説明

入出力一元化を実現したピン入出力装置

【課題】
昇降ピンの多いピン入出力装置を、簡単な制御回路にて制御しうるものとする。また、昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうる昇降ピン制動アクチュエータを、昇降ピンに対する押下圧力を検知しうるセンサーとしても用いることができるようにする。
【解決手段】
昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうる制動アクチュエータを片持梁型圧電アクチュエータとし、該アクチュエータに隣接して、柔軟体を設ける。柔軟体は、片持梁型圧電アクチュエータにて変形されることにより、昇降ピンの軸方向移動を制動かつラッチしうるものとする。ラッチ状態で昇降ピンが押下圧力を受けると、柔軟体が変形することにより、隣接する片持梁型圧電アクチュエータに歪みを生じさせうるものとする。該歪みによって発生する電圧をコンピュータへの入力に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータの入出力に用いられるピン入出力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2005ー3797は、点字ディスプレイに関するものであり、水平に配置されたバイモルフ型圧電アクチュエータの先端に昇降ピンを固定してなるものである。
【0003】
特開平6ー301335は、マトリクス状に配列された昇降ピンを2値出力する点図ディスプレイに関するものであり、垂直に配置されたバイモルフ型圧電アクチュエータの作用端にて昇降ピンの出没を切り替えるものである。
【0004】
特開2009ー193049は、ピン入出力装置に関するものであり、バイモルフ型アクチュエータにて昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうるものである。
【0005】
特開2008−152763は、ピン入出力装置に関するものであり、昇降ピン吸着板にて、複数の昇降ピンを磁力吸着した状態で軸方向移動させ、該移動課程において昇降ピンを個別に制動するものである。
【0006】
特開2009−193049は、ピン入出力装置に関するものであり、バイモルフ型アクチュエータを、昇降ピンの軸に対して略平行に配置し、該バイモルフ型アクチュエータにて、昇降ピンの軸方向移動を個別に制動するものである。
【0007】
実開昭60ー87452は、有接点リレーに関するものであり、バイモルフ型アクチュエータを用いた有接点リレーにおいて、磁力吸着力にてラッチしうるものである。
【0008】
なお、これら先行技術文献にて用いられている用語について、本発明にて用いられている用語と同じ概念のものが、多少異なる用語にて表現されている場合がある。例えば、本発明でいう「ピン入出力装置」は、先行技術文献において「3次元触覚ディスプレイ」などと呼ばれている場合がある。また例えば、本発明でいう「昇降ピン」は、先行技術文献において「触知ピン」などと呼ばれている場合がある。また、先行技術文献にて用いられている用語と同じものであっても、本発明にて用いられている用語とは概念が多少異なる場合もありうる。用語の概念の異同は、最終的には各文献の明細書の記述による。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005ー3797
【特許文献2】特開平6ー301335
【特許文献3】特開2009ー193049
【特許文献4】特開2008−152763
【特許文献5】特開2009−193049
【特許文献6】実開昭60ー87452
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、ピン入出力装置について、以下に示す目標を達成することである。
【0011】
本発明の第1の目標は、簡単な制御回路にて、規模の大きな(すなわち、昇降ピンの数が多い)ピン入出力装置を制御しうるようにすることである。ピン入出力装置についての前述した複数の先行技術は、昇降ピン1本に対して制御回路が1個、対応している(昇降ピンと制御回路が1:1対応している)ものと想定される。このような構造は、規模の大きな(すなわち、昇降ピンの数が多い)ピン入出力装置を実現しようとすると、昇降ピンの数に比例して制御回路のコストが嵩むため、大規模なピン入出力装置は極めてコストの高いものとなってしまう。本発明の第1の目標は、比較的少ない制御回路にて複数の昇降ピンを制御しうるものとすることにより、規模の大きな(すなわち、昇降ピンの数が多い)ピン入出力装置を簡単な構造にて実現しうるようにすることである。
【0012】
