説明

光記録媒体

【課題】多層の光記録媒体において、従来とほぼ同じ記録容量を確保しつつも、より簡単な構造の多層光記録媒体を提供する。
【解決手段】平坦な表面を有する基板と、基板の表面の上に設けられた平坦な金属反射層と、第1、第2のスペーサー層と、両側に記録面を有する第1、第2の記録層を含む複数の記録層とを備え、金属反射層の、基板と反対側の表面には、第1のスペーサー層、第1の記録層、第2のスペーサー層及び第2の記録層がこの順に積層され、前記金属反射層と第1の記録層との間の第1の光学的距離t0と、第1の記録層と第2の記録層との間の第2の光学的距離t1とが、t1≠2t0である光記録媒体が提供される。これにより、層間クロストークの影響が低減され、かつ従来と同じ記録容量でありながら、記録層の層数を半分にすることができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光記録媒体等に関し、より詳しくは、簡単な構造でありながら高密度記録が可能な光記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチメディア(multi media)化に対応して、大量のデータを高密度で記録し、かつ迅速に記録再生する情報記録媒体としての光記録媒体(光ディスクなど)が使用されている。
【0003】
大容量の光記録媒体として、光透過性のスペーサー層を挟んで積層された複数の情報記録層を有する多層型光記録媒体が知られている。例えば、多層型光記録媒体として、2層再生専用型ディスク(2層DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory))及び2層追記型ディスク(2層DVD−R(Digital Versatile Disk Recordable))等がすでに製品化されており、2層書き換え型ディスクの開発も進められている。さらに、次世代の光記録媒体、例えば、追記型ブルーレイディスク(BD―R(Blu−ray Disc Recordable))においては、波長405nmのレーザ光源、NA0.85の対物レンズを使用することができるため、前述のDVD−R等よりも高い記録密度を実現できる。このような次世代の光記録媒体においても、情報記録層を多層化することは、さらなる大容量の光記録媒体を実現するために有効である。これまでに、多層型の次世代光記録媒体として、2層BD−Rが製品化されており、さらに多層の情報記録層を有する光記録媒体の開発も進められている。
【0004】
ここで、3層以上の情報記録層を有する多層型光記録媒体においては、情報記録層間での多重反射によって、いわゆるゴーストスポットによる層間クロストークが生じることが知られている。特許文献1には、この層間クロストークによる影響を低減するために、隣り合う情報記録層間に設ける光透過性のスペーサー層の厚みを変えることが開示されている。例えば、4層の場合には3つのスペーサー層の厚みをすべて変えることにより、情報記録層間でのクロストークを効果的に抑制している。
【0005】
【特許文献1】特開2004−213720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術においては、チルトマージンや球面収差補正の観点から、ビームの入射側のカバー層表面から一番奥の記録層までの距離を100μm程度にする必要があり、それを実現するために、各スペーサー層を薄くしている。そのため、層間クロストークを抑制する為に設定したスペーサー層の厚さの差も小さくなっており、例えば、最小で2μm程度の差しか設けることができない場合がある。従って、多層光記録媒体の製造過程で各スペーサー層の厚さ及び一様性を正確にモニターし、最終的な製造マージンを高くする必要がある。
【0007】
ここで、図5を用いて従来の6層光記録媒体200の製造プロセスを説明する。まず、表面に凹凸(溝)が形成された、厚さ1.1mmのポリカーボネイト(PC)基板100を用意する。PC基板100の、凹凸が形成された面上にL0記録層101をスパッタ法により形成する。L0記録層101は、記録膜及びその両面に配置された誘電体層を含んでおり、片側の誘電体層と基板100の間には金属反射層(不図示)が設けられている。その後、L0記録層101の上にスペーサー層102を形成し、さらにその上にL1記録層103を形成する。以後、スペーサー層104、106、108、110とL2〜L5記録層105、107,109、111を交互に形成し、最後にL5記録層111の上にカバー層112を形成する。これにより、6層光記録媒体200が形成される。各スペーサー層102、104、106、108及び110は、それぞれ10〜30μm程度の厚さであって、紫外線硬化樹脂により形成されている。各スペーサー層は、2P法及び/又はシート状のナノプリント法を用いて形成されており、各表面には、PC基板100に形成された凹凸と同様の凹凸が形成されている。
【0008】
