説明

光開始剤としてのヒドロキサム酸エステル類

本発明は、エチレン系不飽和基および、光開始剤として、式IまたはIIまたはIIIで表される少なくとも1種のヒドロキサム酸エステルを有する反応性のオリゴマーおよび/またはモノマーを含む、光重合性系に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光化学的分解によって、エチレン系不飽和基を有するオリゴマーおよび/またはモノマーのラジカル光重合を誘発することができる断片を発生するヒドロキサム酸エステル類を含む光重合性系(photopolymerisable system)に関する;光重合性系は、コーティング配合物およびフォトリソグラフィーのUV硬化に有用である。
【背景技術】
【0002】
ケトン類の光脱離反応および均一な開裂は、先世紀の初期以来有機化学者によって十分に調査されている。
それにもかかわらず、芳香族ケトンとは異なる比較的少数の化合物は、ラジカル断片を発生すること以外に、エチレン系不飽和化合物の光重合を開始することができ、UV硬化コーティング配合物中の光開始剤として有効である。
【0003】
これらの中で、本発明者らは、例えば、カンファーキノン、メタロセン、芳香族のフェニルグリオキシル酸エステル類およびアシルホスフィンオキシド類を挙げ、これは、放射線硬化性の樹脂のための十分知られている光開始剤である。
文献から、ヒドロキサム酸およびこのエステル類が光脱離を受けてベンズアミドを生成することが知られている(Photochemistry and Photobiology, 51 (2), 139-144, 1990);Tetrahedron, 44 (18), 5857-5860, 1988中。2−アリールオキシベンゾヒドロキサム酸の光化学反応および熱反応もまた、記載されている。
【0004】
加えて、US 2001/0012596に記載されている数種のケト−オキシムエステル誘導体、例えばIrgacure OXE01(登録商標)(以下の式を参照)
【化1】

およびオキシムエステル誘導体は、電子機器用のフォトレジストを含む広範囲の用途のための光重合性組成物中の好適な光開始剤である。
【0005】
また、数種のヒドロキサム酸エステル類が熱処置の下で、または光照射によってラジカルを発生することができることが、知られているが、本出願人が知る限り、ヒドロキサム酸エステル類をコーティングまたはフォトリソグラフィーのためのUV光硬化性系における光開始剤として用いることは、実際において知られていない。
【0006】
EP 1 617 288には、また光開始剤を含むリソグラフ印刷刷版のための感光性組成物においてN−オキシアミド化合物を用いることが報告されている;N−オキシアミド化合物は、系の感光性、光開始剤との相互作用、感受性および老朽化における安定性を増強すると言われている。
【発明の概要】
【0007】
発明の開示
ここで、特定のヒドロキサム酸エステル類が単独で光開始剤として作用する、即ち、これらが単独で、光化学分解により、エチレン系不飽和モノマーおよびオリゴマーのラジカル光重合を誘発することができる断片を生成することが、見出された;また、前記特定のヒドロキサム酸エステル類の存在下で得られる重合速度により、これらが、コーティングおよびフォトリソグラフィーにおいて用いるのに好適になることが、見出された。
【0008】
本出願において、表現「ヒドロキサム酸エステル類」で、ヒドロキサム酸エステル類(R(C=O)N(R’)OHおよびR(C=O)N(R’)OR’’)とチオヒドロキサム酸エステル類(R(C=S)N(R’)OHおよびR(C=S)N(R’)OR")の両方を示す。
【0009】
本発明を実現するのに有用なヒドロキサム酸エステル類は、式Iを有する:
【化2】

式中、XはOまたはSであり;
Rは、フェニルまたは1つもしくは2つ以上のC〜C12直鎖状もしくは分枝状アルキルもしくはシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、フェニル、ベンジル、OR、NR、SR、ベンゾイル、S(=O)−フェニル、S(=O)−フェニルおよび/またはS−フェニルで置換されているフェニルであり、置換基OR、NR、SRは、場合によっては、ラジカルR、R、Rおよび/またはRを介して、またはフェニル環上の他の置換基と共に、またはフェニル環の炭素原子の1つと共に、5員環または6員環を形成し、
【0010】
あるいは、Rは、
【化3】

式中、ZおよびZは、互いに独立して単結合、S,O、S=O、S(=O)、C=O、C=S、NR、C(=N)R、非置換であるかまたはC〜C12アルキルで置換されているC〜Cアルキレンであり、YおよびYは、互いに独立してC〜C12直鎖状または分枝状アルキル、C〜Cハロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、フェニル、ベンジル、OR、NR、SR、ベンゾイル、S(=O)−フェニル、S(=O)−フェニルおよび/またはS−フェニルであり、置換基OR、NR、SRは、場合によっては、ラジカルR、R、Rおよび/またはRを介して、またはフェニル環上の他の置換基と共に、またはフェニル環の炭素原子の1つと共に、5員環または6員環を形成し、ラジカルC〜C12アルキル、C〜Cハロアルキル、フェニルは、場合によっては、(C=O)N(R’)OR”基で置換されており、
【0011】
あるいは、Rは、ナフチル、アントラシル、フェナントリルであり、ラジカルナフチル、アントラシルおよびフェナントリルは、非置換であるか、または1つもしくは2つ以上のC〜C直鎖状もしくは分枝状アルキルもしくはシクロアルキル、フェニル、OR、NR、SRおよび/またはS−フェニルで置換されており、置換基OR、NR、SRは、場合によっては、ラジカルR、R、Rおよび/またはRを介して、またはナフチル、アントラシルもしくはフェナントリル環上の他の置換基と共に、またはナフチル、アントラシルもしくはフェナントリル環の炭素原子の1つと共に、5員環または6員環を形成し、
【0012】
あるいは、Rは、O、SおよびNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環式不飽和ラジカルであり、これは、非置換であるか、またはC〜Cアルキル、フェニル、OR、NR、SRおよび/またはS−フェニルで置換されており、置換基OR、NR、SRは、場合によっては、ラジカルR、R、Rおよび/またはRを介して、または複素環式不飽和ラジカル上の他の置換基と共に、または複素環式不飽和ラジカルの炭素原子の1つと共に、5員環または6員環を形成し;
【0013】
R’は、非置換であるか、またはOH、C〜Cアルコキシ、SH、NR2、フェニル、ベンジル、ベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルおよび/またはC〜Cアルカノイルで置換されているC〜C12直鎖状もしくは分枝状アルキル基もしくはシクロアルキル、またはC〜Cシクロアルキルであり、
あるいは、R’は、1つまたは2つ以上の−O−により中断されたC〜C12アルキルであり、上記の中断されたC〜C12アルキルは、非置換であるか、またはOH、C〜Cアルコキシ、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルおよび/またはC〜Cアルカノイルで置換されており、
【0014】
あるいは、R’は、フェニル、または1つもしくは2つ以上のC〜C12アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、フェニル、OR、NR、SR、ベンゾイル、S(=O)−フェニル、S(=O)−フェニルおよび/またはS−フェニルで置換されているフェニルであり、置換基OR、NR、SRは、場合によっては、ラジカルR、R、Rおよび/またはRを介して、またはフェニル環上の他の置換基と共に、またはフェニル環の炭素原子の1つと共に、5員環または6員環を形成し;
【0015】
R”は、R’の意味の1つを有し、
あるいは、R”は(C=O)R’’’であり、R’’’は、R’の意味の1つを有し、またはR’’’は、C13〜C18直鎖状または分枝状アルキル基またはシクロアルキルであり;
あるいは、R”は、C〜C18直鎖状または分枝状アルキルスルホ塩化物(sulfochloride)またはシクロアルキルスルホ塩化物またはフェニルスルホ塩化物であり、ここで、フェニルは、非置換であるか、または1つもしくは2つ以上のC〜C12アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、フェニル、OR、NR、SR、ベンゾイルおよびS−フェニルで置換されており;
【0016】
は、水素、フェニル、ベンジル、非置換であるか、またはフェニル、ベンジル、ベンゾイル、OH、C〜C12アルコキシ、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルで、もしくはC〜Cアルカノイルにより置換されているC〜C12アルキルであり、
【0017】
あるいは、Rは、1つまたは2つ以上の−O−により中断されたC〜C12アルキルであり、上記の中断されたC〜C12アルキルは、非置換であるか、またはフェニル、OH、C〜C12アルコキシ、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルで、および/またはC〜Cアルカノイルにより置換されており;
およびRは、互いに独立して、水素、非置換であるか、またはOH、C〜Cアルコキシ、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルおよび/またはC〜Cアルカノイルにより置換されているC〜C12アルキルであり、
【0018】
あるいは、RおよびRは、1つまたは2つ以上の−O−により中断されたC〜C12アルキルまたはシクロアルキルであり、上記の中断されたC〜C12アルキルは、非置換であるか、またはOH、C〜Cアルコキシ、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルおよび/またはC〜Cアルカノイルで置換されており、
【0019】
あるいは、RおよびRは、フェニル、C〜Cアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニルまたはフェナントリルスルホニルであり、
【0020】
あるいは、RおよびRは、これらが結合している窒素原子と共に、−O−、−S−により、または−NRにより中断されていてもよい5員環、6員環または7員環を形成し;
は、非置換であるか、またはOHおよび/またはC〜Cアルコキシで置換されているC〜C12アルキルであり、
あるいは、Rは、1つまたは2つ以上の−O−により中断されているC〜C12アルキルであり、前記中断されたC〜C12アルキルは、非置換であるか、またはOHおよび/またはC〜Cアルコキシで置換されている。
【0021】
有用なヒドロキサム酸エステルはまた、式II
【化4】

