説明

免震材を用いたトンネルの耐震対策工法及びその免震壁の施工方法並びにその築造構造体

【課題】 部材全体の発生断面力が軽減され、全体としての耐震性能の向上を図ることができる免震材を用いたトンネルの耐震対策工法及びその免震壁の施工方法を提供する。
【解決手段】 トンネルの免震壁の施工方法であって、既設トンネルに適用する場合において、地盤41に挿入したチェーンソー型カッターを有するベースマシンによって、カッターチェーン44を回転させ、地盤を切削し、固化液と切削土を攪拌混合、もしくは置き換えを行い、順次横方向に移動して掘削を続けることにより地中に等厚で連続した免震壁を築造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免震材を用いたトンネルの耐震対策工法及びその免震壁の施工方法並びにその築造構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13は、従来の既設開削トンネルの耐震補強工法の説明図であり、図13(a)はその側壁の一部を切り出して示す図、図13(b)は図13(a)のA−A線断面図である。
【0003】
これらの図において、101は既設開削トンネルの側壁の一部、102はその側壁の表面に補強される鋼板、103は現状の主鉄筋、104はアンカーボルトである。
【0004】
従来、既設開削トンネルの中柱や側壁を耐震補強する際には、鋼板巻補強を行う方法、または、図13に示すように、部材の一面だけを鋼板101で補強して、変形性能及び耐力を向上させる方法が一般的に行われている。この場合には、開削トンネル内の作業となるため、近隣への影響(騒音等)は少ないという利点を有するが、施工空間が狭いこと、夜間線閉などを行う必要があり施工時間が拘束されること、鋼板101を固定するアンカーボルト104を用いるためにコンクリートを削孔する必要があるが、この際、現状の鉄筋103の位置を確認しながら作業を行うため非常に膨大な時間を要することなどの問題点がある。さらに、コンクリートを削孔するために、既存の健全なコンクリートを傷める恐れがあるとともに、常時においてひび割れ・止水性に不安がある。
【0005】
また、周辺地盤の改良としては、地盤の剛性を高くすることもよく行われるが、この場合、慣性力により構造物が動かされ、地盤が抵抗側に働く場合には改良効果が認められるが、開削トンネルのように周辺地盤に追従して動く構造物では、ほとんどその効果が認められない。
【0006】
なお、地盤又は土砂の改良ポリマー材及びそれを用いた改良地盤又は改良土砂自体としては、下記特許文献1が挙げられ、チェーン式カッター装置を用いた地中の地盤置換方法および地中地盤置換装置としては、下記特許文献2が挙げられる。
【特許文献1】特開2002−371278号公報
【特許文献2】特開2002−146762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の既設開削トンネルの中柱や側壁を耐震補強する方法では、上記したように、(1)施工時間が拘束される、(2)既存の健全なコンクリートを傷める恐れがある、(3)コンクリートを切削するため、常時においてひび割れ・止水性に不安がある、などの問題があった。
【0008】
本発明は、上記状況に鑑みて、部材全体の発生断面力が軽減され、全体としての耐震性能の向上を図ることができる免震材を用いたトンネルの耐震対策工法及びその免震壁の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、トンネルの側面部に、周辺地盤に対して剛性比が小さく柔らかい材料からなる免震材を壁状に設置した免震壁を構築し、地震力を低減させることを特徴とする。
【0010】
〔2〕上記〔1〕記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記免震材がポリマー改良土からなることを特徴とする。
【0011】
〔3〕上記〔1〕記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記ポリマー改良土の材料として、ポリビニールアルコール系ポリマー剤および発泡スチロールビーズ混入土を用いることを特徴とする。
【0012】
〔4〕上記〔1〕記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記免震材がポリビニールアルコール系ポリマー剤であることを特徴とする。
【0013】
〔5〕上記〔1〕記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記免震材が発泡スチロールビーズ混入土からなることを特徴とする。
【0014】
