説明

全身性炎症状態の予後又は診断のためのリゾホスファチジルコリンの検出

本発明は、例えば対象における全身性炎症状態の診断又は予後のために有用な方法及び構成物を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって:
全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、ある期間にわたって、患者の体液又は組織中の複数の総リゾホスファチジルコリン量を測定する工程を含む、前記方法。
【請求項2】
前記リゾホスファチジルコリンが1-O-パルミトイル-2-リゾ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン及び1-O-ステアロイル-2-リゾ-sn-グリセロ-3-ホスホコリンを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
総遊離リゾホスファチジルコリンが前記総リゾホスファチジルコリン量を示す、請求項1記載の方法。
【請求項4】
総結合リゾホスファチジルコリンが前記総リゾホスファチジルコリン量を示す、請求項1記載の方法。
【請求項5】
総遊離及び結合リゾホスファチジルコリンが前記総リゾホスファチジルコリン量を示す、請求項1記載の方法。
【請求項6】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって:
全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、ある期間にわたって、患者の体液又は組織中の複数の式(I)記載の化合物又はその塩若しくは溶媒和物の量を測定する工程を含む、前記方法:
【化1】

(式中、Rは、C16-C18アシルである)。
【請求項7】
Rが飽和アシルである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
RがC16飽和アシルである、請求項6記載の方法。
【請求項9】
RがC18飽和アシルである、請求項6記載の方法。
【請求項10】
Rが分枝のないC16-C18 アシルである、請求項6記載の方法。
【請求項11】
Rがパルミトイルである、請求項6記載の方法。
【請求項12】
Rがステアロイルである、請求項6記載の方法。
【請求項13】
量が減少することは、全身性炎症状態についてのリスクが増加していることを示す、請求項1又は6記載の方法。
【請求項14】
量が減少することは、全身性炎症状態の診断を示す、請求項1又は6記載の方法。
【請求項15】
量が減少することは、前記患者がしばらくして全身性炎症状態と診断される可能性があることを示す、請求項1又は6記載の方法。
【請求項16】
量が増加することは、全身性炎症状態についてのリスクが減少することを示す、請求項1又は6記載の方法。
【請求項17】
量が増加することは、全身性炎症状態の診断に対して示す、請求項1又は6記載の方法。
【請求項18】
量が増加することは、前記患者がしばらくして全身性炎症状態と診断される可能性がないことを示す、請求項1又は6記載の方法。
【請求項19】
前記全身性炎症状態がSIRS陽性、敗血症及び敗血症性ショックからなる群から選択される、請求項1又は6記載の方法。
【請求項20】
前記患者がSIRS陰性である、請求項1又は6記載の方法。
【請求項21】
前記患者がSIRS陽性である、請求項1又は6記載の方法。
【請求項22】
前記量が全身性炎症状態についてのリスクを評価するために測定される複数のマーカーのうちの1つのものである、請求項1又は6記載の方法。
【請求項23】
前記量が分光法、クロマトグラフィー、免疫アッセイ法、電気泳動法又は酵素アッセイ法によって測定される、請求項1又は6記載の方法。
【請求項24】
前記体液又は組織が血液、血漿、唾液、血清、痰、尿、細胞、細胞抽出物又は組織生検である、請求項1又は6記載の方法。
【請求項25】
臨床データから全身性炎症状態についてのリスクを評価する工程を更に含む、請求項1又は6記載の方法。
【請求項26】
前記臨床データが温度、心拍数、白血球数、単球数、リンパ球数、顆粒球数、好中球数、総好中球に対する未成熟好中球の比、血小板数、血清クレアチニン濃度、尿素濃度、乳酸濃度、塩基過剰、pO2及びHCO3-からなる群から選択される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記全身性炎症状態の臨床モデルから前記全身性炎症状態についてのリスクを評価する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項28】
前記臨床モデルが急性生理機能及び慢性健康評価、急性生理機能及び慢性健康評価II、急性生理機能及び慢性健康評価III、死亡率予測モデル、簡易急性生理機能スコア、多臓器機能障害スコア、経時的器官不全評価スコア、ロジスティック器官機能障害スコア、並びに素因、感染、反応及び器官機能障害の概念からなる群から選択される、請求項27記載の方法。
【請求項29】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって、全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、患者の体液又は組織中の総リゾホスファチジルコリン量を、全身性炎症状態を有するか又は有するであろう個体の体液又は組織中の総リゾホスファチジルコリン量を示す参照量に対して比較する工程を含む、前記方法。
【請求項30】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって:
全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、患者の体液又は組織中の式(I)記載の化合物又はその塩若しくは溶媒和物の量を、全身性炎症状態を有するか又は有するであろう個体の体液又は組織中の総リゾホスファチジルコリン量を示す参照量に対して比較する工程を含む、前記方法:
【化2】