式中、XはSまたはOであり、R”は、上記で詳述した意味を有する、
で表されるものおよび式III
【化5】

式中、R、R’、R”およびXは、上記で詳述した意味を有する、
で表されるものである。
【0022】
エチレン系不飽和基および、光開始剤として、式IまたはIIまたはIIIで表される少なくとも1種のヒドロキサム酸エステルを有するラジカル的に光重合性のオリゴマーおよび/またはモノマーを含む光重合性系は、本発明の基本的な対象であり、透明なコーティング、インクおよびリソグラフ系を調製するのに特に有用である。
【0023】
好ましくは、有用なヒドロキサム酸エステル類は、式IまたはIIを有し、一層好ましくは、式IにおいてXはOであり、式IIにおいてXはSである。
【0024】
式Iで表され、式中XがOであり、Rが
【化6】

であり、YおよびYが、互いに独立して、C〜C12直鎖状または分枝状アルキル、C〜Cハロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、フェニル、ベンジル、ORであるヒドロキサム酸エステル類
【0025】
ならびに式IIで表され、式中XがSであり、R”が(C=O)R'''であり、R'''がC〜C第二アルキルまたはC〜Cシクロアルキルであるヒドロキサム酸エステル類は、系の単一の光開始剤として用いる際に、本発明において実現するために特に好ましい。その理由は、これらが、光重合性系に高い重合および変換率を付与するからである;これらのヒドロキサム酸エステル類は、本発明のさらなる対象である。
【0026】
予期されないことに、式IまたはIIまたはIIIで表されるヒドロキサム酸エステル類を、光重合性系において単一の光開始剤として用いてもよい。
【0027】
また、式Iで表され、式中XがOであり、Rが上記で詳述した意味のいずれか1つを有するが、(i’)とは異なるヒドロキサム酸エステル類、および式IIで表されるヒドロキサム酸エステル類は、感光剤と組み合わせてラジカル光重合のための光開始剤として特に適することが、見出された。
【0028】
本文において、感光剤の用語で、本発明者らは、UV放射線の吸収によって、これ自体活性なラジカルを生成せず、活性なラジカル種を発生させるにあたり光開始剤と協働する分子を意味する。
【0029】
したがって、本発明のさらなる対象は、エチレン系不飽和基を有するラジカル的に光重合性のオリゴマーおよび/またはモノマー、感光剤および、光重合開始剤として、式Iで表され、式中XがOであり、Rが上記で詳述した意味のいずれか1つを有するが、(i’)とは異なる、少なくとも1種のヒドロキサム酸エステル類、または式IIで表される少なくとも1種のヒドロキサム酸エステルを含む、光重合性系である。
【0030】
本発明に有用な感光剤は、チオキサントン誘導体である。
【0031】
本発明の組成物に適する感光剤の特定の例は、以下のものである:チオキサントン類、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)−チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノ−チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル]−チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)−チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチル−チオキサントン。
【0032】
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンは、最も好ましい感光剤である。
【0033】
本発明の式I、IIおよびIIIで表されるヒドロキサム酸エステル類を、当業者に十分知られている慣用の方法により調製することができる。
【0034】
例により、式R(C=O)Clで表される塩化アシルを、式HN(R’)OHで表される対応するヒドロキシルアミンと、適切な溶媒、例えば塩化メチレン中で、塩基、例えばピリジンまたはトリエチルアミンの存在下で反応させることが、可能である;一般的に、反応を、−10℃〜45℃を包含する温度にて、好ましくは室温にて、反応体の反応性に依存する可変的な時間の長さにわたり、行う。
【0035】
通常、反応は0.5〜5時間で完了する。第2の段階において、ヒドロキシルアミン誘導体を塩化アシルと反応させて、式Iで表されるエステル誘導体を得ることが、可能である。
例により、式IIで表されるヒドロキサム酸エステル類を、R”(C=O)Clとの反応により、2−メルカプトピリジンN−オキシドナトリウム塩から調製してもよい。
【0036】
本発明のさらなる対象は、金属、木材、紙またはプラスチックのためのコーティングを実現するための方法であって:a)反応性オリゴマーおよび/または、エチレン系不飽和基および式I、IIまたはIIIで表される少なくとも1種のヒドロキサム酸エステルを有するモノマーを含む光重合性基を適用すること;b)450nmまでのUV可視領域において発光帯を有する光源で光重合させて、重合後に、厚さ0.1〜100ミクロンのコーティングを得ることを含む、前記方法である。
【0037】
本発明のさらなる対象は、好ましくは金属表面上にフォトリソグラフィー画像を作成するための方法であって、エチレン系不飽和基、反応性でないポリマー(例えばポリアクリレート)ならびに少なくとも式IまたはIIまたはIIIで表されるヒドロキサム酸エステルを有する反応性オリゴマーおよび/またはモノマーを含む光重合性系を適用することを含む、前記方法である。系を、450nmまでのUV可視領域において発光帯を有する光源を有するネガフィルムにより光重合させて、好適に現像した後に、厚さ0.1〜3ミクロンの画像を提供することができる。
【0038】
あるいはまた、系を、好適な波長(例えば405nm)および出力を有するレーザービームで光重合して、好適に現像した後に、厚さ0.1〜3ミクロンの画像を提供してもよい。
【0039】
用語「光重合」は、広範囲の意味において意図し、例えばポリマー材料、例えばプレポリマーの重合または架橋、単純なモノマーのホモ重合(homopolymerisation)および共重合ならびにこの種類の反応の組み合わせを含む。
【0040】
記載した系において有用なモノマーは、例えば、以下のものを含む:アクリロニトリル、アクリルアミドおよびこの誘導体、ビニルエーテル類、N−ビニルピロリドン、単官能および多官能アリルエーテル類、例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテル、スチレン類およびアルファ−メチルスチレン類、アクリル酸およびメタクリル酸の脂肪族アルコール類との、グリコール類との、または、ポリヒドロキシル化化合物、例えばペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンおよびアミノアルコール類とのエステル類、ビニルアルコールの脂肪酸またはアクリル酸とのエステル類、フマル酸またはマレイン酸の誘導体。
【0041】
本発明に有用なオリゴマーには、例えばポリエステル類、ポリアクリレート類、ポリウレタン類、エポキシド系(epoxidic)樹脂、アクリル、マレイン酸またはフマル酸官能性を有するポリエーテルが含まれる。
本発明の式I、IIおよびIIIで表されるヒドロキサム酸エステル類は、光開始剤として作用し、本発明の光重合性系における単一の光開始剤として用いることができる。
【0042】
式I、IIまたはIIIで表されるヒドロキサム酸エステル類に加えて、多種の他の構成成分を、本発明の光重合性系中に包含させてもよく、当該構成成分は、例えば熱安定剤、光酸化安定剤、例えば立体障害のアミン類、酸化防止剤、酸素阻害剤、熱ラジカル発生体(thermal radicals generator)、例えば有機および無機過酸化物、ペルエステル類、ヒドロペルオキシド類、ベンゾピナコール類、アゾ誘導体、例えばアゾジイソブチロニトリル、金属化合物、例えばコバルト(II)塩類、マンガン、消泡剤、充填材、分散剤、顔料、染料および/またはつや消し剤(matting agent)、一般的な使用の他の添加物、分散固体、ガラスおよび炭素繊維、チキソトロピー剤(thixotropic agent)である。
【0043】
有利なことに、式I、IIまたはIIIで表されるヒドロキサム酸エステル類は、水素供与体、例えばチオール類およびアルコール類が光硬化性組成物中に存在しない場合でも、光開始剤として作用する。
【0044】
化学的に不活性な光重合性でないポリマー、例えばニトロセルロース、ポリアクリル酸エステル類、ポリオレフィン類など、または他の系、例えば過酸化物および大気中の酸素または酸触媒または熱活性化、例えばポリイソシアネート類、尿素、メラミンまたはエポキシド系樹脂と架橋可能であるポリマーは、光重合性系中に含まれ得るさらなる構成成分である。
【0045】
式I、IIまたはIIIで表される化合物を、一般的には、光重合性系中で、光重合性系の合計重量を基準として0.01〜20重量%、好ましくは1〜6重量%の量で用い、これは、系と完全に混合可能であり、これに高度な光化学反応性および熱安定性を付与する。
【0046】
式I、IIまたはIIIで表される化合物は、着色された、および着色されていない塗料およびニスおよび印刷用インクを製造するための透明な、および不透明な光重合性系の両方において、有効な光開始剤として作用する。
【0047】
本発明は、上記のように、特にめっきを印刷する組成物、電子機器用のフォトレジスト、例えばはんだレジスト、ディスプレイ用途のためのカラーフィルターを製造するか、またはプラズマディスプレイパネルの製造プロセスにおいて構造を作製するレジストにおいて有用な光開始剤を提供する。式IIで表されるヒドロキサム酸エステル類は、電子機器における上記使用に特に適する。
【0048】
本発明に従って調製した光重合性系の光重合に有用な光源の例は、UV可視領域における、および特に180〜450nmの発光帯を有する水銀蒸気、スーパーアクチニック(superactinic)、金属−ハロゲン、ヨウ化鉄およびエキシマーランプ、鉛、ならびに好適な波長(例えば405nm)および出力を有するレーザーである。
【0049】
式IおよびIIで表されるヒドロキサム酸エステル類ならびにこれらを含む光重合性系の調製の例を、本明細書中で報告し、また光重合適用試験を、本明細書中で報告するが、これは限定するものではなく、本発明を例示するものである。
【0050】
例1
N−メチル−N−[(4−(ベンゾイル)−ベンゾイル]−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミン。
【化7】

