光量調節装置

【課題】厚くなり過ぎることなく、必要に応じて赤外線遮断フィルタを信頼性高く利用することのできる光量調節装置を提供すること。
【解決手段】開口面積を変化させて通過する光量を調節する光量調節機構と、該光量調節機構の開口位置に赤外線遮断フィルタ43を移動させるとともに該赤外線遮断フィルタを当該開口位置から離脱させるフィルタ切替機構と、を備える光量調節装置であって、前記フィルタ切替機構の赤外線遮断フィルタに対面する分離部材110に当該赤外線遮断フィルタを干渉しないように収容する凹形状部(収容空間)110bを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光量調節装置に関し、詳しくは、光量の調節だけでなく、光を通過させる光路にフィルタを必要に応じて介在させることのできるものに関する。
【背景技術】
【0002】
画像撮影装置は、例えば、CCD(charge-coupled device)やCMOS(complementary
metal-oxide semiconductor)等の撮像素子が使用されて、光量を調整する光量調節装置が搭載されている。
【0003】
この画像撮影装置には、可視光外の赤外領域の光線を遮断する赤外線遮断(IR:infrared)フィルタを搭載する場合があり、監視カメラ等の夜間・暗視で使用するタイミングには光を通過させる光路外にその赤外線遮断フィルタを外す必要がある。このため、このような画像撮影装置には、光量調節装置以外に赤外線遮断フィルタを駆動させる装置も必要となり、大型カメラでは別体に搭載することができるが、近年の小型化を図る必要がある機種ではその光量調節装置と一体化しつつ小型化を達成する必要がある。
【0004】
詳細には、光量調節装置は、例えば、図9に示す駆動モータ10を搭載して光量調節機構(絞り機構)30を動作させるようになっており、駆動モータ10の駆動力により、光量調節部材32、33の向かい合わせの位置関係にある周縁32d、33dの間で形成する開口形状の面積を変化させて光量を調整する。
【0005】
そして、光量調節装置に一体型に搭載される赤外線遮断フィルタの切替機構40は、上述の光量調節機構30と同様に、駆動モータ20の駆動力によりフィルタ切替枠部材42(赤外線遮断フィルタ43)を動作させるようになっており、光量調節部材32、33の周縁32d、33d間で形成する開口位置にフィルタ切替枠部材42に固着する赤外線遮断フィルタ43を挿脱する。これにより、光量調節装置は、光量調節部材32、33の周縁32d、33d間の開口を覆うように昼間には赤外線遮断フィルタ43を位置させる一方、夜間や光量が少なくなったときにはその開口位置から赤外線遮断フィルタ43を外すように切り替える機能を備える(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010− 20063号公報
【特許文献2】特開2003−348398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような赤外線遮断フィルタ搭載の光量調節装置にあっては、図9に示す特許文献1に記載のタイプのように、回動させるフィルタ切替枠部材42を光量調節部材32、33の間に挟み込んでその周縁32d、33d間の開口位置に赤外線遮断フィルタ43を挿脱させており、その赤外線遮断フィルタ43はフィルタ切替枠部材42の一面側に単に固着している。
【0008】
この赤外線遮断フィルタ43は、樹脂製フィルムで薄い部材であるがフィルタ切替枠部材42の一面側に固着されているだけなので、狭い空間内を回動する際に、対面する部材と干渉し易く、光量調節部材32、33の周縁32d、33d間の開口位置に適切に挿脱させることができなったり、光量調節部材32、33自体の動作を妨げてしまう可能性がある。また、この光量調節部材32、33なども樹脂製であるので、静電気が発生し易く、その静電気がスムーズに動くことを妨げてしまう可能性もある。
【0009】
ところで、この種の光量調節装置では、フィルタ切替枠部材42が光量調節部材32、33と異なる動きをすることから、図10に示すように、その間に分離部材100を挟み込むことも考えている。この場合には、静電気の影響防止も達成することができるが、そのフィルタ切替枠部材42や赤外線遮断フィルタ43の厚さに加えて分離部材100の分だけ装置全体が厚くなって小型化の障害になってしまう。
【0010】
