説明

光情報記録媒体用色素及びそれを用いた光情報記録媒体

【課題】高感度で、かつ、良好な記録特性を得ることができる光情報記録媒体用色素及びそれを用いた光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】下記の一般式に示すアゾ金属錯体色素を記録層材料として用いる。


[式中、R21、R22、R23の少なくとも1つは、ニトロ基、スルホン酸基、ハロゲンのいずれかであって、残りは水素であり、Yは、次式


で表される3級アミン又は4級アンモニウムである。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光情報記録媒体用色素に関し、より詳しくは、半導体レーザによる波長が360〜450nmのレーザ光(ブルーレーザ光、青紫レーザ光)による記録を行う光情報記録媒体用色素及びそれを用いた光情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
有機色素を記録材料として用いた追記型光記録メディアは、波長780nmのレーザ光を用いて記録再生を行う記録容量650MBあるいは700MBのCD−Rや、波長650nmのレーザ光を用いて記録再生を行う単層ディスクで記録容量4.7GBのDVD−R/+Rが既に広く普及している。これらは未記録での反射率が高く、記録後は反射率が低くなることにより信号として情報を記録するHigh to Low型記録である。
【0003】
更なる大容量メディアとして、2006年には波長405nmのレーザで記録再生を行い単層での記録容量が15GBのHD(High Definition) DVD−Rが商品化された。HD DVD−Rでは、記録極性は、未記録での反射率が低く、記録後は反射率が高くなるLow to Highである。現在開発が進められている有機色素を記録層に用いたBlu−ray Disc−R(以下、「有機BD−R」という。)は、波長405nmのレーザで記録再生を行い単層での記録容量が25GBの追記型光記録メディアである。この有機BD−R記録極性は、HD DVD−Rと同様、Low to Highである。
【0004】
こうした、Low to High記録によって高密度の光情報の記録再生が可能な光情報記録媒体に適した新たな有機色素が提案されている。
例えば、特許文献1では、カチオン部がモノメチンシアニン色素であり、アニオン部がアゾ金属錯体である有機色素を用いることにより、HD DVD−R構造でLow to High型記録の405nmのレーザを用いた記録再生を行えることを示している。しかし、有機BD−Rとしてのディスクの特性の評価結果は記載されていない。また、この特許においては、アニオン部とカチオン部とからなる色素が、青色レーザ光等のような短波長レーザ光に対しては、有機色素におけるカチオン部が実質的な吸光能を発揮する原子団として機能することを述べている。
また、特許文献2および特許文献3では、特定のアゾ金属錯体が、Low to High記録の405nmのレーザ光用いた記録再生を行うメヂィアに好適であるとしているが、有機BD−R特有の課題については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−297406号公報
【特許文献2】特開2007−196661号公報
【特許文献3】特開2007−45147号公報
【特許文献4】特開2003−45079号公報
【特許文献5】特開2003−36562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献に開示された色素は、基本的には、Low to High記録に適したものであり、HD DVD−Rと有機BD−Rの両方に使用できる色素である。
しかし、発明者らが鋭意検討した結果、実際には、On−Groove記録とIn−Groove記録の違いにより、色素の最適な特性が異なることがわかってきた。
【0007】
すなわち、HD DVD−Rは、トラックピッチ0.40μmの案内溝が形成された光透過性材料からなる第1の基板上に、色素含有記録層、反射層をこの順に有し、さらに保護層及び/又は接着層を介して或いは介さずに、第2の基板を設け、必要に応じてその上に反射層を形成したいわゆるダミーディスクを設けた積層構造であり、第1の基板を通して片面側からレーザ光にて記録・再生を行なうものである。そして、照射されるレーザ光のスポット径が0.54μmである。
【0008】
一方、有機BD−Rは、トラックピッチ0.32μmの案内溝が形成された光透過性材料からなる基板上に、反射層、色素含有記録層をこの順に有し、さらに保護層介して光透過層(カバー層)を設けた積層構造であり(特許文献4、5参照)、光透過層(カバー層)側から照射されるレーザ光により記録再生を行うものである。そして、照射されるレーザ光のスポット径が0.41μmである。したがって、有機BD−RはHD_DVD−Rに比べてスポット径が小さいので、同じ記録パワーの場合エネルギー密度が大きくなる。ここで、有機BD−RはHD_DVD−Rに比べてトラックピッチが狭いので、隣接する案内溝への熱干渉が発生しやすくなる。
このような熱干渉が発生すると、ジッタが高くなり、記録特性が低下してしまう。そのため良好な記録が難しくなるという問題がある。
【0009】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、有機BD−Rのような短波長レーザ(405nm)を用いて、In−Groove記録を行う光情報記録媒体において、高感度で、かつ、良好な記録特性を得ることができる光情報記録媒体用色素及びそれを用いた光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、鋭意検討を重ねた結果、特定の構造のアゾ金属錯体色素を記録層材料として用いることで上記目的が達成できることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものであり、以下のとおりのものである。
[1]波長が360〜450nmのレーザ光により記録再生を行う追記型光情報記録媒体の記録層用の有機色素であって、下記の一般式で示されることを特徴とする光情報記録媒体用色素。
【化1】

