説明

光走査顕微鏡および照明制御方法

【課題】試料の観察中に照明光の光路のずれを確実に検出する。
【解決手段】ハーフミラー45は、光源11からの照明光を2つの光に分岐する。ハーフミラー45を透過した第1の光は、走査ユニット48により走査され、対物レンズ51を介して試料2に照射される。試料2から発せられた蛍光は、光電検出素子54または光電検出素子57により受光される。ハーフミラー45により反射された第2の光は、ハーフミラー58により分岐され、光電検出素子59,60により受光される。コンピュータ18は、光電検出素子59,60の第2の光の受光位置に基づいて照明光の光路のずれを検出する。また、コンピュータ18は、照明光の光路のずれを検出する場合、第1の光が対物レンズ51を通過しない範囲を走査されるとき、第2の光が所定の光量以上になるように照明光の光量を制御する。本発明は、例えば、共焦点顕微鏡に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査顕微鏡に関し、特に、照明光の光路のずれを検出できるようにした光走査顕微鏡および照明制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、共焦点顕微鏡において、走査ユニットに入射する前の照明光の光路のチルト方向およびシフト方向のずれを2つの光電検出素子を用いて検出し、ミラーを駆動して、照明光の光路のずれを補正する方法について提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−14837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、照明光の光路は、試料の観察中にも、温度および湿度の変化、顕微鏡の振動などの要因により変化し、ずれが生じる。しかしながら、特許文献1では、試料の観察中に照明光の光路のずれを検出する方法について十分検討されていない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、試料の観察中に照明光の光路のずれを確実に検出できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面の光走査顕微鏡は、光源からの照明光を、試料に照射する第1の光と前記照明光の光路のずれを検出するための第2の光に分岐する第1の分岐手段と、前記第1の分岐手段に入射する前記照明光の光量を制御する光量制御手段と、前記第1の光を走査する走査手段と、対物レンズと、前記対物レンズを介して前記第1の光が照射されることにより前記試料から発せられる観察光を受光する第1の受光手段と、前記第2の光に基づいて、前記照明光の光路のずれを検出する検出手段とを備え、前記光量制御手段は、前記照明光の光路のずれを検出する場合、前記第1の光が前記対物レンズを通過しない範囲を前記走査手段により走査されるとき、前記第2の光が所定の光量以上になるように前記照明光の光量を制御する。
【0007】
本発明の一側面の照明制御方法は、光源からの照明光を、試料に照射する第1の光と前記照明光の光路のずれを検出するための第2の光に分岐する分岐手段と、前記第1の光を走査する走査手段と、対物レンズと、前記対物レンズを介して前記第1の光が照射されることにより前記試料から発せられる観察光を受光する受光手段とを備える光走査顕微鏡が、前記照明光の光路のずれを検出する場合、前記第1の光が前記対物レンズを通過しない範囲を前記走査手段により走査されるとき、前記第2の光が所定の光量以上になるように前記照明光の光量を制御する。
【0008】
本発明の一側面においては、光源からの照明光が、試料に照射する第1の光と照明光の光路のずれを検出するための第2の光に分岐され、照明光の光路のずれを検出する場合、第1の光が対物レンズを通過しない範囲を走査されるとき、第2の光が所定の光量以上になるように照明光の光量が制御される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によれば、試料の観察中に照明光の光路のずれを確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を適用した共焦点顕微鏡の一実施の形態の構成例を示す図である。
【図2】コンピュータにより実現される機能の構成例を示すブロック図である。
【図3】チルトずれの検出について説明する図である。
【図4】シフトずれの検出について説明する図である。
【図5】照明光の中心軸の位置とアライメントミラーの回転方向の位置との関係の例を示すグラフである。
【図6】照明光の走査範囲の分類の例を示す図である。
【図7】照明光の光量と光電検出素子の受光量の関係の例を示すグラフである。
【図8】従来の照明光の走査方法の例を示す図である。
【図9】本発明の照明光の走査方法の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0012】
