説明

光起電性の用途のためのカルコゲニドの合金のスパッターのターゲット及びそのものを製造する方法

一つの例の実施形態において、半導体性のカルコゲニドのフィルムを堆積させるためのスパッターのターゲットの構造は、記載される。スパッターのターゲットは、少なくともおおよそ2N7のカルコゲニドの合金の純度、個々に酸素(O)、窒素(N)、及び水素(H)について500ppmと比べてより少ない気体の不純物、並びに、500ppmと比べてより少ない炭素(C)の不純物を有する少なくとも一つのカルコゲニドの合金を備えるターゲットの本体を含む。特定の実施形態において、少なくとも一つのカルコゲニドの合金のカルコゲニドは、ターゲットの本体の組成物の少なくとも20原子パーセントを備えると共に、カルコゲニドの合金は、カルコゲニドの合金についての理論的な密度の少なくとも95%の密度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、半導体性のカルコゲニドのフィルムを堆積させることにおける使用に適切なスパッターのターゲットに関係する。
【背景技術】
【0002】
半導体性のカルコゲニドのフィルムは、典型的には、太陽電池のような、光起電性のデバイスにおける吸収体の層として使用される。カルコゲニドは、少なくとも一つのカルコゲンのイオン(周期表における16(VI)族の元素、例.硫黄(S)、セレン(Se)、及びテルル(Te))及び少なくとも一つのより電気的に陽性の元素からなる化学的な化合物である。当業者が認識することになるように、カルコゲニドに対する参照は、一般に、硫化物、セレン化物、及びテルル化物のみへの参照においてなされる。薄いフィルムに基づいた太陽電池デバイスは、吸収体の層が、他の元素との合金である又は数ある中で酸化物、窒化物、及び炭化物と同様の化合物でさえもある、又は、代わりに、それの形態にあるものである、際に、これらのカルコゲニドの半導体の材料を利用することがある。カルコゲニドの(単一のもの及び混合させられたものの両方の)半導体は、地球上の太陽のスクトル内に良好に光学的なバンドギャップを有すると共に、よって、電子正孔対を発生させると共に使用可能な電気的なエネルギーへ光のエネルギーを転換するための薄いフィルムに基づいた太陽電池における光子の吸収体として使用されることができる。
【0003】
物理蒸着に基づいた工程、及び特にスパッターに基づいた堆積の工程は、従来、高いスループット及び収率を備えたそのような薄いフィルムの層の高い堆積の製造に利用されてきたものである。これらの薄いフィルムの層は、高い純度のスパッターのターゲットの(反応性の/非反応性の又は同時のスパッタリングの形態における)スパッタリングによって堆積させられることができる。一般に、結果として生ずる半導体の薄いフィルムの質は、類似して、一般にターゲットの製作の質に依存するものである材料を供給するスパッターのターゲットの質に依存する。正確な化学量論的な制御を保証する一方で製造の単純さを提供することは、理想的には、同じ化学量論を有する適当な材料の高い純度のスパッターのターゲットの非反応性のスパッターによって達成されることができる。しかしながら、これらの材料のいくつかが、異なる融点のみならず変動するスパッターの速度と共に異なる原子の種を有する際には、薄いフィルムにおける正確な望まれた化学量論を達成することは、難題を与える。当業者が認識することになるように、結果として生ずる薄いフィルムにおけるいずれの非化学量論も、構造における調節されたものはない電荷の補償に寄与することができると共にデバイスの特性に影響を及ぼすことができる。追加的に、薄いフィルムの吸収体の層へのスパッターのターゲットからの不純物の組み込みは、不整合な及び信頼性のないデバイスの特性をもまた引き起こすことができる。例の方式によって、不純物は、バンドギャップにおける(異なる不純物及びそれらの相対的な濃度に基づいて変動すると思われるものである)トラップのレベルとして作用することができる。さらには、スパッターのターゲットそれら自体は、これらが工程の収率を制限することができる際に、堆積の工程の間におけるアーキング及び欠陥の発生を最小にする為に適度な密度を有することを必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】図1は、例のスパッターのターゲットを製造するための例の工程を図解するフローチャートである。
【図2】図2は、例のスパッターのターゲットを製造するための例の工程を図解するフローチャートである。
【図3】図3は、摂氏の度における温度の関数としてのセレンの原子のパーセント又は重量パーセントを示す例のプロットである。
