥離する。
【0038】
次に、図1(e)に示すように、型材5において、感光性レジスト2の傾斜面3が転写してなる傾斜面3’の周辺部に存在する突起部6を除去する。具体的には、CMPによって突起部6を除去して平坦化するのが望ましい。例えば、突起部6は高さ数μmの微小な突起であるため、数十秒のCMP研磨で除去することが可能である。一般的なメタルCMPでは、前記めっきとしてのNiの研磨レートは500NM/Minであり、更に突起部6はその3〜5倍で除去されるため、実際では30秒程度で十分平坦化が可能であった。このように、CMPによって突起部6を除去して平坦化すれば、図3(b)に示すように、型7において、感光性レジスト2の形状が転写してなる凹部8の側壁のエッジが1μm程度のR断面形状となる。
【0039】
以上のようにして、図1(f)及び図3に示すように、前記コアの形状に対応した凹部8を有する型7を作製することができる。なお、図3(a)は、図1(f)に示す型7のA方向から見た概略平面図であり、図3(b)は、図1(f)に示す型7のB−B’線一部概略断面図である。
【0040】
次に、図4(a)に示すように、型7の凹部8にコア材9aを充填する。次いで、図4(b)に示すように、コア材9a上に射出成形等によって作製したレンズ部10付きのクラッド11を押圧しながら、UV照射などによってコア材9aを硬化する。
【0041】
次に、図4(c)に示すように、型7と、コア9及びクラッド11とを剥離することにより、クラッド11とコア9とからなる接合体12を得ることができる。なお、本発明に基づく製造方法のように、CMPによって突起部6を除去して平坦化すれば、図3(b)に示すように、型7において、感光性レジスト2の形状が転写してなる凹部8の側壁のエッジが1μm程度のR断面形状となり、コア9とクラッド11とからなる接合体12と、型7との離型性が大幅に向上する。また、コア9とクラッド11との接着面積が増え、製品の歩留りが向上し、一層のコストダウンが可能となる。
【0042】
次いで、図示省略したが、コア9のクラッド11とは反対の面側に、他のクラッドを配すればよい。
【0043】
以上のようにして、前記光導波路を作製することができる。
【0044】
本発明に基づく製造方法によれば、パターニングされた感光性レジスト2の端面3aを傾斜面3に加工するに際し、上記の従来例のように、加工刃4などを用いて支持体1に達する深さ位置まで切り込みを形成し、型材5に突起部6が存在しても、突起部6を除去する工程を有するので、この突起部6が接合体12の作製に悪影響を及ぼすことは無い。従って、感光性レジスト2の端面3aを傾斜面3に加工する際に、加工刃4を支持体1に深く切り込ませることができ、加工刃4の食い付きがよくなり、刃先振動が減少し、結果として、加工面精度、面粗度が向上する。
【0045】
さらに、突起部6を除去する工程を有するので、従来例のように、高精度な加工機を用い、突起部6の高さを最大膜厚1.5μm以下に抑えるよう、切り込み溝14の深さを抑制制御する必要がないので、大幅なコストダウンが可能となる。
【0046】
従って、本発明に基づく製造方法は、信頼性が高く、容易でありかつ低コストである。
【0047】
第2の実施の形態
本発明に基づく製造方法により作製される光導波路は、この光導波路の前記コアに光を入射させる光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)と、前記コアからの出射光を受け入れる受光部(例えば、フォトダイオード等の受光素子)とから構成した光配線等の光情報処理装置として好適に用いることができる。
【0048】
図5は、上記の第1の実施の形態による製造方法で作製された光導波路15と、この光導波路15のコア9に光を入射させる光入射部(例えば、レーザー等の発光素子)16と、コア9からの出射光を受け入れる受光部(例えば、受光素子)17とを有する、光情報処理装置18の概略図である。
【0049】
本実施の形態において、45°ミラー面である光入射部19a及び光出射部19bを有するコア9は、図5(b)に示すように、複数個が並んで配列されており、各コア9の光入出射部19a、19bの位置が長さ方向において揃っている。
【0050】
また、発光素子16は、各コア9の光入射部19aに対応する位置にそれぞれ配置されている。なお、図示省略したが、各発光素子16の間隙には、発光素子16と半導体チップ(図示省略)との間の電気的な接続を行う貫通電極(図示省略)が配置されている。なお、受光素子17においても、上記の発光素子16と同様である。
【0051】
図5に示す光情報処理装置18では、コア9の並ぶ配列ピッチと同じピッチで、発光素子16や受光素子17が配列することとなる。
【0052】
この動作メカニズムは、一方の半導体チップ(図示省略)から発信される電気信号が光信号に変換されて、各発光素子16から光信号として出射される。出射された光信号は、レンズ部10によって集束され、コア9の光入射部19aに入射し、45°ミラー面から構成される光入射部19aにおいて反射し、コア9が延伸する導波方向に導波され、他方の45°ミラー面からなる光出射部19bにおいて再び反射してコア9の光出射部19bから出射する。光導波路15から出射された光信号は、レンズ部10を介して対応する受光素子17に受光されて電気信号に変換され、他方の半導体チップ(図示省略)に電気信号として伝送される(以下、他の実施の形態も同様。)。
【0053】
