説明

六方晶フェライト凝集粒子およびそれを用いた磁気記録媒体

【課題】一次粒子径は30nm以下と微細な粒子を得ながらも、生成母液からの分離回収性を改善する手法を提供し、さらにはこの手法を採用することにより高密度磁気記録用に適した六方晶フェライト粒子を提供すること。
【解決手段】六方晶フェライト粒子の一次粒子がその形態を保ちつつ、複数個集合して形成されている凝集粒子であって、その形状はSEMの1000倍程度の倍率で観察した際に球形近似形状をしており、その平均粒径が20μm以上、100μm以下である六方晶フェライト粒子からなる凝集粒子とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度磁気記録に適した六方晶フェライト粒子の凝集粒子およびそれを用いる磁気記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、塗布型の高密度磁気記録媒体に用いられる磁性体としては、主としてメタル磁性粉が用いられている。そして、メタル磁性粉は、低ノイズ、高出力を目指して、微小化、高磁力化の性能向上を遂げてきた。元々、メタル磁性粉は金属を主体とするものであるので、経年的な酸化による磁力の消失という問題を有する。通常これには、磁性粉の表面に酸化膜を形成して酸化を防止し磁力の消失を防ぐ。しかし、粒子が微細になるにしたがい、粒子体積に占める酸化膜の割合が多くなってきた。酸化を防止するための酸化膜の厚みは粒子の微細化に関係なくほぼ一定だからである。
【0003】
その結果、磁力を司る金属部分の割合が減少し、メタル磁性粉そのものの磁力の低下が避けられない状況にある。すなわち、酸化を防止しつつ、磁力の増加を目指すというメタル磁性粉の性能向上の手段が限界になりつつある。
【0004】
そこで、次世代の高密度磁気記録用の磁性粉として、メタル磁性粉以外の材料も検討されてきている。その代表例が六方晶フェライトからなる磁性粉である。六方晶フェライト磁性粉末は、その構造そのものが酸化物であるため、酸化による磁力の経年劣化という課題をそもそも有さない。また、メタル磁性粉ほど磁化はないものの、結晶異方性の制御により大きな保磁力を付与できる。そのため、高密度磁気記録用の磁性粉として期待されている。
【0005】
また、磁気記録媒体を利用する機器側でも、電磁誘導を基本原理とする従来の再生ヘッドに変わり、磁気抵抗効果を利用した再生ヘッドが普及してきた。このタイプの再生ヘッドでは、磁束密度の大きな変化がなくても再生信号を出力できる。そのため、磁化が小さくても低雑音性を有する磁気記録媒体は有用となる。そのような機器側の環境においては、粒子が微細化されても適度な磁化と大きな保磁力を有することのできる六方晶フェライト磁性粉末は磁気記録媒体用磁性粉として益々期待が大きくなっている。
【0006】
六方晶フェライト磁性粉末の作製方法としては、微粒子の製造として常用されている液相析出法を用いるのが大量生産には適しているとされている。製造手順が簡便であり、制御もしやすいからである。一方、六方晶フェライト磁性粉末では固相析出法での製造も検討されている。これは、基本的な成分を溶融したガラス形成物質を急冷し、さらに熱処理を施すことでガラス物質中に六方晶フェライト粒子を析出させる製法である。ガラス結晶化法と呼ばれるこの製法を用いれば、緻密で、微細かつ高い磁気特性を有する六方晶フェライト磁気粉末を得る事ができる。
【0007】
ガラス結晶化法で微細で粒度のそろった六方晶フェライト粒子を作製するには、必要な成分が溶融した溶湯を急冷した後のガラス体(以後「前駆体」ともいう。)中に、均一な六方晶フェライト粒子を析出させなければならない。そのため、熱処理を行う前の前駆体は細かくするのがよい。前駆体が大きいと、表面と中側で昇温に時間差ができ、析出させた六方晶フェライト粒子の粒径が異なってしまうからである。
【0008】
特許文献1にはガラス結晶化法によって、六方晶フェライトを製造するにあたり双ロールのロール圧を制御して、晶質体(ガラス体)の粒子径を制御し、特性向上を図る試みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平07−057916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、熱処理を行った前駆体を「フェライト含有前駆体」とよび、「フェライト含有前駆体」を酸で洗浄したものを「一次粒子凝集体」もしくは「凝集粒子」とよぶ。つまり、凝集粒子とは、フェライト含有前駆体からガラス成分を洗い落した状態のものである。前駆体とフェライト含有前駆体および凝集粒子は、巨視的にはほとんど同じ形状をしている。
【0011】
