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光触媒塗装体、および光触媒コーティング液
説明

光触媒塗装体、および光触媒コーティング液

【課題】エナメル塗装面やクリア塗装面の劣化を抑制するように2μmをこえる厚膜で塗膜する場合でも高度な光触媒ガス分解活性を得ることの可能な光触媒塗装体および光触媒コーティング液を提供すること。
【解決手段】基材表面に光触媒層を備えた光触媒塗装体であって、前記光触媒層は、光触媒コーティング液を塗布後乾燥させることにより得られ、前記光触媒コーティング液は、光触媒性酸化チタン粒子と、酸化ニオブ粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、を備え、前記光触媒性酸化チタン粒子及び前記酸化ニオブ粒子は硬化性シリコーンエマルジョンよりも粒径が小さいことを特徴とする光触媒塗装体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に基材劣化を抑制しつつ有害ガス分解性に優れる光触媒塗装体に関する。
あるいは、建造物、乗物およびそれらを構成する部材、複合材に基材劣化を抑制しつつ有害ガス分解性等の光触媒機能をコーティング層を形成することにより付与可能な光触媒コーティング液に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化チタンなどの光触媒が、近年建築物の建造物、乗物およびそれらを構成する部材、複合材など多くの用途において利用されている。
屋外用途については、基材表面に光触媒を塗装することにより、光エネルギーを利用してNOx、SOx等の有害物質の分解機能を付与することが可能となる。
また屋内用途についても、光エネルギーを利用してVOC等の有害物質の分解機能を付与したり、抗菌機能を付与したりすることが可能となる。
【0003】
建築物の建造物、乗物およびそれらを構成する部材、複合材などの場合、上記光触媒機能を付与したい基材の表面は、意匠性を持たせるためにエナメル塗装されていたり、エナメル塗装の上にクリア塗装されている場合が多い。
そこに直接光触媒層を形成しようとすると、エナメル塗装面やクリア塗装面は主として有機物で構成されているため、長期的には光触媒層と上記塗装面の界面に存在する光触媒粒子により塗装面が劣化するという問題を生じる。
【0004】
そのために、従来、エナメル塗装面やクリア塗装面と、光触媒層との間に、無機成分の多いバリア層を形成することが行われている(特開2007−167718号公報)。
しかし、バリア層を形成すると、コストアップになるだけでなく、工数がかかり、手軽に光触媒機能を付与できない。
【0005】
そこで、エナメル塗装面やクリア塗装面の劣化を抑制しつつ光触媒機能を発揮し、さらに好適には塗布時に異臭や環境汚染がなく、最も好適には基材表面の紫外線による劣化も抑制する、基材に直接塗布して光触媒機能層を形成する、光触媒塗装体、あるいは光触媒コーティング液が必要とされる。
【0006】
このような基材に直接1コートで光触媒機能を発揮する光触媒コーティング組成物としては、例えば、シラン変性された光触媒粒子と、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が7〜20mmol/gであるコロイダルシリカと、珪素原子に結合したアルコキシ基及び/又は水酸基の含有量が1〜20mmol/gである重合体エマルジョン粒子を含んでなる水系有機・無機複合組成物が知られている(特開2008−222887号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−167718号
【特許文献2】特開2008−222887号
【特許文献3】特開2007−185556号
【発明の概要】
【0008】
しかしながら、特開2008−222887号公報では、エナメル塗装面やクリア塗装面の劣化を抑制するように2μmをこえる厚膜で塗膜する場合に、高度な光触媒分解活性が得られない。
そこで、本発明では、上記事情に鑑み、エナメル塗装面やクリア塗装面の劣化を抑制するように2μmをこえる厚膜で塗膜する場合でも高度な光触媒ガス分解活性を得ることが可能な光触媒塗装体および光触媒コーティング液を提供することを目的とする。
【0009】
すなわち、本発明は、基材表面に光触媒層を備えた光触媒塗装体であって、前記光触媒層は、光触媒コーティング液を塗布後乾燥させることにより得られ、前記光触媒コーティング液は、光触媒性酸化チタン粒子と、酸化ニオブ粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、を備え、前記光触媒性酸化チタン粒子及び前記酸化ニオブ粒子は硬化性シリコーンエマルジョンよりも粒径が小さいことを特徴とする光触媒塗装体である。
【0010】
また、本発明による光触媒コーティング液は、光触媒性酸化チタン粒子と、酸化ニオブ粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、水と、を備え、前記光触媒性酸化チタン粒子及び前記酸化ニオブ粒子は硬化性シリコーンエマルジョンよりも粒径が小さいことを特徴とする光触媒コーティング液である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
光触媒塗装体
本発明による光触媒塗装体は、基材表面に光触媒層を備えた光触媒塗装体であって、前記光触媒層は、光触媒コーティング液を塗布後乾燥させることにより得られ、前記光触媒コーティング液は、光触媒性酸化チタン粒子と、酸化ニオブ粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、を備え、前記光触媒性酸化チタン粒子及び前記酸化ニオブ粒子は硬化性シリコーンエマルジョンよりも粒径が小さいことを特徴とする光触媒塗装体である。
