説明

入力システム及びペン型入力機器

【課題】 反射光の検出及び処理を行うことで、入力機器の位置情報を取得し、システムにおける入力に利用することが可能な入力システム及びペン型入力機器等を提供すること。
【解決手段】 入力システムは、長手方向において反射率の異なる第1の反射部RE1、及び前記長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向において反射率の異なる第2の反射部RE2の少なくとも一方を有する入力機器と、第1の反射部RE1及び第2の反射部RE2の少なくとも一方からの反射光を検出する検出部200と、検出部200での検出結果に基づいて、第1の反射部RE1の長手方向での移動量情報及び第2の反射部RE2の回転方向での回転量情報の少なくとも一方を求める処理部300とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力システム及びペン型入力機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーの使用する入力機器(例えばペン型入力機器等)により、コンピューター上で文字、図形等の入力を行うシステムが知られている。例えば、電子黒板システムでは、対象面(ホワイトボード)上で入力機器を移動させることで、移動の軌跡に対応する位置に線を描く等の処理を行うことができる。また、特許文献1のように、力覚を使った入力システムを用いて文字入力を行う書道学習システムも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−205962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子黒板システム等では入力機器の一部(ペン型入力機器であればペン先等)の2次元の位置座標情報を検出することで、文字や図形の入力をおこなっており、入力機器の3次元的な移動については考慮されていないことがほとんどである。また、特許文献1の書道学習システムでは、筆の押し込み等に対応する3次元の位置座標情報は取得できるものの、システムが大掛かりになってしまうという問題点があり、また、実際の筆の動きに比べて違和感がある。さらに力覚を使ったシステムでは、書道において多用されるその場での筆の回転表現を認識できない可能性がある。
【0005】
本発明の幾つかの態様によれば、反射光の検出及び処理を行うことで、入力機器の位置情報を取得し、システムにおける入力に利用することが可能な入力システム及びペン型入力機器等を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、長手方向において反射率の異なる第1の反射部、及び前記長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向において反射率の異なる第2の反射部の少なくとも一方を有する入力機器と、前記第1の反射部及び前記第2の反射部の少なくとも一方からの反射光を検出する検出部と、前記検出部での検出結果に基づいて、前記第1の反射部の前記長手方向での移動量情報及び前記第2の反射部の前記回転方向での回転量情報の少なくとも一方を求める処理部と、を含む入力システムに関係する。
【0007】
本発明の一態様では、入力機器は第1の反射部及び第2の反射部の少なくとも一方を有し、入力システムは、第1の反射部の長手方向での移動量情報及び第2の反射部の回転方向での回転量情報の少なくとも一方を求める。よって、システムの入力値として入力機器の例えば3次元的な動き情報を取得すること等が可能になる。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記第1の反射部は、前記入力機器の前記長手方向において徐々に反射率が変化し、前記第2の反射部は、前記長手方向に沿った軸の軸周りでの前記回転方向において徐々に反射率が変化してもよい。
【0009】
これにより、長手方向或いは回転方向において反射率が徐々に変化する入力機器を入力システムに使用することが可能になる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1の反射部での反射率の検出結果に基づいて、前記入力機器のポインティング位置の位置情報を求めてもよい。
【0011】
これにより、第1の反射部での反射光の検出結果に基づいて、入力機器のポインティング位置の位置情報を求めることができるため、ポインティング位置に線を描画する等の処理を行うことが可能になる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記検出部は、前記第1の反射部からの反射光を検出する第1の検出部と、前記第2の反射部からの反射光を検出する第2の検出部と、を含んでもよい。
【0013】
これにより、第1の反射部用の第1の検出部と、第2の反射部用の第2の検出部とを別々に持つ構成を取ること等も可能になる。また、2つの検出部で移動量情報及び回転量情報を求めることができる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記第1の検出部は、前記第1の反射部の第1の部分からの反射光を検出する第1部分用検出部と、前記第1の部分とは前記長手方向において異なる部分である第2の部分からの反射光を検出する第2部分用検出部と、を含み、前記処理部は、前記第1部分用検出部及び前記第2部分用検出部での検出結果に基づいて、前記入力機器の傾き情報を求めてもよい。
【0015】
これにより、第1の反射部上の異なる2つの部分からの反射光を、それぞれ第1部分用検出部と第2部分用検出部とで検出することが可能になる。また、3つの検出部で移動量情報及び回転量情報を求めることができる。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記入力機器は、ペン型入力機器であって、前記処理部は、前記第1の反射部の前記長手方向での移動量情報に基づいて、ペン型入力機器である前記入力機器の筆圧情報を求めてもよい。
【0017】
これにより、入力機器がペン型入力機器である場合には、ペンの筆圧に相当する情報を取得することが可能になる。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記検出部は、出射光を出射する照射部と、前記出射光が前記入力機器に反射することによる反射光を受光する受光部と、を含み、前記処理部は、前記受光部での受光結果に基づいて、前記第1の反射部の前記長手方向での前記移動量情報及び前記第2の反射部の前記回転量情報の少なくとも一方を求めてもよい。
【0019】
これにより、入力システムにおいて、照射部と受光部を有する構成、例えば照射部と受光部を有する光学式位置検出装置等を用いることが可能になる。
【0020】
また、本発明の一態様では、前記受光部は、前記照射部の中央部に設けられ、前記受光部は、前記照射部により出射された出射光が前記入力機器に反射することによる反射光のうち、前記照射部の方向へ反射された反射光を受光してもよい。
【0021】
これにより照射部と受光部の設けられる位置を対応付けることが可能になる。特に、入力機器に再帰性反射材が用いられた場合に、受光部は強い反射光を受光することが可能になる。
【0022】
また、本発明の一態様では、前記照射部は、第1のX座標位置に設けられた第1の照射ユニットと、前記第1のX座標位置とは異なる第2のX座標位置に設けられた第2の照射ユニットとを有し、前記受光部は、第1の照射ユニット用受光ユニットと、第2の照射ユニット用受光ユニットとを有し、前記第1の照射ユニット用受光ユニットは、前記第1の照射ユニットの中央部に対応する前記第1のX座標位置に設けられ、前記第2の照射ユニット用受光ユニットは、前記第2の照射ユニットの中央部に対応する前記第2のX座標位置に設けられてもよい。
【0023】
これにより、照射部及び受光部を複数のユニットで構成した上で、それぞれのユニットの設けられる位置を対応付けることが可能になる。上述の場合と同様に、特に入力機器に再帰性反射材が用いられた場合に、各受光ユニットは強い反射光を受光することが可能になる。また、複数の照射ユニットを設けることで、照射部(或いは受光部)からの距離情報を求めなくても、角度情報のみから入力機器の位置情報を求めることが可能になる。
【0024】
また、本発明の一態様では、前記入力機器の検出エリアに沿った対象面に直交する座標軸を、Z座標軸とした場合に、前記受光部は、第1のZ座標位置に設けられた第1の受光ユニットと、前記第1のZ座標位置とは異なる第2のZ座標位置に設けられた第2の受光ユニットとを有し、前記第1の受光ユニットは、前記第1の反射部からの反射光を受光し、前記第2の受光ユニットは、前記第2の反射部からの反射光を受光してもよい。
【0025】
これにより、異なるZ座標位置に設けられた2つの受光ユニットを用いて、移動量情報及び回転量情報を求めることができる。
【0026】
また、本発明の一態様では、前記受光部は、前記第1のZ座標位置及び前記第2のZ座標位置とは異なる第3のZ座標位置に設けられた第3の受光ユニットを有し、前記第1の受光ユニットは、前記第1の反射部の第1の部分からの反射光を受光し、前記第3の受光ユニットは、前記第1の反射部の第2の部分からの反射光を受光してもよい。
【0027】
これにより、異なるZ座標位置に設けられた3つの受光ユニットを用いて、移動量情報及び回転量情報を求めることができる。
【0028】
また、本発明の一態様では、前記第1の反射部及び前記第2の反射部は、光源から光が入射した場合に、光源の方向に対して強い反射光を返す再帰性反射材により形成されてもよい。
【0029】
これにより、入射光が入射する方向と、検出部がある方向が同じ場合に、検出部に対して強い光を返すことが可能となるため、検出される信号値を大きくすること等が可能となる。
【0030】
また、本発明の他の態様は、ペン型入力機器であって、前記ペン型入力機器又は前記ペン型入力機器のパーツの長手方向での移動量情報の検出用に設けられた第1の反射部を含み、前記第1の反射部は、前記長手方向において反射率が異なるペン型入力機器に関係する。
