説明

光源装置及び投写型映像表示装置

【課題】 発光体の発光効率及び発光体の信頼性の向上を図ることを可能とする光源装置及び投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】 光源装置は、励起光を出射する光源ユニット10Bと、励起光に応じて基準映像光を出射する発光体(発光体G)と、励起光を発光体上に集光する集光部材とを備える。光源装置は、発光体上において励起光の強度中心が複数の点として設けられるように、励起光の強度分布を調整する調整構成を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、励起光に応じて基準映像光を出射する発光体を備える光源装置及び投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と、光源から出射された光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射された光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
ここで、光源から出射される光を励起光として用いて、赤成分光、緑成分光、青成分光などの基準映像光を出射する発光体を有する投写型映像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。具体的には、各色成分光を出射する複数種類の発光体がカラーホイールに設けられており、カラーホイールの回転によって、各色成分光が時分割で出射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−85740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術では、励起光がスポット光として発光体上に集光されるため、発光体の発光効率及び発光体の信頼性が低下してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、発光体の発光効率及び発光体の信頼性の向上を図ることを可能とする光源装置及び投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る光源装置は、励起光を出射する光源ユニット(光源ユニット10B)と、前記励起光に応じて基準映像光を出射する発光体(発光体G)と、前記励起光を前記発光体上に集光する集光部材(レンズ112〜レンズ113)とを備える。光源装置は、前記発光体上において前記励起光の強度中心が複数の点として設けられるように、前記励起光の強度分布を調整する調整構成を備える。
【0008】
第1の特徴において、光源装置は、前記発光体から出射される前記基準映像光を均一化するロッドインテグレータ(ロッドインテグレータ30)を備える。前記調整構成は、前記ロッドインテグレータの光入射面の形状に応じて、前記励起光の強度分布を調整する。
【0009】
第1の特徴において、前記光源ユニットは、複数の光源ユニット(光源ユニット1011光源ユニット1012、光源ユニット1021、光源ユニット1022)と、前記複数の光源ユニットから出射される前記励起光を反射する複数のミラー(反射ミラー13111、偏光ミラー13212、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222)とを有する。前記複数のミラーは、基準角度から傾いて配置されるミラーを含む。前記調整構成は、前記複数のミラーによって構成される。
【0010】
第1の特徴において、前記光源ユニットは、複数の光源ユニットと、前記複数の光源ユニットから出射される前記励起光を反射する複数のミラーとを有する。前記複数の光源ユニットは、基準出射方向から傾いた方向に前記励起光を出射する光源ユニットを含む。前記調整構成は、前記複数の光源ユニットによって構成される。
【0011】
第1の特徴において、光源装置は、前記光源ユニットから出射される前記励起光上において、前記光源ユニットと前記発光体との間に配置された光学プロファイル制御素子(光学プロファイル制御素子300)を備える。前記光学プロファイル制御素子は、1つの強度中心を複数の強度中心に分離する面形状を有する屈折光学素子である。前記調整構成は、前記光学プロファイル制御素子によって構成される。
【0012】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、第1の特徴に係る光源装置と、前記光源装置から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射される光を投写する投写ユニットとを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、発光体の発光効率及び発光体の信頼性の向上を図ることを可能とする光源装置及び投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係るカラーホイール20を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る光源ユニット10Bを示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る光源ユニット10Bを示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る光源ユニット10Bを示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る調整構成を説明するための図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る調整構成を説明するための図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る励起光の強度分布を説明するための図である。
