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光触媒装置
説明

光触媒装置

【課題】 メンテナンス時に、光触媒フィルタをその装着箇所から外すことなく(装着したままで)洗浄してその能力を回復させることができると共に、簡単な構成で実現できる光触媒装置を提供する。
【解決手段】 略垂直方向に装着された光触媒フィルタ30を含む、略平板状の光触媒フィルタ・モジュール20と、光触媒フィルタ30の上方でモジュール20に固定された、スリットを持つ洗浄水供給管31と、光触媒フィルタ30の下方でモジュール20に設けられた、排水口21a及び蓋部材を持つ洗浄水貯留部32とを備える。洗浄水供給管31に外部から洗浄水Wを供給すると、洗浄水Wは前記スリットから光触媒フィルタ30に沿って流動して洗浄水貯留部32に一時的に貯留される。洗浄水Wが所定量に達すると、前記蓋部材が開いて排水口21aから外部に排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒フィルタを備えた光触媒装置に関し、さらに言えば、メンテナンス時に、光触媒フィルタをその装着箇所から取り外すことなく(換言すれば、装着したままで)洗浄して、光触媒フィルタの能力を再生させることができる光触媒装置に関する。本発明は、光触媒を用いた任意の装置、例えば、光触媒脱臭装置、光触媒殺菌(抗菌)装置、光触媒浄化装置等に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
光触媒フィルタと、その光触媒フィルタに光を照射して活性化するための光源とを備えた光触媒脱臭装置は、以前から知られている。代表的な光触媒としては酸化チタン(TiO)がある。この種の光触媒脱臭装置では、光触媒の持つ強力な酸化作用を利用して、被処理ガス中に含まれている臭気を吸着・分解する。換言すれば、紫外線照射によって生成される光触媒の酸化作用で、被処理ガス中に含まれる有機物を水と二酸化炭素に分解し、もって当該ガス中の臭気成分を吸着・分解するのである。
【0003】
しかし、光触媒の酸化作用により、硫黄化合物(例えば硫化水素)は硫酸に、窒素化合物(例えばアンモニア)は硝酸になって、光触媒の表面に付着する。そして、これら付着物は、触媒毒となって光触媒フィルタの能力を低下させる。このため、定期的に光触媒フィルタを取り出して水で洗浄したり焼成したりして、光触媒フィルタの能力を再生させる必要がある。また、何らかの原因で使用できなくなった光触媒フィルタを新たなものに交換する必要もある。
【0004】
光源(例えばブラックライト)についても同様で、これを定期的に点検し、故障した、あるいは寿命に達した光源を、定期的に新しいものに交換することが必要である。
【0005】
このように、光触媒脱臭装置は、内蔵する光触媒フィルタや光源の点検、洗浄、交換等のメンテナンス作業が定期的に必要とされるから、その作業が容易に行えることが望ましい。そこで、以前から、そのようなメンテナンス作業を容易化する技術が提案されてきている。
【0006】
例えば、特許文献1(特開2001−246228号公報)に開示された光触媒装置(この装置では脱臭という限定はされていない)では、少なくとも底板と左右の側板を有するベースフレームに、紫外線照射用の光源と、フィルタ取り付け用のフィルタフレームとを取り付けてあり、光触媒フィルタはそのフィルタフレームに着脱可能に取り付けてある。光触媒フィルタのメンテナンスの際には、フィルタフレームを引き上げてベースフレームから光触媒フィルタを露出させ、光触媒フィルタを固定している固定具を外せば、光触媒フィルタの点検、洗浄、交換等を行うことができる。このため、機能が低下した際に、光触媒フィルタを光触媒装置から取り外して洗浄したり新品に交換したりすることができる。よって、光触媒装置全体を半永久的に使用することができる。(請求項1、図1〜図7、段落0006〜0009、0050〜0054を参照)。
【0007】
しかし、特許文献1に開示された光触媒装置では、紫外線照射用の光源がベースプレートに個々に取り付けられているため、光源の交換や保守に手間がかかり、また、大規模な装置には適さないという難点がある。そこで、この難点を解消した光触媒脱臭装置の一例が、特許文献2(特開2006−334195号公報)に開示されている。
【0008】
特許文献2の光触媒脱臭装置では、複数の板状の光触媒フィルタが保持体によりユニット化され、複数の光源(例えばブラックライト)が枠体によりユニット化されている。そして、ユニット化された光触媒フィルタと光源とが、複数個、ガス流れ軸線に対して直交して交互に配置されていると共に、前記ガス流れ軸線に直交する方向に独立して挿抜可能に配置されている。このため、ケーシング内部からユニット化された光触媒フィルタあるいは光源を、前記ガス流れ軸線に直交する方向に引いて外部に抜き出せば、光触媒フィルタや光源の点検・交換を容易に行うことができ、したがってメンテナンス作業が大幅に軽減される。また、光触媒脱臭装置全体を移動する必要性や当該装置の細かな分解作業も必要としない。よって、装置が大規模になっても、メンテナンス作業が容易である(請求項1、図1〜図3、段落0011〜0016、0022を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−246228号公報
【特許文献2】特開2006−334195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献2の光触媒脱臭装置では、ケーシング内部から光触媒フィルタ・ユニットあるいは光源ユニットを同方向に引いて外部に抜き出したり、逆方向に差し入れたりすることができる構成をどのようにして実現するのかは、具体的に開示されてはいない。作業者が手作業で容易に光触媒フィルタ・ユニットあるいは光源ユニットを抜き差しできる程度に、両ユニットが軽量であれば、このような構成の実現は容易と思われるが、作業者が手作業で両ユニットを抜き差しするのが困難な程度まで両ユニットの重量が増えると、その実現は容易ではない。
【0011】
例えば、光触媒フィルタ・ユニットの大きさが縦1400mm、横900mm程度の矩形板状である場合、その重量は50kg程度の大きな重量になる。したがって、光触媒フィルタ・ユニットや光源ユニットがこの程度まで大型化すると、特許文献2の光触媒脱臭装置の各ユニットを作業者が手動で抜き差しして、光触媒フィルタや光源の点検・交換といった作業を行うことは、それらユニットの移動機構に工夫をしない限り、難しいと思われる。この点に関する対策については、特許文献2には何ら記載がない。
【0012】
ところで、光触媒フィルタ・ユニットや光源ユニットが、作業者が手動で容易に動かせない程度まで大型化した場合、光触媒フィルタの点検・交換や光源の点検・交換に比べて頻度の高い光触媒フィルタの洗浄作業が、光触媒フィルタをその装着箇所から取り外すことなく(装着したままで)実行できれば、非常に好ましい。労力のかかるメンテナンス作業の頻度が減少するだけでなく、メンテナンス・コストの低減にもなり、しかも着脱時に光触媒フィルタを損傷する恐れも減少するからである。
【0013】
また、光触媒フィルタ・ユニットや光源ユニットが上記のように大型化していなくても、装着箇所から取り外すことなく洗浄して光触媒フィルタの能力回復を行えれば、非常に有利である。
【0014】
上述した特許文献1及び特許文献2には、装着箇所から取り外すことなく洗浄して光触媒フィルタの能力回復を行う点については、なんら記載がないし、そのような示唆もない。
【0015】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、メンテナンス時に、光触媒フィルタをその装着箇所から外すことなく(つまり装着したままで)洗浄してその能力を回復させることができると共に、簡単な構成で実現できる光触媒装置を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、光触媒フィルタ(または光触媒フィルタ・モジュールに装着された光源)の点検・交換といった、光触媒フィルタの洗浄以外のメンテナンス作業も容易に実行することができる光触媒装置を提供することにある。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、光触媒フィルタ・モジュール(あるいは光触媒フィルタ・ユニットや光源ユニット)が、作業者が手動で容易に動かせない程度まで大型化した場合でも、光触媒フィルタまたは光源の点検・交換といった、光触媒フィルタの洗浄以外のメンテナンス作業を、作業者が一人で実行することができる光触媒装置を提供することにある。
【0018】
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(1)本発明の光触媒装置は、
略垂直方向に装着された光触媒フィルタを含む、略平板状の光触媒フィルタ・モジュールと、
前記光触媒フィルタの上方において前記光触媒フィルタ・モジュールに固定された、開口を有する洗浄液供給管と、
前記光触媒フィルタの下方において前記光触媒フィルタ・モジュールに設けられた排出口とを備え、
前記洗浄液供給管に外部から洗浄液を供給すると、その洗浄液は前記洗浄液供給管の開口から前記光触媒フィルタに向かって落下して前記光触媒フィルタに沿って流動し、
前記光触媒フィルタに沿って流動した後の前記洗浄液は、前記排出口から前記光触媒フィルタ・モジュールの外部に排出されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の光触媒装置は、上述したように、略平板状の光触媒フィルタ・モジュールが、略垂直方向に装着された光触媒フィルタと、その光触媒フィルタの上方に固定された洗浄液供給管と、その光触媒フィルタの下方に設けられた排出口とを備えている。前記洗浄液供給管に外部から洗浄液を供給すると、その洗浄液は前記開口から前記光触媒フィルタに向かって落下して前記光触媒フィルタに沿って流動し、前記光触媒フィルタに沿って流動した後の前記洗浄液は、前記排出口から外部に排出されるように構成されている。
【0021】
このため、前記洗浄液が前記光触媒フィルタに沿って流動する際に、前記光触媒フィルタの持つ超親液性に起因するセルフクリーニング機能が発揮され、さらに、前記光触媒フィルタの表面に存在する有害付着物(触媒毒)は可溶性である場合が多いため、その有害付着物のほとんどは前記洗浄液によって自動的に洗い流される。よって、メンテナンス時に、前記光触媒フィルタをその装着箇所から外すことなく(つまり装着したままで)洗浄してその能力を回復させることができる。
【0022】
また、前記光触媒フィルタの洗浄に必要な構成要素は、略垂直方向に装着された光触媒フィルタを含む光触媒フィルタ・モジュールと、前記光触媒フィルタに向かって洗浄液を落下させるように構成された洗浄液供給管と、前記光触媒フィルタに沿って流動した後の前記洗浄液を外部に排出する排出口だけで足りるので、簡単な構成で実現することができる。
【0023】
(2) 本発明の光触媒装置の好ましい例では、前記洗浄液供給管が、前記光触媒フィルタの上方において前記光触媒フィルタ・モジュールに沿って延在する第1部分と、前記光触媒フィルタ・モジュールにほぼ直交する方向に延在する第2部分とを有しており、前記洗浄液供給管の前記開口は前記第1部分に形成され、前記第2部分は外部の連絡管または他の光触媒フィルタ・モジュールの洗浄液供給管の第2部分に接続可能とされる。
【0024】
この例では、前記洗浄液を前記洗浄液供給管に外部から供給しやすい、その洗浄液を前記光触媒フィルタの全体にわたって均一に流動させやすい、複数の前記光触媒フィルタ・モジュールを相互に隣接配置した場合でも洗浄水の供給が容易である、といった利点がある。
【0025】
(3) 本発明の光触媒装置の他の好ましい例では、前記光触媒フィルタの下方において前記光触媒フィルタ・モジュールに設けられた洗浄液貯留部と、前記排出口に装着された蓋部材とをさらに備えていて、前記蓋部材は、前記洗浄液貯留部に一時的に貯留された前記洗浄液が所定量に達すると、開放されて前記洗浄液を外部に排出するように構成される。
【0026】
この例では、前記光触媒フィルタに沿って流動した後の前記洗浄液が、前記所定量に達するまでは前記洗浄液貯留部に一時的に貯留されるので、前記光触媒フィルタに沿って流動した後の前記洗浄液を所定量だけ集めてから、特定の場所(例えば洗浄液を再生する場所)に移送したり貯留したりすることが容易である、という利点がある。
【0027】
(4) 本発明の光触媒装置のさらに他の好ましい例では、前記洗浄液供給管と前記光触媒フィルタとの間に、底面に開口を持つ洗浄液案内部が配置され、前記洗浄液供給管の開口から落下した洗浄液が、前記洗浄水案内部に一時的に貯留されてから、前記洗浄液案内部の開口を通って前記光触媒フィルタに向かって落下するように構成される。
【0028】
この例では、前記洗浄液供給管と前記光触媒フィルタとの間に前記洗浄液案内部が配置されているので、前記洗浄液供給管を配置する位置に対する制限が緩和されるという利点がある。前記洗浄液を前記洗浄液供給管の開口を通って直接、前記光触媒フィルタに向かって落下させる場合は、前記洗浄液供給管の位置を前記光触媒フィルタのほぼ真上において、前記光触媒フィルタの全長にわたって配置することが必要であるが、この例では、前記洗浄液供給管と前記光触媒フィルタとの間に前記洗浄液案内部が配置されているので、そのような必要性がないからである。前記洗浄液供給管の位置は、前記洗浄液供給管の開口から前記洗浄液案内部に前記洗浄液を供給できる任意の位置に設定することが可能であり、設計に有利である。
【0029】
(5) 本発明の光触媒装置のさらに他の好ましい例では、前記蓋部材が、前記排出口の近傍に形成された隙間に挿入された状態で前記光触媒フィルタ・モジュールに装着されていて、前記洗浄液貯留部の内部に位置する第1部分と、前記洗浄液貯留部の外部に位置する第2部分とを有しており、前記第2部分によって前記排出口を閉鎖するように構成される。
【0030】
この例では、前記洗浄液貯留部の内部において貯留された前記洗浄液の自重を受ける前記第1部分と、前記洗浄液貯留部の外部において前記排出口を介して貯留された前記洗浄液の自重を受ける前記第2部分との面積比を調整するだけで、前記洗浄液貯留部に貯留される前記洗浄液の量が所定量に達すると、前記蓋部材が開いて前記洗浄が前記排出口から排出されるようにすることができる、という利点がある。
【0031】
(6) 本発明の光触媒装置のさらに他の好ましい例では、前記蓋部材が、前記第1部分と前記第2部分の境界で屈曲された剛性板から形成されていると共に、前記蓋部材の屈曲部が前記隙間に揺動可能に係合される。
【0032】
この場合、前記蓋部材の形成が容易であると共に、前記洗浄液貯留部への前記蓋部材の装着も容易である、という利点がある。
【0033】
(7) 本発明の光触媒装置のさらに他の好ましい例では、前記光触媒フィルタ・モジュールが、略垂直方向に配置されていると共に、並進移動機構により略水平方向に並進移動が可能な状態で支持される。
【0034】
この例では、前記光触媒フィルタ・モジュールを、略垂直方向に配置された状態で略水平方向に並進移動させることが容易なので、メンテナンス時に、前記光触媒フィルタの洗浄ができることに加え、前記光触媒フィルタ(または前記光触媒フィルタ・モジュールに装着された光源)の点検・交換といった、光触媒フィルタの洗浄以外のメンテナンス作業も容易に実行することができる、という利点がある。
【0035】
また、前記光触媒フィルタ・モジュール(あるいは光触媒フィルタ・ユニットや光源ユニット)が、作業者が手動で容易に動かせない程度まで大型化した場合でも、前記光触媒フィルタまたは光源の点検・交換といった、光触媒フィルタの洗浄以外のメンテナンス作業を、作業者が一人で実行することができる、という利点もある。
【0036】
(8) 上記(7)の例では、前記光触媒フィルタ・モジュールが複数個、ケーシング内に相互に隣接して配置されるのが好ましい。
【0037】
この場合、前記光触媒フィルタ・モジュールが複数個、前記ケーシング内に相互に隣接して配置されるので、前記光触媒フィルタによるフィルタリング効果を容易に増大させることができる、という利点がある。
【0038】
(9) 上記(8)の例では、前記並進移動機構が、ガス流方向の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた第1支持体及び第2支持体と、前記第1支持体と前記第2支持体との間に掛け渡されたスライドレールとを含み、一つまたは複数の前記光触媒フィルタ・モジュールが前記スライドレールに吊り下げられた状態で並進移動可能に支持されるのが好ましい。
【0039】
この場合、簡単な構成で、一つまたは複数の前記光触媒フィルタ・モジュールの支持と並進移動を実現することが可能となる、という利点がある。
【0040】
(10) 上記(9)の例では、待機用スペースとメンテナンス用スペースの双方が、前記ケーシングの内部に形成されるのが好ましい。
【0041】
この場合、前記ケーシングの構成が簡単になる、という利点がある。
【0042】
(11) 上記(9)の例では、待機用スペースが、前記ケーシングの外部に形成されていると共に、前記ケーシングの所定部分が開放可能とされており、メンテナンス時には、前記所定部分が開放されて、前記光触媒フィルタ・モジュールが前記待機用スペースまで並進移動可能とされるのが好ましい。
【0043】
この場合、待機用スペースに相当する分だけ前記ケーシングのサイズを小さくできるので、省スペース化が図れる、という利点がある。
【発明の効果】
【0044】
本発明の光触媒装置では、(a)メンテナンス時に、光触媒フィルタをその装着箇所から外すことなく(つまり装着したままで)洗浄してその能力を回復させることができると共に、簡単な構成で実現できるという効果がある。
【0045】
また、本発明の光触媒装置において、光触媒フィルタ・モジュールが、略垂直方向に配置されていると共に、並進移動機構により略水平方向に並進移動が可能な状態で支持される場合には、効果(a)に加えて、(b)光触媒フィルタ(または光触媒フィルタ・モジュールに装着された光源)の点検・交換といった、光触媒フィルタの洗浄以外のメンテナンス作業も容易に実行することができるという効果と、(c)光触媒フィルタ・モジュール(あるいは光触媒フィルタ・ユニットや光源ユニット)が、作業者が手動で容易に動かせない程度まで大型化した場合でも、光触媒フィルタまたは光源の点検・交換といった、光触媒フィルタの洗浄以外のメンテナンス作業を、作業者が一人で実行することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置の構成(運転時)を示す概念図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置の構成(メンテナンス時)を示す概念図である。
【図3】(a)は本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置の光触媒フィルタ・モジュールを構成するモジュール本体の正面図、(b)はその側面図、(c)はその底面図、(d)はその平面図である。
【図4】(a)は図3のモジュール本体に組み込まれている洗浄水供給管の底面図、(b)はその正面図、(c)は洗浄水の落下状況を示す正面説明図である。
【図5】(a)は図3のモジュール本体に組み込まれている洗浄水案内部の平面図、(b)は洗浄水案内部の開口から洗浄水が落下する状態を示す説明図、(c)は図3のモジュール本体に組み込まれている洗浄水案内部の他の構成例を示す平面図である。
【図6】(a)は本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置の光触媒フィルタ・モジュールを構成するフィルタ・フレームの正面図、(b)はその側面図、(c)はその底面図である。
【図7】(a)は図3のモジュール本体に図6のフィルタ・フレームを組み込んだ構成を示す正面図、(b)はその側面図である。
【図8】(a)は図7の構成に光触媒フィルタを装着した状態を示す正面図、(b)はその側面図である。