6層光記録媒体200に情報を記録する際、又は記録された情報を再生する際には、6層光記録媒体200の、カバー層112側からビーム113を入射する。ここで、情報は、L0〜L5記録層の、ビーム113の入射方向の手前側の面(それぞれ、記録面S0〜S5と呼ぶ)に記録される。即ち、6層光記録媒体200において、実際に記録が行われる記録面の数は6つであり、記録層の数と同じである。なお、本明細書では、6層光記録媒体200のように各記録層が凹凸部を有する場合において、ビームの進行方向に対して、手前側の記録面(凸部)にビームを集光して記録を行う場合をオン・グルーブ記録と呼び、奥側の記録面(凹部)にビームを集光して記録を行う場合をイン・グルーブ記録と呼ぶことにする。
【0009】
図5に示されるように、6層光記録媒体200を作製する場合、記録層を作製するプロセスが6回、スペーサー層を形成するプロセス数が5回、カバー層を形成するプロセスが1回必要であり、このように各層の数が増えることによって材料費も高くなる。更に、各プロセスにおいて作製される種々の層を形成する際には、マージンを見込んでいるが、プロセス数が多い為に最終的に出来上がったディスクにおける各種パラメータ、例えば、各記録層の膜厚及び/又は光学特性、各スペーサー層の膜厚及び/又は一様性、各記録層の半径方向における偏心量などが想定されたスペックから外れる可能性があった。また、各パラメータ値をスペック内に収めることができたとしても、製造の歩留まりが低いことから、ディスク1枚あたりの価格が高くなってしまうという問題もあった。
【0010】
ここで、凹部及び凸部を有する記録層において、いわゆるランド・グルーブ記録方式を用いて、凸部と凹部の両方に記録を行うと、実質的に記録層数を半分に減らすことができる。しかしながら、凸部にビームを集光する場合と凹部にビームを集光する場合とでは、グルーブの影響でビームの集中度が異なるという問題がある。即ち、数値計算によるシミュレーションによると、オン・グルーブ記録ではビームがグルーブ内に集中するのに対して、イン・グルーブ記録ではビームがグルーブの外側まで広がるという問題がある。ランド・グルーブ記録方式を採用して、記録層の数を減らして製造プロセスを削減することができたとしても、記録層が多層であれば、上述の層間クロストークの問題が生じる。
【0011】
本発明は、このような層間クロストークの問題点を解決し、従来とほぼ同じ記録容量を確保しつつも、より簡単な構造の多層光記録媒体を提供することにある。本発明の別の目的は、製造プロセス数が少なく製造の歩留まりが高い新規な多層光記録媒体を製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様に従えば、光記録媒体であって、平坦な表面を有する基板と、前記基板の前記表面の上に設けられた平坦な金属反射層と、第1、第2のスペーサー層を含む複数のスペーサー層と、第1、第2の記録層を含む複数の記録層であって、各記録層の両側には記録面が形成されている複数の記録層とを備え、前記金属反射層の、前記基板と反対側の表面には、第1のスペーサー層、第1の記録層、第2のスペーサー層及び第2の記録層がこの順に積層され、前記金属反射層と第1の記録層との間の第1の光学的距離t0と、第1の記録層と第2の記録層との間の第2の光学的距離t1とが、t1≠2t0である光記録媒体が提供される。
【0013】
ここで、光学的距離は、光路の幾何学的距離と光路を占める物質の屈折率との積である。例えば、各記録層が、同じ屈折率の樹脂で形成されたスペーサー層によって隔てられている場合には、光学的距離はスペーサー層の厚さに依存する。ここで、凹凸部を有する記録層の場合には凸部と凹部とのほぼ真ん中を基準として光学的距離を定めるものとする。また、記録層の厚さ及び/又は記録層に形成された凹凸の高さが、スペーサー層の厚さと比べて充分小さい場合には、スペーサー層に起因する光学的距離のみを論じてもよい。
【0014】
本発明の光記録媒体によれば、例えば、第1の記録層の下面(金属反射層側の面)から情報を再生する場合には、基板と反対側から入射した光を、第1記録層を透過させて金属反射層で反射させた後、第1の記録層の下面に焦点を結ぶように光ビームをフォーカスさせる。このとき、光ビームの一部は第1の記録層を透過せずにその上面で反射するが、t1≠2t0であるので、第1の記録層の上面で反射した光ビームは、第2の記録層で焦点を結ぶことはない。それゆえ、本発明の光記録媒体では、層間クロストークが生じることを抑制できる。
【0015】
本発明の光記録媒体において、第1の光学的距離t0が5μm以上であってもよい。一般的に記録層間の光学的距離が10μm以内と近い場合には、層間クロストークが急に大きくなることが知られている。これに対して、第1の光学的距離t0が5μm以上であるので、第1の記録層の両面の記録再生面の間の光学的距離を10μm以上に離すことができ、これらの層の間の層間クロストークを抑えることができる。
【0016】
