説明

入力装置及び入力装置の製造方法

【課題】特に、一対の基材間の距離を増大させることなく密着性を効果的に向上させることが可能な入力装置及び入力装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】空間を設けて対向配置された1対の透明基材と、前記1対の透明基材の対向する面の入力領域20にそれぞれ形成された透明導電層と、前記入力領域20の外周の非入力領域21にそれぞれ形成された配線層と、前記1対の透明基材を接着する粘着層を有し、少なくとも一方の前記透明基材の非入力領域21においてドット状絶縁部材36が形成され、前記1対の透明基材が、前記配線層及び前記ドット状絶縁部材36に亘って前記粘着層を介し接着されるとともに、前記一方の透明基材と前記配線層との段差部が前記粘着層により充填されている事を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入力装置及び入力装置の製造方法に関し、特に粘着層を介して1対の基材が接着される入力装置及び入力装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯用の電子機器などの表示部として、表示画像のメニュー項目やオブジェクトを直接、指などで操作して座標入力を行うための透光型入力装置が用いられている。このような入力装置として種々の方式が挙げられるが、例えば特許文献1には抵抗膜式の入力装置が記載されている。
【0003】
このような抵抗膜式入力装置は、1対の基材が空間を設けて対向するように配置されている。1対の基材の対向する面の入力領域には透明電極層が形成され、また、入力領域を囲む非入力領域には透明電極層と外部の回路とを接続するための配線層が形成されている。1対の基材は、配線層に跨がって非入力領域に積層された粘着層を介して貼り合わされている。
【0004】
しかしながら、基材と粘着層との密着性が不十分の場合、基材間にわずかな隙間が生じてしまい、一対の基材に挟まれた空間と外部との通気孔が形成される。このような通気孔が形成されると、外部の環境変化(高温、高湿)の影響により入力装置の性能が低下する可能性がある。また、入力装置の内部と外部で圧力差が生じると基材間のギャップを維持できなくなりニュートンリングが発生する等の問題が生じる。
【0005】
図13は、第1の従来例を示す入力装置101の断面図であり、特許文献1に記載の発明である。なお、図13においては上部基材131の詳細な構成については省略して示している。第1の従来例においては、配線層140と下部透明基材130とで形成された段差を第1の絶縁層137で埋めるとともに、第1の絶縁層137の表面から配線層140の表面にかけて第2の絶縁層139が積層されている。この様な構成とすることにより、第2の絶縁層139表面の平坦性が向上し、第2の絶縁層139の表面に設けられる粘着層161と第2の絶縁層139との間の密着性を効果的に向上できる。
【0006】
また、図14は、第2の従来例の入力装置201の断面図であり、特許文献2において開示されている発明である。図14は、対向する第1の配線層240と第2の配線層241の端部付近の断面を示している。第2の従来例においては、スクリーン印刷により第1の配線層240及び第2の配線層241を形成し、それぞれの端部に隣接して第1の構造層240aと第2の構造層241aとを形成する。第1の構造層240aは第1の配線層240の端部から離れていくに従って厚みが小さくなるように形成されている。第2の構造層241aについても同様に形成される。上部基材230と下部基材231とを、第1の構造層240aと第2の構造層241aとが係合するように粘着層261を介して積層される。このような構造により、配線層と基材表面との段差部を緩和することができ、粘着層261と上部基材230、及び粘着層261と下部基材231との間の隙間の発生を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2010−110066号公報
【特許文献2】特開2009−266025号公報
【特許文献3】特開2010−033310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図13に示す第1の従来例においては、第1絶縁層137と第2の絶縁層139との2層構造であるため、上部基材131と下部基材130との基材間距離が大きくなってしまう。抵抗膜式の入力装置は、入力面を構成するフィルム状の上部基材131を押圧操作し変形させることにより、位置情報を入力する動作方式である。そのため、上部基材131と下部基材130との距離が大きくなると、入力荷重が大きくなり快適な操作感が得られない。また、入力操作時の上部基材131の変形量が大きくなるため、繰り返しの入力操作により上部基材131の耐久性が低下し易くなるという問題がある。
【0009】
また、第1の従来例の入力装置101の製造方法は、第1の絶縁層137と隣接する配線層140との間に微少の隙間を設け、その隙間を第2の絶縁層139により埋める工程が必要である。したがって、第1の絶縁層137の形成に高い位置精度を要し、また、工程も多くなるため製造コストの増加につながる。
【0010】