<1.実施の形態>
[共焦点顕微鏡1の構成例]
図1は、本発明を適用した2光子顕微鏡付き共焦点顕微鏡の一実施の形態の構成例を示す図である。
【0013】
2光子顕微鏡付き共焦点顕微鏡(以下、単に共焦点顕微鏡という)1は、通常の1光子励起による共焦点観察と、2光子励起法による観察を実現する観察するシステムである。共焦点顕微鏡1は、光源11、プリチャープユニット12、入射光学系ユニット13、アライメントユニット14、スキャンヘッド15、顕微鏡16、制御部17、コンピュータ18、表示部19、駆動部20、および駆動部21を含むように構成される。なお、アライメントユニット14は、スキャンヘッド15に一体的に連結するように取付けられ、スキャンヘッド15は、顕微鏡16に一体的に連結するように取付けられている。
【0014】
共焦点顕微鏡1では、観察対象の試料2に照射する照明光(励起光)の光源11として、例えば、2光子励起法が用いられる場合、パルス幅がフェムト秒単位(例えば、100フェムト秒)の超短パルス光を射出する超短パルスレーザが用いられる。光源11から出射された照明光は、プリチャープユニット12により、その群速度に負分散が発生することによってパルス幅が調整され、照明光の光路、波長、光量を調整する入射光学系ユニット13に入射する。
【0015】
入射光学系ユニット13に入射した照明光は、ミラーホルダ41に把持された全反射ミラー42により反射され、AOM(音響光学素子)43に入射する。AOM43は、コンピュータ18の制御の基に、照明光の波長と光量を調整する。AOM43から出射された照明光は、アライメントミラー44a,44bにより反射されて、照明光の光路のずれを検出するためのアライメントユニット14に入射する。
【0016】
アライメントユニット14に入射した照明光は、ハーフミラー45により2つの光に分岐される。すなわち、照明光の一部がハーフミラー45により反射され、ハーフミラー58に入射し、残りがハーフミラー45を透過し、照明光を走査したり、試料2からの観察光を検出したりするためのスキャンヘッド15に入射する。
【0017】
スキャンヘッド15に入射した照明光は、ビームエキスパンダ46によりビーム径が拡大され、ダイクロイックミラー47、走査ユニット48、およびリレーレンズ49を介して顕微鏡16に入射する。
【0018】
顕微鏡16に入射した照明光は、顕微鏡16内のダイクロイックミラー50および対物レンズ51を介してステージ52上に載置された試料2に照射される。
【0019】
このとき、走査ユニット48は、ダイクロイックミラー47から入射した照明光を、図中、左右方向(以下、x軸方向と称する)および奥行き方向(以下、y軸方向と称する)に偏向させることにより、試料2上で照明光を走査させる。試料2に照明光が照射されると、試料2からは観察光となる蛍光が発生し、この蛍光は対物レンズ51を介してダイクロイックミラー50に入射する。
【0020】
2光子励起法の場合、集光点のごく近傍からしか蛍光(観察光)が発生せず、それ自体で高い空間分解能を有するため、ピンホールは不要である。そのため、蛍光をより高い効率で検出するために、試料2になるべく近い位置に検出器を置く構成が可能となる。そのような構成の場合は、ダイクロイックミラー50は、必要に応じて対物レンズ51からの蛍光を反射して、集光レンズ53に入射させる。つまり、ダイクロイックミラー50は、物理的に移動するようになされており、2光子励起法により試料2から発生した蛍光をそのまま観察するときには、照明光の光路上に配置され、通常の1光子励起法による蛍光を共焦点方式により観察するときには、照明光の光路上には配置されない。
【0021】
ダイクロイックミラー50が照明光の光路上に配置されている場合、ダイクロイックミラー50は、リレーレンズ49からの照明光を透過させるとともに、試料2からの蛍光を反射して、集光レンズ53に入射させる。
【0022】
集光レンズ53に入射した蛍光は、集光レンズ53により集光されて光電検出素子54に受光され、さらに光電検出素子54により光電変換される。そして光電変換により得られた電気信号は、光電検出素子54から制御部17を介してコンピュータ18に供給される。コンピュータ18は、制御部17からの電気信号に基づいて、試料2の画像である観察画像の画像信号を生成して表示部19に供給し、表示部19に観察画像を表示させる。
【0023】
一方、ダイクロイックミラー50が照明光の光路上に配置されない場合、リレーレンズ49からの照明光は、対物レンズ51を介して試料2に照射される。そして、試料2からの蛍光は、照明光の光路を逆方向に通ってダイクロイックミラー47に入射する。すなわち、試料2から対物レンズ51に入射した蛍光は、リレーレンズ49および走査ユニット48を介してダイクロイックミラー47に入射する。
【0024】
ダイクロイックミラー47は、走査ユニット48からの蛍光を反射して集光レンズ55に入射させる。このダイクロイックミラー47は、照明光の波長の光を透過させて、蛍光の波長の光を反射する。
