説明

光送信機、光送信方法、及び光送受信システム

【課題】光多値変調の多値度に関わらず光変調器の駆動信号の振幅を適正に制御する。
【解決手段】光送信機100は、送信信号の変調用の3値以上の多値電気信号の内、最大値側及び最小値側の信号成分を低周波の重畳部分として選択する選択回路104を備える。光送信機100は、選択回路104によって選択された信号成分に低周波を重畳した重畳信号、及び基準振幅値に複数の比率を乗じた該低周波を重畳しない複数の中間振幅値の信号の組み合わせにより、送信信号を変換した多値電気信号を生成する信号処理回路106を備える。光送信機100は、信号処理回路106によって生成された多値電気信号に基づいてキャリア光を変調する光変調器114を備える。光送信機100は、光変調器114によって変調された変調光信号に含まれる低周波成分に基づいて、基準振幅値又は多値電気信号の振幅を制御する制御回路120を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光送信機、光送信方法、及び光送受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットが普及して高画質の動画像の送受信が盛んに行われるようになったことに起因して、通信ネットワーク内を流れる情報が大容量化しており、通信トラヒックが急増している。
【0003】
そこで、通信トラヒックの急増に対応すべく、幹線系では1波長あたり40Gb/sの伝送容量を持つDPSK(Differential Phase Shift Keying:差動位相偏移変調)等の変復調方式を適用した伝送システムが導入されている。DPSKは、基準となる正弦波と位相のずれた波のそれぞれに別の値を割り当てることで信号を送受信するPSKの応用で、基準信号がなくても位相の識別ができるよう、一つ前に送られてきた波の位相を基準に次の波の位相を検出する技術である。
【0004】
また、DPSKの他、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying:差動四相位相偏移変調)、DP−QPSK(Dual Polarization Quadrature Phase Shift Keying:偏波多重四相位相偏移変調)等の変復調方式も適用されている。DQPSKは、変調された4つの位相にそれぞれ2ビットのデータを割り当てるQPSKの応用で、直前の搬送波との差分を利用して次の搬送波の位相を検出する。DP−QPSKは、QPSK信号を2つの偏波で伝送する技術である。また、現在さらに大容量の100Gb/s−DP−QPSKがOIF(Optical Internetworking Forum)で標準化され、開発が進んでいる。
【0005】
また、通信トラヒックの急増に対応すべく、光伝送システムにおいて光16QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)等の光多値変調を適用した光変調器による大容量化の検討が進んでいる。QAMは、振幅変調と位相変調との組み合わせによるものであり、振幅と位相の両方の要素を変化させることで複数の情報を一度に伝達する変復調方式である。
【0006】
光変調器は、例えばLD(Laser Diode)から発光されたキャリア光を、送信信号に基づく駆動信号に基づいて変調することにより、変調光信号を生成する。ここで、光変調器を駆動する駆動信号の振幅が適正な振幅からずれると、コンスタレーションの歪が生じ、変調光信号のS(Signal)/N(Noise)の劣化を招く。そのため、駆動振幅が最適値になるような制御が求められる。
【0007】
この点、従来技術では、DQPSK変調を適用した光変調器において、駆動信号を低周波で微小に振幅変調し、変調光信号に含まれる低周波成分がゼロになるように駆動信号振幅を制御することにより、駆動信号振幅を最適振幅に制御することが知られている。これは、DQPSK変調を適用した光変調器では、駆動信号の振幅が適正値からずれている場合には変調光信号に低周波成分が含まれ、駆動信号の振幅が適正値になっている場合には変調光信号に低周波成分が含まれないという特性を利用するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−92172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来技術は、例えば16QAM光変調などのような、より多値の光変調において駆動信号の振幅を適正に制御することは考慮されていない。
【0010】
すなわち、例えばDQPSK変調は、0/πのように位相がπずれた2値の位相変調の組み合わせによって実現される。このため、駆動信号の振幅が適正値になっている場合には、0/πの位相において駆動信号に重畳された低周波成分が2倍の周波数成分となって出力されるため、変調光信号に低周波成分は含まれない。したがって、変調光信号に含まれる低周波成分がゼロになるように駆動信号振幅を制御することにより、駆動信号の振幅を最適振幅に制御することができる。
【0011】