〔6〕請求項1記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記周辺地盤に対するポリマー改良土の剛性比が1/10〜1/500程度であることを特徴とする。
【0015】
〔7〕上記〔1〕記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記壁状に設置した免震壁の外側に土留め壁を構築することを特徴とする。
【0016】
〔8〕上記〔7〕記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記土留め壁がシートパイルや鋼管矢板井筒、ソイルセメント壁であることを特徴とする。
【0017】
〔9〕上記〔1〕から〔8〕記載の何れか1項記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法を施してなることを特徴とする。
【0018】
〔10〕上記〔1〕記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法を、既設トンネルに適用する場合において、地盤に挿入したチェーンソー型カッターを有するベースマシンによって、カッターチェーンを回転させ、地盤を切削し、固化液と切削土を攪拌混合、もしくは置き換えを行い、順次横方向に移動して掘削を続けることにより地中に等厚で連続した免震壁を築造することを特徴とする。
【0019】
〔11〕上記〔1〕記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法を、既設トンネルに適用する場合において、スクリューオーガーを有するベースマシンによって、スクリューオーガーロッドを回転させて地盤を排土し免震材と置き換えることにより、柱列状もしくは千鳥格子状、もしくは多少間隔が空いた柱状体の免震壁を築造することを特徴とする。
【0020】
〔12〕トンネルの免震壁の施工方法であって、上記〔7〕記載の土留め壁から構成される免震材を用いたトンネルの耐震対策工法を、既設の開削トンネルに適用する場合に、初めに、既設開削トンネルの外部に土留め壁を打設し、その後、開削トンネル側面と土留め壁の間を掘削し、掘削によって空いたスペースに、上記〔1〕記載の免震材を打設することを特徴とする。
【0021】
〔13〕トンネルの免震壁の施工方法であって、開削トンネルを新設する場合において、上記〔7〕記載の土留め壁と、その後、構築された新設の開削トンネル側面との間に、土により埋め戻しを行うのではなく、免震材を打設して、耐震対策工法を構築することを特徴とする。
【0022】
〔14〕免震材を用いたトンネルの築造構造体であって、請求項10から13記載の何れか1項記載のトンネルの免震壁の施工方法を施してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0024】
(1)部材全体の発生断面力が軽減され、全体としての耐震性能の向上を図ることができる。
【0025】
(2)既設トンネルに適用する場合においては、既存のコンクリートを傷めることがない。
【0026】
(3)開削トンネルの外部での施工となるので、夜間線閉をすることなく施工が可能であり、工期を短縮することができる。
【0027】
(4)ポリマーと切削土との攪拌混合方式を採用すれば、廃土が少なくてすみ、工費削減や環境対策としても優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
トンネルの免震壁の施工方法であって、既設トンネルに適用する場合において、地盤に挿入したチェーンソー型カッター(カッターポスト)を有するベースマシンによって、カッターチェーンを回転させ、地盤を切削し、固化液と切削土を攪拌混合、もしくは置き換えを行い、順次横方向に移動して掘削を続けることにより地中に等厚で連続した免震壁を築造することができる。
【実施例】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の実施例を示す免震材を用いたトンネルの耐震対策工法を講じた免震壁を有するトンネル断面模式図である。
【0031】
この図において、1は支持地盤、2は車両の通路となる開削トンネル(コンコース)、3は周辺地盤、4はその開削トンネル2と周辺地盤3との間に構築される剛性の小さい免震壁(ポリマー改良土)である。
【0032】
本発明では、まず始めに、図1に示すように、開削トンネル2と周辺地盤3の間に非常に剛性が小さく柔らかい免震材(ポリマー改良土)を打設することにより、剛性の小さい免震壁4を構築する。
【0033】
このように構成することにより、地震時に周辺地盤3が振動すると、開削トンネル2を強制的に変形させようとする力が働くが、この力を有効に低減することができる。つまり、周辺地盤に対して剛性比が小さく柔らかい免震材(ポリマー改良土)を壁状に設置した免震壁4、例えば、剛性比が1/10〜1/500程度の免震壁4を構築することで、地震力を低減させることができる。