前駆体を細かくするには、前駆体自体を粉砕処理する方法も考えられる。しかし、このように粉砕された前駆体を熱処理した後に酸洗浄すると、ガラスが洗い落とされた凝集粒子同士の隙間が詰まり、凝集粒子の回収が困難になるという課題が生じる。より詳細に状況を述べれば、洗浄液と粉砕されて微細になった凝集粒子を分離させるべくフィルターを用いて分離させようとしても、フィルターに凝集粒子が密集して詰まることで洗浄液の抜け(ろ過)に長時間必要になる。洗浄する工程に長い時間が必要となると、生産性の低下、製品コストの上昇につながり、量産性という観点では極めて大きな課題となる。
【0012】
この問題は、磁気記録の高密度化のために磁性粒子の微細化が一層求められるようになったことにより顕在化した問題である。元来であれば、それほど小粒子径のフェライトは必要とされてこなかったので、分離除去も比較的容易に行えていた。しかし、一次粒子径をできるだけ細かいものとしなければ、高密度化が図れなくなってきたため、こうした粒子径に起因した生産性の問題が生じるようになってきた。
【0013】
生産性の問題となるろ過効率改善を図るため、例えば遠心分離等を用いて粒子を一旦沈降させ、デカンテーションを用いて洗浄液を除去することも考えられる。しかし、設備の導入のための初期費用がかかりすぎるので現実的ではない。
【0014】
一方、洗浄液の抜け(ろ過)の工程を短時間で行うには、凝集塊の大きさの元となる前駆体を比較的大きくしておけばよい。しかし、すでに説明したように、前駆体を必要以上に大きくしてしまうと、熱処理の際に六方晶フェライト粒子の粒径にばらつきが生じてしまう。以上のように、微細で粒径のそろった六方晶フェライト磁性粉末をガラス結晶化法により量産しようとすると、ガラスを酸で洗い落す工程を短時間で行えないという課題があった。
【0015】
そこで、本発明は、微細で粒径の均一な六方晶フェライト粒子を短時間で生成母液から分離回収することで、生産性を改善する手法を提供する。また、本発明はこの手法を採用することにより高密度磁気記録用に適した六方晶フェライト粒子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の課題を解決するため発明者が鋭意検討したところ、その前駆体の平均粒径を20μm以上、100μm以下とし、かつさらにこのときの凝集粒子に含まれるホウ素の含有量は0.5質量%以下とすることで、上述の課題は画期的に改善できることが分かった。
【0017】
つまり、凝集粒子の平均粒径が20μm以上、100μm以下、ホウ素の含有量は0.5質量%以下であると言い換えることができる。なお凝集粒子の個数割合は走査型電子顕微鏡による観察で調べるものとする。凝集粒子(前駆体)がこのような形状および粒径の範囲にあれば、粒度の均一な一次粒子を前駆体に析出させることができ、なおかつ洗浄液の抜け(ろ過)も短時間で行うことができる。
【0018】
また、本発明の凝集粒子は、微視的には透過型電子顕微鏡で判別可能な一次粒子からなっており、該一次粒子間は極微量のホウ酸ガラスで結合されている構造となっている。したがって、巨視的には凝集粒子は前駆体の形状をほぼそのまま継承している。球状(後述する「球形近似形状」)の前駆体が全体の10%以上存在するのがよい。なお、球状近似形状ではない粒子とは繊維状、紐状、棒状、綿状の粒子のことを指す。
【0019】
凝集粒子が前駆体の形状を継承するには、一次粒子間をホウ酸ガラスで結合されていることが必要である。凝集粒子が前駆体の形状を継承していなければ、洗浄液の抜け(「ろ過抜け」とも呼ぶ。)を短くできないからである。
【0020】
一方、ホウ酸ガラスの量が多いと、磁気記録媒体を作製する際に一次粒子まで分散しにくいといった弊害が生じる。また、非磁性成分であるホウ酸ガラスの量が多くなると磁化が低下するといった特性面での弊害も生じる。したがって、ホウ素の含有量は0.5質量%以下であるのがよい。
【0021】
さらに、本発明の凝集粒子を形成する一次粒子径は10〜30nmであるとよく、その組成としては磁気特性の向上のため、NbあるいはNdを5.0質量%以下、またBiを10.0質量%以下の量を含有することが好ましい。
【0022】
熱処理を行う前の前駆体は、上記の形状および粒径の範囲であって、飽和磁化値が0.05〜0.20Am/kgであることが必要である。
【0023】
また、こうした凝集粒子を粉砕して一次粒子として塗料化し、磁気記録媒体とすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一次粒子凝集体(凝集粒子)は適当な大きさの空隙が粒子間に形成され、洗浄液などの溶液が抜け(ろ過)やすい状態になっている。そのため、液と粒子の分離を容易に行うことができ、粒子の生産性を高めることができる。また、凝集粒子(つまり前駆体)の粒度が上記の範囲であれば、ガラス体の中まで均一に熱処理を行うことができ、粒度のそろった六方晶フェライト粒子を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るフェライト含有前駆体のSEM写真である。