これに対して、例えば16QAM光変調のようにより多値の光変調では、0/π以外に0<φ<πの位相変調も組み合わせて実現される。このような光変調において従来技術をそのまま適用した場合、駆動信号の振幅が適正値になっている場合でも、0<φ<πの位相においては駆動信号に重畳された低周波成分がそのままの周波数成分で出力されるため、変調光信号に低周波成分が含まれる。つまり、駆動信号の振幅が最適であろうがなかろうが、変調光信号には低周波成分が含まれるため、駆動信号の振幅が最適か否かの判別が難しい。仮に、変調光信号に含まれる低周波成分がゼロになるように駆動信号振幅を制御したとしても、駆動信号の振幅を最適振幅に制御することができないおそれがある。
【0012】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、光多値変調の多値度に関わらず光変調器の駆動信号の振幅を適正に制御することができる光送信機、光送信方法、及び光送受信システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の一観点によれば、送信信号の変調用の3値以上の多値電気信号の内、最大値側及び最小値側の信号成分を低周波の重畳部分として選択する選択回路と、前記選択回路によって選択された信号成分に低周波を重畳した重畳信号、及び前記基準振幅値にあらかじめ設定された複数の比率を乗じた該低周波を重畳しない複数の中間振幅値の信号の組み合わせにより、前記送信信号を変換した多値電気信号を生成する信号処理回路と、前記信号処理回路によって生成された多値電気信号に基づいてキャリア光を変調する光変調器と、前記光変調器によって変調された変調光信号に含まれる前記低周波成分に基づいて、前記基準振幅値又は前記多値電気信号の振幅を制御する振幅制御回路と、を備える光送信機が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本願の開示する光送信機の一つの態様によれば、光多値変調の多値度に関わらず光変調器の駆動信号の振幅を適正に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、光送信機の機能ブロック図である。
【図2】図2は、低周波重畳処理の概要を示す図である。
【図3】図3は、第1実施例の光送信機の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、光送信機の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】図5は、第2実施例の光送信機の構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、光送受信システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本願の開示する光送信機、光送信方法、及び光送受信システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により開示技術が限定されるものではない。
【0017】
以下の実施例では、まず始めに、光送信機の機能ブロック図、及び低周波重畳処理の概要を説明した後、より具体的な光送信機の構成及び処理内容について説明する。図1は、光送信機の機能ブロック図である。図1に示すように、光送信機100は、選択回路104、信号処理回路106、DAC(Digital to Analog Converter)108、駆動回路110を備える。また、光送信機100は、光源112、光変調器114、光スプリッタ116、モニタ118、および制御回路120を備える。
【0018】
送信される電気信号が信号処理回路106に入力される。
【0019】
選択回路104は、送信信号の変調用の多値電気信号の内、最大値側または最小値側の信号成分を低周波の重畳部分として選択する。例えば、選択回路104は、基準振幅値(A)の最大電圧信号成分又は最小電圧信号成分のみを低周波の重畳部分として選択する。選択回路104は、選択した低周波の重畳部分を信号処理回路106へ出力する。選択回路104の処理の詳細は後述する。
【0020】
信号処理回路106は、選択回路104によって選択された信号成分に低周波を重畳した低周波重畳信号を生成する。また、信号処理回路106は、基準振幅値(A)にあらかじめ設定された複数の比率を乗じた複数の中間振幅値が連続する複数の中間振幅信号を生成する。そして、信号処理回路106は、低周波重畳信号と中間振幅信号との組み合わせにより、送信信号を変調した多値電気信号情報を生成する。信号処理回路106は、生成した多値電気信号情報をDAC108へ出力する。信号処理回路106の処理の詳細は後述する。
【0021】
DAC108は、信号処理回路106から出力されたデジタル信号としての多値電気信号情報をアナログ信号へ変換して、駆動回路110へ出力する。駆動回路110は、DAC108から受信したアナログ信号の多値電気信号に対して増幅処理を行って、駆動信号を生成する。駆動回路110は、生成した駆動信号を光変調器114へ出力する。
【0022】
光源112は、例えばLDなどであり、キャリア光を出力する。光変調器114は、駆動回路110から出力された駆動信号に基づいてキャリア光を変調する。光変調器114は、変調された変調光信号を光スプリッタ116へ出力する。
【0023】
光スプリッタ116は、光変調器114から出力された変調光信号の一部をモニタ118へ分岐する。
【0024】