また、この種の光量調節装置には、図11に示す特許文献2に記載のタイプのように、ガラス製の赤外線遮断フィルタ43bを透明ガラス43aと共にフィルタ切替枠部材42´に固着するタイプのものもある。このタイプでは、その赤外線遮断フィルタ43bと透明ガラス42aを切り替えて光量調節部材32、33の周縁32d、33d間の開口位置に位置させるようになっており、ガラスが厚めになることからその分だけ装置全体が厚くなって小型化の障害になってしまう。
【0011】
そこで、本発明は、厚くなり過ぎることなく、必要に応じて赤外線遮断フィルタを信頼性高く利用することのできる光量調節装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する光量調節装置の発明の一態様は、開口面積を変化させて通過する光量を調節する絞り機構と、該絞り機構の開口位置にフィルタを移動させるとともに該フィルタを当該開口位置から離脱させるフィルタ切替機構と、を備える光量調節装置であって、前記フィルタ切替機構の移動部材に対面する相手側部材に当該移動部材を干渉しないように収容する収容空間を設けることを特徴とするものである。
【0013】
この発明の態様では、フィルタ切替機構のフィルタなどの移動部材を、他の構成部材と干渉させてしまうことなく、対面する部材内の収容空間内で移動させることができる。したがって、信頼性の高い動作を確保することができるのに加えて、単純にフィルタを含むフィルタ切替機構を他の構成部材に単純に積み重ねた寸法ほど厚くなってしまうことを回避することができる。
【発明の効果】
【0014】
このように本発明の一態様によれば、フィルタ切替機構のフィルタなどの移動部材をそのまま装置全体の厚さになる部材として積算することを回避しつつ、対面する他の相手側部材内の収容空間内で動作させて機能させることができる。したがって、装置全体の薄型を図りつつ、他の構成部材と干渉してしまうことを回避して、フィルタ切替機構を信頼性高く機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る光量調節装置の一実施形態を示す図であり、その基本構成を示す分解斜視図である。
【図2】その駆動モータの構造を示す縦断面図である。
【図3】その駆動モータの構造を示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその一方向からの側面図、(c)は(b)とは異なる方向からの側面図である。
【図4】その光量調節機構を示す図であり、(a)はベース部材と駆動伝達部材を示す平面図、(b)は(a)に加えて光量調節部材を示す平面図、(c)はその光量調節部材を支持する要部構成を示す一部拡大断面図である。
【図5】その赤外線遮断フィルタ切替機構の機能時の状態を示す図であり、(a)はカバー部材と駆動伝達部材を示す平面図、(b)はその斜視図、(c)はそのフィルタ切替枠部材を支持する要部構成を示す一部拡大断面図である。
【図6】その赤外線遮断フィルタ切替機構の退避時の状態を示す図であり、(a)はカバー部材と駆動伝達部材を示す平面図、(b)はその斜視図である。
【図7】その赤外線遮断フィルタ切替機構の機能時の状態を示す図であり、(a)は分離部材と駆動伝達部材を示す平面図、(b)その斜視図、(c)はその駆動伝達部材を支持する要部構成を示す一部拡大断面図である。
【図8】その赤外線遮断フィルタ切替機構の退避時の状態を示す図であり、(a)は分離部材と駆動伝達部材を示す平面図、(b)はその斜視図である。
【図9】その関連技術の光量調節装置の一例を示す図であり、その基本構成を示す分解斜視図である。
【図10】図9と異なる関連技術の光量調節装置の一例を示す図であり、その基本構成を示す分解斜視図である。
【図11】図9や図10と異なる関連技術の光量調節装置の一例を示す図であり、その基本構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の態様としては、上記の課題解決手段のように、開口面積を変化させて通過する光量を調節する絞り機構と、該絞り機構の開口位置にフィルタを移動させるとともに該フィルタを当該開口位置から離脱させるフィルタ切替機構と、を備える光量調節装置であって、前記フィルタ切替機構の移動部材に対面する相手側部材に当該移動部材を干渉しないように収容する収容空間を設けることを基本構成とするのに加えて、次の構成を備えてもよい。
【0017】
