説明

光送受信モジュール、光送受信モジュール製造方法、及びサーバ装置

【課題】位置精度を確保しつつ、容易に光送受信器を基板に搭載できる光送受信モジュール、光送受信モジュールの製造方法、及びサーバ装置を提供すること。
【解決手段】光送受信モジュール10は、基板51と、光送信器43と、半田90と、嵌合ピン544と、を備える。光送信器43は、基板51上に配置され、光導波路53に対して光信号を送信し、基板51側に開口した嵌合孔545を有する。半田90は、基板51と光送信器43とを位置固定する。嵌合ピン544は、光送信器43側に突出するように基板51上に形成され、加熱により径が拡大可能である。嵌合孔545と嵌合ピン544とが嵌合した状態で、半田90の加熱前に、嵌合ピン544の外周面と嵌合孔545の内周面との間に隙間が設けられている。さらに、半田90の加熱時に、嵌合ピン544の外周面と嵌合孔545の内周面とが接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光送受信モジュール、光送受信モジュールの製造方法、及びサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ等の情報処理装置に求められる性能は飛躍的に伸びている。これに伴い、コンピュータ間の通信容量の増大も顕著となっている。コンピュータシステムの一例としては、1つ或いは複数のCPU(Central Processing Unit)カードを筐体に搭載し、連携処理するブレードサーバという形態がある。
【0003】
図14に一般的なブレードサーバの構成を示す。ブレードサーバ9は、バックプレーン91と、CPUカード92と、スイッチカード93と、を備える。CPUカード92は、CPU921と、チップセット922と、メモリ923と、ハードディスク924等を搭載する。スイッチカード93は、メモリ923及びスイッチ制御部931等を搭載し、任意のCPUカード間の通信を行うために経路を切り替える。また、バックプレーン91には、配線911が施されている。各CPUカード92とスイッチカード93との間は当該バックプレーン91を経由して接続されている。バックプレーン91と、CPUカード92と、スイッチカード93と、は筐体(図示せず)に搭載される。
【0004】
なお、CPUカード92とスイッチカード93との間の通信は、例えば、PCI―Expressや、LAN(Local Area Network)で広く用いられるイーサネット(登録商標)等の通信用プロトコルを用いてなされる。また、上記ブレードサーバ筐体内のカード間のプロトコルを伝送する媒体としては、現状、チャネル当たり3Gbpsクラスの伝送速度で伝送距離が1m程度である。そのため、プロトコルの伝送は電気伝送が主流であるが、近年、伝送速度が10Gbpsクラスとなりつつあり、より大容量伝送が可能な光伝送の利用が想定されている。
【0005】
このような短距離光伝送(通常100m以下程度)においては、通常、マルチモード光送受信器、および、マルチモード光ファイバが用いられる。なお、マルチモード光送受信器は、送信側に安価なVCSEL(vertical Cavity Surface Emitting Laser)とLDD(Laser Diode Driver)を備え、受信側にPin−PD(Photo Diode)とTIA(Trans Impedance Amp)を備える。また、マルチモード光ファイバは光信号を閉じこめ進行させる直径50umの円形コア部と、コア部を取り囲み、光をコア部に閉じこめる直径125umのクラッド部と、によって構成されている。
【0006】
関連する光送受信器の実装および光伝送路の構成方法を図15、図16に示す。図15、図16は、光送受信器95をCPUカード92に搭載した状態を示す断面図である。図15に示すように、まず、光送受信器95をCPUカード92に半田90を用いて実装し、その後、光送受信器95の上部に光ファイバ961を備える光コネクタ96を装着する形態がある。光コネクタ96には、ミラー962が配置されており、光送受信器95から出射された光を光ファイバ961へと導く。この場合、光送受信器95からの光出力を光ファイバ961のコア部に効率良く結合させるため、光送受信器95の光入出射の光軸と光ファイバ961の光軸は約数um以下の精度で結合する必要がある。なお、LDD951がVCSEL952を駆動させ、VCSEL952がレーザを出射する。
【0007】
例えば、特許文献1では、ピンを光送受信器側に形成するとともに、光コネクタ側に穴を形成し、ピンと穴とを嵌合させることにより光結合精度を確保する方式が開示されている。また、図16に示すように、CPUカード92内部に光導波路925をフォトプロセス等で一括形成し(光ファイバ取り回し工数削減)、光送受信器95が光コネクタ無しで(部品点数削減)CPUカード92の半田90実装面側に光出射する方法が提案されている。これにより、コネクタ等の部品点数削減や、光ファイバ取り回しの工数削減が可能となる。なお、ポリマ光導波路は約50um程度の矩形状コア部および数10um〜100um程度の矩形クラッド部で構成されている。
【0008】
上記の方式においても、光送受信器95の光入出射の光軸と光導波路925の光軸は約数um以下の精度で結合する必要があり、例えば、特許文献2、3では、光送受信器を搭載するカードに形成されたピンを光送受信器側に形成された穴に嵌合させることで精度を確保する方式が開示されている。なお、ピンとしては金属のピンを実装する方法が一般的であり、光導波路形成後、ピンをカードに搭載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−271998号公報