図14に示す第2の従来例の入力装置201においては、第1の構造層240a及び第2の構造層241aをスクリーン印刷によって形成している。また特許文献2には、複数の構造体により第1の構造層240aを形成し断続的に高さを変化させる構成も記載されている。しかしながら、スクリーン印刷で形成した場合、端部のだれや、サドル現象などが発生するため、精度良く構造層の形状を制御することは困難であった。そのため、第1の構造層240aと粘着層261、及び第2の構造層241aと粘着層261との間に微少な隙間が発生してしまうという問題がある。
【0011】
また、特許文献3に示す入力装置においては、スクリーン印刷法などにより配線層の両側面にスペーサ層を配置して、平坦性を向上させる構成が開示されている。しかしながら、配線層の側面に密着させてスペーサ層を精度良く形成する事は、スクリーン印刷法では困難であり、配線層の上にスペーサ層の一部が乗り上げて形成される、あるいは配線層とスペーサ層との間に隙間が生じる場合がある。このような配線層とスペーサとで形成される段差や隙間を粘着層により吸収することは困難であり、密着性が十分に得られない。
【0012】
本発明は、上記課題を解決し、基材間の距離を増大させることなく、1対の基材間の密着性を効果的に向上させることが可能な入力装置及び入力装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の入力装置は、空間を設けて対向配置された1対の透明基材と、前記1対の透明基材の対向する面の入力領域にそれぞれ形成された透明導電層と、前記入力領域の外周の非入力領域にそれぞれ形成された配線層と、前記1対の透明基材を接着する粘着層を有し、少なくとも一方の前記透明基材の非入力領域においてドット状絶縁部材が形成され、前記1対の透明基材が、前記配線層及び前記ドット状絶縁部材に亘って前記粘着層を介し接着されるとともに、前記一方の透明基材と前記配線層との段差部が前記粘着層により充填されている事を特徴とする。
【0014】
本発明によれば、非入力領域に形成したドット状絶縁部材のアンカー効果により、粘着層と基材との間の密着性を向上することができる。また、配線層及びドット状絶縁部材に亘って粘着層を介して1対の基材を積層する簡単な構成によって、基材間の密着性を向上できることから、一対の基材間の距離を増大させることなく密着性を効果的に向上させることができる。
【0015】
本発明の入力装置は、前記段差部に前記ドット状絶縁部材が形成されていることが好ましい。これによれば、配線層と基材との段差部においても空隙が発生する事を防ぎ、確実に一対の基材間の密着性を向上することが可能となる。
【0016】
本発明の入力装置は、前記非入力領域において、前記配線層は複数の配線部を有して前記入力領域を囲むように形成され、対向する前記複数の配線部の隙間に前記ドット状絶縁部材が形成されていることが好適である。これによれば、対向する配線部の隙間においても、基材と粘着層との間の空隙の発生を防ぐことができ、一対の基材間の密着性及び密閉性を効果的に向上することが可能となる。
【0017】
また、本発明の入力装置は、前記配線部の端部が前記ドット状絶縁部材の一部に跨がって積層されていることが好ましい。これによれば、ドット状絶縁部材のアンカー効果により密着性が向上するとともに、ドット状絶縁部材により配線部と透明基材との段差部が緩やかに形成されるため、段差部における密着性及び密閉性が確実に向上する事が可能となる。
【0018】
本発明の入力装置は、一方の前記透明基材における前記複数の配線部の前記隙間と対向して、他方の前記透明基材に前記配線層が形成されていることが好ましい。これによれば、複数の配線部の隙間において密着性及び密閉性を効果的に向上させる事ができる。
【0019】
本発明の入力装置は、前記ドット状絶縁部材が複数並設されており、前記粘着層と対向する凹凸面を形成することが好ましい。これによれば、ドット状絶縁部材によるアンカー効果がより大きくなるため、一対の基材間の密着性を確実に向上させることが可能となる。
【0020】
本発明の入力装置の製造方法は、一方の面に透明導電層が形成された透明基材の入力領域にドットスペーサを形成する工程と、前記入力領域の外周の非入力領域にドット状絶縁部材を形成する工程と、前記非入力領域に複数の配線部からなる配線層を形成する工程と、前記非入力領域の前記配線層及び前記ドット状絶縁部材に亘って前記粘着層を積層する工程と、を含むことを特徴とする。これによれば、非入力領域に形成したドット状絶縁部材のアンカー効果により、粘着層と基材間の密着性を向上することができる。また、配線層及びドット状絶縁部材に亘って粘着層を介して1対の基材を積層する簡単な構成によって、基材間の密着性を向上できることから、基材間の距離を増大させることなく密着性を効果的に向上させることができる。
【0021】
本発明の入力装置の製造方法は、前記ドットスペーサと前記ドット状絶縁部材とが同一の工程で形成されることが好適である。これによれば、基材間の密着性を効果的に向上させるとともに、入力装置の製造工程を簡略化できるためコスト削減が可能である。
【0022】
本発明の入力装置の製造方法は、前記非入力領域において、前記複数の配線部が対向する隙間を有するように前記配線層を形成する配線領域が設けられ、前記隙間に位置するように前記ドット状絶縁部材を形成する工程を含むことが好ましい。これによれば、対向する配線部の隙間にドット状絶縁部材を形成する事ができるため、対向する配線部の隙間においても、基材と粘着層との間の空隙の発生を防ぐことができ、一対の基材間の密着性及び密閉性を効果的に向上することが可能となる。