【0025】
ダイクロイックミラー47から集光レンズ55に入射した蛍光は、集光レンズ55により集光され、共焦点絞り56に設けられたピンホールを通って、光電検出素子57に受光される。そして、光電検出素子57が受光した蛍光を光電変換することにより得られた電気信号は、光電検出素子57から制御部17を介してコンピュータ18に供給される。コンピュータ18は、制御部17からの電気信号に基づいて観察画像の画像信号を生成し、表示部19に供給する。これにより、表示部19に観察画像が表示される。
【0026】
1光子励起法による共焦点観察の場合はこの経路、つまり対物レンズ51から光電検出素子57までの経路をとる。また、2光子励起法による観察の場合もピンホールを開放にすることで、この経路による検出が可能である。
【0027】
一方、アライメントユニット14内のハーフミラー45により反射された照明光は、その一部がハーフミラー58により反射され、光電検出素子59に入射し、残りがハーフミラー58を透過して、光電検出素子60に入射する。すなわち、ハーフミラー58は、照明光の光路のずれを検出するために、ハーフミラー45により抽出された照明光を2つの光(光路)に分岐させる。
【0028】
ここで、光電検出素子59は、ハーフミラー58から光電検出素子59の受光面までの照明光の光路長がL1となる位置に配置され、光電検出素子60は、ハーフミラー58から光電検出素子60の受光面までの照明光の光路長が、L1より長いL2となる位置に配置される。また、光電検出素子59および光電検出素子60は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)等の撮像素子、PSD(Position Sensing Detector)、4分割フォトダイオードなどの受光位置を検出可能な素子とされる。
【0029】
光電検出素子59は、ハーフミラー58からの照明光を受光して光電変換し、光電変換により得られた検出信号D1をA/D(Analog/Digital)変換器61に供給する。この検出信号D1は、受光面上の各位置に入射した光の強度を示す信号であり、A/D変換器61によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、制御部17を介してコンピュータ18に供給される。
【0030】
光電検出素子60は、ハーフミラー58からの照明光を受光して光電変換し、光電変換により得られた検出信号D2をA/D変換器61に供給する。この検出信号D2は、受光面上の各位置に入射した光の強度を示す信号であり、A/D変換器61によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、制御部17を介してコンピュータ18に供給される。
【0031】
コンピュータ18は、制御部17からの検出信号D1および検出信号D2のデジタル信号に基づいて、光電検出素子59の受光面上における照明光の受光位置P1と、光電検出素子60の受光面上における照明光の受光位置P2とを検出する。
【0032】
また、コンピュータ18は、検出された受光位置P1および受光位置P2に基づいて、照明光の光路の回転方向(チルト方向)のずれ(以下、チルトずれと称する)の角度および方向(以下、チルト量と称する)を演算処理により求め、駆動部20に供給する。
【0033】
さらに、コンピュータ18は、検出された受光位置P1および受光位置P2に基づいて、照明光の光路の光軸に垂直な方向(シフト方向)のずれ(以下、シフトずれと称する)の大きさおよび方向(以下、シフト量と称する)を演算処理により求める。また、コンピュータ18は、照明光のシフトずれを補正するアライメントミラー44a,44bの回転方向の位置を求め、駆動部21に供給する。
【0034】
また、コンピュータ18は、AOM43を制御して、照明光の波長と光量を制御する。
【0035】
なお、コンピュータ18が、検出された受光位置P1および受光位置P2を示す画像を表示部19に表示させたり、演算処理により求められたチルト量およびシフト量を表示部19に表示させたりするようにしてもよい。
【0036】
駆動部20は、コンピュータ18から供給されたチルト量に基づいて、照明光のチルトずれが打ち消されるように、全反射ミラー42を駆動する。すなわち、ミラーホルダ41には、全反射ミラー42を支持する互いに直交する2つの回転軸が設けられており、ミラーホルダ41は、駆動部20の制御に基づいて、それらの回転軸を中心として全反射ミラー42を回動させる。これにより、照明光の傾きが調整され、チルトずれがなくなるように照明光の光路が補正される。
【0037】