第1の他の態様としては、前記フィルタ切替機構が前記フィルタを一面側に固設して保持させつつ移動する枠部材を備えており、前記フィルタを前記移動部材として該フィルタの移動する範囲に前記収容空間が形成されていてもよい。
【0018】
第2の他の態様としては、前記絞り機構と前記フィルタ切替機構の間に介在されて当該移動部材同士が干渉しないように移動空間を分離する分離部材を備えており、該分離部材の前記フィルタ切替機構の前記移動部材に対面する範囲に前記収容空間を形成されていてもよい。
【0019】
第3の他の態様としては、前記分離部材は前記移動部材に対面する範囲が凹形状または裏面側に貫通する前記収容空間を形成されていてもよい。
【0020】
第4の他の態様としては、前記移動部材または該移動部材に対面する部材の一方あるいは双方に、当該対面相手側に凸形状に突出して該移動部材の移動を案内する案内形状部が形成されていてもよい。
【0021】
ここで、本発明の一形態は、前記フィルタの厚さが0.2mm以下である場合に好適に適用することができ、また、前記分離部材の厚さが0.2mm以下の場合には前記フィルタの厚さは該分離部材の厚さ以下の0.2mm以下にするのが好ましい。さらに、前記絞り機構および前記フィルタ切替機構の外装部材の厚さが2mm以下である場合に有効であり、前記フィルタが赤外線遮断フィルタなどである場合に適用することができる。
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図8は本発明に係る光量調節装置の一実施形態を示す図である。ここで、本実施形態は、図9〜図11に示す関連技術と基本構成を共通にしていることから、同様な構成には同一の符号を付して説明する。
【0023】
図1において、光量調節装置は、光量調節機構(絞り機構)30と共に赤外線遮断フィルタ切替機構40を一体型に搭載しており、光量調節機構30は駆動モータ10の駆動力で動作する一方、同様に、赤外線遮断フィルタ切替機構40は駆動モータ20の駆動力で動作するようになっている。
【0024】
光量調節機構30や赤外線遮断フィルタ切替機構40は、駆動モータ10、20をベース部材52に組み付けて構成されている。まず、駆動モータ10は、図2に示すように、回転軸17にローターマグネット(回転体)12が一体回転するように取り付けられており、この回転軸17は、両端部をボビン11、15に形成されている軸受穴11a、15aに差し込んで回転自在に軸支するようになっている。また、ローターマグネット12は、図3に示すように、コイル(電線)18を速度検出用コイル19と共に窪み部10s、10tに巻き付けるボビン11、15を外装させるとともに、その外側をヨーク(強磁性体)13で囲んでそのボビン11、15のコイル18で発生させる磁界が外部に漏れることを防止している。この構成により、光量調節機構30は、駆動モータ10がボビン11、15のコイル18で発生させる磁界をローターマグネット12に効果的に作用させて回転軸17を中心にして回転させる。なお、この駆動モータ10は、突き出している回転軸17をベース部材52の長穴52bに差し入れて、後述する光量調節部材32、33の周縁32d、33d間を通過する光用の光路面積を確保する開口52aに向かう方向にスライドさせた状態にして不図示のフックを下側のボビン11に引っかけることにより固定する。この後に、ヨーク13を外装させてその下部にある不図示の突起を回転させ、ベース部材52の鍔に差し込んで固定する。このヨーク13の上部は小径になっていて、上側ボビン15を押さえる構造となっている。また、図中、16はプリント配線基板であり、このプリント配線基板16は、回転軸17を回転駆動する電流をコイル18に供給する一方、速度検出用のコイル19のために必要な回路も組まれて、ヨーク13の一面側にコンパクトに組み付けられている。また、14は絶縁テープである。
【0025】
この光量調節機構30は、駆動モータ10の回転軸17の一端側に、直交方向の両側方に張り出しているレバー形状を有する駆動力伝達部材31が接合や嵌合により一体形成されており、この駆動力伝達部材31のレバー形状端部の係合ピン31a、31bを、遮光材で作製されている光量調節部材32、33に係合させている。この構成により、光量調節機構30は、駆動力伝達部材31を介して駆動モータ10の駆動力を光量調節部材32、33に伝達して、それぞれの向かい合わせの位置関係にある周縁32d、33dの間で形成する開口形状の面積を変化させて光量を調整する。なお、図中、34はフィルタであり、このフィルタ34としては、例えば、ND(Neutral Density:減光)フィルタなどを適宜取り付けて口径の大きさ確保し、最適な映像を撮像可能にすることができる。また、35はスプリングであり、このスプリング35は、駆動力伝達部材31を一方向に回転するように付勢して駆動モータ10の駆動制御を簡易にしている。
