共振超音波ピエゾインジェクタを制御する装置及び方法
本発明は、共振超音波圧電素子駆動段(1)を制御する装置に関するものであり、前記装置は:DC電圧(VBATT)を中間DC電圧(Vinter)に昇圧する第1段(2)と、第2変換段(3)を備え、前記第2段は、前記中間DC電圧に接続されるインダクタ(Lp)と、第1スイッチングトランジスタ(M)を含み、前記第1スイッチングトランジスタは、前記インダクタを充電するフェーズ、及び前記インダクタに蓄積されるエネルギーを第1指令パルス列(V1)に応答して転移するフェーズを選択的に制御することにより、前記圧電素子駆動段の励磁電圧(VE)を生成し、前記第2段は、前記第1トランジスタのドレインと前記インダクタの一方の端子との間に直列接続される第2スイッチングトランジスタ(M’)を含み、前記第2スイッチングトランジスタは、前記充電フェーズ中に前記インダクタに蓄積されるエネルギーを第2指令パルス列(V2)に応答して制限することにより、前記励磁電圧の振幅を減少させるために適することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の内燃エンジンの電子制御噴射の分野に関するものである。本発明は、更に具体的には、共振超音波圧電素子駆動段の燃料インジェクタを制御する装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このタイプの制御装置の公知の構造を図1に模式的に示す。
【0003】
このような装置は、制御コンピュータ10により、かつ直流電圧源VBATT、例えば車両のバッテリにより電気的に制御されるインジェクタの少なくとも1つの共振超音波圧電素子駆動段1を制御するように設計される。当該制御装置は:
−直流電圧VBATTをステップアップさせて中間直流電圧Vinter(数百ボルト、例えば250V)を生成する第1段2と;
−中間直流電圧Vinterから供給される中間直流電圧Vinterを変換し、かつ共振超音波圧電素子駆動段1の交流励磁電圧VEを生成するために適する第2段3と、
を備える。
【0004】
特定の状況では、噴射中に噴射される燃料の量を微細に変化させて、例えば燃料が噴射される燃焼室内の圧力変化を補正することができる、または特定の流量分布に合わせることができることが必要になる。
【0005】
しかしながら、極めてフレキシブルに、噴射中に噴射される燃料の流量分布に影響を与えることを可能にするために、インジェクタの圧電素子段1の励磁信号の振幅(すなわち、変換段3の出力に現われる信号VEの振幅)をフレキシブル、かつ迅速に変化させることができることが必須である。
【0006】
従って、電圧ステップアップ段2の出力に供給される中間電圧Vinterを迅速に変化させる構成を想到することができる。従って、変換段の出力に現われる電圧VEの包絡線の振幅を結果的に迅速に変化させることもできる。
【0007】
図2は、「昇圧」型の電圧コンバータ回路を示しており、この電圧コンバータ回路は従来より、直流電圧源VBATT、例えば充放電容量CBATTを持つバッテリにより駆動される電圧ステップアップ段2を形成するために使用される。この回路は、インダクタLboostと、制御モジュール20により制御されるスイッチとして動作するMOSFETトランジスタKと、ダイオードDboostと、そして蓄積コンデンサCboostとから成る。当該制御モジュールは、信号を高周波パルス列の形式で供給して、トランジスタKを周期的に導通させる。トランジスタKが導通すると、インダクタLboostは、当該インダクタの両端に電圧VBATTが印加されて充電される。トランジスタKが開くと、ダイオードDboostとが導通し、そしてインダクタに蓄積されるエネルギーによって電流が流れ、この電流でコンデンサCboostが充電されることになる。
【0008】
蓄積コンデンサCboostはこのようにして、所望の値のVinterが当該コンデンサの両端に現われるまで充電される。
【0009】
しかしながら、「昇圧」型のこのステップアップ回路によって、生成される中間電圧Vinterの迅速な振幅変化を実現することはできない。当該ステップアップ回路は、所望の効果を変換段3の出力において実現する、すなわちこの段の出力に現われる励磁電圧VEの迅速な変化を実現することができるようにするためには極めて大規模になってしまう。しかしながら、このように大規模になると、非常に大きく、かつ非常に高価なトランジスタを選択することになり、低効率の問題、従って電圧ステップアップ段2が過熱する問題が生じる。
【発明の概要】
【0010】
従って、本発明の1つの目的は、インジェクタの共振超音波圧電素子駆動段の励磁信号の包絡線の振幅を変換段の出力で、制御電子機器を合理的なサイズに保持しながら極めて迅速に変化させることにより、自動車のエンジン制御に関して許容し得る容積/重量/コストの妥協点を確保することができる解決策を提案することにある。
【0011】
この目的を念頭に置いて、本発明の主題は、制御コンピュータにより、かつ直流電圧源により電気的に制御されるインジェクタの少なくとも1つの共振超音波圧電素子駆動段を制御する装置であり、前記装置は:
−前記直流電圧をステップアップして、中間直流電圧を生成する第1段と、
−前記中間直流電圧を変調する第2段を備え、前記第2段は、前記中間直流電圧に接続されるインダクタと、そして第1スイッチングトランジスタを含み、前記第1スイッチングトランジスタは、前記インダクタを充電するフェーズ、及び前記インダクタに蓄積されるエネルギーを第1制御パルス列に応答して転移するフェーズを選択的に制御することにより、前記共振超音波圧電素子駆動段の励磁電圧を生成するために適する。
【0012】
本発明は、更に具体的には、前記第2段は、前記第1スイッチングトランジスタのドレインと前記インダクタの一方の端子との間に直列接続される第2スイッチングトランジスタを含み、前記第2スイッチングトランジスタは、前記充電フェーズ中に前記インダクタに蓄積されるエネルギーを第2制御パルス列に応答して制限することにより、前記励磁電圧の振幅を減少させるために適することを特徴とする。
【0013】
有利な点として、前記第1スイッチングトランジスタの前記ドレインは、前記共振超音波圧電素子駆動段にコンデンサを介して接続される。
【0014】
1つの変形例として、前記第1スイッチングトランジスタの前記ドレインは更に、前記共振超音波圧電素子駆動段にトランスを介して接続することができる。
【0015】
この変形例によれば、前記トランスの1次巻線は、一方の端子を介して前記第1スイッチングトランジスタの前記ドレインに接続され、そして他方の端子を介してグランドに接続され、前記1次巻線は前記コンデンサに並列接続される。
【0016】
別の変形例によれば、前記第2スイッチングトランジスタのドレインは、前記共振超音波圧電素子駆動段にトランスを介して接続される。
【0017】
この別の変形例によれば、前記トランスの前記1次巻線は、一方の端子を介して前記中間直流電圧に接続され、そして他方の端子を介して前記第2スイッチングトランジスタの前記ドレインに接続され、コンデンサが、前記中間直流電圧と前記第1スイッチングトランジスタの前記ドレインとの間に接続される。
【0018】
好適には、前記第2制御パルス列は、前記第2スイッチングトランジスタを制御して、前記充電フェーズの少なくとも一部において開いた状態にするために適するPWM信号であり、前記充電フェーズの少なくとも一部では、前記第1スイッチングトランジスタが制御されて閉じた状態になる。
【0019】
有利な点として、前記第1電圧ステップアップ段は、昇圧型の電圧コンバータを含む。
【0020】