駆動部21は、コンピュータ18から供給された回転方向の位置になるように、アライメントミラー44a,44bを駆動する。すなわち、アライメントミラー44a,44bには、互いに直交する回転軸がそれぞれ設けられており、アライメントミラー44aが回転軸を中心に回転することにより、照明光がx軸方向に平行移動し、アライメントミラー44bが回転軸を中心に回転することにより、照明光がy軸方向に平行移動する。そして、アライメントミラー44a,44bが、コンピュータ18により求められた回転方向の位置に設定されることにより、照明光のシフトずれが打ち消される。
【0038】
[コンピュータ18により実現される機能の構成例]
図2は、コンピュータ18により実現される機能の一部の構成例を示すブロック図である。コンピュータ18により、照明制御部101を含む機能が実現される。また、照明制御部101は、ずれ検出部111、算出部112、補正部113、および、光量制御部114を含む機能が実現される。
【0039】
ずれ検出部111は、制御部17からの検出信号D1および検出信号D2のデジタル信号に基づいて、光電検出素子59の受光面上における照明光の受光位置P1と、光電検出素子60の受光面上における照明光の受光位置P2とを検出する。また、ずれ検出部111は、受光位置P1および受光位置P2に基づいて、照明光のチルトずれおよびシフトずれを検出する。さらに、ずれ検出部111は、照明光のチルトずれの角度および方向を示すチルト量を補正部113に供給する。また、ずれ検出部111は、照明光のシフトずれの大きさおよび方向を示すシフト量を、算出部112および補正部113に供給する。さらに、ずれ検出部111は、照明光の光路のずれを検出するタイミングを光量制御部114に通知する。
【0040】
算出部112は、照明光のシフト量、および、アライメントミラー44a,44bの回転方向の位置に基づいて、照明光の中心軸のx軸方向の位置とアライメントミラー44aの回転方向の位置との関係式(以下、x方向関係式と称する)、および、照明光の中心軸のy軸方向の位置とアライメントミラー44bの回転方向の位置との関係式(以下、y方向関係式と称する)を算出する。算出部112は、算出したx方向関係式およびy方向関係式を補正部113に供給する。
【0041】
補正部113は、照明光のチルト量を駆動部20に供給することにより、照明光のチルトずれを補正する。また、補正部113は、照明光のシフト量、x方向関係式、および、y方向関係式に基づいて、照明光のシフトずれを補正するアライメントミラー44a,44bの回転方向の位置を求める。さらに、補正部113は、求めたアライメントミラー44a,44bの回転方向の位置を駆動部21に供給することにより、照明光のシフトずれを補正する。また、補正部113は、設定したアライメントミラー44a,44bの回転方向の位置を算出部112に供給する。
【0042】
光量制御部114は、AOM43を制御して、照明光の光量を制御する。
【0043】
[照明光の光路のずれの検出方法および補正方法]
次に、共焦点顕微鏡1における照明光のずれの検出方法および補正方法について説明する。
【0044】
光源11からハーフミラー45までの照明光の光路でチルトずれが生じると、図3Aに示すように、照明光の光路は、照明光が本来通るべき光路である基準光路に対して傾く。なお、図3Aでは、実線は照明光の基準光路を示しており、点線は照明光の実際の光路を示している。
【0045】
光電検出素子59および光電検出素子60のそれぞれの受光面の中心の位置を、照明光が本来受光されるべき基準位置であるとすると、チルトずれの発生により照明光の光路は基準光路に対して傾く。その結果、受光位置P1および受光位置P2は、それぞれ基準位置からずれた位置となる。
【0046】
ここで、光電検出素子59に入射する照明光と、光電検出素子60に入射する照明光とは共通光路を有し、ハーフミラー58において分岐される。したがって、図3Bに示すように、光電検出素子59に入射する照明光の基準光路の延長上に光電検出素子60が等価配置され、光電検出素子59に入射した照明光が、そのまま直進し、光電検出素子60の受光面に到達すると仮想的に考えることができる。
【0047】
この場合、照明光は、基準光路に対して角度θだけ傾いて、図中、下側から光電検出素子59の受光面上の受光位置P1に入射し、その後、光電検出素子60の受光面上の受光位置P2に入射する。なお、図3Bにおいて、実線は照明光の光路を示しており、点線は基準光路を示している。
【0048】
ここで、光電検出素子59から光電検出素子60までの距離を△Lとすると、基準位置から受光位置P2までの距離と、基準位置から受光位置P1までの距離との差分△Pは、次式(1)で表される。
【0049】
△P=△L×tanθ ・・・(1)
【0050】
式(1)における距離△Lは、ハーフミラー58から光電検出素子59までの照明光の光路長L1と、ハーフミラー58から光電検出素子60までの照明光の光路長L2との差であるから、距離△Lは既知の光路長L1および光路長L2から求められる。また、差分△Pも受光位置P1および受光位置P2から求められる。
【0051】
