説明

光情報記録媒体

【課題】高感度で記録が可能であり、反射型での読取が可能である光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】記録光の照射により屈折率が変化する複数の記録層14と、複数の記録層14の間に設けられる中間層15とを備えた光情報記録媒体であって、記録層14は、高分子バインダーと、高分子バインダーに分散された色素とを有し、中間層15は、少なくとも当該中間層15に対し記録光が入射される側で隣接する記録層14との界面(奥側界面18)近傍において、記録層14と異なる屈折率を有している。高分子バインダーのガラス転移温度は、色素の融点および分解点より低く、色素が記録光を吸収して発生する熱により高分子バインダーの屈折率が変化することで情報が記録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、光情報記録媒体の記録材料には、色素を主成分とした有機記録材料や、金属を主成分とした無機記録材料が用いられてきた。これらの記録材料は、いずれも、記録光を吸収して得たエネルギーを利用してそれ自身が変化(分解や相変化など)することによって記録マークを形成していた。このような記録マークの形成原理を利用する場合、記録材料が分解・相変化を起こす温度に達するために必要なエネルギーを、記録光の照射により与える必要がある。
【0003】
ところで、近年では、光情報記録媒体の大容量化の技術として、1枚の記録媒体中に多層に情報を記録する3次元記録が検討されている。3次元記録では、深い記録層まで記録光を到達させるために記録層の光吸収率を小さく設定する必要がある。しかし、従来の光情報記録媒体に用いられてきた記録材料では、吸収率を小さくすると、記録光から十分なエネルギーを得られず、記録感度の不足が問題となる。
【0004】
色素自身が変化を起こす色素を主成分とした記録材料の他に、色素を含む高分子バインダーを記録材料に用い、色素が吸収したエネルギーによって高分子バインダーを変化させることで記録する方法が特許文献1、2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平01−014038号公報
【特許文献2】特開2004−347642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の光記録媒体では、記録層を変形させるのに十分なエネルギーを与えるため、記録層における記録光の吸収率を20%以上としている。記録層の条件として、このような高い吸収率が必要であると、1つの記録層で記録光のエネルギーが大きく奪われてしまうので、多層の記録媒体を構成することができない。
【0007】
特許文献2では、超短パルスレーザを用いて多光子吸収色素が吸収した多光子吸収エネルギーを利用しての記録を検討している。しかし、多光子吸収の確率は非常に低いため、この方法では、記録感度が不足する。また、特許文献2の光情報記録媒体への記録は、比較的厚い記録層に複数層の記録マークを形成する、いわゆるバルク型記録を行うものであるが、バルク型の記録は、記録光の光軸方向の異なる記録位置にフォーカスを合わせるフォーカスサーボが困難である。さらに、このようなバルク型の記録を行うと、塩野照弘、「半導体レーザを用いたフォトクロミック材料への2光子吸収記録」、OPTRONICS、オプトロニクス社、2000年、No.7、P.177でも報告されているように、記録マークの部分に読出光を当てて再生しようとしても、記録マークの部分において、反射光が得られないため、少なくとも反射型での読取が不可能であるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、高感度で記録が可能であり、反射型での読取が可能である光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するため、本発明は、記録光の照射により屈折率が変化する複数の記録層と、当該複数の記録層の間に設けられる中間層とを備えた光情報記録媒体であって、前記記録層は、高分子バインダーと、当該高分子バインダーに分散された色素とを有し、前記中間層は、少なくとも当該中間層に対し記録光が入射される側で隣接する前記記録層との界面近傍において、前記記録層と異なる屈折率を有し、前記高分子バインダーのガラス転移温度は、前記色素の融点および分解点より低く、前記色素が前記記録光を吸収して発生する熱により前記高分子バインダーの屈折率が変化することで情報が記録されることを特徴とする。
【0010】