【図9】図9は、第1実施形態に係る励起光の強度分布を説明するための図である。
【図10】図10は、変更例1に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図11】図11は、変更例2に係る光学プロファイル制御素子300を示す図である。
【図12】図12は、変更例2に係る励起光の強度分布を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下において、本発明の実施形態に係る光源装置及び投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0016】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0017】
[実施形態の概要]
実施形態に係る光源装置は、励起光を出射する光源ユニットと、前記励起光に応じて基準映像光を出射する発光体と、前記励起光を前記発光体上に集光する集光部材とを備える。光源装置は、前記発光体上において前記励起光の強度中心が複数の点として設けられるように、前記励起光の強度分布を調整する調整構成を備える。
【0018】
実施形態では、調整構成は、発光体上において励起光の強度中心が複数の点として設けられるように、励起光の強度分布を調整する。これによって、発光体上において励起光が分散して複数の点に集光されるため、発光体の発光効率及び発光体の信頼性が向上する。
【0019】
なお、励起光は、主として青成分光である。基準映像光は、映像を構成する光であり、例えば、赤成分光、緑成分光又は青成分光である。
【0020】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。なお、第1実施形態では、基準映像光として、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを用いるケースについて例示する。
【0021】
図1に示すように、第1に、投写型映像表示装置100は、光源ユニット10と、カラーホイール20と、ロッドインテグレータ30と、DMD40と、投写ユニット50とを有する。
【0022】
光源ユニット10は、例えば、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)などの複数の固体光源によって構成される。第1実施形態では、光源ユニット10として、光源ユニット10B及び光源ユニット10Rが設けられる。
【0023】
光源ユニット10Bは、青成分光Bを励起光及び基準映像光として出射する。光源ユニット10Bは、例えば、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)などの発光素子を有する。
【0024】
光源ユニット10Rは、基準映像光として赤成分光Rを出射する。光源ユニット10Rは、例えば、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)などの発光素子を有する。
【0025】
カラーホイール20は、励起光(青成分光B)の光軸方向に沿って延びる回転軸20Xを中心として回転するように構成される。カラーホイール20は、励起光及び基準映像光を反射する反射型回転体の一例である。
【0026】
詳細には、カラーホイール20は、図2に示すように、回転面21と、緑領域22Gとを有する。回転面21は、反射膜によって覆われる。緑領域22Gは、光源ユニット10Bから出射される励起光(青成分光B)に応じて緑成分光Gを発光する発光体Gを有する。発光体Gは、蛍光体或いは燐光体である。
【0027】
ロッドインテグレータ30は、ガラスなどの透明部材によって構成される中実のロッドである。ロッドインテグレータ30は、光源ユニット10から出射される光を均一化する。なお、ロッドインテグレータ30は、内壁がミラー面によって構成される中空のロッドであってもよい。
【0028】
DMD40は、光源ユニット10から出射される光を変調する。詳細には、DMD40は、複数の微小ミラーによって構成されており、複数の微小ミラーは可動式である。各微小ミラーは、基本的に1画素に相当する。DMD40は、各微小ミラーの角度を変更することによって、投写ユニット50側に光を反射するか否かを切り替える。
【0029】
第1実施形態では、DMD40として、DMD40R、DMD40G及びDMD40Bが設けられる。DMD40Rは、赤映像信号Rに基づいて赤成分光Rを変調する。DMD40Gは、緑映像信号Gに基づいて緑成分光Gを変調する。DMD40Bは、青映像信号Bに基づいて青成分光Bを変調する。
【0030】
投写ユニット50は、DMD40によって変調された映像光を投写面上に投写する。
【0031】
第2に、投写型映像表示装置100は、必要なレンズ群及びミラー群を有する。レンズ群としては、レンズ112〜レンズ116が設けられており、ミラー群としては、ミラー121〜ミラー125が設けられる。
【0032】
レンズ112及びレンズ113は、青成分光B(励起光)を発光体G(発光体)の発光面上に集光するコンデンサレンズである。レンズ114は、光源ユニット10B及び光源ユニット10Rのそれぞれから出射される光をロッドインテグレータ30の光入射面に集光する集光レンズである。レンズ115及びレンズ116は、ロッドインテグレータ30から出射される光を各DMD40上に略結像するリレーレンズである。
