光電変換装置用部品および光電変換装置
【課題】光電変換装置において、放熱性を向上させることにより、光電変換効率を向上させること。
【解決手段】光電変換装置は、光電変換装置用部品と、光電変換装置用部品に搭載された光電変換素子4とを含んでいる。光電変換装置用部品は、光電変換素子4が搭載される搭載部を有する基体1を含んでいる。基体1は、側面または下面の第1の部位から第2の部位に開口する空洞部12を有している。
【解決手段】光電変換装置は、光電変換装置用部品と、光電変換装置用部品に搭載された光電変換素子4とを含んでいる。光電変換装置用部品は、光電変換素子4が搭載される搭載部を有する基体1を含んでいる。基体1は、側面または下面の第1の部位から第2の部位に開口する空洞部12を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置用部品および光電変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光電変換素子を有する光電変換装置の開発が進められている。例示的な光電変換装置は、太陽電池装置である。特に、発電効率の向上を目的として、集光型の太陽電池装置の開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−278581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光電変換装置は、使用環境によっては温度上昇を伴う場合があり、光電変換素子における光電変換効率が低下する可能性がある。従って、光電変換装置は、放熱性に関して改善される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様によれば、光電変換装置用部品は、光電変換素子が搭載される搭載部を有する基体を含んでいる。基体は、側面または下面の第1の部位から第2の部位に開口する空洞部を有している。
【0006】
本発明の他の態様によれば、光電変換装置は、上記光電変換装置用部品と、光電変換装置用部品の基体に搭載された光電変換素子とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、光電変換装置用部品は、側面または下面の第1の部位から第2の部位に開口する空洞部を有する基体を含んでいることにより、放熱性に関して向上されている。
【0008】
本発明の他の態様によれば、光電変換装置は、上記光電変換装置用部品を含んでいることにより、放熱性に関して向上されている。従って、光電変換装置は、光電変換効率に関して向上されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態における光電変換装置を示す透視斜視図である。
【図2】図1に示された基体1の平面図を示している。
【図3】図1に示された光電変換装置における放熱経路を示す模式図である。
【図4】図1に示された光電変換装置における端子構造の例を示している。
【図5】図1に示された光電変換装置における外部装置への取り付け構造の例を示している。
【図6】図5に示された外部装置への取り付け構造における放熱経路を示す模式図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の光電変換装置における基体1などを示している。
【図8】図7に示された光電変換装置における放熱経路を示す模式図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の光電変換装置における基体1などを示している。
【図10】本発明の第4の実施形態の光電変換装置における基体1などを示している。
【図11】図10に示された基体1などの縦断面図を示している。
【図12】図11に示された光電変換装置における放熱経路を示す模式図である。
【図13】図11に示された光電変換装置における端子構造の例を示している。
【図14】本発明の第5の実施形態の光電変換装置における基体1などを示している。
【図15】図14に示された基体1の縦断面図を示している。
【図16】図14に示された光電変換装置における放熱経路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1および図2に示されているように、本発明の第1の実施形態における光電変換装置は、基体1と、基体1に接合された複数の導電路2と、基体1の上に設けられたサブマウント基板3と、サブマウント基板3に実装された光電変換素子4と、基体1の上に設けられたカバー部材5と、光電変換素子4の上方に設けられた集光部材6とを含んでいる。基体1と、複数の導電路2とによって、光電変換装置用部品が構成されている。光電変換装置は、例えば、集光型太陽電池である。図1において、光電変換装置は、仮想のxyz空間におけるxy平面に実装されている。図1において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことをいう。
【0012】
基体1は、例えば、銅(Cu)、銅−タングステン(Cu−W)合金、鉄(Fe)、鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Co)合金などの金属材料を含んでいる。基体1は、光電変換素子が搭載される搭載部11と、空洞部12と、複数の貫通孔13とを有している。
【0013】
本実施形態において、搭載部11とは、サブマウント基板3が設けられる領域のことをいい、図2において破線によって示されている。
【0014】
空洞部12は、基体1の仮想y軸方向に形成されており、基体1の側面の第1の部位111、基体1の下面の部位、および第1の部位111に対向する側面の第2の部位112にわたり連続的に開口している。空洞部12は、搭載部11の直下に位置している。図1および図2において、空洞部12は、基体1を透視した状態で点線によって示されている。なお、空洞部12は、側面の部位と下面の部位の2箇所のみが開口していても良い。
【0015】
複数の貫通孔13は、基体1の上面から空洞部12にかけて形成されている。図1において、複数の貫通孔13は、上下方向に形成されている。
【0016】