【0026】
一方、赤外線遮断フィルタ切替機構40は、光量調節機構30と同様に、ボビン21、25、ローターマグネット22、ヨーク23、回転軸27を備えて駆動モータ20が構築されており、その駆動モータ20の駆動回転(駆動力)を駆動力伝達部材41に伝達してその一方向に延在しているレバー形状端部の係合ピン41aに係合させているフィルタ切替枠部材42(赤外線遮断フィルタ43)を動作させるようになっている。この構成により、赤外線遮断フィルタ切替機構40は、駆動力伝達部材41を介して駆動モータ20の駆動力をフィルタ切替枠部材42に伝達して、光量調節部材32、33の周縁32d、33d間で形成する開口位置にそのフィルタ切替枠部材42に固着する赤外線遮断フィルタ43を挿脱することができ、その赤外線遮断フィルタ43は、例えば、昼間には光量調節部材32、33の周縁32d、33d間の開口を覆うように位置する一方、夜間や光量が少なくなったときにはその開口位置から外すように切り替えられる。なお、この駆動モータ20も駆動モータ10と同様にベース部材52に組み付けるようになっており、プリント配線基板26を備えている。また、24は絶縁テープである。
【0027】
ここで、赤外線遮断フィルタ切替機構40は、ヨーク23の内側に金属ピン28等の磁性体(金属片やマグネットでもよい)を入れるなどして磁気バランスを崩したり、そのヨーク23の一部に切欠部23aを形成して磁気バランスを崩すことにより、電源OFF時には、光量調節部材32、33の周縁32d、33d間の開口を覆う位置あるいはそこから外れた位置などの決まった位置にフィルタ切替枠部材42を移動させるようになっている。なお、本実施形態の機構に代えて、常に通電したり、板バネやスプリング等の付勢手段を設置して上記の位置に移動させるように付勢するようにしてもよく、また、電源OFF時にもフィルタ切替枠部材42を切替位置にそのまま保持したり、位置決めすることなく、フリーの状態にするようにしてもよい。
【0028】
そして、この光量調節装置は、図10や図11に示す分離部材100に代えて、ベース部材52に組み付けて光量調節機構30の光量調節部材32、33と赤外線遮断フィルタ切替機構40のフィルタ切替枠部材42(赤外線遮断フィルタ43)の動作空間を分離する分離部材110を備えており、光量調節部材32、33は分離部材110の一面側に内装される一方、フィルタ切替枠部材42はカバー部材51によりその分離部材110との間に内装される。
【0029】
具体的には、光量調節機構30は、図4に示すように、駆動力伝達部材31が駆動モータ10の回転軸17に取り付けられて係合ピン31a、31bを往復回転させる一方、その駆動力伝達部材31の係合ピン31a、31bには光量調節部材32、33の図中横方向に延在する長穴の係合溝32l、33lが係合することにより、その係合ピン31a、31bの往復回転を許容しつつ光量調節部材32、33が連動する。光量調節部材32、33は、光学径中心Yと駆動モータ10の回転軸17の中心を結ぶ直線に平行なガイド溝32m、32n、33m、33nが形成されており、これらのガイド溝32m、32n、33m、33nにはベース部材52に立設されているピン52t〜52vがそれぞれ係合されてその平行方向にスライド自在に保持されて作動(移動)時の姿勢を一定にされている。
【0030】
この光量調節部材32、33は、駆動力伝達部材31の係合ピン31a、31bの往復回転に連動して光学径中心Yと回転軸17の中心を結ぶ直線方向のそれぞれ反対方向に移動することにより、互いに向かい合う周縁32d、33d間で形成する開口面積を変化させるようになっており、この開口範囲が光量を通過させる口径となり、光量を調節する。
【0031】
ここで、ベース部材52には、光量調節部材32、33との対向面側に、断面頂部がアーチ形状に形成されて滑らかに連続するリブ形状突起52e、52fがその光量調節部材32、33の移動方向と平行に延在するように形成されており、そのリブ形状突起52e、52fの頂部で光量調節部材32、33に当接して支持している。このリブ形状突起52e、52fは、高さを違えてそれぞれ光量調節部材32、33の対向面同士が接触しないように支持するようになっている。このため、光量調節部材32、33は、一般的にその表面には反射防止が施されているので、表面の面精度は粗く、摺動負荷が大きくなるが、リブ形状突起52e、52fとの接触負荷を頂部のみとして軽減されているのと同時に、光量調節部材32、33間での接触をも軽減されている。
