説明

入出力装置及び画像形成装置

【課題】記憶媒体へのデータの入出力を制御する制御部が応答不能となった場合に制御部を自動的に初期状態に戻す入出力装置及び画像形成装置を、容易な構成により提供する。
【解決手段】入出力装置は、記憶媒体が少なくとも1つ接続される第1の接続部74〜78と、前記第1の接続部に接続された記憶媒体に対するデータの入力又は出力を制御する第1の制御部70と、記憶媒体が少なくとも1つ接続される第2の接続部80〜84と、前記第2の接続部に接続された記憶媒体に対するデータの入力又は出力を制御する第2の制御部72と、を有し、前記第1の制御部70又は前記第2の制御部72のうちいずれか一方が応答しない場合、前記第1の制御部70又は前記第2の制御部72のうちいずれか他方は、応答しない一方に対し、初期状態に戻す信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出力装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、磁気カードリーダと、磁気カードリーダを利用して磁気情報の読み取りを上位装置に実行させるアプリケーションとの間の通信を制御するドライバーモジュールにおいて、磁気カードリーダ及び上位装置が磁気情報の入力待ちを示す待機状態にある場合に、磁気カードリーダがリセットされて初期状態に陥ったとき、磁気カードリーダを初期状態から待機状態へ遷移させることについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−086125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、記憶媒体へのデータの入出力を制御する制御部が応答不能となった場合に制御部を自動的に初期状態に戻す入出力装置及び画像形成装置を、容易な構成により提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[入出力装置]
請求項1に係る本発明は、記憶媒体が少なくとも1つ接続される第1の接続部と、前記第1の接続部に接続された記憶媒体に対するデータの入力又は出力を制御する第1の制御部と、記憶媒体が少なくとも1つ接続される第2の接続部と、前記第2の接続部に接続された記憶媒体に対するデータの入力又は出力を制御する第2の制御部と、を有し、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか一方が応答しない場合、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか他方は、応答しない一方に対し、初期状態に戻す信号を出力する入出力装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか一方が応答しない場合、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか他方は、応答しない一方に接続されている電源線を切り入りする信号を出力する請求項1記載の入出力装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか一方が応答しない場合、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか他方は、応答しない一方に対して初期状態に戻す信号を出力しても応答可能な状態へと回復しないときに、応答しない一方に接続されている電源線を切り入りする信号を出力する請求項2記載の入出力装置である。
【0008】
[画像形成装置]
請求項4に係る本発明は、記憶媒体が少なくとも1つ接続される第1の接続部と、前記第1の接続部に接続された記憶媒体に記憶された画像データを読み出す制御を行なう第1の制御部と、記憶媒体が少なくとも1つ接続される第2の接続部と、前記第2の接続部に接続された記憶媒体に記憶された画像データを読み出す制御を行なう第2の制御部と、前記第1の制御部又は前記第2の制御部により読み出された画像データから画像を形成する画像形成手段と、を有し、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか一方が応答しない場合、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか他方は、応答しない一方に対し、初期状態に戻す信号を出力する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る本発明によれば、記憶媒体へのデータの入出力を制御する制御部が応答不能となった場合に制御部を自動的に初期状態に戻す入出力装置を、本構成を有しない場合と比べて容易な構成により提供することができる。
