説明

共振ベースの受動応答機の位置追跡

【課題】患者の体内に挿入された物体に取り付けられた応答機の位置および方向を追跡する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】位置追跡システムは、一つ以上のフィールド発生器を含み、フィールド発生器は、一つ以上の、個別の位置によって変化する磁界を生み出すように配置されている。応答機は、共振周波数を有し、かつ、フィールド応答要素を含む共振回路を、含み、フィールド応答要素は、一つ以上の磁界に応答して共振周波数を変えるように動作する。位置追跡器は、共振回路の共振周波数を遠隔で感知し、感知された共振周波数に応答して応答機の位置を求める、ように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、大まかに言って、位置追跡システムに関し、より詳しく言うと、受動応答機の位置追跡のための方法およびシステムに関する。
【0002】
〔背景技術〕
医療手技に含まれる物体の座標を追跡するためのさまざまな方法およびシステムが知られている。それらのシステムのいくつかは、磁界の測定を用いる。例えば、米国特許第5,391,199号明細書および同第5,443,489号明細書は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれるが、体内プローブの座標が一つ以上のフィールドトランスデューサを用いて求められるシステムを記載している。そのようなシステムは、カテーテルなどの医療用プローブに関する場所情報を生み出すために用いられる。位置センサーが医療用プローブ内に配置されていて、外部から加えられた磁界に応答して信号を生み出す。磁界は、既知の相互に離間された場所で外部基準フレームに固定された放射器コイルのような磁界発生器によって生み出される。
【0003】
磁気的位置追跡に関連するさらなる方法およびシステムが、例えば、国際公開第96/05768号パンフレット、米国特許第4,849,692号明細書、同第4,945,305号明細書、同第5,453,686号明細書、同第6,239,724号明細書、同第6,332,089号明細書、同第6,618,612号明細書、および、同第6,690,963号明細書、ならびに、米国特許出願公開第2002/0065455A1号公報、同第2003/0120150A1号公報、同第2004/0068178A1号公報、および、同第2004/0147920A1号公報、に記載されていて、これらの刊行物の開示内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、心臓カテーテル、整形外科インプラント、および、さまざまな医療手技で用いられる医療器具、のような体内の物体の位置を追跡する方法およびシステムを記載している。
【0004】
その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれる米国特許第6,484,118号明細書は、単軸位置センサー、ならびに、位置および方向の決定方法を用いて物体の位置および方向を求める医療用追跡システムおよび方法を記載している。
【0005】
特許文献に記載されたいくつかの応答機およびセンサーは、共振回路(resonant circuits)を含んでいる。例えば、米国特許第6,535,108号明細書は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれるが、抵抗−インダクタンス−キャパシタンス(RLC)共振回路を有する応答機を記載していて、その回路は、外部から加えられた変調エネルギーフィールドに応答して変わる一つ以上の電磁エネルギー蓄積コンポーネントを含んでいる。エネルギーフィールドに加えて、ベースステーションが、RLC回路の零入力共振周波数と本質的に等しい周波数を有するキャリア信号を送信する。電磁エネルギー蓄積コンポーネントが変化すると、RLC回路の共振周波数が変化し、キャリア信号を外部から加えられた変調エネルギーフィールドで変調する。変調の効果が、ベースステーションで検出される。情報(例えば、タグが存在すること)が、変調された信号をベースステーションで受信し復調することによって、得られる。
【0006】
別の例として、米国特許第6,206,835号明細書は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれるが、外部の呼び掛け回路(external interrogation circuit)に応答する植え込み装置を記載している。植え込み装置は、生きた動物の体内に植え込み可能であり、生きた動物の体内での機能を実行するまたは機能の実行を援助するように機能可能に構成されている構造を含む。植え込み装置は、その機能に関連するパラメーターを感知するための電気的受動感知回路をさらに含んでいる。その感知回路は、誘導性要素を含み、感知回路は、励振器/呼び掛け器の要素によって供給された呼び掛け信号に応答する、呼び掛け回路への、周波数依存の可変インピーダンス負荷効果を有し、そのインピーダンス負荷効果は、感知されたパラメーターに関連して変化する。
【0007】
〔発明の概要〕
本発明の実施の形態は、患者の体内に挿入された物体に取り付けられた応答機の位置および方向を追跡する方法およびシステムを提供する。いくつかの実施の形態では、一つ以上のフィールド発生器が、応答機を含む稼動範囲内に位置によって変化するフィールド(position-varying fields)を生み出す。応答機は、共振回路を含み、その共振回路の共振周波数は、共振回路の近傍の、周囲の位置によって変化する磁界に応答して変化する。したがって、共振周波数は、フィールドを生み出すフィールド発生器に関する応答機の位置および方向を表示する。
【0008】