複数の導電路2は、基体1の上面から基体1の内部にかけて設けられており、一部が空洞部12と接している。複数の導電路2は、複数の貫通孔13内に設けられているとともに、絶縁部材によって基体1に固定されたリードピンである。絶縁部材は、例えばガラス接合部材である。複数の導電路2は、例えば、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金または鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Co)合金からなる。
【0017】
サブマウント基板3は、例えば、ロウ材によって、基体1の上面に接合されている。サブマウント基板3は、導体パターンを有している。導体パターンは、ボンディングワイヤによって導電路2に電気的に接続されている。サブマウント基板3は、例えば、セラミックスからなる。セラミックスは、例えば、アルミナ(Al2O3)または窒化アルミニウム(AlN)である。
【0018】
光電変換素子4は、サブマウント基板3の導体パターンに電気的に接続されている。光電変換素子4は、例えば、III−V族化合物半導体を含んでいる太陽電池素子である。例示的な太陽電池素子は、InGaP/GaAs/Ge3接合型セルの構造を有している。インジウムガリウムリン(InGaP)トップセルは、660nm以下の波長領域に含まれる光をエネルギー変換する。ガリウムヒ素(GaAs)ミドルセルは、660nmから890nmまでの波長領域に含まれる光をエネルギー変換する。ゲルマニウム(Ge)ボトムセルは、890nmから2000nmまでの波長領域に含まれる光をエネルギー変換する。3つのセルは、トンネル接合を介して直列に接続されている。開放電圧は、3つのセルの起電圧の和である。
【0019】
カバー部材5は、光電変換素子4を囲むように、基体1上に設けられている。カバー部材5は、例えば、鉄(Fe)、鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Co)合金などの金属材料を含んでいる。カバー部材5は、基体1に接合されている。接合方法の例は、例えば銀ロウなどのロウ材を用いた接合である。接合方法の他の例は、例えば抵抗溶接などの溶接である。基体1とカバー部材5との接合は、集光型光電変換装置が気密性を保持するように行われる。
【0020】
集光部材6は、カバー部材5に接合されているとともに、光電変換素子4の直上に設けられている。集光部材6は、例えば、プリズムレンズなどの透光性部材である。透光性とは、例えば、光電変換装置が太陽電池装置の場合、太陽光の少なくとも一部の波長が透過できることをいう。プリズムレンズは、上端から下端に向かうに従って断面積が小さくなる角錐状を成している。光は、プリズムレンズの内部と外部との界面において繰り返し全反射される。プリズムレンズは、光の全反射によって断面積内の光エネルギーの強度分布を均等化するという機能を有している。
【0021】
図3を参照して、本実施形態の光電変換装置における放熱経路について説明する。図3において、サブマウント基板3、光電変換素子4、カバー部材5および集光部材6は省略されている。
【0022】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を有する基体1を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12において媒体によって外部へ伝導される。図3において、空洞部12における媒体による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、空洞部12において、仮想のy軸方向へ伝導される。媒体は、例えば、冷媒ガスまたは冷媒液などの冷媒流体である。冷媒ガスは、例えば、空気などを含む。冷媒液は、例えば、水などを含む。基体1は、空洞部12を有していることにより、放熱性に関して向上されている。従って、光電変換装置は、光電変換効率に関して向上されている。
【0023】
本実施形態における光電変換装置は、基体1の上面から空洞部12にかけて設けられた複数の導電路2を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、複数の導電路2によって空洞部12へ伝導される。図3において、複数の導電路2による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、複数の導電路2において、仮想のz軸の負方向へ伝導される。光電変換素子4は、導電路2が基体1の上面から空洞部12にかけて設けられていることにより、放熱性に関して向上されている。従って、光電変換装置は、光電変換効率に関して向上されている。
【0024】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を搭載部11の直下に有していることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱を空洞部12へ伝導しやすくなっている。従って、本実施形態における光電変換装置は、光電変換効率に関して向上されている。
【0025】
本実施形態の光電変換装置において、導電路2がリードピンであることにより、本実施形態における光電変換装置は、生産性に関して改善されている。
【0026】
図4を参照して、本実施形態の光電変換装置における端子構造の例について説明する。端子構造は、例えば、複数の導電路2に電気的に接続された複数のフレキシブル配線基板7を有する構造である。複数のフレキシブル配線基板7の各々は、フレキシブル基体70と、フレキシブル基体70の下面に設けられており、導電路2に電気的に接続された導体パターン71とを有している。図4において、導体パターン71は、フレキシブル基体70を透視した状態で破線によって示されている。
【0027】
図5を参照して、本実施形態の光電変換装置における外部装置への取り付け構造の例について説明する。例えば、光電変換装置には、放熱フィン8が取り付けられている。取り付けには、例えば銀ロウなどのロウ材が用いられる。
【0028】
図6を参照して、本実施形態の光電変換装置が放熱フィン8に接合された構造における放熱経路について説明する。光電変換装置は、放熱フィン8に接合されていることにより、空洞部12と放熱フィン8から外部への放熱経路を有する。光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12と放熱フィン8によって外部に放熱される。
【0029】