【図4】図4は、摂氏の度における温度の関数としてのインジウムの原子のパーセント又は重量パーセントを示す例のプロットである。
【図5A】図5A及び5Bは、例のスパッターのターゲットの、それぞれ、図式の上面の及び断面の側面の図を図解する。
【図5B】図5A及び5Bは、例のスパッターのターゲットの、それぞれ、図式の上面の及び断面の側面の図を図解する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の特定の実施形態は、半導体性のカルコゲニドのフィルムを堆積させるためのスパッターのターゲット及びそのようなターゲットを製作するための方法に関係させられる。具体的には、一つの態様は、光起電性のデバイスの用途、及び特に、薄いフィルムに基づいた太陽電池のための化学量論的な、低い不純物の、高い密度の薄いフィルムの吸収体の層の堆積のためのカルコゲニドの(単一の又は混合させられた)半導体性の材料のための高い密度の、低い不純物のスパッターのターゲットの溶液を提供することに関係する。後に続く記載は、そのようなスパッターのターゲットを製造する際のインゴット及び粉末の冶金学的な技術に基づいた工程のルートの多重の例の実施形態を提供する。
【0006】
様々な実施形態において、そのようなターゲットのスパッタリングから結果として生じる半導体性の薄いフィルムは、内因性の半導体又は外因性の半導体のいずれかであることがある。例の方式によって、薄いフィルムは、リン(P)、窒素(N)、ホウ素(B)、砒素(As)、及びアンチモン(Sb)のような元素でドープされたとき、外因性のものであることがある。いくつかの特定の実施形態において、半導体性のカルコゲニドは、例えば、ここに参照によって組み込まれるものである、2007年10月24日に出願された及びSEMICONDUCTOR GRAIN AND OXIDE LAYER FOR PHOTOVOLTAIC CELLSと題されたPCT/US2007/082405(公開番号WO/2008/052067)に記載されたもののような、数ある中で、半導体性の又は絶縁性の酸化物、窒化物、炭化物、及び/又はホウ化物と一緒にまた利用されることがある。このような実施形態において、フィルムのミクロ構造は、粒状物の境界相を作る、酸化物、窒化物、炭化物、及び/又はホウ化物等と共に顆粒状のものになる。
【0007】
特定の実施形態と一致して製造されたスパッターのターゲットは、特定の純度、密度、及びミクロ構造の性質又は要件を備えたカルコゲニドの合金又は化合物を含有する。例の方式によって、及び、限定の方式によってではなく、製造されたスパッターのターゲットの組成物は、数ある中で、テルル化水銀(HgTe)、硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化鉛(PbTe)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化スズ(SnTe)、硫化銅(例.CuS、CuS、又はCu1−x(例.そこでは、xは、0から1まで変動することがある))、セレン化銅(例.CuSe、CuSe、CuSe、又はCu2−xSe1+x(例.そこでは、xは、0から1まで変動することがある))、二硫化インジウム銅(CuInS)、二硫化ガリウム銅(CuGaS)、二硫化ガリウムインジウム銅(Cu(In1−xGa)S(例.そこでは、xは、0から1まで変動することがある))、二セレン化インジウム銅(CuInSe)、二セレン化ガリウム銅(CuGaSe)、二セレン化ガリウムインジウム銅(Cu(In1−xGa)Se(例.そこでは、xは、0から1まで変動することがある))、二硫化ガリウムインジウム銀銅(Cu1−xAg)(In1−yGa)S(例.そこでは、xは、0から1まで変動することがあると共に、yは、0から1まで変動することがある)、二セレン化ガリウムインジウム銀銅(Cu1−xAg)(In1−yGa)Se(例.そこでは、xは、0から1まで変動することがあると共に、yは、0から1まで変動する)、硫化インジウム(In)、(In(Ga1−x(例.そこでは、xは、0から1まで変動することがあると共に、特に、そこでは、xは、おおよそ0.2、0.35、0.5、0.75、又は0.8に等しいものである)、セレン化インジウム(InSe)、(InSe(GaSe1−x(例.そこでは、xは、0から1まで変動することがあると共に、特に、そこでは、xは、おおよそ0.2、0.35、0.5、0.75、又は0.8に等しいものである)、硫化ビスマス(BiSe)、硫化アンチモン(Sb)、硫化銀(AgS)、硫化タングステン(WS)、セレン化タングステン(WSe)、硫化モリブデン(MoS)、セレン化モリブデン(MoSe)、硫化スズ(SnS(例.そこでは、xは、1から2まで変動することがある))、セレン化スズ(SnSe(例.そこでは、xは、1から2まで変動することがある))、硫化スズ銅(CuSnS):を含む様々なカルコゲニドで備えられることがある。