【0033】
第1実施形態において、レンズ112及びレンズ113は、光源ユニット10Bから出射される青成分光B(励起光)を発光体G(発光体)上に集光する集光部材を構成する。また、レンズ112、レンズ113及びレンズ114は、ロッドインテグレータ30の光入射面に集光するリレー光学系を構成する。
【0034】
ミラー121は、光源ユニット10Bから出射される青成分光Bのうち、一部分を透過し、残り部分を反射するビームスプリッターである。
【0035】
ミラー122は、ミラー121で反射される青成分光Bを反射する反射ミラーである。ミラー123は、赤成分光Rを透過して、青成分光Bを反射するダイクロイックミラーである。ミラー124は、青成分光B及び赤成分光Rを透過して、緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー125は、各色成分光を反射する反射ミラーである。
【0036】
第3に、投写型映像表示装置100は、必要なプリズム群を有する。プリズム群として、プリズム210、プリズム220、プリズム230、プリズム240及びプリズム250が設けられる。
【0037】
プリズム210は、透光性部材によって構成されており、面211及び面212を有する。プリズム210(面211)とプリズム250(面251)との間にはエアギャップが設けられており、プリズム210に入射した光が面211に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、プリズム210に入射した光は面211で反射される。一方で、プリズム210(面212)とプリズム220(面221)との間にはエアギャップが設けられるが、面211で反射された光が面212に入射する角度(入射角)が全反射角よりも小さいため、面211で反射された光は面212を透過する。
【0038】
プリズム220は、透光性部材によって構成されており、面221及び面222を有する。プリズム210(面212)とプリズム220(面221)との間にはエアギャップが設けられており、面222で最初に反射された青成分光B及びDMD40Bから出射された青成分光Bが面221に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、面222で最初に反射された青成分光B及びDMD40Bから出射された青成分光Bは面221で反射される。一方で、面221で反射された後に面222で2回目に反射された青成分光Bが面221に入射する角度(入射角)が全反射角よりも小さいため、面221で反射された後に面222で2回目に反射された青成分光Bは面221を透過する。
【0039】
面222は、赤成分光R及び緑成分光Gを透過して、青成分光Bを反射するダイクロイックミラー面である。従って、面211で反射された光のうち、赤成分光R及び緑成分光Gは面222を透過し、青成分光Bは面222で反射される。面221で反射された青成分光Bは面222で反射される。
【0040】
プリズム230は、透光性部材によって構成されており、面231及び面232を有する。プリズム220(面222)とプリズム230(面231)との間にはエアギャップが設けられており、面231を透過して面232で反射された赤成分光R及びDMD40Rから出射された赤成分光Rが再び面231に入射する角度(入射角)が全反射角よりも大きいため、面231を透過して面232で反射された赤成分光R及びDMD40Rから出射された赤成分光Rは面231で反射される。一方で、DMD40Rから出射されて面231で反射された後に面232で反射された赤成分光Rが再び面231に入射する角度(入射角)が全反射角よりも小さいため、DMD40Rから出射されて面231で反射された後に面232で反射された赤成分光Rは面231を透過する。
【0041】
面232は、緑成分光Gを透過して、赤成分光Rを反射するダイクロイックミラー面である。従って、面231を透過した光のうち、緑成分光Gは面232を透過し、赤成分光Rは面232で反射される。面231で反射された赤成分光Rは面232で反射される。DMD40Gから出射された緑成分光Gは面232を透過する。
【0042】
プリズム240は、透光性部材によって構成されており、面241を有する。面241は、緑成分光Gを透過するように構成されている。なお、DMD40Gへ入射する緑成分光G及びDMD40Gから出射された緑成分光Gは面241を透過する。
【0043】
プリズム250は、透光性部材によって構成されており、面251を有する。
【0044】
言い換えると、青成分光Bは、(1)面211で反射されて、(2)面222で反射されて、(3)面221で反射されて、(4)DMD40Bで反射されて、(5)面221で反射されて、(6)面222で反射されて、(7)面221、面251を透過する。これによって、青成分光Bは、DMD40Bで変調されて、投写ユニット50に導かれる。
【0045】
赤成分光Rは、(1)面211で反射されて、(2)面212、面221、面222及び面231を透過した上で、面232で反射されて、(3)面231で反射されて、(4)DMD40Rで反射されて、(5)面231で反射されて、(6)面232で反射されて、(7)面231、面232、面221、面212、面211及び面251を透過する。これによって、赤成分光Rは、DMD40Rで変調されて、投写ユニット50に導かれる。
【0046】
緑成分光Gは、(1)面211で反射されて、(2)面212、面221、面222、面231、面232、面241を透過した上で、DMD40Gで反射されて、(3)面241、面232、面231、面222、面221、面212、面211及び面251を透過する。これによって、緑成分光Gは、DMD40Gで変調されて、投写ユニット50に導かれる。