位置追跡器は、応答機内の共振回路の共振周波数を遠隔で感知し、一つ以上のフィールド発生器に関する応答機の、かくして、物体の位置および方向を求める。
【0009】
いくつかの実施の形態では、共振回路は、フィールド応答要素を含み、フィールド応答要素は、周囲の磁界に応答して、当該フィールド応答要素の電気的性質を変える。いくつかの実施の形態では、フィールド応答要素は、磁気誘導性コアの周りに配置されたインダクターを含み、磁気誘導性コアは、位置によって変化する磁界に応答して、当該コアの透磁率を変える。透磁率の変化が、インダクターのインダクタンスを変え、インダクタンスの変化が、共振回路の共振周波数を変える。
【0010】
別の実施の形態では、フィールド応答要素は、磁気制限的要素(magneto-restrictive element)に結合されたキャパシターを含む。位置によって変化する磁界に応答する磁気制限的要素の収縮および/または拡張が、キャパシターのキャパシタンスを変え、キャパシタンスの変化が、共振回路の共振周波数を変える。
【0011】
いくつかの実施の形態では、本明細書に記載された構成を用いる応答機は、受動的でかつ無線式であり、応答機が、外部の位置追跡システムといかなる有線式の接続をすることなく、実質的に無限の時間間隔に亘って、動作状態に留まることができるようにしている。
【0012】
いくつかの実施の形態では、本明細書に記載された方法およびシステムは、低周波数の磁界を用いることができ、それによって、磁界中の金属製の物体によって引き起こされる歪に対するシステムの耐性を増強する。
【0013】
したがって、本発明のある実施の形態に基づけば、位置追跡システムが提供され、そのシステムは、
一つ以上のフィールド発生器であって、一つ以上の、個別の位置によって変化する磁界を生み出すように構成された、一つ以上のフィールド発生器と、
共振回路を含む応答機であって、共振回路は、共振周波数を有し、かつ、フィールド応答要素を含み、フィールド応答要素は、一つ以上の磁界に応答して共振周波数を変えるように動作する、応答機と、
位置追跡器であって、共振回路の共振周波数を遠隔で感知するように、かつ、感知された共振周波数に応答して応答機の位置を求めるように、構成された、位置追跡器と、
を具備する。
【0014】
ある実施の形態では、応答機は、患者の体内に挿入するように構成された物体に取り付けられていて、位置追跡器は、体内での物体の位置を求めるように構成されている。
【0015】
別の実施の形態では、フィールド応答要素は、インダクタンスを有するインダクターを含み、インダクタンスは、共振周波数を変えるように、一つ以上の磁界に応答して変わる。インダクターは、コアを含んでいてよく、コアは、磁気誘導性材料を含み、かつ、透磁率を有し、透磁率は、インダクタンスを変えるように、一つ以上の磁界に応答して変わる。
【0016】
さらに別の実施の形態では、フィールド応答要素は、キャパシターを含み、キャパシターは、キャパシタンスを有し、キャパシタンスは、共振周波数を変えるように、一つ以上の磁界に応答して変わる。ある実施の形態では、キャパシターは、導電性電極を含み、フィールド応答要素は、磁気制限的要素を含み、磁気制限的要素は、少なくとも一つの電極に取り付けられており、かつ、キャパシタンスを変えるように、一つ以上の磁界に応答して電極の空間的な関係を変えるように構成されている。
【0017】
さらに別の実施の形態では、一つ以上のフィールド発生器の各々は、少なくとも2つのフィールド放射コイルを含み、少なくとも2つのフィールド放射コイルは、回転磁界を生み出すように、対応する駆動信号によって駆動される。それに加えて、または、それに代わって、一つ以上のフィールド発生器は、それぞれ2つ以上の異なる場所に位置する2つ以上のフィールド発生器を含み、2つ以上のフィールド発生器は、位置によって変化する磁界をそれぞれ生み出すように順番に動作させられる。
【0018】
ある実施の形態では、位置追跡器は、予め決められた周波数範囲に亘って応答機に向けてプローブ信号を送信し、プローブ信号に応答して応答機によって生み出された信号を受信し、応答機によって生み出された信号に応答して、予め決められた周波数範囲に亘る共振回路によるプローブ信号の負荷を測定し、負荷に応答して共振周波数を推定する、ように構成されている。
【0019】
本発明のある実施の形態に基づけば、位置追跡システムで用いるための応答機も、提供され、その応答機は、共振周波数を有する共振回路であって、外部から加えられた磁界に応答して共振周波数を変えるように動作するフィールド応答要素を含み、磁界に応答して共振周波数の近傍でプローブ信号を可変で反射する、共振回路、を具備する。
【0020】
本発明のある実施の形態に基づけば、位置追跡方法がさらに提供され、その方法は、
物体に応答機を取り付ける過程であって、応答機は、共振周波数を有する共振回路を含み、共振回路は、周囲の磁界に応答して共振周波数を変えるように動作するフィールド応答要素を含む、過程と、
物体の近傍に位置によって変化する磁界を生み出す過程と、
共振回路の共振周波数を遠隔で感知する過程と、
感知された共振周波数に応答して応答機の位置を求める過程と
を含む。
【0021】
本発明は、図面と共に本発明の実施の形態の以下の詳細な説明を参照することによって、より十分に理解されるはずである。
【0022】
〔発明の詳細な説明〕
図1は、本発明のある実施の形態に基づく、外科手術で用いられる、磁気的位置追跡システム20の模式的な絵解き図である。外科医22は、医療器具24を用いて、患者23へ医療手技を実行する。インプラント26は、手術部位で患者の体内に導入される。この例では、インプラントは患者の脚の骨30内に配置されている。システム20は、外科医が手術手技、この例では、膝関節手術を行うのを、インプラント26および器具24の位置を測定し表示することによって、案内する。システムは、手術部位を含む稼動範囲全体に亘って場所および方向の座標(location and orientation coordinates)を測定する。