なお、上記にコア9の光入出射部19a、19bの位置が長さ方向において揃っている例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、図6〜図8のような構造であってもよい。
【0054】
図6では、コア9は複数並んで配列されており、また、各コア9の光入出射部19a、19bが、隣接する他のコア9の光入出射部19a、19bに対して長さ方向にずれて形成されている。この場合、発光素子アレイ16aは、各コア9の光入射部19aに対応する位置に配置された複数の発光素子16を備える(これは、受光素子アレイ17aの受光素子17についても同様である。)。
【0055】
これによれば、各コア9の光入出射部19a、19bが、隣接する他のコア9の光入出射部19a、19bに対して長さ方向にずれて形成されているので、コア9の長さ方向において配列する発光素子16同士のピッチは、上記の長さ方向のズレ量だけの大きさとなる。例えば、隣接するコア9の光入出射部19a、19bを延伸方向において100μmだけずらした場合には、コア9の長さ方向において配列する発光素子16同士のピッチは100μmとなる。これは、受光素子17においても同様である。
【0056】
また、コア9の配列方向に並ぶ発光素子16のピッチは、複数個のコア9の配列ピッチの合計分だけの大きさとなる。例えば、各コア9が20μmの配列ピッチで配列している場合には、コア9の配列方向に並ぶ発光素子16のピッチは、100μmとなる。
【0057】
このように、各コア9の光入出射部19a、19bが、隣接する他のコア9の光入出射部19a、19bに対して長さ方向にずれて形成されていることにより、コア9に対応して配置される光素子(発光素子、受光素子を併せて称する。以下、同様。)16、17を二次元的に配置することができ、光素子16、17を100μmピッチ程度で配置しながら、コア9を20μmピッチにまで集積することが可能となっている。
【0058】
即ち、光素子16、17の距離を光干渉や素子発熱によりクロストークの影響を避けるためのピッチで配列させつつ、コア9の集積度を向上させることが可能となる。
【0059】
また、コア9を高集積化させつつ、光素子16、17を二次元的に配列することにより、無駄なスペースが無くなり、一素子当たりの基板占有面積を削減することができる。このため、一層のコストダウンを図ることができる。
【0060】
図7では、各コア9−1、9−2の光入出射部19a、19bは、隣接する他のコア9−1、9−2の光入出射部19a、19bに対して長さ方向にずれて形成されている。即ち、光入出射部19a、19bの位置がずれた2つの第1のコア9−1及び第2のコア9−2を一単位として、繰り返し配列されている。そして、各コア9の長さ方向の一方側において、第1のコア9−1の光入射部19aに対応して配置された発光素子16を複数有する発光素子アレイ16a−1と、第2のコア9−2の光出射部19bに対応して配置された受光素子17を複数有する受光素子アレイ17a−2が配置されている。また、各コア9の長さ方向の他方側において、第1のコア9−1の光出射部19bに対応して配置された受光素子17を複数有する受光素子アレイ17a−1と、第2のコア9−2の光入射部19aに対応して配置された発光素子16を複数有する発光素子アレイ16a−2が配置されている。即ち、この光情報処理装置18では、並列に配置された各コア9−1、9−2に対し、発光素子16及び受光素子17が交互に配置されている。そのため、各コア9−1、9−2は、互いに隣接する他のコア9−1、9−2に対し逆方向に光を導波する。
【0061】
これによれば、上記した図6のような構造と同等の効果が得られると共に、並列に配置された各コア9−1、9−2に対し、発光素子16及び受光素子17が交互に配置されていることから、例えば、半導体チップの特定の回路に接続する入出力パッドに対応する発光素子16及び受光素子17の位置は、図7(a)のC部に示すように近接配置されていることから、電気配線の長さを短くすることができ、高周波対策が容易になるという効果がある。
【0062】
図8では、並列に配置された各コア9に対し、発光素子16及び受光素子17が交互に配置されており、各コア9は、互いに隣接する他のコア9に対し逆方向に光を導波する。また、各光素子アレイ16a−1、16a−2、17a−1、17a−2における光素子16、17は、図8(c)に示すように、隣り合う他の光素子16、17に対し、コア9の長さ方向にずれて配置されている。
【0063】
これによれば、各光素子アレイ16a−1、16a−2、17a−1、17a−2において光素子16、17が直線的に配列している場合に比べて、光素子16、17間のピッチを大きくとることができることから、上記の図7のような構造の効果を維持しつつ、光素子16、17間の距離を光干渉や素子発熱によるクロストークの影響を避けるためのピッチで配列させることができ、コア9の集積度を向上させることが可能となる。
【0064】
第3の実施の形態
本発明に基づく製造方法により作製される光導波路は、プリント配線板上に直接実装することができるが、この他に、前記光導波路をソケットに設置して光電複合装置とし、この光電複合装置をプリント配線板上に実装してもよい。
【0065】
図9は、前記ソケットの概略斜視図である。図9(a)は、前記ソケットの光導波路が設置される面側から見た概略斜視図であり、図9(b)は、図9(a)の反対の面側から見た概略斜視図である。
【0066】