【0034】
ここで、本発明の実施例を示す免震材(ポリマー改良土)の作製の一例を示すと、まず、ポリビニールアルコールに白色粉末を入れて、ポリビニールアルコール系ポリマー剤を作製して、このポリビニールアルコール系ポリマー剤に発泡スチロールビーズ混入土を混ぜて、免震材を作製することができる。なお、本発明は、発泡スチロールビーズ混入土に限定するものではなく、これに代えて、現場における土であってよい。
【0035】
また、ポリマー改良土に代えて、免震材として、ポリビニールアルコール系ポリマー剤、又は発泡スチロールビーズ混入土を用いるようにすることができる。
【0036】
図2は本発明の耐震対策工法を施す前と施した後のトンネル側壁の剪断力の比率を示す特性図であり、横軸に免震材の原地盤に対する剛性比を、縦軸に剪断力の低減率(対策後/対策前)を示している。
【0037】
この図より、原地盤に対する剛性比が0.1の場合、剪断力の低減率が約0.75であるのに対し、原地盤に対する剛性比が0.01の場合は、剪断力の低減率が約0.5と、剪断力が軽減されていることが分かる。すなわち、本発明のように、原地盤に対して剛性比が小さい免震材を築造することにより、本発明を施す前の剪断力に比べて、トンネルの剪断力が低減していることが分かる。
【0038】
図3は本発明の免震材(ポリマー改良土)の静的強度・変形特性図であり、横軸は軸ひずみεa (%)、縦軸は軸差応力q(kPa)を示している。図3において、No.1豊浦砂は豊浦砂だけのもの、No.1ホモゲル、No.2ホモゲルはポリマーのみを硬化させた固結物、No.6混合土(大)、No.7混合土(大)は豊浦砂とポリマーを30%の割合で混合したもの、No.7混合土(小)、No.8混合土(小)は豊浦砂とポリマーを20%の割合で混合したものを指している。
【0039】
図4は試験終了後の供試体であるNo.8混合土(小)を示す図面に変わる写真である。
【0040】
図3から明らかなように、ポリマー水溶液の土への注入充填量の多寡に応じて土とホモゲル(ポリマーのみを硬化させた固結物)の中間的な強度・変形特性を有する。
【0041】
供試体であるNo.8混合土(小)においては、図3から明らかなように、大ひずみレベル(εa =25%)でも剪断面が生成されない。
【0042】
本発明の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法と従来工法を比較した場合の特徴は、以下の通りである。
【0043】
(1)免震材からなる免震壁により、構造物全体の相対変形を抑制することができるので、鉄板補強のようにある一部の部材の補強になるのではなく、部材全体の発生断面力が軽減され、全体としての耐震性能の向上を図ることができる。
【0044】
(2)開削トンネルの外部での施工となるので、夜間線閉をすることなく施工が可能であり、工期を短縮することができる。
【0045】
(3)既存のコンクリートを傷めることがない。
【0046】
(4)ポリマーと切削土との攪拌混合方式を採用すれば、廃土が少なくてすみ、工費削減や環境対策にも優れている。
【0047】
さらに、この免震材は、汚染封鎖壁、振動遮断壁、液状化対策工としても有効である。
【0048】
図5は本発明の免震壁の外側に土留め壁を構築する例を示す図である。
【0049】
この図において、11は支持地盤、12は開削トンネル、13は免震壁(ポリマー改良土)、14は土留め壁である。この土留め壁14としては、シートパイルや鋼管矢板井筒、ソイルセメント壁などを用いることができる。
【0050】
このように対策する場合には、免震壁(ポリマー改良土)13は、土留遮水壁としても機能させることができる。
【0051】
次に、本発明の免震壁の施工例について順次説明する。
【0052】
〔施工例1〕
図6は本発明の免震壁のカッターチェーンを用いた施工状況を示す模式図である。
【0053】
この図において、21は支持地盤、22は開削トンネル、23は免震壁(ポリマー改良土)、24はカッターポスト、25はTRD施工機(チェーンソー型カッターを有するベースマシン)、31はポリマー供給のためのプラント、32はポリマータンク、33はポンプ、34はミキサー、35は水槽、36はTRD施工機25に接続されるポリマー供給のためのホースである。
【0054】
図7は本発明のカッターチェーンを用いた施工例の工程図である。
【0055】
まず、図7(a)に示すように、地盤41上にTRD施工機43のカッターポスト42をセットする。
【0056】
次に、図7(b)に示すように、TRD施工機43のカッターチェーン44を回転して、地盤41の掘進削孔を行い排土する。