【0032】
一方、赤外線遮断フィルタ切替機構40は、図5および図6に示すように、フィルタ切替枠部材42の係合穴42hがベース部材52に立設されている係合軸52hに係合することにより駆動力伝達部材41の回動に連動してその係合軸52hを中心にして往復回動するようになっている。その駆動力伝達部材41は、駆動モータ20の回転軸27を中心に往復回転するとともに、先端側の係合ピン41iがフィルタ切替枠部材42の長穴42iに係合しつつ回動してそのフィルタ切替枠部材42を連動させて往復回動させるようになっている。なお、フィルタ切替枠部材42は、通常、0.1mm以下の樹脂製フィルムや金属箔などで作製されており、このフィルタ切替枠部材42に固着される赤外線遮断フィルタ43は、通常、樹脂製フィルムであれば0.2mm以下(ガラス製であれば0.5mm以下)であり、接着や溶着により固着されている。
【0033】
ここで、カバー部材51には、ベース部材52と同様に、フィルタ切替枠部材42との対向面側に、断面頂部がアーチ形状に形成されて滑らかに連続するリブ形状突起51m、51pがそのフィルタ切替枠部材42の移動方向に倣って延在するように2箇所形成されており、そのリブ形状突起51m、51pの頂部でフィルタ切替枠部材42に当接して支持している。このリブ形状突起51m、51pは、フィルタ切替枠部材42の長穴42iから駆動力伝達部材41の係合ピン41iが外れてしまうことを防止するとともに、接触することによる摺動負荷も軽減している。なお、図6中の51dはカバー部材51に形成されている光路を確保するための開口である。
【0034】
また、分離部材110は、図7および図8に示すように、フィルタ切替枠部材42との対向面側(紙面の裏側)に凹む凹形状部(収容空間)110bが形成されている(図中にはハッチングを付して形成範囲を示している)。この凹形状部110bは、フィルタ切替枠部材42の一面側に固着された状態のまま移動する赤外線遮断フィルタ43を、接触しないように収容する空間を形成するとともに、その周囲110aで移動する赤外線遮断フィルタ43周りのフィルタ切替枠部材42を摺接支持するようになっている。
【0035】
この分離部材110は、光量調節部材32、33との対向面側(紙面の裏側)にリブ形状に突出して断面頂部がアーチ形状に形成されて滑らかに連続するリブ形状突起110lがその光量調節部材32、33の移動方向と平行に延在するように形成されており、そのリブ形状突起110lの頂部で光量調節部材32、33に当接して摺動負荷を軽減しつつ支持するようになっている。
【0036】
これにより、分離部材110の凹形状部110bは、赤外線遮断フィルタ43の厚さ+αの深さに形成されることになる。このため、分離部材110を光量調節機構30と赤外線遮断フィルタ切替機構40との間に挟み込んで介在させる構造を採用したとしても、フィルタ切替枠部材42の厚さW、赤外線遮断フィルタ43の厚さI、分離部材110の厚さSを単純に積算した厚さ(W+I+S)にすることなく、赤外線遮断フィルタ43の厚さI分だけ減算した厚さ(W+S)で構築することができる。その結果、分離部材110を介在させることによる動作品質を向上させるのと同時に、赤外線遮断フィルタ43と他の構成部材との干渉が生じることを未然に防止することができる。
【0037】
このように本実施形態においては、光量調節機構30に加えて、赤外線遮断フィルタ切替機構40を分離部材110と共に一体に搭載しても、そのフィルタ切替枠部材42の赤外線遮断フィルタ43を分離部材110と干渉させてしまうことなく、その分離部材110の凹形状部110b内に収容することができ、厚くなってしまうことなく、光量調節部材32、33の周縁32d、33dで形成する開口位置に赤外線遮断フィルタ43を挿脱させて信頼性高く機能させることができる。したがって、装置全体の薄型を図りつつ、フィルタ切替機構40を信頼性高く機能させることができる。
【0038】