このような構成にすることにより、エナメル塗装面やクリア塗装面の劣化を抑制するように2μmをこえる厚膜で塗膜する場合でも高度な光触媒ガス分解活性を得ることの可能な光触媒塗装体を提供することが可能となる。
光触媒コーティング液を基材に塗布し乾燥したときに、光触媒性酸化チタン粒子と、酸化ニオブ粒子は水との親和性があり、かつエマルジョンより粒径を小さくしているために水が表面に拡散し蒸発する際に、表面に移動しやすい。そのため、乾燥時に光触媒性酸化チタン粒子および酸化ニオブ粒子はを表面に高濃度で集中する。ここで、酸化ニオブ粒子は常温でも粒子状態を保持したまま強固に結合する性質を有する。
従って、硬化完了後には、基材側ではシリコーンエマルジョンが高濃度となって基材と密着し、表面側では光触媒性酸化チタン粒子および酸化ニオブ粒子により粒子リッチとなる。おそらくそのことにより、表面側におけるガス透過性が良好になり、光触媒ガス分解性が向上すると考えられる。
【0012】
本発明の好ましい形態によれば、前記硬化性シリコーンエマルジョンは、前記硬化性シリコーンエマルジョン、前記光触媒性酸化チタン粒子および前記酸化ニオブ粒子の合計質量に対して80%以上である、好ましくは90%以上であるようにする。
80%以上にすることにより、2μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることができるとともに、着色剤を添加しない場合に透明な光触媒層が形成可能となる。
さらに、90%以上にすることにより、5μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることができるとともに、着色剤を添加しない場合に透明な光触媒層が形成可能となる。
【0013】
本発明の好ましい形態によれば、前記光触媒層の膜厚は、2μmをこえ20μm未満、好ましくは5μmをこえ20μm未満であるようにする。
そうすることで、基材への紫外線の影響を低めることができ、紫外線による基材の劣化を有効に抑制できる。
【0014】
本発明の好ましい形態によれば、前記光触媒層は透明であるようにする。
そうすることで、基材がエナメル塗装やクリア塗装の場合、その意匠性を有効に活かしつつ2μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることの可能な光触媒塗装体を提供することがより容易となる。
【0015】
ここで、「透明」の度合いとしては、波長550nmにおいての光触媒層の直線透過率を70%以上、より好ましくは80%以上確保するとより好ましい。そうすることで下地の色味、意匠を損なうことなく表現することが可能となる。また透明度の高いガラスやプラスチックなどにコーティングしても透明性を損なわずに済む。
【0016】
本発明の好ましい形態によれば、光触媒性酸化チタン粒子としては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンや、これら粒子を複数種複合させた粒子や、これら粒子に銅、白金、鉄、パラジウム、銀、金等の金属を複合、あるいはドープした粒子や、これら粒子の表面をシランやシリコーンや加水分解性金属塩で一部被覆、変性処理した粒子等が好適に利用可能である。
【0017】
本発明の好ましい形態によれば、光触媒性酸化チタン粒子は10nm以上100nm未満の平均粒径を有するのが好ましく、より好ましくは10nm以上60nm以下である。なお、この平均粒径は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定した個数平均値として算出される。
【0018】
粒子の形状としては真球が最も良いが、略円形や楕円形でも良く、その場合の粒子の長さは((長径+短径)/2)として略算出される。この範囲内であると、耐候性、有害ガス分解性、および所望の各種被膜特性(透明性、塗膜強度等)が効率良く発揮される。
【0019】
また、本発明の好ましい態様によれば、光触媒性酸化チタン粒子は3nm以上30nm未満の平均結晶子径を有するのが好ましく、より好ましくは5nm以上20nm以下である。なお、この平均粒径は、粉末X線回折法により得られるX線プロファイルの3強線の積分幅からシェラー式により算出される。
【0020】
本発明の好ましい形態によれば、光触媒性酸化チタン粒子の含有量は、乾燥質量(固形分質量)で、前記硬化性シリコーンエマルジョン、前記光触媒性酸化チタン粒子および前記酸化ニオブ粒子の合計質量に対して0.1質量%を超え15質量%未満、より好ましくは0.5質量%を超え5質量%未満であるようにする。上記範囲とすることで、光触媒の分解機能を有効に発揮するとともに、基材および中間層の耐候性を熱帯等での長期の使用にも耐えうる程度まで向上させることが可能となるとともに、光触媒による基材および中間層の劣化も抑制可能となる。すなわち、光触媒層での紫外線吸収機能および温帯、亜寒帯地方の太陽光照射下での優れた光触媒機能と充分な耐候性を同時に発揮できる。
【0021】
本発明の好ましい形態によれば、酸化ニオブ粒子は、好ましくは1nmを超え50nm以下、より好ましくは3nmを超え30nm以下の平均粒径を有する。なお、この平均粒径は、走査型電子顕微鏡により20万倍の視野に入る任意の100個の粒子の長さを測定した個数平均値として算出される。粒子の形状としては真球が最も良いが、略円形や楕円形でも良く、その場合の粒子の長さは((長径+短径)/2)として略算出される。
1nmを超え50nm以下、より好ましくは3nmを超え30nm以下であることで、酸化ニオブ粒子が硬化性シリコーンエマルジョンの間隙を表面にに移動しやすくなる。