【0023】
また、本発明の入力装置の製造方法は、前記非入力領域において、前記配線層を形成する配線領域を設定するとともに、前記配線領域と前記配線領域外方の前記非入力領域とに跨がって前記ドット状絶縁部材を形成する工程を含むことが好適である。これによれば、ドット状絶縁部材のアンカー効果により密着性が向上するとともに、ドット状絶縁部材により配線部と透明基材との段差部が緩やかに形成されるため、段差部における密着性及び密閉性が確実に向上する事が可能となる。
【0024】
本発明の入力装置の製造方法は、前記非入力領域において、前記ドット状絶縁部材を複数並設する事が好ましい。これによれば、ドット状絶縁部材によるアンカー効果がより大きくなるため、一対の基材間の密着性を確実に向上させることが可能となる。
【0025】
本発明の入力装置の製造方法は、前記ドットスペーサと前記ドット状絶縁部材とをアクリル系樹脂材料により形成することが好ましい。
【0026】
本発明の入力装置の製造方法は、前記ドット状絶縁部材を印刷法により形成する事が好ましい。これによれば、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法などの印刷法により、容易にドット状絶縁部材を形成することができる。
【0027】
本発明の入力装置の製造方法は、前記ドット状絶縁部材を紫外線硬化型樹脂により形成する事が好ましい。これによれば、熱を加えること無くドット状絶縁部材を硬化することができるため、短時間で製造する事が可能となる。また、硬化時の残留応力が少ないため、基材の反りの発生を抑えることが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の入力装置及び入力装置の製造方法によれば、非入力領域に形成したドット状絶縁部材のアンカー効果により、粘着層と基材との間の密着性を向上させることができる。また、ドット状絶縁部材のアンカー効果により、多層の絶縁層を設ける必要がないため、一対の基材間の距離を増大させることなく密着性を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態における入力装置の斜視図である。
【図2】図1のII−II線で切断した入力装置の断面図である。
【図3】本実施形態の入力装置における第1透明基材の平面図である。
【図4】図3の領域A付近の第1透明基材の部分拡大平面図である。
【図5】本実施形態の入力装置における、図4のV−V線に対応する位置で切断した部分拡大断面図である。
【図6】本実施形態の第1の変形例を示す、第1透明基材の部分拡大平面図である。
【図7】第1の変形例における、図6のVII−VII線に対応する位置で切断した入力装置の部分拡大断面図である。
【図8】本実施形態の第2の変形例を示す、第1透明基材の部分拡大平面図である。
【図9】本実施形態の第3の変形例の入力装置における、第2透明基材の平面図である。
【図10】図9の領域B付近の第2透明基材の部分拡大平面図である。
【図11】第3の変形例の入力装置における、図10のXI−XI線に対応する位置で切断した入力装置の部分拡大断面図である。
【図12】本実施形態の入力装置の製造方法を示す工程図である。
【図13】第1の従来例を示す、入力装置の部分拡大断面図である。
【図14】第2の従来例を示す、入力装置の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1には本発明の入力装置1の斜視図を示す。また、図2には、図1のII−II線で切断した入力装置1の断面図を示す。
【0031】
このような入力装置1は、液晶表示パネルやエレクトロルミネッセンスパネル等の表示装置の表示画面上に重ねて配置されて、携帯電話機や携帯用情報端末等の携帯機器、ゲーム装置、カメラ、ビデオ撮影装置など各種電子機器の表示部に搭載される。操作者は、入力装置1を通して表示装置の画像を視認することができ、表示された様々な情報について、直接表示画面上を指などで触れることにより入力操作を行うことが可能である。
【0032】
図1に示すように、本発明の入力装置1は、第1透明基材30と第2透明基材31が第1粘着層60を介し積層され、第2透明基材31の入力面側には表面部材50が第2粘着層61を介して積層されている。また、入力装置1は窓状の入力領域20と、入力領域20の外周を囲む非入力領域21を有している。
【0033】
図2に示すように、第1透明基材30と第2透明基材31とは空間を設けて対向するように配置されている。第1透明基材30及び第2透明基材31の対向する面の入力領域20には、それぞれ第1透明導電層32及び第2透明導電層33が形成されている。また、第1透明基材30と第2透明基材31の対向する面の非入力領域21には、それぞれ第1配線層40及び第2配線層41が形成されている。第1透明基材30と第2透明基材とは、非入力領域21において第1粘着層60を介し貼り合わされている。
【0034】
入力面側に配置された第2透明基材31は、入力操作により変形可能なフィルム状の材料であり、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明樹脂材料を用いる。第2透明基材31の厚みは100μmから200μm程度、例えば厚み188μmで形成される。また、第1透明基材30は、透明な樹脂で形成され、例えばPC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)等の材料を用い、厚みが0.5mmから1.5mm、例えば1.0mm程度で形成されればよい。