【0031】
本発明の他の態様では、長手方向において反射率が異なる反射部を有し、長手方向での移動量情報を検出可能なペン型入力機器を実現することができる。
【0032】
また、本発明の一態様では、前記ペン型入力機器の回転量情報の検出用に設けられた第2の反射部を含み、前記第2の反射部は、前記長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向において反射率が異なってもよい。
【0033】
これにより、回転方向において反射率が異なる反射部を有し、回転方向での回転量情報を検出可能なペン型入力機器を実現することができる。
【0034】
また、本発明の一態様では、第1のパーツと、ペン先側に設けられる第2のパーツとを含み、前記第1の反射部は、前記第1のパーツに設けられ、前記第2の反射部は、前記第2のパーツに設けられてもよい。
【0035】
これにより、第1の反射部と第2の反射部とをペン型入力機器上の別々のパーツに設けることが可能になる。
【0036】
また、本発明の他の態様は、ペン型入力機器であって、前記ペン型入力機器の長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向における、前記ペン型入力機器の回転量情報の検出用に設けられた反射部を含み、前記反射部は、前記回転方向において反射率が異なるペン型入力機器に関係する。
【0037】
本発明の他の態様では、回転方向において反射率が異なる反射部を有し、回転方向での回転量情報を検出可能なペン型入力機器を実現することができる
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態で利用可能な光学式位置検出装置の構成例。
【図2】受光部の構成例。
【図3】図3(A)、図3(B)は受光ユニットの構成例。
【図4】照射部の構成例。
【図5】図5(A)、図5(B)は座標情報検出手法を説明する図。
【図6】図6(A)、図6(B)は発光制御信号の信号波形例。
【図7】照射部の他の構成例。
【図8】本実施形態で用いられる入力機器の構成例。
【図9】変形可能な部材を用いることで長手方向での移動を可能にする例。
【図10】伸縮可能な部材を用いることで長手方向での移動を可能にする例。
【図11】検出エリアを設けることで長手方向での移動を可能にする例。
【図12】本実施形態の入力システムの構成例。
【図13】検出部の構成例。
【図14】図14(A)、図14(B)は受光ユニットを3つ設ける例を説明する図。
【図15】図15(A)、図15(B)は3次元座標情報の取得に基づく入力機器の位置の予測例。
【図16】長手方向と回転方向の例。
【図17】図17(A)、図17(B)は長手方向における反射率の変化と、誤差に対する応答を説明する図。
【図18】第1のパーツに第1の反射部が設けられ、第2のパーツに第2の反射部が設けられる例。
【図19】受光部が照射部の中央部に設けられる例。
【図20】1つの照射ユニットに2つのライトガイドが設けられる例。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0040】
1.本実施形態の手法
まず、本実施形態の手法について説明する。近年、電子黒板システム等の入力システムが広く知られている。電子黒板システムでは、対象面(ホワイトボード)上で入力機器を動かすことにより、文字や図形を描いたり、対象面に表示されているデータと連係した処理を行うことができる。
【0041】
しかし、電子黒板システムは、入力機器の2次元での位置情報を取得するものであり(例えば入力機器がペン型入力機器であればペン先と対象面の接触点等)、入力機器の押し込みや、回転、入力機器の傾き等の3次元での位置情報は考慮されていない。
【0042】
また、特許文献1に示したように、力覚を使った書道学習システムが提案されている。このシステムでは、筆先の位置だけにとどまらず、筆全体の傾き等の情報を入力に反映させることが可能である。しかし、システムが大掛かりになってしまう上、通常の筆の動きに比べた場合に違和感があるという問題が生じている。
【0043】
そこで、本出願人は以下の手法を提案する。位置検出装置を用いて、入力機器の2次元での位置情報だけではなく、3次元での位置情報を取得する。そして、取得した3次元での位置情報(入力機器の長手方向での移動量や、長手方向に沿った軸周りでの回転量、傾き等)を入力の際の情報として利用する。具体的には例えば、書道学習システム等に応用することができる。長手方向での移動量、回転方向での回転量及び傾き等を考慮することにより、書道特有のとめ、はね、払い等の表現をコンピューター上で再現することが可能となる。なお、ここでは位置検出装置として光学式位置検出装置を用いるものとする。
【0044】
以下、詳細について説明する。まず、本実施形態で用いられる光学式位置検出装置の構成例及び座標検出手法について説明する。その後、光学式位置検出装置を用いて入力機器の3次元での位置情報を取得する手法について述べる。具体的には、入力機器の構成例、光学式位置検出装置の受光ユニットの構成例、データの取得手法について説明し、最後に、アプリケーションの具体例として書道学習システムについて述べる。
【0045】
2.光学式位置検出装置の構成例
図1に、本実施形態に係る入力システムに利用可能な光学式位置検出装置100の基本的な構成例を示す。図1の光学式位置検出装置100は、検出部200、処理部300を含み、検出部200は照射部EU及び受光部RUを含む。なお、本実施形態の光学式検出システムは図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0046】
なお、入力システムは、上述したように検出部200や処理部300を含む光学式位置検出装置100を用いて実現される形態には限定されない。情報処理装置(例えばPC等)により、検出部200や処理部300の機能が実現され、照射部EU及び受光部RUと、上記情報処理装置とが連動して動作することにより、入力システムが実現されてもよい。
【0047】
検出部200は、照射光LTが対象物OBにより反射することによる反射光LRの受光結果に基づいて、対象物OB(本実施形態の入力システムにおいては入力機器)の対象物情報(例えば、座標情報や反射率情報)を検出する。具体的には例えば、検出部200は、対象物OBが検出されるエリアである検出エリアRDETがX−Y平面に沿ったエリアである場合に、少なくとも検出エリアRDETに存在する対象物OBのX座標情報及びY座標情報を検出する。なお、検出部200による座標情報の検出手法については、後述する。また、具体的には対象物OBの反射率に関する情報である反射率情報を検出する。
【0048】
検出エリアRDETとは、対象物OBが検出されるエリア(領域)であって、具体的には、例えば照射光LTが対象物OBに反射されることによる反射光LRを、受光部RUが受光して、対象物OBを検出することができるエリアである。より具体的には、受光部RUが反射光LRを受光して対象物OBを検出することが可能であって、かつ、その検出精度について、許容できる範囲の精度が確保できるエリアである。
【0049】
処理部300は、検出部200が検出した対象物情報に基づいて種々の処理を行う。この処理部300の機能は、例えばCPU等のプロセッサー及びプロセッサーで実行されるプログラムや、専用ICなどにより実現できる。
【0050】
照射部EUは、検出エリアRDETに対して照射光LTを出射する。後述するように、照射部EUは、LED(発光ダイオード)等の発光素子から成る光源部を含み、光源部が発光することで、例えば赤外光(可視光領域に近い近赤外線)を出射する。
【0051】
受光部RUは、照射光LTが対象物OBにより反射することによる反射光LRを受光する。受光部RUは、複数の受光ユニットPDを含んでもよい。受光ユニットPDは、例えばフォトダイオードやフォトトランジスターなどを用いることができる。
【0052】
図2に、本実施形態の受光部RUの具体的な構成例を示す。図2の構成例では、受光部RUは受光ユニットPDを含む。受光ユニットPDは、入射光が入射する角度(Y−Z平面上の角度)を制限するためのスリット等(入射光制限部)が設けられ、検出エリアRDETに存在する対象物OBからの反射光LRを受光する。検出部200は、受光ユニットPDの受光結果に基づいて、X座標情報及びY座標情報を検出する。なお、照射部EUは、検出エリアRDETに対して照射光LTを出射する。また検出エリアRDETは、X−Y平面に沿ったエリアである。なお、図2の構成例は1つの受光ユニットで構成されるが、2つ以上の受光ユニットを含む構成としてもよい。
【0053】
図3(A)、図3(B)に、スリットSLT(入射光制限部)を有する受光ユニットPDの構成例を示す。図3(A)に示すように、受光素子PHDの前面にスリットSLTを設けて、入射する入射光を制限する。スリットSLTはX−Y平面に沿って設けられ、入射光が入射するZ方向の角度を制限することができる。すなわち受光ユニットPDは、スリットSLTのスリット幅で規定される所定の角度で入射する入射光を受光することができる。
【0054】
図3(B)は、スリットSLTを有する受光ユニットの上から見た平面図である。例えばアルミニウム等の筐体(ケース)内に配線基板PWBが設けられ、この配線基板PWB上に受光素子PHDが実装される。
【0055】
図4に、本実施形態の照射部EUの詳細な構成例を示す。図4の構成例の照射部EUは、光源部LS1、LS2と、ライトガイドLGと、照射方向設定部LEを含む。また反射シートRSを含む。そして照射方向設定部LEは光学シートPS及びルーバーフィルムLFを含む。なお、本実施形態の照射部EUは、図4の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0056】
