説明

入れ子交換正否判定システム及び入れ子

【課題】入れ子が正常に交換されるか否かを正確に判定する。
【解決手段】取外入れ子11aの品番が現作業指示票31aと次作業指示票31bとの差分情報として抽出された取外されるべき現入れ子の品番に一致し、その取外入れ子11aが取付けられていた取付位置が現作業指示票31aと次作業指示票31bとの差分情報として抽出された取付位置に一致し、準備入れ子11bの品番が現作業指示票31aと次作業指示票31bとの差分情報として抽出された取付けられるべき次入れ子の品番に一致すると、入れ子11a,11bが金型本体21に対して正常に交換される旨を認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業工程が現作業工程から次作業工程に移行する際に入れ子が金型本体に対して正常に交換されるか否かを判定する入れ子交換正否判定システム及び前記入れ子交換正否判定システムで金型本体に対して正常に交換されるか否かの判定対象となる入れ子に関する。
【背景技術】
【0002】
作業工程が現作業工程から次作業工程に移行する際に入れ子を金型本体に対して交換する方法として、作業指示票に記載されている品番(管理番号)と入れ子に刻印されている品番とを作業者が目視で確認しながら行う方法があるが、この目視による方法では、人手を介するという理由や、例えば「0」と「6」と「9」、「1」と「7」、「B」と「E」と「F」、「C」と「G」などが類似しているという理由から、間違いが発生し易いという問題があった。
【0003】
そこで、入れ子に情報コード(例えばバーコード)を貼付け、金型本体に取付けられるべく準備された入れ子の情報コードを読取ることにより、その準備された入れ子が真に次作業工程で取付けられるべき入れ子であるか否かを判定するものが供されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平8−18350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載されているものでは、単に準備された入れ子が次作業工程で取付けられるべき入れ子であるか否かを判定するものであり、入れ子の金型本体に対する取付位置までをも判定するものではないので、入れ子の取付位置について正常に交換されるか否かを判定することができず、入れ子が正常に交換されるか否かを正確に判定することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、入れ子が正常に交換されるか否かを正確に判定することができる入れ子交換正否判定システム及び入れ子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、現作業工程に対応する現作業指示票の情報コードが読取られて現作業工程で用いられている現入れ子の取付位置及び品番が現入れ子情報として現入れ子情報取得手段により取得され、次作業工程に対応する次作業指示票の情報コードが読取られて次作業工程で用いられる次入れ子の取付位置及び品番が次入れ子情報として次入れ子情報取得手段により取得されると、差分情報抽出手段は、現入れ子情報取得手段により取得された現入れ子情報と次入れ子情報取得手段により取得された次入れ子情報とを照合して、取外されるべき現入れ子の品番、取付けられるべき次入れ子の品番、それら取外されるべき現入れ子及び取付けられるべき次入れ子の取付位置を差分情報として抽出する。
【0007】
次いで、金型本体から取外された取外入れ子の情報コードが読取られて当該取外入れ子の品番が取外入れ子品番取得手段により取得されると、取外入れ子品番照合手段は、取外入れ子品番取得手段により取得された取外入れ子の品番と差分情報抽出手段により抽出された現入れ子の品番とを照合する。また、金型本体の情報コードが読取られて取外入れ子が取付けられていた取付位置が取外入れ子取付位置取得手段により取得されると、取外入れ子取付位置照合手段は、取外入れ子取付位置取得手段により取得された取付位置と差分情報抽出手段により抽出された取付位置とを照合する。さらに、金型本体に取付けられるべく準備された準備入れ子の情報コードが読取られて当該準備入れ子の品番が準備入れ子品番取得手段により取得されると、準備入れ子品番照合手段は、準備入れ子品番取得手段により取得された準備入れ子の品番と差分情報抽出手段により抽出された次入れ子の品番とを照合する。
【0008】
そして、正否判定手段は、取外入れ子品番照合手段の照合結果、取外入れ子取付位置照合手段の照合結果及び準備入れ子品番照合手段の照合結果の3つの照合結果の全てが正であると、入れ子が金型本体に対して正常に交換される旨を認識し、一方、3つの照合結果のうち1つでも否であると、入れ子が金型本体に対して正常に交換されない旨を認識する。
【0009】