モニタ118は、光スプリッタ116によって分岐された変調光信号をモニタリングする処理回路であり、例えば、信号処理回路106において重畳された低周波成分を通過させるバンドパスフィルタ又はローパスフィルタを含む。モニタ118は、バンドパスフィルタ又はローパスフィルタを通過した低周波成分を含む信号を制御回路120へ出力する。
【0025】
制御回路120は、モニタ118から出力された信号に含まれる低周波成分の位相と強度に基づいて、基準振幅値(A)の振幅を制御するか、又は駆動回路110における多値電気信号の振幅を制御する。例えば、制御回路120は、モニタ118から出力された信号に含まれる低周波成分の強度が最小(0)になるように、基準振幅値(A)の振幅を制御するか、又は駆動回路110における多値電気信号の振幅を制御する。制御回路120は、例えば、基準振幅値(A)の振幅を制御する制御信号を選択回路104へ出力するか、又は多値電気信号の振幅を制御する制御信号を駆動回路110へ出力する。
【0026】
また、制御回路120は、信号処理回路106において低周波重畳信号を生成する際に用いられる低周波を発生させて、選択回路104を介して信号処理回路106へ出力する。低周波は、例えば、基準振幅値(A)に比べて振幅が十分に小さく、かつ、信号処理回路106において重畳される低周波(例えば1KHz)の周波数成分を有する矩形波である。また、低周波は、矩形波に限らず、基準振幅値(A)に比べて振幅が十分に小さく、かつ、信号処理回路106において重畳される低周波の周波数成分を有する正弦波、三角波などでもよい。また、制御回路120は、光変調器114においてキャリア光を変調する際のバイアス電圧を制御する制御信号を生成し、光変調器114へ出力する。
【0027】
次に、低周波重畳処理の概要について説明する。図2は、低周波重畳処理の概要を示す図である。図2上部のグラフは、光変調器114の駆動電圧に対する光強度の特性を示すグラフであり、横軸は光変調器114の駆動電圧を示し、縦軸は駆動電圧に対する光出力強度を示す。また、図2下部のグラフは、光変調器114を駆動するための多値電気信号150の波形を模式的に示すものであり、横軸は光変調器114の駆動電圧を示し、縦軸は時間経過を示す。また、図2は、基準振幅値(A)が光出力特性のピーク間の電圧に対応する電圧になっており、駆動信号の振幅が最適に制御されている状態を示している。
【0028】
図2に示すように、光変調器114を駆動する駆動信号(多値電気信号)は、送信信号の変調用に設定された基準振幅値(A)の最大電圧信号成分156、及び最小電圧信号成分152,160に、例えば1KHzの矩形の低周波が重畳される。駆動信号(多値電気信号)は、基準振幅値(A)にあらかじめ設定された比率を乗じた中間振幅成分154,158には、低周波が重畳されず、基準振幅値(A)にあらかじめ設定された比率を乗じた中間振幅が連続している。なお、最大電圧信号成分156、及び最小電圧信号成分152,160には、逆相の低周波が重畳される。
【0029】
このような駆動信号を生成することにより、駆動信号の振幅が最適に制御されている場合には変調光信号に低周波成分が含まれず、駆動信号の振幅が最適に制御されていない場合には変調光信号に低周波成分が含まれるため、両者を識別することができる。すなわち、駆動信号の振幅が最適に制御されている場合には、基準振幅値(A)の最大電圧信号成分156、及び最小電圧信号成分152,160に重畳された低周波が光出力特性のピークを跨ぐ部分で光変調器114を駆動する。その結果、光変調器114からは、駆動信号に重畳された低周波成分の2倍の周波数成分を有する変調光信号162が出力される。
【0030】
これに対して、例えば基準振幅値(A)が図2に示した状態より増加又は減少して駆動信号の振幅が最適に制御されていない場合を考える。この場合、基準振幅値(A)の最大電圧信号成分156、及び最小電圧信号成分152,160に重畳された低周波が、光出力特性の増加又は減少する部分で光変調器114を駆動する。その結果、光変調器114からは、基準振幅値(A)の最大電圧信号成分156、及び最小電圧信号成分152,160に重畳された低周波成分を有する変調光信号が出力される。よって、光変調器114から出力される変調光信号に、駆動信号に重畳した低周波成分が含まれていれば基準振幅値(A)が適切に制御されていないことがわかる。言い換えれば、光変調器114から出力される変調光信号に含まれる低周波成分が最小(0)になるように、駆動信号の振幅を適応制御することにより、駆動信号の振幅を最適に制御することができる。また、駆動信号の振幅を最適に制御することにより、光変調器114から出力される変調光信号の品質劣化を防止することができる。なお、駆動信号の振幅が最適に制御されることにより、基準振幅値(A)に一定の比率を乗じた中間振幅も適切に制御される。
【0031】
ところで、図2に示すように、本実施形態では、基準振幅値(A)の最大電圧信号成分156、及び最小電圧信号成分152,160にのみ低周波を重畳し、中間振幅成分154,158には、低周波を重畳しない。これは、中間振幅成分154,158に低周波を重畳すると、駆動信号の振幅を適切に制御することが難しくなるからである。
【0032】