【特許文献2】特開2005−084165号公報
【特許文献3】特開2006−091706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、光送受信器95の光入出射の光軸と光導波路925の光軸は数um以下の精度で結合する必要があり、当該位置精度を確保するためには、ピンと穴とを数μm以下の隙間を空けて嵌め合わせる精密な隙間ばめをする必要がある。そのため、ピンと穴との直径が略同一である必要がある。その結果、ピンを穴に嵌め合わせることが困難となるという問題があった。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、位置精度を確保しつつ、容易に光送受信器を基板に搭載できる光送受信モジュール、光送受信モジュールの製造方法、及びサーバ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明にかかる光送受信モジュールは、内部に光導波路が形成されている基板と、前記基板上に配置され、前記光導波路に対して光信号を送受信し、前記基板側に開口した孔を有する光送受信器と、前記基板と前記光送受信器とを位置固定する半田と、前記光送受信器側に突出するように前記基板上に形成され、加熱により径が拡大可能な凸部と、を備え、前記孔と前記凸部とが嵌合した状態で、前記半田の加熱前に、前記凸部の外周面と前記孔の内周面との間に隙間が設けられ、前記半田の加熱時に、前記凸部の外周面と前記孔の内周面とが接触するものである。
【0013】
本発明にかかる光送受信モジュールの製造方法は、光導波路が設けられた基板上に、前記光導波路に対して光信号を送受信する光送受信器を搭載する光送受信モジュールの製造方法であって、前記光送受信器側に突出するように前記基板上に形成され、加熱により径が拡大可能な凸部と、前記光送受信器の前記基板側に設けられた孔とを嵌合させ、前記基板と前記光送受信器とを位置固定する半田を加熱し、当該半田を溶かすと共に、前記凸部を熱膨張させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、位置精度を確保しつつ、容易に光送受信器を基板に搭載できる光送受信モジュール、光送受信モジュールの製造方法、及びサーバ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1にかかるブレードサーバの図である。
【図2】実施の形態1にかかるバックプレーンの図である。
【図3】実施の形態1にかかるブレードサーバの断面図である。
【図4】実施の形態1にかかるブレードサーバのブロック図である。
【図5】実施の形態1にかかるI/O部のブロックの図である。
【図6】実施の形態1にかかるI/O部の構成例を示す図である。
【図7】実施の形態1にかかる光送受信モジュールの断面図である。
【図8】実施の形態1にかかる光送受信モジュールの断面図である。
【図9】実施の形態1にかかる光送受信モジュールの底面図である。
【図10】実施の形態1にかかる嵌合ピン及び光導波路の配置位置を説明するための図である。
【図11】実施の形態1にかかる嵌合ピン及び嵌合孔の遷移図である。
【図12】実施の形態2にかかる光送受信モジュールの断面図である
【図13】実施の形態3にかかる光送受信モジュールの底面図である。
【図14】関連するブレードサーバの構成例を示す図である。
【図15】関連する光送受信モジュールの断面図である。
【図16】関連する光送受信モジュールの断面図である
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。始めに、ブレードサーバ全体の構成について説明する。図1は、ブレードサーバ1の構成例を示す斜視図である。ブレードサーバ1は、複数のCPUカード11と、スイッチカード12と、筐体13と、を備える。CPUカード11及びスイッチカード12は、筐体13の内部に格納されている。図1においては、ブレードサーバ1は、1つのスイッチカード12を備えているが、スイッチカードの枚数は複数であってもよい。なお、CPUカード11とスイッチカード12との間の主信号データ転送(大容量で高速のデータ転送)には、光伝送が用いられる。一方、管理系信号データ転送(小容量で低速のデータ転送)には、電気伝送が用いられる。
【0017】
次に、ブレードサーバ1の内部構成について説明する。筐体13内部には、光バックプレーンと、電気バックプレーンとが設けられている。具体的には、光バックプレーン及び電気バックプレーンは、筐体13において、CPUカード11やスイッチカード12を挿入する開口部とは反対側の面(図1において隠れている面)に設けられている。光バックプレーン21及び電気バックプレーン22の正面図を図2に示す。光バックプレーン21には、光コネクタ211が設けられている。電気バックプレーン22には、電源コネクタ221と、電気コネクタ222とが設けられている。CPUカード11は、CPUカードスロット31へ挿入され、スイッチカード12は、スイッチカードスロット32へ挿入される。なお、各スロットにおいて、上記の各コネクタは1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0018】
