説明

光触媒空気循環装置

【課題】 作成容易な光触媒フィルターを備え、空気中の種々の悪臭成分や有機化合物等有害物質を分解し空気を効率よく浄化する光触媒空気循環装置を得る。
【解決手段】 室内の床面近く及び天井近くに開口21、22を有しその間のダクト2内に設置された送風機5とからなる空気循環装置において、チタン溶液と塩基性物質から作製した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させた後に摂氏80〜200度にて加熱処理することによって得られたアナターゼからなる酸化チタン微粒子を分散した液体を薄板状基体に塗布あるいは含浸させた後に乾燥あるいは加熱処理してチタニア膜を担持してなる光触媒フィルター4をダクト2の中間を封止するごとく横断して配置し、各光触媒フィルター3と平行に、即ち所定数の光触媒フィルター3と同じくダクト2の中間を封止するごとく横断して所定数の紫外線ランプ4を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の床面近く及び天井近くに開口を有しその間を空気循環通路としたダクトとこのダクト内に設置され床面近くの開口から天井近くの開口へ空気を送る送風機とからなる空気循環装置において、摂氏80〜200度という低温で製造出来る光触媒と光源を用い乾燥あるいは基体の耐熱温度範囲で加熱処理して空気中の種々の悪臭成分や有機化合物等有害物質を分解し、室内の空気を循環しながら効率よく浄化するようにした光触媒空気循環装置に関するものである。
【技術背景】
【0002】
従来の空気循環装置は、例えば特開2001−174016号公報に示す如く、空調室内の床面近く及び天井近くに開口を有しその間を空気循環通路としたダクトとこのダクト内に設置され床面近くの開口から天井近くの開口へ空気を送る送風機とからなり、冷房時や暖房時に室内空気を循環させることにより快適性と省エネ効果を発揮するものがある。
【0003】
また、光触媒と光源を用いた光触媒空気循環装置として、特公平6−102155号公報に示すごとく、冷蔵庫・空気調節器等のダクトに紫外線ランプを設け、その紫外線照ランプの周囲に活性炭・アルミナ・シリカ等からなる吸着剤と酸化チタン・酸化錫・酸化亜鉛等からなる光触媒とCu.Zn.Sn等の少なくとも1種を含有する第2成分との混合物等を活性炭ハニカム担体にコーティングし、摂氏300度以上や500度以上の高温で焼成してなる脱臭剤を配置し、その脱臭剤の下流側に送風機を設けてなる脱臭装置であり、送風機の回転により、悪臭ガスを含んでいる空気が脱臭剤を通過して悪臭ガス成分が吸着され、紫外線照ランプの作用により、分解して脱臭され、脱臭された空気が系外に放出されるようにしたもの、又は紫外線ランプの上流側に脱臭剤を設け、下流側に吸着剤を配置し、脱臭剤で分解された悪臭成分ガスの分解生成物を、吸着剤で吸着することによりほぼ完全に除去できるようにしたものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の空気循環装置は、冷房時や暖房時に室内空気を循環させることにより快適性と省エネ効果を発揮するものであるが、室内空気の浄化や脱臭は出来ないので、低温で製造出来る光触媒と光源を用い乾燥あるいは基体の耐熱温度範囲で加熱処理して空気中の種々の悪臭成分や有機化合物等有害物質を分解し、室内の空気を循環しながら効率よく浄化することが出来るようにすることを目的とする。
【0005】
また、従来例の特公平6−102155号公報に示す構成では、前記脱臭剤は活性炭ハニカム担体にコーティングし、摂氏数百度の高温で焼成してなるものであり、摂氏数百度の高温が必要ということは設備的にも大変であり作業も困難であり、また活性炭ハニカム担体にコーティングしてあるので、紫外線ランプによる照射効率が悪く、悪臭成分ガスの分解効率は低い。
【0006】
