説明

光源装置及びプロジェクター

【課題】経年変化による管球部及び封止部の変色及び劣化を防止するとともにトリガー線
を設けることによって得られる効果を長期間維持可能な光源装置を提供する。
【解決手段】管球部110と、第1電極121及び第2電極122と、第1金属箔131
及び第2金属箔132と、第1封止部141及び第2封止部142と、第1リード線15
1及び第2リード線152とを有する発光管100を備える光源装置であって、発光管1
00の放電開始を補助する第1トリガー線210及び第2トリガー線220と、第1封止
部141及び第2封止部142に被覆された第1導電部材251及び第2導電部材152
とをさらに有し、第1トリガー線210の一端側は第1導電部材251に電気的に接続さ
れ、他端側は第2リード線152に電気的に接続され、第2トリガー線220の一端側は
第2導電部材252に電気的に接続され、他端側は第2リード線152に電気的に接続さ
れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及びプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターの光源装置として、発光管の放電開始を補助することによって点灯始動
性の改善を図るためのトリガー線を設けた光源装置が知られている(例えば、特許文献1
及び特許文献2参照。)。トリガー線を設けることによって得られる効果としては、光源
装置の点灯始動時に必要な電圧(点灯始動電圧という。)を10%以上低下させることが
できることが挙げられる。このため、パルス状の交流電圧による点灯始動時においては、
パルス数が少なくて済み、いわゆる点灯始動性の向上が図れるとともに、光源装置の量産
時においては、個々の光源装置の点灯始動電圧にバラつきが生じた場合でも、そのバラツ
キを吸収できるといった効果もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−97591号公報
【特許文献2】特開2005−32521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている技術(第1従来技術という。)及び特許文献2に記載され
ている技術(第2従来技術という。)においては、トリガー線は、管球部を跨ぐように配
線され、かつ、一端側が管球部と封止部との境界部に所定の締め付け力によって巻回され
た状態で接続されている。このため、光源装置の点灯時においては、管球部が高温となり
、トリガー線が管球部の熱に直接的に晒されることとなる。トリガー線が熱に直接的に晒
されると、トリガー線の材質(例えば、ステンレスなど)も影響して、石英ガラスなどで
なる管球部及び封止部の表面を変色させてしまうといった問題がある。管球部が変色した
場合、管球部を透過する光の損失につながる。
【0005】
また、管球部が高温となると、封止部における管球部との境界部付近も当然のことなが
ら高温となり、特に、トリガー線が接続されている部分(接続部という。)において封止
部が変色してしまうこととなる。また、点灯時と非点灯時との温度差も激しいため、点灯
/非点灯が長期間において繰り返されると、トリガー線の接続部において、トリガー線及
び封止部の熱膨張/収縮が繰り返されることにより、トリガー線の接続部におけるトリガ
ー線の締め付け状態が変化してくる。
【0006】
なお、トリガー線を設けることによって得られる効果すなわち発光管の点灯始動性の改
善を図るといった効果を長期間維持するためには、トリガー線は所定の締め付け力によっ
て巻回された状態で接続されている必要があるが、トリガー線の接続部におけるトリガー
線の締め付け状態が変化してくると、トリガー線を設けることによって得られる効果を長
期間維持できなくなるといった問題もある。
【0007】
また、トリガー線は、管球部を跨いで配線されるため、管球部からの光の一部がトリガ
ー線によって阻害されて光の損失が生じるおそれもある。特に、トリガー線が管球部の表
面に近い位置で配線されると、光の損失はより大きなものとなる。
【0008】
そこで本発明は、少なくとも、経年変化による管球部及び封止部の変色及び劣化を防止
するとともに、トリガー線を設けることによって得られる効果を長期間維持することがで
きる光源装置を提供することを目的とする。また、当該光源装置を用いることにより信頼
性の高いプロジェクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光源装置は、管球部と、前記管球部に内蔵される第1電極及び第2電極と、前
記第1電極に電気的に接続される第1金属箔と、前記第2電極に電気的に接続される第2
金属箔と、前記第1金属箔を封止する第1封止部と、前記第2金属箔を封止する第2封止
部と、前記第1金属箔に電気的に接続されて前記第1封止部から外部に突出する第1リー
ド線と、前記第2金属箔に電気的に接続されて前記第2封止部から外部に突出する第2リ
ード線とを有する発光管を備える光源装置であって、前記発光管の放電開始を補助するた
めの第1トリガー線及び第2トリガー線と、前記第1封止部の外側表面に被覆された第1
導電部材及び前記第2封止部の外側表面に被覆された第2導電部材とをさらに有し、前記
第1トリガー線は、一端側が前記第1導電部材に電気的に接続され、他端側が前記第2リ
ード線に電気的に接続され、前記第2トリガー線は、一端側が前記第2導電部材に電気的
に接続され、他端側が前記第2リード線に電気的に接続されることを特徴とする。
【0010】
本発明の光源装置によれば、トリガー線(第1トリガー線及び第2トリガー線)を封止
部(第1封止部及び第2封止部)に接続する際、封止部に導電部材(第1導電部材および
第2導電部材)を被覆したのちに当該導電部材に接続するようにしている。これは、トリ
ガー線を封止部に接続する際、封止部に被覆された導電部材に接続することによっても、
点灯始動性の改善が図れることが確認できたためである。このような構成とすることによ
り、トリガー線を導電部材に接続すればよいため、必ずしも、管球部と封止部との境界部
に接続する必要がなくなり、例えば、管球部と封止部との境界部から所定長さだけ離間し
た位置にトリガー線を接続することも可能となる。これにより、トリガー線が管球部から
の熱に直接的に晒されることを防止でき、経年変化による管球部及び封止部の変色及び劣
化を抑制するとともに、トリガー線を設けることによって得られる効果を長期間維持する
ことができる。
【0011】
本発明の光源装置においては、前記第1導電部材は、前記管球部と前記第1封止部との
境界部を第1境界部としたとき、前記第1境界部から所定長さだけ離間した位置を被覆開
始位置として、当該被覆開始位置から前記第1境界部とは反対側の前記第1封止部の端部
に向かって被覆され、前記第2導電部材は、前記管球部と前記第2封止部との境界部を第
2境界部としたとき、前記第1境界部から所定長さだけ離間した位置を被覆開始位置とし
て、当該被覆開始位置から前記第2境界部とは反対側の前記第2封止部の端部に向かって
被覆されることが好ましい。
【0012】
このような構成とすることにより、導電部材(第1導電部材および第2導電部材)が管
球部からの熱に直接的に晒されることを防止でき、導電部材の劣化を抑制することができ
る。また、トリガー線(第1トリガー線及び第2トリガー線)は、導電部材に接続される
ため、トリガー線の接続位置は、必然的に、管球部と封止部(第1封止部及び第2封止部
)との境界部(第1境界部及び第2境界部)から所定長さ以上離れた位置となるので、ト
リガー線が管球部からの熱に直接的に晒されることを防止できる。
【0013】
本発明の光源装置においては、前記被覆開始位置は、前記第1境界部から前記第1封止
部の端部までの長さ及び前記第2境界部から前記第2封止部の端部までの長さをそれぞれ