【0022】
硬化性シリコーンエマルジョンとは、基材に塗布し乾燥する際に、シリコーンエマルジョン中に存在する官能基により硬化重合反応を生じ、それに伴い硬化膜を生成しうるシリコーンエマルジョンをいう。
ここで、硬化反応には、加水分解・縮合反応、光重合反応等が好適に利用できる。
硬化反応が加水分解・縮合反応の場合には、官能基としてアルコキシド基を有し、加水分解・縮合反応によりシロキサン結合を生成する硬化性シリコーンエマルジョンが好適に利用できる。
【0023】
硬化性シリコーンエマルジョンには、上記硬化反応を生じる官能基の他に、乳化重合による有機架橋部が存在する。
有機架橋部は、ビニル基とビニル基が重合したエチレン架橋部のようなラジカル重合により生成した架橋部が好適に利用できる。ラジカル重合により生成した架橋部であれば、特に炭化水素基に限定されず、種々の変性基の組合せが好適に利用可能である。
【0024】
硬化性シリコーンエマルジョンには、上記硬化反応を生じる官能基、有機架橋部以外に珪素原子に結合する有機基が存在してもよい。ここで、有機基としては、アルキル基、フェニル基、シクロアルキル基等の炭化水素基や、その水素の一部が変性基に置換された有機基が挙げられる。ここで、変性基としては、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、アクリル基、エポキシ基等が好適に利用できる。
【0025】
次に、エマルジョンの乳化剤として使用される界面活性剤について述べる。界面活性剤としては、従来公知のノニオン系、カチオン系、アニオン系各種界面活性剤、及びラジカル重合可能な官能基を含有する反応性乳化剤が適用可能である。更に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステルなどのノニオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライドなどのカチオン系界面活性剤、アルキル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスルフォン酸塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩などのアニオン系界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型などの両性イオン型界面活性剤、特開平8−27347号公報中に記されている分子中にスルフォン酸塩、ポリオキシエチレン鎖、第4級アンモニウム塩などの親水性基を含有するラジカル重合可能な(メタ)アクリレート、スチレン、マレイン酸エステル化合物などの誘導体を含む各種反応性界面活性剤を示すことができる。
【0026】
これらの界面活性剤は1種又は2種以上を使用してもよい。界面活性剤は、エマルジョン中の樹脂固形分の0.5〜15重量%使用するのが好ましく、特には1〜10重量%使用するのがよい。
【0027】
本発明では光触媒層中に酸化ニオブ粒子以外の無機酸化物粒子が含まれていてもよい。無機酸化物粒子は、光触媒粒子と共に層を形成可能な無機酸化物の粒子であれば特に限定されず、あらゆる種類の無機酸化物の粒子が使用可能である。そのような無機酸化物粒子の例としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、イットリア、酸化錫、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト、ハフニア等の単一酸化物の粒子;およびチタン酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の複合酸化物の粒子が挙げられる。
【0028】
本発明の好ましい態様によれば、さらに高い光触媒能を発現するために、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、銅、銀、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属および/またはその金属からなる金属化合物を、添加してもよい。この添加は、前記金属または金属化合物をコーティング液に混合し、溶解または分散させる方法、前記金属または金属化合物を光触媒層や光触媒粒子に担持する方法、などのいずれの方法によっても行うことができる。
【0029】
光触媒層中に、紫外線吸収剤を配合させてもよい。紫外線吸収剤の含有量は、光触媒活性及び/又は親水性の発現を阻害せずに耐候性を向上できる量であれば制限はないが、例えば、光触媒体に0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%含有させることが好ましい。
【0030】
本発明に使用できる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系紫外線吸収剤を好適に例示することができる。
【0031】
とりわけ、トリアジン系紫外線吸収剤が化学的に安定なため好ましい。トリアジン系紫外線吸収剤として具体的には、ヒドロキシフェニルトリアジンまたはその誘導体が好適に利用できる。
【0032】
上記ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ステアリルオキシベンゾフェノン、オクタベンゾン、及び2−ヒドロキシ−4−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−ジエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−トリエトキシ)ベンゾフェノン等の重合性のベンゾフェノン系紫外線吸収剤やそれらの(共)重合物などが挙げられる。