つまり、例えば、中間振幅成分154,158にも低周波成分が重畳されていたとしたら、中間振幅成分154,158に重畳された低周波成分が、光出力特性の減少又は増加する部分で光変調器114を駆動する。その結果、光変調器114からは、駆動信号に重畳された低周波成分をそのまま有する変調光信号が出力される。これでは、駆動信号の振幅が適切な状態であろうがなかろうが変調光信号に低周波成分が含まれるので、駆動信号の振幅が適切であるか否かを判断することが難しい。仮に、変調光信号に含まれる低周波成分が最小(0)になるように適応制御をしたとしても、駆動信号の振幅を適切に制御することができない場合がある。
【0033】
これに対して図2では、基準振幅値(A)の最大電圧信号成分156、及び最小電圧信号成分152,160にのみ低周波を重畳するので、上述のように、駆動信号の振幅が適切な場合と、適切ではない場合を識別することができる。その結果、光変調器114から出力される変調光信号に含まれる低周波成分が最小(0)になるように、駆動信号の振幅を適応制御することにより、駆動信号の振幅を最適に制御することができる。
【0034】
なお、図2の例では、基準振幅値(A)の最大電圧信号成分156、及び最小電圧信号成分152,160にのみ低周波を重畳する例を示したが、これには限られない。例えば、図2に示すように、基準振幅値(A)のあらかじめ設定された第1の閾値(α)より電圧が大きい信号成分又は第1の閾値(α)より小さく設定された第2の閾値(β)より電圧が小さい信号成分のみに低周波を重畳することもできる。
【0035】
ここで、第1の閾値(α)は、複数の中間振幅成分154,158のうちの最大電圧値(中間振幅成分154の電圧)よりも大きく、かつ、基準振幅値(A)の最大電圧値よりも小さく設定される。また、第2の閾値(β)は、複数の中間振幅成分154,158のうちの最小電圧値(中間振幅成分158の電圧)よりも小さく、かつ、基準振幅値(A)の最小電圧値よりも大きく設定される。
【実施例1】
【0036】
次に、第1実施例の光送信機の構成を説明する。図3は、第1実施例の光送信機の構成を示すブロック図である。図3に示すように、光送信機200は、DSP(Digital Signal Processor)+DAC202、LD206、駆動回路208,210,212,214、DP−I/Q_LN(LiNbO3:ニオブ酸リチウム)変調器216、及び制御回路250を有する。
【0037】
制御回路250は、図1で説明した制御回路120に対応する回路である。制御回路250は、後述するY側変調器220のPD(Photo Diode)228及びX側変調器230のPD238から出力された検出信号(11,12)に基づいて、各回路を制御する制御信号(0〜10)を出力する。制御回路250の詳細は後述する。
【0038】
DSP+DAC202は、図1で説明した信号処理回路106とDAC108の機能が集積化されたLSI(Large Scale Integration)である。DSP+DAC202には、図1の選択回路104に対応する選択回路204が含まれる。DSP+DAC202においては、DSP部分において多値電気信号の最大振幅部分(最大電圧部分及び最小電圧部分)を認識し、DAC部分において最大振幅部分にのみ低周波変調をかけた信号を生成することができる。また、多値電気信号の中間振幅駆動信号は、DACにおいて最大振幅に対して一定の比を持つように設定し、中間振幅駆動信号には低周波変調をかけないようにすることができる。
【0039】
DSP+DAC202から出力されたDATA YIは、駆動回路208へ入力される。DATA YIは、例えば図2で示したような4値の多値電気信号である。DSP+DAC202は、4値の多値電気信号に対して、図2で示したように最大電圧部分と最小電圧部分にのみ低周波を重畳する。駆動回路208は、制御回路250から出力された制御信号(9)に基づいて、例えばDATA YIの振幅を制御して出力する。
【0040】
また、DSP+DAC202から出力されたDATA YQは、駆動回路210へ入力される。DATA YQは、例えば図2で示したような4値の多値電気信号である。DSP+DAC202は、4値の多値電気信号に対して、図2で示したように最大電圧部分と最小電圧部分にのみ低周波を重畳する。駆動回路210は、制御回路250から出力された制御信号(10)に基づいて、例えばDATA YQの振幅を制御して出力する。
【0041】
また、DSP+DAC202から出力されたDATA XIは、駆動回路212へ入力される。DATA XIは、例えば図2で示したような4値の多値電気信号である。DSP+DAC202は、4値の多値電気信号に対して、図2で示したように最大電圧部分と最小電圧部分にのみ低周波を重畳する。駆動回路212は、制御回路250から出力された制御信号(4)に基づいて、例えばDATA XIの振幅を制御して出力する。
【0042】
また、DSP+DAC202から出力されたDATA XQは、駆動回路214へ入力される。DATA XQは、例えば図2で示したような4値の多値電気信号である。DSP+DAC202は、4値の多値電気信号に対して、図2で示したように最大電圧部分と最小電圧部分にのみ低周波を重畳する。駆動回路214は、制御回路250から出力された制御信号(5)に基づいて、例えばDATA XQの振幅を制御して出力する。
【0043】
LD206は、図1で説明した光源112に対応するレーザーダイオードである。LD206から出力されたキャリア光は、光スプリッタ206aで2つに分岐されるとともに、一方のキャリア光は、さらに光スプリッタ206bで2つに分岐され、他方のキャリア光は、さらに光スプリッタ206cで2つに分岐される。