図9に示すように、ソケット20には、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を位置決めして固定するための、凹凸構造からなる位置決め手段が設けられている。具体的には、前記凹凸構造が、前記光導波路を嵌め込んでその幅方向を位置決めするための凹部21と、前記光導波路の長さ方向を位置決めするための突起部22とを有している。また、凹部21の深さは、前記光導波路の厚さよりも大きい。
【0067】
また、ソケット20の前記凹凸構造の凸面23には、ソケット20の表及び裏面とを導通するための導通手段、例えばターミナルピン24が設けられている。そして、この凹凸構造の凸面23上に、後述するように、前記発光素子及び/又は前記受光素子が実装されたインターポーザーが固定される。
【0068】
ソケット20の材質としては絶縁性樹脂であれば、従来公知の材料を用いることができ、例えばガラス入りPES(ポリエチレンスルフィド)樹脂、ガラス入りPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等が挙げられる。このようなソケット20の材料は、その種類、絶縁性、信頼性等のデータが既に多く存在し、また扱っているメーカーも多岐に渡る。従って、機能、コスト、信頼性等の全てにおいて受け入れ易い構造物であり、既存のプリント配線板実装プロセスとの融合も図り易い。
【0069】
図10は、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路15をソケット20に設置してなる光電複合装置25の概略図である。図10(a)は、光電複合装置25の概略斜視図であり、図10(b)は、図10(a)の分解図である。
【0070】
図10に示すように、光電複合装置25は、一対のソケット20と、このソケット20に設置された光導波路15とを有し、この一対のソケット20間に光導波路15が架け渡されている。なお、光導波路15は、本発明に基づく製造方法により作製される。このとき、光導波路15は、後述するプリント配線板とは非接触となっているので、半導体チップの放熱により、光導波路15が破壊されるのを効果的に防止することができる。
【0071】
また、ソケット20の前記凹凸構造の凸面23上に、半導体チップ26a、26bと、前記発光素子(図示省略。例えばレーザー)及び/又は受光素子(図示省略)とが実装されたインターポーザー27が固定されている。
【0072】
インターポーザー27は、例えば図11に示すように、一方の面側には半導体チップ26が実装されており(図11(a))、他方の面側には光導波路15に光入射を行うための発光素子アレイ16aと、光導波路15からの出射光を受けるための受光素子アレイ17aとが実装され、周辺部にはその他の信号配線用の電極(例えば電源配線、DC信号等)28が設けられている(図11(b))。なお、発光素子アレイ16a及び受光素子アレイ17aは、光導波路15の各光入出射部に対応する位置に配置された複数の発光素子及び受光素子を備える(図示省略)。各発光素子及び受光素子の間隙には、発光素子及び受光素子と半導体チップとの間の電気的接続を行う貫通電極が配置されている(図示省略)。
【0073】
そして、凹部21に光導波路15が設置されてなる一対のソケット20と、インターポーザー27とを固定するに際し、インターポーザー27の発光素子アレイ16a及び/又は受光素子アレイ17aが実装された面側をソケット20の凸面23と接するように構成し、またソケット20のターミナルピン24とインターポーザー27のその他の信号配線用の電極28とを電気的に接続するように固定する。
【0074】
また、上述したように、ソケット20の凹部21の深さを、光導波路15の厚さよりも大きく形成することにより、図10(a)に示すように、光導波路15の一方の面29側と、インターポーザー27の発光素子アレイ16a及び/又は受光素子アレイ17aが実装されている面側との間に空間30を形成することができる。
【0075】
上記したように、ソケット20上に、インターポーザー27を介して半導体チップ26を実装し、及び光導波路15の一方の面29側と、インターポーザー27の発光素子アレイ16a及び/又は受光素子アレイ17aが実装されている面側との間に空間30を形成することにより、光電複合装置25の使用時に半導体チップ26が発熱しても、この熱によって光導波路15が破壊されるのを効果的に防ぐことができる。
【0076】
このような光電複合装置25は、光導波路15が光配線として用いられる光配線システムを構成することができる。即ち、図12に示すように、この光電複合装置25をプリント配線板31に電気的に接続された状態で固定する。
【0077】
この動作メカニズムは、一方の半導体チップ26aから発信される電気信号が光信号に変換されて、発光素子アレイ16aの各発光素子(図示省略)からレーザー光による光信号として出射される。出射された光信号は、光導波路15における対応するレンズ部10によって集束され、コア9の光入射部19aに入射し、コア9が延伸する導波方向に導波され、他方のコア9の光出射部19bから出射する。そして、光導波路15から出射された光信号は、受光素子アレイ17aの対応する受光素子(図示省略)に受光されて電気信号に変換され、他方の半導体チップ26bに電気信号として伝送される。
【0078】
