説明

入力装置、入力方法、及び入力プログラム

【課題】操作性、及び利便性を向上する。
【解決手段】データ表示/センサ装置100は、像の検知によりユーザの操作を取得可能で、かつ、文字入力を行うための第2入力画面L2と、文書を編集するための第1入力画面L1とを重畳表示するセンサ内蔵液晶パネル301と、上記像の面積に応じて、第1入力画面L1又は第2入力画面L2を選択する入力画面選択部830と、第1入力画面L1が選択されたときの、センサ内蔵液晶パネル301が取得したユーザの操作を第1入力画面L1に適用して、第1入力画面L1の文書内の位置を指定する位置指定部841と、第2入力画面L2が選択されたときの、センサ内蔵液晶パネル301が取得したユーザの操作を第2入力画面L2に適用して、入力する文字を決定する文字決定部851と、文字決定部851が決定した文字を、位置指定部841が指定した第1入力画面L1の文書内の位置に入力する編集部842とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の表示および対象物の読み取りを同時に行うことができ、特に、異なる複数の入力画面を表示する入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザからの指やタッチペンなどの接触を検知し、当該検知した指などの接触をユーザの入力操作として取得する入力装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、タッチパネルへのタッチ面積の大小を検出することにより、タッチペンによるオーバーレイ入力か、オペレータの指によるコマンド入力かの区別を行う画像表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−68392号公報(平成4年3月4日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成では、オーバーレイ入力を行うための領域と、コマンド入力を行うための領域との何れか一方を表示しているので、何れか一方の入力操作しか取得することができず、操作性が悪い。
【0006】
また、1画面内に、オーバーレイ入力を行うための領域と、コマンド入力を行うための領域とを設ける場合、それぞれ、1画面内の別の領域に設ける必要がある。このため、それぞれ設けられた領域の表示面積が小さくなり、操作性が悪くなる。
【0007】
さらに、オーバーレイ入力を行う領域から取得される入力操作と、コマンド入力を行う領域から取得される入力操作とを有機的に関連付けて用いることについて開示されていないので、複数種類の入力操作を取得可能なアプリケーションを操作する場合、利便性が低いという課題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作性、及び利便性を向上した入力装置、入力方法、及び入力プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る入力装置は、上記課題を解決するために、近傍の像を検知することによりユーザの操作を取得することが可能であって、かつ、文字入力を行うための第2入力画面と、文書を編集するための第1入力画面とを重畳表示する面状部材と、上記面状部材が検知した像の面積に応じて、上記第1入力画面又は第2入力画面を選択する入力画面選択手段と、上記入力画面選択手段が上記第1入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第1入力画面に適用して、上記第1入力画面の文書内の位置を指定する位置指定手段と、上記入力画面選択手段が上記第2入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第2入力画面に適用して、入力する文字を決定する文字決定手段と、上記文字決定手段が決定した文字を、上記位置指定手段が指定した上記第1入力画面の文書内の位置に入力する編集手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る入力方法は、上記課題を解決するために、近傍の像を検知することによりユーザの操作を取得することが可能であって、かつ、文字入力を行うための第2入力画面と、文書を編集するための第1入力画面とを重畳表示する面状部材を備える入力装置の入力方法であって、上記面状部材が検知した像の面積に応じて、上記第1入力画面又は第2入力画面を選択する入力画面選択ステップと、上記入力画面選択ステップで上記第1入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第1入力画面に適用して、上記第1入力画面の文書内の位置を指定する位置指定ステップと、上記入力画面選択ステップで上記第2入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第2入力画面に適用して、入力する文字を決定する文字決定ステップと、上記文字決定ステップで決定した文字を、上記位置指定ステップで指定した上記第1入力画面の文書内の位置に入力する編集ステップとを備える。
【0011】
ここで、文字とは、数字、記号、特殊記号等も含み、さらに特殊記号には、スペースや、改行なども含むものとする。
【0012】
上記構成によると、近傍の像を検知することによりユーザの操作を取得することが可能である上記面状部材は、文書を編集するための第1入力画面と、文字入力を行うための第2入力画面とを重畳表示する。これにより、上記面状部材は、第1入力画面及び第2入力画面それぞれから、ユーザの操作を取得することが可能である。
【0013】
さらに、上記面状部材は、上記第1入力画面と、上記第2入力画面とを重畳表示しているので、1画面内に、文字入力を行うための領域と、文書を編集するための領域とを分けて配置する必要がない。このため、ユーザの操作を取得するための領域の個数が多くなったとしても、当該領域の面積が小さくなることを抑制することができる。これにより、ユーザの操作性が悪くなくことを抑制することができる。
【0014】
また、上記入力画面選択手段は、上記面状部材が検知した像の面積に応じて、上記入力操作を取得するための上記第1入力画面、又は第2入力画面を選択する。このため、ユーザに対して、面状部材が検知する像の面積を変更させるだけで、ユーザの操作を取得する第1入力画面と、第2入力画面とを選択することができるので、ユーザに対して、容易に操作を選択させることができ、利便性の高い入力装置を構成できる。
【0015】
さらに、上記位置指定手段は、上記入力画面選択手段が上記第1入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第1入力画面に適用して、上記第1入力画面の文書内の位置を指定する。そして、上記文字決定手段は、上記入力画面選択手段が上記第2入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第2入力画面に適用して、入力する文字を決定する。さらに、上記編集手段は、上記文字決定手段が決定した文字を、上記位置指定手段が指定した上記第1入力画面の文書内の位置に入力する。
【0016】
このため、上記面状部材は、上記位置指定手段が指定する上記第1入力画面内の文書内の位置に、上記第2入力画面から取得するユーザの操作から得られる文字を表示することができる。
【0017】
このように、像の面積を変更することにより、第1入力画面から取得するユーザの操作と、第2入力画面から取得するユーザの操作とを関連付けて、取得することができるので、利便性の高い入力装置を提供できる。
【0018】
すなわち、上記構成によると、操作性、及び利便性を向上した入力装置を提供できる。
【0019】
さらに、本発明の入力装置は、上記位置指定手段が指定した上記第1入力画面内の位置を含む第1領域が、上記面状部材が上記第2入力画面からユーザの操作を取得するために上記第2入力画面に配置された第2領域と重なるかを判定する判定手段と、上記判定手段によって、上記第1領域が上記第2領域と重なると判定された場合、上記第1領域と異なる位置に、上記第2領域を移動させる移動手段とを備えることが好ましい。
【0020】
上記構成により、上記判定手段より、上記位置指定手段が指定した上記第1入力画面内の位置を含む第1領域が、上記第2入力画面に配置された上記第2入力領域と重なると判定された場合、上記移動手段により、上記第2領域は、上記第1領域と異なる位置に移動して、上記面状部材に表示される。
【0021】
このため、上記第1領域と、上記第2領域とに文字の情報が表示されていたとしても、それぞれの領域内の表示をユーザに視認させやすくすることができる。
【0022】
さらに、本発明の入力装置は、上記面状部材が検知した像の面積の値を算出し、当該算出した面積の値が、予め決められた閾値より大きいかを判定する面積判定手段を備え、上記入力画面選択手段は、上記面積判定手段が判定した結果に基づいて、ユーザの操作を取得するための上記第1入力画面又は上記第2入力画面を選択する。
【0023】
これにより、ユーザに対して、第1入力画面及び第2入力画面を容易に選択させることができる。
【0024】
上記構成により、ユーザに対して、面状部材に検知させる像の面積を変更させるだけで、上記入力画面選択手段は、ユーザの操作を取得するための上記第1入力画面、又は上記第2入力画面とを選択することができる。また、上記閾値を変更することにより、上記面積判定手段が判定する判定結果を変更することができるので、利便性の高い入力装置を提供できる。
【0025】