【0035】
第1透明導電層32及び第2透明導電層33はいずれも、可視光領域で透光性を有するITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO等の透明導電材料であり、スパッタ法や蒸着法により形成される。本実施形態では第1透明導電層32及び第2透明導電層33としてITOを用い、その厚みはいずれも0.01μmから0.05μm、例えば0.02μm程度で形成される。
【0036】
第1配線層40及び第2配線層41は、銅または銀などの導電性材料を含む導電性ペーストを用いスクリーン印刷法やインクジェット印刷法等の印刷法で形成される。また、印刷法以外にも透明導電層と同様に、スパッタ法または蒸着法により薄膜で形成することも可能である。
【0037】
また、第2透明基材31の入力面側には、第2粘着層61を介し表面部材50が積層されている。表面部材50は、フィルム状の柔軟な加飾シート51と、加飾シート51の非入力領域21に形成された加飾層52を有し構成される。加飾シート51は透光性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂材料からなる。また、加飾層52は印刷により形成され、第1配線層40及び第2配線層41と平面的に重なるように配置される。
【0038】
第1粘着層60及び第2粘着層61は、可視光を透過するアクリル系樹脂からなる粘着テープを用いることができる。第1粘着層60及び第2粘着層61は、各配線層や加飾層52によって形成される段差を吸収して、入力装置1の入力面が平坦になるように接着可能な粘弾性を有する材料、厚みのものを用いる。第1粘着層60には厚み約25μm、第2粘着層61には約50μmの厚みの粘着テープをそれぞれ用いた。
【0039】
入力面を構成する第2透明基材31及び加飾シート51は柔軟なフィルム状の材料であり、押圧操作により変形可能な材料である。入力装置1の入力操作時に、入力面を指またはペン形状の入力器具により押圧動作すると、その箇所で第1透明導電層32と第2透明導電層33とが接触する。第1透明導電層32及び第2透明導電層33にはそれぞれ、電圧が印加されており、入力操作した箇所で導電層同士が接触することによって電圧値が変化する。本発明の入力装置1は、この電圧値の変化によって入力位置情報を読み取ることが可能な抵抗膜式タッチパネルを構成する。
【0040】
また、本実施形態では第1透明基材30として厚みは0.5mmから1.5mm、例えば1.0mm程度の樹脂基材を用いたが、これに限らず、フィルム状の樹脂材料を用いてもよい。この場合、第1透明基材30の下部に支持体となる透明基材を貼り合わせて入力装置1を構成する。
【0041】
次に、第1透明基材30の構成について詳細に説明する。図3には、第1透明導電膜32及び第1配線層40が表面に形成された第1透明基材30の平面図を示す。また、図4には、図3の2点鎖線で囲んだ領域A付近の部分拡大平面図を示す。図5には、本実施形態の入力装置1について、図4のV−V線に対応する箇所で切断した部分拡大断面図を示す。
【0042】
図3に示すように、第1透明基材30表面の入力領域20には第1透明導電層32が形成されている。また、入力領域20の外周に位置する非入力領域21には、入力領域20を囲むように複数の配線部から構成される第1配線層40が形成されている。
【0043】
X1側配線部40aは、入力領域20のX1側の非入力領域21に配置され、Y1−Y2方向に延出して形成される。X2側配線部40bは、同様に入力領域20のX2側の非入力領域21にY1−Y2方向に延出して形成される。X1側配線部40a及びX2側配線部40bは、第1透明導電層32と電気的に接続された状態で形成される。
【0044】
接続部40d、40fは、外部のフレキシブルプリント基板等と接続するための端子であり、X1側配線部40aのY1側の端部と接続部40dとはY1側配線部40cにより接続され、X2側配線部40bのY1側の端部と接続部40fとはY1側配線部40eにより接続される。
【0045】
そして、入力領域20のY2側に位置する非入力領域21には、X1−X2方向に延出するY2側ダミー配線部40gが形成されている。図3では、Y2側ダミー配線部40gはX1側配線部40aのY2側端部と接続して一体に形成されているが、これに限らず、Y2側ダミー配線部40gを別体で形成してもよい。Y2側ダミー配線部40gは、第1透明基材30と第2透明基材31とを積層した時に、基材間の距離が入力領域20の周囲にわたって一定となるように設けられている。Y2側ダミー配線部40gが形成されない場合、入力領域20のY2側方向の基材間距離が小さくなってしまい、ニュートンリング等の不具合が発生し易くなる。
【0046】
本実施形態の入力装置1においては、第1透明基材30の非入力領域21において第1配線層40が形成されていない部分に、複数のドット状絶縁部材36が並設されている。ドット状絶縁部材36は、例えばアクリル系の紫外線硬化型樹脂を用い、直径は20μmから100μm程度、例えば約50μmに形成し、その高さは5μmから30μm、例えば約10μmで形成した。
【0047】