したがって、光路長L1、光路長L2、受光位置P1、および受光位置P2から式(1)により、照明光のチルトずれの角度θが求められる。なお、照明光にシフトずれが生じていたとしても、受光位置P2と受光位置P1との基準位置からの距離の差分△Pは変わらないため、差分△Pは、照明光のチルトずれの角度θにより定まる。したがって、照明光のシフトずれの大きさおよび方向によらず、式(1)から角度θが求められる。
【0052】
ずれ検出部111は、受光位置P1および受光位置P2に基づいて、照明光のチルトずれの方向を求めるとともに、式(1)を計算して、その角度θを求める。補正部113は、照明光のチルトずれの角度θおよび方向を示すチルト量を駆動部20に供給する。
【0053】
駆動部20は、補正部113から供給されたチルト量に基づいて、全反射ミラー42を駆動する。すると、ミラーホルダ41は、駆動部20の制御に基づいて、照明光のチルトずれの方向とは反対方向に、チルトずれの角度θだけ、つまり角度(−θ)だけ全反射ミラー42を回動させて、照明光の光路を補正する。これにより、チルトずれが補正され、補正後の照明光の光路にはシフトずれだけが生じている状態となる。
【0054】
次に、ずれ検出部111は、照明光の光路にシフトずれだけが残っている状態において、光電検出素子59および光電検出素子60から供給された検出信号D1および検出信号D2に基づいて、照明光の受光位置P1および受光位置P2を検出する。そして、ずれ検出部111は、受光位置P1および受光位置P2の検出結果から照明光のシフトずれを検出する。
【0055】
例えば、光源11からハーフミラー45までの照明光の光路でシフトずれが生じると、図4Aに示すように、照明光の光路は基準光路に対して、基準光路と垂直な方向に平行移動する。なお、図4Aでは、実線は照明光の基準光路を示しており、点線は照明光の実際の光路を示している。
【0056】
ここで、図4Bに示すように、図3Bにおける場合と同様に光電検出素子59に入射する照明光の基準光路の延長上に光電検出素子60が等価配置され、光電検出素子59に入射した照明光が、そのまま直進し、光電検出素子60の受光面に到達すると仮想的に考える。
【0057】
この場合、照明光は、基準光路と平行に、つまり光電検出素子59の受光面に対して垂直に、その受光面上の受光位置P1に入射し、その後、光電検出素子60の受光面上の受光位置P2に入射する。なお、図4Bにおいて、実線は照明光の光路を示しており、点線は基準光路を示している。
【0058】
図4Bでは、照明光の光路にチルトずれは生じていないので、基準位置から受光位置P1までの距離と、基準位置から受光位置P2までの距離とは同じとなり、その距離が照明光のシフト量の大きさとなる。
【0059】
ずれ検出部111は、受光位置P1(または受光位置P2)から、図中左右方向(x軸方向)のシフトずれの大きさSx、および、奥行き方向(y軸方向)のシフトずれの大きさSyを求める。
【0060】
図5は、照明光の中心軸のx軸方向の位置OPx(以下、中心位置OPxと称する)と、アライメントミラー44aの回転方向の位置MPa(以下、ミラー位置MPaと称する)との関係を示すグラフである。なお、図中、横軸は、ミラー位置MPaを示している。また、縦軸は、基準光路の中心軸を基準とする中心位置OPxを示している。すなわち、縦軸の値は、照明光のx軸方向のシフトずれの大きさSxを示し、照明光にx軸方向のシフトずれが発生していないとき、縦軸の値は0となる。
【0061】
さらに、図中、実線で示されるグラフは、時刻t0のときの中心位置OPxとミラー位置MPaの関係を示し、点線で示されるグラフは、時刻t1のときの中心位置OPxとミラー位置MPaの関係を示し、一点鎖線で示されるグラフは、時刻t2のときの中心位置OPxとミラー位置MPaの関係を示す。
【0062】
図5に示されるように、中心位置OPxとミラー位置MPaとの関係式(x方向関係式)は、一次式により近似することができ、例えば、以下の式(2)により表される。
【0063】
MPa=Ax×OPx+Bx ・・・(2)
【0064】
式(2)の傾きAxは、実験によりほぼ一定で変化しないことが分かっており、定数と見なすことができる。一方、切片Bxは、照明光の波長、温度、湿度、共焦点顕微鏡1の振動などにより、時間とともに変動する。従って、図5に示されるように、中心位置OPxとミラー位置MPaとの関係を表すグラフは、傾きAxが一定のまま時間とともに平行移動する。
【0065】
ここで、各時刻tn(n=0,1,2,・・・)におけるx方向関係式の算出方法について説明する。なお、時刻t0は、試料2の観察を開始する前の時刻とし、時刻t1以降は、試料2の観察を開始した後の時刻とする。
【0066】