本発明の第2の目標は、昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうる昇降ピン制動アクチュエータについて、簡便な構造にて、該制動アクチュエータを、昇降ピンに対する押下圧力(触知圧力など)を検知しうるセンサーとしても用いることができるようにすることである。昇降ピン制動アクチュエータにて昇降ピンに対する押下圧力を検知しうるものとすることにより、入出力を一元化することができる。
【0013】
本発明の第3の目標は、前記入出力を一元化した際、昇降ピンに対する押下圧力にて昇降ピン制動アクチュエータが損傷しにくいものとすることである。
【0014】
本発明の課題は、これら目標を達成することである。これら目標は、必ずしもその全てが達成される必要は無いのであり、これら目標のうち1つ以上が達成されれば、本発明の課題は達成されたものと看做される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を達成するため、具体的には次のような構成とした。すなわち、コンピュータに接続され、昇降ピン制動アクチュエータにて昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうるピン入出力装置であり、前記昇降ピン制動アクチュエータは、前記昇降ピンの軸に対して略平行に設けられた片持梁型圧電アクチュエータ、及び該片持梁型圧電アクチュエータに隣接して設けられた柔軟体、を含むものであり、前記柔軟体は、前記片持梁型圧電アクチュエータにて変形されることにより、前記昇降ピンの軸方向移動を制動、かつ同時に該昇降ピンをラッチしうるものである、ことを特徴とするピン入出力装置とした。
【0016】
また、コンピュータに接続され、昇降ピン制動アクチュエータにて昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうるピン入出力装置であり、前記昇降ピン制動アクチュエータは、前記昇降ピンの軸に対して略平行に設けられた片持梁型圧電アクチュエータ、及び該片持梁型圧電アクチュエータに隣接して設けられた柔軟体、を含むものであり、前記柔軟体は、前記片持梁型圧電アクチュエータにて変形されることにより、前記昇降ピンの軸方向移動を制動、かつ同時に該昇降ピンをラッチしうるものであり、前記柔軟体は、前記ラッチされた状態の昇降ピンが押下圧力を受けた際、該押下圧力にて変形されることにより、前記隣接する片持梁型圧電アクチュエータ又はその延長部に、歪みを生じさせうるものである、ことを特徴とするピン入出力装置とした。
【0017】
以下、本発明について、より具体的に説明する。本発明は、昇降ピン制動アクチュエータにて昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうるピン入出力装置に関するものである。
【0018】
本発明の特徴は、昇降ピン制動アクチュエータを、昇降ピンの軸に対して略平行に設けられた片持梁型圧電アクチュエータと、該片持梁型圧電アクチュエータに隣接して設けられた柔軟体とから構成されるものとし、該柔軟体は、片持梁型圧電アクチュエータにて変形されることによって昇降ピンの軸方向移動を制動し、同時に該昇降ピンをラッチしうるものとしたことにある。ピン出力時には、片持梁型圧電アクチュエータを連続的に切り替えて駆動することにより、昇降ピンを1列ずつ又は1本ずつ突出量を制御することが出来、規模の大きな(すなわち、昇降ピンの数が多い)ピン入出力装置の制御回路を低コストで実現できる。
【0019】
本発明におけるピン入力の原理について、ラッチ状態の任意の昇降ピンに対して押下圧力が加えられると、該押下圧力にて柔軟体が変形されることにより、隣接する片持梁型圧電アクチュエータに歪みを生じさせうるものとする。これは、昇降ピンに対して没入方向に加えられた押下圧力(触知圧力など)が、該押下圧力による柔軟体の変形にて、昇降ピンの軸に対して垂直方向へと力の向きが変換されて片持梁型圧電アクチュエータへと伝達されることによってなされる。すなわち、柔軟体は、押下圧力(触知圧力など)にて変形されることにより、その力の向きを変換する作用を担っている。これにより、片持梁型圧電アクチュエータの軸(固定端と作用端を結ぶ軸)に対して垂直方向に押下圧力が伝達されることになるので、片持梁型圧電アクチュエータ(又はその延長部)を歪ませることができる。該歪みによって片持梁型圧電アクチュエータに発生する電圧を、入力に用いる。図3は、本発明の概念を簡単に示したものであり、ラッチ状態の昇降ピン(図3の3)に対して押下圧力(触知圧力など)を加えた状態を示している。同図において、押下圧力が加えられることによって変形された柔軟体(図3の2)が、隣接する片持梁型圧電アクチュエータ(図3の1)を歪ませる様子が示されている。技術常識として、片持梁型圧電アクチュエータは、何らかの延長部を有するものが用いられることが多い(図3では延長部は省略されている)が、片持梁型圧電アクチュエータが延長部を有するものである場合、押下圧力による柔軟体の歪みは、該延長部に対して伝達されても良い。