図3は、図1のIII−III線の矢視方向の断面図である。図3は、CPUカードスロット31へCPUカード11が挿入されている場合を示す図である。光バックプレーン21の光コネクタ211は、CPUカード11の光コネクタ231と対向するように設けられている。同様に、電気バックプレーン22の電源コネクタ221は、CPUカード11の電源コネクタ232と対向するように設けられている。さらに、電気バックプレーン22の電気コネクタ222は、CPUカード11の電気コネクタ233と対向するように設けられている。なお、図示は省略するが、スイッチカードスロット32も同様の構成である。
【0019】
CPUカード11がブレードサーバ1の筐体13に挿入されると、CPUカード11の光コネクタ231と光バックプレーンの光コネクタ211とが嵌合する。同様に、CPUカード11の電源コネクタ232と電気バックプレーン23の電源コネクタ221とが嵌合し、CPUカード11の電気コネクタ233と電気バックプレーン22の電気コネクタ222とが嵌合する。ブレードサーバ1の各スロット間の光接続は、光コネクタ211に接続されている光ファイバ212を介して行われる。なお、図示はしていないが、電気バックプレーン22には、電気のパターン配線がされており、各スロット間の電気接続は、当該パターン配線を介して行われる。
【0020】
次に、ブレードサーバ1内部の光伝送システムについて説明する。図4は光伝送システムのブロック図である。CPUカード11は、CPU111と、メモリ部112と、ノースブリッジ部113と、サウスブリッジ部114と、I/O(Input / Output)部115と、を備える。
【0021】
CPU111は、演算処理や各部に対する命令処理を行う中央制御装置である。メモリ部112は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)であり、CPU111の演算結果や、命令プログラム等を格納する。ノースブリッジ部113は、メモリ部112等の高速バスを有するデバイスとCPU111とを接続する。サウスブリッジ部114は、ノースブリッジ部113とI/O部115等の低速バスを有するデバイスとを接続する。すなわち、CPU111と、I/O部115等の低速バスを有するデバイスと、がノースブリッジ部113及びサウスブリッジ部114を介して接続される。
【0022】
スイッチカード12は、I/O部121と、経路テーブル部122と、スイッチ部123と、を備える。I/O部121は、CPUカード11から送られてくるデータを受信する。経路テーブル部122は、CPUカード11の識別番号と、当該CPUカード11が接続されているスイッチポート番号と、が対応付けられて格納されている。言い換えると、経路テーブル部122には、CPUカード11がどのスイッチポートと接続されているのかを示す情報が格納されている。スイッチ部123は、I/O部121と接続され、経路テーブル部122内の情報を参照して、ポート接続の切り替えを行う。CPUカード11間の接続は、スイッチカード12を介して行われる。
【0023】
次に、CPUカード11のI/O部115の詳細なブロック図を図5に示す。I/O部115は、プロトコル処理部41と、物理層部42と、光送信器43と、光受信器44と、を備える。プロトコル処理部41は、サウスブリッジ部114から送られた信号を所望の伝送フォーマット(例えば、イーサネット、PCI−Express等)に変換する。物理層部42は、符号化(例えば、イーサネットでは、8B/10B、64B/66B等)や、伝送媒体に適したビット列信号に変換する。光送信器43は、物理層部42から送られてくる電気信号を光信号に変換して光伝送路に送信する。光受信器44は、光伝送路から送られてくる光信号を電気信号に変換して物理層部42に送信する。
【0024】
さらに、図5に示したI/O部115の構成を示す平面図を図6に示す。I/O部115において、物理層部42と、光送信器43と、光受信器44と、は基板51に搭載されている。また、基板51の端部には、CPUカード11側の光コネクタ231が設けられている。物理層部42と光送信器43及び光受信器44とは、電気配線52により接続されている。光送信器43及び光受信器44と光コネクタ231とは、基板51表面に形成された光導波路53により接続されている。なお、図6においては、プロトコル処理部41の図示は省略する。
【0025】
このとき、光送信器43及び光受信器44は、嵌合孔545を有する。一方、基板51は、基板51表面から突出した嵌合ピン544(凸部)を有する。嵌合ピン544は、例えば、クラッド材を光閉じこめに必要なクラッド厚みと嵌合ピン高さの和の厚みで塗布し、その後、嵌合ピン部以外を露光除去することにより形成可能である。嵌合孔545と嵌合ピン544とを嵌合することにより、基板51に対する光送信器43及び光受信器44の位置が所望の位置に決められる。なお、位置決めの詳細については後述する。
【0026】
図6のVII−VII線の矢視方向の断面図を図7に示す。光送信器43は、発光素子(VCSEL)541と、発光素子を駆動するLDD542と、を備える。なお、図示は省略するが、光受信器44は、受光素子(Pin−PD)と、受光素子からの微弱電流を電圧に変換し増幅するTIAと、を備える。
【0027】