時刻t0において、補正部113は、駆動部21を介して、2つ以上の異なるミラー位置MPaにアライメントミラー44aを設定し、設定したミラー位置MPaを算出部112に供給する。また、ずれ検出部111は、設定された各ミラー位置MPaにおける照明光のシフト量を検出し、算出部112に供給する。算出部112は、各ミラー位置MPaにおけるシフト量に基づいて、各ミラー位置MPaにおける照明光のx軸方向の中心位置OPxを求める。そして、算出部112は、各ミラー位置MPaにおける中心位置OPxを式(2)に代入することにより、式(2)の傾きAx、および、時刻t0における切片Bx0を求める。従って、時刻t0における中心位置OPxとミラー位置MPaの関係式(x方向関係式)は、式(3)により表される。
【0067】
MPa=Ax×OPx+Bx0 ・・・(3)
【0068】
時刻t1において、ずれ検出部111は、照明光のシフト量を検出し、算出部112に供給する。算出部112は、検出されたシフト量に基づいて、照明光のx軸方向の中心位置OPx1を求める。また、算出部112は、時刻t1におけるアライメントミラー44aのミラー位置MPa1を補正部113から取得する。上述したように、式(2)の傾きAxは一定と見なすことができるので、算出部112は、時刻t1における式(2)の切片Bx1を、次式(4)により算出する。
【0069】
Bx1=MPa1−Ax×OPx1 ・・・(4)
【0070】
従って、時刻t1における中心位置OPxとミラー位置MPaのx方向関係式は、次式(5)となる。
【0071】
MPa=Ax×OPx+Bx1 ・・・(5)
【0072】
時刻t2以降の切片Bxn(n=2,3,・・・)、および、x方向関係式も、時刻t0の場合と同様にして求めることができる。すなわち、時刻tnにおけるx方向関係式は、次式(6)となる。
【0073】
MPa=Ax×OPx+Bxn ・・・(6)
【0074】
なお、各時刻tnにおけるy方向関係式も、x方向関係式と同様の方法により求めることができる。すなわち、照明光の中心軸のy軸方向の位置をOPyとし、アライメントミラー44bの回転方向の位置をMPbとすると、時刻tnにおけるy方向関係式は、次式(7)となる。
【0075】
MPb=Ay×OPy+Byn ・・・(7)
【0076】
算出部112は、算出したx方向関係式(式(6))およびy方向関係式(式(7))を補正部113に供給する。
【0077】
補正部113は、式(6)にOPx=0を代入することにより、照明光のx軸方向のシフトずれを解消するためのミラー位置MPaを求める。すなわち、照明光のx軸方向のシフトずれを解消するためのミラー位置MPaは、式(6)の切片Bxnとなる。同様に、補正部113は、式(7)にOPy=0を代入することにより、照明光のy軸方向のシフトずれを解消するためのミラー位置MPbを求める。すなわち、照明光のy軸方向のシフトずれを解消するためのミラー位置MPbは、式(7)の切片Bynとなる。
【0078】
補正部113は、求めたアライメントミラー44a,44bの回転方向の位置を駆動部21に供給する。
【0079】
駆動部21は、補正部113から供給された回転方向の位置となるように、アライメントミラー44aおよびアライメントミラー44bを駆動する。これにより、補正後の照明光の光路は、基準光路と重なった状態、つまり基準光路そのものとなった状態となる。
【0080】
このようにして、共焦点顕微鏡1では、照明光の光路のずれが検出されて、そのずれがなくなるように照明光の光路が補正される。
【0081】
なお、算出部112から補正部113に、x方向関係式およびy方向関係式の代わりに、x方向関係式の切片Bxnおよびy方向関係式の切片Bynを供給するようにしてもよい。これにより、補正部113において、照明光のシフトずれを解消するためのアライメントミラー44a,44bの位置の計算が不要になる。
【0082】
[照明光の光路のずれを検出するタイミング]
次に、図6乃至図9を参照して、照明光の光路のずれを検出するタイミングについて説明する。
【0083】
図6は、走査ユニット48により照明光が走査される範囲を分類した図である。図6に示されるように、照明光の走査範囲は、範囲151乃至153の3つの範囲に大きく分類される。
【0084】
いちばん内側の矩形の範囲151は、走査ユニット48により走査された照明光が対物レンズ51に入射し、対物レンズ51を介して試料2に照明光が照射される範囲のうち、試料2の観察対象となる範囲である。
【0085】
範囲151の周囲を囲む範囲152は、走査ユニット48により走査された照明光が対物レンズ51に入射し、対物レンズ51を介して試料2に照明光が照射される範囲のうち、試料2の観察対象外となる範囲である。
【0086】
範囲152の周囲を囲む範囲153は、走査ユニット48により走査された照明光が、対物レンズ51に入射しない範囲であり、照明光が試料2に照射されない範囲である。
【0087】
図7は、照明光の光量と、光電検出素子59および光電検出素子60との受光量の関係を示すグラフである。なお、グラフの横軸は、照明光の光量を示し、縦軸は、光電検出素子59および光電検出素子60の受光量を示している。この図に示されるように、光電検出素子59および光電検出素子60の受光量は、照明光の光量に比例し、照明光の光量が増加すると、光電検出素子59および光電検出素子60の受光量も増加する。