これにより、金型本体から取外された取外入れ子の品番及び金型本体に取付けられるべく準備された準備入れ子の品番の正否を判定することに加え、金型本体から取外された取外入れ子が取付けられていた取付位置の正否をも判定し、入れ子が正常に交換されるか否かを判定するので、入れ子が正常に交換されるか否かを正確に判定することができる。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、金型本体の情報コードが読取られて準備入れ子が取付けられるべき取付位置が準備入れ子取付位置取得手段により取得されると、備入れ子取付位置照合手段は、準備入れ子取付位置取得手段により取得された取付位置と差分情報抽出手段により抽出された取付位置とを照合する。そして、正否判定手段は、上記した3つの照合結果及び準備入れ子取付位置照合手段の照合結果の4つの照合結果の全てが正であると、入れ子が金型本体に対して正常に交換される旨を認識し、一方、4つの照合結果のうち1つでも否であると、入れ子が金型本体に対して正常に交換されない旨を認識する。
【0011】
これにより、金型本体に取付けられるべく準備された準備入れ子が取付けられるべき取付位置の正否をも判定し、入れ子が正常に交換されるか否かを判定するので、入れ子が正常に交換されるか否かをより正確に判定することができる。特に、入れ子が1個毎に交換される(金型本体から1個の入れ子が取外入れ子として取外れた後に、準備入れ子として準備された1個の入れ子が当該取外入れ子が取付けられていた1箇所の取付位置に取付けられる)のではなく、入れ子が複数個纏めて交換される(金型本体から複数個の入れ子が取外入れ子として連続してまたは同時に取外れた後に、準備入れ子として準備された複数個の入れ子の各々が当該取外入れ子が取付けられていた複数箇所の取付位置のいずれかに取付けられる)場合であっても、入れ子が正常に交換されるか否かを正確に判定することができる。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、入れ子抽出手段は、入れ子の取付位置及び品番を表す入れ子情報を格納する入れ子情報データベースを検索し、現作業指示票の情報コードに記録され且つ次作業指示票の情報コードに記録されていない入れ子を金型本体から取外されるべき入れ子として抽出すると共に、現作業指示票の情報コードに記録されていなく且つ次作業指示票の情報コードに記録されている入れ子を金型本体に取付けられるべく準備されるべき入れ子として抽出する。これにより、入れ子情報データベースを検索することにより、金型本体から取外されるべき入れ子や金型本体に取付けられるべく準備されるべき入れ子を容易に特定することができる。
【0013】
請求項4に記載した発明によれば、入れ子が金型本体に取付けられるときに金型本体の凹部に嵌合される箇所に、その取付位置と品番とが記録されている情報コードが耐熱・耐溶性のラベルにより設けられているので、成形に何ら影響を及ぼすことなく、情報コードを読取って入れ子の取付位置と品番とを適切に取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を検索して説明する。図1は、入れ子交換正否判定システムにおける照合手順を概略的に示している。入れ子交換正否判定システム1において、作業者が携帯可能に構成されてなるスキャナ2(本発明でいう現入れ子情報取得手段、次入れ子情報取得手段、差分情報抽出手段、取外入れ子品番取得手段、取外入れ子取付位置取得手段、準備入れ子品番取得手段、準備入れ子取付位置取得手段、取外入れ子品番照合手段、取外入れ子取付位置照合手段、準備入れ子品番照合手段、準備入れ子取付位置照合手段及び正否判定手段)は、QRコードを読取る機能、読取ったQRコードを解読して情報を取得する機能及び取得した情報を他の情報と照合する機能などを有すると共に、図2に示すように、入れ子の金型本体に対する取付位置及び品番を表す入れ子情報データベースを有して構成されている。
【0015】
本実施形態では、金型本体の3箇所の領域で入れ子が交換可能になっており、例えば金型本体の第1の領域には各々が3個の入れ子からなる5種類の入れ子群(「101」〜「105」)が交換可能になっており、金型本体の第2の領域には各々が2個の入れ子からなる4種類の入れ子群(「201」〜「204」)が交換可能になっており、金型本体の第3の領域には各々が4個の入れ子からなる2種類の入れ子群(「301」,「302」)が交換可能になっている。
【0016】
図3は、入れ子の1つの形状の一例を示しており、入れ子11は、例えば径が異なる2つの円柱物12,13が同心に積重なった形状をなしており、下半部が金型本体の凹部に嵌合される嵌合部とされていると共に、上半部が成形される樹脂に触れる成形部とされている。
【0017】