【0047】
(光源ユニット)
以下において、第1実施形態に係る光源ユニットについて説明する。図3〜図5は、第1実施形態に係る光源ユニット10Bを示す図である。
【0048】
図3に示すように、光源ユニット10Bは、複数の光源ユニット(光源ユニット1011、光源ユニット1012、光源ユニット1021及び光源ユニット1022)と、複数のミラー(反射ミラー13111、偏光ミラー13212、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222)とを有する。
【0049】
光源ユニット1011、光源ユニット1012、光源ユニット1021及び光源ユニット1022は、図4及び図5に示すように、ヒートシンク11と、複数の発光素子12と、複数のレンズ13とを有する。
【0050】
ヒートシンク11は、複数の発光素子12が生じる熱を放熱する金属板などである。各発光素子12は、青成分光Bを出射するLDやLEDなどである。各レンズ13は、各発光素子12から出射される青成分光Bを集光する。
【0051】
例えば、第1実施形態では、Y軸方向において、3つの発光素子12が並んでおり、Z軸方向において、6つの発光素子12が並んでいる。
【0052】
図3に戻って、光源ユニット1012及び光源ユニット1022の光出射側には、1/2λ板15が設けられる。1/2λ板15は、光源ユニット1012及び光源ユニット1022から出射される青成分光Bの偏光方向を90°回転する位相差板である。
【0053】
例えば、光源ユニット1012及び光源ユニット1022から出射される青成分光Bの偏光が偏光ミラー13212及び偏光ミラー13222に対してP偏光であるケースについて考える。このようなケースにおいて、1/2λ板15を透過する青成分光Bの偏光は、S偏光に変換される。
【0054】
反射ミラー13111は、光源ユニット1011からX軸方向に沿って出射される青成分光BをZ軸方向に反射するミラーである。同様に、反射ミラー13121は、光源ユニット1021からX軸方向に沿って出射される青成分光BをZ軸方向に反射するミラーである。
【0055】
偏光ミラー13212及び偏光ミラー13222は、第1偏光成分(P偏光成分)を透過して、第2偏光成分(S偏光成分)を反射するミラーである。すなわち、偏光ミラー13212は、光源ユニット1012からX軸方向に沿って出射される青成分光BをZ軸方向に反射する。同様に、偏光ミラー13222は、光源ユニット1022からX軸方向に沿って出射される青成分光BをZ軸方向に反射する。なお、偏光ミラー13212は、反射ミラー13111で反射された青成分光Bを透過することに留意すべきである。同様に、偏光ミラー13222は、反射ミラー13121で反射された青成分光Bを透過することに留意すべきである。
【0056】
このように、反射ミラー13111、偏光ミラー13212、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222は、光源ユニット1011、光源ユニット1012、光源ユニット1021及び光源ユニット1022から出射される光を合成する合成部130を構成する。
【0057】
一般的には、光源ユニット1011、光源ユニット1012、光源ユニット1021及び光源ユニット1022から出射される青成分光Bは、Z軸方向に沿って揃っている。従って、光源ユニット1011、光源ユニット1012、光源ユニット1021及び光源ユニット1022から青成分光Bを出射すべき基準出射方向は、X軸方向である。また、反射ミラー13111、偏光ミラー13212、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222を配置すべき基準角度は、X軸方向及びZ軸方向に対して45°である。
【0058】
但し、第1実施形態では、以下に示すように、光源ユニット10Bを構成する部材は、基準出射方向又は基準角度に従って配置されていないこともあることに留意すべきである。
【0059】
第1実施形態において、投写型映像表示装置100は、発光体上において励起光の強度中心が複数の点として設けられるように、励起光の強度分布を調整する調整構成を有する。
【0060】
第1実施形態において、調整構成は、光源ユニット10Bを構成する部材によって構成される。
【0061】
具体的には、図6に示すように、反射ミラー13111及び偏光ミラー13212は、基準角度に対して傾いて配置される。例えば、反射ミラー13111及び偏光ミラー13212は、基準角度に対して、Y軸方向に沿った回動軸を中心として右回りに回動された角度で配置される。
【0062】
同様に、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222は、基準角度に対して傾いて配置される。例えば、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222は、基準角度に対して、Y軸方向に沿った回動軸を中心として左回りに回動された角度で配置される。
【0063】
このような構成によれば、反射ミラー13111及び偏光ミラー13212で反射された青成分光Bの進行方向は、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222で反射された青成分光Bの進行方向と異なる。すなわち、調整構成は、反射ミラー13111、偏光ミラー13212、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222によって構成される。
【0064】