【0020】
本発明でいう「ピン入出力装置」とは、必ずしも「ピン出力機能」と「ピン入力機能」の両方を有している必要は無いのであり、少なくとも、そのどちらかの機能を有していれば良い。ここで、「ピン出力機能」とは、コンピュータからの出力に基づいて、昇降ピンの突出量が個別に制御されることにより、3次元形状が表現されうるものである。但し、点字や点図などの2値出力形状もこれに含まれる。またここで、「ピン入力機能」とは、前記3次元形状又は2値出力形状において、(例えば、指先などで)任意の昇降ピンに対して押下圧力を加えることにより、前記情報処理装置への入力がなされうるものである。
【0021】
本発明でいう「片持梁型圧電アクチュエータ」の構造は、どのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。例えば、バイモルフ(直列型や並列型など)、成分傾斜によってバイモルフと同様の性質を実現しているもの、ユニモルフ、モノモルフなどが挙げられる。但し、これらはあくまでも例であり、本発明でいう「片持梁型圧電アクチュエータ」の構造は、アクチュエータとして利用されうるものであるならば、どのようなものでも良い。
【0022】
本発明でいう「片持梁型圧電アクチュエータ」の材料は、どのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。例えば、圧電性のセラミックや高分子(電歪ポリマーなど)などが挙げられる。但し、これらはあくまでも例であり、本発明でいう「片持梁型圧電アクチュエータ」の材料は、圧電性を有する材料ならば、どのようなものでも良い。
【0023】
本発明でいう「片持梁型圧電アクチュエータ」は、延長部を有するものであっても良い。その際、延長部はどのようなものでも良い。図10は、延長部を有する片持梁型圧電アクチュエータの様々な例を示している。延長部について、例えば、図10aに示すように、片持梁型圧電アクチュエータの作用端側に板ばねを固定(接着など)してなるものとしても良い。また例えば、片持梁型圧電アクチュエータの作用端から延長されたシムからなるものとしても良い。また、例えば、延長部の先端に錘を有するものとしても良い。図10bは、片持梁型圧電アクチュエータの作用端から延長されたシムの先端に錘が固定されてなるものの例を示している。また、例えば、図10cに示すように、片持梁型圧電アクチュエータに密接(接着しないことにより、片持梁型圧電アクチュエータの可動性を阻害しないものとするなど)して板ばねが設けられてなるものであっても良い。但し、これらはあくまで例であり、その他、どのような延長部を有していても良い。技術常識として、片持梁型圧電アクチュエータは、作用端の変位が小さいので、何らかの延長部を有するものとすることにより、作用端の変位を拡大して用いられるのが実用的である。本明細書添付の図について、延長部を省略している図もある。本発明でいう「片持梁型圧電アクチュエータ」とは、このように何らかの延長部を有するものも含まれる。
【0024】
本発明でいうピン入出力装置において、「片持梁型圧電アクチュエータ」の配置について、昇降ピンの軸に対して略平行であれば、どのような配置でも良いのであり、例えば、作用端を(昇降ピンの)突出方向へ向けて配置しても良いし、また例えば、作用端を(昇降ピンの)没入方向へ向けて配置しても良い。また例えば、昇降ピンの軸に対してどのように傾斜して配置しても良い。
【0025】
本発明でいう「押下圧力」とは、昇降ピンを没入方向へ押下げる方向へ加えられる外力のことであり、典型的には、指先による触知圧力がこれに含まれる。但し、本発明からなるピン入出力装置の用途は、必ずしも(情報処理装置の)ヒューマンインターフェイスに限られるものではないのであり、したがって、「押下圧力」は必ずしも触知圧力に限られるものではない。
【0026】
柔軟体が有する制動手段とラッチ手段について、両者は必ずしも同じもので兼用されている必要は無いのであり、柔軟体が制動手段及び、それとは別にラッチ手段を有するものであっても良い。また、両者は必ずしも同じ原理のものが用いられている必要は無いのであり、柔軟体が有する制動手段およびラッチ手段は、原理が異なるものであっても良い。
【0027】
制動およびラッチ手段として「磁力吸着力」を用いる場合について、本発明でいう「磁力吸着力」とは、どのような構成であっても良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。例えば、柔軟体に磁石を有し、昇降ピンが磁性体を有する構成であっても良い。また例えば、柔軟体に磁性体を有し、昇降ピンが磁石を有する構成であっても良い。また例えば、柔軟体と昇降ピンが極性の異なる磁石を有する構成であっても良い。磁力吸着力によるラッチを用いる場合、例えば、磁力吸着面の摩擦係数を高いものとしたり、柔軟体と昇降ピン側面が凸凹形状にてかみ合うものとすることにより、比較的弱い磁力でも強力にラッチすることが出来る。