【0023】
器具24およびインプラント26の座標は、設置パッド(location pad)34のようなフィールド発生器に関して求められ、設置パッド34は患者の体に固定されている。図1に示された例では、設置パッド34は、インプラント26の近くの、患者のふくらはぎおよび大腿の表面に配置されている。信号発生器ユニット38は、フィールド発生器を駆動する駆動信号を生み出し、フィールド発生器は、設置パッド34内のフィールド発生コイルを典型的に含んでいる。設置パッドは、典型的には、配線でユニット38に接続されているが、無線式接続も考えられる。フィールド発生コイルは、以下に詳しく記載されるように、稼動範囲全体に亘って磁界を生み出す。
【0024】
インプラント26および器具24は、小型の受動応答機を収容している。大体においては、各応答機は、共振回路を含み、共振回路の共振周波数は、共振回路の近傍での周囲の磁界に基づいて変化する。設置パッド34によって生み出された磁界は、器具24およびインプラント26の各々に嵌め合わされた共振回路が、所定の共振周波数を有するようにし、その共振周波数は、周囲の磁界に応じて、および、磁界に関する応答機の空間的な向きに応じて、変わる。
【0025】
位置追跡器40は、各応答機の共振回路の共振周波数を遠隔で感知し、感知された共振周波数に応答して応答機の位置および方向を求める。求められた結果が、典型的には、ディスプレイ42上で外科医に表示される。
【0026】
図1は、整形外科手術で用いられる位置追跡システムを示しているが、本明細書に記載されたシステムおよび方法は、心臓イメージングシステムのようなその他の位置追跡システム、ならびに、さまざまな非医療的用途、にも用いられてよい。用途に応じて、同様の応答機が、カテーテル、内視鏡、医療的または外科的な器具、または、任意のその他の適切な追跡される物体、に結合されてよい。本明細書に記載された方法および装置を用いることができるいくつかの例示的なシステムは、上記の引用された刊行物に記載されている。
【0027】
本明細書で以下に記載される方法およびシステムは、外部のシステムと無線式で相互に連絡している受動応答機を有することが望ましい用途で特に適している。例えば、図1の整形外科手術システムでのように、応答機を骨に植え込む場合には、応答機が受動的および無線式の両方であることが有益である。受動応答機は、応答機が、バッテリーを交換するための外科手術を必要とせずに、実質的に無限の時間間隔に亘って、動作する状態に留まることを可能にする。そのような応答機が無線式であることも有益であり、その理由は、整形外科インプラントへの配線の接続が煩雑であり、感染およびその他の合併症のリスクを増加するからである。
【0028】
図2は、本発明のある実施の形態に基づく、位置追跡システム20の要素を模式的に示したブロック図である。図2は、患者の骨30内に植え込まれたインプラント26を示している。受動応答機46は、インプラント26に嵌め合わされている。同様の応答機が器具24にも嵌め合わされていてよい。以下の記載は、インプラント26に嵌め合わされた応答機に関するが、記載された方法および構成は、器具24の位置および方向を追跡するためにも用いられてよい。
【0029】
図2の例示的な構成では、3つの設置パッド34が、応答機46の近傍に、位置によって変化する磁界を生み出す。いくつかの実施の形態では、各設置パッド34は、その方向が稼動範囲全体に亘って変化する(例えば、回転する)交流(AC)磁界を生み出す。
【0030】
回転磁界は、例えば、各設置パッド34が2つの直交するフィールド発生コイルを含むように構成することによって、生み出されてよい。2つのコイルは、同じ周波数であるが異なる位相を有する2つの対応する駆動信号を用いて、信号発生器ユニット38によって駆動される。2つのコイルによって生み出された合成磁界は、大まかに言って、楕円形の回転磁界であり、その回転パターンは、2つの駆動信号の周波数ならびに相対的な位相および振幅に応じて変わる。例えば、90度の相対的な位相差を有する等しい振幅の2つの駆動信号は、円形の回転磁界を生み出す。別の実施の形態では、2つのコイルは、直交していなくてよい、および/または、異なる周波数を有する駆動信号で駆動されてよい。さらに、それに代わって、任意の別の適切な方法が、各設置パッド34によって位置によって変化するフィールドを生み出すために用いられてよい。
【0031】
比較的高い周波数を有する駆動信号(および磁界)を用いる場合により良好に機能するいくつかの位置追跡システムとは異なり、システム20は、任意の好都合な周波数を有する磁界を用いて動作させることができる。低周波数の磁界を用いることは、システムの金属耐性を改善するために、すなわち、位置測定をゆがめる、応答機の近傍内の金属製の物体の寄生効果を減らすために、望ましいことが多い。零ヘルツから数千ヘルツまでの範囲内の周波数を有する磁界は、典型的には、低周波数磁界とみなされるが、その他の周波数が用いられてもよい。
【0032】
いくつかの実施の形態では、システム20が、2つ以上の設置パッド34を含む場合に、信号発生器ユニット38は、時間−分割パターン(time-division pattern)で一度に一つずつ設置パッドを駆動する。大まかに言って、異なる設置パッドによって生み出された磁界の周波数、位相、または、振幅の間には、関連がある必要はない。
【0033】
