説明

光電気配線基板及び電子部品の実装体

【課題】光導波路を形成するための層を設けることなく、光信号の伝送と電気信号の伝送の両方を行うことができる光電気配線基板を提供する。
【解決手段】電気絶縁性基材(10)を厚み方向に貫通するように形成されたビアホール(15)の内周面に電気信号を伝送可能な導電層(16)を設け、当該導電層(16)の内側に光信号を伝送可能な光透過材(14)を充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号の伝送と電気信号の伝送の両方を行う光電気配線基板、及び当該基板を備える電子部品の実装体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のエレクトロニクス機器の高速化、高機能化に伴ってLSIやメモリ間のデータ伝送速度は数十GHzにまで高速化してきている。従来、LSIやメモリ間を繋ぐ配線としては、電気信号を通す金属導体が用いられ、データ信号は電気信号に変換されて金属導体により伝送されている。
【0003】
信号伝送の手段として金属導体を用いた場合、信号の周波数が数GHzになると、電流が金属導体の内部には流れなくなり金属導体の表面を流れるようになる。このような現象は、表皮効果と呼ばれている。このような現象が発生した場合、電流が流れる断面積が小さくなるため、抵抗が大きくなり、電気信号に損失が生じて、伝送する信号の波形が悪くなるという問題が生じる。信号の波形が悪くなると、消費電流が増加したり、伝送距離を長くできないなどの課題が生じる。従って、信号伝送の手段として金属導体を用いた場合には、数十GHz以上の高速化に対応することが困難である。
【0004】
そこで、近年、数十GHz以上の信号伝送を行う方法として、電気信号を光信号に変換して伝送する光伝送技術が注目されている。この光伝送技術によれば、信号の損失を抑えて、信号伝送距離を長くすることができ、消費電力を少なくすることができる。この光伝送技術は、機器間や機器に搭載された基板間、あるいは基板に搭載された回路素子間において採用されてきている。
【0005】
光伝送技術を採用した電子部品の実装体として、例えば、図10に示す構造のものが知られている(例えば、特許文献1:特開2006−178001号公報参照)。
【0006】
図10に示す従来の電子部品の実装体は、多層プリント配線基板100の表面に実装した発光素子110と受光素子120の下方にそれぞれ光信号伝送用光路111,121を設け、当該光路111,121内に光路部材112,122及び光路変換部材113,123を設けた構造を有している。光路変換部材113,123は、光路変換ミラー113a,123aを備えている。
【0007】
従来の電子部品の実装体において、発光素子110から出射された光信号は、光路部材112を通じて光変換部材113に入射し、光路変換ミラー113aで反射される。光路変換ミラー113aで反射された光信号は、多層プリント配線基板100に設けられた光導波路130を通じて光路変換部材123に入射し、光路変換ミラー123aで反射される。光路変換ミラー123aで反射された光信号は、光路変換部材123の内部及び光路部材122を通じて受光素子120に受光される。従来の電子部品の実装体では、このようにして光信号の伝送が行われる。なお、電気信号は、多層プリント配線基板100に形成された金属導体である配線パターン140により伝送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−178001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来の電子部品の実装体においては、光信号の伝送のために、多層プリント配線基板100に光導波路130を形成するための層を別途設ける必要がある。これに起因して、従来の電子部品の実装体では、製造コストが高く、基板の厚みが厚くなるなど、様々な課題がある。
【0010】
従って、本発明の目的は、前記従来の課題を解決することにあって、光導波路を形成するための層を設けることなく、光信号の伝送と電気信号の伝送の両方を行うことができる光電気配線基板及び当該基板を備える電子部品の実装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、電気絶縁性基材と、
前記電気絶縁性基材の一方の主面に設けられた第1の配線パターンと、
前記電気絶縁性基材の他方の主面に設けられた第2の配線パターンと、
前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとを電気的に接続するビアと、
前記ビアの少なくとも一部に充填された光透過材と、
を有し、
前記ビアは、前記電気絶縁性基材を厚み方向に貫通するように形成されたビアホールの内周面に導電層を有し、
前記光透過材は、前記導電層の内側に充填されている、
光電気配線基板を提供する。
【0012】
本発明の第2態様によれば、前記光透過材の表面が球面である、第1態様に記載の光電気配線基板を提供する。
【0013】
本発明の第3態様によれば、前記ビアは、前記電気絶縁性基材の他方の主面上に、前記第2の配線パターンよりも厚みが厚いランド部を有する、第1又は2態様に記載の光電気配線基板を提供する。
【0014】
本発明の第4態様によれば、第1〜3態様のいずれか1つに記載の光電気配線基板と、
前記光透過材を通じて光信号を伝送するように前記電気絶縁性基材の一方の主面に配置された光素子と、
を有する、電子部品の実装体を提供する。
【0015】
