説明

入力装置

【課題】第1方向と、その第1方向とは反対の第2方向への移動量の入力をユーザが直感的に行うことができる入力装置を提供すること。
【解決手段】図3(a)右図に示すように、ユーザの指がセンサ3,2,4,5・・・の順番で触れると、図3(a)左図に示すカーソルKは、「拡大縮小」の設定の選択肢「100%」から、「用紙」の設定の選択肢「普通」に移動し、更に、上方向に移動する。即ち、カーソルKを上方向に移動させるには、まず、カーソルKの移動方向(上方向)を入力し、続けて、移動量を入力すれば良いので入力操作を直感的に行うことができる。また、横方向に延びるセンサ2,4,5・・・対して、縦方向にはセンサ3を設置すれば良いので、縦方向に検出領域が大型化するのを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
次の特許文献1には、本体10の筐体前面10aに、十字形状の操作面をもつタッチパッド12、又は、L字形状の操作面をもつタッチパッド92、又は、T字形状の操作面をもつタッチパッド102を設け、表示パネル11の操作画面上に於いて上下左右の二次元カーソル指示操作を対象としたとき、その二次元指示操作をユーザが直感的に行うことができるようにしたタッチパッド装置が記載されている。
【特許文献1】特開2006−92321(図1,12,13等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1では、十字形状、L字形状、T字形状に形成されたタッチパッド12,92,102のうち、上下に延びる部分において上下のカーソル指示操作、左右に延びる部分において左右のカーソル指示操作が行われるので、ユーザが上下左右方向への入力を直感的に行うには、タッチパッド12,92,102の上下に延びる部分と、左右に延びる部分とをある程度の長さ以上確保する必要があり、検出領域としてのタッチパッド12,92,102の占める面積が上下左右方向に大型化するという問題点があった。
【0004】
本発明は、上述した問題点なしで、その検出領域を介して第1方向と、その第1方向と交差する第2方向とへの移動量の入力をユーザが直感的に行うことができる入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本願発明の入力装置は、検出領域に対する入力媒体の移動を検出する検出手段を備え、その検出手段によって検出される移動に応じた処理を実行するものであって、前記検出手段によって検出される検出始点からの移動が、第1方向へ直進する直進移動か、または、第2方向から前記第1方向へ屈曲した後で前記第1方向へ直進する屈曲移動かを判断する第1判断手段と、その第1判断手段によって前記直進移動であると判断された場合に、前記直進移動に応じた処理を実行する第1実行手段と、前記第1判断手段によって前記屈曲移動であると判断された場合に、前記屈曲移動における第1方向への直進は、前記第2方向への移動であると擬制して、その擬制した移動に応じた処理を実行する第2実行手段とを備えている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の入力装置によれば、検出領域を介して第1方向と、その第1方向と交差する第2方向とへの移動量の入力をユーザが直感的に行うことができるという効果がある。尚、屈曲移動のうち、第1方向へ屈曲するまでの移動(検出始点から第2方向への移動)は、第2方向への移動距離を入力するものではなく、第1方向への直進を、第2方向への直進と擬制するための移動である。よって、かかる第1方向へ屈曲するまでの移動(検出始点から第2方向への移動)を検出する検出領域は、第2方向からの移動であることさえ検出可能な大きさであれば良く、第2方向への移動量は第1方向への移動量として入力することができる。従って、第2方向に検出領域が大型化するのが抑制される。ここで、直進移動とは、屈曲移動ではない移動を含み、屈曲移動とは直進移動ではない移動を含む。
【0007】
請求項2記載の入力装置によれば、検出領域を介して第1方向、反第1方向、第2方向、反第2方向への移動量の入力をユーザが直感的に行うことができるという効果がある。ここで、反第1方向とは、第1方向ではない方向、反第2方向とは、第2方向ではない方向を含む。
【0008】
請求項3記載の入力装置によれば、ユーザが直進移動、屈曲移動を直感的に入力し易い上、第2方向における検出領域である第2検出領域が大型化するのを抑制することができるという効果がある。
【0009】
請求項4記載の入力装置によれば、屈曲移動における第2方向への直進移動と擬制される第1方向への直進可能範囲を、第1方向への直進移動の場合と同等に設定することができるという効果がある。
【0010】
請求項5記載の入力装置によれば、屈曲後における第1方向への直進は、屈曲前の方向への直進と擬制されるので、ユーザにとって擬制される移動方向が直感的に分かり易いという効果がある。
【0011】
請求項6記載の入力装置によれば、屈曲後における第1方向、反第1方向への直進は、屈曲前の方向への直進と擬制されるので、ユーザにとって擬制される移動方向が直感的に分かり易いという効果がある。
【0012】
請求項7記載の入力装置によれば、検出領域が第1方向とは反対の第2方向へ何ら大型化することなく、検出領域を介して第1方向と、第2方向とへの移動量の入力をユーザが直感的に行うことができるという効果がある。
【0013】
請求項8記載の入力装置によれば、検出領域を介して第1方向、反第1方向、第2方向、反第2方向への移動量の入力をユーザが直感的に行うことができるという効果がある。ここで、反第1方向とは、第1方向ではない方向、反第2方向とは、第2方向ではない方向を含む。
【0014】