i)N−メチル−N−ヒドロキシ−N−[(4−ベンゾイル)−ベンゾイル]−ヒドロキシルアミンの合成。
【化8】

【0051】
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.22g(2.6mmol)のN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、13gのジクロロメタン中に懸濁させた。1.0gのピリジンを加え、次に0.60g(2.5mmol)の4−ベンゾイル−ベンゾイルクロリドを、分割して1時間で加えた。1時間後、TLC制御により、塩化アシルの消費が示された。メチレン性(methylenic)相を、少量の1NのHClで、次に重炭酸塩の水溶液で洗浄した。メチレン性相をNaSOで乾燥した後に、溶媒を真空下で除去し、化合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:石油エーテル:酢酸エチル3:7)により精製して、0.25g(39.2%)のオレンジ色油を得た。
【0052】
ii)N−メチル−N−[(4−(ベンゾイル)−ベンゾイル]−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミンの合成
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.25g(0.98mmol)のN−メチル−N−[(4−ベンゾイル)−ベンゾイル]−ヒドロキシルアミンを、10gのジクロロメタンに溶解した。0.08g(1mmol)のピリジンを溶液に加え、次に1時間において、室温にて、滴加で、1gのジクロロメタン中の0.11g(1.0mmol)の塩化イソブチリルを、1時間において加えた。反応は、約30分において完了した;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、NaSOで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:石油エーテル:酢酸エチル3:7)により精製して、0.30g(94.2%mmol)の透明な油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.80 (m,4H); 7.76 (d,2H); 7.68 (d, 2H); 7.60 (t, 1H); 7.50 (t,2H); 3.40 (s,3H); 2.5 (m,1H); 0.95 (d,6H).
【0053】
例2
N−メチル−N−[(2−ベンゾイル−ベンゾイル]−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミン。
【化9】

i)N−メチル−N−[(2−ベンゾイル)−ベンゾイル]−ヒドロキシルアミンの合成
【化10】

【0054】
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.44g(5.2mmol)のN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、13gのジクロロメタン中に懸濁させた。1.0gのピリジンを撹拌下で加え、次に1時間の分割において、1.20g(4.9mmol)の2−ベンゾイル−ベンゾイルクロリドを加えた。
【0055】
1時間後、TLC制御により、塩化アシルの消費が示された。メチレン性相を、少量の1NのHClで、次に重炭酸塩の水溶液で洗浄し、(NaSO)で乾燥し、溶媒を真空の下で除去した。所望の化合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:メタノール9:1)により精製して、0.06g(4.8%)の油を得た。
【0056】
ii)N−メチル−N−[(4−(ベンゾイル)−ベンゾイル]−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミンの合成
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.06g(2.4mmol)のN−メチル−N−[(2−ベンゾイル)−ベンゾイル]−ヒドロキシルアミンを、10gのジクロロメタンに溶解する。0.02g(0.25mmol)のピリジンを溶液に加え、次に、滴加で、1gのジクロロメタン中の0.03g(0.28mmol)の塩化イソブチリルを、1時間において室温にて加えた。
【0057】
反応は、約60分で完了した;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、NaSOで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:メタノール9:1)により精製して、0.04g(52.4%)の透明な油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.09 (d,1H); 7.80-7.43 (m,8H); 3.08 (s,3H); 2.5 (m,1H); 0.95 (d,6H).
【0058】
例3
N−メチル−N−(2−ナフチル)−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミン。
【化11】

i)N−メチル−N−(2−ナフトイル)−ヒドロキシルアミンの合成。
【化12】

【0059】
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.44g(5.2mmol)のN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、室温にて13gのジクロロメタン中に懸濁させる。0.46g(5.7mmol)のピリジンを加え、次に0.93g(4.90mmol)の塩化2−ナフトイルを、室温にて1時間において分割して加えた。30分後、TLC制御により、塩化アシルの消費が示された。メチレン性相を、少量の1NのHClで、および最後に重炭酸塩水溶液で洗浄した。メチレン性相をNaSOで乾燥し、溶媒を真空の下で除去した。所望の化合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:メタノール9:1)により精製して、0.40g(40.6%)の暗い赤色の固体を得た。
【0060】
ii)N−メチル−N−(2−ナフチル)−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミンの合成
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.40g(2mmol)のN−メチル−N−(2−ナフトイル)−ヒドロキシルアミンを、15gのジクロロメタンに溶解した。0.20gのピリジン(2.5mmol)を溶液に加え、次に、滴加で、1gのジクロロメタン中の0.27g(2.5mmol)の塩化イソブチリルを、1時間において室温にて加えた。
【0061】
反応は、約60分で完了した;メチレン性相を水中に注入し、分離し、NaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル:酢酸エチル6:4)上で精製して、0.50g(92.3%)の透明な油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.10 (s,1H); 7.90-7.80 (m,3H); 7.65-7.50 (m,3H); 3.45 (s,3H); 2.45 (m,1H); 0.95 (d,6H).
【0062】
例4
N−メチル−N−[(9−フルオレノン)−2−カルボニル]−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミン
【化13】

【0063】
i)N−メチル−N−[(9−フルオレノン)−2−カルボニル]−ヒドロキシルアミンの合成。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.44g(5.2mmol)のN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、15gのジクロロメタン中に懸濁させた。1.0g(13mmol)のピリジンを撹拌しながら加え、次に1.0g(41mmol)の塩化9−フルオレノン−2−カルボニルを、室温にて1時間において分割して加えた。60分後、TLC制御により、塩化アシルの消費が示された。メチレン性相を、少量の1NのHClで、および最後に重炭酸塩の水溶液で洗浄した。メチレン性相をNaSOで乾燥し、溶媒を真空の下で除去した。所望の化合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:メタノール9:1)により精製して、0.78g(59.3%)のオレンジ色固体を得た。
【0064】
ii)N−メチル−N−[(9−フルオレノン)−2−カルボニル]−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミンの合成。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.78g(31mmol)のN−メチル−N−[(9−フルオレノン)−2−カルボニル]−ヒドロキシルアミンを、20gのジクロロメタンに溶解する。0.30g(38mmol)のピリジンを溶液に加え、次に1gのジクロロメタン中の0.36g(33mmol)の塩化イソブチリルを、室温にて1時間において滴加した。反応は、約30分において完了した;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、NaSOで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、ジクロロメタン:メタノール9:1)により精製して、0.073g(73.4%)の黄色油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.84 (s,1H); 7.79-7.75 (d,1H); 7.72-7.67 (d,1H); 7.60-7.50 (m,3H); 7.39-7.33 (m,1H); 3.4 (s,3H); 2.5 (m,1H); 0.95 (d,6H).
【0065】
例5
N−メチル−N−(2−ナフトイル)−O−アセチル−ヒドロキシルアミン
【化14】