【図2】本発明の凝集粒子のSEM写真である。
【図3】双ロール法で急冷した際の凝集粒子の形状を示すSEM写真である。
【図4】本発明の凝集粒子を粉砕処理した場合のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明者らは、特定の組成、合成条件および製造条件で作製すれば、上述のような前駆体を得る事ができることを見いだし、本願発明を完成させた。
【0027】
<粒子の合成>
本発明の凝集粒子は、例えば下記のような手法を用いて製造することができる。
【0028】
初めにガラスの母材と、主構成原料である鉄、バリウムと添加物であるNb、Biなどを混合する。この主構成成分の添加割合は、鉄に対して上記に示した構成狙い量に合致した量とする。原料としては、塩の形態となっていることが好ましい。具体的には硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩あるいは酸化物等から選択できるが、酸化物が適している。混合は原料とガラスの母材が均一に混合されていれば良く、混合の手法は制限されないが、乾式の手法を採用することが好ましい。
【0029】
また、ホウ素化合物、ケイ素化合物の他、場合によりアルカリ金属酸化物、例えば酸化ナトリウム、酸化カリウムといったものを、磁気特性に影響を与えない程度添加して溶融してもよい。この時の添加量は全体に対して多くとも10.0質量%以下、好ましくは5.0質量%以下、一層好ましくは2.0質量%以下である。
【0030】
これらの混合物を電気炉にて溶融する。この時の溶融温度は1250〜1750℃、好ましくは1300〜1500℃、一層好ましくは1350〜1450℃とする。この時の溶融は混合しながら行っても構わない。溶融はガラスとフェライト及び添加剤成分が均一に溶融されれば足りるので、溶融時間は6時間以内、好ましくは4時間以内、一層好ましくは2時間以内である。
【0031】
得られた溶湯を急冷するのに際しては、アトマイズ法を選択することが好ましい。通常アトマイズ法とは、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法が選択されるが、例えば遠心力アトマイズ法といった手法も場合によっては選択できる。アトマイズ法では、溶湯を細かい液滴として急冷する。そのため、前駆体の形状に球状のものが形成されやすくなる。また、液滴にする際の条件で、前駆体の粒径も制御することができる。
【0032】
こうして得られた前駆体を熱処理することで、前駆体中にフェライトを析出させたフェライト含有前駆体を得る。この時の熱処理では、前駆体は静置させておいても良いし、場合によっては転動させながら熱処理をしてもよい。
【0033】
熱処理の温度は、前駆体中にてフェライトが形成できる程度であれば良く、具体的には、450℃以上750℃以下、好ましくは500℃以上750℃以下、一層好ましくは550℃以上700℃以下である。熱処理は単一の温度で行う、いわゆる一段での加熱でも良いし、異なる処理温度で数段に分けて行う、いわゆる多段処理であっても良い。熱処理の時間は30分以上、好ましくは1時間以上行うのがよい。
【0034】
次に得られたフェライト含有前駆体から、ガラス成分を除去し、凝集粒子を得る。この時には10質量%程度に希釈された希酢酸を用いるのが良く、処理温度は50℃以上で行うのがよい。酢酸は場合によって煮沸させてもよいし、また均一除去のため攪拌しても良い。この時の処理液のpHは4.0以下の酸性とすることが好ましい。
【0035】
その後、ガラス成分が溶解し、凝集粒子が分散した状態のスラリーから固液分離装置を用いて凝集粒子を回収する。本発明では、凝集粒子はわずかなホウ酸ガラスによって前駆体の形状を保っているため、凝集粒子同士に適度な空隙があり、ろ過性に優れた特徴を持つ。すなわち、洗浄液等の抜け(ろ過)がよい。
【0036】
固液分離により得られた凝集体から、洗浄により表面に付着した酢酸などを除去する。純水を用いて洗浄し、あるいは純水を煮沸させて付着成分を除去しても良い。また場合により、アンモニア水や水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などにより洗浄の際に付着した酢酸を中和させつつ洗浄するのも好ましい。水酸化ナトリウム水溶液ならば、0.01〜1.5mol/L、好ましくは0.05〜1.2mol/L、一層好ましくは0.1〜1.0mol/Lとするのがよい。濃度が希薄であれば、洗浄の効果がなく、濃厚であれば洗浄の効果が飽和するとともに、不純物の混入の危険性が高くなるので好ましくない。