「L」としたとき、前記第1境界部及び第2境界部からそれぞれ略L/4以上離間した位
置とすることが好ましい。
【0014】
これは、第1封止部及び第2封止部において、第1境界部及び第2境界部からそれぞれ
略L/4以上離間した位置は、管球部の温度が導電部材の劣化を抑制できる温度にまで低
下することが確認されたためであり、被覆開始位置を略L/4以上離れた位置とすること
によって、導電部材の劣化を抑制することが可能となる。
【0015】
本発明の光源装置においては、前記導電部材は、前記第1封止部及び第2封止部のそれ
ぞれの外側表面を周方向に少なくとも一周するように被覆されることが好ましい。
このような構成とすることにより、点灯始動性の改善の効果をより大きくすることがで
きるとともに、第1封止部及び第2封止部の劣化を抑制する効果をより大きくすることが
できる。
【0016】
本発明の光源装置においては、前記導電部材は、ステンレス箔であることが好ましい。
導電部材としてステンレス箔を用いることにより、被覆する際の作業性に優れ、コスト
的にもまた電気的特性においても有利なものとなる。
【0017】
本発明の光源装置においては、前記ステンレス箔は、一方の面が粘着面となっているス
テンレステープであることが好ましい。
このようなステンレステープを用いることにより、導電部材を密着状態で封止部に被覆
させることができ、かつ、封止部に導電部材を被覆する工程を容易に行うことができる。
【0018】
本発明の光源装置においては、前記第1電極及び第2電極の間には、1KHzから30
MHzの周波数を有する交流波が与えられることが好ましい。
【0019】
第1電極及び第2電極の間に与える交流波をこのような範囲の周波数とすることにより
、放電開始を適切に行うことができる。すなわち、第1電極及び第2電極の間のグロー放
電が開始される前に、一方の電極から管球部内部の表面に沿った沿面放電が他方の電極に
向かって発生し、それがいわゆる種火となってグロー放電が開始されると考えられ、この
沿面放電は単位時間当たりの電圧変化が大きいほど低電圧で進展が可能となるので、結果
として周波数が高いほど、低電圧で沿面放電の発生及び進展が可能となるが、過剰に高い
周波数では、いわゆるインピーダンス整合の課題と、配線における寄生インピーダンス及
び配線長の影響の問題がある。これらの点を考慮して、印加電圧の周波数は1KHzから
30MHz程度の範囲とすることが好ましいとの結論を得た。
【0020】
本発明の光源装置においては、前記第1封止部に取り付けられて、前記発光管から射出
される光を被照明領域側に反射する主反射鏡をさらに有し、前記第1トリガー線は、当該
第1トリガー線の前記一端側と前記他端側との間の少なくとも一部が前記主反射鏡の背面
側を通るように配線されることが好ましい。
【0021】
第1トリガー線をこのように配線することにより、第1トリガー線は、発光管から離れ
た位置に存在することとなるので、管球部からの光の一部が第1トリガー線によって阻害
されるのを極力防止することができる。また、第1トリガー線が管球部の表面から離れる
ことにより、第1トリガー線が管球部の熱に直接的に晒されることがなくなり、第1トリ
ガー線の劣化を抑制するとともに、第1トリガー線が高温となることによる管球部及び封
止部への悪影響を抑制することができる。
【0022】
本発明の光源装置においては、前記第1トリガー線の前記一端側が前記主反射鏡の反射
面側において前記第1導電部材に接続されている場合、前記第1トリガー線は、前記一端
側から前記主反射鏡を貫通して前記他端側が前記第2リード線に接続されることが好まし
い。
【0023】
このように第1トリガー線が主反射鏡を貫通して配線されることにより、第1トリガー
線が主反射鏡の背面側を通るような配線とすることができる。なお、主反射鏡を貫通させ
る際の孔は、主反射鏡に元々設けられている第1封止部が挿通される挿通孔を利用するこ
とができる。
【0024】
本発明の光源装置においては、前記主反射鏡の反射面と対向する反射面を有する副反射
鏡が前記第2封止部に取り付けられ、前記第2導電部材は、前記副反射鏡の背面側におい
て前記第2封止部に被覆されることが好ましい。
【0025】
このような構成とすることにより、第2導電部材が受ける管球部の熱の影響をより小さ
くすることができる。これは、副反射鏡の背面側においては、管球部の熱による温度は、
より低い温度にまで低下するためである。また、第2導電部材に接続される第2トリガー
線も、必然的に副反射鏡の背面側に位置することとなるので、第2トリガー線が受ける管
球部熱の影響をより小さくすることができる。
【0026】
本発明の光源装置の他の態様(本発明の光源装置の第2態様という。)は、管球部と、
前記管球部に内蔵される第1電極及び第2電極と、前記第1電極に電気的に接続される第
1金属箔と、前記第2電極に電気的に接続される第2金属箔と、前記第1金属箔を封止す
る第1封止部と、前記第2金属箔を封止する第2封止部と、前記第1金属箔に電気的に接
続されて前記第1封止部から外部に突出する第1リード線と、前記第2金属箔に電気的に
接続されて前記第2封止部から外部に突出する第2リード線とを有する発光管を備える光
源装置であって、前記発光管の放電開始を補助するためのトリガー線と、前記第1封止部
の外側表面に被覆された導電部材とをさらに有し、前記トリガー線は、一端側が前記導電
部材に電気的に接続され、他端側が前記第2リード線に電気的に接続されることを特徴と
する。
【0027】
本発明の光源装置の第2態様は、トリガー線を一方の封止部のみに設けたものである。
すなわち、第1封止部に導電部材を被覆して、当該トリガー線の一端側を当該第1封止部
における導電部材に接続して、他端部を第2封止部から突出されている第2リード線に接
続した構成としている。このような構成としても、点灯始動性の改善が可能であることが
確認できた。
【0028】
このような構成とすることにより、トリガー線は一本で済み、構成を簡素化することが
できる。また、トリガー線は導電部材に接続すればよいため、必ずしも、管球部と封止部
との境界部に接続する必要がなくなり、例えば、管球部と封止部との境界部から所定長さ
だけ離間した位置にトリガー線を接続することも可能となる。これにより、トリガー線が
管球部からの熱に直接的に晒されることを防止でき、経年変化による管球部及び封止部の
変色及び劣化を抑制するとともに、トリガー線を設けることによって得られる効果を長期
間維持することができる。
【0029】
なお、本発明の光源装置の第2態様においても、前記導電部材は、前記管球部と前記第
1封止部との境界部から所定長さだけ離間した位置を被覆開始位置として当該被覆開始位
置から前記境界部とは反対側の前記第1封止部の端部に向かって被覆されることが好まし
い。
【0030】
また、本発明の光源装置の第2態様においても、前記被覆開始位置は、前記境界部から
前記第1封止部の端部までの長さを「L」としたとき、前記境界部から略L/4以上離間
した位置とすることが好ましい。
【0031】
また、本発明の光源装置の第2態様においても、前記導電部材は、前記第1封止部の外
側表面を周方向に少なくとも一周するように被覆されることが好ましい。
【0032】
また、本発明の光源装置の第2態様においても、前記導電部材は、ステンレス箔である
ことが好ましい。また、ステンレス箔は、一方の面が粘着面となっているステンレステー
プであることが好ましい。
【0033】
また、本発明の光源装置の第2態様においても、前記第1電極及び第2電極の間には、
1KHzから3MHzの周波数を有する交流波が与えられることが好ましい。
【0034】
また、本発明の光源装置の第2態様においても、前記第1封止部に取り付けられて、前
記発光管から射出される光を被照明領域側に反射する主反射鏡をさらに有し、前記トリガ
ー線は、当該トリガー線の前記一端側と前記他端側との間の少なくとも一部が前記主反射