また、本発明に係る入力装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として駆動させることを特徴とするプログラムも本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の入力装置は、近傍の像を検知することによりユーザの操作を取得することが可能であって、かつ、文字入力を行うための第2入力画面と、文書を編集するための第1入力画面とを重畳表示する面状部材と、上記面状部材が検知した像の面積に応じて、上記第1入力画面又は第2入力画面を選択する入力画面選択手段と、上記入力画面選択手段が上記第1入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第1入力画面に適用して、上記第1入力画面の文書内の位置を指定する位置指定手段と、上記入力画面選択手段が上記第2入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第2入力画面に適用して、入力する文字を決定する文字決定手段と、上記文字決定手段が決定した文字を、上記位置指定手段が指定した上記第1入力画面の文書内の位置に入力する編集手段とを備える。
【0027】
また、本発明の入力方法は、近傍の像を検知することによりユーザの操作を取得することが可能であって、かつ、文字入力を行うための第2入力画面と、文書を編集するための第1入力画面とを重畳表示する面状部材を備える入力装置の入力方法であって、上記面状部材が検知した像の面積に応じて、上記第1入力画面又は第2入力画面を選択する入力画面選択ステップと、上記入力画面選択ステップで上記第1入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第1入力画面に適用して、上記第1入力画面の文書内の位置を指定する位置指定ステップと、上記入力画面選択ステップで上記第2入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第2入力画面に適用して、入力する文字を決定する文字決定ステップと、上記文字決定ステップで決定した文字を、上記位置指定ステップで指定した上記第1入力画面の文書内の位置に入力する編集ステップとを備える。
【0028】
これにより、操作性、及び利便性を向上した入力装置、入力方法を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置の要部構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの断面を模式的に示す図である。
【図3】図3(a)は、本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図3(b)は、本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置の要部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置で用いられるコマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。
【図6】図5に示したコマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【図7】図7(a)は、本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置にて、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データである。図7(b)は、本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置にて、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、スキャンした結果として得られる画像データである。
【図8】本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの構成およびその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図9】図9(a)は、本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置のセンサ内蔵液晶パネルが、第1入力画面と、第2入力画面とを重畳表示し、異なる面積の対象物がタッチしている様子を表す説明図であり、図9(b)は図9(a)に示す第1入力画面の第1領域内に、第2入力画面から取得した入力操作に対応付けられた表示を行った様子を表す説明図であり、図9(c)は図9(b)に示す第1入力画面からの入力操作により、第1領域を移動し、当該移動により第2入力領域を移動した様子を表す説明図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置の処理の流れを表すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係るデータ表示/センサ装置の主制御部の第2入力画面制御部に、第2領域管理部を設けた場合の上記データ表示/センサ装置の処理の流れを表すフローチャートである。
【図12】図12(a)は、本発明の第2の実施形態に係るデータ表示/センサ装置のセンサ内蔵液晶パネルに、第1入力画面を表示している様子を表す説明図であり、図12(b)は図12(a)に示すセンサ内蔵液晶パネルが第2入力画面を重畳表示している様子を表す説明図であり、図12(c)は図12(b)に示すセンサ内蔵液晶パネルの第1入力画面をスクロールさせた様子を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〔実施の形態1〕
本実施の形態に係るデータ表示/センサ装置100(入力装置)は、近傍の像を検知することによりユーザの操作を取得することが可能であって、かつ、文字入力を行うための第2入力画面L2と、文書を編集するための第1入力画面L1とを重畳表示するセンサ内蔵液晶パネル301(面状部材)と、センサ内蔵液晶パネル301が検知した像の面積に応じて、第1入力画面L1又は第2入力画面L2を選択する入力画面選択部830(入力画面選択手段)と、入力画面選択部830が第1入力画面L1を選択したときの、センサ内蔵液晶パネル301が取得したユーザの操作を第1入力画面L1に適用して、第1入力画面L1の文書内の位置を指定する位置指定部841(位置指定手段)と、入力画面選択部830が第2入力画面L2を選択したときの、センサ内蔵液晶パネル301が取得したユーザの操作を第2入力画面L2に適用して、入力する文字を決定する文字決定部851(文字決定手段)と、文字決定部851が決定した文字を、位置指定部841が指定した第1入力画面L1の文書内の位置に入力する編集部842(編集手段)とを備える。
【0031】
まず、以下で、データ表示/センサ装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301の概要について説明する。なお、データ表示/センサ装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は1つでもよいし、複数でもよい。
【0032】
(センサ内蔵液晶パネルの概要)
上記データ表示/センサ装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は、データの表示に加え、対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、例えば、ユーザが指やペンなどでポインティング(タッチ)した位置の検出や、印刷物等の画像の読み取り(スキャン)である。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
【0033】
なお、本実施の形態では、センサ内蔵液晶パネル301は、対象物がタッチ(接触)した場合に、タッチした位置の検出や、画像の読み取りを行うものとして説明するが、実際には、センサ内蔵液晶パネル301は、対象物が完全に接触しなくても、当該対象物が有る程度、接近すれば当該対象物の位置や画像を読み取ることが可能である。
【0034】
図2を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図2は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0035】
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
【0036】
なお、光センサ回路32に含まれるフォトダイオード6は、青のカラーフィルタ53bを設けた画素電極56の近傍に設けられているが、この構成に限定されるものではない。赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍に設けてもよいし、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍に設けてもよい。
【0037】
次に、図3(a)および図3(b)を参照しながら、ユーザが、指やペンで、センサ内蔵液晶パネル301上をタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
【0038】
図3(a)は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、指などの対象物64により反射された光63を検知する。これにより、対象物64の反射像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検知することにより、タッチした位置を検出することができる。
【0039】
また、図3(b)は、影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図3(b)に示すように、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、対向基板51Bなどを透過した外光61を検知する。しかしながら、ペンなどの対象物62がある場合は、外光61の入射が妨げられるので、光センサ回路32が検知する光量が減る。これにより、対象物62の影像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、影像を検知することにより、タッチした位置を検出することもできる。