【図9】(a)は図8の構成にブラックライトを装着した状態を示す正面図、(b)はその側面図である。
【図10】(a)は図9の構成に、滑車を内蔵する係合部材とインバータとを装着して構成される光触媒フィルタ・モジュールを示す正面図、(b)はその平面図である。
【図11】(a)は本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置に使用されている、スライドレールとその上を転動する滑車を含む並進移動機構の構成を示す部分断面図、(b)はその部分平面図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置に使用されている光触媒フィルタの概略構成を示す正面図である。
【図13】図12の光触媒フィルタを図6のフィルタ・フレームの光触媒フィルタ装着用窓に装着した状態を示す、図10(a)のA−A線に沿った部分断面図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置において、洗浄水供給管から放出された洗浄水が、洗浄水案内部を経て、光触媒フィルタの各々に沿って洗浄水貯留部まで落下する状況を示す説明図である。
【図15】本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置において、洗浄水貯留部の排水口に装着されている蓋部材の開閉動作を示す説明図で、(a)は洗浄水貯留前、(b)は洗浄水貯留中、(c)は洗浄水排出時の状態を示す。
【図16】(a)は図15に示した蓋部材の全体構造を示す平面図、(b)はその正面図である。
【図17】図15に示した蓋部材が、洗浄水貯留部の排水口の近傍に装着された状態を示す平面説明図である。
【図18】本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置において、各光触媒フィルタ・モジュールの洗浄水供給管の第2部分同士が相互に連結され、最もモジュール支持体側にある光触媒フィルタ・モジュールの洗浄水供給管の第2部分が、モジュール支持体に設けられた連絡管に接続される状況を示す部分断面説明図である。
【図19】本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置の運転時の全体構成を示す一部切欠側面図である。
【図20】本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置のメンテナンス時の全体構成を示す一部切欠側面図である。
【図21】本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置の運転時の全体構成を示す平面図である。
【図22】本発明の第2実施形態に係る光触媒脱臭装置の運転時の全体構成を示す一部切欠側面図である。
【図23】本発明の第2実施形態に係る光触媒脱臭装置のメンテナンス時の全体構成を示す一部切欠側面図である。
【図24】本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置について実施した洗浄テストにおいて、光触媒フィルタをアンモニアにより強制的に汚染させる方法を示す概念図である。
【図25】図24の洗浄テストの実施方法を示す概念図である。
【図26】図25に示した洗浄テストで得られた、洗浄時間とタンク内洗浄水の電気伝導率との関係を示すグラフである。
【図27】図25の洗浄テストで得られた、アンモニア汚染前、アンモニア汚染後、洗浄後における除去率と濃度の変化を示す表である。
【図28】図25の洗浄テストで使用されたスモールスケールと実機との間の、各パラメータの関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
(第1実施形態の光触媒脱臭装置の全体構成)
本発明の第1実施形態に係る光触媒脱臭装置1の構成の概略を図1と図2に示す。本実施形態は、本発明を光触媒脱臭装置に適用した場合に相当するが、本発明はこれに限定されるものではない。光触媒フィルタを備えた光触媒装置であれば、光触媒脱臭装置以外の光触媒装置、例えば、光触媒殺菌(抗菌)装置、光触媒浄化装置等にも適用可能である。
【0049】
図1と図2より明らかなように、この光触媒脱臭装置1は、所定間隔を空けて水平に設置された2本の平行なスライドレール12と、係止部材24によってスライドレール12に吊り下げた状態で支持された5個の光触媒フィルタ・モジュール20とを有している。
【0050】
両スライドレール12の一端はモジュール支持体11に固定され、他端はレール支持体13(図19を参照)に固定されている。こうして、両スライドレール12は、モジュール支持体11とレール支持体13の間に架け渡されていて、両支持体11及び13の間で互いに平行に且つ水平方向に延在している。
【0051】
光触媒フィルタ・モジュール20の各々は、矩形板状であって、手動により、モジュール支持体11とレール支持体13の間で、スライドレール12に沿って水平方向に並進移動が可能である。これら5個のモジュール20のうち、レール支持体13に最も近いモジュール20は、8枚の光触媒フィルタ30のみを含んでおり、ブラックライト27は含んでいない。レール支持体13に最も近いもの以外の4個のモジュール20は、8枚の光触媒フィルタ30と4本のブラックライト27とを含んでいる。
【0052】
本明細書では、上述した5個のモジュール20の全体を指すとき、「光触媒フィルタ・モジュール群20B」と呼び、また、光触媒フィルタ30とブラックライト27の双方を含む4個のモジュール20のみを指すとき、「光触媒フィルタ・モジュール群20A」と呼ぶことにする。したがって、光触媒フィルタ・モジュール群20Bは、光触媒フィルタ・モジュール群20Aに対して、光触媒フィルタ30のみを含むモジュール20を追加したものに等しい。
【0053】
スライドレール12と光触媒フィルタ・モジュール群20Bは、後述するように、箱形のケーシング10(図19〜図21を参照)の内部に配置されている。被処理ガスは、ケーシング10内では、スライドレール12の延在方向、すなわち、図1及び図2中に矢印で示したガス流方向に沿って流動するようになっている。従って、モジュール群20Bはガス流方向に直交している。モジュール支持体11(これは第1支持体に対応する)は、モジュール群20Bの下流側に配置されている。レール支持体13(これは第2支持体に対応する)は、モジュール群20Bの上流側に配置されている。
【0054】
光触媒脱臭装置1の運転時には、図1に示すように、モジュール群20B中のすべてのモジュール20が、互いに重ねられた状態でモジュール支持体11の対向面に接触せしめられている。この状態では、モジュール支持体11の反対側(レール支持体13と同じ側)に、待機用スペースS1が形成されている。
【0055】
光触媒脱臭装置1のメンテナンス時には、図2に示すように、必要に応じて、メンテナンス対象のモジュール20より上流側にあるモジュール20をレール支持体13に向かって(つまり、上流側に向かって)並進移動させることで、メンテナンス対象のモジュール20の上流側近傍に必要なメンテナンス用スペースS2が形成される。図2では、メンテナンス対象のモジュール20が、モジュール群20Bの中で上流側から2番目に配置されているので、上流側の端(つまり最上流位置)にあるモジュール20のみをレール支持体13に向かって(上流側に向かって)並進移動させて、待機用スペースS1内に置けばよい。その結果、メンテナンス対象のモジュール20の上流側近傍(並進移動させたモジュール20の下流側近傍)に、メンテナンス用スペースS2が形成される。
【0056】
図2の状態では、モジュール群20Bの最上流位置にあるモジュール20をメンテナンスすることもできる。メンテナンス用スペースS2において、そのモジュール20に対して裏側(下流側)からアクセスできるからである。
【0057】
メンテナンス対象のモジュール20が、モジュール群20Bの最上流位置にある場合は、モジュール20の並進移動は必ずしも必要ではない。図1の状態で生じている待機用スペースS1が、そのままメンテナンス作業に利用できるからである。換言すれば、待機用スペースS1がメンテナンス用スペースS2として利用されるからである。
【0058】
(第1実施形態の光触媒フィルタ・モジュール)
次に、各光触媒フィルタ・モジュール20の構成について詳細に説明する。
【0059】
光触媒フィルタ・モジュール群20Bを構成する5個のモジュール20は、いずれも同じ構成であり、複数(ここでは8枚)の矩形板状の光触媒フィルタ30を含む光触媒フィルタ・ユニットと、光源としての複数(ここでは4本)のブラックライト27を含む光源ユニットとを結合したものに相当する。
【0060】
ブラックライト27によれば、光触媒フィルタ30に所定波長の紫外光を照射して活性化することができる。なお、必要に応じて、ブラックライト27に代えて、それ以外の任意の光源(例えば、可視光を照射するライト)も使用可能であることは言うまでもない。
【0061】
モジュール20は、図3(a)〜(d)に示した、高い剛性を持つ矩形枠状のモジュール本体21と、図6(a)〜(c)に示した、高い剛性を持つ矩形枠状のフィルタ・フレーム22とを備えている。モジュール本体21とフィルタ・フレーム22は、いずれも、その長手方向が上下方向となるように配置される。
【0062】
モジュール本体21の上端には、図3(a)〜(d)に示すように、直方体(箱)状の洗浄水案内部33が形成されており、洗浄水案内部33の内部上方に洗浄水供給管31が固定されている。洗浄水案内部33の底面には、図5(a)に示すように、洗浄水供給管31に沿ってスリット状の開口33aが形成されており、洗浄水供給管31を経て洗浄水案内部33の内部に到達した洗浄水Wが、開口33aを通って下方に向かって自然落下するようになっている。
【0063】
底面に一つのスリット状開口33aを形成した洗浄水案内部33に代えて、底面に複数の小孔33a'を洗浄水供給管31に沿って所定間隔で並べて形成した洗浄水案内部33'(図5(c)を参照)を使用してもよい。
【0064】