【0010】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る発明の効果に加え、本構成を有していない場合と比べ、応答不能の制御部をより確実に初期状態に戻す入出力装置を提供することができる。
【0011】
請求項3に係る本発明によれば、請求項2に係る発明の効果に加え、制御部が応答不能となった場合に行なう電源の切断動作を抑制することができる入出力装置を提供することができる。
【0012】
請求項4に係る本発明によれば、記憶媒体へのデータの入出力を制御する制御部が応答不能となった場合に制御部を自動的に初期状態に戻す画像形成装置を、本構成を有しない場合と比べて容易な構成により提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る入出力装置を含む画像形成装置10を示す断面図である。
【図2】本実施形態に係る入出力部12のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】記憶媒体制御部が応答不能の状態となった場合における画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。
【図4】第二の実施形態に係る入出力部120のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】記憶媒体制御部が応答不能の状態となった場合について、第二の実施形態に係る画像形成装置10の動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第一の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る入出力装置を含む画像形成装置10を示す断面図である。
【0015】
画像形成装置10は、入出力部12、操作表示部14、課金部16、領収書出力部18、画像形成装置本体部20、及び接続制御部22から構成されている。画像形成装置10は、例えば店舗に設置され、利用者によって支払われる料金に応じて、例えば記憶媒体に記憶された画像データを印刷するサービスを利用者へ提供する。
【0016】
入出力部12は、後述する記憶媒体接続部に接続された記憶媒体に対し、データの入力又は出力を行なうよう構成されている。ここで記憶媒体とは、例えばメモリカードのように携帯性を有する記憶媒体をいう。また、携帯性を有する記憶媒体としては、他にも、例えば、USBフラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、又はICカードなども含まれる。
【0017】
操作表示部14は、ユーザインターフェースであり、例えばタッチパネルなどからなり、操作者からの画像形成装置10への処理内容についての指示を入力として受け付け、又は情報を表示することができるように構成されている。
【0018】
課金部16は、利用するサービスに応じて料金を課金する装置である。課金部16は、利用者によって投入された金額に応じて、画像形成装置10による印刷などのサービスの実施を許可し、画像形成装置10がサービスを実施すると、実施されたサービスに対応する料金を課金する。
【0019】
領収書出力部18は、画像形成装置10が提供したサービスに対して支払われた料金に関しての領収書を発行して出力する装置である。
【0020】
画像形成装置本体部20は、入出力部12に接続された記憶媒体に記憶されている画像データ又は原稿を読み取って得られた画像データに基づいて、画像を形成する。また、画像形成装置本体部20は、ファクス機能(図示せず)を有してもよい。
【0021】
接続制御部22は、画像形成装置10を構成する入出力部12、操作表示部14、課金部16、領収書出力部18、及び画像形成装置本体部20の各々とインターフェースを介して接続されており、各々に対して動作を制御する命令を出力することが可能なコンピュータとして構成されており、図示しないCPU及びメモリを備えている。
【0022】
また、接続制御部22には、LAN等のネットワークに接続されるネットワーク通信装置が設けられており、画像形成装置10は、接続制御部22に接続されたネットワークを介して、ネットワークに接続された他の装置との間で情報の送受信が可能である。
【0023】