本発明はまた、制御コンピュータにより、かつ直流電圧源により電気的に制御されるインジェクタの少なくとも1つの共振超音波圧電素子駆動段を制御する方法に関するものであり、前記方法は:
−前記直流電圧を増幅して、中間直流電圧を生成する工程と;
−前記共振超音波圧電素子駆動段の励磁電圧を前記中間直流電圧から生成する工程を含み、前記励磁電圧生成工程では、制御周波数で、第1スイッチングトランジスタを制御して閉じた状態にすることにより、前記中間直流電圧に接続されるインダクタの充電フェーズを制御し、そして開いた状態にすることにより、前記インダクタに蓄積されるエネルギーを前記共振超音波圧電素子駆動段に転移するフェーズを制御し、
前記方法は、前記充電フェーズ中に前記インダクタに蓄積される前記エネルギーを制限して励磁信号の振幅を減少させる工程を含み、前記減少工程では、前記第1スイッチングトランジスタのドレインと前記インダクタとの間に直列接続される第2スイッチングトランジスタを制御して、前記充電フェーズの少なくとも一部において開いた状態にすることを特徴とする。
【0021】
有利な点として、前記共振超音波圧電素子駆動段の前記励磁電圧の振幅の減少は、充電フェーズ毎の前記第2スイッチングトランジスタの開いた時間によって変わる。
【0022】
本発明の他の特徴及び利点は、例示的かつ非制限的な例として与えられ、かつ添付の図を参照しながら為される以下の記述を一読することにより一層明確になるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、内燃エンジンの燃料インジェクタの共振超音波圧電素子駆動段の公知の制御装置であって、既に説明されている公知の制御装置の簡単な電子回路図を表わしている。
【図2】図2は、「昇圧」型の電圧ステップアップ段を形成する図1の公知の制御装置であって、既に説明されている公知の制御装置の第1段の電子回路図を表わしている。
【図3】図3は、本発明による制御装置の第2電圧変換段の出力で得られる制御電圧のダイナミックレンジが大きくなっている可変振幅包絡線形状を示すタイミングチャートを表わしている。
【図4】図4は、インジェクタの圧電素子駆動段に接続される第2電圧変換段であって、公知の制御装置の第2電圧変換段の電子回路図を表わしている。
【図5】図5は、図4の変形実施形態を表わしている。
【図6】図6は、直列接続インダクタを有するハーフブリッジ型構造を利用した本発明によるインジェクタ制御装置の電圧変換段の電子回路図を表わしている。
【図7】図7は、ハーフブリッジ型構造の下流の受動回路を幾つかの可能な構成とした場合の図6の回路の変形例を表わしている。
【図8】図8は、ハーフブリッジ型構造の下流の受動回路を幾つかの可能な構成とした場合の図6の回路の変形例を表わしている。
【図9】図9は、ハーフブリッジ型構造の下流の受動回路を幾つかの可能な構成とした場合の図6の回路の変形例を表わしている。
【図10】図10は、ハーフブリッジ型構造を構成するトランジスタ群のそれぞれの制御信号のタイミングチャートを表わし、このハーフブリッジ型構造に、本発明によるインジェクタ制御装置の電圧変換段を載せている。
【図11】図11は、本発明の原理によるインジェクタの励磁信号を変換する例を表わしている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、図1を参照して既に説明した電圧ステップアップ段及び変換段を有する制御装置を利用する。
【0025】
本発明は、上に説明した制御装置の変換段を変更して、この段の出力に供給される(従って、注目するインジェクタの入力端子に供給される)励磁電圧の振幅を大きなダイナミックレンジで変化させることができるようにすることを提案する。インジェクタの励磁電圧包絡線の振幅を大きなダイナミックレンジで変化させるこの原理について図3を参照しながら説明し、図3は、非常にフレキシブルな噴射制御を可能にするために適する励磁電圧VEの包絡線の形状Pを示している。
【0026】
従って、本発明は、変換段で実行される変換の他に、インジェクタの励磁電圧ピークの振幅を変化させる機能を含み、この変換段では、電圧ピーク群自体を、好ましくはインジェクタの共振周波数で発生させる。
【0027】
このタイプの電圧包絡線信号を図3に示すように生成するために、本発明による制御装置の変換段3は、図4に示すように、これも公知である接続形態を利用する。
【0028】
従って、電圧変換段3は、パルス電圧発生器の形態で使用され、このパルス電圧発生器は、当該出力に接続されるインジェクタの超音波圧電素子駆動段1の励磁電圧VEを電圧パルス列として、スイッチングトランジスタM、例えばMOSFET型トランジスタの制御電極でドライバ段30を介して受信する適切な周波数の制御パルス列V1に応答して供給することができる。
【0029】
更に正確には、このパルス電圧発生器は、中間直流電圧Vinter(電圧ステップアップ段2の出力)に接続され、かつトランジスタMにより制御されるインダクタンスコイルLpと、そして当該コイルに並列接続され、かつ容量Cpを有するコンデンサを備え、このコンデンサの両端に、共振超音波圧電素子駆動段1が接続される。
【0030】
共振超音波圧電素子駆動段のインジェクタは、インダクタ及びコンデンサに直列接続される抵抗を備える直列共振回路によりモデル化することができる。脈波発生装置及び共振超音波ピエゾインジェクタの充電をモデル化する直列共振回路の組み合わせは普通、この技術分野の当業者からは「準E級増幅器」と呼ばれている。
【0031】
従って、制御パルス列V1がトランジスタMのゲートに印加される影響で、トランジスタMのドレインから、変換段3の出力に接続される共振超音波圧電素子駆動段1を励磁することができる電圧パルス列VEを供給することができる。
【0032】
1つの変形例として、図5を参照するに、パルス電圧発生器は、トランスT及びコンデンサCpから成るアセンブリを備え、これらの素子は、中間直流電圧VinterとスイッチングトランジスタMのドレインとの間に並列接続される。更に正確には、スイッチングトランジスタMのドレインは、共振超音波圧電素子駆動段1にトランスTを介して接続され、このトランスTの1次巻線は、コンデンサCpに、かつ中間直流電圧VinterとトランジスタMのドレインとの間に並列接続され、そしてこのトランスTの2次巻線は、共振超音波圧電素子駆動段1に接続される。
【0033】
E級増幅器の動作周期では、制御列により定義され、かつ充電共振回路の共振周波数に対応する周波数で定常的に繰り返される2つの動作フェーズを利用する:
−充電フェーズ:トランジスタMを閉じる;充電共振回路が短絡され、そして「それ自体で」共振する(充電共振回路は、当該回路の電力消費素子においてわずかなエネルギーを失う)のに対し、インダクタLpは、当該インダクタにVinterから給電されるので充電される。
−転移フェーズ:トランジスタMを開く;インダクタに蓄積されるエネルギーが充電共振回路に向かって再び放出され、そして充電共振回路の損失を埋め合わせる。
【0034】
このタイプの接続形態の増幅率(すなわち、Vinterと出力電圧VEの最大振幅との比)は、構造的に約3〜4である。詳細には、インダクタに蓄積され、次に周期毎に充電される共振回路に再び放出されるエネルギーの量を制御することはできない。従って、電圧変換段の出力における励磁電圧VEの振幅は、電圧ステップアップ段の出力電圧Vinterの値により主として決定される。
【0035】
