説明

入退場管理装置、入退場管理システムおよび入退場管理方法

【課題】 無線IDタグを搭載した車両の入退場管理を行う入退場管理装置であって、車両入退場の誤認識を防止し、信頼性の高い入退場管理装置を得る。
【解決手段】 入退場管理を行う処理部と接続し前記無線IDタグと無線で情報の授受を行う入場用リーダ装置から前記無線IDタグに記録された車両IDを入力すると、前記車両IDを入力した時刻が、前記車両IDをもつ車両が正規退場後、所定の第1の回避時間が経過した後の時刻であるか、あるいは、前記車両IDをもつ車両が未入場であれば、前記車両IDをもつ車両は正規の入場であると判断し、退場用リーダ装置から車両IDを入力すると、前記車両IDを入力した時刻が、前記車両IDをもつ車両が正規入場後、所定の第2の回避時間が経過した後の時刻であれば、前記車両IDをもつ車両は正規の退場であると判断する処理部を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線IDタグを用いた車両の入退場管理装置、入退場管理システムおよび入退場管理方法に関するものである。特に、車両が入退場する道路の道路幅が狭いなどの理由により、入場用の無線IDリーダの交信エリアと退場用の無線IDリーダの交信エリアが車両進行方向に重なる場合において車両の入退場管理を行う、無線IDタグを用いた車両の入退場管理装置、入退場管理方法および入退場管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の無線IDタグやICカードを用いた入退室管理システムには、出入口に近づいた個人が入場者であるかあるいは退場者であるかを判断するために、この個人が入室の途上であるか退室の途上であるかによって異なる検知信号を出力する入退方向検知センサを備えた入退室管理システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−213998号公報(第5頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、人を対象とした入退室管理に限らず、工場などの建物へ入退場する車両を対象とした車両の入退場管理システムが提案されている。車両の入退場管理システムでは、車両が走行する道路脇に、長距離送信が可能な入退場用のリーダが設置される。入場用のリーダは、工場内等に入場しようとする車両(以下、入場車両という)に搭載された無線IDタグのデータを読み込んで入場の認証を行い、退場用のリーダは、工場から退場しようとする車両(以下、退場車両という)に搭載された無線IDタグのデータを読み込んで退場の認証を行う。
【0005】
しかしながら、入場用のリーダが、入場車両に搭載された無線IDタグのデータだけを読み込み、退場用のリーダが、退場車両に搭載された無線IDタグのデータだけを読み込むとは限らない。例えば、入退場する道路の道路幅が狭いような状況では、入場用のリーダは、入場車両の無線IDタグのデータ以外に退場車両の無線IDタグのデータも読み込んでしまう状況が発生する。
このため、従来の入退場管理システムでは、入場車両が入場した直後に退場の認証をしてしまう、あるいは、退場車両が退場した直後に入場の認証をしてしまう、などのように誤った認証をしてしまうという課題があった。
【0006】
この課題の対策として、入退方向検知センサを設置することが挙げられるが、入退方向検知センサを設置が必要となりコストアップの要因となる。また、入退方向検知センサに不具合が生じた場合には、入場する車両であるか退場する車両であるかの判断ができずに入退場車両の管理ができなくなるという課題があった。
【0007】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、無線IDタグを用いた車両の入退場管理で車両入退場の誤認識を防止し、信頼性の高い入退場管理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る入退場管理装置は、前記施設に入場する入場車用の交信エリアを形成し、前記入場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出し、前記車両識別データと前記車両識別データを読み出した時刻である読み出し時刻とを入場車識別データとして出力する入場用リーダ装置から、前記入場車識別データを入力し、
前記入場車用の交信エリアと前記車両の進行方向の前後で重なるもので、前記施設から退場する退場車用の交信エリアを形成し、前記退場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出し、前記車両識別データと前記車両識別データを読み出した時刻である読み出し時刻とを退場車識別データとして出力する退場用リーダ装置から、前記退場車識別データを入力し、
入力した前記入場車識別データと前記退場車識別データとに基づき車両の識別をし、同一の車両であった場合に、前記入場車識別データの読み出し時刻と前記退場車識別データの読み出し時刻とで時刻の差分をとり、
前記差分と予め設定したしきい値時間とを比較し、前記差分が前記しきい値時間より小さい場合に、前記入場車識別データの読み出し時刻と前記退場車識別データの読み出し時刻とで時刻の遅い方の前記入場車識別データあるいは前記退場車識別データを誤った識別データであると判定するようにした。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、無線IDタグを用いた車両の入退場管理において入退場の誤認識を防止し、信頼性の高い入退場管理装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1に係る入退場管理システムの構成を説明する図である。