【0040】
上述のように、フォトダイオード6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検知してもよいし、外光による影像を検知してもよい。また、上記2種類の検知方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検知するようにしてもよい。
【0041】
(データ表示/センサ装置の要部構成)
次に、図4を参照しながら、上記データ表示/センサ装置100の要部構成について説明する。図4は、データ表示/センサ装置100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、データ表示/センサ装置100は、1または複数の表示/光センサ部300、回路制御部600、データ処理部700、主制御部800、記憶部901、一次記憶部902、操作部903、外部通信部907、音声出力部908、および音声入力部909を備えている。ここでは、データ表示/センサ装置100は、表示/光センサ部300を2つ(第1表示/光センサ部300Aおよび第2表示/光センサ部300B)備えているものとして説明する。なお、第1表示/光センサ部300Aおよび第2表示/光センサ部300Bを区別しないときは、表示/光センサ部300と表記する。
【0042】
表示/光センサ部300は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部300は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
【0043】
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
【0044】
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
【0045】
液晶パネル駆動回路304は、回路制御部600の表示制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
【0046】
光センサ駆動回路305は、回路制御部600のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加し、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
【0047】
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
【0048】
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
【0049】
バックライト駆動回路308は、回路制御部600のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加し、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
【0050】
次に、回路制御部600について説明する。回路制御部600は、表示/光センサ部300の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。回路制御部600は、表示制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
【0051】
表示制御部601は、データ処理部700の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0052】
なお、表示制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
【0053】
センサ制御部602は、データ処理部700のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
【0054】
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0055】
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
【0056】
なお、データ表示/センサ装置100が、複数の表示/光センサ部300を備える場合、表示制御部601は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示するかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304を制御する。また、センサ制御部602は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行なうかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305を制御するとともに、当該指示に応じた表示/光センサ部300の信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。
【0057】
次に、データ処理部700について説明する。データ処理部700は、主制御部800から受信する「コマンド」に基づいて、回路制御部600に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、コマンドの詳細については後述する。
【0058】
データ処理部700は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。そして、データ処理部700が、主制御部800からコマンドを受信すると、該受信したコマンドに含まれる各フィールド(後述する)の値に応じて、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703の少なくとも一方が動作する。
【0059】
表示データ処理部701は、主制御部800から表示データを受信するとともに、データ処理部700が受信したコマンドに従って、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。なお、コマンドに応じた、表示データ処理部701の動作については、後述する。
【0060】
センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0061】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、主制御部800に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
【0062】
次に、主制御部800は、アプリケーションプログラムを実行するものである。主制御部800は、記憶部901に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部902に読み出して実行する。
【0063】
主制御部800で実行されるアプリケーションプログラムは、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行わせるために、データ処理部700に対して、コマンドおよび表示データを送信する。また、コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部700から受信する。
【0064】
なお、回路制御部600、データ処理部700、および主制御部800は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部700は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
【0065】
次に、記憶部901は、図示のように、主制御部800が実行するプログラムおよびデータを格納するものである。なお、主制御部800が実行するプログラムは、アプリケーション固有のプログラムと、各アプリケーションが共用可能な汎用プログラムとに分離されていてもよい。
【0066】
次に、操作部903は、データ表示/センサ装置100のユーザの入力操作を受けつけるものである。操作部903は、例えば、スイッチ、リモコン、マウス、キーボードなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部903は、データ表示/センサ装置100のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号を主制御部800へ送信する。
【0067】
なお、上記スイッチの例としては、筐体のヒンジ部分に設けられ、筐体の開閉状態を検出するヒンジ部スイッチ904、電源のオンとオフとを切り替える電源スイッチ905、予め所定の機能が割り当てられているユーザスイッチ906などのハードウェアスイッチを想定している。
【0068】
その他、データ表示/センサ装置100は、無線/有線通信によって外部装置と通信を行なうための外部通信部907、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部908、音声信号を入力するためのマイク等の音声入力部909などを適宜備えていてもよい。
【0069】
(コマンドの詳細)
次に、図5および図6を参照しながら、主制御部800からデータ処理部700に送信されるコマンドの詳細について説明する。図5は、コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図6は、コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【0070】