図5に示すように、第1透明基材30と第2透明基材31とは、第1配線層40及びドット状絶縁部材36に亘って第1粘着層60を介し接着される。図3に示すようにドット状絶縁部材36を設けたことにより、第1透明基材30の表面に微少な凸部が形成され、この凸部を覆って第1粘着層60が積層されることにより、第1透明基材30と第1粘着層60の間にいわゆるアンカー効果が生じる。これにより、効果的に基材間の密着性を向上する事が可能となる。また、ドット状絶縁部材36の高さは、第1配線層40の厚みに比べ小さく形成されており、ドット状絶縁部材36と第1粘着層60の他に部材を追加することなく、第1透明基材30と第2透明基材31とを接着することが可能であるため、基材間の距離を増大させることなく密着性を向上できる。アンカー効果を利用して密着性を効果的に向上することにより、本実施形態の入力装置1は、高温、高湿など外部の使用環境の影響や、経時変化があった場合にも第1粘着層60と第1透明基材30とが剥離せず、基材間の密着性を維持できる。さらに、基材間の距離を増大させないことから、入力装置1の操作時における入力荷重が増大することなく快適な入力動作が可能であり、また、第2透明基材31及び加飾シート51の耐久性の低下も抑えることができる。
【0048】
図3に示すように、第1透明基材30の非入力領域21において第1配線層40の外周及び内周に、複数のドット状絶縁部材36が並設されている。これに限らず、ドット状絶縁部材36を、第1配線層40の外周または内周のどちらか一方に形成した場合でも基材間の密着性を向上することが可能である。また、第1配線層40の外周の一部、あるいは内周の一部など、ドット状絶縁部材36を形成する箇所を任意に設定する事も可能である。
【0049】
また、図3に示したように第1配線層40が入力領域20を囲むように形成されており、第1配線層40と第1透明基材30とによって段差部が形成されている。この段差部は第1粘着層60の粘弾性により充填されるとともに、第1透明基材30と第2透明基材31とが接着されている。しかし、経時変化や、高温・高湿などの使用環境によって粘着性が低下すると、この段差部近傍で第1粘着層60が剥離し、隙間が生じる可能性がある。本実施形態の入力装置1において、ドット状絶縁部材36を段差部近傍に設けることにより、より確実に密着性を向上する事が可能となり、段差部における隙間の発生を防ぐことができる。
【0050】
図4に示すように、X1−X2方向に延出したY2側ダミー配線部40gと、Y1−Y2方向に延出したX2側配線部40bとは隙間を設けて形成されている。この部分の断面形状は、図5に示すように、対向するY2側ダミー配線部40gとX2側配線部40b、及び第1透明基材30とで凹部が形成されている。第1粘着層60を介して第1透明基材30と第2透明基材31とを貼り合わせた際に、このような凹部における第1粘着層60と第1透明基材30との密着性は、凹部の周辺の各配線部と第1粘着層60との密着性に比べ低くなる。そのため、この凹部において隙間が発生する可能性があり、入力装置1の基材間で挟まれた空間と外部とをつなげる通気孔が形成される恐れがある。
【0051】
本実施形態の入力装置1においては、対向する配線部間の第1透明基材30の表面にドット状絶縁部材36を設けている。ドット状絶縁部材36のアンカー効果により、凹部における第1粘着層60と第1透明基材30との間の密着性及び密閉性を確実に向上することができる。
【0052】
また、図5に示すように、複数の配線部の隙間と対向して、第2透明基材31の第2配線層41が形成されていることが好適である。こうすれば、対向するY2側ダミー配線部40gとX2側配線部40b、及び第1透明基材30とで形成された凹部周辺において、基材間のギャップを小さくできるため、密着性及び密閉性を効果的に向上させる事ができる
【0053】
このように、本実施形態の入力装置1の密閉性を向上させることにより、温度、湿度等の外部の環境の影響を受けにくくなり、入力装置1の耐久性を向上させることができる。また、入力装置1の基材に挟まれた空間の圧力が小さくなることがなく、基材間のギャップを長期間維持できるため、ニュートンリングの発生を抑えることが可能となる。
【0054】
図6は、本発明の実施形態における第1の変形例を示す、第1透明基材30の部分拡大平面図である。また、第1透明基材30と第2透明基材31とを積層した第1の変形例の入力装置1について、図6のVII−VII線に対応する位置で切断した部分拡大断面図を図7に示す。
【0055】
図6、及び図7に示すように、第1の変形例においては、第1配線層40を構成する各配線部の対向する隙間にドット状絶縁部材36が形成され、また、対向する配線部の端部がドット状絶縁部材36の一部に跨がるように形成されている。ドット状絶縁部材36及び配線部をこの様に設けることにより、第1配線層40と第1透明基材30とで形成される段差を緩和することができる。これにより、第1配線層40と第1透明基材30との段差部において、第1粘着層60が隙間無く充填されるとともに、密着性良く第1透明基材30と第2透明基材31とが貼り合わされる。特に、図7に示すような、対向して配置された1対の配線部と第1透明基材30とで形成された凹部においては、第1粘着層60を介して貼り合わせた時に隙間が生じ易いため、本変形例のようにドット状絶縁部材36を設けることにより、密着性とともに密閉性を向上させることが可能となる。
【0056】