図1において、この入退場管理システムは、工場に出入りする車両の入退場管理を行うものであり、入場用リーダ交信エリア30を形成する入場用リーダアンテナ11、入場用リーダアンテナ11を備える入場用リーダ装置10、退場用リーダ交信エリア40を形成する退場用リーダアンテナ21、退場用リーダアンテナ21を備える退場用リーダ装置20、入場用リーダ装置10と退場用リーダ装置20からデータを受信して車両の入退場を管理する入退場管理装置50を備える。
【0011】
本発明は、道路幅が狭いなどの理由により、入場用のIDリーダの交信エリアと退場用のIDリーダの交信エリアが車両進行方向に重なり、車両は入場時や退場時に入場用リーダ交信エリア30と退場用リーダ交信エリア40との両方を通過することになる状況において、車両の入退場管理を行うものであり、実施の形態1では、一例として、退場用リーダ交信エリア40が入場用リーダ交信エリア30よりも入退場管理を行う工場側に形成されている場合について説明する。
【0012】
図1で、車両1は無線ID(Identification)タグ70を搭載している。破線で示した車両1'は、工場に入場した車両1が工場から退場するところを模擬的に示したものである。
無線IDタグ70はRFID(Radio Frequency Identification)タグあるいはICチップなどとも呼ばれ、電波や電磁波でリーダ装置と交信する。図1では、無線IDタグ70は入場用リーダ装置10、退場用リーダ装置20と電磁波などの無線により交信する。
【0013】
入場用リーダ装置10及び退場用リーダ装置20は、工場の出入口付近の道路80脇に設置され、車両に搭載された無線IDタグ70と無線で交信する。
【0014】
図2は、入退場管理システムのブロック図である。
入場用リーダ装置10は、無線IDタグ70との間で電波の送受を行う入場用リーダアンテナ11a、通信制御を行う制御部12a、リーダ装置毎に与えられているリーダ装置ID番号を記憶しているメモリ13a、現在時刻を出力する時計14aを備える。
退場用リーダ装置20は、入場用リーダ装置10と同じ構成であり、無線IDタグ70との間で電波の送受を行う入場用リーダアンテナ11b、通信制御を行う制御部12b、リーダ装置毎に与えられているリーダ装置ID番号を記憶しているメモリ13b、現在時刻を出力する時計14bを備える。
【0015】
入退場管理装置50は、入場用リーダ装置10や退出用リーダ装置20から情報を入力し入退場管理の処理を実行する処理部51、処理部51と接続し入場用リーダ装置10や退場用リーダ装置20が検知した車両の通行履歴を記録した通行履歴データベース52、登録車両の車両ID番号等を記録した登録車両データベース53、リーダ装置のID番号を登録したリーダ装置データベース54を備える。
【0016】
図3は、無線IDタグ70のブロック図である。
無線IDタグ70は、入場用リーダ装置10や退場用リーダ装置20と情報の送受を行うアンテナ72、通信制御を行う制御部73、車両毎に与えられた車両ID番号が記憶されたメモリ部74を備える。
【0017】
次に、図4〜図10を用いて入退場管理システムの動作について説明する。
【0018】
本発明では、頻繁に工場内に出入りする車両において、「入場する前に退場することはない」、「工場に入場した後、所定の時間の間(例えば数秒間)は、退場することはない」、「工場から退場した後、所定の時間の間(例えば数秒間)は、入場することはない」ことを前提に、車両の入退場管理を行う。
【0019】
以下、入退場管理の詳細について説明する。
図4は、この発明の実施の形態1に係る入退場管理システムの処理部51の動作を示すフローチャート図である。図9は、車両が入場する際における無線IDタグの読み取り状況を説明する図である。
【0020】
まず、車両1が構内に入場する場合について、順を追って説明する。
【0021】
無線IDタグ70を搭載した車両1が入場用リーダ交信エリア30に入ると、入場用リーダ装置10は、入場用リーダアンテナ11aを経由して、車両1に搭載した無線IDタグ70から車両ID番号71を読取る(図9(a)参照)。
入場用リーダ装置10は入場用リーダアンテナ11を経由して電波を送出しており、入場用リーダ交信エリア30にある無線IDタグ70を電気的に起動する。無線IDタグ70は、メモリ74から車両ID番号を取り出し車両ID番号100aを電波に乗せて入場用リーダアンテナ11に送信する。
制御部12aは入場用リーダアンテナ11aを介して無線IDタグ70からの電波を受信し、受信した電波を復調して、入場用リーダ交信エリア30に入った車両の車両ID番号100aを取得する。
【0022】
制御部12aは無線IDタグ70からの電波を受信すると、受信した時刻である受信時刻101aを時計14aから取得する。
また、制御部12aは無線IDタグ70からの電波を受信すると、メモリ13aからリーダ装置ID番号102aを取得する。
【0023】
制御部12aは、車両ID番号100aと受信時刻101aとリーダ装置ID番号102aとを入退場車情報110aとして、入退場管理装置50の処理部51に対して有線又は無線により送信する。
図6は、入退場車情報110aの一例である。
【0024】