また、接続制御部22は、入出力部12における後述する記憶媒体制御部からの応答を確認し、応答がない場合、リセット信号の出力を指示する命令を応答可能な他の記憶媒体制御部に対して出力する。
【0024】
次に、画像形成装置本体部20の構成について説明する。
画像形成装置本体部20は、印刷装置24及び画像読取装置26を有し、印刷装置24は、例えば3段の記録媒体供給カセット28を有し、これら記録媒体供給カセット28のそれぞれには供給ヘッド30が設けられている。
【0025】
記録媒体供給カセット28の一つが選択されると、供給ヘッド30が作動して選択された記録媒体供給カセット28から記録媒体供給路32を介して画像形成部34に供給される。
【0026】
画像形成部34は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各感光体36が併設されていると共に、中間転写ベルト38が設けられている。
【0027】
各感光体36の周囲には、帯電装置、露光装置、現像装置、一次転写装置及びクリーニング装置など(図示せず)が配置され、各感光体36に形成されたトナー像が中間転写ベルト38に転写される。白黒設定された場合は、ブラックのみが作動可能であるようにされる。
【0028】
中間転写ベルト38のトナー像は、二次転写ロール40により、送られてきた記録媒体に転写され、定着装置42により定着され、このトナー像が定着された記録媒体が記録媒体排出路44を通って排出部46に排出される。
【0029】
ただし、両面印刷が設定された場合は、定着装置42により表面が定着された記録媒体は、記録媒体排出路44から反転装置48に送られ、この反転装置48で反転され、記録媒体反転路50に送られ、再び記録媒体供給路32に戻され、画像形成部34に送られて裏面の印刷がなされる。
【0030】
画像読取装置26は、両面原稿の読み取りが可能な自動原稿送り装置52を有し、この自動原稿送り装置52により原稿はプラテン54に送られ、このプラテン54上でCCD等からなる読取部56により原稿の画像が読み取られる。
【0031】
自動原稿送り装置52に原稿がセットされたか否かを検出する原稿セット検出器58が設けられている。また、自動原稿送り装置52はプラテンカバーを兼ねており、このプラテンカバーを開けることにより原稿をプラテン54上に置くことができる。このプラテンカバーの開閉は、プラテンカバー開閉検出器60により検出できるようになっている。
【0032】
次に、入出力部12について詳しく説明する。
図2は、本実施形態に係る入出力部12のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
入出力部12は、図2に示すように、記憶媒体制御部70,72、記憶媒体接続部74〜84、HUB86、電源入りリセット回路88、電源線90、及びOR回路92,94から構成されている。
【0034】
記憶媒体制御部70及び72は、記憶媒体に対するデータの入力又は出力を制御することが可能なコンピュータとして構成されており、図示しないCPU及びメモリを備えている。記憶媒体制御部70及び72は、電源と接続された線である電源線90からの電気の供給を受けて動作する。
【0035】
記憶媒体制御部70及び72は、集線装置であるHUB86を介して、接続制御部22と接続されており、接続制御部22からの要求に応じ、図示しないメモリに格納されたプログラムを実行することにより、記憶媒体に対するデータの入力又は出力を制御する。
【0036】
また、記憶媒体制御部70及び72は、記憶媒体の接続口である記憶媒体接続部に接続されており、記憶媒体接続部に接続された記憶媒体に対して、データの入力又は出力を行なう。ここで、図2に示すように、記憶媒体制御部70は、記憶媒体接続部74〜78と接続されており、記憶媒体制御部72は、記憶媒体接続部80〜84と接続されている。
【0037】
記憶媒体制御部70には、リセット端子96が設けられており、リセット端子96へ信号が入力されると記憶媒体制御部70は、初期状態(電源をオンした直後の状態)へとリセットされる。同様に、記憶媒体制御部72についても、リセット端子98が設けられており、リセット端子98へ信号が入力されると記憶媒体制御部72は、リセットされる。
【0038】
また、記憶媒体制御部70には、出力端子100が設けられており、この出力端子100から信号を出力することが可能な構成となっている。同様に、記憶媒体制御部72についても、出力端子102が設けられており、この出力端子102から信号を出力することが可能な構成となっている。
【0039】
