説明

入力装置

【課題】操作部の押込操作時に操作部の指示位置がずれることを抑制できる入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置1は、本体部10と、本体部10に支持され、仮想面104に沿って移動可能かつ仮想面104に直交する方向に押込操作可能な操作ノブ11と、仮想面104に沿った操作ノブ11の移動位置を検出するエンコーダ141b,142bと、操作ノブ11に対する押込操作を検出するスイッチ113と、スイッチ113が操作ノブ11に対する押込操作を検出したときの操作ノブ11の移動位置を記憶し、操作ノブ11が押込操作された状態では、スイッチ113が操作ノブ11に対する押込操作を検出した後における操作ノブ11の移動位置にかかわらず、記憶した操作ノブ11の移動位置の情報を出力する出力手段203とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作レバーの操作量や操作方向を検出して出力する手段を備えた入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の入力装置は、開口を有する外装板と、外装板の内方に配設されたスティックコントローラに揺動可能に支持された操作レバーと、操作ノブの揺動量および揺動方向を検出するエンコーダと、エンコーダからの検出信号をモニタに出力する出力手段と、外装板から突出する操作レバーの先端部に設けられた操作ノブとを備える。操作ノブは、その中立位置を基準として操作レバーの軸線方向にプッシュ及びプル操作可能とされていると共に、この操作ノブのプッシュ/プル操作によって第1および第2のプッシュスイッチを選択的にオン動作することができるように構成されている。
【0003】
この入力装置によれば、モニタに表示されたカーソルを移動させ、モニタ上のメニューを選択して決定またはキャンセルするという動作を操作レバーの揺動操作と操作ノブのプッシュ/プル操作とにより連続的に行うことができるので、操作性を著しく高めることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−139845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示す入力装置は、操作ノブのプッシュ/プル操作時に揺動方向へのブレが発生しやすく、誤操作や誤入力しやすいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、操作部の押込操作時に操作部の位置がずれることを抑制できる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本体部と、前記本体部に支持され、仮想面に沿って移動可能かつ前記仮想面に直交する方向に押込操作可能な操作部と、前記仮想面に沿った前記操作部の移動位置を検出する位置検出部と、前記操作部に対する押込操作を検出する押込操作検出部と、前記押込操作検出部が前記操作部に対する押込操作を検出したときの前記操作部の移動位置を記憶し、前記操作部が押込操作された状態では、前記押込操作検出部が前記操作部に対する押込操作を検出した後における前記操作部の移動位置にかかわらず、前記記憶した前記操作部の移動位置の情報を出力する出力手段とを備えた入力装置。
【0008】
[2]前記出力手段は、前記操作部の押込操作が所定時間継続した場合に前記操作部の押込操作がされたことを示す情報を出力する前記[1]に記載の入力装置。
【0009】
[3]前記押込操作検出部は、前記操作部に対する押込操作を検出した時に信号状態が変化する第1の出力信号と、前記押込操作が所定時間継続した場合に信号状態が変化する第2の出力信号とを出力し、前記出力手段は、前記第1の出力信号の信号状態が変化したときの前記操作部の移動位置を記憶し、前記操作部が押込操作された状態では前記記憶した前記操作部の位置情報を出力すると共に、前記第2の出力信号の信号状態が変化したときに前記操作部の押込操作がされたことを示す情報を出力する前記[1]又は[2]に記載の入力装置。
【0010】
[4]前記押込操作検出部は、前記操作部の押込操作方向の移動量に応じた信号を出力し、前記出力手段は、前記操作部が押込操作方向へ所定量移動したときの前記位置検出部によって検出した前記操作部の移動位置を記憶し、前記操作部が押込操作された状態では前記記憶した前記操作部の位置情報を出力すると共に、前記操作部が前記押込操作方向へさらに移動したときに前記操作部の押込操作がされたことを示す情報を出力する前記[1]に記載の入力装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作部の押込操作時に操作部の指示位置がずれることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置が搭載された車両の車室内を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の機械的な構成の概要を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る制御ユニットの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図4(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る表示部に表示された