鏡の背面側を通るように配線されることが好ましい。
【0035】
また、本発明の光源装置の第2態様においても、前記トリガー線の前記一端側が前記主
反射鏡の反射面側において前記導電部材に接続されている場合、前記トリガー線は、前記
一端側から前記主反射鏡を貫通して前記他端側が前記第2リード線に接続されることが好
ましい。
【0036】
本発明のプロジェクターは、光源装置と、前記光源装置からの光を画像情報に基づいて
変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された光を投写画像として投写する
投写光学系とを備えるプロジェクターであって、前記光源装置として、前記した本発明の
光源装置を用いたことを特徴とする。
【0037】
本発明のプロジェクターによれば、光源装置として本発明の光源装置を用いているので
、トリガー線が管球部からの熱に直接的に晒されることを防止でき、経年変化による管球
部及び封止部の変色及び劣化を抑制するとともに、トリガー線を設けることによって得ら
れる効果を長期間維持することができ、それによって、信頼性の高いプロジェクターとす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】発光管の点灯始動時において使用する交流パルスの一例を示す図。
【図2】発光管の放電開始に至るまでのプロセスを説明するための模式図。
【図3】トリガー線を設けた場合の効果を説明する図。
【図4】トリガー線の接続例について説明するための図。
【図5】一対の封止部のそれぞれに導電性部材を被覆して、当該導電部材にそれぞれトリガー線を接続して点灯始動電圧を調べる実験について説明する図。
【図6】実施形態1に係る光源装置10の構成を示す図。
【図7】実施形態1に係る光源装置10を採用したプロジェクターPJの光学系の構成を示す平面図。
【図8】実施形態2に係る光源装置20の構成を示す図。
【図9】実施形態3に係る光源装置30の構成を示す図。
【図10】実施形態4に係る光源装置40の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について説明する。具体的な実施形態の説明に入る前にまずは
発光管の放電開始に至るプロセス及びトリガー線を設けることにより得られる効果などに
ついて説明する。
【0040】
図1は、発光の点灯始動時において使用する交流パルスの一例を示す図である。ここで
述べる交流パルスというのは図1に示すように、減衰する交流波がパルス状に繰り返され
る電圧(又は電力)である。図1において、tは交流波の1/4周期であり、Tは交流パ
ルスの繰り返し周期である。なお、交流波の周波数は、1KHzから30MHz程度とし
、好ましくは10KHzから10MHzである。交流波の周波数をこのような範囲とする
のは、下記のような理由からである。
【0041】
交流波を利用した発光管の点灯始動については、電極間のグロー放電が開始される前に
、一方の電極から管球部の内部の表面に沿った沿面放電が他方の電極に向かって発生し、
それがいわゆる種火となってグロー放電が開始されると考えられる。この沿面放電は単位
時間当たりの電圧変化(dV/dt)が大きいほど低電圧で進展が可能となるので、結果
として周波数が高いほど、低電圧で沿面放電の発生及び進展が可能となる。ただし、過剰
に高い周波数では、いわゆるインピーダンス整合の課題と、配線における寄生インピーダ
ンス及び配線長の影響の問題があるので好ましくない。したがって、これらの点を考慮し
て、交流波の周波数は1KHzから30MHz程度とし、より好ましくは10KHzから
10MHzである。
【0042】
図2は、発光管の放電開始に至るまでのプロセスを説明するための模式図である。発光
管の放電開始に至るまでのプロセスは図2によって説明できると考えられる。図2におい
ては、光源装置の構成要素としては発光管100のみが模式的に示されており、光源装置
としての他の構成要素は省略されている。
【0043】
図2に示す発光管100は、管球部110と、第1電極121及び第2電極122と、
第1電極121に電気的に接続されている第1金属箔131と、第2電極122に電気的
に接続されている第2金属箔132と、第1金属箔131を封止する第1封止部141と
、第2金属箔132を封止する第2封止部142とを有している。発光管100は、これ
らの構成要素の他に、第1金属箔131及び第2金属箔132に電気的に接続されるそれ
ぞれのリード線なども有しているが、図2においてはこれらの構成要素についての図示は
省略されている。
【0044】
図2(a)〜(c)は発光管の放電開始に至るまでの各プロセスを示すものであり、あ
る周波数(50KHzとしている。)の交流パルスを、例えば、第1電極121及び第2
電極122に印加した際のある1/4周期(図1における1/4周期t)における状況を
示すものである。したがって、当該半周期のあとの1/4周期の状態(3/4周期)では
、電界や放電を示す矢印は図示において左右逆方向の状態となる。また、図2(a)〜(
c)において、破線は等電位面を表している。また、図2(a)〜(c)は模式図である
ので、電界を示す矢印の方向などは実際とは異なる場合もある。
【0045】
図2(a)は第1電極121及び第2電極122に交流パルスを印加し始めた段階(初
期段階という。)を示すものである。この初期段階においては、電界は第1電極121及
び第2電極122の間及び管球部110を形成する石英ガラスなどの部材(管球部材とい
う。)内に生じるが、電束量としては管球部材の誘電率及び電場を垂直に切断した断面に
おける管球部材の断面積が第1電極121及び第2電極122の間の誘電率及び断面積よ
りも大きいため、大多数の電束が管球部材を経由している。
【0046】
なお、電束量の量的な差としては、発光管100の形状及び第1電極121及び第2電
極122の形状とその配置などにもよるが、管球部材を経由する電束量は第1電極121
及び第2電極122の間の電束量よりも100倍程度多いと考えられる。また、図2(a
)の初期段階では、等電位面は、第1電極121及び第2電極122の間における左右方
向の中心においてほぼ左右対称となっている。
【0047】
図2(b)は図2(a)の初期段階から第1電極121及び第2電極122に印加する
電圧が徐々に上昇し、電圧の上昇に伴って管球部110の内部の壁面に沿面放電が進展し
始めた様子を示すものであり、グロー放電直前の状態である。沿面放電は管球部110の
内部の壁面上の気体が電離している状況であり、電位的には放電の基となる一方の電極(
第1電極121とする。)とほぼ同等の電位となるので、等電位面は、他方側の電極(第
2電極122)側に圧縮された状態となる。また、沿面放電が進展した部分からは管壁側
に電束が生じており、その電束が管球部材の中に向かって伸びて他方の電極側に向って行
く。このときの第1電極121と第2電極122との電極間における電気特性は容量性で
ある。
【0048】
図2(c)は図2(b)の状態から第1電極121及び第2電極122に印加する電圧
をわずかに上昇させた場合であり、グロー放電特有の陽光柱が生じた状態(グロー放電開
始状態)を示している。図2(c)の状態は、図2(b)の状態に比較すると、印加電圧
は瞬時に降下するとともに電流が急上昇する。このときの第1電極121と第2電極12
2との電極間における電気特性は定電圧特性である。
【0049】
図3は、トリガー線を設けた場合の効果を説明する図である。図3においては、管球部
110と第2封止部142との境界部にトリガー線210が設けられた場合が例示されて
いる。なお、トリガー線210は、第2封止部142に所定の締め付け力によって巻回さ
れた状態で接続される。またトリガー線210は第1電極121に電気的に接続されてお
り、第1電極121と同電位の関係にある。
【0050】
