説明

光経路制御方法

【課題】光ネットワークにおいて、光経路を開通あるいは光波長の変更する等の光経路制御を行う際に、他の開通済みの光経路に対して影響を与えずに制御を行う。
【解決手段】波長多重された光信号を伝送する光ネットワークを構成し、波長単位で光信号の分岐及び挿入を行う光合分波スイッチ機能部を備えた光ノードにおける光経路制御方法において、前記光ノードでは、前記光合分波スイッチ機能部として、2次元配列の入出力ファイバアレイを備えた波長選択スイッチが使用され、前記波長選択スイッチの入出力ファイバアレイの行又は列ごとに、開通される光経路のグループを構成し、新たな光経路の開通を行う際に、任意の1つのグループにおいて、前記入出力ファイバアレイの前記グループに対応する行又は列に沿って、ポートスキャン方向と逆方向に、スキャン開始位置側に向かう順番で各ポートの光経路を開通するように制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長多重伝送システムにおける光経路制御方法に関するものであり、より詳細には、光経路を開通あるいは光波長の変更等を行う際に、光合分波スイッチ機能部として使用する波長選択スイッチにおける入出力ファイバアレイの配置を考慮して、他の開通済みの光経路に対して影響を与えずに制御を行う光経路制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
再構成可能な光分岐・挿入多重(ROADM:Reconfigurable Optical Add Drop Maultiplexer)システムを始めとした波長多重(WDM)伝送技術をベースとした光ネットワークにおいて、光経路の開通・廃止、切り替えに関わる制御の遠隔自動化は運用コスト削減、ネットワーク信頼性の向上に寄与する重要な技術である。
【0003】
以前は、WDMされた光信号を波長ごとに合波、分波する手段としてアレイ導波路格子(AWG)、薄膜フィルタなどによる波長合分波フィルタが用いられていたが、波長ごとに対応づけられるポートが固定的となるため、波長管理の柔軟性に乏しく、光経路の開通・廃止や経路変更、波長変更の際には対象ノードの設置場所における現地作業が必要など、伝送容量の増大、管理する波長数の増大に伴って、運用コストも増大する要因となっていた。
【0004】
そこで、WDMされて入力される光信号を波長ごとに切り替え、任意のポートに1波長あるいは複数波長を多重した状態で出力することが可能な、波長選択光スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)が開発され、動的な波長選択、切り替えが可能となり、これを動的な波長合分波機能部(光合波スイッチ機能部あるいは光分波スイッチ機能部)として使用することにより、光送受信器の波長を自由に設定することが可能な、いわゆるカラーレス機能を実現することが可能となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Y. Ishii, et.al, "MEMS-based 1x43 Wavelength-Selective Switch with Flat Passband",35th European Conference on Optical communication proceeding", PD1-9, September, 2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これまでに実用化されたWSSはいずれも1入力9出力(もしくは9入力1出力)程度の規模にとどまり、WDMシステムで扱われる光信号の波長数が80波を超える現在のシステムにおいては、ポート数が圧倒的に不足している状態である。
【0007】
他方、多数の光信号を交換する機能デバイスとして開発されているものに微小機械加工技術(MEMS:Micro Electro Mechanical System)を応用し、3次元(3D)の可動軸を持つマイクロミラーを多数集積したデバイスによってポート選択を行う3D−MEMSスイッチがある。しかし、光経路の開通・廃止や経路変更動作時に、他の開通済みの光経路にクロストークを発生させてしまうという課題がある。すなわち、他の光経路に影響を与えず切り替えを行うヒットレス動作を行うことができないという課題がある。同様に、20ポート以上の大規模なWSSが報告されているが(非特許文献1)、ヒットレス動作を実現したデバイスはいまだ報告されていない。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、波長多重された光信号を伝送する光ネットワークにおいて、光経路を開通あるいは光波長の変更する等の光経路制御を行う際に、他の開通済みの光経路に対して影響を与えずに制御を行う光経路制御を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、波長多重された光信号を伝送する光ネットワークを構成し、波長単位で光信号の分岐及び挿入を行う光合分波スイッチ機能部を備えた光ノードにおける光経路制御方法であって、前記光ノードにおいて、前記光合分波スイッチ機能部として、2次元配列の入出力ファイバアレイを備えた波長選択スイッチが使用され、前記波長選択スイッチの入出力ファイバアレイの行又は列ごとに、開通される光経路のグループを構成し、新たな光経路の開通を行う際に、任意の1つのグループにおいて、前記入出力ファイバアレイの前記グループに対応する行又は列に沿って、ポートスキャン方向と逆方向に、スキャン開始位置側に向かう順番で各ポートの光経路を開通することを特徴とする光経路制御方法として構成される。