図7を参照して、本発明の第2の実施形態における光電変換装置について説明する。図7において、カバー部材5および集光部材6は省略されている。本実施形態における光電変換装置において第1の実施形態における光電変換装置と異なる点は、基体1の構造である。その他の構成は、第1の実施形態における光電変換装置の構成と同様である。
【0030】
基体1は、空洞部12および複数の貫通孔13を有している。空洞部12は、基体1の側面の第1の部位111と第2の部位112の2箇所に開口しているとともに、仮想のy軸方向に形成されている。空洞部12は、搭載部11の直下に位置している。図7において、空洞部12は、基体1を透視した状態で点線によって示されている。空洞部12は、基体1の下面より高い位置に設けられている。
【0031】
複数の貫通孔13は、基体1の上面から空洞部12にかけて形成されている。図7において、複数の貫通孔13は、上下方向に形成されている。複数の導電路2は、複数の貫通孔13内に設けられているとともに、絶縁部材によって基体1に固定されたリードピンである。
【0032】
図8を参照して、本実施形態の光電変換装置における放熱経路について説明する。図8において、サブマウント基板3、光電変換素子4、カバー部材5および集光部材6は省略されている。
【0033】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を有する基体1を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12において媒体によって外部へ伝導される。図8において、空洞部12における媒体による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、空洞部12において、仮想のy軸方向へ伝導される。
【0034】
本実施形態における光電変換装置は、基体1の上面から空洞部12にかけて設けられた複数の導電路2を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、複数の導電路2によって空洞部12へ伝導される。図8において、複数の導電路2による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、複数の導電路2において、仮想のz軸の負方向へ伝導される。
【0035】
本実施形態の光電変換装置において、空洞部12は、基体1の下面より高い位置に設けられていることにより、本実施形態の光電変換装置は、空洞部12における放熱に関して基体1の下方の使用環境による影響が低減されている。
【0036】
図9を参照して、本発明の第3の実施形態における光電変換装置について説明する。図9において、カバー部材5および集光部材6は省略されている。本実施形態における光電変換装置において第1の実施形態における光電変換装置と異なる点は、基体1、複数の導電路2および光電変換素子4の実装構造である。その他の構成は、第1の実施形態における光電変換装置の構成と同様である。
【0037】
基体1は、例えば、セラミックスからなる。基体1は、空洞部12を有している。空洞部12は、基体1の側面の第1の部位111と第2の部位112の2箇所に開口しているとともに、仮想のy軸方向に形成されている。空洞部12は、基体1の下面に設けられているとともに、搭載部11の直下に位置している。図9において、空洞部12は、基体1を透視した状態で点線によって示されている。
【0038】
複数の導電路2は、基体1の上面から基体1の内部にかけて設けられており、一部が空洞部12に接している。複数の導電路2は、複数のビア導体であり、焼成によってセラミックスからなる基体1とともに一体的に形成されている。複数の導電路2は、例えば、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)からなる。
【0039】
光電変換素子4は、基体1に接合されているとともに、複数の導電路2に電気的に接続されている。
【0040】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を有する基体1を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12において媒体によって外部へ伝導される。
【0041】
本実施形態における光電変換装置は、基体1の上面から空洞部12にかけて設けられた複数の導電路2を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、複数の導電路2によって空洞部12へ伝導される。
【0042】
本実施形態における光電変換装置において、複数の導電路2は、焼成によってセラミックスからなる基体1とともに一体的に形成された複数のビア導体であることにより、本実施形態における光電変換装置は、基体1および導電路2における気密性に関して改善されている。従って、本実施形態の光電変換装置は、光電変換効率に関して向上されている。
【0043】
図10および図11を参照して、本発明の第4の実施形態における光電変換装置について説明する。本実施形態における光電変換装置において第1の実施形態における光電変換装置と異なる点は、基体1、導電路2および光電変換素子4の実装構造である。その他の構成は、第1の実施形態における光電変換装置の構成と同様である。
【0044】
基体1は、例えば、銅(Cu)、銅−タングステン(Cu−W)合金、鉄(Fe)、鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Co)合金などの金属材料からなる。基体1は、空洞部12と、貫通孔13とを有している。貫通孔13は、基体1の上面から空洞部12にかけて形成されている。図10において、貫通孔13は、上下方向に形成されている。
【0045】
導電路2は、基体1の上面から基体1の内部にかけて設けられており、一部が空洞部12に接している。導電路2は、貫通孔13内に設けられているとともに、絶縁部材によって基体1に固定されたリードピンである。
【0046】
光電変換素子4は、基体1に接合されているとともに、金属材料からなる基体1に電気的に接続されている。光電変換素子4は、導電路2に電気的に接続されている。
【0047】
図12を参照して、本実施形態の光電変換装置における放熱経路について説明する。