このような光電複合装置25によれば、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路15をソケット20の凹部21に設置された状態でプリント配線板31に電気的に接続することができるので、既存のプリント配線板31の実装構造をそのまま利用できる構造である。従って、プリント配線板31上にソケット20が設置できる領域を設ければ、その他の一般の電気配線は従来通りのプロセスで形成することが可能である。
【0079】
また、光導波路15が高熱プロセスに弱くても、例えば、プリント配線板31にソケット20を固定し、更にはんだリフロー、アンダーフィル樹脂封止などの高温プロセスを含む、全ての実装プロセスを完了した後、ソケット20の凹部21に光導波路15を設置することができるので、光導波路15が高温によるダメージをこうむることなしにその自走を行うことが可能である。
【0080】
また、プリント配線板31と比較して剛性の高い樹脂によってソケット20を作製でき、このソケット20上で、前記発光素子及び/又は前記受光素子及び光導波路15間の光結合を行うことができるため、光結合に必要とされる実装精度を容易に確保できる。例えば、現状のモールド技術により、数μmオーダーの組立て精度は確保可能である。従って、光バスの高密度化も可能となる。
【0081】
さらに、半導体チップ26と、発光素子アレイ16a及び/又は受光素子アレイ17aとを、インターポーザー27を介してその上下面に近接させて設置することができるので、半導体チップ26と、前記発光素子及び/又は前記受光素子との間の配線長を短くすることができる。従って、電気信号のノイズ対策、クロストーク対策も容易となり、光変調速度も向上させることが可能となる。
【0082】
また、光導波路15がソケット20の凹部21に設置された状態でプリント配線板31に電気的に接続することができるので、プリント配線板31の高密度配線とその設計の自由度を確保しながら光配線システムを安価かつ高い自由度でプリント配線板31上に展開することが可能となり、プリント配線板31上での高速分散処理、電子機器トータルでの高機能化、及び開発の短TAT(turn around time)化等が期待できる。
【0083】
ここで、図13は、光電複合装置25をプリント配線板31上に展開した例を示す模式図である。例えば、光導波路モジュールを規格化することで、4方向に自在に展開することが可能となる。
【0084】
第4の実施の形態
本発明に基づく製造方法により作製される光導波路と、この光導波路の前記コアに光を入射させる前記光入射部と、前記コアからの出射光を受け入れる前記受光部とを有する前記光情報処理装置の入力側に入力信号を供給する回路素子を設け、また出力側に出力信号を受ける回路素子を設けることにより、電子機器を構成することができる。この場合、前記光入射部に、パラレル入力信号をシリアル入力信号に変換する変換器がドライバアンプを介して接続され、前記受光部に、シリアル出力信号をパラレル出力信号に変換する変換器がトランスインピーダンスアンプ及びI/V変換アンプを介して接続されているのがよい。
【0085】
図14は、上記の電子機器としてのコンピュータシステム200の構成を示している。このコンピュータシステム200は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリコントローラとしてのノースブリッジ202と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)203と、I/Oコントローラとしてのサウスブリッジ204と、バス205と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)206と、記憶装置207と、その他の入出力装置(I/O装置)208とを備える。
【0086】
ノースブリッジ202は、光配線として構成された上記の光情報処理装置210aを介してCPU201に接続されている。また、サウスブリッジ204は、光配線として構成された光情報処理装置210bを介してノースブリッジ202に接続されていると共に、さらに光配線210aを介してCPU201に接続されている。また、DRAM203は、光配線として構成された光情報処理装置210cを介してノースブリッジ202に接続されている。CPU201は、OS(Operating System)及びアプリケーションプログラムに基づいて各部を制御する。ノースブリッジ202は、メモリ203へのアクセスを統括制御する。
【0087】
バス205は電気配線214を介してサウスブリッジ204に接続されている。また、ネットワークインタフェース206、記憶装置207及びその他のI/O装置208はそれぞれ、バス205に接続されている。記憶装置207は、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、CD(Compact Disk)ドライブなどである。I/O装置208は、ビデオ入出力装置、シリアルやパラレルのインタフェースなどである。
【0088】