[式中、R21、R22、R23の少なくとも1つは、ニトロ基、スルホン酸基、ハロゲンのいずれかであって、複数の場合は同一又は異なっていてもよく、残りは水素であり、Yは、次式
【化2】

(式中、R11、R12、R13、R14の少なくとも3つは、同一あるいは異なるアルキル基であり、残り1つは他と同一あるいは異なるアルキル基あるいは水素原子である。)で表される3級アミンあるいは4級アンモニウムである。]
[2]螺旋状の案内溝を一方の面に有する基板と、前記基板の一方の面上に形成された反射層と、前記反射層上に形成された記録層と、前記記録層上に形成された保護層と、前記保護層上に形成された光透過層とを少なくとも有する、波長が360〜450nmのレーザ光により記録再生を行う追記型光情報記録媒体において、
前記記録層に用いる有機色素が、下記一般式で表されることを特徴とする光情報記録媒体。
【化1】

[式中、R21、R22、R23の少なくとも1つは、ニトロ基、スルホン酸基、ハロゲンのいずれかであって、複数の場合は同一又は異なっていてもよく、残りは水素であり、Yは、次式
【化2】

(式中、R11、R12、R13、R14の少なくとも3つは、同一あるいは異なるアルキル基であり、残り1つは他と同一あるいは異なるアルキル基あるいは水素原子である。)で表される3級アミンあるいは4級アンモニウムである。]
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、有機BD−Rのような短波長レーザ(405nm)で記録再生を行う光記録メディアにおいて、高感度であり、すなわち、記録でのレーザ光の照射パワーが小さく、変調が大きく、ジッタが低い、良好な記録特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の光情報記録媒体の全体構成を示す模式図
【図2】化1の吸収スペクトルを示す図
【図3】化2の吸収スペクトルを示す図
【図4】化3の吸収スペクトルを示す図
【図5】実施例1のアイパターンを示す図
【図6】比較例1のアイパターンを示す図
【図7】比較例2のアイパターンを示す図
【図8】比較例3のアイパターンを示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態であるブルーレーザ光を用いる光情報記録媒体の断面図である。図1に示すとおり、本発明の光情報記録媒体11は、基板2と、この基板2上に形成した光反射層3と、この光反射層3の上に形成した光吸収層すなわち光記録層4と、この光記録層4の上に形成した保護層5と、この保護層5の上に形成されたカバー層すなわち光透過層6とを有する。
【0014】
こうした構成の光情報記録媒体においては、光透過層6を通してレーザ光7を照射し、照射された光記録層4がそのレーザ光を吸収して光エネルギーを熱エネルギーに変換し、光記録層4の分解あるいは変性などを生じさせ、記録ピットを形成し、記録部分および未記録部分の光反射率などによるコントラストを電気信号(変調度)として読み取っている。
【0015】
前記光記録層4は、レーザ光を照射することにより、発熱、吸熱、溶融、昇華、変形または変性をともなう層であるが、本発明においては、該光記録層4が、下記の一般式で示されるアゾ金属錯体色素により構成されている。
【化1】