請求項9記載の入力装置によれば、設定領域から第2方向と、反第2方向との2方向への移動量を入力することができるという効果がある。
【0015】
請求項10記載の入力装置によれば、第2方向と、反第2方向との移動可能範囲を均等にすることができるという効果がある。
【0016】
請求項11記載の入力装置によれば、第2方向への直進移動と擬制される第1方向への直進可能範囲を、第1方向への直進移動の場合と同等に設定することができる。また、反第2方向への直進移動と擬制される反第1方向への直進可能範囲を、反第1方向への直進移動の場合と同等に設定することができるという効果がある。
【0017】
請求項12記載の入力装置によれば、設定領域であることを一目で認識させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1で入力装置の外観構成、図2で入力装置のハードウェア構成、図3〜図4で入力装置の操作方法の一例、図5〜図7で入力装置の表示更新処理を説明する。
【0019】
図1(a)は、本発明の第1の実施形態における入力装置の一例である多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す)1の外観構成を示した斜視図である。本実施形態のMFP1の正面上部には、後述する操作キー15と、LCD16と、タッチパネル17とが主に設けられており、ユーザは、操作キー15による入力操作か、又はタッチパネル17による入力操作を行うことで、MFP1の各種設定や各種制御を行うことができる。
【0020】
このMFP1は、タッチパネル17の検出領域が縦方向に大型化するのを抑制しつつ、その検出領域を介して横方向(左右方向)と、縦方向(上下方向)とへの移動量の入力をユーザが直感的に行うことができるものである。
【0021】
MFP1は、電話回線網100(図2参照)を介して接続される外部装置(非図示)とファクシミリ通信可能に構成されている。また、このMFP1は、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能などの各種機能も有している。
【0022】
MFP1には、正面上部に設けられる横長形状の操作パネル6が設けられている。この操作パネル6は、プリンタ21やスキャナ20などを操作するためのものであり、操作キー15と、LCD16と、タッチパネル17とが主に設けられている。ユーザは、操作キー15の各種ボタンを操作するか、又は、タッチパネル17を操作することで、各種機能の設定や動作を実行することができる。
【0023】
LCD16には、メニューや操作手順や実行中の処理の状態などが表示される。このLCD16の右方には、入力装置の一種であるタッチパネル17が配設されている。
【0024】
ここで、図1(b)を参照して、LCD16の表示の一例と、タッチパネル17の構成とについて説明する。まず、LCD16の表示について説明する。図1(b)に示すように、例えば、LCD16には、コピー機能に関するメニュー画面の中に、設定項目が複数表示されている。具体的には、ユーザが設定可能な設定項目として、LCD16の上方から下方に向かって順に、「画質」と、「用紙」と、「拡大縮小」とが表示されている。
【0025】
ユーザは、操作キー15やタッチパネル17を操作することで、各種設定項目ごとに、所望する項目を選択することができる。なお、タッチパネル17の操作方法については後述する(図3,図4参照)。
【0026】
LCD16のメニュー画面では、各設定項目(「画質」、「用紙」、「拡大縮小」)ごとに、選択肢の中で選択された項目(選択内容)が太枠で囲まれている。即ち、「画質」の設定において、「標準」が選択され、「用紙」の設定において、「普通」が選択されていることを示している。
【0027】
また、LCD16のメニュー画面では、各設定項目のうち、設定が現在行われている設定項目が、太枠で形成されたカーソルKにより、内部がハッチングされた状態で囲まれている。即ち、「拡大縮小」の設定が現在行われており、「100%」が仮に選択されていることを示している。
【0028】
次に、タッチパネル17の構成について説明する。図1(b)に示すように、本実施形態のタッチパネル17は、形状が横長であり、T字が左に90度回転した横T字状に形成されている。この形状にすることで、例えば、略正方形に形成するよりも、縦方向の省スペース化を図ることができる。
【0029】
このタッチパネル17は、9つの領域に区分けされており、各領域ごとに、指が接触しているか否かが検出される。なお、区分けされた各領域のことを、それぞれ検出領域と称す。
【0030】
具体的には、図1(b)に示すように、タッチパネル17の左端には、3つの検出領域が縦方向に隣接するように配設されている。なお、この3つの検出領域のことを、上から下に向かって順番に、それぞれセンサ1〜センサ3と称す。
【0031】
そして、センサ2の右端から右方向に向かって、6つの検出領域が隣接するように配設されている。なお、この6つの検出領域のことを、左から右に向かって順番に、それぞれセンサ4〜センサ9と称する。
【0032】
なお、図示していないが、このタッチパネル17は、タッチパネル17を制御するコントローラ(非図示)と一体に構成されており、センサ1〜9の何れかにユーザの指が接触したら、指の接触が検出されたセンサ1〜9が、そのコントローラ(非図示)により特定される。CPU11(図2参照)は、タッチパネル17(のコントローラ)により検出されたセンサ1〜9に応じて、LCD16に表示されているカーソルKを移動させるなどの各処理を実行する。
【0033】
