説明

免疫調節組成物による治療に対する応答判定方法

本発明は、対象が免疫調節組成物による治療に応答する可能性を正確に判定するための方法であって、対象由来の試料中の1以上のマーカーを検出する工程を含み、少なくとも1つのマーカーは、表1または3〜5に示す単一ヌクレオチド多型(SNP)と連鎖する方法と、治療または継続治療に対して好適な対象を選択するためのアッセイ結果に基づいて、対象に適切な治療を提供するためのプロセスを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願:本出願は、2009年6月15日に出願された特許文献1の優先権の恩典を主張するものであり、この特許文献1の内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、免疫調節組成物を用いて治療される医学的状態の診断及び予後判定アッセイ、並びに、本発明の診断及び予後判定アッセイに基づく改善された治療方法に関する。
【背景技術】
【0003】
免疫調節組成物は、ウイルス性疾患、新生物、Th1介在性疾患、Th2介在性疾患、またはTh17介在性疾患の治療において免疫系の特定の重要な側面を調節することによって、つまり実質的に、自己免疫及び/もしくは感染性因子に対する免疫応答に関与する1以上のサイトカインの発現もしくは分泌を調節することによるか、またはサイトカインシグナル伝達経路の1以上の構成要素を調節することによって作用する薬物化合物を含む。
【0004】
サイトカインは、インターフェロン(IFN、例えば、I型IFN(例えば、IFN−α、IFN−β、もしくはIFN−ω);もしくはII型IFN(例えば、IFN−γ);もしくはIII型IFN(例えば、IFN−λ1、IFN−λ2、もしくはIFN−λ3))、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−21、もしくはIL−35)、腫瘍壊死因子(例えば、TNF−αもしくはTNF−β)、またはコロニー刺激因子(CSF)であってもよい。IFNは、通常、宿主細胞内でのウイルス複製を阻害し、細胞傷害性T細胞及びマクロファージを活性化し、リンパ球への抗原提示を増大させ、ウイルス及び細胞内細菌の感染に対する耐性を誘導し、かつ腫瘍を制御することによって免疫応答を助ける。さらに、III型IFNは、Th2細胞への調節作用を発揮する。インターロイキンは、T細胞、B細胞及び造血細胞の発生及び分化を促進する。腫瘍壊死因子は、免疫系の細胞を調節して、急性期炎症応答を刺激し、アポトーシス細胞死を誘導し、腫瘍形成を阻害し、かつウイルス複製を阻害する。IFNはいくつかの異なる細胞によって産生され得るが、IFN−γは、主にTh1細胞によって産生され、インターロイキン及びTNF−αは、Th1細胞及び/またはTh2細胞によって産生される。
【0005】
Th1細胞及びTh2細胞は、そのサイトカイン分泌プロファイルによって定義されるエフェクターT細胞である。Th1細胞は細胞性免疫を媒介して、細胞傷害性Tリンパ球及び活性化マクロファージ並びに補体結合抗体及び補体オプソニン化抗体の作用によって細胞内の病原体及び免疫原から防御する。Th1細胞はIL−2を産生し、それによって、Th1細胞により媒介されるT細胞応答の増殖及び分化が刺激されると同時に、IFN−γ及びTNF−βが産生される。他方、Th2細胞は液性免疫及びアレルギー応答を媒介して、B細胞、肥満細胞及び好酸球の作用によって細胞外の病原体及び抗原から防御する。Th2細胞は、IL−3、IL−4、IL−5、及びIL−10を産生し、それによって、IgE抗体の産生、そしてまた、好酸球の動員、増殖、分化、維持及び生存を刺激する。
【0006】
特定のTh1介在性及びTh2介在性疾患は、Th1細胞とTh2細胞のバランスの崩壊によって促進される。Th1細胞とTh2細胞のきめ細かなバランスは、サイトカイン分泌によって調節されており、通常の状況下では、Th2細胞は、IL−4及びIL−10を分泌し、これらが、Th1細胞を下方調節し、それによって、IFN−γ、TNF−β及びIL−2の産生が調節される。特に、IL−10は、Th1細胞の強力な阻害因子である。IFN(例えば、IFN−γ)はまた、Th1細胞産生を促進する。逆に、IL−4はTh2細胞産生を促進し、IFN−γはTh2細胞を阻害する。Th1介在性疾患(例えば、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病(IDDM)及び強皮症)では、CD4 Th1細胞がTh2細胞と比べて過剰に活性化されている臓器系において遅延型過敏症(DTH)が生じる。MSでは、中枢神経系におけるTh1/Th2不均衡が、炎症促進性CD4 Th1細胞の増殖、IFN−γ分泌、マクロファージ活性化並びに結果として起こる免疫介在性のミエリン及びオリゴデンドロサイトの損傷を引き起こし、この場合のIFN−γ放出は、Th1細胞過剰産生を促進する可能性もある。IDDMでは、Th1/Th2不均衡が胸腺及び末梢で生じ、自己反応性Th1細胞が活性化されるようになり、膵島β細胞破壊をもたらすにつれて、機能的Th2細胞が徐々に消失する。限局性強皮症では、IL−12の投与によって、Th1/Th2免疫バランスが回復し得る。対照的に、Th2介在性疾患(例えば、ConA肝炎、アトピー性皮膚炎、喘息及びアレルギー)は、通常、Th1/Th2不均衡の結果としてのIgE抗体の過剰産生及び/または好酸球増加症を特徴とする。ConA肝炎では、ConAの反復注射によって、初期のTh1応答がTh2及び前線維形成応答に変化し、肝臓におけるIL−4、IL−10及びTGF−βの過剰産生及び分泌が自然免疫応答の一部としてナチュラルキラーT細胞を活性化し、それによって、肝臓障害を引き起こす。
【0007】
Th17細胞は、Th1細胞及びTh2細胞とは異なるエフェクターアームを提供し、Treg(iTreg)と同様に、TGF−βによって調節される。Th17細胞分化は、例えば、細菌及び真菌に対する宿主防御に重要であり、Th17細胞機能の調節不良は、自己免疫及び炎症性疾患の免疫病因に関係している。
【0008】
ヒトパピローマウイルス(例えば、HPV16、HPV6、HPV11)による感染;ヘルペスウイルス(例えば、HSV−1、HSV−2、VZV、HHV−6、HHV−7、HHV−8(KSHV)、HCMV及びEBV)による感染;ピコルナウイルス(例えば、コクサッキーBウイルス及び脳心筋炎ウイルス(EMCV))による感染;フラビウイルス(例えば、脳炎ウイルス)及び肝炎ウイルス(例えば、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス(HBV)及びC型肝炎ウイルス(HCV))による感染;アレナウイルス(例えば、ウイルス性出血熱と関連するもの)による感染;トガウイルス(例えば、ウマ脳炎ウイルス)による感染;ブンヤウイルス(例えば、リフトバレー熱ウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、ハンターンハンタウイルス(Hantaan hantavirus)(HTNV)及びアペウウイルス(Apeuvirus)(APEUV))による感染;フィロウイルス(例えば、エボラウイルス及びマールブルグウイルス)による感染;パラミクソウイルス(例えば、呼吸器合胞体ウイルス(RSV))による感染;ラブドウイルス(例えば、水疱性口内炎ウイルス(VSV))による感染;オルトミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス(例えば、A型インフルエンザウイルス(IAV))による感染;並びにコロナウイルス(例えば、SARS関連コロナウイルス)による感染を含む、いくつかの異なるウイルスによる感染は、免疫調節組成物を用いて治療される。また、新生物、例えば、HPV関連癌(例えば、子宮頸部上皮内新生物、子宮頸癌、外陰部上皮内新生物、陰茎上皮内新生物、肛門上皮内新生物;肝細胞癌;基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、光線角化症、及び黒色腫)を免疫調節組成物を用いて治療する。また、特定のTh2介在性疾患(例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎)を免疫調節組成物を用いて治療する。
【0009】
免疫調節組成物によるサイトカイン及びサイトカインシグナル伝達の調節に一部基づいて、サイトカインそれ自体を免疫調節組成物として用いることが知られている。
【0010】
例えば、IFNは、一般に、抗ウイルス及び抗腫瘍特性、マクロファージ及びナチュラルキラー細胞活性化を刺激する能力、並びにT細胞への外来ペプチドの提示のためにMHCクラスI及びII分子を増強する能力を有している。多くの場合、IFNの産生は、感染性因子、外来抗原、マイトジェン並びに他のサイトカイン(例えば、IL−1、IL−2、IL−12、TNF及びCSF)に応答して誘導される。したがって、IFN及びIFN誘導因子は、感染症、新生物、Th1介在性疾患及びTh2介在性疾患の治療における治療剤としてよく受け入れられている。IFNは、例えば、SARS関連コロナウイルス、HBV、HCV、コクサッキーBウイルス、EMCVを含む、いくつかのプラス鎖一本鎖RNAウイルス、すなわち、(+)ssRNAウイルスによる感染の治療、並びに例えば、エボラウイルス、VSV、IAV、HTNV及びAPEUVを含む、いくつかのマイナス鎖一本鎖RNAウイルス、すなわち、(−)ssRNAウイルスによる感染の治療に用いられることが知られている(例えば、非特許文献1、2)。
【0011】
そのような製剤では、IFN(特に、IFN−α)は、ペグ化されていてもよい。ペグ化IFN−λ1は、慢性HCV感染の治療について現在臨床試験中であり、単離された細胞を、VSV、EMCV、HTNV、APEUV、IAV、HSV−1、HSV−2及びHBVから防御するのに有用であることが示されている(例えば、非特許文献2)。IFN−αもまた、特定の病変及び新生物(例えば、尖圭コンジローム、有毛細胞白血病、カポジ肉腫、黒色腫、非ホジキンリンパ腫)の治療に用いられることが知られているが、IFN−βは、ヒト星状細胞腫/膠芽細胞腫細胞に対する強力な抗腫瘍活性を有することが示されており、一方、IFN−λ1は、膠芽細胞腫細胞、胸腺腫細胞及び線維肉腫細胞に対する活性を有することが示され、また、IFN−λ2は、黒色腫及び線維肉腫細胞に対する活性を有することが示されている(例えば、非特許文献2)。IFN−βを再発性のTh1介在性疾患(例えば、MS)の治療に用いることも知られている。IFN−λ2は、特定のTh2介在性疾患(例えば、喘息及びConA誘導性肝炎)から防御することも示されている(例えば、非特許文献2)。
【0012】
全てのIFN−λタンパク質の発現は、IFN−α、IFN−β及びIFN−λ分子によって誘導されるので(例えば、非特許文献3〜5)、IFN−α/βを含む免疫調節組成物は、少なくとも部分的には、エフェクター分子としてIFN−λタンパク質を誘導するように作用し得る。I型IFNの受容体複合体が、ヘテロ二量体のIFNAR1/IFNAR2複合体からなるのに対し、III型IFNは、ヘテロ二量体のIL−28Rα/IL−10R2受容体を介してシグナルを伝達する(非特許文献2)。IL−28Rα/IL−10R2は、IFNAR1/IFNAR2よりもかなり少ない状況で発現する。これは、IFN−α/βを含む免疫調節組成物を用いる治療が、IFN−λを含む免疫調節組成物を用いる治療よりもあまり特異的でない可能性があることを示唆する。例えば、IFN−α/βの投与は、両方の受容体型を、すなわち、IFNAR1/IFNAR2受容体に対するIFN−α/βの作用を介して直接的に、かつIFN−λの誘導及びその後のIL−28Rα/IL−10R2受容体に対するIFN−λの作用を介して間接的に活性化し得る。逆に、IFN−λの投与は、IL−28Rα/IL−10R2受容体を選択的に活性化する可能性が高い。そうであり得るにもかかわらず、全てのIFNは、Jak/STAT経路を活性化し、かつ通常、IFNの生物学的作用を仲介する共通のインターフェロン刺激性遺伝子(ISG)を誘導する(例えば、非特許文献2〜5)。
【0013】
IFN産生を誘導する様々な免疫調節組成物(例えば、ポリ(I)−ポリ(C)、ポリ(I)−ポリ(C12−U)またはアンプリゲン、及びデアザネプラノシンA)はまた、例えば、コクサッキーBウイルス、エボラウイルス並びにIFNによる治療に適している特定のフラビウイルス及びブンヤウイルスによる感染の治療に用いられる(非特許文献1)。免疫調節化合物はまた、Toll様受容体(TLR)を活性化して、選択されたサイトカイン生合成を誘導することによって、その活性を発揮し得る。
【0014】
免疫調節グアノシン類似体、例えば、7位及び/または8位に置換を有するもの(例えば、非特許文献6〜7)は、免疫系を刺激することが示されているが、2−アミノ−6−メトキシ−9−(β−D−アラビノフラノシル)−9H−プリンの5’−O−プロピオニル及び5’−O−ブチリルエステルは、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)を阻害する(例えば、Krenitskyの特許文献2)。他のグアノシン類似体、特に、アラビノフラノシルプリンの6−アルコキシ誘導体は、抗腫瘍療法に有用である(例えば、Krenitskyの特許文献3)。7−デアザグアノシン類似体は、マウスにおいて種々のRNAウイルスに対する抗ウイルス活性を示すことが示されているが、3−デアザグアニン類似体は、特定のDNA及びRNAウイルスに対する顕著な広域スペクトルの抗ウイルス活性を有し(例えば、非特許文献8)、特定の7−デアザグアニン及び9−デアザグアニン類似体は、セムリキ森林熱ウイルスの致死的攻撃から保護する(例えば、非特許文献9)。選択される6−スルフェナミド及び6−スルフィナミドプリンヌクレオシドもまた、実証された顕著な抗腫瘍活性を有するものとしてRobinsの特許文献4に開示されている。Wangらの特許文献5は、感染症、寄生、新生物、自己免疫疾患を治療するために、または免疫系の局面を調節するために用いられたプリンL−ヌクレオシド化合物及びその類似体も開示している。グアノシン類似体、例えば、リバビリン及びその誘導体(例えば、酢酸塩またはリバビリン5’−一リン酸塩もしくはリバビリン5’−二リン酸塩もしくはリバビリン5’−三リン酸塩もしくはリバビリン3’,5’−環状リン酸塩もしくは3−カルボキサミジン誘導体タリバビリン(ビラミジン)、7−ベンジル−8−ブロモグアニン、9−ベンジル−8−ブロモグアニン、及びCpG含有オリゴヌクレオチド)は、Th1/Th2バランスを変化させ、そのサイトカインプロファイルに応じてTh1介在性またはTh2介在性疾患の治療に有用である。
【0015】
これらの化合物は、リンホカインのIL−1、IL−6、IFN−α及びTNF−αに対する様々な効果を発揮することが示されている(例えば、特許文献6、非特許文献10〜12)。例えば、7−ベンジル−8−ブロモグアニン及び9−ベンジル−8−ブロモグアニンは、Th1サイトカイン産生(特に、IL−2及びIFN−γ)を選択的に阻害するので、活性化T細胞とIFN−γの過剰産生とが発現するTh1関連の自己免疫疾患の治療において有用であり、かつ白血病及びリンパ腫細胞を標的とし得る(例えば、非特許文献13)。対照的に、リバビリンは、免疫応答をTh2からTh1サイトカインプロファイルの方向に変化させ、Th2介在性疾患の治療に有用である。リバビリンは、アレナウイルス(例えば、ラッサ熱またはクリミア・コンゴ出血熱を引き起こす)、HTNV、西ナイルウイルス、慢性HCV感染、AIV及びRSVへの曝露の曝露後予防において有用である。
【0016】
様々な他の免疫調節ヌクレオチド類似体、例えば、シドフォビル[(S)−1−(3−ヒドロキシ−2−ホスホニルメトキシプロピル)シトシン(HPMPC)は、強力な抗ウイルス活性を有しており、HPV関連癌においてp53機能を回復させ得る(例えば、非特許文献14)。シドフォビルは、AIDS患者におけるHCMV網膜炎及び他のHCMV感染並びにポックスウイルス感染を含むいくつかのウイルス性疾患の治療で用いられる。
【0017】
他の部類の免疫調節組成物としては、有機小分子イミダゾキノリンアミン誘導体(例えば、特許文献7〜8);プリン誘導体(例えば、特許文献9〜10);イミダゾピリジン誘導体(例えば、特許文献11);ベンズイミダゾール誘導体(例えば、特許文献12);アデニン誘導体(例えば、特許文献10);並びに3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン誘導体(例えば、特許文献13)が挙げられる。免疫抑制剤ミコフェノール酸モフェチルは、コクサッキーB3ウイルス誘導性心筋炎を阻害する(例えば、 非特許文献15)。
【0018】
本明細書で提供される免疫調節組成物のリストは網羅的なものではなく、いくつかの他の化合物部類も当技術分野で公知である(例えば、特許文献15〜16)。
【0019】
特定の適応症に対する免疫調節組成物の効力は、かなり変動がある場合があり、治療転帰は、宿主因子(例えば、対象の自然免疫応答と適応免疫応答の両方を支配する、HLAハプロタイプ効果を含む遺伝子型)による影響を受ける可能性が高い。人種の差も、免疫調節因子による治療に対する対象の好適性に影響を及ぼし得る。文献に報告されているような特定の治療剤の見かけ上の失敗は、そのような遺伝的寄与の認識がない中で、誇張されている場合がある。明らかに、いかなる治療効果の決定も、遺伝子型効果を最適に考慮すべきである。
【0020】
多くの免疫調節組成物は有害な副作用ももたらし、治療利益が有害効果を上回る状況にその適用を限定する利益を示唆する。免疫調節組成物が治療においてもたらす免疫系の有益な変化の他に、アンバランスが生じる。例えば、IFNは、とりわけ、精神障害、鬱病、アナフィラキシー、血小板減少症、発作、心筋症、肝毒性、インフルエンザ様症状、発熱、疲労、頭痛、筋肉痛、痙攣、目まい、紅斑及び好中球減少症による免疫抑制を引き起こす可能性があり、インターロイキン(例えば、IL−1)は、用量関連性の発熱及びインフルエンザ様症状を引き起こす可能性がある。別の例では、グアノシン類似体は、長時間の使用により催奇形性となる可能性がある。したがって、免疫調節組成物による治療に応答する可能性の高い患者を同定及び選択するための手段は、無応答者、低応答者または再発者のいずれかの患者クラスへの不適切な処方を回避し、その後の治療の失敗から生じる不安を軽減することによって、これらの患者に対する実質的な治療利益を提供するであろう。応答者に対するより正確な薬物の処方によって、保健機関による補助金も削減される。さらに、代替治療が利用可能な状況の場合、そのような手段は、特定の患者に対する最も適切な治療を選択をもたらし得る。
【0021】
患者を免疫調節組成物による治療に応答するその能力によって区別するための手段が望ましいにもかかわらず、信用できる検査の利用可能性は限られている。小さい患者コホート(例えば、ゲノム規模の有意性に達するのが難しい100人未満の対象)における単一核多型(SNP)の関連に基づいて、多くの遺伝子検査が提案されている。正確な予後判定のためには、ゲノム規模の有意性に達する関連を明らかにすることを可能にするほど十分に大きい、例えば、人種背景、疾患/感染パラメータ、治療応答に関して十分に特徴付けられた患者コホートが望ましい。バリデーションのためには、複数の独立コホートの使用も望ましい。疾患状況によって、免疫調節組成物に対する治療転帰の好適な予後判定アッセイは、臨床的または商業的価値のために十分な精度を提供できるよう、有意性の高い関連(例えば、1×10−3未満のp値)を必要とし得る。同様に、正確にマッチした比較群は、意味のある関連を導き出すのに必要である。マーカーのバリデーションのためには、機能的有意性(例えば、遺伝子発現及び/または治療転帰に対する1以上の遺伝子型の効果)も望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】豪州特許出願第2009902723号
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【特許文献4】米国特許第4,328,336号
【特許文献5】WO98/16184号
【特許文献6】米国特許第4,746,651号
【特許文献7】米国特許第4,689,338号
【特許文献8】米国特許第6,069,149号
【特許文献9】米国特許第6,028,076号
【特許文献10】米国特許第6,376,501号
【特許文献11】米国特許第6,518,265号
【特許文献12】米国特許第6,387,938号
【特許文献13】米国特許公開第200301994618号
【特許文献14】米国特許第5,446,153号
【特許文献15】米国特許第6,194,425号
【特許文献16】米国特許第6,110,929号
【特許文献17】米国特許第6,306,610号
【特許文献18】欧州特許第320,308号
【特許文献19】米国特許第4,883,750号
【特許文献20】米国特許第6,174,670号
【特許文献21】米国特許第6,574,700号
【特許文献22】WO95/11995号
【特許文献23】米国特許第6,468,743号
【特許文献24】米国特許第5,567,301号
【特許文献25】米国特許第5,485,277号
【特許文献26】米国特許第5,492,840号
【特許文献27】米国特許出願第20030010097号
【特許文献28】米国特許出願第20020136821号
【特許文献29】米国特許出願第20020192654号
【特許文献30】米国特許出願第20020102617号
【特許文献31】米国特許第6,391,625号
【特許文献32】米国特許出願第20020139751号
【特許文献33】米国特許第6,350,466号
【特許文献34】米国特許第6,316,024号
【非特許文献】
【0023】
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【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明に至る研究において、本発明者らは、IFN(特に、IFN−α)を含む免疫調節組成物を投与された慢性HCV感染個体におけるウイルス除去を仲介し得る新規の遺伝子座を解明し、同定しようとした。本発明者らは、比較的大きい、十分に特徴付けられた北欧系のオーストラリア人集団で最初にGWASを行ない、英国、ドイツ、イタリア及びオーストラリア出身の北欧人のはるかにより大きい独立コホートで最も有意に関連するSNPを検討した。このコホートサイズは、ゲノム規模の有意な関連の閾値をp<1.6×10−7とすることを可能にし、そのため、1.6×10−7≦p<1.0×10−4のSNPは、治療に対する応答との極めて示唆的な関連を示すとみなすことができたし、1.0×10−4≦p<1.0×10−3のSNPは、治療に対する応答との適度に示唆的な関連を示すとみなした。これらのカットオフ値を用いて、添付の表に記載されているSNPを同定した。本発明者らが治療に対する高い応答または低い応答とのその関連において高い有意性を有すると本明細書で同定したSNPは、これまでにそのような関連について記載されていないと考えられる。
【0025】
したがって、一例では、本明細書で提供されるSNPは、対象が免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を正確に判定するための手段を提供する。
【0026】
本明細書では、「正確に判定する」または「正確な予後判定」という用語は、SNP、もしくは特定のアレルもしくは遺伝子型もしくはハプロタイプと治療に対する高い応答(HR)もしくは低い応答(LR)との関連、またはSNP、もしくは特定のアレルもしくは遺伝子型もしくはハプロタイプと治療に対する無応答との関連、またはSNP(すなわち、特定のアレルもしくは遺伝子型もしくはハプロタイプ)と再発との関連が、有意に高い(例えば、p<10−3、または好ましくはp<10−4、またはより好ましくはp<10−5もしくはp<10−6もしくはp<10−7)ことを意味するよう理解されるものとする。例えば、関連の有意性とは、集団の少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも96%または少なくとも97%または少なくとも98%または少なくとも99%または99%を上回る症例において正確な予後判定の確率があることを意味する。この文脈において、「集団」という用語は、100人を超えるマッチした個体または200人を超えるマッチした個体または300人を超えるマッチした個体または400人を超えるマッチした個体または500人を超えるマッチした個体の被験集団を意味する。「マッチした」とは、被験集団の個体が、同様のまたはほぼ同一の年齢、BMI、ウイルス力価、及び治療レジメンを有することを意味する。実際に、本発明はまた、同じ医学的状態に罹患している個体(例えば、少なくとも民族性に関してマッチした同じ状態に罹患している個体)の「実社会」の集団における正確な予後判定を提供する。限定するものではなく、説明として、本発明の一例は、白人患者の集団における一次または慢性HCV感染の治療の正確な予後判定を提供する。
【0027】
本明細書では、「免疫調節組成物」という用語は、その最も幅広い文脈において、自己免疫及び/もしくは感染性因子に対する免疫応答に関与する1以上のサイトカインの発現もしくは分泌を調節することができるか、またはサイトカインシグナル伝達経路の1以上の構成要素を調節することによる1以上の化合物を含む組成物を意味するよう理解されるものとする。この文脈における「化合物」という用語は、タンパク質、小分子、抗体分子、または核酸(例えば、RNAi、アンチセンスRNA、リボザイムもしくはsiRNA)を含む。
【0028】
本発明は、ウイルス感染及び/もしくは新生物及び/もしくはTh1介在性疾患及び/もしくはTh2介在性疾患の治療で使用されることが知られている、並びに/またはウイルス感染及び/もしくは新生物及び/もしくはTh1介在性疾患及び/もしくはTh2介在性疾患の治療に有用であることが知られている、「免疫調節組成物」の投与を含む任意の治療に対する応答の正確な予後判定に対して明白な用途を有する。
【0029】
例えば、本発明は、Th1介在性疾患及び/またはTh2介在性疾患、例えば、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病(IDDM)、強皮症、ConA肝炎、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎及びアレルギーからなる群から個別にまたはまとめて選択される1以上の状態の治療のための「免疫調節組成物」の投与を含む治療に対する応答の正確な予後判定に好適である。
その代わりに、またはそれに加えて、本発明は、ヒトパピローマウイルス(例えば、HPV16、HPV6及びHPV11から選択されるパピローマウイルス)、ヘルペスウイルス(例えば、HSV−1、HSV−2、VZV、HHV−6、HHV−7、HHV−8(KSHV)、HCMV及びEBVから選択されるヘルペスウイルス)、ピコルナウイルス(例えば、コクサッキーBウイルス及びEMCVから選択されるピコルナウイルス)、フラビウイルス(例えば、脳炎ウイルス並びにHAV及び/またはHBV及び/またはHCVなどの肝炎ウイルスから選択されるフラビウイルス)、アレナウイルス(ウイルス性出血熱と関連するアレナウイルス);トガウイルス(ウマ脳炎ウイルスから選択されるトガウイルス)、ブンヤウイルス(例えば、リフトバレー熱ウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、HTNV及びAPEUVから選択されるブンヤウイルス)、フィロウイルス(例えば、エボラウイルス及びマールブルグウイルスから選択されるフィロウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、RSV)、ラブドウイルス(例えば、VSV)、オルトミクソウイルス(例えば、IAVなどのインフルエンザウイルス)、並びにコロナウイルス(例えば、SARS関連コロナウイルス、「SARS−CoV」)からなる群から個別にまたはまとめて選択されるウイルスによる1以上の感染の治療のための「免疫調節組成物」の投与を含む治療に対する応答の正確な予後判定に好適である。