入退場管理装置50の処理部51は、入場用リーダ装置10から入退場車情報110aを受信する(図4のS101)。
【0025】
次に処理部51は、登録車両データベース53にアクセスし、入場用リーダ交信エリア30の車両が登録車両であるかの認証処理を行う(S102)。
認証処理は、車両ID番号に基づき行う。登録車両であれば次ステップS110に移行し、登録車両でなければ赤信号を点滅させる等の警報処理を行う(S103)。
【0026】
処理部51は、受信した入退場情報110aを通行履歴データベース52に登録する(S110)。
【0027】
図7(a)に、データベース登録後の通行履歴データベース52の一例を示す。
通行履歴データベース52は、入退場車情報110を登録したデータベースであり、先のステップS101で受信した入退場車情報110を時系列で登録したものである。登録データとして、リーダ装置ID番号102、受信時刻101、車両ID番号100があり、この他に、入場認証済みであるか、退場認証済であるか、入退場完了であるかを示すフラグが記録されている。
【0028】
処理部51は、受信した入退場車情報110aが入場用リーダ装置からの情報であるか否かを判断する(S111)。
【0029】
リーダ装置データベース54には、予め割り当てられたリーダ装置のID番号と、そのリーダ装置が入場用であるか、退場用であるかの情報と、その設置場所などの属性情報が記憶されている。
処理部51はリーダ装置データベース54内で、受信した入退場車情報110aのリーダ装置ID番号を検索することで、入退場車情報110aが入場用リーダ装置からの情報であるか否かを判断する。入場用リーダ装置からの情報である場合、次のS120のステップに移行する。
【0030】
処理部51は、受信した入退場車情報110aが入場用リーダ装置からの情報であると判った場合であっても、受信した入退場車情報110aだけでは、入場しようとしている車両からの情報であるか、退場しようとしている車両からの情報であるかの判断ができない。これは、退場しようとしている車両も入場用リーダ交信エリア30を通過するからである。
このため、処理部51は、通行履歴データベース52にアクセスし、受信した入退場車情報110aの車両ID番号を検索する。
【0031】
詳しくは、処理部51は、通行履歴データベース52に記録された受信時刻が、現在時刻〜X(秒)前までの間であるデータを対象にして、受信した入退場車情報110aの車両ID番号を検索する。ただし、直近にS102で登録した入退場車情報110aは検索対象から除く。
これにより、受信した入退場車情報110aが、入場しようとしている車両からの情報であるか、退場しようとしている車両からの情報であるかの判断する。
退場しようとしている車両であれば、入場用リーダ装置10が車両ID番号を読み取る直前に退場用リーダ交信エリアを通過して、退場用リーダ装置20がその車両の車両ID番号を読み取り、入退場車情報110bとして入退場管理装置50に送信しているからである。
【0032】
ここで、第1の回避時間(X(秒))の設定について説明する。
無線IDタグにより車両の入場を認証する際、実施の形態1では、車両は入場用リーダ交信エリア30を通過した後、退場用リーダ交信エリア40を通過する。このように、入場用リーダ交信エリアを通過した後に退場用リーダ交信エリア40も通過することで、退場用リーダ交信エリア40においてその車両は退場したものとして認証されてしまい、誤認証の問題が生じる。
同様に、退場しようとする車両の場合も、退場用リーダ交信エリア40を通過後に入場用リーダ交信エリア30を通過することで入場車両として認証されてしまい、誤認証の問題が生じる。
【0033】
このため、処理部51は、「入場する前に退場することはない」、「工場に入場した後、所定の時間の間(例えば数秒間)は、退場することはない」、「工場から退場した後、所定の時間の間(例えば数秒間)は、入場することはない」ことを前提に、入退場の判定処理を行う。
【0034】
ここでは、車両が退場用リーダ交信エリア40を通過して工場から退場した後に、再び、入場用リーダ交信エリアを通過して工場に入場するまでの時間間隔において、実際に入場することがあり得る最短の時間を第1の回避時間(X(秒))として設定する。
例えば、退場用リーダ交信エリア40を通過して退場した直後に、車両を反転させて、再び入場することがあった場合であっても、退場用リーダ交信エリア40を通過した後X(秒)は、入場用リーダ交信エリアに入ることはないとして、第1の回避時間(X(秒))を設定する。
【0035】
第1の回避時間(X(秒))は例えば15秒であるが、入場用リーダ装置や退場用リーダ装置の設置条件等に合わせて設定することができる。
【0036】
同様に、入場した後に退場するまでの時間において、実際に退場することがあり得る最短時間を第2の回避時間(Y(秒))として設定する。第2の回避時間(Y(秒))は例えば15秒であるが、入場用リーダ装置や退場用リーダ装置の設置条件等に合わせて設定することができる。
【0037】
S120において、通行履歴データベース52に記録された受信時刻が現在時刻〜X(秒)前までの間であるデータを対象にして、受信した入退場車情報110aの車両ID番号を検索し、検索されなかった場合、処理部51は、入場用リーダアンテナ11で受信した入退場情報110は正しい入場情報であると認証する(S125)。