【0010】
前記光経路制御方法において、前記光経路に対応する波長を変更する切り替え動作を行う際に、切り替えを行う波長に対応するポートが属していないグループにおいて、新たに変更後の波長での光経路を前記の光経路制御方法によって開通し、前記光ノードが備えるポート選択機能部によって、新たに開通した光経路への切り替えを行うようにしてもよい。
【0011】
また、前記光経路制御方法において、光経路の廃止を行う際に、当該光経路の光信号に関して、前記光合分波スイッチ機能部よりも上流側に位置する機能部のいずれかによってあらかじめ当該光信号を遮断した後に、前記光合分波スイッチ機能部における前記光経路の廃止を行うようにしてもよい。
【0012】
また、前記光経路制御方法において、前記波長選択スイッチの入出力ファイバアレイにおける空きポートが属するグループ内で、当該空きポートよりも前記スキャン開始位置側に存在する他のポートにおいて光経路が開通されている場合に、前記他のポートの光経路を、前記空きポートで新たに開通して切り替えを行い、以降、スキャン開始位置側に向けて順番に、空きポートにおいて、開通済みポートにおける光経路を開通して切り替えを行うことにより、開通済みポートと別の開通済みポートとの間に空きポートが生じないようにポートの編集を行うこととしてもよい。
【0013】
また、前記光経路制御方法において、前記光ノードとして、波長多重された光信号を一方の方路から受信し、波長ごとに転送、分岐、又は挿入を選択し、転送する光信号を他方の方路に送出する2degree−ROADMノードを使用してもよいし、波長多重された光信号を3以上の複数の方路から受信し、方路ごとかつ波長ごとに交換、分岐、又は挿入を選択し、交換する光信号を他の3以上の複数の方路のいずれかへ伝送する波長クロスコネクトノードを使用してもよい。
【0014】
また、前記光ノードにおいて、収容されたクライアント信号に対応させる光送受信機能部を選択するためのポート選択機能部として、IPルータ装置、ODU(Optical−channel Data Unit)クロスコネクト装置、光マトリクススイッチ等を使用できる。また、ポート選択機能部によるポートの切り替えを、提供中のサービスおよびアプリケーションがクライアント側で中断されないように、無瞬断で行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光経路を開通・廃止あるいは光波長の変更を行う等の光経路制御を行う際に、光合分波スイッチ機能部として使用する波長選択スイッチの、入出力ファイバアレイの配置を考慮して光経路の制御を行うこととしたので、もともとヒットレス動作が不可能である波長選択スイッチを用いた光合分波スイッチ機能部においても、他の開通済みの光経路に影響を及ぼすことなく、光経路の制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1における光ネットワークの構成例を示す図である。
【図2A】図1に示す光ネットワークを構成する光ノード100の構成例を示す図である。
【図2B】ノード制御機能部180の接続構成を示す図である。
【図3A】実施例1におけるN×M WSSの構成を示す図である。
【図3B】入出力ファイバアレイ10を詳細に示す図である。
【図4】実施例1に係る光経路制御方法を説明するための図である。
【図5】光経路の開通手順を示すフローチャートである。
【図6】光経路の波長変更手順を示すフローチャートである。
【図7】光経路開通ポートの再編集手順を示すフローチャートである。
【図8】実施例2における光ネットワークの構成例を示す図である。
【図9】実施例2における光ノード200の主要機能構成を示す図である。
【図10】実施例3における光ノード200の主要機能構成を示す図である。
【図11】実施例4におけるポート選択機能部を説明するための図である。
【図12】実施例5におけるポート選択機能部を説明するための図である。
【図13】実施例6におけるポート選択機能部を説明するための図である。
【図14】光ネットワークの構成例を示す図である。
【図15】光ネットワークの構成例を示す図である。
【図16】光ネットワークの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0018】
(実施例1)
図1に、実施例1における光ネットワークの構成例を示す。図1に示すように、本実施例における光ネットワークは、複数の光ノード(図1の場合、8個の光ノード)が、光ファイバによって接続され、リング状のネットワークを構成したものである。なお、それぞれの光ノード間は平均して数十km程度の光ファイバによって接続されている。また、本実施例では、伝送される光信号は、10Gb/sでRZ強度変調信号である。また、伝送波長帯はC帯(1530〜1565nm)、波長間隔は100GHz間隔、波長数は40波長である。もちろん、これらは一例であり、本発明はこのような伝送方式に限定されるわけではない。
【0019】
図1の示す光ネットワークを構成する各光ノードは、2つの方向の伝送路(2方路;通常、East,Westと表現される)を接続する2−degree ROADMノードである。図2Aに、図1に示す光ネットワークを構成する各光ノードである光ノード100の構成例を示す。
【0020】
図2Aに示すように、本実施例に係る光ノード100は、WDM信号の波長ごとに次ノードへ転送、クライアント側へ分岐、クライアント側から挿入を選択する方路選択機能部110と、分岐を行うための光分波スイッチ機能部120と、挿入を行うための光合波スイッチ機能部130と、分岐、挿入される光信号の受信、送信を行う光送受信機能部140と、ノード毎に扱う(分岐、挿入される)波長数に応じて設置される光送受信機能140のいずれを使用、接続するかを選択するためのポート選択機能部150と、隣接ノードに送信する、又は、隣接ノードから受信したWDM信号を増幅する光増幅器160を備える。