【0088】
ところで、光電検出素子59および光電検出素子60において、照明光の受光位置を検出するためには、所定の値以上の受光量が必要である。例えば、図7の例では、斜線で示される範囲161の受光量が必要である。
【0089】
しかしながら、共焦点顕微鏡1では、照明光により与えられる試料2のダメージを小さくするために、照明光の光量を、できる限り観察に必要な最低限の光量に近い値まで絞ることが望ましい。
【0090】
また、共焦点顕微鏡1では、照明光により与えられる試料2のダメージを小さくするために、試料2の観察対象となる範囲151内のみ照明光を照射し、それ以外の範囲には照明光を照射しないようにすることが望ましい。これについて、図8を参照して説明する。
【0091】
図8は、範囲151内のみ照明光を照射し、それ以外の範囲には照明光を照射しないようにした場合の、従来の照明光の走査方法の一例を示している。なお、図内において、実線は照明光を点灯する区間を示し、点線は照明光を消灯する区間を示している。
【0092】
この例では、照明光は、ラスタスキャン順に走査される。そして、照明光は、各行において、範囲151内を走査する区間のみ点灯され、それ以外の区間では消灯される。また、照明光は、行の終端から次に走査する行の先頭に移動する区間でも消灯される。
【0093】
従って、従来の照明光の走査方法では、試料の観察中、光量が絞られる上に、照明光が短い間隔で点滅するため、光電検出素子59および光電検出素子60の受光量が不足し、照明光の受光位置を検出できず、その結果、照明光の光路のずれを検出できないことが想定される。
【0094】
そこで、共焦点顕微鏡1では、図9に示されるように、1フレーム分の照明光の走査が終わり、いちばん下の行の終端からいちばん上の行の先頭に照明光を走査するときに、照明光が試料2に照射されない範囲153内を通過するように照明光を走査する。そして、光量制御部114は、AOM43を制御して、照明光が範囲153内を通過する間、光電検出素子59および光電検出素子60の受光量が受光位置を検出するのに必要な値以上になるように、アライメントユニット14に入射する照明光の光量を制御する。
【0095】
これにより、試料2の観察中に、照明光により与えられる試料2のダメージを増やすことなく、照明光の光路のずれを確実に検出し、照明光の光路を確実に補正することができる。
【0096】
なお、照明光の光路のずれの検出は、例えば、1フレーム毎に行うようにしてもよいし、所定の数のフレーム毎に行うようにしてもよいし、所定の時間毎に行うようにしてもよい。
【0097】
また、照明光の光路のずれを検出するか否かに関わらず、常に図9に示される経路で照明光を走査するようにしてもよいし、照明光の光路のずれを検出する場合のみ、図9に示される経路で照明光を走査し、それ以外の場合は、図8に示される経路で照明光を走査するようにしてもよい。
【0098】
さらに、照明光の光路の補正は、例えば、検出された照明光の光路のずれの大きさが所定の閾値以上になったときに行うようにしてもよいし、照明光の光路のずれを検出する度に行うようにしてもよい。
【0099】
また、x方向関係式およびy方向関係式の更新は、例えば、検出された照明光の光路のずれの大きさが所定の閾値以上になったときに行うようにしてもよいし、照明光の光路のずれを検出する度に行うようにしてもよい。
【0100】
さらに、例えば、フレームの各行または所定の行において、照明光を範囲153内まで走査し、範囲153内を照明光が通過するときに、照明光の光量を上げ、照明光の光路のずれを検出するようにしてもよい。
【0101】
以上のようにして、試料2の観察中に、確実に照明光の光路のずれを検出し、補正することができる。その結果、試料2の所望の部位に充分な光量の照明光を照射することができ、観察画像の画質の劣化を防止するとともに、観察者の所望する試料2の部位の観察画像を得ることができる。
【0102】
また、照明光の中心軸調整のためのメンテナンスが不要となるとともに、画像分解能や画像品質などの諸性能の安定した、より信頼性の高い共焦点顕微鏡1を実現することができる。
【0103】
<2.変形例>
以上の説明では、本発明を共焦点顕微鏡に適用する例を示したが、本発明は、試料上において照明光を走査する他の方式の顕微鏡にも適用することが可能である。なお、走査は、片道だけでなく、往復、自由曲線等も含む。
【0104】
また、全反射ミラー42およびアライメントミラー44a,44b以外の手段を用いて、照明光の光路を補正するようにしてもよい。なお、アライメントミラー44a,44bとは異なる手段を用いて照明光の光路を補正する場合には、式(6)および式(7)とは異なる関係式を用いて、照明光のシフトずれが補正される。
【0105】