【0028】
本発明でいう「昇降ピン」は、どのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。昇降ピンは、材料、構造、形状、性質など、どのようなものでも良い。例えば、昇降ピンはその一部又は全体が、磁石又は磁性体あるいは非磁性体にて構成されていても良い。また例えば、昇降ピンは単一の材料又は複数の異なる材料にて構成されていても良い。また例えば、昇降ピンは高い摩擦係数が必要とされる部位と低い摩擦係数が必要とされる部位とで、異なる摩擦係数を有するものとしても良い。また例えば、昇降ピンは制動及びラッチ時に柔軟体と噛み合う凸凹形状を有するものとしても良い。図4は、昇降ピンの様々な例を示している。図4aは、磁性体(鉄薄板など)からなり、突出端に触知部が固定されている構成である。図4bは、磁石(例えばプラスチック磁石など)からなり、触知部までもが一体成型されている構成である。図4cは、制動及びラッチ時に柔軟体と噛み合う凸凹形状が施された部位と、昇降ピン吸着板が滑動しうる平滑面を有する構成である。図4dは、磁石からなる部位(図4dの20)と非磁性体からなる部位(図4dの31)を有する構成であり、例えば磁石部位と非磁性体部位(樹脂など)の端部を突き合わせて両面から粘着テープ(図4dの32)を貼って一体化するなどして製造されうる。但し、これらはあくまで例であり、本発明でいう「昇降ピン」は、どのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。また、昇降ピンの配列はどのようなものでも良いのであり、例えば、マトリックス状に配列されても良いし、また例えば、点字に対応した配列としても良い。
【0029】
本発明でいう「軸方向」とは、昇降ピンの軸に対して平行な方向であり、昇降ピンの「突出方向」及び「没入方向」がこれに含まれる。但し、これは必ずしも厳密な方向を示す概念ではなく、大まかにその方向であれば良い。本発明において、昇降ピンの突出方向移動が制動かつラッチされてもよく、あるいは昇降ピンの没入方向移動が制動かつラッチされても良い。
【0030】
本発明でいう「柔軟体」とは、広義の概念であり、隣接する片持梁型圧電アクチュエータを駆動することによって曲げられうるものであるならば、どのようなものでも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。例えば、「柔軟体」の材料(例えば、ゴム、プラスチック、金属など)、形状(例えば、厚み、幅、くびれや溝の有無など)、性質(例えば、電気的性質、磁性の有無など)、構造(例えば、多層構造とする場合など)などどのようなものでも良い。また例えば、「柔軟体」は弾性を有するものであっても良い。また例えば、「柔軟体」は、板ばねで構成されていても良い。また例えば、「柔軟体」は、スナップ動作やトグル動作をするばねで構成されていても良い。また、柔軟体は必ずしも弾性を有している必要は無いのであり、例えば、隣接する片持梁型圧電アクチュエータ(又はその延長部)の弾性にて押下圧力に反発しうるものであっても良い。また例えば、柔軟体は必ずしもその全長にわたって性質(例えば、柔軟性や弾性など)が一様である必要は無いのであり、どのように部分的に性質が異なっていても良い。また例えば、「柔軟体」は関節部を有するものであっても良い。ここで、「関節部」とは、柔軟体において特に柔軟性(弾性を有していても良い)が高い部位である。図2bは、関節部を有する柔軟体の構造例を示している。図6は、関節部を有する柔軟体と、側面に凸凹形状を有する昇降ピンを組み合わせた例における挙動を示している。柔軟体は「関節部」を有するものとすることにより、状況に応じて柔軟体の剛性を使い分けうるものとすることができる。すなわち、剛性が低い関節部によって弱い力(片持梁型圧電アクチュエータにて押される力)で制動及びラッチを可能とし、関節部以外の剛性が高い部位によって押下圧力に対する高い剛性と強い反発力を得るものとすることが出来る。また、柔軟体が「関節部」を有するものとすることにより、関節部において屈曲方向以外の動きを比較的抑えることができるので、押下圧力に伴う指先の感触について、節度感ある感触が得られるものとすることが出来る。柔軟体が関節部を有するものである場合、該関節部は、どのような構造にて実現されていても良い。柔軟体が関節部を有するものである場合、該関節部は必ずしも1つだけである必要は無く、複数の関節部を有するものであっても良い。