説明

入力画面制御装置、入力画面制御方法及び入力画面制御プログラム

【課題】後のデータ利用を考慮した情報の入力を促す入力画面を作成することができる入力画面制御装置、入力画面制御方法、入力画面制御プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】属性毎に管理される定型情報が入力される定型情報入力欄と、属性を有していない非定型情報が入力される非定型情報入力欄とを有する入力画面のレイアウト情報を記憶するレイアウト情報管理テーブルから読み出したレイアウト情報により入力画面を表示する手段と、表示された前記入力画面における定型情報入力欄への定型情報の入力状況に基づき、該入力画面における非定型情報入力欄の大きさを変更する変更手段と、を有する入力画面制御装置により上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定型情報入力欄と、非定型情報入力欄とを有する入力画面を作成する入力画面制御装置、入力画面制御方法及び入力画面制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療従事者により入力された患者の診療情報を電子データとして管理する電子カルテシステム等が知られている。従来の電子カルテシステム等では、医療従事者へ提供される入力画面に入力された診療情報が電子カルテとして管理される。
【0003】
従来の診療情報の入力画面は、数値や定型の情報を入力するための定型情報入力欄と、自由にコメント等を入力することができる非定型情報入力欄とが設けられており、診療情報を入力する医療従事者毎にレイアウトを変更することができる(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−282936号公報
【特許文献2】特開2007−299064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入力画面の定型情報入力欄に入力された情報は、その属性に基づき管理されるため、統計データ等に利用することができる。しかしながら、医療情報を入力する医療従事者によっては、定型情報入力欄に入力すべき情報を非定型情報入力欄に書き込む場合がある。非定型情報入力欄に書き込まれた定型情報は、属性に基づき管理することができない。このため、定型情報が非定型情報入力欄に書き込まれた場合には、後のデータ利用において支障をきたす場合がある。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みなされたもので、後のデータ利用を考慮した情報の入力を促す入力画面を作成することができる入力画面制御装置、入力画面制御方法及び入力画面制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、属性毎に管理される定型情報が入力される定型情報入力欄と、属性を有していない非定型情報が入力される非定型情報入力欄とを有する入力画面のレイアウト情報を記憶するレイアウト情報管理テーブルから読み出したレイアウト情報により入力画面を表示する手段と、表示された前記入力画面における定型情報入力欄への定型情報の入力状況に基づき、該入力画面における非定型情報入力欄の大きさを変更する変更手段と、を有する入力画面制御装置である。
【0008】
なお、本発明の一実施形態の構成要素、表現又は構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、後のデータ利用を考慮した情報の入力を促す入力画面を作成することができる入力画面制御装置、入力画面制御方法、入力画面制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】入力画面制御装置の一例のハードウェア構成図である。
【図2】入力画面制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】利用シーンテーブルの一例を示す図である。
【図4】項目テーブルの一例を示す図である。
【図5】画面項目関連テーブルの一例を示す図である。
【図6】レイアウト情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図7】入力画面のレイアウト情報の作成を説明するフローチャートである。
【図8】利用シーンの選択画面の一例を示す図である。
【図9】項目一覧が表示された画面の一例を示す図である。
【図10】入力項目を自動配置した際の画面の一例を示す図である。
【図11】入力項目を手動で配置する際の画面の一例を示す図である。
【図12】入力画面を表示させる処理を説明するフローチャートである。