【0048】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を有する基体1を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12において媒体によって外部へ伝導される。図12において、空洞部12における媒体による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、空洞部12において、仮想のy軸方向へ伝導される。
【0049】
本実施形態における光電変換装置は、基体1の上面から空洞部12にかけて設けられた導電路2を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、導電路2によって空洞部12へ伝導される。図12において、導電路2による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、導電路2において、仮想のz軸の負方向へ伝導される。
【0050】
本実施形態の光電変換装置において、光電変換素子4が基体1に接合されていることにより、本実施形態における光電変換装置は、光電変換素子4から空洞部12への熱伝導に関して向上されている。光電変換素子4によって発生された熱は、基体1によって空洞部12へ伝導される。
【0051】
図13を参照して、本実施形態の光電変換装置における端子構造の例について説明する。端子構造は、例えば、基体1に電気的に接続されたフレキシブル配線基板7aと、導電路2に電気的に接続されたフレキシブル配線基板7bを有する構造である。フレキシブル配線基板7aは、基体1の任意の場所と電気的に接続することができるため、基体1の任意の場所に取り付けることができる。従って、本実施形態の光電変換装置は、端子構造の設計の自由度が高い。
【0052】
図14および図15を参照して、本発明の第5の実施形態における光電変換装置について説明する。図14および図15において、カバー部材5および集光部材6は省略されている。本実施形態における光電変換装置において第1の実施形態における光電変換装置と異なる点は、基体1の構造である。その他の構成は、第1の実施形態における光電変換装置の構成と同様である。
【0053】
基体1は、空洞部12および複数の貫通孔13を有している。空洞部12は、基体1の下面の第1の部位111と第2の部位112の2箇所に開口しているとともに、搭載部11の直下に位置している。図14において、空洞部12は、基体1を透視した状態で点線によって示されている。空洞部12は、開口部以外が、基体1の下面より高い位置に設けられている。
【0054】
複数の貫通孔13は基体1の上面から空洞部12にかけて形成されている。図14において、複数の貫通孔13は、上下方向に形成されている。複数の導電路2は、複数の貫通孔13内に設けられているとともに、絶縁部材によって基体1に固定されたリードピンである。
【0055】
図16を参照して、本実施形態の光電変換装置における放熱経路について説明する。図16において、サブマウント基板3、光電変換素子4、カバー部材5および集光部材6は省略されている。
【0056】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を有する基体1を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12において媒体によって外部へ伝導される。図16において、空洞部12における媒体による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、空洞部12において、仮想のy軸方向と仮想のz軸の負方向へ伝導される。
【0057】
本実施形態における光電変換装置は、基体1の上面から空洞部12にかけて設けられた複数の導電路2を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、複数の導電路2によって空洞部12へ伝導される。図16において、複数の導電路2による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、複数の導電路2において、仮想のz軸の負方向へ伝導される。
【0058】
本実施形態の光電変換装置において、空洞部12が、基体1の下面の第1の部位111と第2の部位112の2箇所に開口していることにより、光電変換装置から外部への放熱が下方向に集中する。従って、本実施形態の光電変換装置は、下方向への熱の拡散に関して向上されている。例えば、光電変換装置を平面状に複数並べて実装した際に、光電変換装置は、配列方向への熱の影響を抑えることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 基体
12 空洞部
13 貫通孔
2 導電路
3 サブマウント基板
4 光電変換素子
5 カバー部材
6 集光部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置用部品および光電変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光電変換素子を有する光電変換装置の開発が進められている。例示的な光電変換装置は、太陽電池装置である。特に、発電効率の向上を目的として、集光型の太陽電池装置の開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−278581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光電変換装置は、使用環境によっては温度上昇を伴う場合があり、光電変換素子における光電変換効率が低下する可能性がある。従って、光電変換装置は、放熱性に関して改善される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様によれば、光電変換装置用部品は、光電変換素子が搭載される搭載部を有する基体を含んでいる。基体は、側面または下面の第1の部位から第2の部位に開口する空洞部を有している。
【0006】
本発明の他の態様によれば、光電変換装置は、上記光電変換装置用部品と、光電変換装置用部品の基体に搭載された光電変換素子とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、光電変換装置用部品は、側面または下面の第1の部位から第2の部位に開口する空洞部を有する基体を含んでいることにより、放熱性に関して向上されている。