洗浄水Wとしては、純水が好適に使用されるが、洗浄効果を高めるために、運転中に光触媒フィルタ20に付着する有害付着物の種類に応じて、適当なイオン交換樹脂を添加するのが好ましい。また、純水以外の液体(例えば、軟水)も、洗浄水Wとして使用可能である。
【0065】
洗浄水案内部33の内部に固定された洗浄水供給管31は、図4(a)及び(b)に示すように、モジュール本体21の上端縁に沿って延在する第1部分31aと、モジュール本体21それ自体に直交する方向に延在する第2部分31bとを有している。第1部分31aと第2部分31bは、いずれも円形パイプを用いて形成されていて、互いに直交している。
【0066】
第1部分31aの先端は、閉鎖部31dにより閉止されている。第1部分31aの基端は、第2部分31bの中央部に溶接により接合されていて、洗浄水供給管31の全体形状は略T字状になっている。第1部分31aの下面には、スリット31cが形成されており、第1部分31aの内部に到達した洗浄水Wが、スリット31cを通って下方に落下するようになっている。スリット31cは、第1部分31aの全長より少し短い。
【0067】
一つのスリット31cに代えて、図5(c)の開口33a'と同様に、複数の小孔を第1部分31aに沿って所定間隔で並べて形成してもよい。
【0068】
洗浄水供給管31は、洗浄水案内部33の内部に設けられているので、洗浄水供給管31のスリット31cを通って落下した洗浄水W(図4(c)参照)は、まず洗浄水案内部33の内部に一時的に滞留し、次に、洗浄水案内部33の開口33aを通って(図5(b)参照)、洗浄水案内部33の下方でフィルタ・フレーム22の窓23に装着された光触媒フィルタ30の上方に到達する。その後、光触媒フィルタ30の表面に沿ってさらに落下しながら、光触媒フィルタ30を自動的に洗浄し、モジュール本体21の下端部に設けられた洗浄水貯留部32(図7〜図9を参照)に一時的に貯留される。最後に、モジュール本体21の下端部に設けられた排水口21aから、光触媒フィルタ・モジュール20の外部に排出される。
【0069】
洗浄水案内部33の給水可能範囲R2は、開口33aの長さによって決定される。また、洗浄水供給管31の給水可能範囲R1は、スリット31cの長さによって決定される。後述するように、開口33aの長さと幅は、モジュール本体21の上端縁に沿って並列配置された2枚の光触媒フィルタ30の全体に均一に洗浄水Wが自然落下して供給されるように設定されている。他方、スリット31cの長さと幅は、これら光触媒フィルタ30への洗浄水Wの連続供給が中断されない程度の量で、洗浄水Wがスリット31cを通過して洗浄水案内部33に自然落下するように設定されればよい。
【0070】
図4(c)と図5(b)から分かるように、本第1実施形態では、洗浄水案内部33の給水可能範囲R2が、洗浄水供給管31の給水可能範囲R1よりも少し大きくなるように設定されている。
【0071】
モジュール本体21は、外枠部分と洗浄水案内部33と洗浄水貯留部32を除いて開口している。
【0072】
矩形枠状のフィルタ・フレーム22は、図6(a)〜(c)に示すように、8個の光触媒フィルタ装着用窓23が形成されている。ここでは、光触媒フィルタ30が正方形であるため、窓23も正方形とされている。窓23のレイアウトは、水平方向に2個、垂直方向に4個のマトリックス状とされている。
【0073】
フィルタ・フレーム22は、図7(a)及び(b)に示すような状態で、すなわち、フィルタ・フレーム22の上端をモジュール本体21の洗浄水案内部33の下端に接触させた状態で、モジュール本体21に固定されている。その結果、フィルタ・フレーム22の下端部とモジュール本体21の下端部とで挟まれた区域に、換言すれば、モジュール本体21の下端部に、箱状の洗浄水貯留部32が形成される。洗浄水貯留部32は、光触媒フィルタ30をその表面に沿って落下しながら自動的に洗浄した洗浄水Wが、一時的に貯留される領域である。モジュール本体21の下端部に形成された排水口21aは、洗浄水貯留部32の内部に位置する。
【0074】
フィルタ・フレーム22は、図7(b)に示すように、モジュール本体21の後方に寄せて固定される。これは、モジュール本体21の内部において、フィルタ・フレーム22の前方にブラックライト27用のスペースを形成するためである。
【0075】
図7(a)及び(b)に示す構成において、8個の光触媒フィルタ装着用窓23のそれぞれに光触媒フィルタ30を装着すると、図8(a)及び(b)に示す構成となる。フィルタ・フレーム22は、モジュール本体21の後方に寄せて固定されているので、光触媒フィルタ30も、図8(b)に示すように、モジュール本体21の後方に寄せて配置される。
【0076】
図8(a)及び(b)に示す構成において、4本のブラックライト27を装着すると、図9(a)及び(b)に示す構成となる。光触媒フィルタ30は、モジュール本体21の後方に寄せて配置されているので、これらのブラックライト27は、図9(a)及び(b)に示すように、モジュール本体21の内部に光触媒フィルタ30と重なる状態で装着されることができる。モジュール本体21の内部において、光触媒フィルタ30は後方に寄せて配置され、ブラックライト27は前方に寄せて配置されているので、両者の間には隙間があり、したがって、光触媒フィルタ30とブラックライト27は相互に干渉しない。その結果、モジュール本体21から前方または後方に突出する部分はなく、モジュール本体21の前面及び後面はいずれも平坦であり、従って、図9(a)及び(b)に示す構成同士を重ね合わせて図1に示す状態にすることが可能である。
【0077】
ブラックライト27の装着には、2本のコネクタ保持部材28aと8個のコネクタを使用している。2本のコネクタ保持部材28aは、モジュール本体21の上端付近及び下端付近にそれぞれ固定されている。各々のコネクタ保持部材28aには、4個のコネクタ28が等間隔に固定されており、各コネクタ保持部材28a上の対応する2個のコネクタ28が、互いに対向する位置に来るように調整されている。
【0078】
各ブラックライト27は、上下に並置された4枚の光触媒フィルタ30のほぼ全体を覆うように上下方向に延在しており、水平方向にはほぼ等間隔に配置されている。これは、ブラックライト27から放射される紫外光が、窓23に装着された8枚の光触媒フィルタ30の全面に対して、できるだけ均等に照射されるようにするためである。
【0079】
ブラックライト27及びコネクタ28は、可視光ではなく紫外光を照射する点を除けば、日常生活で使用している蛍光灯及びコネクタと同様の構成である。
【0080】
図9(a)及び(b)に示す構成において、滑車26を内蔵した係合部材24と、インバータ29とを、モジュール本体21の上端面に固定すると、図10(a)及び(b)に示す構成を持つ光触媒フィルタ・モジュール20が得られる。滑車26は、係合部材24に内蔵された回転軸25によって回転可能に支持されていて、図11(a)及び(b)に示すように、スライドレール12上を転動可能である。滑車26は、水平方向に延在するスライドレール12の表面の凹溝12aに係合しているので、スライドレール12に沿って自動的に案内され、スライドレール12から外れることはない。
【0081】
係合部材24は、ここでは、両端を開口した矩形パイプを所定長さに切断したような形状を持ち、その内部にモジュール本体21(モジュール20)の上端縁に沿って延在する回転軸25を備えている。
【0082】
モジュール20は、吊り下げられた状態で、水平方向のスライドレール12に支持されるので、図1及び図2に示すように、自重により垂直方向に向いている。そして、その状態でスライドレール12に沿って、水平方向に並進移動が可能である。
【0083】
スライドレール12と、モジュール20をスライドレール12に係合させる係合部材24と、スライドレール12上を転動する滑車26と、滑車26を回転可能に支持する回転軸25(図11(a)及び(b)参照)は、スライドレール12に沿ってモジュール20を並進移動させるための「並進移動機構」を構成する。
【0084】
モジュール本体21とフィルタ・フレーム22に使用される材料としては、紫外線により劣化しないステンレス鋼などが好適に使用される。
【0085】
本第1実施形態では、並進移動機構が、ガス流方向の上流側及び下流側にそれぞれ設けられたレール支持体13及びモジュール支持体11(第1支持体及び第2支持体に対応)と、レール支持体13とモジュール支持体11との間に掛け渡されたスライドレール12とを含み、モジュール20がスライドレール12に吊り下げられた状態で並進移動可能に支持されている。このため、簡単な構成で、一つまたは複数のモジュール20の支持と並進移動を実現することが可能である。
【0086】
(第1実施形態の光触媒フィルタ)
次に、光触媒フィルタ30の構成と、光触媒フィルタ30をモジュール本体21(つまりモジュール20)に着脱可能に装着する構成について説明する。
【0087】
光触媒フィルタ30は、略正方形のシート状で、図12に示すように、正方形シート状のフィルタ本体30aと、フィルタ本体30aの対向位置にある二つの辺(ここでは上辺と下辺)にそれぞれ形成された帯状の係止用突起30bとを有している。フィルタ本体30aは、セラミックス等の多孔質(フォーム)基材の表面に酸化チタンをコーティングして形成されている。
【0088】
フィルタ・フレーム22の各光触媒フィルタ装着用窓23の上下の梁部分には、図13に示すような係止孔22aが形成されている。係止孔22aは上下方向に貫通しており、洗浄水Wが係止孔22aを通って下方に向かって流動できるようになっている。
【0089】
光触媒フィルタ30を窓23に装着する際には、平坦な状態にあるフィルタ本体30aにその上下から外力を加えて少し湾曲させてから、上下の係止用突起30bを対応する係止孔22aにそれぞれ挿入して係止させる。その後、外力の印加を止めてフィルタ本体30aの湾曲をなくし、元の平坦な状態に戻す。すると、上下の係止用突起30bが対応する係止孔22aにそれぞれ係止されて、図13に示すような状態になる。光触媒フィルタ30は、こうして窓23にその全面を覆うような状態で固定される。
【0090】
同様にしてすべての窓23に対して光触媒フィルタ30を装着すれば、図8に示す状態が得られる。