【図13】初期文字数が設定された入力画面の一例を示す図である。
【図14】コメント欄の大きさの変更を説明するフローチャートである。
【図15】コメント欄の大きさが変更された入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。
【0012】
図1は、入力画面制御装置の一例のハードウェア構成図である。入力画面制御装置1は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置11,出力装置12,ドライブ装置13,補助記憶装置14,メモリ装置15,演算処理装置16およびインターフェース装置17で構成される。
【0013】
入力装置11はキーボードやマウスなどを有し、各種信号を入力するために用いられる。出力装置12はディスプレイ装置などを有し、各種ウインドウやデータ等を表示するために用いられる。インターフェース装置17は、モデム,LANカードなどを有し、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0014】
本実施例の入力画面制御プログラムは、入力画面制御装置1を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。入力画面制御プログラムは例えば記録媒体18の配布やネットワークからのダウンロードなどによって提供される。入力画面制御プログラムを記録した記録媒体18は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0015】
また、入力画面制御プログラムを記録した記録媒体18がドライブ装置13にセットされると、入力画面制御プログラムは記録媒体18からドライブ装置13を介して補助記憶装置14にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた入力画面制御プログラムは、インターフェース装置17を介して補助記憶装置14にインストールされる。
【0016】
補助記憶装置14は、インストールされた入力画面制御プログラムを格納すると共に、必要なファイル,データ等を格納する。メモリ装置15は、コンピュータの起動時に補助記憶装置14から入力画面制御プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置16はメモリ装置15に格納された入力画面制御プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0017】
以下に、図2を参照して本実施例の入力画面制御装置1の機能構成について説明する。図2は、入力画面制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
本実施例の入力画面制御装置1は、データベース20、画面作成部30、最小値設定部40、変更部50を有する。
【0019】
本実施例の入力画面制御装置1では、画面作成処理部30により、数値等の定型情報が入力される定型情報入力欄と、コメント文等の非定型情報が入力される非定型情報入力欄とを有する入力画面を作成する。入力画面が表示された際の非定型情報入力欄の最初の大きさは、最小値設定部40により設定された大きさである。変更部50は、表示された入力画面において、定型情報入力欄に定型情報が入力されると非定型情報入力欄の大きさを大きくする。
【0020】
本実施例の入力画面制御装置1は、以上の構成により、定型情報が入力されないときは非定型情報入力欄を小さくして非定型情報入力欄へ入力できる情報量を制限し、定型情報が入力されると非定型情報入力欄を大きくする。よって本実施例の入力画面制御装置1により作成される入力画面では、定型情報の入力を優先して行うように促すことができ、後のデータ利用を考慮した情報の入力を促すことができる。
【0021】
尚本実施例における定型情報とは、属性を有し属性毎に管理できる情報であり、例えば数値、質問に対するイエス又はノーの回答、特定の物質の検出の有無等である。非定型情報とは、属性を有しておらず属性毎に管理できない情報であり、例えばテキストデータ等で入力されたコメント文等である。
【0022】
以下に入力画面制御装置1の詳細を説明する。
【0023】
本実施例のデータベース20には、画面作成処理部30、最小値設定部40、変更部50に参照される各種のテーブルが格納されている。データベース20は、例えば入力画面制御装置1の補助記憶装置14内に設けられている。
【0024】
本実施例の入力画面制御装置1は、例えば医療機関において医療従事者が患者の診療情報を入力する際に用いられる入力画面を作成する。よってデータベース20には、医療情報を入力するための入力画面を作成するのに用いられるテーブルが格納されている。