図5に示すように、コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、「スキャンパネル」、「表示パネル」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図6に示す値が指定可能である。
【0071】
「ヘッダ」フィールドは、フレームの開始を示すフィールドである。「ヘッダ」フィールドであることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0072】
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、データを主制御部800へ送信すべきタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
【0073】
ここで、“センス”は、最新のデータを直ちに送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、主制御部800に送信する。
【0074】
また、“イベント”は、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信すること指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、主制御部800に送信する。
【0075】
また、“オール”は、所定周期でデータを送信すること指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、主制御部800に送信する。なお、上記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行なう周期と一致する。
【0076】
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0077】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるコマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを主制御部800に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
【0078】
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データを主制御部800に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出されたそれぞれの部分画像データを主制御部800に送信する。
【0079】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信したとき、部分画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標の部分画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記代表座標とは、例えば、上記部分画像データの中心の座標、上記部分画像データの重心の座標などが挙げられる。
【0080】
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるコマンドを受信すると、上記代表座標の全体画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された、それぞれの部分画像データの、全体画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標を示す座標データのそれぞれを主制御部800に送信する(多点検出)。
【0081】
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
【0082】
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
【0083】
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行なうこと指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
【0084】
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行なうことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行なうことを指定するものである。
【0085】
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
【0086】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、主制御部800に送信する。
【0087】
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、主制御部800に送信する。
【0088】
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「スキャン解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
【0089】
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度で主制御部800に送信する。例えば、画像認識などの画像処理を行なう対象の画像データ(指紋などの画像データ)には、“高”を指定することが望ましい。
【0090】
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度で主制御部800に送信する。例えば、タッチした位置等が分かる程度でよい画像データ(タッチした指や手の画像データなど)には、“低”を指定することが望ましい。
【0091】
次に、「スキャンパネル」フィールドは、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行なうかを指定するフィールドである。「スキャンパネル」フィールドには、例えば、“001”(第1表示/光センサ部300A)、“010”(第2表示/光センサ部300B)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、“第1表示/光センサ部300A”と“第2表示/光センサ部300B”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0092】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャンパネル」フィールドの値が“第1表示/光センサ部300A”であるコマンドを受信すると、第1表示/光センサ部300Aの光センサ駆動回路305およびバックライト駆動回路308を制御するように、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0093】
次に、「表示パネル」フィールドは、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示させるかを指定するフィールドである。「表示パネル」フィールドには、例えば、“001”(第1表示/光センサ部300A)、“010”(第2表示/光センサ部300B)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、“第1表示/光センサ部300A”と“第2表示/光センサ部300B”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0094】
ここで、表示データ処理部701は、例えば、「表示パネル」フィールドの値が“第1表示/光センサ部300A”であるコマンドを受信すると、第1表示/光センサ部300Aに表示データを表示させるために、第1表示/光センサ部300Aの液晶パネル駆動回路304およびバックライト駆動回路308を制御するように、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0095】
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0096】
なお、主制御部800にて実行されるアプリケーションは、コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0097】
また、ユーザが指やペンなどでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、指やペンなどは動きがあるため、さらに、当該コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。また、タッチした位置の座標データが取得できればよいため、スキャンの精度は高くなくてもよい。したがって、上記コマンドの「スキャン解像度」フィールドの値は“低”を指定しておけばよい。
【0098】
また、コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
【0099】
また、原稿などの対象物の画像データを取得する場合、「データ種別」フィールドに“全体画像”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、原稿などの対象物は、通常、静止させた状態でスキャンを実行することが一般的であるため、周期的にスキャンを実行する必要はない。従って、この場合は、「データ取得タイミング」フィールドに“センス”または“イベント”を指定することが望ましい。なお、原稿などの対象物をスキャンするときは、ユーザが文字を読みやすいように、スキャン精度は高い方が望ましい。したがって、「スキャン解像度」フィールドには“高”を指定することが望ましい。
【0100】
