説明

全方向警報灯

【課題】全方向警報灯のコストダウンを図る。
【解決手段】発光ダイオード基板1の両面に発光領域を定め、該発光領域に多数の発光ダイオード3を取り付け、発光領域の輪郭を表す図形の直線部分が各発光ダイオード基板1の一辺である合せ目辺1aに一致するようにし、発光ダイオード基板1の3枚を、合せ目辺1aのそれぞれが垂直になって合わさるように、120度間隔でY字状に固定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードの点灯もしくは点滅により360度の全方向に警報を発する全方向警報灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願出願人外1名により全方向踏切警報灯が既に開発され(特許文献1)、実用されている。また、多面発光体を有する全方位踏切警報灯が特許文献2により提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4313700号公報
【特許文献2】特開2010−179664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、発光ダイオード基板が4枚十字状に配置されているので、コスト高であることが問題であった。
【0005】
また、特許文献2に記載の発明は、多面立体構造の基板取付枠にLED実装基板を取り付けるものであり、やはりコスト高となるものである。
【0006】
(発明の目的)
本発明の目的は、コストダウンを図ることができる全方向警報灯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の全方向警報灯は、発光ダイオード基板の両面に発光領域を定め、該発光領域に多数の発光ダイオードを取り付け、前記発光領域の輪郭を表す図形の直線部分が前記各発光ダイオード基板の一辺である合せ目辺に一致するようにし、前記発光ダイオード基板の3枚を、前記合せ目辺のそれぞれが垂直になって合わさるように、120度間隔でY字状に固定したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、全方向警報灯のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例である全方向警報灯の発光ダイオード基板を示す平面図である。
【図2】発光ダイオード基板の斜視図である。
【図3】発光ダイオードの発光領域を示す図である。
【図4】発光ダイオード基板の電源供給の一例を示す回路図である。
【図5】実施例の全方向警報灯を示す正面図及び底面図である。
【図6】発光ダイオードの発光形状の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態は、後述する実施例に記載の通りである。
【実施例】
【0011】
図1は本発明の一実施例である全方向警報灯の発光ダイオード基板(以下LED基板という)を示す平面図、図2は同じく斜視図、図3は発光ダイオードの発光領域を示す図である。
【0012】
四角形のLED基板1はメイン1枚とサブ2枚の合計3枚あり、120度間隔でY字状にかつ垂直に配置されている。3枚のLED基板1の両面には発光領域2が定められている。各発光領域2に多数の発光ダイオード3が取り付けられている。発光領域2の輪郭を表す図形は半楕円形となっている。半楕円形の発光領域2は、半楕円形の短軸がLED基板1の合せ目となる合せ目辺1aに一致するように定められている。図3(a)に示されるように、LED基板1を正面から見ると、多数の発光ダイオード3の発光形状は半楕円である。しかし、図2に示されるように、3枚のうちのいずれかのLED基板1の延長上、即ち図1のB方向からから見ると、図3(b)に示されるように真円に見える。また、図1のA方向から見ると、図3(c)に示されるように最も歪な円形に見える。歪な円形であっても、円形と認識することができる。したがって、360度の範囲でどの方向からも円に近いイメージで発光を視認させることができる。
【0013】
LED基板1への電源供給は、例えば図4に示されるように、メインLED基板1Aには直接的に行われ、サブLED基板1B、1CにはメインLED基板1Aを介して行われる。
【0014】
図5は本発明の一実施例である全方向警報灯の組立状態を示す正面図及び底面図である。
【0015】
図5において、灯体4は、金属製などのひさし5、ひさし5に固定された透明樹脂製で円筒形のカバー6、カバー6内に配置されたLED基板1、金属製などの背板7、及び外線端子を内蔵する回転接手8から主として構成されている。カバー6は、ひさし5に固定された垂直下方に延びる支柱9及び底板10によってひさし5に固定される。発光ダイオード3としては、視野角の広いものが好ましい。LED基板1の3枚は、合せ目辺1aが灯体4の中心位置で垂直になって合わさるように、120度間隔でY字状に配置される。3枚のLED基板1はひさし5及び底板10に取り付けられた取付片(不図示)に固定ねじ(不図示)などにより着脱可能に固定される。
【0016】
カバー6としては例えば非拡散性の赤色アクリルカバーが用いられる。背板7はL字形のもので、カバー6の周囲に、LED基板1と同一平面上に位置するようにひさし5に固定される。背板7はLED基板1の周囲の外光を遮断し、その発光を見やすくするためのものである。
【0017】
LED基板1はひさし5に設けられた取付片に固定ねじにより着脱可能に固定されているので(下端部でも底板10に着脱可能に固定されていても良い)、メインLED基板1A又はサブLED基板1B、1Cの交換や修理が容易である。
【0018】
本実施例では、3枚のLED基板1を120度間隔でY字状に配置したので、特許文献1のものよりコストダウすることができる。また、発光領域2の輪郭を表す図形を半楕円形としたので、どの方向からでも円に近いイメージで発光を視認させることができる。
【0019】
図1−5の実施例では、発光ダイオード3が取り付けられる発光領域2を半楕円形としているが、これに限定されるものではない。図6(a)に示されるように、発光領域11は放物線形であってもよく、放物線形の軸に垂直な弦がLED基板1の合せ目辺1aに一致するように定められ、合せ目辺1aが灯体4の中心位置に配置される。
【0020】
また、図6(b)に示されるように、発光領域12は三角形であってもよいし、図6(c)に示されるように、発光領域13は半八角形であってもよいし、図6(d)に示されるように、発光領域14は四角形であってもよいし、図6(e)に示されるように、発光領域15は台形であってもよい。また、図示していないが、半円形であってもよい。これらの場合も、発光領域の輪郭を表す図形の一辺を形成する直線部分がLED基板1の合せ目辺1aに一致するように定められる。
【0021】
本発明の全方向警報灯は、踏切警報灯として好適なものであるが、踏切警報以外の鉄道用の警報灯、道路用、車両用、建物用などの警報灯としても有用なものである。
【符号の説明】
【0022】
1 発光ダイオード基板
1a 合せ目辺
2 発光領域
3 発光ダイオード
4 灯体
11−15 発光領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード基板の両面に発光領域を定め、該発光領域に多数の発光ダイオードを取り付け、前記発光領域の輪郭を表す図形の直線部分が前記各発光ダイオード基板の一辺である合せ目辺に一致するようにし、前記発光ダイオード基板の3枚を、前記合せ目辺のそれぞれが垂直になって合わさるように、120度間隔でY字状に固定したことを特徴とする全方向警報灯。
【請求項2】
前記発光領域の輪郭を表す図形は、半楕円形であることを特徴とする請求項1に記載の全方向警報灯。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate