説明

光源モジュール及び光源システム

【課題】異常発生を検知できる光源モジュールを提供すること。
【解決手段】1次光を射出する1次光ユニット10と、1次光を受光して2次光に変換して射出する光変換ユニット20と、光を検出する光検出ユニット30と、光を導光する複数本の光ファイバ40と、複数の1次端子と複数の2次端子とを備え、1次端子の一つに入射した光を複数の2次端子から射出し、2次端子の一つに入射した光を複数の1次端子から射出する光分岐ユニット50と、から光源モジュールを構成し、複数本の光ファイバを介して、1次光ユニットから光変換ユニットに向けて1次光を導光可能とすると共に光変換ユニットから光検出ユニットに向けて2次光を導光可能とするように、1次光ユニット及び光検出ユニットを光分岐ユニットの1次端子側に配置し、光変換ユニットを光分岐ユニットの2次端子側に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源モジュール及びそれを用いた光源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ(LD)等の1次光ユニットから出射した1次光を光ファイバを経由して波長変換部材に導光し、該波長変換部材で所望の波長を持った2次光に変換し、その変換された2次光を照明光として出射する光源モジュールが知られている。
【0003】
特許文献1は、このような光源モジュールにおいて、光ファイバを2本用いて、1次光ユニットから波長変換部材を複数配置した光変換ユニットに導光する構成とすることにより、一方の光ファイバが断線しても、あるいは波長変換部材の一つが脱落または破損等の故障が発生しても、完全には照明が停止しないファイバ光源構成を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−189463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示の技術では、一方の光ファイバの断線や一つの波長変換素子の故障の異常が発生したときに、照明が完全停止しない状況を確保することができるが、その異常の発生を検知することはできなかった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、異常発生時にそのことを検知できる光源モジュール及びそれを用いた光源システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光源モジュールの一態様は、
1次光を射出する1次光ユニットと、
前記1次光を受光して2次光に変換し、その変換した2次光を射出する光変換ユニットと、
光を検出する光検出ユニットと、
光を導光する複数本の光ファイバと、
複数の1次端子と複数の2次端子とを備え、前記1次端子の一つに入射した光を前記複数の2次端子から射出し、前記2次端子の一つに入射した光を前記複数の1次端子から射出する光分岐ユニットと、
を具備し、
前記複数本の光ファイバを介して、前記1次光ユニットから前記光変換ユニットに向けて前記1次光を導光可能とすると共に前記光変換ユニットから前記光検出ユニットに向けて前記2次光を導光可能とするように、前記1次光ユニット及び前記光検出ユニットは前記光分岐ユニットの前記1次端子側に配置され、前記光変換ユニットは前記光分岐ユニットの前記2次端子側に配置されることを特徴とする。
また、本発明の光源システムの一態様は、
前記光源モジュールの一態様と、
前記光源モジュールの前記1次光ユニットを駆動する1次光源ドライブ回路と、
前記光検出ユニットの検出結果に基づいて、異常検出対象領域の異常の有無を診断する異常診断回路と、
前記異常診断回路の診断結果に基づいて、前記1次光源ドライブ回路による前記1次光ユニットの駆動を制御する1次光源ドライブ制御回路と、
を具備することを特徴とする。
さらに、本発明の光源システムの別の態様は、
前記光源モジュールの一態様において、前記光検出ユニットは、入射する光の光スペクトルまたは偏光特性を分光する機能を有する分光検出器を備え、
前記光源モジュールの前記1次光ユニットを駆動する1次光源ドライブ回路と、
前記光検出ユニットの前記分光検出器の検出結果に基づいて、異常検出対象領域の異常の有無と異常の推定原因を診断する異常診断回路と、
前記異常診断回路の診断結果に基づいて、前記1次光源ドライブ回路による前記1次光ユニットの駆動を制御する1次光源ドライブ制御回路と、
を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、1次光ユニットと光検出ユニットは、光分岐ユニットを介して、複数本の光ファイバを経由して光変換ユニットと光接続されるので、異常発生時に、照明が完全停止しない状況を確保した上で、異常発生を検知できる光源モジュール及びそれを用いた光源システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る光源モジュールの構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係る光源システムの構成を示す図である。
【図3】図3(A)は、本発明の第2実施形態に係る光源モジュールの構成を示す図であり、図3(B)は異常検出対象領域の異常時の影響を説明するための図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る光源モジュールの変形例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る光源モジュールは、例えば内視鏡の照明装置として使用されるものであり、図1に示すように、1次光ユニット10、光変換ユニット20、光検出ユニット30、複数本の光ファイバ40、及び光分岐ユニット50から構成されている。
【0011】
ここで、1次光ユニット10は、1次光を射出する光源である。
光変換ユニット20は、上記1次光ユニット10から複数本(本実施形態では2本)の光ファイバ40を導光してきた1次光を受光して2次光に変換し、その変換した2次光を照明光として射出する。そのため、該光変換ユニット20は、1次光ユニット10からの1次光の光学特性を変換する機能を有する複数(本実施形態では2個)の光変換部材21を有している。この「光学特性を変換する機能」とは、例えば、光スペクトルを変換する機能(蛍光体、エレクトロルミネッセンス、半導体発光、光フィルタ、2次高調波発生)、配光を変換する機能(光拡散、レンズ作用など)、偏光を変換する機能、などが該当する。従って、1次光は、該光変換部材21によって所定の光学特性に変換された2次光とされた後、該光源モジュールの照射光として、図示しない照射対象に向かって射出される。なお、この2次光は、所定の集光構成を採用したとしても、その全てが照明対象に向かうものではなく、そのような2次光の一部が、上記複数本の光ファイバ40によって、上記1次光とは逆方向の戻り光として導光されることとなる。
【0012】
光検出ユニット30は、上記複数本の光ファイバ40によって導光されてきた戻り光を検出する。
【0013】
光分岐ユニット50は、複数(本実施形態では2個)の1次端子と複数(本実施形態では2個)の2次端子とを備え、1次端子の一つに入射した光をその複数の2次端子から射出し、2次端子の一つに入射した光をその複数の1次端子から射出する光分岐機能を有している。そして、本実施形態では、1次光ユニット10及び光検出ユニット30が該光分岐ユニットの1次端子側に配置され、光変換ユニット20が該光分岐ユニット50の2次端子側に配置されるように、それぞれ光接続されている。これにより、複数本の光ファイバ40を介して、1個の1次光ユニット10からの1次光を光変換ユニット20に向けて導光可能となり、且つ、光変換ユニット20からの2次光(戻り光)を1個の光検出ユニット30へ向けて導光可能となる。
【0014】
このような構成の光源モジュールにおいて、もし、何れかの光ファイバ40の破断等の異常が発生すると、光変換ユニット20への1次光が減少するため、光変換ユニット20からの光変換後の光出力が低下する。このとき、その異常発生箇所(破断など)にて反射され、その反射された1次光が光ファイバ40を逆方向の戻り光として導光されて、光分岐ユニット50を介して光検出ユニット30によって検出される状態となる。また、このような異常が発生すると、1次光が異常発生箇所(破断など)から抜け出るおそれがある。すなわち、異常発生箇所の近傍からの1次光の漏れ、さらにはこれが引き起こす局所発熱などが発生し、当該光源モジュールの使用者にとって好ましくない現象や機器の損傷などが起こる。特に、1次光が紫外光やレーザ光などの場合は、一定の規定光量以上が人体の目などの所定部位に照射される可能性があるため、装置としての安全性が低下する。
【0015】
また、光変換ユニット20又はその光変換部材21の脱落や損傷等の異常が発生しても、光変換ユニット20からの光変換後の光出力が低下すると共に、1次光が光変換ユニット20から抜け出るおそれがある。すなわち、1次光が光変換されずに光変換部材21を突き抜けて照射光に混ざり、さらにはこれが引き起こす局所発熱などが発生し、当該光源モジュールの使用者にとって好ましくない現象や機器の損傷などが起こる。特に、1次光が紫外光やレーザ光などでの場合は、一定の規定光量以上が人体の目などの所定部位に照射される可能性があるため、装置としての安全性が低下する。
【0016】
本実施形態に係る光源モジュールにおいては、上記光分岐ユニット50の2次端子側の領域である異常検出対象領域、つまり光変換ユニット20及び光ファイバ40に前述の異常が発生した場合、異常発生箇所からの1次光及び2次光の戻り光が光ファイバ40から光分岐ユニット50を経て光検出ユニット30に導光される。これにより、異常検出領域において異常が発生したならば、光検出ユニット30にて検知できる光量やスペクトルが変化するので、上述の故障を検出することができる。なお、異常発生箇所が2本の光ファイバ40に同時に、あるいは2つの光変換部材21に同時に、発生していなければ、光量は光変換ユニット20からの光変換後の光出力が低下するが、停止することなく所定の出力は維持できる。
【0017】
以上のように、2つの光ファイバ40の両方からの戻り光を検出するために、1次光ユニット10から光変換部材21に光が導光する間に、光分岐ユニット50を設けると共に、光分岐ユニット50の1次光ユニット10と並列する1次端子側に、光検出ユニット30を設けることで、光ファイバ40の破断、光変換ユニット20/光変換部材21の脱落、これらの部材損傷等の異常発生時に、光ファイバ40が異常発生箇所からの戻り光を光分岐ユニット50を介して光検出ユニット30に導光するので、このような異常発生時に光検出ユニット30にて検出する光の光学特性(光量やスペクトルなど)の変化から、異常を検知したり、異常個所を推定したり、異常の推定原因を診断することが可能となる。また、この時、異常発生箇所が複数本の光ファイバ40や複数の光変換部材21に渡って発生してなければ、光変換ユニット20からの光変換後の光出力は低下するが停止することなく所定の出力は維持することができる。
【0018】
すなわち、1次光ユニット10と光検出ユニット30は、光分岐ユニット50を介して、複数組の「光ファイバ40と光変換部材21」と光接続される構成とすることにより、「光ファイバ40と光変換部材21」の一組が故障しても、所定の光出力を維持すると同時に、故障の程度や故障状態の推定が可能となる。
【0019】
また、光変換ユニット20の光変換部材21として、1次光の光スペクトル、光量、配光特性、偏光特性、の何れかを変換または制御することで2次光を発生するものを使用用途に応じて採用することで、その使用用途に応じた異なる光スペクトル、配光、偏光の照明光を射出できる照明装置を実現できる。
【0020】
なお、光分岐ユニット50は、図1に示すように光ファイバ40に対して1次光ユニット10側でなく、光変換ユニット側に配置する構成であっても良いことは勿論である。また、光ファイバ40は、光分岐ユニット50を挟むように、1次光ユニット10側と光変換ユニット側の両方に配置する構成であっても良いことは無論である。
【0021】
ただし、本光源モジュールの使用用途によっては、図1に示すように光分岐ユニット50を、異常検出対象部位に対して1次光ユニット10及び光検出ユニット30側に配置する構成であることが好ましい場合がある。例えば、本光源モジュールを内視鏡の照明装置として使用する場合、光変換ユニット20は観察対象の内部に挿入される内視鏡の挿入部の先端に配置されて、光ファイバ40がその内視鏡挿入部内を延在されることが想定される。この内視鏡の挿入部は、被検体内部の形状や挿入経路に応じて自在に湾曲などできるように可動構成となっている。したがって、挿入部の繰り返しの可動により、光ファイバ40が断線する可能性が、他の使用用途に比較して高い。そのため、光分岐ユニット50を1次光ユニット10及び光検出ユニット30側に配置し、前記挿入部に挿通される複数本の光ファイバ40を検出対象領域として機能するように構成することが望ましい。同じ理由により、前記光分岐ユニット50の前記2次端子と前記光変換ユニット50との間に配置される前記複数本の光ファイバ40の長さは、前記1次光ユニット10から前記光分岐ユニット50の前記1次端子に至る長さよりも長いことが望ましい。
【0022】
さらに、1次光ユニット10及び光検出ユニット30と光分岐ユニット50との間で断線の異常が発生すると光変換ユニット20からの照明光が完全停止するか、異常検出機能が停止してしまう。そこで、1次光ユニット10及び光検出ユニット30と光分岐ユニット50との間の光接続は、断線などすることが無いように、図1に示すように、1次光ユニット10、光検出ユニット30及び光分岐ユニット50を、同一の基板60上に構成する等、それらの相対位置が固定されていることが望ましい。
【0023】
次に、上記のような構成の光源モジュールを用いた、本発明の第1実施形態に係る光源システムを説明する。
【0024】
本光源システムは、上記光源モジュールに加えて、図2に示すように、1次光源ドライブ回路71、光検出回路72、異常診断回路73、1次光源ドライブ制御回路74、及び異常報知部75を更に備えている。
【0025】
ここで、1次光源ドライブ回路71は、上記光源モジュールの1次光ユニット10を駆動する。
【0026】
光検出回路72は、上記光源モジュールの光検出ユニット30の出力を増幅するアンプ等である。
【0027】
異常診断回路73は、光検出回路72を介して入力された光検出ユニット30の検出結果に基づいて、異常検出対象領域の異常の有無を診断する。
【0028】
1次光源ドライブ制御回路74は、異常診断回路73の診断結果に基づいて、1次光源ドライブ回路71による上記光源モジュールの1次光ユニット10の駆動を制御すると共に、異常の発生を当該光源システムの使用者に報知するための異常報知部75を駆動制御する。
【0029】
このような構成の光源システムにおいては、光検出ユニット30の出力を光検出回路72を経て、異常診断回路73に入力し、異常の程度の推定を行なう。そして、1次光源ドライブ制御回路74は、照明光に含まれる1次光の突き抜けや光ファイバ40、あるいは、光ファイバ40の先端部における光漏れや発熱が懸念される場合は、推定した異常の程度に応じて、異常報知部75にて、異常発生状況を使用者に報知することができる。
【0030】
また、1次光源ドライブ制御回路74は、異常の程度に応じて、1次光源ドライブ回路71のドライブレベルを予め設定した規準や演算方法によって設定することにより、光源モジュールからの光出力を必ずしも停止しなくても、機器損傷や使用者に対する安全性を確保することができる。なお、1次光ユニット10のドライブを所定のレベルに制限する方法には、DC的にドライブレベルを制限するつまり駆動強度を制御する他にも、パルス幅やパルス周期を制御する方法なども適用できる。
【0031】
以上のように、本光源システムでは、照明が完全停止しないだけでなく、安全性と明るさを適切に設定することができるため、異常発生の影響を最小限に止めることが可能となる。
【0032】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る光源モジュールは、図3(A)に示すように、上記第1実施形態に係る光源モジュールにおける光検出ユニット30に、光スペクトルや偏光などの分光機能を備える分光検出器31を導入したものである。
【0033】
このように、光検出ユニット30の分光検出器31にて、1次光成分と2次光成分を分光して検出することにより、典型的には、図3(B)に示すような現象が推定される。
【0034】
すなわち、光ファイバ40に破断またはヒビが入ると、光検出ユニット30の分光検出器31で検出される1次光成分は光量が中程度増加し、2次光成分は光量が減少する。これは、光ファイバ40にヒビや破断が発生した場合、光ファイバ40の破断した端面は鏡面状態にはならないので、その端面による1次光の反射光量は中程度の増加となるものである。このとき、光源モジュールの光出力に関しては、1次光成分の変動は少ないが、2次光成分の光量は減少する。したがって、2次光成分が低下する、すなわち照明光が暗くなるという影響が発生すると共に、光導光路である光ファイバ40の途中での発熱、または、光漏れの影響が発生する。
【0035】
一方、光変換ユニット20の光変換部材21が欠落すると、光検出ユニット30の分光検出器31で検出される1次光成分は光量が大きく増加し、2次光成分は光量が減少する。これは、光変換部材21の欠落により露出する光ファイバ40の端面は鏡面状態になることが多いので、1次光は非常に強く反射するからである。このとき、光源モジュールの光出力に関しては、1次光成分は突き抜け成分が増加し、2次光成分の光量は減少する。したがって、2次光成分が低下する、すなわち照明光が暗くなるという影響が発生すると共に、光源モジュールからの1次光出力が増加するという影響が発生する。
【0036】
また、光変換ユニット20の光変換部材21が損傷を受けたとき(例えば焼け焦げ)には、光検出ユニット30の分光検出器31で検出される1次光成分の変動は少ないが、2次光成分の光量は減少する。これは、焼け焦げ部分では、1次光の反射は殆ど発生しないからである。このとき、光源モジュールの光出力に関しては、1次光成分の変動は少ないが、2次光成分の光量は減少する。したがって、2次光成分が低下する、すなわち照明光が暗くなるという影響が発生すると共に、光源モジュール先端部が発熱するという影響が発生する。
【0037】
したがって、光検出ユニット30に、入射する光の光スペクトルまたは偏光特性を分光する機能を有する分光検出器31を設けることにより、該分光検出器31で検出した1次光成分と2次光成分の状態に基づいて、発生した異常の原因を推定できるようになる。
【0038】
なお、図3(B)に示した異常の原因とその影響は、一例であり、これに限定するものではないことは勿論である。
【0039】
次に、上記のような構成の光源モジュールを用いた、本発明の第2実施形態に係る光源システムを説明する。
【0040】
本光源システムの構成は、上記第1実施形態のそれと同様であるので、図示は省略する。
【0041】
ただし、本実施形態においては、光検出回路72は、上記光源モジュールの光検出ユニット30が備える分光検出器31の出力を増幅する。また、異常診断回路73は、光検出回路72を介して入力された分光検出器31の検出結果に基づいて、異常検出対象領域の異常の有無や異常の推定原因の診断を行なう。そして、1次光源ドライブ制御回路74は、照明光に含まれる1次光の突き抜けや光ファイバ40、あるいは、光ファイバ40の先端部における光漏れや発熱が懸念される場合は、推定した異常の程度や異常の原因に応じて、異常報知部75にて、異常発生状況を使用者に報知することができる。
【0042】
また、1次光源ドライブ制御回路74は、異常の程度や故障の推定原因に応じて、1次光源ドライブ回路71のドライブレベルを予め設定した規準や演算方法によって設定することにより、光源モジュールからの光出力を必ずしも停止しなくても、機器損傷や使用者に対する安全性を確保することができる。なお、1次光ユニット10のドライブを所定のレベルに制限する方法には、DC的にドライブレベルを制限するつまり駆動強度を制御する他にも、パルス幅やパルス周期を制御する方法なども適用できる。
【0043】
以上のように、本光源システムでは、照明が完全停止しないだけでなく、安全性と明るさを適切に設定することができるため、異常発生の影響を最小限に止めることが可能となる。
【0044】
また、1次光源ドライブ制御回路74は、光検出ユニット30の分光検出器31が検出した光スペクトル、光量、偏光特性の何れかと関連性を持たせて、1次光源ドライブ回路の駆動状態を設定することができる。
【0045】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0046】
例えば、光変換ユニット20の光変換部材21と光ファイバ40の数は、図1に示すように一致している必要はなく、例えば図4に示すように複数本の光ファイバ40を一つの光変換部材21に接続しても構わない。
【符号の説明】
【0047】
10…1次光ユニット、 20…光変換ユニット、 21…光変換部材、 30…光検出ユニット、 31…分光検出器、 40…光ファイバ、 50…光分岐ユニット、 60…基板、 71…1次光源ドライブ回路、 72…光検出回路、 73…異常診断回路、 74…1次光源ドライブ制御回路、 75…異常報知部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次光を射出する1次光ユニットと、
前記1次光を受光して2次光に変換し、その変換した2次光を射出する光変換ユニットと、
光を検出する光検出ユニットと、
光を導光する複数本の光ファイバと、
複数の1次端子と複数の2次端子とを備え、前記1次端子の一つに入射した光を前記複数の2次端子から射出し、前記2次端子の一つに入射した光を前記複数の1次端子から射出する光分岐ユニットと、
を具備し、
前記複数本の光ファイバを介して、前記1次光ユニットから前記光変換ユニットに向けて前記1次光を導光可能とすると共に前記光変換ユニットから前記光検出ユニットに向けて前記2次光を導光可能とするように、前記1次光ユニット及び前記光検出ユニットは前記光分岐ユニットの前記1次端子側に配置され、前記光変換ユニットは前記光分岐ユニットの前記2次端子側に配置されることを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
前記光分岐ユニットの前記2次端子と前記光変換ユニットとの間に配置される前記複数本の光ファイバの長さは、前記1次光ユニットから前記光分岐ユニットの前記1次端子に至る長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の光源モジュール。
【請求項3】
前記光分岐ユニットは、異常検出対象部位に対して前記1次光ユニット及び前記光検出ユニット側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光源モジュール。
【請求項4】
前記光変換ユニットは、前記1次光の光スペクトル、光量、配光特性、偏光特性、の何れかを変換または制御することで前記2次光を発生する機能を有する光変換部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の光源モジュール。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の光源モジュールと、
前記光源モジュールの前記1次光ユニットを駆動する1次光源ドライブ回路と、
前記光検出ユニットの検出結果に基づいて、異常検出対象領域の異常の有無を診断する異常診断回路と、
前記異常診断回路の診断結果に基づいて、前記1次光源ドライブ回路による前記1次光ユニットの駆動を制御する1次光源ドライブ制御回路と、
を具備することを特徴とする光源システム。
【請求項6】
前記1次光源ドライブ制御回路は、前記1次光源ドライブ回路の駆動強度または駆動パルス幅を設定することを特徴とする請求項5に記載の光源システム。
【請求項7】
異常の発生を報知するための異常報知部を更に具備し、
前記1次光源ドライブ制御回路は、前記異常診断回路の診断結果に基づいて、前記異常報知部を駆動制御することを特徴とする請求項5に記載の光源システム。
【請求項8】
前記光検出ユニットは、入射する光の光スペクトルまたは偏光特性を分光する機能を有する分光検出器を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の光源モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載の光源モジュールと、
前記光源モジュールの前記1次光ユニットを駆動する1次光源ドライブ回路と、
前記光検出ユニットの前記分光検出器の検出結果に基づいて、異常検出対象領域の異常の有無と異常の推定原因を診断する異常診断回路と、
前記異常診断回路の診断結果に基づいて、前記1次光源ドライブ回路による前記1次光ユニットの駆動を制御する1次光源ドライブ制御回路と、
を具備することを特徴とする光源システム。
【請求項10】
前記1次光源ドライブ制御回路は、前記光検出ユニットの前記分光検出器が検出した光スペクトル、光量、偏光特性の何れかと関連性を持たせて、前記1次光源ドライブ回路の駆動状態を設定する機能を有することを特徴とする請求項9に記載の光源システム。
【請求項11】
前記1次光源ドライブ制御回路は、前記1次光源ドライブ回路の駆動強度または駆動パルス幅を設定することを特徴とする請求項10に記載の光源システム。
【請求項12】
異常の発生を報知するための異常報知部を更に具備し、
前記1次光源ドライブ制御回路は、前記異常診断回路の診断結果に基づいて、前記異常報知部を駆動制御することを特徴とする請求項9に記載の光源システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−179225(P2012−179225A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43892(P2011−43892)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】