(全体画像データ/部分画像データ/座標データ)
次に、図7を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図7(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図7(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【0101】
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
【0102】
図7(b)に示す画像データでは、図7(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図7(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
【0103】
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
【0104】
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
【0105】
(センサ内蔵液晶パネルの構成)
次に、図8を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図8は、表示/光センサ部300の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
【0106】
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称として用いる。
【0107】
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
【0108】
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
【0109】
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
【0110】
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード36のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード36に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード36に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード36のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
【0111】
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
【0112】
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
【0113】
走査信号線駆動回路3041は、表示制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
【0114】
データ信号線駆動回路3042は、表示制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
【0115】
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
【0116】
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
【0117】
(データ表示/センサ装置100の動作説明)
以下、図1、図9(a)〜(c)、図10、図11を参照して、本発明の第1の実施形態に係るデータ表示/センサ装置100(入力装置)を詳細に説明する。
【0118】
まず、図9(a)〜(c)を用い、データ表示/センサ装置100のセンサ内蔵液晶パネル301に表示する表示画面、及びデータ表示/センサ装置100の動作の典型例について説明する。
【0119】
図9(a)は、センサ内蔵液晶パネル301に、第1入力画面L1と、第2入力画面L2とを重畳表示したデータ表示/センサ装置100が、ユーザからの入力操作を取得する様子を表す説明図であり、図9(b)は図9(a)に示すデータ表示/センサ装置100が、第2入力画面L2から入力操作を取得した様子を表す説明図であり、図9(c)は、図9(b)に示すデータ表示/センサ装置100が、次に第1入力画面から入力操作を取得した様子を表す説明図である。
【0120】
まず、図9(a)を用い、センサ内蔵液晶パネル301が重畳表示する第1入力画面L1、及び第2入力画面L2について説明する。
【0121】
図9(a)に示すように、データ表示/センサ装置100のセンサ内蔵液晶パネル301は、近傍の像を検知することによりユーザの操作を取得することが可能であって、かつ、文字入力を行うための第2入力画面L2と、文書を編集するための第1入力画面L1とを重畳表示している。
【0122】
第1入力画面L1は、センサ内蔵液晶パネル301がスタイラスペン351のタッチを検知することにより、センサ内蔵液晶パネル301に、ユーザの操作を取得させるための入力画面であり、第2入力画面L2を適用してセンサ内蔵液晶パネル301が取得するユーザの操作を、文書内に表示する。
【0123】
すなわち、第1入力画面L1は、センサ内蔵液晶パネル301がスタイラスペン351のタッチを検知することにより、ユーザからの入力操作を取得するための入力画面であり、さらに、第2入力画面L2から取得される文字の表示を行うものである。第1入力画面L1は、第2入力画面L2から取得されるユーザの入力操作を取得するための第1領域が複数配置された構成である。第1入力画面L1は、複数の第1領域のうち、センサ内蔵液晶パネル301がスタイラスペン351のタッチを検知した位置を含む第1領域(指定第1領域)を指定表示する。
【0124】
ここで、指定表示とは、複数の第1領域のうち、指定第1領域が選択されたことをユーザに対して視認させるための表示である。
【0125】
そして、第1入力画面L1は、第2入力画面L2から取得されるユーザの入力操作に応じた表示を、上記指定第1領域内に行う。
【0126】
本実施の形態では、センサ内蔵液晶パネル301は、第1入力画面L1として、例えば、米国マイクロソフト社が提供するエクセル(米国マイクロソフト社の商標)などの表計算ソフトウェアの表示画面を第1入力画面L1aとして表示している。第1入力画面L1aには、文字や記号等の入力及び当該入力された文字を表示するためのセル(第1領域)がマトリクス状に複数配置されている。
【0127】
そして、第1入力画面L1aは、複数のセルのうち、センサ内蔵液晶パネル301がスタイラスペン351のタッチを検知した位置を含むセル(指定第1領域)にカーソル353を表示(指定表示)している。
【0128】
第2入力画面L2は、センサ内蔵液晶パネル301が指352のタッチを検知することにより、センサ内蔵液晶パネル301に、ユーザの操作を取得させるための入力画面である。第2入力画面L2は、センサ内蔵液晶パネル301がユーザの操作を取得するための複数の第2領域からなる第2領域群L2aを備える。
【0129】
第2領域群L2aの各第2領域は、いわゆるQWERTY配列で配列されており、一般的にPC(パーソナルコンピュータ)に用いられているキーボードの各キーに対応するものである。すなわち、一般的なキーボードの各キーに対応付けられている文字コードが、第2領域群L2aの各入力領域にも対応付けられている。そして、一般的なキーボードと同様に、第2領域群L2aの各第2領域に対応付けられた文字コードにも、文字、数字、記号、特殊記号等(以下、単に文字と称する)が対応付けられており、各第2領域内には、当該第2領域に対応付けられた文字が表示されている。なお、特殊記号には、スペースや改行なども含む。
【0130】
ここで、第2領域群L2aの各第2領域と、当該第2領域に対応付けられた文字コードと、当該文字コードに対応付けられた文字とは、例えば、テーブルとして記憶部901に格納されている。
【0131】
また、第2領域群L2aの各第2領域は、半透明でセンサ内蔵液晶パネル301に表示されている。このため、センサ内蔵液晶パネル301は、第1入力画面L1aの各セル内に表示する文字と、第2入力画面L2の第2領域群L2aの各第2領域内の文字とを重畳表示しても、それぞれの表示をユーザに、容易に認識させることができる。
【0132】
なお、第2領域群L2aは、半透明で表示することが好ましいが、半透明に限定されるものではない。
【0133】
次に、図9(a)〜(c)を用い、データ表示/センサ装置100の動作説明を行う。
【0134】
まず、図9(a)に示すように、データ表示/センサ装置100は、第1入力画面L1aをセンサ内蔵液晶パネル301に表示している。そして、データ表示/センサ装置100は、センサ内蔵液晶パネル301がスタイラスペン351のタッチを検知すると、入力モードとして、センサ内蔵液晶パネル301に第2入力画面L2を表示する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301は、第1入力画面L1aと、第2入力画面L2とを重畳表示する。
【0135】
そして、データ表示/センサ装置100は、スタイラスペン351のタッチを検知した位置を含むセル(指定第1領域)に、カーソル353を移動して表示することにより指定第1領域を指定表示する。このカーソル353が含まれているセルが指定第1領域である。言い換えると、データ表示/センサ装置100は、第1入力領域L1aからのユーザの入力操作として、カーソル353を移動させる位置を取得する。
【0136】
次に、ユーザは、センサ内蔵液晶パネル301上であって、第2入力画面L2の第2領域群L2の第2領域内に指352をタッチする。すると、センサ内蔵液晶パネル301が指352のタッチを検知し、図9(b)に示すように、データ表示/センサ装置100は、当該タッチを検知した位置を含む第2領域群L2aの第2領域に対応付けられた文字を、指定第1領域内に表示する。
