説明

共有光ハイブリッド(SharedOpticalHybrid)および多波長(Multi−Wavelength)局部発振器を有する多波長コヒーレント受信器(CoherentReceiver)

多波長信号のディジタル・コヒーレント検出のための例示的装置は、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドと、少なくとも4つの波長逆多重化(W−DMUX)フィルタと、4Mの検出器と、4Mのアナログ・ディジタル変換器(ADC)とを含み、Mは1より大きい整数である。ハイブリッドは、異なる波長にあるMのサブ・チャネルを含む多波長信号を受けるための第1の入力と、Mのサブ・チャネルの中心波長を近似する異なる波長にある、Mの連続波基準を含む基準光源を受けるための第2の入力とを有する。ハイブリッドは少なくとも4つの出力を有する。各W−DMUXフィルタのためのW−DMUX入力は、ハイブリッド出力のうちの対応する1つを供給され、各W−DMUXフィルタはMのフィルタをかけられた光チャネル出力を供給する。各検出器は、フィルタをかけられたチャネル出力のうちの少なくとも1つを対応する電気信号に変換する。各ADCは、電気信号のうちの1つを対応するディジタル信号に変換する。対応するディジタル信号は、Mのサブ・チャネルを表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光システムに関し、より詳細にはディジタル・コヒーレント検出(digital coherent detection)のためのシステム、装置および技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル・コヒーレント検出(DCD)は、受信された光信号の振幅と位相の両方の情報へのアクセスを可能にさせ、それにより、分散および偏波モード分散(PMD)など、伝送減損(transmission impairment)のディジタル補償を可能にすることによって、高速光受信器のための魅力的な技術として近年出現した。図1は、従来のディジタル・コヒーレント受信器100を示す。光局部発振器(OLO)110は、基準源(reference source)Rを発生する。信号Sおよび基準源Rが、6ポート偏波ダイバーシティ光ハイブリッド(Polarization Diversity-Optical Hybrid)120の入力ポートに供給される。原理上は、ハイブリッドは、基準源と検出されるべき信号との4つの異なるベクトル加算(vectorial addition)が得られるように互いに接続されたリニア・ディバイダ(linear divider)およびコンバイナ(combiner)からなる。例えば、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、2つの偏波ビーム・スプリッタ(polarization beam splitter)(PBS)および2つの光ハイブリッドによって構築されうる。各光ハイブリッドは、マイケルソン干渉計(Michelson interferometer)またはマイケルソン干渉計に類似の構造に基づいてよい。光コヒーレント検出のために、6ポート偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、入力信号Sを基準源Rと混合して4つの混合信号、(S+R)、(S+jR)、(S+R)、および(S+jR)を得る。ここで、SおよびSは信号Sの2つの直交偏波成分(orthogonal polarization component)の光場(optical field)であり、RおよびRは基準Rの2つの直交偏波成分の光場であり、jは虚数単位である。次いで、4つの出力混合信号の電力波形が、シングル・エンド検出器(single-ended detector)(SD)125で検出され、アナログ・ディジタル変換器(Analog-to-Digital Converter)(ADC)130に供給されうる。結果として得られるディジタル・ドメイン信号(digital domain signal)Ix(y)およびQx(y)は、Ix(y)∝C+real(Sx(y))、およびQx(y)C+∝imag(Sx(y))、ここでCは定数、として、信号Sの2つの偏波成分のそれぞれの同相(in-phase)(I)成分すなわち実数成分および直交(quadrature)(Q)成分すなわち虚数成分に関する。これらのディジタル信号は、さらなる処理のためにディジタル・シグナル・プロセッサ(Digital Signal Processor)(DSP)140に供給される。適切な信号処理アルゴリズム(signal processing algorithm)を応用することによって、未知の入力信号Sの振幅および位相を求めることができる。
【0003】
偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、図2に示すように2つの入力ポートおよび8つの出力ポートを有する10ポート・デバイスであってよい。10ポート偏波ダイバーシティ光ハイブリッド220は、入力信号Sを基準源Rと混合し、4対の混合信号(すなわち、8つの混合信号)、(S±R)、(S±jR)、(S±R)、および(S±jR)を得る。次いで、出力混合信号の各対の電力波形が検出され、平衡検出器(balanced detector)(BD)225で比較されて、ADC130に供給されうる。結果として得られる4つのディジタル・ドメイン信号Ix(y)およびQx(y)は、Ix(y)∝real(Sx(y))、およびQx(y)∝imag(Sx(y))として信号Sの2つの偏波成分のそれぞれの同相(I)成分すなわち実数成分および直交(Q)成分すなわち虚数成分に関する。これらのディジタル信号は、さらなる処理のためにディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)240に供給され、未知の入力信号Sの振幅および位相が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第12/215740号
【特許文献2】米国特許出願第12/288794号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今後の光伝送ネットワーク(optical transport network)は、さらに高い信号データ・レートを必要とするであろう。しかし、予想される今後のより高い信号データ・レート(例えば、1Tb/s)の必要性に伴い、DCDは、ADCの速度によって制限されることが予測される。この隘路を避ける1つの方法は、超高速信号を搬送するために異なる波長における複数(例えば、10倍)のサブ・チャネル(sub-channel)を使用することである。受信器側において、波長逆多重化(Wavelength De-Multiplexing)(W−DMUX)フィルタが、サブ・チャネルを分離するために最初に使用される。次いで、従来のディジタル・コヒーレント受信器が、サブ・チャネルのそれぞれに対して使用されうる。言い換えれば、そのようなアプローチ(approach)は、信号を受けるために、光局部発振器(OLO)と、4つの検出器および4つのADCが後続する光ハイブリッドとを、複数(例えば、10倍)使用することを提案する。さらに、受信器が、任意の多波長信号を一般的に使用されるCバンド(約1530nmと1565nmとの間)で受信できるようにするために、W−DMUXは、仮にサブ・チャネル間隔が50GHzであり、異なる多波長信号に対して異なる出力ポートのサブセットが、光ハイブリッドに物理的に接続されることが必要であれば、約80の出力ポートを持たなければならない。加えて、いくつかのそのような多波長信号を使用する解決策は、位相ロック(phase lock)されるべきすべてのチャネルに対する局部発振器および関心のある全スペクトルをカバーするための事後補償スキーム(post-compensation scheme)の並列化を必要とする。不都合なことに、これらの受信器のアプローチは極めて複雑で高コストであり、しかも柔軟性は極めて低い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
多波長信号のディジタル・コヒーレント検出のためのシステム、方法および装置の実施形態が提供される。提供される例示的な本発明の実施形態は、複数の波長のサブ・チャネルを含む超高速信号を受けるためのディジタル・コヒーレント受信器の複雑さおよびコストを大幅に低減することを可能にする。
【0007】
例示的な装置は、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドと、少なくとも4つの波長逆多重化(W−DMUX)フィルタと、4Mの検出器と、4MのADCとを含み、ここで、Mは1より大きい整数である。偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、各サブ・チャネルが異なる波長にあるMのサブ・チャネルを含む多波長信号を受けるための第1の入力と、各連続波基準がMのサブ・チャネルのうちの1つの中心波長を近似する異なる波長にある、Mの連続波基準を含む基準光源を受けるための第2の入力とを有する。また、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、少なくとも4つの出力を有する。各W−DMUXフィルタは1つのW−DMUX入力を有し、W−DMUX入力のそれぞれが偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの出力のうちの対応する1つを供給され、各W−DMUXフィルタがMのフィルタをかけられた光チャネル出力を供給する。4Mの検出器のそれぞれが、フィルタをかけられたチャネル出力のうちの少なくとも1つを対応する電気信号に変換する。4MのADCのそれぞれが、電気信号のうちの1つを対応するディジタル信号に変換する。Mのサブ・チャネルを表す、対応するディジタル信号が、このようにして回復される。
【0008】