【0021】
ここで、光合波スイッチ機能部130は、1つ以上の入力ポートのそれぞれに1つの任意の波長の光信号が入力され、1つ以上の出力ポートへそれぞれ波長多重して出力する機能を有し、光分波スイッチ機能部120は、1つ以上の入力ポートのそれぞれに波長多重された光信号が入力され、1つ以上の出力ポートのそれぞれに1つの任意の波長の光信号が出力される機能を有する。また、光送受信機能140は、光合波スイッチ機能部130の入力ポートと光分波スイッチ機能部120の出力ポートに接続される。なお、光合波スイッチ機能部と光分波スイッチ機能部とを総称して光合分波スイッチ機能部と呼ぶことができる。ポート選択機能部150は、収容されたクライアント信号に対応させる光送受信機能部140を選択する機能を有する。
【0022】
また、光ノード100には、ポート選択機能部150に加えて、クライアント信号を収容し、伝送される光信号を適切なフォーマットへ変換するクライアントインタフェース170が搭載され、さまざまなサービス、アプリケーションが接続可能となる。
【0023】
更に、光ノード100には、ノード制御機能部180が備えられる。図2Bに示すように、ノード制御機能部180により、各機能部に対する制御が行われる。
【0024】
本実施例では、光分波スイッチ機能部120および光合波スイッチ機能部130として、1x40(および40x1)WSSを使用している。ただし、本WSSはデバイスの構造上、ヒットレス動作が備わっていないものであり、従来の制御方法を用いた場合、光経路の開通・廃止および波長変更時には他の開通済み光経路に光信号と同程度のクロストークを発生させてしまうものである。ここで、図2Aではそれぞれのスイッチ機能を簡略化して図示したため、上記WSSを用いた場合の実際のポート数(40ポート)とは異なって表現されている。簡略化した点は他の実施例でも同様である。
【0025】
図3A、Bに、本実施例において光分波スイッチ機能部120および光合波スイッチ機能部130として使用するN入力M出力(N、Mは1以上の自然数)のWSS(N×M WSS)のデバイス構成の概略を示す。
【0026】
図3Aに示すように、本実施例におけるN×M WSSは、入出力ポートを構成する2次元配列の入出力ファイバアレイ10、レンズ20、グレーティング30、及びミラーアレイ40(λチャネル)を備える。N×M WSSとして1x40WSSおよび40x1WSSを用いる本実施例において、1x40WSSの場合はN=1入力、M=40出力として使用し、40x1WSSの場合はN=40入力、M=1出力とする。入出力ファイバアレイ10は、a×b=N+Mとなるa行b列(aは2以上の自然数、bは1以上の自然数)の行列を構成する2次元配列の光ファイバアレイである。
【0027】
図3Bは、入出力ファイバアレイ10を詳細に示した図である。本実施例におけるファイバアレイの配置はa=11行、b=4列である。また、以降の説明での入出力ファイバアレイ10の図示において、斜線で塗りつぶした部分のファイバポートは未使用とする。本実施例では、入力ポートとしてアレイのほぼ中心である5行3列目の位置のポートを使用したが、他のいずれのポートを使用しても本発明による効果は同様である。
【0028】
図3Aに示す構成において、入出力ファイバアレイ10の入力ファイバから出射された光は、レンズ20を介してグレーティング30によって波長成分に分光され、波長ごとに可動であるミラー素子によって結合する出力ポートを選択されたのち、同一の経路を戻って、入出力ファイバアレイ10の中の特定の出力ファイバに入射する。
【0029】
このような構成において、各波長成分の光はミラー素子によって反射角度を変更することにより、出力ポート(1x40WSSの場合)もしくは入力ポート(40x1WSSの場合)をスキャンすることになる。図3Bには、ポートスキャン開始位置と、ポートスキャン軸(x軸、y軸)が示されている。
【0030】
本発明に係る光経路制御方法では、ポートをスキャンする場合のスキャン方向をすべての波長について図3Bに示すようにポートスキャン軸のx軸方向又はy軸方向(図3Bの例ではx軸方向、つまり行方向)に揃えることとしている。また、図3Bの例では、図示するように、y軸方向のスキャンは、入出力ポートが存在する範囲の外側で行われている。
【0031】
すなわち、クロストークは、軸の方向とは逆方向(軸に沿ってスキャン開始位置に向かう方向)のスキャンで発生するため、クロストークを発生させてしまう光経路群を軸に沿って並べ、軸の方向(スキャン開始位置から離れていく方向)とは逆方向に向かって順番に制御(開通・廃止・変更等)を行うこととしている。
【0032】
本発明に係る光経路制御方法により、ポートスキャン時に他の開通済み光信号にクロストークを発生せさせてしまう組み合わせが、同一の列同士でかつx軸に対してスキャン開始位置側に決定されるため、後述するようにヒットレス動作による制御が可能となる。なお、図3Bでは、ポートスキャン開始位置を、すべての波長についてx軸、y軸の原点とする場合を示したが、波長ごとにy軸上のいずれかの点としても、本発明による効果は同様である。
【0033】
以下、実施例1に係る光経路の開通・廃止および波長変更等の際の光経路制御方法を、図4を参照して説明する。なお、図4は、1x40WSSで実現される光分波スイッチ機能部120(図2A参照)を例にとって光経路の制御方法を示しているが、光合波スイッチ機能部130(40x1WSS)についても同様の制御方法が適用される。