【0008】
本発明の他の態様によれば、光電変換装置は、上記光電変換装置用部品を含んでいることにより、放熱性に関して向上されている。従って、光電変換装置は、光電変換効率に関して向上されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態における光電変換装置を示す透視斜視図である。
【図2】図1に示された基体1の平面図を示している。
【図3】図1に示された光電変換装置における放熱経路を示す模式図である。
【図4】図1に示された光電変換装置における端子構造の例を示している。
【図5】図1に示された光電変換装置における外部装置への取り付け構造の例を示している。
【図6】図5に示された外部装置への取り付け構造における放熱経路を示す模式図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の光電変換装置における基体1などを示している。
【図8】図7に示された光電変換装置における放熱経路を示す模式図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の光電変換装置における基体1などを示している。
【図10】本発明の第4の実施形態の光電変換装置における基体1などを示している。
【図11】図10に示された基体1などの縦断面図を示している。
【図12】図11に示された光電変換装置における放熱経路を示す模式図である。
【図13】図11に示された光電変換装置における端子構造の例を示している。
【図14】本発明の第5の実施形態の光電変換装置における基体1などを示している。
【図15】図14に示された基体1の縦断面図を示している。
【図16】図14に示された光電変換装置における放熱経路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1および図2に示されているように、本発明の第1の実施形態における光電変換装置は、基体1と、基体1に接合された複数の導電路2と、基体1の上に設けられたサブマウント基板3と、サブマウント基板3に実装された光電変換素子4と、基体1の上に設けられたカバー部材5と、光電変換素子4の上方に設けられた集光部材6とを含んでいる。基体1と、複数の導電路2とによって、光電変換装置用部品が構成されている。光電変換装置は、例えば、集光型太陽電池である。図1において、光電変換装置は、仮想のxyz空間におけるxy平面に実装されている。図1において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことをいう。
【0012】
基体1は、例えば、銅(Cu)、銅−タングステン(Cu−W)合金、鉄(Fe)、鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Co)合金などの金属材料を含んでいる。基体1は、光電変換素子が搭載される搭載部11と、空洞部12と、複数の貫通孔13とを有している。
【0013】
本実施形態において、搭載部11とは、サブマウント基板3が設けられる領域のことをいい、図2において破線によって示されている。
【0014】
空洞部12は、基体1の仮想y軸方向に形成されており、基体1の側面の第1の部位111、基体1の下面の部位、および第1の部位111に対向する側面の第2の部位112にわたり連続的に開口している。空洞部12は、搭載部11の直下に位置している。図1および図2において、空洞部12は、基体1を透視した状態で点線によって示されている。なお、空洞部12は、側面の部位と下面の部位の2箇所のみが開口していても良い。
【0015】
複数の貫通孔13は、基体1の上面から空洞部12にかけて形成されている。図1において、複数の貫通孔13は、上下方向に形成されている。
【0016】
複数の導電路2は、基体1の上面から基体1の内部にかけて設けられており、一部が空洞部12と接している。複数の導電路2は、複数の貫通孔13内に設けられているとともに、絶縁部材によって基体1に固定されたリードピンである。絶縁部材は、例えばガラス接合部材である。複数の導電路2は、例えば、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金または鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Co)合金からなる。
【0017】
サブマウント基板3は、例えば、ロウ材によって、基体1の上面に接合されている。サブマウント基板3は、導体パターンを有している。導体パターンは、ボンディングワイヤによって導電路2に電気的に接続されている。サブマウント基板3は、例えば、セラミックスからなる。セラミックスは、例えば、アルミナ(Al2O3)または窒化アルミニウム(AlN)である。
【0018】
光電変換素子4は、サブマウント基板3の導体パターンに電気的に接続されている。光電変換素子4は、例えば、III−V族化合物半導体を含んでいる太陽電池素子である。例示的な太陽電池素子は、InGaP/GaAs/Ge3接合型セルの構造を有している。インジウムガリウムリン(InGaP)トップセルは、660nm以下の波長領域に含まれる光をエネルギー変換する。ガリウムヒ素(GaAs)ミドルセルは、660nmから890nmまでの波長領域に含まれる光をエネルギー変換する。ゲルマニウム(Ge)ボトムセルは、890nmから2000nmまでの波長領域に含まれる光をエネルギー変換する。3つのセルは、トンネル接合を介して直列に接続されている。開放電圧は、3つのセルの起電圧の和である。
【0019】
カバー部材5は、光電変換素子4を囲むように、基体1上に設けられている。カバー部材5は、例えば、鉄(Fe)、鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Co)合金などの金属材料を含んでいる。カバー部材5は、基体1に接合されている。接合方法の例は、例えば銀ロウなどのロウ材を用いた接合である。接合方法の他の例は、例えば抵抗溶接などの溶接である。基体1とカバー部材5との接合は、集光型光電変換装置が気密性を保持するように行われる。
【0020】