記憶媒体制御部70は、リセット信号の出力を指示する命令を接続制御部22から受けると、出力端子100から信号を出力するよう制御する。出力端子100は、後述するOR回路92の入力側に接続されており、出力端子100から出される信号は、記憶媒体制御部72に対するリセット信号として機能する。
【0040】
同様に、記憶媒体制御部72は、リセット信号の出力を指示する命令を接続制御部22から受けると、出力端子102から信号を出力する。出力端子102は、後述するOR回路94の入力側に接続されており、出力端子102から出される信号は、記憶媒体制御部70に対するリセット信号として機能する。
【0041】
記憶媒体接続部74〜84は、それぞれ記憶媒体が接続される接続口であり、例えば利用者によって記憶媒体が接続される。ここで、記憶媒体接続部74〜84は、互いに異なる種類の記憶媒体を接続する。図2において、記憶媒体104〜114は、互いに異なる種類である記憶媒体をそれぞれ示している。図2に示すように、記憶媒体接続部74は、記憶媒体104に対応した接続口である。記憶媒体接続部76は、記憶媒体106に対応した接続口である。記憶媒体接続部78は、記憶媒体108に対応した接続口である。記憶媒体接続部80は、記憶媒体110に対応した接続口である。記憶媒体接続部82は、記憶媒体112に対応した接続口である。記憶媒体接続部84は、記憶媒体114に対応した接続口である。
【0042】
例えば、利用者が所持する記憶媒体に記憶されている画像データを印刷するサービスを画像形成装置10により提供する場合、種々の規格の記憶媒体に対応する必要がある。本実施形態に係る入出力部12は、異なる規格の6種類の記憶媒体104〜114に対する入出力が可能な構成となっている。
【0043】
電源入りリセット回路88は、電源線90に接続されている電源がオンされることを契機に、記憶媒体制御部70及び72に対してリセット信号を送る回路として構成されている。電源入りリセット回路88は、OR回路92及び94の入力側にそれぞれ接続されている。
【0044】
OR回路92の出力は、記憶媒体制御部72のリセット端子98に接続され、OR回路92から信号が出力されると、上述の通り、記憶媒体制御部72はリセットされる。同様に、OR回路94の出力は、記憶媒体制御部70のリセット端子96に接続され、OR回路94から信号が出力されると、上述の通り、記憶媒体制御部70はリセットされる。
【0045】
上記の通り、入出力部12は、記憶媒体制御部70又は72で応答不能の状態となっても、自動的に復帰をすることが可能な構成となっている。また、入出力部12では、記憶媒体制御部の応答不能状態について自動復帰する機能を、上記構成以外の構成により実現する場合と比べて、容易な構成により実現している。
【0046】
次に、記憶媒体制御部が応答しなくなった場合の動作について説明する。
図3は、記憶媒体制御部が応答不能の状態となった場合における画像形成装置10の動作を示すフローチャートである。以下では、図2に示した記憶媒体接続部74〜78のいずれかに記憶媒体が接続され、記憶媒体制御部70が応答不能になった場合を具体例として説明する。
【0047】
なお、記憶媒体制御部が応答不能の状態となる一例として、次のような状況が考えられる。例えば、利用者が静電気を帯びた状態で記憶媒体を記憶媒体接続部に接続した場合、記憶媒体が接続された記憶媒体接続部に静電気が放電し、この放電により記憶媒体制御部に静電気が印加され、接続制御部22からの要求に応答しない状態となる。ただし、応答不能の状態の原因は、上記の静電気によるものに限定する必要はなく、何らかの原因により記憶媒体制御部が応答不能の状態となった場合でも、以下で説明する動作は適用可能である。
【0048】
ステップ100(S100)において、記憶媒体接続部に記憶媒体が接続される。具体例としては、記憶媒体接続部74〜78のいずれかに記憶媒体が接続される。
【0049】
ステップ102(S102)において、接続制御部22は、記憶媒体が接続を検知したかを確認する検知確認命令を発行し、ステップ100において接続された記憶媒体への入出力を制御する記憶媒体制御部からの応答を待つ。記憶媒体制御部からの応答がない場合は、ステップ104へ移行し、応答がある場合は、ステップ122へ移行する。具体例としては、接続制御部22は、記憶媒体制御部70に対して検知確認命令を発行し、記憶媒体制御部70からの応答を待つ。
【0050】
ステップ104(S104)において、接続制御部22は、タイマを掛けて、タイマがタイムアウト(時間切れ)するまで記憶媒体制御部からの応答を待つ。タイマがタイムアウト(時間切れ)した場合は、ステップ106へ移行する。具体例としては、接続制御部22は、タイムアウトするまで、記憶媒体制御部70からの応答を待つ。