例えば、本発明は、HAV及び/またはHBV及び/またはHCVなどの肝炎ウイルス(とりわけ、HCV)による1以上の感染の治療のための「免疫調節組成物」の投与を含む治療に対する応答の予後判定のための手段を提供する。その代わりに、またはそれに加えて、本発明は、HPV関連癌(例えば、子宮頸部上皮内新生物及び/または子宮頸癌及び/または外陰部上皮内新生物及び/または陰茎上皮内新生物及び/または肛門上皮内新生物)、肝細胞癌、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、光線角化症、黒色腫、有毛細胞白血病、カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫、星状細胞腫、膠芽細胞腫、胸腺腫、線維肉腫からなる群から個別にまたはまとめて選択される新生物及び前癌状態などの、1以上の新生物または前癌状態の治療のための「免疫調節組成物」の投与を含む治療に対する応答の正確な予後判定に好適である。
【0030】
別の例では、本明細書で提供されるSNPは、対象がIFNを含む免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を正確に判定するための手段を提供する。
【0031】
文脈上他の意味に解すべき場合を除き、本明細書では、「IFN」という用語は、任意の既知のインターフェロン分子(例えば、IFN−α、IFN−β、IFN−ω、IFN−γ、IFN−λ1、IFN−λ2、またはIFN−λ3)、複数の任意のインターフェロン分子(例えば、IFN−α、IFN−β、IFN−ω、IFN−γ、IFN−λ1、IFN−λ2及びIFN−λ3から選択される2以上の分子)を含む組成物、インターフェロン分子の1以上の誘導体(例えば、ペグ化インターフェロン)を含む組成物、並びに該1以上の誘導体と1以上の非誘導体インターフェロン分子との混合物を含むよう理解されるものとする。
【0032】
例えば、本発明は、ウイルス感染及び/もしくは新生物及び/もしくはTh1介在性疾患及び/もしくはTh2介在性疾患の治療で使用されることが知られている、並びに/または、ウイルス感染及び/もしくは新生物及び/もしくはTh1介在性疾患及び/もしくはTh2介在性疾患の治療に有用であることが知られている、「IFN」の投与を含む任意の治療に対する応答の予後判定に対して明白な用途を有する。例えば、本発明は、「IFN」によって治療可能な感染に対する応答の予後判定に有用であり、ここで、感染は、1以上のssRNAウイルス、すなわち、1以上の(+)ssRNAウイルスによる感染及び/または1以上の(−)ssRNAウイルス(例えば、SARS関連コロナウイルス(SARS−CoV)、HBV、HCV、コクサッキーBウイルス、EMCV、エボラウイルス、VSV、IAV、HTNV、もしくはAPEUV)による感染、及び/または1以上の二本鎖DNAウイルス(例えば、HSV−1もしくはHSV−2)によるものである。その代わりに、またはそれに加えて、本発明は、「IFN」によって治療可能な前癌病変または新生物(例えば、尖圭コンジローム、有毛細胞白血病、カポジ肉腫、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、星状細胞腫、膠芽細胞腫、胸腺腫及び線維肉腫からなる群から選択される前癌病変または新生物)の予後判定に有用である。その代わりに、またはそれに加えて、本発明は、「IFN」によって治療可能なTh1介在性疾患またはTh2介在性疾患(例えば、MS、喘息及びConA誘導性肝炎からなる群から選択される疾患)の予後判定に有用である。
【0033】
別の例では、本明細書で提供されるSNPは、患者がグアノシン類似体を含む免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を正確に判定するための手段を提供する。
【0034】
文脈上他の意味に解すべき場合を除き、本明細書で使用される「グアノシン類似体」という用語は、任意の既知のグアノシン類似体、複数のグアノシン類似体を含む組成物、1以上のグアノシン類似体の1以上の誘導体を含む組成物並びに該1以上の誘導体と1以上の非誘導体グアノシン類似体との混合物を含むよう理解されるものとする。この文脈における好ましいグアノシン類似体は、Th1及び/もしくはTh2細胞のレベルを調節することができるか、または抗ウイルス及び/もしくは抗癌活性を有する化合物である。例示的なグアノシン類似体は、リバビリン、ビラミジン、7−ベンジル−8−ブロモグアニン、9−ベンジル−8−ブロモグアニン、及びCpG含有オリゴヌクレオチド、並びにそれらの誘導体、塩、溶媒和物及び水和物(例えば、リバビリン5’−一リン酸塩、リバビリン5’−二リン酸塩、リバビリン5’−三リン酸塩、及びリバビリン3’,5’−環状リン酸塩)から選択される。
【0035】
別の例では、本明細書で提供されるSNPは、患者がIFN及びグアノシン類似体を含む免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を正確に判定するための手段を提供する。
【0036】
当業者には知られているように、本明細書の表1で同定されているSNPは、治療に対する高応答(HR)または治療に対する低応答(LR)と関連するアレル変異体を含む。したがって、本発明は、対象が本明細書に記載されているような免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を判定するための、表1に示す任意のHRアレル及び/またはそれらのLRアレル、並びに任意のその組合せ(例えば、特定のハプロタイプ)の使用を明らかに包含する。表1のタグ付けされていないSNPのHR及びLRアレルを、本明細書中の他の場所にある例示された方法及び開示に従って容易に決定することができる。したがって、本発明はまた、対象が本明細書に記載されているような免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を判定するための、表1に示す多型遺伝子座の任意の他のHRアレル及び/またはそれらのLRアレル、並びに任意のその組合せ(例えば、特定のハプロタイプ)の使用を包含する。
【0037】
本発明はまた、ヒトゲノムの特定の領域と治療転帰との第1の関連を提供する。正確な予後判定を提供する本発明のSNPの選択に対して本発明者らが適用する厳密さにより、これらの領域的染色体関連の値は高い。本発明はまた、対象が本明細書に記載されているような免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を判定するための、表1に示す多型遺伝子座と連鎖する任意の染色体領域の使用、並びに表1に示す多型遺伝子座のHRアレル及び/またはLRアレル、並びに任意のその組合せ(例えば、特定のハプロタイプ)と連鎖する任意の染色体領域の使用を包含する。例えば、これらの染色体領域は、正確な予後判定に利用され得る。
【0038】
一例では、そのような染色体領域は、1p35の領域;3p21.2周辺と3p21.31周辺の間の領域;3p24.3周辺と3p25.1周辺の間の領域;4q32周辺の領域;4p13周辺の領域;4p16.1周辺の領域;6p12.2周辺と6p12.3周辺の間の領域;6p21.33周辺と6p22周辺の間の領域;6p22.1周辺と6p22.2周辺の間の領域;6q13周辺の領域;6q22.31周辺の領域;8q12.2周辺と8q13.1周辺の間の領域;9q22.1周辺と9q22.2周辺の間の領域;10q26.2周辺と10q26.3周辺の間の領域;11q21周辺の領域;11q22.3周辺の領域;14q22.1周辺と14q22.2の間の領域;16q23.1周辺と16q23.2周辺の間の領域;16p11.2周辺と16p12.1周辺の間の領域;19q13.13周辺の領域;及び20q13.12周辺と20q13.13周辺の間の領域からなる群から個別にまたはまとめて選択される。
【0039】
別の例では、そのような染色体領域、例えば、1p35周辺の領域;3p21.2周辺と3p21.31周辺の間の領域;3p24.3周辺と3p25.1周辺の間の領域;4q32周辺の領域;4p13周辺の領域;4p16.1周辺の領域;6p12.2周辺と6p12.3周辺の間の領域;6p21.33周辺と6p22周辺の間の領域;6p22.1周辺と6p22.2周辺の間の領域;6q13周辺の領域;6q22.31周辺の領域;8q12.2周辺と8q13.1周辺の間の領域;9q22.1周辺と9q22.2周辺の間の領域;10q26.2周辺と10q26.3周辺の間の領域;11q21周辺の領域;14q22.1周辺と14q22.2の間の領域;16q23.1周辺と16q23.2周辺の間の領域;16p11.2周辺と16p12.1周辺の間の領域;19q13.13周辺の領域;及び20q13.12周辺と20q13.13周辺の間の領域からなる群から個別にまたはまとめて選択される染色体領域は、本明細書に記載されているような免疫調節剤による状態の治療における治療転帰と関連があることがこれまでに知られていない遺伝子と連鎖する。
【0040】
別の例では、本明細書に開示されている染色体領域は、対象が本明細書の任意の例によって記載されているようなIFN及び/またはグアノシン類似体を含む免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を判定するのに好適である。
【0041】
本明細書に提供されているデータはまた、本発明者らによって同定された特定のSNPが、構造遺伝子の内部またはその近くに位置することを示している。例えば、本明細書の表1は、遺伝子と連鎖するいくつかのSNPと治療転帰との間の顕著な関連を示している。
【0042】
「遺伝子(a gene)と連鎖した」または「遺伝子(genes)と連鎖した」とは、SNPが、構造遺伝子(すなわち、イントロンもしくはエキソン領域)の内部、または構造遺伝子の5’上流もしくは3’下流領域の内部に位置し、かつ構造遺伝子と連鎖不平衡であるように及び/または構造遺伝子の発現と関連があるように構造遺伝子に十分近接していることを意味する。SNPはまた、該SNPよりも対応する構造遺伝子部分の5’末端または3’末端から遠くに離れて位置する物理的または遺伝的マーカー(例えば、別のSNP)が構造遺伝子と連鎖不平衡であり、かつ/または構造遺伝子の発現と関連する場合に、遺伝子と連鎖しているとみなされる。例えば、ハプロタイプブロックの1以上のアレルが遺伝子と連鎖している場合、連鎖不平衡にあるマーカーを含むハプロタイプブロックは遺伝子と連鎖していることになる。SNPは、遺伝子の5’末端または3’末端の5kb以内に位置している場合、通常、遺伝子と連鎖しているが、必ずしもそうであるわけではない。
【0043】
そのような基準によると、IFN−λ3遺伝子について本発明者らにより同定され、特徴付けられたハプロタイプブロック(表6)、並びにIFN−λ2及びIFN−λ3の発現が、対応するHRアレル(すなわち、Tアレル)の保有者と比べて、rs8099917のLRアレル(すなわち、Gアレル)の保有者で低下していることを示す発現データ(図1)は、rs4803224、rs12980602及びrs10853728に例外の可能性があることを別にすれば、表1に示す第19番染色体SNPの全てが、明らかにIFN−λ3遺伝子と連鎖していることを示している。これらの基準で除外されるSNPは、rs8099917よりも構造遺伝子領域、すなわち、IFN−λ3をコードする領域から離れている。したがって、本発明はまた、IFN−λ3と連鎖した、治療転帰と関連する、例えば、5’上流領域またはイントロンまたはエキソンまたは3’下流領域におけるSNPを提供する。同様に、本発明は、SULF−2及び/またはWWOX−1及び/またはRTFN−1及び/またはCACNA2D3及び/またはCASP−1及び/またはRIMS−1及び/またはPKHD−1及び/またはIL21R及び/またはNPSと連鎖した、治療転帰と関連する、例えば、それらの遺伝子のいずれか1つまたは複数の1以上のイントロンにおけるSNPを提供する。正確な予後判定を提供する本発明のSNPの選択に対して本発明者らが適用する厳密さにより、これらの遺伝子内関連の値は高い。
【0044】
したがって、本発明はまた、対象が本明細書に記載されているような免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を判定するための、表1に示す多型遺伝子座と連鎖した遺伝子またはその断片の使用と、表1に示す多型遺伝子座のHRアレル及び/またはLRアレル、並びに任意のその組合せ(例えば、特定のハプロタイプ)と連鎖した任意の遺伝子の使用とを包含する。例えば、遺伝子または断片を正確な予後判定に利用し得る。この文脈における「断片」とは、多型と関連する遺伝子発現の検出に有用であるのに十分な長さの、及び/または本明細書に記載されているようなSNPを同定するのに好適なプラットフォームで多型を直接同定するのに十分な長さの遺伝子の部分を意味する。
【0045】
一例では、本発明は、対象が本明細書に記載されているような免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を判定するための、IFN−λ3、SULF−2、WWOX−1、RTFN−1、CACNA2D3、CASP−1、RIMS−1、PKHD−1、IL21R及びNPSからなる群から個別にまたはまとめて選択される遺伝子の使用を包含する。別の例では、そのような遺伝子(例えば、IFN−λ3、SULF−2、WWOX−1、RTFN−1、CACNA2D3、RIMS−1、PKHD−1、IL21R及びNPS)は、本明細書に記載されているような免疫調節剤による状態の治療において治療転帰と関連があることがこれまでに知られていない。別の例では、本明細書に開示されている遺伝子は、対象が本明細書の任意の例によって記載されているようなIFN及び/またはグアノシン類似体を含む免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を判定するのに好適である。明らかに、これらの例は、1以上の記述された遺伝子の遺伝子断片の使用にまで及ぶ。
【0046】
このデータは、位置44,420,000と位置44,440,000の間、より具体的には、位置44,423,000周辺と位置44,436,000周辺の間の19q13.13にある変異(例えば、IFN−λ3(IL28B)遺伝子と連鎖する変異)が、本明細書の任意の例によって記載されているような免疫調節組成物による治療に応答する変動に寄与するという本発明者らの結論を支持する。IL28B遺伝子における変異間の本関連は、位置44,425,000と位置44,436,000の間の19q13.13における遺伝子型、特に、IFN−λ3(IL−28B)遺伝子型(表4及び5)を用いて薬物応答を予測することができることを示す程度に十分に強い。rs8099917のLRアレルのハプロタイプ効果及びIFN−λ3(IL−28B)遺伝子と連鎖するSNP全体の連鎖不平衡(表6)はこの結論を支持する。最後に、このハプロタイプブロック中のrs8099917におけるLRアレルとIFN−λ2及びIFN−λ3遺伝子の低発現の間の相関は、本明細書中、特に、IFN治療に関して記載された関連の機能的重要性も示している。
【0047】
したがって、また別の例では、IFNλ3遺伝子またはその断片は、対象が本明細書の任意の例によって記載されているような免疫調節組成物(例えば、IFN及び/またはグアノシン類似体)を含む治療に応答する可能性を判定するのに特に好適である。本明細書に記載のSNPは、5’上流領域、イントロン、エキソン、または3’下流領域の内部にあるので、これらの領域のいずれか1つまたは複数を包含する任意の遺伝子断片も、そのような断片が多型と関連する遺伝子発現の検出に有用であるのに十分な長さ及び/または多型を直接同定するのに十分な長さであるならば、治療転帰の予後判定に有用である。IFNλ3遺伝子の5’上流領域内及び/またはイントロン内及び/またはエキソン内及び/または3’下流領域内の断片も有用である。本発明はまた、対象が本明細書に記載されているような免疫調節組成物を含む治療に応答する可能性を判定するための、例えば、表1に示すようなIFNλ3遺伝子の任意の多型遺伝子座の使用と、表1に示すような該多型遺伝子座の任意のHRアレル及び/またはLRアレル、並びに任意のその組合せ(例えば、特定のハプロタイプ、例えば、rs12980275、rs8105790、rs8103142、rs10853727、rs8109886及びrs8099917のアレルを含むハプロタイプ)の使用とを包含する。
【0048】
本明細書で免疫調節組成物に対する治療転帰と関連付けられた連鎖したSNPを有することが同定されている遺伝子の既知疾患関連は、免疫調節組成物で治療可能であることが知られていない疾患(例えば、癌腫及びグラム陰性細菌による感染)の治療における1以上のIFNの用途をさらに示す。例えば、SULF−2は、喘息、肝癌及び乳癌と関連し、WWOX−1及びCACNA2D3は、乳癌、肺癌、腺癌、扁平上皮細胞癌、卵巣癌を含む様々な癌と関連する腫瘍抑制遺伝子であり、CASP−1は、グラム陰性細菌(例えば、大腸菌(Escherichia coli)及びネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)による感染と関連し、PKHD−1は、多発性嚢胞腎、多発性嚢胞腎を有する対象における移植後糖尿病及び移植後患者におけるHCV除去の不良と関連している。
【0049】
したがって、また別の例では、IFNは、癌(例えば、乳癌、肝癌、肺癌、卵巣癌、腺癌、または扁平上皮細胞癌)の治療のための医薬品の調製に用いられる。
【0050】
また別の例では、IFNは、グラム陰性細菌(例えば、大腸菌またはネズミチフス菌)による感染の治療のための医薬品の調製に用いられる。
【0051】
また別の例では、IFNは、多発性嚢胞腎またはそれに起因する合併症(例えば、移植後糖尿病)の治療のための医薬品の調製に用いられる。
【0052】
HCV感染の治療におけるIFN−αへの応答とIFN−λ3遺伝子における多型の間の強い関連もまた、IFN−λ3及び/または構造的に類似したIFN−λ2が、IFN−α/βを用いて治療されることが知られている医学的状態(特に、HCV感染)の治療において一般的な有用性を有することを示唆する。
【0053】
したがって、また別の例では、IFN−λ2及び/またはIFN−λ3は、IFN−α/βを用いて治療されることが知られている医学的状態、例えば、ウイルス感染及び/または新生物及び/またはTh1介在性疾患及び/もしくはTh2介在性疾患(例えば、1以上の(+)ssRNAウイルスによる感染及び/もしくは1以上の(−)ssRNAウイルス(例えば、SARS関連コロナウイルス(SARS−CoV)、HBV、HCV、コクサッキーBウイルス、EMCV、エボラウイルス、VSV、IAV、HTNV、もしくはAPEUV)による感染及び/もしくは1以上の二本鎖DNAウイルス(例えば、HSV−1もしくはHSV−2)による感染及び/もしくは前癌病変もしくは新生物(例えば、肉腫もしくはリンパ腫もしくは白血病(例えば、尖圭コンジローム、有毛細胞白血病、カポジ肉腫、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、星状細胞腫、膠芽細胞腫、胸腺腫もしくは線維肉腫)並びに/またはMS、喘息及びConA誘導性肝炎からなる群から選択される疾患)の治療のための医薬品の調製に用いられる。
【0054】
好ましい例では、IFN−λ2は、HCVによる感染(例えば、一次感染または慢性感染)の治療のための医薬品の調製に用いられる。
【0055】
特に好ましい例では、IFN−λ3は、HCVによる感染(例えば、一次感染または慢性感染)の治療のための医薬品の調製に用いられる。
【0056】
本明細書で免疫調節組成物に対する治療転帰と関連付けられた連鎖したSNPを有することが本明細書で同定された遺伝子の既知疾患関連は、免疫調節組成物に応答することが必ずしも知られていない疾患の治療転帰の予測に対する本発明のさらなる用途を示す。
【0057】
したがって、また別の例では、腫瘍抑制遺伝子(例えば、WWOX−1及び/もしくはCACNA2D3)、または腫瘍抑制遺伝子の断片は、癌または前癌状態(例えば、乳癌、肺癌、腺癌、扁平上皮細胞癌、または卵巣癌)の治療において、対象が本明細書の任意の例によって記載されているような免疫調節組成物(例えば、IFN及び/またはグアノシン類似体)に応答する可能性を判定するのに好適である。
【0058】
また別の例では、SULF−2遺伝子またはその断片は、喘息、癌または前癌状態(例えば、肝癌または乳癌)の治療において、対象が本明細書の任意の例によって記載されているような免疫調節組成物(例えば、IFN及び/またはグアノシン類似体)に応答する可能性を判定するのに好適である。
【0059】
また別の例では、PKHD−1遺伝子またはその断片は、多発性嚢胞腎またはそれに起因する合併症(例えば、移植後糖尿病)の治療において、対象が本明細書の任意の例によって記載されているような免疫調節組成物(例えば、IFN及び/またはグアノシン類似体)に応答する可能性を判定するのに好適である。
【0060】
また別の例では、CASP−1遺伝子またはその断片は、グラム陰性細菌(例えば、大腸菌またはネズミチフス菌)の感染の治療において、対象が本明細書の任意の例によって記載されているような免疫調節組成物(例えば、IFN及び/またはグアノシン類似体)に応答する可能性を判定するのに好適である。
【0061】
本発明の範囲は、本出願とともに提出されている実施例に続く特許請求の範囲から明らかとなる。特許請求の範囲は、本明細書において説明に組み入れられる。本発明の範囲はまた、以下の特定の実施形態の説明から明らかとなる。
【0062】
一例では、本発明は、対象が免疫調節組成物による治療に応答する可能性を正確に判定するための方法であって、対象由来の試料中の1以上のマーカーを検出することを含み、ここで、少なくとも1つのマーカーが、表1に示す単一核多型(SNP)と連鎖するかまたは表1に示すSNPを含むかまたは表1に示すSNPを含むもしくは表1に示すSNPと連鎖する核酸によってコードされ、かつ該1以上のマーカーの検出が、該組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す方法を提供する。
【0063】
例えば、少なくとも1つのマーカーは、表3に示すSNPと連鎖するか、もしくは表3に示すSNPを含むか、もしくは表3に示すSNPを含むもしくは表3に示すSNPと連鎖する核酸によってコードされるか、または少なくとも1つのマーカーは、表4もしくは5に示すSNPと連鎖するか、または表4もしくは5に示すSNPを含むか、または4もしくは5に示すSNPを含むもしくは表4もしくは5に示すSNPと連鎖する核酸によってコードされる。
【0064】
その代わりに、またはそれに加えて、少なくとも1つのマーカーは、1p35の領域;3p21.2周辺と3p21.31周辺の間の領域;3p24.3周辺と3p25.1周辺の間の領域;4q32周辺の領域;4p13周辺の領域;4p16.1周辺の領域;6p12.2周辺と6p12.3周辺の間の領域;6p21.33周辺と6p22周辺の間の領域;6p22.1周辺と6p22.2周辺の間の領域;6q13周辺の領域;6q22.31周辺の領域;8q12.2周辺と8q13.1周辺の間の領域;9q22.1周辺と9q22.2周辺の間の領域;10q26.2周辺と10q26.3周辺の間の領域;11q21周辺の領域;11q22.3周辺の領域;14q22.1周辺と14q22.2の間の領域;16q23.1周辺と16q23.2周辺の間の領域;16p11.2周辺と16p12.1周辺の間の領域;19q13.13周辺の領域;及び20q13.12周辺と20q13.13の間の領域からなる群から選択される染色体領域内に含まれる。
【0065】
その代わりに、またはそれに加えて、少なくとも1つのマーカーは、IFN−λ3、SULF−2、WWOX−1、RTFN−1、CACNA2D3、CASP−1、RIMS−1及びPKHD−1からなる群から選択される遺伝子と連鎖しているか、またはIFN−λ3、SULF−2、WWOX−1、RTFN−1、CACNA2D3、CASP−1、RIMS−1及びPKHD−1からなる群から選択される遺伝子内に含まれるか、またはIFN−λ3、SULF−2、WWOX−1、RTFN−1、CACNA2D3、CASP−1、RIMS−1及びPKHD−1からなる群から選択される遺伝子を含むか、またはIFN−λ3、SULF−2、WWOX−1、RTFN−1、CACNA2D3、CASP−1、RIMS−1及びPKHD−1からなる群から選択される遺伝子によってコードされている。
【0066】
その代わりに、またはそれに加えて、少なくとも1つのマーカーは、
(i)配列番号:1〜60、62、64〜67、69、71〜74、76、78、79、81または83〜158のいずれか1つに示す配列;及び
(ii)(i)の配列に相補的な配列
からなる群から選択される配列中の多型ヌクレオチドを含む。
【0067】
その代わりに、またはそれに加えて、少なくとも1つのマーカーは、免疫調節組成物による治療に対する陽性の応答または高い応答または強い応答と関連するアレルを含み、該アレルは、
(i)配列番号:5、10、67、85、88、91、94、97、100、103、106、109、112、115、118、121、124、127、130、133、136、139、142、145、148、151、154及び157のいずれか1つに示す配列;並びに
(ii)(i)の配列に相補的な配列
からなる群から選択される配列内に含まれ、ここで、該少なくとも1つのマーカーの検出は、該組成物による治療に対する対象の応答を示す。
【0068】
その代わりに、またはそれに加えて、少なくとも1つのマーカーは、免疫調節組成物による治療に対する低い応答または無応答と関連するアレルを含み、ここで、該アレルは、
(i)配列番号:6、11、69、86、89、92、95、98、101、104、107、110、113、116、119、122、125、128、131、134、137、140、143、146、149、152、155及び158のいずれか1つに示す配列;並びに
(ii)(i)の配列に相補的な配列
からなる群から選択される配列内に含まれ、
ここで、該少なくとも1つのマーカーの検出は、該組成物による治療に対する対象の低い応答または無応答を示す。
【0069】