この入れ子11には、その嵌合部とされている径大な円柱物13の側面の一部に平面部14が形成されており(面取りされており)、その平面部14にはマイクロQRコード15(本発明でいう入れ子の情報コード)が印刷されている耐熱・耐溶性のラベル16が貼付けられている。このマイクロQRコード15には入れ子11を他の入れ子と識別するための品番が記録されている。また、金型本体21にもマイクロQRコード22(本発明でいう金型本体の情報コード)が印刷されているラベルが貼付けられており、そのマイクロQRコード22には入れ子の取付位置が記録されている。
【0018】
作業指示票31は、作業工程の指示内容を記録するもので、この作業指示票31にもマイクロQRコード32(本発明でいう作業指示票の情報コード)が印刷されており、そのマイクロQRコード32には作業工程で用いられる入れ子群が記録されている。本実施形態では、現作業指示票31aのマイクロQRコード32aには現在の作業工程で用いられる入れ子群として例えば「101」,「201」,「301」が記録されており、次作業指示票31bのマイクロQRコード32bには次回の作業工程で用いられる入れ子群として例えば「101」,「204」,「302」が記録されている。
【0019】
次に、上記した構成の作用として、作業工程が現作業工程から次作業工程に移行する際に入れ子が金型本体に対して正常に交換されるか否かを判定するまでの手順について、図4及び図5をも参照して説明する。
【0020】
最初に、スキャナ2は、現作業指示票31aに印刷されているマイクロQRコード32aを読取り、入れ子データベースを検索して現在の作業工程で用いられる入れ子群に対応する現入れ子の品番及び現入れ子の取付位置を現入れ子情報として取得する(ステップS1)。次いで、スキャナ2は、次作業指示票31bに印刷されているマイクロQRコード32bを読取り、入れ子データベースを検索して次回の作業工程で用いられる入れ子群に対応する次入れ子の品番及び次入れ子の取付位置を次入れ子情報として取得する(ステップS2)。そして、スキャナ2は、それら取得した現入れ子情報と次入れ子情報とを照合して取付位置差分情報、現入れ子品番差分情報及び次入れ子品番差分情報を抽出する(ステップS3)。
【0021】
具体的に説明すると、スキャナ2は、本実施形態では、現作業指示票に記録されている入れ子群が「101」,「201」,「301」であり、次作業指示票に記録されている入れ子群が「101」,「204」,「302」であるので、図5に示すように、取付位置差分情報として「D」,「F」,「I」を抽出し、現入れ子品番差分情報として「21111」,「31111」,「31114」を抽出し、次入れ子品番差分情報として「22111」,「32111」,「32114」を抽出する。
【0022】
次いで、スキャナ2は、金型本体21から取外された取外入れ子11aに貼付けられているマイクロQRコード15aを読取り、取外入れ子11aの品番を取得し(ステップS4)、その取得した取外入れ子11aの品番と上記した現入れ子品番差分情報とを照合し(ステップS5)、その照合結果の正否を判定する(ステップS6)。
【0023】
具体的に説明すると、スキャナ2は、金型本体21から取外された取外入れ子11aが品番「21111」であれば、その品番「21111」を現入れ子品番差分情報として抽出しているので、照合正である旨を認識し(ステップS6にて「YES」)、一方、金型本体21から取外された取外入れ子11aが品番「21111」,「31111」,「31114」以外であれば、照合否である旨を認識する(ステップS6にて「NO」)。
【0024】
次いで、スキャナ2は、取外入れ子11aの品番の照合結果が正であると、入れ子データベースを検索し、その取得した取外入れ子11aの品番に対応する取付位置を当該取外入れ子11aが取付けられていた取付位置して取得する(ステップS7)。そして、スキャナ2は、金型本体21に貼付けられているマイクロQRコード22を読取り、その取得した取外入れ子11aが取付けられていた取付位置と上記した取付位置差分情報とを照合し(ステップS8)、その照合結果の正否を判定する(ステップS9)。
【0025】
具体的に説明すると、スキャナ2は、金型本体21から取外された取外入れ子11aが品番「21111」であれば、入れ子データベースを検索し、品番「21111」に対応する取付位置「D」を取得し、その取付位置「D」を取付位置差分情報として抽出しているので、照合正である旨を認識する(ステップS9にて「YES」)。
【0026】
次いで、スキャナ2は、取外入れ子11aの取付位置の照合結果が正であると、保管棚から金型本体21に取付けられるべく準備された準備入れ子11bに貼付けられているマイクロQRコード15bを読取り、準備入れ子11bの品番を取得し(ステップS10)、その取得した準備入れ子11bの品番と上記した次入れ子品番差分情報とを照合し(ステップS11)、その照合結果の正否を判定する(ステップS12)。
【0027】