関節部を有する柔軟体の場合、関節部のみが柔軟性を有するものでも良いのであり、例えば、関節部以外の部位が剛体であり、関節部によって柔軟性が実現されているものであっても本発明でいう柔軟体に含まれる。また例えば、関節部がスナップ動作やトグル動作をするバネであっても良い。柔軟体は、昇降ピンの軸方向移動を制動かつラッチするためのどのような仕組みを有しているものであっても良いのであり、例えば、磁力にて昇降ピンの軸方向移動を制動かつラッチするものであれば、柔軟体の作用端に磁石や磁性体を有していても良い。また例えば、柔軟体の一部又は全体が、磁石又は磁性体であっても良い。また例えば、柔軟体は後述する「ラッチ解除タブ」などの「ラッチ解除機構」を有するものであっても良い。図2は、柔軟体の様々な例を示している。図2の2は狭義の柔軟体であり、本発明でいう「柔軟体」とは、例えば図2a〜dに示すように様々な機能(例えば制動、ラッチ、ラッチ解除などの機能)を具備してなるものまでもが含まれる。図2aは、作用端に磁石又は磁性体(図2aの12)を有する柔軟体の例である。図2bは、関節部(図2bの15)を有する柔軟体の例である。図2cは、作用端に磁性体(図2cの13)を有する柔軟体の例である。図2dは、ラッチ接触部において非磁性体からなる「ラッチ解除タブ」(図2dの8)を有する柔軟体の例である。また、柔軟体の配置はどのようでも良いのであり、例えば、柔軟体の作用端を(昇降ピンの)突出方向へ向けて配置しても良いし、また例えば、柔軟体の作用端を(昇降ピンの)没入方向へ向けて配置しても良いし、また例えば、柔軟体は昇降ピンの軸に対してどのように傾斜して配置しても良い。図5は、片持梁型圧電アクチュエータ(図5の1)と、該片持梁型圧電アクチュエータに隣接して設けられる柔軟体(図5の2)について、両者(「片持梁型圧電アクチュエータ」と「柔軟体」)の作用端が対向する向きに配置されている例を示している。本発明において、片持梁型圧電アクチュエータと柔軟体が「隣接」するとは、どのような隣接でも良いのであり、図5で示すような位置関係も含まれる。
【0031】
また、本発明において、片持梁型圧電アクチュエータにて柔軟体が「変形」される場合の、「変形」とは、どのような変形でも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。例えば、変形の程度はどのようでも良いのであり、わずかな変形でも良い。また例えば、変形時の形状はどのようなものでも良いのであり、弧を描くような変形でも良いし、あるいはまた、特定の箇所(「関節部」など)が鈍角又は鋭角に曲がるような変形でも良い。また例えば、ゆっくりと変形されても良いし、片持梁型圧電アクチュエータの急激な動作にて弾かれるように変形されても良いし、スナップ動作やトグル動作として反転するように変形されても良い。また、本発明において、押下圧力にて柔軟体が「変形」される場合の、「変形」とは、どのような変形でも良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。ここで、片持梁型圧電アクチュエータにて柔軟体が「変形」される場合と、押下圧力にて柔軟体が「変形」される場合について、両「変形」は必ずしも同様の「変形」である必要は無く、それぞれ異なる「変形」であって良い。
【0032】
本発明でいう「ラッチ」とは、片持梁型圧電アクチュエータへの(高電圧ドライバICなどによる)電気的出力が終了した後でも、柔軟体の昇降ピンに対する接触が維持されることにより、該昇降ピンがその軸方向位置にて保持されることを意味する。ラッチの原理の例として、磁力吸着力による方法(柔軟体及び昇降ピンを、磁石又は磁性体を有するものとするなど)、ベルクロによる方法(柔軟体及び昇降ピンにベルクロを設けるなど)、繰り返し剥がせる接着剤による方法(柔軟体に粘着剤を塗布し、昇降ピン側面にシリコン塗膜を施すなど)、凸凹形状を噛み合わせる方法(昇降ピン側面に凸凹形状を設け、それと噛み合う凸凹形状を柔軟体に設けるなど)、側面に複数の段差を設けた昇降ピンに対して柔軟体の作用端を該段差面に食い込ませる方法、摩擦力を利用する方法、柔軟体をスナップ動作又はトグル動作させる方法、などが考えられる。また、これら複数の原理を併用しても良い。但しこれらはあくまでも例であり、ラッチはどのような原理、方法、構造によってなされても良いのであり、本発明はこれによって制約されるものではない。昇降ピンの軸方向移動を制動かつラッチする際、昇降ピンの突出方向移動を制動かつラッチしてもよく、あるいは昇降ピンの没入方向移動を制動かつラッチしても良い。過大な押下圧力に対しては、ラッチ接触面が滑動されることにより、該過大圧力を逃がしうるものとしても良い。これにより、過大な押下圧力によって柔軟体や片持梁型圧電アクチュエータが損傷する危険性を更に減らすことが出来る。過大な押下圧力にてラッチ接触面が滑動されるものとする場合、これはどのような構成にて実現しても良いが、特に、磁力吸着力によるラッチ手段によって、このような機能が実現されうるのであり、ベルクロや繰り返し剥がせる接着剤(粘着剤を含む)によるラッチ手段に対する磁力吸着力の優位性は例えばここにあるのであり、例えば、磁力にてラッチされるものにおいて、一定以上の押下圧力を受けた際にラッチ接触面が滑動されるように、ラッチ接触面の摩擦力を設計(摩擦係数及び磁力吸着力を設計するなど)することによって実現されうる。