このような光情報記録媒体によれば、高分子バインダーのガラス転移温度が色素の融点および分解点より低いため、色素が記録光を吸収する能力が十分ある間に、高分子バインダーの屈折率を変化させることができ、高い感度で情報を記録することができる。そのため、1層あたりの記録層における記録光の吸収率を低く抑えて、複数の記録層を有する多層型の媒体とすることができる。そして、複数の記録層の間には、少なくとも記録光が入射される側の前記記録層との界面近傍において、前記記録層と異なる屈折率を有する中間層が設けられているので、各記録層でのフォーカスサーボが可能であるとともに、反射型での情報の再生が可能である。また、後述するように記録層を厚くして記録層にレンズ効果を持たせることによる変調で情報を記録することも可能である。
【0011】
前記した光情報記録媒体において、前記記録層は、1層あたりの前記記録光の吸収率が5%以下であることが望ましい。
【0012】
これにより、1層あたりの吸収率を低く抑えることができるので、記録層を多数設けることが可能となる。
【0013】
前記した光情報記録媒体において、前記記録層の屈折率をn、前記記録光の波長をλとして、記録層の厚みは2λ/n以上であることが望ましい。
【0014】
記録層がこのような厚みを有することで、記録層にレンズ効果を持たせることによる大きな変調で、情報を記録することが可能となる。
【0015】
前記した光情報記録媒体において、前記中間層は、当該中間層に対し記録光が入射される側と反対側で隣接する前記記録層との界面近傍において、前記記録層と略同じ屈折率を有することが望ましい。
【0016】
このような構成により、中間層の奥側(記録が入る側と逆側)における、中間層と記録層との界面での反射が無くなり、記録光、読出光(情報の再生時に媒体に照射する光)および再生光(読出光の照射により生ずる光)の、前記界面における損失を低減できるので、これらの光を効率的に使用することができる。なお、本明細書でいう屈折率が略同じとは、記録層と中間層の屈折率の差が0.05以下の場合をいい、好ましくは、屈折率の差が0.03以下、より好ましくは、0.01以下、最も好ましくは0の場合をいう。
【0017】
前記した光情報記録媒体において、前記色素は、1光子吸収色素を含むことができる。または色素は多光子吸収色素を含むことができる。さらに、色素は、1光子吸収色素と多光子吸収色素の両方を含むことができる。
【0018】
色素として1光子吸収色素を用いる場合には、3次元記録に適した範囲で色素の吸収率を調整すればよく、多光子吸収色素を用いる場合は、色素が溶解可能な範囲で濃度を高くすることで多光子吸収量を高めることができる。また、1光子吸収色素と2光子吸収色素を併用することで、記録感度を向上することが可能である。
【0019】
前記した光情報記録媒体は、高分子バインダーの屈折率変化を用いて情報が記録されているため、加熱により情報を消去し、再度情報を記録することが可能である。
すなわち、前記した光情報記録媒体に記録された情報の消去方法は、前記記録層を加熱することで、当該記録層に記録された情報を消去することを特徴とする。
【0020】
これにより、記録層の情報を消去することが可能であり、繰り返し記録が可能となる。
【0021】
前記した記録層の加熱の際には、前記記録層に焦点を合わせるように連続波レーザを照射する方法を用いることができる。連続波レーザを照射することで、記録層に含まれる(1光子吸収)色素の光吸収に伴う発熱を利用して、特定の記録層を加熱することができる。また、連続波レーザで加熱を行うことにより、記録層中で連続した領域の情報をムラ無く消去することができる。
【0022】
また、前記した記録層の加熱により情報を消去する際には、光情報記録媒体の全体を加熱することで、すべての前記記録層に記録された情報を消去することができる。これにより、簡易に光情報記録媒体の全体の情報を消去して初期化することができる。また、光情報記録媒体の廃棄の際にも、簡易に情報を抹消することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、高感度で記録が可能であり、反射型での読取が可能である光情報記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】多層光情報記録媒体の断面図である。
【図2】記録層の厚さと変調度の関係を示すグラフである。
【図3】記録スポットの平面的な図である。
【図4】d/ω0と変調度の関係を示すグラフである。
【図5】記録時の焦点位置と記録スポットの形成を説明する図である。
【図6】再生時の焦点位置と記録スポットにおけるレンズ効果を説明する図である。
【図7】再生時の焦点位置と非記録位置における読出光の反射を説明する図である。
【図8】変形例における再生時のレンズ効果を説明する図である。
【図9】各実施例および比較例の構成及び記録時間をまとめた表である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態に係る光情報記録媒体10は、図1に示すように、基板11と、サーボ信号層12と、複数の記録層14と複数の中間層15と、カバー層16とを備えてなる。
【0026】