図15は、図14における光配線として構成された光情報処理装置210a、b、c(但し、図15では光配線210と記載している。)の構成例を示している。この光配線210は、Nチャネル分の光伝送系220−1〜220−Nを有している。光伝送系220−1〜220−Nはそれぞれ、第1の回路から第2の回路に光信号を伝送する第1の伝送系221と、第2の回路から第1の回路に光信号を伝送する第2の伝送系222とからなっている。ここで、図14における光配線210aを考える場合、前記第1の回路とはCPU201を示し、前記第2の回路とはノースブリッジ202を示す。図14における光配線210bを考える場合、前記第1の回路とはノースブリッジ202を示し、前記第2の回路とはサウスブリッジ204を示す。図14における光配線210cを考える場合、前記第1の回路とはDRAM203を示し、前記第2の回路とはノースブリッジ202を示す。また、光配線210は、図7に示すような光導波方向を有するよう構成された例を挙げる。
【0089】
第1の伝送系221は、パラレル/シリアル変換器(P/S変換器)221a、ドライバアンプ221b、前記発光素子としての半導体レーザー221c、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路221d、受光素子としてのフォトダイオード221e、トランスインピーダンスアンプ(TIA)221f、I/V変換アンプ(IVA)221g及びシリアル/パラレル変換器(S/P変換器)221hを備えている。この場合、P/S変換器221a、ドライバアンプ221b及び半導体レーザー221cは前記第1の回路側に配置され、フォトダイオード221e、TIA221f、IVA221g及びS/P変換器221hは前記第2の回路側に配置される。また、光導波路221dは、上記の各実施の形態で説明した本発明に基づく製造方法により作製され、半導体レーザー221cから出射された光信号を効果的に入射するよう配置されると共に、光導波路221dを導波して出射された光信号がフォトダイオード221eに効果的に受光されるよう配置される。
【0090】
また、第2の伝送系222は、第1の伝送系221と同様に、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b、半導体レーザー222c、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路222d、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222g及びS/P変換器222hを備えている。この場合、P/S変換器222a、ドライバアンプ222b及び半導体レーザー222cは前記第2の回路側に配置され、フォトダイオード222e、TIA222f、IVA222g及びS/P変換器222hは前記第1の回路側に配置される。また、光導波路222dは、上記の各実施の形態で説明した本発明に基づく製造方法により作製され、半導体レーザー222cから出射された光信号を効果的に入射するよう配置されると共に、光導波路222dを導波して出射された光信号がフォトダイオード222eに効果的に受光されるよう配置される。
【0091】
ここで、P/S変換器221a、222aはそれぞれ、伝送すべきデータ、例えばb0〜b7の8ビットパラレルデータをシリアルデータに変換する。ドライバアンプ221b、222bはそれぞれ、P/S変換器221a、222aで得られたシリアルデータに基づいて半導体レーザー221c、222cを駆動し、この半導体レーザー221c、222cからシリアルデータに対応した光信号を発生させる。TIA221f、222fはそれぞれ、フォトダイオード221e、222eからの光電変換による電流信号を、後続のIVA221g、222gに供給する際に、インピーダンスマッチングをとる。IVA221g、222gはそれぞれ、TIA221f、222fの出力信号である電流信号を電圧信号に変換する。S/P変換器221h、222hはそれぞれ、IVA221g、222gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータをパラレルデータに変換する。
【0092】
次に、前記第1の回路から前記第2の回路にデータを伝送する際の動作について説明する。前記第1の回路からの伝送すべき8ビットのパラレルデータがP/S変換器221aでシリアルデータに変換され、このシリアルデータがドライバアンプ221bに供給される。このドライバアンプ221bにより半導体レーザー221cが駆動され、この半導体レーザー221cからシリアルデータに対応した光信号が発生される。そして、この光信号が光導波路221dを導波し、前記第2の回路側に伝送される。
【0093】
前記第2の回路側では、光導波路221dを導波し、出射された光信号がフォトダイオード221eに受光される。このフォトダイオード221eからの光電変換による電流信号が、インピーダンスマッチング用のTIA221fを介してIVA221gに供給され、電圧信号に変換される。そして、このIVA221gの出力信号である、伝送されてきたシリアルデータがS/P変換器221hでパラレルデータに変換され、前記第2の回路へと伝送される。
【0094】
このようにして、前記第1の回路から前記第2の回路にデータの伝送が行われる。なお、詳細説明は省略するが、前記第2の回路から前記第1の回路にデータを伝送する際の動作についても上記と同様に行われる。図15に示す光配線210では、Nチャネル分の光伝送系220−1〜220−Nを有しているので、Nチャネル分のデータ送受信を並行して行うことができる。
【0095】
上述したコンピュータシステム200においては、図示しないプリント配線板(マザーボード)上に、電子部品としてのCPU201、ノースブリッジ202、DRAM203、サウスブリッジ204及びバス205等をそれぞれ構成する半導体チップ、及び光配線として構成された光情報処理装置210が実装される。