光送信器43は、半田90実装面側(基板51側)に光信号を出射する(図7の太線矢印)。出射された光信号は、光コネクタを介さず、光導波路53に入射する。光導波路53とは、基板51の内部に形成されている。光導波路53には、光路を90°変換するミラー533が設けられている。そのため、入射された光信号の進行方向は、ミラー533により90°変化する。つまり、光信号は、基板51に対して実質的に水平方向に進む。さらに、光信号の進行方向は、光コネクタ211側に設けられたミラー534により再度90°変化する。つまり、光信号は、基板51に対して実質的に垂直方向に進む。その後、光信号は、光コネクタ231に入射され、光コネクタ231内部のミラー2311に反射して、カード間を接続する光ファイバ212に入射される。なお、以下では、光送信器43(または光受信器44)と、光導波路53が形成された基板51と、が半田90を用いて固定されるモジュールを光送受信モジュール10と称す。
【0028】
次に、嵌合ピン544及び嵌合孔545の構成について図8及び図9を用いて説明する。図8は、図6のVIII−VIII線の矢視方向の断面図である。図9は、図8に示した構成を基板51側から見た図である。図9におけるVII−VII線の矢視方向の断面図が図7に対応し、VIII−VIII線の矢視方向の断面図が図8に対応する。光導波路53のクラッド部532には複数のコア部531が内蔵されている。コア部531は、光信号を伝送する部分である。クラッド部532は、コア部531を覆う部分であり、コア部531よりも屈折率が低い。なお、図9においては、基板51の図示は省略し、光導波路53及び光送信器43の底面側を示している。
【0029】
嵌合ピン544は、光導波路53のクラッド部532に設けられている。嵌合ピン544は、クラッド部532と同じ素材(例えば、ポリマ等)により一体形成されている。また、嵌合ピン544は、コア部531の線路方向に対して光送信器43側に垂直に突出して設けられている。嵌合ピン544の高さは、半田90の直径と光送信器43の高さとの和以上である。クラッド部532の塗布厚みに制限があるため、嵌合ピン544の高さには制限があるが、具体的には、嵌合ピン544の高さは1mm以上であることが望ましい。図9に示すように、光送信器43の下面には外周に沿って複数の半田90が配置され、光送信器43と基板51とを位置固定する。
【0030】
一方、光送信器43には、嵌合ピン544と嵌合する嵌合孔545が設けられている。嵌合ピン544と嵌合孔545とを嵌合させることにより、光導波路53に対して光送信器43を所望の位置に配置することができる。
【0031】
嵌合ピン544の外径は、常温時、嵌合孔545の内径に対して必要位置決め精度を満たす条件よりも小さく形成されている(常温時において、例えば、嵌合孔545の内径と嵌合ピン544の外径との差が数um以上、10um程度以下となることが好ましい)。さらに、嵌合ピン544は、半田リフローの加熱時、径方向に熱膨張可能である。これにより、半田リフローの加熱時に、嵌合ピン544の外径が拡大し、必要位置決め精度を満たす(半田リフロー加熱時において、例えば、嵌合孔545の内径に対して嵌合ピン544の外径の差が数um以下となることが好ましい)。嵌合ピン544は、このような外径寸法および材料で構成する。なお、嵌合ピン544の形成位置および寸法については任意である。一例として、多芯の光コネクタであるMTコネクタにおける嵌合ピン544の形成位置および寸法を図10に示す。例えば、嵌合ピン544の間隔は4.6mmであり、コア部531のピッチ幅は0.25mmである。その他の形成位置は図10に示す通りである。なお、図10に記載された数値の単位はmmである。
【0032】
続いて、本実施の形態にかかる光送受信モジュール10の製造方法について図8を参照して説明する。なお、本発明は、光送受信モジュール10の製造方法(光送信器43の光導波路53に対する位置決め方法)であるため、その他の動作(光通信動作等)の説明は省略する。
【0033】
まず、クラッド部532に設けられた嵌合ピン544と光送信器43に設けられた嵌合孔545とが嵌合するように、光送信器43を基板51に搭載する。このとき、嵌合ピン544の中心軸と嵌合孔545の中心軸とを厳密に合わせる必要はなく、単に、嵌合ピン544を嵌合孔545に挿入するだけでよい。
【0034】
次に、光送信器43を基板51に形成された金属パッドに接合するために、半田90を加熱する。これにより、半田90を溶かすと共に、嵌合ピン544を直径方向及び高さ方向に熱膨張させる。なお、鉛フリーの半田を用いる場合、加熱のピーク温度は一般的に250℃程度である。
【0035】
ここで、嵌合ピン544の熱膨張について詳細に説明する。熱膨張前の嵌合ピン544の体積:v、半径:r、高さ:l、熱膨張後の嵌合ピン544の体積:V、半径:R、高さ:L、線膨張率:α、体積膨張率:β、とすると以下の関係がある。
【0036】
【数1】

【0037】
【数2】

【0038】
【数3】

【0039】
【数4】

【0040】
【数5】

【0041】
上記の式(1)〜(5)により、rとRとの関係は以下の式で表される。
【0042】
【数6】

【0043】
クラッド部532の材料としてエポキシ/アクリル系のポリマを用いた場合、線膨張率αは約60ppm/degである。そのため、常温である20℃からリフローのピーク温度である250℃まで加熱すると、上記の式により、嵌合ピン544は、径方向に約1.35%膨張する。
【0044】
例えば、嵌合ピン544の直径を0.7mmとし、嵌合ピン544の直径は、加熱によって約9.45μm膨張する。常温時における嵌合孔545の内径と嵌合ピン544の外径との差が10umとすると、嵌合ピン544の熱膨張によって、嵌合孔545に嵌合ピン544がほぼ隙間なく広がる。そのため、光送信器43が水平方向に移動して、嵌合ピン544の中心軸と、嵌合孔545の中心軸と、がほぼ同一軸上になるように位置決めされる。