[式中、R21、R22、R23の少なくとも1つは、ニトロ基、スルホン酸基、ハロゲンのいずれかであって、複数の場合は同一又は異なっていてもよく、残りは水素であり、Yは、次式
【化2】

(式中、R11、R12、R13、R14の少なくとも3つは、同一あるいは異なるアルキル基であり、残り1つは他と同一あるいは異なるアルキル基あるいは水素原子である。)で表される3級アミンあるいは4級アンモニウムである。]
【0016】
式中のR11、R12、R13、R14で表されるアルキル基としては、特に限定されないが、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく用いられ、特に、炭素数2〜4の直鎖のアルキル基が好ましく用いられる。
なお、上記アゾ金属錯体の合成方法は特に限定されるものではなく、例えば、細田豊著『理論製造染料化学』(昭和32年11月25日、株式会社技報堂発行、595〜601頁)等に記載された公知のアゾ金属錯体の製造方法を用いて製造される。
【0017】
光記録層4は、前記一般式で表される色素を、例えば、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFP)等の有機溶剤に溶かした色素溶液を、DCジッタ値が最も低くなるときの光学密度(Optical Density:以下、「OD値」とする。)になるように、スピンコート法等の手段により、光反射層3の表面に一様にコーティングすることによってこれを形成される。
ここでOD値とは、色素の最大吸収波長における吸光度を示すものである。測定方法は、図1の基板2の上に、直接色素溶液を塗布して、各々の色素の最大吸収波長の光を用いて吸光度を測定することで行われる。OD値は成膜条件(回転数、時間等)によって調整される。DCジッタが最も低くなるOD値は、光記録層4の成膜条件を変えてOD値を変えたサンプルディスクを複数点用意し、市販の記録再生装置(例えばパルステック社製 ODU−1000)で記録を行い、それぞれのDCジッタ値を求め、その結果から決定する。
【0018】
以下、本発明の光情報記録媒体11における、前記光記録層4以外の構成層について説明する。
(基板)
基板2は、レーザ光に対する屈折率がたとえば1.5〜1.7程度の範囲内の透明度の高い材料で、耐衝撃性に優れた主として樹脂により形成したもの、たとえばポリカーボネート、ガラス板、アクリル板、エポキシ板等を用いる。
基板2には、ピッチ0.32μmからなるスパイラル状の案内溝が形成される。トラッキングの誘導をするソフト等の変更を伴えば、溝はリング状の溝でも使用が可能となる。この案内溝の溝幅W1は160nm〜200nmが好ましく、溝深さD1は32nm〜45nmが好ましい。ここで溝幅W1は、図1に示すように溝深さD1の半分の深さの位置での幅すなわち半値幅で測定される。この案内溝上に光反射層3が構成される。
【0019】
(光反射層)
光反射層3は、熱伝導率および光反射性の高い金属膜であり、たとえば、金、銀、銅、アルミニウム、あるいはこれらを含む合金を、蒸着法、スパッタ法等の手段により形成する。
光反射層3の厚さは40nm〜65nmが好ましい。なお、光反射層3は案内溝内にも形成されるため、案内溝の寸法は光射層3の厚さ分変化する。光反射層3を形成後の溝3’の溝幅W2は150nm〜190nmが好ましく、溝深さD2は32nm〜45nmが好ましい。
【0020】
(保護層)