【0008】
スパッターのターゲット及びここに記載された例の実施形態に従って生産されたそのようなスパッターのターゲットと共に堆積させられた結果として生ずる望まれた半導体性の薄いフィルムは、単一のカルコゲニドのみ、又は、代わりに、多重のカルコゲニドを含むことがある。混合させられたカルコゲニドの薄いフィルムは、多重のカルコゲニドを含むものである単一のスパッターのターゲット、又は、代わりに、各々がここに記載された工程に従って生産された一つの若しくはより多いカルコゲニドを含有する複数のスパッターのターゲットのいずれかを使用することで生産された。そのような異なるカルコゲニドの数、タイプ、及び具体的な組み合わせが、様々な実施形態において幅広く変動することがあることは、留意されるべきことである。しかしながら、特定の実施形態において、カルコゲン(例.S、Se、及び/又はTe)の濃度は、スパッターのターゲットのカルコゲニドの合金の組成物において少なくとも20原子パーセントである。
【0009】
前述されたスパッターのターゲットのような、スパッターのターゲットを製造するための二つの例の工程は、今、図1及び2への最初の参照と共に記載されることになる。特定の用途の純度、密度、ミクロ構造、及び組成の要件に基づいて、スパッターのターゲットは、(1)図1のフローチャートを参照した、例の方式によって、及び、限定の方式によってではなく、記載されたもの及び図解されたもののような、インゴットの冶金学、又は(2)図2のフローチャートを参照した、例の方式によって、及び、限定の方式によってではなく、記載されたもの及び図解されたもののような、粉末の冶金学を使用することで製造されることがある。図1及び2を参照して記載された工程が、各々、単一のフローチャートとの併合で記載される又は図解されるとはいえ、図1及び2を参照して記載された工程が、各々現実に一つの又はより多い別個の工程を含むことがあることは、留意されるべきことである。
【0010】
特定の実施形態において、インゴットの冶金学は、加えられたドープする元素(例.リン(P)、窒素(N)、ホウ素(B)、砒素(As)、又はアンチモン(Sb))有りで又は無しで単一の又は混合させられたカルコゲニドを含有する合金の組成物を有するスパッターのターゲットを生産するために使用されることがある。特定の実施形態において、図1を参照して図解された工程は、材料(例.要素の又はマスター合金)を集合的に含有するものである102に一つの又はより多いインゴットを提供すること共に始まるが、それの結果として生ずるスパッターのターゲットは、備えられるものである(例.各々望まれたカルコゲニドの合金の組成物を有するスパッターのターゲットを生産するための材料を含有するものである一つの若しくはより多いインゴット、又は、代わりに、集合的に、しかし個々にではなく、望まれたカルコゲニドの合金の組成物を有するスパッターのターゲットを生産するための材料を含有するものである二つの若しくはより多いインゴット)。
【0011】
カルコゲニドが、ラインの化合物であると、それらは、典型的には、もろいものである、しかしながら、いずれの気体の又は収縮の空隙率も、非常に制御された速度(例.おおよそ摂氏1000度毎分と比べてより少ない冷却する速度)でのインゴットの固化を使用することで予防されることができる。特定の実施形態において、鋳放しのインゴットの密度は、例の方式によって、周囲の又は上昇させられた温度及び圧力を使用するホットアイソスタティックプレスをすること及び/又は他の圧密化の方法を使用することでインゴットの鋳造した後の緻密化を通じて向上させられることができる。合金の延性及び作業性に基づいて、そのようなインゴットは、また、いくつかの特定の実施形態において、さらに密度を向上させると共に鋳放しのミクロ構造を精錬するための熱的な機械的な作業をすることにかけられることができる。Gaのような、低い温度で溶融する元素を含有する合金の組成物、又は、固化の間に形成されたいずれの低い温度で溶融する相をも含有する合金は、制限された工程の窓を有することがある。
【0012】