【0045】
さらに、嵌合ピン544及び嵌合孔545の位置決めの原理について図11を参照して詳細に説明する。図11は、嵌合ピン544及び嵌合孔545の遷移を示す断面図である。(a)は加熱前の状態を示し、(b)、(c)は加熱時の状態を示し、(d)は冷却後の状態を示す。なお、図11において、「+」で示した点が嵌合ピン544の中心軸c1であり、「×」で示した点が嵌合孔545の中心軸c2である。
【0046】
上記したように、嵌合ピン544と嵌合孔545とを嵌め合わせる際には、厳密な位置合わせはしていないため、嵌合ピン544の中心軸c1と嵌合孔545の中心軸c2とがずれた状態となっている(図11(a)参照)。
【0047】
次に、半田90の加熱に伴って、嵌合ピン544が膨張する。つまり、嵌合ピン544が径方向に拡大する。そのため、嵌合ピン544の外周面と嵌合孔545の内周面とが点pにおいて接触する(図11(b)参照)。
【0048】
さらに加熱を続けると、嵌合ピン544はさらに膨張する。そのため、嵌合孔545は、図11(b)の点pにおいて、嵌合ピン544から外側に向かう力(図11(b)の矢印方向の力)を受ける。その結果、嵌合孔545が力の方向にずれる。つまり、光送信器43が力の方向にずれる。このとき、加熱により半田90は溶けているため、光送信器43は基板51に対して位置固定されておらず、移動可能である。
【0049】
そして、リフローのピーク温度になると、嵌合ピン544が嵌合孔545内でほぼ隙間なく膨張する(図11(c)参照)。これにより、嵌合ピン544の中心軸とc1、嵌合孔545の中心軸c2とがほぼ一致する。なお、図11(c)に示す破線の円は、移動前の嵌合孔545である。
【0050】
その後、半田90を冷却する。これにより、半田90が固化して、光送信器43が基板51に接合される。それと共に、嵌合ピン544も冷却され、径方向に収縮する。そして、加熱前と同様に、嵌合ピン544と嵌合孔545とが隙間ばめされた状態に戻る。冷却時においては、嵌合ピン544の外径は縮小するため、嵌合ピン544が光送信器43の搭載位置に影響を与えない。したがって、嵌合ピン544の中心軸c1と嵌合孔545の中心軸c2とがほぼ一致したまま、光送信器43は半田90の固化に応じて位置固定される。
【0051】
以上のように、本実施の形態にかかる光送受信モジュール10は、嵌合孔545を有する光送信器43と、嵌合孔545と嵌合する嵌合ピン544を有する基板51と、を備える。そして、基板51と光送信器43とは、半田90によって位置固定される。さらに、嵌合ピン544は、加熱により径方向に拡大可能である。加熱前においては、嵌合ピン544の外径は、所望の位置決め精度を満たす径よりも小さい。つまり、嵌合ピン544の外周面と嵌合孔545の内周面との間に嵌合に十分な隙間が存在する。したがって、嵌合ピン544と嵌合孔545とを容易に嵌合させることができる。
【0052】
一方、加熱時においては、嵌合ピン544の外周面は嵌合孔545の内周面に接触する。そのため、嵌合ピン544の中心軸と嵌合孔545の中心軸とをほぼ一致させることができ、基板51に対する光送信器43の位置を所望の位置に調整できる。つまり、光送受信モジュール10は、光送信器43の位置精度を確保しつつ、容易に光送信器43を基板51に搭載することができる。
【0053】
ここで、光送信器43の搭載位置の精度を確保するために、ピンの外径と嵌合孔の内径とを近づけて、きつい隙間ばめとすることが考えられる。隙間をほとんど無くすことにより、光送信器43の位置がずれることを防止するためである。しかし、ピンの外径と嵌合孔の内径とを近づけると、嵌合孔とピンとを嵌合しづらいことに加えて、無理に嵌合させるとピンが削れてしまう恐れがある。
【0054】
これに対して、本実施の形態にかかる光送受信モジュール10においては、嵌合時には、嵌合ピン544の外径が嵌合孔545の内径よりも十分小さい。つまり、光送信器43搭載位置の精度を十分に確保可能な隙間よりも余分に隙間が設けられている。そのため、嵌合する際に、嵌合ピン544が嵌合孔545に接触することを抑制できる。そのため、嵌合ピンが削れてしまうことを防止できる。特に、嵌合ピン544をポリマで形成した場合には、嵌合ピン544は、金属で形成したピンよりも強度が低いため、顕著な効果を奏する。
【0055】
さらに、嵌合ピンと嵌合孔とが接触した状態で位置固定されると、熱衝撃等により、接触部分に大きな力が発生し、嵌合ピンが破損する恐れがある。しかし、本実施の形態にかかる光送受信モジュール10では、図11(c)に示すように、冷却後(半田90の固化に応じて位置固定された後)においても、嵌合ピン544の外周面と嵌合孔545の内周面との間に隙間が存在する。つまり、位置固定後に嵌合ピン544と嵌合孔545とは接触(片当たり)していない。したがって、位置固定後に熱衝撃等を受けて嵌合ピン544が破損することを防止できる。
【0056】
なお、嵌合ピン544と光導波路53とを同じポリマ材料で一体形成することにより、嵌合ピンと光導波路の相対位置精度はフォトプロセス精度(1um以下)で確保可能である。そのため、金属ピンを用いる場合(ピンと光導波路とが別個に形成される場合)に比較して、光送信器43及び光受信器44を光導波路53に対して精度良く搭載できる。勿論、嵌合ピン544及び光導波路53の材質はポリマに限られない。
【0057】
<実施の形態2>