基板11は、記録層14などを支持するための支持体であり、一例としてポリカーボネートやガラスの円板などからなる。基板11の材質や厚さは特に限定されず、数百μm〜数mm程度の比較的厚い基板であってもよいし、より薄い(10〜200μm程度)可撓性を有するフィルム状のものであってもよい。
【0027】
サーボ信号層12は、記録層14および中間層15を基板11に保持させるための粘着性または接着性の樹脂材料からなり、基板11側の面に予め凹凸または屈折率の変化によりサーボ信号が記録された層である。ここでのサーボ信号は、記録時および再生時のフォーカスの基準面であることを記録再生装置が認識できるように予め設定された信号である。所定の記録層14に焦点を合わせる場合には、この基準面からの距離や、界面の数を考慮して焦点を制御する。また、記録時および再生時に円周方向に並んだ記録スポットのトラックに正確にレーザ光を照射できるようにトラッキング用のサーボ信号または溝を設けておくとよい。なお、サーボ信号層12の有無は任意である。
【0028】
記録層14は、情報が光学的に記録される感光材料からなる層であり、記録光(記録用の照射光)の照射により屈折率が変化するものを用いる。屈折率の変化は、記録光の照射により、屈折率が小さい状態から大きい状態になるのでもよいし、逆に大きい状態から小さい状態になるのでもよい。ここでは、記録層14は、一例として、記録光の照射により屈折率が小さくなる記録材料を用いることとする。
【0029】
記録層14の材料としては、記録層14に適度な厚みを持たせ、また、色素が光を吸収した結果発生した熱により屈折率を変化させるため、例えば、記録光を吸収する色素を高分子バインダーに分散させて形成したものを用いることができる。高分子バインダーとしては、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリビニルアルコール(PVA)などを用いることができる。そして、高分子バインダーは、記録層14の層数を多くするために、記録光の吸収ができるだけ小さい方が望ましい。高分子バインダーの記録光の吸収率は、1%以下であることが望ましく、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下、最も好ましくは0であるのがよい。また、バインダーの一部として、光の照射により硬化する光硬化性樹脂(UV硬化樹脂)を含んでいても構わない。また、高分子バインダーは、情報の消去を可能にするため、ガラス転移点を有する樹脂(熱可塑性樹脂)であるのが望ましい。
【0030】
そして、記録層14は、従来のように記録光を吸収することで色素自体が分解などの変化を起こすのではなく、色素が記録光を吸収したことにより発生した熱で高分子バインダーの屈折率が変化するように構成されている。そのため、本発明で用いる高分子バインダーは、そのガラス転移点が、色素の融点または分解点より低いものである。すなわち、高分子バインダーのガラス転移点と色素の融点または分解点がそのような関係になるように、高分子バインダーと色素の組合せが選択される。
【0031】
上記記録光を吸収する色素としては、例えば、ヒートモード型記録材料として従来用いられていた1光子吸収色素を用いることができる。例えば、フタロシアニン系化合物、アゾ化合物、アゾ金属錯体化合物、メチン色素(シアニン系化合物、オキソノール系化合物、スチリル色素、メロシアニン色素)を用いることができる。また、多層の記録層を有する記録媒体において記録再生時における隣接記録層への影響を最小限にするためには、前記記録光を吸収する色素として、多光子吸収色素を用いることが望ましく、多光子吸収色素は、例えば、読出光の波長に線形吸収帯を持たない多光子(2光子)吸収化合物を含むことが望ましい。さらに、記録光に対する記録感度を良好にするため、記録層14は、1光子吸収色素と2光子吸収色素の双方を含んでいるのが望ましい。
【0032】
多光子吸収色素は、650nm以下の波長で多光子吸収反応を生ずるものであることが望ましく、1光子吸収色素も、650nm以下の波長で1光子吸収反応を生ずるものであることが望ましい。特に、これらの反応を生ずる波長は、550nm以下であることが望ましく、500nm以下であることがさらに望ましい。これにより、記録光を小さなスポットにすることができ、記録密度を向上することが可能である。
【0033】
記録材料として多光子吸収色素と1光子吸収色素の双方を併用する場合、それらの配合量は、各色素の記録光に対する吸収率や記録感度により変化するので、特に限定されず、1光子吸収色素の量をできるだけ抑えた範囲で、効率的に高分子バインダーの屈折率が変化する配合を実験により確認して決定するとよい。この決定に際しては、1光子吸収色素の濃度は、次に説明する記録層14の記録光の吸収率を満たす濃度とし、2光子吸収色素の濃度は、記録効率を向上するため溶解度の上限に近くするとよい。
【0034】