保護層5は、カバー層6の成膜時における光記録層4に含まれる色素のカバー層6への拡散や、カバー層6の形成用の硬化樹脂の溶剤等の光記録層4への浸透などの混和現象を防止するためのものである。この保護層5を構成する材料は、酸化珪素、特に二酸化珪素や、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム等の酸化物;硫化亜鉛、硫化イットリウムなどの硫化物;窒化珪素などの窒化物、炭化珪素;酸化物と硫黄化合物との混合物などが挙げられる。この保護層5はスパッタリング等の方法で形成される。
【0021】
(光透過層)
本発明の光情報記録媒体11においては、光透過層6を通してレーザ光7を照射し、照射された光記録層4がそのレーザ光を吸収して光エネルギーを熱エネルギーに変換し、光記録層4の分解あるいは変性などを生じさせ、記録ピットを形成し、記録部分および未記録部分の光反射率などによるコントラストを電気信号(変調度)として読み取っている。
したがって、光透過層6は、レーザ光を透過する材料、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂,ポリオレフィン系樹脂等の樹脂で形成されている。
また、光透過層6は、光反射層3や光記録層4を外部の衝撃から保護するとともに、これら各層3、4が湿気等の腐食因子と接触するのを防止する保護層としても機能する。
この光透過層6は、紫外線または放射線によって硬化する硬化性樹脂をスピンコート法等によって厚さ0.1mmに形成される。この光透過層6の光透過性は、効果後の厚み0.1mmで、405nmの波長の光にて分光光度計で測定したときに70%以上好ましくは80%以上である。
なお、光透過層6は比較的柔らかく傷つきやすいので、アクリル系樹脂などで構成されたハードコート層(図示せず)を形成してもよい。
【実施例】
【0022】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0023】
(実施例1)
図1に示す、外径120mm、厚さ1.1mmの円盤状のポリカーボネート製の基板2にピッチ0.32μmからなるスパイラル状の案内溝を形成した。この基板2の案内溝が形成された側の上面に、Ag合金からなる光反射層3をスパッタリングにより形成し、案内溝に対応するトラックを基板側からみて光反射層3上に深さ45nm、幅160nmに形成した。
【0024】
上記光反射層3が形成されたその上面に、図2の吸収スペクトル(溶液および薄膜)を示す下記の式で示される色素(色素1)を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFP)に溶解した色素溶液をスピンコート法により塗布し、温度80℃で10分乾燥後、吸収最大波長(λmax=450nm)での光学密度(OD値)が0.22となるように形成した。OD値は、基板2のみの吸光度をベースライン(OD値がゼロ)として、基板2上に光反射層3を形成せずに、直接、光記録層4を形成したときの吸光度を指している。その同じスピンコートの回転パターンで基板2の案内溝が形成された側の上面に、Ag合金からなる光反射層3を形成した。その後、更に光記録層4の上面にZnS−SiO材料からなる透明な保護層5を20nmの厚さになるようにスパッタリングした。それからUV硬化樹脂をスピンコート法により塗布し、UV光照射により硬化させることにより厚さ0.1mmのカバー層(光透過層)6を形成し、有機BD−R11の追記型の光情報記録媒体の試料を得た。
【0025】
(色素1)
【化3】