本発明にかかる実施の形態2について説明する。本実施の形態にかかる光送受信モジュール20の構成を図12に示す。図12は、実施の形態1において説明した図8に対応する断面図であり、図6のVIII−VIII線の矢視方向の断面図に対応する。なお、嵌合ピン546及び嵌合孔547の形状以外の構成は、実施の形態1と同様の構成であるため、適宜説明を省略する。
【0058】
光送信器43に形成された嵌合孔547は、基板51側に開口している非貫通の嵌合孔である。また、基板51に形成された嵌合ピン546の高さは、半田90の直径と嵌合孔547の深さとの和と実質的に同一である。そのため、嵌合ピン546の端部は、嵌合孔547の最奥面に突き当たる。なお、リフロー加熱時のピーク温度における嵌合ピン546の高さが、半田90の直径よりも長く、嵌合孔547の深さと半田90の直径との和以下であれば位置合わせ可能である。
【0059】
続いて、本実施の形態にかかる光送受信モジュール20の製造方法について図12を参照して説明する。まず、嵌合ピン546と嵌合孔547とが嵌合するように、光送信器43を基板51に搭載する。このとき、嵌合ピン546の中心軸と嵌合孔547の中心軸とを厳密に合わせる必要はなく、嵌合ピン546を嵌合孔547に挿入すればよい。
【0060】
リフロー加熱時に嵌合ピン546が膨張して、嵌合ピン546の高さが高くなると、光送信器43が基板51面に対して垂直方向に浮き上がるおそれがある。そのため、光送信器43が垂直方向に浮き上がらないように、光送信器43に対して、基板51方向に加重をかけておく。
【0061】
このとき、リフロー加熱時のピーク温度における嵌合ピン546の高さは、嵌合孔547の深さと半田90の高さとの和以上の高さであり、かつ、常温時の嵌合ピン546の高さは、嵌合孔547の深さと半田90の高さとの和以下であることが好ましい。リフロー加熱時のピーク温度において、嵌合孔547の深さと半田90の高さとの和以上の高さとなる嵌合ピン546を用いて、加熱時に嵌合ピン546の上端を基板51方向に加重をかけることにより、実施の形態1よりも、嵌合ピン546を径方向に膨張させることができる。
【0062】
次に、光送信器43を基板51に形成された金属パッドに接合するために、半田90を加熱する。これにより、半田90を溶かすと共に、嵌合ピン546を直径方向(図12の左右方向)のみに熱膨張させる。
【0063】
ここで、嵌合ピン546の熱膨張について詳細に説明する。熱膨張前の嵌合ピン546の体積:v、半径:r、高さ:l、熱膨張後の嵌合ピン546の体積:V、半径:R、高さ:L、線膨張率:α、体積膨張率:β、とすると以下の関係がある。
【0064】
【数7】

【0065】
【数8】

【0066】
【数9】

【0067】
【数10】

【0068】
上記の式(7)〜(10)により、rとRとの関係は以下の式で表される。
【0069】
【数11】

【0070】
実施の形態1と同様に、嵌合ピン546の線膨張率αを約60ppm/degとして、20℃から250℃まで加熱する場合について説明する。上記の式により、嵌合ピン546の直径は、中心軸から直径方向に約2.05%膨張する。
【0071】
例えば、嵌合ピン546の直径を0.7mmとすると、膨張後の直径は約14.35μm膨張する。嵌合孔547の内径と嵌合ピン546の外径との差が15umとすると、嵌合ピン544の熱膨張によって、嵌合孔547に嵌合ピン546がほぼ隙間なく広がる。そのため、嵌合ピン546の中心軸と、嵌合孔547の中心軸と、がほぼ同一軸上になるように位置決めされる。
【0072】
その後、半田90を冷却する。これにより、半田90が固化して、光送信器43が基板51に接合されると伴に、嵌合ピン546が収縮する。そして、加熱前と同様に、嵌合ピン546と嵌合孔547との間に隙間ができる。
【0073】
以上のように、本実施の形態にかかる光送受信モジュール20においては、嵌合孔547が非貫通である。また、加熱時のピーク温度における嵌合ピン546の高さは、嵌合孔547の深さと半田90の高さとの和よりも高い。さらに、加熱時において、光送信器43は下向きに加重がかけられている。そのため、嵌合孔547に嵌合した嵌合ピン546は、縦方向(ピンの軸方向)には膨張せず、その分、横方向(ピンの径方向)に膨張する。したがって、実施の形態1に比べて嵌合ピン546の径方向の拡大率が大きい。その結果、実施の形態1に比べて、嵌合孔547の内径と嵌合ピン546の外径との差を大きくしても、加熱時において、嵌合ピン546の外周面と嵌合孔547の内周面とが接触可能である(実施の形態1では径の差は10umであったが、実施の形態2では径の差が15nmでも実施可能)。言い換えると、嵌合ピン546を嵌合孔547に挿入する際に、嵌合ピン546と嵌合孔547との隙間を広くすることができる。その結果、実施の形態1よりも容易に嵌合ピン546を嵌合孔547に挿入することができる。
【0074】
<実施の形態3>
本発明にかかる実施の形態3について説明する。本実施の形態にかかる光送受信モジュール30を図13に示す。図13(a)は、実施の形態1において説明した図9に対応する図であり、光送信器43及び光導波路53を基板51側から見た図である。図13(b)は、実施の形態1において説明した図8に対応する図であり、図13(a)のb−b線の矢視方向の断面図である。なお、嵌合ピン548及び嵌合孔549以外の構成は、実施の形態1と同様の構成であるため、適宜説明を省略する。
【0075】