記録層14は、記録光に対して線形吸収(1光子の吸収)が1層当たり5%以下であるのが望ましい。また、この吸収率は2%以下であるのがより望ましく、1%以下であるのがさらに好ましい。例えば、最も奥側の記録層14に到達する記録光の強度が照射した記録光の強度の50%以上であることを条件とすると、30層の記録層を実現するためには、記録層1層当たりの吸収率が2%以下である必要があり、50層の記録層を実現するためには、記録層1層当たりの吸収率が1%以下である必要があるからである。記録層14の吸収率をこのように設定することにより、記録層14は、記録光を1光子吸収して、多光子吸収の効率の低さを補うとともに、1層あたりの吸収量を適度に抑えて深い層の記録時の損失を小さくし、記録層14の多層化を図ることができる。
【0035】
本発明で用いることができる2光子吸収色素としては、読出光の波長に線形吸収帯を持たないものであれば、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
【化1】

【0036】
(一般式(1)中、XおよびYはハメットのシグマパラ値(σp値)が共にゼロ以上の値を有する置換基を表し、同一でもそれぞれ異なってもよく、nは1〜4の整数を表し、Rは置換基を表し、同一でもそれぞれ異なってもよく、mは0〜4の整数を表す。)
【0037】
一般式(1)中、XおよびYはハメット式におけるσp値が正の値を取るもの、所謂電子吸引性の基を指し、好ましくは例えばトリフルオロメチル基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、などが挙げられ、より好ましくはトリフルオロメチル基、シアノ基、アシル基、アシルオキシ基、またはアルコキシカルボニル基であり、最も好ましくはシアノ基、ベンゾイル基である。これらの置換基のうち、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、およびアルコキシカルボニル基は、溶媒への溶解性の付与等の他、様々な目的で、更に置換基を有してもよく、置換基としては、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシ基、などが挙げられる。
【0038】
nは1以上4以下の整数を表し、より好ましくは2または3であり、最も好ましくは2である。nが5以上になるほど、線形吸収が長波長側に出てくるようになり、700nmよりも短波長の領域の記録光を用いての非共鳴2光子吸収記録ができなくなる。
Rは置換基を表し、置換基としては、特に限定されず、具体的には、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオキシ基、などが挙げられる。mは0以上4以下の整数を表す。
【0039】
一般式(1)で表される構造を有する化合物の具体例としては、特に限定されないが、下記の化学構造式D−1〜D−21の化合物を使用することができる。
【化2】

【0040】
本発明に用いることができる1光子吸収色素としては、ヒートモード型記録材料として従来用いられていた色素を用いることができる。例えば、フタロシアニン系化合物、アゾ化合物、アゾ金属錯体化合物、メチン色素(シアニン系化合物、オキソノール系化合物、スチリル色素、メロシアニン色素)を用いることができる。
【0041】
記録層14は、記録後において形成される屈折率分布がレンズ効果を奏するように、十分な厚さを有しているのが望ましい。具体的には、記録層14は、記録光の波長をλ、記録層14の屈折率をnとして2λ/n以上の厚さを有している。図2に示すように、nD/λ(Dは記録層の厚さ)と変調度(検出光強度の(最大値−最小値)/最大値 で求まる値)の関係を計算すると、nD/λが2以上で変調度が0.1以上となり、良好な変調度が得られることが分かる。このことから、厚さDは2λ/n以上であるのがよい。
【0042】
一例として、記録光の波長を522nm、記録層14の屈折率を1.48とすれば、記録層14の厚さは705nm以上である。この厚さは、従来の干渉効果を利用した光情報記録媒体に比較して数倍の厚さであり、これにより、記録層14に記録スポットが形成されると、記録スポットにレンズ効果を持たせることができる。
【0043】
記録層14の厚さの上限は特に限定されないが、記録層14の層数をなるべく多くするため、5μm以下であるのが望ましい。一例として、本実施形態では、記録層14の厚さは1μmである。記録層14は、例えば、2〜100層程度設けられる。光情報記録媒体10の記憶容量を大きくするため、記録層14は多い方が望ましく、例えば10層以上であるのが望ましい。
【0044】
記録層14の形成方法は、特に限定されないが、色素材料と高分子バインダーを溶媒に溶解させた液をスピンコートして形成することができる。このときの溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、ヘキサンなどを用いることができる。
【0045】