本発明の光記録媒体において、前記複数のスペーサー層はさらに、第2の記録層の、第2のスペーサー層と反対側の表面に積層された第3のスペーサー層を含んでもよく、前記複数の記録層はさらに、第3のスペーサー層の、第2の記録層と反対側の表面に積層された第3の記録層を含んでもよく、第2の光学距離t1、及び、第3の記録層と第2の記録層との間の第3の光学距離t2が、t2≠t1であってもよい。この場合には、第1、第2、第3の光学距離t0、t1、t2が、t2≠t1であって、且つ、t1≠2t0であるので、上述のように第1の記録層と第2の記録層との間の層間クロストークを低減するだけでなく、第2の記録層と第3の記録層との間の層間クロストーク及び第1の記録層と第3の記録層との間の層間クロストークも低減することができる。
【0017】
本発明の光記録媒体において、前記複数の記録層は、第1、第2の記録層のみを含んでもよく、第1の光学的距離t0と第2の光学的距離t1とが、t1=t0であってもよい。この場合には、第1のスペーサー層と第2のスペーサー層とを同じ厚さの同一材料で形成することができるので、多層光記録媒体の製造プロセスを簡略化でき、製造コストを低減させることができる。
【0018】
本発明の光記録媒体において、前記複数のスペーサー層は、第2の記録層の、第2のスペーサー層と反対側の表面に積層された第3のスペーサー層を含んでもよく、前記複数の記録層は、第3のスペーサー層の、第2の記録層と反対側の表面に積層された第3の記録層を含んでもよく、第1の光学的距離t0、第2の光学的距離t1、及び、第3の記録層と第2の記録層との間の第3の光学的距離t2が、t1>t2の時にt2=t0であってもよく、t1<t2の時にt1=t0であってもよい。この場合には、t1とt2の大きさを、光記録媒体のトータル厚さが薄くなるように決めることができるので、光記録媒体の厚さを抑えることができる。
【0019】
本発明の光記録媒体は、さらに、前記複数の記録層のうち、前記金属反射層から最も離れた記録層の上には、透明なカバー層が積層されてもよく、前記カバー層及び前記複数のスペーサー層は、紫外線硬化樹脂で形成されていてもよい。この場合には、記録層を保護するカバー層が設けられているので、記録層を物理的に保護することができ、さらに、カバー層及びスペーサー層が紫外線硬化樹脂で形成されているので、2P法及び/又はナノプリント法を用いて容易に形成することができる。
【0020】
本発明の記録媒体において、前記複数のスペーサー層は、全て同一の光学樹脂材料で形成されていてもよい。この場合には、各スペーサー層の屈折率が同一であるので、各記録層間の光学的距離及び金属反射層と第1の記録層との間の光学的距離は、対応するスペーサー層の厚さによって定まる。そのため、各スペーサー層の厚さを調整することによって、層間クロストークを取り除くことができ、光記録媒体の設計、製造が容易となる。
【0021】
本発明の記録媒体において、前記各記録層の両面には、それぞれ凹凸部が形成されていてもよく、前記記録再生面は、前記各記録層の両面の、前記凸部にそれぞれ配置されていてもよい。この場合には、光記録媒体にレンズを介してビームを入射し、ある記録層の両面にそれぞれ設けられた記録再生面に記録又は再生を行う場合、ビームの入射方向に対して、前記の二つの記録再生面でのビームの集光方向は逆となる。なぜならば、ビームの入射方向に対して裏側の面にある記録再生面への記録あるいは再生は、ビームの入射方向に対して一番奥に形成されている金属反射層で一旦反射させて戻ってきたビームで行うからである。この時、表裏いずれの記録再生面への記録・再生においても、共に、ビームの進行方向に対して手前側に突き出た凸部に記録・再生を行うことが可能となる(オン・グルーブ記録)。つまり、ビームの入射方向に対して手前側にある記録再生面には、凸部(表面の凸部)に記録あるいは再生を行うことができ、ビームの入射方向に対して裏側にある記録再生面(裏面)においても、ビームの入射方向に対して一番奥に形成されている金属反射層で一旦反射させて逆方向に戻ってきたビームを用いて、裏面の凸部(つまり、表面の凹部)への記録・再生を行うことができる。ただし、両面ともに凸部に記録を行うので、隣の記録トラックからのクロストークやクロスイレーズの影響も考えられる。そこで本発明に用いた多層光記録媒体においては、溝深さを従来よりも深くして溝断面における記録層の厚さを薄くしてもよい。又は、段差部で記録膜を断絶させても良い。あるいは、マークピッチを狭くしてトラックピッチを広くしてもよい。これらの対策によって、クロストークやクロスイレーズの影響を低減することもできる。
【0022】
本発明の光記録媒体において、前記記録面は所定の光ビームによって情報を記録又は再生してもよく、前記金属反射層は、銀、アルミニウム、銀合金、及び、アルミニウム合金からなる一群から選択される金属によって形成されてもよく、前記金属反射層の、前記光ビームに対する反射率が90%以上であってもよい。この場合には、金属反射層を、反射率の高い金属で容易に形成することができ、確実に光ビームを反射させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、層間クロストークの問題を解決し、ほぼ同じ記録容量であるにもかかわらず、製造プロセス数が少ないために安価な多層光記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面に基づき、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0025】