還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.83g(0.0041mol)のN−メチル−N−(2−ナフトイル)−ヒドロキシルアミンを、20gのジクロロメタンに溶解した。0.60g(0.0075mol)のピリジンを加え、次に、滴加で、1gのジクロロメタン中の0.35g(0.0044mol)の塩化アセチルを、1時間において室温にて加えた。
【0066】
反応は、約60分で完了した;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、NaSOで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:石油エーテル:酢酸エチル6:4)により精製して、0.50g(50.2%)の透明な油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.12 (s,1H); 7.90 (d,1H); 7.85 (m,2H); 7.63 (d, 1H); 7.55 (m, 2H); 3.45 (s,3H); 1.98 (s,3H).
【0067】
例6
N−メチル−N−(2−チオキサンタノイル)−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミン。
【化15】

i)N−メチル−N−(2−チオキサンタノイル)−ヒドロキシルアミンの合成
【化16】

【0068】
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.41g(4.8mmol)のN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、30gのジクロロメタン中に懸濁させた。撹拌しながら、0.88g(11mmol)のピリジンを加え、次に分割において、1.20g(4.4mmol)の塩化2−チオキサンタノイルを1時間において加えた。
【0069】
60分後、TLC制御により、塩化アシルの消費が示された。メチレン性相を、少量の1NのHClで、次に重炭酸塩の水溶液で洗浄した。メチレン性相をNaSOで乾燥し、溶媒を真空の下で除去し、所望の化合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:メタノール9:1)により精製して、0.52g(38.0%)の明るい茶色の固体を得た。
【0070】
ii)N−メチル−N−(2−チオキサンタノイル)−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミンの合成
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.30g(1.1mol)のN−メチル−N−(2−チオキサンタノイル)−ヒドロキシルアミンを、20gのジクロロメタンに溶解した。0.13g(1.6mmol)のピリジンを溶液に加え、次に、滴加で、1gのジクロロメタン中の0.12g(1.2mmol)の塩化イソブチリルを、1時間において室温にて加えた。
【0071】
反応は、約30分で完了した;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、NaSOで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:石油エーテル:酢酸エチル7:3)により精製して、0.36g(92.2%)の明るい黄色の固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.82 (s,1H); 8.62 (d,1H); 7.88 (d,1H); 7.70-7.50 (m,4H); 3.45 (s,3H); 2.5 (m,1H); 0.95 (d,6H).
【0072】
例7
N−メチル−N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−O−アセチル−ヒドロキシルアミン
【化17】

i)N−メチル−N−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−ヒドロキシルアミン
【化18】

還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、5.31g(63.6mmol)のN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、室温にて70gのジクロロメタン中に懸濁させた。
【0073】
16.7g(211mmol)のピリジンを撹拌しながら加え、次に11.12g(61mmol)の塩化4−ジメチルアミンベンゾイルを、室温にて1時間で分割して加えた。60分後、TLC制御により、塩化アシルの消費が示された。メチレン性相を、水で洗浄し、NaSOで乾燥した;溶媒を真空の下で除去し、所望の化合物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:酢酸エチル95:5〜ジクロロメタン:酢酸エチル80:20)により精製して、7.0g(56.7%)の茶色固体を得た。
【0074】
ii)N−メチル−N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−O−アセチル−ヒドロキシルアミン。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、7.00g(39mmol)のN−メチル−N−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−ヒドロキシルアミンを、50gのジクロロメタンに溶解した。8.05g(80mmol)のトリエチルアミンを加え、次に、滴加で、3.20g(41mmol)の塩化アセチルを、1時間において室温にて加えた。
【0075】
反応は、約60分で完了した;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、NaSOで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:酢酸エチル96:4)により精製して、5.54g(65.2%)の明るい黄色の固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.55 (d,2H); 6.65 (d,2H); 3.48 (s,3H); 3.02 (s,6H); 2.05 (s,3H).
【0076】
例8
N−メチル−N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−O−イソブチリル−ヒドロキシルアミン
【化19】

還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、300mg(1.3mmol)のN−メチル−N−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−ヒドロキシルアミンを、7mlのジクロロメタンに溶解した。
270mg(2.7mmol)のトリエチルアミンを溶液に加え、次に、125mg(13mmol)の塩化イソブチリルを、1時間において室温にて加えた。
【0077】
反応は、約60分で完了した;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、NaSOで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:メタノール97:3)により精製して、0.39g(98.5%)の明るい黄色の油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.55 (d,2H); 6.65 (d,2H); 3.38 (s,3H); 3.02 (s,6H); 2.55 (m,1H); 1.10 (d,6H).
【0078】
例9
N−メチル−N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−O−ピバロイル−ヒドロキシルアミン
【化20】

還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、250mg(1.3mmol)のN−メチル−N−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−ヒドロキシルアミンを、7mlのジクロロメタンに溶解した。
236mgのトリエチルアミンを溶液に加え、次に、滴加で、141mg(1.3mmol)の塩化ピバロイルを、30分において室温にて加えた。
【0079】
反応は、約60分で完了した;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、NaSOで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:メタノール97:3)により精製して、210mg(58.1%)の白色固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.55 (d,2H); 6.65 (d,2H); 3.35 (s,3H); 3.02 (s,6H); 1.13 (s,9H).
【0080】
例10
N−メチル−N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−O−3,3−ジメチル−ブチロイル−ヒドロキシルアミン
【化21】

還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、0.25g(1.29mmol)のN−メチル−N−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−ヒドロキシルアミンを、7mlのジクロロメタンに溶解した。
140mgのトリエチルアミンを加え、次に、滴加で、0.20g(1.49mmol)の塩化3,3−ジメチルブタノイルを、1時間において室温にて加えた。
【0081】
反応は、約60分で完了した;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、NaSOで乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:メタノール97:3)により精製して、360mg(94.8%)の明るい黄色の固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.55 (d,2H); 6.65 (d,2H); 3.35 (s,3H); 3.02 (s,6H); 2.18 (s,2H); 1.00 (s,9H).
【0082】
例11
N−オキシ−イソブチリルピリジン−2−チオン
【化22】

還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、1.0g(7.94mmol)の2−メルカプトピリジンN−オキシドを、20mlのジクロロメタンに溶解した。
1.25mlのトリエチルアミンを加え、温度を0℃とした。910mlの塩化イソブチリルを滴加した。
【0083】
反応を、約60分間攪拌下で放置した;メチレン溶液を水中に注入し、NaHCOで洗浄し、分離し、NaSOで乾燥して、970mg(62.0%)を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.70 (d,1H); 7.55 (d,1H); 7.20 (t,1H); 6.65 (t,1H); 3.00 (m,1H); 1.42 (d,6H).
【0084】
例12
【化23】

610mlのトリエチルアミンを、0.5g(3.97mmol)の2−メルカプトピリジンN−オキシドを20mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に加え、温度を0℃とした;580ml(4.34mmol)の塩化シクロヘキサンカルボニルを滴加した。混合物を室温にて一晩攪拌し、水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール97:3)で精製して、0.50g(53.1%)の生成物を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.70 (d,1H); 7.55 (d,1H); 7.20 (t,1H); 6.65 (t,1H); 2.75 (m,1H); 2.25-1.20 (m,10H).
【0085】
例13
N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−N−メチル−O−2−メチルベンゾイル−ヒドロキシルアミン
【化24】

0.43g(2.78mmol)の塩化2−メチルベンゾイルを、0.51g(2.63mmol)のN−メチル−N−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−ヒドロキシルアミンを20mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、30分において室温にて滴加した;反応は、120分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)により精製して、0.21g(25.6%)の白色固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.8 (d,1H); 7.62 (d,2H); 7.45 (m,1H); 7.23 (m,2H); 6.6 (d,2H); 3.5 (s,3H); 3.0 (s,6H); 2.5 (s,3H).
LC/MS (MeOH) [MH]+ = 312.6 m/z
【0086】
例14
N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−N−フェニル−O−2−メチルベンゾイル−ヒドロキシルアミン
【化25】

0.18g(1.17mmol)の塩化2−メチルベンゾイルを、0.20g(0.78mmol)のN−ヒドロキシ−N−フェニル(4−ジメチルアミノ)ベンズアミドを5mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、60分において室温にて滴加した;反応は、60分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル96:4)により精製して、0.18g(61.7%)を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.0 (d,1H); 7.55 (d,2H); 7.45-7.2 (m,8H); 6.55 (d,2H); 3.5 (s,3H); 2.95 (s,6H); 2.6 (s,3H).
LC/MS (MeOH) [MH]+ = m+/z= 374.9
【0087】
例15
N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−N−メチル−O−2−ビフェニルベンゾイル−ヒドロキシルアミン
【化26】