さらに、以上においては、チルトずれの補正を行った後、シフトずれを検出する例について説明したが、ずれ検出部111が、検出信号D1および検出信号D2に基づいて、照明光のチルト量およびシフト量を同時に求めるようにしてもよい。この場合、照明光のチルトずれおよびシフトずれの補正を同時に行うことが可能になる。
【0106】
また、照明光の光路のずれを検出するために照明光の一部を抽出するハーフミラー45は、入射光学系ユニット13と走査ユニット48との間の照明光の光路上であれば、どこに配置してもよい。
【0107】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 2光子顕微鏡付き共焦点顕微鏡, 2 試料, 11 光源, 13 入射光学系ユニット, 14 アライメントユニット, 15 スキャンヘッド, 16 顕微鏡, 18 コンピュータ, 20,21 駆動部, 41 ミラーホルダ, 42 全反射ミラー, 43 AOM, 44a,44b アライメントミラー, 45 ハーフミラー, 48 走査ユニット, 51 対物レンズ, 54,57 光電検出素子, 58 ハーフミラー, 59,60 光電検出素子, 101 照明制御部, 111 ずれ検出部, 112 算出部, 113 補正部, 114 光量制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの照明光を、試料に照射する第1の光と前記照明光の光路のずれを検出するための第2の光に分岐する第1の分岐手段と、
前記第1の分岐手段に入射する前記照明光の光量を制御する光量制御手段と、
前記第1の光を走査する走査手段と、
対物レンズと、
前記対物レンズを介して前記第1の光が照射されることにより前記試料から発せられる観察光を受光する第1の受光手段と、
前記第2の光に基づいて、前記照明光の光路のずれを検出する検出手段と
を備え、
前記光量制御手段は、前記照明光の光路のずれを検出する場合、前記第1の光が前記対物レンズを通過しない範囲を前記走査手段により走査されるとき、前記第2の光が所定の光量以上になるように前記照明光の光量を制御する
ことを特徴とする光走査顕微鏡。
【請求項2】
前記照明光の光路を調整する調整手段と、
前記照明光の中心軸の位置と前記調整手段の位置との間の関係式を算出する算出手段と、
前記検出手段により検出された前記照明光の光路のずれ、および、前記関係式に基づいて、前記照明光の光路のずれを補正する前記調整手段の位置を求め、前記調整手段を求めた位置に設定する補正手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光走査顕微鏡。
【請求項3】
前記関係式は、前記照明光の中心軸の位置と前記調整手段の位置の一次関数により表される
ことを特徴とする請求項2に記載の光走査顕微鏡。
【請求項4】
前記算出手段は、前記調整手段の2つ以上の異なる位置において、前記検出手段により検出された前記照明光の光路のずれに基づいて、前記関係式を算出する
ことを特徴とする請求項3に記載の光走査顕微鏡。
【請求項5】
前記算出手段は、前記検出手段により検出された前記照明光の光路のずれ、および、そのときの前記調整手段の位置に基づいて、前記関係式を更新する
ことを特徴とする請求項4に記載の光走査顕微鏡。
【請求項6】
前記検出手段は、
前記第2の光を第3の光と第4の光に分岐する第2の分岐手段と、
前記第2の分岐手段から第1の距離の位置に配置され、前記第3の光を受光する第2の受光手段と、
前記第2の分岐手段から前記第1の距離と異なる第2の距離の位置に配置され、前記第4の光を受光する第3の受光手段と、
前記第2の受光手段における前記第3の光の受光位置と、前記第3の受光手段における前記第4の光の受光位置とに基づいて、前記照明光の光路のずれを検出するずれ検出手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光走査顕微鏡。
【請求項7】
前記光量制御手段は、前記照明光の光路のずれを検出しない場合、前記第1の光が観察対象となる範囲の外側を前記走査手段により走査されるとき、前記照明光を消灯させる
ことを特徴とする請求項1に記載の光走査顕微鏡。
【請求項8】
光源からの照明光を、試料に照射する第1の光と前記照明光の光路のずれを検出するための第2の光に分岐する分岐手段と、
前記第1の光を走査する走査手段と、
対物レンズと、
前記対物レンズを介して前記第1の光が照射されることにより前記試料から発せられる観察光を受光する受光手段と
を備える光走査顕微鏡が、
前記照明光の光路のずれを検出する場合、前記第1の光が前記対物レンズを通過しない範囲を前記走査手段により走査されるとき、前記第2の光が所定の光量以上になるように前記照明光の光量を制御する
ことを特徴とする照明制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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