【0044】
DP−I/Q_LN変調器216は、Y側変調器220と、X側変調器230と、π/2偏光回転子240とを有する。Y側変調器220とX側変調器230はそれぞれ、16QAM光変調器とすることができる。π/2偏光回転子240は、X側変調器230から出力された変調光信号に対して偏光処理を行う。
【0045】
Y側変調器220は、変調器222a,222b、バイアス回路224a,224b、位相シフタ226、およびPD(Photo Diode)228を有する。変調器222a,222bは、例えばMach-Zender変調器とすることができる。
【0046】
変調器222aは駆動回路208から供給された駆動信号によって、光スプリッタ206bで分岐されたキャリア光の一方を変調する。バイアス回路224aは、制御回路250から出力された制御信号(6)に基づいて、変調器222aから出力される2つの変調された光波の位相関係を制御する。
【0047】
変調器222bは駆動回路210から供給された駆動信号によって、光スプリッタ206bで分岐されたキャリア光の他方を変調する。バイアス回路224bは、制御回路250から出力された制御信号(7)に基づいて、変調器222bから出力される2つの変調された光波の位相関係を制御する。
【0048】
位相シフタ226は、制御回路250から出力された制御信号(8)に基づいてバイアス回路224aから出力された変調光信号と、バイアス回路224bから出力された変調光信号との光波の位相を、相対的にπ/2シフトさせる。位相シフタ226は、例えば、バイアス回路224aから出力された変調光信号をπ/4シフトさせるとともに、バイアス回路224bから出力された変調光信号を反対側にπ/4シフトさせることにより、両者を相対的にπ/2シフトさせる。位相シフタ226から出力された2つの変調光信号は、光カプラ206dで合成される。
【0049】
PD228は、光カプラ206dから出力された光変調信号を検出し、検出した光変調信号に応じた電気信号を出力する光検出器である。PD228は、検出した光変調信号に応じた電気信号を検出信号(12)として制御回路250へ出力する。
【0050】
X側変調器230は、変調器232a,232b、バイアス回路234a,234b、位相シフタ236、およびPD238を有する。変調器232a,232bは、例えばMach-Zender変調器とすることができる。
【0051】
変調器232aは駆動回路212から供給された駆動信号によって、光スプリッタ206cで分岐されたキャリア光の一方を変調する。バイアス回路234aは、制御回路250から出力された制御信号(1)に基づいて、変調器232aから出力された変調光信号のバイアスを制御する。
【0052】
変調器232bは駆動回路214から供給された駆動信号によって、光スプリッタ206cで分岐されたキャリア光の他方を変調する。バイアス回路234bは、制御回路250から出力された制御信号(2)に基づいて、変調器232bから出力された変調光信号のバイアスを制御する。
【0053】
位相シフタ236は、制御回路250から出力された制御信号(3)に基づいて、バイアス回路234aから出力された変調光信号と、バイアス回路234bから出力された変調光信号とを、相対的にπ/2シフトさせる。位相シフタ236は、例えば、バイアス回路234aから出力された変調光信号をπ/4シフトさせるとともに、バイアス回路234bから出力された変調光信号を反対側にπ/4シフトさせることにより、両者を相対的にπ/2シフトさせる。位相シフタ236から出力された2つの変調光信号は、光カプラ206eで合成される。
【0054】
PD238は、光カプラ206eから出力された光変調信号を検出し、検出した光変調信号に応じた電気信号を出力する光検出器である。PD238は、検出した光変調信号に応じた電気信号を検出信号(11)として制御回路250へ出力する。
【0055】
Y側変調器220から出力された変調光信号と、X側変調器230から出力されπ/2偏光回転子240によって偏光された変調光信号は、光カプラ206fで合成されてDP−I/Q_LN変調器216から出力される。
【0056】
ところで、光送信機200は、4つの子変調器(変調器222a,222b,232a,232b)については、同時に低周波信号を重畳しないようタイムシェアして制御を行うことができる。また光送信機200は、各偏波における2つの子変調器(変調器222aと変調器222b、又は変調器232aと変調器232b)については、同時に低周波信号を重畳しないようタイムシェアして制御を行うことができる。これは、同時に低周波の重畳を行った場合、制御回路250において、PD228又はPD238で検出した光変調信号がいずれの変調器から出力されたものか識別ができなくなるためである。これに対して、本実施例のように、4つの子変調器又は各偏波における2つの子変調器に対して、低周波を重畳するタイミングを異ならせることにより、制御回路250において、いずれの変調器から出力された光変調信号であるかを正しく認識することができる。
【0057】