0.737g(3.402mmol)の塩化2−ビフェニルベンゾイルを、0.60g(3.093mmol)のN−メチル−N−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−ヒドロキシルアミンを10mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、60分において室温にて滴加した;反応は、120分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル96:4)により精製して、0.40g(34.6%)の粘着性の明るい黄色の油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.7-7.5 (m,4H); 7.4-7.3 (m,5H); 7.15 (t,2H); 6.6 (d, 2H9, 3.2 (s,3H); 3.0 (s,6H).
LC/MS (MeOH) [MH]+ = m+/z= 374.7
【0088】
例16
N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−N−フェニル−O−2−ビフェニルベンゾイル−ヒドロキシルアミン
【化27】

0.28g(1.29mmol)の塩化2−ビフェニルベンゾイルを、0.30g(1.17mmol)のN−ヒドロキシ−N−フェニル(4−ジメチルアミノ)ベンズアミドを10mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、240分において室温にて滴加した;反応は、60分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル96:4)により精製して、0.20g(39.2%)の明るいオレンジ色の固体を得た。
1HNMR (DMSO):δ(ppm): 7.82 (d,1H); 7.7 (t,1H); 7.57 (t,1H); 7.48 (d,1H); 7.4-7.25 (m,8H); 7.25-7.15 (t,4H); 6.6 (d,2H); 2.92 (s,6H).
LC/MS (MeOH) [MH]+ = m+/z= 436.8
【0089】
例17
N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−N−メチル−O−2,4,6−トリメチルベンゾイル−ヒドロキシルアミン
【化28】

0.52g(2.84mmol)の塩化2,4,6−トリメチルベンゾイルを、0.51g(2.63mmol)のN−メチル−N−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−ヒドロキシルアミンを15mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、60分において室温にて滴加した;反応は、120分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)により精製して、0.40g(44.7%)の白色固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.6 (d,2H); 6.8 (s,2H); 6.6 (d,2H); 3.52 (s,3H); 3.0 (s,6H); 2.25 (s,3H); 2.10 (s,6H).
LC/MS (MeOH) [MH]+ = m+/z= 340.7
【0090】
例18
N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−N−フェニル−O−2,4,6−トリメチルベンゾイル−ヒドロキシルアミン
【化29】

0.15g(0.82mmol)の塩化2,4,6−トリメチルベンゾイルを、0.20g(0.78mmol)のN−ヒドロキシ−N−フェニル(4−ジメチルアミノ)ベンズアミドを5mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、60分において室温にて滴加した;反応は、240分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル96:4)により精製して、0.20g(6.38%)の生成物を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.52 (d,2H); 7.4-7.2 (m,5H); 6.85 (s,2H); 6.5 (d,2H); 2.98 (s,6H); 2.35-2.25 (9H).
LC/MS (MeOH) [MH]+ = m+/z= 403.0
【0091】
例19
N−メチル−N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−O−(2−N,N−ジメチルアミノ−イソブチリル)−ヒドロキシルアミン
【化30】

0.58g(5.7mmol)のN−メチルモルホリンを、0.50g(2.99mmol)の2−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパン酸塩酸塩を20mlの無水テトラヒドロフランに溶解した十分攪拌した溶液に、60分において室温にて加えた。温度を50℃とし、30分間維持し、次にこれを−10℃に低下させ、0.447mg(3.29mmol)のクロロギ酸イソブチルを加えた。10分後、0.302gのトリエチルアミンおよび0.617g(3.18mmol)のN−メチル−N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−ヒドロキシルアミンを加えた。30分後、温度を室温まで放置して上昇させる。混合物を濾過し、低温で濃縮し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル85:15)で精製して、0.17g(18.5%)の明るい黄色の油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.55 (d,2H); 6.62 (d,2H); 3.4 (s,3H); 3.0 (s,6H); 2.3 (s,6H); 1.23 (s,6H).
【0092】
例20
N−メチル−N−[(9−フルオレノン)−2−カルボニル]−O−(2−N,N−ジメチルアミノ−イソブチリル)−ヒドロキシルアミン
【化31】

0.72gのN−メチルモルホリンを、0.60g(3.58mmol)の2−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパン酸塩酸塩を40mlの無水テトラヒドロフランに溶解した十分攪拌した溶液に加えた。この混合物の温度を−10℃とし、0.53mg(3.8mmol)のクロロギ酸イソブチルを加えた。10分後、8gの無水テトラヒドロフランに溶解した0.36gのトリエチルアミンおよび0.80g(3.16mmol)のN−メチル−N−[(9−フルオレノン)−2−カルボニル]−ヒドロキシルアミンを加えた。30分後、温度を室温まで放置して上昇させ、反応は60分後に完了した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール9:1)により精製して、0.20g(17.3%)の生成物を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.85 (s,1H); 7.78 (d,1H); 7.7 (d,1H); 7.6-7.5 (m,3H); 7.38 (t,1H); 3.4 (s,3H); 2.25 (s,6H); 1.2 (s,6H).
LC/MS (MeOH) [MH]+ = m+/z= 367.0
【0093】
例21
N−メチル−N−[(4−ベンゾイル)−ベンゾイル)−O−メチル−ヒドロキシルアミン
【化32】

0.14gのピリジンおよび0.36g(3.69mmol)のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、0.43g(1.75mol)の塩化4−ベンゾイル−ベンゾイルを10mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、30分にわたり室温にて加えた。60分後、混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル92:8)により精製して、0.31g(65.9%)の白色固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.90-7.75 (m,6H); 7.6 (t,1H); 7.5 (t,2H); 3.58 (s,3H); 3.4 (s,3H).
【0094】
例22
N−メチル−N−[(2−ベンゾイル)−ベンゾイル)−O−メチル−ヒドロキシルアミン
【化33】

2.42gのピリジンおよび1.42g(14.56mmol)のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、3.25g(13.29mmol)の塩化2−ベンゾイル−ベンゾイルを10mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、30分にわたり室温にて加える。60分後、混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)で精製して、1.87g(52.3%)の白色固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.8 (d,2H); 7.65-7.4 (m,7H); 3.42 (s,3H); 3.15 (s,3H).
【0095】
例23
N−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−N−メチル−O−メチル−ヒドロキシルアミン
【化34】

0.96gのピリジンおよび0.65g(6.67mmol)のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、1.0g(5.15mmol)の塩化4−ジメチルアミノ−ベンゾイルを20mlのジクロロメタンに懸濁させた十分攪拌した懸濁液に、30分にわたり室温にて加えた。60分後、混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)により精製して、0.72g(67.2%)の黄色液体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.75 (d,2H); 6.65 (d,2H); 3.6 (s,3H); 3.35 (s,3H); 3.03 (s,6H).
【0096】
例24
N−ベンゾイル−N−メチル−O−メチル−ヒドロキシルアミン
【化35】

7.0gのピリジンおよび3.56g(37mmol)のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、5.0g(36mmol)の塩化ベンゾイルを50mlのジクロロメタンに懸濁させた十分攪拌した懸濁液に、30分にわたり室温にて加える。120分後、混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)により精製して、4.56g(76.8%)の無色液体を得た。
1HNMR (DMSO):δ(ppm): 7.68 (d,2H); 7.5-7.35 (m,3H); 3.57 (s,3H); 3.35 (s,3H).
【0097】
例25
N−(4−ピリジノイル)−N−メチル−O−メチル−ヒドロキシルアミン
【化36】

1.93mlのピリジン、次に0.43g(4.4mmol)のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、0.712g(4.0mmol)の塩化イソニコチノイル塩酸塩を20mlのジクロロメタンに懸濁させた十分攪拌した懸濁液に、30分にわたり室温にて加えた。60分後、混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)により精製して、0.45g(67.7%)の黄色液体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.54 (d,2H); 7.51 (d,2H); 3.51 (s,3H); 3.35 (s,3H).
【0098】
例26
N−メチル−N−(2−ナフトイル)−O−メチル−ヒドロキシルアミン
【化37】

0.90gのピリジンおよび0.57g(5.843mmol)のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、1.0g(5.25mmol)の塩化2−ナフトイルを20gのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、室温にて加えた。反応は60分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)で精製して、0.98g(85.9%)の無色油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.2 (s,1H); 7.95-7.85 (m,3H); 7.75 (d,1H); 7.6-7.5 (m,2H); 3.57 (s,3H); 3.43 (s,3H).
【0099】
例27
N−メチル−N−(1−ナフトイル)−O−メチル−ヒドロキシルアミン
【化38】