図3に示すように、トリガー線210が設けられると、トリガー線210の電位(第1
電極121の電位)によって図2(b)で示した等電位面が第2電極122側にさらに圧
縮された状態となり、等電位面の偏りが、より大きくなる。このために沿面放電がさらに
進展し、それによってグロー放電への移行に必要な電圧(点灯始動電圧)を低下させるこ
とができると考えられる。これはトリガー線が放電開始を補助し、それによってグロー放
電への移行に必要な電圧を低下させることができること、すなわち、トリガー線を設ける
ことによって、点灯始動性の改善(点灯始動電圧の低電圧化)が可能となることを示すも
のである。
【0051】
このように、発光管100の点灯始動性を改善させるためにトリガー線210を設ける
ことは有効な手段であるが、トリガー線210の接続の仕方によって、点灯始動電圧の大
きさも異なってくる。
【0052】
図4は、トリガー線の接続例について説明するための図である。図4(a)は発光管1
00にトリガー線が設けられていない状態を示すものである。図4(a)に示す発光管1
00は、管球部110と、第1電極121及び第2電極122と、第1電極121に電気
的に接続されている第1金属箔131と、第2電極122に電気的に接続されている第2
金属箔132と、第1金属箔131を封止するための第1封止部141と、第2金属箔1
32を封止するための第2封止部142と、第1金属箔131に電気的に接続されて第1
封止部141の端部から外部に突出している第1リード線151と、第2金属箔132に
電気的に接続されて第2封止部142の端部から外部に突出している第2リード線152
とを有している。なお、発光管100の構成は、図4(b),(c)においても同様であ
る。
【0053】
図4(b)は図4(a)に示す発光管100にトリガー線210を設けた場合である。
トリガー線210は、一端側が管球部110と第1封止部141との境界部に巻回された
状態で接続され、他端部が第2封止部142から突出している第2リード線152に接続
された例を示している。
【0054】
また、図4(c)は図4(a)に示す発光管100にトリガー線210,220を設け
た場合である。すなわち、図4(c)は図4(b)に示したトリガー線210に加えてト
リガー線220を設けたものである。以下では、トリガー線210を第1トリガー線21
0、トリガー線220を第2トリガー線220と呼ぶことにする。
【0055】
第1トリガー線210は、図4(b)と同様に接続されている。一方、第2トリガー線
220は、一端側が管球部110と第2封止部142との境界部に巻回された状態で接続
され、他端部が第2封止部142から突出している第2リード線152に接続されている
。なお、図4(c)においては、第1トリガー線210の他端側と第2トリガー線220
の他端側は、共通の線によって第2リード線152に接続されている例が示されている。
【0056】
ここで、トリガー線を設けない場合(図4(a)参照。)の点灯始動電圧をVsとし、
第1トリガー線210のみを設けた場合(図4(b)参照。)の点灯始動電圧をVsaと
し、第1トリガー線210及び第2トリガー線220の両方を設けた場合(図4(c)参
照。)の点灯始動電圧をVsbとすると、点灯始動電圧の大きさは、Vs>Vsa>Vs
bとなる。すなわち、トリガー線を設けない場合よりも、第1トリガー線210のみを設
けた場合の方が低い点灯始動電圧とすることができ、第1トリガー線210に加えて第2
トリガー線220を設けた場合は、さらに低い点灯始動電圧とすることができる。
【0057】
これは、図4(c)に示すような構成とした場合は、図3において説明した等電位面の
偏りが、さらに助長されるためであると考えられる。ただし、図4(c)の場合は、管球
部110の両端側(管球部110と第1封止部141及び第2封止部142とのそれぞれ
の境界部)にそれぞれトリガー線(第1トリガー線210及び第2トリガー線220)が
巻回されることとなるため、管球部110の両端側においてそれぞれの封止部(第1封止
部141及び第2封止部142)が変色してしまうといった問題が発生する。
【0058】
上述したように点灯始動電圧の改善という点を主に考えた場合には、図4(c)が優れ
ているが、図4(b)であっても点灯始動電圧を改善する効果は得られる。また、図4(
b)及び図4(c)のいずれの場合であっても、第1トリガー線210及び第2トリガー
線220は、それぞれ対応する封止部141,142に対して確実に締め付けられて巻回
された状態で接続される必要がある。また、沿面放電の進展時においては、管球部材を経
由して電束が進むので、第1トリガー線210の第1封止部141に対する接続位置及び
第2トリガー線220の第2封止部142に対する接続位置は、第1封止部141及び第
2封止部142の外側表面であれば特に限定されるのもではない。これらの点を踏まえて
、本発明者は、図5に示すような実験を行った。
【0059】
図5は、一対の封止部のそれぞれに導電性部材を被覆して、当該導電部材にそれぞれト
リガー線を接続して点灯始動電圧を調べる実験について説明する図である。なお、図5に
おいて図4と同一構成要素には図4と同一符号が付されている。
【0060】
図5(a)は第1封止部141及び第2封止部142のそれぞれの外側表面全体に導電
部材として例えばステンレス箔251,252を被覆した場合を示す図であり、図5(b
)は第1封止部141及び第2封止部142のそれぞれの外側表面における所定部分のみ
にステンレス箔251,252を被覆した場合を示す図である。なお、図5(a),(b
)のいずれの場合もステンレス箔251,252は、第1封止部141及び第2封止部1
42に密着させた状態で被覆させている。
【0061】
また、図5(b)においては、ステンレス箔251は、管球部110と第1封止部14
1との境界部A1(以下、第1境界部A1という。)から所定長さだけ離間した位置A2
を基点に、第1境界部A1とは反対側の第1封止部141の端部A3付近までの間に被覆
されている。また、ステンレス箔252は、管球部110と第2封止部142との境界部
B1(以下、第2境界部B1という。)から所定長さだけ離間した位置B2を基点に、第
2境界部とは反対側の第2封止部141の端部B3付近までの間に被覆されている。なお
、位置A2,B2を被覆開始位置A2,B2と呼ぶことにする。
【0062】
ここで、第1境界部A1から前記第1封止部の端部A3までの長さ(以下、第1封止部
141の長手方向長さという。)及び第2境界部B1から第2封止部の端部B3までの長
さ(以下、第2封止部142の長手方向長さという。)をそれぞれLとしたとき、被覆開
始位置A2,B2は、第1境界部A1及び第2境界部B1からそれぞれ略L/4離間した
位置としている。
【0063】
具体的には、第1封止部141及び第2封止部142の長手方向長さLをそれぞれL=
20mmとした場合は、被覆開始位置A2,B2は、第1境界部A1及び第2境界部B1
からそれぞれ略5mmの位置となる。
【0064】
したがって、第1封止部141及び第2封止部142の長手方向長さLがL=20mm
である場合には、第1封止部141においては、第1境界部A1から略5mmだけ離間し
ている被覆開始位置A2から第1封止部141の端部A3付近までの間がステンレス箔2
51で被覆される。また、第2封止部142においては、第2境界部B1から略5mmだ
け離間している被覆開始位置B2から第2封止部142の端部B3付近までの間がステン
レス箔252で被覆される。
【0065】
なお、図5(a),(b)のいずれの場合も、第1トリガー線210及び第2トリガー
線220を有し、第1トリガー線210は、その一端側がステンレス箔251に所定の締
め付け力によって巻回された状態で接続され、他端側が第2封止部142から突出されて