選択ボタンが配列された50音入力画面(メニュー画面の一例)であり、(b)はメニュー画面のA−A部分に対応するX位置とX方向の反力レベルの関係を示す力覚パターン例であり、(c)はメニュー画面のB―B部分に対応するY位置とY方向の反力レベルの関係を示す力覚パターン例である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ信号処理回路及びその周辺の回路構成例を示す回路図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチがオンしたときの各種信号波形、及び操作ノブの位置の変化を示すグラフであり、(a)はスイッチの出力信号の波形、(b)はLPFの出力信号の波形、(c)は第1の出力信号の波形、(d)は第2の出力信号の波形、(e)は操作ノブのx軸座標の変化をそれぞれ示す。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の動作順序の一例を示すフローチャートである。
【図8】図8(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る入力装置のノブシャフトの先端部及びその周辺部の断面図であり、(b)は遮光板と、発光素子及び受光素子との位置関係を示す図であり、(c)は操作ノブに対して押込操作がされた際の受光素子の出力信号の波形を示し、(d)は受光素子の出力信号の変化に対応した操作ノブのx軸座標の変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置1が搭載された車両の車室内を示す。車室内には、ユーザの一例としての運転者が着座する運転席90の左方にセンターコンソール91が配置され、センターコンソール91の前方にインスツルメントパネル92が配置されている。
【0014】
インスツルメントパネル92には、運転席90に着座した運転者から視認可能な位置に、表示装置3が嵌め込まれている。また、センターコンソール91には、運転者が手部(右ハンドルの場合には左手)によって操作可能な位置に入力装置1が配置されている。
【0015】
入力装置1は、センターコンソール91に固定された本体部10と、本体部10に対して移動可能に支持された操作部としての操作ノブ11と、操作ノブ11の周辺部を覆うカバー12とを有している。操作ノブ11は、運転者による操作によって本体部10に対して水平方向に移動可能である。また、入力装置1は、操作ノブ11の本体部10に対する位置の情報を表示装置3に送信するように構成されている。
【0016】
表示装置3は、液晶ディスプレイ等の表示部3aに例えば空調装置の温度設定やカーナビゲーションシステムの操作等を行うためのメニュー画面を表示し、このメニュー画面に重ねて、操作ノブ11の移動に伴って表示位置が変化するポインタを表示する。表示装置3は、メニュー画面の複数のメニュー項目のうち、運転者の操作によって選択されたメニュー項目に応じた処理を行うように構成されている。
【0017】
図2(a)は、入力装置1の機械的な構成の概要を示す斜視図である。入力装置1は、本体部10に固定されたベース100に設けられた支持駆動機構101を有している。支持駆動機構101は、操作ノブ11を本体部10に対して移動可能及び駆動可能に支持している。
【0018】
操作ノブ11の下部(本体部10側)には、円柱状のノブシャフト110の一端部が取り付けられている。ノブシャフト110は、その一端部がベース100を覆うように設けられたカバー12(図1参照)に形成された開口部から外方に突出している。
【0019】
ベース100には、互いに直交するように配置されたXキャリッジ121及びYキャリッジ122がベース100に対して移動可能に支持されている。
【0020】
Xキャリッジ121は、その長手方向の両端部が一対のX軸スライドガイド131,131に支持され、図2に示すx軸方向にスライド可能である。また、Xキャリッジ121は、図2に示すy軸方向に延びるように形成された長孔121aを有し、長孔121aをノブシャフト110が貫通している。
【0021】
Xキャリッジ121の一端部には、X軸スライドガイド131にスライド可能に支持された部位にギヤ部121bが形成されている。ギヤ部121bは、ベース100に固定されたX軸モータ141の回転軸に設けられたピニオンギヤ141aと噛み合わされている。
【0022】
X軸モータ141は、その回転軸の回転に応じてパルス信号を出力する位置検出部の一例としてのエンコーダ141bを有している。エンコーダ141bは、回転軸が所定の角度(例えば1°)回転する毎にパルス信号を出力する。
【0023】
Yキャリッジ122は、その長手方向の両端部が一対のY軸スライドガイド132,132に支持され、Xキャリッジ121の上側でy軸方向にスライド可能である。また、Yキャリッジ122は、x軸方向に延びるように形成された長孔122aを有し、長孔122aをノブシャフト110が貫通している。
【0024】
Yキャリッジ122の一端部には、Y軸スライドガイド132にスライド可能に支持された部位にギヤ部122bが形成されている。ギヤ部122bは、ベース100に固定されたY軸モータ142の回転軸に設けられたピニオンギヤ142aと噛み合わされている。
【0025】