【0033】
本発明を用いたピン入出力装置において、入出力回路は、どのようなものを用いても良いのであり、本発明はこれによって制約されるものではない。図8は、入出力回路の例を示している。図8について、格子状の導線の各交点に片持梁型圧電アクチュエータ(図8の1)が設けられている。出力時には、高電圧ドライバAによるX軸方向導線への電圧出力と、高電圧ドライバBによるY軸方向導線への電圧出力の組み合わせにより、片持梁型圧電アクチュエータに個別の駆動電圧を加えることが出来る。これにより、片持梁型圧電アクチュエータを1列ずつ切り替えて駆動する。入力時には、高電圧ドライバの出力をハイ・インピーダンスにしておく。操作者によって昇降ピンがリズミカルに叩打されることにより、片持梁型圧電アクチュエータが機械的に振動されると、交流電圧が発生する。ダイオードによるリミッター回路にて負電圧および5vを超える電圧は除去される。アナログマルチプレクサを切り替えることによりX軸方向導線およびY軸方向導線からの信号が直列化され、ヒステリシス特性を有するコンパレータを介してコンピュータの入力端子へと送られる。コンピュータにおいて、X軸における信号とY軸における信号とから、その交差点に位置する片持梁型圧電アクチュエータを特定する。同図において、高電圧ドライバ及びアナログマルチプレクサは、コンピュータによって制御される。但し、同図は、あくまで入出力回路の一例についての概念を示したものであり、これによって本発明が制約されるものではない。
【0034】
本発明を用いたピン入出力装置における、入力操作の例として、ラッチ状態の昇降ピンに対して、指先にて任意の昇降ピンを複数回、リズミカルに軽く叩打(すなわち、押下圧力を加える)することにより、該片持梁型圧電アクチュエータを振動させることが出来る。但し、本発明は操作方法によって制約されるものではない。
【0035】
本発明を用いたピン入出力装置において、昇降ピンを軸方向に移動させる手段はどのようなものを用いても良いのであり、本発明はこれによって制約されるものではない。先行技術においては、昇降ピンを磁力吸着した昇降ピン吸着板を移動させることによって、昇降ピンを軸方向移動させる技術(例えば、特開2008−152763など)が開示されているのであり、例えば、このような手段を用いても良い。
【0036】
本発明を用いたピン入出力装置において、ラッチ状態の解除はどのような仕組みで行われても良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。ラッチ状態を解除しうる仕組み(以下、「ラッチ解除機構」と呼ぶ)の例を以下に示す。
【0037】
図1は、「ラッチ解除機構」の例として、「ラッチ解除タブ」を用いた例を示している。図1は磁力吸着によるラッチ機構を用いている。図1において、柔軟体は図2dに示すように、非磁性体からなる「ラッチ解除タブ」(図2dの8、及び図1aの8)を有している。片持梁型圧電アクチュエータ(図1aの1)の動作によって、隣接する柔軟体(図1aの2)が変形されることにより、昇降ピンの軸方向移動が磁力吸着力にて制動かつラッチされる(図1aからc)。ラッチ状態において昇降ピンに対して押下圧力を加えると、柔軟体が変形され、隣接する片持梁型圧電アクチュエータに歪みを生じさせる(図1d)。「ラッチ解除タブ」は、没入方向へ面した斜面を有する形状であり、軸方向移動する昇降ピン吸着板が該斜面に沿ってラッチ接触面を押し広げることにより、ラッチ状態が解除される(図1e)。
【0038】
図9は、「ラッチ解除機構」の例として、「ラッチ解除板」を用いた例を示している。図9は磁力吸着によるラッチ機構を用いている。非磁性体からなる「ラッチ解除板」(図9の9)は、昇降ピン吸着板(図9の5)と一体で軸方向移動されるものであり、「ラッチ解除板」をラッチ接触部に割り込ませることにより、ラッチ状態が解除される。
【0039】