集光部材6は、カバー部材5に接合されているとともに、光電変換素子4の直上に設けられている。集光部材6は、例えば、プリズムレンズなどの透光性部材である。透光性とは、例えば、光電変換装置が太陽電池装置の場合、太陽光の少なくとも一部の波長が透過できることをいう。プリズムレンズは、上端から下端に向かうに従って断面積が小さくなる角錐状を成している。光は、プリズムレンズの内部と外部との界面において繰り返し全反射される。プリズムレンズは、光の全反射によって断面積内の光エネルギーの強度分布を均等化するという機能を有している。
【0021】
図3を参照して、本実施形態の光電変換装置における放熱経路について説明する。図3において、サブマウント基板3、光電変換素子4、カバー部材5および集光部材6は省略されている。
【0022】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を有する基体1を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12において媒体によって外部へ伝導される。図3において、空洞部12における媒体による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、空洞部12において、仮想のy軸方向へ伝導される。媒体は、例えば、冷媒ガスまたは冷媒液などの冷媒流体である。冷媒ガスは、例えば、空気などを含む。冷媒液は、例えば、水などを含む。基体1は、空洞部12を有していることにより、放熱性に関して向上されている。従って、光電変換装置は、光電変換効率に関して向上されている。
【0023】
本実施形態における光電変換装置は、基体1の上面から空洞部12にかけて設けられた複数の導電路2を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、複数の導電路2によって空洞部12へ伝導される。図3において、複数の導電路2による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、複数の導電路2において、仮想のz軸の負方向へ伝導される。光電変換素子4は、導電路2が基体1の上面から空洞部12にかけて設けられていることにより、放熱性に関して向上されている。従って、光電変換装置は、光電変換効率に関して向上されている。
【0024】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を搭載部11の直下に有していることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱を空洞部12へ伝導しやすくなっている。従って、本実施形態における光電変換装置は、光電変換効率に関して向上されている。
【0025】
本実施形態の光電変換装置において、導電路2がリードピンであることにより、本実施形態における光電変換装置は、生産性に関して改善されている。
【0026】
図4を参照して、本実施形態の光電変換装置における端子構造の例について説明する。端子構造は、例えば、複数の導電路2に電気的に接続された複数のフレキシブル配線基板7を有する構造である。複数のフレキシブル配線基板7の各々は、フレキシブル基体70と、フレキシブル基体70の下面に設けられており、導電路2に電気的に接続された導体パターン71とを有している。図4において、導体パターン71は、フレキシブル基体70を透視した状態で破線によって示されている。
【0027】
図5を参照して、本実施形態の光電変換装置における外部装置への取り付け構造の例について説明する。例えば、光電変換装置には、放熱フィン8が取り付けられている。取り付けには、例えば銀ロウなどのロウ材が用いられる。
【0028】
図6を参照して、本実施形態の光電変換装置が放熱フィン8に接合された構造における放熱経路について説明する。光電変換装置は、放熱フィン8に接合されていることにより、空洞部12と放熱フィン8から外部への放熱経路を有する。光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12と放熱フィン8によって外部に放熱される。
【0029】
図7を参照して、本発明の第2の実施形態における光電変換装置について説明する。図7において、カバー部材5および集光部材6は省略されている。本実施形態における光電変換装置において第1の実施形態における光電変換装置と異なる点は、基体1の構造である。その他の構成は、第1の実施形態における光電変換装置の構成と同様である。
【0030】
基体1は、空洞部12および複数の貫通孔13を有している。空洞部12は、基体1の側面の第1の部位111と第2の部位112の2箇所に開口しているとともに、仮想のy軸方向に形成されている。空洞部12は、搭載部11の直下に位置している。図7において、空洞部12は、基体1を透視した状態で点線によって示されている。空洞部12は、基体1の下面より高い位置に設けられている。
【0031】
複数の貫通孔13は、基体1の上面から空洞部12にかけて形成されている。図7において、複数の貫通孔13は、上下方向に形成されている。複数の導電路2は、複数の貫通孔13内に設けられているとともに、絶縁部材によって基体1に固定されたリードピンである。
【0032】
図8を参照して、本実施形態の光電変換装置における放熱経路について説明する。図8において、サブマウント基板3、光電変換素子4、カバー部材5および集光部材6は省略されている。
【0033】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を有する基体1を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12において媒体によって外部へ伝導される。図8において、空洞部12における媒体による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、空洞部12において、仮想のy軸方向へ伝導される。
【0034】
本実施形態における光電変換装置は、基体1の上面から空洞部12にかけて設けられた複数の導電路2を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、複数の導電路2によって空洞部12へ伝導される。図8において、複数の導電路2による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、複数の導電路2において、仮想のz軸の負方向へ伝導される。