Y軸モータ142は、X軸モータ141と同様に、所定の角度回転するごとにパルス信号を出力する位置検出部の一例としてのエンコーダ142bを有している。X軸モータ141及びY軸モータ142は、操作ノブ11に反力を付与するアクチュエータの一例である。X軸モータ141及びY軸モータ142は、例えばDCモータやステッピングモータにより構成される。
【0026】
X軸モータ141の回転トルクによりXキャリッジ121がx軸方向に移動すると、長孔121aの内面がノブシャフト110の外周面に押し当てられる。また、Y軸モータ142の回転トルクによりYキャリッジ122がy軸方向に移動すると、長孔122aの内面がノブシャフト110の外周面に押し当てられる。この構成により、X軸モータ141及びY軸モータ142によって、それらの回転トルクに応じた方向及び大きさの反力をノブシャフト110を介して操作ノブ11に付与することが可能となっている。
【0027】
また、運転者が操作ノブ11をx軸方向及びy軸方向に移動させると、その移動量に応じてノブシャフト110がXキャリッジ121及びYキャリッジ122を移動させ、X軸モータ141及びY軸モータ142が回転する。X軸モータ141及びY軸モータ142の回転に伴ってエンコーダ141b及びエンコーダ142bからパルス信号が出力されるので、このパルス信号に基づいて操作ノブ11の位置の検出が可能である。
【0028】
ノブシャフト110、Xキャリッジ121、Yキャリッジ122、X軸スライドガイド131,131、Y軸スライドガイド132,132、X軸モータ141、及びY軸モータ142は、支持駆動機構101を構成する。
【0029】
図2(b)は、ノブシャフト110及びその支持構造の一例を示す一部断面図である。ノブシャフト110は、球面軸受103に揺動可能に支持された揺動部材111に保持され、揺動部材111の揺動中心を中心点とする球面状の仮想面104に沿った全ての方向(例えば矢印Aの方向)に揺動可能である。また、ノブシャフト110は、その先端部110aが揺動部材111の有底円筒状の保持部111aの内面に保持され、揺動部材111の揺動中心に向かって、仮想面104に直交する方向(矢印Bの方向)に沿って移動可能である。
【0030】
揺動部材111の保持部111aの穴の底部には、第1接点113aと第2接点113bとを有する押込操作検出部としてのスイッチ113が設けられている。第1接点113aは、保持部111aの穴の底部に面したノブシャフト110の先端部110aに設けられている。また、第2接点113bは、保持部111aの穴の底部に設けられている。
【0031】
ノブシャフト110は、揺動部材111の保持部111aの穴の内部に配置されたコイルバネ等の弾性部材112によって、保持部111aから抜け出す方向に弾性的に押し付けられている。なお、ノブシャフト110は図略の抜け止め部材によって揺動部材111の保持部111aから抜け出さないように軸方向の移動が規制されている。
【0032】
スイッチ113の第1接点113aと第2接点113bとは、運転者が操作ノブ11を揺動部材111に向かう方向(本体部10の方向)に押し込む押込操作を行ったときに電気的に接触し、運転者が操作ノブ11を離すと弾性部材112の伸張力によって離間して、非接触状態に戻るように構成されている。
【0033】
図3は、入力装置1の制御ユニット2の機能構成を示す機能ブロック図である。制御ユニット2は、入力装置1の本体部10の内部に配置され、入力装置1の各部を制御する。
【0034】
制御ユニット2は、CPU(Central Processing Unit)等からなる制御部20と、制御部20の制御プログラム210や、後述する力覚パターン211の情報等を記憶する記憶素子からなる記憶部21と、X軸モータ141及びY軸モータ142に電力を供給する駆動回路22と、スイッチ113の信号に応じて信号状態が変化する第1の出力信号、及び第1の出力信号に遅れて信号状態が変化する第2の出力信号を出力するスイッチ信号処理回路23と、表示装置3との通信を行う通信部24とを有して構成されている。
【0035】
制御部20は、記憶部21に記憶された制御プログラム210に基づいて動作することにより、位置検出手段201、モータ駆動制御手段202、出力手段203として機能する。
【0036】
位置検出手段201は、X軸モータ141のエンコーダ141b、及びY軸モータ142のエンコーダ142bからのパルス信号をそれぞれカウントし、操作ノブ11のx軸方向の位置及びy軸方向の位置を検出する。
【0037】
モータ駆動制御手段202は、位置検出手段201が検出した操作ノブ11のx軸方向の位置及びy軸方向の位置の情報に応じて操作ノブ11を押し付ける力(反力)を発生させるように駆動回路22に駆動信号を出力する。駆動回路22は、この駆動信号に応じてX軸モータ141及びY軸モータ142に電力を供給するスイッチング素子を動作させ、X軸モータ141及びY軸モータ142に電力を供給する。つまり、モータ駆動制御手段202は、PWM(Pulse Width Modulation)方式でX軸モータ141及びY軸モータ142のモータ電流を調節し、出力トルクを制御する。
【0038】
出力手段203は、位置検出手段201が検出した操作ノブ11の位置の情報、及びスイッチ信号処理回路23から取得したスイッチ113のオン又はオフを示す情報を通信部24に出力し、表示装置3へ送信する。また、出力手段203は、スイッチ信号処理回路23の第1の出力信号が変化したときの操作ノブ11の位置の情報を記憶し、操作ノブ11が押込操作された状態では、その後に操作ノブ11が仮想面104に沿って移動しても、記憶した操作ノブ11の位置の情報を出力する。つまり、スイッチ113がオンした状態で操作ノブ11がx軸方向,y軸方向に移動すると、実際の操作ノブ11の位置とは異なる位置の情報が表示装置3へ送信される。