本発明を用いたピン入出力装置は、非制動時において柔軟体を安定させる仕組みを有していても良いのであり、これにより、非制動時においてピン入出力装置が不安定な状態に置かれた場合にも、柔軟体が揺れ動くことにより、意図に反して制動及びラッチ状態となってしまうことを防ぐことが出来る。その場合、該仕組みはどのようなものでも良いが、例えば、以下のようなものが考えられる。例えば、図7aのように、柔軟体の全体を、片持梁型圧電アクチュエータの側へ傾斜して配置する方法が考えられる。また例えば、図7bのように、関節部を有する柔軟体において、関節部より作用端側を、非制動時において片持梁型圧電アクチュエータの側へ倒しておく方法が考えられる。図7bにおいて、関節部は、ばねによるスナップ動作やトグル動作をするものであっても良い。また例えば、非制動時において、柔軟体が片持梁型圧電アクチュエータに対して、磁力などにより軽く保持されてなる方法が考えられるのであり、図7cは、柔軟体の作用端に有する磁性体(図7cの13)が、磁石からなる昇降ピンへの接触によって磁化されることにより、非制動時において、片持梁型圧電アクチュエータの延長されたシム(図7cの21・磁性体)に対して。軽く磁力にて保持されてなる様子を示している。但し、これらはあくまで例であり、非制動時において柔軟体を安定させる仕組みを用いる場合、どのようなものを用いても良いのであり、これによって本発明が制約されるものではない。また、本発明を用いたピン入出力装置において、非制動時において柔軟体を安定させる仕組みは、必ずしも必要では無い。
【0040】
本明細書に添付した図面は、本発明の概念を説明するためのものであり、必ずしも実際の製品の形状を反映しているわけではない。例えば、片持梁型圧電アクチュエータが有する延長部については、複数の図面において省略されている。本発明は、本明細書に添付したこれらの図面によって制約されるものではない。
【発明の効果】
【0041】
昇降ピンの制御について、1列ずつ又は1本ずつ切り換えながら制御することができるので、簡単な制御回路にて規模の大きな(すなわち、昇降ピンの数が多い)ピン入出力装置を制御することが出来る。そのため、ピン入出力装置を簡単な構造にて実現することが出来る。
【0042】
昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうる昇降ピン制動アクチュエータを、該昇降ピンに対する押下圧力を検知しうるセンサーとしても用いることが出来るので、入出力が一元化され、ピン入出力装置を簡単な構造にて実現することが出来る。
【0043】
押下圧力は片持梁型圧電アクチュエータが直接受けるわけではなく、隣接する柔軟体によって受けられるので、過大な押下圧力による片持梁型圧電アクチュエータの損傷が生じにくい。
【0044】
ラッチ状態において片持梁型圧電アクチュエータを振動させるよう駆動することにより、ラッチ接触部を介して任意の昇降ピンに機械的振動を与えることが出来る。例えば、3次元形状にて地図情報を表示し、現在位置に相当する昇降ピンに機械的振動を発生させることができる。また例えば、リンクが張られている部位やソフトウェア・スイッチが割り当てられている部位について、該当する昇降ピンに機械的振動を発生させることができる。視覚障害者は前記機械的振動が発生している昇降ピンを指先にて触知することにより、地図における現在位置や、リンクが張られている部位や、ソフトウェアスイッチが割り当てられている部位を知ることが出来る。ただしこれは、制御方法の例を示したものであり、本発明は制御方法によって制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】ラッチ解除タブを有する柔軟体を用いた場合の動作過程
【図2】柔軟体の例
【図3】押下圧力による柔軟体の変形が片持梁型圧電アクチュエータを歪ませる様子
【図4】昇降ピンの例
【図5】片持梁型圧電アクチュエータと柔軟体が対向する向きに配置されている例
【図6】柔軟体の作用端を昇降ピンに設けられた凸凹に食い込ませる例
【図7】非制動時に柔軟体を安定させる仕組みの例
【図8】簡便な入出力回路の例
【図9】昇降ピン吸着板と一体で軸方向されるラッチ解除板を用いた例
【図10】延長部を有する片持梁型圧電アクチュエータの様々な例を示している
【図11】磁石と非磁性体にて構成された昇降ピンを用いた場合の動作過程
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0046】
本実施例の構成について、片持梁型圧電アクチュエータは図10aに示すものを用いている。また、柔軟体は図2cに示すものを用いている。また、昇降ピンは図4dに示すものを用いている。また、入出力回路は図8に示すものを用いている。本実施例における片持梁型圧電アクチュエータは、バイモルフ型圧電アクチュエータを用いている。バイモルフ型圧電アクチュエータとしては、直列型や並列型が知られているが、本実施例においては、直列型を用いている。図11は、本実施例の動作過程を示している。図11において、昇降ピン吸着板は、磁性体(図11の13)、および非磁性体(図11の31)とから構成されており、昇降ピンの軸方向(突出方向および没入方向)へ移動される。昇降ピンを磁力吸着した状態で、昇降ピン吸着板を突出方向へ移動させる。