光源部LS1、LS2は、光源光を出射するものであり、LED(発光ダイオード)等の発光素子を有する。この光源部LS1、LS2は例えば赤外光(可視光領域に近い近赤外線)の光源光を放出する。即ち、光源部LS1、LS2が発光する光源光は、ユーザーの指やタッチペン等の対象物により効率的に反射される波長帯域の光や、外乱光となる環境光にあまり含まれない波長帯域の光であることが望ましい。具体的には、人体の表面での反射率が高い波長帯域の光である850nm付近の波長の赤外光や、環境光にあまり含まれない波長帯域の光である950nm付近の赤外光などである。
【0057】
光源部LS1は、図4のF1に示すようライトガイドLGの一端側に設けられる。また第2の光源部LS2は、F2に示すようにライトガイドLGの他端側に設けられる。そして光源部LS1が、ライトガイドLGの一端側(F1)の光入射面に対して光源光を出射することで、照射光LT1を出射し、第1の照射光強度分布LID1を対象物の検出エリアに形成(設定)する。一方、光源部LS2が、ライトガイドLGの他端側(F2)の光入射面に対して第2の光源光を出射することで、第2の照射光LT2を出射し、第1の照射光強度分布LID1とは強度分布が異なる第2の照射光強度分布LID2を検出エリアに形成する。このように照射部EUは、検出エリアRDETでの位置に応じて強度分布が異なる照射光を出射することができる。
【0058】
ライトガイドLG(導光部材)は、光源部LS1、LS2が発光した光源光を導光するものである。例えばライトガイドLGは、光源部LS1、LS2からの光源光を曲線状の導光経路に沿って導光し、その形状は曲線形状になっている。具体的には図4ではライトガイドLGは円弧形状になっている。なお図4ではライトガイドLGはその中心角が180度の円弧形状になっているが、中心角が180度よりも小さい円弧形状であってもよい。ライトガイドLGは、例えばアクリル樹脂やポリカーボネートなどの透明な樹脂部材等により形成される。
【0059】
ライトガイドLGの外周側及び内周側の少なくとも一方には、ライトガイドLGからの光源光の出光効率を調整するための加工が施されている。加工手法としては、例えば反射ドットを印刷するシルク印刷方式や、スタンパーやインジェクションで凹凸を付ける成型方式や、溝加工方式などの種々の手法を採用できる。
【0060】
プリズムシートPSとルーバーフィルムLFにより実現される照射方向設定部LEは、ライトガイドLGの外周側に設けられ、ライトガイドLGの外周側(外周面)から出射される光源光を受ける。そして曲線形状(円弧形状)のライトガイドLGの内周側から外周側へと向かう方向に照射方向が設定された照射光LT1、LT2を出射する。即ち、ライトガイドLGの外周側から出射される光源光の方向を、ライトガイドLGの例えば法線方向(半径方向)に沿った照射方向に設定(規制)する。これにより、ライトガイドLGの内周側から外周側に向かう方向に、照射光LT1、LT2が放射状に出射されるようになる。
【0061】
このような照射光LT1、LT2の照射方向の設定は、照射方向設定部LEのプリズムシートPSやルーバーフィルムLFなどにより実現される。例えばプリズムシートPSは、ライトガイドLGの外周側から低視角で出射される光源光の方向を、法線方向側に立ち上げて、出光特性のピークが法線方向になるように設定する。またルーバーフィルムLFは、法線方向以外の方向の光(低視角光)を遮光(カット)する。
【0062】
このように本実施形態の照射部EUによれば、ライトガイドLGの両端に光源部LS1、LS2を設け、これらの光源部LS1、LS2を交互に点灯させることで、2つの照射光強度分布を形成することができる。すなわちライトガイドLGの一端側の強度が高くなる照射光強度分布LID1と、ライトガイドLGの他端側の強度が高くなる照射光強度分布LID2を交互に形成することができる。
【0063】
このような照射光強度分布LID1、LID2を形成し、これらの強度分布の照射光による対象物の反射光を受光することで、環境光などの外乱光の影響を最小限に抑えた、より精度の高い対象物の検出が可能になる。即ち、外乱光に含まれる赤外成分を相殺することが可能になり、この赤外成分が対象物の検出に及ぼす悪影響を最小限に抑えることが可能になる。
【0064】
3.光学式位置検出装置による座標検出手法
図5(A)、図5(B)は、本実施形態に係る入力システムに利用可能な光学式位置検出装置100による、座標情報検出の手法を説明する図である。
【0065】
図5(A)のE1は、図4の照射光強度分布LID1において、照射光LT1の照射方向の角度と、その角度での照射光LT1の強度との関係を示す図である。図5(A)のE1では、照射方向が図5(B)のDD1の方向(左方向)である場合に強度が最も高くなる。一方、DD3の方向(右方向)である場合に強度が最も低くなり、DD2の方向ではその中間の強度になる。具体的には方向DD1から方向DD3への角度変化に対して照射光の強度は単調減少しており、例えばリニア(直線的)に変化している。なお図5(B)では、ライトガイドLGの円弧形状の中心位置が、照射部EUの配置位置PEになっている。
【0066】
また図5(A)のE2は、図4の照射光強度分布LID2において、照射光LT2の照射方向の角度と、その角度での照射光LT2の強度との関係を示す図である。図5(A)のE2では、照射方向が図5(B)のDD3の方向である場合に強度が最も高くなる。一方、DD1の方向である場合に強度が最も低くなり、DD2の方向ではその中間の強度になる。具体的には方向DD3から方向DD1への角度変化に対して照射光の強度は単調減少しており、例えばリニアに変化している。なお図5(A)では照射方向の角度と強度の関係はリニアな関係になっているが、本実施形態はこれに限定されず、例えば双曲線の関係等であってもよい。
【0067】
そして図5(B)に示すように、角度φの方向DDBに対象物OBが存在したとする。すると、光源部LS1が発光することで照射光強度分布LID1を形成した場合(E1の場合)には、図5(A)に示すように、DDB(角度φ)の方向に存在する対象物OBの位置での強度はINTaになる。一方、光源部LS2が発光することで照射光強度分布LID2を形成した場合(E2の場合)には、DDBの方向に存在する対象物OBの位置での強度はINTbになる。
【0068】
従って、これらの強度INTa、INTbの関係を求めることで、対象物OBの位置する方向DDB(角度φ)を特定できる。そして例えば後述する図6(A)、図6(B)の手法により光学式位置検出装置の配置位置PEからの対象物OBの距離を求めれば、求められた距離と方向DDBとに基づいて対象物OBの位置を特定できる。或いは、後述する図7に示すように、照射部EUとして2個の照射ユニットEU1、EU2を設け、EU1、EU2の各照射ユニットに対する対象物OBの方向DDB1(φ1)、DDB2(φ2)を求めれば、これらの方向DDB1、DDB2と照射ユニットEU1、EU2間の距離DSとにより、対象物OBの位置を特定できる。
【0069】
このような強度INTa、INTbの関係を求めるために、本実施形態では、受光部RUが、照射光強度分布LID1を形成した際の対象物OBの反射光(第1の反射光)を受光する。この時の反射光の検出受光量をGaとした場合に、このGaが強度INTaに対応するようになる。また受光部RUが、照射光強度分布LID2を形成した際の対象物OBの反射光(第2の反射光)を受光する。この時の反射光の検出受光量をGbとした場合に、このGbが強度INTbに対応するようになる。従って、検出受光量GaとGbの関係が求まれば、強度INTa、INTbの関係が求まり、対象物OBの位置する方向DDBを求めることができる。
【0070】
例えば光源部LS1の制御量(例えば電流量)、変換係数、放出光量を、各々、Ia、k、Eaとする。また光源部LS2の制御量(電流量)、変換係数、放出光量を、各々、Ib、k、Ebとする。すると下式(1)、(2)が成立する。
【0071】
Ea=k・Ia (1)
Eb=k・Ib (2)
また光源部LS1からの光源光(第1の光源光)の減衰係数をfaとし、この光源光に対応する反射光(第1の反射光)の検出受光量をGaとする。また光源部LS2からの光源光(第2の光源光)の減衰係数をfbとし、この光源光に対応する反射光(第2の反射光)の検出受光量をGbとする。すると下式(3)、(4)が成立する。
【0072】
Ga=fa・Ea=fa・k・Ia (3)
Gb=fb・Eb=fb・k・Ib (4)
従って、検出受光量Ga、Gbの比は下式(5)のように表せる。
【0073】
Ga/Gb=(fa/fb)・(Ia/Ib) (5)
ここでGa/Gbは、受光部RUでの受光結果から特定することができ、Ia/Ibは、照射部EUの制御量から特定することができる。そして図5(A)の強度INTa、INTbと減衰係数fa、fbとは一意の関係にある。例えば減衰係数fa、fbが小さな値となり、減衰量が大きい場合は、強度INTa、INTbが小さいことを意味する。一方、減衰係数fa、fbが大きな値となり、減衰量が小さい場合は、強度INTa、INTbが大きいことを意味する。従って、上式(5)から減衰率の比fa/fbを求めることで、対象物の方向、位置等を求めることが可能になる。
【0074】
より具体的には、一方の制御量IaをImに固定し、検出受光量の比Ga/Gbが1になるように、他方の制御量Ibを制御する。例えば光源部LS1、LS2を逆相で交互に点灯させる制御を行い、検出受光量の波形を解析し、検出波形が観測されなくなるように(Ga/Gb=1になるように)、他方の制御量Ibを制御する。そして、この時の他方の制御量Ib=Im・(fa/fb)から、減衰係数の比fa/fbを求めて、対象物の方向、位置等を求める。
【0075】
また下式(6)、(7)のように、Ga/Gb=1になると共に制御量IaとIbの和が一定になるように制御してもよい。
【0076】
Ga/Gb=1 (6)
Im=Ia+Ib (7)
上式(6)、(7)を上式(5)に代入すると下式(8)が成立する。
【0077】
Ga/Gb=1=(fa/fb)・(Ia/Ib)
=(fa/fb)・{(Im−Ib)/Ib} (8)
上式(8)より、Ibは下式(9)のように表される。