図1(A)は本実施例における3層光記録媒体30の概略図であり、図1(B)は、図1(A)IB−IB線断面図である。図1(B)に示すように、3層光記録媒体30は、厚さ1.1mmのポリカーボネイト(PC)基板1と、基板1の一方の表面に形成された金属反射層2と、金属反射層2の基板1と反対側の面に形成された記録層40と、記録層40の金属反射層2と反対側の面に形成されたカバー層(保護層)9とを有する。ここで、基板1の表面の、記録層40における後述する記録面S0〜S5(情報の記録あるいは再生を行う面、記録再生面)と重なる領域は、ミラー面(平坦な面であって凹凸(溝)及びピット列が形成されていない面)となっている。金属反射層2は、後述するビーム10の波長において、入射ビームの90%以上を反射することが可能な材質の金属である(反射率90%以上)。具体的には、金属反射層2は、銀、アルミニウムなどの金属又はそれらを含む合金で形成されている。また、金属反射層2には、BCA(Burst Cutting Area)が形成されている。このように、BCAを金属反射層のみに設けることにより、確実なBCA記録再生が可能となる。
【0026】
記録層40は、T0スペーサー層(第1のスペーサー層)3、L0記録層4、T1スペーサー層(第2のスペーサー層)5、L1記録層6、T2スペーサー層(第3のスペーサー層)7及びL2記録層8を含み、これらの層が金属反射層2に近い方から順に積層されている。さらに、L2記録層8の上には、厚さ45μm程度の透明な樹脂で形成されたカバー層9が設けられている。記録あるいは再生の時は、カバー層9側から絞り込みレンズにより集光された波長405nmのビーム10を入射させ、所望の記録層に集光させる。再生時にはその記録層から反射したビーム10を不図示のディテクタで検出する。
【0027】
記録層40の、積層された各層の両面には、T0スペーサー層3の、金属反射層1と対向する面を除いて、後述するように凹凸が形成されている。ここで、T0、T1、T2のスペーサー層3,5,7は紫外線硬化樹脂により形成されており、これらのスペーサー層の厚さはそれぞれ8μm、8μm、14μmである。L0記録層4は、窒化物系又は酸化物系の材料により形成された記録膜4aと、記録膜4a両側に設けられた誘電体層4bとを有する。記録膜4aとして、例えば、光透過率の高いBi−Ge−O記録膜等を用いることができる。誘電体層4bとしては、例えば、ZnS−SiOなどを用いることができる。L1記録層6及びL2記録層8も、L0記録層4と同様の構造である。
【0028】
各記録層4,6,8は、それぞれ両面に記録面を有しており、各記録層の記録面は、次のように規定されている。図3に示されているように、カバー層9側からビーム10を入射した際の、ビーム10に対して一番手前の記録層であるL2記録層8は、L2記録層8の手前側の記録面S5(凸部)と奥側の記録面S0(凹部)を有する。同様に、L1記録層6は、L1記録層6の手前側の記録面S4(凸部)と奥側の記録面S1(凹部)を有し、L0記録層4は、L0記録層4の手前側の記録面S3(凸部)と奥側の記録面S2(凹部)とを有する。つまり、L2記録層8の、基板1側に突出した面及びカバー層9側に突出した面が、それぞれ記録面S0,S5であり、L1記録層6の、基板1側に突出した面及びカバー層9側に突出した面が、それぞれ記録面S1,S4であり、L0記録層4の、基板1側に突出した面及びカバー層9側に突出した面が、それぞれ記録面S2,S3である。なお、本明細書において、記録面とは、記録層の表面のうち、フォーカスされた記録光又は再生光が入射する側の面を意味する。
【0029】
このように、3層光記録媒体30は、6つの記録面(S0〜S5)を有しているので、記録容量としては従来のオングルーブ記録型の6層光記録媒体とほぼ同じである。しかしながら、3層光記録媒体30の記録層の層数は3層であるので、従来の6層光記録媒体の半分の層数であり、積層構造が極めて簡単となる。さらに、後述するように、3層光記録媒体30は、7つの作製ステップ、つまり、3回の記録層作製ステップ、3回のスペーサー層形成ステップ、及び、1回のカバー層形成ステップで作製することができる。これに対して、従来の6層光記録媒体の作製プロセスでは、6回の記録層作製ステップ、5回のスペーサー層形成ステップ、及び、1回のカバー層形成ステップが必要であった。つまり、従来の6層光記録媒体の作製プロセスに比べて、記録層作製プロセスの数を1/2に低減でき、スペーサー層形成ステップの数を3/5に低減することができる。また、従来型に比べて層数が半減しているので、偏心に伴う製造歩留まりの低下を抑制できる。このように、従来に比べてプロセス数が大幅に減らすことができることにより、最終的な製造マージンを広くすることができ、製造歩留まりを向上させることができる。更に、カバー層9の表面と基板1の表面との間の厚さ(トータル厚さ)を薄くすることができるので、材料費を抑えることができ、結果的に多層光記録媒体の低価格化が可能となる。