中間層15は、図1に示すように各記録層14の上下に隣接して配置されている。中間層15は、記録時および再生時のレーザ光の照射により変化しない材料が用いられる。また、中間層15は、記録時の記録光の損失を最小限にするため、記録光に対し、透明な樹脂からなることが望ましい。ここでの透明とは、吸収率が0.05%以下であることをいう。一例として、中間層15としては、光の照射により硬化させることが可能な光硬化性樹脂(UV硬化樹脂)を含むことができる。中間層15は、複数の記録層14の間で層間クロストーク(隣接する記録層14間の信号の混じり合い)が生じないように、記録層14同士の間隔を所定量空けるために設けられている。このため、中間層15の厚さは、3μm以上であり、一例として、本実施形態では10μmである。
【0046】
中間層15は、少なくとも中間層15に対し記録光が入射される側で隣接する記録層14との界面(奥側界面18)の近傍において、屈折率が記録層14と適度に異なっているのがよい。これにより、奥側界面18での読出光の反射が可能となり、反射型での情報の読取が可能となる。
具体的には、記録層14の屈折率をn1、中間層15の屈折率をn2として、
0.001<((n2−n1)/(n2+n1))2<0.04
を満たすのが望ましい。
【0047】
((n2−n1)/(n2+n1))2が0.001より大きいことで、奥側界面18での反射光量を大きくして、情報の再生時に、S/N比を大きくすることができる。また、((n2−n1)/(n2+n1))2が0.04より小さいことで、奥側界面18での反射光量を適度な大きさに抑えて、記録時および再生時において記録再生光(本明細書において、記録光、読出光および再生光を指す。)が深い記録層14に到達するのを可能にする。
【0048】
中間層15の屈折率n2は、一例としては、1.61である。記録層14の屈折率n1が1.48であるとすると、((n2−n1)/(n2+n1))2は、0.0018であり、前記した不等式を満たす。
【0049】
また、中間層15は、中間層15に対し記録光が入射される側と反対側で中間層15と隣接する記録層14との界面(前側界面19)の近傍において、記録層14と略同じ屈折率を有しているのが好ましい。すなわち、中間層15の、前側界面19近傍の屈折率は、記録層14と同等であるのがよい。中間層15は、奥側界面18近傍での屈折率が記録層14と異なり、前側界面19近傍での屈折率が記録層14と近くなるように、奥側界面18から前側界面19の範囲のいずれかの部分で屈折率が徐々に変化しているとよい。このように構成するため、例えば、前側界面19において、記録層14と中間層15の材料を拡散により混じり合わせたり、中間層15を、複数回の層形成により形成し、その複数回の層形成の際に、隣接する層の材料同士を拡散させるように形成するとよい。隣接する層の材料同士を拡散させて混じり合わせるには、1層目の材料を塗布した後、当該1層目の材料の層を完全に硬化させる前に、2層目の材料を塗布し、その後、硬化させればよい。
【0050】
このように構成すれば、前側界面19においては、屈折率の急変による反射が起こらず、記録再生光を反射することなく透過させることができる。
【0051】
カバー層16は、記録層14および中間層15を保護するために設けられる層であり、記録再生光が透過可能な材料からなる。カバー層16は、数十μm〜数mmの適宜な厚さで設けられる。
【0052】
以上のような光情報記録媒体10に、情報を記録・再生する方法について説明する。
所望の記録層14に情報を記録するとき、その記録層14に、記録すべき情報に応じて出力が変調されたレーザ光(記録光RB)を照射する。記録層14が、多光子吸収化合物を記録色素として有する場合、このレーザ光には、ピークパワーを大きくできるパルスレーザ光を用いるとよい。そして、記録光RBの焦点の位置は、図5に示すように、レーザ光の奥側界面18から記録光RBの入射側にω0<d<3ω0を満たすオフセット量dだけずらすのがよい。ここでのω0は、図3に示した記録スポットMの半径である。この半径ω0は、図3の左の記録スポットMのように記録光RBと光情報記録媒体10を相対的に移動させていないときの円形状のスポットの半径であり、図3の中央および右の2つの記録スポットMのように、記録光RBと光情報記録媒体10を互いに相対的に移動させた結果細長い形状となった場合には、記録スポットMの幅の半分として測定することができる。
【0053】
ここで、オフセット量dの範囲について説明する。まず、レーザ光で形成しうる微細なスポット径はω0=0.1〜0.3μmの範囲を想定している。記録するスポットの半径ω0は、使用する記録光の波長と対物レンズの開口数NAとで決まる回折限界によって決定される。半径ω0は、記録層14の1層あたりの面記録密度および使用する記録用レーザの波長から、0.1〜0.3μm程度であることが望ましいといえる。ここで、図4に示すように、オフセット量dと半径ω0の比d/ω0と変調度の関係を計算すると、ω0=0.15〜0.3μmの範囲では、d/ω0の値が1〜3の間で変調度が良好となるので、オフセット量dとしては、ω0<d<3ω0の範囲が良好であるといえる。なお、この計算においては、記録層14の厚さは1μmとしている。