インプラント26内の応答機46は、応答機46の近傍の磁界の振幅および/または方向を感知する。各設置パッド34によって生み出された磁界の方向は、位置によって変化するので、感知された磁界は、インプラント26と磁界を生み出した設置パッド34との間の距離を示す。いくつかの実施の形態では、応答機46は、共振回路を含み、共振回路は、周囲の磁界に応答してその共振周波数を変えるように構成されている。時間の各時点で、回路48は、ある位置に配置されていて、かつ、設置パッド34に対して、ある空間的な角度で方向づけられている。共振回路48は、少なくとも一つのフィールド応答コンポーネントを含み、そのコンポーネントは、以下の図3Aおよび図3Bの記載で説明されるように、コンポーネントの電気的特性をコンポーネントの軸に投影された周囲の磁界に応答して変えるように、動作する。したがって、共振回路48は、このコンポーネントの軸に投影された磁界のコンポーネントに応答して、共振回路の共振周波数を変える。
【0034】
回路48の共振周波数は、任意の好都合な値に設定されてよい。いくつかの実施の形態では、共振周波数は、100kHzから20MHzまでの間にあるように選択される。ある実施の形態では、共振回路は、無線周波数識別(radio frequency identification)(RFID)の用途で広く用いられる範囲である、約135kHzの共振周波数を有する。回路48の共振周波数は、磁界の周波数と混同されてはならないことが注意される。2つの周波数は、通常、無関係であり、任意の適切な値に独立して設定されてよい。
【0035】
位置追跡器40は、インプラント26内の共振回路48の共振周波数を、遠隔で測定する。測定された共振周波数を用いて、追跡器40は、設置パッド34に関するインプラント26の位置および方向を推定する。設置パッド34が時間−分割パターンで順番に駆動される実施の形態では、追跡器40の測定値は、典型的には、このパターンに同期している。いくつかの実施の形態では、追跡器40は、異なる設置パッドに対応する測定値を組み合わせて、設置パッドに関するインプラント26の位置座標および方向座標を求める。追跡器40は、測定値を位置/方向の推定値に組み合わせるために、さまざまな三角測量法、ならびに、当該分野で知られた任意の他の適切な方法を用いてよい。位置/方向の推定値は、インプラントの6次元座標として表現されることが多い。それに加えて、または、それに代わって、位置の計算は、上記の米国特許第6,484,118号明細書に記載された方法のような、単軸方法を用いてもよい。
【0036】
追跡器40のある例示的な実施の形態では、電圧制御発振器(voltage controlled oscillator)(VCO)52が、予め決められた周波数範囲を包含するプローブ信号を生み出す。いくつかの実施の形態では、プローブ信号は、搬送波(carrier)を含み、搬送波は、その周波数範囲に亘って掃引される。それに代わって、プローブ信号は、搬送波を含み、その搬送波は、予め決められた周波数リストにしたがってある周波数から別の周波数へホッピングを行う。プローブ信号は、その周波数範囲または周波数範囲の一部を瞬時に包含する広帯域信号を含んでいてもよい。さらにその代わりに、予め決められた周波数範囲を走査する任意の別の方法が用いられてよい。
【0037】
プローブ信号は、送信増幅器56によって増幅され、送信アンテナ60を介して応答機46に向けて送信される。アンテナ60は、送信コイル、または、任意の他の適切なアンテナ構成、を含んでいてよい。いくつかの実施の形態では、VCO52は、当該分野で知られているように、位相同期ループ(phase-locked loop)(PLL)構成に配置された位相検出器(PD)68および比較器(CP)70を用いて、望まれる周波数に設定される。受信コイル64のような受信アンテナは、プローブ信号に応答して応答機46によって生み出された信号を受信する。受信された信号は、受信増幅器66によって増幅されて、受信機出力信号が生み出される。
【0038】
プローブ信号は、共振回路48内に電流を誘起する。誘起された電流の振幅は、共振回路48の共振周波数に関するプローブ信号の周波数に応じて変わる。言い換えれば、共振回路は、共振回路の共振周波数およびプローブ信号の周波数に応じて、プローブ信号へ異なる負荷を与える。
【0039】
誘起された電流は、共振回路に同じ周波数を有する電磁界すなわち信号を生み出すようにさせる。共振回路によって生み出された信号の振幅は、同様に、回路48の共振周波数に関するプローブ信号の周波数に応じて変わる。
【0040】
プローブ信号の周波数が回路48の共振周波数に近づくと、共振回路内に誘起される電流は最大値に近づき、誘起される電流が最大値に近づくことが、追跡器によって受信される信号の振幅を最大に近づける。その結果、追跡器のPLLは、共振回路48の共振周波数を自動的に追跡する。
【0041】
追跡プロセッサ72は、追跡器40のさまざまな測定機能、分析機能、および、制御機能を実行する。プロセッサ72は、適切なソフトウェアコードを実行するマイクロプロセッサを含んでいてよい。それに代わって、プロセッサ72は、適切なハードウェアを用いて、または、ハードウェア機能およびソフトウェア機能の組み合わせを用いて、実現されてよい。いくつかの実施の形態では、プロセッサ72は、VCO52および/または、追跡器40の他のコンポーネントを制御して、望ましい周波数のプローブ信号を生み出す。受信された信号を用いて、プロセッサ72は、受信機の出力信号を分析し、共振回路48の共振周波数を推定する。推定された共振周波数に基づいて、プロセッサ72は、設置パッド34に関する、応答機46の、そして、インプラント26の、位置および方向を求める。
【0042】
いくつかの実施の形態では、追跡プロセッサ72は、VCO52によって生み出されたプローブ信号の周波数を、予め決められた範囲に亘って掃引し、各周波数で受信された信号の振幅を測定する。次に、プロセッサ72は、その周波数範囲を通して測定された受信信号の振幅に応答する共振回路48の共振周波数を推定する。いくつかの実施の形態では、プロセッサ72は、受信された信号が最大の振幅になる周波数を特定する。それに代わって、任意の別の適切な方法が、受信された信号に基づく共振回路48の共振周波数を推定するために、プロセッサ72によって用いられてよい。