【0034】
<開通時の制御例>
図4(a)および(d)は、新たな光経路としてλ〜λを開設した後の状態を示している。すなわち、図4(a)において、1x40WSSにおける右端の5つの出力ポートにλ〜λが割り当てられて光経路開通がなされた状態が示され、図4(d)において、開通されたλ〜λに対応する入出力ファイバアレイ10の出力ポートが示されている。
【0035】
なおλとは、本実施例の40波長のうち任意の波長を表すものであり、添え字である数値が必ずしもITUグリッド上の特定の波長やその順番を示すものではない。
【0036】
ここで、図4(d)の黒矢印が示す通り、本実施例では、入出力ファイバアレイ10の1行目に配置されたポート群(グループ)を互いに光経路開通時にクロストークを発生させてしまう1つのグループとし、x軸に沿って、x軸方向とは逆方向に、ポートスキャン開始位置側に向かって順番に図示のとおりにλ→λ→λ→λと開通していく。
【0037】
上記の順番で開通を行うことにより、クロストークによる開通済みの光経路への影響を回避することが可能である。他の行の光ファイバ、つまり他のグループに属するポートを開通(本実施例ではλ)する際には、λ〜λの開通の順番とは関係なく開通することが可能である。ただし、例えば本実施例のλは2行目に配置される他のポートにはクロストークを発生させるため、2行目内では、1行目内と同様に、ポートスキャン開始位置からx軸方向に最も離れた空きポートから、ポートスキャン開始位置に向かって、順番に開通していく。従って、図4(d)における波長の割り当ての場合、λ→λ→λ→λ→λの順番で開通を行うこととしてよい。
【0038】
また、図4(d)に示す割り当ての波長を開通させる場合において、開通順序をλ→λ→λ→λ→λとしてもよい。この場合、1行目だけに関していえば、λ→λ→λ→λの順序で開通が行われ、2行目は、スキャン開始位置から軸に沿って最も離れた空きポートから開通が行われるので、このような順序で開通を行っても、それぞれの光経路は開通済みの光経路に対してクロストークの影響を与えることなく開通することが可能である。
【0039】
なお、本実施例において、"行"、"列"は相対的なものであり、本実施例において、"行"と"列"を入れ替えてもよい。
【0040】
<変更時の制御例>
光ネットワークの運用においては、一旦開通させた波長(光経路)を、別の波長に変更する場合がある。そのような場合を想定した例を以下で説明する。
【0041】
図4(b)、(e)は、図4(a)、(d)の状態から、λをλに変更する場合の手順を説明するために図である。ここで、図4(d)に示すλを開通したポート(1行3列目のポート)上で波長を変更しようとすれば、開通済みの光経路であるλ、λに対してクロストークを生じさせてしまうこととなり、ヒットレス動作が不可能である。
【0042】
したがって、本実施例では、図4(b)、(e)に示す通り、λポート(1行3列目のポート)が属していない他のグループ(1行目以外の行)に新たに変更後の波長による光経路を開通し、光ノードのポート選択機能部によってクライアント側からの信号を新たなポートに切り替えることによって、ヒットレス動作を可能としている。つまり、本実施例では、2行目のグループで、開通済みの光経路であるλに対応する4列目のポートよりもポートスキャン開始位置側にある3列目のポートに新たにλを開通し、ポート選択を切り替えることで他の開通済みの光経路にクロストークの影響を与えることなく波長変更を行うこととしている。
【0043】
<廃止時の制御例>
本実施例では、上記波長切り替え動作後にλポート(1行3列目のポート)に対して、光経路の廃止動作を行うこととする。その際、図4(b)、(e)の状態からλを遮断しようとすると、λ、λポートにクロストークを発生させてしまう。
【0044】
そこで、クロストークを発生させないようにするために、本実施例では、光分波スイッチ機能部120よりも信号の送信側(上流側)に位置する他の機能部、例えば、自ノードもしくは上流側ノードの方路選択機能部110、あるいは送受信機能部140の送信器のいずれかにおいてあらかじめ廃止しようとしている波長λの信号を遮断しておく。
【0045】
このようにすれば、制御対象のWSSにおいて、波長λの信号を受信しないことになり、波長λの光経路の廃止のための動作により、λ、λポートにクロストークを発生させることを回避できる。
【0046】
光合波スイッチ機能部130における廃止動作についても同様であるが、この場合は、上流側に位置する送受信機能の送信器を遮断した後に廃止動作を行う。これにより、他の開設済みの光経路への影響を避けることが可能となる。
【0047】
<ポート編集時の制御例>
本実施例においては、波長変更動作後のWSSのポートを再編集し、ヒットレス動作による新たな光経路の開設が不可能となってしまった空きポートを削除することとしている。この場合の制御例を、図4(c)、(f)を参照して説明する。
【0048】
前述した波長変更動作により、λの光経路は新たなλポート(2行3列目のポート)へ変更されて運用されるが、廃止動作により空きポートとなった旧λポートは図4(e)に示す通り、1行3列目に位置し、このポートにおいて、開通済みの光経路であるλ、λへの影響を与えることなく新たに光経路を開通することは不可能である。したがって、このままでは、1つのポートが無駄になってしまうことになる。
【0049】
そこで、本実施例では、図4(c)、(f)に示すように、λ→λの順番で、これらの波長を、よりスキャン開始位置から離れた空きポートに新たに移設することにより、新たに開通可能なポートとして旧λポートを使用可能としている。