【0039】
図4(a)は、表示装置3の表示部3aに表示された複数の表示オブジェクトとしての選択ボタンを含む50音入力画面(メニュー画面の一例)である。図4(a)において、図面左上に原点Oをとり、右方向にX軸、下方向にY軸とする。操作ノブ11の本体部10に対するx軸方向及びy軸方向の可動範囲(ストローク)は、表示部3aの表示画面のX軸方向及びY軸方向の幅に対応している。
【0040】
図4(b)は、メニュー画面のA−A部分に対応するX位置とX方向の反力レベルの関係を示す力覚パターンの例であり、図4(c)は、メニュー画面のB―B部分に対応するY位置とY方向の反力レベルの関係を示す力覚パターンの例である。
【0041】
この力覚パターンのデータは、記憶部21に力覚パターン211として記憶されている。また、この力覚パターンは、メニュー画面に対応して設定された、操作ノブ11を介して運転者に操作感(力覚)を付与するための反力パターンを定義するための2次元データプロファイルである。より具体的には、力覚パターン211には、メニュー画面に対応してX方向及びY方向の位置と反力レベルFとの関係が定義されている。
【0042】
図4(a)に示すように、表示部3aには、メニュー画面の一例として、50音それぞれに対応した複数の選択ボタン32が配列された50音入力画面が表示される。この50音入力画面は、例えばカーナビゲーションの目的地を文字入力する場合に表示される。それぞれの選択ボタン32は、ポインタ30の指示位置(矢印先端部)がその表示領域に含まれる状態でスイッチ113がオン状態となったときに、運転者に選択されたものと判断される。
【0043】
図4(b)に示すように、X方向について、各々の選択ボタン32のそれぞれの左側エッジ領域(X1、X3、・・・・、X23)から各選択ボタン32の表示領域の中心部までの領域では、中心方向へポインタ30を引込むように、マイナス値の反力レベルFxm(右方向)の力覚パターンが設定されている。一方、各々の選択ボタン32のそれぞれの右側エッジ領域(X2、X4、・・・・、X24)から各中心部までの領域では、中心方向へポインタ30を引込むように、プラス値の反力レベルFxp(左方向)の力覚パターンが設定されている。
【0044】
モータ駆動制御手段202は、このように設定された力覚パターン211の情報に基づいて駆動回路22に駆動信号を出力してX軸モータ141を制御し、支持駆動機構101によって操作ノブ11に反力を作用させる。これにより、運転者は、操作ノブ11を操作する際に、各々の選択ボタン32のX中心方向へ引き込まれる操作感を感得する。
【0045】
図4(c)に示すように、Y方向についても、各々の選択ボタン32のそれぞれの上側エッジ領域(Y1、Y3、・・・・、Y11)から各中心部までの領域では、中心方向へポインタ30を引込むために反力レベルFymがマイナス値(下方向)に力覚パターンが設定されている。一方、各々の選択ボタン32のそれぞれの下側エッジ領域(Y2、Y4、・・・・、Y12)から各中心部までの領域では、中心方向へポインタ30を引込むために反力レベル値Fypがプラス値(上方向)に力覚パターンが設定されている。
【0046】
モータ駆動制御手段202は、このように設定された力覚パターン211の情報に基づいて駆動回路22に駆動信号を出力してY軸モータ142を制御し、支持駆動機構101によって操作ノブ11に反力を作用させる。これにより、運転者は、操作ノブ11を操作する際に、各々の選択ボタン32のY中心方向へ引き込まれる操作感を感得する。なお、急激な操作感の変化を緩和するために、上記の力覚パターンは図示したように台形状に設定されているが、鋭角状、矩形状でもよく、また、角部を曲線状にした力覚パターン等でもよい。
【0047】
図5は、スイッチ信号処理回路23及びその周辺の回路構成例を示す回路図である。スイッチ信号処理回路23は、スイッチ113の信号を入力信号とし、この入力信号の信号状態の変化に応じて信号状態が変化する第1の出力信号と、スイッチ113が所定時間継続してオン状態であった場合に、第1の出力信号に遅れて信号状態が変化する第2の出力信号とを出力する。
【0048】
より具体的には、スイッチ信号処理回路23は、入力信号の高周波成分を遮断して低周波成分を通過させる低域通過濾波器であるLPF(Low Pass Filter)231と、LPF231の出力信号を入力するシュミットトリガインバータ232と、LPF231を通過する前の信号を入力するインバータ233とを有して構成されている。インバータ233は第1の出力信号を制御部20の第1の入力ポート20aに出力し、シュミットトリガインバータ232は第2の出力信号を制御部20の第2の入力ポート20bに出力する。
【0049】
スイッチ信号処理回路23の入力信号は、スイッチ113の第2接点113bの電位に応じて電圧レベルが変化する。第2接点113bにはプルダウン抵抗113cが接続され、第1接点113aとの接触がない状態では、プルダウン抵抗113cによって第2接点113bの電位が基準電圧(0V)にされている。また、第1接点113aは制御部20の電源(VCC)に接続されており、スイッチ113がオン状態(第1接点113aと第2接点113bとが接触した状態)になると、第2接点113bの電位が制御部20の電源電圧(例えば5V)と同電位になる。