いる第2リード線152に接続されている。また、第2トリガー線220は、その一端側
がステンレス箔252に所定の締め付け力によって巻回された状態で接続され、他端側が
第2リード線152に接続されている。
【0066】
また、図5(a),(b)のいずれの場合においても、第1トリガー線210及び第2
トリガー線220のそれぞれの一端側の接続位置は、第1封止部141の端部A3に近い
位置及び第2封止部142の端部B3に近い位置としている。
【0067】
図5(a),(b)に示すような構成において、それぞれにおける点灯始動電圧を調べ
たところ、図5(a)に示す構成における点灯始動電圧はVaであり、図5(b)に示す
構成における始動電圧はVbであった。また、トリガー線(第1トリガー線210及び第
2トリガー線220)を設けなかった場合の始動電圧はVsであった。ここで、Vs,V
a,Vbの関係は、Vs>Vb≧Vaであり、特に、Vsに比べてVa及びVbは15%
以上の差があることがわかった。また、VaとVbは、ほぼ同等か、数%の差に留まった
。よって、ステンレス箔251,252を設けることにより、第1境界部A1及び第2境
界部B1から離れた位置に第1トリガー線210及び第2トリガー線220を接続しても
これら各トリガー線の効果は十分に得られることが確認できた。
【0068】
また、ステンレス箔251,252は、第1封止部141及び第2封止部142の長手
方向全体に被覆せずに、図5(b)のように被覆した場合であっても、その効果は十分に
得られることが確認できた。
【0069】
なお、図5(a)と図5(b)を比べた場合、点灯始動電圧の高さという観点のみで考
えた場合には、図5(a)の方がわずかに優位性があると考えられる。ただし、図5(a
)はステンレス箔251,252が第1境界部A1及び第2境界部B1から被覆されてい
るため、管球部110の熱の影響を直接的に受けやすく、ステンレス箔251,252が
劣化しやすいといった問題がある。すなわち、管球部110はその外壁部においても70
0度以上の高温となるので、ステンレス箔251,252の劣化がより進みやすくなる。
【0070】
そこで、図5(b)のように、ステンレス箔251,252の被覆開始位置A2,B2
を第1境界部A1及び第2境界部B1からそれぞれ略L/4だけ離間した位置とすること
により、管球部110の熱の影響を受けにくくなり、ステンレス箔251,252の劣化
を抑制することができ、しかも、図5(a)に近い点灯始動電圧とすることができる。な
お、被覆開始位置A2,B2を第1境界部A1及び第2境界部B1からそれぞれ「略L/
4」としたのは、下記のような理由によるものである。
【0071】
すなわち、実験に用いた発光管100の第1封止部141及び第2封止部142は、そ
れぞれの長さLが約20mmであって、このような発光管100において、管球部110
の直近(第1境界部A1及び第2境界部B1とする。)の温度(α1とする。)と、第1
封止部141及び第2封止部142における長手方向各位置の外側表面温度とを比較した
ところ、第1境界部A1及び第2境界部B1からL/4だけ離れた位置(被覆開始位置A
2,B2)では、温度α1に対して30%程度低下することが確認された。
【0072】
例えば、温度α1が仮に700度であるとすると、被覆開始位置A2,B2では、50
0度又は500度以下にまで温度が低下するので、この程度の温度であれば、ステンレス
箔251,252に与える影響を少なくすることができ、また、ステンレス箔251,2
52の温度上昇が第1封止部141及び第2封止部142を形成する部材(例えば、石英
ガラス)に与える影響を小さくできるからである。なお、上記した温度α1及び被覆開始
位置A2,B2における温度の低下の度合いなどは、一例であって、光源装置の出力の大
きさや光源装置が有する冷却機能などによって異なる。
【0073】
なお、図5においては、第1トリガー線210及び第2トリガー線220は、第1封止
部141の端部A3及び第2封止部142の端部B3付近に接続された例が示されている
が、第1封止部141及び第2封止部142における長手方向の中央部付近としてもよい
。例えば、図5(b)においては、ステンレス箔251,252の被覆開始位置A2,B
2付近(例えば、図5(b)における位置A2’,B2’)のステンレス箔251,25
2に接続するようにしてもよい。
以上のような実験結果を踏まえて、以下に本発明の実施形態について説明する。
【0074】
[実施形態1]
図6は、実施形態1に係る光源装置10の構成を示す図である。実施形態1に係る光源
装置10は、図6に示すように、発光管100と主反射鏡としての楕円面リフレクター(
以下、リフレクターという。)270とを有している。発光管100は、図4及び図5で
示した発光管100と同様の構成であり、管球部110と、第1電極121及び第2電極
122と、第1金属箔131及び第2金属箔132と、第1封止部141及び第2封止部
142と、第1リード線151及び第2リード線152とを有している。なお、発光管1
00としては、たとえば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプな
どの高輝度発光する発光管を採用することができる。
【0075】
また、管球部110は、例えば、石英ガラスからなり、その内部には、水銀、希ガス及
び少量のハロゲンが封入されている。
また、第1電極121及び第2電極122は、例えば、タングステン電極である。また
、第1金属箔131及び第2金属箔132は、例えば、モリブデン箔からなる。そして、
第1金属箔131の一端側は第1電極121に電気的に接続され、第2金属箔132の一
端側は第2電極122に電気的に接続されている。
【0076】
また、第1封止部141及び第2封止部142は、例えば石英ガラスからなる。そして
、第1封止部141は第1金属箔131を封止し、第2封止部142は第2金属箔132
を封止する。また、第1リード線151及び第2リード線152は、モリブデン又はタン
グステンからなる。そして、第1リード線151は、その一端側が第1金属箔131に電
気的に接続され、他端側が第1封止部141の端部から外部に突出している。また、第2
リード線152は、その一端側が第2金属箔132に電気的に接続され、他端側が第2封
止部142の端部から外部に突出している。
【0077】
リフレクター270は、第1封止部141が挿通される挿通孔271と、発光管100
からの光を被照明領域に反射する反射面272とを有する。そして、リフレクター270
は、挿通孔271に充填されたセメントなどの接着材273により第1封止部141に固
定される。
【0078】
また、第1封止部141には第1導電部材としてのステンレス箔251が被覆され、第
2封止部142にも第2導電部材としてのステンレス箔252が被覆されている。なお、
ステンレス箔251,252としては、例えば、一方の面が粘着面となっているステンレ
ステープが好適である。なお、ステンレス箔251の被覆開始位置A2は、第1封止部1
41において図5(b)と同様に、第1境界部A1から略L/4だけ離間した位置となる
ように設定されている。また、ステンレス箔252の被覆開始位置B2は、第2封止部1
42において図5(b)と同様に、第1境界部B1から略L/4だけ離間した位置となる
ように設定されている。
【0079】
そして、第1封止部141に被覆されたステンレス箔251には第1トリガー線210
の一端側が所定の締め付け力によって巻回された状態で接続され、第2封止部142に被
覆されたステンレス箔252には第2トリガー線220の一端側が所定の締め付け力によ
って巻回された状態で接続されている。また、第1トリガー線210の他端側は、第2封
止部142から突出されている第2リード線152に電気的に接続され、第2トリガー線
220の他端側も第2封止部から突出されている第2リード線152に電気的に接続され