また、本実施形態のタッチパネル17では、一のセンサ(検出領域)と、それに隣接するセンサ(検出領域)との境界は、一定間隔を保ちつつ、略ノコギリ状に形成されている。これにより、ユーザが、一のセンサと、それに隣接するセンサとの境界を触れると、ユーザの指が、その2つの領域をほぼ半分ずつ触れることになるので、ユーザの指の移動をより詳細に検出できる。つまり、ユーザの指が各センサ1〜9へ移動して行くことに加えて、ユーザの指が次のセンサ1〜9への移動途中であることも検出できる。
【0034】
次に、図2を参照して、第1の実施形態におけるMFP1の電気的構成について説明する。MFP1は、CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、スキャナ20、プリンタ21、NCU23、モデム24とを主に有している。
【0035】
CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14は、バスライン26を介して互いに接続されている。また、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、スキャナ20、プリンタ21、NCU23、モデム24、バスライン26は、入出力ポート27を介して互いに接続されている。
【0036】
CPU11は、ROM12やRAM13やフラッシュメモリ14に記憶される固定値やプログラム或いは、NCU23を介して送受信される各種信号に従って、MFP1が有している各機能の制御や、入出力ポート27と接続された各部を制御するものである。
【0037】
ROM12は、MFP1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。後述する図5のフローチャートに示す表示更新処理、図6のフローチャートに示す接触順取得処理、図7(a)のフローチャートに示す下方向スクロール処理、図7(b)のフローチャートに示す上方向スクロール処理、図7(c)のフローチャートに示す左右方向スクロール処理を実行する各プログラムは、このROM12に格納されている。
【0038】
RAM13は、書換可能な揮発性のメモリであり、MFP1の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。RAM13には、第1接触メモリ13aと、第2接触メモリ13bと、第3接触メモリ13cとが設けられている。
【0039】
フラッシュメモリ14は書換可能な不揮発性のメモリであり、このフラッシュメモリ14に記憶されたデータは、MFP1の電源オフ後も保持される。
【0040】
次に、図3および図4を参照して、タッチパネル17の操作方法の一例について説明する。まず、カーソルKの表示位置を画面の上方向へ移動させる場合のタッチパネル17の操作方法の一例について説明する。ここでは、図3(a)の左図上段に示すメニュー画面のように、「拡大縮小」の設定において、「100%」がカーソルKにより選択されているものとする。
【0041】
この状態で、図3(a)の右図に示すように、ユーザの指が、まず始めに「センサ3」に触れ、そのまま上方向に移動し「センサ2」に触れた後に、右方向に移動し「センサ4」に触れたとする。すると、それ以降は、ユーザの指が右方向のセンサに移動したら、カーソルKがメニュー画面の上方向に(図3(a)左図上段→中段→下段と)移動し、その後、図3(b)の右図に示すように、ユーザの指が左方向のセンサに移動したら、カーソルKがメニュー画面の下方向に(図3(b)左図上段→中段→下段と)移動する。つまり、カーソルKが、画面の上下方向に移動するようになる。
【0042】
つまり、ユーザは、カーソルKを画面の上方向に動かしたい場合には、まず始めにカーソルKの移動方向(上方向)を入力し、続けて、移動量を入力すれば良いので、入力操作を直感的に行うことができる。また、図1に示すセンサ2,4,5,6,7,8,9が延びる横方向に対して、縦方向にはセンサ3だけを設置すれば良いので、縦方向に検出領域が大型化するのを抑制することができる。
【0043】
また、ユーザは、画面の上方向に動かしていたカーソルKを、下方向に動かしたい(戻したい)場合には、指の移動方向を反転させれば良いので、縦方向に検出領域が大型化するのを抑制しつつ、入力操作を直感的に行うことができる。
【0044】
次に、図4(a)を参照して、カーソルKの表示位置を画面の下方向へ移動させる場合のタッチパネル17の操作方法の一例について説明する。
【0045】
ここでは、図4(a)の左図上段に示すメニュー画面のように、「画質」の設定において、「標準」がカーソルKにより選択されているものとする。この状態で、図4(a)の右図に示すように、ユーザの指が、まず始めに「センサ1」に触れ、そのまま下方向に移動し「センサ2」に触れた後に、右方向に移動し「センサ4」に触れたとする。
【0046】
すると、それ以降は、ユーザの指が右方向のセンサに移動したら、カーソルKがメニュー画面の下方向に(図4(a)左図上段→中段→下段と)移動し、ユーザの指が左方向のセンサに移動したら、カーソルKがメニュー画面の上方向(図4(a)左図下段→中段→上段と)に移動する。つまり、カーソルKが、画面の上下方向に移動するようになる。
【0047】
なお、図4(b)は、カーソルKの表示位置を画面の右方向へ移動させる場合のタッチパネル17の操作方法の一例である。ユーザの指が、まず始めに「センサ1」、「センサ3」以外のセンサに触れ、続けて、何れかのセンサに2回触れると、それ以降は、ユーザの指が右方向のセンサに移動したら、カーソルKがメニュー画面の右方向に移動し、ユーザの指が左方向のセンサに移動したら、カーソルKがメニュー画面の左方向に移動する。つまり、カーソルKが、画面の左右方向に移動するようになる。
【0048】