【0050】
図6は、スイッチ113がオンしたときの各種信号波形、及び操作ノブ11の位置の変化を示すグラフであり、(a)はスイッチ113の出力信号の波形、(b)はLPF231の出力信号の波形、(c)はインバータ233が出力する第1の出力信号の波形、(d)はシュミットトリガインバータ232出力する第2の出力信号の波形、(e)は操作ノブ11のx軸座標の変化をそれぞれ示す。
【0051】
図6(a)に示すように、時刻tでスイッチ113がオンすると、スイッチ113の出力信号の電圧レベル(第2接点113bの電位)が高くなり、時刻tでインバータ233の信号が反転する基準電位VSHを越えた後にオーバーシュートし、振動の振幅を徐々に減少させながら一定の電位に収束する。
【0052】
インバータ233の出力信号は、図6(c)に示すように、時刻tでHiからLowに信号状態が変化し、その後、スイッチ113の出力信号の電圧レベルが基準電位VSHよりも高い状態から低い状態になったときにLowからHiに変化し、スイッチ113の出力信号の電圧レベルが基準電位VSHよりも低い状態から高い状態になったときにHiからLowに変化する。つまり、インバータ233は、スイッチ113のオン状態をローアクティブで出力し、インバータ233の出力信号は、スイッチ113の出力信号の電圧レベルの振動によって一旦Lowとなった後にHiとなることを繰り返すチャタリング現象が発生する。
【0053】
また、図6(b)に示すように、LPF231の出力は、時刻tの後に緩やかに電圧レベルが上昇する。LPF231の時定数は、スイッチ113がオン状態となった時にLPF231の出力信号の電圧レベルが単調に増加するように設定されている。
【0054】
シュミットトリガインバータ232の出力信号は、図6(d)に示すように、LPF231の出力信号の電圧レベルが閾値VSHを超えた時刻tでHiからLowに信号状態が変化し、チャタリング現象が発生することはない。シュミットトリガインバータ232の出力信号は、スイッチ113のオン状態が継続した場合に、インバータ233の出力信号の信号状態の変化よりも所定時間(例えば0.1秒)遅れて信号状態がHiからLowに変化する。つまり、シュミットトリガインバータ232は、インバータ233と同様に、スイッチ113のオン状態をローアクティブで出力する。
【0055】
以下の説明では、インバータ233の出力信号、及びシュミットトリガインバータ232の出力信号がLowである状態をオン、Hiである状態をオフという。
【0056】
また、運転者が操作ノブ11を押込操作する際には、操作ノブ11に力が加わることにより、運転者が意図しない仮想面104に沿った方向の操作ノブ11の移動が発生する場合がある。図6(e)に示す例では、時刻tでは操作ノブ11のx軸座標がxであり、時刻tではx軸座標がxとなっている。また、時刻tでは操作ノブ11のx軸座標がxとなっている。
【0057】
出力手段203は、インバータ233が出力する第1の出力信号が最初にオフからオンに変化した時刻tにおける位置検出手段201が検出した操作ノブ11の位置の情報を記憶し、その後にスイッチ113がオンしたままで操作ノブ11の位置が変化しても、時刻tにおいて記憶した操作ノブ11の位置の情報を出力する。これにより、時刻tで操作ノブ11のx軸座標がxとなっても、表示装置3には時刻tにおいて記憶した操作ノブ11の位置の情報が送信される。
【0058】
(入力装置1の動作)
次に、入力装置1の制御部20の動作について、図7を用いて説明する。
図7は、入力装置1の動作順序の一例を示すフローチャートである。
【0059】
位置検出手段201は、X軸モータ141のエンコーダ141b、及びY軸モータ142のエンコーダ142bからの出力信号の状態の変化に応じて、これらエンコーダ141b,142bのパルス信号のカウント値をカウントアップ又はカウントダウンする。なお、カウント値は入力装置1への電源投入時に行われる原位置検出動作時に初期化されている。そして、位置検出手段202は、エンコーダ141b,142bのパルス信号のカウント値に応じて操作ノブ11の移動位置を示すx軸座標及びy軸座標を検出する(Step1)。
【0060】
次に、出力手段203は、スイッチ信号処理回路23のインバータ233が出力する第1の出力信号がオン状態であるか否かを判定する(Step2)。
【0061】
第1の出力信号がオン状態でない場合(Step2:No)、出力手段203は、位置検出手段202がStep1で検出した操作ノブ11の移動位置の情報を出力し(Step3)、Step1に処理を戻す。
【0062】
一方、第1の出力信号がオン状態である場合(Step2:Yes)、出力手段203は、タイマを起動し(Step4)、位置検出手段202がStep1で検出した操作ノブ11の移動位置の情報を記憶部21に記憶する(Step5)。
【0063】
次に、出力手段203は、Step5で記憶した操作ノブ11の移動位置の情報を出力し(Step6)、スイッチ信号処理回路23のシュミットトリガインバータ232が出力する第2の出力信号がオン状態であるか否かを判定する(Step7)。
【0064】
第2の出力信号がオン状態である場合(Step7:Yes)、出力手段203は、操作ノブ11が押込操作されたことを示すオン信号を出力する(Step8)。このオン信号は、通信部24によって表示装置3に送信される。
【0065】