【0025】
データベース20には、利用シーンテーブル21、項目テーブル22、画面項目関連テーブル23、レイアウト情報管理テーブル24が格納されている。
【0026】
図3は、利用シーンテーブルの一例を示す図である。利用シーンテーブル21は、入力画面が利用される場面(以下、利用シーン)と、利用シーンを識別する利用シーンIDと、入院か外来かを示す区分と、入力画面が用いられる診療科とが対応付けられている。例えば手術の際に入力画面が利用される場合、利用シーン「手術」が選択される。利用シーン「手術」が選択されると、利用シーンIDは「US001」、区分は「入院」、診療科は「外科」となる。
【0027】
図4は、項目テーブルの一例を示す図である。項目テーブル22は、入力項目を識別する項目IDと、項目名称と、入力形式と、単位と、重み係数とが対応付けられている。例えば項目名称「血圧(上)」の場合、項目IDは「A101」、入力形式は「数値」、単位は「mmHg」、重み係数は「10」となる。
【0028】
項目テーブル22において入力項目は、「血圧(上)」以外にも、血圧(下)、体重、脈拍、総コレステロール等の入力形式が数値の項目と、糖等のように入力形式がコンボボックスの項目とがある。本実施例では、入力形式が数値又はコンボボックスである項目に入力される情報が定型情報である。尚コンボボックスとは、選択されるとプルダウンメニューを表示し、情報を選択させる入力形式である。
【0029】
また入力項目<S>の入力形式はフリーである。本実施例では、入力形式がフリーである項目に入力される情報が非定型情報である。以下の本実施例の説明では、非定型情報が入力される入力欄をコメント欄と呼ぶ。
【0030】
図5は、画面項目関連テーブルの一例を示す図である。画面項目関連テーブル23は、利用シーンIDと項目IDとを対応付けている。画面項目関連テーブル23では、例えば利用シーンID「US003」と項目ID「A101」〜「A203」とが対応づけられている。
【0031】
利用シーンID「US003」と対応した利用シーンは、利用シーンテーブル21によれば「病歴要約」である。また項目ID「A101」〜「A203」は、項目テーブル22に格納されている。すなわち利用シーン「病歴要約」と、項目テーブル22の項目ID「A101」〜「A203」で識別される入力項目とは対応付けられている。
【0032】
本実施例では、利用シーンが選択されると、利用シーンと対応付けられた入力項目が自動的に選択される。例えば利用シーンに「病歴要約」が選択されると、項目テーブル22に格納された入力項目のうち「病歴要約」と対応付けられた入力項目が選択される。
【0033】
図6は、レイアウト情報管理テーブルの一例を示す図である。レイアウト情報管理テーブル24には、画面作成処理部30により作成された入力画面のレイアウト情報が格納されている。レイアウト情報管理テーブル24では、入力画面の画面ID、項目ID、X座標、Y座標、幅、高さ、文字数が対応付けられている。尚文字数は、コメント欄にのみ設定されている。
【0034】
例えば項目ID「A101」の血圧(上)が入力される入力画面の画面IDは「F001」、入力画面における血圧(上)の入力欄は、X座標、Y座標(100,100)を基準として幅100、高さ20となるようにレイアウトされる。
【0035】
また項目ID「A203」は、非定型情報が入力されるため、文字数が設定されている。コメント力欄は、X座標、Y座標(100,100)を基準として幅100、高さ50であり、この入力欄の内には650文字入力することができるようにレイアウトされる。
【0036】
図2に戻って、入力画面制御装置1の機能について説明する。
【0037】
本実施例の入力画面制御装置1の画面作成処理部30は、利用シーンテーブル21、項目テーブル22、画面項目関連テーブル23を参照して入力画面のレイアウト情報を作成し、レイアウト情報管理テーブル24へ保存する。
【0038】
最小値設定部40は、画面作成処理部30により作成されたレイアウト情報に基づいて入力画面が表示される際のコメント欄の最小文字数を算出し、コメント欄の大きさを最小文字数に合わせて設定する。
【0039】
変更部50は、最小値設定部40により設定されたコメント欄の入力可能文字数を変更し、変更後の文字数に合わせてコメント欄の大きさを変更する。
【0040】
以下に各部の詳細を説明する。
【0041】
本実施例の画面作成処理部30は、入力画面を表示させるためのレイアウト情報を作成する。画面作成処理部30は、利用シーン受付部31、項目一覧表示部32、項目配置部33、座標値保存部34、初期文字数算出部35、レイアウト情報保存部36を有する。
【0042】