【0033】
また、上記ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤として具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール)、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物(チバジャパン(株)製、製品名:TINUVIN−1130)、イソオクチル−3−〔3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート(チバジャパン(株)製、製品名:TINUVIN−384)、2−(3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(チバジャパン(株)製、製品名:TINUVIN−571)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル 〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(チバジャパン(株)製、製品名:TINUVIN−900)、及び2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学(株)製、製品名:RUVA−93)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチル−3−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリリルオキシプロピル−3−tert−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、3−メタクリロイル−2−ヒドロキシプロピル−3−〔3’−(2”−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル〕フェニルプロピオネート(チバジャパン(株)製、製品名:CGL−104)等の重合性のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やそれらの(共)重合物の他、TINUVIN−384−2(製品名、チバジャパン(株)製)、TINUVIN−99−2(製品名、チバジャパン(株)製)、TINUVIN−109(製品名、日本チバガイギー(株)製)、TINUVIN−328(製品名、チバジャパン(株)製)、TINUVIN−928(製品名、日本チバガイギー(株)製)などが挙げられる。
【0034】
また、本発明の光触媒層において、ヒンダードアミン系及び/又はヒンダードフェノール系等の光安定剤を更に含有するものは、上記紫外線吸収剤との相乗効果により、本発明の光触媒層は卓越した耐候性、耐光性を示すため好ましい。
【0035】
特に、本発明の好ましい形態によれば、紫外線吸収剤としてヒドロキシフェニルトリアジン化合物を、光安定剤としてヒンダードアミン化合物を配合させるとよい。そうすることで、光触媒層による380nm未満の短波長の紫外線の吸収性能が安定する。
【0036】
本発明の光触媒層中の光安定剤の含有量は、光触媒活性及び/又は親水性の発現を阻害せずに耐候性を向上できる量であれば制限はないが、例えば光触媒層に0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%含有させることが好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物(チバジャパン(株)製、製品名:TINUVIN−292)、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、TINUVIN−123(製品名、日本チバガイギー(株)製)、TINUVIN−111FDL(製品名、チバジャパン(株)製)、TINUVIN292(製品名、チバジャパン(株)製)、及び1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートなどの重合性のヒンダードアミン系紫外線吸収剤やそれらの(共)重合物を挙げることができる。
【0037】
また、ヒンダードフェノール系光安定剤の具体例としては、ビス(3,5−tert−ブチル)−4−ヒドロキシトルエン、TINUVIN−144(製品名、日本チバガイギー(株)製)等を挙げることができる。
【0038】
光触媒コーティング液には任意成分として、エマルジョンの乳化剤以外に、コーティング液中に界面活性剤を配合してもよい。
本発明の好ましい態様においては、界面活性剤は、光触媒粒子1重量部に対して、10重量部未満、より好ましくは、0.1〜2重量部程度添加されるのが好ましい。
【0039】
本発明による光触媒コーティング液に添加が可能な界面活性剤の例としては、スルホン酸ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルアンモニウム塩、スルホン酸ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルナトリウム塩、脂肪酸ナトリウムセッケン、脂肪酸カリセッケン、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルサルフェートソーダ塩、アルキルエーテルサルフェートソーダ塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートソーダ塩、アルキルサルフェートTEA塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートTEA塩、2−エチルヘキシルアルキル