一方、第2の出力信号がオン状態でない場合(Step7:No)、出力手段203は、操作ノブ11が押込操作されていないことを示すオフ信号を出力する(Step9)。このオフ信号は、通信部24によって表示装置3に送信される。
【0066】
また、出力手段203は、Step9の処理に続いて、Step4で起動したタイマの起動後の経過時間を示すタイマ値が所定の閾値(例えば0.2秒)以下かを判定する(Step10)。
【0067】
タイマ値が閾値以下の場合(Step10:Yes)、出力手段203は処理をStep6に戻す。また、タイマ値が閾値以下でない場合(Step10:No)、出力手段203は処理をStep1に戻す。
【0068】
以上の処理により、運転者が操作ノブ11の押込操作を行った際には、まず第1の出力信号がオンし、その時点での操作ノブ11の位置の情報がStep5で記憶される。その後、押込操作が継続すると、第2の出力信号がオンし、Step6からStep8の処理が繰り返し実行され、操作ノブ11の位置情報の更新が行われずにStep5で記憶された操作ノブ11の位置の情報が出力される。
【0069】
また、第1の出力信号がオンした後に所定の閾値の時間が経過しても第2の出力信号がオンしない場合には、Step1に処理が戻されるので、位置検出手段201が操作ノブ11の位置を検出する。このような処理は、例えば運転者の誤操作によって瞬間的にスイッチ113がオンした場合等に発生し得る。つまり、第1の出力信号は操作ノブ11の押込操作の初期段階でオンし、第2の出力信号は押込操作がされたことが確定した確定段階でオンする。
【0070】
なお、Step10の判定の所定の閾値は、操作ノブ11の押込状態が継続した場合に第1の出力信号がオンしてから第2の出力信号がオンするまでの時間よりも長い時間に設定されている。
【0071】
(第1の実施の形態の効果)
このように、本実施の形態に係る入力装置1によれば、運転者が操作ノブ11を押込操作したときの操作ノブ11の位置を記憶し、その後に押込操作がされたまま操作ノブ11が移動してx軸座標及びy軸座標が変化しても、表示装置3に送信される操作ノブの位置の情報は変化しない。よって、運転者が操作ノブ11の押込操作を行った際に操作ノブ11の位置がずれても、表示装置3の表示部3aに表示されるポインタ30の位置は変化せず、運転者が意図しない選択ボタン32が選択されてしまうことが抑制される。
【0072】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る入力装置について説明する。本実施の形態に係る入力装置も、第1の実施の形態に係る入力装置1と同様に、操作ノブ11、支持駆動機構101、及び制御ユニット2等から構成されるが、操作ノブ11に対する押込操作を検出する押込操作検出部の構成、及び制御部20の出力手段203の処理内容が第1の実施の形態とは異なっている。
【0073】
図8(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る入力装置1のノブシャフト110の先端部の断面図である。
【0074】
図8(a)に示すように、ノブシャフト110の先端部110aには、揺動部材111の保持部111aの穴の底部に面した部位に板状の遮光板114が設けられている。遮光板114は、ノブシャフト110の軸方向移動に伴って移動し、その先端部には、ノブシャフト110の軸方向に対して傾斜した傾斜部114aが形成されている。
【0075】
遮光板114の一側面側には、保持部111aの穴の底部で揺動部材111に固定されたLED(Light Emitting Diode)等の発光素子115が配置されている。また、ノブシャフト110は、揺動部材111の保持部111aの穴の内部に配置されたコイルバネ等の弾性部材112によって、保持部111aから抜け出す方向に弾性的に押し付けられている。
【0076】
図8(b)は、遮光板114と、発光素子115と、揺動部材111に発光素子115と対向して設けられた受光素子116との位置関係を示す図である。この図に示すように、遮光板114は、ノブシャフト110の軸方向の移動によって、発光素子115から発してフォトトランジスタ等の受光素子116に受光される光を遮光し得るように配置されている。
【0077】
より詳細には、遮光板114は、ノブシャフト110が揺動部材111から最も離間した状態(押込操作がされていない状態)では発光素子115の光を遮光しない。この状態から押込操作がされて遮光板114の傾斜部114aが発光素子115と受光素子116との間の空間に進入することにより、遮光板114が揺動部材111の保持部111aの穴の底部に近づくにつれて徐々に発光素子115の光を遮光する。そして、ノブシャフト110が揺動部材111に突き当たるまで移動した状態(押込操作が完了した状態)では、遮光板114が発光素子115の光のほとんどを遮光する。つまり、操作ノブ11の押込操作方向の移動量に応じて発光素子115の光を遮光板114が遮光する割合が変化し、受光素子116の電流が変化する。
【0078】
受光素子116のコレクタと制御部20の電源との間には抵抗116aが接続され、受光素子116のコレクタが出力端子116bに接続されている。出力端子116bから出力される受光素子116の出力信号は、AD変換器によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、制御部20に入力される。
【0079】