【0043】
いくつかの実施の形態では、追跡器40は、送信モードと受信モードとを交互に繰り返す。言い換えれば、追跡器は、ある時間間隔の間に特定の周波数でプローブ信号を送信し、次に、それに続く時間間隔の間に応答機によって生み出された信号を受信する。これらの実施の形態では、追跡プロセッサ72は、CP70および送信増幅器56の電力を交互にオンおよびオフに切り替えてよい。送信モードのときは、送信増幅器56は、オン状態に切り替えられ、CP70は、オフ状態に切り替えられ、受信モードのときには、送信機増幅器56は、オフ状態に切り替えられ、CP70はオン状態に切り替えられる。例えば、図2では、プロセッサ72によって生み出されたオン/オフ制御信号が、インバーター74を用いて、増幅器56とCP70との間の電力を交互に切り替えてよい。
【0044】
図3Aは、本発明のある実施の形態に基づく応答機46の例示的な構成を模式的に示したブロック図である。この例の共振回路48は、キャパシター80およびインダクター82を含み、インダクター82は、フィールド応答要素として役立つ。回路48の共振周波数が、以下の式
【数1】

で与えられることはよく知られていて、ここで、Lは、インダクター82のインダクタンスを表し、Cは、キャパシター80のキャパシタンスを表している。
【0045】
インダクター82は、コア84の周りに、巻かれている、または、その他の方法で配置されている。コア84の透磁率は、μで表され、インダクター82のインダクタンスLに影響を及ぼし、インダクタンスLの変化が回路48の共振周波数frに影響を及ぼす。いくつかの実施の形態では、コア84は、その透磁率が周囲の磁界に応答して変化する磁気誘導性材料を含んでいる。コア84の磁気誘導性材料は、例えば、FeCuNbSiB/Cu/FeCuNbSiBフィルム、または、それに類似の材料、を含んでいてよい。
【0046】
それに代わって、磁気誘導性特性を備えた任意の別の適切な材料が、この目的のために用いられてよい。典型的には、コア84の透磁率は、コアの軸に沿って投影された磁界のコンポーネントに応答して変化する。したがって、回路48の共振周波数は、磁界を生み出した設置パッド34に関するインプラント26の位置および方向を示す。
【0047】
図3Bは、本発明の別の実施の形態に基づく応答機46の例示的な構成を模式的に示したブロック図である。図3Bの構成では、回路48は、インダクター86およびキャパシター88を含む並列共振回路であり、キャパシター88は、フィールド応答要素として役立つ。いくつかの実施の形態では、キャパシター88は、磁界制限的要素90に結合されていて、磁界制限的要素90は、周囲の磁界に応答して収縮および/または拡張する。要素90は、当該分野で知られた任意の適切な磁界制限的材料であってよく、例えば、テルフェノールD(Terfenol-D)であってよい。
【0048】
いくつかの実施の形態では、キャパシター88は、空隙または適切な誘電体によって隔てられた導電性プレートのような2つの向かい合う導電性電極を含んでいる。図3Bの例では、要素90は、キャパシター88の導電性プレートの一方に機械的に取り付けられている。周囲の磁界が変化すると、要素90は、収縮または拡張し、それによって、より詳しく言うと、キャパシターのプレート間のギャップの幅を変えることによって、電極間の空間的な関係を変える。ギャップの幅の変化が、キャパシター88のキャパシタンスを変え、キャパシタンスの変化が、回路48の共振周波数を変える。典型的には、キャパシター88および要素90は、ある軸に沿って配置されていて、キャパシタープレート間のギャップが、その軸に沿った要素90の収縮/拡張にのみ実質的に応答して変化するようになっている。したがって、上記の図3Aの構成のように、回路48の共振周波数は、この軸に沿った磁界のコンポーネントの変化に応答して変わる。
【0049】
別の実施の形態(図示されていない。)では、磁気制限的要素90は、電極の空間的な関係を別の方法で変えてよい。例えば、要素90は、導電性プレートの向かい合う面積を変えるように、キャパシター88に結合されていてよく、向かい合う面積の変化も、キャパシター88のキャパシタンスに影響を及ぼす。さらにそれに代わって、キャパシター88は、任意の形状または構成を有する導電性電極を含んでいてよく、磁気制限的要素90は、キャパシターのキャパシタンスを周囲の磁界に応答して変えるように、任意の適切な方法で、キャパシターに結合されていてよい。別の実施の形態では、表面弾性波(surface-acoustic wave)(SAW)デバイスが、共振回路48内のフィールド応答要素として用いられてもよく、その理由は、磁界がSAWデバイスの内部反射特性を変えるからである。
【0050】
本明細書に記載された方法およびシステムは、主に、医療用インプラント、器具、および、用具、の遠隔共振周波数測定による、位置追跡に関するが、本発明の原理は、無線周波数識別(RFID)タグ、および、工業用磁界センサー、のような、他の用途での位置追跡を実行するために用いられてもよい。
【0051】
したがって、上述された実施の形態が例として引用されたこと、および、本発明が具体的に図示され本明細書で上述されたものに限定されないこと、が適正に評価されるはずである。むしろ、本発明の範囲は、本明細書に上述されたさまざまな特徴の組み合わせおよび部分的な組み合わせの両方、ならびに、本明細書の上記の記載を読むことによって当業者には思いつくことができ従来の技術では開示されていないさまざまな特徴の変形および変更、を含む。
【0052】
〔実施の態様〕
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)位置追跡システムにおいて、
一つ以上のフィールド発生器であって、一つ以上の、個別の位置によって変化する磁界を生み出すように構成された、一つ以上のフィールド発生器と、