利用シーン受付部31は、利用シーンの選択を受け付ける。本実施例の入力画面制御装置1は、例えば入力画面の作成要求を受け付けると、出力装置12に利用シーンテーブル21に基づき利用シーンの選択画面を表示させて、利用シーンを選択させる。利用シーン受付部31は、利用シーンの選択を受け付ける。
【0043】
項目一覧表示部32は、利用シーン受付部31で受け付けた利用シーンと対応付けられた入力項目の一覧を出力装置12に表示させる。尚本実施例では、表示された入力項目一覧に、新たな入力項目を追加することができる。
【0044】
項目配置部33は、項目一覧表示部32により表示された入力項目の入力欄の配置を行う。尚本実施例の項目配置部33は、表示された入力項目の入力欄の配置を自動的に行っても良い。また本実施例の項目配置部33は、入力装置11から入力される指示に従って入力欄の配置を行っても良い。
【0045】
座標値保存部34は、項目配置部33により配置された入力項目毎の入力欄の座標値を一時的に保存する。
【0046】
初期文字数算出部35は、項目配置部33により配置された入力項目と、項目テーブル22とから、コメント欄に入力可能な文字数を算出する。本実施例では、初期文字数算出部35により算出された文字数がコメント欄に入力可能な文字数の初期値であり、レイアウト情報の一部としてレイアウト情報管理テーブル24に格納される。以下の説明において、初期文字数算出部35により算出された文字数を初期文字数と呼ぶ。初期文字数算出部35による初期文字数の算出の詳細は後述する。
【0047】
レイアウト情報保存部36は、座標値保存部34により保存された座標値と、初期文字数算出部35により算出された初期文字数と、をレイアウト情報としてレイアウト情報管理テーブル24に保存する。
【0048】
本実施例の最小値設定部40は、レイアウト情報取得部41、項目情報取得部42、最小文字数算出部43、コメント欄設定部44を有する。
【0049】
レイアウト情報取得部41は、データベース20のレイアウト情報管理テーブル24から、表示させる入力画面と対応するレイアウト情報を取得する。例えば画面ID001の入力画面を表示させる場合、レイアウト情報取得部41は、レイアウト情報管理テーブル24を参照して画面ID001と対応付けられたレイアウト情報を取得する。
【0050】
項目情報取得部42は、取得されたレイアウト情報から項目情報を取得する。本実施例の項目情報とは、レイアウト情報に含まれる入力項目の種類と入力項目毎に対応付けられた入力項目毎の重み係数とを示す情報である。
【0051】
最小文字数算出部43は、項目情報取得部42により取得された入力項目の種類と、入力項目毎に対応付けられた重み係数とに基づき、コメント欄に入力可能な文字数の最小値を算出する。以下の説明において、最小文字数算出部43により算出された文字数を最小文字数と呼ぶ。最小文字数算出部43による最小文字数の算出の詳細は後述する。
【0052】
コメント欄設定部44は、最小文字数算出部43により算出された最小文字数に基づきコメント欄の大きさを設定する。
【0053】
本実施例の変更部50は、最小値設定部40により設定されたコメント欄の最小文字数を定型情報の入力状況に応じて増加させ、増加した文字数に基づき入力画面に表示されたコメント欄の大きさを大きくする。
【0054】
変更部50は、入力受付部51、重み係数取得部52、文字数算出部53、コメント欄変更部54を有する。
【0055】
入力受付部51は、定型情報の入力を受け付ける。重み係数取得部52は、入力された定型情報の入力項目に対応した重み係数を、項目テーブル22を参照して取得する。文字数算出部53は、重み係数取得部52により取得された重み係数と、最小文字数とに基づき、コメント欄へ入力可能な文字数を算出する。文字数算出部53による文字数の算出の詳細は後述する。
【0056】
コメント欄変更部54は、文字数算出部53により算出された文字数に基づきコメント欄の大きさを変更する。
【0057】
次に、図7を参照して本実施例の入力画面制御装置1による入力画面のレイアウト情報の作成について説明する。図7は、入力画面のレイアウト情報の作成を説明するフローチャートである。
【0058】
入力画面の作成要求を受けると、ステップS701において利用シーン受付部31は入力画面の利用シーンを選択させる。
【0059】
図8は、利用シーンの選択画面の一例を示す図である。本実施例の入力画面制御装置1は、入力画面の作成要求を受けると図8に示す画面80を出力装置12に表示させても良い。本実施例では利用シーンの選択だけでなく、画面80に表示された領域81において診療科を選択できる。また領域82において入院か外来かを選択できる。また本実施例では、例えば利用シーンテーブル21に該当する利用シーンが存在しない場合、画面80において新たに利用シーンを設定することができる。