本発明の第5態様によれば、第1の電気絶縁性基材と、前記第1の電気絶縁性基材の一方の主面に設けられた第1の配線パターンと、前記第1の電気絶縁性基材の他方の主面に設けられた第2の配線パターンと、前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとを電気的に接続する第1のビアと、前記第1のビアの少なくとも一部に充填された第1の光透過材とを有し、前記第1のビアが前記第1の電気絶縁性基材を厚み方向に貫通するように形成された第1のビアホールの内周面に第1の導電層を有し、前記第1の光透過材が前記第1の導電層の内側に充填された、第1の光電気配線基板と、
前記第1の光透過材を通じて光信号を伝送するように前記第1の電気絶縁性基材の一方の主面に配置された第1の光素子と、
第2の電気絶縁性基材と、前記第2の電気絶縁性基材の一方の主面に設けられた第3の配線パターンと、前記第2の電気絶縁性基材の他方の主面に設けられた第4の配線パターンと、前記第3の配線パターンと前記第4の配線パターンとを電気的に接続する第2のビアと、前記第1のビアの少なくとも一部に充填された第2の光透過材とを有し、前記第2のビアが前記第2の電気絶縁性基材を厚み方向に貫通するように形成された第2のビアホールの内周面に第2の導電層を有し、前記第2の光透過材が前記第2の導電層の内側に充填された、第2の光電気配線基板と、
前記第2の光透過材を通じて光信号を伝送するように前記第2の電気絶縁性基材の他方の主面に配置された第2の光素子と、
を備え、
前記第1の光電気配線基板と前記第2の光電気配線基板とは、前記第1の光透過材と前記第2の光透過材とが互いに対向するように対向配置され、
前記第2の配線パターンと前記第3の配線パターンとは、接着部材により電気的且つ機械的に接続されている、電子部品の実装体を提供する。
【0016】
本発明の第6態様によれば、前記第1の光素子と前記第2の光素子とは、前記第1の光透過材と前記第2の光透過材とを通じて互いの間で光信号を伝送するように配置されている、第5態様に記載の電子部品の実装体を提供する。
【0017】
本発明の第7態様によれば、前記第1のビアは、前記第1の電気絶縁性基材の他方の主面上に第1のランド部を有し、
前記第2のビアは、前記第2の電気絶縁性基材の一方の主面上に第2のランド部を有し、
前記第1のランド部と前記第2のランド部とは、前記第1の光透過材と前記第2の光透過材との対向領域に貫通穴が設けられた環状のはんだにより電気的且つ機械的に接続されている、
第5又は6態様に記載の電子部品の実装体を提供する。
【0018】
本発明の第8態様によれば、前記第1のビアは、前記第1の電気絶縁性基材の他方の主面上に、前記第2の配線パターンよりも厚みが厚い第1のランド部を有し、
前記第2のビアは、前記第2の電気絶縁性基材の一方の主面上に、前記第3の配線パターンよりも厚みが厚い第2のランド部を有する、
第5又は6態様に記載の電子部品の実装体を提供する。
【0019】
本発明の第9態様によれば、前記第1又は第2の光透過材の少なくとも一方は、アクリル系の樹脂である、第5〜8態様のいずれか1つに記載の電子部品の実装体を提供する。
【0020】
本発明の第10態様によれば、前記第1及び第2の光透過材の互いの対向面が平坦である、第5〜9態様のいずれか1つに記載の電子部品の実装体を提供する。
【0021】
本発明の第11態様によれば、前記第1及び第2の光透過材の互いの対向面が球面である、第5〜9態様のいずれか1つに記載の電子部品の実装体を提供する。
【0022】
本発明の第12態様によれば、前記第1及び第2の光素子は、光信号の出射部又は入射部が前記第1又は第2の光透過材に接するように配置されている、第5〜11態様のいずれか1つに記載の電子部品の実装体を提供する。
【0023】
本発明の第13態様によれば、第1の電気絶縁性基材と、前記第1の電気絶縁性基材の一方の主面に設けられた第1の配線パターンと、前記第1の電気絶縁性基材の他方の主面に設けられた第2の配線パターンと、前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとを電気的に接続する第1のビアとを有し、前記第1のビアが前記第1の電気絶縁性基材を厚み方向に貫通するように形成された第1のビアホールの内周面に第1の導電層を有する、第1の光電気配線基板と、
前記第1の電気絶縁性基材の一方の主面に配置された第1の光素子と、
第2の電気絶縁性基材と、前記第2の電気絶縁性基材の一方の主面に設けられた第3の配線パターンと、前記第2の電気絶縁性基材の他方の主面に設けられた第4の配線パターンと、前記第3の配線パターンと前記第4の配線パターンとを電気的に接続する第2のビアとを有し、前記第2のビアが前記第2の電気絶縁性基材を厚み方向に貫通するように形成された第2のビアホールの内周面に第2の導電層を有する、第2の光電気配線基板と、
前記第2の電気絶縁性基材の他方の主面に配置された第2の光素子と、
を備え、
前記第1の光電気配線基板と前記第2の光電気配線基板とは、前記第1のビアと第2のビアとが互いに対向するように対向配置され、
前記第2の配線パターンと前記第3の配線パターンとは、接着部材により電気的且つ機械的に接続され、
前記第1のビアは、前記第1の電気絶縁性基材の他方の主面上に第1のランド部を有し、
前記第2のビアは、前記第2の電気絶縁性基材の一方の主面上に第2のランド部を有し、
前記第1のランド部と前記第2のランド部とは、環状のはんだにより電気的且つ機械的に接続され、