【0035】
本実施形態の光電変換装置において、空洞部12は、基体1の下面より高い位置に設けられていることにより、本実施形態の光電変換装置は、空洞部12における放熱に関して基体1の下方の使用環境による影響が低減されている。
【0036】
図9を参照して、本発明の第3の実施形態における光電変換装置について説明する。図9において、カバー部材5および集光部材6は省略されている。本実施形態における光電変換装置において第1の実施形態における光電変換装置と異なる点は、基体1、複数の導電路2および光電変換素子4の実装構造である。その他の構成は、第1の実施形態における光電変換装置の構成と同様である。
【0037】
基体1は、例えば、セラミックスからなる。基体1は、空洞部12を有している。空洞部12は、基体1の側面の第1の部位111と第2の部位112の2箇所に開口しているとともに、仮想のy軸方向に形成されている。空洞部12は、基体1の下面に設けられているとともに、搭載部11の直下に位置している。図9において、空洞部12は、基体1を透視した状態で点線によって示されている。
【0038】
複数の導電路2は、基体1の上面から基体1の内部にかけて設けられており、一部が空洞部12に接している。複数の導電路2は、複数のビア導体であり、焼成によってセラミックスからなる基体1とともに一体的に形成されている。複数の導電路2は、例えば、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)からなる。
【0039】
光電変換素子4は、基体1に接合されているとともに、複数の導電路2に電気的に接続されている。
【0040】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を有する基体1を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12において媒体によって外部へ伝導される。
【0041】
本実施形態における光電変換装置は、基体1の上面から空洞部12にかけて設けられた複数の導電路2を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、複数の導電路2によって空洞部12へ伝導される。
【0042】
本実施形態における光電変換装置において、複数の導電路2は、焼成によってセラミックスからなる基体1とともに一体的に形成された複数のビア導体であることにより、本実施形態における光電変換装置は、基体1および導電路2における気密性に関して改善されている。従って、本実施形態の光電変換装置は、光電変換効率に関して向上されている。
【0043】
図10および図11を参照して、本発明の第4の実施形態における光電変換装置について説明する。本実施形態における光電変換装置において第1の実施形態における光電変換装置と異なる点は、基体1、導電路2および光電変換素子4の実装構造である。その他の構成は、第1の実施形態における光電変換装置の構成と同様である。
【0044】
基体1は、例えば、銅(Cu)、銅−タングステン(Cu−W)合金、鉄(Fe)、鉄−ニッケル−コバルト(Fe−Ni−Co)合金などの金属材料からなる。基体1は、空洞部12と、貫通孔13とを有している。貫通孔13は、基体1の上面から空洞部12にかけて形成されている。図10において、貫通孔13は、上下方向に形成されている。
【0045】
導電路2は、基体1の上面から基体1の内部にかけて設けられており、一部が空洞部12に接している。導電路2は、貫通孔13内に設けられているとともに、絶縁部材によって基体1に固定されたリードピンである。
【0046】
光電変換素子4は、基体1に接合されているとともに、金属材料からなる基体1に電気的に接続されている。光電変換素子4は、導電路2に電気的に接続されている。
【0047】
図12を参照して、本実施形態の光電変換装置における放熱経路について説明する。
【0048】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を有する基体1を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12において媒体によって外部へ伝導される。図12において、空洞部12における媒体による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、空洞部12において、仮想のy軸方向へ伝導される。
【0049】
本実施形態における光電変換装置は、基体1の上面から空洞部12にかけて設けられた導電路2を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、導電路2によって空洞部12へ伝導される。図12において、導電路2による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、導電路2において、仮想のz軸の負方向へ伝導される。
【0050】
本実施形態の光電変換装置において、光電変換素子4が基体1に接合されていることにより、本実施形態における光電変換装置は、光電変換素子4から空洞部12への熱伝導に関して向上されている。光電変換素子4によって発生された熱は、基体1によって空洞部12へ伝導される。
【0051】
図13を参照して、本実施形態の光電変換装置における端子構造の例について説明する。端子構造は、例えば、基体1に電気的に接続されたフレキシブル配線基板7aと、導電路2に電気的に接続されたフレキシブル配線基板7bを有する構造である。フレキシブル配線基板7aは、基体1の任意の場所と電気的に接続することができるため、基体1の任意の場所に取り付けることができる。従って、本実施形態の光電変換装置は、端子構造の設計の自由度が高い。
【0052】
図14および図15を参照して、本発明の第5の実施形態における光電変換装置について説明する。図14および図15において、カバー部材5および集光部材6は省略されている。本実施形態における光電変換装置において第1の実施形態における光電変換装置と異なる点は、基体1の構造である。その他の構成は、第1の実施形態における光電変換装置の構成と同様である。
【0053】