【0078】
Ib={fa/(fa+fb)}・Im (9)
ここでα=fa/(fa+fb)とおくと、上式(9)は下式(10)のように表され、減衰係数の比fa/fbは、αを用いて下式(11)のように表される。
【0079】
Ib=α・Im (10)
fa/fb=α/(1−α) (11)
従って、Ga/Gb=1になると共にIaとIbの和が一定値Imになるように制御すれば、そのときのIb、Imから上式(10)によりαを求め、求められたαを上式(11)に代入することで、減衰係数の比fa/fbを求めることができる。これにより、対象物の方向、位置等を求めることが可能になる。そしてGa/Gb=1になると共にIaとIbの和が一定になるように制御することで、外乱光の影響等を相殺することが可能になり、検出精度の向上を図れる。
【0080】
次に本実施形態の光学式検出システムを用いて対象物の座標情報を検出する手法の一例について説明する。図6(A)は、光源部LS1、LS2の発光制御についての信号波形例である。信号SLS1は、光源部LS1の発光制御信号であり、信号SLS2は、光源部LS2の発光制御信号であり、これらの信号SLS1、SLS2は逆相の信号になっている。また信号SRCは受光信号である。
【0081】
例えば光源部LS1は、信号SLS1がHレベルの場合に点灯(発光)し、Lレベルの場合に消灯する。また光源部LS2は、信号SLS2がHレベルの場合に点灯(発光)し、Lレベルの場合に消灯する。従って図6(A)の第1の期間T1では、光源部LS1と光源部LS2が交互に点灯するようになる。即ち光源部LS1が点灯している期間では、光源部LS2は消灯する。これにより図4に示すような照射光強度分布LID1が形成される。一方、光源部LS2が点灯している期間では、光源部LS1は消灯する。これにより図4に示すような照射光強度分布LID2が形成される。
【0082】
このように検出部200は、第1の期間T1において、光源部LS1と光源部LS2を交互に発光(点灯)させる制御を行う。そしてこの第1の期間T1において、光学式位置検出装置(照射部)から見た対象物の位置する方向が検出される。具体的には、例えば上述した式(6)、(7)のようにGa/Gb=1になると共に制御量IaとIbの和が一定になるような発光制御を、第1の期間T1において行う。そして図5(B)に示すように対象物OBの位置する方向DDBを求める。例えば上式(10)、(11)から減衰係数の比fa/fbを求め、図5(A)、図5(B)で説明した手法により対象物OBの位置する方向DDBを求める。
【0083】
そして第1の期間T1に続く第2の期間T2では、受光部RUでの受光結果に基づいて対象物OBまでの距離(方向DDBに沿った方向での距離)を検出する。そして、検出された距離と、対象物OBの方向DDBとに基づいて、対象物の位置を検出する。即ち図5(B)において、光学式位置検出装置の配置位置PEから対象物OBまでの距離と、対象物OBの位置する方向DDBを求めれば、対象物OBのX、Y座標位置を特定できる。このように、光源の点灯タイミングと受光タイミングの時間のずれから距離を求め、これと角度結果を併せることで、対象物OBの位置を特定できる。
【0084】
具体的には図6(A)では、発光制御信号SLS1、SLS2による光源部LS1、LS2の発光タイミングから、受光信号SRCがアクティブになるタイミング(反射光を受光したタイミング)までの時間Δtを検出する。即ち、光源部LS1、LS2からの光が対象物OBに反射されて受光部RUで受光されるまでの時間Δtを検出する。この時間Δtを検出することで、光の速度は既知であるため、対象物OBまでの距離を検出できる。即ち、光の到達時間のずれ幅(時間)を測定し、光の速度から距離を求める。
【0085】
なお、光の速度はかなり速いため、電気信号だけでは単純な差分を求めて時間Δtを検出することが難しいという問題もある。このような問題を解決するためには、図6(B)に示すように発光制御信号の変調を行うことが望ましい。ここで図6(B)は、制御信号SLS1、SLS2の振幅により光の強度(電流量)を模式的に表している模式的な信号波形例である。
【0086】
具体的には図6(B)では、例えば公知の連続波変調のTOF(Time Of Flight)方式で距離を検出する。この連続波変調TOF方式では、一定周期の連続波で強度変調した連続光を用いる。そして、強度変調された光を照射すると共に、反射光を、変調周期よりも短い時間間隔で複数回受光することで、反射光の波形を復調し、照射光と反射光との位相差を求めることで、距離を検出する。なお図6(B)において制御信号SLS1、SLS2のいずれか一方に対応する光のみを強度変調してもよい。また図6(B)のようなクロック波形ではなく、連続的な三角波やSin波で変調した波形であってもよい。また、連続変調した光としてパルス光を用いるパルス変調のTOF方式で、距離を検出してもよい。距離検出手法の詳細については例えば特開2009−8537号などに開示されている。
【0087】
図7に、本実施形態の照射部EUの変形例を示す。図7では、照射部EUとして第1、第2の照射ユニットEU1、EU2が設けられる。これらの第1、第2の照射ユニットEU1、EU2は、対象物OBの検出エリアRDETの面に沿った方向において所与の距離DSだけ離れて配置される。即ち図1のX軸方向に沿って距離DSだけ離れて配置される。
【0088】
第1の照射ユニットEU1は、照射方向に応じて強度が異なる第1の照射光を放射状に出射する。第2の照射ユニットEU2は、照射方向に応じて強度が異なる第2の照射光を放射状に出射する。受光部RUは、第1の照射ユニットEU1からの第1の照射光が対象物OBに反射されることによる第1の反射光と、第2の照射ユニットEU2からの第2の照射光が対象物OBに反射されることによる第2の反射光を受光する。そして検出部200は、受光部RUでの受光結果に基づいて、対象物OBの位置POBを検出する。
【0089】
具体的には検出部200は、第1の反射光の受光結果に基づいて、第1の照射ユニットEU1に対する対象物OBの方向を第1の方向DDB1(角度φ1)として検出する。また第2の反射光の受光結果に基づいて、第2の照射ユニットEU2に対する対象物OBの方向を第2の方向DDB2(角度φ2)として検出する。そして検出された第1の方向DDB1(φ1)及び第2の方向DDB2(φ2)と、第1、第2の照射ユニットEU1、EU2の間の距離DSとに基づいて、対象物OBの位置POBを求める。
【0090】
図7の変形例によれば、図6(A)、図6(B)のように光学式位置検出装置と対象物OBとの距離を求めなくても、対象物OBの位置POBを検出できるようになる。
【0091】
図7に示した構成の照射部EU(第1の照射部EU1及び第2の照射部EU2)を用いる場合、受光部RUの設けられる位置は図7の例に限定されない。変形例を図19に示す。図19では、受光部RUとして、第1の照射ユニット用受光ユニットRU1と、第2の照射ユニット用受光ユニットRU2が設けられる。RU1はEU1の中央部に設けられ、RU2はEU2の中央部に設けられる。
【0092】
図7と同様に、第1の照射ユニットEU1は、照射方向に応じて強度が異なる第1の照射光を放射状に出射し、第2の照射ユニットEU2は、照射方向に応じて強度が異なる第2の照射光を放射状に出射する。第1の照射ユニット用受光ユニットRU1は、第1の照射光が対象物OBに反射されることによる第1の反射光を受光し、第2の照射ユニット用受光ユニットRU2は、第2の照射光が対象物OBに反射されることによる第2の反射光を受光する。そして検出部200は、受光部RUでの受光結果に基づいて、対象物OBの位置POBを検出する。具体的な手法は図7と同様である。
【0093】
本実施形態においては、後述するように、対象物OBに再帰性を有する反射材により形成される反射部が設けられ、受光部RUは照射光が当該反射部に反射することによる反射光を受光することが想定される。ここで再帰性を有する反射材とは、当該反射材に対して光が入射した場合に、光が入射してきた方向に対して強い反射光を返す部材のことである。受光部RUが受光する反射光が強いほど、検出部200で検出する信号値(例えば電流値等)が大きくなるため、ノイズに強くなる等のメリットがあることに鑑みれば、特定の方向に強い反射光を返す再帰性反射材は有用であると言える。ただし、再帰性反射材を効果的に用いるためには、反射光が返される方向に受光部RUを設ける必要がある。つまり対象物OBから見て、照射部EUが設けられる方向と受光部RUが設けられる方向とが一致するという条件を満たすことが望ましい。図19の例は、この条件を満たす一例であり、図19に示した位置に受光ユニットRU1、RU2を設けることで、対象物OBから強い反射光を受光することが可能になり、対象物OBの位置POBの検出精度を図7の例に比べて高くすることができる。
【0094】
また、図19の変形例を図20に示す。図20は、1つの照射ユニットが2つのライトガイドを持つ例である。第1の照射ユニットEU1と第2の照射ユニットEU2の構成は同様になるため、ここでは第1の照射ユニットEU1について説明する。図19(及び図7)の例では、LS11が発光する際に用いられるライトガイドと、LS12が発光する際に用いられるライトガイドは、共通のライトガイドLG1の1つのみであった。それに対して、図20では、Z軸方向において異なる位置に2つのライトガイドLG11とLG22が設けられる。LG11はLS11の発光の際に用いられ、LG12はLS12の発光の際に用いられる。
【0095】
図20の変形例によれば、Z軸方向において異なる位置にライトガイドが複数設けられることになるため、X座標情報及びY座標情報の検出に加えて、Z座標情報の検出も可能になる。
【0096】
4.入力機器の3次元での位置情報の取得
次に、入力機器の3次元での位置情報を取得する手法について説明する。具体的には、入力機器の構成例、受光ユニットの構成例、データの取得手法及びアプリケーションの具体例について述べる。
【0097】
4.1 入力機器の構成例