【0037】
その後は、洗浄液を純水として、ろ液の導電率が1mS/m以下、好ましくは0.8mS/m以下になるまで十分に洗浄を施す。なお、酸および純水の洗浄とも、凝集体に溶液を入れた状態で10Lあたり15分以下で、ろ過できるのが量産に適用できる目安となる。10Lあたり30分以上必要であると、量産という観点からは実施が難しい。
【0038】
得られた洗浄処理後の凝集体は、大気中100℃以上の条件下での水分除去処理を付すことで、乾燥粉として得ることができる。この後、バインダーに対する分散性を改善するために、80%RH程度の湿潤環境下で、乾燥磁性粉表面に水分を0.5〜5.0質量%程度付着させてもよい。
【0039】
本発明による凝集粒子の大きさは、凝集粒子の平均粒子径(D50径)は、レーザー回折式粒度分布測定装置(ヘロス−ロドス)を用い、体積基準の粒子径分布より算出される値を用いて評価した。この手法は乾式による粒径分析であり、高圧ガスで粒子を分散させ、レーザー回折を行うことにより粒径を測定する方法である。湿式による測定方法では、測定される粒径が試料と溶媒の親和性に大きく影響を受けるのに対して、乾式による測定方法では、そのような影響を受けることなく凝集粒子の粒径を測定することができるので、粒径の測定の再現性に優れているため採用した。測定条件は、分散圧は5barとし、レンズは200mmを使用した。なお、後述する比較例1では、凝集粒子の粒径が大きかったので、光学顕微鏡による写真から平均粒子径を求めた。本発明では、以上のようにして求めた凝集粒子の平均粒子径は、20μm以上、100μm以下が好ましく、45μm以上、80μm以下であればより好ましく、50μm以上、75μm以下であれば最も好ましい。
【0040】
(粒子組成)
本発明に従う粒子は、主組成となる鉄とアルカリ土類金属(A)の他、保磁力を調整するための2価、4価の添加元素(M,M)を含んでもよく、形状を制御するための添加元素であるビスマス、および熱安定性を改善するためのニオブの添加を含む。
【0041】
上記の成分を用いないような製造方法であれば、場合により小粒子のものが得られる可能性はあるが、粒子同士が焼結しやすく、分布の著しく悪いものを形成しやすくなり、製造の安定性に欠ける。その結果、塗料化の際の分散性が悪く、また媒体形成時の媒体表面性が悪化するので好ましくない。
【0042】
ビスマスは、添加することにより、フェライト化の温度を低くすることができるので、粒子同士の焼結を減らすことができるようになり、結果として粒子の小粒子化に寄与するようになる。また、ビスマスの添加量を調整することで、板厚を制御することも可能である。従って、ビスマスの添加量を高くしすぎてしまうと、板径の厚い粒子が生じるようになり、結果として粒子が大きくなる可能性がある。
【0043】
発明者らの検討によれば、これらのバランスのとれるビスマスの添加量は、鉄に対するモル比が10.0%以下、好ましくは5.0%以下である。また、全体に対するビスマス量は10.0質量%以下、好ましくは9.0質量%以下とするのがよい。
【0044】
さらに、添加成分としてNdを添加することにより、磁気特性とりわけ保磁力分布(SFD:Switching Field Distribution)を改善することができるようになる。これらの含有量は、鉄に対して0.2〜1.0at.%とし、また全体におけるNd量は5.0質量%以下、好ましくは4.5質量%以下とするのがよい。
【0045】
また、組成中にNbを添加することにより、磁気特性のバランスを改善することができるようになるため好ましい。好適な添加量は、鉄に対するモル比が0.1〜5.0at%、好ましくは0.5〜4.5at%、いっそう好ましくは1.0〜4.0at%である。また全体におけるNb量は5.0質量%以下、好ましくは4.5質量%以下とするのがよい。
【0046】
(粒子物性)
本発明の粒子は、次に示す物理特性を有する。すなわち、平均粒子径(板状であるときは板径、球形である場合には直径に該当する)が10〜50nm、好ましくは10〜25nmである。50nmよりも大きいと、記録媒体化した時のノイズが高くなるため高密度記録に適さない。また、10nmよりも小さい粒子になると、熱安定性が悪くなるので好ましくない。
【0047】
平均一次粒子径はTEM写真を用いて算出することができる。具体的には、観察試料の調整は単層磁気テープ用に調整した塗料を、その溶液をあらかじめコロジオン膜が配設されたCuグリッド上に付着させ、自然乾燥させて撮影用試料を作成した。
【0048】