前記第1の光素子と前記第2の光素子とは、前記第1のビアホール内における前記第1の導電層の内側の空間と、前記環状のはんだの貫通穴と、前記第2のビアホール内における前記第2の導電層の内側の空間を通じて、互いの間で光信号を伝送するように配置されている、電子部品の実装体を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の第1態様にかかる光電気配線基板によれば、光導波路を形成するための層を設けることなく、ビアが有する導電層により電気信号を伝送し、ビアに充填した光透過材により光信号を伝送することができる。従って、製造コストの低減や基板の薄型化などを実現することができる。
【0025】
本発明の第5態様にかかる電子部品の実装体によれば、光導波路を形成するための層を設けることなく、第1及び第2のビアが有する第1及び第2の導電層により電気信号を伝送し、第1及び第2のビアに充填した第1及び第2光透過材により光信号を伝送することができる。従って、製造コストの低減や基板の薄型化などを実現することができる。
【0026】
本発明の第13態様にかかる電子部品の実装体によれば、光導波路を形成するための層を設けることなく、第1及び第2のビアが有する第1及び第2の導電層により電気信号を伝送し、第1のビアホール内における第1の導電層の内側の空間と、環状のはんだの貫通穴と、第2のビアホール内における第2の導電層の内側の空間を通じて、光信号を伝送することができる。従って、製造コストの低減や基板の薄型化などを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる光電気配線基板の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態にかかる電子部品の実装体の変形例を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の第4実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の第5実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の第6実施形態にかかる光電気配線基板の構成を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の第7実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の第8実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。
【図10】従来の電子部品の実装体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の全ての図において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0029】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる光電気配線基板の構造を模式的に示す断面図である。図1において、本第1実施形態にかかる光電気配線基板1は、電気絶縁性基材10を備えている。
【0030】
電気絶縁性基材10の一方の主面には、第1の配線パターン11が形成されている。電気絶縁性基材10の他方の主面には、第2の配線パターン12が形成されている。また、電気絶縁性基材10には、第1の配線パターン11と第2の配線パターン12とを電気的に接続する複数のビア13が形成されている。複数のビア13の少なくとも1つには、光信号を伝送可能な光透過材14が充填されている。
【0031】
ビア13は、電気絶縁性基材10を厚み方向に貫通するように形成されたビアホール15の内周面に電気信号を伝送可能な導電層16を有している。導電層16は、例えば、ビアホール15の内周面にめっきされた筒状の金属導体の層である。光透過材14は、ビアホール15内において導電層16の内側に充填されている。光透過材14は、例えば、円柱形に形成されている。
【0032】
次ぎに、光電気配線基板1の各部材の好ましい材料等について説明する。
【0033】
電気絶縁性基材10としては、特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の基板を用いることができる。例えば、電気絶縁性基材10として、ガラス織物にエポキシ樹脂を含浸された基板(ガラス―エポキシ基板)、アラミド繊維不織布にエポキシ樹脂を含浸させた基板(アラミド―エポキシ基板)、紙にフェノール樹脂を含浸させた基板(紙―フェノール基板)、多孔質のフィルム基材に未硬化のエポキシ樹脂を空孔が残るように含浸させたフィルム基材を使ったフレキシブル基板、セラミックス基板などを用いることができる。また、図1には図示されていないが、電気絶縁性基材10の最外層にはソルダーレジスト層が形成されていてもよい。また、電気絶縁性基材10は、多層配線プリント基板であってもよい。
【0034】
また、電気絶縁性基材10は、フィラーと絶縁性樹脂との混合物により構成されてもよい。この場合、フィラー及び絶縁性樹脂の材料を適宜選択することによって、電気絶縁性基材10の線膨張係数、熱伝導度、誘電率などを容易に制御することができる。
【0035】
フィラーとしては、例えば、アルミナ、マグネシア、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化珪素、ポリテトラフルオロエチレン、及びシリカなどを用いることができる。フィラーとしてシリカを用いた場合、誘電率が低い電気絶縁性基材を得ることができる。また、当該電気絶縁性基材は、比重が軽くなるため、高周波用途に好適に使用することができる。また、フィラーとして窒化珪素やポリテトラフルオロエチレン(例えば、”テフロン”(デュポン社の登録商標))を用いても、誘電率が低い電気絶縁性基材を得ることができる。