【0091】
光触媒フィルタ30の脱着は、通常、ブラックライト27をコネクタ28から取り外した状態で、フィルタ・フレーム22(つまりモジュール20)の前方または後方から行う。フィルタ・フレーム22(つまりモジュール20)の後方から行う際には、ブラックライト27を取り付けたままでもよいが、脱着時に光触媒フィルタ30がブラックライト27に接触して損傷したりすることがあるので、ブラックライト27を取り外した状態で脱着する方が好ましい。
【0092】
フィルタ・フレーム22の各窓23の上下の梁状部分に、上下方向に貫通する係止孔22aが形成されているため、図14に示すように、洗浄水供給管31と洗浄水案内部33を通って送られた洗浄水Wは、洗浄水案内部33の直下にある二つの係止孔22a、すなわち最上位の梁状部分にある二つの係止孔22aの内部に流れ込み、最上位の窓23に装着されている二つの光触媒フィルタ30の表面に沿って下方に流動する。
【0093】
また、洗浄水供給管31にスリット31cが形成され、洗浄水案内部33にスリット状の開口33aが形成されているので、洗浄水Wは、最上位の梁状部分にある二つの係止孔22aの内部全体にほぼ均一に流れ込むことができる。このため、光触媒フィルタ30の持つ超親水性により、係止孔22aの内部を通過した洗浄水Wは、最上位の窓23に装着されている二つの光触媒フィルタ30の表面に沿って、ほぼ均一に流れ落ちることができる。これは、スリット状開口33aを形成した洗浄水案内部33に代えて、複数の小孔33a'を所定間隔で並べて形成した洗浄水案内部33'(図5(c)を参照)を使用した場合も同様である。
【0094】
次に、洗浄水Wは、上から二番目の梁状部分にある二つの係止孔22aの内部に流れ込み、上から二番目の窓23に装着されている二つの光触媒フィルタ30の表面に沿って下方に流動する。続いて、上から三番目の梁状部分にある二つの係止孔22aの内部に流れ込み、上から三番目の窓23に装着されている二つの光触媒フィルタ30の表面に沿って下方に流動する。さらに、上から四番目の梁状部分にある二つの係止孔22aの内部に流れ込み、上から四番目(最下位)の窓23に装着されている二つの光触媒フィルタ30の表面に沿って下方に流動する。最後に、上から五番目(つまり最下位)の梁状部分にある二つの係止孔22aを通って、その下方にある洗浄水貯留部32に入り、そこで一時的に貯留される。
【0095】
光触媒フィルタ30は「超親水性」を持っているため、その表面を流動する洗浄水Wはまったく弾かれることなく馴染んでしまう。このため、光触媒フィルタ30の持つセルフクリーニング機能が発揮され、さらに、光触媒フィルタ30の表面に存在する有害付着物(触媒毒)は水溶性である場合が多いため、その有害付着物は洗浄水Wによって自動的に洗い流される。その結果、光触媒フィルタ30は、装着したままの状態で洗浄されてその能力が回復する。
【0096】
しかも、超親水性によって光触媒フィルタ30の表面を洗浄水Wが円滑に流動するので、図14のように、モジュール20内に8枚の光触媒フィルタ30が4段重ねで配置されていても、モジュール20の上端部に設けた洗浄水供給管31と洗浄水案内部33を介して洗浄水Wを供給して落下させるだけで、最上位の光触媒フィルタ30から最下位の光触媒フィルタ30まで確実に洗浄することができる。
【0097】
(第1実施形態の蓋部材)
次に、洗浄水貯留部32の底部の排水口21aに設けられた蓋部材35について、図15〜図17を参照しながら説明する。
【0098】
蓋部材35は、図16(a)及び(b)に示した構成を持つ。すなわち、蓋部材35は、直線状の屈曲部35cで屈曲せしめられた略長方形の剛性板から形成されており、屈曲部35cを境界として、一方(ここでは右側)が第1部分35a、他方(ここでは左側)が第2部分35bとなっている。蓋部材35は、屈曲部35cで2回、直角に屈曲されているので、第1部分35aと第2部分35bは、図16(b)に示すように段違いになっている。第1部分35aと第2部分35bは、ほぼ平行である。
【0099】
蓋部材35は、図17に示すように、モジュール本体21の底部に形成されたスリット21bに挿入されていて、屈曲部35cにおいてモジュール本体21の底部に揺動可能に係合されている。第1部分35aは、上側つまり洗浄水貯留部32(モジュール本体21)の内部に位置し、第2部分35bは、下側つまり洗浄水貯留部32(モジュール本体21)の外部に位置する。蓋部材35は、屈曲部35cを軸としてシーソーの原理で屈曲部35cの周りに揺動する。すなわち、屈曲部35cを軸として、第1部分35aが上方に変位すると第2部分35bが下方に変位し、第1部分35aが下方に変位すると第2部分35bが上方に変位する。
【0100】
上記のような形状と構成を持つ蓋部材35の動作により、次のようにして、排水口21aは自動的に開閉される。
【0101】
すなわち、洗浄水貯留部32に洗浄水Wが貯留される前は、図15(a)に示すように、蓋部材35の第1部分35aと第2部分35bは、モジュール本体21の底部とほぼ平行な状態にあって、蓋部材35の第2部分35bが排水口21aの全体を覆うように、下方から当接せしめられている。この状態では、排水口21aは蓋部材35の第2部分35bで閉鎖されている。これは、第1部分35aよりも第2部分35bの方が重量が大きくなるように形成されているからである。
【0102】
図15(a)に示すように、排水口21aの周囲を囲むモジュール本体21の底壁が下方に少し湾曲されているため、排水口21aの内側に略円形の小さな窪みが形成されている。この窪みは、洗浄水溜めとして使用される。
【0103】
洗浄水貯留部32に洗浄水Wが貯留され始めると、図15(b)に示すように、洗浄水Wは徐々に排水口21aの内側の窪みに溜まる。これは、モジュール本体21の底壁に小さな傾斜が付けられていて、洗浄水Wが排水口21aに集まるように設計されているからである。
【0104】
排水口21aの内側の窪み(洗浄水溜め)の洗浄水Wの貯留量が所定量に達していない時、つまり洗浄水貯留中は、図15(a)と同じ状態に保たれる。すなわち、図15(b)に示すように、蓋部材35の第1部分35aと第2部分35bは、モジュール本体21の底部とほぼ平行な状態にあって、排水口21aは蓋部材35の第2部分35bで閉鎖されたままである。この状態では、洗浄水溜めに貯留されている洗浄水Wの重量と第2部分の重量の和が、第1部分の重量より小さいか、第1部分の重量に等しいからである。
【0105】
洗浄水貯留部32での洗浄水Wの貯留量が所定量に達すると、すなわち、洗浄水溜めに貯留されている洗浄水Wの重量と第2部分の重量の和が、第1部分の重量より大きくなると、図15(c)に示すように、第2部分35bが押し下げられるので、排水口21aが開放される。このため、洗浄水溜めに貯留されていた洗浄水Wは排水口21aを通って、光触媒フィルタ・モジュール20の外部に排出される。
【0106】
洗浄水Wの排出が完了すると、第2部分の重量と第1部分の重量との差により、第2部分35bが水平状態に自動的に復帰して排水口21aが再び閉鎖され、図15(a)の状態に戻る。
【0107】
図15(b)では、洗浄水Wが洗浄水溜めにのみ貯留されており、モジュール本体21の底壁上には洗浄水Wが存在しない状態が描かれているが、モジュール本体21の底壁上にも少量の洗浄水Wが存在していてもよい。その場合も同様の原理で排水口21aは開閉される。
【0108】
蓋部材35に使用される材料としては、モジュール本体21やフィルタ・フレーム22と同様に、紫外線により劣化しないステンレス鋼などが好適に使用される。
【0109】
洗浄水貯留部32に貯留されている洗浄水Wのごく一部は、スリット21bから外部に漏れることがあるが、それによって蓋部材35の動作に支障は生じない。
【0110】
(第1実施形態の光触媒フィルタ・モジュール群)
本第1実施形態の光触媒脱臭装置では、図1及び図2に示したとおり、上述したような構成を持つ光触媒フィルタ・モジュール20が5個、すなわち光触媒フィルタ・モジュール群20Bが組み込まれている。
【0111】
モジュール群20Bの中で最上流端(図1ではもっとも手前)にあるもの以外のモジュール20、つまり光触媒フィルタ・モジュール群20Aには、それぞれ、光触媒フィルタ30とブラックライト27とが装着されている。モジュール群20B中のモジュール20は、運転時には互いに重ね合わされた状態にあるので(図1参照)、最下流端にあるモジュール20のブラックライト27は、当該モジュール20の光触媒フィルタ30と、それより一つ上流側にあるモジュール20の光触媒フィルタ30に対して、紫外光を照射する。最下流端より一つ上流側にあるモジュール20のブラックライト27は、当該モジュール20の光触媒フィルタ30と、それより一つ上流側にあるモジュール20の光触媒フィルタ30に対して、紫外光を照射する。最下流端より二つ上流側にあるモジュール20のブラックライト27は、当該モジュール20の光触媒フィルタ30と、それより一つ上流側にあるモジュール20の光触媒フィルタ30に対して、紫外光を照射する。最下流端より三つ上流側にあるモジュール20のブラックライト27は、当該モジュール20の光触媒フィルタ30と、それより一つ上流側にあるモジュール20の光触媒フィルタ30に対して、紫外光を照射する。このように、一つのモジュール20内のブラックライト27から放射された紫外光が、それらブラックライト27の両側にある光触媒フィルタ30に対して照射されるので、紫外光を有効に利用することができるという利点がある。
【0112】
最上流端(図1ではもっとも手前)にあるモジュール20には、それ以外のモジュール20とは異なり、光触媒フィルタ30のみが装着され、ブラックライト27は装着されていない。これは、当該モジュール20に装着されたブラックライト27は、そのモジュール20内で光触媒フィルタ30の上流側に配置されるため、モジュール群20Bの上流側で外部に露出してしまい、それらブラックライト27から放射される紫外光がメンテナンス作業を行う作業者に好ましくない影響を与えるからである。最上流端にあるモジュール20以外のモジュール20では、このような難点がないので、紫外光の照射効率を考慮して、光触媒フィルタ30とブラックライト27の双方が装着されている。