ている。
【0080】
なお、実施形態1に係る光源装置10においては、第1トリガー線210線及び第2ト
リガー線220のそれぞれの一端側は、第1封止部141及び第2封止部142における
長手方向の中央部付近(例えば、図5(b)における位置A2’及び位置B2’付近)に
巻回されているものとする。
【0081】
ところで、第1トリガー線210は、一端側が第1封止部141に被覆されたステンレ
ス箔251に巻回され、他端側が第2封止部142から突出される第2リード線152に
接続されるため、管球部110を跨いで配線されることとなるが、実施形態1に係る光源
装置10においては、第1トリガー線210は、図6に示すように、第1トリガー線21
0の中途部(第1トリガー線210の一端側と他端側との間の少なくとも一部)がリフレ
クター270の背面側を通るように配線される。
【0082】
第1トリガー線210をこのように配線するためには、リフレクター270の一部には
第1トリガー線210を通すための貫通孔が必要となるが、実施形態1に係る光源装置1
0においては、リフレクター270と第1封止部141との接合部(接着材273が充填
される部分)となる挿通孔271を利用し、この挿通孔271に第1トリガー線210を
通すような構成とする。
【0083】
すなわち、第1トリガー線210は、例えば、一端側を第1封止部141に被覆された
ステンレス箔251に巻回させて接続させたのち、他端側をリフレクター270の反射面
側から挿通孔271を通してリフレクター270の背面側に出して、第2封止部142の
第2リード線152に接続するようにしてもよく、また、他端側を第2封止部142の第
2リード線152に接続したのち、一端側をリフレクター270の背面側から挿通孔27
1を通して第1封止部141に被覆されたステンレス箔251に巻回させて接続するよう
にしてもよい。なお、第1トリガー線210の配線の手順はこれらの例に限られるもので
はない。
【0084】
実施形態1に係る光源装置10においては、ステンレス箔251,252は、第1封止
部141及び第2封止部142それぞれにおいて、図5(b)と同様に、第1境界部A1
及び第2境界部B1からそれぞれ略L/4だけ離間した位置を被覆開始位置A2,B2と
している。このため、ステンレス箔251,252が管球部110の熱に直接的に晒され
ることがなく、ステンレス箔250の劣化を抑制することができる。なお、第1境界部A
1及び第2境界部B1から略L/4だけ離間した位置における温度は、図5に示す実験に
よれば、前述したように、管球部110の直近の温度α1よりも30%以上低下した温度
となることが確認されている。
【0085】
また、実施形態1に係る光源装置10においては、第1トリガー線210がステンレス
箔251に接続される位置及び第2トリガー線220がステンレス箔252に接続される
位置は、管球部110との境界部(第1境界部A1及び第2境界部B1)から、必然的に
それぞれ略L/4以上離れた位置となるので、当該第1トリガー線210及び第2トリガ
ー線220が接続される位置の温度も、管球部110の直近の温度α1よりも30%以上
低下した温度となる。
【0086】
このため、第1トリガー線210及び第2トリガー線220も管球部110の熱に直接
的に晒されることがなくなり、第1トリガー線210及び第2トリガー線220の劣化を
抑制することができるとともに、第1トリガー線210及び第2トリガー線220が高温
となることによる管球部及び封止部の変色及び劣化を抑制することができる。
【0087】
また、第1トリガー線、第2トリガー線220、第1封止部141及び第2封止部14
2の熱膨張/収縮を極力抑えることができるので、第1トリガー線210及び第2トリガ
ー線220の締め付け状態が変化してしまうといったことを防ぐことができる。それによ
り、トリガー線を設けることによって得られる効果を長期間維持することができる。
【0088】
また、実施形態1に係る光源装置10においては、第1トリガー線210は、一端側と
他端側との間の少なくとも一部がリフレクター270の背面側を通るように配線されてい
るため、光源装置10の点灯時において、第1トリガー線210が管球部110の熱に直
接的に晒されることがなくなり、また、第1トリガー線210は管球部110から離れた
位置となるので、管球部110の表面を這うように配線される場合に比べて、管球部11
0から射出される光を阻害することを極力防止でき、それによって光の損失を小さくする
ことができる。
【0089】
なお、第1トリガー線210を図6に示すようにリフレクター270の背面側を通すよ
うに配線すると、配線の長さ(配線長という。)は、第1トリガー線210を管球部11
0の表面を這わすように配線する場合に比べて長くなるが、プロジェクターなどの光源装
置10においては、第1トリガー線210の配線長は、せいぜい10数cmであり、始動
電圧の交流波が仮に30MHzというような高周波であったとしても、当該交流波の1/
2波長は約5mであるため、第1トリガー線210の10数cmという配線長は電気特性
上何ら問題となるものではない。
【0090】
図7は、実施形態1に係る光源装置10を採用したプロジェクターPJの光学系の構成
を示す平面図である。実施形態1に係るプロジェクターPJは、図7に示すように、赤色
光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)を含む光を射出する照明装置300と、色分離
導光光学系400と、RGBの各色に対応した光変調素子500R,500G,500B
と、クロスダイクロイックプリズム600と、投写光学系700とを有する。なお、実施
形態1に係るプロジェクターPJにおいては、光変調素子500R,500G,500B
は、液晶を用いた光変調素子であるとする。
【0091】
照明装置300は、図6に示した光源装置10と、凹レンズ310と、第1レンズアレ
イ320と、第2レンズアレイ330と、偏光変換装置340と、重畳装置350とを有
している。
【0092】
色分離導光光学系400は、ダイクロイックミラー410,420と、反射ミラー43
0,440,450と、リレーレンズ460,470と、集光レンズ480R,480G
,480Bとを有する。
【0093】
なお、図示を省略したが、光変調素子500R,500G,500Bの入射側には入射
側偏光板が設けられるとともに、光変調素子500R,500G,500Bの射出側には
射出側偏光板が設けられる。
【0094】
このような構成を有するプロジェクターPJにおいて、光源装置10から発せられた光
は、凹レンズ310、第1レンズアレイ320、第2レンズアレイ330、偏光変換装置
340及び重畳装置350を通過したのち、色分離導光光学系400によってRGBのそ
れぞれの色光に分離されたのち、これらRGBの各色光はそれぞれ対応する光変調素子5
00R,500G,500Bに入射される。そして、光変調素子500R,500G,5
00Bでは、画像データに基づいて各色光を変調し、RGBの各画像光を形成する。光変
調素子500R,500G,500Bで形成されたRGBの各画像光は、クロスダイクロ
イックプリズム600で合成されたのち、投写光学系700によってスクリーンSCR上
にカラー画像として投写される。
【0095】
このようなプロジェクターPJにおいて、光源装置として図6に示すような光源装置1
0を採用することによって、光源装置10の点灯始動電圧の改善が図れ、かつ、光源装置
10の耐久性を向上させることができるので、結果として、信頼性の高いプロジェクター
とすることができる。
【0096】
すなわち、プロジェクターPJの光源装置として図6に示すような光源装置10を採用
することによって、第1トリガー線210及び第2トリガー線220が設けられることに
よる点灯始動電圧の改善(点灯始動電圧の低電圧化)が図れる。また、トリガー線が管球