本実施の形態においては、基板51に2つの嵌合ピン544に加えて、嵌合ピン548が形成されている。つまり、基板51上に3つの嵌合ピン544、548の3本のピンが形成されている。これらの嵌合ピン544、548の位置に対応して、光送信器43にも3つの嵌合孔545、549が形成されている。
【0076】
このとき、嵌合ピン544は、実施の形態1と同様に、光導波路53上に形成されている。一方、嵌合ピン548は、基板51上に形成されている。なお、嵌合ピン548も加熱により径方向に拡大可能であればよく、好ましくは、嵌合ピン544と同一の材料で形成されているとよい。
【0077】
嵌合ピン548の形成位置は、嵌合ピン544と嵌合孔545とが嵌合した場合に、光送信器43が搭載される領域内であればよい。特に、2つの嵌合ピン544から等距離であり、かつ、2つの嵌合ピン544を結ぶ線よりも光導波路53とは反対側であることが好ましい。
【0078】
以上のように、本実施の形態にかかる光送受信モジュール30においては、3本の嵌合ピン544、548を用いて光送信器43を支持するため、位置精度が高まる。さらに、嵌合ピン544、548の外周面と嵌合孔545、549の内周面との間に隙間があるため、3点支持を行う場合であっても、嵌合ピン544、548と嵌合孔545、549とを容易に嵌合させることができる。勿論、嵌合ピンの本数及び嵌合孔の個数は3つ以上であってもよい。
【0079】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更及び組み合わせをすることが可能である。例えば、上述の説明においては、光送信器43と光導波路53との位置決めについて説明したが、勿論、光受信器44と光導波路53との位置決めについても同様である。
【0080】
さらに、上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0081】
(付記1)
内部に光導波路が形成されている基板と、
前記基板上に配置され、前記光導波路に対して光信号を送受信し、前記基板側に開口した孔を有する光送受信器と、
前記基板と前記光送受信器とを位置固定する半田と、
前記光送受信器側に突出するように前記基板上に形成され、加熱により径が拡大可能な凸部と、を備え、
前記孔と前記凸部とが嵌合した状態で、前記半田の加熱前に、前記凸部の外周面と前記孔の内周面との間に隙間が設けられ、前記半田の加熱時に、前記凸部の外周面と前記孔の内周面とが接触する光送受信モジュール。
【0082】
(付記2)
前記光送受信器は、一対の前記孔を有し、
前記基板上には、一対の前記孔の位置に対応する位置に、一対の前記凸部が形成されている付記1に記載の光送受信モジュール
【0083】
(付記3)
前記光送受信器は、当該一対の前記孔のそれぞれから等距離であって、前記光導波路の延在方向とは反対方向に設けられた孔をさらに有し、
前記基板上には、前記孔の位置に対応する位置に、前記凸部が設けられている付記2に記載の光送受信モジュール。
【0084】
(付記4)
一対の前記凸部は、前記光導波路のクラッド部に設けられ、
一対の前記凸部と前記光導波路のクラッド部とは、同一のポリマ材質であり、一体として形成されている付記2又は3に記載の光送受信モジュール。
【0085】
(付記5)
前記凸部は、前記基板に対して実質的に垂直方向に突出している付記1乃至4のいずれか一項に記載の光送受信モジュール。
【0086】
(付記6)
前記孔は貫通孔である付記1乃至5のいずれか一項に記載の光送受信モジュール。
【0087】
(付記7)
前記孔は非貫通孔である付記1乃至5のいずれか一項に記載の光送受信モジュール。
【0088】
(付記8)
前記凸部は、エポキシまたはアクリル系樹脂で形成されている付記1乃至7のいずれか一項に記載の光送受信モジュール。
【0089】
(付記9)
光導波路が設けられた基板上に、前記光導波路に対して光信号を送受信する光送受信器を搭載する光送受信モジュールの製造方法であって、
前記光送受信器側に突出するように前記基板上に形成され、加熱により径が拡大可能な凸部と、前記光送受信器の前記基板側に設けられた孔とを嵌合させ、
前記基板と前記光送受信器とを位置固定する半田を加熱し、当該半田を溶かすと共に、前記凸部を熱膨張させる光送受信モジュールの製造方法。
【0090】
(付記10)
前記半田の加熱時に、前記凸部の外周面と前記孔の内周面とが接触することにより、前記基板に対する前記光送受信器の相対的な位置を調整し、
前記半田を冷却することにより、前記基板に対する前記光送受信器の相対的な位置を固定する付記9に記載の光送受信モジュールの製造方法。
【0091】
(付記11)
前記孔は非貫通孔であり、
前記半田の加熱時のピーク温度における前記凸部の高さは、前記孔の深さと前記半田の高さとの和以下、かつ、前記半田の高さ以上である付記9又は10に記載の光送受信モジュールの製造方法。
【0092】
(付記12)
前記孔は非貫通孔であり、
前記半田の加熱時のピーク温度における前記凸部の高さは、前記孔の深さと前記半田の高さとの和以上の高さとなり、かつ、常温時の前記凸部の高さは、前記孔の深さと前記半田の高さとの和以下である付記9又は10に記載の光送受信モジュールの製造方法。
【0093】
(付記13)
前記基板内部に形成された前記光導波路のクラッド部と前記凸部とを一体として形成する付記9乃至12のいずれか一項に記載の光送受信モジュールの製造方法。
【0094】
(付記14)
筐体と、
付記1乃至8のいずれか一項に記載の前記光送受信モジュールを有し、前記筐体に格納された複数のカード装置と、
前記複数のカード装置のそれぞれの前記光送受信器を、前記光導波路を介して光接続する光ファイバと、