そして、先ほど通行履歴データベース52に登録した入退場車情報110aに対応する箇所で、通行履歴データベース52の入場認証済の欄に、入場認証済であることを示すフラグを立てる(図7(b)参照。図7(b)の例では、入場認証済の欄に「1」を記録する。S126)。
【0038】
そして、入退場管理を継続中は、S140を経てS101へ戻る。
【0039】
入場用リーダ交信エリア30を通過した入場車両は、次に、退場用リーダ交信エリア40に入る(図9(b))。
退場用リーダ装置20は、退場用リーダアンテナ11bを経由して、車両1に搭載した無線IDタグ70から車両ID番号71を読取る。
制御部12bは無線IDタグ70からの電波を受信すると、受信した時刻である受信時刻101bを時計14bから取得する。
また、制御部12bは無線IDタグ70からの電波を受信すると、メモリ13bからリーダ装置ID番号102bを取得する。
【0040】
制御部12bは、車両ID番号100bと受信時刻101bとリーダ装置ID番号102bとを入退場車情報110bとして、入退場管理装置50の処理部51に対して有線又は無線により送信する。
【0041】
入退場管理装置50の処理部51は、退場用リーダ装置20から入退場車情報110bを受信する(S101)。
【0042】
次に、S102〜S111を経てS130に移行する。S110では、入退場車情報110bを通行履歴データベース52に登録する(図7(c))。
【0043】
次に、処理部51は、通行履歴データベース52に記録された受信時刻が現在時刻〜Y(秒)前までの間であるデータを対象にして、受信した入退場車情報110bの車両ID番号を検索する(S130)。ただし、S102で直前に登録した入退場車情報110bは検索対象から除く。
【0044】
S130において、受信した入退場車情報110bの車両ID番号が検索された場合、すなわち、Y秒前までの間に、受信した入退場車情報110bの車両は、入場用リーダ交信エリア30を通過していると判断された場合、S135に移行する。
【0045】
S135では、処理部51は、受信した入退場車情報110bは誤った情報であると判断する。
【0046】
そして、処理部51は、S110で一旦登録した入退場車情報110bを通行履歴データベース52から削除する(S136、図7(d)参照)。
【0047】
そして、入退場管理が継続中であれば、S140を経てS101へ戻る。
【0048】
次に、無線IDタグ70を搭載した車両1bが、工場から退場する場合について説明する。
【0049】
無線IDタグ70を搭載した車両1bが退場用リーダ交信エリア40のエリアに入ると、退場用リーダ装置20は、退場用リーダアンテナ11bを経由して、車両1に搭載した無線IDタグ70から車両ID番号71を読取る(図10(a)参照)。
【0050】
そして制御部12bは、同様に、車両ID番号100bと受信時刻101bとリーダ装置ID番号102bとを入退場車情報110bとして、入退場管理装置50の処理部51に対して有線又は無線により送信する。
【0051】
入退場管理装置50の処理部51は、退場用リーダ装置20から入退場車情報110bを受信する(S101)。
【0052】
入退場車情報110bを通行履歴データベース52に登録した(S110、図8(a)参照)後、S111の判定に従い、S130に移行する。
【0053】
制御部51は、通行履歴データベース52に記録された受信時刻が現在時刻〜Y(秒)前までの間であるデータを対象にして、受信した入退場車情報110bの車両ID番号を検索する(S130)。ただし、S102で直前に登録した入退場車情報110bは検索対象から除く。
【0054】
S130において、受信した入退場車情報110bの車両ID番号が検索されなかった場合、すなわち、現在からY秒前までの間に、受信した入退場車情報110bの車両は、入場用リーダ交信エリア30を通過していないと判断された場合、S131に移行する。
工場から退場する退場車両は、直前には、入場用リーダ交信エリア30を通過していないため、S131に移行することになる。
【0055】
処理部51は、S130により受信した入退場車情報110bの車両ID番号が検索されなかった場合、退場用リーダアンテナ11で受信した入退場情報110bは正しい退場の情報であると認証する(S131)。
【0056】
そして、処理部51は、S110において通行履歴データベース52に登録した入退場車情報110bに対応する箇所で、通行履歴データベース52の退場認証済の欄に、退場認証済であることを示すフラグを立てる(図8(b)参照。図8(b)の例では、退場認証済の欄に「1」を記録する。。S132)。
【0057】
次に、処理部51は、退場の認証後時から第3の回避時間(Z(秒))経過後に、入場時に登録した入退場情報110aと退場時に登録した入退場情報110bに対応する箇所で、通行履歴データベース52の入退場完了の欄に、入退場が正規に完了したことを示すフラグを立てる(図8の例では、入場時に登録した入退場情報110aと退場時に登録した入退場情報110bの2箇所の入退場完了の欄に「1」を記録する。図8(c)参照。S133)。
【0058】
ここで、第3の回避時間(Z(秒))は、第1の回避時間(X(秒))より長い時間に設定する。第3の回避時間(Z(秒))の意味については、後で説明する。
【0059】
そして、入退場管理を継続中は、S140を経てS101へ戻る。
【0060】
退場用リーダ交信エリア40を通過した退場車両は、次に、入場用リーダ交信エリア30に入る(図10(b))。
【0061】