【0030】
次に、図2を用いて、3層光記録媒体における製造プロセスの一例を説明する。まず、図2(A)に示すように、情報の記録あるいは再生を行う領域がミラー面である基板1を用意し、その表面に金属反射層2を形成する。そしてその上に第1のスペーサー層3となる紫外線硬化樹脂を塗布し、表面に凹凸(溝)を有する透明スタンパ11を押し当てる。図2(B)に示すように、紫外線露光機12を用いて、透明スタンパ11を介して第1のスペーサー層3に適度な光量の紫外線を照射する。これにより、紫外線硬化樹脂が硬化するので、透明スタンパ11の表面の凹凸を第1のスペーサー層3に転写することができる(2P法)。図2(C)に示すように、透明スタンパ11を剥がした後、スパッタ法により、第1のスペーサー層3の表面にL0記録層4を形成する。続けて、図2(D)に示すように、L0記録層4上に第2のスペーサー層5となる紫外線硬化樹脂を塗布し、少なくとも表面に凹凸を有する透明スタンパ13を押し当てる。そして図2(E)に示すように、紫外線露光機14により、透明スタンパ13を介して第2のスペーサー層5に紫外線を適度に露光し、透明スタンパ13の凹凸を第2のスペーサー層5に転写する(2P法)。図2(F)に示すように、透明スタンパ13を剥がした後、スパッタ法により第2のスペーサー層5の表面にL1記録層6を形成する。続けて、図2(G)に示すように、L1記録層6上にT2スペーサー層7となる紫外線硬化樹脂を塗布し、表面の凹凸にL2記録層8が形成された透明なカバーシート層9を押し当てる。そして図2(H)に示すように、透明なカバーシート層9を介してT2スペーサー層7に紫外線露光機15により紫外線を適度に露光し両者を接着する(ナノプリント法)。図2(I)に示すように、これらのプロセスを経て本実施例で用いる3層光記録媒体が完成する。
【0031】
なお、本実施例ではナノプリント法で形成したカバーシート層9を用いたが、2P法を用いてL2記録層の凹凸部を形成しても良い。この場合、各スペーサー層の形成に2P法を用いた場合には、前記の透明スタンパの使用枚数も従来に比べて半分の数ですむ為、低価格化に有利である。
【0032】
次に、本実施例の3層光記録媒体の各記録面へ、記録あるいは再生を行う際のビームの集光状態を図3(A)〜(F)を参照しつつ説明する。まず、記録面S5に記録/再生を行う場合には、図3(A)のようにカバー層9を介して記録面S5にビーム10を集光する。また、記録面S4に記録/再生を行う場合には、図3(B)に示すように、更にビーム10の焦点位置を奥側(基板により近い位置)に移動させ、第3のスペーサー層7も介して記録面S4にビーム10を集光する。更に、一番奥に位置する記録層L0の手前側の記録面S3記録/再生を行う場合には、図3(C)に示すように、更にビーム10の焦点位置を奥側に移動させ、第2のスペーサー層5も介して記録面S3にビーム10を集光する。このように、各記録層の手前側(カバー層9側)の記録面(S5〜S3)は、ビーム10の進行する向きに対して突出している面(凸面)であるので、これらの記録面S5〜S3に行う記録は、すべてオン・グルーブ記録である。
【0033】
記録面S3よりも更に焦点位置を奥側に移動させると、ビーム10の焦点は、PC基板1上に形成した金属反射層2に合い、更にビーム10の焦点を移動すると金属反射層2によりカバー層9側に90%以上反射される。そして更に焦点を移動すると図3(D)に示すように記録面S2にビーム10の焦点を合わせることができる。即ち、L0記録層の記録面S3の反対側にある記録面S2にも記録あるいは再生することが可能となるのである。この場合には、カバー層9側からビーム10を集光させるイン・グルーブ記録ではなく、カバー層9側とは反対方向からビーム10を記録面S2に集光させることができる(オン・グルーブ記録)。同様にして、更にビーム10の焦点位置をカバー層側へ移動させて記録面S1への記録あるいは再生(図3(E))、更に記録面S0への記録あるいは再生(図3(F))が可能となる。このように各記録層の奥側(基板1側)の記録面(S2〜S0)においても、すべてオン・グルーブ記録を実現することができる。
【0034】
図3(A)〜(F)においては、記録面S5から順番に記録面S0までビームを集光させる例を示したが、実際の記録あるいは再生時には、逆の記録面S0から記録面S5まで順に行っても良い。金属反射層2を基準とした場合には、記録面S3から記録面S5に、記録面S2から記録面S0の順に、もしくは記録層L0から記録層L2の順に両面ずつ記録あるいは再生を行った方が好ましい。もちろん、順不同で記録あるいは再生をするなど必要に応じて記録面の順番を決めてよい。
【0035】