【0096】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された前記光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0097】
また、光配線210における光導波路221d、222dは、本発明に基づく製造方法によって作製されるので、上述した各実施の形態と同様の効果が奏せられる。
【0098】
従って、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路221d、222dを用いて構成される電子機器は、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0099】
第5の実施の形態
図16は、上記の電子機器としてのゲーム機300の構成を示している。このゲーム機300は、ゲームアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムに基づいて信号処理や内部構成要素の制御を行うメインCPU301と、画像処理を行うグラフィックプロセッサ(GP)302と、インターネット等のネットワークとのインタフェースを行うためのネットワークインタフェース(ネットワークI/F)303と、インタフェース処理を行うIOプロセッサ(IOP)304と、DVDやCD等の光ディスク305の読み出し制御や読み出されたデータのデコードを行う光ディスク制御部306と、メインCPU301に接続されるメインメモリとしてのDRAM307と、IOプロセッサ304が実行する命令やデータを保持するためのIOPメモリ308と、主にオペレーティングシステム用のプログラムが格納されたOS−ROM309と、音声信号処理を行うサウンドプロセッサユニット(SPU)310と圧縮波形データを格納するサウンドバッファ311とを基本構成として備えている。
【0100】
メインCPU301とネットワークI/F303は、光配線210dにより接続されている。メインCPU301とグラフィックプロセッサ302は、光配線210eにより接続されている。
【0101】
なお、光配線210d、210eはそれぞれ、上記した図15に示すように構成されており、メインCPU301とネットワークI/F303の間、及びメインCPU301とグラフィックプロセッサ302の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0102】
メインCPU301とIOプロセッサ304は、SBUS314により接続されている。IOプロセッサ304と、光ディスク制御部306、OS−ROM309及びサウンドプロセッサユニット310は、SSBUS315により接続されている。
【0103】
メインCPU301は、OS−ROM309に格納されたプログラムや、光ディスク305から読み出されてDRAM307にロードされたり、或いは通信ネットワークを介してダウンロードされた、各種のゲームアプリケーションプログラム等を実行する。グラフィックプロセッサ302は、例えばビデオゲームにおけるレンダリング処理等を行い、ビデオ信号をディスプレイに出力する。
【0104】
IOプロセッサ304には、コントローラ(図示せず)が接続されるコントローラポート321、メモリカード(図示せず)が装填されるメモリカードスロット322、USB接続端子323及びIEEE1394接続端子324が接続されている。これにより、IOプロセッサ304は、コントローラポート321を介して接続されたコントローラ、メモリカードスロット322を介して接続されたメモリカード、USB接続端子323を介して接続された図示しない携帯電話機やパーソナルコンピュータとの間でデータの送受や、プロトコル変換等を行う。
【0105】
サウンドプロセッサユニット310は、サウンドバッファ311に格納されている圧縮波形データを、メインCPU301からの命令に基づいて所定のサンプリング周波数で再生することなどにより、様々なサウンドを合成し、オーディオ信号をスピーカに出力する。
【0106】
上述したゲーム機300においては、図示しないプリント配線板(マザーボード)上に、メインCPU301等の基本構成電子部品としての半導体チップ、及び光配線として構成された光情報処理装置210d、210eが実装される。
【0107】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された前記光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0108】
また、光配線210d、210eにおける前記光導波路として、上述した本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を適用するので、これを用いて構成される電子機器は、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0109】
第6の実施の形態
図17は、上記の電子機器としてのサーバ400の構成を示している。このサーバ400は、CPU401、402と、チップセット403と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)404と、メモリ405と、PCIブリッジ406と、ルータ407とを基本構成として備えている。
【0110】