また、光送信機200は、4つの子変調器又は各偏波における2つの子変調器に対して同時に低周波の重畳を行う場合には、各変調器に重畳する低周波の周波数を異なる周波数に設定することができる。これによれば、たとえ4つの子変調器又は各偏波における2つの子変調器に対して同時に低周波の重畳が行われたとしても、制御回路250において、いずれの変調器から出力された光変調信号であるかを正しく認識することができる。
【0058】
制御回路250は、PD228及びPD238から出力される変調光信号(検出信号)を、どの変調器から出力された信号であるかを識別し、PD228又はPD238から出力された信号に含まれる低周波成分の強度に基づいて、駆動信号の振幅を制御する。制御回路250は、PD228又はPD238から出力された信号に含まれる低周波成分の強度が最小(0)になるように、駆動信号の振幅を制御する。
【0059】
制御回路250は、例えば制御信号(0)によって、DSP+DAC202で用いられる基準振幅値(A)の振幅を制御するか、又は制御信号(4,5,9,10)によって、駆動回路208,210,212,214における増幅度合いを制御する。
【0060】
次に、光送信機200の処理について説明する。図4は、光送信機の処理内容を示すフローチャートである。図4に示すように、まず、制御回路250は、低周波重畳係数k(t)を発生させる(S101)。ここで、低周波重畳係数k(t)は例えば、基準振幅値(A)に比べて振幅が十分に小さく、かつ、DSP+DAC202において重畳される低周波(例えば1KHz)の周波数成分を有する矩形波である。また、低周波重畳係数k(t)は、矩形波に限らず、基準振幅値(A)に比べて振幅が十分に小さく、かつ、DSP+DAC202において重畳される低周波の周波数成分を有する正弦波、三角波などでもよい。
【0061】
続いて、DSP+DAC202は、低周波重畳係数k(t)、基準振幅値(A)、及びあらかじめ設定された比率(a,b)に基づいて各位相(N1,N2,N3,N4)の振幅値を決定する(S102)。例えば、位相N1は、図2で示した基準振幅値(A)の最大電圧信号成分156に対応する。また、例えば、位相N2は、図2で示した中間振幅成分154に対応する。また、例えば、位相N3は、図2で示した中間振幅成分158に対応する。また、例えば、位相N4は、図2で示した基準振幅値(A)の最小電圧信号成分152又は最小電圧信号成分160に対応する。
【0062】
例えば、DSP+DAC202は、N1=k(t)×Aにより、位相N1の振幅を決定する。低周波重畳係数k(t)が矩形波の場合は、位相N1の振幅は、矩形波の最大電圧部分と最小電圧部分の2つとなる。また、DSP+DAC202は、N2=a×Aにより、位相N2の振幅を決定し、N3=b×Aにより、位相N3の振幅を決定する。これにより、位相N2,N3の振幅はそれぞれ1つの固定値になる。また、DSP+DAC202は、N4=A(1−k(t))により、位相N4の振幅を決定する。低周波重畳係数k(t)が矩形波の場合は、位相N4の振幅は、矩形波の最大電圧部分と最小電圧部分の2つとなる。
【0063】
続いて、DSP+DAC202は、各位相の振幅値に基づいて送信信号を変調し、デジタルの多値電気信号情報を生成する(S103)。続いて、DSP+DAC202は、デジタルの多値電気信号情報をアナログの多値電気信号へ変換する(S104)。
【0064】
続いて、駆動回路208,210,212,214は、アナログの多値電気信号に対して増幅処理を行って駆動信号を生成する(S105)。続いて、変調器222a,222b,232a,232bは、駆動信号に基づいてキャリア光を変調し、変調光信号を出力する(S106)。
【0065】
続いて、PD228,238は、変調光信号の一部を電気信号に変換する(S107)。続いて、制御回路250は、変換された電気信号に含まれる低周波成分が最小(0)になるように基準振幅値(A)又は駆動回路208,210,212,214における振幅を制御する(S108)。なお、図4の処理フローは、温度変動、電源電圧変動、経年変化等に対して、常に駆動振幅を最適に制御すべく、定常的に制御が繰り返される。
【0066】
以上、実施例1の光送信機200によれば、光多値変調の多値度に関わらず光変調器の駆動信号の振幅を適正に制御することができる。すなわち、光送信機200によれば、変調器222a,222b,232a,232bを駆動する駆動信号(多値電気信号)は、基準振幅値(A)の最大電圧信号成分156、及び最小電圧信号成分152,160にのみ低周波が重畳される。そして、多値電気信号の中間振幅成分154,158には低周波が重畳されず、基準振幅値(A)にあらかじめ設定された比率を乗じた値が連続した信号となる。言い換えれば、多値電気信号は、最大電圧信号成分156、及び最小電圧信号成分152,160に低周波を重畳した重畳信号、及び基準振幅値(A)にあらかじめ設定された複数の比率を乗じた中間振幅成分154,158の組み合わせにより生成される。これにより、駆動信号の振幅が適正になっている場合には、変調光信号に低周波成分が含まれなくなり、駆動信号の振幅が適正になっていない場合には、変調光信号に低周波成分が含まれることになるので、両者を識別することができる。つまり、光変調器114から出力される変調光信号に含まれる低周波成分が最小(0)になるように、駆動信号の振幅を適応制御することにより、多値電気信号の多値度によらず駆動信号の振幅を最適に制御することができる。また、駆動信号の振幅を最適に制御することにより、基準振幅値(A)に一定の比率を乗じた中間振幅も適切に制御することができる。その結果、光送信機200から出力される変調光信号の品質劣化を防止することができる。