【0036】
絶縁性樹脂としては、誘電正接の低いフッ素樹脂、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)、PPO(ポリフェニレンオキサイド樹脂)(PPE(ポリフェニレンエーテル樹脂)ともいう)、液晶ポリマーを含むもしくはそれらの樹脂を変性させた樹脂を用いることが好ましい。この場合、電気絶縁性基材10の高周波特性を向上させることができる。
【0037】
また、電気絶縁性基材10には、分散剤、着色剤、カップリング剤、又は離型剤が含まれてもよい。電気絶縁性基材10が分散剤を含むことによって、絶縁性樹脂中のフィラーをより均一に分散させることができる。また、電気絶縁性基材10が着色剤を含むことによって、電気絶縁性基材10を着色することができるため、自動認識装置の利用が容易となる。また、電気絶縁性基材10がカップリング剤を含むことによって、絶縁性樹脂とフィラーとの接着強度を高くすることができるため、電気絶縁性基材10の絶縁性を向上させることができる。
【0038】
第1及び第2の配線パターン11,12は、電気伝導性を有する物質、例えば、金属箔や、導電性樹脂組成物、金属板を加工したリードフレームにより形成することができる。第1及び第2の配線パターン11,12を金属箔やリードフレームにより形成する場合、例えば、金属箔やリードフレームをエッチングすることにより、微細な配線パターンを容易に形成することができる。また、第1及び第2の配線パターン11,12の形成は、パターンニングした離型フィルム上の金属箔を電気絶縁性基材10に転写することにより行うこともできる。この場合、配線パターンの取扱いが容易である。また、第1及び第2の配線パターン11,12の形成は、導電性樹脂組成物をスクリーン印刷することにより行うこともできる。
【0039】
金属箔としては、銅箔を用いることが好ましい。銅箔には、コストが安く、電気伝導性が高いという利点がある。また、第1及び第2の配線パターン11,12をリードフレームにより形成する場合、当該リードフレームとして、電気抵抗が低く、厚みのある金属を使用することができる。また、第1及び第2の配線パターン11,12の表面には、めっき処理を行うことが好ましい。これにより、耐食性や電気伝導性を向上させることができる。
【0040】
ビア13の導電層16としては、例えば、金、銀、銅、又はニッケルなどの金属導体を用いることができる。
【0041】
光透過材14としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、UV硬化樹脂等の光硬化性樹脂などを用いることができる。熱硬化性及び光硬化性の樹脂を用いた場合、その材料として、ポリイミド樹脂、フッ素系樹脂、及び耐熱性エポキシ樹脂が挙げられる。また、光透過材14の材料は、アクリル系の樹脂であってもよい。また、光透過材14の材料として、熱硬化性樹脂とUV硬化性樹脂との混合物を用いてもよい。このような混合物に光を照射した場合、UV硬化性樹脂の硬化反応が開始して前記混合物が半硬化し、前記硬化反応により生じる反応熱により熱硬化性樹脂の硬化が促進されて前記混合物が本硬化する。すなわち、光透過材14の材料として前記混合物を用いた場合には、製造プロセスを簡略化することができる。なお、オーブン等を用いて前記混合物の本硬化を行うようにてもよい。これにより、信頼性を高めることができる。また、光透過材14の材料が熱硬化性樹脂である場合、樹脂の硬化温度は低温であることが好ましい。これにより基板に反りを発生させずに光路を形成した基板を提供することができる。また、光透過材14には、前記樹脂成分以外に、光透過材14が伝送する光信号の波長よりも小さい粒子径の微粒子を混ぜてもよい。これにより、光透過材14の屈折率と線膨張係数をコントロールすることができる。なお、光透過材14の屈折率は1.5以下であることが好ましく、線膨張係数は電気絶縁性基材10と同等であることが好ましい。
【0042】
本第1実施形態にかかる光電気配線基板1によれば、光導波路を形成するための層を設けることなく、ビア13が有する導電層16により電気信号(例えば、数KHz〜数百MHzの信号)を伝送し、ビア13に充填した光透過材14により光信号(例えば、数十GHzの高速信号)を伝送することができる。従って、製造コストの低減や基板の薄型化などを実現することができる。
【0043】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態にかかる電子部品の実装体の構造を模式的に示す断面図である。
【0044】
本第2実施形態にかかる電子部品の実装体2は、前記第1実施形態にかかる光電気配線基板1と、光透過材14を通じて光信号を伝送するように電気絶縁性基材10の一方の主面に配置された光素子21とを備えている。
【0045】
光素子21は、電気信号を光信号に変換し出射するか、あるいは、光信号を受光して電気信号に変換するように構成されている。光素子21としては、例えば、半導体レーザや発光ダイオードなどの発光素子、あるいはフォトダイオードなどの受光素子を用いることができる。
【0046】
本第2実施形態にかかる電子部品の実装体2によれば、光導波路を形成するための層を設けることなく、ビア13が有する導電層16により電気信号を伝送し、ビア13に充填した光透過材14により光信号を伝送することができる。従って、製造コストの低減や基板の薄型化などを実現することができる。
【0047】