基体1は、空洞部12および複数の貫通孔13を有している。空洞部12は、基体1の下面の第1の部位111と第2の部位112の2箇所に開口しているとともに、搭載部11の直下に位置している。図14において、空洞部12は、基体1を透視した状態で点線によって示されている。空洞部12は、開口部以外が、基体1の下面より高い位置に設けられている。
【0054】
複数の貫通孔13は基体1の上面から空洞部12にかけて形成されている。図14において、複数の貫通孔13は、上下方向に形成されている。複数の導電路2は、複数の貫通孔13内に設けられているとともに、絶縁部材によって基体1に固定されたリードピンである。
【0055】
図16を参照して、本実施形態の光電変換装置における放熱経路について説明する。図16において、サブマウント基板3、光電変換素子4、カバー部材5および集光部材6は省略されている。
【0056】
本実施形態における光電変換装置は、空洞部12を有する基体1を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、空洞部12において媒体によって外部へ伝導される。図16において、空洞部12における媒体による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、空洞部12において、仮想のy軸方向と仮想のz軸の負方向へ伝導される。
【0057】
本実施形態における光電変換装置は、基体1の上面から空洞部12にかけて設けられた複数の導電路2を含んでいることにより、例えば光電変換素子4によって発生された熱は、複数の導電路2によって空洞部12へ伝導される。図16において、複数の導電路2による熱伝導が、ブロック矢印によって示されている。熱は、複数の導電路2において、仮想のz軸の負方向へ伝導される。
【0058】
本実施形態の光電変換装置において、空洞部12が、基体1の下面の第1の部位111と第2の部位112の2箇所に開口していることにより、光電変換装置から外部への放熱が下方向に集中する。従って、本実施形態の光電変換装置は、下方向への熱の拡散に関して向上されている。例えば、光電変換装置を平面状に複数並べて実装した際に、光電変換装置は、配列方向への熱の影響を抑えることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 基体
12 空洞部
13 貫通孔
2 導電路
3 サブマウント基板
4 光電変換素子
5 カバー部材
6 集光部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子が搭載される搭載部を有する基体を備え、
前記基体は、側面および下面の少なくとも2箇所の部位に開口する空洞部を有していることを特徴とする光電変換装置用部品。
【請求項2】
前記空洞部が、前記基体の側面から下面若しくは前記基体の側面から他の側面にわたり、連続的に開口していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置用部品。
【請求項3】
前記空洞部の少なくとも一部が、前記搭載部の直下に位置していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置用部品。
【請求項4】
少なくとも一部が前記基体の内部に設けられ、一部が前記空洞部と接する導電路をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置用部品。
【請求項5】
前記基体が、金属材料からなるとともに、前記上面から前記空洞部にかけて形成された貫通孔を有しており、
前記導電路が、絶縁部材とともに前記貫通孔内に配置されているリードピンであり、
前記リードピンが前記絶縁部材によって前記基体に固定されていることを特徴とする請求項4に記載の光電変換装置用部品。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載された光電変換装置用部品と、
前記光電変換装置用部品の前記基体に搭載された光電変換素子と、
を備えた光電変換装置。
【請求項7】
請求項5に記載された光電変換装置用部品と、
前記光電変換装置用部品の前記基体に実装されているとともに、前記基体および前記リードピンに電気的に接続された光電変換素子と、
を備えた光電変換装置。
【請求項1】
光電変換素子が搭載される搭載部を有する基体を備え、
前記基体は、側面および下面の少なくとも2箇所の部位に開口する空洞部を有していることを特徴とする光電変換装置用部品。
【請求項2】
前記空洞部が、前記基体の側面から下面若しくは前記基体の側面から他の側面にわたり、連続的に開口していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置用部品。
【請求項3】
前記空洞部の少なくとも一部が、前記搭載部の直下に位置していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置用部品。
【請求項4】
少なくとも一部が前記基体の内部に設けられ、一部が前記空洞部と接する導電路をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置用部品。
【請求項5】
前記基体が、金属材料からなるとともに、前記上面から前記空洞部にかけて形成された貫通孔を有しており、
前記導電路が、絶縁部材とともに前記貫通孔内に配置されているリードピンであり、
前記リードピンが前記絶縁部材によって前記基体に固定されていることを特徴とする請求項4に記載の光電変換装置用部品。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載された光電変換装置用部品と、
前記光電変換装置用部品の前記基体に搭載された光電変換素子と、
を備えた光電変換装置。
【請求項7】
請求項5に記載された光電変換装置用部品と、
前記光電変換装置用部品の前記基体に実装されているとともに、前記基体および前記リードピンに電気的に接続された光電変換素子と、
を備えた光電変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−114280(P2011−114280A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271476(P2009−271476)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]