【0137】
言い換えると、データ表示/センサ装置100は、第1入力領域L1aからの入力操作としてスタイラスペン351のタッチを検知したセンサ内蔵液晶パネル301上の位置に移動させたカーソル353内に、第2入力画面L2からの入力操作として指352のタッチを検知した第2領域群L2aの第2領域に対応付けられた文字を表示する。
【0138】
ここでは、ユーザは、「1」と対応付けられた第2領域に指をタッチする。すると、センサ内蔵液晶パネル301は、「1」と対応付けられた第2領域への指352のタッチを検知し、カーソル353を表示するセル内に「1」と表示する。
【0139】
続けてユーザは、「2」と対応付けられた第2領域に指をタッチする。すると、センサ内蔵液晶パネル301は、「2」と対応付けられた第2領域への指352のタッチを検知し、カーソル353を表示するセル内の「1」の表示の隣に「2」と表示する。
【0140】
さらに、ユーザは、「3」と対応付けられた第2領域に指をタッチする。すると、センサ内蔵液晶パネル301は、「3」と対応付けられた第2領域への指352のタッチを検知し、カーソル353を表示するセル内の「2」の表示の隣に「3」と表示する。これにより、カーソル353を表示するセル内には「123」と表示される。
【0141】
次に、ユーザは、他のセルに文字を入力する場合、文字を入力したいセル内のセンサ内蔵液晶パネル301にスタイラスペン351をタッチする。すると、センサ内蔵液晶パネル301がスタイラスペン351のタッチを検知し、データ表示/センサ装置100は、上記検知した位置を含むセルにカーソル353を移動する。
【0142】
ここで、図9(c)に示すように、データ表示/センサ装置100は、カーソル353を含むセルである指定第1領域と、第2領域群L2aの第2領域とのセンサ内蔵液晶パネル301上の表示位置が重なる(重畳する)場合、指定第1領域と重なる第2領域群L2aの第2領域の位置を、指定第1領域と異なる位置に移動して、表示してもよい。
【0143】
すなわち、センサ内蔵液晶パネル301がスタイラスペン351のタッチを検知した位置が第2領域群L2aの第2領域内である場合、データ表示/センサ装置100は、スタイラスペン351のタッチを検知した位置を含む第1領域にカーソル353を表示すると共に、カーソル353を表示する第1領域と重ならないように、第2領域群L2aの第2領域を表示する。
【0144】
これにより、データ表示/センサ装置100は、ユーザから入力された文字を、ユーザに対して認識させやすく表示することができる。
【0145】
さらに、データ表示/センサ装置100は、例えば、”Enter”など、特定の機能を有する文字コードと対応付けられた第2領域からの入力操作を取得すると、入力モードを終了し、センサ内蔵液晶パネル301に表示されている第2領域群L2の表示を終了してもよい。
【0146】
これにより、データ表示/センサ装置100は、ユーザが必要なときだけ、第2領域群L2aをセンサ内蔵液晶パネル301に表示することができる。
【0147】
(データ表示/センサ装置の要部構成の説明)
次に、図1を参照しながら、データ表示/センサ装置100の詳細な説明を行う。
【0148】
図1は、データ表示/センサ装置100の要部構成を表すブロック図である。
【0149】
図1に示すように、主制御部800は、表示データ生成部810と、データ取得部820と、入力画面選択部830(入力画面選択手段)と、第1入力画面制御部840(表示指示手段、第1入力画面制御手段)と、第2入力画面制御部850(移動手段、第2入力画面制御手段)とを備える。
【0150】
入力画面選択部830は、面積判定部831(面積判定手段)を備える。また、第1入力画面制御部840は、位置指定部841(位置指定手段)と、編集部842(編集手段)とを備える。そして、第2入力画面制御部850は、文字決定部851と、第2領域管理部852(判定手段)を備える。なお、第2領域管理部852は、省略してもよい。
【0151】
表示データ生成部810は、第1入力画面制御部840又は第2入力画面制御部850からの出力に応じて、センサ内蔵液晶パネル301に表示画面(入力画面)を表示させるための表示データを生成するものである。そして、当該生成した表示データをデータ処理部700に出力する。これにより、センサ内蔵液晶パネル301に、第1入力画面L1と、第2入力画面L2とを重畳表示させる。
【0152】
また、表示データ生成部810は、コマンドを設定し、当該設定したコマンドをデータ処理部700に出力するものである。
【0153】
データ取得部820は、データ処理部700から出力される全体画像データ及び座標データを取得する。そして、データ取得部820は、データ処理部700から取得した全体画像データ及び座標データを入力画面選択部830に出力する。
【0154】
入力画面選択部830は、データ取得部820から全体画像データ及び座標データを取得する。そして、入力画面選択部830は、データ取得部820から取得した全体画像データに含まれる像の面積に応じて、データ取得部820から取得した座標データの出力先を変更するものである。
【0155】
面積判定部831は、センサ内蔵液晶パネル301が検知した像の面積の値を算出し、当該算出した面積の値が、予め決められた閾値より大きいかを判定する。ここで、予め決められた閾値は、記憶部901に格納されている。
【0156】
そして、入力画面選択部830は、面積判定部831が判定した結果に基づいて、入力操作を取得するための第1入力画面L1又は第2入力画面L2を選択する。すなわち、入力画面選択部830は、面積判定部831の判定結果に応じて、センサ内蔵液晶パネル301が取得したユーザの操作を適用するための第1入力画面L1と第2入力画面L2とを選択する。
【0157】
これにより、入力画面選択部830は、センサ内蔵液晶パネル301が重畳表示する複数の入力画面のうち、ユーザからの入力操作を取得するための入力画面を選択するものである。
【0158】
第1入力画面制御部840は、センサ内蔵液晶パネル301が重畳表示する第1入力画面L1及び第2入力画面L2のうち、センサ内蔵液晶パネル301が第1入力画面L1を適用して取得するユーザの操作に基づいて、第1入力画面L1の表示を制御するものである。そして、第1入力画面制御部840は、位置指定部841、編集部842を含む。
【0159】
位置指定部841は、入力画面選択部830が第1入力画面L1を選択したときの、センサ内蔵液晶パネル301が取得したユーザの操作を第1入力画面L1に適用して、第1入力画面L1の文書内の位置を指定する。
【0160】
すなわち、位置指定部841は、入力画面選択部830が第1入力画面L1を選択したときの、センサ内蔵液晶パネル301が取得した入力操作に応じて、第1入力画面L1内の位置を指定する。
【0161】
つまり、位置指定部841は、第1入力画面制御部840が入力画面選択部830から座標データを取得すると、記憶部901を参照し、第1入力画面L1に配置されている複数の第1領域の位置と、入力画面選択部830から取得した座標データが示す位置とを比較し、当該座標データが含まれる第1領域を指定する。
【0162】
そして、第1入力画面制御部840は、位置指定部841が位置を指定した第1領域(指定第1領域)をユーザに視認させるために、センサ内蔵液晶パネル301に指定表示させるための指示を表示データ生成部810に行う。
【0163】
また、第1入力画面制御部840は、第2入力画面制御部850から、文字コードなどである文字表示情報を取得すると、当該文字コードに対応する文字を指定第1領域に表示させるための指示を表示データ生成部810に行う。
【0164】
編集部842は、文字決定部851が決定した文字を、位置指定部841が指定した第1入力画面L1の文書内の位置に入力する。すなわち、編集部842は、文字決定部851が決定した文字を、指定第1領域に入力することにより、第1入力画面L1を編集する。
【0165】
なお、編集部842は、位置指定部841が第1領域の位置を指定する前に、第2入力画面制御部850から、文字を決定した旨の情報である文字決定情報を取得した場合、例えば、初期設定などで予め指定されている第1領域に、文字決定部851が決定した文字を入力することにより第1入力画面L1を編集する。そして、編集した第1入力画面L1を表示させるための指示を表示データ生成部810に行う。
【0166】
第2入力画面制御部850は、センサ内蔵液晶パネル301が重畳表示する第1入力画面L1及び第2入力画面L2のうち、第2入力画面L2からの入力操作に基づいて、第2入力画面L2の表示を制御するものである。
【0167】
第2入力画面制御部850は、入力画面選択部830から座標データを取得すると、記憶部901を参照し、第2入力画面L2に配置されている複数の第2領域の位置と、入力画面選択部830から取得した座標データが示す位置とを比較し、当該座標データが含まれる第2領域を特定する。
【0168】
文字決定部851は、入力画面選択部830が第2入力画面L2を選択したときの、センサ内蔵液晶パネル301が取得したユーザの操作を第2入力画面L2に適用して、入力する文字を決定する。
【0169】
すなわち、文字決定部851は、記憶部901を参照し、上記特定した第2領域に対応付けられている文字を決定する。そして、文字決定部851は文字を決定した旨の情報である文字決定情報を第1入力画面制御部840に出力する。
【0170】
また、第2入力画面制御部850は、第2領域と、指定第1領域とのセンサ内蔵液晶パネル301上の表示位置が重なる場合、センサ内蔵液晶パネル301上の第2領域の表示位置を、第1領域と重ならない位置に移動させる第2領域管理部852を含む。
【0171】