なお、光素子21は、光信号の出射部又は入射部21aが光透過材14に接するように配置されることが好ましい。これにより、光信号の拡散を抑えて、信号伝送距離を長くすることが可能になる。また、光素子21は、チャネル数が1チャンネルのものに限定されるものではなく、複数のチャンネルを有するものであってもよい。
【0048】
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。
【0049】
本第3実施形態にかかる電子部品の実装体3は、第1の光電気配線基板1Aと、第2の光電気配線基板1Bとを備えている。第1の光電気配線基板1Aと第2の光電気配線基板1Bとは、前記第1実施形態にかかる光電気配線基板1と同様の構成を有している。
【0050】
より具体的には、第1の光電気配線基板1Aは、第1の電気絶縁性基材30を備えている。第1の電気絶縁性基材30の一方の主面には、第1の配線パターン31が形成されている。第1の電気絶縁性基材30の他方の主面には、第2の配線パターン32が形成されている。また、第1の電気絶縁性基材30には、第1の配線パターン31と第2の配線パターン32とを電気的に接続する複数の第1のビア33が形成されている。複数の第1のビア33の少なくとも1つには、光信号を伝送可能な第1の光透過材34が充填されている。
【0051】
第1のビア33は、第1の電気絶縁性基材30を厚み方向に貫通するように形成された第1のビアホール35の内周面に電気信号を伝送可能な第1の導電層36を有している。第1の導電層36は、例えば、第1のビアホール35の内周面にめっきされた筒状の金属導体の層である。第1の光透過材34は、第1のビアホール35内において第1の導電層36の内側に充填されている。第1の光透過材34は、例えば、円柱形に形成されている。
【0052】
第2の光電気配線基板1Bは、第2の電気絶縁性基材40を備えている。第2の電気絶縁性基材40の一方の主面には、第3の配線パターン41が形成されている。第2の電気絶縁性基材40の他方の主面には、第4の配線パターン42が形成されている。また、第2の電気絶縁性基材40には、第3の配線パターン41と第4の配線パターン42とを電気的に接続する複数の第2のビア43が形成されている。複数の第2のビア43の少なくとも1つには、光信号を伝送可能な第2の光透過材44が充填されている。
【0053】
第2のビア43は、第2の電気絶縁性基材40を厚み方向に貫通するように形成された第2のビアホール45の内周面に電気信号を伝送可能な第2の導電層46を有している。第2のビア43は、第2の導電層46により電気信号を伝送することができる。第2の導電層46は、例えば、第2のビアホール45の内周面にめっきされた筒状の金属導体の層である。第2の光透過材44は、第2のビアホール45内において第2の導電層46の内側に充填されている。また、第2の光透過材44は、例えば、円柱形に形成されている。
【0054】
第1の電気絶縁性基材30の一方の主面には、第1の光素子51が第1の光透過材34を通じて光信号を伝送するように配置されている。第2の電気絶縁性基材40の他方の主面には、第2の光素子52が第2の光透過材44を通じて光信号を伝送するように配置されている。
【0055】
第1の光素子51と第2の光素子52とは、光素子31と同様に構成されている。第1の光素子51及び第2の光素子52のいずれか一方は、半導体レーザや発光ダイオードなどの発光素子であり、いずれか他方は、フォトダイオードなどの受光素子である。ここでは、説明の便宜上、第1の光素子51が発光素子であり、第2の光素子52が受光素子であるものとする。第1の光素子51は、好ましくは、光信号の出射部51aが光透過材34に接するように配置されている。第2の光素子52は、好ましくは、光信号の入射部52aが光透過材44に接するように配置されている。
【0056】
第1の光電気配線基板1Aと第2の光電気配線基板1Bとは、第1の光透過材34と第2の光透過材44とが互いに対向するように対向配置されている。第2の配線パターン32と第3の配線パターン42とは、接着部材の一例であるはんだボール61により電気的且つ機械的に接続されている。
【0057】
第1のビア33は、第1の電気絶縁性基材30の他方の主面上に第1のランド部36aを有している。第1のランド部36aは、第1の導電層36の端部を延長して形成されている。第2のビア43は、第2の電気絶縁性基材40の一方の主面上に第2のランド部46aを有している。第2のランド部46aは、第2の導電層46の端部を延長して形成されている。
【0058】
第1のランド部36aと第2のランド部46aとは、第1の光透過材34と第2の光透過材44との対向領域に貫通穴62aが設けられた環状のはんだ62により電気的且つ機械的に接続されている。第1及び第2の光透過材34,44と貫通穴62aは、第1及び第2の電気絶縁性基材30,40の厚み方向に整列している。第1の光素子51と第2の光素子52とは、第1及び第2の光透過材34,44とを通じて互いの間で光信号を伝送するように配置されている。
【0059】
本第3実施形態にかかる電子部品の実装体3によれば、第1のビア33が有する第1の導電層36及び第2のビア43が有する第2の導電層46により電気信号を伝送することができる。また、第1の光素子51の出射部51aから出射された光信号を第1及び第2の光透過材34,44を通じて第2の光素子52の入射部52aに伝送することができる。すなわち、本第3実施形態にかかる電子部品の実装体3によれば、光導波路を形成するための層を設けることなく、電気信号と光信号の両方の伝送を行うことができる。従って、製造コストの低減や基板の薄型化などを実現することができる。
【0060】