1.0gのピリジンおよび0.57g(5.84mmol)のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、1.0g(5.25mmol)の塩化1−ナフトイルを15mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、室温にて加えた。反応は60分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)により精製して、0.98g(86.8%)の固体を得た。
1HNMR (DMSO-313K):δ(ppm): 8.05-7.95 (m,2H); 7.8-7.7 (m,1H); 7.6-7.5 (m,4H); 3.48 (s,3H); 3.3 (s,3H).
【0100】
例28
N−メチル−N−(9−アントラセノイル)−O−メチル−ヒドロキシルアミン
【化39】

0.425gのピリジンおよび0.255g(2.62mmol)のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、0.6g(2.49mmol)の塩化9−アントラセンカルビノイルを15mlのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、室温にて加えた。反応は120分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)により精製して、0.17g(25.8%)の明るい黄色の固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.5 (d,1H); 8.1-7.9 (m,4H); 7.6-7.4 (m,4H); 4.15 and 3.65 (s,3H); 3.2 and 2.95 (s,3H).
1HNMR (DMSO-333K): δ(ppm): 8.65 (s,1H); 8.2-8.1 (m,2H); 7.9-7.8 (m, 2H); 7.65-7.50 (m, 4H); 3.55 (br s, 3H); 3.15 (br s, 3H)
【0101】
例29
N−メチル−N−(9−アクリジノイル)−O−メチル−ヒドロキシルアミン
【化40】

0.17gのピリジンおよび0.12g(1.23mmol)のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、0.22g(0.91mmol)の塩化9−アクリジノイルを10gのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、室温にて加える。反応は120分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル9:1)により精製して、0.18g(74.3%)の明るい黄色の固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.3 (d,2H); 7.95 (d,2H); 7.8 (t,2H); 7.6 (t,2H); 4.15 and 3.65 (s,3H); 3.2 and 2.95 (s,3H).
【0102】
例30
N−メチル−N−[(9−フルオレノン)−2−カルボニル]−O−メチル−ヒドロキシルアミン
【化41】

0.17gのピリジンおよび0.092g(0.94mmol)のN−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を、0.216g(0.89mmol)の塩化9−フルオレノン−2−カルビノイルを10gのジクロロメタンに溶解した十分攪拌した溶液に、室温にて加える。反応は120分において完了した;混合物を水中に注入し、有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル9:1)により精製して、0.21g(88.1%)の明るい黄色の固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.0 (s,1H); 7.87 (d,1H); 7.7 (d,1H); 7.6-7.5 (m,3H); 7.38 (t,1H); 3.6 (s,3H); 3.4 (s,3H).
【0103】
例31
【化42】

合成を、黄色光の下で行う。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、300mg(1.91mmol)の2−メルカプトピリジンN−オキシドナトリウム塩を、5gの塩化メチレン中に懸濁させる。反応器を氷浴で冷却し、179mgの塩化アセチル(2.28mmol)を加える。
【0104】
反応を、氷浴中で約60分間攪拌下で放置する;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、洗浄し、NaSOで乾燥し、低温で濃縮した。反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)により精製して、40mg(12%)の灰色がかった緑がかった色の固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.70 (d,1H); 7.60(d,12H); 7.25 (t, 1H); 6.65 (t, 1H); 2.45 (s,3H).
【0105】
例32
【化43】

合成を、黄色光の下で行う。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、300mg(1.91mmol)の2−メルカプトピリジンN−オキシドナトリウム塩を、5gの塩化メチレン中に懸濁させる。反応器を氷浴で冷却し、200mgの塩化プロピオニル(2.16mmol)を加える。
【0106】
反応を、氷浴中で約60分間攪拌下で放置する;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、洗浄し、NaSOで乾燥し、低温で濃縮した。反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:酢酸エチル95:5)により精製して、190mg(54%)の暗い色の油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.70 (d,1H); 7.60(d,12H); 7.25 (t, 1H); 6.65 (t, 1H); 2.755 (q,2H); 1.33 (t, 3H).
【0107】
例33
【化44】

合成を、黄色光の下で行う。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、1.85g(10.8mmol)の2−メルカプトピリジンN−オキシドナトリウム塩を、50gの塩化メチレン中に懸濁させる。1.30gの塩化トリメチルアセチル(10.6mmol)を加える。
【0108】
反応を、約60分間攪拌下で放置する;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、洗浄し、NaSOで乾燥し、低温で濃縮した。反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:酢酸エチル9:1)により精製して、1.20g(54%)の白色固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.70 (d,1H); 7.50(d,12H); 7.20 (t, 1H); 6.60 (t, 1H); 12.45 (s,9H).
【0109】
例34
【化45】

合成を、黄色光の下で行う。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、1.50g(10.0mmol)の2−メルカプトピリジンN−オキシドナトリウム塩を、40gの塩化メチレン中に懸濁させる。反応器を、氷浴で冷却し、1.45gの塩化ベンゾイル(13.0mmol)をゆっくりと加える。
【0110】
反応を、約60分間攪拌下で放置する;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、洗浄し、NaSOで乾燥し、低温で濃縮した。反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン)により精製して、1.38g(60%)の明るい黄色の固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.25(d,2H); 7.70(m,3H); 7.55 (m, 2H); 7.23 (t, 1H); 6.70 (t,1H).
【0111】
例35
【化46】

合成を、黄色光の下で行う。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、260mg(1.52mmol)の2−メルカプトピリジンN−オキシドナトリウム塩を、10gの塩化メチレン中に懸濁させる。470mgの塩化パルミトイル(1.68mmol)を加える。
【0112】
反応を、約90分間攪拌下で放置する;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、洗浄し、NaSOで乾燥し、低温で濃縮した。反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:酢酸エチル9:1)により精製して、260mg(47%)の明るい黄色の固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.70 (d,1H); 7.55 (d,12H); 7.20 (t, 1H); 6.60 (t, 1H); 2.70 (t,2H); 1.90-1.75 (m, 2H); 1.5-1.2 (m, 26H); 0.9 (t, 3H).
【0113】
例36
【化47】

合成を、黄色光の下で行う。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、300mg(1.91mmol)の2−メルカプトピリジンN−オキシドナトリウム塩を、5gの塩化メチレン中に懸濁させる。反応器を、氷浴で冷却し、340mgの塩化ベンジル(1.95mmol)を加える。
【0114】
反応を、約60分間攪拌下で放置する;メチレン溶液を水中に注入し、分離し、洗浄し、NaSOで乾燥し、低温で濃縮した。反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:メタノール8:2)により精製して、200mg(47%)の灰色−スミレ色の固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 8.25 (d,1H); 7.45 (m, 2H); 7.40-7.35 (m, 3H); 7.20-7.10 (m, 2H); 7.05 (m,1H); 4.2 (s, 2H).
【0115】
例37
【化48】

合成を、黄色光の下で行う。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、2.0g(18mmol)の1−ヒドロキシ−2−ピリドンを、30gの塩化メチレン中に懸濁させ、2.0g(19.8mmol)のトリエチルアミンを加える。
反応器を、氷浴で冷却し、2.11gの塩化イソプロピル(19.8mmol)を加える。
【0116】
反応を、約40分間氷浴中で、次に60分間室温にて攪拌下で放置する。
メチレン溶液を水中に注入し、分離し、洗浄し、NaSOで乾燥し、低温で濃縮した。反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:酢酸エチル9:1)により精製して、2.6g(80%)の黄色油を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.35 (m,2H); 6.70 (d,1H); 6.20 (t, 1H); 2.90-2.80 (m, 1H); 1.35 (d,6H).
【0117】
例38
【化49】

合成を、黄色光の下で行う。
還流冷却器および温度計を備えた3つ首球形反応器中で、300mg(2.65mmol)の1−ヒドロキシ−2−ピリドンを、10gの塩化メチレン中に懸濁させ、250mg(3.16mmol)のピリジンを加える。510mgのp−トルエンスルホクロリド(2.62mmol)を加える。
【0118】
反応を、約90分間攪拌下で放置する;1.0gのピリジンを加え、攪拌を60分間継続する。メチレン溶液を水中に注入し、分離し、洗浄し、NaSOで乾燥し、低温で濃縮した。反応生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離剤:ジクロロメタン:メタノール9:1)により精製して、660mg(95%)の白色固体を得た。
1HNMR (CDCl3):δ(ppm): 7.90 (d,2H); 7.60(d,1H); 7.35 (d, 2H); 7.30 (t, 1H); 6.50 (d,1H); 6.15 (t, 1H); 2.45 (s, 3H).
【0119】
適用例。
感受性試験。
光重合性組成物を、以下の成分を混合することにより調製する:
【表1】