一実施形態では、装置は、対応するディジタル信号を処理し、多波長信号の内容を検索するためのディジタル・シグナル・プロセッサをさらに含む。対応するディジタル信号は、Mのサブ・チャネルを表す。また、他の実施形態は、Mの連続波基準を供給するための多波長光局部発振器(MW−OLO)を含む。MW−OLOは、異なる波長にあるMの別個の連続波レーザ源と、波長合波デバイス(wavelength-combining device)とを備えてよい。他の実施形態では、MW−OLOは、少なくとも1つの連続波レーザ源と、少なくとも1つの位相変調器または振幅変調器とを備えてよい。MW−OLOは同調可能(tunable)であってよい。
【0009】
一実施形態では、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分を表す4つの出力を供給する。別の実施形態では、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分を表す、各対の2つの出力が相関する4対の出力を供給する。そのような一実施形態では、装置は8つのW−DMUXフィルタを含み、W−DMUX入力のそれぞれは、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの8つの出力のうちの対応する1つを供給され、各検出器は2つのフィルタをかけられたチャネル出力を1つの対応する電気信号に変換するための平衡検出器であり、2つのフィルタ・チャネル出力は互いに相関し合う。
【0010】
偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、少なくとも1つの偏波ビーム・スプリッタ(PBS)を含んでよい。多波長信号は、偏波分割多重化(polarization-division multiplexed)(PDM)信号であってよい。多波長信号は、光直交周波数分割多重化(orthogonal frequency-division multiplexing)(OFDM)信号であってよい。W−DMUXフィルタのそれぞれは、周期的周波数選択特性(periodic frequency selective property)を有してよく、それにより、サブ・チャネルの間隔の少なくともM倍に等しい間隔を有する一連の等間隔周波数が、W−DMUXフィルタの出力ポートのうちの1つに経路を定められる。例えば、シリーズは、サブ・チャネルの間隔のM倍またはM+1倍の間隔を有してよい。請求項1の装置である一実施形態では、多波長信号のサブ・チャネル間の周波数間隔は約50GHzである。W−DMUXフィルタは、大きさおよびコストを削減し、サブ・チャネル間のタイミング整合を容易にするために、平面光波回路(planar lightwave circuit)(PLC)内に一体化されてよい。
【0011】
装置の一実施形態は、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの第1の入力に供給される多波長信号を出力するために、同調可能な光フィルタを含んでよい。種々の装置の実施形態では、ADCのサンプリング・レートは、およそ、多波長信号のサブ・チャネルの周波数間隔であってよい。
【0012】
別の例示的実施形態では、多波長コヒーレント受信器は、異なる波長にあるMのサブ・チャネルを含む多波長信号を受けるように適合され、Mのサブ・チャネルの中心波長を近似する異なる波長にあるMの連続波源を含む基準光源を受けるように適合され、かつ多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分を表す4つの光信号を出力するように適合された、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドを備える。例示的多波長コヒーレント受信器は、各W−DMUXフィルタが光ハイブリッドから出力された光信号のうちの1つを受けるように適合され、かつMの単一波長信号を出力するように適合された、4つのW−DMUXフィルタと、各検出器がフィルタをかけられた単一波長信号のうちの1つを対応する電気信号に変換するように適合された4Mの検出器であって、1つの単一波長信号が各W−DMUXフィルタから来る4つの単一波長信号からなる1セットが第1のサブ・チャネルを代表する、4Mの検出器と、各ADCが電気信号のうちの1つを対応するディジタル信号に変換するように適合された4MのADCと、多波長信号の第1のサブ・チャネルに対する内容を検索するために、第1のサブ・チャネルを表す4つの対応するディジタル信号からなる1セットを処理するように適合されたディジタル・シグナル・プロセッサとをさらに含む。
【0013】
別の実施形態では、多波長コヒーレント受信器は、Mの連続波源を供給するように適合されたMW−OLOを含む。また、多波長コヒーレント受信器は、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの第1の入力に供給される多波長信号を出力するように適合された同調可能な光フィルタを含んでよい。
【0014】