部からの熱に直接的に晒されることを防止でき、経年変化による管球部及び封止部の変色
及び劣化を抑制するとともに、トリガー線を設けることによって得られる効果を長期間維
持することができる。
【0097】
また、第1トリガー線210は、図6に示すようにリフレクター270の背面側を通る
ように配線されるので、光源装置10の点灯時において、第1トリガー線210が管球部
110の熱に直接的に晒されることがなくなり、また、管球部110から射出される光を
阻害することを極力防止でき、光の損失を小さくすることができる。
【0098】
なお、図7に示すプロジェクターPJは、その光源装置として、実施形態1に係る光源
装置10だけではなく、後述する実施形態2に係る光源装置20、実施形態3に係る光源
装置30及び実施形態4に係る光源装置40を採用することも可能である。
【0099】
[実施形態2]
図8は、実施形態2に係る光源装置20の構成を示す図である。実施形態2に係る光源
装置20は、光源装置20としての基本的な構成は実施形態1に係る光源装置10(図6
参照。)と同じである。実施形態2に係る光源装置20が実施形態1に係る光源装置10
と異なるのは、第1封止部141のみにステンレス箔251を被覆して、当該ステンレス
箔251にトリガー線として第1トリガー線210を被覆した点であり、実施形態1に係
る光源装置10と同一構成要素には同一符号が付されている。
【0100】
図8に示す構成とした場合であっても点灯始動電圧の改善といった効果は十分に得られ
る。なお、点灯始動電圧の改善という点のみで考えた場合には、実施形態1に係る光源装
置10の方がやや優れるが、実施形態2に係る光源装置20は、トリガー線は第1トリガ
ー線210のみで済むことから構成を簡素化することができる効果が得られるとともに、
第2封止部142の側においてはトリガー線(第2トリガー線220)が不要となるため
、トリガー線が設けられることによる封止部の劣化などについて何ら考慮する必要がない
といった効果も得られる。
【0101】
なお、実施形態2に係る光源装置20を図7に示したプロジェクターPJの光源装置と
して採用することによっても、光源装置の点灯始動電圧の改善が図れ、かつ、光源装置の
耐久性を向上させることができるので、結果として、信頼性の高いプロジェクターとする
ことができる。
【0102】
[実施形態3]
上記実施形態1では、第1トリガー線210の第1封止部141に対する接続位置及び
第2トリガー線220の第2封止部142に対する接続位置は、第1境界部A1及び第2
境界部B1からそれぞれ略L/4とした場合を例示したが、ステンレス箔250上であれ
ば他の位置であってもよい。例えば、図6に示す光源装置10ように、第1封止部141
の端部A3がリフレクター270の背面側に突出した状態に設けられる光源装置において
は、図6における第1封止部141の突出部(リフレクター270の背面側から突出して
いる部分)に被覆されているステンレス箔251に接続することも可能である。
【0103】
図9は、実施形態3に係る光源装置30の構成を示す図である。実施形態3に係る光源
装置30は、実施形態1に係る光源装置10(図6参照。)と同様に、第1封止部141
及び第2封止部142の両方にトリガー線(第1トリガー線210及び第2トリガー線2
20)を設けた場合を例にとって説明する。したがって、ステンレス箔251,252の
被覆開始位置A2,B2は、実施形態1に係る光源装置10と同様である。
【0104】
実施形態3に係る光源装置30は、図9に示すように、第1トリガー線210は、リフ
レクター270の背面側から突出している第1封止部141の突出部141aに被覆され
ているステンレス箔251に接続されている。このような構成とすることによっても、図
5(b)において説明したように、点灯始動電圧の改善は図れる。
【0105】
また、実施形態3に係る光源装置30は、図9のような構成とすることにより、第1ト
リガー線210は、その一端側がリフレクター270の背面側で第1封止部141のステ
ンレス箔251に接続されているので、他端側を第2封止部142の第2リード線152
に接続する際は、リフレクター270を貫通させることなく第2リード線152に接続す
ることができる。このため、製造工程を簡素化することができる。また、リフレクター2
70の背面側においては、管球部110の熱の影響はより小さくなるため、第1トリガー
線210が受ける管球部110の熱の影響をより小さなものとすることができる。
【0106】
なお、実施形態3に係る光源装置30を図7に示したプロジェクターPJの光源装置と
して採用することによっても、光源装置の点灯始動電圧の改善が図れ、かつ、光源装置の
耐久性を向上させることができるので、結果として、信頼性の高いプロジェクターとする
ことができる。
【0107】
[実施形態4]
図10は、実施形態4に係る光源装置40の構成を示す図である。実施形態4に係る光
源装置40は、図10に示すように、副反射鏡280を有する光源装置である。なお、図
10に示す光源装置40は、副反射鏡280が設けられている点が実施形態1に係る光源
装置10と異なるだけであり、その他の構成要素は、実施形態1に係る光源装置10同じ
であるので、実施形態1に係る光源装置10と同一構成要素には同一符号が付されている

【0108】
実施形態4に係る光源装置40においては、第2導電部材としてのステンレス箔252
の第2封止部142における被覆開始位置B2は、副反射鏡280の背面側となるように
する。なお、図10においては、ステンレス箔252の被覆開始位置B2は、実施形態1
に係る光源装置10(図6参照。)と同様、第2境界部B1から略L/4の位置としてい
るが、これは、図10における光源装置40においては、第2境界部B1から略L/4の
位置B2が、たまたま、副反射鏡280の背面側に近接した位置に存在しているためであ
る。したがって、光源装置の種類によっては、副反射鏡280の背面側の位置が第2境界
部B1から略L/4の位置とはならない場合もあるが、その場合は、副反射鏡280の取
り付け位置に応じて、ステンレス箔252の被覆開始位置B2を最適な位置に設定可能で
ある。
【0109】
ステンレス箔252の第2封止部142における被覆開始位置B2を図10に示すよう
に副反射鏡280の背面側とすることにより、副反射鏡280の背面側においては、管球
部110の熱による温度は、より低い温度(例えば、200度以下)にまで低下するため
、ステンレス箔252が受ける管球部110の熱の影響をより小さくすることができる。
また、ステンレス箔252に接続される第2トリガー線220も、必然的に副反射鏡28
0の背面側に位置することとなるので、第2トリガー線220が受ける管球部110の熱
の影響をより小さくすることができる。
【0110】
また、実施形態4に係る光源装置40においても、実施形態3に係る光源装置30と同
様に、第1トリガー線210をリフレクター270の背面側(第1封止部141の突出部
141a)に接続するような構成とすれば、第2トリガー線220のみならず、第1トリ
ガー線210が受ける管球部110の熱の影響をより小さくすることができる。
【0111】
なお、実施形態4に係る光源装置40を図7に示したプロジェクターPJの光源装置と
して採用することによっても、光源装置の点灯始動電圧の改善が図れ、かつ、光源装置の
耐久性を向上させることができるので、結果として、信頼性の高いプロジェクターとする
ことができる。
【0112】
なお、本発明は上記各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能となるものである。例えば、下記(1)及び(2)に示すような変
形実施も可能である。
【0113】
(1)上記各実施形態においては、第1封止部141及び第2封止部142(ただし、