以上説明した通り、センサ1,3を、センサ2,4,5,6,7,8,9の左端に配置し、横方向のセンサを利用して縦方向の入力操作を行うことができるので、縦方向の入力操作を行う際に操作可能なセンサの数と、横方向の入力操作を行う際に操作可能なセンサの数とを、ほぼ同等にすることができる。従って、縦方向の入力操作でも、横方向の入力操作と同等なカーソルKの移動量(又は、指の移動量)を確保することができる。
【0049】
次に、図5を参照して、MFP1のCPU11により実行される表示更新処理について説明する。この表示更新処理は、タッチパネル17による入力操作が行われた際に、ユーザの指の移動方向および移動量(センサの数)に応じて、LCD16の画面(特に、カーソルKの表示位置)を更新するための処理であり、MFP1の主電源が投入されてから主電源が遮断されるまで繰り返し実行される処理である。
【0050】
この表示更新処理では、まず、接触順取得処理を実行する(S1)。この接触順取得処理が実行されると、ユーザがタッチパネル17に触れ続けている期間中に、ユーザが最初に触れたセンサのセンサ情報(例えば、センサ名や、センサの番号など)がRAM13の第1接触メモリ13aに記憶され、以下同様に、ユーザが2番目に触れたセンサのセンサ情報が第2接触メモリ13bに、ユーザが3番目に触れたセンサのセンサ情報が第3接触メモリ13cに記憶される。
【0051】
次に、第1接触メモリ13a、第2接触メモリ13b、第3接触メモリ13cに記憶されている各センサ情報を順番に取得する(S2)。そして、センサ情報の取得順が、「センサ1→センサ2→センサ4」というセンサの順序に対応している場合は(S3:Yes)、ユーザの指が右方向に移動した移動量(センサの数)に応じて、カーソルKを画面の下方向に移動させる下方向スクロール処理を実行する(S4)。なお、下方向スクロール処理の詳細については、図7(a)を参照しつつ後述する。そして、S1の処理に戻り、上述したS1〜S4の各処理を繰り返す。
【0052】
一方、センサ情報の取得順が、「センサ1→センサ2→センサ4」というセンサの順序に対応していない場合に(S3:No)、センサ情報の取得順が、「センサ3→センサ2→センサ4」というセンサの順序に対応している場合は(S5:Yes)、ユーザの指が右方向に移動した移動量(センサの数)に応じて、カーソルKを画面の上方向に移動させる上方向スクロール処理を実行する(S6)。なお、上方向スクロール処理の詳細については、図7(b)参照しつつ後述する。そして、S1の処理に戻り、上述したS1〜S6の各処理を繰り返す。
【0053】
一方、S5の処理において、センサ情報の取得順が、「センサ3→センサ2→センサ4」というセンサの順序に対応していない場合は(S6:No)、ユーザの指が左方向(又は、右方向)に移動した移動量(センサの数)に応じて、カーソルKを画面の左方向(又は、右方向)に移動させる左右方向スクロール処理を実行する(S7)。なお、左右方向スクロール処理の詳細については、図7(c)を参照しつつ後述する。そして、S1の処理に戻り、上述したS1〜S7の各処理を繰り返す。
【0054】
次に、図6を参照して、MFP1のCPU11により実行される接触順取得処理(S1)について説明する。
【0055】
接触順取得処理では、まず、センサ1〜9の中で、指の接触を検出しているセンサがあるかを判定し(S11)、指の接触を検出しているセンサがある場合は(S11:Yes)、指の接触を検出しているセンサを示すセンサ情報をRAM13の第1接触メモリ13aに記憶する(S12)。
【0056】
次に、指の接触を検出しているセンサがあるかを再び判定し(S13)、指の接触を検出しているセンサがある場合は(S13:Yes)、指の接触を検出しているセンサを示すセンサ情報をRAM13の第2接触メモリ13bに記憶する(S14)。
【0057】
そして、第1接触メモリ13aのセンサ情報と、第2接触メモリ13bのセンサ情報とが同一であるかを判定し(S15)、2つのセンサ情報が同一である場合は(S15:Yes)、ユーザの指が、まだ次のセンサに移動していない場合であるので、上述したS13〜S15の各処理を繰り返す。
【0058】
一方、2つのセンサ情報が異なる場合は(S15:No)、指の接触を検出しているセンサがあるかを更に判定する(S16)。S16の処理において、指の接触を検出しているセンサがある場合は(S16:Yes)、指の接触を検出しているセンサを示すセンサ情報をRAM13の第3接触メモリ13cに記憶する(S18)。
【0059】
そして、第2接触メモリ13bのセンサ情報と、第3接触メモリ13cのセンサ情報とが同一であるかを判定し(S19)、2つのセンサ情報が同一である場合は(S19:Yes)、ユーザの指が、まだ次のセンサに移動していない場合であるので、上述したS16〜S19の各処理を繰り返す。
【0060】
一方、2つのセンサ情報が異なる場合は(S19:No)、ユーザの指がタッチパネル17に接触してから、指が接触した1番目から3番目までのセンサの順序を取得できたので、この接触順取得処理を終了する。
【0061】
なお、S11、S13、S16の各処理で、指の接触を検出しているセンサがない場合は(S11:No、S13:No、S16:No)、ユーザの指がタッチパネル17から離れた場合であるので、S17の処理に移行する。S17の処理では、第1接触メモリ13aと、第2接触メモリ13bと、第3接触メモリ13cとをそれぞれクリアして(S17)、この接触順取得処理を終了する。
【0062】
次に、図7(a)を参照して、MFP1のCPU11により実行される下方向スクロール処理(S4)について説明する。
【0063】
下方向スクロール処理では、まず、指の接触を検出しているセンサ1〜9の位置が右方向(即ち、センサ9に向かって(図1(b)参照))に移動したかを判定し(S21)、右方向に移動した場合は(S21:Yes)、カーソルKの表示位置を、1項目分下に移動させ(S22)、上述したS21〜S22の各処理を繰り返す。