次に、図6は、「E級」タイプの変換段の動作を変更して、この段の出力(従って、注目するインジェクタの入力端子)に供給される励磁信号VEの振幅を極めて迅速に変化させることができるようにした変換段の新規の接続形態を示している。本発明による電圧変換段3は、「直列インダクタ付きハーフブリッジ」型構造を利用する。ハーフブリッジ型構造は、グランドと、中間直流電圧Vinterから給電されるインダクタコイルLpとの間に直列接続される2つのトランジスタM及びM’から成る。
【0036】
従って、図4または5を参照して説明された接続形態と比較すると、電圧変換段3を構成するパルス電圧発生器は、第2スイッチングトランジスタM’、例えばMOSFET型トランジスタを備え、このトランジスタM’は、トランジスタM(このトランジスタのソースはグランドに接続される)のドレイン(図6のポイントC)とインダクタコイルLpの一方の端子(ポイントB)との間に直列接続され、インダクタコイルLpの他方の端子(ポイントA)は、中間直流電圧源Vinter(電圧ステップアップ段2の出力)に接続される。
【0037】
トランジスタM及びM’には、ドライバ30及び40を介して、該当する制御パルス列V1及びV2を印加して、トランジスタM及びM’の開閉をそれぞれ制御することができ、これらのトランジスタの特徴については、以下に詳細に説明される。
【0038】
更に、ハーフブリッジ型構造の下流の受動回路50の幾つかの構成を想到することができる。
【0039】
従って、図7は、直接振幅変調を行なう接続形態を、すなわちインジェクタの共振超音波圧電素子駆動段が、ハーフブリッジ型構造を構成するトランジスタM及びM’に直接接続される接続形態を詳細に示している。この接続形態は、簡潔性及びコストの点で利点を有する。これとは異なり、インジェクタを、使用するこれらのトランジスタの最大絶縁耐圧(自動車の関連部品に使用することができるIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)型トランジスタの場合は約1200V)よりも大きい出力振幅で制御することはできない。
【0040】
電圧変換段3の出力においてより大きくなるインジェクタの励磁電圧VEを得るために、図8を参照して、そして図9を参照して示される接続形態のようなトランスTを含む接続形態を使用することができる。
【0041】
図8によれば、第2スイッチングトランジスタM’のドレインは、共振超音波圧電素子駆動段1にトランスTを介して接続される。更に正確には、トランスの1次巻線は、中間直流電圧Vinterと第2スイッチングトランジスタM’のドレインとの間に接続され、次に、インダクタコイルLpは、トランスTの1次巻線から成り、そして2次巻線は、共振超音波圧電素子駆動段の両端子に接続される。コンデンサCpが更に、中間直流電圧Vinterと第1スイッチングトランジスタMのドレインとの間に接続される。
【0042】
1つの変形例として、図9によれば、トランスT及びコンデンサCpから成るアセンブリは、第1スイッチングトランジスタMのドレインとグランドとの間に並列接続される。更に正確には、第1スイッチングトランジスタMのドレインは、共振超音波圧電素子駆動段1にトランスTを介して接続され、このトランスTの1次巻線は、コンデンサCpに、かつトランジスタMのドレインとグランドとの間に並列接続され、そしてこのトランスの2次巻線は、共振超音波圧電素子駆動段1に接続される。
【0043】
これらの2つの変形例によって、使用するトランジスタの絶縁耐圧よりもずっと大きい振幅を発生させることができ、これによって更に、トランスの変換比と適用トランジスタの耐圧との妥協点を、より高い効率で、かつより低いコストで見出すことができる。
【0044】
ハーフブリッジ型構造の下流の受動回路の実施形態に関係なく、ハーフブリッジ型構造の価値は、「純」E級接続形態(図4または5)とは異なり、共振超音波圧電素子駆動段1をモデル化した充電共振回路を短絡させることができるとともに、中間直流電圧Vinter(電圧ステップアップ段2の出力)に接続される直列インダクタLpを手順通りに充電しなくても済むことにある。
【0045】
詳細には、或る時間に亘って、第2スイッチングトランジスタM’が開いていると仮定すると、第1スイッチングトランジスタMを閉じて、インジェクタの共振超音波圧電素子駆動段1を、インダクタLpを充電することなく共振させることができ、このインダクタLpは従って、第2スイッチングトランジスタM’によってグランドから分離され、これにより、第2スイッチングトランジスタM’の開いた状態では、第1スイッチングトランジスタMのドレインをインダクタLpから遮断することができる。
【0046】
従って、第2スイッチングトランジスタM’の開いた時間によって変わるが、段3の出力に供給される信号の振幅を大幅に小さくすることができ、従って、注目するインジェクタに印加される励磁信号VEの包絡線の振幅を制御することができる。
【0047】
制御パルス列V1及びV2によってそれぞれ制御される2つのスイッチングトランジスタM及びM’から成るハーフブリッジ型構造を利用するこの接続形態はしたがって、E級電圧変換段3の動作周期を変更することができ、これにより出力において、可変振幅の励起電圧VEを発生させることができる。
【0048】
具体的には、本接続形態によって、充電フェーズ及び転移フェーズの他に、新規のフェーズを、E級増幅器の動作周期に導入する、すなわちトランジスタM及びM’から成るハーフブリッジに直列接続されるインダクタを充電しない共振フェーズを導入して、可変振幅の出力の生成を可能にすることができる。
【0049】
この目的のために、これまでの説明から分かるように、ハーフブリッジを構成する2つのトランジスタを制御する方法は、第2スイッチングトランジスタM’の開閉を制御する制御パルス列V2の特性に主として基づいて行なわれる。
【0050】
新規に提案される接続形態では、スイッチングトランジスタMの開閉を制御する制御パルス列V1は、図4または5を参照しながら説明した「純」E級接続形態において用いられる制御列から変わっていない。
【0051】
このような制御パルス列V1を図10に矩形信号形で示す。
【0052】
有利な点として、制御パルス列V1は次の特徴を有する:
−50%のデューティ比;
−最初の制御パルスが後続パルスの約2分の1のパルス幅を有する。
【0053】
最初のパルスの幅を短くすることによって、特に、最初のピーク群の過電圧を最小にする、すなわち噴射の最初の時点で非常に大きくなる可能性のある(従って、トランジスタ破壊を起こす可能性がある)過電圧を最小にすることができる。
【0054】
このように、噴射制御中の各動作周期では従って、ハイ状態の制御パルス列V1をトランジスタMのゲートに印加して(トランジスタを閉じる)、Vinterから給電されるインダクタLpが充電される充電フェーズを制御し、そしてロー状態の制御パルス列V1をトランジスタMのゲートに印加して(トランジスタを開く)、当該インダクタに蓄積されるエネルギーを共振超音波圧電素子駆動段に向かって再び放出させる転移フェーズを制御する。
【0055】
これとは異なり、この制御パルス列V1を、第2スイッチングトランジスタM’の第2制御パルス列V2の位相基準として使用することが必須である。
【0056】
第2制御パルス列V2は、例えばPWM(パルス幅変調)信号、すなわち矩形信号であり、この信号のデューティサイクルを変えることにより、第2スイッチングトランジスタM’の開閉時間を制御することができる。当該第2制御パルス列V2を更に高精度に使用することにより、トランジスタM’の開いた時点を制御し、この開いた時点では、直列インダクタLpの充電を、第1スイッチングトランジスタMが閉じた状態で抑制することが望ましい。
【0057】