特定の例では、少なくとも1つのマーカーは、IFN−λ3遺伝子と連鎖するか、またはIFN−λ3遺伝子内に含まれるか、またはIFN−λ3遺伝子を含むか、またはIFN−λ3遺伝子によってコードされる。この例によれば、少なくとも1つのマーカーは、(i)1〜60、62、64〜67、69、71〜74、76、78、79、81または83〜89のいずれか1つに示す配列;及び(ii)(i)の配列に相補的な配列からなる群から選択される配列中の多型ヌクレオチドを含む。IFN−λ3遺伝子と関連するマーカーを用いて陽性の応答を同定するために、少なくとも1つのマーカーは、免疫調節組成物による治療に対する応答と関連したアレルを含み得、ここで、該アレルは、(i)配列番号:5、10、67、85及び88のいずれか1つに示す配列;並びに(ii)(i)の配列に相補的な配列からなる群から選択される配列内に含まれ、ここで、該少なくとも1つのマーカーの検出は、該組成物による治療に対する対象の応答を示す。あるいは、無応答者または弱い応答者を同定するために、少なくとも1つのマーカーは、免疫調節組成物による治療に対する低い応答または無応答と関連するアレルを含み得、ここで、該アレルは、(i)配列番号:6、11、69、86及び89のいずれか1つに示す配列;並びに(ii)(i)の配列に相補的な配列からなる群から選択される配列内に含まれ、ここで、該少なくとも1つのマーカーの検出は、該組成物による治療に対する対象の治療に対する低い応答または無応答を示す。
【0070】
その代わりに、またはそれに加えて、少なくとも1つのタンパク質マーカーは、多型ヌクレオチドを含む配列(ここで、該配列は、配列番号:60、62、67、69、74、76、79及び81からなる群から選択される)によってコードされ、例えば、多型アミノ酸を含むアミノ酸配列を含むマーカー(ここで、該配列は、配列番号:61、63、68、70、75、77、80及び82からなる群から選択される)である。これらのマーカーのうち、例示的なレスポンダーアレルまたは高応答アレル(すなわち、免疫調節組成物による治療に対する応答と関連するアレル)は、配列番号:67中の多型ヌクレオチドを含む配列によってコードされるか、または配列番号:68の配列を含む。あるいは、例示的な非レスポンダーアレルまたは低応答アレル(すなわち、免疫調節組成物による治療に対する無応答または不良な応答と関連するアレル)は、配列番号:69中の多型ヌクレオチドを含む配列によってコードされるか、または配列番号:70の配列を含む。
【0071】
本明細書の任意の例によって記載される複数のマーカー(例えば、2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つまたはそれより多くのマーカー)を検出することは、明らかに本発明の範囲内にある。
【0072】
複数のマーカーを含むハプロタイプを検出することも、明らかに本発明の範囲内にあり、例えば、このハプロタイプは、rs8099917におけるアレルを含み、例えば、このハプロタイプは、rs12980275、rs8105790、rs8103142、rs10853727、rs8109886及びrs8099917の各々におけるアレルを含み、該アレルを含むハプロタイプの検出は、該組成物による治療に対する対象の治療に対する低い応答または無応答を示す。例えば、rs8099917におけるCまたはGヌクレオチドを含むアレルは、該組成物による治療に対する対象の治療に対する低い応答または無応答を示す。あるいは、rs12980275、rs8105790、rs8103142、rs10853727、rs8109886及びrs8099917の各々におけるアレルを含むハプロタイプは、該組成物による治療に対する対象の治療に対する応答を示し得る。
【0073】
本発明は、改変された発現レベル(例えば、対象由来の試料中の1以上の遺伝子の発現の増大または低下)の検出も包含し、ここで、該改変された発現は、該組成物による治療に対する対象の応答を示す。あるいは、改変された発現(例えば、1以上の遺伝子の発現の増大または低下)、ここで、該改変された発現は、治療に対する低い応答または無応答を示し得る。改変された発現を検出するために、遺伝子の少なくとも1つの発現産物の改変されたレベルを、例えば、核酸に基づくアッセイまたは抗原に基づくアッセイによって検出する。例えば、増幅反応(例えば、等温増幅)またはPCR反応(例えば、RT−PCR)を行ない、対象由来の試料中の遺伝子のmRNA転写物を検出する。あるいは、発現タンパク質を検出するために、対象に由来するタンパク質含有試料を、該マーカーの遺伝子によってコードされるタンパク質のアレル変異体に特異的に結合することができる抗体またはリガンドと、複合体の形成に十分な時間及び条件下で接触させ、この複合体を検出する。任意の標準的なイムノアッセイ、例えば、ELISA(マイクロタイターウェル中またはラテラルフローもしくはフロースルーアッセイフォーマットで行なわれるサンドイッチELISAを含む)を利用してもよい。発現を決定する任意のアッセイでは、例えば、試料中の発現を対照試料中の発現と比較することによって、変動を制御することができる。好ましい対照試料は、(i)免疫調節組成物で治療されていない1以上の対象由来の試料;及び(ii)(i)の試料についてこれまでに決定された発現の測定値を含むデータセットからなる群から選択される。
【0074】
本発明の予後判定法、または本方法を利用する任意の診断もしくは治療アッセイもしくはプロセスを行なう際、試料は、通常、ゲノムDNA、mRNA、タンパク質またはそれらの誘導体を含む。増幅された、ゲノムDNAまたはmRNAに由来するDNAまたはcDNAも有用である。したがって、アッセイが核酸に基づくものまたはタンパク質に基づくものである場合、有核細胞及び/またはタンパク質もしくは核酸を含むその抽出物が特に有用である。タンパク質に基づくアッセイ(例えば、イムノアッセイ)のために、試料は、マーカータンパク質を含むと考えられる細胞抽出物(例えば、IFN−λ3を発現する細胞)を含むべきである。したがって、本発明は、全血、血清、血漿、末梢血単核細胞(PBMC)、バフィーコート画分、唾液、尿、口腔細胞、肝生検及び皮膚細胞またはこれらの組合せからなる群から選択される任意の試料の使用を包含する。
【0075】
本発明をエクスビボで行ない得る、すなわち、試料は、対象に予め由来するか、対象から予め単離されているか、または対象から予め得られていることが理解されるべきである。
【0076】
試料は、ゲノムDNA、mRNA、タンパク質またはそれらの誘導体を含み得る。
【0077】
本明細書の任意の例によって記載されているような本発明の予後判定法によれば、陽性の応答は、(i)ウイルス除去の増強またはウイルス力価の低下またはウイルス力価の低下もしくは除去の増強に関連する対象に特徴的な他の健康の変化を含む応答;(ii)癌からの回復もしくは寛解または腫瘍もしくは前癌病変の増殖の低下を含む応答;(iii)Th1細胞数、Th2細胞数もしくはTh1/Th2細胞バランスの変化またはTh1介在性もしくはTh2介在性疾患からの回復を示す対象に特徴的な他の健康の変化;及び(iv)(i)〜(iii)のうちの2つまたは全ての組合せからなる群から選択され得る。同様に、低い応答または無応答は、(i)ウイルスの除去の失敗もしくはウイルス力価の低下の失敗または該失敗に関連する対象に特徴的な他の健康の変化;(ii)癌からの回復もしくは癌からの緩解の失敗または腫瘍もしくは前癌病変の増殖の低下の失敗;(iii)Th1細胞数、Th2細胞数もしくはTh1/Th2細胞バランスまたはTh1介在性もしくはTh2介在性疾患からの回復を示す対象に特徴的な健康に顕著な変化がないこと;及び(iv)(i)〜(iii)のうちの2つまたは全ての組合せからなる群から選択され得る。
【0078】
人種起源または遺伝的背景が応答との関連で意義を有する疾患及び状態の場合、対象はその人種背景に属するか、またはマッチした遺伝的背景を有することが好ましい。一例では、対象は白人(例えば、北欧人)である。あるいは、対象は、アフリカ人(例えば、ズール人)、またはアジア人(例えば、中国人)であってもよい。
【0079】
免疫調節組成物は、1以上のIFN及び/または該1以上の該IFNの1以上の誘導体(例えば、IFN−α、IFN−β、IFN−ω、IFN−γ、IFN−λ1、IFN−λ2及びIFN−λ3から選択される1以上のIFN並びに/または該IFNのいずれか1つもしくは複数の1以上の誘導体)も含み得る。その代わりに、またはそれに加えて、免疫調節組成物は、1以上のグアノシン類似体及び/または該1以上の該グアノシン類似体の1以上の誘導体(例えば、1以上のリバビリン、ビラミジン、7−ベンジル−8−ブロモグアニン、9−ベンジル−8−ブロモグアニン、及びCpG含有オリゴヌクレオチド、並びにそれらの誘導体、塩、溶媒和物及び水和物)を含み得る。例えば、免疫調節組成物は、IFN−α及びリバビリンを含む。ペグ化IFNに対する応答の試験も明らかに包含される。
【0080】
別の例では、本発明は、対象が免疫調節組成物によるTh1介在性疾患及び/またはTh2介在性疾患の治療に応答する可能性を正確に判定するためのプロセスであって、本明細書の任意の例によって記載されているような方法を実施し、それによって、該組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す1以上のマーカーを検出すること、並びに
(i)Th1細胞数、Th2細胞数もしくはTh1/Th2細胞バランスの変化またはTh1介在性もしくはTh2介在性疾患からの回復を示す対象に特徴的な他の健康の変化、ここで、該応答は、治療に対する応答を示す;及び
(ii)Th1細胞数、Th2細胞数もしくはTh1/Th2細胞バランスまたはTh1介在性もしくはTh2介在性疾患からの回復を示す対象に特徴的な健康に顕著な変化がないこと、ここで、該応答は、治療に対する低い応答または無応答を示す、
からなる群から選択される対象の応答を判定することを含む、プロセスを提供する。
【0081】
この例によれば、疾患は、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病(IDDM)、強皮症、ConA肝炎、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎及びアレルギーからなる群から選択され得る。
【0082】
あるいは、本発明の別の例は、対象が免疫調節組成物による1以上の細菌またはウイルス感染の治療に応答する可能性を正確に判定するためのプロセスであって、本明細書の任意の例によって記載されているような方法を実施し、それによって、該組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す1以上のマーカーを検出すること、並びに
(i)ウイルスもしくは細菌除去の増強またはウイルス力価もしくは細菌数の低下またはウイルス力価もしくは細菌数の低下もしくは除去の増強に関連する対象に特徴的な他の健康の変化を含む応答、ここで、該応答は、治療に対する応答を示す;及び
(ii)ウイルスもしくは細菌の除去の失敗もしくはウイルス力価もしくは細菌数の低下の失敗または該失敗に関連する対象に特徴的な健康の変化、ここで、該応答は、治療に対する低い応答または無応答を示す、
からなる群から選択される対象の応答を判定することを含む、プロセスを提供する。
【0083】
この例によれば、細菌はグラム陰性細菌であり、かつ/またはウイルスは一本鎖RNAウイルスであり、例えば、ウイルスは、ヒトパピローマウイルス、ピコルナウイルス、フラビウイルス(例えば、肝炎ウイルス)、アレナウイルス、トガウイルス、ブンヤウイルス、フィロウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、オルトミクソウイルス、及びコロナウイルスからなる群から選択される。あるいは、ウイルスは、DNAウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)である。
【0084】
あるいは、本発明の別の例は、対象が免疫調節組成物による1以上の新生物または前癌状態の治療に応答する可能性を正確に判定するためのプロセスであって、本明細書の任意の例によって記載されているような方法を実施し、それによって、該組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す1以上のマーカーを検出すること、並びに
(i)癌からの回復もしくは寛解または腫瘍もしくは前癌病変の増殖の低下を含む応答、ここで、該応答は、治療に対する応答を示す;及び
(ii)癌からの回復もしくは癌からの緩解の失敗または腫瘍もしくは前癌病変の増殖の低下の失敗、ここで、該応答は、治療に対する低い応答または無応答を示す、
からなる群から選択される対象の応答を判定することを含む、プロセスを提供する。
【0085】
この例によれば、癌または前癌病変は、乳癌、肺癌、卵巣癌、HPV関連癌(例えば、子宮頸部上皮内新生物及び/または子宮頸癌及び/または外陰部上皮内新生物及び/または陰茎上皮内新生物及び/または肛門上皮内新生物)、肝細胞癌、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、光線角化症、黒色腫、有毛細胞白血病、カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫、星状細胞腫、膠芽細胞腫、胸腺腫、腺癌並びに線維肉腫からなる群から選択される。
【0086】
本発明のまた別の例は、対象が免疫調節組成物によるHCV感染の治療に応答する可能性を正確に判定するためのプロセスであって、本明細書の任意の例によって記載されているような方法を実施し、それによって、該組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す1以上のマーカーを検出すること、並びに
(i)HCV除去の増強もしくはHCV力価の低下またはウイルス力価の低下もしくは除去の増強に関連する対象に特徴的な他の健康の変化を含む応答、ここで、該応答は、治療に対する応答を示す;及び
(ii)HCV除去の失敗もしくはHCV力価の低下の失敗または該失敗に関連する対象に特徴的な健康の変化、ここで、該応答は、治療に対する低い応答または無応答を示す、
からなる群から選択される対象の応答を判定することを含む、プロセスを提供する。
【0087】
また別の例では、本発明は、対象がIFNまたはその誘導体及びリバビリンまたはその誘導体を含む免疫調節組成物によるHCV感染の治療に応答する可能性を正確に判定するためのプロセスであって、本明細書の任意の例によって記載されているような方法を実施し、それによって、該組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す1以上のマーカーを検出すること、並びに
(i)HCV除去の増強もしくはHCV力価の低下またはウイルス力価の低下もしくは除去の増強に関連する対象に特徴的な他の健康の変化を含む応答、ここで、該応答は、治療に対する応答を示す;及び
(ii)HCV除去の失敗もしくはHCV力価の低下の失敗または該失敗に関連する対象に特徴的な健康の変化、ここで、該応答は、治療に対する低い応答または無応答を示す、
からなる群から選択される対象の応答を判定することを含む、プロセスを提供する。
【0088】
これらの前述の例において、免疫調節組成物は、本明細書の任意の他の例によって記載されているような1以上のIFN及び/または該1以上の該IFNの1以上の誘導体を含み得る。その代わりに、またはそれに加えて、免疫調節組成物は、本明細書の任意の他の例による1以上のグアノシン類似体及び/または該1以上の該グアノシン類似体の1以上の誘導体を含み得る。
【0089】
別の例では、本発明は、免疫調節組成物による治療を必要とする対象を選択するためのプロセスであって、
(i)対象から得られた細胞を含む試料をインビトロで免疫調節組成物に曝露させること;及び
(ii)試料に対して本明細書の任意の例によって記載されているような予後判定方法またはプロセスを実施し、それによって、免疫調節組成物による治療に応答する可能性が高い対象を特定すること;及び
(iii)治療に応答する可能性が高い対象に免疫調節組成物を投与または推奨すること
を含む、プロセスを提供する。
【0090】
別の例では、本発明は、免疫調節組成物による治療を必要とする対象を選択するためのプロセスであって、
(i)対象から得られた細胞を含む試料をインビトロで免疫調節組成物に曝露させること;及び
(ii)試料に対して本明細書の任意の例によって記載されているような予後判定方法またはプロセスを実施し、それによって、免疫調節組成物による治療に応答しない可能性が高いかまたは治療に対する低い応答を示す可能性が高い対象を特定すること;及び
(iii)免疫調節組成物の代替療法を投与または推奨すること
を含む、プロセスを提供する。
【0091】
この選択プロセスは、免疫調節組成物を以前に投与されていない対象由来の試料に対してすぐに実施されるか、または免疫調節組成物の事前のインビボ投与を受けた対象において治療を継続するか否かを判定するためのものである。この方法は、HCVに感染した対象由来の試料に対する免疫調節組成物の効果を決定するのに特に適している。この例では、免疫調節組成物は、本明細書の任意の例によって記載されているような1以上のIFN及び/または該1以上の該IFNの1以上の誘導体を含み得る。その代わりに、またはそれに加えて、免疫調節組成物は、本明細書の任意の例によって記載されているような1以上のグアノシン類似体及び/または該1以上の該グアノシン類似体の1以上の誘導体を含み得る。例示的な試料は、末梢血単核細胞を含む。
【0092】
関連する例では、本発明は、HCV感染対象を治療するためのプロセスであって、対象由来の試料に対してエクスビボ選択プロセスを実施すること、及び対象が治療に応答する可能性が高い場合、IFNを含む治療有効量の免疫調節組成物を対象に投与もしくは推奨するか、または対象が治療に応答しない可能性が高いかもしくは治療に対する低い応答を生じる可能性が高い場合、代替療法を投与もしくは推奨することを含む、プロセスを提供する。
【0093】
別の例では、本発明は、対象の慢性HCV感染に罹りやすい傾向を判定するためのプロセスであって、本明細書に記載されているような予後判定方法を実施し、それによって、免疫調節組成物による治療に応答しない可能性が高いかまたは治療に対する低い応答を示す可能性が高い対象を特定すること、及び対象が慢性HCV感染に罹りやすい傾向があると判定することを含む、プロセスを提供する。
【0094】
また別の例では、本発明は、本明細書に記載の予後判定検査を利用する治療方法を提供する。例えば、本発明は、(i)本明細書の任意の例によって記載されているような予後判定方法またはプロセスを実施すること;及び(ii)免疫調節組成物を対象に投与または推奨することを含むプロセスを提供する。別の例では、そのようなプロセスは、(i)本明細書の任意の例によって記載されているような予後判定方法またはプロセスの結果を得ること;及び(ii)免疫調節組成物を対象に投与または推奨することを含む。
【0095】
別の例では、本発明は、対象におけるHCV感染の治療方法であって、それを必要とする対象に対するIFN−λ2もしくはその誘導体及び/またはIFN−λ3もしくはその誘導体を含む免疫調節組成物を対象に投与または推奨することを含む方法を提供するものであり、例えば、免疫調節組成物の投与は、対象においてウイルス除去を増強するかまたはウイルス力価を低下させるのに十分な時間及び条件下にある。当業者には知られているように、誘導体はペグ化されていてもよく、例えば、本発明は、ペグ化IFN−λ2及び/またはペグ化IFN−λ3の投与を明らかに包含する。その代わりに、またはそれに加えて、誘導体は、アルブミンの付加により修飾されていてもよく(すなわち、「アルブミン化」されており)、例えば、本発明は、アルブミン化IFN−λ2及び/またはアルブミン化IFN−λ3の投与を明らかに包含する。場合により、本明細書の任意の例によって記載されているようなグアノシン類似体も対象に投与してもよい。
【0096】
本発明のさらなる例は、IFN−α/βを用いて治療されることが知られている医学的状態の治療のための医薬品の調製に用いられるIFN−λ2及び/またはIFN−λ3の使用を提供する。そのような医学的適応症は、本明細書における開示から明白である。
【0097】
本発明のさらなる例は、HCVによる感染の治療のための医薬品の調製に用いられるIFN−λ2の使用を提供する。
【0098】
本発明のさらなる例は、HCVによる感染の治療のための医薬品の調製に用いられるIFN−λ3の使用を提供する。
【0099】
本発明のさらなる例は、グラム陰性細菌による感染の治療のための医薬品の調製に用いられるIFNの使用を提供する。
【0100】
本発明のさらなる例は、多発性嚢胞腎またはそれに起因する合併症(例えば、移植後糖尿病)の治療のための医薬品の調製に用いられるIFNの使用を提供する。
【0101】
本発明のさらなる例は、肺癌、卵巣癌、肝臓癌または乳癌の治療のための医薬品の調製に用いられるIFNの使用を提供する。
【0102】
本発明のさらなる例は、本明細書の任意の例による予後判定方法またはプロセスを実施するための複数の単離された核酸及び/または複数の抗体及び/または複数のペプチドを含むキットを提供する。
一例では、核酸は各々、表1に記載のSNPのアレルを含み、かつ例えば、本明細書に示すヌクレオチド配列もしくはそれに相補的なヌクレオチド配列を含むということによって、または該ヌクレオチド配列の内部に含まれるということによって、同じ遺伝子座における他のアレルを区別することができる。別の例では、抗体は、表1に示すようなIFN−λ3ポリペプチド中のアミノ酸のアレル変異体を含むペプチドに結合し、かつ同じ遺伝子座における他のアレル変異体を区別することができる。別の例では、ペプチドは各々、表1に示すようなIFN−λ3ポリペプチド中のアミノ酸のアレル変異体を含み、かつ例えば、本明細書に示すアミノ酸配列を含むということによって、または該アミノ酸配列の内部に含まれるということによって、同じ遺伝子座における他のアレル変異体を区別することができる。複数の核酸、ペプチドまたは抗体を、例えば、固体基板表面に配置してもよい。好ましくは、キットは、IFN−λ3遺伝子に由来する配列を含む複数の核酸を少なくとも含むか、またはIFN−λ3ポリペプチドの全長配列に由来する複数のペプチドを少なくとも含むか、または各々IFN−λ3ポリペプチドの全長配列に由来するペプチドに結合することができる複数の抗体を少なくとも含む。複数の核酸、ペプチドまたは抗体を、例えば、固体基板表面に配置してもよい。さらなる例は、本明細書の任意の例による予後判定方法またはプロセスを実施するためのキットまたは固体基板の製造における、本明細書の任意の例によって記載されているような複数の単離された核酸またはペプチドまたは抗体の使用を提供する。
【0103】
文脈上他の意味に解すべき場合を除きまたは特に反対のことを記述しない限り、本明細書で、単数の整数、工程または要素として列挙された本発明の整数、工程または要素は、列挙された整数、工程または要素の単数形と複数形の両方を明らかに包含する。
【0104】
本明細書で言及されるヌクレオチド残基の名称は、IUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨されている名称であり、ここで、Aはアデニンを表し、Cはシトシンを表し、Gはグアニンを表し、Tはチミンを表し、Yはピリミジン残基を表し、Rはプリン残基を表し、Mはアデニンまたはシトシンを表し、Kはグアニンまたはチミンを表し、Sはグアニンまたはシトシンを表し、Wはアデニンまたはチミンを表し、Hはグアニン以外のヌクレオチドを表し、Bはアデニン以外のヌクレオチドを表し、Vはチミン以外のヌクレオチドを表し、Dはシトシン以外のヌクレオチドを表し、Nは任意のヌクレオチド残基を表す。
【0105】
本明細書では、「由来する」という用語は、指定した完全体(integer)を特定の供給源から得てもよいことを示し、必ずしもその供給源から直接得られなくてもよいと理解されるものとする。
【0106】
本明細書を通じて、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という単語、または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などのバリエーションは、記述した工程もしくは要素もしくは整数または工程もしくは要素もしくは整数の群の包含を意味するのであって、任意の他の工程もしくは要素もしくは整数または要素もしくは整数の群の排除を意味するのではないことが理解されるものとする。
【0107】
本明細書を通じて、特に別途記述しない限りまたは文脈上他の意味に解すべき場合を除き、単一の工程、物質の組成物、工程の群または物質の組成物の群への言及は、1つまたは複数(すなわち、1以上)のそれらの工程、物質の組成物、工程の群または物質の組成物の群を包含すると理解されるものとする。
【0108】
本明細書に記載の各実施形態は、特に別途記述しない限り、必要な変更を加えて、各々及び全ての他の実施形態に適用されるものとする。
【0109】
本明細書に記載の発明には、具体的に記載されているバリエーション及び改変以外のバリエーション及び改変の余地があることを当業者は認識するであろう。本発明は全てのそのようなバリエーション及び改変を含むことが理解されるべきである。本発明はまた、本明細書で言及されるかまたは本明細書で示される全ての工程、特徴、組成物及び化合物を個別にまたは包括的に含み、また、該工程または特徴の任意の及び全ての組合せまたは任意の2以上の該ステップもしくは特徴を含む。
【0110】
本発明は、本明細書に記載の具体的な実施形態によって範囲を限定されるべきではなく、この具体的な実施形態は、単に例証目的のためのものである。機能的に等価な製品、組成物及び方法は、明らかに、本明細書に記載されるような発明の範囲内にある。
【0111】
本発明は、別途指定しない限り、分子生物学、発生生物学、哺乳動物細胞培養、組換えDNA技術、組織化学及び免疫組織化学並びに免疫学の従来技術を用いて、過度の実験を行うことなく実施される。そのような手順は、例えば、非特許文献16〜19に記載されており、これらのテキストは、参照により組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】rs8099917で異なる遺伝子型(x軸)を有する患者についてRT−PCRで決定したときのIFN−λ2とIFN−λ3の組み合わせた発現(y軸)を示すグラフ。データは、IFN−λ2及びIFN−λ3の発現が、この遺伝子座における高応答(HR)Tアレルについてホモ接合である患者と比較して、この遺伝子座における低応答(LR)Gアレルについてホモ接合である患者では低下しており、また、G/Tヘテロ接合体では中間であることを示している。このデータはさらに、治療応答におけるrs8099917 SNPの機能的重要性を示唆している。
【発明を実施するための形態】
【0113】
疾患または障害と関連するマーカー:
一例では、本発明のマーカーは、表1に、好ましくは表3または4〜5に示されている。
【0114】
好ましくは、マーカーは、配列表に示す配列もしくはそれに相補的な配列を含む核酸を含むか、またはそのような核酸からなる。そのような核酸マーカーは、例えば、多型、IFN−λA3遺伝子もしくはその転写物への挿入、IFN−λA3遺伝子もしくはその転写物からの欠失、IFN−λA3遺伝子の転写物もしくはその断片、または選択的にスプライシングされたIFN−λA3の転写物もしくはその断片を含み、かつコピー数変異体または反転体(inversion)を含む。ヌクレオチド置換または欠失または挿入は、遺伝子の5’末端、遺伝子の3’末端、遺伝子のエキソンまたは遺伝子のイントロンにあり得る。あるいは、ヌクレオチド置換または欠失または挿入は、遺伝子間領域、すなわち、遺伝子と遺伝子の間にあり得る。ヌクレオチド置換または欠失または挿入は、遺伝子発現を改変し得、任意の理論または作用様式に束縛されるものではないが、この改変された発現は、治療応答、または無応答もしくは低応答の発達と関連し得る。
【0115】
予後を示す多型にまたがるタンパク質またはペプチドを含むマーカーもまた、本発明で提供される。
【0116】
一例では、本発明の方法は、治療応答と関連する複数のマーカーの存在を検出または決定することを含む。
【0117】
【表1A】