また、図10に示す従来の電子部品の実装体では、光信号の伝送のために、光路部材112,122及び光路変換部材113,123を正確に位置決め(光軸合わせ)する必要があり、当該位置決めの作業が煩雑であるという課題がある。
【0061】
これに対して、本第3実施形態にかかる電子部品の実装体3によれば、第1のランド部36aと第2のランド部46aとの接続にはんだ62を用いることにより、はんだ62のセルフアライメント作用により、光信号伝送用光路となる第1の光透過材34と貫通穴62aと第2の光透過材44の位置決め(光軸合わせ)を容易に行うことができる。
【0062】
また、本第3実施形態にかかる電子部品の実装体3によれば、第1のランド部36aと第2のランド部46aとを環状のはんだ62で接続することにより、前記光信号伝送用光路を密閉することができる。これにより、接続強度を確保しつつ、前記光信号伝送用光路にゴミや埃が侵入することを防ぐことができる。また、光信号が拡散して前記光信号伝送用光路から外れることを防ぐことができる。これにより、数十GHz以上の信号伝送を実現することができる。
【0063】
なお、前記では、第1のランド部36aと第2のランド部46aとを環状のはんだ62で接続するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図4に示すように、光透過性を有する接着部材63により、第1のランド部36aと第2のランド部46aとを接続するようにしてもよい。
【0064】
(第4実施形態)
図5は、本発明の第4実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。本第4実施形態にかかる電子部品の実装体4が、図2に示す前記第2実施形態にかかる電子部品の実装体2と異なる点は、ビア13が有するランド部16aの厚みが第2の配線パターン12の厚みよりも厚くなっている点である。ランド部16aは、電気絶縁性基材10の他方の主面上に導電層16の端部を延長して形成された部分である。
【0065】
本第4実施形態にかかる電子部品の実装体4によれば、ランド部16aの厚みを厚くすることにより、光素子21から出射される、あるいは光素子21に入射する光信号の光路を長くすることができ、光信号が散乱することを抑制することができる。
【0066】
(第5実施形態)
図6は、本発明の第5実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。本第5実施形態にかかる電子部品の実装体5が、図3に示す前記第3実施形態にかかる電子部品の実装体3と異なる点は、第1のランド部36aと第2のランド部46aとが環状のはんだ62で接続されず、第1のランド部36aの厚みが第2の配線パターン32の厚みよりも厚く、且つ、第2のランド部46aの厚みが第3の配線パターン41の厚みよりも厚くなっている点である。
【0067】
本第5実施形態にかかる電子部品の実装体5によれば、第1及び第2のランド部36a,46aの厚みを厚くすることにより、第1及び第2光透過材34,44間で伝送される光信号が、第1のランド部36aと第2のランド部46aとの隙間を通じて外部に拡散することを抑えることができる。これにより、数十GHz以上の信号伝送を実現することができる。
【0068】
なお、本第5実施形態にかかる電子部品の実装体5においては、第1の光透過材34と第2の光透過材44との距離をできる限り短く(例えば、200μm以下)することが好ましい。これにより、光信号が外部に拡散することをより一層抑えることができる。
【0069】
また、前記では、第1のランド部36aと第2のランド部46aとの間に隙間があるものとしたが、第1のランド部36aと第2のランド部46aとは接触していてもよい。これにより、光信号が外部に拡散することをより一層抑えることができる。但し、この場合、第1の導電層36と第2の導電層46とが導通することになる。第1の導電層36と第2の導電層46とが導通することを望まない場合には、例えば、第1の導電層36と第2の導電層46との間に絶縁部材を配置すればよい。このような構成であっても、光信号が外部に拡散することをより一層抑えることができる。
【0070】
(第6実施形態)
図7は、本発明の第6実施形態にかかる光電気配線の構成を模式的に示す断面図である。本第6実施形態にかかる光電気配線基板6が、図1に示す前記第1実施形態にかかる光電気配線基板1と異なる点は、光透過材14の表面が球状である点である。
【0071】
本第6実施形態にかかる電子部品の実装体6によれば、光透過材14の表面が球状になっているので、当該表面が光信号を集光するレンズとして機能することができる。これにより、光信号が散乱することを抑えることができる。なお、光透過材14の表面を球状に形成することは、ビアホール15の直径が通常の範囲(100〜300μm程度)であれば、光透過材14を射出成形する際に生じる表面張力を利用することにより容易に行うことができる。
【0072】
(第7実施形態)
図8は、本発明の第7実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。本第7実施形態にかかる電子部品の実装体7が、図6に示す前記第5実施形態にかかる電子部品の実装体5と異なる点は、第1及び第2の光透過材34,44の互いの対向面が球状である点である。
【0073】
本第7実施形態にかかる電子部品の実装体7によれば、第1及び第2の光透過材34,44の互いの対向面が球状になっているので、当該対向面が光信号を集光するレンズとして機能することができる。これにより、第1及び第2光透過材34,44間で伝送される光信号が、第1のランド36aと第2のランド46aとの隙間を通じて外部に拡散することを抑えることができる。これにより、数十GHz以上の信号伝送を実現することができる。