第1入力画面制御部840から、指定第1領域のセンサ内蔵液晶パネル301上の位置を表す、指定第1領域位置情報を第2入力画面制御部850が取得すると、第2領域管理部852は、第2領域と、指定第1領域とのセンサ内蔵液晶パネル301上の表示位置が重なるか否かを判定する。
【0172】
そして、第2領域管理部852が、第2領域と、指定第1領域とのセンサ内蔵液晶パネル301上の表示位置が重なると判定すると、第2入力画面制御部850は、第2領域を、指定第1領域と異なる位置、つまり、重ならない位置に移動させる指示情報を表示データ生成部810に出力する。これにより、センサ内蔵液晶パネル301は、第2領域が、指定第1領域と異なる位置に移動された第2入力画面L2と、第1入力画面L1とを重畳表示することができる。
【0173】
(フローチャート)
次に、図10を用い、データ表示/センサ装置100の処理の流れについて説明する。
【0174】
図10は、データ表示/センサ装置100の処理の流れを表すフローチャートである。
【0175】
まず、データ表示/センサ装置100は、ユーザの操作を取得することにより、センサ内蔵液晶パネル301に第1入力画面L1を表示する。
【0176】
さらに、併せて、表示データ生成部810は、「データ取得タイミング」フィールドに、”イベント”を指定し、「データ種別」フィールドに”座標”および”全体画像”の両方を指定(”101”を指定)したコマンドをデータ処理部700に出力する。
【0177】
これにより、表示データ生成部810は、センサ内蔵液晶パネル301が取得する画像データに変化が生じた場合のみ、データ処理部700から全体画像データ及び座標データを取得する。
【0178】
そして、ユーザが指352又はスタイラスペン351をセンサ内蔵液晶パネル301にタッチする。すると、センサ内蔵液晶パネル301は、タッチした指352又はスタイラスペン351の像を検知する(ステップS11)。
【0179】
次に、主制御部800のデータ取得部820は、データ処理部700からセンサ内蔵液晶パネル301が検知した像を含む全体画像データと、像の代表座標(例えば中心座標)を示すデータを座標データとして取得する。そして、データ取得部820は、データ処理部700から取得した全体画像データ、及び座標データを入力画面選択部830に出力する。
【0180】
入力画面選択部830は、データ取得部820から全体画像データを取得すると、面積判定部831は、全体画像データに含まれる像の面積を算出する。そして、面積判定部831は、記憶部901を参照し、上記算出した像の面積が予め決められた閾値より大きいか否かを判定する(ステップS12)。
【0181】
そして、入力画面選択部830は、算出した像の面積が閾値以下であると面積判定部831が判定した場合(ステップS12のNO)、センサ内蔵液晶パネル301にタッチしたのはスタイラスペン351であると判定し、データ取得部820から取得した座標データを、第1入力画面制御部840に出力する。
【0182】
第1入力画面制御部840は、入力画面選択部830から座標データを取得すると、第1入力画面制御部840の位置指定部841は、記憶部901を参照し、複数の第1領域のうち、入力画面選択部830から取得した座標データが示す位置を含む第1領域(指定第1領域)を指定する(ステップS13)。
【0183】
そして、第1入力画面制御部840は、位置指定部841が指定した第1領域を指定第1領域として指定表示することを指示するための指定表示指示情報を、表示データ生成部810に出力する。表示データ生成部810は、第1入力画面制御部840から指定表示指示情報を取得すると、指定第1領域を指定表示した第1入力画面L1と、第2入力画面とをセンサ内蔵液晶パネル301に重畳表示させるための表示データを生成し、当該生成した表示データをデータ処理部700に出力する。
【0184】
これにより、表示データ生成部810は、センサ内蔵液晶パネル301に、指定第1領域を指定表示した第1入力画面L1と、第2入力画面とを重畳表示させる。そして、ステップS11の処理へ戻る。
【0185】
また、ユーザが、指352をセンサ内蔵液晶パネル301にタッチした場合、すなわち、算出した像の面積が閾値より大きいと面積判定部831が判定した場合(ステップS12のYES)、入力画面選択部830は、センサ内蔵液晶パネル301にタッチしたのは指352であると判定し、データ取得部820から取得した座標データを、第2入力画面制御部850に出力する。
【0186】
そして、第2入力画面制御部850は、入力画面選択部830から座標データを取得すると、記憶部901を参照し、第2領域群L2aのうち、座標データが示す位置を含む第2領域を特定する。つまり、第2入力画面制御部850は、ユーザからの入力操作を取得した第2領域を特定する。
【0187】
次に、第2入力画面制御部850の文字決定部851は、記憶部901を参照し、特定した第2領域に対応付けられた文字を決定する(ステップS14)。そして、文字決定部851は、文字を決定したことを示す文字決定情報を第1入力画面制御部840に出力する。
【0188】
そして、第1入力画面制御部840の編集部842は、第2入力画面制御部850から文字表示情報を取得すると、当該文字決定情報で決定された文字を、指定第1領域に入力することにより、第1入力画面L1を編集する。
【0189】
次に、第1入力画面制御部840は、編集部842が第1入力画面L1編集した結果を表す編集情報を表示データ生成部810に出力する。
【0190】
そして、表示データ生成部810は、第1入力画面制御部840から編集情報を取得すると、ユーザからの入力操作を取得した第2領域に対応付けられている文字を、指定第1領域に表示した第1入力画面L1と、第2入力画面L2とを重畳してセンサ内蔵液晶パネル301に表示するための表示データを生成する。
【0191】
そして、表示データ生成部810は、上記生成した表示データを、データ処理部700に出力することにより、センサ内蔵液晶パネル301に、ユーザからの入力操作を取得した第2領域に対応付けられている文字を、指定第1領域に表示した第1入力画面L1と、第2入力画面L2とを重畳表示させる(ステップS15)。
【0192】
(第2領域管理部852による追加ステップ)
また、第2入力画面制御部850に、第2領域管理部852を設けた場合のステップについて、図11を用いて説明する。
【0193】
図11は、データ表示/センサ装置100の第2入力画面制御部850に、第2領域管理部を設けた場合の処理の流れを表すフローチャートである。
【0194】
図11に示すように、ステップS13の後、第1入力画面制御部840は、指定第1領域のセンサ内蔵液晶パネル301上の位置を表す、指定第1領域位置情報を第2入力画面制御部850に出力する。
【0195】
第2入力画面制御部850は、第1入力画面制御部840から指定第1領域位置情報を取得すると、第2入力画面制御部850の第2領域管理部852は、センサ内蔵液晶パネル301に表示している第2領域群L2aの第2領域の表示位置と、指定第1領域の表示位置とが重なっているか否かを判定する(ステップS16)。
【0196】
そして、第2領域管理部852は、指定第1領域と、第2領域群L2aの第2領域の表示位置とが重なっていないと判定した場合(ステップS16のNO)、ステップS11の処理を行う。
【0197】
また、第2領域管理部852は、指定第1領域と、第2領域群L2aの第2領域の表示位置とが重なっていると判定した場合(ステップS16のYES)、第2入力画面制御部850は、第2領域群L2aの第2領域を、指定第1領域とは異なる位置に移動した第2入力画面L2を表示させるための情報である第2入力画面表示情報を、表示データ生成部810に出力する。
【0198】
そして、表示データ生成部810は、第2入力画面制御部850から、第2入力画面表示情報を取得すると、当該取得した第2入力画面表示情報に基づいて、表示データを生成する。
【0199】
また、表示データ生成部810は、生成した表示データをデータ処理部700に出力することにより、指定第1領域が選択表示された第1入力画面L1と、指定第1領域とは異なる位置に第2領域を表示した第2入力画面L2と、を重畳して表示した表示画面を、センサ内蔵液晶パネル301に表示させる(ステップS17)。
【0200】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の他の実施形態について、図12を用い説明する。実施の形態1と、実施の形態2とでは、第1入力画面L1の表示が異なる点で相違する。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0201】
第1入力画面L1は、表計算ソフトウェアの表示画面に限定されず、文字を入力するための複数の第1領域を備えていればよく、例えば、テキスト入力が可能な第1領域を備えるWeb(ウェブ)ページの表示画面や、メール用のアプリケーションソフトの表示画面であってもよい。
【0202】
図12(a)〜(c)を用い、第1入力画面L1を、テキスト入力が可能な第1領域を備えるWebページを第1入力画面L1bとして表示する場合のデータ表示/センサ装置100の動作の典型例について説明する。
【0203】
図12(a)は、第1入力画面L1として、データ表示/センサ装置100のセンサ内蔵液晶パネル301にWebページを表示している様子を表す説明図であり、図12(b)は図12(a)に示すセンサ内蔵液晶パネル301に、第2入力画面L2を重畳表示している様子を表す説明図であり、図12(c)は、図12(b)に示す第1入力画面L1をスクロールさせた様子を表す説明図である。
【0204】
図12(a)に示すように、データ表示/センサ装置100は、テキスト入力が可能な第1領域を備えるWebページである第1入力画面L1bをセンサ内蔵液晶パネル301に表示している。
【0205】
データ表示/センサ装置100は、インターネットへの接続が可能なように構成されており、第1入力画面L1bは、インターネットを介して取得する可能な表示画面である。
【0206】