【0057】
次に、図7(c)に示すように、掘進削孔を完了する。
【0058】
次に、図7(d)に示すように、カッターチェーン44を引抜くとともに、ポリマー45を吐出して、ポリマー混合土の充填置換を行う。
【0059】
次に、図7(e)に示すように、カッターチェーン44の引抜き完了とともに、ポリマー混合土よりなる免震壁46の築造を完了する。
【0060】
図8は、図6及び図7によって構築された本発明のポリマー改良土からなる免震壁を有する開削トンネルの断面模式図である。
【0061】
図8に示すように、開削トンネル22と周辺地盤24との間にポリマー改良土からなる免震壁23を築造することができる。
【0062】
この実施例では、上記したように、既設トンネルに適用する場合において、地盤41に挿入したチェーンソー型カッター(カッターポスト42)を有するベースマシン(TRD施工機43)によって、カッターチェーン44を回転、地盤の切削及びポリマー混合土への置き換えを行い、横方向に移動させることにより、地中に等厚で連続した免震壁23を築造することができる。
【0063】
〔施工例2〕
図9は本発明の柱状体の免震壁のスクリューオーガーを用いた施工状況を示す模式図である。
【0064】
この図において、51は地盤、52はスクリューオーガーを有するベースマシンのオーガーロッドであり、この方式でも、スクリューオーガーロッド52を回転させて地盤51を切削して排土し、スクリューオーガーロッド52の引抜き時に免震材(ポリマー改良土)53への置換を行い、又は、切削土にポリマーを注入後、攪拌混合し、スクリューオーガーを有するベースマシンを横方向に移動して、図10に示すように、列状に並んだ柱状体53よりなる免震壁を構築する。
【0065】
この場合、免震壁は、図11に示すように千鳥格子状に配置された柱状体61、もしくは、図12に示すように、多少間隔lを空けて配置された柱状体列71よりなるようにしてもよい。
【0066】
このように、既設トンネルに適用する場合において、スクリューオーガーを有するベースマシンによって、スクリューオーガーを回転させて地盤を排土し免震材と置き換えることにより、列状に並んだ柱状体もしくは千鳥格子状、もしくは多少間隔を空けて配置された柱状体よりなる免震壁を築造することができる。
【0067】
なお、本発明は矩形断面を基本とする開削トンネルに用いられることを想定しているが、例えば、都市部などにおいて耐震設計を必要とする円形断面、馬蹄形断面の一般的なトンネルの耐震対策工としても適用できる。
【0068】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法及びその免震壁の施工方法並びにその構築構造体は、特に、開削トンネルの耐震対策工として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施例を示す免震材を用いたトンネルの耐震対策工法を講じた免震壁を有するトンネル断面模式図である。
【図2】本発明の耐震対策工法を施す前と施した後のトンネル側壁の剪断力の比率を示す特性図である。
【図3】本発明の免震材(ポリマー改良土)の静的強度・変形特性図である。
【図4】試験終了後の供試体であるNo.8混合土(小)を示す図面に変わる写真である。
【図5】本発明の免震壁の外側に土留め壁を構築する例を示す図である。
【図6】本発明の免震壁のカッターチェーンを用いた施工状況を示す模式図である。
【図7】本発明のカッターチェーンを用いた施工例の工程図である。
【図8】本発明のポリマー改良土からなる免震壁を有する開削トンネルの断面模式図である。
【図9】本発明の免震壁のスクリューオーガーを用いた施工状況を示す模式図である。
【図10】本発明の列状に並んだ柱状体よりなるの免震壁を示す図である。
【図11】本発明の千鳥格子状に配置された柱状体よりなる免震壁を示す図である。
【図12】本発明の多少間隔を空けて配置された柱状体列よりなる免震壁を示す図である。
【図13】従来の既設開削トンネルの耐震補強工法の説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1,11,21 支持地盤
2 開削トンネル(コンコース)
3 周辺地盤
4,13,23 剛性の小さい免震壁
12,22 開削トンネル
14 土留め壁
24,42 カッターポスト
25,43 TRD施工機
31 ポリマー供給のためのプラント
32 ポリマータンク
33 ポンプ
34 ミキサー
35 水槽
36 ホース
41,51 地盤
44 カッターチェーン
45 ポリマー混合土
46 ポリマー混合土よりなる免震壁
52 スクリューオーガーロッド