【0120】
組成物を、陽極酸化されたアルミニウム支持体上に、バーコーティングno.3により塗布した。溶媒を、100℃にて2分間オーブン中で加熱することにより除去した。乾燥フィルムの厚さは、約2ミクロンであった。
酸素が照射により生成したラジカルを阻害するか否かを理解するために、本発明者らは、ある配合物に、酸素スカベンジャー、例えば安息香酸エチル−4−ジメチル(EDB)もしくはトリフェニルホスフィンを加えたか;または、配合物を、ポリビニルアルコール(PVA)もしくはCarbocel AM 250(カルボキシメチルセルロース)の水溶液からのフィルムにより被覆した。
【0121】
光への露光を、13段階の異なる光学濃度(0.15〜1.95の範囲内)を有する標準化された陰性試験UGRA Control Wedge 1982により行い、乾燥フィルムの表面上に配置した。
露光を、金属−ハロゲン1500W高圧(SACK)ヨウ化鉄ランプ、EL 200411aタイプを用いて、90cmの距離にて行った。露光時間を校正して、1000mJ/cmの合計強度に到達させた。
【0122】
露光の後、フィルムを、25℃にて20秒間、1%の炭酸ナトリウム水溶液で、スプレータイプ現像液を用いて現像した。
種々の組成物の感受性を、段階の数が現像後に維持されたことを示すことにより特徴づけした:数が大きくなるに伴って、試験した組成物は一層感受性になる。
すべての操作を、黄色光の下で行った。
【0123】
結果を表1に列挙する。
【表2】

【0124】
光重合実験
試料を、1重量%の光開始剤をEbecryl 605に溶解することにより調製した。数回の実験において、1%のイソプロピルチオキサントン(ITX)もまた、感光剤として加えた。
モノマー粘性の理由により、配合物を、15分〜3時間にわたり40〜50℃に加熱して、溶解を完了した。室温にて12時間後(閉じ込められた気泡を除去するために)、配合物を、冷蔵庫に保存した。
【0125】
積層光重合反応性試験を、以下の手順に従って、FTIRにより行った:少量の配合物を、2つのポリプロピレンフィルムの間に塗布して、重合の際の酸素の影響を抑制し、押圧して、1635cm−1において1.2〜1.6のIR吸収に到達させた。
【0126】
次に、フィルムを、FTIR(Nexus 870, Nicolet)中で、2つのBaF窓の間に導入した。フィルムを、Hg−XeHamamatsuランプ(完全な強度の10%)で5分にわたり照射し、測定の開始後2〜3秒の時間遅延を伴った。
1625〜1655cm−1のモノマー中のアクリレート結合に特有のIRバンドを一体化することにより、動力学的曲線を計算した。
【0127】
表2において、「Rp」は、重合の比率であり、「Conv」は、ポリマー中で切断され、変換された二重結合の量である。Rpは、重合の相対的な比率である。基準は、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)であった。Rp(DMPA)を、1欄において100とし、2欄において75とする。
結果を表2に列挙する(積層した配合物(空気なし)ならびに種々の光開始剤と架橋した、空気中の配合物の重合および変換の比率を報告する)。
【0128】
【表3】

【0129】
光重合実験の結果から、コーティングとリソグラフィーとの両方において、本発明の化合物がこれら自体、UVラジカル重合の単一の光開始剤として作用することができることが、明らかである。
【0130】
レジスト配合物の感受性試験
数種の光重合性レジスト組成物を、以下の構成成分を混合することにより調製した:
【表4】

【0131】
組成物を、陽極酸化されたアルミニウム支持体上に、バーコーティングno.2により塗布した。溶媒を、80℃にて2分間オーブン中で加熱することにより除去した。乾燥フィルムの厚さは、約3ミクロンであった。
13段階の異なる光学濃度(0.15〜1.95の範囲内)を有する標準化された陰性試験フィルムUGRA Control Wedge 1982を、乾燥フィルムの表面上に配置した。
【0132】
露光を、金属−ハロゲン1500W高圧(SACK)ヨウ化鉄ランプ、EL 200411aタイプを用いて、90cmの距離にて行った。
露光時間を校正して、約500mJ/cmの合計強度に到達させた。
【0133】
露光の後、フィルムを、25℃にて20秒間、ラウリル硫酸ナトリウム、2−フェノキシエタノール、ノナン酸ジエタノールアミン塩の水溶液で、浸漬により現像した。
種々の組成物の感受性を、段階の数により特徴づけした:数が大きくなるに伴って、試験した組成物は一層感受性になる。すべての操作を、黄色光の下で行った。
【0134】
報告したところでは、7.5%のPVA水溶液を用いて、酸素を阻害した。結果を、表3に列挙する。
【表5】

【0135】
種々の波長における光分解実験
中圧Hgランプ(80W/cm、距離=30cm)での光分解:
例11の光開始剤の6.58*10−5Mのアセトニトリル溶液120mlを、可変的な時間の長さ(1〜5分)にわたり、中圧Hgランプに露光した。
【0136】
表4に、288.91および362.93nmにおける吸光度の減少を、報告する。
【表6】

【0137】
金属ハロゲンランプ(1500W/cm、距離=90cm)での光分解:
例11の光開始剤の6.294*10−5Mのアセトニトリル溶液120mlを、可変的な時間の長さ(5〜90秒)にわたり、金属ハロゲンランプに露光して、363nmにおける吸光度を無効にした。
【0138】
他方、288nmにおける吸光度が少々のイプソクロミック(ipso-chromic)影響を示し、顕著に減少することが、観察される。90秒後に、363の吸光度は、完全に消失した。表5に、約288および約362nmにおけるピークの吸光度の減少を、報告する。
【0139】
【表7】

【0140】
2A Filter (Wrattenゼラチンフィルター-Kodak No. 2A)でフィルターにかけた金属ハロゲンランプ(1500W/cm、距離=90cm)での光分解:
例11の光開始剤の6.92*10−5Mのアセトニトリル溶液120mlを、可変的な時間の長さ(40〜160秒)にわたり、フィルターにかけた金属ハロゲンランプに露光した。表6に、約288および約362nmにおけるピークの吸光度の減少を、報告する。
【0141】
【表8】

【0142】
36W Filter (Wrattenゼラチンフィルター-Kodak No. 36)でフィルターにかけた金属ハロゲンランプ(1500W/cm、距離=90cm)での光分解:
例11の光開始剤の6.721*10−5Mのアセトニトリル溶液120mlを、可変的な時間の長さ(30〜270秒)にわたり、フィルターにかけた金属ハロゲンランプに露光した。表7に、約288および約362nmにおけるピークの吸光度の減少を、報告する。
【0143】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン系不飽和基および、光開始剤として式IまたはIIまたはIIIで表される少なくとも1種のヒドロキサム酸エステル類を有する、ラジカル的に光重合性のオリゴマーおよび/またはモノマーを含む、光重合性系:
【化1】

式中、XはOまたはSであり;Rは、フェニルまたは1つもしくは2つ以上のC〜C12直鎖状もしくは分枝状アルキルもしくはシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、フェニル、ベンジル、OR、NR、SR、ベンゾイル、S(=O)−フェニル、S(=O)−フェニルおよび/またはS−フェニルで置換されているフェニルであり、置換基OR、NR、SRは、場合によっては、ラジカルR、R、Rおよび/またはRを介して、またはフェニル環上の他の置換基と共に、またはフェニル環の炭素原子の1つと共に、5員環または6員環を形成し、あるいは、Rは、
【化2】