本実施形態で用いられる入力機器の例を図8に示す。図8は入力機器の例と、入力機器の柄の部分に設けられる反射部の拡大図とを示す。ここでは、文字や図形等の入力等を考慮し、入力機器はペン型入力機器を例にとって説明するが、入力機器がこれに限定されるものではない。
【0098】
入力機器には、図8に示したように、入力機器の長手方向において反射率が異なる反射部材(第1の反射部RE1)と、長手方向に沿った軸の軸周りの回転方向において反射率が異なる反射部材(第2の反射部RE2)とが設けられる。長手方向に設けられた第1の反射部RE1での反射光に基づいて、長手方向における移動量(押し込み量)を求め、回転方向に設けられた第2の反射部RE2での反射光に基づいて、回転方向における回転量を求める。
【0099】
また、長手方向における移動量を検出するための構造については複数の手法が考えられる。例えば、図9に示したように、通常の筆と同様に、ペン先にあたる部分を変形可能な素材で形成する。このようにすれば、ペン先が対象面に触れている状態から、さらに入力機器を対象面方向(つまり長手方向)に押し込むことが可能になるため、長手方向における移動量を求めることができる。或いは、図10に示すように入力機器を第1の部分と第2の部分に分け、第1の部分と第2の部分をバネのような伸縮可能な素材で結ぶ手法が考えられる。このようにしても、バネが縮むことにより、ペン先が対象面に触れている状態から、さらに入力機器を対象面方向に押し込むことが可能になるため、長手方向における移動量を求められる。さらには、上述のような変形可能な素材やバネ機構を用いない入力機器であってもよい。その場合には例えば、ペン先を対象面から浮かせた状態でも文字等を入力できるようにする。例えば図11に示すように、対象面からある程度のZ座標範囲を入力範囲と規定して、入力範囲に入力機器が存在する場合に入力を行う。そして、その際の入力機器のZ座標情報(例えばペン先部分のZ座標情報)を求め、その座標情報の大小から長手方向における移動量を求めればよい。
【0100】
4.2 受光ユニットの構成例
次に、光学式位置検出装置100の受光ユニットの構成例について述べる。なお、ここでは図12に示したような検出部200内の受光部RUに含まれる受光ユニットとして説明するが、広義には、図13に示したような検出部200に含まれる第1の検出部210及び第2の検出部220等のことである。第1の検出部210は、第1の反射部RE1からの反射光を検出し、第2の検出部220は、第2の反射部RE2からの反射光を検出する。また、第1の検出部210は図13に示したように、第1部分用検出部211及び第2部分用検出部212等を含んでもよい。
【0101】
上述の光学式位置検出装置100の説明においては、受光ユニットは1つであるものとしていたが、本実施形態においては、受光ユニットは複数用いられるものとする。なお、上述したように、本実施形態で用いられる受光ユニットは、位置検出精度向上のため、受光する範囲(ここではZ座標範囲)が狭く限定されるものであることを前提としている。
【0102】
受光ユニットの構成例を図14(A)に示す。本実施形態においては、Z座標軸において異なる位置に複数の受光ユニットを設ける。ここでは特に3つの受光ユニットを設ける例について説明する。Z座標軸において異なる位置に設けられる受光ユニットのうち、長手方向における移動量を求めるために必要なものは、長手方向に設けられた第1の反射部RE1からの反射光を受光する受光ユニット1つである。また、回転方向での回転量を求めるために必要なものは、回転方向に設けられた第2の反射部RE2からの反射光を受光する受光ユニット1つである。さらに入力機器の傾き(及びポインティング位置)を求める際には、第1の反射部RE1、第2の反射部RE2どちらからの反射光でもよいから異なる2点からの反射光を受光する2つの受光ユニットが必要となる。よって、傾きを求める際の2つの受光ユニットのうち、一方を長手方向での移動量情報を求める受光ユニットと兼用し、他方を回転方向での回転量情報を求める受光ユニットと兼用するとすれば、長手方向での移動量情報、回転方向での回転量情報及び傾きを求める際には合計2つの受光ユニットがあればよいことになる。
【0103】
しかし、図8に示したように、回転量検出用の第2の反射部RE2は、第1の反射部RE1と区別するために、長手方向において狭い領域に配置されている。つまり、入力機器を対象面20に対して立てて使用するケースが想定されることに鑑みれば、長手方向とはZ軸方向に対応する方向になるため、回転量検出用の第2の反射部RE1は、Z座標において狭い範囲に配置されることになる。入力機器の構成例において説明したように、長手方向において入力機器はある程度移動することが想定されているため、入力機器の長手方向への移動(バネ機構の伸縮を含む)に伴って、第2の反射部RE2からの反射光が受光ユニットで受光できなくなる可能性がある。
【0104】
そこで本実施形態では、Z座標軸において異なる位置に3つの受光ユニットを設ける。そして、第1の受光ユニットは第1の反射部RE1からの反射光を受光するものとする。また、第2の受光ユニット及び第3の受光ユニットは、入力機器の長手方向での移動量を考慮した位置に設けられ、第2の受光ユニットと第3の受光ユニットのどちらかで、第2の反射部RE2からの反射光を受光する。その際、第2の反射部RE2からの反射光を受光しない方の受光ユニットは、第1の反射部RE1からの反射光を受光する。一例を図14(A)、図14(B)に示す。図14(A)のように、押し込み量が小さい状態において、第2の反射部RE2からの反射光を受光する位置(B2)に第2の受光ユニットを設け、図14(B)のように、押し込み量が大きい状態において第2の反射部RE2からの反射光を受光する位置(D1)に第3の受光ユニットを設ける。そして、図14(A)の状態では、第1の受光ユニット(B3)及び第3の受光ユニット(B1)で、第1の反射部RE1からの反射光を受光し、長手方向における移動量を求め、第2の受光ユニット(B2)で、第2の反射部RE2からの反射光を受光し、回転量を求める。同様に、図14(B)の状態では、第1の受光ユニット(D1)及び第2の受光ユニット(D2)で、第1の反射部RE1からの反射光を受光し、長手方向における移動量を求め、第3の受光ユニット(D1)で、第2の反射部RE2からの反射光を受光し、回転量を求める。
【0105】
ただし、受光ユニットの構成例は上述したものに限定されるわけではない。第2の反射部RE2をZ長手方向において広い範囲に設定できるのであれば、2つの受光ユニットで十分である。また、長手方向における移動量及び回転量のどちらか一方を求めるのであれば、2つの受光ユニットを設ければ足りる。ここで、2つとしているのは傾き情報の取得を前提としているためであり、入力機器の傾きも必要ないとなれば、1つの受光ユニットを設けるだけでもよい。
【0106】
4.3 入力データの取得手法
次に入力用データの取得手法について説明する。
【0107】
4.3.1 キャリブレーション
まず、入力位置の基準位置を設定するためのキャリブレーションを行う必要がある。ここでは具体例として、入力機器を対象面方向に対して完全に押し込んだ時を基準位置とする。
【0108】
具体的には、入力機器を対象面に対して完全に押し込んだ時の各受光ユニットにおける受光量に基づいて、3つの反射率情報をキャリブレーション情報として取得する。
【0109】
4.3.2 X座標情報及びY座標情報の取得
次に、各受光部においてX座標情報及びY座標情報を取得する。座標情報の取得手法については、光学式位置検出装置の説明において上述したとおりである。3つの受光ユニットを用いる例においては、第1の受光ユニットにおいて座標情報(X1,Y1)を取得し、第2の受光ユニットにおいて座標情報(X2,Y2)を取得し、第3の受光ユニットにおいて座標情報(X3,Y3)を取得する。そして、第1の受光ユニットが設けられているZ座標位置がZ1であり、且つ、受光ユニットはZ座標において狭い範囲の光を受光することから、第1の受光ユニットからの座標情報として、(X1,Y1,Z1)という3次元情報を取得する。同様に、第2の受光ユニットから(X2,Y2,Z2)を取得し、第3の受光ユニットから(X3,Y3,Z3)を取得する。これにより、入力機器の傾きがわかるため(ただし、入力機器は直線的な棒状のものとしている)、入力機器と対象面(描画面)との接触位置を求めることができ、接触位置はそのまま描画位置として用いることが可能である。
【0110】
4.3.3 反射率情報の取得
3つの3次元座標情報を取得したとしても、入力機器の長手方向における移動量や回転方向における回転量を求めることはできない。なぜなら、上述の3次元座標情報からは、3点を通る位置に入力機器が存在することがわかるだけであり、図15(A)の状態なのか、図15(B)の状態なのかを判別できないからである。
【0111】
そのため、本実施形態においては、入力機器(厳密には入力機器に設けられた第1、第2の反射部)の反射率情報をあわせて取得する。第1の反射部RE1は、上述したように、入力機器の長手方向においてグラデーションを描くように反射率が変化する。そのため、反射率情報(具体的には受光ユニットにおける電流値等)を用いることで、受光ユニットで検出した情報が、入力機器のどの部分に対応するものかを判定することができる。例えば、入力機器の端部からs1[cm]のポイントが(X1,Y1,Z1)に存在し、かつ、s2[cm]のポイントが(X2,Y2,Z2)に存在するということがわかれば、入力機器の3次元位置を詳細に求めることができる。同様に、第2の反射部RE2は、長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向においてグラデーションを描くように反射率が変化する。そのため、入力機器のどの部分が受光ユニットの方向を向いているかを求めることができる。
【0112】