【0074】
なお、第1及び第2の光透過材34,44の互いの対向面を球状に形成することは、第1及び第2の光透過材34,44を射出成形する際に生じる表面張力を利用することにより容易に行うことができる。但し、第1の光透過材34と第2の光透過材44との距離が長い場合には、第1及び第2の光透過材34,44の互いの対向面のレンズとして機能を高めることが望ましいと考えられる。この場合、第1及び第2の光透過材34,44の互いの対向面の曲率を調整するなどの高精度な加工が別途必要になる。
【0075】
これに対して、図5に示す電子部品の実装体5のように、第1及び第2の光透過材34,44の互いの対向面を平坦にした場合には、加工が容易であり、製品毎のバラツキを抑えることができる。
【0076】
なお、前記では、第1及び第2の光透過材34,44の互いの対向面が球状又は平坦である場合について説明したが、第1及び第2の光透過材34,44のいずれか一方の対向面が球状であり、いずれか他方の対向面が平坦であってもよい。
【0077】
(第8実施形態)
図9は、本発明の第8実施形態にかかる電子部品の実装体の構成を模式的に示す断面図である。本第8実施形態にかかる電子部品の実装体8が、図3に示す前記第3実施形態にかかる電子部品の実装体3と異なる点は、第1及び第2の光透過材34,44が設けられていない点である。すなわち、第1の光素子51と第2の光素子52とは、第1の導電層36の内側の空間とはんだの貫通穴62aと第2の導電層46の内側の空間を通じて、互いの間で光信号を伝送するように配置されている、
【0078】
本第8実施形態にかかる電子部品の実装体8によれば、第1のランド部36aと第2のランド部46aとを環状のはんだ62で接続することにより、光信号伝送用光路となる第1の導電層36の内側の空間と貫通穴62aと第2の導電層46の内側の空間を密閉することができるので、光信号が拡散して光信号伝送用光路から外れることを防ぐことができる。これにより、第1及び第2の光透過材34,44を設けなくとも、従来よりも高速な光信号の伝送を実現することができる。また、第1及び第2の光透過材34,44を設けないので、製造コストを低減することができる。
【0079】
なお、前記では、光伝送用光路に第1及び第2の光透過材34,44を設けない構造(すなわち、空洞)としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、当該光伝送用光路全体に単一の光透過材を充填するようにしてもよい。この場合、空気層がないので、より一層高速な光信号の伝送を実現することができる。
【0080】
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明にかかる光電気配線基板及び電子部品の実装体は、光導波路を形成するための層を設けることなく、光信号の伝送と電気信号の伝送の両方を行うことができるので、低コスト化や小型化が求められる光電気配線基板及び電子部品の実装体として有用である。
【符号の説明】
【0082】
1,7 光電気配線基板
1A 第1の光電気配線基板
1B 第2の光電気配線基板
2,3,4,5,6,8 電子部品の実装体
10 電気絶縁性基材
11 第1の配線パターン
12 第2の配線パターン
13 ビア
14 光透過材
15 ビアホール
16 導電層
16a ランド部
21 光素子
30 第1の電気絶縁性基材
31 第1の配線パターン
32 第2の配線パターン
33 第1のビア
34 第1の光透過材
35 第1のビアホール
36 第1の導電層
36a 第1のランド部
40 第2の電気絶縁性基材
41 第3の配線パターン
42 第4の配線パターン
43 第2のビア
44 第2の光透過材
45 第2のビアホール
46 第2の導電層
46a 第2のランド部
51 第1の光素子
52 第2の光素子
61 はんだボール
62 環状のはんだ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁性基材と、
前記電気絶縁性基材の一方の主面に設けられた第1の配線パターンと、
前記電気絶縁性基材の他方の主面に設けられた第2の配線パターンと、
前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとを電気的に接続するビアと、
前記ビアの少なくとも一部に充填された光透過材と、
を有し、
前記ビアは、前記電気絶縁性基材を厚み方向に貫通するように形成されたビアホールの内周面に導電層を有し、
前記光透過材は、前記導電層の内側に充填されている、
光電気配線基板。
【請求項2】
前記光透過材の表面が球状である、請求項1に記載の光電気配線基板。
【請求項3】
前記ビアは、前記電気絶縁性基材の他方の主面上に、前記第2の配線パターンよりも厚みが厚いランド部を有する、請求項1又は2に記載の光電気配線基板。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光電気配線基板と、
前記光透過材を通じて光信号を伝送するように前記電気絶縁性基材の一方の主面に配置された光素子と、
を有する、電子部品の実装体。
【請求項5】