入場用リーダ装置10は、入場用リーダアンテナ11aを経由して、車両1bに搭載した無線IDタグ70から車両ID番号71を読取る。
制御部12bは無線IDタグ70からの電波を受信すると、受信した時刻である受信時刻101bを時計14bから取得する。
また、制御部12bは無線IDタグ70からの電波を受信すると、メモリ13bからリーダ装置ID番号102bを取得する。
そして、制御部12bは、同様に、車両ID番号100aと受信時刻101aとリーダ装置ID番号102aとを入退場車情報110aとして、入退場管理装置50の処理部51に対して有線又は無線により送信する。
【0062】
入退場管理装置50の処理部51は、入場用リーダ装置10から入退場車情報110aを受信する(S101)。
【0063】
入退場車情報110aを通行履歴データベース52に登録した(S110。図8(c)参照)後、S111の判定に従い、S120に移行する。
【0064】
S120において、制御部51は、通行履歴データベース52に記録された受信時刻が現在時刻〜X(秒)前までの間であるデータを対象にして、受信した入退場車情報110aの車両ID番号を検索する。ただし、S102で直前に登録した入退場車情報110bは検索対象から除く。
【0065】
S120において、受信した入退場車情報110aの車両ID番号が検索された場合、すなわち、現在からX秒前までの間に、受信した入退場車情報110aの車両は退場用リーダ交信エリア40を通過していると判断された場合、S121に移行する。
工場から退場する退場車両は、直前には、退場用リーダ交信エリア40を通過しているため、S121に移行することになる。
【0066】
次に、処理部51は、受信した入退場車情報110aの車両が未入場であるか否かを判定する(S121)。
【0067】
ここで、S121における未入場の判定方法について、図5を用いて説明する。未入場とは、工場内にその車両が入場していない状態を表すものである。
処理部51は、受信した入退場車情報110aから車両ID番号を抽出する(S201)。
【0068】
処理部51は、抽出した車両ID番号が通行履歴データベース52に記録されているか否かを検索する。検索する範囲としては、例えば、通行履歴データベース52に2日以内に記録されたものの中から検索するなど、管理状況により設定することができる(S202)。
【0069】
S202において、検索されなかった場合は、その車両は、未入場と判定する(S203)。
【0070】
一方、抽出した車両ID番号が検索された場合、処理部51は、通行履歴データベース52で、直近に検索された車両ID番号に対応する入退場完了の欄にフラグが立っているか否かを判定する(S204)。
【0071】
フラグがたっている場合、すなわち、前回入場した記録はあるが退場が完了している場合は、S203に移行し、未入場であると判定する(S203)。
【0072】
一方、S204の判定において、フラグがたっていない場合、すなわち、入場した記録があり退場は完了していない場合は、S205に移行し、未入場ではないと判定する(S205)。
【0073】
このように、図4のS121おいて、入退場車情報110aを受信した車両が未入場であるか否かを判定し、未入場でなければ、S122に移行する。
S122では、処理部51は、受信した入退場車情報110aが誤った情報であると判定する(S122)。
【0074】
そして、処理部51は、S110で一旦登録した入退場車情報110aを通行履歴データベース52から削除する(図8(e)参照。S123)。
【0075】
図4のS121おいて、入退場車情報110aを受信した車両が未入場であると判定されれば、S125に移行する。
【0076】
入退場管理を継続中は、S140を経てS101へ戻る。
【0077】
先のS132において、処理部51は、退場の認証後時から第3の回避時間(Z(秒))経過後に、入場時に登録した入退場情報110aと退場時に登録した入退場情報110bに対応する箇所で、通行履歴データベース52の入退場完了の欄に、入退場が正規に完了したことを示すフラグを立てるようにした。
ここで、処理部51が退場の認証直後に入退場完了の欄にフラグを立てると、S121の判定において、処理部51は未入場の判定をしてS125に移行し、退場車両に対して誤って入場認証の処理を行うことになる。
このため、S132において処理部51は、退場後、第1の回避時間(X(秒))の間は入退場完了のフラグは立てずに、第1の回避時間(X(秒))以上の時間である第3の回避時間(Z(秒))経過後に、通行履歴データベース52の入退場完了の欄に、入退場が正規に完了したことを示すフラグを立てるようにしている。
【0078】
このように、実施の形態1では、入退場管理装置50は、処理部51と通行履歴データベース52と登録車両データベース53とリーダ装置データベース54と時計55とを備え、処理部51は、入場用リーダ装置10と退場用リーダ装置20とから入退場車情報110を入力するようにし、図4のフローチャートにより入退場車の管理を行うようにした。
【0079】
これにより、無線IDタグを用いて入退場車両の管理を行う入退場管理システムにおいて、道路幅が狭いなどの理由により、入場用のIDリーダの交信エリアと退場用のIDリーダの交信エリアが車両進行方向に重なり、車両は入場時や退場時に、入場用リーダ交信エリア30と退場用リーダ交信エリア40の両方を通過することになる状況においても、車両の入退場を誤ることなく、安価で信頼性の高い入退場管理システムを得ることができる。
【0080】
実施の形態2.