なお、反射率情報により表される値(受光ユニットにおける電流値等)の絶対値をそのまま用いる手法には限定されない。むしろ、照射部EUにおける照射光の強度が変化する等の要因があった場合には、電流値は全体的に変化するため、1つの値の絶対値を用いたのでは問題が生じてしまう。そのため、2つの時点での反射率情報を取得し、その比較により位置情報(長手方向における移動量、回転量等)を求めてもよい。具体的には例えば、上述したキャリブレーション時の値を用いる手法が考えられる。キャリブレーション情報を基準として、キャリブレーション情報の値からの変化を検出する。上述の例では、完全に押し込んだ状態を基準位置としているため、キャリブレーション情報からの変化に基づいて、完全に押し込んだ状態からどれだけ移動或いは回転しているかを求めることができる。
【0113】
また、キャリブレーションを行ってから、実際の検出処理を行うまでの間に照射光強度の変化等の要因が発生するおそれもある。その場合には、ある時刻T1と、別の時刻T2での反射率情報をそれぞれ検出し、T1での反射率情報とT2での反射率情報との差を求めてもよい。この場合には、基準位置との比較ではないので、入力機器の絶対的な位置を求めることはできないが、T1からT2の間での移動量(例えば長手方向における移動量、或いは回転方向における回転量等)を求めることが可能になる。この際、T1とT2の間隔を十分短い間隔に設定しておけば、照射光強度等の変化等による影響を抑止することができる。
【0114】
なお、上述の例では入力機器は1つであるものとしているが、これに限定されるものではない。複数の入力機器に対して、区別可能な程度に異なる反射率を有する反射部を設けることで、複数の入力機器を同時に用いることも可能である。
【0115】
4.3.4 その他の情報の取得
以上の処理により長手方向における移動量や回転方向における回転量を求めることが可能になる。しかし、本実施形態において取得できる情報はこれに限定されるものではない。例えば、ある時刻T3と別の時刻T4との間での入力機器の移動量(ここでは長手方向における移動量ではなく、対象面に平行な方向、つまり水平方向における移動量)を求めて入力値としてもよい。これにより、入力機器を動かす早さを検出することができる。通常のペン(或いは筆等)では、ペンを早く動かしたときと、ゆっくり動かしたときとでは、描画される線には違いが生じる。そのため、水平方向の移動量情報を取得することで、入力機器を動かす早さの違いによる線の違いを表現すること等が可能になる。
【0116】
4.4 アプリケーションの具体例
以上の入力システムを用いたアプリケーションの具体例として、書道学習システムについて述べる。書道における筆を用いた文字の描写では、鉛筆やボールペンを用いた描写と異なり、筆圧等による表現が豊富である。とめ、はね、はらいに代表されるように、筆を押し込む動作、浮かせる動作等を頻繁に行ったり、また、筆を動かす早さにより線の太さを変化させたりすることで、メリハリのある文字の描写を可能にしている。
【0117】
本実施形態の入力システムでは、筆圧(押し込み量)は長手方向における移動量に基づいて求めることができ、また、傾きや水平方向における移動の早さ等も取得可能である。また、とめやはね等において用いられる筆の回転も、回転方向における回転量から求めることができる。
【0118】
よって、実際の筆を用いた場合における、筆の3次元的な動きと描画される線との対応付けを事前に取得したうえで、筆につけられる墨の量等のパラメーターを決定することで、現実の筆を用いた書道と同じ間隔で文字を描画することが可能になる。ここで、筆の3次元的な動きと描画される線との対応付けは、例えばデータベース等として保持しておけばよい。具体的には、筆の筆圧(押し込み量)、傾き、回転量、速度をパラメーターとし、パラメーターの値と描画される線(或いは点)とを対応付ける。或いは、文字を横画、縦画に分割し、縦画はさらに、とめで終わるもの、細く抜くもの、左へのはね、右へのはね、左払い、右払い等に分けて、描画される線との対応付けを行ってもよい。
【0119】
また、ここでは書道学習システムを例示したが、絵画学習システムに用いてもよい。また、入力機器をメイク用の道具に対応させることで、美容学校におけるメイク学習システムを実現することもできる。
【0120】
以上の本実施形態では、入力システムは、入力機器と、反射光の検出を行う検出部200と、検出部200での検出結果に基づいて処理を行う処理部300とを含む。入力システムに用いられる入力機器は、図8に示したように、入力機器の長手方向において反射率の異なる第1の反射部RE1及び、長手方向に沿った軸の軸周りの回転方向において反射率の異なる第2の反射部RE2の少なくとも一方を有する。また、検出部200は、第1の反射部RE1及び第2の反射部RE2の少なくとも一方からの反射光を検出する。そして、処理部300では、検出部200での検出結果に基づいて、第1の反射部RE1の長手方向での移動量情報及び第2の反射部RE2の回転方向での回転量情報の少なくとも一方を求める。なお、本実施形態の入力システムは、入力機器を含むものとしたがこれに限定されるものではない。入力機器からの情報を用いた入力システムであって、第1の反射部RE1及び第2の反射部RE2の少なくとも一方からの反射光を検出する検出部200と、検出部200での検出結果に基づいて、第1の反射部RE1の長手方向での移動量情報及び第2の反射部RE2の回転方向での回転量情報の少なくとも一方を求める処理部300と、を含む入力システムであっても良い。
【0121】
ここで、長手方向とは、入力機器OBの長さの値が大きい方向を指す。例えば鉛筆の長手方向とは、鉛筆の芯が木枠を貫く方向である。また、入力機器がペン型入力機器であれば、鉛筆の場合と同様の方向が長手方向となる。図16にペン型入力機器の長手方向E1及び回転方向E2を例示する。なお、入力機器の形状はペン型に限定されず、ペン型以外の場合の長手方向は上述の通り、長さの値が大きい方向を表すものとする。
【0122】
これにより、第1の反射部RE1の長手方向での移動量情報及び、第2の反射部RE2の回転方向での回転量情報の少なくとも一方を取得し、システムの入力として利用することが可能になる。移動量情報及び回転量情報を求めることができるのは、第1の反射部RE1が長手方向において反射率が異なること、及び、第2の反射部RE2が回転方向において反射率が異なることによる。つまり、反射率の情報も取得することにより、単純な位置情報(座標情報)からは取得が難しい情報を得ることができる。例えば、入力システムが書道学習システムに利用される場合には、長手方向での移動量情報は筆の押し込み(筆圧)に対応し、回転方向での回転量情報は筆の回転量に相当する。とめ、はね等の表現において、押し込み、回転は描かれる線を決定する重要な要素となるため、これらの情報を得ることで、実際の筆を使った書道に近い間隔で学習を行えるシステムを実現できる。なお、第1の反射部RE1の長手方向での移動とは、上述したように、図9のように先端部の変形に伴う場合もあれば、図10のように入力機器の一部の伸縮に伴う場合もある。或いは図11のように入力機器の形状を保ったまま移動するケースも考えられる。
【0123】
また、第1の反射部RE1は、入力機器の長手方向で徐々に反射率が変化してもよい。また、第2の反射部RE2は、回転方向で徐々に反射率が変化してもよい。
【0124】
徐々に反射率が変化するとは、例えば図8に示したように、反射部の一端で反射率が高く、他端に行くにつれて反射率が低くなる構成のことである。この変化は例えば、直線的な変化でもよいし、曲線的な変化であってもよい。
【0125】
これにより、上述の構成でない場合(例えば、一端から他端に向かってみた場合に、高い反射率から低い反射率に変化し、また高い反射率になる場合等)に比べて、検出の誤差の影響を抑止すること等が可能になる。極端な例で説明する。長手方向での反射率の変化が図17(A)、図17(B)であったとする。本実施形態のように、徐々に(ここでは線形に)変化する場合、反射率の検出値にF1程度の誤差が生じたとしても、対応する長手方向における検出位置は、F2のように真の値を中心にすることになり、システムに与える影響は小さい。それに対し、図17(B)の反射率では、反射率の検出値にG2程度の誤差が生じた場合、対応する長手方向における検出位置は、G2及びG3のように分布することになる。G2である場合には影響は小さいが、G3の場合には真の値に比べて極端に異なる値となってしまう。以上の理由により、反射率が長手方向或いは回転方向において徐々に変化する構成には利点があると言える。
【0126】
また、処理部300は、第1の反射部RE1での反射率の検出結果に基づいて、入力機器のポインティング位置の位置情報を求めてもよい。
【0127】
ここで、入力機器のポインティング位置とは、例えば入力機器により指し示している対象面20上の位置のことである。入力機器がペン型入力機器であるとすれば、ペン先、或いはペン先を長手方向に延長した点により指し示される対象面上の点がポインティング位置となる。
【0128】
これにより、システムの入力として、ポインティング位置の情報も用いることが可能になる。ポインティング位置がわかることで、対象面上での文字等の描画や、対象面に表示された他のデータとの連携(データの選択等)等が可能になる。具体的には例えば、第1の反射部RE1上の2点の3次元座標情報を検出し、検出した3次元座標情報からポインティング位置を求める。例えば、第1の反射部RE1上の点Aの座標が(XA,YA,ZA)、第1の反射部RE1上のAでない点Bの座標が(XB,YB,ZB)であったとする。この場合、ベクトル(XB−XA,YB−YA,ZB−ZA)と対象面(Z=0の面)との交点をポインティング位置とする手法が考えられる。また、上述の手法であれば、入力機器上の2点の3次元座標情報が解ればよく、その2点が両方とも第1の反射部RE1上の点である必要はない。例えば、第1の反射部RE1上の点と、第2の反射部RE2上の点の2点を用いて同様の処理を行ってもよい。
【0129】
また、検出部200は、図13に示したように、第1の検出部210と、第2の検出部220とを含んでもよい。第1の検出部210は、第1の反射部RE1からの反射光を検出し、第2の検出部220は、第2の反射部RE2からの反射光を検出する。