【0060】
ステップS701で利用シーンが選択されるとステップS702へ進む。ステップS702において項目一覧表示部32は、画面項目関連テーブル23を参照して選択された利用シーンIDと対応する入力項目を検索する。項目一覧表示部32は、選択された利用シーンIDと対応する入力項目の一覧を取得し、出力装置12に表示させる。例えば選択された利用シーンが「病歴要約」であった場合、「病歴要約」に対応付けられた入力項目の一覧が表示される。
【0061】
また本実施例では、入力項目の一覧と共に、入力項目の配置方法を選択させるための表示を行う。入力項目の配置方法とは、予め入力画面制御装置1に設定されたレイアウト情報に従って入力項目の配置を行う自動配置と、入力画面を作成している医療従事者が手動で配置する手動配置との2通りである。
【0062】
図9は、項目一覧が表示された画面の一例を示す図である。図9では、利用シーンに「病歴要約」が選択された例である。項目一覧表示部32は、画面項目関連テーブル23と、項目テーブル22とから、利用シーン「病歴要約」と対応付けられた項目IDに該当する入力項目の一覧を抽出して画面90のように表示させる。また画面90の領域91には、入力項目の配置方法として、自動配置か又は手動配置かを選択させるたるめボタンが表示されている。
【0063】
ステップS703において、入力項目の自動配置が選択された場合はステップS704へ進む。ステップS704において、項目配置部33は、一覧表示された入力項目を自動的に配置する。入力項目を自動的に配置する場合は、項目配置部33は、例えば予め入力画面制御装置1に設定された座標値等に従って入力項目を配置する。
【0064】
図10は、入力項目を自動配置した際の画面の一例を示す図である。画面100では、入力項目の一覧が表示される一覧表示領域101と、入力項目の配置が表示される配置領域102とが設けられている。本実施例では、自動配置が選択されると、一覧表示領域101に表示された入力項目全てが配置領域102へ配置される。
【0065】
図7へ戻って、ステップS703において、入力項目の手動配置が選択された場合はステップS705へ進み、項目配置部33は、入力装置11に操作に従って入力項目を配置する。
【0066】
図11は、入力項目を手動で配置する際の画面の一例を示す図である。画面110では、一覧表示領域101に表示された入力項目のうち所望の入力項目が入力装置11であるマウス等のドラッグアンドドロップにより配置領域102へ配置される。入力項目を手動で配置する場合には、一覧表示領域101に表示された全ての入力項目を配置することなく、必要な入力項目のみを配置させることができる。
【0067】
図7に戻って、入力項目の配置が完了すると、ステップS706に進み、座標値保存部34は入力項目の配置を示す座標値を取得して保存する。ステップS706に続いてステップS707へ進み、初期文字数算出部35は、コメント欄の初期文字数を算出する。
【0068】
以下に初期文字数算出部35によるコメント欄の初期文字数の算出について説明する。本実施例では、入力項目毎に付与された重み係数1当たりの文字数が予め設定されている。初期文字数算出部35は、入力項目の一覧において入力項目毎に付与された重み係数を合算した値と、重み係数1当たりの文字数と、を乗算した値を初期文字数として算出する。
【0069】
本実施例において、例えば利用シーンに病歴要約が選択されると、図4の項目テーブル22に示される入力項目の一覧が得られる。各入力項目には重み係数が付与されており、各入力項目の重み係数を合算した値は65となる。本実施例において重み係数1当たりの文字数が10文字とした場合、コメント欄の初期文字数は、65と10とを乗算した値となり、650文字となる。
【0070】
図7に戻って、ステップS707において初期文字数が算出されると、ステップS708へ進み、項目配置部33は、算出された初期文字数に従ってコメント欄の大きさを決定し、コメント欄を配置する。
【0071】
ステップ708に続いてステップS709へ進み、レイアウト情報保存部36は、ステップS706で保存された入力項目の配置を示す座標値と、コメント欄の配置を示す座標値と、初期文字数とをレイアウト情報としてレイアウト情報管理テーブル24へ保存する。
【0072】
次に図12を参照して本実施例の入力画面制御装置1で生成されたレイアウト情報により入力画面を表示させる処理について説明する。図12は、入力画面を表示させる処理を説明するフローチャートである。
【0073】
本実施例では、入力画面を表示させる際に、初期文字数を用いてコメント入力欄に入力可能な最小文字数を算出し、算出した最小文字数に合わせてコメント欄の大きさを設定する。
【0074】