図6、及び図7に示す第1の変形例では、対向する配線部と第1透明基材30とで形成された凹部に、ドット状絶縁部材36を形成した。これに限らず、図3及び図4に示したように、第1配線層40の外周及び内周に、複数のドット状絶縁部材36を並設してもよい。こうすれば、より確実に、基材間の密着性及び密閉性を向上できる。また、ドット状絶縁部材36を、第1配線層40の外周または内周のどちらか一方、あるいは第1配線層40の外周の一部、または内周の一部に形成した場合であっても基材間の密着性及び密閉性を向上させることが可能である。
【0057】
図3から図7で示したドット状絶縁部材36は、互に間隔を持って配列されているが、このような態様に限らず、複数のドット状絶縁部材36が連接して形成されていても良い。図8は、第1の実施形態における第2の変形例を示す、第1透明基材30の部分拡大平面図である。第2の変形例においてはY2側ダミー配線部40gとX2側配線部40bとが対向する隙間の第1透明基材30表面に、複数のドット状絶縁部材36を密集するように連接して形成している。このような形態においても、複数のドット状絶縁部材36が密集した領域で微少な凸部が多数形成されるため、ドット状絶縁部材36に亘って第1粘着層60を介して基材間を接着した場合、ドット状絶縁部材36の凸部によりアンカー効果が生じ、密着性が向上する。
【0058】
また、対向する配線部で形成された凹部に、複数のドット状絶縁部材36を密集するように連接させると、この凹部における第1透明基材30と第2透明基材31との距離が小さくなるため、第1配線層40により形成される段差が小さくなり、より密着性および密閉性を向上させることが可能となる。
【0059】
次に、本実施形態の第3の変形例を説明する。図9には、第2透明基材31について、第1透明基材30と対向する面の平面図を示す。図10には、図9の第2透明基材31について領域B付近の部分拡大断面図を、図11には、第3の変形例の入力装置1について図10のXI−XI線に対応する位置で切断した部分拡大断面図を示す。
【0060】
図9に示すように、第2透明基材31の入力領域20には第2透明導電層33が形成されており、入力領域20の外周に位置する非入力領域21には、入力領域20を囲むように第2配線層41が形成されている。
【0061】
第2配線層41は複数の配線部からなり、Y1側配線部41aは、入力領域20のY1側の非入力領域21においてX1−X2方向に延出して形成される。また、Y2側配線部41bは、入力領域20のY2側の非入力領域21においてX1−X2方向に延出して形成される。Y1側配線部41a及びY2側配線部41bは、第2透明導電層33と電気的に接続された状態となっている。
【0062】
接続部41e及び接続部41fは、外部のフレキシブルプリント基板等と接続するための端子であり、それぞれ、Y2側配線部41b及びY1側配線部41aと電気的に接続されている。また、入力領域20のX2側に位置する非入力領域21には、Y1−Y2方向に延出するX2側ダミー配線部41dが形成されている。図9のX2側ダミー配線部41dはY1側配線部41aと接続して一体に形成されているが、これに限らず別体で形成する事も可能である。X2側ダミー配線部41dは、第1透明基材30と第2透明基材31とを積層した時に、基材間の距離を入力領域20の周囲にわたって一定にするため設けられている。
【0063】
第3の変形例の入力装置1においては、第2透明基材31の第1透明基材30と対向する面の非入力領域21に、複数のドット状絶縁部材36が並設されている。ドット状絶縁部材36は、例えばアクリル系の紫外線硬化型樹脂を用い、直径は20μmから100μm、例えば50μm程度に形成し、その高さは5μmから30μm、例えば約10μmで形成した。
【0064】
本実施形態の第3の変形例の入力装置1において、第2配線層41及びドット状絶縁部材36に亘って第1粘着層60を介して、第1透明基材30と第2透明基材31とが貼り合わされる。これによれば、第2透明基材31と第1粘着層60との間の密着性を向上させることができる。
【0065】
ドット状絶縁部材36は、第1透明基材30または第2透明基材31のどちらか一方に設けると、基材間の密着性を向上させることができるが、両方に設けると更に密着性を向上することが可能となる。また、ドット状絶縁部材36の高さは、第1配線層40及び第2配線層41の厚みに比べ小さく形成され、第1透明基材30と第2透明基材31とを接着する際に、第1粘着層60及びドット状絶縁部材36以外の部材を必要としないことから、基材間の距離を増大させることなく密着性を向上できる。
【0066】
なお、第2透明基材31においても、ドット状絶縁部材36の配置を様々に変更可能であり、第2配線層41と第2透明基材31の段差部、または、複数の配線部が対向する隙間に形成することにより、より効果的に密着性及び密閉性を向上させることができる。さらに、配線部の端部がドット状絶縁部材36の一部に跨がって積層させることにより、より確実に密着性及び密閉性を向上させることができる。
【0067】
<入力装置の製造方法>
次に本実施形態の入力装置1の製造方法について説明する。特に、ドット状絶縁部材36を第1透明基材30の非入力領域21に形成する工程について図12(a)から図12(c)に示す。
【0068】