式中、ZおよびZは、互いに独立して単結合、S、O、S=O、S(=O)、C=O、C=S、NR、C(=N)R、非置換であるかまたはC〜C12アルキルで置換されているC〜Cアルキレンであり、YおよびYは、互いに独立してC〜C12直鎖状または分枝状アルキル、C〜Cハロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、フェニル、ベンジル、OR、NR、SR、ベンゾイル、S(=O)−フェニル、S(=O)−フェニルおよび/またはS−フェニルであり、置換基OR、NR、SRは、場合によっては、ラジカルR、R、Rおよび/またはRを介して、またはフェニル環上の他の置換基と共に、またはフェニル環の炭素原子の1つと共に、5員環または6員環を形成し、ラジカルC〜C12アルキル、C〜Cハロアルキル、フェニルは、場合によっては、(C=O)N(R’)OR”基で置換されており、あるいは、Rは、ナフチル、アントラシル、フェナントリルであり、ラジカルナフチル、アントラシルおよびフェナントリルは、非置換であるか、または1つもしくは2つ以上のC〜C直鎖状もしくは分枝状アルキルもしくはシクロアルキル、フェニル、OR、NR、SRおよび/またはS−フェニルで置換されており、置換基OR、NR、SRは、場合によっては、ラジカルR、R、Rおよび/またはRを介して、またはナフチル、アントラシルもしくはフェナントリル環上の他の置換基と共に、またはナフチル、アントラシルもしくはフェナントリル環の炭素原子の1つと共に、5員環または6員環を形成し、あるいは、Rは、O、SおよびNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環式不飽和ラジカルであり、これは、非置換であるか、またはC〜Cアルキル、フェニル、OR、NR、SRおよび/またはS−フェニルで置換されており、置換基OR、NR、SRは、場合によっては、ラジカルR、R、Rおよび/またはRを介して、または複素環式不飽和ラジカル上の他の置換基と共に、または複素環式不飽和ラジカルの炭素原子の1つと共に、5員環または6員環を形成し;R’は、非置換であるか、またはOH、C〜Cアルコキシ、SH、NR2、フェニル、ベンジル、ベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルおよび/またはC〜Cアルカノイルで置換されているC〜C12直鎖状もしくは分枝状アルキル基もしくはシクロアルキル、またはC〜Cシクロアルキルであり、あるいは、R’は、1つまたは2つ以上の−O−により中断されたC〜C12アルキルであり、上記の中断されたC〜C12アルキルは、非置換であるか、またはOH、C〜Cアルコキシ、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルおよび/またはC〜Cアルカノイルで置換されており、あるいは、R’は、フェニル、または1つもしくは2つ以上のC〜C12アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、フェニル、OR、NR、SR、ベンゾイル、S(=O)−フェニル、S(=O)−フェニルおよび/またはS−フェニルで置換されているフェニルであり、置換基OR、NR、SRは、場合によっては、ラジカルR、R、Rおよび/またはRを介して、またはフェニル環上の他の置換基と共に、またはフェニル環の炭素原子の1つと共に、5員環または6員環を形成し;R”は、R’の意味の1つを有し、
あるいは、R”は(C=O)R'''であり、R'''は、R’の意味の1つを有し、またはR'''は、C13〜C18直鎖状または分枝状アルキル基またはシクロアルキルであり、あるいは、R”は、C〜C18直鎖状または分枝状アルキルスルホ塩化物またはシクロアルキルスルホ塩化物またはフェニルスルホ塩化物であり、ここで、フェニルは、非置換であるか、または1つもしくは2つ以上のC〜C12アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、フェニル、OR、NR、SR、ベンゾイルおよびS−フェニルで置換されており;Rは、水素、フェニル、ベンジル、非置換であるか、またはフェニル、ベンジル、ベンゾイル、OH、C〜C12アルコキシ、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルで、もしくはC〜Cアルカノイルにより置換されているC〜C12アルキルであり、あるいは、Rは、1つまたは2つ以上の−O−により中断されたC〜C12アルキルであり、上記の中断されたC〜C12アルキルは、非置換であるか、またはフェニル、OH、C〜C12アルコキシ、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルで、および/またはC〜Cアルカノイルにより置換されており;RおよびRは、互いに独立して、水素、非置換であるか、またはOH、C〜Cアルコキシ、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルおよび/またはC〜Cアルカノイルにより置換されているC〜C12アルキルであり、あるいは、RおよびRは、1つまたは2つ以上の−O−により中断されたC〜C12アルキルまたはシクロアルキルであり、上記の中断されたC〜C12アルキルは、非置換であるか、またはOH、C〜Cアルコキシ、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニルおよび/またはC〜Cアルカノイルで置換されており、あるいは、RおよびRは、フェニル、C〜Cアルカノイル、ベンゾイル、C〜Cアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニルまたはフェナントリルスルホニルであり、あるいは、RおよびRは、これらが結合している窒素原子と共に、−O−、−S−により、または−NRにより中断されていてもよい5員環、6員環または7員環を形成し;Rは、非置換であるか、またはOHおよび/またはC〜Cアルコキシで置換されているC〜C12アルキルであり、あるいは、Rは、1つまたは2つ以上の−O−により中断されているC〜C12アルキルであり、前記中断されたC〜C12アルキルは、非置換であるか、またはOHおよび/またはC〜Cアルコキシで置換されている。
【請求項2】
式I、IIまたはIIIで表されるヒドロキサム酸エステル類が、系中の単一の光開始剤である、請求項1に記載の光重合性系。
【請求項3】
光開始剤として、式Iで表され、式中XがOである少なくとも1種のヒドロキサム酸エステル類または式IIで表され、式中XがSである少なくとも1種のヒドロキサム酸エステル類を含む、請求項1または2に記載の光重合性系。
【請求項4】
光開始剤が、式Iで表され、式中Rが
【化3】

であり、YおよびYが、互いに独立して、C〜C12直鎖状または分枝状アルキル、C〜Cハロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、フェニル、ORであるヒドロキサム酸エステル類である、請求項3に記載の光重合性系。
【請求項5】
光開始剤が、式IIで表され、式中R”が(C=O)R'''であり、R'''がC〜C第二アルキルまたはC〜Cシクロアルキルであるヒドロキサム酸エステルである、請求項3に記載の光重合性系。
【請求項6】
エチレン系不飽和基を有するオリゴマーおよび/またはモノマー、少なくともチオキサントンおよびチオキサントン誘導体から選択される感光剤ならびに、光重合開始剤として、式Iで表され、式中XがOであり、Rが(i’)とは異なる少なくとも1種のヒドロキサム酸エステル類、または少なくとも1種の式IIで表されるヒドロキサム酸エステル類を含む、光重合性系。
【請求項7】
感光剤が:チオキサントン類、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)−チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノ−チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ−[2−(2−メトキシエトキシエトキシカルボニル]−チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)−チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチル−チオキサントンの中から選択される、請求項6に記載の光重合性系。
【請求項8】
感光剤が、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンの中から選択される、請求項7に記載の光重合性系。
【請求項9】
式Iで表され、式中XがOであり、Rが(i’)であり、YおよびYが、互いに独立してC〜C12直鎖状または分枝状アルキル、C〜Cハロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、フェニル、ORである、化合物。
【請求項10】
式IIで表され、式中XがSであり、R”が(C=O)R'''であり、R'''がC〜C第二アルキルまたはC〜Cシクロアルキルである、化合物。
【請求項11】
R'''がイソプロピルまたはシクロヘキシルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
金属、木材、紙またはプラスチック表面のためのコーティングを実現するための方法であって:a)反応性オリゴマーおよび/または、エチレン系不飽和基および式I、IIまたはIIIで表される少なくとも1種のヒドロキサム酸エステルを有するモノマーを含む光重合性基を適用すること;b)450nmまでのUV可視領域において発光帯を有する光源で光重合させて、重合後に、厚さ0.1〜100ミクロンのコーティングを得ることを含む、前記方法。
【請求項13】
好ましくは金属表面上にフォトリソグラフィー画像を作成するための方法であって:a)エチレン系不飽和基、反応性でないポリマー、例えば反応性でないポリアクリレート、ならびに少なくとも式IまたはIIまたはIIIで表されるヒドロキサム酸エステルを有する反応性オリゴマーおよび/またはモノマーを含む光重合性系を適用し;b)450nmまでのUV可視領域において発光帯を有する光源を有するネガフィルムにより配合物を光重合させて、好適に現像した後に、厚さ0.1〜3ミクロンの画像を提供することを含む、前記方法。
【請求項14】
好ましくは金属表面上にフォトリソグラフィー画像を作成するための方法であって:a)エチレン系不飽和基、反応性でないポリマー、例えば反応性でないポリアクリレート、ならびに少なくとも式IまたはIIまたはIIIで表されるヒドロキサム酸エステルを有する反応性オリゴマーおよび/またはモノマーを含む光重合性系を適用し;b’)好適な波長(例えば405nm)および出力を有するレーザービームにより配合物を光重合させて、好適に現像した後に、厚さ0.1〜3ミクロンの画像を提供することを含む、前記方法。
【請求項15】
少なくとも1種の式IまたはIIまたはIIIで表されるヒドロキサム酸エステル類を含む、めっきを印刷する組成物、電子機器用のフォトレジスト、はんだレジスト、ディスプレイ用途のためのカラーフィルターを製造するか、またはプラズマディスプレイパネルの製造プロセスにおいて構造を作製するレジスト。
【請求項16】
少なくとも1種の式IIで表されるヒドロキサム酸エステル類を含む、めっきを印刷する組成物、電子機器用のフォトレジスト、はんだレジスト、ディスプレイ用途のためのカラーフィルターを製造するか、またはプラズマディスプレイパネルの製造プロセスにおいて構造を作製するレジスト。

【公表番号】特表2010−520314(P2010−520314A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551155(P2009−551155)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051183
【国際公開番号】WO2008/104436
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(501185604)ランベルティ ソシエタ ペル アチオニ (17)
【Fターム(参考)】