入力画面制御装置1は、ステップS1201において入力画面の表示要求を受けると、ステップS1202へ進む。ステップS1202において、入力画面制御装置1は、最小値設定部40の項目情報取得部42により、要求を受けた入力画面の入力項目を全て取得する。具体的には項目情報取得部42は、レイアウト情報管理テーブル24において表示要求を受けた入力画面の画面IDと対応付けられた項目IDを抽出し、項目テーブル22を参照して項目IDと対応付けられた入力項目を取得する。
【0075】
ステップS1202に続いてステップS1203へ進み、項目情報取得部42は、項目テーブル22を参照して取得した入力項目毎の重み係数を取得し、取得した重み係数を合算する。ステップS1203に続いてステップS1204へ進み、レイアウト情報取得部41は、要求された入力画面を表示させるためのレイアウト情報をレイアウト情報管理テーブル24から取得し、レイアウト情報に含まれる初期文字数を取得する。
【0076】
ステップS1204に続いてステップS1205へ進み、最小文字数算出部43は、初期文字数を用いて最小文字数を算出する。
【0077】
以下に最小文字数の算出について説明する。本実施例では、入力項目の重み係数の合算と、初期文字数と、に基づき最小文字数を算出する。
【0078】
本実施例において最小文字数は、初期文字数−(重み係数を合算した値×重み係数1当たりの文字数)/2により算出される。すなわち本実施例において最小文字数は、初期文字数−初期文字数/2により算出される。尚本実施例では、初期文字数から引かれる値を、初期文字数を2で割った値としたが、初期文字数から引かれる値は、初期文字数を所定数で割った値であれば良い。
【0079】
ステップS1205において最小文字数が算出されるとステップS1206へ進み、コメント欄設定部44は、最小文字数に合わせてコメント欄の大きさを設定する。
【0080】
以上の処理で表示された入力画面の一例を図13に示す。図13は、最小文字数が設定された入力画面の一例を示す図である。
【0081】
入力画面130は、コメント欄131と定型情報入力欄132とが設けられている。コメント欄131は、属性により管理することのできない非定型情報が入力される欄であり、定型情報入力欄132は、属性により管理することのできる定型情報が入力される欄である。入力画面130では、定型情報入力欄132に何も入力されていないため、コメント欄131の入力可能文字数は最小文字数であり、コメント欄131の大きさも最も小さい状態である。
【0082】
本実施例では、定型情報入力欄132に定型情報が入力されると、定型情報の入力状況に応じてコメント欄131が大きくなるように変更される。
【0083】
以下に図14を参照してコメント欄131の大きさの変更について説明する。図14は、コメント欄の大きさの変更を説明するフローチャートである。
【0084】
ステップS1401において、定型情報が入力されると、変更部50の入力受付部51が入力を受け付け、ステップS1402へ進む。ステップS1402において変更部50の重み係数取得部52は、項目テーブル22を参照し、入力された定型情報の入力項目の重み係数を取得する。
【0085】
ステップS1402に続いてステップS1403へ進み、文字数算出部53は、取得した重み係数を用いて最小文字数に加算する文字数(以下、加算文字数)を算出する。本実施例の文字数算出部53では、重み係数と重み係数1当たりの文字数とを乗算した値を加算文字数とする。
【0086】
ステップS1403に続いてステップS1404へ進み、コメント欄変更部54は、加算文字数と最小文字数との和が、初期文字数以下であるか否かを判断する。ステップS1404において加算文字数と最小文字数との和が、初期文字数以下である場合、ステップS1405へ進む。ステップS1404において加算文字数と最小文字数との和が、初期文字数より大きい場合、処理を終了する。
【0087】
ステップS1405においてコメント欄変更部54は、最小文字数と加算文字数との和の文字数をコメント欄に入力可能な文字数とし、最小文字数と加算文字数との合計の文字数に合わせてコメント欄の大きさを変更する。
【0088】
以上の処理で表示された入力画面の一例を図15に示す。図15は、コメント欄の大きさが変更された入力画面の一例を示す図である。
【0089】
画面150のコメント欄131Aは、画面130のコメント欄131よりも大きくされている。画面150では、定型情報入力欄132の欄132Aと欄132Bに定型情報が入力されているためである。画面150のコメント欄131Aは、入力済みの定型情報の入力項目に対応した加算文字数が最小文字数に加算されており、入力可能な文字数が画面130のコメント欄131よりも多くなっている。
【0090】