実施の形態1では、退場用リーダ交信エリア40が入場用リーダ交信エリア30よりも入退場管理をする建物側に形成されている場合について説明したが、実施の形態2では、入場用リーダ交信エリア30が退場用リーダ交信エリア40よりも入退場管理をする工場側に形成されている場合について説明する。
【0081】
図11は、この発明の実施の形態2に係る入退場管理システムの構成を説明する図である。このように、実施の形態2では、入場用リーダ交信エリア30が退場用リーダ交信エリア40よりも入退場管理をする工場側に形成されている。
【0082】
実施の形態2において、実施の形態1と同一または相当の構成については、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0083】
実施の形態2において、処理部51は、実施の形態1で説明した図4のフローチャートにより入退場管理を行う。各ステップ(S101〜S140)の処理内容は、実施の形態1と同じである。
【0084】
実施の形態2においては、図4のフローチャートの各ステップの説明は省略し、入場車両と退場車両が、図4のフローチャートのどのステップを経るかについてのみ説明する。
【0085】
まず、車両1aが工場に入場する場合について説明する。
【0086】
車両1aは、まず、退場用リーダ交信エリア40に入る。そして、図4のS101、S102、S110、S111を経て、S130に移行する。
S130において、処理部51は、入場後、Y秒以上経過していると判定し、S135に移行する。S130においては、未入場の場合は、入場後、X秒以上経過していると判定する。未入場の判定処理については、実施の形態1で説明したS121と同様の処理により判定する。
S135において、処理部51は退場用リーダ装置の誤読であるとし、S110で登録した入退場情報110bを通行履歴データベース52から削除する(S136)。
【0087】
入退場管理を継続中は、S140を経てS101へ戻る。
【0088】
次に、車両1aは、入場用リーダ交信エリア30に入る。そして、図4のS101、S102、S110、S111を経て、S120に移行する。
【0089】
S120において、処理部51は、退場後X秒以上経過していないと判定し、S121に移行する。
S121において、処理部51は未入場と判定し、S125に移行する。そして、入場用リーダアンテナ11で受信した入退場情報110は正常な入場の情報であると認証し(S125)、入場認証済のフラグを立てる(S126)。
【0090】
入退場管理を継続中は、S140を経てS101へ戻る。
【0091】
次に、入場した車両1aが構内から退場する場合について説明する。このときの車両を車両1'として、図11において破線で示す。
【0092】
車両1bはまず、入場用リーダ交信エリア30に入る。そして、図4のS101、S102、S110、S111を経て、S120に移行する。
【0093】
S120において、処理部51は退場後X秒以上経過していないと判定し、S121に移行する。
S121において、処理部51は未入場ではないと判定し、S122に移行する。
そして、S135において、処理部51は入場用リーダ装置の誤読であるとし、S110で登録した入退場情報110aを通行履歴データベース52から削除する(S123)。
【0094】
入退場管理を継続中は、S140を経てS101へ戻る。
【0095】
次に、車両1bは、退場用リーダ交信エリア40に入る。そして、図4のS101、S102、S110、S111を経て、S130に移行する。
【0096】
S130において、処理部51は、入場後Y秒以上経過していると判定し、S131に移行する。
そして、入場用リーダアンテナ11で受信した入退場情報110は正常な入場の情報であると認証し(S131)、退場認証済のフラグを立てる(S132)。
【0097】
そして、処理部51は、退場の認証後時から第3の回避時間(Z(秒))経過後に、入場時に登録した入退場情報110aと退場時に登録した入退場情報110bに対応する箇所で、通行履歴データベース52の入退場完了の欄に、入退場が正規に完了したことを示すフラグを立てる。
【0098】
入退場管理を継続中は、S140を経てS101へ戻る。
【0099】
このように、実施の形態2では、入退場管理装置50は、処理部51と通行履歴データベース52と登録車両データベース53とリーダ装置データベース54と時計とを備え、処理部51は、入場用リーダ装置10と退場用リーダ装置20とから入退場車情報110を入力するようにし、図4のフローチャートにより入退場車の管理を行うようにした。
【0100】
これにより、無線IDタグを用いて入退場車両の管理を行う入退場管理システムにおいて、道路幅が狭いなどの理由により、入場用のIDリーダの交信エリアと退場用のIDリーダの交信エリアが車両進行方向に重なり、車両は入場時や退場時に、入場用リーダ交信エリア30と退場用リーダ交信エリア40の両方を通過することになる状況においても、車両の入退場を誤ることなく、安価で信頼性の高い入退場管理システムを得ることができる。
【0101】
実施の形態3.