【0050】
より詳細には、例えば、図4(e)に示すλポート(1行2列目のポート)とλポート(1行1列目のポート)について、前述した廃止動作を行って廃止し、その後、λを1行3列目のポートで開通させ、次に、λを1行2列目のポートで開通させる。
【0051】
なお移設の際、λ、λのいずれかもしくは両方の光経路が中断されることを許可しない経路であった場合には、例えば予備波長としてλおよびλを用意し、利用可能な空きポートである3行4列目および3列目のポートにおいて、上記の波長変更動作(λ→λ、λ→λ)を行った後、再び1行3列目および2列目に逆の波長変更動作(λ→λ、λ→λ)を行うことで、ポートの再編集が可能である。
【0052】
図5〜7は、以上説明した実施例における光経路の制御手順をフローチャートとして記載した図である。図5〜7を参照して、本実施例における光経路の制御手順についてまとめて説明する。
【0053】
まず、光経路開通手順について図5を参照して説明する。
【0054】
ステップ1)開通対象の光経路に対応する1つ又は複数のポート(1行のポート数である4個以下のポート)が属する1つのグループ内で、スキャン開始位置からポートスキャン方向に沿って連続して存在する空きポートのうち、スキャン開始位置から最も離れた空きポートを最初の開通用ポートとして、そこからスキャン開始位置に向かうポートの順番で順次、1つ又は複数のポートの光経路を開通する。
【0055】
ステップ2)開通対象の全ての光経路について、開通が終了するまで、ステップ1の処理を繰り返す。互いに異なるグループ間での光経路開通の順番は、それぞれのグループ内における順番がステップ1に示した順番に従っている限り、任意である。
【0056】
続いて、光経路の波長変更手順について、図6を参照して説明する。
【0057】
ステップ1)波長変更対象の光経路が属していないグループのポートにおいて波長変更後の光経路を、前述した光経路開通の制御方法に従って新たに開通する。
【0058】
ステップ2)ポート選択機能部150により、新たに開通した波長変更後の光経路を、クライアント信号の接続先として選択する。
【0059】
ステップ3)波長変更前の光経路を廃止する。なお、運用上、廃止の必要がなければ、ステップ3を行わないこととしてもよい。
【0060】
次に、光経路開通ポートの再編集手順を、図7を参照して説明する。ここでは、光経路開通済みのポートに隣接してポートスキャン方向側に空きポートが存在する場合を前提とする。
ステップ1)空きポートよりも1つスキャン開始側のポートに位置する光経路を当該空きポートへ移設する。
【0061】
ステップ2)ステップ1によって生じた空きポートよりもスキャン開始側に位置する光経路開通済みのポートがなくなるまでステップ1を繰り返す。すなわち、開通済みポートと別の開通済みポートとの間に空きポートが生じないようにポートの編集を行う。
【0062】
なお、上記再編集手順の詳細な動作は本実施例に記載の通り、光合波/分波スイッチのポート切替機能を使用する場合と、予備波長を使用してポート選択機能との連携により行う場合があるが、上記手順は、これらのどちらの場合を用いるかには依存せず、どちらの場合にも適用できる。
【0063】
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。図8に、実施例2における光ネットワークの構成例を示す。図8に示すように、本実施例における光ネットワークは、2−degree ROADMノードが7ノード分配置されたリングネットワークR1と、5ノード分配置されたリングネットワークR2と、これらを接続するクロスコネクトノード200を備えた複数リング接続ネットワークである。なお、それぞれのノード間は平均して数十km程度の光ファイバによって接続される。また、本実施例では、伝送される光信号は、40Gb/sであり、RZ−DQPSK信号である。また、伝送波長帯はL帯(1570〜1610nm)、波長間隔は100GHz間隔、波長数は40波長である。もちろん、これらは一例であり、本発明はこのような伝送方式に限定されるわけではない。
【0064】
クロスコネクトノード200(光ノード200)は、4方路(実施例1にならい、East,West,North,Southと表現する)を接続する光ノードであり、一般的には複数方路を接続するためMulti−degree ROADMノードと呼ばれ、2−degree ROADMノードの機能に加え、複数の方路同士のWDM信号を交換、分岐、挿入する機能を持つ。
【0065】
図9に、光ノード200の主要機能構成を示す。図9に示す通り、方路選択機能部210とともに、方路ごとに光合分波スイッチ機能部220、230を備える。また、図示を省略するが、これらに加えて実施例1と同様のポート選択機能部250、クライアントインタフェース270、光送受信機能部240も搭載される
また、本実施例では、光分波および合波スイッチ機能部220、230として、1x40(および40x1)WSSを使用している。実施例1と同様に、本スイッチはデバイスの構造上、ヒットレス動作が備わっていないものであり、本発明を適用しなければ、光経路の開通・廃止および波長変更時には他の開通済み光経路に光信号と同程度のクロストークを発生させてしまう。
【0066】