共振回路を含む応答機であって、
前記共振回路は、共振周波数を有し、かつ、フィールド応答要素を含み、
前記フィールド応答要素は、前記一つ以上の磁界に応答して前記共振周波数を変えるように動作する、
応答機と、
位置追跡器であって、前記共振回路の前記共振周波数を遠隔で感知するように、かつ、前記感知された共振周波数に応答して前記応答機の位置を求めるように、構成された、位置追跡器と、
を具備する、位置追跡システム。
(2)実施態様(1)に記載の位置追跡システムにおいて、
前記応答機が、患者の体内に挿入するように構成された物体に取り付けられていて、
前記位置追跡器が、前記体内での前記物体の位置を求めるように構成されている、位置追跡システム。
(3)実施態様(1)に記載の位置追跡システムにおいて、
前記フィールド応答要素が、インダクタンスを有するインダクターを含み、
前記インダクタンスが、前記共振周波数を変えるように、前記一つ以上の磁界に応答して変わる、位置追跡システム。
(4)実施態様(3)に記載の位置追跡システムにおいて、
前記インダクターが、コアを含み、
前記コアが、磁気誘導性材料を含み、かつ、透磁率を有し、
前記透磁率が、前記インダクタンスを変えるように、前記一つ以上の磁界に応答して変わる、位置追跡システム。
(5)実施態様(1)に記載の位置追跡システムにおいて、
前記フィールド応答要素が、キャパシターを含み、
前記キャパシターが、キャパシタンスを含み、
前記キャパシタンスが、前記共振周波数を変えるように、前記一つ以上の磁界に応答して変わる、位置追跡システム。
(6)実施態様(5)に記載の位置追跡システムにおいて、
前記キャパシターが、導電性電極を含み、
前記フィールド応答要素が、磁気制限的要素を含み、
前記磁気制限的要素が、少なくとも一つの前記電極に取り付けられており、かつ、前記キャパシタンスを変えるように、前記一つ以上の磁界に応答して前記電極の空間的な関係を変えるように構成されている、位置追跡システム。
(7)実施態様(1)に記載の位置追跡システムにおいて、
各前記一つ以上のフィールド発生器が、少なくとも2つのフィールド放射コイルを含み、
前記フィールド放射コイルが、回転磁界を生み出すように、対応する駆動信号によって駆動される、位置追跡システム。
(8)実施態様(1)に記載の位置追跡システムにおいて、
前記一つ以上のフィールド発生器が、それぞれ2つ以上の異なる場所に位置する2つ以上のフィールド発生器を含み、
前記2つ以上のフィールド発生器が、位置によって変化する磁界をそれぞれ生み出すように順番に動作させられる、位置追跡システム。
(9)実施態様(1)に記載の位置追跡システムにおいて、
前記位置追跡器が、
予め決められた周波数範囲に亘って前記応答機に向けてプローブ信号を送信し、
前記プローブ信号に応答して前記応答機によって生み出された信号を受信し、
前記応答機によって生み出された前記信号に応答して、前記予め決められた周波数範囲に亘って前記共振回路による前記プローブ信号の負荷を測定し、
前記負荷に応答して前記共振周波数を推定する、
ように構成されている、位置追跡システム。
(10)位置追跡システムで用いるための応答機において、
共振周波数を有する共振回路であって、外部から加えられた磁界に応答して前記共振周波数を変えるように動作するフィールド応答要素を含み、前記磁界に応答して前記共振周波数の近傍でプローブ信号を可変で反射する、共振回路、
を具備する、応答機。
【0053】
(11)実施態様(10)に記載の応答機において、
前記応答機が、患者の体内に挿入するように構成された物体に取り付けられている、応答機。
(12)実施態様(10)に記載の応答機において、
前記フィールド応答要素が、インダクタンスを有するインダクターを含み、
前記インダクタンスは、前記共振周波数を変えるように、前記外部から加えられた磁界に応答して変わる、応答機。
(13)実施態様(12)に記載の応答機において、
前記インダクターが、コアを含み、
前記コアが、磁気誘導性材料を含み、かつ、透磁率を有し、
前記透磁率が、前記インダクタンスを変えるように、前記外部から加えられた磁界に応答して変わる、応答機。
(14)実施態様(10)に記載の応答機において、
前記フィールド応答要素が、キャパシタンスを有するキャパシターを含み、
前記キャパシタンスが、前記共振周波数を変えるように、前記外部から加えられた磁界に応答して変わる、応答機。
(15)実施態様(14)に記載の応答機において、
前記キャパシターが、導電性電極を含み、
前記フィールド応答要素が、磁気制限的要素を含み、
前記磁気制限的要素が、少なくとも一つの前記電極に取り付けられており、かつ、前記キャパシタンスを変えるように、前記外部から加えられた磁界に応答して前記電極の面積の空間的な関係を変えるように構成されている、応答機。
(16)位置追跡方法において、
物体に応答機を取り付ける過程であって、前記応答機は、共振周波数を有する共振回路を含み、前記共振回路は、周囲の磁界に応答して前記共振周波数を変えるように動作するフィールド応答要素を含む、過程と、
前記物体の近傍に、位置によって変化する磁界を生み出す過程と、
前記共振回路の前記共振周波数を遠隔で感知する過程と、
前記感知された共振周波数に応答して前記応答機の位置を求める過程と
を含む、方法。
(17)実施態様(16)に記載の方法において、
前記物体を患者の体内に挿入する過程、
をさらに含み、
前記応答機の位置を求める前記過程が、前記体内で前記物体の位置を追跡する過程を含む、方法。
(18)実施態様(16)に記載の方法において、
前記フィールド応答要素が、インダクタンスを有するインダクターを含み、
前記インダクタンスが、前記共振周波数を変えるように、前記位置によって変化する磁界に応答して変わる、方法。
(19)実施態様(18)に記載の方法において、