【0113】
本第1実施形態の光触媒脱臭装置1の運転時には、光触媒フィルタ・モジュール群20Bの5個の光触媒フィルタ・モジュール20は、互いに重ね合わされた状態にある。この状態では、各モジュール20の洗浄水供給管31は相互に連結される。この点につき、図18と図4を用いて説明する。
【0114】
各光触媒フィルタ・モジュール20の洗浄水供給管31は、図4(a)及び(b)に示したように、モジュール20の上端縁に沿って延在する第1部分31aと、モジュール20に直交する第2部分31bとを備えている。第2部分31bは、上流側開口31baと下流側開口31bbを有している。第2部分31bの全長は、モジュール20の厚さに一致させてあり、5個のモジュール20が重ね合わされた状態では、図18に示すように、最も上流側にあるもの以外のモジュール20の上流側開口31baは、その上流側に隣接するモジュール20の下流側開口31bbに対向して、相互に連結されている。こうして相互に連結された上流側開口31baと下流側開口31bbの連結部は、Oリング(図示せず)によって密封されるので、そこから洗浄水Wが漏れることはない。
【0115】
最も上流側(図18では左端)にあるモジュール20の上流側開口31baは、閉止部材31eで閉止されていて、そこから洗浄水Wが漏れないようになっている。最も下流側(図18では右端)にあるモジュール20の下流側開口31bbは、モジュール支持体11内に設けられた連絡管34の先端開口に連結されている。こうして相互に連結された下流側開口31bbと連絡管34の先端開口の連結部も、Oリング(図示せず)によって密封されるので、そこから洗浄水Wが漏れることはない。
【0116】
互いに重ね合わされた5個のモジュール20の洗浄水供給管31は、このようにして相互に連結されて連絡管34に接続されるので、外部から連絡管34を介して供給された洗浄水Wは、モジュール20の各々において、洗浄水供給管31と洗浄水案内部33を経てフィルタ・フレーム22の各係止孔22aに送られる。その後、各光触媒フィルタ30の表面を順に流れ下り、洗浄水貯留部32に集められて貯留される。この点は、図14を参照しながら上述したとおりである。
【0117】
本第1実施形態の光触媒脱臭装置1では、以上の構成を持つ光触媒フィルタ・モジュール群20Aは、図19〜図21に示すように、それを並進移動可能とするための並進移動機構と、並進移動機構に含まれるスライドレール12を保持・固定するためのモジュール支持体11及びレール支持体13と共に、ケーシング10の内部に設置されている。
【0118】
ケーシング10は、直方体状の箱型で、ベース14の上に固定されている。ケーシング10の上壁には、ケーシング10内に被処理ガスを導入するためのガス導入口15と、ケーシング10内から被処理ガスを排出するためのガス排出口16とが形成されている。モジュール支持体11とガス排出口16は、ダクト17によって相互に接続されている。なお、ガス導入口15とガス排出口16の位置は、ここで示したものに限定されず、必要応じて任意の位置に設定できることは言うまでもない。
【0119】
例えば、ケーシング10の前後(レール支持体13の側とモジュール支持体11の側)にそれぞれ他の装置が配置される場合、ガス導入口15とガス排出口16をケーシング10のいずれかの側壁(図19では左側または右側の壁)に設けてもよい。
【0120】
(第1実施形態の光触媒脱臭装置の使用状況)
次に、以上述べた構成を持つ第1実施形態の光触媒脱臭装置1の使用状況について説明する。
【0121】
運転時には、図19及び図21に示すように、モジュール群20Bはモジュール支持体11の側(図19では右側)に寄せられてそれに接触せしめられている。この状態では、モジュール群20Bとレール支持体13の間に待機用スペースS1が形成されている。
【0122】
この状態でガス導入口15からケーシング10の内部(一次側空間)に導入された被処理ガスは、レール支持体13の側(上流側)からモジュール支持体11の側(下流側)に向かって、モジュール群20Bをそれに直交する方向に通過し、モジュール支持体11の内部に入る。被処理ガスは、モジュール群20Bを通過している間に、その内部にある光触媒フィルタ30によって脱臭される。こうして脱臭された被処理ガスは、モジュール支持体11からダクト17とガス排出口16を通ってケーシング10の外部(二次側空間)に排出される。
【0123】
本第1実施形態では、5個のモジュール20が、ガス導入口15とガス排出口16を有するケーシング10内に相互に隣接して配置されるので、光触媒フィルタ30によるフィルタリング効果を簡単に増大させることができるという利点がある。
【0124】
メンテナンス時には、ケーシング10内への被処理ガスの導入は停止される。メンテナンス作業が、光触媒フィルタ30の洗浄である場合は、図14を参照して上述したようにして、洗浄水供給管31に外部から洗浄水Wを供給するだけで自動的に洗浄が行われるから、作業者はそれ以外の作業をする必要がない。
【0125】
メンテナンス作業が、光触媒フィルタ30の洗浄以外である場合は、作業者は、ケーシング10の一つの側壁に設けられたドア(図示せず)からケーシング10内に入り、モジュール20のメンテナンス作業を行う。
【0126】
まず、モジュール群20Bの中の最上流側にあるモジュール20を点検する際には、モジュール群20Bの並進移動は不要である。すなわち、モジュール群20Bを運転時(図19を参照)と同じ状態に保ったままで、光触媒フィルタ30のメンテナンス作業を行うことができる。待機用スペースS1をメンテナンス用スペースS2として利用して、メンテナンス作業を行うことができるからであり、また、このモジュール20にはブラックライト27が装着されていないからである。なお、このモジュール20をその下流側から点検する際には、このモジュール20を上流側に並進移動させる必要がある。
【0127】
最上流側にあるモジュール20以外のモジュール20を点検する際には、必要に応じて、手動で、モジュール群20Bの中の点検すべきモジュール20の上流側にある少なくとも一つのモジュール20を上流側に並進移動させる必要がある。最上流側にあるモジュール20以外のモジュール20を点検する際の作業は、いずれも同じであるから、ここでは、図20に示すように、点検すべきモジュール20が、モジュール群20Bの中の下流側から3番目のモジュール20である場合について説明する。
【0128】
作業者は、手動で、点検すべきモジュール20の上流側にある二つのモジュール20を上流側に向かって並進移動させる。すると、図20に示すように、点検すべきモジュール20の上流側近傍にメンテナンス用スペースS2が形成されるので、そのメンテナンス用スペースS2を利用してメンテナンス作業(例えば光触媒フィルタ30の点検・交換やブラックライト27の点検・交換)を行う。この状態では、点検すべきモジュール20の上流側にある隣接するモジュール20に対して、その下流側(裏側)からメンテナンス作業(例えば光触媒フィルタ30の点検)を行うことも可能である。
【0129】
本第1実施形態では、並進移動機構にスライドレール12上を回転移動する滑車26が使用されているので、モジュール20の規模と重量が大きくても、作業者が一人で容易に並進移動させることができる。
【0130】
また、モジュール20が、ケーシング10内において、スライドレール12とモジュール支持体11及びレール支持体13を含む並進移動機構によって支持されると共に、ガス流方向に沿って並進移動可能となっているので、モジュール20内にある光触媒フィルタ30やブラックライト27を点検・交換する場合には、必要に応じて、点検・交換が必要なモジュール20の上流側にある他のモジュール20を上流側に並進移動させればよい。すると、点検・交換が必要なモジュール20の上流側にメンテナンス用スペースS2が生じ、その中にある光触媒フィルタ30やブラックライト27にアクセスすることが可能となるから、それらを点検したり、交換したりすることが容易に行える。
【0131】
点検・交換が必要なモジュール20内の光触媒フィルタ30やブラックライト27にその下流側からアクセスが必要であれば、当該モジュール20自体を上流側に並進移動させれば、その下流側にメンテナンス用スペースS2が生じるから、上流側からアクセスするのと同様にして、それらを点検したり、取り外して洗浄したり、交換したりすることが容易に行える。
【0132】
以上説明したように、本第1実施形態の光触媒脱臭装置1では、ガス導入口15からケーシング10内に導入された被処理ガスは、そのガス流方向に直交し且つ相互に隣接して配置された5個の光触媒フィルタ・モジュール20を通過し、その際に、それらモジュール20内にあって光源であるブラックライト27によって活性化された光触媒フィルタ30により脱臭される。脱臭された被処理ガスは、ケーシング10のガス排出口16よりその外部に排出される。こうして、被処理ガスの脱臭処理が行われる。
【0133】
略平板状の光触媒フィルタ・モジュール20の各々は、略垂直方向に装着された8枚の光触媒フィルタ30と、それら光触媒フィルタ30の上方(すなわちモジュール20の上端部)に固定された洗浄水供給管31と、それら光触媒フィルタ30の下方(すなわちモジュール20の下端部)に設けられた洗浄水貯留部32とを備えている。洗浄水供給管31に外部から洗浄水Wを供給すると、その洗浄水Wは、洗浄水供給管31のスリット31cを通って落下して洗浄水案内部33に入り、次に、洗浄水案内部33の開口33aを通って光触媒フィルタ30に向かって自然落下してから、光触媒フィルタ30の表面に沿って流れ落ちる。光触媒フィルタ30に沿って流動した後の洗浄水Wは、洗浄水貯留部32に一時的に貯留される。そして、貯留された洗浄水Wが所定量に達すると、蓋部材35が開いて排水口21aから排出されるように構成されている。
【0134】