基体上に酸化チタンを含む光触媒膜を形成することが可能なアナターゼ分散液を摂氏80〜200度という比較的低温で製造する方法として、特許第2875993号公報に示すごとく、チタン含有液体から沈殿形成によって形成した水酸化チタン、もしくはチタン酸化物を水中に分散した液に過酸化水素を添加してペルオキソチタン溶液とした後に摂氏80〜200度において加熱処理して製造するアナターゼ分散液の製造方法や、特許第2938376号公報に示すごとく、チタンを含む水溶液と塩基性物質から作製した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させた後に、摂氏80度以上において加熱処理あるいはオートクレープ中において加熱処理したことによって得られたアナターゼからなる酸化チタン微粒子を分散した液体を、基体に塗布あるいは含浸させた後に、乾燥あるいは比較的低温で加熱処理して安定なチタニア膜を作製する方法があり、いずれも高密度の密着性に優れた結晶性チタニア膜が低温で作成可能であり、且つ、酸や有機物の如き不純物を含まず、中性であり焼成によって有害な副生成物が出ず、長期安定性が高く取り扱いやすいものである。本発明はこれら摂氏80〜200度という低温で得られたアナターゼ分散液体を乾燥あるいは基体の耐熱温度範囲で加熱処理して製造出来る光触媒フィルターを用い空気中の種々の悪臭成分や有機化合物等有害物質を分解し空気を効率よく浄化する光触媒空気循環装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は室内の床面近く及び天井近くに開口を有しその間を空気循環通路としたダクトと、このダクト内に設置され床面近くの開口から室内の空気を吸い込み天井近くの開口からダクト内の空気を排出する送風機と、前記ダクトの中間を封止するごとく横断して配置した所定数の光触媒フィルターと、これら所定数の光触媒フィルターに紫外線を照射するように各光触媒フィルターと平行に、即ち所定数の光触媒フィルターと同じくダクトの中間を封止するごとく横断して所定数の紫外線ランプとを備えた光触媒空気循環装置を構成し、前記光触媒フィルターはチタンを含む水溶液と塩基性物質から作製した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させた後に摂氏80〜200度にて加熱処理あるいはオートクレープ中において加熱処理することによって得られたアナターゼからなる酸化チタン微粒子を分散した液体を繊維加工品である紙・布・不織布等通気性があり可撓性がある薄板状基体に塗布あるいは含浸させた後に、乾燥あるいは基体の耐熱温度範囲で加熱処理してチタニア膜を担持してなる薄板状の光触媒フィルターとし、前記送風機にて床面近くの開口から室内の空気を吸い込みダクト内の紫外線ランプにて紫外線を照射された光触媒フィルターを通過させ空気に含まれる有害物質を分解して空気を浄化し、同じく送風機にて天井近くの開口からダクト外にこの浄化された空気を排出するものとした。
【0008】
上記構成により、酸や有機物の如き不純物を含まず、中性であり焼成によって有害な副生成物が出ず、長期安定性が高く取り扱いやすい、アナターゼからなる酸化チタン微粒子を分散した液体が低温で加熱する簡単な設備で作成出来、また、光触媒空気循環装置用の薄板状の光触媒フィルターを、このアナターゼ分散液を乾燥あるいは低温である基体の耐熱温度範囲で加熱処理する簡単な設備にて、高密度の密着性に優れた結晶性チタニア膜チタニア膜を担持させて製造出来る。
【0009】
また、上記構成の光触媒空気循環装置を設置した大勢の人が出入りする部屋において、発生するエチレンガス、たばこの煙等有機化合物や悪臭成分である硫黄化合物やシックハウス症候群などを起こすホルマリンやアセトアルデヒトや雑菌等の有害物質を含む汚染空気を、送風機にて床面近くの開口から天井近くの開口へ送るが、紫外線ランプにて紫外線を照射された光触媒フィルターを通過する際に、汚染空気に含まれる有害物質を分解して空気を浄化し、同じく送風機にてダクト外にこの浄化された空気を排出する一連の作用を連続してゆっくり行い、確実に汚染空気を浄化することが出来る。なお、光触媒フィルターの前記薄板状基体は普通の紙や綿等有機繊維でも不活性の前記ペルオキソチタン溶液を塗布し乾燥した後、前述のアナターゼ分散液にて結晶性チタニア膜を形成し2層のコーティング膜とすれば光触媒により有機繊維が分解されなくなるが、ガラス繊維や、シリカゲルを漉き込んだものや、多数の孔を開けたテフロンシート等からなるものとすると1層のコーティング膜でも光触媒により有機繊維のごとく分解されないので好ましい。
【0010】
また、前記所定数の光触媒フィルターと平行に、即ち所定数の光触媒フィルターと同じくダクトの中間を封止するごとく横断している所定数の紫外線ランプは各光触媒フィルターに紫外線を照射するような位置に設けてあり、光触媒フィルターの間に位置する紫外線ランプは紫外線ランプの上下二つの光触媒フィルターに効率良く紫外線を照査し、一方光触媒フィルターの上下に位置する紫外線ランプは挟まれた光触媒フィルターの上流側と下流側の両面に紫外線を照射する。