例示的一実施形態では、多波長コヒーレント受信器は、異なる波長にあるMのサブ・チャネルを含む多波長信号を受けるように適合され、Mのサブ・チャネルの中心波長を近似する異なる波長にあるMの連続波源を含む基準源を受けるように適合され、かつ多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分を表す8つの光信号を出力するように適合された、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドを含む。例示的多波長コヒーレント受信器は、各W−DMUXフィルタが光ハイブリッドからの出力光信号のうちの1つを受けるように適合され、かつMの単一波長信号を出力するように適合された8つのW−DMUXフィルタと、各検出器が、互いに相関し合う2つのフィルタをかけられた単一波長出力を1つの対応する電気信号に変換するための平衡検出器である4Mの検出器であって、1つの単一波長信号が各W−DMUXフィルタから来る8つの単一波長信号からなる1セットが第1のサブ・チャネルを表す、4Mの検出器と、各ADCが電気信号のうちの1つを対応するディジタル信号に変換するための4MのADCと、多波長信号の第1のサブ・チャネルに対する内容を検索するために、第1のサブ・チャネルを表す4つの対応するディジタル信号からなる1セットを処理するように適合されたディジタル・シグナル・プロセッサとをさらに含む。
【0015】
各W−DMUXフィルタは周期的周波数選択特性を有してよく、それにより、サブ・チャネルの間隔の少なくともM倍に等しい間隔を有する一連の等間隔周波数が、W−DMUXフィルタの出力ポートのうちの1つに経路を定められる。
【0016】
例示的方法は、各サブ・チャネルが異なる波長にあるMのサブ・チャネルを含む多波長信号を受けるステップと、各連続波基準がMのサブ・チャネルのうちの1つの中心波長を近似する異なる波長にあるMの連続波基準を含む基準源を受けるステップと、多波長信号と基準信号とを混合して、多波長信号の2つの直交する偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分に対応する少なくとも4つの出力信号にするステップと、出力信号のそれぞれをフィルタにかけてMの単一波長信号にするステップと、少なくとも1つのサブ・チャネルに対応する単一波長信号をディジタル・ドメインに変換するステップと、少なくとも1つのサブ・チャネルに対して対応するディジタル信号を処理して多波長信号の少なくとも1つのサブ・チャネルに対する内容を検索するステップとを含む。
【0017】
本明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「別の実施形態(another embodiment)」、「例示的一実施形態(an exemplary embodiment)」および「一実施形態(an embodiment)」への言及は、本実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態の中に含まれうることを意味する。本明細書の中の種々の場所におけるフレーズ「一実施形態では(in one embodiment)」の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を参照するものではなく、また、別々のまたは代替の実施形態が必ずしも互いに他の実施形態を排除するものでもない。本発明の教示を組み込む種々の実施形態が本明細書で詳細に示され説明されたが、当業者は、これらの教示を依然として組み込む多くの他の変更された実施形態を容易に案出することが可能である。
【0018】
例示的実施形態は、以下の本明細書で与えられる詳細な説明および同じ要素が同じ参照数字で表される添付の図面によってより完全に理解されよう。説明および図面は例としてのみ与えられ、したがって本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】6ポート偏波ダイバーシティ光ハイブリッドを有する例示的な従来のディジタル・コヒーレント受信器の概略的ブロック図である。
【0020】
【図2】10ポート偏波ダイバーシティ光ハイブリッドを有する例示的な従来のディジタル・コヒーレント受信器の概略的ブロック図である。
【0021】
【図3】本発明の一実施形態による、6ポート偏波ダイバーシティ光ハイブリッドを有する例示的多波長コヒーレント受信器の概略的ブロック図である。
【0022】
【図4】本発明の一実施形態による、10ポート偏波ダイバーシティ光ハイブリッドを有する例示的多波長コヒーレント受信器の概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、種々の例示的実施形態が、添付の図面を参照してより完全に説明されるが、本明細書で開示される具体的な構造的機能的詳細は、例示的実施形態を説明するための単なる見本であることに留意されたい。例示的実施形態は、多くの代替形態において具現されてよく、本明細書で説明される実施形態だけに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0024】