【0051】
ステップ106(S106)において、接続制御部22は、接続がなされた記憶媒体への入出力を制御する記憶媒体制御部が応答不能の状態になったと判断し、ステップ108へ移行する。具体例としては、接続制御部22は、記憶媒体制御部70が応答不能状態であると判断する。
【0052】
ステップ108(S108)において、接続制御部22は、応答不能状態であると判断した記憶媒体制御部以外の記憶媒体制御部に対し、状態を確認する状態確認命令を発行し応答があるかを確認する。応答がない場合は、ステップ110へ移行し、応答がある場合は、ステップ114へ移行する。具体例としては、接続制御部22は、記憶媒体制御部72に対し、状態確認命令を発行し、応答を確認する。
【0053】
ステップ110(S110)において、接続制御部22は、ステップ106で応答不能状態であると判断した記憶媒体制御部以外の記憶媒体制御部についても応答不能状態であると判断し、ステップ112へ移行する。具体例としては、接続制御部22は、記憶媒体制御部72が応答不能状態であると判断する。
【0054】
ステップ112(S112)において、接続制御部22は、入出力部12が故障したと判断し、図1に示した操作表示部14に対して、入出力部12が故障した旨を表示するよう制御する。
【0055】
一方、ステップ114(S114)では、接続制御部22は、応答があった記憶媒体制御部に対し、ステップ106で応答不能状態であると判断した記憶媒体制御部へリセット信号を出力するよう命令するリセット信号出力命令を発行し、ステップ116へ移行する。リセット信号出力命令を受けた記憶媒体制御部は、出力端子からリセット信号を出力する。具体例としては、接続制御部22は、記憶媒体制御部72に対し、記憶媒体制御部70へリセット信号出力命令を発行し、記憶媒体制御部72は、出力端子102からリセット信号を出力する。
【0056】
ステップ116(S116)において、接続制御部22は、ステップ106で応答不能状態であると判断した記憶媒体制御部に対し、状態確認命令を発行し、応答を待つ。記憶媒体制御部からの応答がない場合は、ステップ118へ移行し、応答がある場合は、ステップ122へ移行する。具体例としては、接続制御部22は、記憶媒体制御部70に対して状態確認命令を発行し、記憶媒体制御部70からの応答を待つ。
【0057】
ステップ118(S118)において、接続制御部22は、タイマを掛けて、タイマがタイムアウト(時間切れ)するまで記憶媒体制御部からの応答を待つ。タイマがタイムアウト(時間切れ)した場合は、ステップ120へ移行する。具体例としては、接続制御部22は、タイムアウトするまで、記憶媒体制御部70からの応答を待つ。
【0058】
ステップ120(S120)において、接続制御部22は、ステップ106で応答不能状態であると判断した記憶媒体制御部の復旧は不可能であると判断し、この記憶媒体制御部を切放す。切放された記憶媒体制御部への接続対象である記憶媒体は、利用できなくなる。具体例としては、接続制御部22は、記憶媒体制御部70の復旧は不可能であると判断し、記憶媒体制御部70を切放す。記憶媒体制御部70への接続対象である記憶媒体104、106、及び108は、利用できなくなる。
【0059】
一方、ステップ122では、接続制御部22は、記憶媒体制御部を介して記憶媒体へのデータの入出力処理を行なう。具体例としては、接続制御部22は、記憶媒体制御部70を介し、記憶媒体接続部74〜78のいずれかに接続された記憶媒体との間でデータの入出力処理を行なう。そして、接続制御部22は、例えば、記憶媒体から読み出された画像データを画像形成装置本体部20へと渡し、画像を出力するよう制御する。
【0060】
以上が、記憶媒体制御部が応答不能状態となった場合における画像形成装置10の動作である。
【0061】
なお、入出力部12は、電源が入ると図2に示された電源入りリセット回路からリセット信号が出力されることにより、記憶媒体制御部はリセットされる。記憶体媒制御部が応答不能状態になった場合、上記動作以外にも、例えば、利用者により電源の切入が行なわれることによっても、記憶媒体制御部の応答不能状態を復旧させることは可能である。
【0062】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、第一の実施形態における入出力部12の代わりに、入出力部120を用いて画像形成装置10を構成する。
【0063】