該移動過程においてバイモルフ型圧電アクチュエータを駆動すると、隣接する柔軟体が弾かれるようにして昇降ピンの軸方向移動を制動かつラッチする(図11のb)。ここで、「柔軟体が昇降ピンをラッチする磁力吸着力」は、「昇降ピン吸着板の昇降ピンに対する磁力吸着力」よりも強いように設計されており、該ラッチ状態において昇降ピン吸着板を更に突出方向へ移動させ続けると、昇降ピン吸着板は昇降ピンの非磁性体部位に達する(図11のc)。そこで、昇降ピンが押下圧力を受けると、柔軟体は歪み、隣接するバイモルフ型圧電アクチュエータの延長部を押して湾曲させる。押下圧力が無くなると、柔軟体の弾性力にて昇降ピンは突出方向へ復帰される。その際、昇降ピン吸着板と昇降ピンの非磁性体部位は磁力吸着されていないので、押下圧力の有無による昇降ピンの出没動作は妨げられない。操作者が昇降ピンを複数回軽く叩打することにより、バイモルフ型圧電アクチュエータの延長部は振動され、該振動がバイモルフ型圧電アクチュエータに伝わることによって交流電圧が発生される。該交流電圧は、図8に示す入出力回路にて処理され、コンピュータへと入力される。更に、昇降ピン吸着板を突出方向へ移動させると、昇降ピンの突出方向移動は肩部(図11の34)が表面板(図11の23)に突き当たることによって制止され、更に、昇降ピン吸着板は、突出方向へ移動されることにより、ラッチ接触部に割り込んでラッチ状態が解除される(図11のe)。昇降ピン吸着板を没入方向へ移動させると、昇降ピンは没入端が基板など(図11の22)に突き当たって制止され、そのまま昇降ピン吸着板が昇降ピン表面を滑動することによって初期位置へと復帰される(図11のa)。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明を用いたピン入出力装置は、主な用途として、視覚障害者の触覚による使用を想定しているが、本発明は用途を限定されるものではない。例えば、晴眼者に対する視覚情報の呈示に用いることもできるし、あるいはまた、必ずしもヒューマンインターフェイスに限定されるわけではなく、本発明を用いたピン入出力装置は、どのような用途に用いても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 片持梁型圧電アクチュエータ
2 (狭義の)柔軟体
3 昇降ピン
4 ラッチ接触面
5 昇降ピン吸着板
8 ラッチ解除タブ(非磁性体など)
9 ラッチ解除板(非磁性体など)
10 磁石
11 磁性体
12 磁石または磁性体
13 磁性体(鉄薄板など)
14 スペーサー(樹脂など)
15 関節部
16 柔軟性の高いフィルム
17 磁性体(鉄薄板など)
18 昇降ピンの触知部
19 昇降ピンの側面に設けられた凸凹形状
20 磁石
21 片持梁型圧電アクチュエータにおいて作用端に延長されたシム(磁性体)
22 基板
23 表面板
24 底板
25 片持梁型圧電アクチュエータを保持するサポーター(樹脂製など)
26 柔軟体の固定端(接着による固定など)
27 片持梁型圧電アクチュエータの端子
28 斜面
29 片持梁型圧電アクチュエータの作用端側に固定された板ばね(延長部)
30 片持梁型圧電アクチュエータの作用端から延長されたシムの先端に固定された錘
31 非磁性体(樹脂など)
32 樹脂フィルム(粘着テープなど)
33 片持梁型圧電アクチュエータに密接して設けられた板ばね
34 昇降ピンの肩部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに接続され、昇降ピン制動アクチュエータにて昇降ピンの軸方向移動を個別に制動しうるピン入出力装置であり、
前記昇降ピン制動アクチュエータは、前記昇降ピンの軸に対して略平行に設けられた片持梁型圧電アクチュエータ、及び該片持梁型圧電アクチュエータに隣接して設けられた柔軟体、を含むものであり、
前記柔軟体は、前記片持梁型圧電アクチュエータにて変形されることにより、前記昇降ピンの軸方向移動を制動、かつ同時に該昇降ピンをラッチしうるものである
ことを特徴とするピン入出力装置
【請求項2】
請求項1に示すものであり、
前記柔軟体は、前記ラッチされた状態の昇降ピンが押下圧力を受けた際、該押下圧力にて変形されることにより、前記隣接する片持梁型圧電アクチュエータ又はその延長部に、歪みを生じさせうるものである
ことを特徴とするピン入出力装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−73588(P2012−73588A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154662(P2011−154662)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(303030494)
【Fターム(参考)】