本実施例における光経路の開通・廃止および波長変更等の制御方法は、実施例1と同じであり、例えば、East側に設置した光分波スイッチ機能部220に着目し、実施例1と同様に、図4〜図7を用いて説明した光経路の開通動作、波長変更動作、およびポート再編集動作を行うことにより、いずれの場合にも開通済みの光経路にクロストークの影響を与えることなく動作を行うことが可能である。もちろん、East側に設置した光分波スイッチ機能部220に限らず、その他の光合分波スイッチ機能部220、230においても、開通済みの光経路にクロストークの影響を与えることなく動作を行うことが可能である。
【0067】
また、本実施例においても、実施例1と同様にして、光経路の廃止動作を開通済みの光経路にクロストークの影響を与えることなく行うことが可能である。
【0068】
また、例えば、サービスの要求条件により上記開通および切り替え動作のいずれの操作においても、クライアント端末において信号が断絶することが許可されない場合、ポート選択機能部250では無瞬断で動作する機能を搭載したものを使用して、無瞬断での切り替えを行えばよい。
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。実施例3の光ネットワーク構成は実施例2と同じであり、図8に示したとおりであるが、制御対象となる光ノード200の構成が実施例2における構成と異なる部分がある。
【0069】
実施例3では、光ノード200における光分波スイッチ機能部220と光合波スイッチ機能部230のそれぞれが4つの方路を一括で処理する構成を備えている。すなわち、本実施例では、図10に示すとおり、光合波スイッチ機能部230は、40x1WSS231と1x40WSS232とを従属に接続した構成を有し、光分波スイッチ機能部220は、4(方路)×1光カップラ221と1x40WSS222とを従属に接続した構成を有する。
【0070】
ただし、本実施例でも、WSSはデバイスの構造上、ヒットレス動作が備わっていないものであり、本発明に係る制御方法を用いなければ、光経路の開通・廃止および波長変更時には他の開通済み光経路に光信号と同程度のクロストークを発生させてしまうものである。
【0071】
本実施例における光経路の開通・廃止および波長変更等の制御方法は、実施例2(すなわち実施例1)と同じであり、図4〜図7を用いて説明した光経路の開通動作、波長変更動作、およびポート再編集動作を行うことにより、いずれの場合にも開通済みの光経路にクロストークの影響を与えることなく動作を行うことが可能である。また、光経路の廃止動作についても同様である。
【0072】
(実施例4)
次に、実施例4について説明する。本実施例における光ネットワーク及び光ノードの基本構成は実施例1と同じである。ただし、本実施例では、図11に示す構成でもって、光ノード100においてIP(Internet Protocol)ルータ155を備え、光ノード100におけるポート選択機能部150として、IPルータ155の経路設定機能を使用している。
【0073】
図11の構成では、クライアントインタフェース170を介していずれの光送受信機能部140を選択するかの制御をルータの経路設定によって行う。本実施例においても、光経路の開通動作、波長変更動作、およびポート再編集動作に関しては、図4〜図7を参照して説明した実施例1での手順と同じであり、実施例1で説明した手順を用いることにより、いずれの場合にも開通済みの光経路にクロストークの影響を与えることなく動作を行うことが可能である。また、光経路の廃止動作についても同様である。
【0074】
なお、本実施例に示すように、光送受信機能部140のいずれかを選択するポート選択機能は接続されるネットワークの運用形態や提供するサービスによって適切なものを用いればよく、本実施例でのIPルータ155はその一例に過ぎない。
【0075】
(実施例5)
次に、実施例5について説明する。本実施例における光ネットワーク及び光ノードの基本構成は実施例2と同じである。ただし、本実施例では、図12に示すように、ポート選択機能部250を含む機能部として、光信号の伝送レートと同じか、より低速なクライアント信号を多重、編集して収容するODU(Optical−channel Data Unit)クロスコネクト(ODU−XC)255を使用する。
【0076】
本実施例では、実施例2と同様の光ノード200において図12に示すようにODU−XC255を設置し、いずれの光送受信機能部240を選択するかの制御をODU−XC250の経路設定によって行う。
【0077】
本実施例においても、光経路の開通動作、波長変更動作、およびポート再編集動作に関しては、図4〜図7を参照して説明した実施例1での手順と同じであり、実施例1で説明した手順を用いることにより、いずれの場合にも開通済みの光経路にクロストークの影響を与えることなく動作を行うことが可能である。また、光経路の廃止動作についても同様である。
【0078】
また、光経路の切り替え動作において、サービスの要求条件により、クライアント端末において信号が断絶することが許可されない場合においても、本実施例によれば、提供中のサービスがクライアント側で全く中断されない無瞬断で行われ、クライアントの要求条件を満たしたまま、上記の光経路制御を行うことが可能である。
【0079】
(実施例6)
次に、実施例6について説明する。本実施例における光ネットワーク及び光ノードの基本構成は実施例2と同じである。ただし、本実施例では、図13に示すように、ポート選択機能部250として、光マトリクススイッチ256を使用する。具体的には、光マトリクススイッチ256として、3D−MEMSスイッチを使用している。
【0080】
また、本実施例では、ポート選択機能部250のクライアント側にはIPルータ257を接続し、ネットワーク側はクライアントインタフェース270を介して光送受信機能部240に接続され、光マトリクススイッチ256により、いずれかの光送受信機能部240を選択する。