【0064】
一方、指の接触を検出しているセンサの位置が、右方向に移動していない場合に(S21:No)、指の接触を検出しているセンサ1〜9の位置が、左方向(即ち、センサ2に向かって(図1(b)参照))に移動した場合は(S23:Yes)、カーソルKの表示位置を、1項目分上に移動させ(S24)、上述したS21〜S24の各処理を繰り返す。
【0065】
一方、指の接触を検出しているセンサの位置が、左方向に移動していない場合は(S23:No)、指の接触を検出しているセンサ1〜9があるかを判定し(S25)、指の接触を検出しているセンサがある場合は(S25:Yes)、ユーザの指が、まだ次のセンサに移動していない場合であるので、S21の処理に戻り、上述したS21〜S25の各処理を繰り返す。
【0066】
一方、指の接触を検出しているセンサがない場合は(S25:No)、ユーザの指がタッチパネル17から離れた場合であるので、この下方向スクロール処理を終了する。
【0067】
次に、図7(b)を参照して、MFP1のCPU11により実行される上方向スクロール処理(S6)について述べる。この上方向スクロール処理は、上述した下方向スクロール処理(図7(a)参照)のS22の処理を、カーソルKを1項目分上に移動させる(図7(b)にて符号S31を付している)処理に置き換え、また、S24の処理を、カーソルKを1項目分下に移動させる(図7(b)にて符号S32を付している)処理に置き換えたものである。よって、その説明を省略する。
【0068】
次に、図7(c)を参照して、MFP1のCPU11により実行される左右方向スクロール処理(S7)について述べる。この左右方向スクロール処理は、上述した下方向スクロール処理(図7(a)参照)のS22の処理を、カーソルKを1項目分右に移動させる(図7(c)にて符号S41を付している)処理に置き換え、また、S24の処理を、カーソルKを1項目分左に移動させる(図7(b)にて符号S42を付している)処理に置き換えたものである。よって、その説明を省略する。
【0069】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図8で入力装置の操作方法の一例、図9で入力装置の表示更新処理を説明する。第2の実施形態は、縦方向に検出領域を何ら大型化させることなく、ユーザが4方向の入力操作を直感的に行えるものである。
【0070】
まず、図8を参照して、第2の実施形態におけるタッチパネル17の構成と、その操作方法の一例について説明する。なお、このタッチパネル17は、第1の実施形態のMFP1と同様に、LCD16の右方に配設されている。
【0071】
図8(a)は、カーソルKの表示位置を画面の上方向へ移動させる場合のタッチパネル17の操作方法の一例を説明するための概略図である。図8(b)は、カーソルKの表示位置を画面の下方向へ移動させる場合のタッチパネル17の操作方法の一例を説明するための概略図である。
【0072】
図8(a)の右図に示すように、第2の実施形態のタッチパネル17は、矩形状に形成され、9つの検出領域に区分けされており、各検出領域ごとに、指が接触しているか否かが検出される。
【0073】
具体的には、タッチパネル17の左端から右端に向かって、9つの検出領域が一列に、横方向に隣接するように配設されている。なお、この9つの検出領域のことを、左から右に向かって順番に、「センサ1、センサ2、センサ3、センサ4、センサ0、センサ5、センサ6、センサ7、センサ8」と称す。
【0074】
また、9つの検出領域の中央に位置するセンサ0の外観は、他のセンサ1〜8の外観とは区別可能に(異なるように)構成されている。例えば、センサ0の表面色を、他のセンサ1〜8の表面色とは別の色で構成しても良いし、センサ0の表面に、上下方向を示す矢印などのマークを付けておいても良い。これにより、センサ0と、他のセンサ1〜8とを一見して区別することができる。尚、その他の構成については、第1の実施形態と同一であるので、その説明を省略する。
【0075】
次に、タッチパネル17の操作方法について説明する。まず、カーソルKの表示位置を画面の上方向へ移動させる場合のタッチパネル17の操作方法の一例について説明する。ここでは、図8(a)の左図上段に示すメニュー画面のように、「拡大縮小」の設定において、「100%」がカーソルKにより選択されているものとする。
【0076】
この状態で、図8(a)の右図に示すように、ユーザの指が、まず始めに「センサ0」に触れ、そのまま右方向に移動し「センサ5」に触れたとする。すると、それ以降は、ユーザの指が右方向のセンサに移動したら、カーソルKがメニュー画面の上方向に(図8(a)左図上段→中段→下段と)移動し、ユーザの指が左方向のセンサに移動したら、カーソルKがメニュー画面の下方向に(図8(a)左図下段→中段→上段と)移動する。つまり、カーソルKが、画面の上下方向に移動するようになる。
【0077】
つまり、ユーザは、カーソルKを画面の上方向に動かしたい場合には、まず始めにセンサ0に触れて右方向に指を動かし、続けて、移動量を入力すれば良いので、入力操作を直感的に行うことができる。また、ユーザは、画面の上方向に動かしていたカーソルKを、下方向に動かしたい(戻したい)場合には、指の移動方向を反転させれば良いので、入力操作を直感的に行うことができる。即ち、縦方向に検出領域を何ら大型化させることなく、横方向に延びるセンサによって縦方向への入力操作を直感的に行うことができる。
【0078】
次に、図8(b)を参照して、カーソルKの表示位置を画面の下方向へ移動させる場合のタッチパネル17の操作方法の一例について説明する。ここでは、図8(b)の左図上段に示すメニュー画面のように、「画質」の設定において、「標準」がカーソルKにより選択されているものとする。