以上に説明したように、本実施例の入力画面制御装置1により作成される入力画面では、定型情報が入力される前のコメント欄に入力可能な文字数は最小文字数であり、多くの情報を入力できないようにしている。このため本実施例によれば、定型情報を優先的に入力するよう促すことができる。
【0091】
定型情報は、属性毎に管理することができるため、後の統計データ等に利用することができる。よって本実施例によれば、後のデータ利用を考慮した情報の入力を促すことができる。
【0092】
また本実施例では、定型情報が入力されると、入力された定型情報に対応してコメント欄に入力可能な文字数を増やし、コメント欄を大きくする。したがって定型情報を入力した後に、より多くの非定型情報を入力することができるようになる。
【0093】
尚本実施例の説明では、コメント欄を小さくすることもできる。例えば入力画面において定型情報が入力された状態から定型情報が削除された場合、コメント欄への入力可能文字数は、削除された定型情報の入力項目に付与された重み係数に基づき算出された文字数を減算した文字数としても良い。この場合コメント欄の大きさは、入力可能文字数が減った分小さくされる。
【0094】
また本実施例では、入力画面制御装置1がデータベース20、画面作成処理部30、最小値設定部40、変更部50を有する構成としたが、最小値設定部40と変更部50とは入力画面制御装置1と接続された外部装置へ設けられても良い。この場合、入力画面制御装置1と外部装置とはネットワーク等を介して接続されている。入力画面制御装置1は、外部装置からの入力画面の表示要求に基づき、該当するレイアウト情報を外部装置へ送信する。外部装置は、レイアウト情報に基づき、最小文字数を算出して入力画面を表示させても良い。また外部装置において定型情報が入力された場合は、入力画面制御装置1のデータベース20にアクセスして所望のテーブルを参照し、入力画面のコメント欄の大きさを変更しても良い。
【0095】
本発明は、以下に記載する付記のような構成が考えられる。
(付記1)
属性毎に管理される定型情報が入力される定型情報入力欄と、属性を有していない非定型情報が入力される非定型情報入力欄とを有する入力画面のレイアウト情報を記憶するレイアウト情報管理テーブルから読み出したレイアウト情報により入力画面を表示する手段と、
表示された前記入力画面における定型情報入力欄への定型情報の入力状況に基づき、該入力画面における非定型情報入力欄の大きさを変更する変更手段と、を有する入力画面制御装置。
(付記2)
前記変更手段は、
前記定型情報入力欄への前記定型情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段が入力を受け付けた前記定型情報の入力項目に付与された重み係数を、前記入力項目と前記重み係数とが対応付けられた項目テーブルから取得する重み係数取得手段と、
前記重み係数取得手段により取得された前記重み係数に基づき、前記非定型入力欄に入力できる文字数を算出する文字数算出手段と、を有し、
前記文字数算出手段により算出された前記非定型入力欄に入力できる文字数に基づき前記非定型入力欄の大きさを変更する付記1記載の入力画面制御装置。
(付記3)
前記定型情報入力欄と、前記非定型情報入力欄とを有する前記入力画面の前記レイアウト情報を作成してレイアウト情報管理テーブルへ記憶させる画面作成処理手段をさらに有し、
前記画面作成処理手段は、
前記入力画面の利用場面が選択されたことを受け付ける利用場面受付手段と、
前記入力画面の利用場面と前記入力画面に表示させる前記入力項目とが対応付けられた利用場面テーブルから選択された前記利用場面に対応した前記入力項目の一覧を取得する項目一覧取得手段と、を有する付記1又は2の何れか一項に記載の入力画面制御装置。
(付記4)
前記画面作成処理手段は、
前記項目テーブルにより、前記項目一覧取得手段により取得された前記入力項目の一覧に含まれる前記入力項目毎の前記重み係数を取得し、前記入力項目毎の前記重み係数に基づき前記非定型情報入力欄に入力できる文字数の初期値を算出する初期文字数算出手段を有し、
前記初期文字数を前記レイアウト情報に含まれる情報として前記レイアウト情報管理テーブルに記憶させる付記3記載の入力画面制御装置。
(付記5)
前記入力画面の表示要求を受けたとき、前記レイアウト情報管理テーブルに記憶された前記レイアウト情報を取得するレイアウト情報取得手段と、
前記レイアウト情報に含まれる前記初期文字数から前記初期文字数を所定数で割り算した値を減算して前記非定型情報入力欄に入力できる最小文字数を算出する最小文字数算出手段と、を有する付記4記載の入力画面制御装置。
(付記6)
入力画面のレイアウト情報管理テーブルが格納されたデータベースを有する入力画面制御装置による入力画面制御方法であって、