第1の電気絶縁性基材と、前記第1の電気絶縁性基材の一方の主面に設けられた第1の配線パターンと、前記第1の電気絶縁性基材の他方の主面に設けられた第2の配線パターンと、前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとを電気的に接続する第1のビアと、前記第1のビアの少なくとも一部に充填された第1の光透過材とを有し、前記第1のビアが前記第1の電気絶縁性基材を厚み方向に貫通するように形成された第1のビアホールの内周面に第1の導電層を有し、前記第1の光透過材が前記第1の導電層の内側に充填された、第1の光電気配線基板と、
前記第1の光透過材を通じて光信号を伝送するように前記第1の電気絶縁性基材の一方の主面に配置された第1の光素子と、
第2の電気絶縁性基材と、前記第2の電気絶縁性基材の一方の主面に設けられた第3の配線パターンと、前記第2の電気絶縁性基材の他方の主面に設けられた第4の配線パターンと、前記第3の配線パターンと前記第4の配線パターンとを電気的に接続する第2のビアと、前記第1のビアの少なくとも一部に充填された第2の光透過材とを有し、前記第2のビアが前記第2の電気絶縁性基材を厚み方向に貫通するように形成された第2のビアホールの内周面に第2の導電層を有し、前記第2の光透過材が前記第2の導電層の内側に充填された、第2の光電気配線基板と、
前記第2の光透過材を通じて光信号を伝送するように前記第2の電気絶縁性基材の他方の主面に配置された第2の光素子と、
を備え、
前記第1の光電気配線基板と前記第2の光電気配線基板とは、前記第1の光透過材と前記第2の光透過材とが互いに対向するように対向配置され、
前記第2の配線パターンと前記第3の配線パターンとは、接着部材により電気的且つ機械的に接続されている、電子部品の実装体。
【請求項6】
前記第1の光素子と前記第2の光素子とは、前記第1の光透過材と前記第2の光透過材とを通じて互いの間で光信号を伝送するように配置されている、請求項5に記載の電子部品の実装体。
【請求項7】
前記第1のビアは、前記第1の電気絶縁性基材の他方の主面上に第1のランド部を有し、
前記第2のビアは、前記第2の電気絶縁性基材の一方の主面上に第2のランド部を有し、
前記第1のランド部と前記第2のランド部とは、前記第1の光透過材と前記第2の光透過材との対向領域に貫通穴が設けられた環状のはんだにより電気的且つ機械的に接続されている、
請求項5又は6に記載の電子部品の実装体。
【請求項8】
前記第1のビアは、前記第1の電気絶縁性基材の他方の主面上に、前記第2の配線パターンよりも厚みが厚い第1のランド部を有し、
前記第2のビアは、前記第2の電気絶縁性基材の一方の主面上に、前記第3の配線パターンよりも厚みが厚い第2のランド部を有する、
請求項5又は6に記載の電子部品の実装体。
【請求項9】
前記第1又は第2の光透過材の少なくとも一方は、アクリル系の樹脂である、請求項5〜8のいずれか1つに記載の電子部品の実装体。
【請求項10】
前記第1及び第2の光透過材の互いの対向面が平坦である、請求項5〜9のいずれか1つに記載の電子部品の実装体。
【請求項11】
前記第1及び第2の光透過材の互いの対向面が球状である、請求項5〜9のいずれか1つに記載の電子部品の実装体。
【請求項12】
前記第1及び第2の光素子は、光信号の出射部又は入射部が前記第1又は第2の光透過材に接するように配置されている、請求項5〜11のいずれか1つに記載の電子部品の実装体。
【請求項13】
第1の電気絶縁性基材と、前記第1の電気絶縁性基材の一方の主面に設けられた第1の配線パターンと、前記第1の電気絶縁性基材の他方の主面に設けられた第2の配線パターンと、前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとを電気的に接続する第1のビアとを有し、前記第1のビアが前記第1の電気絶縁性基材を厚み方向に貫通するように形成された第1のビアホールの内周面に第1の導電層を有する、第1の光電気配線基板と、
前記第1の電気絶縁性基材の一方の主面に配置された第1の光素子と、
第2の電気絶縁性基材と、前記第2の電気絶縁性基材の一方の主面に設けられた第3の配線パターンと、前記第2の電気絶縁性基材の他方の主面に設けられた第4の配線パターンと、前記第3の配線パターンと前記第4の配線パターンとを電気的に接続する第2のビアとを有し、前記第2のビアが前記第2の電気絶縁性基材を厚み方向に貫通するように形成された第2のビアホールの内周面に第2の導電層を有する、第2の光電気配線基板と、
前記第2の電気絶縁性基材の他方の主面に配置された第2の光素子と、
を備え、
前記第1の光電気配線基板と前記第2の光電気配線基板とは、前記第1のビアと第2のビアとが互いに対向するように対向配置され、
前記第2の配線パターンと前記第3の配線パターンとは、接着部材により電気的且つ機械的に接続され、
前記第1のビアは、前記第1の電気絶縁性基材の他方の主面上に第1のランド部を有し、
前記第2のビアは、前記第2の電気絶縁性基材の一方の主面上に第2のランド部を有し、
前記第1のランド部と前記第2のランド部とは、環状のはんだにより電気的且つ機械的に接続され、
前記第1の光素子と前記第2の光素子とは、前記第1のビアホール内における前記第1の導電層の内側の空間と、前記環状のはんだの貫通穴と、前記第2のビアホール内における前記第2の導電層の内側の空間を通じて、互いの間で光信号を伝送するように配置されている、電子部品の実装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−105025(P2013−105025A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248659(P2011−248659)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】