【0011】
また、前記光触媒フィルターはダクトを横断する有効面積を広くするために波形に成形したものとし、吸引した空気と光触媒との接触面積を広くする(例えばダクト断面積=幅22cm×奥行12cm=264平方cmに対し、高さ8.5cmの波形を10波形成すると、有効面積は≒8.5cm×20×奥行12cm=2040平方cmとなり、約8倍となる。)と、空気浄化効率を向上させることが出来ると同時に、送風機にかかる光触媒フィルターの通風抵抗を大幅に減じられることから、通過する空気の速度を遅くしても通風量が確保出来るので、低消費電力の送風機を用いることが出来、空気浄化効率も更に良くすることが出来る。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上の構成としたから、アナターゼからなる酸化チタン微粒子を分散した液体が低温で加熱する簡単な設備で作成出来、光触媒フィルターをアナターゼ分散液を乾燥あるいは低温である基体の耐熱温度範囲で加熱処理する簡単な設備にて、高密度の密着性に優れた結晶性チタニア膜チタニア膜を担持させて容易に製造出来、また、光触媒空気循環装置を設置した大勢の人が出入りする部屋等において、発生するエチレンガス、たばこの煙等有機化合物や悪臭成分である硫黄化合物やシックハウス症候群などを起こすホルマリンやアセトアルデヒトや雑菌等の有害物質を含む汚染空気を、連続してゆっくり確実に空気浄化出来る光触媒空気循環装置が提供出来る。
【0013】
また、前記所定数の光触媒フィルターに紫外線を照射するように各光触媒フィルターと平行な所定数の紫外線ランプとを備えたから、上下二つの光触媒フィルターに効率良く紫外線を照査するとともに、挟まれた光触媒フィルターの上流側と下流側の両面に紫外線を照射するので、光触媒フィルターの被照射面積が広くなり、光触媒効果が向上し、更に空気浄化効率を向上させることが出来る効果が有る。
【0014】
また、光触媒フィルターは波形に成形したものとしたから、吸引した空気と光触媒との接触面積を広くなり、空気浄化効率を向上させることが出来ると共に、送風機にかかる光触媒フィルターの通風抵抗が大幅に減じられ、通過する空気の速度を遅くしても通風量が確保出来るので、低消費電力の送風機を用いることが出来、空気浄化効率も更に良くすることが出来る効果的な光触媒空気循環装置が提供出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明の実施の形態を図1〜図3により説明する。図1は本発明の一実施例を施した光触媒空気循環装置の構成を示す側面断面図であり、図2は同光触媒空気循環装置の光触媒フィルター取付状態を示す正面図であり、図3は同光触媒空気循環装置によるアンモニアガス分解能力にて空気浄化性能を示す特性図であり、図4は同じくタバコ消火後の空気浄化性能を示す特性図であある。
【実施例1】
【0016】
図1、図2において、1は光触媒空気循環装置であり、室内の床面近く及び天井近くに開口21、22を有しその間を空気循環通路としたダクト2と、このダクト2の中間を封止するごとく横断して配置した所定数(図示では4個)の光触媒フィルター3と、これら所定数の光触媒フィルター3に紫外線を照射するように各光触媒フィルター3と平行に、即ち所定数の光触媒フィルター3と同じくダクト2の中間を封止するごとく横断して所定数(図示は4個)の紫外線ランプ4と、ダクト2内のこれら光触媒フィルター3の下流側(図では上方)に設置され、ダクト2外の汚染空気Aを床面近くの開口21からダクト2内に吸引し天井近くの開口22へ空気を送る送風機5とから構成されている。
【0017】
また、前記所定数の光触媒フィルター3の略中間に位置する紫外線ランプ4は当該紫外線ランプ4の上下に位置する二つの光触媒フィルター3に効率良く紫外線を照査するとともに、紫外線ランプ4に挟まれた光触媒フィルター3の上流側と下流側の両面に紫外線を照射し、光触媒フィルター3の被照射面積が広くなり、光触媒効果が向上し、更に空気浄化効率を向上させることが出来る。
【0018】