なお、図6に示すケースでは、光源ユニット1011、光源ユニット1012、光源ユニット1021及び光源ユニット1022は、基準出射方向に青成分光B(励起光)を出射することに留意すべきである。
【0065】
また、反射ミラー13111及び偏光ミラー13212のミラー群及び反射ミラー13121及び偏光ミラー13222のミラー群のうち、いずれか一方のミラー群は、基準角度で配置されてもよい。
【0066】
或いは、図7に示すように、光源ユニット1011及び光源ユニット1012は、基準出射方向から傾いた方向に青成分光B(励起光)を出射する。但し、光源ユニット1011及び光源ユニット1012は、反射ミラー13111及び偏光ミラー13212で反射された青成分光Bの進行方向が揃うように配置されることに留意すべきである。例えば、光源ユニット1011は、Y軸方向に沿った回動軸を中心として左回りに回動された角度で配置され、光源ユニット1012は、Y軸方向に沿った回動軸を中心として右回りに回動された角度で配置される。
【0067】
同様に、光源ユニット1021及び光源ユニット1022は、基準出射方向から傾いた方向に青成分光B(励起光)を出射する。但し、光源ユニット1021及び光源ユニット1022は、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222で反射された青成分光Bの進行方向が揃うように配置されることに留意すべきである。例えば、光源ユニット1021は、Y軸方向に沿った回動軸を中心として右回りに回動された角度で配置され、光源ユニット1022は、Y軸方向に沿った回動軸を中心として左回りに回動された角度で配置される。
【0068】
このような構成によれば、反射ミラー13111及び偏光ミラー13212で反射された青成分光Bの進行方向は、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222で反射された青成分光Bの進行方向と異なる。すなわち、調整構成は、光源ユニット1011、光源ユニット1012、光源ユニット1021及び光源ユニット1022によって構成される。
【0069】
なお、図7に示すケースでは、反射ミラー13111、偏光ミラー13212、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222は、基準角度で配置されることに留意すべきである。
【0070】
また、光源ユニット1011及び光源ユニット1012のユニット群及び光源ユニット1021及び光源ユニット1022のユニット群のうち、いずれか一方のユニット群の出射方向が基準出射方向から傾いていてもよい。
【0071】
(励起光の強度分布)
以下において、第1実施形態に係る励起光の強度分布について説明する。図8及び図9は、第1実施形態に係る励起光の強度分布を説明するための図である。
【0072】
上述した調整構成によれば、青成分光B(励起光)の強度中心は、緑領域22G(発光体G)上において複数の点として設けられる。具体的には、図8に示すように、光源ユニット1011及び光源ユニット1012から出射される青成分光Bのスポット光SL1は、光源ユニット1021及び光源ユニット1022から出射される青成分光Bのスポット光SL2とは異なる点に集光される。なお、スポット光SL1及びスポット光SL2は、ガウシアン関数によって表現される円形状である。
【0073】
ここで、青成分光B(励起光)の強度分布は、図9に示すように、ロッドインテグレータ30の光入射面の形状と対応していることが好ましい。言い換えると、上述した調整構成は、ロッドインテグレータ30の光入射面の形状に応じて、青成分光B(励起光)の強度分布を調整することが好ましい。
【0074】
詳細には、青成分光B(励起光)の強度分布によって構成されるアスペクト比がロッドインテグレータ30の光入射面のアスペクト比と揃うように、反射ミラー13111、偏光ミラー13212、反射ミラー13121及び偏光ミラー13222が配置される。
【0075】
或いは、青成分光B(励起光)の強度分布によって構成されるアスペクト比がロッドインテグレータ30の光入射面のアスペクト比と揃うように、光源ユニット1011、光源ユニット1012、光源ユニット1021及び光源ユニット1022から青成分光B(励起光)が出射される。
【0076】
(作用及び効果)
実施形態では、調整構成は、緑領域22G(発光体G)上において青成分光B(励起光)の強度中心が複数の点として設けられるように、青成分光Bの強度分布を調整する。これによって、緑領域22G(発光体G)上において青成分光Bが分散して複数の点に集光されるため、発光体Gの発光効率及び発光体Gの信頼性が向上する。
【0077】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について説明する。
【0078】
第1実施形態では、調整構成は、光源ユニット10Bを構成する部材によって構成される。これに対して、変更例1では、1つの強度中心を複数の強度中心に分離する面形状を有する屈折光学素子(光学プロファイル制御素子)が設けられる。
【0079】
具体的には、図10に示すように、投写型映像表示装置100は、図1に示す構成に加えて、光学プロファイル制御素子300を有する。
【0080】
光学プロファイル制御素子300は、光源ユニット10Bから出射される青成分光B(励起光)上において、光源ユニット10Bとカラーホイール20(発光体G)との間に配置される。光学プロファイル制御素子300は、1つの強度中心を複数の強度中心に分離する面形状を有する屈折光学素子である。ここでは、光学プロファイル制御素子300は、光源ユニット10Bから出射される青成分光B(励起光)を2つのスポット光に分離する。