具体的に説明すると、スキャナ2は、保管棚から金型本体21に取付けられるべく準備された準備入れ子11bが品番「22111」であれば、その品番「22111」を次入れ子品番差分情報として抽出しているので、照合正である旨を認識し(ステップS12にて「YES」)、一方、保管棚から金型本体21に取付けられるべく準備された準備入れ子11bが品番「22111」,「32111」,「32114」以外であれば、照合否である旨を認識する(ステップS12にて「NO」)。
【0028】
次いで、スキャナ2は、準備入れ子11bの品番の照合結果が正であると、入れ子データベースを検索し、その取得した準備入れ子11bの品番に対応する取付位置を当該準備入れ子11bが取付けられるべき取付位置して取得する(ステップS13)。そして、スキャナ2は、金型本体21に貼付けられているマイクロQRコード22を読取り、その取得した準備入れ子11bが取付けられるべき取付位置と上記した取付位置差分情報とを照合し(ステップS14)、その照合結果の正否を判定する(ステップS15)。
【0029】
具体的に説明すると、スキャナ2は、保管棚から金型本体21に取付けられるべく準備された準備入れ子11bが品番「22111」であれば、入れ子データベースを検索し、品番「22111」に対応する取付位置「D」を取得し、その取付位置「D」を取付位置差分情報として抽出しているので、照合正である旨を認識する(ステップS15にて「YES」)。
【0030】
そして、スキャナ2は、準備入れ子11bの取付位置の照合結果が正であると、つまり、これら取外入れ子11aの品番の照合結果、取外入れ子11aの取付位置の照合結果、準備入れ子11bの品番の照合結果及び準備入れ子11bの取付位置の照合結果の4つの照合結果の全てが正であると、入れ子11a,11bが金型本体21に対して正常に交換される旨を認識する(ステップS16)。一方、スキャナ2は、これら4つの照合結果のうち1つでも否であれば、入れ子11a,11bが金型本体21に対して正常に交換されない旨を認識する(ステップS17)。
【0031】
この場合、スキャナ2は、入れ子11a,11bが金型本体21に対して正常に交換される旨を認識した直後に、その旨を作業者に知らせるための正常報知動作を行う構成であっても良く、また、入れ子11a,11bが金型本体21に対して正常に交換されない旨を認識した直後に、その旨を作業者に知らせるための異常報知動作を行う構成であっても良い。
【0032】
ところで、以上は、準備入れ子11bの取付位置をも照合する場合を説明したものであるが、入れ子11a,11bの交換作業を1個毎に実施する、つまり、金型本体21から1個の取外入れ子11aを取外して保管棚から1個の準備入れ子11bを準備して金型本体21に取付ける作業を繰返して実施する場合であれば、取外入れ子11aの取付位置と準備入れ子11bの取付位置とが必ず一致することになるので、準備入れ子11bの取付位置までをも照合する必要はないものである。
【0033】
以上に説明したように本実施形態によれば、入れ子交換正否判定システム1において、取外入れ子11aの品番及び準備入れ子11bの品番の正否を判定することに加え、取外入れ子11aが取付けられていた取付位置の正否をも判定し、入れ子11a,11bが正常に交換されるか否かを判定するようにしたので、入れ子11a,11bが正常に交換されるか否かを正確に判定することができる。
【0034】
また、準備入れ子11bが取付けられるべき取付位置の正否をも判定し、入れ子11a,11bが正常に交換されるか否かを判定するようにしたので、入れ子11a,11bが正常に交換されるか否かをより正確に判定することができる。特に、入れ子11a,11bが1個毎に交換されるのではなく、入れ子11a,11bが複数個纏めて交換される場合であっても、入れ子11a,11bが正常に交換されるか否かを正確に判定することができる。
【0035】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
作業指示票の情報コード、入れ子の情報コード及び金型本体の情報コードを1つのスキャナが読取る構成に限らず、それらの情報コードを複数のスキャナが分担して読取り、その読取った情報をホストに集約して処理する構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態を概略的に示す図
【図2】入れ子情報データベースに記憶されている入れ子群を示す図
【図3】入れ子を示す図
【図4】処理の流れを示すフローチャート
【図5】現作業指示票に記憶されている入れ子群、次作業指示票に記憶されている入れ子群及び差分情報を示す図
【符号の説明】
【0037】