図4は、第二の実施形態に係る入出力部120のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、図4に示された構成のうち、図2に示された構成と実質的に同じものには同じ符号が付されている。図4に示すように、本実施形態に係る入出力部120は、第一の実施形態に係る入出力部12に、スイッチ122及び124と、出力端子126及び128が追加された構成となっている。
【0064】
スイッチ122は、記憶媒体制御部70に接続されている電源線90の途中に挿入されている。スイッチ122は、信号を受けることにより、記憶媒体制御部70への電気を遮断し、又は供給するスイッチとして構成されている。
【0065】
スイッチ124は、記憶媒体制御部72に接続されている電源線90の途中に挿入されている。スイッチ124は、信号を受けることにより、記憶媒体制御部72への電気を遮断し、又は供給するスイッチとして構成されている。
【0066】
出力端子126は、記憶体媒体制御部70に設けられた、出力端子100とは異なる端子である。出力端子126は、スイッチ124に接続されている。出力端子126から出された信号を受けることで、スイッチ124は、記憶媒体制御部72への電気を遮断し、又は供給する。
【0067】
出力端子128は、記憶体媒体制御部72に設けられた、出力端子102とは異なる端子である。出力端子128は、スイッチ122に接続されている。出力端子128から出された信号を受けることで、スイッチ124は、記憶媒体制御部70への電気を遮断し、又は供給する。
【0068】
また、本実施形態に係る接続制御部22は、記憶媒体制御部70又は72に対し、電源の切入りを行う命令である電源切入り命令を出力することが可能な構成となっている。記憶媒体制御部70は、接続制御部22から電源切入り命令を受けると、出力端子126からスイッチ124へと信号を出力し、記憶媒体制御部72へ供給される電気の切入りを行なう。
【0069】
同様に、記憶媒体制御部72は、接続制御部22から電源切入り命令を受けると、出力端子128からスイッチ122へと信号を出力し、記憶媒体制御部70へ供給される電気の切入りを行なう。
【0070】
次に、第二の実施形態において、記憶媒体制御部が応答しなくなった場合の動作について説明する。
【0071】
図5は、記憶媒体制御部が応答不能の状態となった場合について、第二の実施形態に係る画像形成装置10の動作を示したフローチャートである。図3に示した動作と同様、第二の実施形態に係る画像形成装置10においても、応答不能状態の記憶媒体制御部に対し、応答可能な記憶媒体制御部からリセット信号を出力し、応答不能状態からの回復を試みる。すなわち、図5に示したステップ200(S200)〜ステップ216(S216)までは、図3に示したステップ100(S100)〜ステップ116(S116)と同様に動作する。
【0072】
以下、図5におけるステップ218(S218)以降の動作について説明する。
ステップ218(S218)において、接続制御部22は、タイマを掛けて、タイマがタイムアウト(時間切れ)するまで記憶媒体制御部からの応答を待つ。タイマがタイムアウト(時間切れ)した場合は、ステップ220へ移行する。図3と同様の具体例で説明すると、接続制御部22は、タイムアウトするまで、記憶媒体制御部70からの応答を待つ。
【0073】
ステップ220(S220)において、接続制御部22は、応答不能状態の記憶媒体制御部への電源の切入りを実施済みであるか否かを確認する。まだ実施していない場合には、ステップ222へと移行し、実施済みである場合、ステップ224へと移行する。
【0074】
ステップ222(S222)において、接続制御部22は、応答可能な状態の記憶媒体制御部に対して、応答不能状態である記憶媒体制御部の電源の切入りを行なうよう電源切入り命令を発行する。電源切入り命令を受けた記憶媒体制御部は、出力端子からスイッチへと信号を出力し、応答不能状態である記憶媒体制御部へ供給される電気の切入りを行なって応答不能状態からの回復を試みる。その後、ステップ216へ戻り、応答不能状態から回復しているかを確認すべく応答の有無を確認する。
【0075】
具体例としては、接続制御部22は、記憶媒体制御部72に対して電源切入り命令を発行し、記憶媒体制御部72は、出力端子128からスイッチ122へと信号を出力し、記憶媒体制御部70へ供給される電気の切入りを行なって応答不能状態からの回復を試みる。
【0076】