【0054】
上記のようにして記録光RBを照射すると、図5に模式的に示したように、光の強度に応じて(2光子吸収反応であれば光の強度の2乗に比例して)、光の強度が高い焦点付近ほど光の吸収反応が多く起こり、この反応に応じて屈折率が小さくなる。このため、1μmの厚みがある記録層14には、屈折率の分布ができる。この屈折率の分布を有する記録スポットMが読出光にとってレンズとして作用する。
【0055】
所望の記録層14から情報を再生するとき、その記録層14にCWレーザ光(読出光OB)を照射する。このとき、図6に示すように、読出光OBは、記録層14と中間層15の奥側界面18を目標にして焦点位置を調整する。すると、読出光OBは、記録スポットMに入った後、記録スポットMのレンズ効果により記録スポットMから逸れるように進行する。このため、記録スポットMの位置においては、奥側界面18で反射する光がほとんど無い。一方、図7に示すように、記録層14における未記録部分、つまり、記録スポットM以外の位置においては、読出光OBは奥側界面18で反射するため、記録部分と未記録部分における反射光の強度の違いが得られることで、情報を再生することができる。
【0056】
記録層14に記録した情報を消去する場合、記録層14を高分子バインダーのガラス転移温度付近の温度、望ましくは、ガラス転移点より高い温度に加熱することで、高分子バインダーの流動性が向上し、周囲と屈折率が均一化することで、その記録層14に記録された情報を消去することができる。このように情報を消去することで、記録層14への再度の記録(繰り返し記録)が可能である。この加熱の際には、記録層14に焦点を合わせるように連続波レーザを照射する方法を用いることができる。連続波レーザで加熱を行うことにより、記録層14中で連続した領域の情報をムラ無く消去することが可能である。この連続波レーザは、情報の再生に用いるレーザを用いてもよいし、別のレーザを用いてもよい。いずれの場合にも、1光子吸収色素で吸収可能な波長の光を発するレーザを用いるのが望ましい。
【0057】
また、記録層14の加熱により情報を消去する際には、光情報記録媒体10の全体を高分子バインダーのガラス転移温度より高い温度に加熱することで、すべての記録層14に記録された情報を一度に消去することができる。これにより、記録層14が有する色素の種類にかかわらず、簡易に光情報記録媒体の全体の情報を消去して初期化することができる。また、光情報記録媒体の廃棄の際にも、簡易に情報を抹消することができる。
【0058】
以上のように、本実施形態の光情報記録媒体10においては、記録部分と未記録部分の奥側界面18における反射率の違いを利用して、情報の記録・再生が可能となっている。そして、従来の記録方式においては、奥側界面18の反射と前側界面19の反射の干渉効果を用いて情報の再生をしていたので、前側界面19の反射が必須であったが、本実施形態の記録方式においては、前側界面19の反射は必要ではなく、むしろノイズとなる。そこで、例えば、前側界面19において記録層14と中間層15の屈折率を徐々に変化させることで、前側界面19における記録再生光の反射を無くすことができるので、再生光のS/N比を向上させることが可能となる。
【0059】
また、本実施形態の光情報記録媒体10によれば、干渉効果を用いずに、記録層14に形成された記録スポットMのレンズ効果を利用して、記録部分と未記録部分における再生出力(反射光強度)の変調を得ることができるので、記録層14の膜厚の精度はそれほど高く要求されず、製造コストを抑えることができる。また、再生時には奥側界面18における読出光の反射を利用しているので、蛍光を利用する場合に比較して、高い再生出力を得ることができる。
【0060】
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することが可能である。
例えば、前記実施形態においては、記録層14は、記録光の照射により屈折率が小さくなるものを例示したが、記録光の照射により屈折率が大きくなるような記録材料を用いてもよい。この場合には、図8に示すように、記録スポットMが読出光OBを集めるように作用するので、記録部分において未記録部分よりも高い反射率で読出光OBを反射し、記録部分と未記録部分の反射光強度の変調が発生する。もっとも、変調度を高くして再生出力において高いS/N比を得るためには、記録層14においては、前記した実施形態のように、記録光の照射により屈折率が小さくなる記録材料を用いるのが望ましい。
【0061】
また、前記実施形態においては、記録層14の材料および中間層15の材料は、スピンコートにより塗布する例を示したが、所望の厚さで良好な塗膜が得られる限り、塗布方法は、スピンコートに限られない。
【0062】