前記光触媒フィルター3はチタンを含む水溶液と塩基性物質から作製した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させた後に、摂氏80〜200度にて加熱処理することによって得られたアナターゼからなる酸化チタン微粒子を分散した液体を、繊維加工品である紙・布・不織布等通気性があり可撓性がある薄板状基体に塗布あるいは含浸させた後に、乾燥あるいは基体を熱劣化させぬよう基体の耐熱温度範囲で加熱処理してチタニア膜Tを担持してなるものである。なお、光触媒フィルター3の前記薄板状基体は普通の紙や綿等有機繊維でも不活性の前記ペルオキソチタン溶液を塗布し乾燥した後、前述のアナターゼ分散液にて結晶性チタニア膜を形成し2層のコーティング膜とすれば光触媒により有機繊維が分解されなくなるが、ガラス繊維や、シリカゲルを漉き込んだものや、多数の孔を開けたテフロンシート等からなるものとすると1層のコーティング膜でも光触媒により有機繊維のごとく分解されないので好ましい。
【0019】
また、前記光触媒フィルター3はダクト2を横断する面積が広くなるよう波形に成形してあり(例えばダクト断面積=幅22cm×奥行12cm=264平方cmに対し、高さ8.5cmの波形を20波形成すると、有効面積は≒8.5cm×20×奥行12cm=2040平方cmとなり、約8倍となる。)、と、空気浄化効率を向上させることが出来ると同時に、送風機5にかかる光触媒フィルター3の通風抵抗を大幅に減じられることから、通過する空気の速度を遅くしても通風量が確保出来るので、低消費電力の送風機を用いることが出来、空気浄化効率も更に良くすることが出来る。
【0020】
そこで、前記光触媒空気循環装置1は有機化合物や硫黄化合物や雑菌等の有害物質を含む汚染空気Aを発生する青果食品貯蔵室や、冷蔵庫や、保冷車や、エレベータの乗りかごや、病室や、大勢の人が出入りする空調室等に設置するものである。
【0021】
次に本実施例の動作について説明する。前記光触媒空気循環装置1を設置した例えば大勢の人が出入りする空調室等において発生するエチレンガス、たばこの煙等有機化合物や悪臭成分である硫黄化合物やシックハウス症候群などを起こすホルマリンやアセトアルデヒトや雑菌等の有害物質を含む汚染空気Aが床面近くの開口21から前記送風機5にてダクト2内に吸引され、この吸引された汚染空気Aが光触媒フィルター3を通過することにより浄化された空気Bを天井近くの開口22からダクト2外に排出する一連の作用を連続してゆっくり行い、汚染空気Aの空気浄化を連続して行い、確実に空気浄化出来る。光触媒フィルター3は紫外線ランプ4にて紫外線を照射することにより光触媒の空気浄化機能を発揮させることが出来る。また、交換用の光触媒フィルター3も上記のごとく、乾燥あるいは低温である基体の耐熱温度範囲で加熱処理する簡単な設備にて、容易に製造することが出来る。
【0022】
また、所定数の光触媒フィルター3に紫外線を照射するように各光触媒フィルター3と平行な所定数の紫外線ランプ4とを備えたから、紫外線ランプ4は所定数の光触媒フィルター3の略中間より紫外線を照射するような位置にある紫外線ランプ4は紫外線ランプ4の上下に位置する二つの光触媒フィルター3に効率良く紫外線を照査し、一方光触媒フィルター3の上下に位置する各紫外線ランプ4は紫外線ランプ4に挟まれた光触媒フィルター3の上流側と下流側の両面に紫外線を照射し、光触媒フィルター3の被照射面積が広くなり、光触媒効果が向上し、更に空気浄化効率を向上させることが出来る。
【0023】
また、前記光触媒フィルター3は波形に成形したものであり、ダクト2有効面積が前述のごとく広くなり、吸引した汚染空気Aと光触媒との接触面積を広くし空気浄化効率を向上させることが出来る。送風機5にかかる光触媒フィルター3の通風抵抗を大幅に減じられることから、送風機5のコンパクトな光触媒フィルター3、通過する空気の速度を遅くしても通風量が確保出来るので、低消費電力の送風機5を用いることが出来、空気浄化効率も更に良くすることが出来る。
【0024】
本発明の実施の形態によるアンモニアガス分解能力にて空気浄化性能を示す特性図である図3は、間口4.5m、奥行6.6m、高さ2.7m、全容積80立法メートルの部屋に光触媒空気浄化装置1を設置し、50PPMのアンモニアガスを封入した後、検知管により室内のアンモニアガス濃度を測定し、時間の経過とともにアンモニアガス濃度がどの程度低下したかを求めたものであり、50ppm程度の濃度が55分後にはほぼ4ppmにまで分解して低下し、短時間に分解して低下することも判明した。
【0025】