チップセット403には、光配線210f、210gを介してCPU401、402が接続されていると共に、光配線210hを介して、ネットワークI/F404が接続されている。ネットワークI/F404は、ネットワークとのインタフェースを行う。チップセット403は、CPU401、402、ネットワークI/F404、メモリ405及びPCIブリッジ406などを制御する。
【0111】
なお、光配線210f、210g、210hはそれぞれ、上記した図15に示すように構成されており、CPU401、402とチップセット403の間、及びチップセット403とネットワークI/F404の間では、光信号によってデータの送受信が行われる。
【0112】
また、チップセット403には、電気配線により、メモリ405、PCIブリッジ406及びルータ407が接続されている。
【0113】
PCIブリッジ406には、PCIバス414を介して、記憶装置などのPCIデバイス415〜417が接続されている。ルータ407は、例えば、スイッチカード421及びラインカード422〜425から構成されている。ラインカード422〜425は、パケットの前処理を行うプロセッサであり、スイッチカード421はパケットの行き先をアドレスに従い切り替えるスイッチである。
【0114】
上述したサーバ400においては、図示しないプリント配線板(マザーボード)上に、CPU401、402、チップセット403等の基本構成電子部品としての半導体チップ、及び光配線として構成された光情報処理装置210f、210g、210hが実装される。
【0115】
本実施の形態によれば、電子機器内のチップ間において光配線として構成された前記光情報処理装置を適用しているので、信号授受の高速化及び大容量化を実現することができる。
【0116】
また、光配線210f、210g、210hにおける前記光導波路として、上述した本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を適用するので、これを用いて構成される電子機器は、安定した光入射及び光出射を行うことができる。
【0117】
以上、本発明を実施の形態について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
【0118】
例えば、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路は、レーザー光に信号を乗せた上述した光配線システムに好適であるが、これ以外にも、光源等の選択によりディスプレイ用などにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】第1の実施の形態による、本発明に基づく製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【図2】同、本発明に基づく製造方法の一例を工程順に示す概略平面図である。
【図3】同、本発明に基づく製造方法により得られる型の概略図である。
【図4】同、本発明に基づく製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【図5】第2の実施の形態による、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を用いて構成した光情報処理装置の概略図である。
【図6】同、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を用いて構成した他の例の光情報処理装置の概略図である。
【図7】同、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を用いて構成した他の例の光情報処理装置の概略図である。
【図8】同、本発明に基づく製造方法により作製される光導波路を用いて構成した他の更に例の光情報処理装置の概略図である。
【図9】第3の実施の形態による、本発明に基づく製造方法によって作製された光導波路を設置するソケットの概略斜視図である。
【図10】同、前記ソケットに本発明に基づく製造方法によって作製された光導波路を設置してなる光電複合装置の概略斜視図である。
【図11】同、前記ソケットに接合するインターポーザーの概略斜視図である。
【図12】同、前記光電複合装置をプリント配線板上に配した概略断面図である。
【図13】同、前記光電複合装置の実装構造の一例の概略平面図である。
【図14】第4の実施の形態による、本発明に基づく製造方法によって作製された光導波路を用いて構成された電子機器の一例を示す模式図である。
【図15】同、前記電子機器において、光配線として構成された前記光情報処理装置の構成の一例を示す模式図である。
【図16】第5の実施の形態による、本発明に基づく製造方法によって作製された光導波路を用いて構成された電子機器の一例を示す模式図である。
【図17】第6の実施の形態による、本発明に基づく製造方法によって作製された光導波路を用いて構成された電子機器の一例を示し模式図である。
【図18】従来例による、光導波路の実装構造を示す概略図である。
【図19】同、光導波路の概略図である。
【図20】同、光導波路の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図21】同、コアの成形に用いられる型の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0120】
1…支持体、2…感光性レジスト、3a…端面、3、3’…傾斜面、4…加工刃、