【0130】
これにより、第1の反射部RE1からの反射光の検出と、第2の反射部RE2からの反射光の検出を並列に行うことが可能になるため、処理の高速化等をはかることができる。また、後述するように、第2の検出部220等が受光ユニットとして実現される場合においては、受光ユニットの受光範囲が狭く限定される場合が想定される。その場合には、異なる位置での反射光は異なる検出部で検出する必要があるため、上述したように、検出部を複数に分ける理由が生じる。また、検出部200が第1の検出部210と第2の検出部220を含むということは、検出部200をユニット単位に分けた場合に、必要ユニット数は基本的に2つとなるということも示している。移動量情報及び回転量情報の両方を求める場合、検出部200を受光ユニットで実現する場合には、上述したように、長手方向での移動量情報用に1つ、回転方向での回転量情報用に1つの2つの受光ユニットが必要となる。そして、傾き(ポインティング位置)を求めるために必要な2つの受光ユニットを、移動量情報用と回転量情報用を流用するものとすれば、全体で必要な受光ユニット数は2つとなる。
【0131】
また、第1の検出部210は、第1部分用検出部211と、第2部分用検出部212とを含んでもよい。第1部分用検出部211は、第1の反射部RE1の第1の部分からの反射光を検出し、第2部分用検出部212は、第1の部分とは長手方向において異なる第2の部分からの反射光を検出する。そして、処理部300は、第1部分用検出部211及び第2部分用検出部212での検出結果に基づいて、入力機器の傾き情報を求めてもよい。
【0132】
これにより、第1の反射部RE1上の長手方向において異なる2点である、第1の部分と第2の部分の反射光を、第1部分用検出部211及び第2部分用検出部212において検出することが可能になる。よって、入力機器の2点の位置情報(例えば3次元座標情報)がわかるため、入力機器の傾き情報を求めることができる。傾き情報からは例えば上述したようなポインティング位置の位置情報等を求めることが可能である。また、第1の検出部210が第1部分用検出部211と第2部分用検出部212を含むと言うことは、検出部200をユニット単位に分けた場合に、ユニット数を3つで実現してもよいということも示している。ここで3つとは、第1部分用検出部211、第2部分用検出部212及び第2の検出部220のことである。図14を用いて説明したように、受光ユニットの例で言えば、第2の反射部RE2からの反射光を受光する受光ユニットは、長手方向での移動量が小さい場合と大きい場合の2つを用意しておくことが望ましい。そして2つのうちの適切な方で第2の反射部RE2からの反射光を検出し、他方で第1の反射部RE1からの反射光を検出する(後者は必ずしも必須ではない)。つまり、図14(A)で言えば、B3、B1が211、212に相当し、B2が220に相当する。また、図14(B)で言えば、D3、D2が211、212に相当し、D1が220に相当する。
【0133】
また、入力機器はペン型入力機器であってもよい。そして、処理部300は、第1の反射部RE1の長手方向での移動量情報に基づいて、ペン型入力機器である入力機器の筆圧情報を求めてもよい。
【0134】
これにより、長手方向における移動量情報からペンの筆圧を求めることが可能になる。筆圧に応じて描画される線の太さや濃さが変化することから、筆圧情報を求めることで、描画する線の種類を増やし、より豊かな表現ができる。
【0135】
また、検出部200は、出射光を出射する照射部EUと、出射光が入力機器に反射することによる反射光を受光する受光部RUとを含んでもよい。そして、処理部300は、受光部RUでの受光結果に基づいて、第1の反射部RE1の長手方向での移動量情報及び、第2の反射部RE2の回転方向での回転量情報の少なくとも一方を求める。
【0136】
これにより、本実施形態の入力システムにおいて、光学式位置検出装置100を用いることが可能になる。光学式位置検出装置100の具体例については上述したとおりである。
【0137】
また、受光部RUは照射部EUの中央部に設けられてもよい。そして、受光部RUは、照射部EUにより出射された出射光が入力機器に反射することによる反射光のうち、照射部EUの方向に反射された反射光を受光する。特に図19に示したように、照射部EUは第1の照射ユニットEU1と第2の照射ユニットEU2とを有してもよい。EU1は第1のX座標位置に設けられ、EU2は第2のX座標位置に設けられる。この場合、受光部RUは、第1の照射ユニット用受光ユニットRU1と第2の照射ユニット用受光ユニットRU2とを有する。そして、RU1はEU1の中央部に設けられ、RU2はEU2の中央部に設けられる。
【0138】
ここで、X座標位置の基準となるX軸の方向は、上述してきたとおりであり、例えば図1に示すような方向である。対象面20に沿った平面がXY平面となり、ここでは、対象面20の辺のうち水平方向の辺がX軸の方向と一致するものとする。
【0139】
これにより、照射部EUの中央部に受光部RUを設けることが可能になる。この構成は、後述する用に第1の反射部RE1と第2の反射部RE2を再帰性反射材で形成する際に特に効果を発揮する。再帰性反射材は光が入射してきた方向に対して強い反射光を返すという特性を有する。そのため、入力機器(入力機器に設けられたRE1、RE2)から見て、入射光を出射する照射部EUと、反射光を受光する受光部RUを同じ方向に設けることで、受光部RUは強い反射光を受光することが可能になる。受光する反射光の強度が強いほど、検出する信号値(例えば電流値等)が大きくなるため、入力機器の位置検出精度を向上させることができる。特に、照射ユニットと受光ユニットを2つずつ設ける図19のような構成にすることで、図6(A)、図6(B)の手法(光学式位置検出装置と入力機器との距離を求める手法)を用いなくても、入力機器の位置情報を検出できるようになる。
【0140】
また、入力機器の検出エリアに沿った対象面に直交する座標軸をZ座標軸とした場合に、受光部RUは、第1のZ座標位置に設けられた第1の受光ユニットPD1と、第2のZ座標位置に設けられた第2の受光ユニットPD2とを有する。そして、PD1は第1の反射部RE1からの反射光を受光し、PD2は第2の反射部RE2からの反射光を受光する。
【0141】
これにより、第1の反射部RE1からの反射光及び第2の反射部RE2からの反射光を受光するにあたって、それぞれ別の受光ユニットを設けることが可能になる。上述したように、各受光ユニットは、検出精度等の問題から、受光可能なZ座標範囲がスリット等により狭く限定されている。よって、第1の反射部RE1と第2の反射部RE2とは、Z座標位置に置いて異なる位置に配置されることが想定されることに鑑みれば、受光ユニットは複数も受けるのが望ましく、本実施形態では受光ユニットを少なくとも2つも受ける構成とする。なお、ここでは、長手方向での移動量情報及び回転方向での回転量情報の両方を求めるケースを想定している。
【0142】
また、受光部RUは、第1のZ座標位置及び第2のZ座標位置とは異なる第3のZ座標位置に設けられた第3の受光ユニットPD3を有してもよい。そして、PD1は第1の反射部RE1の第1の部分からの反射光を受光し、PD3は、第1の反射部RE1の第2の部分からの反射光を受光する。
【0143】
これにより、第1の反射部RE1上の長手方向において異なる2点である、第1の部分と第2の部分の反射光を、第1の受光ユニットPD1及び第2の受光ユニットPD2において検出することが可能になる。よって、入力機器の2点の位置情報(例えば3次元座標情報)がわかるため、入力機器の傾き情報を求めることができる。傾き情報からは例えば上述したようなポインティング位置の位置情報等を求めることが可能である。ここで、PD1〜PD3は図14(A)のB1〜B3(或いは図14(B)のD1〜D3)のいずれかに相当する。上述したように、長手方向での移動量に応じて第2の反射部RE2からの反射光を受光するユニットを2つ設けておき、適切な方を利用する。受光ユニットの数としては冗長になるが、第2の反射部RE2からの反射光を適切に受光することが可能となる。なお図との対応付けとしては、図14(A)では例えば、PD1がB3、PD2がB2、PD3がB1に相当する。また、図14(B)では例えば、PD1がD3、PD2がD1、PD3がD2に相当する。
【0144】
また、第1の反射部RE1及び第2の反射部RE2は、光源から光が入射した場合に、光源の方向に対して強い反射光を返す再帰性反射材によって形成されてもよい。
【0145】
これにより、入射光が来た方向に対して強い反射光を返すことが可能になる。本実施形態においては、入射光を照射する部分(例えば出射光を出射する照射部EU)と、反射光を検出する検出部(例えば反射光を受光する受光部RU)とは近い位置に設けられる場合がある。この場合、出射光が入力機器に反射した際に反射光が散乱してしまっては、検出部200で検出できる反射光の強度が弱くなってしまい、ノイズの影響が増大する等の問題が生じてしまう。その点、再帰性反射材を用いてRE1及びRE2を形成すれば、入射光を照射する部分、つまりは検出部200のある方向に対して強い反射光が帰るため、検出する信号レベル(例えば受光部における電流値等)を大きくすることが可能になる。
【0146】
また、本実施形態は、ペン型入力機器であって、ペン型入力機器又はペン型入力機器のパーツの長手方向での移動量情報の検出用に設けられた第1の反射部RE1を含むペン型入力機器に関係する。そして、第1の反射部RE1は、長手方向において反射率が異なる。
【0147】
これにより、長手方向において反射率の異なる第1の反射部RE1を有し、第1の反射部RE1を用いて、ペン型入力機器(或いはペン型入力機器のパーツ)の長手方向での移動量情報を検出するペン型入力機器を実現することが可能になる。上述してきたように、長手方向での移動量情報により、ペンの筆圧に相当する情報を取得することができ、書道学習システム等の筆圧情報が重要となるアプリケーションに応用することができる。
【0148】