タバコ消火後の空気浄化性能特性図である図4は、同じく間口4.5m、奥行6.6m、高さ2.7m、全容積80m3(立法メートル)の部屋に光触媒空気浄化装置1を設置し、タバコ25本を消火後、室内の粒子濃度を測定し、時間の経過とともに粒子濃度がどの程度低下したかを求めたものであり、タバコを吸わない人の感じとして、当初の濃度1.3mg/m3では「目を空けているのはきつい」から、60分後の濃度0.453mg/m3では「慣れも有るけどもう平気」というレベルまで低下した。
【0026】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものでなく、前記送風機5を光触媒フィルター3の下流側に設けて汚染空気Aを吸引するものとしたが、送風機5の下流に光触媒フィルター3を配して、光触媒フィルター3へ汚染空気Aを送風するものとしても同様に空気浄化効果がある。また、光触媒フィルター3の前記薄板状基体は通気性があり可撓性があればよく、普通の紙や綿等有機繊維でも不活性の前記ペルオキソチタン溶液を塗布し乾燥した後、前述のアナターゼ分散液にて結晶性チタニア膜を形成し2層のコーティング膜とすれば光触媒により有機繊維が分解されなくなるが、ガラス繊維や、シリカゲルを漉き込んだものや、多数の孔を開けたテフロンシート等からなるものとすると光触媒により有機繊維のごとく分解されないので、1層のコーティング膜でも光触媒により有機繊維のごとく分解されないのでより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 本発明の一実施例を施した光触媒空気循環装置の構成を示す側面図断面図である。
【図2】 同光触媒空気循環装置の光触媒フィルター取付状態を示す正面図である。
【図3】 同光触媒空気循環装置によるアンモニアガス分解能力にて空気浄化性能を示す特性図である。
【図4】 同じくタバコ消火後の空気浄化性能を示す特性図である。
【符号の説明】
【0028】
1 光触媒空気循環装置
2 ダクト
21 床面近くの開口
22 天井近くの開口
3 光触媒フィルター
4 紫外線ランプ
5 送風機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の床面近く及び天井近くに開口を有しその間を空気循環通路としたダクトと、このダクト内に設置され床面近くの開口から室内の空気を吸い込み天井近くの開口からダクト内の空気を排出する送風機と、前記ダクトの中間を封止するごとく横断して配置した所定数の光触媒フィルターと、これら所定数の光触媒フィルターに紫外線を照射するように各光触媒フィルターと平行に、即ち所定数の光触媒フィルターと同じくダクトの中間を封止するごとく横断して所定数の紫外線ランプとを備え、前記光触媒フィルターはチタンを含む水溶液と塩基性物質から作製した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させた後に摂氏80〜200度にて加熱処理あるいはオートクレープ中において加熱処理することによって得られたアナターゼからなる酸化チタン微粒子を分散した液体を繊維加工品である紙・布・不織布等通気性があり可撓性がある薄板状基体に塗布あるいは含浸させた後に、乾燥あるいは基体の耐熱温度範囲で加熱処理してチタニア膜を担持してなる薄板状の光触媒フィルターとし、前記送風機にて床面近くの開口から室内の空気を吸い込みダクト内の紫外線ランプにて紫外線を照射された光触媒フィルターを通過させ空気に含まれる有害物質を分解して空気を浄化し、同じく送風機にて天井近くの開口からダクト外にこの浄化された空気を排出するものとしたことを特徴とする光触媒空気循環装置。
【請求項2】
前記光触媒フィルターはダクトを横断する有効面積を広くするために波形に成形したものとし、吸引した空気と光触媒との接触面積を広くし空気浄化効率を向上させた請求項1記載の光触媒空気循環装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−33017(P2007−33017A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240383(P2005−240383)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(500042164)東日サービス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】