硫酸エステルナトリウム塩、アシルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリカルボン酸、オレオイルザルコシン、アミドエーテルサルフェート、ラウロイルザルコシネート、スルホFAエステルナトリウム塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウラート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレエート、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ソルビタンラウラート、ソルビタンステアレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、グリセロールステアレート、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルアルキロールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、オキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレンアルキルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンステアレート等のノニオン性界面活性剤;ジメチルアルキルベタイン、アルキルグリシン、アミドベタイン、イミダゾリン等の両性界面活性剤、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン4級塩、アルキルイソキノリニウムブロマイド、高分子アミン、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルイミダゾリン4級塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、アルキルプロピレンジアミン酢酸塩、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0040】
光触媒層には、有機防カビ剤が配合されていてもよい。例として、有機窒素硫黄系化合物、ピリチオン系化合物、有機ヨウ素系化合物、トリアジン系化合物、イソチアゾリン系化合物、イミダゾール系化合物、ピリジン系化合物、ニトリル系化合物、チオカーバメート系化合物、チアゾール系化合物、有機よう素化合物、ジスルフィド系化合物が挙げられ、単独もしくは混合物として用いられる。防カビ剤は一般に藻を防ぐ効果も合わせ持つものが多いことから、防カビ剤を添加することによって、カビと藻の両方を抑制することも期待できる。
【0041】
光触媒コーティング液
本発明による光触媒コーティング液は、光触媒性酸化チタン粒子と、酸化ニオブ粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、水と、を備え、前記光触媒性酸化チタン粒子及び前記酸化ニオブ粒子は硬化性シリコーンエマルジョンよりも粒径が小さいことを特徴とする光触媒コーティング液である。
光触媒コーティング液を基材に塗布し乾燥したときに、光触媒性酸化チタン粒子と、酸化ニオブ粒子は水との親和性があり、かつエマルジョンより粒径を小さくしているために水が表面に拡散し蒸発する際に、表面に移動しやすい。そのため、乾燥時に光触媒性酸化チタン粒子および酸化ニオブ粒子はを表面に高濃度で集中する。ここで、酸化ニオブ粒子は常温でも粒子状態を保持したまま強固に結合する性質を有する。
従って、硬化完了後には、基材側ではシリコーンエマルジョンが高濃度となって基材と密着し、表面側では光触媒性酸化チタン粒子および酸化ニオブ粒子により粒子リッチとなる。おそらくそのことにより、表面側におけるガス透過性が良好になり、光触媒ガス分解性が向上すると考えられる。
【0042】
本発明の好ましい形態によれば、前記硬化性シリコーンエマルジョンは、乾燥質量(固形分質量)換算で、前記硬化性シリコーンエマルジョン、前記光触媒性酸化チタン粒子および前記酸化ニオブ粒子の合計質量に対して80%以上であるようにする。
80%以上にすることにより、2μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることができるとともに、着色剤を添加しない場合に透明な光触媒層が形成可能となる。
さらに、90%以上にすることにより、5μmをこえる厚膜のような、表面に移動行程の長い膜においても、高度な光触媒分解活性を得ることができるとともに、着色剤を添加しない場合に透明な光触媒層が形成可能となる。
【0043】
光触媒コーティング液には、上記「光触媒性酸化チタン粒子」、「酸化ニオブ粒子」、「硬化性シリコーンエマルジョン」の他、下記に限定されないが、「酸化ニオブ粒子以外の無機酸化物粒子」、「金属または金属化合物」、「紫外線吸収剤」、「光安定剤」、「界面活性剤」、「有機防カビ剤」等を配合させることができる。
尚、「光触媒性酸化チタン粒子」、「酸化ニオブ粒子」、「硬化性シリコーンエマルジョン」に関連する事項、「酸化ニオブ粒子以外の無機酸化物粒子含有」、「金属または金属化合物添加」、「紫外線吸収剤の配合」、「光安定剤の配合」、「界面活性剤の配合」、「防藻剤の配合」については、「光触媒塗装体」の項で述べた全ての内容が好適に利用できる。
【0044】