なお、上記説明では、3層光記録媒体を例に挙げて説明したが、記録層の数は任意しうる。例えば、2層光記録媒体の製造方法、記録あるいは再生時の集光状態などは上記実施例と同様である。要するに、記録層は2層であるが実際に記録を行う記録面は4面ある。そのため、従来の4層光記録媒体とほぼ同じ記録容量であるが、作製に必要なプロセス数は5プロセス、つまり、記録層作製プロセス数が2回、スペーサー層形成プロセス数が2回、カバー層形成プロセス数が1回であり、従来の4層光記録媒体の作製に比べて、記録層作製プロセス数を0.5倍、スペーサー層形成プロセス0.67倍にでき、各プロセス数を少なくすることができる。即ち、従来に比べてプロセス数が大幅に減ることにより最終的な製造マージンが広くなり、更に、カバー層の表面と基板の表面とのトータル厚さが薄くなる為に材料費が抑えられ、結果的に多層光記録媒体の低価格化が可能となる。以下、他の層数の多層光記録媒体も同様である。
【0036】
このように、本実施例の3層光記録媒体は、従来技術に比べて同じ記録容量であっても記録層の層数を減らすことができるが、このような多層の光記録媒体の場合には、層間クロストークの影響を考える必要がある。図4(A)〜(F)は、3層光記録媒体30について、層間クロストークが生じるパターン、すなわち、光源から各記録面を介して検出部に至るまでのビームの光学的距離が同じとなるパターンを図示している。なお、これらの図では3層の記録層(L0〜L2記録層)が表示されているが、前述のように、実際に記録を行う記録面は6面ある(各記録層における両記録面の間隔(記録層の厚さ)がビームの焦点深度以内なので、これらの両記録面は同一平面として図示した)。
【0037】
まず、ビームをカバー層9側から照射し、一番手前の記録面から記録再生を行った場合、L2記録層8の記録面S5及びL1記録層6の記録面S4への記録再生時にはゴーストスポットによる層間クロストークは生じない。ゴーストスポットにより層間クロストークが生じうるのは、図4(A)に示すように、L0記録層4の記録面S3にビームの焦点を絞った時からである。即ち、第2のスペーサー層5内の光学的距離と第3のスペーサー層7内の光学的距離が同じ(本実施例では同じ材質の樹脂でスペーサー層を形成しているので厚さが同じ)である場合に、L1記録層6の記録面S4で反射し、L2記録層8の記録面S5に焦点を結び、さらに記録面S4で反射されたビームと、L0記録層4の記録面S3で反射されたビームとが、同じ光路を通って再生用のディテクタに入ることになる。この結果、クロストークを生じる。このような層間クロストークを取り除く為には、T1スペーサー層5の厚さとT2スペーサー層7の厚さとが影響の出ない程度に異ならせればよい。すなわち、T1,T2スペーサーの厚さを、t1、t2とすると、t1≠t2とすることにより、このような層間クロストークを取り除くことができる。
【0038】
また、図4(B)に示すように、金属反射層2で反射したビームの焦点をL0記録層4の記録面S2に合わせた時に、層間クロストークが発生する恐れがある。ここで、T0スペーサー層3の2倍の厚さとT1スペーサー層5の厚さとが同じである場合には、L0記録層4の記録面S2で反射し、L1記録層6の記録面S1に焦点を結び、記録面S1及びS2で反射して戻って来たビームと、L0記録層4の記録面S2で反射したビームとが、同じ光学的距離を進んで再生用のディテクタに入ることになるので、クロストークを生じさせる。この層間クロストークを取り除く為には、T0スペーサー層3の2倍の厚さとT1スペーサー層5の厚さとが影響の出ない程度異ならせればよい。すなわち、T0スペーサー層及びT1スペーサー層の厚さを、それぞれ、t0、t1とすると、2t0≠t1とすることにより、このような層間クロストークを取り除くことができる。
【0039】
図4(C)に示すように、L1記録層6の記録面S1に金属反射層2で反射したビームの焦点を絞った時にも、層間クロストークが発生する恐れがある。即ち、T1スペーサー層5の厚さとT0スペーサー層3の2倍の厚さとが同じである場合には、金属反射層2及びL0記録層4の記録面S2で反射され、金属反射層2で更に反射され、L0記録層3の記録面S2に焦点を結び、記録面S2、金属反射層2、記録面S2、金属反射層2の順で反射されたビームと、金属反射層2で反射されてL1記録層6の記録面S1で焦点を結び、記録面S1、金属反射層2の順で反射されたビームとが同じ光学的距離を進んで再生用のディテクタに入ることになるので、クロストークを生じさせる。この層間クロストークは、T1スペーサー層5の厚さと、T0スペーサー層3の2倍の厚さとを異ならせることによって、取り除くことができる。すなわち、T1スペーサー層5及びT0スペーサー層3の厚さをそれぞれt1、t0とすると、t1≠2t0にすることによって、層間クロストークを取り除くことができる。
【0040】