図12(a)に示すように、第1入力画面L1bは、文字を入力することができる複数の第1領域360a、第1領域360bを備える。
【0207】
そして、図12(b)に示すように、ユーザが、指352をセンサ内蔵液晶パネル301にタッチすると、センサ内蔵液晶パネル301は、指352のタッチを検知する。そして、センサ内蔵液晶パネル301が指352のタッチを検知すると、データ表示/センサ装置100は、入力モードに切り替わり、センサ内蔵液晶パネル301に、第2領域群L2aを備える第2入力画面L2を表示する。すなわち、データ表示/センサ装置100は、センサ内蔵液晶パネル301に、第1入力画面L1と第2入力画面L2とを重畳表示する。
【0208】
そして、センサ内蔵液晶パネル301がスタイラスペン351のタッチを検知する前に、第2領域群L2aの第2領域内への指352のタッチを検知すると、当該タッチを検知した第2領域に対応付けられた文字を、予め決められた位置の指定第1領域(例えば、第1領域360a)内に表示する。
【0209】
また、図12(c)に示すように、ユーザは、センサ内蔵液晶パネル301に表示されている第1入力画面L1bをスクロールする場合、センサ内蔵液晶パネル301に表示されている第1領域360a、360b以外の領域にスタイラスペン351をタッチし、当該タッチしたスタイラスペン351を、センサ内蔵液晶パネル301の表面に沿ってスライドする。
【0210】
すると、センサ内蔵液晶パネル301は、第1領域360a、360b以外の領域へのスタイラスペン351のタッチを検知し、さらに、スタイラスペン351の移動を検知すると、スタイラスペンの移動にあわせて、第1入力画面L1abをスクロールして表示する。
【0211】
そして、センサ内蔵液晶パネル301は、第1領域360c内へのスタイラスペン351のタッチを検知すると、当該スタイラスペン351のタッチを検知した第1領域360cを指定第1領域として選択し、第1領域360c内にカーソルを表示することにより選択表示する。
【0212】
次に、センサ内蔵液晶パネル301は、第2入力画面L2に表示する第2領域群L2aの第2領域内への指352のタッチを検知すると、当該検知した第2領域群L2aの第2領域に対応付けられた文字を、第1領域360c内に表示する。
【0213】
〔プログラム〕
また、データ表示/センサ装置100の各ブロック、特に入力画面選択部830、第1入力画面制御部840、第2入力画面制御部850は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにコンピュータを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0214】
すなわち、入力画面選択部830、第1入力画面制御部840、第2入力画面制御部850は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである入力画面選択部830、第1入力画面制御部840、第2入力画面制御部850の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記入力画面選択部830、第1入力画面制御部840、第2入力画面制御部850に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0215】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0216】
また、入力画面選択部830、第1入力画面制御部840、第2入力画面制御部850を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0217】
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、第1入力画面L1を操作するための対象物として、スタイラスペン351を用いた説明を行ったが、スタイラスペン351に限定されるものではない。すなわち、センサ内蔵液晶パネル301が検知した像の面積が、予め決められた閾値以下であるか否かを入力画面選択部830が判定できればよく、スタイラスペン351に替えて、例えば、指先や爪先などでもよい。
【0218】
さらに、入力画面選択部830は、センサ内蔵液晶パネル301が検知した像の面積が、予め決められた閾値以下である場合、データ取得部820から取得した座標データを第1入力画面制御部840に出力し、センサ内蔵液晶パネル301が検知した像の面積が、予め決められた閾値より大きい場合、データ取得部820から取得した座標データを、第1入力画面制御部840に出力したが、その逆でもよい。
【0219】
すなわち、入力画面選択部830は、センサ内蔵液晶パネル301が検知した像の面積が、予め決められた閾値より大きい場合、データ取得部820から取得した座標データを第1入力画面制御部840に出力し、センサ内蔵液晶パネル301が検知した像の面積が、予め決められた閾値以下である場合、データ取得部820から取得した座標データを、第1入力画面制御部840に出力してもよい。
【0220】
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0221】
本発明は、文字の入力を行う装置に適用でき、特に、複数の入力画面を表示するデータ表示/センサ装置に好適に適用できる。
【符号の説明】
【0222】
100 データ表示/センサ装置
300 表示/光センサ部
301 センサ内蔵液晶パネル(面状部材)と
800 主制御部
810 表示データ生成部
820 データ取得部
830 入力画面選択部(入力画面選択手段)
831 面積判定部(面積判定手段)
840 第1入力画面制御部(表示指示手段、第1入力画面制御手段)
841 位置指定部(位置指定手段)
842 編集部(編集手段)
850 第2入力画面制御部(移動手段、第2入力画面制御手段)
851 文字決定部(文字決定手段)
852 第2領域管理部(判定手段)
L1 第1入力画面
L1a 第1入力画面
L1a 第1入力領域
L1ab 第1入力画面
L1b 第1入力画面
L2 第2入力画面
L2 第2領域群
L2a 第2領域群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近傍の像を検知することによりユーザの操作を取得することが可能であって、かつ、文字入力を行うための第2入力画面と、文書を編集するための第1入力画面とを重畳表示する面状部材と、
上記面状部材が検知した像の面積に応じて、上記第1入力画面又は第2入力画面を選択する入力画面選択手段と、
上記入力画面選択手段が上記第1入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第1入力画面に適用して、上記第1入力画面の文書内の位置を指定する位置指定手段と、
上記入力画面選択手段が上記第2入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第2入力画面に適用して、入力する文字を決定する文字決定手段と、
上記文字決定手段が決定した文字を、上記位置指定手段が指定した上記第1入力画面の文書内の位置に入力する編集手段とを備えることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
上記位置指定手段が指定した上記第1入力画面内の位置を含む第1領域が、上記面状部材が上記第2入力画面からユーザの操作を取得するために上記第2入力画面に配置された第2領域と重なるかを判定する判定手段と、
上記判定手段によって、上記第1領域が上記第2領域と重なると判定された場合、上記第1領域と異なる位置に、上記第2領域を移動させる移動手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
上記面状部材が検知した像の面積の値を算出し、当該算出した面積の値が、予め決められた閾値より大きいかを判定する面積判定手段を備え、
上記入力画面選択手段は、上記面積判定手段が判定した結果に基づいて、ユーザの操作を取得するための上記第1入力画面又は上記第2入力画面を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
近傍の像を検知することによりユーザの操作を取得することが可能であって、かつ、文字入力を行うための第2入力画面と、文書を編集するための第1入力画面とを重畳表示する面状部材を備える入力装置の入力方法であって、
上記面状部材が検知した像の面積に応じて、上記第1入力画面又は第2入力画面を選択する入力画面選択ステップと、
上記入力画面選択ステップで上記第1入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第1入力画面に適用して、上記第1入力画面の文書内の位置を指定する位置指定ステップと、
上記入力画面選択ステップで上記第2入力画面を選択したときの、上記面状部材が取得したユーザの操作を上記第2入力画面に適用して、入力する文字を決定する文字決定ステップと、
上記文字決定ステップで決定した文字を、上記位置指定ステップで指定した上記第1入力画面の文書内の位置に入力する編集ステップとを備えることを特徴とする入力方法。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか一項に記載の入力装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための入力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−165246(P2010−165246A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7993(P2009−7993)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】