【0079】
この状態で、図8(b)の右図に示すように、ユーザの指が、まず始めに「センサ0」に触れ、そのまま左方向に移動し「センサ4」に触れたとする。すると、それ以降は、ユーザの指が左方向のセンサに移動したら、カーソルKがメニュー画面の下方向に(図8(b)左図上段→中段→下段と)移動し、ユーザの指が右方向のセンサに移動したら、カーソルKがメニュー画面の上方向に(図8(b)左図下段→中段→上段と)移動する。つまり、カーソルKが、画面の上下方向に移動するようになる。
【0080】
上述した通り、ユーザは、カーソルKを画面の下方向に動かしたい場合には、まず始めにセンサ0に触れて左方向に指を動かし、続けて、移動量を入力すれば良いので、入力操作を直感的に行うことができる。また、ユーザは、画面の下方向に動かしていたカーソルKを、上方向に動かしたい(戻したい)場合には、指の移動方向を反転させれば良いので、入力操作を直感的に行うことができる。即ち、縦方向に検出領域を何ら大型化させることなく、横方向に延びるセンサによって縦方向への入力操作を直感的に行うことができる。
【0081】
なお、図示はしないが、カーソルKを画面の左右方向に動かす場合については、まず始めに、「センサ0」以外のセンサに触れて、指を左右方向に動かせば良い。
【0082】
また、センサ0をタッチパネル17の中央に配置しているので、上方向と下方向との2方向の指示を入力することができると共に、上方向の入力操作を行う際に操作可能なセンサの数と、下方向の入力操作を行う際に操作可能なセンサの数とを、均等にすることができる。
【0083】
なお、この場合、例えば、2つのセンサが押されている状態(指が次のセンサへ移動途中)となった場合に、指の移動方向に応じて、画面のカーソルKを1項目分、上方向(又は、下方向)に移動させるように構成しても良い。このように構成すれば、9つのセンサの中央(センサ0)から、右方向に指を動かした場合でも、左に指を動かした場合でも、横方向の入力操作と同等なカーソルKの移動量を確保することができる。
【0084】
次に、第2の実施形態におけるMFP1の電気的構成について説明する。第2の実施形態のMFP1の電気的構成において、第1の実施形態のMFP1のブロック図(図2参照)と異なる部分は、ROM12、及び、RAM13のみであるため、ROM12、及び、RAM13についてのみ説明を行い、その他の同一部分についてはその説明を省略する。
【0085】
第2の実施形態でのROM12(非図示)には、第1の実施形態に示した各処理を実行する各プログラムに加えて、後述する図9のフローチャートに示す表示更新処理を実行するプログラムが格納されている。
【0086】
第2の実施形態のRAM13(非図示)には、上述した第1接触メモリ13aと、第2接触メモリ13bとが設けられている。
【0087】
次に、図9を参照して、第2の実施形態におけるMFP1のCPU11により実行される表示更新処理について説明する。
【0088】
この表示更新処理では、まず、接触順取得処理を実行する(S1)。上述した接触順取得処理(図6参照)は、ユーザの指がタッチパネル17に接触してから、その指が接触した1番目から3番目までのセンサの順序を取得するための処理である。しかしながら、第2の実施形態では、3番目のセンサの順序を記憶するメモリ(第3接触メモリ)が設けられていないので、第2の実施形態では、1番目から2番目までのセンサの順序を取得するように構成しておく。
【0089】
この接触順取得処理が実行されると、ユーザがタッチパネル17に触れ続けている期間中に、ユーザが最初に触れたセンサのセンサ情報(例えば、センサ名や、センサの番号など)がRAM13の第1接触メモリ13aに記憶され、ユーザが2番目に触れたセンサのセンサ情報が第2接触メモリ13bに記憶される。
【0090】
次に、第1接触メモリ13a、第2接触メモリ13bに記憶されている各センサ情報を順番に取得する(S51)。そして、センサ情報の取得順が、「センサ0→センサ5」というセンサの順序に対応している場合は(S52:Yes)、ユーザの指が右方向に移動した移動量(センサの数)に応じて、カーソルKを画面の下方向に移動させる下方向スクロール処理(図7(a)参照)を実行する(S4)。そして、S1の処理に戻り、上述したS1〜S4の各処理を繰り返す。
【0091】
一方、センサ情報の取得順が、「センサ0→センサ5」というセンサの順序に対応していない場合に(S52:No)、センサ情報の取得順が、「センサ0→センサ4」というセンサの順序に対応している場合は(S53:Yes)、ユーザの指が右方向に移動した移動量(センサの数)に応じて、カーソルKを画面の上方向に移動させる上方向スクロール処理(図7(b)参照)を実行する(S6)。そして、S1の処理に戻り、上述したS1〜S6の各処理を繰り返す。
【0092】
一方、S53の処理において、センサ情報の取得順が、「センサ0→センサ4」というセンサの順序に対応していない場合は(S6:No)、ユーザの指が左方向(又は、右方向)に移動した移動量(センサの数)に応じて、カーソルKを画面の左方向(又は、右方向)に移動させる左右方向スクロール処理(図7(c)参照)を実行する(S7)。そして、S1の処理に戻り、上述したS1〜S7の各処理を繰り返す。
【0093】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0094】
例えば、上記実施形態では、タッチパネル17をLCD16の右方に配設しているが、LCD16とタッチパネル17の配置を左右逆にしても良い。また、タッチパネル17とLCD16とを縦方向に並べて配置しても良い。また、上記実施形態では、タッチパネル17を横長に配置しているが、これを90度回転させて、縦長となるように配置しても良い。