【0081】
本実施例においても、光経路の開通動作、波長変更動作、およびポート再編集動作に関しては、図4〜図8を参照して説明した実施例1での手順と同じであり、実施例1で説明した手順を用いることにより、いずれの場合にも開通済みの光経路にクロストークの影響を与えることなく動作を行うことが可能である。また、光経路の廃止動作についても同様である。
【0082】
なお、本実施例では、ポート選択機能部250に3D−MEMSスイッチによる光マトリクススイッチ256を使用したが、ファイバ型スイッチ、導波路型スイッチ等のいずれかを使用しても、同様の光経路制御が可能である。
【0083】
(その他の実施例)
これまでに説明した実施例1〜6において、光経路の開通・廃止、経路の変更、波長の変更制御はいずれも一波長の信号を対象として説明したが、複数波長に対して制御を行うことももちろん可能である。複数波長に対して制御を行う場合、一括して制御を行ってもよいし、一波長ずつ制御を行うこととしてもよい。
【0084】
例えば、実施例1において図4に示した波長変更の手順を実施したのち、同様の制御をλに対してλへ変更する手順として行うということも可能であるが、例えばλをλに変更するのと同時にλもλへ変更し、ポート選択機能を用いてλ、λポートへ切り替える、一括の制御も可能である。
【0085】
また、同様に、光経路の開通・廃止と波長の変更はいずれの場合もそれぞれ独立して行ってもよいし、いくつかの制御を一括して行ってもよい。いずれの場合においても本発明に係る制御方法によれば、開通済みの光経路への影響を与えることなく制御することが可能である。
【0086】
また、図2などに示したように、光ノードの前段および後段に光増幅器を挿入することが一般的ではあるが、本発明の内容および効果がこれらの構成に限定されるものではなく、光増幅器を挿入しない構成であっても本発明を同様に適用可能である。
【0087】
また、実施例1〜6におけるネットワークの光伝送路はシングルモードファイバ、分散シフトファイバあるいはそれらの混在、いずれの場合であっても本発明は同様に適用可能である。
【0088】
また、実施例1〜6において例示されたネットワークの形態は、リングネットワークを基本とした構成であるが、本発明は、ネットワークの形態に依存するものではなく、例えば他の形態、ポイント・トゥ・ポイントネットワーク(図14)あるいはメッシュネットワーク(図15)、スターネットワーク(図16)のいずれの場合においても、本発明の制御方法を適用して、実施例1〜6で説明した結果と同様の結果を得ることが可能である
また、実施例1〜6においては10Gb/sのRZ強度変調信号あるいは40Gb/sのRZ−DQPSK信号を、100GHz間隔、40波、L帯の波長多重伝送システムにおいて適用した場合について述べたが、本発明はこれらに限定されるわけではなく、伝送速度、信号変調方式、波長多重間隔、波長多重数、波長帯域のいずれもその種類によらず、適用でき、同様の効果を得ることができる。特に伝送速度が100Gb/sあるいはそれ以上の場合や波長多重数が44もしくは88、96など、信号変調方式がOOK、ODB、DPSK、DQPSK、QAM、光OFDMあるいはそれらの偏波多重信号、波長帯域がC帯(1530〜1565nm)である場合など、いずれの場合でも本発明を同様に適用できる。
【0089】
また、実施例1〜6における光経路の制御は、ネットワークを管理するオペレーションシステムを通してリモート制御により行うことが望ましいが、本発明は制御方式に依存せず、例えば、リモート制御でない、現場での制御やその他の制御方式を採用する場合にも適用できる。なお、例えば実施例1に記載した制御手順をコマンド制御により、1つの手順ごとにオペレータが行う場合と、統合されたシステム制御により、自動的に制御を行うかは、ネットワークの運用方針や、開発/運用コストによって任意に決定される。
【0090】
また、例えば実施例2に記載の複数リング接続ネットワークにおいて、二つのリングネットワークを統合的に管理するシステムによって、光経路の制御をおこなうことが望ましいが、リングネットワーク個別に管理システムを設置し、システム間の連携もしくはオペレータの設計により制御を行うこともまた可能である。
【0091】
また、実施例1〜6に記載の例によれば複数の光スイッチデバイスが連携して動作を行っているが、それらの動作制御を光ノードのオペレーションシステムが統合的に自動制御を行う場合と、サブシステムレベルでデバイス同士が自律的に連携して動作を制御する場合とが考えられ、いずれの場合も本発明のシステムを構成することが可能であり、本発明の方法による光経路制御を行うことが可能である。また、デバイスが連携して動作する場合においては、動作状態確認や故障検知を行うためのモニタ機能が搭載されていることが一般的であり、これらが適切に配置されることにより、実施例1〜6に記載の光経路制御が可能となる。
【0092】
同様に、ポート選択機能部として、実施例4〜6に記載の構成によるIPルータ、ODU−XC、光マトリクススイッチ等とクライアントインタフェース、光送受信機能、光スイッチ機能(方路選択、光合分波を含む)とが互いに連携して動作する際においても、光ノードのオペレーションシステムが統合的に自動制御を行う場合と、サブシステム同士が自律的に連携して動作を制御する場合とが考えられ、いずれの場合も本発明を適用できるシステムを構成することが可能であり、本発明の方法による光経路制御を行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、光ネットワークにおいて光経路を開通あるいは光波長の変更等を行う際の制御動作に適用できる。