(式中、Rは、C16-C18アシルである)。
【請求項31】
前記量の間の相違が全身性炎症状態についてのリスクと逆相関する、請求項29又は30記載の方法。
【請求項32】
前記量が全身性炎症状態の発病の0、12、24、36又は48時間前に測定される、請求項29又は30記載の方法。
【請求項33】
前記患者がSIRS陰性である、請求項29又は30記載の方法。
【請求項34】
前記個体がSIRS陰性である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記個体がSIRS陽性である、請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記個体がSIRS陽性及び敗血症陰性である、請求項33記載の方法。
【請求項37】
前記個体が敗血症陽性である、請求項33記載の方法。
【請求項38】
前記患者がSIRS陽性である、請求項29又は30記載の方法。
【請求項39】
前記個体がSIRS陽性及び敗血症陰性である、請求項38記載の方法
【請求項40】
前記個体が敗血症陽性である、請求項38記載の方法。
【請求項41】
患者におけるリゾホスファチジルコリンを検出するための方法であって、患者の体液又は組織由来のサンプルを:
リゾホスファチジルコリンを反応させてグリセロホスファチジルコリンを形成することができる酵素又は試薬;
グリセロホスファチジルコリンを反応させてコリンを形成することができる酵素又は試薬;
コリン、水及び酸素を反応させてペルオキシドを形成することができる酵素又は試薬;
ペルオキシダーゼ、並びに、
前記ペルオキシダーゼの蛍光発生基質
と、蛍光産物の形成のために適切な条件下で接触させる工程を含み、前記蛍光産物がリゾホスファチジルコリンを示す、前記方法。
【請求項42】
リゾホスファチジルコリンを反応させてグリセロホスファチジルコリンを形成することができる前記酵素又は試薬がリゾホスホリパーゼである、請求項41記載の方法。
【請求項43】
リゾホスファチジルコリンをグリセロホスファチジルコリンに変換することができる前記酵素又は試薬がEC 3.1.1.5である、請求項41記載の方法。
【請求項44】
グリセロホスファチジルコリンを反応させてコリンを形成することができる前記酵素又は試薬がグリセロホスファチジルコリンジエステラーゼである、請求項41記載の方法。
【請求項45】
グリセロホスファチジルコリンを反応させてコリンを形成することができる前記酵素又は試薬がEC 3.1.4.2である、請求項41記載の方法。
【請求項46】
コリンを反応させてペルオキシドを形成することができる前記酵素又は試薬がコリンオキシダーゼである、請求項41記載の方法。
【請求項47】
コリンをペルオキシドに反応することができる前記酵素又は試薬がEC 1.1.3.17である、請求項41記載の方法。
【請求項48】
前記ペルオキシダーゼが西洋ワサビペルオキシダーゼである、請求項41記載の方法。
【請求項49】
前記蛍光発生基質が10-アセチル-3,7-ジヒドロキシフェノキサジンであり、かつ前記蛍光産物が7-ヒドロキシ-3H-フェノキサジン-3-オンである、請求項41記載の方法。
【請求項50】
前記蛍光産物が蛍光検出によって検出される、請求項41記載の方法。
【請求項51】
前記サンプルを、リゾホスホリパーゼ、グリセロホスファチジルコリンジエステラーゼ、コリンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ及び10-アセチル-3,7-ジヒドロキシフェノキサジンと、7-ヒドロキシ-3H-フェノキサジン-3-オンの形成のために適切な条件下で接触させ、7-ヒドロキシ-3H-フェノキサジン-3-オンがリゾホスファチジルコリンを示す、請求項41記載の方法。
【請求項52】
前記サンプルを、EC 3.1.1.5、EC 3.1.4.2、EC 1.1.3.17、西洋ワサビペルオキシダーゼ及び10-アセチル-3,7-ジヒドロキシフェノアジンと、7-ヒドロキシ-3H-フェノキサジン-3-オンの形成のために適切な条件下で接触させ、前記7-ヒドロキシ-3H-フェノキサジン-3-オンがリゾホスファチジルコリンを示す、請求項41記載の方法。
【請求項53】
前記蛍光産物の量が前記リゾホスファチジルコリン量を示す、請求項41記載の方法。
【請求項54】
全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、請求項41記載の方法に従って複数のリゾホスファチジルコリン量を検出することによる、患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法。
【請求項55】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって、全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、前記患者の体液又は組織中の総リゾホスファチジルコリン量を、全身性炎症状態を有するか又は有するであろう複数の個体の体液又は組織中の総リゾホスファチジルコリン量を示す参照量に対して比較する工程を含む、前記方法。
【請求項56】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって、全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、前記患者の体液又は組織中の総リゾホスファチジルコリン量を、体液又は組織中の内部標準と比較する工程を含む、前記方法。
【請求項57】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって、全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、前記患者の体液又は組織中の総リゾホスファチジルコリン量をモニターする工程を含む、前記方法。
【請求項58】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって、全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、前記患者の体液又は組織中の総リゾホスファチジルコリン量を評価する工程を含む、前記方法。
【請求項59】
全身性炎症状態の治療をモニターするための方法であって、治療を評価するために、前記全身性炎症状態のための治療を受けている患者の体液又は組織中の総リゾリゾホスファチジルコリン量をモニターする工程を含む、前記方法。
【請求項60】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって、
全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、前記患者の体液又は組織中の式(I)記載の化合物又はその塩若しくは溶媒和物の量を、全身性炎症状態を有するか、又は有するであろう複数の個体の体液又は組織中の化合物の量を示す参照量に対して比較する工程を含む、前記方法:
【化3】