【0095】
また、第1の実施形態では、タッチパネル17において、縦方向のセンサ(センサ1,センサ3)を、右方向に配設されるセンサ(センサ2,センサ4〜センサ9)より上方に1つ(センサ1)と、下方に1つ(センサ3)を配設しているが、複数配設しても良い。
【0096】
また、第1の実施形態では、タッチパネル17において、縦方向のセンサ(センサ1,センサ3)を、タッチパネル17の左端に配設しているが、これに限定するものではない。例えば、縦方向のセンサ(センサ1,センサ3)を、タッチパネル17の右端に配設しても良いし、中央に配設しても良い。
【0097】
また、第1の実施形態では、タッチパネル17において、縦方向のセンサ(センサ1,センサ3)を、右方向に配設されるセンサ(センサ2,センサ4〜センサ9)を挟んで、対向するように上下に配置しているが、いずれか一方であっても良い。また、対向していなくても良く、例えば、センサ1をタッチパネル17の左端(即ち、センサ2の上端)に配置し、センサ3をタッチパネル17の右端(即ち、センサ9の下端)に配置しても良い。
【0098】
また、第1の実施形態では、タッチパネル17において、縦方向のセンサ(センサ1,センサ3)を、タッチパネル17の左端に配設しているが、横方向のセンサ(センサ4,5等)の途中に配設しても良い。
【0099】
また、第2の実施形態では、センサ0をタッチパネル17の中央に配置しているが、他の位置に配置しても良い。尚、センサ0を一端に配置する場合には、両端に配置するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態における入力装置の一例であるMFPの外観構成を示した斜視図であり、(b)は、LCDに表示されたコピー機能に関するメニュー画面の表示の一例と、タッチパネルの構成とを示すイメージ図である。
【図2】第1の実施形態におけるMFPの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】(a),(b)は、タッチパネルの操作方法の一例を説明するための概略図である。
【図4】(a),(b)は、タッチパネルの操作方法の一例を説明するための概略図である。
【図5】MFPの表示更新処理を示すフローチャートである。
【図6】MFPの接触順取得処理を示すフローチャートである。
【図7】(a)は、MFPの下方向スクロール処理を示すフローチャートであり、(b)は、MFPの上方向スクロール処理を示すフローチャートであり、(c)は、MFPの左右方向スクロール処理を示すフローチャートである。
【図8】(a),(b)は、タッチパネルの操作方法の一例を説明するための概略図である。
【図9】第2の実施形態におけるMFPの表示更新処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
1 MFP(入力装置の一例)
17 タッチパネル(検出手段の一例)
S3,S5,S52,S53 第1判断手段の一例
S4,S6 第2実行手段の一例
S7 第1実行手段の一例
S23 第2判断手段の一例
センサ2,4乃至9 第1検出領域の一例
センサ1,3 第2検出領域の一例
センサ0 設定領域の一例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出領域に対する入力媒体の移動を検出する検出手段を備え、その検出手段によって検出される移動に応じた処理を実行する入力装置において、
前記検出手段によって検出される検出始点からの移動が、第1方向へ直進する直進移動か、または、第2方向から前記第1方向へ屈曲した後で前記第1方向へ直進する屈曲移動かを判断する第1判断手段と、
その第1判断手段によって前記直進移動であると判断された場合に、前記直進移動に応じた処理を実行する第1実行手段と、
前記第1判断手段によって前記屈曲移動であると判断された場合に、前記屈曲移動における第1方向への直進は、前記第2方向への移動であると擬制して、その擬制した移動に応じた処理を実行する第2実行手段とを備えていることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記第1方向へ直進した後、その第1方向とは反対の反第1方向に直進したかを判断する第2判断手段を備え、
前記第1実行手段は、
前記第2判断手段によって前記反第1方向に直進したと判断された場合に、その反第1方向へ直進した移動に応じた処理を実行し、
前記第2実行手段は、
前記第2判断手段によって前記反第1方向に直進したと判断された場合に、その反第1方向への直進は、前記第2方向とは反対方向の反第2方向への直進であると擬制して、その擬制した移動に応じた処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記検出領域は、
前記第1方向を長手方向とする矩形状に形成された第1検出領域と、
その第1検出領域の長手方向縁部の一部から前記長手方向の長さよりも短く延出する第2検出領域とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第2検出領域は、前記第1検出領域の長手方向縁部の一端側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記第1検出領域の長手方向縁部の一端側から他端側に向かう方向を第1方向とし、
前記第1検出領域の一対の長手方向縁部の一方から他方に向かう方向を前記第2方向、その第2方向とは反対方向を反第2方向とし、
前記第2検出領域は、前記第1検出領域の長手方向縁部の一端側であって、前記一対の長手方向縁部の一方と他方とに各々配置されており、