また、図4(D)に示すように、T1スペーサー層5の厚さとT2スペーサー層7の厚さとが同じである場合にも、層間クロストークが生じる恐れがある。即ち、L0記録層4の記録面S2で反射し、L2記録層8の記録面S0に焦点を結び、記録面S0,S2で反射して戻って来たビームと、金属反射層2で反射されてL1記録層6の記録面S1で焦点を結び、記録面S1及び金属反射層2の順で反射されたビームとが同じ光学距離を進んで再生用のディテクタに入ることになるので、クロストークを生じさせる。この層間クロストークを取り除く為には、T1スペーサー層5の厚さとT0スペーサー層3の2倍の厚さとの合計の厚さと、T1スペーサー層5の厚さとT2スペーサー層7の厚さとの合計とを影響の出ない程度に異ならせればよい。すなわち、それぞれのスペーサーの厚さを、t1、t0、t2とすると、t1+2t0≠t1+t2、つまり、2t0≠t2とすることにより、このような層間クロストークを取り除くことができる。
【0041】
同様に、図4(E)と図4(F)に示すように、L2記録層8の記録面S0に金属反射層2で反射したビームの焦点を絞った時にも層間クロストークが生じる恐れがある。図4(E)の場合には、t2≠t1とすることより、層間クロストークを取り除くことができ、図4(F)の場合には、t2≠2t0とすることより、層間クロストークを取り除くことができる。
【0042】
以上説明したように、本実施例の3層光記録媒体においては、スペーサー層の厚さを調整することによって層間クロストークが生じないようすることができる。即ち、T2スペーサー層7、T1スペーサー層5、T0スペーサー層3の厚さをそれぞれt2、t1、t0とすると、t1≠t2且つt1≠2t0とすることにより、層間クロストークを取り除くことができる。この時、各スペーサーの厚さの差は2μm以上離した方が層間クロストーク低減には効果が大きい。
【0043】
上記説明においては、3層の光記録媒体を例に挙げて、層間クロストークを取り除くための各スペーサー層の厚さについて考察してきたが、3層の光記録媒体以外の多層光記録媒体においても同様にして層間クロストークを取り除くことができる。例えば、2層の光記録媒体(実際に記録を行う記録面は4面)の場合には、L2記録層を有していないので、図4(B)と図4(C)の2つの場合を考慮して、t1≠2t0とすることにより、層間クロストークを取り除くことができる。
【0044】
ここで、特にナノプリント法により形成したシート状のスペーサー層を用いる場合には、スペーサー層の厚さの種類を少なくした方が製造マージンの拡大につながるという利点がある。本実施例においては、2種類の厚さのスペーサー層を用いて3層の光記録媒体を作製することができる。まず、t1>t2である場合には、t0の厚さをt2に揃えることにより、光記録媒体全体の厚さを抑えつつ、スペーサー層の厚さの種類を2種類に減らすことができる。この場合には、スペーサー層の厚さは、t1とt2=t0となる。またt1<t2の場合には、t0の厚さをt1に揃えることができる。この場合もスペーサー層の厚さは、t1=t0とt2の2種類となる。ここでは3層光記録媒体について詳細に説明したが、更に、層数が多い場合にも適用できる。例えば、4層光記録媒体では、T3スペーサー層、T2スペーサー層、T1スペーサー層、T0スペーサー層の厚さをそれぞれt3、t2、t1、t0とすると、t1>t2の場合には、t1=t3、t2=t0とすることにより、光記録媒体全体の厚さを抑えつつ、スペーサー層の厚さを2種類に減らすことができる。またt1<t2の場合には、スペーサー層の厚さの種類を、t1=t3=t0とt2の2種類にすることができる。同様にして5層光記録媒体以降の多層光記録媒体にも適用できる。なお、2層光記録媒体の場合にはt0=t1とすることにより、スペーサー層の厚さを1種類にすることができる。
【0045】
以上のように、本発明の多層光記録媒体およびそれに適した情報の記録再生方法を用いることにより、層間クロストークの影響を低減することができる。また、スペーサー層の厚さの種類を減らすことにより、製造マージンを拡大させることができる。
【0046】
なお、上述の説明においては、各スペーサー層は同一材料により形成されていたが、屈折率の異なる材料を用いて作製してもよい。また、スペーサー層及びカバー層の材料は、紫外線硬化樹脂に限られず、他の透明な光学樹脂を用いて作製してもよい。さらに、各記録層とスペーサー層との間に、半透過性の金属膜を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の多層光記録媒体においては、記録面の数に対して記録層の数を低減することができるので、従来技術の多層光記録媒体に比べて製造プロセスを減らすことができ、製造コストを低減できる。また、層間クロストークを低減させつつ、スペーサー層の厚さの種類を減らすことができるので、スペーサー層の製造マージンを拡大させることができる。そのため、本発明の多層光記録媒体の製造における歩留まりを向上させることができ、安価な多層光記録媒体を提供することができる。また、本発明によれば、記録層数が多くなればなるほど従来技術に比べて製造マージンの確保ができ、低価格化の効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図(A)及び(B)は、実施例における3層光記録媒体の平面図及び構造断面図である。