この試料について、TEM(日本電子株式会社製、100CX−MarkII)を使用し、100kVの加速電圧で、明視野での観察を行った。平均板厚は粒子が観察方向に対してほぼ垂直に立っていると見られる粒子を選択して計測する。こうした粒子は視野中には限られた数しか存在しないことから、計測は数視野を撮影したものを用いている。そして、直接倍率58000倍で確認された視野を焼き付けの際に縦横3倍に引き延ばし、計測倍率が174000倍となるように写真を調整したものを用いて算出を行った。
【0049】
ここで、粒子のばらつきを示すCV値は、測定の結果得られる板径または板厚の標準偏差をそれぞれの平均値で除し、これを百分率表示して算出する。この値は小さい方が当然好ましく、高くても50%以下、好ましくは40%以下とするのが好ましい。50%よりも高い値となると、粒子のばらつきが大きいことを示すため、磁気特性のばらつきにつながる。
【0050】
また、粒子のBET一点法により算出される比表面積は50〜120m/g、好ましくは55〜115m/g、一層好ましくは60〜110m/gの範囲である。下限よりも小さい場合には粒子が凝集あるいは凝結してしまい、粒子の分散が生じにくくなる結果、塗布後の媒体に凹凸が生じることがあり、その結果媒体特性が悪化するので好ましくない。逆に大きすぎれば、磁性を有しないスーパーパラ粒子の存在が疑われ、総じて媒体特性が悪化するため好ましくない。
【0051】
さらに、粒子のTAP密度は0.8〜2.0g/cc、好ましくは1.0〜1.8g/cc、一層好ましくは1.0〜1.5g/ccであるのがよい。この範囲とすることで記録媒体化した時の粒子のパッキング密度を高くすることができ、かつ細かな粉末が少なくなっているため、磁気特性も改善した磁気記録媒体を形成することができるとともに、表面平滑性も改善される。
【0052】
JIS法に従う煮沸法により算出される粒子の粉体pHは4〜9、より好ましくは5〜9である。この値は組成、若しくは磁性粉の表面処理により変化する。したがって、一様に同じ組成を有すれば同様の値を示すものではない。粉体pHをこの範囲に調整することで、粒子から溶出される成分や媒体を構成する他の成分に対する影響を抑制することができ、結果として磁気記録媒体の保存安定性を改善することができる。粉体pHが4以下の酸性であれば、バインダー等と作用して磁性粒子から溶け出す成分が増すとともに、他の構成成分を腐食する原因になる。また、塩基性が強い場合には、アルカリに弱い構成成分を侵すので好ましくない。
【0053】
<磁性粉の評価>
得られた磁性粉を、以下に示す方法により物性を評価した。
【0054】
<粒子の形態>
本発明に従う粒子は、走査型電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジー株式会社の日立走査電子顕微鏡S−4700)等を用いて確認される大きさが100μm以下の凝集粒子を形成する。このとき、おおよそ凝集粒子の形態は、球状や楕円体あるいは瓢箪状といった球形近似の形態をしている。本発明では、球状や回転楕円状あるいは瓢箪状といった球形近似の形態を「球形近似形状」と呼ぶ。
【0055】
このとき、球形近似の形態(すなわち「球形近似形状」)の占める割合は個数でみて10%以上、好ましくは30%以上、いっそう好ましくは50%以上である。球形近似形状をしている凝集粒子がこの割合よりも低い場合には、凝集粒子同士が積層することで、分離・洗浄時における洗浄液等のろ過抜けがしにくく、生産性が悪化し大量生産を行いがたくなるので好ましくない。なお、球形近似形状の有無はSEMによる1000倍程度の倍率で観察する。観察した視野の中で、認識できる凝集粒子の数に対して、球形近似形状の凝集粒子の数を「球状割合」として求めた。
【0056】
また、凝集粒子を形成する一次粒子は、凝集粒子を粉砕により微細化した後に、上述の透過型電子顕微鏡等を用いて確認される、一次粒子径が10〜30nmである粒子である。形態としては、柱状、円柱状、楕円体状、球状といった形態を含んでよい。
【0057】
粒子体積は、次のようにして求めた。まず、前述の方法で準備した試料について、TEM(透過型電子顕微鏡)で複数の視野を撮影して写真を得た。その後、写真に撮影された粒子の中から任意に選んだ100個の粒子について、板径方向と厚み方向の長さを、ノギスで測定した。そしてそれらの測定値の平均値を、一次粒子の平均板径(D)および平均厚み(T)として算出した。ただし、視野に対して垂直に立っている粒子は板厚みを算出し、視野に対して平行方向の粒子について板径を計測して、それぞれ板厚、板径の測定値とするという手法をとった。つまり、板径を測定するために選択された粒子が100個あり、板厚を測定するために選択された粒子が100個あった。粒子の体積は粒子が円柱であるものとして、円柱の体積の算出方法で粒子体積を算出した。具体的な数式として、粒子体積(V)=(D/2)×Tで算出した。
【0058】
こうした算出方法で算出される粒子体積は100〜3000nm、好ましくは500〜2500nmである。この範囲よりも小さいような一次粒子であれば、熱の安定性が悪くなり、磁気記録用途には用いられにくい。一方、大きすぎる場合には、粒子径が大きくなってしまい、粒子性ノイズの発生要因ともなるので好ましくない。
【0059】
<粒子の組成>
最終的に得られた六方晶フェライト磁性粉を下記に示す方法により評価した。まず、鉄は、粉体を溶解し平沼産業株式会社製の平沼自動滴定装置(CONTIME−980型)を使用して定量した。その他の成分の定量は、粉体を溶解させ、日本ジャーレルアッシュ株式会社製の高周波誘導プラズマ発光分析装置ICP(IRIS/AP)を使用し定量した。
【0060】
<粒子の比表面積>
粒子の比表面積は、BET一点法を用いて測定した。測定装置はユアサイオニクス株式会社製の4ソーブUSを使用して測定した。
【0061】
<粉末磁気特性評価>
磁性粉末をφ6mmのプラスチック製容器に詰め、東英工業株式会社製のVSM装置(VSM−P7−15)を使用して、外部磁場795.8kA/m(10kOe)で、保磁力Hc(Oe、kA/m)、飽和磁化σs(Am/kg)、粉体のBSFD(バルク状態におけるSFD値)を測定した。なお、SFD値は、VSM装置によって得られたヒステリシス曲線の微分曲線の半値幅を保磁力で規格化した値(無単位)である。
【0062】
<単層磁気テープ評価>
得られた磁性粉末(最終製品としての磁性粉末)0.35gを秤量して(内径45mm、深さ13mm)のポットに入れ、蓋を開けた状態で10分間放置した後、マイクロピペットでビヒクル(日本ゼオン株式会社製の塩化ビニル系樹脂MR−555(20質量%)と、東洋紡株式会社製のバイロン(登録商標)UR−8200(30質量%)、シクロヘキサノン(50質量%)と、アセチルアセトン(0.3質量%)と、ステアリン酸−n−ブチル(0.3質量%)の混合溶液)1.1mLを添加し、その直後にスチールボール(2φ)30g、ナイロンボール(8φ)10個をポットに加えて、蓋を閉じた状態で10分間静置した。
【0063】
その後、ポットを遠心式ボールミル(FRITSCH P−6)にセットし、ゆっくりと回転数を上げて600rpmに調整し、60分間分散させた。遠心式ボールミルを停止した後、ポットを取り出し、予めメチルエチルケトンとトルエンを1:1で混合した調整液0.7mLをマイクロピペットで添加した。その後、再びポットを遠心式ボールミルにセットし、600rpmで5分間分散させ、磁性塗料を作製した。
【0064】
次に、ポットの蓋を開けてナイロンボールを取り除き、スチールボールごと磁性塗料をアプリケータ(550μm)に入れ、ベースフィルム(東レ株式会社製のポリエチレンフィルム15C−B500、膜厚15μm)上に塗布した。時間をおかず迅速に5.5kGの配向器のコイル中心に置いて磁場中で面内配向させた後、乾燥させて磁気テープを作製した。乾燥後の塗膜厚みは3μmである。なお、ここでは磁性粉末の効果をより鮮明に確認するため、非磁性層を設けず、磁性層単層のテープを作製した。また、カレンダ処理は行っていない。
【0065】
このようにして作製した媒体としての磁気テープについて、東英工業株式会社製のVSM装置(VSM−P7−15)を使用して磁気測定を行い、保磁力Hcx(Oe、kA/m)、磁性層表面に平行な方向(面内)の保磁力分布SFDx、最大エネルギー積BHmax、磁性層表面に平行な方向(面内)の角形比SQx、磁性層表面に垂直な方向の角形比SQz、配向比ORを求めた。
【実施例】
【0066】
以下に本発明の実施例と比較例について説明する。
【0067】
<実施例1>
原料として、酸化鉄(テツゲン製HRT)31.04g、炭酸バリウム(堺化学工業/工業用)48.14g、ホウ酸(Borax製/工業用)26.16g、酸化ビスマス(関東化学株式会社製/試薬)3.65g、酸化ニオブ(高純度化学研究所製/試薬)1.03gをそれぞれ秤量し、均一になるように粉砕しながら混合した。このときのBi/Fe比は3.5at%、Nb/Fe比は1.0at%である。得られた混合物は、大きさが均一になるように、自動乳鉢で10分間擂り潰し処理を行った。こうして得られた混合物を白金製るつぼに挿入し、1400℃で溶解させた上、60分間維持することで、完全に混合物を溶解させ、溶湯の状態とした。
【0068】
得られた溶湯をノズルから出湯させて、水アトマイズ法によって前駆体を形成させる。このときアトマイズに用いる噴射水の圧力を30MPaに設定して、前駆体を形成させた。この前駆体を目開き250μmのメッシュでふるい分けし、特に粗大粒子を除いた。前駆体の粒子径はD50の評価で65.0μmであった。その後、前駆体を650℃で1時間にわたり熱処理を行った。得られたフェライト含有前駆体のSEM画像を図1(a)および(b)に示す。図1(a)は1000倍、図1(b)は50000倍の画像である。
【0069】
図1(a)では、フェライト含有前駆体が、球状、回転楕円状、瓢箪状といった球体近似形状をしたものの集合であることが写っている。また、図1(b)には、画面左端から画面上端にかけて細かな点を有する帯状の集団と、それ以外の背景にも細かな点が写っている。この細かな点がガラス中に析出した六方晶フェライト粒子である。
【0070】
熱処理後のフェライト含有前駆体を60℃に加熱した10質量%酢酸に浸漬し、60分保持してガラス成分を除去した。その後、純水を用いて表面に付着した酢酸を除去し、凝集粒子を得た。そしてその凝集粒子をろ液導電率が0.8mS/m以下になるまで繰返して純水で洗浄した。洗浄では都度10Lの純水と全凝集粒子を混ぜ、ろ過することで行った。表1の洗浄の所要時間は10Lの純水を抜く時間である。
【0071】
洗浄した凝集粒子を大気中110℃で4時間乾燥することにより、乾燥した凝集粒子を得た。このとき、凝集粒子中に含まれるホウ素は0.15質量%であった。また、このときの洗浄粉に対して水10Lを添加して、ろ過したときに要する時間は10分であった。
【0072】
得られた凝集粒子のSEM画像を図2(a)および(b)に示す。図2(a)は1000倍、図2(b)は50000倍の画像である。図2(a)では、ガラスを除去した後であっても、1000倍程度の巨視的な視野では、球体近似形状をしたものの集合が写っている。つまり、凝集粒子はフェライト含有前駆体と、この程度の倍率の視野では、ほとんど形状が変わらない。なお、球状割合は90%であった。
【0073】
一方、図2(b)の50000倍という微視的な視野では、細かな砂状の粉が画面一面に存在している。これは図1(b)のガラス中に析出した六方晶フェライト粒子の周囲のガラスが除去されて、六方晶フェライト粒子だけが見えているからである。
【0074】
こうして得られた凝集粒子を80%RH程度の湿潤環境下で、放置して1.0質量%の水分を付着させた。このときの水分量はカールフィッシャー法により、粒子に付着している水分量を算出し処理時間を決定した。
【0075】
こうして得られた磁性粉末について、単層のテープを形成させてテープ(媒体)の磁気特性を算出した。得られた結果を表2に示す。
【0076】
<実施例2〜5、比較例1>
実施例1において、水アトマイズにおける噴射水の圧力を種々変化させて、前駆体の大きさを変更した以外は同様の操作を繰り返した。得られた結果を表1および2にあわせて示す。
【0077】
<比較例2>
実施例1において、洗浄に用いる酢酸の濃度を3質量%に希釈したものを用いた以外は同様の操作を繰り返した。すなわち、薄い酢酸で洗浄をおこなった。得られた結果を表1および2に示す。
【0078】
<比較例3>
溶湯を急冷する方法を水アトマイズ法から、双ロール法中に溶湯を流し込んで急冷するいわゆる双ロール法とし、熱処理後にボールミルを用いて粉砕処理を施した以外は実施例1を繰り返した。
【0079】
【表1】

【0080】
【表2】

【0081】
表1より、実施例1乃至4に示されるように、前駆体の粒子径(D50)が100μm以下の場合は、洗浄(ろ過)に有した時間は10Lの純水を15分以下でろ過でき、量産の実用上全く問題のない時間であった。また、平均一次粒子径は15.2nm乃至19.8nmと微小であり、CV値も22%以下であった。また、2400Oe(191kA/m)以上の高い保磁力を有する、高密度磁気記録媒体として有用な六方晶フェライト磁性粉末を得る事ができた。
【0082】
比較例1は、前駆体の粒子径(D50)が500μmと大きな場合である。洗浄に有する時間はわずか7分であるが、平均一次粒子径が30.2nmと大きかった。これは保磁力および飽和磁化が実施例1乃至4に比べ大きい点にも表れている。また、SFDも1.01と実施例1乃至4と比較して大きかった。
【0083】
SFDは保磁力の分布を示す値であるので、いうなれば、六方晶フェライト粒子の大きさの分布を表す指標と解釈することができる。つまり、SFDが実施例と比較して大きいということは、六方晶フェライト粒子の粒度分布が悪いことを意味する。このことは粒子のばらつきを直接示すCV値が高いことからも明らかである。
【0084】
比較例1の結果は、前駆体を大きくし過ぎると、洗浄(ろ過)に有する時間は短くなるものの、前駆体を作製する際に急冷されず、前駆体中に熱が残り、その熱でフェライトの析出が開始されたものと考えられる。このことは、前駆体の飽和磁化値が比較的高い値を示していることから推測できる。さらに、その後の熱処理によって、前駆体の中心付近の六方晶フェライト粒子はさらに成長し、一方、前駆体の表面では熱処理によって新たに六方晶フェライト粒子の析出が始まる。そのため中心部と表面で析出する粒子の大きさに差ができ、磁気特性のばらつき(SFD)も大きくなったものと考えられる。このことから、高密度磁気記録には用いられにくい粒子であるといえる。