一つの例の実施形態において、前述されたスパッターのターゲットは、102に提供されたもののような鋳放しのインゴットを使用することで製造されることがある。しかしながら、より上に記載されたような、いくつかの特定の実施形態において、鋳放しのインゴットは、104で鋳造後の緻密化又は固化にかけられることがある。例の方式によって、104における鋳放しのインゴットの鋳造後の緻密化は、周囲の又は上昇させられた温度及び圧力でホットアイソスタティックプレスをすることによって達成されることがある。なおも他の実施形態において、鋳放しのインゴットは、106で熱的な機械的な作業をすることが後に続けられた104における鋳造後の緻密化にかけられることがある。熱的な機械的な作業をすることの例は、例の方式によって、及び、限定の方式によってではなく、一又は多方向性のコールド、ウォーム、若しくはホットローリング、鍛造、又は、例の方式によって、周囲のものから固相線の温度と比べておおよそ摂氏50度より低いものまでの範囲にわたる温度でいずれの他の変形の加工をすることを含む。
【0013】
特定の例の実施形態において、インゴットは、その次に、例の方式によって、真空における(おおよそ1トールと比べてより少ないときの)液相線より上のおおよそ摂氏200度までの温度で、例の方式によって真空又は不活性な気体で溶融させること(例.誘導、e−ビームで溶融させること)、を使用することで、108で溶融させられる。代わりの実施形態において、インゴットは、開放的な溶解装置において溶融させられることがある。いずれかの事例において、工程は、その次に、例の方式によっておおよそ摂氏1000度毎分と比べてより少ないものの冷却する速度でモールドにおいて110(例.従来のもの又はかき混ぜること又は攪拌によってアシストされたもの)での制御された固化に進行することがある。これは、低い密度のスラグの形態における不純物を取り除くための十分な時間を許容する。正確な化学量論の制御は、108で溶融すること及び110での固化の間に正の不活性な気体の圧力(例.0.01ミリトールと比べてより大きいもの)を維持することによって(Gaと同様の)低い温度で溶融する高い蒸気圧力の元素を含有する合金についてさえも保証されることができる。結果として生ずるスパッターのターゲットの本体は、その次に、他の従来の加工をすることの中で、機械加工されることがある。
【0014】
特定の実施形態に従って、単一の又は混合させられたカルコゲニドを含有するスパッターのターゲットは、そこではカルコゲン、特にS、Se、及び/又はTeが、スパッターのターゲットのカルコゲニドの合金の組成物における少なくとも20原子パーセントを備えるが、2N7及びより大きいもののスパッターのターゲットの純度(例.スパッターのターゲットのカルコゲニドの合金が少なくとも99.7%純粋なものである)で、並びに、個々に酸素(O)、窒素(N)、水素(H)について500百万分率(ppm)と比べてより少ない気体の不純物及び低い炭素(C)のレベル(例.500ppmと比べてより少ないもの)で、ちょうど図1を参照して記載されたようなインゴットの冶金学的な技術で形成されることができる。追加的に、特定の実施形態において、結果として生ずるスパッターのターゲットは、合金についての理論的な密度の95%を超過するカルコゲニドの合金の密度で形成されることができる。さらには、カルコゲニドの合金のスパッターのターゲットは、ほとんど等軸の(体積で>60%)粒状物(3.5と比べてより少ない粒状物のアスペクト比を備えたもの)を示すミクロ構造と共に形成されることがある。ほとんどの合金において、鋳放しのインゴットからのターゲットのミクロ構造における柱状性(アスペクト比)は、機械加工することの間に取り除かれることがある。いくつかの実施形態において、より上のミクロ構造の特徴は、また、せん断力によってミクロ構造におけるいずれの柱状性をも破壊するものである、固化の工程の間に溶融物をかき混ぜること又は攪拌することを使用することで得られることができる。追加的に、インゴットの冶金学で誘導されたターゲットが、再溶融物としてリサイクルされることができることは、また認識されるべきことである。これは、かなり顕著に所有権のそれらのコストを低減する。
【0015】
インゴットの冶金学的な工程の具体的な例の実施形態において、CuSeのスパッターのターゲットは、制御された固化(例.おおよそ摂氏1000度毎分と比べてより少ない冷却する速度でのもの)が後に続けられた、摂氏725度(例.液相線を超えて摂氏200度より上のもの)における真空溶融装置(ベースの圧力〜0.8トール)においてインゴットの溶融物のストック(要素の又は再溶融物のストック)を使用することで製造される。鋳放しのインゴットは、インゴットの表面における温度が、おおよそ摂氏100−250度の範囲にあるもの、及び特定の実施形態において固相線の温度より下に少なくとも摂氏50度である一方、(摂氏30度の区間で)クロスローリングされる。この合金の組成物の使い尽くされたターゲットは、また、再溶融物のストックとして使用されることができる。図3は、摂氏の度における温度の関数としてのSeの原子パーセント又は重量パーセントのプロットである。