【表1B】

【表1C】

【表1D】

【表1E】

【表1F】

【表1G】

【表1H】

【0118】
アッセイ法:
(i)核酸マーカー検出
当業者には明らかであるように、治療応答と関連するかまたはその原因となるマーカーを特異的に検出することができるプローブまたはプライマーは、該マーカーを含むゲノムの領域、またはその発現産物に特異的にハイブリダイズすることができる任意のプローブまたはプライマーである。したがって、核酸マーカーは、(例えば、ロックされた核酸(LNA)プローブを用いる検出のために)少なくとも約8ヌクレオチドの長さであることが好ましい。より特異的なハイブリダイゼーションをもたらすために、マーカーは、好ましくは少なくとも約15ヌクレオチドの長さであり、またはより好ましくは少なくとも20〜30ヌクレオチドの長さである。そのようなマーカーは、核酸ハイブリダイゼーションに基づく検出手段アッセイ(例えば、PCRまたはリガーゼ連鎖反応の任意の既知のフォーマット)による検出に特に適している。
【0119】
一例では、好ましいプローブまたはプライマーは、
(i)配列番号:1〜158からなる群から選択される配列と少なくとも約80%相同な配列;
(ii)(i)の配列によってコードされるアミノ酸配列をコードすることができる配列、例えば、配列番号:68または70に示す配列と少なくとも80%相同な配列;及び
(iii)(i)または(ii)に示す配列に相補的な配列
からなる群から選択される配列のうちの少なくとも20のヌクレオチドと少なくとも約80%同一なヌクレオチド配列を含む核酸を含むか、そのような核酸からなるか、またはそのような核酸の内部にある。
【0120】
通常、核酸マーカーを検出するための方法は、中等度から高度のストリンジェンシー条件下で対象由来試料中の核酸と連鎖するマーカーにオリゴヌクレオチドをハイブリダイスさせること、及び例えば、増幅反応またはハイブリダイゼーション反応などの検出手段を用いてオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを検出することを含む。
【0121】
これらの診断アッセイで使用されるストリンジェンシーのレベルを定義する目的のために、低いストリンジェンシーは、本明細書において、6×SSCバッファー、0.1%(w/v)SDS中、28℃で、または等価な条件で実施されるハイブリダイゼーション及び/または洗浄であると定義する。中等度のストリンジェンシーは、2×SSCバッファー、0.1%(w/v)SDS中、45℃〜65℃の範囲の温度で、または等価な条件で実施されるハイブリダイゼーション及び/または洗浄であると定義する。高度のストリンジェンシーは、0.1×SSCバッファー、0.1%(w/v)SDS、またはより低い塩濃度中、少なくとも65℃の温度で、または等価な条件で実施されるハイブリダイゼーション及び/または洗浄であると定義する。本明細書中での特定のストリンジェンシーのレベルに関する言及は、当技術分野で公知のSSC以外の洗浄/ハイブリダイゼーション溶液を用いる等価な条件を包含する。
【0122】
通常、ストリンジェンシーは、SSCバッファーの濃度を下げること、並びに/またはSDSの濃度を上げること、並びに/またはハイブリダイゼーション及び/もしくは洗浄の温度を上げることによって増大する。当業者であれば、試料DNAを支持するのに使用されるハイブリダイゼーションマトリックスの性質、及び/または使用されるハイブリダイゼーションプローブの種類によって、ハイブリダイゼーション及び/または洗浄の条件が異なる得ることを知っているであろう。
【0123】
別の例では、ストリンジェンシーは、プローブまたはプライマーが標的配列から解離する温度(すなわち、プローブもしくはプライマー融解温度またはTm)に基づいて決定される。そのような温度は、例えば、方程式を用いるか、または実験的手段によって決定することができる。核酸のTmのいくつかの決定方法が当技術分野で公知である。例えば、ウォレス法では、オリゴヌクレオチド中のG+C濃度とT+A濃度を決定し、この情報を用いて、理論的Tmを算出する(非特許文献20)。例えば、最近接法などの代替法が当技術分野で知られており、例えば、非特許文献21〜22に記載されている。プローブまたはプライマーの提案された変性温度と同様(例えば、5℃以内もしくは10℃以内)または同等の温度は、高度のストリンジェンシーであると考えられる。中等度のストリンジェンシーは、プローブまたはプライマーの算出されたTmの10℃〜20℃または10℃〜15℃以内であると考えられるべきである。
【0124】
a)プローブ/プライマーの設計及び作製
当業者には明らかであるように、本発明のアッセイで使用される具体的なプローブまたはプライマーは、使用されるアッセイフォーマットによって決まる。明らかに、対象となるマーカーに優先的にもしくは特異的にハイブリダイズするか、またはそれに優先的にもしくは特異的にアニーリングするか、またはそれを優先的にもしくは特異的に検出することができるプローブまたはプライマーが好ましい。例えば、PCRまたはハイブリダイゼーション用のプローブ及び/またはプライマーを設計するための方法が公知であり、例えば、非特許文献23)に記載されている。さらに、種々のアッセイのための最適なプローブ及び/またはプライマーを設計するいくつかのソフトウェアパッケージが一般に入手可能である(例えば、Center for Genome Research,Cambridge,MA,USAから入手可能なPrimer 3)。治療応答と関連するマーカーの検出に有用なプローブ及び/またはプライマーを評価して、ヘアピンを形成しないもの、自己プライミングしないもの、または(例えば、検出アッセイで使用される別のプローブもしくはプライマーとの)プライマーダイマーを形成しないものを決定する。
【0125】
さらに、プローブまたはプライマー(またはこれらの配列)を評価して、標的核酸から変性する温度(すなわち、プローブもしくはプライマー融解温度、またはTm)を決定する。Tmを決定する方法は当技術分野で公知であり、例えば、非特許文献24〜25に記載されている。
【0126】
アレル特異的PCRアッセイまたはリガーゼ連鎖反応アッセイでSNPまたは突然変異を検出するのに有用なプライマーまたはプローブは、3’末端ヌクレオチドがSNPまたは突然変異の部位にハイブリダイズするように設計される。3’末端ヌクレオチドは、SNPまたは突然変異の部位に存在することが知られているヌクレオチドのいずれかであり得る。相補的ヌクレオチドが、プローブまたはプライマー中に、及び多型の部位で存在する場合、プローブまたはプライマーの3’末端は、対象となるマーカーに完全にハイブリダイズし、例えば、PCR増幅または別の核酸へのライゲーションを容易にする。したがって、標的核酸に完全にハイブリダイズするプローブまたはプライマーは、アッセイにおいて陽性の結果をもたらす。
【0127】
別の例では、プライマー伸長反応に有用なプライマーは、それが対象となる特定のヌクレオチド(例えば、SNPまたは突然変異)に隣接する領域に優先的にまたは特異的にハイブリダイズするように設計される。
【0128】
プローブまたはプライマーの特異的ハイブリダイゼーションは、例えば、BLASTなどのソフトウェアを用いて、任意の核酸に対するプローブまたはプライマーの相同性の程度を決定することにより推定することができるが、プローブまたはプライマーの特異性は、当技術分野で公知の方法を用いて実験的にしか決定することができない。
【0129】
例えば、ハイブリダイゼーションによるSNPまたは突然変異またはマイクロサテライトの検出に有用なロックされた核酸(LNA)またはタンパク質核酸(PNA)プローブまたは分子ビーコンは、少なくとも約8〜12ヌクレオチドの長さである。好ましくは、SNPまたは突然変異またはマイクロサテライトの部位にハイブリダイズする核酸、またはその誘導体は、プローブのほぼ真ん中に位置付けられ、それにより、選択的ハイブリダイゼーション及び正確な検出が容易になる。
【0130】
本発明のプローブまたはプライマーを作製/合成するための方法は当技術分野で公知である。例えば、オリゴヌクレオチド合成は、非特許文献26)に記載されている。例えば、プローブまたはプライマーは、生物学的合成によって(例えば、制限エンドヌクレアーゼを用いた核酸の消化によって)または化学合成によって得ることができる。短い配列(最大で約100ヌクレオチド)については、化学合成が好ましい。
【0131】
より長い配列については、例えば、非特許文献27によって記載されているような一本鎖DNAのためのM13の使用などの、分子生物学で利用される標準的な複製方法が有用である。
【0132】
他のオリゴヌクレオチド合成方法としては、例えば、ホスホトリエステル法及びホスホジエステル法(非特許文献28)並びに支持体表面での合成(非特許文献29)並びにホスホルアミダート法(非特許文献30〜31)に記載されている他の方法、並びにこれらの文献中に含まれる参考文献が挙げられる。
【0133】
LNA合成は、例えば、非特許文献32〜33に記載されている。一方、PNA合成は、例えば、非特許文献34〜36記載されている。
【0134】
一例では、プローブまたはプライマーは、1以上の検出可能マーカーを含む。例えば、プローブまたはプライマーは、例えば、フルオレセイン(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、クマリン、ダンシルクロリド、ローダミン、4’−6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、並びにシアニン色素のCy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5及びCy7、フルオレセイン(5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、ローダミン(5,6−テトラメチルローダミン)などの蛍光標識を含む。これらの蛍光色素(fluor)のそれぞれの最大吸収及び最大放出は、FITC(490nm;520nm)、Cy3(554nm;568nm)、Cy3.5(581nm;588nm)、Cy5(652nm;672nm)、Cy5.5(682nm;703nm)及びCy7(755nm;778nm)である。
【0135】
あるいは、プローブまたはプライマーは、例えば、蛍光半導体ナノ結晶(例えば、特許文献17に記載されているもの)、放射性標識または酵素(例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)もしくはβ−ガラクトシダーゼ)で標識されている。
【0136】
そのような検出可能標識は、プローブまたはプライマー(例えば、プローブもしくはプライマーのハイブリダイゼーションまたはプローブもしくはプライマーを用いて生成された増幅産物の検出)を容易にする。そのような標識プローブまたはプライマーを作製するための方法は当技術分野で公知である。さらに、標識プローブまたはプライマーを作製するための市販供給源は当業者に公知である(例えば、Sigma−Genosys,Sydney,Australia)。
【0137】
本発明は、治療に応答する傾向を診断または判定するための診断試薬の製造における本明細書に記載されているようなプローブまたはプライマーの使用をさらに想定している。
【0138】
b)検出方法
核酸を検出するための方法は当技術分野で公知であり、これには、例えば、ハイブリダイゼーションに基づくアッセイ、増幅に基づくアッセイ及び制限エンドヌクレアーゼに基づくアッセイが含まれる。例えば、ゲノムの領域もしくはその発現産物の配列の変化(例えば、挿入、欠失、トランスバージョン、転移、選択的スプライシングなど)または遺伝子のスプライス形態の選好もしくは出現の変化は、とりわけ、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)鎖置換増幅、リガーゼ連鎖反応、サイクリングプローブ技術またはDNAマイクロアレイチップなどの方法を用いて検出される。
【0139】
PCRの方法は当技術分野で公知であり、例えば、非特許文献37)に記載されている。通常、PCRのために、長さが少なくとも約20のヌクレオチド、より好ましくは長さが少なくとも30のヌクレオチドを含む2つの非相補的核酸プライマー分子を、核酸鋳型分子の異なる鎖にハイブリダイズさせ、鋳型の特異的核酸分子コピーを酵素的に増幅させる。PCR産物は、電気泳動及び核酸に結合する検出可能マーカーによる検出を用いて検出し得る。あるいは、1以上のオリゴヌクレオチドを検出可能マーカー(例えば、蛍光色素)で標識し、例えば、ライトサイクラー(Perkin Elmer,Wellesley,MA,USA)を用いて増幅産物を検出する。本発明は、例えば、Taqmanアッセイなどの定量型のPCRも包含することが明らかである。
【0140】
鎖置換増幅(SDA)は、オリゴヌクレオチド、DNAポリメラーゼ及び制限エンドヌクレアーゼを用いて、標的配列を増幅する。オリゴヌクレオチドを標的核酸にハイブリダイズさせ、ポリメラーゼを用いて、この領域のコピーを産生する。次に、コピーされた核酸の始めにある配列を特異的に認識するエンドヌクレアーゼを用いて、コピーされた核酸と標的核酸の二重鎖にニックを入れる。DNAポリメラーゼはニックのあるDNAを認識し、標的領域の別のコピーを産生し、同時に、先に生成された核酸を置換する。SDAの利点は、それが等温フォーマットで行なわれることにより、ハイスループットの自動解析が容易になることである。
【0141】
リガーゼ連鎖反応(特許文献18〜19に記載されている)は、標的核酸に結合する少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを、それらが隣接する形で用いる。次に、リガーゼ酵素を用いて、これらのオリゴヌクレオチドを連結させる。熱サイクリングを用いると、ライゲートされたオリゴヌクレオチドは、次に、さらなるオリゴヌクレオチドの標的になる。次に、例えば、電気泳動、またはMALDI−TOFを用いて、ライゲートされた断片を検出する。その代わりに、またはそれに加えて、1以上のプローブを検出可能マーカーで標識し、それにより、迅速な検出を容易にする。
【0142】
サイクリングプローブ技術では、標的配列にハイブリダイズすることができるDNA−RNA−DNAを含む合成キメラプローブが用いられる。標的配列にハイブリダイズすると、形成されたRNA−DNA二重鎖は、RNアーゼHの標的となり、それにより、プローブが切断される。次に、例えば、電気泳動またはMALDI−TOFを用いて、切断されたプローブを検出する。
【0143】
好ましい例では、治療応答と関連するかまたはその原因とされるマーカーは、ゲノム遺伝子(例えば、IFN−λ3遺伝子)のタンパク質コード領域内に存在し、かつその遺伝子によってコードされるmRNA中で検出可能である。例えば、そのようなマーカーは、ゲノム遺伝子によってコードされるmRNAの選択的スプライシング形態(例えば、正常及び/もしくは健常な対照では見られないスプライス形態、あるいはマーカーを有する対象におけるスプライス形態のレベルの増加もしくは減少)であり得る。そのようなマーカーは、例えば、逆転写酵素PCR(RT−PCR)、転写媒介性増幅(TMA)または核酸配列に基づく増幅(NASBA)を用いて検出することができるが、任意のmRNAまたはcDNAに基づくハイブリダイゼーション及び/または増幅プロトコルが本発明に適していることは明らかである。
【0144】
RT−PCRの方法は当技術分野で公知であり、例えば、非特許文献37)に記載されている。
【0145】
TMAまたは自己持続性配列複製(3SR)の方法では、標的配列に隣接する2以上のオリゴヌクレオチド、RNAポリメラーゼ、RNアーゼH及び逆転写酵素が用いられる。1つのオリゴヌクレオチド(これは、RNAポリメラーゼ結合部位も含む)が標的配列を含むRNA分子とハイブリダイズし、逆転写酵素が、この領域のcDNAコピーを産生する。RNアーゼHを用いて、RNA−DNA複合体中のRNAを消化し、第2のオリゴヌクレオチドを用いて、cDNAのコピーを産生する。次に、RNAポリメラーゼを用いて、cDNAのRNAのコピーを産生する。このプロセスを繰り返す。
【0146】
NASBAシステムは、3つの酵素(逆転写酵素、RNアーゼH及びRNAポリメラーゼ)の同時活性に依存して、標的mRNA配列を選択的に増幅する。標的配列にハイブリダイズし、その5’末端にRNAポリメラーゼ結合部位を含むオリゴヌクレオチドを用いる逆転写によって、mRNA鋳型をcDNAに転写する。鋳型RNAをRNアーゼHで消化し、二本鎖DNAを合成する。次に、RNAポリメラーゼによって、cDNAの多数のRNAコピーが産生される。このプロセスを繰り返す。
【0147】
これらの方法のいずれかを用いる、治療応答と関連するマーカーへのハイブリダイゼーション及び/または治療応答と関連するマーカーの増幅が、例えば、電気泳動及び/または質量分析を用いて検出可能であることが明らかである。この点で、増幅反応で使用される1以上のプローブ/プライマー及び/または1以上のヌクレオチドを、検出可能マーカー、例えば、上記のようなマーカー、例えば、蛍光標識(例えば、Cy5もしくはCy3)または放射性同位体(例えば、32P)で標識して、マーカーの迅速な検出を容易にすることができる。
【0148】
あるいは、融解曲線解析法(例えば、特許文献20に記載されている方法など)を用いて、核酸の増幅を連続的にモニタリングすることができる。
【0149】
本発明の1つの例示的な形態では、治療応答と関連するマーカーは、単一のヌクレオチド変化を含む。単一のヌクレオチド変化を検出する方法は当技術分野で公知であり、例えば、非特許文献38に概説されている。
【0150】
例えば、DNAをエンドヌクレアーゼで消化し、例えば、サザンブロッティング(非特許文献39〜40に記載されているもの)を用いて対象となる断片を検出することによって、制限エンドヌクレアーゼの認識配列である配列を導入するかまたはそれを変化させる単一ヌクレオチド変化を検出する。あるいは、上記の核酸増幅法を用いて、単一ヌクレオチド変化を取り囲む領域を増幅する。次に、増幅産物をエンドヌクレアーゼとともにインキュベートし、例えば、電気泳動、MALDI−TOFまたはPCRによって、得られるどんな断片も検出する。
【0151】
ジデオキシ鎖終結法またはマクサム・ギルバート法のいずれかを用いて、本発明の多型の配列の直接的な解析を遂行することができる(非特許文献41〜42)。
【0152】
あるいは、一本鎖構造多型(SSCP)解析を用いて、単一ヌクレオチド変化を検出する。SSCP解析は、核酸中の二次構造の形成及びこれらの二次構造の配列依存的な性質に依存する。この解析の1つの形態では、増幅法(例えば、上記の方法など)を用いて、単一ヌクレオチド変化を含む核酸を増幅する。次に、増幅された核酸を変性させ、冷却し、例えば、非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動、質量分析、または液体クロマトグラフィー(例えば、HPLCもしくはdHPLC)を用いて解析する。異なる配列を含む領域は、異なる二次構造を形成し、結果として、例えば、ゲル及び/または荷電場の中を異なる速度で移動する。検出可能マーカーをSSCP解析に有用なプローブ/プライマーの中に組み入れて、迅速なマーカー検出を容易にし得ることは明らかである。
【0153】
あるいは、例えば、質量分析またはキャピラリー電気泳動を用いて、任意のヌクレオチド変化を検出する。例えば、被験試料からの単一ヌクレオチド変化を含むDNAの領域の増幅された産物を、正常/健常な個体由来の増幅された産物と混合する。これらの産物を変性させ、再びアニールさせておく。単一ヌクレオチド変化の位置に異なるヌクレオチドを含む試料は、正常/健常な個体由来の核酸分子と完全にはアニールしないため、完全にアニールした核酸と比較したとき、核酸の電荷及び/または構造を変化させることは明らかである。そのような不正確な塩基対形成は、例えば、質量分析を用いて検出可能である。
【0154】
質量分析は、短い増幅産物の分子量を検出するためにも有用である。ヌクレオチド変化は、核酸分子の分子量の変化を生じさせる(そのような方法は、例えば、特許文献21に記載されている)。
【0155】
どちらかのアレルの単一ヌクレオチド変化の存在を判定するために、アレル特異的PCR(例えば、非特許文献43に記載されているもの)も有用である。オリゴヌクレオチドの最も3’の塩基が単一ヌクレオチド変化とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを設計する。PCR反応の間、オリゴヌクレオチドの3’末端が標的配列とハイブリダイズしないならば、PCR産物はほとんどまたは全く産生されない。これは、オリゴヌクレオチド中に存在する塩基以外の塩基が、試料中の単一ヌクレオチド変化の部位に存在することを示す。次に、例えば、ゲルもしくはキャピラリー電気泳動または質量分析を用いて、PCR産物を検出する。
【0156】
プライマー伸長法(例えば、非特許文献37)に記載されている)も単一ヌクレオチド変化の検出に有用である。単一ヌクレオチド変化に隣接する核酸の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを用いる。次に、このオリゴヌクレオチドを、ポリメラーゼ及び単一ヌクレオチド変化で生じる可能性のある塩基のいずれかまたは全てに対応する遊離のヌクレオチドジホスファートとともに、プライマー伸長プロトコルで用いる。ヌクレオチドジホスファートを検出可能マーカー(例えば、蛍光色素)で標識することが好ましい。プライマー伸長後、未結合の標識ヌクレオチドジホスファートを、例えば、サイズ排除クロマトグラフィーもしくは電気泳動を用いて除去するか、または例えば、アルカリホスファターゼを用いて加水分解し、オリゴヌクレオチドへの標識ヌクレオチドの取込みを検出する。これは、単一ヌクレオチド変化の部位に存在する塩基を示す。その代わりに、またはそれに加えて、本明細書で例示されているように、質量分析(例えば、MALDI−TOF)を用いて、プライマー伸長産物を検出する。
【0157】
本発明は、例えば、ミニシークエンシング(非特許文献44)などのハイスループット型のプライマー伸長解析にまで及ぶことが明らかである。そのような方法では、プローブもしくはプライマー(または複数のプローブもしくはプライマー)を固体支持体(例えば、ガラススライド)表面に固定する。次に、核酸を含む生体試料を、このプローブ/またはプライマーと直接接触させ、異なる検出可能マーカーで標識した各々の遊離のヌクレオチド塩基を用いて、プライマー伸長プロトコルを実施する。次に、各々のプローブ及び/またはプライマーに結合した検出可能マーカーを決定することによって、単一ヌクレオチド変化またはいくつかの単一ヌクレオチド変化に存在するヌクレオチドを決定する。
【0158】
蛍光標識されたロックされた核酸(LNA)分子または蛍光標識されたタンパク質−核酸(PNA)分子は、(非特許文献45に記載されているような)SNPの検出に有用である。LNA及びPNA分子は、高い親和性で、核酸(特に、DNA)に結合する。LNAまたはPNAプローブにコンジュゲートした蛍光色素(特に、ローダミンまたはヘキサクロロフルオレセイン)は、プローブが標的核酸にハイブリダイズすると、顕著により高いレベルで蛍光を発する。しかしながら、蛍光の増加のレベルは、1つでもヌクレオチドミスマッチが存在すると、同じレベルまで増強しない。したがって、試料中で検出される蛍光の程度は、例えば、SNPの存在下での、LNAまたはPNAプローブと標的核酸の間のミスマッチの存在を示す。蛍光標識LNAまたはPNA技術を用いて、例えば、上記の増幅法を用いて以前に増幅された核酸中の単一塩基変化を検出することが好ましい。
【0159】
当業者には明らかであるように、LNAまたはPNA検出技術は、非特許文献46に記載されているような、LNAまたはPNAプローブを固体支持体表面に固定する1以上のマーカーのハイスループット検出に適している。
【0160】
同様に、分子ビーコンは、直接試料中でまたは増幅産物中で単一ヌクレオチド変化を検出するのに有用である(例えば、非特許文献47)。分子ビーコンは、ステムループ構造を有する一本鎖核酸分子である。このループ構造は、対象となる単一ヌクレオチド変化を取り囲む領域と相補的である。ステム構造は、プローブ(ループ)の両側にある、互いに相補的な2つの「アーム」をアニールさせることによって形成される。蛍光部分が一方のアームに結合し、分子ビーコンが標的配列に結合していないときに検出可能な蛍光を抑制するクエンチング部分が、もう一方のアームに結合している。ループ領域がその標的核酸に結合すると、これらのアームが分離し、蛍光が検出可能となる。しかしながら、1塩基のミスマッチでさえも、試料中で検出される蛍光のレベルを顕著に変化させる。したがって、検出された蛍光のレベルによって、単一ヌクレオチド変化の部位における特定の塩基の有無が決定される。
【0161】
単一ヌクレオチド変化は、核酸アレイへのハイブリダイゼーションによって同定することもでき、その一例は、特許文献22に記載されている。特許文献22には、予め特徴付けられた多型の変異体形態の検出のために最適化されたサブアレイも記載されている。そのようなサブアレイは、第1の参照配列のアレル変異体である第2の参照配列に相補的となるように設計されたプローブを含む。第2グループのプローブは、プローブが第2の参照配列に対する相補性を示すことを除いて、同じ原理で設計される。第2グループ(またはさらなるグループ)を含めることは、プローブの長さに見合った短い距離の間に複数の突然変異(例えば、9〜21塩基の中に2以上の突然変異)が存在すると考えられる一次参照配列の短いサブ配列を解析するのに特に有用であることができる。
【0162】
本発明は、例えば、SNPマイクロアレイ(Affymetrixから入手可能なもの、もしくは例えば、特許文献23もしくは非特許文献48に記載されているもの)、Taqmanアッセイ(非特許文献49に記載されているもの)、固相ミニシークエンシング(非特許文献50に記載されているもの)、FRETを用いるミニシークエンシング(非特許文献51に記載されているもの)またはパイロミニシークエンシング(非特許文献52に概説されているもの)などの、治療応答と関連する単一ヌクレオチド変化を検出する他の方法を包含することが明らかである。
【0163】
好ましい例では、本質的に非特許文献53によって記載されているようなTaqmanアッセイを用いて、治療応答と関連する単一ヌクレオチド変化を検出する。
【0164】
(ii)タンパク質マーカー検出
a)抗体
ポリペプチドを検出するための方法は、通常、標的ポリペプチドに優先的にまたは特異的に結合するリガンドまたは抗体を利用する。本明細書で使用するとき、「リガンド」という用語は、表1のSNPと連鎖する遺伝子によってコードされるポリペプチド上の1以上の特定の部位に、共有結合であるかどうかを問わず、選択的に結合することができる、任意の化学的化合物、ポリヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、脂質、糖質、小分子、天然産物、ポリマーなどを含むよう、その最も広い文脈において理解されるものとする。リガンドは、とりわけ、疎水相互作用、水素結合、静電相互作用、ファンデルワールス相互作用、πスタッキング、共有結合、または磁気相互作用を含む任意の手段を介して、その標的に結合することができる。リガンドが、ポリペプチドマーカーの特異的形態に特異的に結合することができることが特に好ましい。
【0165】