図8(c)は、操作ノブ11に対して押込操作がされた際の受光素子116の出力信号の波形を示し、図8(d)は受光素子116の出力信号の変化に対応した操作ノブ11のx軸座標の変化を示す。
【0080】
図8(c)に示すように、時刻tで押込操作が開始されると、受光素子116の出力信号の電圧レベルが徐々に上昇し、時刻tで第1の閾値VSH1となり、時刻tで第2の閾値VSH2となる。換言すれば、受光素子116の出力信号は、押込操作されていない状態から所定量移動した押込操作の初期段階で第1の閾値VSH1となり、その後さらに揺動部材111に向かってノブシャフト110が移動して、操作ノブ11が押込操作されたことが確定した確定段階で第2の閾値VSH2となる。
【0081】
制御部20は、第1の実施の形態におけるスイッチ信号処理回路23(図3参照)の出力信号に替えて受光素子116の出力信号がAD変換された信号に基づいて処理を行う他は、第1の実施の形態について図7で説明したフローチャートと同様の手順で処理を実行する。すなわち、Step2で受光素子116の出力信号が第1の閾値VSH1以上か否かを判定し、この判定の結果が是(Yes)であればStep4に処理を移行し、否(No)であればStep3の処理を行う。
【0082】
また、Step7で受光素子116の出力信号が第2の閾値VSH2以上か否かを判定し、この判定の結果が是(Yes)であればStep8に処理を移行し、否(No)であればStep9に処理を移行する。Step8では受光素子116の出力信号が第2の閾値VSH2以上であることを以ってオン信号を出力し、受光素子116の出力信号が第2の閾値VSH2以上でない場合にはStep9でオフ信号を出力する。これ以外の処理は図7を用いて説明した処理と同様である。
【0083】
この処理により、操作ノブ11のx軸座標が図8(d)に示す時刻tにおけるxから時刻tにおけるxに変化したときに操作ノブ11の仮想面104に沿った移動位置が記憶部21に記憶され、その後、操作ノブ11の押込操作が継続した場合には、操作ノブ11の移動位置にかかわらず、時刻tにおいて操作ノブ11のx軸座標がxまで変化しても、時刻tにおける操作ノブ11の位置の情報が表示装置3に送信される。
【0084】
(第2の実施の形態の効果)
このように、本実施の形態に係る入力装置1によれば、運転者が操作ノブ11を所定量押込操作したときの操作ノブ11の位置を記憶し、その後さらに操作ノブ11が押込操作方向に移動して操作ノブ11のx軸座標及びy軸座標が変化しても、表示装置3に送信される操作ノブ11の位置の情報は変化しない。よって、運転者が操作ノブ11の押込操作を行う過程で操作ノブ11の位置がずれても、表示装置3の表示部3aに表示されるポインタ30の位置は変化せず、運転者が意図しない選択ボタン32が選択されてしまうことが抑制される。
【0085】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る入力装置について説明する。本実施の形態に係る入力装置も、第1の実施の形態に係る入力装置1と同様に、操作ノブ11、支持駆動機構101、及び制御ユニット2等から構成されるが、制御ユニット2のスイッチ信号処理回路23の構成、及び出力手段203の処理内容が第1の実施の形態とは異なっている。
【0086】
本実施の形態に係るスイッチ信号処理回路23は、第2接点113bに接続されたインバータ233を有し、インバータ233の出力は制御部20の第1のポート20aに入力されるが、LPF231及びシュミットトリガインバータ232は備えていない。
【0087】
また、本実施の形態に係る、出力手段203は、第1のポート20aの入力信号がオンしたときの操作ノブ11の位置の情報を記憶し、この入力信号がオンした状態では、記憶した操作ノブ11の位置の情報を出力する。また、出力手段203は、第1のポート20aの入力信号がオンしたときにタイマを起動し、タイマの起動時から所定時間(例えば、0.1秒)入力信号がオンし続けた場合に操作ノブ11が押込操作されたことを示すオン信号を出力する。つまり、第2の出力信号に相当する信号をソフトウェア的に発生させる。
【0088】
本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。また、LPF231及びシュミットトリガインバータ232を省略することができ、入力装置1の小型化及び低コスト化が可能となる。
[他の実施の形態]
以上、本発明に好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で例えば以下に示すような種々の変形が可能である。
【0089】
上記各実施の形態では、操作ノブ11が揺動部材111の揺動中心を支点として揺動するように構成したが、これに限らず、操作ノブ11が本体部10に対して水平方向の平面に沿って移動するように構成してもよい。この場合、スイッチ113を操作ノブ11と本体部10との間のいずれかの部位に設けることができる。
【0090】
また、上記第1及び第3の実施の形態では、インバータ233が出力する第1の出力信号が最初にオンした時刻における操作ノブ11の位置の情報を記憶するようにしたが、これに限らない。例えば、第1の出力信号のサンプリングを所定の時間間隔で繰り返し行い、複数回連続してオン状態であった場合にオン判定を確定し、そのときの操作ノブ11の位置の情報を記憶するようにしてもよい。またさらに、上記第1又は第3の実施の形態における第2の出力信号のオン判定は、複数回のサンプリングで連続してオン状態であったときにオン判定を確定するようにしてもよく、その場合の第1の出力信号のオン判定は、オン状態を検出した最初のサンプリングでオン判定を確定してもよい。なお、第1又は第2の出力信号のオフ判定を行う場合も同様である。