実施の形態1、2では、入場用リーダ装置10と退場用リーダ装置20が時計14を備え、受信時刻101を入退場車情報110として入退場管理装置50に送信していたが、実施の形態3では、入場用リーダ装置10と退場用リーダ装置20は時計を備えず、入退場管理装置50が入退場車情報110を受信した時刻を受信時刻として扱う。
【0102】
図12は、この発明の実施の形態1に係る入退場管理システムのブロック図である。実施の形態1、2と同一または相当する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0103】
実施の形態3における入場用リーダ装置10の制御部12aは、車両ID番号100aとリーダ装置ID番号102aとを入退場車情報110aとして、入退場管理装置50の処理部51に対して有線又は無線により送信する。
処理部51は、入退場車情報110aを受信した時刻(時計55が出力する時刻)を受信時刻とし、入退場車情報110aにこの受信時刻を加えた情報を、新たに入退場車情報110aとする。
【0104】
また、実施の形態3における退場用リーダ装置20の制御部12bは、車両ID番号100bとリーダ装置ID番号102bとを入退場車情報110bとして、入退場管理装置50の処理部51に対して有線又は無線により送信する。
処理部51は、入退場車情報110bを受信した時刻を受信時刻(時計55が出力する時刻)とし、入退場車情報110bにこの受信時刻を加えた情報を、新たに入退場車情報110bとする。
【0105】
以降の処理部51の動作は、実施の形態1あるいは2と同様である。
【0106】
実施の形態3では、時計が共通となるため、受信時刻を比較する際の比較精度が向上する。
【0107】
なお、実施の形態1〜3において、無線IDタグは、電池を内蔵しないパッシブタグであってもよいし、電池を内蔵するアクティブタグであってもよい。
また、無線IDタグ70とリーダ装置とが情報を送受する伝送媒体はMHz帯の電磁波からGHz帯のマイクロ波、更にはTHz帯の光であってもよい。
【0108】
また、実施の形態1〜3では車両の入退場を管理するようにしたが、本発明を車両以外の、例えば人の入退室管理に適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】この発明の実施の形態1に係る入退場管理システムの構成を説明する図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る入退場管理システムのブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る無線IDタグのブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る入退場管理システムの処理部51の動作を示すフローチャート図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る処理部51が行う未入場か否かを判定するフローチャート図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る入場情報110の一例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る通行履歴データベースの一例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る通行履歴データベースの一例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る車両入場時の無線IDタグの読み取り状況を説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る車両退場時の無線IDタグの読み取り状況を説明する図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る入退場管理システムの処理部51の動作を示すフローチャート図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係る入退場管理システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0110】
1 車両、1' 退場する車両1、10 入場用リーダ装置、11 リーダアンテナ、12 制御部、13 メモリ、14 時計、20 退場用リーダ装置、30 入場用リーダ交信エリア、40 退場用リーダ交信エリア、50 入退場管理装置、51 処理部、52 通行履歴データベース、53 登録車両データベース、54 リーダ装置データベース、55 時計、70 無線IDタグ、71 車両ID番号、72 無線IDタグアンテナ、80 道路、100 車両ID番号、101 受信時刻、102 リーダ装置ID番号、110 入退場車情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線IDタグを搭載し施設に入退場する車両の入退場管理を行う入退場管理システムであって、
前記施設に入場する入場車用の交信エリアを形成し、前記入場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出し、前記車両識別データと前記車両識別データを読み出した読み出し時刻とを入場車識別データとして入退場管理装置に出力する入場用リーダ装置と、
前記入場車用の交信エリアと前記車両の進行方向の前後で重なるもので、前記施設から退場する退場車用の交信エリアを形成し、前記退場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出し、前記車両識別データと前記車両識別データを読み出した読み出し時刻とを退場車識別データとして入退場管理装置に出力する退場用リーダ装置と、
入力した前記入場車識別データと前記退場車識別データとに基づき車両の識別をし、同一の車両であった場合に、前記入場車識別データの読み出し時刻と前記退場車識別データの読み出し時刻とで時刻の差分をとり、
前記差分と予め設定したしきい値時間とを比較し、前記差分が前記しきい値時間より小さい場合に、前記入場車識別データの読み出し時刻と前記退場車識別データの読み出し時刻とで時刻の遅い方の前記入場車識別データあるいは前記退場車識別データを誤った識別データであると判定する入退場管理装置とからなる入退場管理システム。
【請求項2】
無線IDタグを搭載し施設に入退場する車両の入退場管理を行う入退場管理装置であって、
前記施設に入場する入場車用の交信エリアを形成し、前記入場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出し、前記車両識別データと前記車両識別データを読み出した読み出し時刻とを入場車識別データとして出力する入場用リーダ装置から、前記入場車識別データを入力し、
前記入場車用の交信エリアと前記車両の進行方向の前後で重なるもので、前記施設から退場する退場車用の交信エリアを形成し、前記退場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出し、前記車両識別データと前記車両識別データを読み出した読み出し時刻とを退場車識別データとして出力する退場用リーダ装置から、前記退場車識別データを入力し、