(式中、Rは、C16-C18アシルである)。
【請求項61】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって、
全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、前記患者の体液又は組織中の式(I)記載の化合物又はその塩若しくは溶媒和物の量をモニターする工程を含む、前記方法:
【化4】

(式中、Rは、C16-C18アシルである)。
【請求項62】
患者における全身性炎症状態の診断又は予後のための方法であって、
全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、前記患者の体液又は組織中の式(I)記載の化合物又はその塩若しくは溶媒和物の量を評価する工程を含む、前記方法:
【化5】

(式中、Rは、C16-C18アシルである)。
【請求項63】
全身性炎症状態の治療をモニターするための方法であって、
治療を評価するために、前記全身性炎症状態のための治療を受けている患者の体液又は組織中の式(I)記載の化合物の量をモニターする工程を含む、前記方法:
【化6】

(式中、Rは、C16-C18アシルである)。
【請求項64】
患者における全身性炎症状態の診断若しくは予後、又はモニタリングのためのキットであって、前記患者の体液又は組織中の総リゾホスファチジルコリン量を測定するために使用することができる構成物を含む、前記キット。
【請求項65】
患者における全身性炎症状態の診断若しくは予後、又はモニタリングのためのキットであって、
リゾホスファチジルコリンを反応させてグリセロホスファチジルコリンを形成することができる酵素又は試薬、
グリセロホスファチジルコリンを反応させてコリンを形成することができる酵素又は試薬、
コリン、水及び酸素を反応させてペルオキシドを形成することができる酵素又は試薬、
ペルオキシダーゼ、並びに、
前記ペルオキシダーゼの蛍光発生基質、
を含む、前記キット。
【請求項66】
リゾホスホリパーゼ、グリセロホスファチジルコリンジエステラーゼ、コリンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ及び10-アセチル-3,7-ジヒドロキシフェノキサジンを含む、請求項65記載のキット。
【請求項67】
EC 3.1.1,5、EC 3.1.4.2、EC 1.1.3.17、西洋ワサビペルオキシダーゼ及び10-アセチル-3,7-ジヒドロキシフェノキサジンを含む、請求項65記載のキット。
【請求項68】
患者における全身性炎症状態の診断若しくは予後、又はモニタリングのためのキットであって、前記患者の体液又は組織中の式(I)記載の化合物又はその塩若しくは溶媒和物の量を測定するために使用することができる構成物を含む、前記キット:
【化7】

(式中、Rは、C16-C18アシルである)。
【請求項69】
前記構成物が式(I)の化合物に選択的に結合することができる抗体を含む、請求項64のキット。
【請求項70】
全身性炎症状態の診断又は予後のための装置であって、前記装置は、前記患者の体液又は組織中の式(I)記載の化合物又はその塩若しくは溶媒和物の量を測定することができ、かつ全身性炎症状態を有するか又は有するであろう個体の体液又は組織中の前記化合物の量を示す参照量と比較することができる、前記装置:
【化8】

(式中、Rは、C16-C18アシルである)。
【請求項71】
全身性炎症状態の診断又は予後のためのシステムであって、前記患者の体液又は組織に中の式(I)記載の化合物又はその塩若しくは溶媒和物の量を測定することができる第1の装置と、全身性炎症状態についてのリスクを評価するために、全身性炎症状態を有するか又は有するであろう個体の体液又は組織中の前記化合物の量を示す参照量と比較することができる第2の装置とを含む、前記システム:
【化9】

(式中、Rは、C16-C18アシルである)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図4−6】
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【図4−7】
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【図4−8】
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【図4−9】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図5−5】
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【図5−6】
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【図5−7】
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【図5−8】
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【図5−9】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−510450(P2009−510450A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533696(P2008−533696)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/038177
【国際公開番号】WO2007/038758
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】