【0091】
また、上記第2の実施の形態では、受光素子116の出力信号が第1の閾値VSH1以上であると判定した場合に操作ノブ2の位置の情報を記憶するようにしたが、受光素子116の出力信号の複数回のサンプリングで連続して第1の閾値VSH1以上であった場合に操作ノブ2の位置の情報を記憶するようにしてもよい。同様に、上記第2の実施の形態では、受光素子116の出力信号が第2の閾値VSH2以上であると判定した場合にオン信号を出力するようにしたが、受光素子116の出力信号の複数回のサンプリングで連続して第2の閾値VSH2以上であった場合にオン信号を出力するようにしてもよい。
【0092】
また、上記各実施の形態では、操作ノブ11を押し付ける力を発生させる押圧力付与機能を有するように入力装置1を構成したが、この機能はなくともよい。つまり、入力装置1がX軸モータ141、Y軸モータ142、駆動回路22、及びモータ制御手段202を備えず、ピニオンギヤ141a,142aにエンコーダ141b,142bが連結されていてもよい。
【0093】
また、上記各実施の形態では、入力装置1及び表示装置3を車両の車室内に搭載し、運転者が表示装置3のメニュー項目を選択し得るように構成したが、入力装置1が搭載される対象物及び用途に特に制限はない。また、入力装置1のユーザは運転者に限らず、例えば助手席に着座した同乗者であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1…入力装置、2…制御ユニット、3…表示装置、3a…表示部、10…本体部、11…操作ノブ、12…カバー、20…制御部、20a…第1の入力ポート、20b…第2の入力ポート、21…記憶部、22…駆動回路、23…スイッチ信号処理回路、24…通信部、30…ポインタ、32…選択ボタン、90…運転席、91…センターコンソール、92…インスツルメントパネル、100…ベース、101…支持駆動機構、103…球面軸受、110…ノブシャフト、111…揺動部材、111a…保持部、112…弾性部材、113…スイッチ、113a…第1接点、113b…第2接点、113c…プルダウン抵抗、114…遮光板、114a…傾斜部、115…発光素子、116…受光素子、116a…抵抗、116b…出力端子、121…Xキャリッジ、122…Yキャリッジ、121a,122a…長孔、121b,122b…ギヤ部、131…X軸スライドガイド、132…Y軸スライドガイド、141…X軸モータ、142…Y軸モータ、141a,142a…ピニオンギヤ、141b,142b…エンコーダ、201…位置検出手段、202…モータ駆動制御手段、203…出力手段、231…LPF、232…シュミットトリガインバータ、233…インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に支持され、仮想面に沿って移動可能かつ前記仮想面に直交する方向に押込操作可能な操作部と、
前記仮想面に沿った前記操作部の移動位置を検出する位置検出部と、
前記操作部に対する押込操作を検出する押込操作検出部と、
前記押込操作検出部が前記操作部に対する押込操作を検出したときの前記操作部の移動位置を記憶し、前記操作部が押込操作された状態では、前記押込操作検出部が前記操作部に対する押込操作を検出した後における前記操作部の移動位置にかかわらず、前記記憶した前記操作部の移動位置の情報を出力する出力手段とを備えた入力装置。
【請求項2】
前記出力手段は、前記操作部の押込操作が所定時間継続した場合に前記操作部の押込操作がされたことを示す情報を出力する請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記押込操作検出部は、前記操作部に対する押込操作を検出した時に信号状態が変化する第1の出力信号と、前記押込操作が所定時間継続した場合に信号状態が変化する第2の出力信号とを出力し、
前記出力手段は、前記第1の出力信号の信号状態が変化したときの前記操作部の移動位置を記憶し、前記操作部が押込操作された状態では前記記憶した前記操作部の位置情報を出力すると共に、前記第2の出力信号の信号状態が変化したときに前記操作部の押込操作がされたことを示す情報を出力する請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記押込操作検出部は、前記操作部の押込操作方向の移動量に応じた信号を出力し、
前記出力手段は、前記操作部が押込操作方向へ所定量移動したときの前記位置検出部によって検出した前記操作部の移動位置を記憶し、前記操作部が押込操作された状態では前記記憶した前記操作部の位置情報を出力すると共に、前記操作部が前記押込操作方向へさらに移動したときに前記操作部の押込操作がされたことを示す情報を出力する請求項1に記載の入力装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−233239(P2011−233239A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99669(P2010−99669)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】