【0026】
続いて、この有機BD−R11を開口数NA0.85、レーザ波長405nmの市販の記録再生装置(パルステック社製ODU−1000)を用いて、線速9.84m/秒(2倍速記録)で記録し、再生特性を評価したところ、レーザパワーは4.9mWであった。
その後、上記記録機を用いて、レーザ出力を0.35mWにし、記録信号を再生したところ、図5に示す明瞭なアイパターンが得られた。このときの変調度は41%、DCジッタは6.8%であった。
表1に最大吸収波長(λmax)、OD値、記録パワー、変調度、DCジッタを測定した結果を示す。
【0027】
(実施例2〜7)
実施例1において、(色素1)の代わりに、それぞれ図3、図4に示す吸収スペクトル(溶液および薄膜)を示す下記の式で示される(色素2)、(色素3)、及び下記の式で示される(色素4)〜(色素7)を用いた以外は同様にして有機BD−R11を得た。
実施例1に準じて最大吸収波長(λmax)、OD値、記録パワー、変調度、DCジッタを測定した結果を表1に示す。
【0028】
(色素2)
【化4】

(色素3)
【化5】

(色素4)
【化6】

(色素5)
【化7】

(色素6)
【化8】

(色素7)
【化9】

【0029】
(比較例1)
実施例1において、(色素1)の代わりに、下記の式で示される色素(比較色素1)を用いたこと以外は同様にして、有機BD−R11を得た。
実施例1に準じて最大吸収波長(λmax)、OD値、記録パワー、変調度、DCジッタを測定した結果を表1に示す。
続いて、この有機BD−R11を開口数NA0.85、レーザ波長405nmの市販の記録再生装置(パルステック社製ODU−1000)を用いて、線速9.84m/秒(2倍速記録)で記録し、再生特性を評価したところ、レーザパワーは7.2mWであった。
その後、上記記録機を用いて、レーザ出力を0.35mWにし、記録信号を再生したところ、図6に示すアイパターンが得られたが波形は明瞭ではない。このときの変調度は43%であり、DCジッタは2T振幅不足により評価不能であった。
【0030】
(比較色素1)
【化10】

【0031】
(比較例2、3)
比較例1において、(色素1)の代わりに、カチオン部に光吸収能を有さない下記の
式で示される(比較色素2)及び(比較色素3)の化合物を用いたこと以外は同様にして有機BD−R11を得た。
実施例1に準じて最大吸収波長(λmax)、OD値、記録パワー、変調度、DCジッタを測定した結果を表1に示す。
続いて、この有機BD−R11を開口数NA0.85、レーザ波長405nmの市販の記録再生装置(パルステック社製ODU−1000)を用いて、線速9.84m/秒(2倍速記録)で記録し、再生特性を評価したところ、レーザパワーは8.3および9.5mWであった。
その後、上記記録機を用いて、レーザ出力を0.35mWにし、記録信号を再生したところ、図7および8に示すアイパターンが得られたが波形は明瞭ではない。このときの変調度は、それぞれ35%および37%であり、DCジッタは2T振幅不足により評価不能であった。
【0032】
(比較色素2)
【化11】

(比較色素3)
【化12】

【0033】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の光情報記録媒体用色素は、ブルーレーザにより、In Groove記録のLow to High型記録を行う光記録メディアにおいて使用することができる。
【符号の説明】
【0035】
2:基板
3:光反射層
4:光記録層(光吸収層)
5:保護層
6:光透過層(カバー層)
7:レーザ光(記録、再生)
11:本発明の追記型光ディスク(有機BD―R)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長が360〜450nmのレーザ光により記録再生を行う追記型光情報記録媒体の記録層用の有機色素であって、下記の一般式で示されることを特徴とする光情報記録媒体用色素。
【化1】

[式中、R21、R22、R23の少なくとも1つは、ニトロ基、スルホン酸基、ハロゲンのいずれかであって、複数の場合は同一又は異なっていてもよく、残りは水素であり、Yは、次式
【化2】

(式中、R11、R12、R13、R14の少なくとも3つは、同一あるいは異なるアルキル基であり、残り1つは他と同一あるいは異なるアルキル基あるいは水素原子である。)で表される3級アミン又は4級アンモニウムである。]
【請求項2】
螺旋状の案内溝を一方の面に有する基板と、前記基板の一方の面上に形成された反射層と、前記反射層上に形成された記録層と、前記記録層上に形成された保護層と、前記保護層上に形成された光透過層とを少なくとも有する、波長が360〜450nmのレーザ光により記録再生を行う追記型光情報記録媒体において、
前記記録層に用いる有機色素が、下記一般式で表されることを特徴とする光情報記録媒体。
【化1】

[式中、R21、R22、R23の少なくとも1つは、ニトロ基、スルホン酸基、ハロゲンのいずれかであって、複数の場合は同一又は異なっていてもよく、残りは水素であり、Yは、次式
【化2】

(式中、R11、R12、R13、R14の少なくとも3つは、同一あるいは異なるアルキル基であり、残り1つは他と同一あるいは異なるアルキル基あるいは水素原子である。)で表される3級アミンあるいは4級アンモニウムである。]

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−183580(P2011−183580A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48769(P2010−48769)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【出願人】(000004086)日本化薬株式会社 (921)
【Fターム(参考)】