【0085】
比較例2では、フェライト含有前駆体を洗浄する酢酸の濃度を実施例1乃至4と比較して下げた場合である。前駆体の大きさは実施例1と同じであるので、洗浄にかかった時間は10Lあたり10分と実用の範囲であった。しかし、ホウ素(B)の含有量が0.52%と実施例1乃至4の0.25%以下と比較して高かった。このことは磁気特性にも反映され、非磁性成分が多くなった結果、測定される磁気特性は実施例の場合と比較して、悪化する傾向が見られた。
【0086】
比較例3は前駆体を双ロール法で作製した場合である。粒径(D50)は6.0μmと実施例1乃至4と比較して小さくなった。図3には1000倍のSEM写真の画像を示す。図1乃至2と比較して球形近似形状の前駆体はまったくなかった。比較例3は洗浄時間に10Lあたり60分という長い時間を必要とした。これは量産という観点からは、ほぼ実施不可能に近い時間である。
【0087】
以上のように本発明の凝集粒子は高密度磁気記録媒体用の六方晶フェライト磁性粉末を量産可能な状態で提供することができる。
【0088】
なお、本発明の凝集粒子を破砕処理した場合について説明する。図4には、実施例1のサンプルをボールミルで10分間、破砕処理した場合のSEM写真を示す。図4(a)の倍率は、1000倍である。視野全体が、細かな砂状の不定形な粒子ばかりで占められていた。
【0089】
しかし、丸をつけた部分には、破砕しきれなかった球形近似形状の凝集粒子が残っているのが確認できる。図4(b)は、図4(a)の丸部分の10000倍の画像を示す。画面中央に細かい破片を表面に付けた略球状の凝集粒子が確認できる。
【0090】
このように、本発明の凝集粒子は、ガラス成分を除去した後に、破砕したとしても、微小な球形近似形状の凝集粒子までを破砕し尽くすことはできない。すなわち、凝集粒子の状態をSEMで観測し、10000倍程度の視野で、球状近似形状の凝集粒子が残存していると、本発明の凝集粒子によって六方晶フェライト磁性粉末を作製し、その後破砕したものと推定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明に従う磁性粉末によれば、高密度磁気記録に適した磁気記録媒体を提供できるようになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
六方晶フェライト粒子の一次粒子が複数個集合して形成されている凝集粒子であって、前記凝集粒子の平均粒径が20μm以上、100μm以下であり、ホウ素の含有量が0.5質量%以下である、六方晶フェライト凝集粒子。
【請求項2】
前記凝集粒子を構成する一次粒子は、ホウ素ガラス成分により結合されている、請求項1に記載の六方晶フェライト凝集粒子。
【請求項3】
走査型電子顕微鏡により観察される球形近似形状の凝集粒子の個数割合が10%以上である、請求項1または2に記載の六方晶フェライト凝集粒子。
【請求項4】
前記凝集粒子を構成する一次粒子の平均一次粒子径は10〜30nmである、請求項1ないし3のいずれかに記載の六方晶フェライト凝集粒子。
【請求項5】
前記凝集粒子を構成する一次粒子は、Nbを5.0質量%以下含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の六方晶フェライト凝集粒子。
【請求項6】
前記凝集粒子を構成する一次粒子は、Ndを5.0質量%以下含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の六方晶フェライト凝集粒子。
【請求項7】
前記凝集粒子を構成する一次粒子は、Biを10.0質量%以下含む、請求項1ないし6のいずれかに記載の六方晶フェライト凝集粒子。
【請求項8】
ガラス結晶化法により六方晶フェライトを形成するにあたり、ガラス成分とフェライト成分を溶融して溶湯とし、急冷することにより形成した前駆体であって、その飽和磁化値が0.05〜0.20Am/kgである六方晶フェライトの前駆体。
【請求項9】
請求項1ないし5のいずれかに記載の凝集粒子を用いて形成された、塗布型磁気記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−238722(P2012−238722A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106742(P2011−106742)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(506334182)DOWAエレクトロニクス株式会社 (336)
【Fターム(参考)】