本明細書では、「抗体」という用語は、完全なモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体、免疫グロブリン(IgA、IgD、IgG、IgM、IgE)画分、ヒト化抗体、または組換え単鎖抗体、並びにこれらの断片、例えば、Fab断片、F(ab)2断片、及びFv断片などを指す。
【0166】
抗体は、当業者に公知の種々の任意の技法により調製され、例えば、非特許文献54)に記載されている。1つのそのような技法では、まず、抗原性ポリペプチドを含む免疫原を多種多様な動物のうちのいずれか1種(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ヒト、イヌ、ブタ、ニワトリ及びヤギ)に注射する。免疫原は、天然の供給源に由来するか、組換え発現手段によって産生するか、または例えば、化学合成(例えば、BOC化学反応もしくはFMOC化学反応)によって人工的に作製する。表1に記載の任意の変異体アミノ酸を含むペプチドを抗体産生用の抗原として利用し得る。
【0167】
ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質を、ウシ血清アルブミンまたはキーホールリンペットヘモシアニンなどの担体タンパク質に結合させる。好ましくは、1回以上のブースター免疫感作を組み込んだ所定の日程に従って、免疫原、及び場合によりタンパク質の担体を動物宿主に注射し、該動物から定期的に血液を採取する。場合により、免疫原を、例えば、免疫原への対象の応答を増強するフロイント完全アジュバントまたはフロイント不完全アジュバント、リゾレシチン、及びジニトロフェノールなどのアジュバントの存在下で注射する。次に、例えば、好適な固体支持体に結合したポリペプチドを用いる親和性クロマトグラフィーによって動物から単離された血液から、ポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を精製する。
【0168】
対象となる抗原性ポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体は、例えば、非特許文献55の技法、及びこれに対する改良法を用いて調製する。簡潔には、これらの方法は、所望の特異性(すなわち、対象となるポリペプチドとの反応性)を有する抗体を産生することができる不死化細胞株の調製を伴う。そのような細胞株は、例えば、上記のように免疫感作された動物から得られる脾臓細胞から産生される。脾臓細胞は、例えば、骨髄腫細胞融合パートナー、好ましくは、免疫感作された動物と同系の融合パートナーとの融合によって不死化させる。種々の融合法が当技術分野で公知であり、例えば、脾臓細胞と骨髄腫細胞を、非イオン性界面活性剤と組み合わせるかまたは電気融合し、次に、ハイブリッド細胞の増殖は促進するが骨髄腫細胞の増殖は促進しない選択的培地中で増殖させる。好ましい選択法では、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミン)選択を用いる。十分な時間、通常は約1〜2週間の後、ハイブリッドのコロニーが観察される。単一のコロニーを選択し、細胞が増殖した増殖培地を、ポリペプチド(免疫原)に対する結合活性を有する抗体の存在について検討する。高い反応性及び特異性を有するハイブリドーマが好ましい。
【0169】
モノクローナル抗体は、例えば、上記のような親和性精製などの方法を用いて、増殖するハイブリドーマコロニーの上清から単離する。
【0170】
抗体収量を増強するために、マウスなどの好適な脊椎動物宿主の腹腔内へのハイブリドーマ細胞株の注射などの、様々な技法も知られている。次に、そのような動物対象の腹水または血液からモノクローナル抗体を回収する。クロマトグラフィー、ゲル濾過、沈殿、及び/または抽出など従来の技法によって、抗体から夾雑物を除去する。本発明の神経変性と関連するマーカーは、精製工程(例えば、親和性クロマトグラフィー工程)でも使用することができる。
【0171】
抗体の産生に使用される免疫原は、免疫原に結合し、好ましくは、高力価抗体である抗体の産生を刺激するのに十分に抗原性である免疫原であることが好ましい。一例では、免疫原は、完全タンパク質である。別の例では、免疫原は、ポリペプチドの断片に相当するペプチドからなる。そのような免疫原に対する抗体は、免疫原がそれに由来する、例えば、その天然状態における、または天然の構造を有する全長タンパク質も認識することが好ましい。
【0172】
その代わりに、またはそれに加えて、ペプチド免疫原に対する抗体は、タンパク質が変性したとき、免疫原がそれに由来する全長タンパク質を認識する。「変性した」とは、タンパク質の構造エピトープが、タンパク質の直鎖B細胞エピトープを保持する条件の下で破壊されることを意味する。当業者に知られているように、直鎖エピトープと構造エピトープとは重複する場合がある。
【0173】
あるいは、IFN−λ3ポリペプチドまたはその断片の形態に結合することができるモノクローナル抗体は、例えば、ヒトB細胞ハイブリドーマ技法(非特許文献56)、ヒトモノクローナル抗体を産生するEBVハイブリドーマ技法(非特許文献57)、またはコンビナトリアル抗体ライブラリーのスクリーニング(非特許文献58)などの方法を用いて産生される。
【0174】
したがって、そのような抗体は、治療応答のマーカーの存在を検出する際に特に有用である。
【0175】
上記の方法は、任意の例によって本明細書に記載されているような抗体または抗体結合断片の産生にも好適である。
【0176】
b)検出方法
一例では、本発明の方法は、ポリペプチド中のマーカーの存在を検出し、該マーカーは、治療応答と関連するかまたはその原因となる。
【0177】
ポリペプチドの量、レベルまたは存在は、例えば、免疫組織化学、免疫蛍光、イムノブロット、ウェスタンブロット、ドットブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型(MALDI−TOF)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、質量分析(タンデム質量分析、例えば、LC MS/MSを含む)、バイオセンサー法、エバネッセント波光ファイバー法またはタンパク質チップ法からなる群から選択される技法など、当業者に公知の種々の技法のいずれかを用いて決定される。
【0178】
一例では、タンパク質の量またはレベルを決定するのに用いられるアッセイは、半定量的アッセイである。別の例では、タンパク質の量またはレベルを決定するのに用いられるアッセイは、定量的アッセイである。
【0179】
IFN−λ3ポリペプチド中の治療応答のマーカーと結合した抗体またはリガンドの量は、イムノアッセイを用いて決定することが好ましい。好ましくは、免疫組織化学、免疫蛍光、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、蛍光結合免疫吸着アッセイ(FLISA)、ウェスタンブロット、RIA、バイオセンサーアッセイ、タンパク質チップアッセイ、質量分析アッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ及び免疫染色アッセイ(例えば、免疫蛍光)からなる群から選択されるアッセイを用いる。
【0180】
標準的な固相ELISAまたはFLISAのフォーマットは、種々の試料に由来するタンパク質の濃度を決定する際に特に有用である。
【0181】
一形態では、そのようなアッセイは、生体試料を、例えば、ポリスチレンまたはポリカーボネートのマイクロウェルもしくはディップスティック、メンブレンまたはガラス支持体(例えば、ガラススライド)などの固体マトリックス表面に固定化することを伴う。治療応答のマーカー(例えば、IFN−λ3ポリペプチドまたは表1のSNPと連鎖する遺伝子によってコードされる他のポリペプチド)に特異的に結合する抗体を、固定化した生体試料と直接接触させ、該試料中に存在するその標的タンパク質のいずれかとの直接的な結合を形成させる。この抗体を、通常、例えば、FLISAの場合は、蛍光標識(例えば、FITCもしくはテキサスレッド)もしくは蛍光半導体ナノ結晶(特許文献17に記載されているもの)、またはELISAの場合は、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、もしくはβ−ガラクトシダーゼ)などの検出可能レポーター分子で標識するか、もしくはその代わりに、一次抗体に結合する好適に標識された二次抗体を用いる。洗浄して、未結合の抗体を全て除去した後、蛍光標識の場合は直接、または酵素標識の場合は、例えば、過酸化水素、TMB、もしくはトルイジン、もしくは5−ブロモ−4−クロロ−3−インドール−β−D−ガラクトピラノシド(x−gal)などの基質を添加することによって、標識を検出する。
【0182】
そのようなELISAまたはFLISAに基づくシステムは、例えば、単離された及び/もしくは組換えのIFN−γ3ポリペプチドまたはその免疫原性断片もしくはそのエピトープなどの、抗体が結合する既知量のタンパク質標準物質に対して検出システムを較正することにより、試料中のタンパク質量の定量に好適なものとなる。
【0183】
別の形態では、ELISAは、ポリペプチドまたは表1のSNPと連鎖する遺伝子によってコードされる他のポリペプチドと特異的に結合する抗体またはリガンドを、例えば、メンブレン、ポリスチレンもしくはポリカーボネートのマイクロウェル、ポリスチレンもしくはポリカーボネートのディップスティック、またはガラス支持体などの固体マトリックス表面に固相化することを含む。次に、試料を該抗体と物理的に関連させ、ポリペプチド内のマーカーを結合させるか、または「捕捉する」。次に、標識抗体を用いて、結合したタンパク質を検出する。例えば、マーカーをヒト試料から捕捉する場合、第1の(捕捉)抗体とは異なるエピトープに結合する標識抗ヒト抗体を用いて、捕捉したタンパク質を検出する。あるいは、第2の(検出)抗体と結合する第3の標識抗体を用いることもできる。
【0184】
本明細書に記載のアッセイフォーマットが、例えば、スクリーニング過程の自動化などのハイスループットフォーマット、または非特許文献59に記載されているようなマイクロアレイフォーマットに適していることは、当業者に明らかであろう。さらに、例えば、競合ELISAなどの、上記のアッセイの変化形も、当業者には明らかであろう。
【0185】
あるいは、ラジオイムノアッセイ(RIA)を用いて、IFN−λ3ポリペプチドまたは表1のSNPと連鎖する遺伝子によってコードされる他のポリペプチド内のマーカーを検出する。このアッセイの基本原理は、抗体−抗原相互作用を検出するために放射性標識された抗体または抗原を使用することである。マーカーに特異的に結合する抗体またはリガンドを固体支持体に結合させ、試料を該抗体と直接接触させる。結合した抗原のレベルを検出するために、単離された及び/または組換えの形態の抗原を放射性標識し、同じ抗体と接触させる。洗浄後、結合した放射能のレベルを検出する。生体試料中の抗原はいずれも、放射性標識した抗原の結合を阻害するので、検出される放射能のレベルは、試料中の抗原のレベルに反比例する。そのようなアッセイは、単離された抗原の既知の増加濃度を用いる標準曲線を用いて定量化することができる。
【0186】
当業者には明らかであるように、そのようなアッセイは、放射性標識の代わりに、例えば、酵素または蛍光分子などの任意のレポーター分子を用いるように改変することができる。
【0187】
別の例では、ウェスタンブロットを用いて、IFN−λ3ポリペプチドまたは表1のSNPと連鎖する遺伝子によってコードされる他のポリペプチド内のマーカーのレベルを決定する。そのようなアッセイでは、当技術分野で知られ、かつ例えば、非特許文献60)に記載されている技法を用いるドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)を用いて、試料由来のタンパク質を分離する。次に、分離されたタンパク質を、当技術分野で公知の方法(例えば、エレクトロトランスファー)を用いて、例えば、メンブレン(例えば、PVDFメンブレン)などの固体支持体に転写する。次に、このメンブレンをブロッキングして、治療応答のマーカーに特異的に結合する標識された抗体またはリガンドでプロービングする。あるいは、標識された二次抗体もしくはリガンド、またはさらには三次抗体もしくはリガンドを用いて、特異的一次抗体の結合を検出する。次に、使用された標識に適切なアッセイを用いて、標識レベルを決定する。適切なアッセイは、当業者には明らかであろう。
【0188】
例えば、密度測定法などの、当技術分野で公知の方法を用いて、例えば、タンパク質マーカーのレベルまたは存在を決定する。一例では、タンパク質のバンドまたはスポットの強度は、当技術分野で公知の方法を用いて、SDS−PAGEゲルに充填されたタンパク質の総量に対して標準化される。あるいは、検出されるマーカーのレベルは、対照/参照タンパク質のレベルに対して標準化される。そのような対照タンパク質は当技術分野で公知であり、これには、例えば、例えば、アクチン、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)、β2マイクログロブリン、ヒドロキシ−メチルビランシンターゼ、ヒポキサンチンホスホリボシル−トランスフェラーゼ1(HPRT)、リボソームタンパク質L13c、コハク酸デヒドロゲナーゼ複合体サブユニットA、及びTATAボックス結合タンパク質(TBP)が含まれる。
【0189】
代わりの例では、例えば、免疫組織化学または免疫蛍光などの当技術分野で公知の方法を用いて、治療応答のポリペプチドマーカーを細胞内で検出する。例えば、マーカーの存在を決定するために解析しようとする細胞または組織切片を固定し、細胞と細胞内に含まれるタンパク質の両方を安定化及び保護する。固定の方法は、マーカーの抗原性を破壊または破損し、それにより、マーカーを検出不能としないことが好ましい。細胞を固定する方法は当技術分野で公知であり、これには、例えば、パラホルムアルデヒドによる処理、アルコールによる処理、アセトンによる処理、メタノールによる処理、ブアン固定液による処理及びグルタルアルデヒドによる処理を含む。固定後、マーカーに結合することができるリガンドまたは抗体とともに、細胞をインキュベートする。リガンドまたは抗体を、例えば、蛍光標識(例えば、FITCもしくはテキサスレッド)、蛍光半導体ナノ結晶(例えば、特許文献17に記載されているもの)、または酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、もしくはβ−ガラクトシダーゼ)などの検出可能なマーカーで標識する。あるいは、一次抗体に結合する標識二次抗体を用いて、一次抗体を検出する。洗浄して、未結合抗体を全て除去した後、関連する検出手段を用いて、該標識抗体への結合のレベルを検出する。蛍光標識を検出するための手段は、使用される標識の種類によって異なり、当業者には明らかであろう。
【0190】
場合により、免疫蛍光または免疫組織化学は、例えば、細胞透過処理(例えば、n−オクチル−βD−グルコピラノシド、デオキシコール酸塩、Triton
X−100 NP−40などの非イオン性洗剤、例えば、SDSもしくはサポニンなどの低濃度のイオン性洗剤を用いる)、及び/または抗原賦活(例えば、熱を用いる)などのさらなる工程を含む。
【0191】
免疫蛍光を用いる方法は、定量的であるか、または少なくとも半定量的であるので好ましい。染色された細胞の蛍光度を定量化する方法は当技術分野で公知であり、例えば、非特許文献61)に記載されている。
【0192】
バイオセンサー装置では、通常、アッセイ基板と組み合わせて装置内に組み込まれる電流またはインピーダンス測定エレメントと組み合わせた電極表面が使用される(例えば、特許文献24に記載されている)。治療応答のマーカーに特異的に結合する抗体/リガンドは、バイオセンサー装置及び該機器に接触させた生体試料の表面に組み込まれることが好ましい。バイオセンサー装置によって検出される電流またはインピーダンスの変化は、該抗体へのタンパク質の結合を示す。当技術分野で公知のバイオセンサーのいくつかの形態はまた、表面プラズモン共鳴の反射表面の変化がリガンドまたは抗体へのタンパク質の結合を示す表面プラズモン共鳴法に依拠してタンパク質相互作用を検出する(特許文献25〜26)。
【0193】
バイオセンサーは、そのようなシステムをマイクロスケールまたはナノスケールに適合させる容易さのため、ハイスループット解析において特に有用である。さらに、そのようなシステムは、いくつかの検出用試薬を組み込み、単一のバイオセンサーユニット内における診断用試薬の多重化を可能とするように適合させるのにも好都合である。これにより、少量の体液中のいくつかのタンパク質またはペプチドの同時的な検出が可能になる。
【0194】
エバネッセント波バイオセンサーもまた、対象となるタンパク質を検出する前に生体試料を事前処理する必要がないので好ましい。エバネッセント波バイオセンサーは、通常、例えば、プローブの表面付近に付着し、標的ポリペプチドが抗体またはリガンドに結合すると異なる波長で蛍光を放出する蛍光抗体などの蛍光分子と相互作用する、所定の波長の光に依拠する。
【0195】
マイクロカンチレバーバイオセンサーまたはナノカンチレバーバイオセンサーもまた、検出可能な標識の使用を必要としないので好ましい。カンチレバーバイオセンサーでは、マイクロカンチレバーまたはナノカンチレバーの屈曲性アームの表面に結合する対象となる解析物を特異的に検出することができるリガンド及び/または抗体が使用される。対象となる解析物(例えば、IFN−λ3ポリペプチドまたは表1のSNPと連鎖する遺伝子によってコードされる他のポリペプチド内のマーカー)が結合すると、カンチレバーの屈曲性アームが垂直方向に(すなわち、上方または下方に)屈曲する。次に、屈曲性アームの屈曲変化を、例えば、原子間力顕微鏡法、屈曲性アームの振動変化、またはピエゾ抵抗の変化などの種々の方法のいずれかによって検出する。例示的なマイクロカンチレバーセンサーは、特許文献27に記載されている。
【0196】
タンパク質チップを作製するために、対象となる特異的な抗体またはタンパク質に結合することができるタンパク質、ペプチド、ポリペプチド、抗体またはリガンドを、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、二酸化ケイ素、金属または窒化ケイ素などの固体支持体に結合させる。この固相化は、直接的(例えば、シッフ塩基形成、ジスルフィド結合、もしくはアミド結合もしくは尿素結合の形成などの共有結合による)または間接的のいずれかである。タンパク質チップを作製する方法は当技術分野で公知であり、例えば、特許文献28〜31に記載されている。タンパク質を固体支持体に結合させるために、多くの場合、表面上に化学反応基を創出するように、固体支持体を(例えば、アルデヒド含有シラン試薬などで)処理する必要がある。あるいは、非特許文献62に記載されているように、抗体またはリガンドを微細加工されたポリアクリルアミドゲルパッド表面で捕捉し、マイクロ電気泳動を用いてゲル内へと加速化させることもできる。
【0197】
タンパク質チップは、1種のタンパク質、リガンドまたは抗体しか含んでいなくてもよく、またこれを用いて、対象となる1種のポリペプチドの存在について1以上の患者試料をスクリーニングしてもよい。また、そのようなチップを用いて、対象となるポリペプチドについて多くの患者試料を同時にスクリーニングしてもよい。
【0198】
タンパク質チップを用いて解析するタンパク質試料は、例えば、当技術分野で公知の方法を用いて検出可能な蛍光分子、放射性分子、酵素、または抗体などのレポーター分子に付着させることが好ましい。したがって、タンパク質チップを標識された試料と接触させ、その後、洗浄して未結合タンパク質を全て除去することにより、例えば、DNAマイクロアレイリーダーを用いるなどの、当技術分野で公知の方法を用いて、結合タンパク質の存在を検出する。
【0199】
あるいは、生体分子相互作用解析−質量分析(BIA−MS)を用いて、複合生体試料中に存在するタンパク質を低fmolレベルからfmol未満のレベルで迅速に検出し、特徴付ける(非特許文献63)。タンパク質チップ解析で有用な1つの技法は、タンパク質チップに結合したタンパク質を特徴付けるための表面増強レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(SELDI−TOF−MS)技術である。あるいは、特許文献32に記載されているようなESIを用いてタンパク質チップを解析する。
【0200】
前述の議論から明らかであるように、抗体またはリガンドに基づく検出システムを用いることは、そのようなアッセイがIFN−λ3ポリペプチド内の治療応答のマーカーの検出に適するので、特に好ましい。イムノアッセイフォーマットは、さらにより特に好ましい。
【0201】
生体試料:
本発明の例はゲノムDNA中のマーカーの検出に基づくので、ゲノムDNAを含む任意の細胞または試料が、疾患もしくは障害及び/または疾患もしくは障害に対する素因を決定するのに有用である。細胞または試料は、ヒトに由来することが好ましい。有核細胞を含むことが好ましい。
【0202】
好ましい生体試料は、例えば、全血、血清、血漿、末梢血単核細胞(PBMC)、バフィーコート画分、唾液、尿、口腔細胞、尿、糞便物質、汗、肝生検または皮膚細胞を含む。
【0203】
好ましい例では、生体試料は、白血球、より好ましくは、リンパ球を含む。
【0204】
あるいは、生体試料は、羊水穿刺、絨毛膜絨毛サンプリング、胎児血液サンプリング(例えば、臍帯穿刺または経皮臍帯血サンプリング)及び他の胎児組織サンプリング(例えば、胎児皮膚生検)からなる群から選択される方法を用いて単離される細胞である。そのような生体試料は、治療応答に対する発生中の胚の傾向を判定するのに有用である。
【0205】
当業者には明らかであるように、生体試料のサイズは、使用される検出手段によって決まる。例えば、PCRまたは単一ヌクレオチドプライマー伸長などのアッセイを、単一の細胞を含む試料に対して行なうこともできるが、より多数の細胞が好ましい。核酸検出の代わりの形態では、単一の細胞よりも顕著に多くの細胞が必要となり得る。さらに、タンパク質に基づくアッセイでは、抗原に基づくアッセイに十分なタンパク質を提供するのに十分な細胞が必要となる。
【0206】
生体試料は、対象に予め由来するか、対象から予め単離されているか、または対象から予め得られていることが好ましい。したがって、本発明は、エクスビボ法も提供する。一例では、本発明の方法は、生体試料を単離すること、生体試料を得ることまたは生体試料を提供することもさらに含む。
【0207】
一例では、本方法は、例えば、ゲノムDNA、mRNA、cDNAまたはタンパク質などの生体試料からの抽出物を用いて行なわれる。
【0208】
本発明は、疾患または障害と関連するIFN−λ3遺伝子中のマーカーを(例えば、免疫蛍光を用いて)細胞内で検出することも含むので、「生体試料」という用語には、解析用に加工されているかどうかを問わず、1つまたは複数の細胞を含む試料も含まれる。
【0209】
前出の説明から明らかであるように、そのようなアッセイでは、例えば、定量化のための、適切な対照(例えば、正常な個体または典型的な集団)の使用が必要となり得る。
【0210】
本明細書では、「正常な個体」という用語は、免疫調節組成物による治療を受けていないことに基づき、対象が選択されることを意味すると理解されるものとする。
【0211】
例えば、正常な対象は、例えば、臨床的解析を用いて、治療が推奨されるいかなる形態の医学的状態も有さないと診断されている。その代わりに、またはそれに加えて、好適な対照試料は、治療が推奨される医学的状態に罹患しないことが知られている典型的な対照集団についてアッセイされているマーカーの測定値を含む対象データセットである。対象は、そのような医学的状態を発症する危険がなく、例えば、対象は、この疾患の家族歴を有さないことが好ましい。
【0212】
本文脈において、疾患もしくは障害に罹患することがなく、かつ/または治療応答のマーカーを含まないもしくは発現しないことが知られている対象に関する「典型的な集団」という用語は、例えば、治療応答を診断するための既知の方法を用いて検査され、疾患に罹患しないと判定され、かつ/または疾患マーカーの有無を判定するように検査された対象の集団または試料を指すと理解されるものとし、該対象は、正常及び/もしくは健常な対象、または疾患に罹患しないことが知られている対象の範囲を表している。
【0213】
一例では、参照試料はアッセイに含まれない。その代わりに、好適な参照試料は、典型的な集団から予め作成された確立されたデータセットに由来する。次に、被験試料を加工し、解析し、かつ/またはアッセイすることで得られたデータを、試料集団について得られたデータと比較する。
【0214】
集団を代表するように、十分に多数の参照試料から得られたデータによって、特定のパラメータの平均レベルを決定するためのデータセットの作成が可能となる。したがって、任意の個体集団、及び該個体に由来する任意の試料、アッセイ中の試料について決定される発現産物レベルとのその後の比較について、治療応答を診断する発現産物量を決定することができる。そのような標準化されたデータセットに依拠する場合、実施される各アッセイに内部対照を含めて、変動を制御することが好ましい。
【0215】
治療応答と関連するマーカーを決定するための方法
別の例では、本発明は、免疫調節因子による治療が推奨される医学的状態のいずれかの形態に対する治療応答のマーカーを決定することをさらに含む。
【0216】
さらに、ヒトIFN−λ3遺伝子または表1に記載された他の遺伝子の治療応答への密接な関連、及び治療応答と関連するいくつかのマーカーの提供を所与として、本発明は、新しい治療応答のマーカーを同定するための方法もさらに提供する。
【0217】
したがって、本発明は、治療応答と関連するマーカーを同定するための方法であって、
(i)IFN−λ3遺伝子または表1に記載された他の遺伝子またはその発現産物中の多型またはアレルまたは突然変異を同定すること、
(ii)一団の対象を解析して、免疫調節組成物によって治療可能な状態に罹患している者及び免疫調節組成物が投与される者を決定すること、ここで、この一団のメンバーが全て多型またはアレルまたは突然変異を含むわけではない、及び
(iii)免疫調節組成物に対する治療応答の発生における変動を決定すること、ここで、該変動は、多型またはアレルまたは突然変異が対象の応答と関連することを示す
を含む方法をさらに提供する。
【0218】
関連を判定するための方法は当技術分野で公知であり、例えば、非特許文献64〜65に概説されている。
【0219】
通常、マーカー(例えば、多型及び/またはアレル及び/またはスプライス形態及び/または突然変異)と事象(例えば、応答)との間の関連を判定することは、治療を受けている血縁関係のない個体の試料と、正常な集団におけるアレル分布を代表する適切な対照との間で、特定の遺伝子座における多型、アレル、スプライス形態、または突然変異の頻度を比較することを含む。
【0220】
いくつかの方法が関連を判定するのに有用であるが、こうした研究では、偽陽性の結果をもたらし得る、例えば、集団層別化などの困難を回避するいくつかのパラメータを考慮すべきである。
【0221】
集団層別化は、アレル頻度の異なる複数のサブグループが集団内に存在する場合に行なわれる。サンプリングされたサブグループにおける潜在的なアレル頻度の違いは、各群内の疾患、障害、及び/または表現型とは無関係であることもあり、結果として、連鎖不平衡または関連についての誤った結論をもたらすこともある。
【0222】