【0016】
粉末の冶金学を使用するスパッターのターゲットを形成するための第二の工程は、今、図2のフローチャートを参照して記載されることになる。例の実施形態において、粉末の冶金学は、ドープする元素有りで又は無しで単一の又は混合させられたカルコゲニドを含有するスパッターのターゲットの合金の組成物に利用されることがある。再度、特定の実施形態において、カルコゲン、特にS、Se、及び/又はTeは、スパッターのターゲットの合金の組成物における少なくとも20原子パーセントを備える。一般に、単一の又は混合させられたカルコゲニドに追加して、酸化物、窒化物、炭化物、及び/又はホウ化物をもまた含有するものである合金の組成物は、粉末の冶金学の技術を使用することでのみ製造されることができる。
【0017】
粉末の冶金学を利用する特定の実施形態において、スパッターのターゲットは、204で未処理の粉末(要素の又は気体の霧状にされたマスター合金)の機械的な合金をつくること及び/又はミリングすること(高い又は低いエネルギー)及び/又はブレンドすることが後に続けられた202で提供された未処理の粉末を使用することで製造されるが、それは、その次に、例の方式によって高い圧力及び/又は温度でのモールドにおいて、206での圧密化が後に続けられる。特定の例の実施形態において、未処理の材料及び/又は圧密化の方法の公正な選択を利用することで、スパッターのターゲットは、合金の理論的な密度のおおよそ95%と比べてより大きい又はそれに等しいカルコゲニドの合金の密度で形成されることがある。例の方式によって、及び、限定によるものではなく、204での圧密化のための例の技術は、真空ホットプレスをする、ホットアイソスタティックプレスをする、従来の(熱的な)焼結をする(液体又は固体の状態)、又はエネルギーアシステッド(電気的な)焼結をする工程の一つのもの又はより多いものを含むことがある。エネルギーアシステッド焼結をすることの例は、放電プラズマ焼結をすることである。一つの例の実施形態において、In、Ga、又は他の適切な元素のような低い温度で溶融する元素(例.摂氏300度と比べてより少ない融点)を含有する合金の組成物は、液体の相の焼結をする工程を使用することで204で圧密化される。適切な焼結する温度は、例えば、おおよそ0.2Tmから0.8Tmまで又は0.2Tsから0.8Tsまでの範囲にあるものであることがあるが、そこではTmは、(典型的にはDTA分析によって見積もられた)合金の溶融する温度であると共に、そこではTsは、合金における化学的な構成成分のいずれのものの昇華温度でもある。
【0018】
特定の実施形態において、図2を参照して記載されたもののような粉末の冶金学を使用することで作られたスパッターのターゲットは、1000ミクロンと比べてより少ない最も大きいミクロ構造の特徴の平均の特徴のサイズを示す。さらには、ミクロ構造は、出発の未処理の粉末、それぞれの粒子サイズ、並びに、それらの分布及び比表面積の適切な選択によってそれに応じて設計されることができる。特定の実施形態において、いずれの二つの構成成分の粉末の粒子サイズの比は、おおよそ0.01から10までの範囲にあるものである。
【0019】
特定の実施形態は、異なる原子の種の要素の粉末の機械的な合金をつくることを利用する。代わりの実施形態は、望まれた薄いフィルムにおいてカルコゲニドの正確な公称の組成物の急速に固化させられた(気体で霧状にされた)又は溶融物で破砕されたマスター合金を利用することがある。なおも他の実施形態は、別の単一の金属又は別のマスター合金との組み合わせで一つの又は多重のマスター合金の公正な選択を利用することがある。特定の例の実施形態において、マスター合金は、結果として生ずるスパッターのターゲットの電気的な伝導性を向上させるために設計されることができる。これは、Ga、In、又は他の低い融点の金属を含有する合金に具体的に有用なものであることがあるが、そこでは低い温度で溶融する金属は、予め合金がつくられたものであることがあると共にはるかにより幅広い工程の窓の上で加工されることがある。
【0020】
特定の実施形態に従って、図2の点で記載された粉末の冶金学の技術に従って製造された例のスパッターのターゲットは、酸化物、窒化物、又はホウ化物等有りの又は無しの単一の又は混合させられたカルコゲニドを含有することがあるが、そこではS、Se、及び/又はTeは、2N7又はより大きいもののカルコゲニドの合金の純度(例.スパッターのターゲットのカルコゲニドの合金は、少なくとも99.7%の純粋なものである)、個々にO、N、Hについて1000ppmと比べてより少ない気体の不純物、及び、1500ppmと比べてより少ない炭素(C)のレベルと共に、少なくとも20原子パーセントを備える。
【0021】
一つの具体的な例の実施形態において、CuInSeのスパッターのターゲットは、Cu、In、及びSeの粉末の従来の焼結をすることを使用することで製造される。代わりの例の実施形態において、スパッターのターゲットは、CuInのマスター合金及びSeを使用することで形成される。なおも別の例の実施形態において、スパッターのターゲットは、CuSeのマスター合金及びInを使用することで形成される。焼結をすることは、例の方式によって、おおよそ3時間の間に従来の炉を使用することでおおよそ摂氏400度の温度で、行われると共に、その次に室温まで冷却されることがある。この焼結する温度が、Se及びInの溶融する温度と比べてより高いものであると、緻密化は、液体の相の焼結をすることで起こる。Cu、In、及びSeの粉末又はそれぞれのマスター合金のD50の比は、おおよそ0.01−10の間で様々な実施形態において変動することがある。図4は、摂氏の度における温度の関数としてのインジウムの原子パーセント又は重量パーセントのプロットである。
【0022】
記載された実施形態に従って製造された結果として生ずるスパッターのターゲットにおけるターゲットの本体は、例の方式によって、及び、限定の方式ではなく、図5A及び5Bに図解されたもののような、公称の組成物の単一の本体、又は、結合させられた組み立て品であることがあるが、そこでは意図された公称の組成物のターゲットの本体は、例の方式によって(重合体の又は非重合体の)接着剤の、拡散結合させる、はんだで結合させる、又は他の適切な材料を接合する工程のいずれのもの又は全てを用いる、結合させる工程を使用することで、バッキングプレートへ結合させられる。ターゲットの本体又はターゲットが結合させられた組み立て品は、いくつかの特定の実施形態においては、断面においてディスクに整形されたもの、円形のもの、又は楕円形のものであことがある。図5A及び5Bは、上部のスパッタリングの表面502を有する例のスパッターのターゲット500の、それぞれ、線図の上部の及び断面の側面の図を図解する。代わりの実施形態において、ターゲットの本体又はターゲットが結合させられた組み立て品は、円形のOD(外側の直径)及び/又は円形のID(内側の直径)を備えた円柱形又は円筒形の固体の形態をとることがあるが、それは、PVDのツールにおける回転可能な組み立て品としてもまた使用されることがある。なおも他の実施形態において、スパッターのターゲットは、長方形の又は正方形のピースの形態をとることがあるが、それにおいて意図された公称の組成物のターゲットの本体は、モノリシックな本体又は数個のモノリス若しくはタイルの組み立て品であることができる。ターゲットの本体は、例の方式によっておおよそ2025平方mm及びより大きいものの面積にわたって基体にスパッターのフィルムを堆積させるために使用されることがある。ターゲットのサイズが、幅広く変動することがあると共に一般に例の方式によって典型的なPVの用途のような用途に依存性のものであると思われるとはいえ、特定の実施形態において、ターゲットの本体は、おおよそ156平方mm及びより大きいものの面積及び1.2平方メートルの範囲における基準寸法を備えた電池にわたって均一にフィルムを堆積させるために十分に大きいものであると思われる。
【0023】
本開示は、当業者が把握すると思われるものであるここにおける例の実施形態に対する全ての変化、置換、変動、変形、及び変更を包含する。類似して、適当な場合には、添付された請求項は、当業者が把握すると思われるものであるここにおける例の実施形態に対する全ての変化、置換、変動、変形、及び変更を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体性のカルコゲニドのフィルムを堆積させるためのスパッターのターゲットの構造であって、
少なくともおおよそ2N7のカルコゲニドの合金の純度、個々に酸素(O)、窒素(N)、及び水素(H)についての500百万分率(ppm)と比べてより少ない気体の不純物、並びに、500ppmと比べてより少ない炭素(C)の不純物を有する少なくとも一つのカルコゲニドの合金を備えるターゲットの本体、
を備える、スパッターのターゲットの構造において、
前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金のカルコゲニドは、前記ターゲットの本体の組成物の少なくとも20原子パーセントを備えると共に、
前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金は、前記カルコゲニドの合金についての理論的な密度の少なくとも95%の密度を有する、