【0081】
なお、変更例1では、光源ユニット10Bを構成する部材は、基準出射方向及び基準角度に従って配置される。
【0082】
変更例1では、光学プロファイル制御素子300を挿入することにって、光学プロファイル制御素子300から、2種類の角度の構成を出射することができる。従って、上述した図8と同様に、緑領域22G(発光体G)上において、2種類のスポット光(スポット光SL1及びスポット光SL2)が異なる点に集光される。これによって、上述した図9と同様に、青成分光B(励起光)の強度分布によって構成されるアスペクト比がロッドインテグレータ30の光入射面のアスペクト比と揃うように、2種類のスポット光が集光される。
【0083】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、変更例1に対する相違点について説明する。
【0084】
変更例2において、光学プロファイル制御素子300は、図11に示すように、4つの領域(領域310A〜領域310D)を有する。各領域は、光源ユニット10Bから出射される青成分光B(励起光)から1つのスポット光に分離する。すなわち、変更例2では、図12に示すように、光学プロファイル制御素子300によって、光源ユニット10Bから出射される青成分光B(励起光)は、4つのスポット光(スポット光SL1〜スポット光SL4)に分離される。
【0085】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0086】
実施形態では、光変調素子として、3つのDMDが例示されているが、実施形態は、これに限定されるものではない。光変調素子は、1つのDMDであってもよい。或いは、光変調素子は、1つの液晶パネル或いは3つの液晶パネル(赤液晶パネル、緑液晶パネル及び青液晶パネル)であってもよい。液晶パネルは、透過型であってもよく、反射型であってもよい。
【0087】
実施形態では、発光体として、励起光に応じて緑成分光Gを発光する発光体Gを例示した。しかしながら、発光体は、励起光に応じて赤成分光R又は青成分光Bを発光する発光体であってもよい。
【0088】
実施形態では、励起光として、青成分光Bを例示した。しかしながら、励起光は、紫外成分光であってもよい。
【0089】
実施形態では特に触れていないが、光源装置は、少なくとも光源ユニット10Bを含んでいればよい。或いは、光源装置は、少なくとも光源ユニット10B及び光学プロファイル制御素子300を含んでいればよい。
【符号の説明】
【0090】
10…光源ユニット、11…ヒートシンク、12…発光素子、13…レンズ、15…1/2λ板、20…カラーホイール、21…回転面、22G…緑領域、30…ロッドインテグレータ、40…DMD、50…投写ユニット、100…投写型映像表示装置、112〜116…レンズ、121〜125…ミラー、131…反射ミラー、132…偏光ミラー、300…光学プロファイル制御素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を出射する光源ユニットと、前記励起光に応じて基準映像光を出射する発光体と、前記励起光を前記発光体上に集光する集光部材とを備えた光源装置であって、
前記発光体上において前記励起光の強度中心が複数の点として設けられるように、前記励起光の強度分布を調整する調整構成を備えることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記発光体から出射される前記基準映像光を均一化するロッドインテグレータを備え、
前記調整構成は、前記ロッドインテグレータの光入射面の形状に応じて、前記励起光の強度分布を調整することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光源ユニットは、複数の光源ユニットと、前記複数の光源ユニットから出射される前記励起光を反射する複数のミラーとを有しており、
前記複数のミラーは、基準角度から傾いて配置されるミラーを含み、
前記調整構成は、前記複数のミラーによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記光源ユニットは、複数の光源ユニットと、前記複数の光源ユニットから出射される前記励起光を反射する複数のミラーとを有しており、
前記複数の光源ユニットは、基準出射方向から傾いた方向に前記励起光を出射する光源を含み、
前記調整構成は、前記複数の光源ユニットによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項5】
前記光源ユニットから出射される前記励起光上において、前記光源ユニットと前記発光体との間に配置された光学プロファイル制御素子を備え、
前記光学プロファイル制御素子は、1つの強度中心を複数の強度中心に分離する面形状を有する屈折光学素子であり、
前記調整構成は、前記光学プロファイル制御素子によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項6】
請求項1に記載の光源装置と、
前記光源装置から出射される光を変調する光変調素子と、
前記光変調素子から出射される光を投写する投写ユニットとを備えることを特徴とする投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−114229(P2013−114229A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263058(P2011−263058)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】