中間層15は、厚み方向のいずれかの部分で屈折率が徐々に変化しているのが望ましいとしたが、厚み方向の全体に渡って均一な屈折率であっても構わない。
【実施例】
【0063】
次に、本発明の光情報記録媒体に記録と消去のテストをした実験について説明する。
1.記録材料
実施例においては、記録材料として、高分子バインダーに、色素を分散させたものを用いた。
【0064】
(1)高分子バインダー
高分子バインダーとしては、ポリ酢酸ビニル(Across社製、Mw:101600)またはポリメタクリル酸メチル(SIGMA−ALDRICH社製)を用いた。
【0065】
(2)色素
色素としては、下記C−1に示すフタロシアニン系の1光子吸収色素およびC−2に示す2光子吸収色素の一方または双方を用いた
【化3】

【化4】

【0066】
2.記録層の形成方法
溶媒(後述)に、色素および高分子バインダーを撹拌・溶解させた塗布液を作り、ガラス基板上にスピンコートにより膜を形成した。膜厚は1μmとした。なお、ガラス基板の屈折率は1.53である。
【0067】
3.材料の熱分析方法
以下の方法を用いて、高分子バインダーのガラス転移温度、色素の融点・分解点を確認した。
分析手法: TG−DTA(熱重量/示差熱分析)測定
装置: TG−DTA6300(セイコーインスツルメンツ社製)
昇温速度: 10℃/min
測定温度範囲: 25℃〜600℃
測定雰囲気: 窒素(N2)雰囲気
【0068】
ガラス転移温度、融点、分解点(もしくは気化温度)には以下の温度を採用した。
(1)ガラス転移温度
重量減少を伴わない高分子バインダーの吸熱反応ピーク温度をガラス転移温度とした。
(2)融点
重量減少を伴わない色素の吸熱反応のピーク開始温度を外挿により求めた温度を融点とした。
(3)分解点(もしくは気化温度)
分解前に対して重量が10%減少した温度を分解点(もしくは気化温度)とした。分解点が複数ある場合、最も低い温度で比較した。
【0069】
この熱分析の結果は、下記の表の通りである。
【表1】

【0070】
4.記録・再生の試験・評価方法
記録光(パルスレーザ:波長522nm、繰り返し周波数3GHz、パルス幅500fsec、平均パワーPa=5〜50mW、ピークパワーPp=3〜33W)をピークパワー10Wで記録層に照射した。
記録層に対し、光軸方向に記録光の焦点位置を0.4μmずつ4μmの範囲(つまり、深さ方向で11点の位置)で動かし、各深さ位置(焦点位置)で、4点の記録(つまり、計44箇所での記録)をテストした。
記録条件は、記録時間を5μs〜5msの間で調整した。そして、記録マークが12個(隣接する焦点位置で3箇所、その各焦点位置で4個)ずつ記録できる記録時間[μs]をデータとして得た。
【0071】
5.各実施例および比較例の条件
各実施例および比較例の条件は、以下に説明する通りとした。
【0072】
[実施例1]
溶媒 メチルエチルケトン(MEK) 7g
色素 C−1化合物 15mg
高分子バインダー ポリ酢酸ビニル(PVAc) 500mg
【0073】
[実施例2]
実施例1に対し、色素を下記のものに変更し、その他は、実施例1と同じとした。
色素 C−2化合物 72mg
【0074】
[実施例3]
実施例1に対し、色素を下記の2つの化合物とし、その他は実施例1と同じとした。
色素 C−1化合物 15mg
C−2化合物 72mg
【0075】
[実施例4]
実施例2に対し、高分子バインダーを下記のものに変更し、その他は、実施例2と同じとした。
高分子バインダー ポリメタクリル酸メチル(PMMA) 500mg
【0076】
[比較例1]
実施例2に対し、高分子バインダーを用いず、C−2化合物(2光子吸収色素)のみからなる記録層を作製した。
【0077】
[比較例2]
実施例2に対し、高分子バインダーを下記のものに変更し、その他は、実施例2と同じとした。
高分子バインダー ポリビスフェノールAカーボネート 500mg
(SIGMA−ALDRICH社製 Mw: 29000)
【0078】
6.結果
各実施例および比較例の構成及び記録時間をまとめたのが図9である。
【0079】
図9に示すように、実施例1〜4においては、高分子バインダーのガラス転移温度は、色素の融点または分解点より低く、本発明の条件を満たす。実施例1〜4においては、いずれも、記録マークを形成することができた。
高分子バインダーとしてポリ酢酸ビニルを用いた実施例1〜3では、色素として2光子吸収色素(C−2)のみを用いた場合(実施例2)には記録マークの形成に90μsecの時間を要したが、1光子吸収色素(C−1)のみを用いた場合(実施例1)には、記録マークの形成に15μsecを要しただけであった。さらに、1光子吸収色素(C−1)と2光子吸収色素(C−2)を両方用いた場合には、5μsecで記録マークを形成することができた。すなわち、1光子吸収色素と2光子吸収色素を両方用いることで、最も高感度の記録が可能であった。
【0080】
実施例4においては、ガラス転移温度が高い高分子バインダーを用いたため、実施例1〜3よりは、記録マークの形成に時間がかかったが、450μsecという短い時間での記録が可能であった。