スパッターのターゲットの構造。
【請求項2】
請求項1のスパッターのターゲットの構造において、
前記少なくとも一つのカルコゲニドのカルコゲンは、S、Se、又はTeの一つのもの又はより多いものを備える、
スパッターのターゲットの構造。
【請求項3】
請求項1のスパッターのターゲットの構造において、前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金は、テルル化水銀(HgTe)、硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化鉛(PbTe)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化スズ(SnTe)、硫化銅(CuS、CuS、又はCu1−x(ここでxは、0から1まで変動する))、セレン化銅(CuSe、CuSe、CuSe、又はCu2−xSe1+x(ここでxは、0から1まで変動する))、二硫化インジウム銅(CuInS)、二硫化ガリウム銅(CuGaS)、二硫化ガリウムインジウム銅(Cu(In1−xGa)S(ここでxは、0から1まで変動する))、二セレン化インジウム銅(CuInSe)、二セレン化ガリウム銅(CuGaSe)、二セレン化ガリウムインジウム銅(Cu(In1−xGa)Se(ここでxは、0から1まで変動する))、二硫化ガリウムインジウム銀銅(Cu1−xAg)(In1−yGa)S(ここでxは、0から1まで変動すると共にyは、0から1まで変動する)、二セレン化ガリウムインジウム銀銅(Cu1−xAg)(In1−yGa)Se(ここでxは、0から1まで変動すると共にyは、0から1まで変動する)、硫化インジウム(In)、(In(Ga1−x(ここでx=0.2、0.35、0.5、0.75、又は0.8)、セレン化インジウム(InSe)、(InSe(GaSe1−x(ここでx=0.2、0.35、0.5、0.75、又は0.8)、硫化ビスマス(BiSe)、硫化アンチモン(Sb)、硫化銀(AgS)、硫化タングステン(WS)、セレン化タングステン(WSe)、硫化モリブデン(MoS)、セレン化モリブデン(MoSe)、硫化スズ(SnS(ここでxは、1から2まで変動する))、セレン化スズ(SnSe(ここでxは、1から2まで変動する))、又は硫化スズ銅(CuSnS)の一つのもの又はより多いものを備える、スパッターのターゲットの構造。
【請求項4】
請求項1のスパッターのターゲットの構造において、
前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金は、混合させられたカルコゲニドの合金を備える、スパッターのターゲットの構造。
【請求項5】
請求項1のスパッターのターゲットの構造において、
前記ターゲットの本体は、一つの又はより多いドープする元素をさらに備える、スパッターのターゲットの構造。
【請求項6】
請求項1のスパッターのターゲットの構造において、
前記ターゲットの本体は、おおよそ3.5と比べてより少ないところのアスペクト比を有するほとんど等軸の粒状物を示す、スパッターのターゲットの構造。
【請求項7】
請求項1のスパッターのターゲットの構造において、
前記ターゲットの本体は、おおよそ1000ミクロンと比べてより少ないところの最も大きいミクロ構造の特徴の平均の特徴のサイズを備える、スパッターのターゲットの構造。
【請求項8】
一つの又はより多いインゴットを提供すること、
前記一つの又はより多いインゴットが少なくとも一つのカルコゲニドの合金を形成する際における使用に一緒に適切なものである少なくとも一つのカルコゲン及び少なくとも一つの電気的に陽性の元素又は化合物を含む少なくとも一つのカルコゲニドの合金を個々に備えること又は二つの又はより多い材料を集合的に備えること、
前記一つの又はより多いインゴットを溶融させること、及び、
前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金を備えるスパッターのターゲットの本体の組成物を有するスパッターのターゲットの本体を生産するためにモールドにおいて溶融した後で前記一つの又はより多いインゴットを固化させること
を備える、方法において、
前記スパッターのターゲットの本体の前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金は、少なくともおおよそ2N7のカルコゲニドの合金の純度を有すると共に、
前記スパッターのターゲットの本体の前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金のカルコゲンは、前記スパッターのターゲットの本体の組成物の少なくとも20原子パーセントを備える、