【0094】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0095】
100、200 光ノード
110、210 方路選択機能部
120、220 光分波スイッチ機能部
130、230 光合波スイッチ機能部
140、240 光送受信機能部
150、250 ポート選択機能部
155、257 IPルータ
255 ODU−XC
256 光マトリクススイッチ
160、260 光増幅器
170、270 クライアントインターフェース
180 ノード制御機能部
10 入出力ファイバアレイ
20 レンズ
30 グレーティング
40 ミラーアレイ
R1、R2 リングネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長多重された光信号を伝送する光ネットワークを構成し、波長単位で光信号の分岐及び挿入を行う光合分波スイッチ機能部を備えた光ノードにおける光経路制御方法であって、
前記光ノードにおいて、前記光合分波スイッチ機能部として、2次元配列の入出力ファイバアレイを備えた波長選択スイッチが使用され、
前記波長選択スイッチの入出力ファイバアレイの行又は列ごとに、開通される光経路のグループを構成し、
新たな光経路の開通を行う際に、任意の1つのグループにおいて、前記入出力ファイバアレイの前記グループに対応する行又は列に沿って、ポートスキャン方向と逆方向に、スキャン開始位置側に向かう順番で各ポートの光経路を開通する
ことを特徴とする光経路制御方法。
【請求項2】
前記光経路に対応する波長を変更する切り替え動作を行う際に、切り替えを行う波長に対応するポートが属していないグループにおいて、新たに変更後の波長での光経路を請求項1に記載の光経路制御方法によって開通し、前記光ノードが備えるポート選択機能部によって、新たに開通した光経路への切り替えを行う
ことを特徴とする光経路制御方法。
【請求項3】
光経路の廃止を行う際に、当該光経路の光信号に関して、前記光合分波スイッチ機能部よりも上流側に位置する機能部のいずれかによってあらかじめ当該光信号を遮断した後に、前記光合分波スイッチ機能部における前記光経路の廃止を行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光経路制御方法。
【請求項4】
前記波長選択スイッチの入出力ファイバアレイにおける空きポートが属するグループ内で、当該空きポートよりも前記スキャン開始位置側に存在する他のポートにおいて光経路が開通されている場合に、
前記他のポートの光経路を、前記空きポートで新たに開通して切り替えを行い、以降、スキャン開始位置側に向けて順番に、空きポートにおいて、開通済みポートにおける光経路を開通して切り替えを行うことにより、開通済みポートと別の開通済みポートとの間に空きポートが生じないようにポートの編集を行う
ことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の光経路制御方法。
【請求項5】
前記光ノードは、波長多重された光信号を一方の方路から受信し、波長ごとに転送、分岐、又は挿入を選択し、転送する光信号を他方の方路に送出する2degree−ROADMノードである
ことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の光経路制御方法。
【請求項6】
前記光ノードは、波長多重された光信号を3以上の複数の方路から受信し、方路ごとかつ波長ごとに交換、分岐、又は挿入を選択し、交換する光信号を他の3以上の複数の方路のいずれかへ伝送する波長クロスコネクトノードである
ことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の光経路制御方法。
【請求項7】
前記光ノードにおいて、収容されたクライアント信号に対応させる光送受信機能部を選択するためのポート選択機能部として、IPルータ装置を使用する
ことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の光経路制御方法。
【請求項8】
前記光ノードにおいて、収容されたクライアント信号に対応させる光送受信機能部を選択するためのポート選択機能部として、ODU(Optical−channel Data Unit)クロスコネクト装置を使用する
ことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の光経路制御方法。
【請求項9】
前記光ノードにおいて、収容されたクライアント信号に対応させる光送受信機能部を選択するためのポート選択機能部として、光マトリクススイッチを使用する
ことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の光経路制御方法。
【請求項10】
前記光ノードは、収容されたクライアント信号に対応させる光送受信機能部を選択するためのポートの切り替えを、提供中のサービスおよびアプリケーションがクライアント側で中断されないように、無瞬断で行う
ことを特徴とする請求項1ないし9のうちいずれか1項に記載の光経路制御方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−259380(P2011−259380A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134317(P2010−134317)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】