本発明の光触媒コーティング液においては、水に可溶又は水と均一分散可能な沸点が100℃以上の被膜形成助剤を配合することができる。この被膜形成助剤は大部分の水分が気化した後も被膜中に残存し、完全硬化するまで被膜に流動性を付与することにより気化時に荒れた被膜の修復を行い、特に被膜に均一性を付与するものである。良好な被膜を得るためには、非反応性の被膜形成助剤は最終的には硬化被膜から消失することが必要であり、エステル交換反応によりケイ素原子と結合する可能性のある水酸基は含まないことが好ましい。そのため、被膜形成助剤は100℃以上、好ましくは100〜250℃、特に100〜200℃の沸点の有機溶剤であることが好ましい。沸点が高すぎると被膜中に残存しやすくなることがある。具体的には、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソペンチルアルコール、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール類、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のポリオール類、2−ブトキシエタノール、2−フェノキシエタノール、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート等のエチレングリコール誘導体、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−メチルエチルアセタート、1−エトキシ−2−メチルエチルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のプロピレングリコール誘導体、3−メトキシブチルアセタート等のブチレングリコール誘導体、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン、ジブチルフタレート等のエステル類等を例示することができる。特に、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、1−エトキシ−2−メチルエチルアセタート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のアルキレングリコール誘導体がレベリング性の点から好ましい。これらの有機溶剤は、メタノールやエタノール等の低沸点アルコール類と比較して水溶性に劣るため、エマルジョンの安定性を損なわず、均一な被膜の形成にのみ寄与する。
【0045】
上記被膜形成助剤の添加量は、シリコーン樹脂100重量部に対して0〜20重量部、特に1〜15重量部とすることが好ましい。20重量部を超えて添加すると、硬化終了後も被膜中に残存する被膜形成助剤の量が多くなるため、被膜の特性が不十分なものとなることがある。
【0046】
本発明の光触媒コーティング液の溶媒は、主として水である。それにより塗膜形成時に有機物の揮発、蒸発に伴う異臭、環境汚染を有効に防止できる。
【0047】
また、光触媒コーティング液の固形分濃度は特に限定されないが、1〜10質量%とするのが塗布し易い点で好ましい。なお、光触媒コーティング液中の構成成分の分析は、コーティング液を限外ろ過によって粒子成分と濾液に分離し、それぞれを赤外分光分析、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、蛍光X線分光分析などで分析し、スペクトルを解析することによって評価することができる。
【0048】
なお、上記「光触媒塗装体」「光触媒コーティング液」の項で述べた内容は、任意に組合わせることが可能である。
【0049】
光触媒塗装体の製造方法
本発明の光触媒塗装体は、上記光触媒コーティング液を、基材上に塗布することにより簡単に製造することができる。光触媒層の塗装方法は、前記液剤を刷毛塗り、ローラー、スプレー、ロールコーター、フローコーター、ディップコート、流し塗り、スクリーン印刷等、一般に広く行われている方法を利用できる。コーティング液の基材への塗布後は、常温乾燥させればよく、あるいは必要に応じて加熱乾燥してもよい。
【0050】
基材
本発明に用いる基材は、無機材料、有機材料、複層材料を問わず種々の材料であってよく、その形状も限定されない。材料の観点からみた基材の好ましい例としては、金属、セラミック、ガラス、プラスチック、ゴム、石、セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、木、紙、それらの組合せ、それらの積層体、それらの表面に少なくとも一層の被膜を有するものが挙げられる。用途の観点からみた基材の好ましい例としては、建材、建物外装および内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、交通標識、各種表示装置、広告塔、道路用遮音壁、鉄道用遮音壁、橋梁、ガードレ−ルの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、屋外用照明器具、台、浴室材、キッチンパネル、流し台、レンジ、換気扇、空調、フィルター、便器、浴槽及び上記物品表面に貼着させるためのフィルム、シート、シール等が挙げられる。
【0051】
特に、本発明の光触媒塗装体は、太陽光に晒され、太陽光に含まれる紫外線により光触媒が光励起され、ガス分解や防カビ等の光酸化作用を生じるとともに、その紫外線により基材の劣化が生じるおそれのある利用形態で用いられるのが、特に好ましい。
そうような用途としては建材、建物外装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、交通標識、広告塔、看板、道路用遮音壁、鉄道用遮音壁、橋梁、ガードレ−ルの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、屋外用照明器具、道路舗装等が挙げられる。
【実施例】
【0052】
本発明を以下の例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0053】
実施例1.