前記インダクターが、コアを含み、
前記コアが、磁気誘導性材料を含み、かつ、透磁率を有し、
前記透磁率が、前記インダクタンスを変えるように、前記位置によって変化する磁界に応答して変わる、方法。
(20)実施態様(16)に記載の方法において、
前記フィールド応答要素が、キャパシターを含み、
前記キャパシターが、キャパシタンスを含み、
前記キャパシタンスが、前記共振周波数を変えるように、前記位置によって変化する磁界に応答して変わる、方法。
【0054】
(21)実施態様(20)に記載の方法において、
前記キャパシターが、導電性電極を含み、
前記フィールド応答要素が、磁気制限的要素を含み、
前記磁気制限的要素が、少なくとも一つの前記電極に取り付けられており、かつ、前記キャパシタンスを変えるように、前記位置によって変化する磁界に応答して前記電極の面積の空間的な関係を変えるように構成されている、方法。
(22)実施態様(16)に記載の方法において、
前記位置によって変化する磁界を生み出す前記過程が、
一つ以上の回転磁界を生み出すように、一つ以上のフィールド発生器を対応する駆動信号で駆動する過程、
を含む、方法。
(23)実施態様(16)に記載の方法において、
前記位置によって変化する磁界を生み出す前記過程が、
それぞれ2つ以上の異なる場所に位置する2つ以上のフィールド発生器を順番に駆動し、対応する位置によって変化する磁界を生み出す、過程、
を含む、方法。
(24)実施態様(16)に記載の方法において、
前記共振周波数を感知する前記過程が、
予め決められた周波数範囲に亘って前記応答機に向けてプローブ信号を送信する過程と、
前記プローブ信号に応答して前記応答機によって生み出された信号を受信する過程と、
前記応答機によって生み出された前記信号に応答して前記予め決められた周波数範囲に亘って前記共振回路による前記プローブ信号の負荷を測定する過程と、
前記負荷に応答して前記共振周波数を推定する過程と
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明のある実施の形態に基づく、位置追跡システムの模式的な絵解き図である。
【図2】本発明のある実施の形態に基づく、位置追跡システムを模式的に示したブロック図である。
【図3A】本発明の実施の形態に基づく、位置追跡システムの応答機を模式的に示したブロック図である。
【図3B】本発明の実施の形態に基づく、位置追跡システムの応答機を模式的に示したブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置追跡システムにおいて、
一つ以上のフィールド発生器であって、一つ以上の、個別の位置によって変化する磁界を生み出すように構成された、一つ以上のフィールド発生器と、
共振回路を含む応答機であって、
前記共振回路は、共振周波数を有し、かつ、フィールド応答要素を含み、
前記フィールド応答要素は、前記一つ以上の磁界に応答して前記共振周波数を変えるように動作する、
応答機と、
位置追跡器であって、前記共振回路の前記共振周波数を遠隔で感知するように、かつ、前記感知された共振周波数に応答して前記応答機の位置を求めるように、構成された、位置追跡器と、
を具備する、位置追跡システム。
【請求項2】
請求項1に記載の位置追跡システムにおいて、
前記応答機が、患者の体内に挿入するように構成された物体に取り付けられていて、
前記位置追跡器が、前記体内での前記物体の位置を求めるように構成されている、位置追跡システム。
【請求項3】
請求項1に記載の位置追跡システムにおいて、
前記フィールド応答要素が、インダクタンスを有するインダクターを含み、
前記インダクタンスが、前記共振周波数を変えるように、前記一つ以上の磁界に応答して変わる、位置追跡システム。
【請求項4】
請求項3に記載の位置追跡システムにおいて、
前記インダクターが、コアを含み、
前記コアが、磁気誘導性材料を含み、かつ、透磁率を有し、
前記透磁率が、前記インダクタンスを変えるように、前記一つ以上の磁界に応答して変わる、位置追跡システム。
【請求項5】
請求項1に記載の位置追跡システムにおいて、
前記フィールド応答要素が、キャパシターを含み、
前記キャパシターが、キャパシタンスを含み、
前記キャパシタンスが、前記共振周波数を変えるように、前記一つ以上の磁界に応答して変わる、位置追跡システム。
【請求項6】
請求項5に記載の位置追跡システムにおいて、
前記キャパシターが、導電性電極を含み、
前記フィールド応答要素が、磁気制限的要素を含み、
前記磁気制限的要素が、少なくとも一つの前記電極に取り付けられており、かつ、前記キャパシタンスを変えるように、前記一つ以上の磁界に応答して前記電極の空間的な関係を変えるように構成されている、位置追跡システム。
【請求項7】
請求項1に記載の位置追跡システムにおいて、
各前記一つ以上のフィールド発生器が、少なくとも2つのフィールド放射コイルを含み、
前記フィールド放射コイルが、回転磁界を生み出すように、対応する駆動信号によって駆動される、位置追跡システム。
【請求項8】
請求項1に記載の位置追跡システムにおいて、
前記一つ以上のフィールド発生器が、それぞれ2つ以上の異なる場所に位置する2つ以上のフィールド発生器を含み、
前記2つ以上のフィールド発生器が、位置によって変化する磁界をそれぞれ生み出すように順番に動作させられる、位置追跡システム。
【請求項9】
請求項1に記載の位置追跡システムにおいて、
前記位置追跡器が、
予め決められた周波数範囲に亘って前記応答機に向けてプローブ信号を送信し、
前記プローブ信号に応答して前記応答機によって生み出された信号を受信し、
前記応答機によって生み出された前記信号に応答して、前記予め決められた周波数範囲に亘って前記共振回路による前記プローブ信号の負荷を測定し、
前記負荷に応答して前記共振周波数を推定する、
ように構成されている、位置追跡システム。
【請求項10】