通常、集団層別化の問題は、適切な対照試料を用いることで回避される。例えば、疾患、障害、及び/または表現型を有する血縁関係のない発端者群と、互いに対してまたは発端者に対して血縁関係はないが、遺伝子型(例えば、性別、民族性及び/または年齢)に影響し得る(罹患状況以外の)関連する変数に関して発端者群とマッチしている対照(比較)個体群との間で比較がなされる、症例比較に基づく設計を用いることができる。
【0223】
あるいは、対照をスクリーニングして、疾患または治療の個人歴を有する対象を除外する。そのような「超健常」対照群は、疾患または治療による影響を受けない個体のアレル分布を表す。
【0224】
一般に、関連の解析を用いて、対象となる疾患/障害及び/または表現型によって影響を受ける対象内の1以上のアレル及び/または多型及び/またはスプライス変異体の非無作為的分布を検出する。被験集団と好適な対照集団との間の比較は、アレル及び/または多型が連鎖している遺伝子座が表現型に対して影響を及ぼさないという帰無仮説の下で行ない、この比較から、名目p値が得られる。症例対照研究を用いる2アレルの多型または突然変異(例えば、SNP)の解析では、2×2の分割表(アレルの解析用)または3×2の分割表(遺伝子型の解析用)に関するカイ二乗解析(または同等の検定)を用いる。
【0225】
家族ベースの関連研究を用いる解析では、各発端者の家族メンバーに由来するマーカーデータを用いて、予想される帰無分布を推定し、観察されるデータを予想されるデータと帰無仮説の下で比較する適切な統計学的検定を行なう。
【0226】
マーカーと疾患/障害及び/または表現型との関連の解析において有用な別の方法は、ゲノム対照法である(非特許文献66)。候補アレル/多型の症例対照解析では、遺伝子対照法により、帰無遺伝子座と候補遺伝子座の両方についてのカイ二乗検定統計量を計算する。集団層別化及び/または対象間の未測定の遺伝子的関係が存在する場合、帰無遺伝子座について観察される検定統計量の変動及び/または大きさが増大する。次に、このデータを用いて、候補遺伝子座についての有意性検定の臨界値を調整するのに用いる乗数を導出する。この方法では、遺伝子対照により、偽陽性率の上昇なしに層別化された症例対照データの解析が可能となる。
【0227】
構造化された関連法(非特許文献67)では、候補マーカーと連鎖しないマーカー遺伝子座を用いて、部分集団への帰属を推測する。潜在クラス解析を用いて、集団部分構造の影響を制御する。基本的には、帰無遺伝子座を用いて、部分集団数及び対象の各部分集団への帰属確率を推定する。その結果、この方法により、集団部分構造の結果としてのアレル/多型頻度の変化を説明することができる。
【0228】
その代わりに、またはそれに加えて、ベイズ統計法を用いて、遺伝子のアレル及び/または多型と治療に対する応答との間の関連の有意性を判定することができる。そのような手法では、検討される遺伝子座が対象となる治療応答に関与する事前確率が考慮される(例えば、非特許文献68)。
【0229】
公的に入手可能なソフトウェアを用いて、関連を判定することができる。
【0230】
処方物:
任意の実施形態によって本明細書に記載されているような本発明のIFN化合物は、例えば、吸入または注射に好適な担体または賦形剤とともに治療または予防のために処方される。そのような処方物は、別の免疫調節組成物とともに、例えば、順次または同時に投与してもよい。そのような共投与は、両方の活性剤が同じ経路による処方及び投与に適している場合、同じ処方物中にあってもよい。例えば、IFNは、通常、注射剤として処方されるが、グアノシン類似体は、吸入、注射または経口処方物であってもよい。したがって、例えば、皮下、筋肉内、静脈内または皮内経路による投与のための注射処方物は、特に好ましい。そのような処方物は、製薬の分野で公知の任意の方法によって、例えば、活性成分を担体、希釈剤または賦形剤と関連させることによって、調製することができる。
【0231】
医薬化合物の処方は、選択される投与の経路によって異なる(例えば、溶液、エマルジョン、カプセル)。溶液またはエマルジョンについては、好適な担体として、例えば、食塩水及び緩衝培地を含む、水溶液またはアルコール/水溶液、エマルジョンまたは懸濁液が挙げられる。非経口ビヒクルとしては、例えば、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸リンゲルまたは固定油を挙げることができる。静脈内ビヒクルとしては、様々な添加物、防腐剤、または流体、栄養素または電解質補給液などを挙げることができる(一般には、非特許文献69)。吸入のために、薬剤を可溶化し、投与に好適なディスペンサー(例えば、アトマイザー、噴霧器または加圧型エアロゾルディスペンサー)に充填することができる。
【0232】
そのような医薬処方物を調製するために、例えば、本発明の1以上の化合物を、例えば、凍結乾燥粉末、スラリー、水性溶液、または懸濁液の形態の、生理的に許容される担体、賦形剤、または安定化剤と混合することにより、医薬として許容される担体または賦形剤と混合する(例えば、非特許文献70〜75)。
【0233】
当業者には明らかであるように、インビボで活性のある化合物は特に好ましい。ヒト対象で活性のある化合物はさらにより好ましい。したがって、疾患の治療に有用な化合物を製造する場合、処方物に添加されるいかなる成分も活性化合物の活性を阻害または改変しないことを保証することが好ましい。
【0234】
医薬処方物は、単位用量当たり所定量の活性成分を含む単位用量形態で提示し得る。そのような単位は、治療されている状態、投与の経路並びに患者の年齢、体重及び状態によって、例えば、1μg〜10μg(例えば、0.01mg〜1000mg、または0.1mg〜250mg)の構造式I、構造式II、構造式IIIまたは構造式IVの化合物を含み得る。
【0235】
a)注射処方物
非経口投与に適した医薬処方物としては、酸化防止剤並びに緩衝剤、静菌剤及び処方物を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る水性及び非水性滅菌注射溶液;並びに懸濁剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性滅菌懸濁液が挙げられる。処方物は、単位用量または複数回用量容器(例えば、密封アンプル及びバイアル)に入れて提供することができ、また、使用直前に滅菌液体担体(例えば、注射用水)の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。即席の注射溶液及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。
【0236】
静脈内脂質エマルジョンまたは界面活性剤ミセルもしくはポリマーミセル中での本発明の調節因子または化合物の処方(例えば、非特許文献76〜77)は、特に好ましい。
【0237】
徐放性注射処方物は、例えば、調節因子または化合物を、医薬品及び約1μm〜150μmの体積平均直径(例えば、約5μm〜25μmの直径)を有するマトリックス材料を含む多孔質微粒子に封入することにより産生する。一実施形態では、多孔質微粒子は、約5%〜90体積%の平均空隙率を有する。一実施形態では、多孔質微粒子は、1以上の界面活性剤(例えば、リン脂質)をさらに含む。微粒子は、医薬として許容される注射用の水性または非水性ビヒクル中に分散させてもよい。そのような処方物に好適なマトリックス材料は、生体適合性合成ポリマー、脂質、疎水性分子、またはこれらの組合せを含む。
例えば、合成ポリマーは、例えば、ポリ(ヒドロキシ酸)(例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、及びポリ(乳酸−コ−グリコール酸))、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリカルボナート、ポリ(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリ(エチレングリコール))、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリ(エチレンオキシド))、ポリアルキレンテレフタラート(例えば、ポリ(エチレンテレフタラート)、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルハライド(例えば、ポリ(ビニルクロリド)、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセタート)、ポリスチレン、ポリウレタン及びそのコポリマー、誘導体化セルロース(例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセタート、セルロースピロピナート、セルロースアセタートブチラート、セルロースアセタートフタラート、カルボキシルエチルセルロース、セルローストリアセタート、及びセルローススルファートナトリウム塩)(本明細書では「合成セルロース」と総称する)、アクリル酸、メタクリル酸のポリマーまたはそのコポリマーもしくは誘導体(エステル、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリ(エチルメタクリラート)、ポリ(ブチルメタクリラート)、ポリ(イソブチルメタクリラート)、ポリ(ヘキシルメタクリラート)、ポリ(イソデシルメタクリラート)、ポリ(ラウリルメタクリラート)、ポリ(フェニルメタクリラート)、ポリ(メチルアクリラート)、ポリ(イソプロピルアクリラート)、ポリ(イソブチルアクリラート)、及びポリ(オクタデシルアクリラート)を含む)(本明細書では「ポリアクリル酸」と総称する)、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、及びポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、これらのコポリマー、誘導体及び混合物からなる群から選択されるポリマーを含むことができる。好ましい実施形態では、合成ポリマーは、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、またはポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む。
【0238】
b)吸入処方物
吸入による投与に適した医薬処方物としては、様々な種類の定量加圧型エアロゾル、噴霧器または散布器によって生成され得る微粒子ダストまたはミストが挙げられる。
【0239】
スプレー組成物は、例えば、好適な液状化高圧ガスの使用により、加圧式パック(例えば、定量吸入器)から送達されるエアロゾルとして処方することができる。
【0240】
吸入器または散布器の中で使用されるカプセル及びカートリッジ(例えば、ゼラチン)は、本発明の化合物及び好適な粉末基剤(例えば、ラクトースまたはデンプン)の吸入用粉末混合物を含めて処方することができる。
【0241】
エアロゾル処方物は、各々の定量のまたは「一吹きの」エアロゾルが約.001μg〜約2000μgの本発明の調節因子または化合物を含むように設計されることが好ましい。
【0242】
経鼻投与に適した医薬処方物(その場合、担体は固体である)は、例えば、20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗粉末を含み、これは、嗅ぎたばこを吸うようなやり方で、すなわち、鼻の近くに保持された粉末の容器から鼻腔を通して速やかに吸入することによって、投与される。鼻スプレーとしてまたは点鼻薬としての投与に好適な処方物(その場合、担体は液体である)としては、活性成分の水性または油性溶液が挙げられる。
【0243】
吸入器または散布器中のカプセル及びカートリッジによって送達される全体的な1日用量及び定量は、通常、エアロゾル処方物を用いた場合の2倍になる
【0244】
治療レジメン:
本明細書の任意の例によって記載されているような本発明のIFN−λ2/3化合物は、記載されているような担体または賦形剤とともに、治療または予防用に処方され、任意の好適な手段によって(例えば、吸入または注射によって)、それを必要とする対象に投与される。治療的組成物のための投与レジメンの選択は、その実体の血清または組織代謝回転速度、症状のレベル、その実体の免疫原性、及び生物学的マトリックス中での標的細胞の可触性を含む、いくつかの因子によって決まる。投与レジメンは、許容可能なレベルの副作用に相応の患者に送達される治療的化合物の量を最大化することが好ましい。したがって、送達される組成物の量は、ある程度は、特定の実体及び治療されている状態の重症度によって決まる。
【0245】
化合物は、例えば、連続注入によって、または例えば、1日、1週間の間隔での、もしくは週に1〜7回の投与によって提供することができる。組成物の投与は、静脈内、皮下、局所、口腔内、鼻腔内、直腸内、筋肉内、大脳内、膣内に、または吸入によって提供することができる。好ましい投与プロトコルは、望ましくない重大な副作用を回避する最大の用量または投与頻度を含むプロトコルである。1週間の総用量は、使用されている化合物の種類及び活性によって決まる。
例えば、そのような用量は、少なくとも約0.05μg/kg体重、または少なくとも約0.2μg/kg、または少なくとも約0.5μg/kg、または少なくとも約1μg/kg、または少なくとも約10μg/kg、または少なくとも約100μg/kg、または少なくとも約0.2mg/kg、または少なくとも約1.0mg/kg、または少なくとも約2.0mg/kg、または少なくとも約10mg/kg、または少なくとも約25mg/kg、または少なくとも約50mg/kgである(例えば、非特許文献78〜79)。
【0246】
特定の患者についての化合物の有効量は、治療されている状態、患者の全体的な健康、投与の方法、経路、及び用量並びに副作用の重症度などの因子によって異なり得る(例えば、非特許文献80〜81)。
【0247】
適切な用量の決定は、例えば、治療に影響を及ぼすかまたは治療に影響を及ぼすと予測される、当技術分野で知られているまたは疑われているパラメータまたは因子を用いて、臨床医が行なう。通常、用量は、最適用量よりもいくぶん少ない量から始め、それ以降、任意のネガティブな副作用と比べて所望のまたは最適な効果が得られるまで少しずつ増やす。重要な診断尺度には、治療されている疾患及び/または障害の症状に関する尺度が含まれる。使用される化合物は、治療の標的される対象と同じ種に由来するか、またはそのような種での使用に適しており、それにより、試薬に対する体液性応答が最小限に抑えられることが好ましい。
【0248】
有効量の治療薬は、例えば、上記のような疾患症状を、通常、少なくとも約10%;通常、少なくとも約20%;好ましくは少なくとも約30%;より好ましくは少なくとも約40%、及び最も好ましくは少なくとも約50%減少させる。
【0249】
投与の経路は、例えば、静脈内、腹腔内、大脳内、筋肉内、眼内、動脈内、脳脊髄内、病変内、もしくは肺内経路による注射もしくは注入によるもの、または徐放システムまたはインプラントによるものであることが好ましい(例えば、非特許文献82〜86、特許文献33〜34)。
【0250】
本発明を、以下の非限定的な実施例を参照してさらに説明する。
【実施例】
【0251】
実施例1:インターフェロン(IFN)を含む免疫調節組成物を用いる慢性C型肝炎の治療と関連するSNPの同定
この実施例は、IFNを含む組成物を用いるC型肝炎ウイルス感染の治療に対する応答と関連する本発明のSNP及びアレルを示すものである。
【0252】
例えば、ここでのデータは、ウイルス除去によって決定したときの、高応答(HR)アレル(約10−3未満の近似p値)、すなわち、IFN−α及びリバビリンを用いるC型肝炎治療に対する白人の迅速なまたは強力なまたは他の顕著な応答(表2)と関連するアレルを示す(表1及び3〜6)。このHRアレルは、rs8099917と命名された第19番染色体SNPのアレルである。対応する低応答(LR)アレル、すなわち、治療に対する不良な応答または低い応答または無応答と関連するアレルは、この患者コホートにおいてp>0.05を有する(表1〜6)。第19番染色体SNPのrs8099917は、IFN−λ3(IL28B)遺伝子の5’末端の、位置19q13.13にマッピングされる。
【0253】
次に、本発明者らは、IFN−λ3(IL28B)遺伝子を包含する、位置44,420,000と位置44,440,000の間、より具体的には位置44,423,000周辺と位置44,436,000周辺の間の19q13.13の5kb領域と連鎖する他のSNPを同定した(表1及び3)。例えば、rs8109886、rs10853727、rs8103142及びrs12980275と命名されたこの領域内のSNPについて、HRアレル(約10−3未満の近似p値)及び/またはLRアレル(約0.05を上回る近似p値)が同定された(表4)。この領域内のrs4803224、rs12980602及びrs10853728というSNPについて、弱いアレルも同定された(表4)。
【0254】
IL28B関連データは、治療に対する応答との強い関連を示す1以上の第19番染色体SNP(例えば、遺伝子の5’末端にあるrs8099917及び/またはエキソン2にあるrs8103142及び/または遺伝子の3’末端にあるrs12980275)についてホモ接合である対象で確認する(表4及び5)。例えば、rs12980275及びrs8099917のHRアレルの二重ホモ接合体、並びにrs8103142及びrs8099917のHRアレルの二重ホモ接合体、並びにrs12980275、rs8103142及びrs8099917のHRアレルの三重ホモ接合体が、治療に対する強い応答を示すのに対し(p<6×10−4)、これらの遺伝子座におけるLRアレルの対応するホモ接合体は、表5に示すように、治療に対する一貫して低い応答を示す(p>0.04)。別の例では、rs12980275、rs8105790、rs8103142、rs10853727、rs8109886及びrs8099917というSNPのハプロタイプデータは、6つ全ての遺伝子座におけるHRアレルの存在が、治療に対する増強した応答と一貫してかつ顕著に関連するのに対し(10−3未満のp値)、6つ全ての遺伝子座におけるLRアレルは、治療に対する不良な応答と一貫してかつ顕著に関連する(0.25を上回るp値)ことも示す。
これらのデータは、位置44,420,000と位置44,440,000の間、より具体的には位置44,423,000周辺と位置44,436,000周辺の間の19q13.13における変異(例えば、IL28B遺伝子と連鎖する変異)は、免疫調節組成物による治療に対する応答の変動に寄与するという本発明者らの結論を支持する。IL28B遺伝子中の変異間の本関連は、位置44,423,000と位置44,436,000の間の19q13.13における遺伝子型(とりわけ、IFN−λ3(IL−28B)遺伝子型)を用いて薬物応答を予測することができることを示す程度に十分に強い。これらのデータは、HCV感染及び他のIFN(例えば、IFN−αもしくはIFN−βまたはそれらの組合せ)を用いて現在治療されている他の疾患の治療のためのIFN−λ(例えば、IFN−λ1及び/またはIFN−λ2及び/またはIFN−λ3)の使用も支持する。
【0255】
データは、以下の染色体位置である。
a)第1番染色体、1p35周辺、例えば、WASF2遺伝子とADHC1遺伝子の間;並びに/または
b)第3番染色体、3p21.2周辺と3p21.31周辺の間、例えば、CACNA2D3遺伝子の内部(例えば、CACNA2D3遺伝子のイントロンの内部)、及び/もしくは3p24.3周辺と3p25.1周辺の間、例えば、RTFN−1遺伝子の内部(例えば、RTFN−1遺伝子のイントロンの内部);並びに/または
c)第4番染色体、4q32周辺、及び/もしくは4p13周辺、及び/もしくは4p16.1周辺、例えば、CTBP1遺伝子付近;並びに/または
d)第6番染色体、6p12.2周辺と6p12.3周辺の間、例えば、PHIGD−1遺伝子の内部(例えば、PHIGD−1のイントロンの内部)、及び/もしくは6p21.33周辺と6p22周辺の間、例えば、HLA遺伝子クラスターの内部(例えば、HLA偽遺伝子HCP5P10とMICFの間)、及び/もしくは6p22.1周辺と6p22.2周辺の間、例えば、ALDH5A1遺伝子とPRL遺伝子の間、及び/もしくは6q13周辺、例えば、RIMS−1遺伝子の内部(例えば、RIMS−1遺伝子のイントロンの内部)、及び/もしくは6q22.31周辺、例えば、C6orf68とSLC35F1の間;並びに/または
e)第8番染色体、8q12.2周辺と8q13.1周辺の間、例えば、CRHとMGC33510の間(例えば、ADHFE1とMGC33510の間もしくはRRS1とCRHの間);並びに/または
f)第9番染色体、9q22.1周辺と9q22.2周辺の間、例えば、遺伝子間領域;並びに/または
g)第10番染色体、10q26.2周辺と10q26.3周辺の間、例えば、NPSとDOCK1の間;並びに/または
h)第11番染色体、11q21周辺、例えば、KIAA1731遺伝子とFN5遺伝子の間、及び/もしくは11q22.3周辺、例えば、CASP−1遺伝子の内部(例えば、CASP−1遺伝子のイントロンの内部;並びに/または
i)第14番染色体、14q22.1周辺と14q22.2周辺の間、例えば、DACT1とLOC729646の間;並びに/または
j)第16番染色体、16q23.1周辺と16q23.2周辺の間、例えば、WWOX遺伝子内(例えば、WWOX遺伝子のイントロンの内部)、及び/もしくは16p11.2周辺と16p12.1周辺の間、例えば、IL21RとGFT3C1の間;並びに/または
k)第20番染色体、20q13.12周辺と20q13.13周辺の間、例えば、SULF2遺伝子内(例えば、SULF2遺伝子のイントロンの内部)
における1以上のSNPのHRアレル(約10−4未満の近似p値)及び/またはLRアレル(p値>0.01)も示している。これらの追加のSNP及びその関連を表1〜4に示す。
【0256】
これらのデータは、免疫調節組成物に対する治療の転帰を90%を超える症例において正確に予測するための手段を提供する。
【0257】
患者コホート:
ステージ1のジェノタイピングのために、年齢、BMI、ウイルス力価、及び治療レジメンについてマッチしている、十分に特徴付けられた302名の北欧系オーストラリア人の患者集団を利用した(表2)。患者は、HBVもしくはHIVのいずれかに共感染していた場合または北欧系の子孫でない場合に、研究から除外された。この研究に含まれた全ての患者は、血清学検査及びウイルスDNA検査に基づいて遺伝子型1のHCVに感染していると診断されており、標準コースのペグ化インターフェロン−アルファ(IFN−α)及びリバビリンを投与されており、ウイルス除去によって判定される治療に対する6カ月での治療後応答が判明していた。治療に応答した全ての患者、及び非持続的ウイルス応答(「非−SVR」)を有すると分類されたほとんどの患者は、12カ月間の治療を受けていた。少数の非−SVR症例は、12週目でウイルスRNAの低下を示さないので、4カ月の治療しか受けなかった。全ての患者は、それぞれの病院で経験のある肝臓専門医により診察された。
【0258】
また、英国、ドイツ、イタリア及びオーストラリア出身の約600名の北欧人からなるより大きな独立コホートをステージ2のジェノタイピングに利用した(表2)。このコホートにおける研究対象の採用基準は、オーストラリア人コホートの場合と同じであった。
【0259】
サンプル収集及び処理:
両方の段階のオーストラリア人サンプルは、シドニー(Westmead Hospital,Nepean Hospital,St Vincent’s Hospital and Prince of Wales Hospital)及びブリスベン(Princess Alexandra Hospital)で収集した。複製コホートの症例サンプルは、Universtat Zu Berlin,Germany(n=298)、Rheinische Friedrich−Wilhelms−Universitat,Bonn,Germany(n=43)、Universita degli Studi di Turino,Turin,Italy(n=93)及びFreeman Hospital.,Newcastle,UK(n=91)で収集した。
【0260】
血液をEDTAチューブに採取した(オーストラリア人コホート)。50ng/ulに標準化された抽出されたDNAを他のコホートについて得た。標準的なプロトコルでゲノムDNAを抽出した。ナノドロップを用いて吸光度比OD260nm/280nmを算出することにより、DNAの品質を評価した。
【0261】
倫理承認:
本研究の倫理承認は、非特許文献87)によって与えられた。他の全ての場所は、そのそれぞれの倫理委員会からの承認を得た。書面によるインフォームドコンセントは全ての参加者から得られた。
【0262】
統計解析:
例えば、非特許文献88によって記載されているような、the Broad Institute,USAのHaploviewバージョン3.31でカイ二乗検定を用いて、高い応答または低い応答を有する対象におけるハーディー・ワインベルグ平衡及びアレル分布を比較した。ゲノム規模の有意な関連の閾値は、p<1.6×10−7、すなわち、0.05/312,000に設定した。1.6×10−7≦p<1.0×10−4のSNPは、治療に対する応答との極めて示唆的な関連を示すとみなされた。1.0×10−4≦p<1.0×10−3のSNPは、治療に対する応答との適度に示唆的な関連を示すとみなされた。コクラン・アーミテージ傾向検定を用いて、ステージ1及びステージ2で検討した全てのSNPの関連を評価し、統合したp値を決定した。
【0263】
SNPジェノタイピング:
インフィニウム法(Infinium)及びゴールデンゲート法(GoldenGate)によるSNPジェノタイピング用のHumanLinkageパネル(Illumina,Inc.,San Diego,USA)を用いるSNPジェノタイピングのために、非特許文献89に本質的に記載されているような2段階のアプローチを利用した。SequenomマスアレイiPlexジェノタイピングプラットフォーム(Sequenome,Inc,San Diego,USA)を用いて、第19番染色体上のSNPを細かくマッピングした。0.2の疾患アレル頻度に対して1.5のリスク係数を検出する87%の出力があると計算されるので、この2段階アプローチが好まれた(非特許文献90)。
【0264】
a)ステージ1のジェノタイピング
Infinium HumanHap300またはCNV370ジェノタイピングBeadChip(Illumina,Inc.,San Diego,USA)を用いて、302個の患者サンプルをジェノタイピングした。Illuminaクラスター(すなわち、95%未満のジェノタイピング効率)を用いて非常に低いコールレートを有するサンプルは削除した。データ処理の精度のために、マイナーアレル頻度(MAF)のチェックを行ない、サンプルの0.05%未満に生じるSNPを削除した。p値>10−4のハーディー・ワインベルグ平衡を与えるサンプルを保持した。ジェノタイピングコールレートが90%未満であったので2名の個人を除外し、IBS/IBD解析により、これら2名が血縁関係にあることが明らかとなった。ジェノタイピング誤差の99%信頼区間(CI)は、1.7%〜1.8%であると推定された。民族性は自己による同定または親の民族性による同定で決められるので、非特許文献91によって本質的に記載されているようなEIGENSOFTソフトウェアを用いて、あり得る集団階層化の評価を行ない、主成分分析を遺伝子型データに適用して、変動の軸を推測した。これにより、5名の個人がさらなる解析から除外された。したがって、最終的なゲノム規模関連(GWA)研究は、表2に示すような293名の患者からなっていた(162名は低い応答(LR)を有し、131名は高い応答(HR)を有する)。