このため、洗浄水Wが光触媒フィルタ30の表面に沿って流れ落ちる際に、光触媒フィルタ30の持つ超親水性に起因するセルフクリーニング機能が発揮され、しかも、光触媒フィルタ30の表面に存在する有害付着物(触媒毒)は水溶性である場合が多いため、その有害付着物のほとんどは洗浄水Wによって自動的に洗い流される。よって、メンテナンス時には、外部から洗浄水Wを供給するだけで、光触媒フィルタ30をその装着箇所から外すことなく(つまり装着したままで)洗浄してその能力を回復させることができる。
【0135】
また、光触媒フィルタ30の洗浄に必要な構成要素は、略垂直方向に装着された光触媒フィルタ30を含む光触媒フィルタ・モジュール20と、光触媒フィルタ30に向かって洗浄水Wを自然落下させるように構成された洗浄水供給管31及び洗浄水案内部33と、光触媒フィルタ30に沿って流動した後の洗浄水Wを一時的に貯留する洗浄水貯留部32と、その洗浄水貯留部32に設けられた排水口21a及び蓋部材35だけで足りるので、簡単な構成で実現することができる。
【0136】
本第1実施形態の光触媒脱臭装置1では、さらに次のような効果が得られる。
【0137】
第一に、洗浄水供給管31が、光触媒フィルタ30の上方においてモジュール20に沿って延在する第1部分31aと、モジュール20にほぼ直交する方向に延在する第2部分31bとを有しており、洗浄水供給管31の開口はスリット31cとして第1部分31aに形成され、第2部分31bは外部の連絡管34または他のモジュール20の洗浄水供給管31の第2部分31bに接続可能とされている。このため、洗浄水Wを洗浄水供給管31に外部から供給しやすいと共に、その洗浄水Wを光触媒フィルタ30の全体にわたって均一に流動させやすい。
【0138】
第二に、蓋部材35は、排水口21aの近傍に形成された隙間すなわちスリット21bに挿入された状態でモジュール20の底部に装着されていて、洗浄水貯留部32の内部に位置する第1部分35aと、洗浄水貯留部32の外部に位置する第2部分35bとを有しており、第2部分35bによって排水口21aを覆うことでこの排水口21aを閉鎖するように構成されている。このため、洗浄水貯留部32の内部にある第1部分35aと、洗浄水貯留部32の外部にある第2部分35bとの面積比と、排水口21aの面積との関係を調整するだけで、排水口21aの内側の窪み(洗浄水溜め)に貯留される洗浄水Wの量が所定量に達すると、自動的に蓋部材35が開いて排水口21aから排出されるようにすることができる。
【0139】
第三に、蓋部材35は、第1部分35aと第2部分35bの境界で屈曲された剛性板から形成されていると共に、屈曲部35dがスリット21bに揺動可能に係合されているので、蓋部材35の形成が容易であると共に、洗浄水貯留部32への蓋部材35の装着も容易である。
【0140】
第四に、モジュール20は、略垂直方向に配置されていると共に、並進移動機構により水平方向に並進移動が可能な状態で支持されているので、モジュール20を垂直方向に配置された状態で水平方向に並進移動させることが容易である。したがって、メンテナンス時に、光触媒フィルタ30の洗浄ができることに加え、光触媒フィルタ30(またはモジュール20に装着されたブラックライト27)の点検・交換といった、光触媒フィルタ30の洗浄以外のメンテナンス作業も容易に実行することができる。
【0141】
また、モジュール20(あるいは光触媒フィルタ・ユニットや光源ユニット)が、作業者が手動で容易に動かせない程度まで大型化した場合でも、光触媒フィルタ30またはブラックライト27の点検・交換といった、光触媒フィルタ30の洗浄以外のメンテナンス作業を、作業者が一人で実行することができる。
【0142】
なお、前記光触媒フィルタ・モジュール20は、光触媒フィルタと光源を含むのが通常であるが、少なくとも一つの光触媒フィルタを含んでいれば足り、光源は含んでいなくてもよい。光源を含んでいない場合には、前記光触媒フィルタ・モジュールは、洗浄水供給管、洗浄水貯留部等を有しない点を除いて、背景技術で引用した特許文献2の光触媒フィルタ・ユニットと同等の構成になる。
【0143】
ケーシング10の構造やガス導入口15とガス排出口16の位置は、ここで示したものに限定されないことは言うまでもない。例えば、ケーシング10のモジュール支持体11に対面する側壁を省略して、モジュール支持体11それ自体を前記側壁として使用してもよい。この場合、ガス排出口16をモジュール支持体11に形成することができる。
【0144】
また、処理前ガスが供給される一次側空間と、処理後ガスが送出される二次側空間とを仕切る隔壁に、光触媒フィルタ30でフィルタリングされたガスが通過する窓(開口)を設けたものも、ケーシング10として使用可能である。この場合、前記隔壁をモジュール支持体11として使用し、前記一次側空間にガス導入口15を設け、前記隔壁の窓(開口)をガス排出口16として使用すればよい。前記二次側空間は、前記隔壁の窓(ガス排出口16)の下流側に形成される。
【0145】
(第2実施形態の光触媒脱臭装置)
本発明の第2実施形態に係る光触媒脱臭装置1Aの全体構成の概略を図22と図23に示す。
【0146】
本第2実施形態の光触媒脱臭装置1Aの構成は、省スペース化のために、ケーシング10Aのモジュール支持体11とは反対側に取り外し可能な扉10Aaを設け、メンテナンス時にはその扉10Aaを外して、ケーシング10Aの外側にあるスペース(通路等)を利用してメンテナンス用スペースS2を生成するようになっている点を除き、上述した第1実施形態に係る光触媒脱臭装置1のそれと同じである。よって、構成が同一の部分・要素には第1実施形態に係る光触媒脱臭装置1と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0147】
本第2実施形態の光触媒脱臭装置1Aの運転時の状態は、図22に示すとおりであり、ケーシング10Aの内部に待機用スペースS1が存在しない点を除いて、第1実施形態に係る光触媒脱臭装置1のそれと同じである。すなわち、ケーシング10Aのガス流方向の長さは、モジュール支持体11と5個の光触媒フィルタ・モジュール20(光触媒フィルタ・モジュール群20B)の同方向の長さの和より少し大きいだけであり、扉10Aaは最上流位置にあるモジュール20に近接して設けられている。このため、第1実施形態の光触媒脱臭装置1に比べて、待機用スペースS1の分だけ省スペースになっている。
【0148】
メンテナンス時において光触媒フィルタ30の洗浄以外の作業を行う場合は、次のように作業する。
【0149】
まず、ケーシング10Aの扉10Aaを取り外す。すると、扉10Aaのあった部分が開口するので、図23に示すように、スライドレール12の上流側端部に補助スライドレール37の一端を接続し、他端を補助レール支持体36で支持する。補助レール支持体36は、扉10Aaが取り付けられていた部分の外側にあってその部分に隣接するスペース内で、適当な箇所に設置される。補助スライドレール37は、扉10Aaが取り付けられていた部分に生じた開口から水平方向に突出する。補助スライドレール37の構成は、スライドレール12の構成と同じである。
【0150】
点検すべきモジュール20が、モジュール群20Bの中の下流側から3番目のモジュール20である場合、作業者は、手動で、点検すべきモジュール20の上流側にある二つのモジュール20を上流側に向かって並進移動させる。この時、それら二つのモジュール20は、図23に示すように、ケーシング10Aの外に位置する。この並進移動により、第1実施形態と同様に、点検すべきモジュール20の上流側近傍にメンテナンス用スペースS2が形成されるので、そのメンテナンス用スペースS2を利用してメンテナンス作業(例えば光触媒フィルタ30の点検・交換やブラックライト27の点検・交換)を行うことができる。この状態では、点検すべきモジュール20の上流側にある隣接するモジュール20に対して、その下流側(裏側)からメンテナンス作業(例えば光触媒フィルタ30の点検)を行うことも可能である。
【0151】
メンテナンス作業が終了すると、扉10Aaをケーシング10Aの該当箇所に再度取り付け、その開口を閉鎖する。その後、光触媒脱臭装置1Aの運転を開始する。
【0152】
以上説明したように、本第2実施形態の光触媒脱臭装置1Aは、ケーシング10Aのモジュール支持体11とは反対側に取り外し可能な扉10Aaを設け、メンテナンス時にはその扉10Aaを外して、ケーシング10Aの外側にあるスペース(通路等)を利用してメンテナンス用スペースS2を生成するようになっている点を除き、上述した第1実施形態に係る光触媒脱臭装置1のそれと同じであるから、第1実施形態に係る光触媒脱臭装置1と同じ効果に加えて、第1実施形態においてケーシング10の内部に存在した待機用スペースS1に相当する分だけ、省スペースが図れるという効果がある。
【0153】
(洗浄確認試験)
本発明の効果を確認するため、以下の要領で光触媒フィルタの洗浄確認試験を行った。
【0154】
まず、300mm×300mm(面積=0.09m)の正方形の光触媒フィルタ(多孔質セラミックス基材の表面に酸化チタンをコーティングしたもの)を使用して、上述した第1実施形態の光触媒脱臭装置1と同様の構成の実機を製作した。そして、現場にてアンモニア濃度を実測したところ、0.64mg/mであった。
【0155】
そこで、密閉したボックス内に、図24に示すように、上記の光触媒フィルタと、ブラックライト及びファンを設置してから、当該ボックス内に1年分に相当する量のアンモニアを供給した。アンモニアを含有する空気は、風速0.92m/sで光触媒フィルタに吹き付けられるようにした。そして、ブラックライトを動作させて紫外光を光触媒フィルタに照射しながら、ファンを駆動してボックス内の空気を流動させた。ブラックライトとファンの駆動は、当該ボックス内でアンモニアが検知されなくなるまで継続した。こうして、1年分に相当する量のアンモニアで汚染された光触媒フィルタを製作し、洗浄試験用サンプルとした。
【0156】
アンモニアの1年分に相当する量(=334.2g)は、次のようにして計算した。すなわち、光触媒フィルタの洗浄を1年に1回行うとすると、上述した第1実施形態の光触媒脱臭装置1の光触媒フィルタ1枚当たりの風量は、0.92m/s×0.09m×3600=298.08m/hなので、1年分のアンモニア負荷量は、298.08m/h×24×365×0.64/1000=1671g/年となる。第1実施形態の光触媒脱臭装置1では、光触媒フィルタ・モジュールが5段に重ね合わされていることを考慮すると、光触媒フィルタ1枚当たりのアンモニア負荷量は、1671÷5=334.2g/年となる。