位置追跡システムで用いるための応答機において、
共振周波数を有する共振回路であって、外部から加えられた磁界に応答して前記共振周波数を変えるように動作するフィールド応答要素を含み、前記磁界に応答して前記共振周波数の近傍でプローブ信号を可変で反射する、共振回路、
を具備する、応答機。
【請求項11】
請求項10に記載の応答機において、
前記応答機が、患者の体内に挿入するように構成された物体に取り付けられている、応答機。
【請求項12】
請求項10に記載の応答機において、
前記フィールド応答要素が、インダクタンスを有するインダクターを含み、
前記インダクタンスは、前記共振周波数を変えるように、前記外部から加えられた磁界に応答して変わる、応答機。
【請求項13】
請求項12に記載の応答機において、
前記インダクターが、コアを含み、
前記コアが、磁気誘導性材料を含み、かつ、透磁率を有し、
前記透磁率が、前記インダクタンスを変えるように、前記外部から加えられた磁界に応答して変わる、応答機。
【請求項14】
請求項10に記載の応答機において、
前記フィールド応答要素が、キャパシタンスを有するキャパシターを含み、
前記キャパシタンスが、前記共振周波数を変えるように、前記外部から加えられた磁界に応答して変わる、応答機。
【請求項15】
請求項14に記載の応答機において、
前記キャパシターが、導電性電極を含み、
前記フィールド応答要素が、磁気制限的要素を含み、
前記磁気制限的要素が、少なくとも一つの前記電極に取り付けられており、かつ、前記キャパシタンスを変えるように、前記外部から加えられた磁界に応答して前記電極の面積の空間的な関係を変えるように構成されている、応答機。
【請求項16】
位置追跡方法において、
物体に応答機を取り付ける過程であって、前記応答機は、共振周波数を有する共振回路を含み、前記共振回路は、周囲の磁界に応答して前記共振周波数を変えるように動作するフィールド応答要素を含む、過程と、
前記物体の近傍に、位置によって変化する磁界を生み出す過程と、
前記共振回路の前記共振周波数を遠隔で感知する過程と、
前記感知された共振周波数に応答して前記応答機の位置を求める過程と
を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記物体を患者の体内に挿入する過程、
をさらに含み、
前記応答機の位置を求める前記過程が、前記体内で前記物体の位置を追跡する過程を含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
前記フィールド応答要素が、インダクタンスを有するインダクターを含み、
前記インダクタンスが、前記共振周波数を変えるように、前記位置によって変化する磁界に応答して変わる、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記インダクターが、コアを含み、
前記コアが、磁気誘導性材料を含み、かつ、透磁率を有し、
前記透磁率が、前記インダクタンスを変えるように、前記位置によって変化する磁界に応答して変わる、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、
前記フィールド応答要素が、キャパシターを含み、
前記キャパシターが、キャパシタンスを含み、
前記キャパシタンスが、前記共振周波数を変えるように、前記位置によって変化する磁界に応答して変わる、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、
前記キャパシターが、導電性電極を含み、
前記フィールド応答要素が、磁気制限的要素を含み、
前記磁気制限的要素が、少なくとも一つの前記電極に取り付けられており、かつ、前記キャパシタンスを変えるように、前記位置によって変化する磁界に応答して前記電極の面積の空間的な関係を変えるように構成されている、方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法において、
前記位置によって変化する磁界を生み出す前記過程が、
一つ以上の回転磁界を生み出すように、一つ以上のフィールド発生器を対応する駆動信号で駆動する過程、
を含む、方法。
【請求項23】
請求項16に記載の方法において、
前記位置によって変化する磁界を生み出す前記過程が、
それぞれ2つ以上の異なる場所に位置する2つ以上のフィールド発生器を順番に駆動し、対応する位置によって変化する磁界を生み出す、過程、
を含む、方法。
【請求項24】
請求項16に記載の方法において、
前記共振周波数を感知する前記過程が、
予め決められた周波数範囲に亘って前記応答機に向けてプローブ信号を送信する過程と、
前記プローブ信号に応答して前記応答機によって生み出された信号を受信する過程と、
前記応答機によって生み出された前記信号に応答して前記予め決められた周波数範囲に亘って前記共振回路による前記プローブ信号の負荷を測定する過程と、
前記負荷に応答して前記共振周波数を推定する過程と
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2007−330779(P2007−330779A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−126914(P2007−126914)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(500520846)バイオセンス・ウェブスター・インコーポレイテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster, Inc.
【住所又は居所原語表記】3333 Diamond Canyon Road, Diamond Bar, California 91765, U.S.A.
【Fターム(参考)】