【実施例2】
【0067】
次に、第2実施例の光送信機について説明する。図5は、第2実施例の光送信機の構成を示すブロック図である。第2実施例の光送信機300は、第1実施例の光送信機200と同様の構成を有し、さらにQAM切替回路350を有する。したがって、第1実施例と同様の構成については説明を省略し、主にQAM切替回路350について説明を行う。
【0068】
QAM切替回路350は、変調方式を切り替える切り替え信号を、DSP+DAC202へ出力する。例えば、QAM切替回路350は、DSP+DAC202において生成される多値電気信号の多値度を切り替える切り替え信号を出力する。QAM切替回路350は、例えば、変調方式を8QAM,16QAM,32QAM,64QAM・・・などへ切り替える切り替え信号を、DSP+DAC202へ出力する。
【0069】
DSP+DAC202は、QAM切替回路350から出力された切り替え信号に応じて、多値電気信号の多値度を変更する。例えば、第1実施例では、DATA YI,DATA YQ,DATA XI,DATA XQがそれぞれ4値の多値電気信号であったが、第2実施例では、この多値度を切り替え信号に応じて可変設定することができる。例えば、DATA YI,DATA YQ,DATA XI,DATA XQがそれぞれ8値の多値電気信号を生成した場合、Y側変調器220及びX側変調器230は64QAM光変調器になる。
【0070】
このように、第2実施例によれば、第1実施例で説明した効果に加えて、多様な変調方式に対応することができる。すなわち、第2実施例によれば、QAM切替回路350の切り替え信号によって光送信機300の変調方式を変更することができるので、8QAM,16QAM,32QAM,64QAM・・・など多様な変調方式に対応することができ、汎用性が向上する。
【0071】
なお、DSP+DAC202は、例えば、8値の多値電気信号を生成する場合、多値電気信号の最大電圧部分及び最小電圧部分にのみ低周波を重畳し、残りの6値の中間振幅信号は基準振幅値(A)にあらかじめ設定された一定比率を乗じたものとする。DSP+DAC202は、このように多値電気信号の多値度が変わったとしても、多値電気信号の最大電圧部分及び最小電圧部分にのみ低周波を重畳し、中間振幅信号は基準振幅値(A)にあらかじめ設定された一定比率を乗じたものとする。本発明によれば、このように多様な多値変調に対しても駆動振幅を最適制御することが可能となる。従って、I/Q変調器とディジタルコヒーレント受信を組合せて変調方式を自由に変更できるような光送受信機の最適制御を実現することができる。
【0072】
次に、第1,第2実施例の光送信機を用いた光送受信システムについて説明する。図6は、光送受信システムの構成を示すブロック図である。図6に示すように、光送受信システム500は、光送信機400−1〜400−n(nは2以上の整数)、光合波器410、光増幅中継器420、及びROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)430を有する。また、光送受信システム500は、光分波器440、及びディジタルコヒーレント光受信機450−1〜450−nを有する。
【0073】
光送信機400−1〜400−nは、第1又は第2実施例の光送信機を適用することができる。光送信機400−1〜400−nはそれぞれ、異なる波長(λ1−λn)の変調光信号を出力する。
【0074】
光合波器410は、光送信機400−1〜400−nから出力された各波長の変調光信号を波長多重することにより合波して、例えば光ファイバーケーブル等を介して合波光信号を出力する。光増幅中継器420は、光合波器410から出力された合波光信号の伝送ロスを補うべく、合波光信号に対する増幅処理を行う。
【0075】
ROADM430は、任意の波長の光信号を加える処理、及び光信号から任意の波長を取り出す処理を実行する。例えば、ROADM430は、光増幅中継器420から出力された合波光信号から任意の複数の波長の光信号を取り出し、取り出した光信号を光分波器440に出力する。
【0076】
光分波器440は、ROADM430から出力された複数の波長を有する合波光信号を、波長ごとに複数の変調光信号に分波する。光分波器440は、波長ごとに複数の変調光信号を、ディジタルコヒーレント光受信機450−1〜450−nへ出力する。ディジタルコヒーレント光受信機450−1〜450−nは、光分波器440から出力された各波長の変調光信号を受信して、例えば偏波分離及びQAM復調などの各種受信処理を行って、例えば大規模ルーター等、信号を方路別に振り分ける装置などへ送信する。なおディジタルコヒーレント受信器は波長選択機能を持つため、光分波器440を用いないシステムの構成もある。
【0077】
このような光送受信システム500によれば、光送信機400−1〜400−nによる偏波多重、QAM変調に加えて、波長多重を行って変調光信号を送受信するので、大容量の光送受信システムを実現することができる。また、例えば、光送信機400−1〜400−nにおいて多値電気信号の多値度を変更することにより、Baudレートを上げずに1波長あたりの伝送容量を変えることができる。また、多値電気信号の多値度変更により伝送容量を増加した場合にもBaudレートを上げないことから、波長スペクトル幅は広がらず合波フィルタを変更せずに高密度波長多重を行うことができる。