属性毎に管理される定型情報が入力される定型情報入力欄と、属性を有していない非定型情報が入力される非定型情報入力欄とを有する入力画面のレイアウト情報を記憶するレイアウト情報管理テーブルから読み出したレイアウト情報により入力画面を表示する手順と、
表示された前記入力画面における定型情報入力欄への定型情報の入力状況に基づき、該入力画面における非定型情報入力欄の大きさを変更する変更手順と、を実行する入力画面制御方法。
(付記7)
入力画面のレイアウト情報管理テーブルが格納されたデータベースを有する入力画面制御装置において実行される入力画面制御プログラムであって、
前記入力画面制御装置に、
属性毎に管理される定型情報が入力される定型情報入力欄と、属性を有していない非定型情報が入力される非定型情報入力欄とを有する入力画面のレイアウト情報を記憶するレイアウト情報管理テーブルから読み出したレイアウト情報により入力画面を表示するステップと、
表示された前記入力画面における定型情報入力欄への定型情報の入力状況に基づき、該入力画面における非定型情報入力欄の大きさを変更する変更ステップと、を実行させる入力画面制御プログラム。
【0096】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 入力画面制御装置
20 データベース
21 利用シーンテーブル
22 項目テーブル
23 画面項目関連テーブル
24 レイアウト情報管理テーブル
30 画面作成処理部
31 利用シーン受付部
35 初期文字数算出部
36 レイアウト情報保存部
40 最小値設定部
43 最小文字数算出部
44 コメント欄設定部
50 変更部
51 入力受付部
53 文字数算出部
54 コメント欄変更部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
属性毎に管理される定型情報が入力される定型情報入力欄と、属性を有していない非定型情報が入力される非定型情報入力欄とを有する入力画面のレイアウト情報を記憶するレイアウト情報管理テーブルから読み出したレイアウト情報により入力画面を表示する手段と、
表示された前記入力画面における定型情報入力欄への定型情報の入力状況に基づき、該入力画面における非定型情報入力欄の大きさを変更する変更手段と、を有する入力画面制御装置。
【請求項2】
前記変更手段は、
前記定型情報入力欄への前記定型情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段が入力を受け付けた前記定型情報の入力項目に付与された重み係数を、前記入力項目と前記重み係数とが対応付けられた項目テーブルから取得する重み係数取得手段と、
前記重み係数取得手段により取得された前記重み係数に基づき、前記非定型入力欄に入力できる文字数を算出する文字数算出手段と、を有し、
前記文字数算出手段により算出された前記非定型入力欄に入力できる文字数に基づき前記非定型入力欄の大きさを変更する請求項1記載の入力画面制御装置。
【請求項3】
入力画面のレイアウト情報管理テーブルが格納されたデータベースを有する入力画面制御装置による入力画面制御方法であって、
属性毎に管理される定型情報が入力される定型情報入力欄と、属性を有していない非定型情報が入力される非定型情報入力欄とを有する入力画面のレイアウト情報を記憶するレイアウト情報管理テーブルから読み出したレイアウト情報により入力画面を表示する手順と、
表示された前記入力画面における定型情報入力欄への定型情報の入力状況に基づき、該入力画面における非定型情報入力欄の大きさを変更する変更手順と、を実行する入力画面制御方法。
【請求項4】
入力画面のレイアウト情報管理テーブルが格納されたデータベースを有する入力画面制御装置において実行される入力画面制御プログラムであって、
前記入力画面制御装置に、
属性毎に管理される定型情報が入力される定型情報入力欄と、属性を有していない非定型情報が入力される非定型情報入力欄とを有する入力画面のレイアウト情報を記憶するレイアウト情報管理テーブルから読み出したレイアウト情報により入力画面を表示するステップと、
表示された前記入力画面における定型情報入力欄への定型情報の入力状況に基づき、該入力画面における非定型情報入力欄の大きさを変更する変更ステップと、を実行させる入力画面制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−257168(P2010−257168A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105843(P2009−105843)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】