【図2】図2(A)〜(I)は、実施例における3層光記録媒体の製造プロセス説明図である。
【図3】図3(A)〜(F)は、実施例における3層光記録媒体の各記録面でのビームの集光状態説明図である。
【図4】図4(A)〜(F)は、実施例における3層光記録媒体での層間クロストーク説明図である。
【図5】従来例における6層光記録媒体の構造断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1、100:ポリカーボネイト基板
2:金属反射層
3、102:T0スペーサー層
4、101:L0記録層
5、104:T1スペーサー層
6、103:L1記録層
7、106:T2スペーサー層
8、105:L2記録層
9、112:カバー層
10、113:ビーム
11、13:透明スタンパ
12、14、15:紫外線露光機
107:L3記録層
108:T3スペーサー層
109:L4記録層
110:T4スペーサー層
111:L5記録層
S0、S1、S2、S3、S4、S5:記録面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光記録媒体であって、
平坦な表面を有する基板と、
前記基板の前記表面の上に設けられた平坦な金属反射層と、
第1、第2のスペーサー層を含む複数のスペーサー層と、
第1、第2の記録層を含む複数の記録層であって、各記録層の両側には記録面が形成されている複数の記録層とを備え、
前記金属反射層の、前記基板と反対側の表面には、第1のスペーサー層、第1の記録層、第2のスペーサー層及び第2の記録層がこの順に積層され、
前記金属反射層と第1の記録層との間の第1の光学的距離t0と、第1の記録層と第2の記録層との間の第2の光学的距離t1とが、t1≠2t0である光記録媒体。
【請求項2】
第1の光学的距離t0が5μm以上である請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項3】
前記複数のスペーサー層はさらに、第2の記録層の、第2のスペーサー層と反対側の表面に積層された第3のスペーサー層を含み、前記複数の記録層はさらに、第3のスペーサー層の、第2の記録層と反対側の表面に積層された第3の記録層を含み、
第2の光学距離t1、及び、第3の記録層と第2の記録層との間の第3の光学距離t2が、t2≠t1である請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項4】
前記複数の記録層は、第1、第2の記録層のみを含み、
第1の光学的距離t0と第2の光学的距離t1とが、t1=t0である請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項5】
前記複数のスペーサー層は、第2の記録層の、第2のスペーサー層と反対側の表面に積層された第3のスペーサー層を含み、
前記複数の記録層は、第3のスペーサー層の、第2の記録層と反対側の表面に積層された第3の記録層を含み、
第1の光学的距離t0、第2の光学的距離t1、及び、第3の記録層と第2の記録層との間の第3の光学的距離t2が、t1>t2の時にt2=t0であり、t1<t2の時にt1=t0である請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項6】
さらに、前記複数の記録層のうち、前記金属反射層から最も離れた記録層の上には、透明なカバー層が積層され、
前記カバー層及び前記複数のスペーサー層は、紫外線硬化樹脂で形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の光記録媒体。
【請求項7】
前記複数のスペーサー層は、全て同一の光学樹脂材料で形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の光記録媒体。
【請求項8】
前記各記録層の両面には、それぞれ凸部が形成され、前記記録面は、前記各記録層の両面の、前記凸部にそれぞれ設けられている請求項1〜7のいずれか一項に記載の光記録媒体。
【請求項9】
前記記録面は所定の光ビームによって情報を記録又は再生し、
前記金属反射層は、銀、アルミニウム、銀合金、及び、アルミニウム合金からなる一群から選択される金属によって形成され、前記金属反射層の、前記光ビームに対する反射率が90%以上である請求項1〜8のいずれか一項に記載の光記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−110557(P2009−110557A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278378(P2007−278378)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】