具体的には、この種の光量調節装置は、全体の厚さが2.1mmに設定されていることが多いために、光量調節機構30に加えて赤外線遮断フィルタ切替機構40を一体になるように搭載しつつ図10や図11に示す分離部材100をそのまま追加すると、その2.1mmより大きくなってしまい採用することが難しいが、本実施形態の分離部材110であれば、赤外線遮断フィルタ43の厚さ分だけ余裕を確保することができ、装置全体の厚さとして2.1mm以下を確保しつつ信頼性高く機能することを達成して、近年のレンズユニットの小型化や撮像素子の画素数の向上に伴う装置の薄型化を実現することができる。
【0039】
本実施形態の他の態様としては、図示することは省略するが、赤外線遮断フィルタ43が厚い(分離部材110をより薄くする必要がある)場合には、凹形状部110bに代えて、裏面側まで貫通して赤外線遮断フィルタ43の収容空間を確保する収容穴形状を形成してもよい。この場合にも、上述実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
また、上述実施形態では分離部材に移動部材(フィルタ)の収容空間を形成しているが、これに限るものではなく、対面部材に移動部材の収容空間を形成すればよく、例えば、光量調節部材32、33に対面する構造の場合には、その対面範囲に収容空間を形成してもよい。但し、分離部材を介在させた方が高品質に駆動させることができるので、上述実施形態を採用する方が好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
10、20……駆動モータ 17、27……回転軸 30……光量調節機構 31、41……駆動力伝達部材 32、33……光量調節部材 32d、33d……周縁 40……赤外線遮断フィルタ切替機構 42……フィルタ切替枠部材 43……赤外線遮断フィルタ 51……カバー部材 51m、51p、52e、52f、110l……リブ形状突起 52……ベース部材 110……分離部材 110b……凹形状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口面積を変化させて通過する光量を調節する絞り機構と、該絞り機構の開口位置にフィルタを移動させるとともに該フィルタを当該開口位置から離脱させるフィルタ切替機構と、を備える光量調節装置であって、
前記フィルタ切替機構の移動部材に対面する相手側部材に当該移動部材を干渉しないように収容する収容空間を設けることを特徴とする光量調節装置。
【請求項2】
前記フィルタ切替機構が前記フィルタを一面側に固設して保持させつつ移動する枠部材を備えており、
前記フィルタを前記移動部材として該フィルタの移動する範囲に前記収容空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項3】
前記絞り機構と前記フィルタ切替機構の間に介在されて当該移動部材同士が干渉しないように移動空間を分離する分離部材を備えており、
該分離部材の前記フィルタ切替機構の前記移動部材に対面する範囲に前記収容空間を形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光量調節装置。
【請求項4】
前記分離部材は前記移動部材に対面する範囲が凹形状または裏面側に貫通する前記収容空間を形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光量調節装置。
【請求項5】
前記移動部材または該移動部材に対面する部材の一方あるいは双方に、当該対面相手側に凸形状に突出して該移動部材の移動を案内する案内形状部が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光量調節装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−54394(P2013−54394A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−278190(P2012−278190)
【出願日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【分割の表示】特願2011−7982(P2011−7982)の分割
【原出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(310018490)新亜光学工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】