第1の、第2のなど用語が種々の要素を説明するために本明細書で使用されてよいが、そのような用語は1つの要素を他の要素と区別するためにだけ使用されるので、これらの要素がこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。例えば、例示的実施形態の範囲を逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と名付けられてよく、同様に第2の要素が第1の要素と名付けられてよい。本明細書で使用されるように、用語「および(and)」は、結合する意味および分離する意味の両方に使用され、関連する列記された項目の1つまたは複数の任意のあらゆる組合せを含む。単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別段に明確に指示しない限り、複数形をも含むことを意図している。さらに、用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」および「含む(including)」は、本明細書で使われる場合は、提示された特徴、整数、段階、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を明記するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、段階、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらの群の存在もしくは追加を排除しないことが理解されよう。
【0025】
別段に定義しない限りは、本明細書で使われるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的実施形態が属する技術分野の当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書の中で定義されるような用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書の中で明確にそのように定義されない限り、理想化された意味で、または過度に形式的な意味で解釈されるものではないことが理解されよう。
【0026】
また、いくつかの代替実施形態において、言及された機能/動作が、図において言及された順序とは違って発生しうることにも、留意されたい。例えば、連続して示される2つの図が、関連する機能/動作によって、実際には、実質的に同時に実行されてよく、または時には逆の順序で実行されてよい。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態による、例示的多波長コヒーレント受信器300の概略図である。多波長コヒーレント受信器300は、多波長信号Sを受ける。多波長信号はMのサブ・チャネルを含む。多波長信号の各サブ・チャネルは異なる波長を有する。多波長信号は、光直交周波数分割多重化(OFDM)信号であってよい。
【0028】
直交周波数分割多重化(OFDM)は、広く使用されているディジタル変調/多重化技術である。コヒーレント光直交周波数分割多重化(Coherent optical orthogonal frequency-division multiplexing)(CO−OFDM)は、今後の高速光伝送システムに対する有望な技術とみなされている。偏波分割多重化(PDM)信号では、信号は2つの直交偏波成分で表される。したがって、光PDM−OFDM信号は、2つの直交偏波成分のそれぞれの光場を表す複素ディジタル波形を有する。多波長信号は、光PDM−OFDM信号であってよい。
【0029】
多波長光局部発振器(MW−OLO)310は、基準源Rを発生する。MW−OLOはMの連続波基準を供給し、多波長コヒーレント受信器のコンポーネントであってよい。各連続波基準は異なる波長を有し、これらの波長は、多波長信号SのMのサブ・チャネルの中心波長に対応し、この中心波長を近似する。例えば、各連続波基準は、Mのサブ・チャネルのうちの1つの中心波長を近似する異なる波長を有する。MW−OLOは、異なる波長にあるMの別個の連続波レーザ源および波長合波デバイスを備えてよい。また、MW−OLOは、少なくとも1つの連続波レーザ源および少なくとも1つの位相変調器または振幅変調器を備えてよい。MW−OLOは同調可能であってよい。一実施形態では、MW−OLOは、波長合波デバイスまたは波長マルチプレクサ(wavelength multiplexer)を含んでよい。別の実施形態では、MW−OLOはコム・ジェネレータ(comb generator)を含んでよい。MW−OLOは、トランシーバの中の受信器と送信器との間で共有されてよい。
【0030】
多波長受信器300は、偏波ダイバーシティ光ハイブリッド320と、少なくとも4つのW−DMUXフィルタ330と、4Mの検出器335と、4MのADC340とを含み、Mは1より大きい整数である(4Mは指名された要素のMの4「倍」を意味する)。信号Sおよび基準源Rは、偏波ダイバーシティ光ハイブリッド320の入力ポートに供給される。