53,61,71 柱状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの側面部に、周辺地盤に対して剛性比が小さく柔らかい材料からなる免震材を壁状に設置した免震壁を構築し、地震力を低減させることを特徴とする免震材を用いたトンネルの耐震対策工法。
【請求項2】
請求項1記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記免震材がポリマー改良土からなることを特徴とする免震材を用いたトンネルの耐震対策工法。
【請求項3】
請求項1記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記ポリマー改良土の材料として、ポリビニールアルコール系ポリマー剤および発泡スチロールビーズ混入土を用いることを特徴とする免震材を用いたトンネルの耐震対策工法。
【請求項4】
請求項1記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記免震材がポリビニールアルコール系ポリマー剤であることを特徴とする免震材を用いたトンネルの耐震対策工法。
【請求項5】
請求項1記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記免震材が発泡スチロールビーズ混入土からなることを特徴とする免震材を用いたトンネルの耐震対策工法。
【請求項6】
請求項1記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記周辺地盤に対するポリマー改良土の剛性比が1/10〜1/500程度であることを特徴とする免震材を用いたトンネルの耐震対策工法。
【請求項7】
請求項1記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記壁状に設置した免震壁の外側に土留め壁を構築することを特徴とする免震材を用いたトンネルの耐震対策工法。
【請求項8】
請求項7記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法において、前記土留め壁がシートパイルや鋼管矢板井筒、ソイルセメント壁であることを特徴とする免震材を用いたトンネルの耐震対策工法。
【請求項9】
請求項1から8記載の何れか1項記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法を施してなることを特徴とする免震材を用いたトンネルの築造構造体。
【請求項10】
請求項1記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法を、既設トンネルに適用する場合において、地盤に挿入したチェーンソー型カッターを有するベースマシンによって、カッターチェーンを回転させ、地盤を切削し、固化液と切削土を攪拌混合、もしくは置き換えを行い、順次横方向に移動して掘削を続けることにより地中に等厚で連続した免震壁を築造することを特徴とするトンネルの免震壁の施工方法。
【請求項11】
請求項1記載の免震材を用いたトンネルの耐震対策工法を、既設トンネルに適用する場合において、スクリューオーガーを有するベースマシンによって、スクリューオーガーロッドを回転させて地盤を排土し免震材と置き換えることにより、柱列状もしくは千鳥格子状、もしくは多少間隔が空いた柱状体の免震壁を築造することを特徴とするトンネルの免震壁の施工方法。
【請求項12】
請求項7記載の土留め壁から構成される免震材を用いたトンネルの耐震対策工法を、既設の開削トンネルに適用する場合に、初めに、既設開削トンネルの外部に土留め壁を打設し、その後、開削トンネル側面と土留め壁の間を掘削し、掘削によって空いたスペースに、請求項1記載の免震材を打設することを特徴とするトンネルの免震壁の施工方法。
【請求項13】
開削トンネルを新設する場合において、請求項7記載の土留め壁と、その後、構築された新設の開削トンネル側面との間に、土により埋め戻しを行うのではなく、免震材を打設して、耐震対策工法を構築することを特徴とするトンネルの免震壁の施工方法。
【請求項14】
請求項10から13記載の何れか1項記載のトンネルの免震壁の施工方法を施してなることを特徴とする免震材を用いたトンネルの築造構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−112182(P2006−112182A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302961(P2004−302961)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【出願人】(398047227)横浜市 (10)
【Fターム(参考)】