【符号の説明】
【0078】
100,200,300,400 光送信機
104,204 選択回路
106 信号処理回路
110 駆動回路
112 光源
114 光変調器
116 光スプリッタ
118 モニタ
120 制御回路
152,160 最小電圧信号成分
154,158 中間振幅成分
156 最大電圧信号成分
208,210,212,214 駆動回路
222a,222b,232a,232b 変調器
250 制御回路
350 QAM切替回路
410 光合波器
420 光増幅中継器
440 光分波器
450 ディジタルコヒーレント光受信機
500 光送受信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号の変調用の3値以上の多値電気信号の内、最大値側及び最小値側の信号成分を低周波の重畳部分として選択する選択回路と、
前記選択回路によって選択された信号成分に低周波を重畳した重畳信号、及び前記基準振幅値にあらかじめ設定された複数の比率を乗じた該低周波を重畳しない複数の中間振幅値の信号の組み合わせにより、前記送信信号を変換した多値電気信号を生成する信号処理回路と、
前記信号処理回路によって生成された多値電気信号に基づいてキャリア光を変調する光変調器と、
前記光変調器によって変調された変調光信号に含まれる前記低周波成分に基づいて、前記基準振幅値又は前記多値電気信号の振幅を制御する振幅制御回路と、
を備えることを特徴とする光送信機。
【請求項2】
前記選択回路は、前記低周波の重畳部分として、前記基準振幅値の最大電圧部分及び最小電圧値部分のみを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の光送信機。
【請求項3】
前記信号処理回路は、前記最大電圧部分及び前記最小電圧部分に前記低周波を重畳する場合、前記最大電圧部分と前記最小電圧部分に互いに逆位相の低周波を重畳する
ことを特徴とする請求項2に記載の光送信機。
【請求項4】
前記振幅制御回路は、前記変調光信号に含まれる前記低周波の強度が小さくなるように、前記基準振幅値又は前記多値電気信号の振幅を制御する
ことを特徴とする請求項1−3のいずれか1つに記載の光送信機。
【請求項5】
前記光変調器は、光直交振幅変調方式又は光振幅多値変調方式により前記多値電気信号に基づいて前記キャリア光を変調する
ことを特徴とする請求項1−4のいずれか1つに記載の光送信機。
【請求項6】
前記信号処理回路に変調方式を切り替える切り替え信号を出力する切替回路をさらに備え、
前記信号処理回路は、前記切替回路から出力された切り替え信号に応じて前記多値電気信号の多値度を可変設定可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の光送信機。
【請求項7】
送信信号の変調用の3値以上の多値電気信号の内、最大値側及び最小値側の信号成分を低周波の重畳部分として選択し、
前記選択された信号成分に低周波を重畳した重畳信号、及び前記基準振幅値にあらかじめ設定された複数の比率を乗じた該低周波を重畳しない複数の中間振幅値の信号の組み合わせにより、前記送信信号を変換した多値電気信号を生成し、
前記生成された多値電気信号に基づいてキャリア光を変調し、
前記変調された変調光信号に含まれる前記低周波成分に基づいて、前記基準振幅値又は前記多値電気信号の振幅を制御する
ことを特徴とする光送信方法。
【請求項8】
送信信号の変調用の3値以上の多値電気信号の内、最大値側及び最小値側の信号成分を低周波の重畳部分として選択する選択回路と、
前記選択回路によって選択された信号成分に低周波を重畳した重畳信号、及び前記基準振幅値にあらかじめ設定された複数の比率を乗じた該低周波を重畳しない複数の中間振幅値の信号の組み合わせにより、前記送信信号を変換した多値電気信号を生成する信号処理回路と、
前記信号処理回路によって生成された多値電気信号に基づいてキャリア光を変調する光変調器と、
前記光変調器によって変調された変調光信号に含まれる前記低周波成分に基づいて、前記基準振幅値又は前記多値電気信号の振幅を制御する振幅制御回路と、
を備え、それぞれ波長の異なる前記変調光信号を出力する複数の光送信機と、
前記複数の光送信機から出力された波長の異なる複数の変調光信号を合波する光合波器と、
前記光合波器から出力された合成光信号の増幅器を含む光増幅中継器と、
前記光増幅中継器を介して伝送された光信号を受信する複数の光受信機と、
を備える光送受信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−90292(P2013−90292A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232130(P2011−232130)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(309015134)富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社 (72)
【Fターム(参考)】