実施形態2においては第1封止部141のみ)に被覆する導電性部材としては、ステンレ
ス箔を例示したが、ステンレス箔に限られるものではなく、例えばアルミニウム箔などの
各封止部に密着して被覆可能で、導電性、耐熱性部などにおいてステンレス箔と同等以上
の材料であれば特に限定されるものではない。
【0114】
(2)上記各実施形態では、ステンレス箔251,252の被覆開始位置A2,B2は
、第1境界部A1及び第2境界部B1からそれぞれ略L/4の位置(ただし、実施形態2
においては第1境界部A1から略L/4の位置)とした場合を例示したが、必ずしも略L
/4の位置とする必要はなく、光源装置の出力の大きさや型式など光源装置の種類によっ
て最適な被覆開始位置を設定可能である。例えば、光源装置の種類ごとに、点灯時におけ
る封止部の長手方向における各位置の温度を測定し、ステンレス箔が熱によるダメージを
受けにくい温度となるような位置を光源装置の種類ごとに設定して、設定した位置を当該
光源装置における被覆開始位置とするというように被覆開始位置A2,B2を決めること
ができる。
【符号の説明】
【0115】
10,20,30・・・光源装置、100・・・発光管、110・・・管球部、121
・・・第1電極、122・・・第2電極、131・・・第1金属箔、132・・・第2金
属箔、141・・・第1封止部、142・・・第2封止部、151・・・第1リード線、
152・・・第2リード線、210・・・第1トリガー線、220・・・第2トリガー線
、251,252・・・ステンレス箔、A1・・・第1境界部、B1・・・第2境界部、
A2,B2・・・被覆開始位置、A3・・・第1封止部の端部、B3・・・第2封止部の
端部、270・・・リフレクター(主反射鏡)、280・・・副反射鏡、PJ・・・プロ
ジェクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管球部と、前記管球部に内蔵される第1電極及び第2電極と、前記第1電極に電気的に
接続される第1金属箔と、前記第2電極に電気的に接続される第2金属箔と、前記第1金
属箔を封止する第1封止部と、前記第2金属箔を封止する第2封止部と、前記第1金属箔
に電気的に接続されて前記第1封止部から外部に突出する第1リード線と、前記第2金属
箔に電気的に接続されて前記第2封止部から外部に突出する第2リード線とを有する発光
管を備える光源装置であって、
前記発光管の放電開始を補助するための第1トリガー線及び第2トリガー線と、
前記第1封止部の外側表面に被覆された第1導電部材及び前記第2封止部の外側表面に
被覆された第2導電部材と、
をさらに有し、
前記第1トリガー線は、一端側が前記第1導電部材に電気的に接続され、他端側が前記
第2リード線に電気的に接続され、
前記第2トリガー線は、一端側が前記第2導電部材に電気的に接続され、他端側が前記
第2リード線に電気的に接続されることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光源装置において、
前記第1導電部材は、前記管球部と前記第1封止部との境界部を第1境界部としたとき
、前記第1境界部から所定長さだけ離間した位置を被覆開始位置として、当該被覆開始位
置から前記第1境界部とは反対側の前記第1封止部の端部に向かって被覆され、
前記第2導電部材は、前記管球部と前記第2封止部との境界部を第2境界部としたとき
、前記第2境界部から所定長さだけ離間した位置を被覆開始位置として、当該被覆開始位
置から前記第2境界部とは反対側の前記第2封止部の端部に向かって被覆されることを特
徴とする光源装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光源装置において、
前記被覆開始位置は、前記第1境界部から前記第1封止部の端部までの長さ及び前記第
第2境界部から前記第2封止部の端部までの長さをそれぞれ「L」としたとき、前記第1
境界部及び第2境界部からそれぞれ略L/4以上離間した位置とすることを特徴とする光
源装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の光源装置において、
前記導電部材は、前記第1封止部及び第2封止部のそれぞれの外側表面を周方向に少な
くとも一周するように被覆されることを特徴とする光源装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の光源装置において、
前記導電部材は、ステンレス箔であることを特徴とする光源装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光源装置において、
前記ステンレス箔は、一方の面が粘着面となっているステンレステープであることを特
徴とする光源装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の光源装置において、
前記第1電極及び第2電極の間には、1KHzから30MHzの周波数を有する交流波
が与えられることを特徴とする光源装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の光源装置において、
前記第1封止部に取り付けられて、前記発光管から射出される光を被照明領域側に反射
する主反射鏡をさらに有し、
前記第1トリガー線は、当該第1トリガー線の前記一端側と前記他端側との間の少なく
とも一部が前記主反射鏡の背面側を通るように配線されることを特徴とする光源装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光源装置において、
前記第1トリガー線の前記一端側が前記主反射鏡の反射面側において前記第1導電部材
に接続されている場合、前記第1トリガー線は、前記一端側から前記主反射鏡を貫通して
前記主反射鏡の背面側を通って前記他端側が前記第2リード線に接続されることを特徴と
する光源装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の光源装置において、
前記主反射鏡の反射面と対向する反射面を有する副反射鏡が前記第2封止部に取り付け
られ、前記第2導電部材は、前記副反射鏡の背面側において前記第2封止部に被覆される
ことを特徴とする光源装置。
【請求項11】
管球部と、前記管球部に内蔵される第1電極及び第2電極と、前記第1電極に電気的に
接続される第1金属箔と、前記第2電極に電気的に接続される第2金属箔と、前記第1金
属箔を封止する第1封止部と、前記第2金属箔を封止する第2封止部と、前記第1金属箔
に電気的に接続されて前記第1封止部から外部に突出する第1リード線と、前記第2金属
箔に電気的に接続されて前記第2封止部から外部に突出する第2リード線とを有する発光
管を備える光源装置であって、
前記発光管の放電開始を補助するためのトリガー線と、
前記第1封止部の外側表面に被覆された導電部材と、
をさらに有し、
前記トリガー線は、一端側が前記導電部材に電気的に接続され、他端側が前記第2リー
ド線に電気的に接続されることを特徴とする光源装置。
【請求項12】
光源装置と、前記光源装置からの光を画像情報に基づいて変調する光変調素子と、前記
光変調素子によって変調された光を投写画像として投写する投写光学系とを備えるプロジ
ェクターであって、
前記光源装置として、前記請求項1〜11のいずれかの光源装置を用いたことを特徴と
するプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−138713(P2011−138713A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299062(P2009−299062)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】