5…型材、6…突起部、7…型、8…凹部、9a…コア材、9…コア、10…レンズ部、
11…クラッド、12…接合体、13…クラッド、14…切り込み溝、15…光導波路、
31…プリント配線板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッドとコアとの接合体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成されている光導波路の製造方法において、
支持体上にパターン材を配する工程と、
前記パターン材をコア形状にパターニングする工程と、
前記パターニングされたパターン材の端面を傾斜面に加工する工程と、
前記加工されたパターン材上に型材を設ける工程と、
前記型材と前記パターン材とを剥離する工程と、
前記型材において、前記傾斜面が転写してなる傾斜面の周辺部に存在する突起部を除 去して型を作製する工程と、
前記型を用いて前記コアを成形する工程と
を有する、光導波路の製造方法。
【請求項2】
化学的機械的研磨法によって前記突起部を除去して平坦化する、請求項1に記載した光導波路の製造方法。
【請求項3】
前記パターン材として感光性レジストを用い、前記感光性レジストを露光及び現像処理し、その端面を前記傾斜面に加工する、請求項1に記載した光導波路の製造方法。
【請求項4】
前記傾斜面を含む前記パターン材上に前記型材としてのめっきを施す、請求項1に記載した光導波路の製造方法。
【請求項5】
前記型にコア材を充填し、前記コア材上に前記クラッドを配して、前記コア材を硬化し、前記型と、前記コア及び前記クラッドとを剥離することにより、前記接合体を得る、請求項1に記載した光導波路の製造方法。
【請求項6】
コアの成形に用いられる型の製造方法において、
支持体上にパターン材を配する工程と、
前記パターン材をコア形状にパターニングする工程と、
前記パターニングされたパターン材の端面を傾斜面に加工する工程と、
前記加工されたパターン材上に型材を設ける工程と、
前記型材と前記パターン材とを剥離する工程と、
前記型材において、前記傾斜面が転写してなる傾斜面の周辺部に存在する突起部を除 去する工程と
を有する、型の製造方法。
【請求項7】
化学的機械的研磨法によって前記突起部を除去して平坦化する、請求項6に記載した型の製造方法。
【請求項8】
前記パターン材として感光性レジストを用い、前記感光性レジストを露光及び現像処理し、その端面を前記傾斜面に加工する、請求項6に記載した型の製造方法。
【請求項9】
前記傾斜面を含む前記パターン材上に前記型材としてのめっきを施す、請求項6に記載した型の製造方法。
【請求項1】
クラッドとコアとの接合体からなり、前記コアを通して光が導かれるように構成されている光導波路の製造方法において、
支持体上にパターン材を配する工程と、
前記パターン材をコア形状にパターニングする工程と、
前記パターニングされたパターン材の端面を傾斜面に加工する工程と、
前記加工されたパターン材上に型材を設ける工程と、
前記型材と前記パターン材とを剥離する工程と、
前記型材において、前記傾斜面が転写してなる傾斜面の周辺部に存在する突起部を除 去して型を作製する工程と、
前記型を用いて前記コアを成形する工程と
を有する、光導波路の製造方法。
【請求項2】
化学的機械的研磨法によって前記突起部を除去して平坦化する、請求項1に記載した光導波路の製造方法。
【請求項3】
前記パターン材として感光性レジストを用い、前記感光性レジストを露光及び現像処理し、その端面を前記傾斜面に加工する、請求項1に記載した光導波路の製造方法。
【請求項4】
前記傾斜面を含む前記パターン材上に前記型材としてのめっきを施す、請求項1に記載した光導波路の製造方法。
【請求項5】
前記型にコア材を充填し、前記コア材上に前記クラッドを配して、前記コア材を硬化し、前記型と、前記コア及び前記クラッドとを剥離することにより、前記接合体を得る、請求項1に記載した光導波路の製造方法。
【請求項6】
コアの成形に用いられる型の製造方法において、
支持体上にパターン材を配する工程と、
前記パターン材をコア形状にパターニングする工程と、
前記パターニングされたパターン材の端面を傾斜面に加工する工程と、
前記加工されたパターン材上に型材を設ける工程と、
前記型材と前記パターン材とを剥離する工程と、
前記型材において、前記傾斜面が転写してなる傾斜面の周辺部に存在する突起部を除 去する工程と
を有する、型の製造方法。
【請求項7】
化学的機械的研磨法によって前記突起部を除去して平坦化する、請求項6に記載した型の製造方法。
【請求項8】
前記パターン材として感光性レジストを用い、前記感光性レジストを露光及び現像処理し、その端面を前記傾斜面に加工する、請求項6に記載した型の製造方法。
【請求項9】
前記傾斜面を含む前記パターン材上に前記型材としてのめっきを施す、請求項6に記載した型の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−195197(P2006−195197A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6984(P2005−6984)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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