入力した前記入場車識別データと前記退場車識別データとに基づき車両の識別をし、同一の車両であった場合に、前記入場車識別データの読み出し時刻と前記退場車識別データの読み出し時刻とで時刻の差分をとり、
前記差分と予め設定したしきい値時間とを比較し、前記差分が前記しきい値時間より小さい場合に、前記入場車識別データの読み出し時刻と前記退場車識別データの読み出し時刻とで時刻の遅い方の前記入場車識別データあるいは前記退場車識別データを誤った識別データであると判定することを特徴とする入退場管理装置。
【請求項3】
無線IDタグを搭載し施設に入退場する車両の入退場管理を行う入退場管理システムであって、
前記施設に入場する入場車用の交信エリアを形成し、前記入場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出して入場車識別データとして入退場管理装置に出力する入場用リーダ装置と、
前記入場車用の交信エリアと前記車両の進行方向の前後で重なるもので、前記施設から退場する退場車用の交信エリアを形成し、前記退場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出して退場車識別データとして入退場管理装置に出力する退場用リーダ装置と、
前記入場用リーダ装置から前記入場車識別データを入力すると、その入力した時刻を入力時刻として前記入場車識別データに付加し、
前記退場用リーダ装置から前記退場車識別データを入力すると、その入力した時刻を入力時刻として前記退場車識別データに付加し、
前記入場車識別データと前記退場車識別データとに基づき車両の識別をし、同一の車両であった場合に、前記入場車識別データの入力時刻と前記退場車識別データの入力時刻とで時刻の差分をとり、
前記差分と予め設定したしきい値時間とを比較し、前記差分が前記しきい値時間より小さい場合に、前記入場車識別データの入力時刻と前記退場車識別データの入力時刻とで時刻の遅い方の前記入場車識別データあるいは前記退場車識別データを誤った識別データであると判定する入退場管理装置とからなる入退場管理システム。
【請求項4】
無線IDタグを搭載し施設に入退場する車両の入退場管理を行う入退場管理装置であって、
前記施設に入場する入場車用の交信エリアを形成し、前記入場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出して入場車識別データとして出力する入場用リーダ装置から、前記入場車識別データを入力してその入力した時刻を入力時刻として前記入場車識別データに付加し、
前記入場車用の交信エリアと前記車両の進行方向の前後で重なるもので、前記施設から退場する退場車用の交信エリアを形成し、前記退場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出して退場車識別データとして出力する退場用リーダ装置から、前記退場車識別データを入力してその入力した時刻を入力時刻として前記入場車識別データに付加し、
前記入場車識別データと前記退場車識別データとに基づき車両の識別をし、同一の車両であった場合に、前記入場車識別データの入力時刻と前記退場車識別データの入力時刻とで時刻の差分をとり、
前記差分と予め設定したしきい値時間とを比較し、前記差分が前記しきい値時間より小さい場合に、前記入場車識別データの入力時刻と前記退場車識別データの入力時刻とで時刻の遅い方の前記入場車識別データあるいは前記退場車識別データを誤った識別データであると判定することを特徴とする入退場管理装置。
【請求項5】
無線IDタグを搭載し施設に入退場する車両の入退場管理を行う入退場管理方法であって、
前記施設に入場する入場車用の交信エリアを形成し、前記入場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出し、前記車両識別データと前記車両識別データを読み出した読み出し時刻とを入場車識別データとして出力する入場用リーダ装置から、前記入場車識別データを入力するステップと、
前記入場車用の交信エリアと前記車両の進行方向の前後で重なるもので、前記施設から退場する退場車用の交信エリアを形成し、前記退場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出し、前記車両識別データと前記車両識別データを読み出した読み出し時刻とを退場車識別データとして出力する退場用リーダ装置から、前記退場車識別データを入力するステップと、
入力した前記入場車識別データと前記退場車識別データとに基づき車両の識別をし、同一の車両であった場合に、前記入場車識別データの読み出し時刻と前記退場車識別データの読み出し時刻とで時刻の差分をとるステップと、
前記差分と予め設定したしきい値時間とを比較し、前記差分が前記しきい値時間より小さい場合に、前記入場車識別データの読み出し時刻と前記退場車識別データの読み出し時刻とで時刻の遅い方の前記入場車識別データあるいは前記退場車識別データを誤った識別データであると判定するステップとを備えた入退場管理方法。
【請求項6】
無線IDタグを搭載し施設に入退場する車両の入退場管理を行う入退場管理方法であって、
前記施設に入場する入場車用の交信エリアを形成し、前記入場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出して入場車識別データとして出力する入場用リーダ装置から、前記入場車識別データを入力してその入力した時刻を入力時刻として前記入場車識別データに付加するステップと、
前記入場車用の交信エリアと前記車両の進行方向の前後で重なるもので、前記施設から退場する退場車用の交信エリアを形成し、前記退場車用の交信エリア内の車両に搭載された前記無線IDタグから車両識別データを読み出して退場車識別データとして出力する退場用リーダ装置から、前記退場車識別データを入力してその入力した時刻を入力時刻として前記入場車識別データに付加するステップと、
前記入場車識別データと前記退場車識別データとに基づき車両の識別をし、同一の車両であった場合に、前記入場車識別データの入力時刻と前記退場車識別データの入力時刻とで時刻の差分をとるステップと、
前記差分と予め設定したしきい値時間とを比較し、前記差分が前記しきい値時間より小さい場合に、前記入場車識別データの入力時刻と前記退場車識別データの入力時刻とで時刻の遅い方の前記入場車識別データあるいは前記退場車識別データを誤った識別データであると判定するステップとを備えたことを特徴とする入退場管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−257407(P2007−257407A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−82152(P2006−82152)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】