を備えるサーバ装置。
【符号の説明】
【0095】
1 ブレードサーバ
10〜30 光送受信モジュール
11、92 CPUカード
12、93 スイッチカード
13 筐体
21 光バックプレーン
22 電気バックプレーン
31 CPUカードスロット
32 スイッチカードスロット
41 プロトコル処理部
42 物理層処理部
43 光送信器
44 光受信器
51 基板
52 電気配線
53 光導波路
90 半田
91 バックプレーン
95 光送受信器
96 光コネクタ
111 CPU
112 メモリ部
113 ノースブリッジ部
114 サウスブリッジ部
115、121 I/O部
122 経路テーブル部
123 スイッチ部
211、231 光コネクタ
212、961 光ファイバ
221、232 電源コネクタ
222、233 電気コネクタ
531 コア部
532 クラッド部
533、534、962 ミラー
544、546、548 嵌合ピン
545、547、549 嵌合孔
922 チップセット
923 メモリ
924 ハードディスク
925 光導波路
931 スイッチ制御部
951 LDD
952 VCSEL

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に光導波路が形成されている基板と、
前記基板上に配置され、前記光導波路に対して光信号を送受信し、前記基板側に開口した孔を有する光送受信器と、
前記基板と前記光送受信器とを位置固定する半田と、
前記光送受信器側に突出するように前記基板上に形成され、加熱により径が拡大可能な凸部と、を備え、
前記孔と前記凸部とが嵌合した状態で、前記半田の加熱前に、前記凸部の外周面と前記孔の内周面との間に隙間が設けられ、前記半田の加熱時に、前記凸部の外周面と前記孔の内周面とが接触する光送受信モジュール。
【請求項2】
前記光送受信器は、一対の前記孔を有し、
前記基板上には、一対の前記孔の位置に対応する位置に、一対の前記凸部が形成されている請求項1に記載の光送受信モジュール
【請求項3】
前記光送受信器は、当該一対の前記孔のそれぞれから等距離であって、前記光導波路の延在方向とは反対方向に設けられた孔をさらに有し、
前記基板上には、前記孔の位置に対応する位置に、前記凸部が設けられている請求項2に記載の光送受信モジュール。
【請求項4】
一対の前記凸部は、前記光導波路のクラッド部に設けられ、
一対の前記凸部と前記光導波路のクラッド部とは、同一のポリマ材質であり、一体として形成されている請求項2又は3に記載の光送受信モジュール。
【請求項5】
前記凸部は、エポキシまたはアクリル系樹脂で形成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光送受信モジュール。
【請求項6】
光導波路が設けられた基板上に、前記光導波路に対して光信号を送受信する光送受信器を搭載する光送受信モジュールの製造方法であって、
前記光送受信器側に突出するように前記基板上に形成され、加熱により径が拡大可能な凸部と、前記光送受信器の前記基板側に設けられた孔とを嵌合させ、
前記基板と前記光送受信器とを位置固定する半田を加熱し、当該半田を溶かすと共に、前記凸部を熱膨張させる光送受信モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記半田の加熱時に、前記凸部の外周面と前記孔の内周面とが接触することにより、前記基板に対する前記光送受信器の相対的な位置を調整し、
前記半田を冷却することにより、前記基板に対する前記光送受信器の相対的な位置を固定する請求項6に記載の光送受信モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記孔は非貫通孔であり、
前記半田の加熱時のピーク温度における前記凸部の高さは、前記孔の深さと前記半田の高さとの和以下、かつ、前記半田の高さ以上である請求項6又は7に記載の光送受信モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記孔は非貫通孔であり、
前記半田の加熱時のピーク温度における前記凸部の高さは、前記孔の深さと前記半田の高さとの和以上の高さとなり、かつ、常温時の前記凸部の高さは、前記孔の深さと前記半田の高さとの和以下である請求項6又は7に記載の光送受信モジュールの製造方法。
【請求項10】
筐体と、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の前記光送受信モジュールを有し、前記筐体に格納された複数のカード装置と、
前記複数のカード装置のそれぞれの前記光送受信器を、前記光導波路を介して光接続する光ファイバと、
を備えるサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−185294(P2012−185294A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47905(P2011−47905)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「グリーンネットワーク・システム技術研究開発プロジェクト(グリーンITプロジェクト)/サーバの最適構成とクラウド・コンピューティング環境における進化するアーキテクチャの開発/将来の進化を想定した低消費電力アーキテクチャーの開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】