アナターゼ型酸化チタン粒子(平均結晶子径10nm)1.3質量部、酸化ニオブ粒子(平均粒径15nm)8.7質量部、メチル基およびフェニル基を含有する硬化性シリコーンエマルジョン90質量部配合した固形分濃度25質量%の光触媒水性コーティング液を調製し、透明なアクリル基材上に150℃×5分乾燥、光触媒塗装体を得た。
得られた光触媒塗装体の光触媒層を断面観察したところ、膜厚は約7μmであり、アナターゼ型酸化チタン粒子と酸化ニオブ粒子が表面に高濃度に存在する様子が観察された。
また、光触媒塗装体の表面から観察したところ、塗装体を載置していた実験台が透けてみえた。
この光触媒塗装体について、光触媒分解活性を、NOx分解性能を調べることにより確認した。ここで、光触媒によるNOx分解機能は、JISR1701−1「光触媒材料の空気浄化性能試験方法−第1部:窒素酸化物の除去性能」の試験法で行った。その結果、ΔNOxが0.5μmolを大幅に上回り、良好な結果を示した。
【0054】
実施例2.
アナターゼ型酸化チタン粒子(平均結晶子径10nm)1.3質量部、酸化ニオブ粒子(平均粒径15nm)8.7質量部、ジメチルシリル基を含有する硬化性シリコーンエマルジョン90質量部配合した固形分濃度25質量%の光触媒水性コーティング液を調製し、透明なアクリル基材上に150℃×5分乾燥、光触媒塗装体を得た。
得られた光触媒塗装体の光触媒層を断面観察したところ、膜厚は約7μmであり、アナターゼ型酸化チタン粒子と酸化ニオブ粒子が表面に高濃度に存在する様子が観察された。
また、光触媒塗装体の表面から観察したところ、塗装体を載置していた実験台が透けてみえた。
この光触媒塗装体について、光触媒分解活性を、NOx分解性能を調べることにより確認した。ここで、光触媒によるNOx分解機能は、JISR1701−1「光触媒材料の空気浄化性能試験方法−第1部:窒素酸化物の除去性能」の試験法で行った。その結果、ΔNOxが0.5μmolを大幅に上回り、良好な結果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材表面に光触媒層を備えた光触媒塗装体であって、
前記光触媒層は、光触媒コーティング液を塗布後乾燥させることにより得られ、
前記光触媒コーティング液は、光触媒性酸化チタン粒子と、酸化ニオブ粒子と、硬化性シリコーンエマルジョンと、を備え、
前記光触媒性酸化チタン粒子及び前記酸化ニオブ粒子は硬化性シリコーンエマルジョンよりも粒径が小さいことを特徴とする光触媒塗装体。
【請求項2】
前記硬化性シリコーンエマルジョンは、前記硬化性シリコーンエマルジョン、前記光触媒性酸化チタン粒子および前記酸化ニオブ粒子の合計質量に対して80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光触媒塗装体。
【請求項3】
前記光触媒層の膜厚は、2μmをこえ20μm未満であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の光触媒塗装体。
【請求項4】
前記光触媒層は透明であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光触媒塗装体。
【請求項5】
光触媒性酸化チタン粒子と、
酸化ニオブ粒子と、
硬化性シリコーンエマルジョンと、
水と、を備え、
前記光触媒性酸化チタン粒子及び前記酸化ニオブ粒子は硬化性シリコーンエマルジョンよりも粒径が小さいことを特徴とする光触媒コーティング液。
【請求項6】
前記硬化性シリコーンエマルジョンは、前記硬化性シリコーンエマルジョン、前記光触媒性酸化チタン粒子および前記酸化ニオブ粒子の合計質量に対して80%以上であることを特徴とする請求項5に記載の光触媒コーティング液。

【公開番号】特開2011−31123(P2011−31123A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177254(P2009−177254)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】