【0265】
ステージ1のSNPについてのゲノム位置に対するシグナル強度のマンハッタンプロット及びアレル関連の分位点−分位点プロット(図示せず)により、単なる偶然によって期待されるよりも関連のあるSNPが同定された。その解析における1.005というゲノム拡大係数(genomic inflation factor)λにより、例えば、集団階層化による偽陽性関連の可能性が低いことが示された。合計312,000個のSNPが、第1段階の品質フィルターを通過し、さらに解析された。合計695個のSNP(0.22%)は、第1段階の品質フィルターを通過せず、後の解析から除外された。
【0266】
これらの312,000個のSNPから、SNPは、上記の「統計解析」の下で記載したように、治療応答と高度に関連するかまたは示唆的に関連すると分類された。
【0267】
ステージ1では、治療応答との高度なまたは示唆的な関連を有する、インターフェロンラムダ−3(IFN−λ3)遺伝子と連鎖している3つの第19番染色体SNPを同定した。第19番染色体にマッピングされるSNPについて、ゲノム規模関連の閾値を満たすものは他になかった。これら3つのSNPに隣接するゲノム配列、その染色体位置及びIFN−λ3遺伝子内での位置を表3に示す。IFN−λ3遺伝子に隣接する2つのSNP、すなわち、IFN−λ3の5’末端にマッピングされるrs8099917(p=7.06×10−08)、及びIFN−λ3の3’末端にマッピングされるrs12980275(p=4.81×10−8)は、ステージ1における治療応答との有意な関連の閾値をはるかに下回っていた(表4)。3つ目のSNP、すなわち、IFN−λ3の5’末端にマッピングされるrs8109886(p=1.29×10−04)は、ステージ1における治療応答との示唆的な関連を有するとみなされた(表4)。
【0268】
以下の染色体位置である。
a)WASF2遺伝子とADHC1遺伝子の間にある、1p35周辺のrs7512595;
b)CACNA2D3遺伝子のイントロンの内部にある、3p21.2周辺と3p21.31周辺の間のrs6806020;及びRTFN−1遺伝子のイントロンの内部にある、3p24.3周辺と3p25.1周辺の間のrs12486361;
c)4q32周辺のrs10018218;4p13周辺のrs1581096;及びCTBP1遺伝子の近くにある4p16.1周辺のrs1250105;
d)C6orf68とSLC35F1の間にある、6q22.31周辺のrs7750468;RIMS−1遺伝子のイントロン内部にある、6q13周辺のrs2746200;PHIGD−1のイントロン内部にある、6p12.2周辺と6p12.3周辺の間のrs927188;6p21.33周辺と6p22周辺の間及びHLA偽遺伝子HCP5P10とMICFの間のrs2517861;並びに6p22.1周辺と6p22.2周辺の間、及びALDH5A1遺伝子とPRL遺伝子の間のrs2025503及びrs2066911;
e)8q12.2周辺と8q13.1周辺、例えば、CRHとMGC33510の間(例えば、ADHFE1とMGC33510またはRRS1とCRHの間)のrs10283103及びrs2114487;
f)遺伝子間領域内にある、9q22.1周辺と9q22.2周辺の間のrs1002960;
g)10q26.2周辺と10q26.3周辺の間及びNPSとDOCK1の間のrs1931704;
h)KIAA1731遺伝子とFN5遺伝子の間にある、11q21周辺のrs1939565;CASP−1遺伝子のイントロン内部にあるrs568910及びrs557905、ここで、rs568910はイントロン2にあり、rs557905はイントロン6にある;
i)DACT1とLOC729646の間にある、14q22.1周辺と14q22.2の間のrs1931704;
j)16p11.2周辺と16p12.1周辺の間及びIL21RとGFT3C1の間のrs3093390;並びにWWOX遺伝子のイントロン内部にある、16q23.1周辺と16q23.2周辺の間のrs7196702;並びに
k)SULF2遺伝子イントロン内部にある、20q13.12周辺と20q13.13周辺の間のrs4402825
にマッピングされる、治療応答との少なくとも適度に示唆的な正の関連を有する他の染色体上のSNPも同定した。これらの追加のSNP及びそれらの関連を表1〜4に示す。これらのSNPのうち、rs7750468、rs2066911、rs6806020、rs2114487及びrs1931704は、関連が高度に示唆的であるとみなされ、残りは、ステージ1のスクリーニングデータに基づいて、関連が適度に示唆的であるとみなされた。rs1931704と命名されたSNPは、治療応答と非常に密接な関連があり(p=4.42×10−07)、神経ペプチドS(NPS)遺伝子と密接に連鎖していることが示された。
【0269】
合計512個の高度に及び適度に関連したSNPをステージ1から選択した。
【0270】
b)ステージ2のジェノタイピング
第2段階の全ゲノムスクリーンでは、そのゲノム位置とは無関係なp<1.0×10−4の有意水準を有する307個のSNPと、遺伝子オントロジーによって免疫調節または抗ウイルスと分類された遺伝子と連鎖し、かつ1.0×10−4≦p<1.0×10−3の有意水準を有する206個のSNPとが含まれた。ゴールデンゲート(Golden Gate)技術(Illumina,Inc.,San Diego,USA)を用いて、SNPをジェノタイピングした。0.90未満のコールレートを有する2つの症例、治療転帰のない8つのサンプルを除外した。残るサンプルのクラスタープロットを目視検査でチェックし、38個の曖昧なコールと、MAFが0.05未満のSNPも、さらなる解析から除外した。ハーディー・ワインベルグ平衡における不良な有意性(すなわち、p値<10−4)を有するものとして、さらに8個のSNPを除外した。これは、ステージ2の解析が577名の個人を対象に行なわれ、そのうち、294名は、治療に対する低い応答を有し、261名は、治療に対する高い応答を有することを意味した(表2)。
【0271】
また、合計468個のSNPが品質フィルターを通過し、ステージ2のジェノタイピングのために選択された。
【0272】
これら468個のSNPは、上述の「統計解析」の下で記載したように、治療応答と高度にまたは示唆的に関連すると分類された。これらのうち、ステージ2では、40個のSNPが、複製期における治療応答との関連の示唆的証拠を表す閾値に達した(p<0.05)。
【0273】
表4に示すように、IFN−λ1(IL28B)遺伝子と連鎖するSNPは、遺伝子の5’末端にあるrs8099917を含めて、治療応答との適度から強い関連を示し、これは、最も高度に有意な関連を与えた(p=9.39×10−04;OR=1.56;及び95%CI=1.19〜2.04)。適度な関連は、IFN−λ3の3’末端にマッピングされるrs12980275について認められ(p=1.24×10−4)、これは、先のコホートにおいてより高い有意値を与えていた(表4)。表4に示すように、適度な関連は、IL28B遺伝子のエキソン2にあるrs8103142(p=3.83×10−4)及びIL28B遺伝子の3’末端にあるrs8105790(p=3.7×10−4)というSNPについても認められた。
【0274】
他のゲノム領域にマッピングされたSNPについては、適度の関連を示したrs10018218及びrs1002960を除いて、治療転帰との関連は、ステージ2のコホートでより弱かった。
【0275】
c)統合したデータ
コクラン・アーミテージ傾向検定(非特許文献92〜93)を用いて、ステージ1及びステージ2で検討した全てのSNPの関連を評価し、統合したp値を決定した。
【0276】
表4に示すデータは、IL28B遺伝子の5’末端にあるrs8109886の強い関連とともに、rs8099917と、第19番染色体上のIL28B遺伝子に隣接するrs12980275とについての、発見及び複製群の全体的な解析でゲノム規模の有意性に達する応答との強い関連を明らかにしている。
【0277】
表4に示すデータは、10−3未満の統合したP値で判定されるような、治療転帰との適度に示唆的なまたは極めて示唆的な関連を示す他の染色体上のSNPも示している。特に、ステージ1及び/またはステージ2で同定されたこれらの他の染色体上の全てのSNPは、これに基づいて適格性を判断した。
【0278】
高応答(HR)アレル及び低応答(LR)アレルを決定するためのSNPジェノタイピング:
従来の方法、例えば、以下のもの並びにその組合せ及び変形から選択される方法を用いて、表1、3及び4に記載された様々なSNPの遺伝子型を決定する:
(i)例えば、高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で、相補的DNAプローブをゲノムDNA中のSNP部位にハイブリダイスさせることによるもの;
(ii)蛍光標識したアレル特異的オリゴヌクレオチドを利用して、ストレプトアビジンカラムに結合した一本鎖ビオチン化ゲノムDNAアンプリコンにハイブリダイズさせる動的アレル特異的ハイブリダイゼーション(DASH)によるもの;
(iii)野生型アレルまたは突然変異体アレルの配列を含む分子ビーコンを用いることによるもの;
(iv)いくつかの異なる位置のSNP部位を含むかまたはSNPアレルとのミスマッチを含むプローブを用いてSNPマイクロアレイを調べ、生成されたシグナル強度を比較し、それによって、ホモ接合アレル及びヘテロ接合アレルを決定することによるもの;
(v)SNPを含む配列を区別する酵素を用いたゲノムDNAの消化及び生成された断片のその長さに基づく分離によって生じる制限断片長多型(RFLP)を解析することによるもの;
(vi)PCRまたは例えば、異なる長さもしくは異なる標識で、かつSNP部位で重複する配列を含むARMSプライマーを利用し、それによってアレルを増幅する他の増幅手段によるもの;
(vii)例えば、flapエンドヌクレアーゼ(FEN)、例えば、ゲノムDNAと2つの特異的オリゴヌクレオチドプローブとを含む3成分構造を消化するクリベースを利用するインベーダーアッセイによるもの、ここで、第1のプローブ(インベーダーオリゴヌクレオチド)は、ゲノムDNAの3’末端に相補的であり、標的ゲノムDNA中のSNPと重複するミスマッチのある3’末端ヌクレオチドを含み、第2のプローブ(アレル特異的オリゴヌクレオチド)は、標的ゲノムDNAの5’末端に相補的であり、SNPヌクレオチドの3’側を超えて伸長し、SNPアレルに相補的なヌクレオチドを含み、したがって、SNPが標的ゲノムDNA中にある場合は、3成分構造が形成され、ミスマッチのあるアレルがアレル特異的オリゴヌクレオチド中に存在する場合は、クリベースによって3成分構造からアレル特異的プローブの3’末端が放出される;
(vii)各々が異なるddNTPを欠いているdNTP/ddNTPミックスの混合物の存在下における、SNPヌクレオチドのすぐ上流のゲノムDNAにハイブリダイズしているプローブからのSNP全体にわたるプライマー伸長及び生成される伸長産物のシークエンシングによるもの;
(viii)iPLEX SNPジェノタイピング(Sequenom Inc.,San Diego,USA)によるもの;
(ix)アレイ化されたプライマー伸長(APEXまたはAPEX−2)によるもの;
(x)プライマー伸長に基づくインフィニウムアッセイ(Illumina Inc.,San Diego,USA)によるもの;
(xi)1つのSNPに2つのオリゴヌクレオチドプライマーを利用して、ゲノムDNA中のアレルを含むアンプリコンを生成させるホモジニアスなマルチプレックスPCRによるもの;
(xii)5’ヌクレアーゼ活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼを用いて、ミスマッチのあるプライマーではなく、マッチしたプライマーにハイブリダイズしているゲノムDNAを分解する、例えば、リアルタイムで(例えば、Taqmanアッセイフォーマット(Applied Biosystems,Carlsbad,USA)及び/またはマルチプレックスアッセイフォーマットで)行なわれる、5’ヌクレアーゼアッセイによるもの;
(xiii)プローブが標的ゲノムDNAと同一である場合に、上流または下流の不変のオリゴヌクレオチドへのライゲーションが起こることができるように、SNP部位の全体にプローブをハイブリダイズさせることによって、マッチしたオリゴヌクレオチドとミスマッチのあるオリゴヌクレオチドを用いて、SNPを調べるリガーゼアッセイによるもの;
(xiv)例えば、一本鎖ゲノムDNAまたはそれから生成されるアンプリコンの移動度によって決定されるような、一本鎖構造多型を解析することによるもの;
(xv)SNP部位を含む標的DNAを、標的DNAに対するミスマッチのあるアレルを含むアレル特異的プローブの存在下で変性させることと、この核酸を再アニールさせることと、温度勾配の存在下で生成物を分離することとを含む、標的DNAを用いる温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)または温度勾配キャピラリー電気泳動(TGCE)によるもの;
(xvi)SNP部位を含む標的DNAを、標的DNAに対するミスマッチのあるアレルを含むアレル特異的プローブの存在下で変性させることと、この核酸を再アニールさせることと、逆相HPLC条件下で生成物を分離することとを含む、変性HPLCによるもの;
(xvii)アンプリコンの高分解能融解によるもの;
(xviii)SNPlex(Applied Biosystems,Carlsbad,USA)によるもの;並びに
(xix)例えば、パイロシークエンシングを用いて、ゲノムDNA中のSNP全体をシークエンシングすることによるもの。
【0279】
例えば、従来の方法を用いて、HRアレル及びLRアレルを、本明細書に例示されているSNPについて決定した。これらは、「SNP効果」という見出しの列において、本明細書の表3にまとめられている。
【0280】
1つの特殊化した例では、Tsp45I制限酵素(New England Biolabs,Beverley,MA)を用いて、SNPのrs8099917をPCR−RFLPでタイピングした。10μlの反応液(X1バッファー、0.4Uの酵素、5μlのPCR産物及びミリQ水)中、65℃で2時間、消化を行なった。消化産物を、2%(w/v)のTBEゲル上で、120Vで1/2時間、電気泳動した。遺伝子型は、Tアレルについては、325bpの断片として、Gアレルについては、286bp及び39bpの断片として決定された。内部対照Tsp45I部位での消化から生じるさらなる214bp断片の放出を用いて、消化の完全性を評価した。表4のデータは、rs8099917のTアレル(及び反対のDNA鎖上の相補的A残基)についての、ゲノム規模の有意性に達する治療応答との非常に強い関連を示す(統合したP値=9.25×10−09、OR=1.86、95%CI=1.49〜2.32)。rs8099917の高応答(HR)アレルの非保有者と比較して、rs8099917のHRアレルのヘテロ接合保有者では、1.64(95%CI=1.15〜2.32)というオッズ比(OR)が得られ、ホモ接合保有者では、2.39(95%CI=1.16〜4.94)というORが得られた。
【0281】
表4に示すデータは、rs12980275のAアレル(及び反対のDNA鎖上の相補的T残基)についての、ゲノム規模の有意性に達する治療応答との非常に強い関連(統合したP値7.74×10−10)も示す。
【0282】
表4に示すデータは、IL28Bのエキソン2中のrs8103142のTアレル(及び反対のDNA鎖上の相補的A残基)が、免疫調節組成物による治療的介入に対するより高い応答と関連する(すなわち、HRアレルである)(p=3.83×10−4)のに対し、Cアレル(及び反対のDNA鎖上の相補的G残基)がより低い応答と関連する(すなわち、低応答(LR)アレルである)ことも示す。
【0283】
表5に示すデータは、rs12980275、rs8099917及びrs8103142を含む2つのSNP及び3つのSNPの組合せのあり得る遺伝子型を示す。これらのデータは、個々のSNPのHRアレル及び/またはLRアレルの組合せの使用を支持する。例えば、治療応答と、rs12980275及びrs8099917における両方のHRアレル(すなわち、rs12980275における遺伝子型AA及びrs8099917における遺伝子型TT)の組合せとの間に、極めて有意な関連がある(p=6.13×10−5;OR=2.11;95%CI=1.46〜3.04)。同様に、治療応答と、rs8103142及びrs8099917における両方のHRアレル(すなわち、rs8103142における遺伝子型TT及びrs8099917における遺伝子型TT)の組合せとの間に、極めて有意な関連がある(p=4.92×10−4;OR=2.03;95%CI=1.36〜3.05)。これらの遺伝子座におけるHRアレルの三重ホモ接合体(すなわち、rs12980275における遺伝子型AA及びrs8103142における遺伝子型TT及びrs8099917における遺伝子型TT)もまた、高い有意性で治療応答と関連する(p=6.3×10−4;OR=2.03;95%CI=1.36〜3.05)。
【0284】
総合すると、表4及び5に示すデータは、位置44,420,000と位置44,440,000の間、より具体的には、位置44,423,000周辺と位置44,436,000周辺の間の19q13.13における遺伝子型(とりわけ、IFN−λ3(IL−28B)遺伝子型)が、免疫調節組成物(例えば、インターフェロン(例えば、IFN−α)及び/またはTh1/Th2を調節する薬剤(例えば、リバビリン))に対する患者の応答性を予測することを示唆する。
【0285】
IFN−λ3(IL28B)のハプロタイプ解析:
例えば、非特許文献94に記載されているような、Center for Human Genetic Research of Massachusetts General Hospital and Harvard Medical School,USA、及びthe Broad Institute,USAのHaplotype Taggerソフトウェアを用いて、IFN−λ3(IL28B)遺伝子と連鎖するSNPのハプロタイプを選択した。Haplotype Taggerは、ペアワイズタギング法と多重マーカーによるハプロタイプ法とを組み合わせた、遺伝子型データからのSNPを選択及び評価するためのツールである。遺伝子型データ及び/またはSNPがマッピングされる染色体位置は、対象となる染色体領域の配列データに基づいて連鎖不平衡パターンを算出するためのソースとして提供される。Haplotype Taggerは、SNPのリストと、対象となる変異体を捕捉する対応する統計検定とを提供する。Haplotype Taggerは、スタンドアロンプログラムのthe Broad Institute,USAのHaploview(例えば、バージョン3.31)で実行してもよい(例えば、非特許文献95)。
【0286】
一例では、Haplotype Taggerを用いて、SNPをIFN−λ遺伝子クラスター中に細かくマッピングし、IFNλ遺伝子クラスターを含む染色体領域中の共通のハプロタイプをタグ化した。その解析により、IFN−λ3が、本明細書で治療応答と関連することが同定された遺伝子座におけるアレルの明確なハプロタイプブロックを有することが同定された(データは示さない)。
【0287】
IFN−λ3のSNPについてペアワイズ相関係数を決定し、被験集団内でのハプロタイプ分布を明らかにした。例えば、表6は、以下のSNPの組合せのハプロタイプを示す。
(a)可能性のあるアレルがAまたはGであるrs12980275(配列番号:64);
(b)可能性のあるアレルがCまたはTであるrs8105790(配列番号:63);
(c)可能性のあるアレルがCまたはTであるrs8103142(配列番号:57);
(d)可能性のあるアレルがCまたはTであるrs10853727(配列番号:26);
(e)可能性のあるアレルがAまたはCであるrs8109886(配列番号:7);及び
(f)可能性のあるアレルがGまたはTであるrs8099917(配列番号:4)。
【0288】
表6に示すデータは、rs8099917のGアレル(すなわち、LRアレル)が、治療に対する低い応答と最も関連するハプロタイプをタグ化することを示す(p=3.03×10−9;OR=2.0;95%CI=1.58〜2.50)。
【0289】
表6に示すデータはまた、rs12980275のHRアレルが、被験集団の45.2%でrs8105790、rs8103142、rs10853727、rs8109886及びrs8099917におけるHRアレルと連鎖することと、rs8099917のLRアレルが、被験集団の25.6%でrs12980275、rs8105790、rs8103142、rs10853727及びrs8109886のLRアレルと関連することとを示し、これらのアレル間の連鎖不平衡を示唆する。したがって、IFN−λ3と連鎖する特定のアレルの発生は、治療に対する高い応答または低い応答と関連するハプロタイプを予測し得る。
【0290】
IFNλ−3(IL28B)の発現の決定:
標準的な手順に従って健常な対照の全血細胞からトータルRNAを抽出し、製造元の指示書に従ってランダムヘキサマープライマー及びSuperscript III逆転写酵素(Invitrogen)を用いる一本鎖cDNA合成の鋳型として用いた。本質的にMihmら,C.Lab.Invest.84,1148−1159(2004)に記載されているような、IFN−λ1(IL29)、IFN−λ2(IL28A)及びIFN−λ3(IL28B)用のプライマー及びプローブを用いて、RT−PCRを行なった。mRNAの発現レベルをグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の発現中央値に対して標準化した。
【0291】
図1のデータは、IFN−λ2とIFN−λ3の両方の発現レベルが、rs8099917のHRアレルを有するハプロタイプの保有者でより高いことを示す(P<0.04)。ハプロタイプは、例えば、表1に示すような、様々な状況及び様々な刺激において、例えば、mRNAスプライシング、mRNA代謝回転、mRNA半減期、mRNA安定性、そのコグネート受容体に対するコードされたサイトカインの親和性のうちの1つまたは複数を変化させることによって、発現を変化させ得る。これらの因子のいずれか1つまたは複数は、高応答(HR)ハプロタイプを有する対象のウイルス除去の改善に寄与し得る。いずれにしても、このデータは、ハプロタイプとHCVに対するペグ化インターフェロン−アルファ(IFN−α)及びリバビリンの治療効力との間の相関における機能的有意性を示す。
【0292】
臨床的意義:
免疫調節組成物(例えば、IFN及びリバビリン)を用いる現在のHCV−1治療は、重篤な有害反応をもたらすことがあり、また、いずれにしても、感染患者の約50%で低いウイルス除去をもたらす。したがって、治療に応答する可能性が低い対象を同定し、それにより、その不快感を回避する診断方法及び予後判定方法を提供することには、明らかな利益がある。そのような診断方法及び予後判定方法は、従来の治療に応答する可能性が低い患者に対する補助療法または代替療法を提案する根拠も提供する。
【0293】
本研究で同定された低応答ハプロタイプは、北欧人の70%が保有しており、この疾患のみの有効な治療について製薬産業が直面する問題の大きさをはっきりと示している。
【0294】
SNP、及び本研究で同定された遺伝子座における特定のアレル変異体間の関連の規定は、免疫応答調節物質(例えば、インターフェロン、リバビリン及びそれらの組合せ)を用いる診断及び治療にとって明らかな臨床的意義を有する。例えば、本研究で同定されたSNP位置における低応答(LR)アレルを保有する対象の同定は、同じアレルの非保有者である対象と比較して、ウイルス(例えば、HCV)を排除する可能性が低いことを示す。同様に、本研究で同定されたSNP位置における高応答(HR)アレルを保有する対象の同定は、LRアレルの保有者と比較して、ウイルスを排除する可能性が高いことを示す。例えば、rs1099917遺伝子座におけるGGホモ接合体の68%はHCVを排除することができないのに対し、この遺伝子座におけるTTホモ接合体の40%だけがHCVを排除することができない。本明細書に記載されているような標準的なジェノタイピング法及びハプロタイピング法を用いて、対象の治療に対する応答の可能性を判定することができる。したがって、本明細書に示すデータは、北欧人の50%を含めて、治療によってウイルスを排除し得る対象、及びウイルスを排除しない対象を同定する手段を提供する。
【0295】
本明細書で同定されたSNP(HRハプロタイプ関連とLRハプロタイプ関連を含む)を用いて、従来の治療に対する高い応答を有することができる対象の約90%を、その遺伝子型によって同定することができる。
【0296】
本研究で示したデータは、HCV以外のウイルス感染の状況に対するIFN−λ3ジェノタイピング及び/またはハプロタイピングに基づく診断/予後判定アッセイの幅広い適用可能性も示唆している。第1に、IFN−λ3とウイルス除去との関連は、抗ウイルスタンパク質としてのIFN−λ3の機能性、1型インターフェロン(例えば、IFN−α及びIFN−β)に対するIFN−λ3発現の応答性(非特許文献2)、及びIFN−λ3の発現がHCV感染患者の肝細胞及びPBMCで上方調節されるという観察(非特許文献96)と一致している。第2に、IFN−λ3は、肝細胞及び他の細胞において、ウイルス感染によって及び他のインターフェロンによって上方調節され(例えば、非特許文献3〜4、97)、また、インビトロ系で、HCVから防御する(例えば、非特許文献98〜99)だけでなく、インビボで、他のRNAウイルスからも防御する(例えば、非特許文献4〜5)。IFN−λ3はまた、JAK/STATシグナル伝達を介してIFN−αと同様の遺伝子を調節するが、その組織標的の点でより特異的である。これを基に進めると、IFN−λ3が、現在IFNを用いて治療されている医学的適応症の診断に対して根拠を与えるという結論を下すのが妥当である。IFN−λ3が、他のIFN(例えば、IFN−αまたはIFN−λ1)を用いる療法の代替療法に対して(例えば、IFN−λ3発現及び活性に対応する医学的適応症に)根拠を与えるという結論を下すのも妥当である。
【0297】
入手可能なデータによって裏付けられているように、IFN−λクラスターと連鎖しない本明細書に記載の他の関連性も、ウイルス除去の強い指標である。第16番染色体上のIL−21R、第11番染色体上のカスパーゼ−1(CASP−1)及び第6番染色体上のHLA偽遺伝子クラスターと連鎖するSNPとの関連は、特に興味深い。例えば、IL−21は、T細胞増殖及びウイルス除去を促進し、エキソン構造(αヘリックスが別々のエキソンによってコードされている)の点で、IFN−λと構造的に類似している。さらに、CASP1は、後に炎症カスケードを促進するIL−1を活性化し、インビトロでは、HCV複製を阻害する(例えば、非特許文献100)。
これを基に進めると、本明細書に記載の他の関連が、現在IFN及び/またはリバビリン以外の免疫調節組成物(例えば、IL−1を含む組成物)を用いて治療されている任意の医学的適応症の状況において、診断/予後判定アッセイに対して根拠を与えるという結論を下すのが妥当である。
【0298】
【表2】