ステップ224(S224)において、接続制御部22は、電源の切入りによっても応答不能状態から回復できなかったと判断し、応答不能状態である記憶媒体制御部を切放す。具体例としては、接続制御部22は、記憶媒体制御部70の復旧は不可能であると判断し、記憶媒体制御部70を切放す。また、記憶媒体制御部70への接続対象である記憶媒体104、106、及び108は、利用できなくなる。
【0077】
ステップ226(S226)においては、図3に示したステップ122と同様、接続制御部22は、記憶媒体制御部を介して記憶媒体へのデータの入出力処理を行なう。
【0078】
以上のように、第二の実施形態に係る入出力部120は、第一の実施形態に係る入出力部12の動作に加え、電源線の切入りを行う。第二の実施形態に係る入出力部120は、応答不能状態からの復帰を、第一の実施形態に係る入出力部12と比べて、より確実に行うことができる。
【0079】
第一の実施形態及び第二の実施形態では、入出力部は2つの記憶媒体制御部から構成される例を示したが、3つ以上の記憶媒体制御部を設けてもよい。例えば、利用者が所持する記憶媒体に記憶されている画像データを印刷するサービスを提供する場合、対応させる記憶媒体の種類に応じて、記憶媒体制御部を設ける数を定めてもよい。
【0080】
また、各記憶媒体制御部には3つの記憶媒体接続部が接続されている例を示したが、少なくとも1つの記憶媒体接続部と接続されていればよい。また、画像形成装置を例に説明したが、画像形成装置に限定されず、本発明は、多種の記憶媒体との入出力を要する機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
12 入出力部
22 接続制御部
70,72 記憶媒体制御部
74〜84 記憶媒体接続部
92,94 OR回路
96,98 リセット端子
100,102 出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体が少なくとも1つ接続される第1の接続部と、
前記第1の接続部に接続された記憶媒体に対するデータの入力又は出力を制御する第1の制御部と、
記憶媒体が少なくとも1つ接続される第2の接続部と、
前記第2の接続部に接続された記憶媒体に対するデータの入力又は出力を制御する第2の制御部と、
を有し、
前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか一方が応答しない場合、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか他方は、応答しない一方に対し、初期状態に戻す信号を出力する
入出力装置。
【請求項2】
前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか一方が応答しない場合、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか他方は、応答しない一方に接続されている電源線を切り入りする信号を出力する
請求項1記載の入出力装置。
【請求項3】
前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか一方が応答しない場合、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか他方は、応答しない一方に対して初期状態に戻す信号を出力しても応答可能な状態へと回復しないときに、応答しない一方に接続されている電源線を切り入りする信号を出力する
請求項2記載の入出力装置。
【請求項4】
記憶媒体が少なくとも1つ接続される第1の接続部と、
前記第1の接続部に接続された記憶媒体に記憶された画像データを読み出す制御を行なう第1の制御部と、
記憶媒体が少なくとも1つ接続される第2の接続部と、
前記第2の接続部に接続された記憶媒体に記憶された画像データを読み出す制御を行なう第2の制御部と、
前記第1の制御部又は前記第2の制御部により読み出された画像データから画像を形成する画像形成手段と、
を有し、
前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか一方が応答しない場合、前記第1の制御部又は前記第2の制御部のうちいずれか他方は、応答しない一方に対し、初期状態に戻す信号を出力する
画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−181735(P2012−181735A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45008(P2011−45008)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】