方法。
【請求項9】
請求項8の方法において、
前記一つの又はより多いインゴットを溶融させることは、真空における液相線より上のおおよそ摂氏200度の温度で真空又は不活性な気体で溶融させる工程を使用することで前記一つの又はより多いインゴットを溶融させることを備える、方法。
【請求項10】
請求項8の方法において、
モールドにおいて溶融した後で前記一つの又はより多いインゴットを固化させることは、前記モールドにおいて溶融した後で前記一つの又はより多いインゴットをかき混ぜること又は攪拌することを備える、方法。
【請求項11】
請求項8の方法において、
前記一つの又はより多いインゴットを固化させることは、おおよそ摂氏1000度毎分と比べてより少ない冷却する速度で前記一つの又はより多いインゴットを固化させることを備える、方法。
【請求項12】
請求項8の方法であって、
前記溶融させること及び固化の間で0.01ミリトールと比べてより大きい陽性の不活性な気体の圧力を維持することをさらに備える、方法。
【請求項13】
請求項8の方法において、
前記一つの又はより多いインゴットは、鋳放しのインゴットである、方法。
【請求項14】
請求項8の方法であって、
鋳造後の緻密化又は固化の工程へ前記一つの又はより多いインゴットをかけることをさらに備える、方法。
【請求項15】
請求項14の方法において、
鋳造後の緻密化又は固化の工程へ前記一つの又はより多い鋳放しのインゴットをかけることは、周囲の又は上昇させられた温度及び圧力でホットアイソスタティックプレスすることへ前記一つの又はより多い鋳放しのインゴットをかけることを備える、方法。
【請求項16】
請求項15の方法であって、
一つの又はより多い熱的な機械的な作業をする工程へ鋳造後の緻密化又は固化の後に前記一つの又はより多いインゴットをかけることをさらに備える、方法。
【請求項17】
請求項8の方法において、
前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金のカルコゲンは、S、Se、又はTeの一つのもの又はより多いものを備える、方法。
【請求項18】
ある体積の粉末を提供すること、
前記体積の粉末が少なくとも一つのカルコゲニドの合金を形成する際における使用に一緒に適切なものである少なくとも一つのカルコゲン及び少なくとも一つの電気的に陽性の元素又は化合物を含む二つの又はより多い材料を集合的に備えるものである粒子を備えること、
加工された体積を生産するために一つの又はより多い機械的な合金をつくる、ミリングする、又はブレンドする工程へ前記体積の粉末をかけること、及び
少なくとも一つのカルコゲニドの合金を備えるスパッターのターゲットの本体の組成物を有するスパッターのターゲットの本体を生産するために前記加工された体積を圧密化すること
を備える、方法において、
前記スパッターのターゲットの本体の前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金は、少なくともおおよそ2N7のカルコゲニドの合金の純度を有すると共に、
前記スパッターのターゲットの本体の前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金のカルコゲンは、前記スパッターのターゲットの本体の組成物の少なくとも20原子パーセントを備える、
方法。
【請求項19】
請求項18の方法において、
前記加工された体積を圧密化することは、一つの又はより多い真空ホットプレスをすること、ホットアイソスタティックプレスをする、熱的な焼結をする、又はエネルギーアシステッド焼結をする工程を備える、方法。
【請求項20】
請求項18の方法において、
前記少なくとも一つのカルコゲニドの合金のカルコゲンは、S、Se、又はTeの一つの又はより多いものを備える、方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2012−507631(P2012−507631A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534747(P2011−534747)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/062505
【国際公開番号】WO2010/051351
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511107511)エイキューティー ソーラー,インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】