【0081】
比較例1においては、高分子バインダーが無く、1.8%という小さな吸収率の条件では、記録マークを形成することができなかった。
【0082】
比較例2においては、高分子バインダーのガラス転移点が色素の融点よりも高く、ピークパワー10Wの記録光では記録マークを形成することができなかった。
【0083】
以上のように、本発明の光情報記録媒体によれば、高感度で記録が可能であることが確認された。ちなみに、レーザ光の照射により分解する1光子吸収色素を用い、記録層が低い吸収率でも記録が可能になることを目標とした研究の報告(Yuki Suzuki等、「The static recording and readout of the twenty-recording layers containing organic dye materials」、ISOM’09 Technical Digest、P.202(発表番号Tu−PP−09))によれば、20層の記録層を持つ記録媒体を、記録層1層あたりの記録光の吸収率を16%以下として作製し、2.8mW,405nmの半導体レーザで記録をした場合、1層目について8ms〜4000msの露光時間で記録することができるとされている。上記の実施例においては、この報告と比較しても、本発明の光情報記録媒体は、高感度で記録できることが確認された。
【0084】
[記録の消去]
実施例1〜実施例3で記録マークを記録した光情報記録媒体(高分子バインダーとしてポリ酢酸ビニルを用いた媒体)について、80℃1時間、オーブンで加熱した。また、実施例4で記録マークを記録した光情報記録媒体(高分子バインダーとしてポリメタクリル酸メチルを用いた媒体)について、120℃1時間、オーブンで加熱した。その結果、いずれの光情報記録媒体においても、記録マークが消えた。すなわち、記録の消去が可能であることが確認された。
【符号の説明】
【0085】
10 光情報記録媒体
11 基板
14 記録層
15 中間層
16 カバー層
18 奥側界面
19 前側界面
M 記録スポット
OB 読出光
RB 記録光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録光の照射により屈折率が変化する複数の記録層と、当該複数の記録層の間に設けられる中間層とを備えた光情報記録媒体であって、
前記記録層は、高分子バインダーと、当該高分子バインダーに分散された色素とを有し、
前記中間層は、少なくとも当該中間層に対し記録光が入射される側で隣接する前記記録層との界面近傍において、前記記録層と異なる屈折率を有し、
前記高分子バインダーのガラス転移温度は、前記色素の融点および分解点より低く、
前記色素が前記記録光を吸収して発生する熱により前記高分子バインダーの屈折率が変化することで情報が記録されることを特徴とする光情報記録媒体。
【請求項2】
前記記録層は、1層あたりの前記記録光の吸収率が5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
【請求項3】
前記記録層の屈折率をn、前記記録光の波長をλとして、記録層の厚みが2λ/n以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光情報記録媒体。
【請求項4】
前記中間層は、当該中間層に対し記録光が入射される側と反対側で隣接する前記記録層との界面近傍において、前記記録層と略同じ屈折率を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
【請求項5】
前記色素は、1光子吸収色素を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
【請求項6】
前記色素は、多光子吸収色素を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
【請求項7】
請求項1から請求項6に記載の光情報記録媒体に記録された情報の消去方法であって、
前記記録層を加熱することで、当該記録層に記録された情報を消去することを特徴とする消去方法。
【請求項8】
前記記録層に焦点を合わせるように連続波レーザを照射することで、前記記録層を加熱することを特徴とする請求項7に記載の消去方法。
【請求項9】
光情報記録媒体の全体を加熱することで、すべての前記記録層に記録された情報を消去することを特徴とする請求項7に記載の消去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−22737(P2012−22737A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158584(P2010−158584)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】