図面中、1は入れ子交換成否判定システム、2はスキャナ(現入れ子情報取得手段、次入れ子情報取得手段、差分情報抽出手段、取外入れ子品番取得手段、取外入れ子取付位置取得手段、準備入れ子品番取得手段、準備入れ子取付位置取得手段、取外入れ子品番照合手段、取外入れ子取付位置照合手段、準備入れ子品番照合手段、準備入れ子取付位置照合手段及び正否判定手段)、11は入れ子、15はマイクロQRコード(入れ子の情報コード)、16は耐熱・耐溶性のラベル、21は金型本体、22はマイクロQRコード(金型本体の情報コード)、31は作業指示票、32はマイクロQRコード(作業指示票の情報コード)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業工程が現作業工程から次作業工程に移行する際に入れ子が金型本体に対して正常に交換されるか否かを判定する入れ子交換正否判定システムであって、
現作業工程に対応する現作業指示票の情報コードを読取って現作業工程で用いられている現入れ子の取付位置及び品番を現入れ子情報として取得する現入れ子情報取得手段と、
次作業工程に対応する次作業指示票の情報コードを読取って次作業工程で用いられる次入れ子の取付位置及び品番を次入れ子情報として取得する次入れ子情報取得手段と、
前記現入れ子情報取得手段により取得された現入れ子情報と前記次入れ子情報取得手段により取得された次入れ子情報とを照合して取外されるべき現入れ子の品番、取付けられるべき次入れ子の品番、それら取外されるべき現入れ子及び取付けられるべき次入れ子の取付位置を差分情報として抽出する差分情報抽出手段と、
金型本体から取外された取外入れ子の情報コードを読取って当該取外入れ子の品番を取得する取外入れ子品番取得手段と、
金型本体の情報コードを読取って取外入れ子が取付けられていた取付位置を取得する取外入れ子取付位置取得手段と、
金型本体に取付けられるべく準備された準備入れ子の情報コードを読取って当該準備入れ子の品番を取得する準備入れ子品番取得手段と、
前記取外入れ子品番取得手段により取得された取外入れ子の品番と前記差分情報抽出手段により抽出された現入れ子の品番とを照合する取外入れ子品番照合手段と、
前記取外入れ子取付位置取得手段により取得された取付位置と前記差分情報抽出手段により抽出された取付位置とを照合する取外入れ子取付位置照合手段と、
前記準備入れ子品番取得手段により取得された準備入れ子の品番と前記差分情報抽出手段により抽出された次入れ子の品番とを照合する準備入れ子品番照合手段と、
前記取外入れ子品番照合手段の照合結果、前記取外入れ子取付位置照合手段の照合結果及び前記準備入れ子品番照合手段の照合結果の3つの照合結果の全てが正である場合に入れ子が金型本体に対して正常に交換される旨を認識し、前記3つの照合結果のうち1つでも否である場合に入れ子が金型本体に対して正常に交換されない旨を認識する正否判定手段とを備えたことを特徴とする入れ子交換正否判定システム。
【請求項2】
請求項1に記載した入れ子交換正否判定システムにおいて、
金型本体の情報コードを読取って準備入れ子が取付けられるべき取付位置を取得する準備入れ子取付位置取得手段と、
前記準備入れ子取付位置取得手段により取得された取付位置と前記差分情報抽出手段により抽出された取付位置とを照合する準備入れ子取付位置照合手段とを備え、
前記正否判定手段は、前記3つの照合結果及び前記準備入れ子取付位置照合手段の照合結果の4つの照合結果の全てが正である場合に入れ子が金型本体に対して正常に交換される旨を認識し、前記4つの照合結果のうち1つでも否である場合に入れ子が金型本体に対して正常に交換されない旨を認識することを特徴とする入れ子交換正否判定システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載した入れ子交換正否判定システムにおいて、
入れ子の取付位置及び品番を表す入れ子情報を格納する入れ子情報データベースを備え、
前記入れ子情報データベースを検索し、現作業指示票の情報コードに記録され且つ次作業指示票の情報コードに記録されていない入れ子を金型本体から取外されるべき入れ子として抽出すると共に、現作業指示票の情報コードに記録されていなく且つ次作業指示票の情報コードに記録されている入れ子を金型本体に取付けられるべく準備されるべき入れ子として抽出する入れ子抽出手段を備えたことを特徴とする入れ子交換正否判定システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載した入れ子交換正否判定システムで金型本体に対して正常に交換されるか否かの判定対象となる入れ子であって、
その取付位置と品番とが記録されている情報コードが耐熱・耐溶性のラベルに設けられ、入れ子が金型本体に取付けられるときに前記金型本体の凹部に嵌合される箇所に前記耐熱・耐溶性のラベルが設けられていることを特徴とする入れ子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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