【0157】
洗浄確認試験は、次のようにして実施した。まず、光触媒脱臭装置1の実機のスモールスケール(1/200)を製作し、図25に示すような洗浄水供給・回収機構を製作した。
【0158】
実機とスモールスケールとの関係は、図28に示すとおりとした。すなわち、光触媒フィルタの1回の洗浄枚数は、実機=200枚に対し、スモールスケール=1枚、光触媒フィルタへの洗浄水供給量は、実機=9m/hに対し、スモールスケール=45L(リットル)/h、イオン交換樹脂の循環流量は、実機=4m/hに対し、スモールスケール=20L/h、洗浄水回収タンクの保有推量は、実機=4mに対し、スモールスケール=20L、洗浄に必要なイオン交換樹脂想定量は、実機=28.5Lに対し、スモールスケール=0.143Lとした。
【0159】
このスモールスケールでは、図25に示すように、1枚の光触媒フィルタの上方に洗浄水供給管を配置し、そのスリットから光触媒フィルタに向かって洗浄水が落下するようにした。洗浄水供給管への洗浄水の供給は、45L/hの流量で行った。また、光触媒フィルタに向かって落下した洗浄水は、光触媒フィルタの表面に沿って流動してから、光触媒フィルタの下方に配置した洗浄水貯留部に集められ、洗浄水貯留部に設けた排水口から落下して、その下方に設置した洗浄水回収タンクに回収されるようにした。そして、こうして洗浄水回収タンクに回収された洗浄水は、再度、洗浄水供給管に供給されるようにした。
【0160】
イオン交換樹脂ボンベには、デュオライトMBGPというイオン交換樹脂を充填しておき、洗浄水の一部が20L/hの流量で洗浄水回収タンク→イオン交換樹脂ボンベ→洗浄水回収タンクと循環して流れるようにした。イオン交換樹脂ボンベに収容されているイオン交換樹脂の量は、0.143Lとした。
【0161】
図25に示すような洗浄水供給・回収機構を持つスモールスケールでは、洗浄水回収タンク内の洗浄水の電気伝導率を測定したところ、図26のように変化した。そこで、洗浄水回収タンク内の洗浄水の電気伝導率が50μS/cmとなった時点で、アセトアルデヒドの除去率を測定したところ、図27に示す結果が得られた。図27の表から、洗浄の前後でアセトアルデヒドの除去率が回復していることが分かった。その結果、スモールスケールの光触媒フィルタは洗浄水で洗浄され、その表面の有害付着物が洗い流されていることが確認された。
【0162】
図26より、洗浄水の電気伝導率が50μS/cmとなるのは、洗浄時間が約5.5時間になった時点であった。このため、洗浄時間を8時間に設定すれば、スモールスケールだけでなく、実機でも、光触媒フィルタの洗浄は可能であると確認された。また、光触媒フィルタ1枚当たりに必要なイオン交換樹脂の量は、0.143Lで足りると推定された。
【0163】
(変形例)
上述した第1及び第2の実施形態は本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0164】
例えば、上述した実施形態では、光触媒フィルタ30を活性化する光源としてブラックライト27を使用しているが、ブラックライト27以外の光源を使用してもよいことは言うまでもない。また、多孔質セラミックに酸化チタン(TiSO)をコーティングしてなる光触媒フィルタ23を使用しているが、酸化チタン以外の光触媒を使用してもよいし、光触媒フィルタ23の基体を多孔質セラミック以外の材料で形成してもよいことは言うまでもない。
【0165】
また、本発明は、規模や重量の大きい光触媒装置に好適に適用されるが、小型の光触媒装置にも適用可能である。
【0166】
さらに、上記実施形態では、本発明を光触媒脱臭装置に適用した場合を示しているが、本発明はこれに限定されない。光触媒フィルタを備えた光触媒装置であれば、光触媒脱臭装置以外の光触媒装置、例えば、光触媒殺菌(抗菌)装置、光触媒浄化装置等にも適用可能である。
【0167】
前記洗浄液としては、純水を使用しているが、前記光触媒フィルタを洗浄してその能力を回復させることができるものであれば、純水以外の任意の液体も使用することができる。
【符号の説明】
【0168】
1 光触媒脱臭装置
1A 光触媒脱臭装置
10 ケーシング
10A ケーシング
10Aa 扉
11 モジュール支持体
12 スライドレール
12a スライドレールの凹溝
13 レール支持体
14 ベース
15 ガス導入口
16 ガス排出口
17 ダクト
20 光触媒フィルタ・モジュール
20A 光触媒フィルタ・モジュール群
20B 光触媒フィルタ・モジュール群
21 モジュール本体
21a 排水口
21b スリット
22 フィルタ・フレーム
22a 係止孔
23 光触媒フィルタ装着用窓
24 係合部材
25 回転軸
26 滑車
27 ブラックライト
28 コネクタ
28a コネクタ保持部材
29 インバータ
30 光触媒フィルタ
30a フィルタ本体
30b 係止用突起
31 洗浄水供給管
31a 第1部分
31b 第2部分
31ba 上流側開口
31bb 下流側開口
31c スリット
31d 閉鎖部
31e 閉止部材
32 洗浄水貯留部
33 洗浄水案内部
33a 開口
34 連絡管
35 蓋部材
35a 第1部分
35b 第2部分
35c 屈曲部
36 補助レール支持体
37 補助スライドレール
R1 31 洗浄水供給管の給水可能範囲
R2 洗浄水案内部の給水可能範囲
S1 待機用スペース
S2 メンテナンス用スペース
W 洗浄水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略垂直方向に装着された光触媒フィルタを含む、略平板状の光触媒フィルタ・モジュールと、
前記光触媒フィルタの上方において前記光触媒フィルタ・モジュールに固定された、開口を有する洗浄液供給管と、
前記光触媒フィルタの下方において前記光触媒フィルタ・モジュールに設けられた排出口とを備え、
前記洗浄液供給管に外部から洗浄液を供給すると、その洗浄液は前記洗浄液供給管の開口から前記光触媒フィルタに向かって落下して前記光触媒フィルタに沿って流動し、
前記光触媒フィルタに沿って流動した後の前記洗浄液は、前記排出口から前記光触媒フィルタ・モジュールの外部に排出されるように構成されていることを特徴とする光触媒装置。
【請求項2】
前記洗浄液供給管が、前記光触媒フィルタの上方において前記光触媒フィルタ・モジュールに沿って延在する第1部分と、前記光触媒フィルタ・モジュールにほぼ直交する方向に延在する第2部分とを有しており、
前記洗浄液供給管の前記開口は前記第1部分に形成され、前記第2部分は外部の連絡管または他の光触媒フィルタ・モジュールの洗浄液供給管の第2部分に接続可能とされている請求項1に記載の光触媒装置。
【請求項3】
前記光触媒フィルタの下方において前記光触媒フィルタ・モジュールに設けられた洗浄液貯留部と、前記排出口に装着された蓋部材とをさらに備えており、
前記蓋部材は、前記洗浄液貯留部に一時的に貯留された前記洗浄液が所定量に達すると、開放されて前記洗浄液を外部に排出するように構成されている請求項1または2に記載の光触媒装置。
【請求項4】
前記洗浄液供給管と前記光触媒フィルタとの間に、底面に開口を持つ洗浄液案内部が配置されており、
前記洗浄液供給管の開口から落下した洗浄液が、前記洗浄水案内部に一時的に貯留されてから、前記洗浄液案内部の開口を通って前記光触媒フィルタに向かって落下するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の光触媒装置。
【請求項5】
前記蓋部材が、前記排出口の近傍に形成された隙間に挿入された状態で前記光触媒フィルタ・モジュールに装着されていて、前記洗浄液貯留部の内部に位置する第1部分と、前記洗浄液貯留部の外部に位置する第2部分とを有しており、
前記第2部分によって前記排出口を閉鎖するように構成されている請求項3または4に記載の光触媒装置。
【請求項6】
前記蓋部材が、前記第1部分と前記第2部分の境界で屈曲された剛性板から形成されていると共に、前記蓋部材の屈曲部が前記隙間に揺動可能に係合されている請求項3〜5のいずれか1項に記載の光触媒装置。
【請求項7】
前記光触媒フィルタ・モジュールが、略垂直方向に配置されていると共に、並進移動機構により略水平方向に並進移動が可能な状態で支持されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の光触媒装置。
【請求項8】
前記光触媒フィルタ・モジュールが複数個、ケーシング内に相互に隣接して配置されている請求項7に記載の光触媒装置。
【請求項9】
前記並進移動機構が、ガス流方向の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた第1支持体及び第2支持体と、前記第1支持体と前記第2支持体との間に掛け渡されたスライドレールとを含み、
一つまたは複数の前記光触媒フィルタ・モジュールが前記スライドレールに吊り下げられた状態で並進移動可能に支持されている請求項8に記載の光触媒装置。
【請求項10】
待機用スペースとメンテナンス用スペースの双方が、前記ケーシングの内部に形成されている請求項9に記載の光触媒装置。
【請求項11】
待機用スペースが、前記ケーシングの外部に形成されていると共に、前記ケーシングの所定部分が開放可能とされており、メンテナンス時には、前記所定部分が開放されて、前記光触媒フィルタ・モジュールが前記待機用スペースまで並進移動可能とされる請求項9に記載の光触媒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−125661(P2012−125661A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276433(P2010−276433)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(390039619)株式会社レナテック (19)
【Fターム(参考)】