まず、第1透明基材30の一方の面に第1透明導電層32を形成する。第1透明導電層32にはITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料を用い、スパッタ法や蒸着法により形成した。また、あらかじめ第1透明導電層32が形成された第1透明基材30を使用することも可能である。次に、図12(a)に示すように、第1透明導電層32が形成された第1透明基材30の入力領域20にドットスペーサ38を形成する。ドットスペーサ38には、アクリル系の紫外線硬化型樹脂を用い、スクリーン印刷により形成する。ドットスペーサ38の直径は20μmから100μm、例えば直径50μm程度に形成し、その高さは5μmから30μm、例えば約10μmに形成する。
【0069】
ドットスペーサ38は、間隔を設けて複数配列されており、入力装置1の入力操作時において第1透明導電層32と第2透明導電層33とが隣接するドットスペーサ38の間で接触し、入力位置情報を検知する。ドットスペーサ38は誤入力を防ぎ、また、導電層同士が常時接触した状態を防ぐために設けられている。
【0070】
次に、図12(b)の工程で、第1透明基材30の非入力領域21にドット状絶縁部材36を形成する。ドット状絶縁部材36には、アクリル系の紫外線硬化型樹脂を用い、スクリーン印刷により形成する。ドット状絶縁部材36の直径は20μmから100μm、例えば50μm程度に形成し、その高さは5μmから30μm、例えば約10μmに形成する。
【0071】
図12(b)の工程の後、紫外線を照射し、ドット状絶縁部材36とドットスペーサ38とを硬化させる。ドットスペーサ38及びドット状絶縁部材36に紫外線硬化型樹脂を用いることにより、加熱により硬化する工程が不要になるため、短時間で製造する事が可能となる。また、硬化時の残留応力が少ないため、第1透明基材30の反りが生じることが無い。
【0072】
ドット状絶縁部材36とドットスペーサ38に同一のアクリル系紫外線硬化型樹脂を用い、ドット状絶縁部材36とドットスペーサ38とを同一の印刷工程で形成することが望ましい。これによれば、工程を新たに追加することなくドット状絶縁部材36を形成する事ができるため、製造コストの低減が可能となる。
【0073】
次に、図12(c)の工程で、第1透明基材30の非入力領域21において、入力領域20を囲むように第1配線層40を形成する。第1配線層40には、銀または銅などの導電性材料を含む導電性ペーストを用い、スクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷法により形成する。印刷法を用いることにより、安価に、かつ容易に第1配線層40を形成することが可能である。
【0074】
次に、フィルム状の樹脂材料からなる第2透明基材31を準備し、第1透明基材30と同様に第2透明導電層33及び第2配線層41を形成する。あらかじめ第2透明導電層33及び第2配線層41が形成された第2透明基材31を使用しても良い。そして、第2透明基材31の入力面側には、表面に加飾層52が印刷された加飾シート51からなる表面部材50が貼り合わされる。
【0075】
次に、図12(a)から図12(c)の工程で形成した第1透明基材30の非入力領域21において第1配線層40及びドット状絶縁部材36に亘って第1粘着層60を積層する。その後、第1透明基材30と第2透明基材31とを第1粘着層60を介して貼り合わせることにより、図1に示すような入力装置1を形成する。
【0076】
本実施形態の入力装置1の製造方法によれば、第1透明基材30と第2透明基材31とは、第1配線層40及びドット状絶縁部材36に亘って第1粘着層60を介し接着される。ドット状絶縁部材36を設けたことにより、第1透明基材30の非入力領域21表面に微小な凸部が形成される。これにより、第1透明基材30と第1粘着層60との間にアンカー効果が発生し、効果的に密着性を向上させることが可能となる。また、ドット状絶縁部材36の高さは、第1配線層40の厚みに比べ小さく形成され、第1透明基材30と第2透明基材31とを接着する際に、ドット状絶縁部材36の他の部材を必要としないことから、基材間の距離を増大させることなく密着性を向上できる。
【0077】
図12(a)から図12(c)では、第1透明基材30の表面にドットスペーサ38、ドット状絶縁部材36及び第1配線層40を形成する工程について示したが、第2透明基材31についても、ドット状絶縁部材36を形成することが可能である。第2透明基材31ではドットスペーサ38を形成する必要が無く、第2透明導電層33が形成された第2透明基材31の非入力領域21に、ドット状絶縁部材36を印刷法により形成する。第1透明基材30と第2透明基材31とのどちらか一方にドット状絶縁部材36を設けることにより基材間の密着性を向上することが可能であるが、両方に設けるとより確実に密着性を向上することが可能となる。
【0078】
また、図12(b)の工程において、第1透明基材30の非入力領域21に、複数の配線部が対向する隙間を有するように第1配線層40を形成する第1配線領域42を設け、この隙間に位置するようにドット状絶縁部材36を形成することが好適である。こうすれば、第1粘着層60を介して第1透明基材30と第2透明基材31とを貼り合わせた時に、対向する配線部と第1透明基材30との凹部における、第1透明基材30と第1粘着層60との密着性が向上できる。
【0079】
さらに、ドット状絶縁部材36の一部が第1配線領域42に跨がって形成されてもよい。こうすれば、第1配線層40の端部が、ドット状絶縁部材36の一部に跨がって積層されるため、第1透明基材30と第1配線層40との段差部が、ドット状絶縁部材36により緩和される。したがって、第1粘着層60により段差部を充填して基材間を貼り合わせる事が容易になるため、密着性及び密閉性の良好な入力装置1を提供する事が可能となる。