前記第1判断手段は、前記屈曲移動が、前記第2方向、または、前記反第2方向から前記第1方向へ屈曲したかを判断し、
前記第2実行手段は、前記第1判断手段によって、前記第2方向から前記第1方向へ屈曲したと判断された場合は、前記屈曲移動における第1方向への直進は、前記第2方向への直進であると擬制し、前記反第2方向から前記第1方向へ屈曲したと判断された場合は、前記屈曲移動における第1方向への直進は、前記反第2方向への直進であると擬制し、その擬制した移動に応じた処理を実行することを特徴とする請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記第1検出領域の長手方向縁部の一端側から他端側に向かう方向を第1方向、その第1方向とは反対の方向を反第1方向とし、
前記第1検出領域の一対の長手方向縁部の一方から他方に向かう方向を前記第2方向、その第2方向とは反対方向を反第2方向とし、
前記第2検出領域は、前記第1検出領域の長手方向縁部の一端側であって前記一対の長手方向縁部の一方と、前記第1検出領域の長手方向縁部の他端側であって前記一対の長手方向縁部の他方とに各々配置されており、
前記第1判断手段は、前記屈曲移動が、前記第2方向から前記第1方向へ屈曲したか、または、前記反第2方向から前記反第1方向へ屈曲したかを判断し、
前記第2実行手段は、前記第1判断手段によって、前記第2方向から前記第1方向へ屈曲したと判断された場合は、前記屈曲移動における第1方向への直進は前記第2方向への直進であると擬制し、前記反第2方向から前記反第1方向へ屈曲したと判断された場合は、前記屈曲移動における反第1方向への直進は、前記反第2方向への直進であると擬制し、その擬制した移動に応じた処理を実行することを特徴とする請求項4に記載の入力装置。
【請求項7】
検出領域に対する入力媒体の移動を検出する検出手段を備え、その検出手段によって検出される移動に応じた処理を実行する入力装置において、
前記検出領域は、第1方向を長手方向とする矩形状に形成されており、
前記検出手段によって検出始点から前記第1方向に直進する移動が検出された場合に、その検出始点が前記検出領域内に予め設定されている設定領域内に含まれているかを判断する第1判断手段と、
その第1判断手段によって含まれていないと判断された場合に、その検出された移動に応じた処理を実行する第1実行手段と、
前記第1判断手段によって含まれていると判断された場合に、前記検出始点から第1方向へ直進する移動を、前記第1方向と交差する第2方向へ直進する移動と擬制して、その擬制した移動に応じた処理を実行する第2実行手段とを備えていることを特徴とする入力装置。
【請求項8】
前記第1方向へ直進する移動が検出された後、その第1方向とは反対の反第1方向へ直進したかを判断する第2判断手段を備え、
前記第1実行手段は、
前記第2判断手段によって前記反第1方向へ直進したと判断された場合に、その反第1方向へ直進した移動に応じた処理を実行し、
前記第2実行手段は、
前記第2判断手段によって前記反第1方向へ直進したと判断された場合に、その反第1方向への直進は、前記第2方向とは反対方向の反第2方向への直進であると擬制して、その擬制した移動に応じた処理を実行することを特徴とする請求項7に記載の入力装置。
【請求項9】
前記設定領域は、前記検出領域の長手方向の途中に設定されており、
前記設定領域から前記検出領域に沿った一方の方向を前記第1方向、その第1方向とは反対方向を反第1方向とし、
前記第1実行手段は、前記第1判断手段によって前記検出始点が前記設定領域内に含まれていないと判断され、前記検出手段によって前記検出始点から前記反第1方向に直進する移動が検出された場合に、その検出された移動に応じた処理を実行し、
前記第2実行手段は、前記第1判断手段によって前記検出始点が前記設定領域内に含まれていると判断され、前記検出手段によって前記検出始点から前記反第1方向に直進する移動が検出された場合、前記検出始点から前記反第1方向へ直進する移動を、前記第2方向とは反対方向の反第2方向へ直進する移動と擬制して、その擬制した移動に応じた処理を実行することを特徴とする請求項7又は8に記載の入力装置。
【請求項10】
前記設定領域は、前記検出領域の長手方向の中央部に設定されていることを特徴とする請求項9に記載の入力装置。
【請求項11】
前記設定領域は、前記検出領域の長手方向の両端に設定されており、
前記検出領域の長手方向の一端側から他端側に向かう方向を第1方向、その第1方向とは反対方向を反第1方向とし、
前記第1実行手段は、前記第1判断手段によって前記検出始点が前記設定領域内に含まれていないと判断され、前記検出手段によって前記検出始点から前記反第1方向に直進する移動が検出された場合に、その検出された移動に応じた処理を実行し、
前記第2実行手段は、前記第1判断手段によって前記検出始点が前記設定領域内に含まれていると判断され、前記検出手段によって前記検出始点から前記反第1方向に直進する移動が検出された場合、前記検出始点から前記反第1方向へ直進する移動を、前記第2方向とは反対方向の反第2方向へ直進する移動と擬制して、その擬制した移動に応じた処理を実行することを特徴とする請求項7又は8に記載の入力装置。
【請求項12】
前記設定領域は、他の検出領域と外観上区別可能に構成されていることを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−152848(P2010−152848A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333160(P2008−333160)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】