第2スイッチングトランジスタM’を充電フェーズの少なくとも一部に亘って開くこの構成(すなわち、第1スイッチングトランジスタMが閉じた状態で)により、特に、直列インダクタLpに蓄積されるエネルギーを動作周期毎に制限することができ、従って定常状態のE級変換段3の出力に供給される信号の合計振幅を制限することができる。
【0058】
段3の出力に発生する励磁電圧VEの振幅は、基本的に、周期毎の第2スイッチングトランジスタM’の開いた時間Dによって変わる。この開いた時間が長くなると、直列インダクタLpに周期的に蓄積されるエネルギーが小さくなり、そして励磁電圧VEの振幅が小さくなる。
【0059】
この開いた時間は、制御パルス列V2のデューティサイクルを変えることにより管理することができる。
【0060】
制御パルス列V1及びV2の以下の特徴を更に、図10から分かるように考慮に入れる必要がある:
−噴射開始前に、第1スイッチングトランジスタMが制御されて開いた状態(制御パルス列V1のロー状態)になり、そして
−噴射開始前に、第2スイッチングトランジスタM’が制御されて閉じた状態(制御パルス列V2のハイ状態)になる。
【0061】
変換段3の直列インダクタ付きハーフブリッジ構成によって、2つの動作状態を確認することができる:
−「全振幅」と表記される動作であり、この全振幅動作では、第2スイッチングトランジスタM’が常に閉じた状態になるように制御される。この状態における動作は、図4または5を参照しながら説明した基本E級変換段の動作と同じであり、そして
−「部分振幅」と表記される動作であり、この部分振幅動作では、上に既に開示されている原理に従って、第2スイッチングトランジスタM’が、充電フェーズ中に開いた状態になる(すなわち、第1スイッチングトランジスタMが閉じた状態で)ように制御され、かつ転移フェーズ中に閉じた状態になる(すなわち、第1スイッチングトランジスタMが開いた状態で)ように制御される。
【0062】
従って、第2スイッチングトランジスタM’を周期的に開いた状態にするこの第2動作モードでは、噴射期間全体を通じて、段3の出力における信号VEの包絡線振幅を制御することができる。
【0063】
従って、噴射を、制御包絡線を変化させて実行することができる。包絡線のこのような変化を図11に示す。噴射制御の開始時点では、電圧VEの最大振幅は、トランジスタM’を制御して常に閉じた状態にすることにより得られる。次に、噴射制御の第2部分では、PWM信号形の制御パルス列V2をスイッチングトランジスタM’のゲートに印加することにより、電圧VEの振幅値を制限することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の内燃エンジンの電子制御噴射の分野に関するものである。本発明は、更に具体的には、共振超音波圧電素子駆動段の燃料インジェクタを制御する装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このタイプの制御装置の公知の構造を図1に模式的に示す。
【0003】
このような装置は、制御コンピュータ10により、かつ直流電圧源VBATT、例えば車両のバッテリにより電気的に制御されるインジェクタの少なくとも1つの共振超音波圧電素子駆動段1を制御するように設計される。当該制御装置は:
−直流電圧VBATTをステップアップさせて中間直流電圧Vinter(数百ボルト、例えば250V)を生成する第1段2と;
−中間直流電圧Vinterから供給される中間直流電圧Vinterを変換し、かつ共振超音波圧電素子駆動段1の交流励磁電圧VEを生成するために適する第2段3と、
を備える。
【0004】
特定の状況では、噴射中に噴射される燃料の量を微細に変化させて、例えば燃料が噴射される燃焼室内の圧力変化を補正することができる、または特定の流量分布に合わせることができることが必要になる。
【0005】
しかしながら、極めてフレキシブルに、噴射中に噴射される燃料の流量分布に影響を与えることを可能にするために、インジェクタの圧電素子段1の励磁信号の振幅(すなわち、変換段3の出力に現われる信号VEの振幅)をフレキシブル、かつ迅速に変化させることができることが必須である。
【0006】
従って、電圧ステップアップ段2の出力に供給される中間電圧Vinterを迅速に変化させる構成を想到することができる。従って、変換段の出力に現われる電圧VEの包絡線の振幅を結果的に迅速に変化させることもできる。
【0007】
図2は、「昇圧」型の電圧コンバータ回路を示しており、この電圧コンバータ回路は従来より、直流電圧源VBATT、例えば充放電容量CBATTを持つバッテリにより駆動される電圧ステップアップ段2を形成するために使用される。この回路は、インダクタLboostと、制御モジュール20により制御されるスイッチとして動作するMOSFETトランジスタKと、ダイオードDboostと、そして蓄積コンデンサCboostとから成る。当該制御モジュールは、信号を高周波パルス列の形式で供給して、トランジスタKを周期的に導通させる。トランジスタKが導通すると、インダクタLboostは、当該インダクタの両端に電圧VBATTが印加されて充電される。トランジスタKが開くと、ダイオードDboostとが導通し、そしてインダクタに蓄積されるエネルギーによって電流が流れ、この電流でコンデンサCboostが充電されることになる。
【0008】
蓄積コンデンサCboostはこのようにして、所望の値のVinterが当該コンデンサの両端に現われるまで充電される。
【0009】
しかしながら、「昇圧」型のこのステップアップ回路によって、生成される中間電圧Vinterの迅速な振幅変化を実現することはできない。当該ステップアップ回路は、所望の効果を変換段3の出力において実現する、すなわちこの段の出力に現われる励磁電圧VEの迅速な変化を実現することができるようにするためには極めて大規模になってしまう。しかしながら、このように大規模になると、非常に大きく、かつ非常に高価なトランジスタを選択することになり、低効率の問題、従って電圧ステップアップ段2が過熱する問題が生じる。
【発明の概要】
【0010】
従って、本発明の1つの目的は、インジェクタの共振超音波圧電素子駆動段の励磁信号の包絡線の振幅を変換段の出力で、制御電子機器を合理的なサイズに保持しながら極めて迅速に変化させることにより、自動車のエンジン制御に関して許容し得る容積/重量/コストの妥協点を確保することができる解決策を提案することにある。
【0011】
この目的を念頭に置いて、本発明の主題は、制御コンピュータにより、かつ直流電圧源により電気的に制御されるインジェクタの少なくとも1つの共振超音波圧電素子駆動段を制御する装置であり、前記装置は:
−前記直流電圧をステップアップして、中間直流電圧を生成する第1段と、
−前記中間直流電圧を変調する第2段を備え、前記第2段は、前記中間直流電圧に接続されるインダクタと、そして第1スイッチングトランジスタを含み、前記第1スイッチングトランジスタは、前記インダクタを充電するフェーズ、及び前記インダクタに蓄積されるエネルギーを第1制御パルス列に応答して転移するフェーズを選択的に制御することにより、前記共振超音波圧電素子駆動段の励磁電圧を生成するために適する。
【0012】
本発明は、更に具体的には、前記第2段は、前記第1スイッチングトランジスタのドレインと前記インダクタの一方の端子との間に直列接続される第2スイッチングトランジスタを含み、前記第2スイッチングトランジスタは、前記充電フェーズ中に前記インダクタに蓄積されるエネルギーを第2制御パルス列に応答して制限することにより、前記励磁電圧の振幅を減少させるために適することを特徴とする。
【0013】
有利な点として、前記第1スイッチングトランジスタの前記ドレインは、前記共振超音波圧電素子駆動段にコンデンサを介して接続される。
【0014】
1つの変形例として、前記第1スイッチングトランジスタの前記ドレインは更に、前記共振超音波圧電素子駆動段にトランスを介して接続することができる。
【0015】
この変形例によれば、前記トランスの1次巻線は、一方の端子を介して前記第1スイッチングトランジスタの前記ドレインに接続され、そして他方の端子を介してグランドに接続され、前記1次巻線は前記コンデンサに並列接続される。
【0016】
別の変形例によれば、前記第2スイッチングトランジスタのドレインは、前記共振超音波圧電素子駆動段にトランスを介して接続される。
【0017】
この別の変形例によれば、前記トランスの前記1次巻線は、一方の端子を介して前記中間直流電圧に接続され、そして他方の端子を介して前記第2スイッチングトランジスタの前記ドレインに接続され、コンデンサが、前記中間直流電圧と前記第1スイッチングトランジスタの前記ドレインとの間に接続される。
【0018】
好適には、前記第2制御パルス列は、前記第2スイッチングトランジスタを制御して、前記充電フェーズの少なくとも一部において開いた状態にするために適するPWM信号であり、前記充電フェーズの少なくとも一部では、前記第1スイッチングトランジスタが制御されて閉じた状態になる。
【0019】
有利な点として、前記第1電圧ステップアップ段は、昇圧型の電圧コンバータを含む。
【0020】
本発明はまた、制御コンピュータにより、かつ直流電圧源により電気的に制御されるインジェクタの少なくとも1つの共振超音波圧電素子駆動段を制御する方法に関するものであり、前記方法は:
−前記直流電圧を増幅して、中間直流電圧を生成する工程と;
−前記共振超音波圧電素子駆動段の励磁電圧を前記中間直流電圧から生成する工程を含み、前記励磁電圧生成工程では、制御周波数で、第1スイッチングトランジスタを制御して閉じた状態にすることにより、前記中間直流電圧に接続されるインダクタの充電フェーズを制御し、そして開いた状態にすることにより、前記インダクタに蓄積されるエネルギーを前記共振超音波圧電素子駆動段に転移するフェーズを制御し、
前記方法は、前記充電フェーズ中に前記インダクタに蓄積される前記エネルギーを制限して励磁信号の振幅を減少させる工程を含み、前記減少工程では、前記第1スイッチングトランジスタのドレインと前記インダクタとの間に直列接続される第2スイッチングトランジスタを制御して、前記充電フェーズの少なくとも一部において開いた状態にすることを特徴とする。
【0021】
有利な点として、前記共振超音波圧電素子駆動段の前記励磁電圧の振幅の減少は、充電フェーズ毎の前記第2スイッチングトランジスタの開いた時間によって変わる。
【0022】
本発明の他の特徴及び利点は、例示的かつ非制限的な例として与えられ、かつ添付の図を参照しながら為される以下の記述を一読することにより一層明確になるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、内燃エンジンの燃料インジェクタの共振超音波圧電素子駆動段の公知の制御装置であって、既に説明されている公知の制御装置の簡単な電子回路図を表わしている。
【図2】図2は、「昇圧」型の電圧ステップアップ段を形成する図1の公知の制御装置であって、既に説明されている公知の制御装置の第1段の電子回路図を表わしている。
【図3】図3は、本発明による制御装置の第2電圧変換段の出力で得られる制御電圧のダイナミックレンジが大きくなっている可変振幅包絡線形状を示すタイミングチャートを表わしている。
【図4】図4は、インジェクタの圧電素子駆動段に接続される第2電圧変換段であって、公知の制御装置の第2電圧変換段の電子回路図を表わしている。
【図5】図5は、図4の変形実施形態を表わしている。
【図6】図6は、直列接続インダクタを有するハーフブリッジ型構造を利用した本発明によるインジェクタ制御装置の電圧変換段の電子回路図を表わしている。
【図7】図7は、ハーフブリッジ型構造の下流の受動回路を幾つかの可能な構成とした場合の図6の回路の変形例を表わしている。
【図8】図8は、ハーフブリッジ型構造の下流の受動回路を幾つかの可能な構成とした場合の図6の回路の変形例を表わしている。
【図9】図9は、ハーフブリッジ型構造の下流の受動回路を幾つかの可能な構成とした場合の図6の回路の変形例を表わしている。
【図10】図10は、ハーフブリッジ型構造を構成するトランジスタ群のそれぞれの制御信号のタイミングチャートを表わし、このハーフブリッジ型構造に、本発明によるインジェクタ制御装置の電圧変換段を載せている。
【図11】図11は、本発明の原理によるインジェクタの励磁信号を変換する例を表わしている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、図1を参照して既に説明した電圧ステップアップ段及び変換段を有する制御装置を利用する。
【0025】
本発明は、上に説明した制御装置の変換段を変更して、この段の出力に供給される(従って、注目するインジェクタの入力端子に供給される)励磁電圧の振幅を大きなダイナミックレンジで変化させることができるようにすることを提案する。インジェクタの励磁電圧包絡線の振幅を大きなダイナミックレンジで変化させるこの原理について図3を参照しながら説明し、図3は、非常にフレキシブルな噴射制御を可能にするために適する励磁電圧VEの包絡線の形状Pを示している。
【0026】
従って、本発明は、変換段で実行される変換の他に、インジェクタの励磁電圧ピークの振幅を変化させる機能を含み、この変換段では、電圧ピーク群自体を、好ましくはインジェクタの共振周波数で発生させる。
【0027】
このタイプの電圧包絡線信号を図3に示すように生成するために、本発明による制御装置の変換段3は、図4に示すように、これも公知である接続形態を利用する。
【0028】
従って、電圧変換段3は、パルス電圧発生器の形態で使用され、このパルス電圧発生器は、当該出力に接続されるインジェクタの超音波圧電素子駆動段1の励磁電圧VEを電圧パルス列として、スイッチングトランジスタM、例えばMOSFET型トランジスタの制御電極でドライバ段30を介して受信する適切な周波数の制御パルス列V1に応答して供給することができる。
【0029】
更に正確には、このパルス電圧発生器は、中間直流電圧Vinter(電圧ステップアップ段2の出力)に接続され、かつトランジスタMにより制御されるインダクタンスコイルLpと、そして当該コイルに並列接続され、かつ容量Cpを有するコンデンサを備え、このコンデンサの両端に、共振超音波圧電素子駆動段1が接続される。
【0030】
共振超音波圧電素子駆動段のインジェクタは、インダクタ及びコンデンサに直列接続される抵抗を備える直列共振回路によりモデル化することができる。脈波発生装置及び共振超音波ピエゾインジェクタの充電をモデル化する直列共振回路の組み合わせは普通、この技術分野の当業者からは「準E級増幅器」と呼ばれている。
【0031】
従って、制御パルス列V1がトランジスタMのゲートに印加される影響で、トランジスタMのドレインから、変換段3の出力に接続される共振超音波圧電素子駆動段1を励磁することができる電圧パルス列VEを供給することができる。
【0032】
1つの変形例として、図5を参照するに、パルス電圧発生器は、トランスT及びコンデンサCpから成るアセンブリを備え、これらの素子は、中間直流電圧VinterとスイッチングトランジスタMのドレインとの間に並列接続される。更に正確には、スイッチングトランジスタMのドレインは、共振超音波圧電素子駆動段1にトランスTを介して接続され、このトランスTの1次巻線は、コンデンサCpに、かつ中間直流電圧VinterとトランジスタMのドレインとの間に並列接続され、そしてこのトランスTの2次巻線は、共振超音波圧電素子駆動段1に接続される。
【0033】
E級増幅器の動作周期では、制御列により定義され、かつ充電共振回路の共振周波数に対応する周波数で定常的に繰り返される2つの動作フェーズを利用する:
−充電フェーズ:トランジスタMを閉じる;充電共振回路が短絡され、そして「それ自体で」共振する(充電共振回路は、当該回路の電力消費素子においてわずかなエネルギーを失う)のに対し、インダクタLpは、当該インダクタにVinterから給電されるので充電される。
−転移フェーズ:トランジスタMを開く;インダクタに蓄積されるエネルギーが充電共振回路に向かって再び放出され、そして充電共振回路の損失を埋め合わせる。
【0034】
このタイプの接続形態の増幅率(すなわち、Vinterと出力電圧VEの最大振幅との比)は、構造的に約3〜4である。詳細には、インダクタに蓄積され、次に周期毎に充電される共振回路に再び放出されるエネルギーの量を制御することはできない。従って、電圧変換段の出力における励磁電圧VEの振幅は、電圧ステップアップ段の出力電圧Vinterの値により主として決定される。
【0035】
次に、図6は、「E級」タイプの変換段の動作を変更して、この段の出力(従って、注目するインジェクタの入力端子)に供給される励磁信号VEの振幅を極めて迅速に変化させることができるようにした変換段の新規の接続形態を示している。本発明による電圧変換段3は、「直列インダクタ付きハーフブリッジ」型構造を利用する。ハーフブリッジ型構造は、グランドと、中間直流電圧Vinterから給電されるインダクタコイルLpとの間に直列接続される2つのトランジスタM及びM’から成る。
【0036】
従って、図4または5を参照して説明された接続形態と比較すると、電圧変換段3を構成するパルス電圧発生器は、第2スイッチングトランジスタM’、例えばMOSFET型トランジスタを備え、このトランジスタM’は、トランジスタM(このトランジスタのソースはグランドに接続される)のドレイン(図6のポイントC)とインダクタコイルLpの一方の端子(ポイントB)との間に直列接続され、インダクタコイルLpの他方の端子(ポイントA)は、中間直流電圧源Vinter(電圧ステップアップ段2の出力)に接続される。
【0037】
トランジスタM及びM’には、ドライバ30及び40を介して、該当する制御パルス列V1及びV2を印加して、トランジスタM及びM’の開閉をそれぞれ制御することができ、これらのトランジスタの特徴については、以下に詳細に説明される。
【0038】
更に、ハーフブリッジ型構造の下流の受動回路50の幾つかの構成を想到することができる。
【0039】
従って、図7は、直接振幅変調を行なう接続形態を、すなわちインジェクタの共振超音波圧電素子駆動段が、ハーフブリッジ型構造を構成するトランジスタM及びM’に直接接続される接続形態を詳細に示している。この接続形態は、簡潔性及びコストの点で利点を有する。これとは異なり、インジェクタを、使用するこれらのトランジスタの最大絶縁耐圧(自動車の関連部品に使用することができるIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)型トランジスタの場合は約1200V)よりも大きい出力振幅で制御することはできない。
【0040】
電圧変換段3の出力においてより大きくなるインジェクタの励磁電圧VEを得るために、図8を参照して、そして図9を参照して示される接続形態のようなトランスTを含む接続形態を使用することができる。
【0041】
図8によれば、第2スイッチングトランジスタM’のドレインは、共振超音波圧電素子駆動段1にトランスTを介して接続される。更に正確には、トランスの1次巻線は、中間直流電圧Vinterと第2スイッチングトランジスタM’のドレインとの間に接続され、次に、インダクタコイルLpは、トランスTの1次巻線から成り、そして2次巻線は、共振超音波圧電素子駆動段の両端子に接続される。コンデンサCpが更に、中間直流電圧Vinterと第1スイッチングトランジスタMのドレインとの間に接続される。
【0042】
1つの変形例として、図9によれば、トランスT及びコンデンサCpから成るアセンブリは、第1スイッチングトランジスタMのドレインとグランドとの間に並列接続される。更に正確には、第1スイッチングトランジスタMのドレインは、共振超音波圧電素子駆動段1にトランスTを介して接続され、このトランスTの1次巻線は、コンデンサCpに、かつトランジスタMのドレインとグランドとの間に並列接続され、そしてこのトランスの2次巻線は、共振超音波圧電素子駆動段1に接続される。
【0043】
これらの2つの変形例によって、使用するトランジスタの絶縁耐圧よりもずっと大きい振幅を発生させることができ、これによって更に、トランスの変換比と適用トランジスタの耐圧との妥協点を、より高い効率で、かつより低いコストで見出すことができる。
【0044】
ハーフブリッジ型構造の下流の受動回路の実施形態に関係なく、ハーフブリッジ型構造の価値は、「純」E級接続形態(図4または5)とは異なり、共振超音波圧電素子駆動段1をモデル化した充電共振回路を短絡させることができるとともに、中間直流電圧Vinter(電圧ステップアップ段2の出力)に接続される直列インダクタLpを手順通りに充電しなくても済むことにある。
【0045】
詳細には、或る時間に亘って、第2スイッチングトランジスタM’が開いていると仮定すると、第1スイッチングトランジスタMを閉じて、インジェクタの共振超音波圧電素子駆動段1を、インダクタLpを充電することなく共振させることができ、このインダクタLpは従って、第2スイッチングトランジスタM’によってグランドから分離され、これにより、第2スイッチングトランジスタM’の開いた状態では、第1スイッチングトランジスタMのドレインをインダクタLpから遮断することができる。
【0046】
従って、第2スイッチングトランジスタM’の開いた時間によって変わるが、段3の出力に供給される信号の振幅を大幅に小さくすることができ、従って、注目するインジェクタに印加される励磁信号VEの包絡線の振幅を制御することができる。
【0047】
制御パルス列V1及びV2によってそれぞれ制御される2つのスイッチングトランジスタM及びM’から成るハーフブリッジ型構造を利用するこの接続形態はしたがって、E級電圧変換段3の動作周期を変更することができ、これにより出力において、可変振幅の励起電圧VEを発生させることができる。
【0048】
具体的には、本接続形態によって、充電フェーズ及び転移フェーズの他に、新規のフェーズを、E級増幅器の動作周期に導入する、すなわちトランジスタM及びM’から成るハーフブリッジに直列接続されるインダクタを充電しない共振フェーズを導入して、可変振幅の出力の生成を可能にすることができる。
【0049】
この目的のために、これまでの説明から分かるように、ハーフブリッジを構成する2つのトランジスタを制御する方法は、第2スイッチングトランジスタM’の開閉を制御する制御パルス列V2の特性に主として基づいて行なわれる。
【0050】
新規に提案される接続形態では、スイッチングトランジスタMの開閉を制御する制御パルス列V1は、図4または5を参照しながら説明した「純」E級接続形態において用いられる制御列から変わっていない。
【0051】
このような制御パルス列V1を図10に矩形信号形で示す。
【0052】
有利な点として、制御パルス列V1は次の特徴を有する:
−50%のデューティ比;
−最初の制御パルスが後続パルスの約2分の1のパルス幅を有する。
【0053】
最初のパルスの幅を短くすることによって、特に、最初のピーク群の過電圧を最小にする、すなわち噴射の最初の時点で非常に大きくなる可能性のある(従って、トランジスタ破壊を起こす可能性がある)過電圧を最小にすることができる。
【0054】
このように、噴射制御中の各動作周期では従って、ハイ状態の制御パルス列V1をトランジスタMのゲートに印加して(トランジスタを閉じる)、Vinterから給電されるインダクタLpが充電される充電フェーズを制御し、そしてロー状態の制御パルス列V1をトランジスタMのゲートに印加して(トランジスタを開く)、当該インダクタに蓄積されるエネルギーを共振超音波圧電素子駆動段に向かって再び放出させる転移フェーズを制御する。
【0055】
これとは異なり、この制御パルス列V1を、第2スイッチングトランジスタM’の第2制御パルス列V2の位相基準として使用することが必須である。
【0056】
第2制御パルス列V2は、例えばPWM(パルス幅変調)信号、すなわち矩形信号であり、この信号のデューティサイクルを変えることにより、第2スイッチングトランジスタM’の開閉時間を制御することができる。当該第2制御パルス列V2を更に高精度に使用することにより、トランジスタM’の開いた時点を制御し、この開いた時点では、直列インダクタLpの充電を、第1スイッチングトランジスタMが閉じた状態で抑制することが望ましい。
【0057】
第2スイッチングトランジスタM’を充電フェーズの少なくとも一部に亘って開くこの構成(すなわち、第1スイッチングトランジスタMが閉じた状態で)により、特に、直列インダクタLpに蓄積されるエネルギーを動作周期毎に制限することができ、従って定常状態のE級変換段3の出力に供給される信号の合計振幅を制限することができる。
【0058】
段3の出力に発生する励磁電圧VEの振幅は、基本的に、周期毎の第2スイッチングトランジスタM’の開いた時間Dによって変わる。この開いた時間が長くなると、直列インダクタLpに周期的に蓄積されるエネルギーが小さくなり、そして励磁電圧VEの振幅が小さくなる。
【0059】
この開いた時間は、制御パルス列V2のデューティサイクルを変えることにより管理することができる。
【0060】
制御パルス列V1及びV2の以下の特徴を更に、図10から分かるように考慮に入れる必要がある:
−噴射開始前に、第1スイッチングトランジスタMが制御されて開いた状態(制御パルス列V1のロー状態)になり、そして
−噴射開始前に、第2スイッチングトランジスタM’が制御されて閉じた状態(制御パルス列V2のハイ状態)になる。
【0061】
変換段3の直列インダクタ付きハーフブリッジ構成によって、2つの動作状態を確認することができる:
−「全振幅」と表記される動作であり、この全振幅動作では、第2スイッチングトランジスタM’が常に閉じた状態になるように制御される。この状態における動作は、図4または5を参照しながら説明した基本E級変換段の動作と同じであり、そして
−「部分振幅」と表記される動作であり、この部分振幅動作では、上に既に開示されている原理に従って、第2スイッチングトランジスタM’が、充電フェーズ中に開いた状態になる(すなわち、第1スイッチングトランジスタMが閉じた状態で)ように制御され、かつ転移フェーズ中に閉じた状態になる(すなわち、第1スイッチングトランジスタMが開いた状態で)ように制御される。
【0062】
従って、第2スイッチングトランジスタM’を周期的に開いた状態にするこの第2動作モードでは、噴射期間全体を通じて、段3の出力における信号VEの包絡線振幅を制御することができる。
【0063】
従って、噴射を、制御包絡線を変化させて実行することができる。包絡線のこのような変化を図11に示す。噴射制御の開始時点では、電圧VEの最大振幅は、トランジスタM’を制御して常に閉じた状態にすることにより得られる。次に、噴射制御の第2部分では、PWM信号形の制御パルス列V2をスイッチングトランジスタM’のゲートに印加することにより、電圧VEの振幅値を制限することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御コンピュータ(10)により、かつ直流電圧源(VBATT)により電気的に制御されるインジェクタの少なくとも1つの共振超音波圧電素子駆動段(1)を制御する装置であって:
−前記直流電圧(VBATT)をステップアップして、中間直流電圧(Vinter)を生成する第1段(2)と、
−前記中間直流電圧(Vinter)を変換する第2段(3)を備え、前記第2段(3)は、前記中間直流電圧に接続されるインダクタ(Lp)と、第1スイッチングトランジスタ(M)を含み、前記第1スイッチングトランジスタ(M)は、前記インダクタを充電するフェーズ、及び前記インダクタに蓄積されるエネルギーを第1制御パルス列(V1)に応答して転移するフェーズを選択的に制御することにより、前記共振超音波圧電素子駆動段(1)の励磁電圧(VE)を生成するために適し、
前記第2段は、前記第1スイッチングトランジスタ(M)のドレインと前記インダクタ(Lp)の一方の端子との間に直列接続される第2スイッチングトランジスタ(M’)を含み、前記第2スイッチングトランジスタ(M’)は、前記充電フェーズ中に前記インダクタに蓄積されるエネルギーを第2制御パルス列(V2)に応答して制限することにより、前記励磁電圧の振幅を減少させるために適することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1スイッチングトランジスタ(M)の前記ドレインは、前記共振超音波圧電素子駆動段(1)にコンデンサ(Cp)を介して接続されることを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1スイッチングトランジスタ(M)の前記ドレインは、前記共振超音波圧電素子駆動段(1)にトランス(T)を介して接続されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記トランス(T)の1次巻線は、一方の端子を介して前記第1スイッチングトランジスタ(M)の前記ドレインに接続され、他方の端子を介してグランドに接続され、前記1次巻線は前記コンデンサ(Cp)に並列接続されることを特徴とする、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第2スイッチングトランジスタ(M’)のドレインは、前記共振超音波圧電素子駆動段(1)にトランス(T)を介して接続されることを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記トランス(T)の1次巻線は、一方の端子を介して前記中間直流電圧(Vinter)に接続され、他方の端子を介して前記第2スイッチングトランジスタ(M’)の前記ドレインに接続され、コンデンサ(Cp)が、前記中間直流電圧と前記第1スイッチングトランジスタ(M)の前記ドレインとの間に接続されることを特徴とする、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第2制御パルス列(V2)は、前記第2スイッチングトランジスタ(M’)を制御して、前記充電フェーズの少なくとも一部において開いた状態にするために適するPWM信号であり、前記充電フェーズの少なくとも一部では、前記第1スイッチングトランジスタ(M)が制御されて閉じた状態になることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第1段(2)は、昇圧型の電圧コンバータを含むことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
制御コンピュータ(10)により、かつ直流電圧源(VBATT)により電気的に制御されるインジェクタの少なくとも1つの共振超音波圧電素子駆動段(1)を制御する方法であって:
−前記直流電圧を増幅して、中間直流電圧(Vinter)を生成する工程と;
−前記共振超音波圧電素子駆動段の励磁電圧(VE)を前記中間直流電圧から生成する工程を含み、前記励磁電圧生成工程では、制御周波数で、第1スイッチングトランジスタ(M)を制御して閉じた状態にすることにより、前記中間直流電圧に接続されるインダクタ(Lp)の充電フェーズを制御し、そして開いた状態にすることにより、前記インダクタに蓄積されるエネルギーを前記共振超音波圧電素子駆動段に転移するフェーズを制御し、
前記方法は、前記充電フェーズ中に前記インダクタに蓄積される前記エネルギーを制限して励磁信号の振幅を減少させる工程を含み、前記減少工程では、前記第1スイッチングトランジスタのドレインと前記インダクタとの間に直列接続される第2スイッチングトランジスタ(M’)を制御して、前記充電フェーズの少なくとも一部において開いた状態にすることを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記共振超音波圧電素子駆動段の前記励磁電圧の振幅の減少は、充電フェーズ毎の前記第2スイッチングトランジスタの開いた時間(D)によって変わることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項1】
制御コンピュータ(10)により、かつ直流電圧源(VBATT)により電気的に制御されるインジェクタの少なくとも1つの共振超音波圧電素子駆動段(1)を制御する装置であって:
−前記直流電圧(VBATT)をステップアップして、中間直流電圧(Vinter)を生成する第1段(2)と、
−前記中間直流電圧(Vinter)を変換する第2段(3)を備え、前記第2段(3)は、前記中間直流電圧に接続されるインダクタ(Lp)と、第1スイッチングトランジスタ(M)を含み、前記第1スイッチングトランジスタ(M)は、前記インダクタを充電するフェーズ、及び前記インダクタに蓄積されるエネルギーを第1制御パルス列(V1)に応答して転移するフェーズを選択的に制御することにより、前記共振超音波圧電素子駆動段(1)の励磁電圧(VE)を生成するために適し、
前記第2段は、前記第1スイッチングトランジスタ(M)のドレインと前記インダクタ(Lp)の一方の端子との間に直列接続される第2スイッチングトランジスタ(M’)を含み、前記第2スイッチングトランジスタ(M’)は、前記充電フェーズ中に前記インダクタに蓄積されるエネルギーを第2制御パルス列(V2)に応答して制限することにより、前記励磁電圧の振幅を減少させるために適することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1スイッチングトランジスタ(M)の前記ドレインは、前記共振超音波圧電素子駆動段(1)にコンデンサ(Cp)を介して接続されることを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1スイッチングトランジスタ(M)の前記ドレインは、前記共振超音波圧電素子駆動段(1)にトランス(T)を介して接続されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記トランス(T)の1次巻線は、一方の端子を介して前記第1スイッチングトランジスタ(M)の前記ドレインに接続され、他方の端子を介してグランドに接続され、前記1次巻線は前記コンデンサ(Cp)に並列接続されることを特徴とする、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第2スイッチングトランジスタ(M’)のドレインは、前記共振超音波圧電素子駆動段(1)にトランス(T)を介して接続されることを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記トランス(T)の1次巻線は、一方の端子を介して前記中間直流電圧(Vinter)に接続され、他方の端子を介して前記第2スイッチングトランジスタ(M’)の前記ドレインに接続され、コンデンサ(Cp)が、前記中間直流電圧と前記第1スイッチングトランジスタ(M)の前記ドレインとの間に接続されることを特徴とする、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第2制御パルス列(V2)は、前記第2スイッチングトランジスタ(M’)を制御して、前記充電フェーズの少なくとも一部において開いた状態にするために適するPWM信号であり、前記充電フェーズの少なくとも一部では、前記第1スイッチングトランジスタ(M)が制御されて閉じた状態になることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第1段(2)は、昇圧型の電圧コンバータを含むことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
制御コンピュータ(10)により、かつ直流電圧源(VBATT)により電気的に制御されるインジェクタの少なくとも1つの共振超音波圧電素子駆動段(1)を制御する方法であって:
−前記直流電圧を増幅して、中間直流電圧(Vinter)を生成する工程と;
−前記共振超音波圧電素子駆動段の励磁電圧(VE)を前記中間直流電圧から生成する工程を含み、前記励磁電圧生成工程では、制御周波数で、第1スイッチングトランジスタ(M)を制御して閉じた状態にすることにより、前記中間直流電圧に接続されるインダクタ(Lp)の充電フェーズを制御し、そして開いた状態にすることにより、前記インダクタに蓄積されるエネルギーを前記共振超音波圧電素子駆動段に転移するフェーズを制御し、
前記方法は、前記充電フェーズ中に前記インダクタに蓄積される前記エネルギーを制限して励磁信号の振幅を減少させる工程を含み、前記減少工程では、前記第1スイッチングトランジスタのドレインと前記インダクタとの間に直列接続される第2スイッチングトランジスタ(M’)を制御して、前記充電フェーズの少なくとも一部において開いた状態にすることを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記共振超音波圧電素子駆動段の前記励磁電圧の振幅の減少は、充電フェーズ毎の前記第2スイッチングトランジスタの開いた時間(D)によって変わることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−505625(P2012−505625A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530536(P2011−530536)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051944
【国際公開番号】WO2010/043808
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(507308902)ルノー・エス・アー・エス (281)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051944
【国際公開番号】WO2010/043808
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(507308902)ルノー・エス・アー・エス (281)
【Fターム(参考)】
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