【符号の説明】
【0080】
1 ・・・ 入力装置、
20 ・・・ 入力領域
21 ・・・ 非入力領域
30 ・・・ 第1透明基材
31 ・・・ 第2透明基材
32 ・・・ 第1透明導電層
33 ・・・ 第2透明導電層
36 ・・・ ドット状絶縁部材
38 ・・・ ドットスペーサ
40 ・・・ 第1配線層
40a ・・・ X1側配線部
40b ・・・ X2側配線部
40g ・・・ Y2側ダミー配線部
41 ・・・ 第2配線層
41a ・・・ Y1側配線部
41b ・・・ Y2側配線部
41d ・・・ X2側ダミー配線部
42 ・・・ 第1配線領域
50 ・・・ 表面部材
51 ・・・ 加飾シート
52 ・・・ 加飾層
60 ・・・ 第1粘着層
61 ・・・ 第2粘着層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を設けて対向配置された1対の透明基材と、
前記1対の透明基材の対向する面の入力領域にそれぞれ形成された透明導電層と、
前記入力領域の外周の非入力領域にそれぞれ形成された配線層と、
前記1対の透明基材を接着する粘着層を有し、
少なくとも一方の前記透明基材の非入力領域においてドット状絶縁部材が形成され、
前記1対の透明基材が、前記配線層及び前記ドット状絶縁部材に亘って前記粘着層を介し接着されるとともに、前記一方の透明基材と前記配線層との段差部が前記粘着層により充填されている事を特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記段差部に前記ドット状絶縁部材が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記非入力領域において、前記配線層は複数の配線部を有して前記入力領域を囲むように形成され、対向する前記複数の配線部の隙間に前記ドット状絶縁部材が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記配線部の端部が、前記ドット状絶縁部材の一部に跨がって積層されていることを特徴とする請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
一方の前記透明基材における前記複数の配線部の前記隙間と対向して、他方の前記透明基材に前記配線層が形成されていることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記ドット状絶縁部材が複数並設されており、前記粘着層と対向する凹凸面を形成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項7】
入力装置の製造方法であって、
一方の面に透明導電層が形成された透明基材の入力領域にドットスペーサを形成する工程と、
前記入力領域の外周の非入力領域にドット状絶縁部材を形成する工程と、
前記非入力領域に複数の配線部からなる配線層を形成する工程と、
前記非入力領域の前記配線層及び前記ドット状絶縁部材に亘って前記粘着層を積層する工程と、
を含むことを特徴とする入力装置の製造方法。
【請求項8】
前記ドットスペーサと前記ドット状絶縁部材とが同一の工程で形成されることを特徴とする請求項7に記載の入力装置の製造方法。
【請求項9】
前記非入力領域において、前記複数の配線部が対向する隙間を有するように前記配線層を形成する配線領域が設けられ、前記隙間に位置するように前記ドット状絶縁部材を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の入力装置の製造方法。
【請求項10】
前記非入力領域において、前記配線層を形成する配線領域を設定するとともに、前記配線領域と前記配線領域外方の前記非入力領域とに跨がって前記ドット状絶縁部材を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれが一項に記載の入力装置の製造方法。
【請求項11】
前記非入力領域において、前記ドット状絶縁部材を複数並設する事を特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の入力装置の製造方法。
【請求項12】
前記ドットスペーサと前記ドット状絶縁部材とをアクリル系樹脂材料により形成することを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の入力装置の製造方法。
【請求項13】
前記ドット状絶縁部材を印刷法により形成する事を特徴とする請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の入力装置の製造方法。
【請求項14】
前記ドット状絶縁部材を紫外線硬化型樹脂により形成する事を特徴とする請求項7から請求項13のいずれか1項に記載の入力装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−113641(P2012−113641A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264054(P2010−264054)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】