【0299】
【表3A】

【表3B】

【表3C】

【表3D】

【0300】
【表4A】

【表4B】

【表4C】

【表4D】

【表4E】

【表4F】

【0301】
【表5】

【0302】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫調節組成物による治療に応答する可能性を正確に判定するための方法であって、
対象由来の試料中の1以上のマーカーを検出することを含み、
少なくとも1つのマーカーが、表1に示す単一ヌクレオチド多型(SNP)と連鎖するか、または表1に示すSNPを含むか、または、表1に示すSNPを含むか表1に示すSNPと連鎖する核酸によってコードされ、かつ、その1以上のマーカーの検出が前記組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示すとする
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つのマーカーが、表3に示すSNPと連鎖するか、または表3に示すSNPを含むか、または表3に示すSNPを含むか表3に示すSNPと連鎖する核酸によってコードされる
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのマーカーが、表4または5に示すSNPと連鎖するか、または表4または5に示すSNPを含むか、または、表4または5に示すSNPを含むか表4または5に示すSNPと連鎖する核酸によってコードされる
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのマーカーが、1p35の領域;3p21.2周辺と3p21.31周辺の間の領域;3p24.3周辺と3p25.1周辺の間の領域;4q32周辺の領域;4p13周辺の領域;4p16.1周辺の領域;6p12.2周辺と6p12.3周辺の間の領域;6p21.33周辺と6p22周辺の間の領域;6p22.1周辺と6p22.2周辺の間の領域;6q13周辺の領域;6q22.31周辺の領域;8q12.2周辺と8q13.1周辺の間の領域;9q22.1周辺と9q22.2周辺の間の領域;10q26.2周辺と10q26.3周辺の間の領域;11q21周辺の領域;11q22.3周辺の領域;14q22.1周辺と14q22.2の間の領域;16q23.1周辺と16q23.2周辺の間の領域;16p11.2周辺と16p12.1周辺の間の領域;19q13.13周辺の領域;及び20q13.12周辺と20q13.13周辺の領域からなる群から個別にまたはまとめて選択される染色体領域内に含まれる
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのマーカーが、IFN−λ3、SULF−2、WWOX−1、RTFN−1、CACNA2D3、CASP−1、RIMS−1、IL21R、NPS及びPKHD−1からなる群から個別にまたはまとめて選択される遺伝子と連鎖するか、または、IFN−λ3、SULF−2、WWOX−1、RTFN−1、CACNA2D3、CASP−1、RIMS−1、IL21R、NPS及びPKHD−1からなる群から個別にまたはまとめて選択される遺伝子内に含まれるか、または、IFN−λ3、SULF−2、WWOX−1、RTFN−1、CACNA2D3、CASP−1、RIMS−1、IL21R、NPS及びPKHD−1からなる群から個別にまたはまとめて選択される遺伝子を含むか、または、IFN−λ3、SULF−2、WWOX−1、RTFN−1、CACNA2D3、CASP−1、RIMS−1、IL21R、NPS及びPKHD−1からなる群から個別にまたはまとめて選択される遺伝子によってコードされる
請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのマーカーが、
(i)配列番号:1〜60、62、64〜67、69、71〜74、76、78、79、81または83〜158のいずれか1つに示す配列;及び
(ii)(i)の配列に相補的な配列
からなる群から選択される配列中に多型ヌクレオチドを含む
請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのマーカーが、前記免疫調節組成物による治療に対する応答と関連するアレルを含み、そのアレルが、
(i)配列番号:5、10、67、85、88、91、94、97、100、103、106、109、112、115、118、121、124、127、130、133、136、139、142、145、148、151、154及び157のいずれか1つに示す配列;並びに、
(ii)(i)の配列に相補的な配列
からなる群から選択される配列内に含まれ、
その少なくとも1つのマーカーの検出が、前記組成物による治療に対する対象の応答を示す、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのマーカーが、前記免疫調節組成物による治療に対する低い応答または無応答と関連するアレルを含み、そのアレルが、
(i)配列番号:6、11、69、86、89、92、95、98、101、104、107、110、113、116、119、122、125、128、131、134、137、140、143、146、149、152、155及び158のいずれか1つに示す配列;及び
(ii)(i)の配列に相補的な配列
からなる群から選択される配列内に含まれ、
その少なくとも1つのマーカーの検出が、前記組成物による治療に対する対象の低い応答または無応答を示す
請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのマーカーが、IFN−λ3遺伝子と連鎖するか、またはIFN−λ3遺伝子内に含まれるか、またはIFN−λ3遺伝子を含むか、またはIFN−λ3遺伝子によってコードされる
請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのマーカーが、
(i)1〜60、62、64〜67、69、71〜74、76、78、79、81または83〜89のいずれか1つに示す配列;及び
(ii)(i)の配列に相補的な配列
からなる群から選択される配列中に多型ヌクレオチドを含む
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのマーカーが、前記免疫調節組成物による治療に対する応答と関連するアレルを含み、そのアレルが、
(i)配列番号:5、10、67、85及び88のいずれか1つに示す配列;及び
(ii)(i)の配列に相補的な配列
からなる群から選択される配列内に含まれ、
その少なくとも1つのマーカーの検出が前記組成物による治療に対する対象の応答を示す
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのマーカーが、前記免疫調節組成物による治療に対する低い応答または無応答と関連するアレルを含み、そのアレルが、
(i)配列番号:6、11、69、86及び89のいずれか1つに示す配列;及び
(ii)(i)の配列に相補的な配列
からなる群から選択される配列内に含まれ、
その少なくとも1つのマーカーの検出が、前記組成物による治療に対する対象の低い応答または無応答を示す
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのマーカーが、多型ヌクレオチドを含む配列によってコードされ、その配列が、配列番号:60、62、67、69、74、76、79及び81からなる群から選択される
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つのマーカーが、多型アミノ酸を含むアミノ酸配列を含み、その配列が、配列番号:61、63、68、70、75、77、80及び82からなる群から選択される
請求項9に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのマーカーが、前記免疫調節組成物による治療に対する応答と関連するアレルを含み、そのアレルが、配列番号:67中の多型ヌクレオチドを含む配列によってコードされるか、または配列番号:68の配列を含み、その少なくとも1つのマーカーの検出が前記組成物による治療に対する対象の応答を示す
請求項9に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのマーカーが、前記免疫調節組成物による治療に対する低い応答または無応答と関連するアレルを含み、そのアレルが、配列番号:69中の多型ヌクレオチドを含む配列によってコードされるか、または配列番号:70の配列を含み、その少なくとも1つのマーカーの検出が、前記組成物による治療に対する対象の低い応答または無応答を示す
請求項9に記載の方法。
【請求項17】
複数の前記マーカーを検出することを含む
請求項1ないし16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記マーカーのうちの2つを検出することを含む
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記マーカーのうちの3つを検出することを含む
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記マーカーのうちの6つを検出することを含む
請求項17に記載の方法。
【請求項21】
複数の前記マーカーを含むハプロタイプを検出することを含む
請求項1ないし20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記ハプロタイプが、rs8099917におけるアレルを含む
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ハプロタイプが、rs12980275、rs8105790、rs8103142、rs10853727、rs8109886及びrs8099917の各々におけるアレルを含み、そのアレルを含むハプロタイプの検出が前記組成物による治療に対する対象の低い応答または無応答を示す
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記アレルが、rs8099917においてCまたはGヌクレオチドを含み、そのアレルを含むハプロタイプの検出が、前記組成物による治療に対する対象の低い応答または無応答を示す
請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記ハプロタイプが、rs12980275、rs8105790、rs8103142、rs10853727、rs8109886及びrs8099917の各々におけるアレルを含み、そのアレルを含むハプロタイプの検出が前記組成物による治療に対する対象の治療の応答を示す
請求項22に記載の方法。
【請求項26】
対象由来の試料中の1以上の遺伝子の改変された発現レベルを検出することを含み、その改変された発現が前記組成物による治療に対する対象の応答を示す
請求項5または9に記載の方法。
【請求項27】
前記遺伝子の発現が増大している
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
1以上のその遺伝子の改変された発現レベルを検出することを含み、その改変された発現が前記組成物による治療に対する対象の低い応答または無応答を示す
請求項5または9に記載の方法。
【請求項29】
前記遺伝子の発現が低下している
請求項26に記載の方法。
【請求項30】
核酸に基づくアッセイまたは抗原に基づくアッセイによって、その遺伝子の少なくとも1つの発現産物の改変されたレベルを検出することを含む
請求項26ないし29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
対象由来の試料中のその遺伝子のmRNA転写物を検出するために増幅反応を行なうことを含む
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
対象から得られた生体試料を、そのマーカーのその遺伝子によってコードされるタンパク質のアレル変異体に特異的に結合することができる抗体またはリガンドと、複合体の形成に十分な時間及び条件下で接触させ、その後、前記複合体を検出することを含む
請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記試料中の発現を対照試料中の発現と比較することを含む
請求項26ないし32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記対照試料が、
(i)前記免疫調節組成物で治療されていない1以上の対象由来の試料;及び
(ii)(i)の前記試料について以前に決定された発現の測定値を含むデータセット
からなる群から選択される
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記試料が、有核細胞及び/またはその抽出物を含む
請求項1ないし34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記試料が、全血、血清、血漿、末梢血単核細胞(PBMC)、バフィーコート画分、唾液、尿、口腔細胞、肝生検及び皮膚細胞からなる群から選択される
請求項1ないし34のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記試料が、対象に由来するか、対象から単離されているか、または対象から予め得られている
請求項1ないし36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記試料が、ゲノムDNA、mRNA、タンパク質またはそれらの誘導体を含む
請求項1ないし37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記誘導体が、増幅されたDNAまたはcDNAを含む
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
その1以上のマーカーの検出が、
(i)ウイルス除去の増強またはウイルス力価の低下またはウイルス力価の低下または除去の増強に関連する対象に特徴的な他の健康の変化を含む応答;
(ii)癌からの回復または寛解または腫瘍または前癌病変の増殖の低下を含む応答;
(iii)Th1細胞数、Th2細胞数またはTh1/Th2細胞バランスの変化またはTh1介在性またはTh2介在性疾患からの回復を示す対象に特徴的な他の健康の変化;及び
(iv)(i)〜(iii)のうちの2つまたは全ての組合せ
からなる群から選択される応答を示す
請求項1ないし39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記1以上のマーカーの検出が、
(i)ウイルス/細菌の除去の失敗またはウイルス力価または細菌数の低下の失敗またはその失敗に関連する対象に特徴的な他の健康の変化;
(ii)癌からの回復または癌からの緩解の失敗または腫瘍または前癌病変の増殖の低下の失敗;
(iii)Th1細胞数、Th2細胞数またはTh1/Th2細胞バランスまたはTh1介在性またはTh2介在性疾患からの回復を示す対象に特徴的な健康に顕著な変化がないこと;及び
(iv)(i)〜(iii)のうちの2つまたは全ての組合せ
からなる群から選択される低い応答または無応答を示す
請求項1ないし39のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
対象が白人である
請求項1ないし41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
対象がアフリカ人またはアジア人である
請求項1ないし41のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記免疫調節組成物が、1以上のIFN及び/または1以上のIFNの1以上の誘導体を含む
請求項1ないし43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記組成物が、IFN−α、IFN−β、IFN−ω、IFN−γ、IFN−λ1、IFN−λ2及びIFN−λ3から選択される1以上のIFN及び/またはIFNのいずれか1つまたは複数の1以上の誘導体を含む
請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記免疫調節組成物が、1以上のグアノシン類似体及び/または1以上のグアノシン類似体の1以上の誘導体を含む
請求項1ないし43のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
前記組成物が、リバビリン、ビラミジン、7−ベンジル−8−ブロモグアニン、9−ベンジル−8−ブロモグアニン、及びCpG含有オリゴヌクレオチドから選択される1以上のグアノシン類似体、並びに、それらの誘導体、塩、溶媒和物及び水和物を含む
請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記免疫調節組成物が、IFN−α及びリバビリンを含む
請求項44ないし47のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記IFNがペグ化IFNである
請求項44、45または48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
対象が免疫調節組成物によるTh1介在性疾患及び/またはTh2介在性疾患の治療に応答する可能性を正確に判定するためのプロセスであって、
請求項1ないし49のいずれかに記載の方法を実施し、それによって、前記組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す1以上のマーカーを検出すること、並びに、
(i)Th1細胞数、Th2細胞数またはTh1/Th2細胞バランスの変化またはTh1介在性またはTh2介在性疾患からの回復を示す対象に特徴的な他の健康の変化、治療に対する応答を示す;及び
(ii)Th1細胞数、Th2細胞数またはTh1/Th2細胞バランスまたはTh1介在性またはTh2介在性疾患からの回復を示す対象に特徴的な健康に顕著な変化がなく、治療に対する低い応答または無応答を示す、
からなる群から選択される対象の応答を判定すること、を含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項51】
前記疾患が、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病(IDDM)、強皮症、ConA肝炎、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎及びアレルギーからなる群から個別にまたはまとめて選択される
請求項50に記載のプロセス。
【請求項52】
対象が免疫調節組成物による1以上の細菌またはウイルス感染の治療に応答する可能性を正確に判定するためのプロセスであって、
請求項1ないし49のいずれかに記載の方法を実施し、それによって、前記組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す1以上のマーカーを検出すること、並びに、
(i)ウイルスまたは細菌除去の増強またはウイルス力価または細菌数の低下またはウイルス力価の低下または除去の増強に関連する対象に特徴的な他の健康の変化を含む応答であり、その応答は治療に対する応答を示す;及び、
(ii)ウイルスまたは細菌の除去の失敗またはウイルス力価または細菌数の低下の失敗または失敗に関連する対象に特徴的な健康の変化であり、その応答は治療に対する低い応答または無応答を示す、
からなる群から選択される対象の応答を判定すること、を含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項53】
前記細菌がグラム陰性細菌である
請求項52に記載のプロセス。
【請求項54】
前記ウイルスが一本鎖RNAウイルスである
請求項52に記載のプロセス。
【請求項55】
前記ウイルスが、ヒトパピローマウイルス、ピコルナウイルス、フラビウイルス、アレナウイルス、トガウイルス、ブンヤウイルス、フィロウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、オルトミクソウイルス、及びコロナウイルスからなる群から選択される
請求項54に記載のプロセス。
【請求項56】
前記フラビウイルスが肝炎ウイルスである
請求項55に記載のプロセス
【請求項57】
前記ウイルスがDNAウイルスである
請求項59に記載のプロセス。
【請求項58】
前記ウイルスがヘルペスウイルスである
請求項57に記載のプロセス。
【請求項59】
対象が免疫調節組成物による1以上の新生物または前癌状態の治療に応答する可能性を正確に判定するためのプロセスであって、
請求項1ないし49のいずれかに記載の方法を実施し、それによって、前記組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す1以上のマーカーを検出すること、並びに、
(i)癌からの回復または寛解または腫瘍または前癌病変の増殖の低下を含む応答であり、その応答は治療に対する応答を示す;及び、
(ii)癌からの回復または癌からの緩解の失敗または腫瘍または前癌病変の増殖の低下の失敗、治療に対する低い応答または無応答を示す、
からなる群から選択される対象の応答を判定すること、を含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項60】
前記癌または前癌病変が、乳癌、肺癌、卵巣癌、HPV関連癌(例えば、子宮頸部上皮内新生物及び/または子宮頸癌及び/または外陰部上皮内新生物及び/または陰茎上皮内新生物及び/または肛門上皮内新生物)、肝細胞癌、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、光線角化症、黒色腫、有毛細胞白血病、カポジ肉腫、非ホジキンリンパ腫、星状細胞腫、膠芽細胞腫、胸腺腫、腺癌または線維肉腫からなる群から選択される
請求項52に記載のプロセス。
【請求項61】
対象が免疫調節組成物によるHCV感染の治療に応答する可能性を正確に判定するためのプロセスであって、
請求項1ないし49のいずれかに記載の方法を実施し、それによって、前記組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す1以上のマーカーを検出すること、並びに、
(i)HCV除去の増強またはHCV力価の低下またはウイルス力価の低下または除去の増強に関連する対象に特徴的な他の健康の変化を含む応答、ここで、その応答は、治療に対する応答を示す;及び、
(ii)HCV除去の失敗またはHCV力価の低下の失敗または失敗に関連する対象に特徴的な健康の変化であり、その応答は治療に対する低い応答または無応答を示す、
からなる群から選択される対象の応答を判定すること、を含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項62】
前記免疫調節組成物が、1以上のIFN及び/または1以上のIFNの1以上の誘導体を含む
請求項61に記載のプロセス。
【請求項63】
前記組成物が、IFN−α、IFN−β、IFN−ω、IFN−γ、IFN−λ1、IFN−λ2及びIFN−λ3から選択される1以上のIFN及び/またはIFNのいずれか1つまたは複数の1以上の誘導体を含む
請求項62に記載のプロセス。
【請求項64】
前記IFNがペグ化IFNである
請求項62または63に記載のプロセス。
【請求項65】
前記免疫調節組成物が、1以上のグアノシン類似体及び/または1以上のグアノシン類似体の1以上の誘導体を含む
請求項61に記載のプロセス。
【請求項66】
前記組成物が、リバビリン、ビラミジン、7−ベンジル−8−ブロモグアニン、9−ベンジル−8−ブロモグアニン、及びCpG含有オリゴヌクレオチドから選択される1以上のグアノシン類似体、並びに、それらの誘導体、塩、溶媒和物及び水和物を含む
請求項65に記載のプロセス。
【請求項67】
対象がIFNまたはその誘導体及びリバビリンまたはその誘導体を含む免疫調節組成物によるHCV感染の治療に応答する可能性を正確に判定するためのプロセスであって、
請求項1ないし49のいずれかに記載の方法を実施し、それによって、前記組成物による治療に対する対象の起こり得る応答を示す1以上のマーカーを検出すること、並びに、
(i)HCV除去の増強またはHCV力価の低下またはウイルス力価の低下または除去の増強に関連する対象に特徴的な他の健康の変化であり、治療に対する応答を示す;及び、
(ii)HCV除去の失敗またはHCV力価の低下の失敗または失敗に関連する対象に特徴的な健康の変化であり、その応答は治療に対する低い応答または無応答を示す、
からなる群から選択される対象の応答を判定すること、を含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項68】
前記組成物が、IFN−α、IFN−β、IFN−ω、IFN−γ、IFN−λ1、IFN−λ2及びIFN−λ3から選択される1以上のIFN及び/またはIFNのいずれか1つまたは複数の1以上の誘導体を含む
請求項67に記載のプロセス。
【請求項69】
前記IFNがペグ化IFNである
請求項67または68に記載のプロセス。
【請求項70】
前記リバビリンの誘導体が、ビラミジンまたはその誘導体、塩、溶媒和物または水和物である
請求項67に記載のプロセス。
【請求項71】
(i)請求項1ないし70のいずれかに記載の方法またはプロセスを行なうこと;及び、
(ii)免疫調節組成物を対象に投与または推奨すること
を含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項72】
(i)請求項1ないし70のいずれかに記載の方法またはプロセスの結果を得ること;及び、
(ii)免疫調節組成物を対象に投与または推奨すること
ことを特徴とするプロセス。
【請求項73】
免疫調節組成物による治療を必要とする対象を選択するためのプロセスであって、
(i)対象から得られた細胞を含む試料をインビトロで前記免疫調節組成物に曝露させること;及び、
(ii)請求項1ないし43のいずれかに記載の方法を実施し、それによって、前記免疫調節組成物による治療に応答する可能性が高い対象を特定すること;及び、
(iii)治療に応答する可能性が高い対象に免疫調節組成物を投与または推奨すること、を含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項74】
免疫調節組成物による治療を必要とする対象を選択するためのプロセスであって、
(i)対象から得られた細胞を含む試料をインビトロで前記免疫調節組成物に曝露させること;及び、
(ii)請求項1ないし43のいずれかに記載の方法を実施し、それによって、前記免疫調節組成物による治療に応答しない可能性が高いかまたは治療に対する低い応答を示す可能性が高い対象を特定すること;及び、
(iii)前記免疫調節組成物の代替療法を投与または推奨すること、を含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項75】
対象がHCVに感染している
請求項73または74に記載のプロセス。
【請求項76】
前記細胞が、末梢血単核細胞または他のDNA供給源である
請求項73または74に記載のプロセス。
【請求項77】
前記免疫調節組成物が、1以上のIFN及び/または1以上のIFNの1以上の誘導体を含む
請求項73ないし76のいずれかに記載のプロセス。
【請求項78】
前記組成物が、IFN−α、IFN−β、IFN−ω、IFN−γ、IFN−λ1、IFN−λ2及びIFN−λ3から選択される1以上のIFN及び/またはIFNのいずれか1つまたは複数の1以上の誘導体を含む
請求項77に記載のプロセス。
【請求項79】
前記免疫調節組成物が、1以上のグアノシン類似体及び/または1以上のグアノシン類似体の1以上の誘導体を含む
請求項73ないし76のいずれかに記載のプロセス。
【請求項80】
前記組成物が、リバビリン、ビラミジン、7−ベンジル−8−ブロモグアニン、9−ベンジル−8−ブロモグアニン、及びCpG含有オリゴヌクレオチドから選択される1以上のグアノシン類似体、並びに、それらの誘導体、塩、溶媒和物及び水和物を含む
請求項79に記載のプロセス。
【請求項81】
前記免疫調節組成物が、IFN−α及びリバビリンを含む
請求項77ないし80のいずれかに記載のプロセス。
【請求項82】
前記IFNがペグ化IFNである
請求項77ないし81のいずれかに記載のプロセス。
【請求項83】
前記細胞が、対象への前記免疫調節組成物の任意のインビボ投与の前に対象から得られる
請求項73ないし82のいずれかに記載のプロセス。
【請求項84】
必要とする対象が、前記免疫調節組成物の事前のインビボ投与を受けた対象であり、かつ前記治療が継続治療である
請求項73ないし82のいずれかに記載のプロセス。
【請求項85】
HCV感染対象を治療するためのプロセスであって、
その対象由来の試料に対して請求項73ないし84のいずれかに記載のプロセスを行なうこと、及び、
対象が治療に応答する可能性が高い場合、IFNを含む治療有効量の免疫調節組成物を対象に投与または推奨するか、または対象が、治療に応答しない可能性が高いかまたは治療に対する低い応答を生じる可能性が高い場合、代替療法を投与または推奨すること、を含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項86】
対象の慢性HCV感染に罹りやすい傾向を判定するためのプロセスであって、
請求項1ないし49のいずれかに記載の方法を実施し、それによって、免疫調節組成物による治療に応答しない可能性が高いかまたは治療に対する低い応答を示す可能性が高い対象を特定すること、及び、
対象が慢性HCV感染に罹りやすい傾向があると判定すること、を含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項87】
対象におけるHCV感染の治療方法であって、
それを必要とする対象に対するIFN−λ2またはその誘導体及び/またはIFN−λ3またはその誘導体を含む免疫調節組成物を、対象に投与または推奨する、ことを含む
ことを特徴とするプロセス。
【請求項88】
前記免疫調節組成物の投与が、対象においてウイルス除去を増強するかまたはウイルス力価を低下させるのに十分な時間及び条件下にある
請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記誘導体が、ペグ化IFN−λ2及び/またはペグ化IFN−λ3及び/またはアルブミン化IFN−λ2及び/またはアルブミン化IFN−λ3である
請求項88に記載の方法。
【請求項90】
対象にグアノシン類似体を投与することまたは対象へのグアノシン類似体の投与を推奨することを含む
請求項87ないし89のいずれかに記載の方法。
【請求項91】
IFN−α/βを用いて治療されることが知られている医学的状態を治療するための医薬品の調製に用いられるIFN−λ2及び/またはIFN−λ3の使用。
【請求項92】
HCVの感染を治療するための医薬品の調製に用いられるIFN−λ2の使用。
【請求項93】
HCVの感染を治療するための医薬品の調製に用いられるIFN−λ3の使用。
【請求項94】
グラム陰性細菌の感染を治療するための医薬品の調製に用いられるIFNの使用。
【請求項95】
多発性嚢胞腎またはそれに起因する合併症、移植後糖尿病を治療するための医薬品の調製に用いられるIFNの使用。
【請求項96】
肺癌、卵巣癌、肝臓癌または乳癌を治療するための医薬品の調製に用いられるIFNの使用。
【請求項97】
請求項1ないし90のいずれかに記載の方法またはプロセスを実施するための単離された核酸または抗体を含むキット。
【請求項98】
請求項1ないし90のいずれかに記載の方法またはプロセスを実施するためのキットまたは固体基板の製造における単離された核酸または抗体の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2012−529885(P2012−529885A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514293(P2012−514293)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【国際出願番号】PCT/AU2010/000713
【国際公開番号】WO2010/144946
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(511300237)
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF SYDNEY
【住所又は居所原語表記】The Univeristy of Sydney,Sydney,Sydney,New South Wales 2006 Australia
【出願人】(511300248)
【住所又は居所原語表記】Cnr Hawkesbury & Darcy Road,Westmead,Sydney,New South Wales 2145 Australia
【Fターム(参考)】