また、ペン型入力機器は、ペン型入力機器の回転量情報の検出用に設けられた第2の反射部RE2を含んでもよい。そして、第2の反射部RE2は、長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向において反射率が異なる。
【0149】
これにより、長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向における回転量を求めることが可能なペン型入力機器を実現することが可能になる。線を描くにあたっては、ペンの筆圧、傾き等と同様に、ペンの回転も重要な要素となるため、回転量情報を検出することが可能な本実施形態のペン型入力機器を用いることで、より豊かな線表現が可能となる。
【0150】
また、ペン型入力機器は、第1のパーツと、ペン先側に設けられる第2のパーツとを含み、第1の反射部RE1は第1のパーツに設けられ、第2の反射部RE2は第2のパーツに設けられてもよい。
【0151】
これにより、例えば図18に示したような構成のペン型入力機器を実現することが可能になる。図18の例では第1のパーツと第2のパーツがバネ機構により接続されているものとしたがこれに限定されるものではない。このような構成にすることで、ペン型入力機器を対象面方向に押し込んだ場合にも、第2のパーツの位置、すなわち第2の反射部RE2の位置が変化しない。上述したように第2の反射部RE2はZ軸方向において狭い範囲に限定されるケースがある。そのために第2の反射部RE2の長手方向(主にZ軸方向に対応)での移動を想定し、複数の検出部を設ける必要等が生じていた。しかし、図18のようにペン先側のパーツに第2の反射部RE2を設ければ、RE2の位置は変化しないため、RE2の検出用の検出部を1つ設ければ十分になり、システムの構成を簡単化することが可能になる。
【0152】
また、本実施形態は、ペン型入力機器であって、ペン型入力機器の長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向における回転量情報の検出用に設けられた反射部を含むペン型入力機器に関係する。そして、反射部は、回転方向において反射率が異なる。
【0153】
これにより、回転方向における回転量情報を取得することが可能なペン型入力機器を実現することが可能になる。ここでは特に、長手方向での移動量情報を求めずに、回転量情報のみを求めるペン型入力機器を想定している。
【0154】
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また入力システム、ペン型入力機器等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0155】
20 対象面、100 光学式位置検出装置、200 検出部、
210 第1の検出部検出部、211 第1部分用検出部、
212 第2部分用検出部、220 第2の検出部検出部、300 処理部、
EU 照射部、LE 照射方向設定部、LF ルーバーフィルム、
LG ライトガイド、OB 対象物、PD 受光ユニット、
PD1 第1の受光ユニット、PD2 第2の受光ユニット、
PD3 第3の受光ユニット、PHD 受光素子、PS プリズムシート、
PS 光学シート、PWB 配線基板、RE1 第1の反射部、RE2 第2の反射部、
RS 反射シート、RU 受光部、SLT スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向において反射率の異なる第1の反射部、及び前記長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向において反射率の異なる第2の反射部の少なくとも一方を有する入力機器と、
前記第1の反射部及び前記第2の反射部の少なくとも一方からの反射光を検出する検出部と、
前記検出部での検出結果に基づいて、前記第1の反射部の前記長手方向での移動量情報及び前記第2の反射部の前記回転方向での回転量情報の少なくとも一方を求める処理部と、
を含むことを特徴とする入力システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の反射部は、
前記入力機器の前記長手方向において徐々に反射率が変化し、
前記第2の反射部は、
前記長手方向に沿った軸の軸周りでの前記回転方向において徐々に反射率が変化することを特徴とする入力システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記処理部は、
前記第1の反射部での反射率の検出結果に基づいて、前記入力機器のポインティング位置の位置情報を求めることを特徴とする入力システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記検出部は、
前記第1の反射部からの反射光を検出する第1の検出部と、
前記第2の反射部からの反射光を検出する第2の検出部と、
を含むことを特徴とする入力システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1の検出部は、
前記第1の反射部の第1の部分からの反射光を検出する第1部分用検出部と、
前記第1の部分とは前記長手方向において異なる部分である第2の部分からの反射光を検出する第2部分用検出部と、
を含み、
前記処理部は、
前記第1部分用検出部及び前記第2部分用検出部での検出結果に基づいて、前記入力機器の傾き情報を求めることを特徴とする入力システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記入力機器は、
ペン型入力機器であって、
前記処理部は、
前記第1の反射部の前記長手方向での移動量情報に基づいて、ペン型入力機器である前記入力機器の筆圧情報を求めることを特徴とする入力システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記検出部は、
出射光を出射する照射部と、
前記出射光が前記入力機器に反射することによる反射光を受光する受光部と、
を含み、
前記処理部は、
前記受光部での受光結果に基づいて、前記第1の反射部の前記長手方向での前記移動量情報及び前記第2の反射部の前記回転量情報の少なくとも一方を求めることを特徴とする入力システム。
【請求項8】
請求項7において、
前記受光部は、前記照射部の中央部に設けられ、
前記受光部は、
前記照射部により出射された出射光が前記入力機器に反射することによる反射光のうち、前記照射部の方向へ反射された反射光を受光することを特徴とする入力システム。
【請求項9】
請求項8において、
前記照射部は、
第1のX座標位置に設けられた第1の照射ユニットと、前記第1のX座標位置とは異なる第2のX座標位置に設けられた第2の照射ユニットとを有し、
前記受光部は、
第1の照射ユニット用受光ユニットと、第2の照射ユニット用受光ユニットとを有し、
前記第1の照射ユニット用受光ユニットは、
前記第1の照射ユニットの中央部に対応する前記第1のX座標位置に設けられ、
前記第2の照射ユニット用受光ユニットは、
前記第2の照射ユニットの中央部に対応する前記第2のX座標位置に設けられることを特徴とする入力システム。
【請求項10】
請求項7において、
前記入力機器の検出エリアに沿った対象面に直交する座標軸を、Z座標軸とした場合に、
前記受光部は、
第1のZ座標位置に設けられた第1の受光ユニットと、前記第1のZ座標位置とは異なる第2のZ座標位置に設けられた第2の受光ユニットとを有し、
前記第1の受光ユニットは、
前記第1の反射部からの反射光を受光し、
前記第2の受光ユニットは、
前記第2の反射部からの反射光を受光することを特徴とする入力システム。
【請求項11】
請求項10において、
前記受光部は、
前記第1のZ座標位置及び前記第2のZ座標位置とは異なる第3のZ座標位置に設けられた第3の受光ユニットを有し、
前記第1の受光ユニットは、
前記第1の反射部の第1の部分からの反射光を受光し、
前記第3の受光ユニットは、
前記第1の反射部の第2の部分からの反射光を受光することを特徴とする入力システム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかにおいて、
前記第1の反射部及び前記第2の反射部は、
光源から光が入射した場合に、光源の方向に対して強い反射光を返す再帰性反射材により形成されることを特徴とする入力システム。
【請求項13】
ペン型入力機器であって、
前記ペン型入力機器又は前記ペン型入力機器のパーツの長手方向での移動量情報の検出用に設けられた第1の反射部を含み、
前記第1の反射部は、
前記長手方向において反射率が異なることを特徴とするペン型入力機器。
【請求項14】
請求項13において、
前記ペン型入力機器の回転量情報の検出用に設けられた第2の反射部を含み、
前記第2の反射部は、
前記長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向において反射率が異なることを特徴とするペン型入力機器。
【請求項15】
請求項14において、
第1のパーツと、ペン先側に設けられる第2のパーツとを含み、
前記第1の反射部は、
前記第1のパーツに設けられ、
前記第2の反射部は、
前記第2のパーツに設けられることを特徴とするペン型入力機器。
【請求項16】
ペン型入力機器であって、
前記ペン型入力機器の長手方向に沿った軸の軸周りでの回転方向における、前記ペン型入力機器の回転量情報の検出用に設けられた反射部を含み、
前記反射部は、
前記回転方向において反射率が異なることを特徴とするペン型入力機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−220970(P2012−220970A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82502(P2011−82502)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】