【0031】
偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの第1の入力は、各サブ・チャネルが異なる波長にあるMのサブ・チャネルを含む多波長信号Sを受ける。偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの第2の入力は、各連続波基準が、Mのサブ・チャネルのうちの1つの中心波長を近似する異なる波長にあるMの連続波基準を含む、基準源Rを受ける。ハイブリッドは、基準信号と検出されるべき信号との種々の異なるベクトル加算(vectorial addition)が出力となるように、相互接続されたリニア・ディバイダとコンバイナとを含む。例えば、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、2つの偏波ビーム・スプリッタ(PBS)および2つの光ハイブリッドによって構築されてよい。各光ハイブリッドは、マイケルソン干渉計またはマイケルソン干渉計に類似の構造に基づいてよい。偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、少なくとも4つの出力を有する。図3に示すように一実施形態では、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分を表す4つの出力、(S+R)、(S+jR)、(S+R)、および(S+jR)を供給する。
【0032】
各W−DMUXフィルタ330はW−DMUX入力を有する。W−DMUX入力のそれぞれは、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの出力のうちの対応する1つを供給される。図3に示すように、4つの出力のそれぞれはW−DMUXフィルタに供給される。各W−DMUXフィルタは、Mのフィルタをかけられた光チャネル出力を供給する。フィルタをかけられた光チャネル出力は4Mの検出器335に供給される。W−DMUXフィルタはアレイ導波路格子(arrayed wavelength grating)(AWG)フィルタであってよい。
【0033】
検出器335のそれぞれは、少なくとも1つのフィルタをかけられたチャネル出力を対応する電気信号に変換する。以下にさらに説明される平衡検出器を使用する一実施形態では、2つのフィルタ・チャネル出力が各検出器に供給される。検出器からの対応する電気信号がADC240に供給される。
【0034】
4MのADC340のそれぞれが、電気信号のうちの1つを対応するディジタル信号に変換する。したがって、各ADCは、供給された電気信号を対応するディジタル信号に変換する。ADCのサンプリング・レートは、ほぼ、多波長信号のサブ・チャネルの周波数間隔であってよい。例えば、多波長信号は、50GHzの間隔を介するサブ・チャネルを含んでよく、サンプリング・レートはその間隔を近似する。この方式で、Mのサブ・チャネルを表す、対応するディジタル信号が回復される。
【0035】
結果として得られるディジタル・ドメイン信号が、さらなる処理のためにディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)350に供給される。適切な信号処理アルゴリズムを適用することによって、未知の入力信号の振幅および位相を求めることができる。各サブ・チャネルが1セットのディジタル信号で表され、1セットのディジタル信号がハイブリッドの各出力からの1つのディジタル信号を含む。ディジタル信号のセットは、多波長信号のサブ・チャネルの内容を回復するように処理されてよい。サブ・チャネルは、別々に処理されてよいが、サブ・チャネルは、集合的に、多波長信号全体に対するデータを形成することができる。
【0036】
例えば、シンボル同期(symbol synchronization)が、ディジタル・ドメイン信号に対して実施されてよい。DSPは、プレフィックス/トレーニング・シンボル除去(prefix/training symbol removal)のためのモジュール、信号補正、直列/並列変換(serial-to-parallel conversion)、高速フーリエ変換(FFT)、チャネルの推定および補償、シンボル・マッピング(symbol mapping)、および送信器に供給される元のデータの復元につながる並列/直列変換(parallel-to-serial conversion)を含んでよい。サブ・チャネルに対するディジタル・ドメイン信号の処理および内容を回復するための受信信号の補償に関する付加的な詳細は、参照により本明細書に組み込まれている、2008年6月20日に出願した、「System, Method And Apparatus For Channel Estimation With Dual Polarization Training Symbols For Coherent Optical OFDM」と題する、米国特許出願第12/215740号、2008年6月20日に出願した、「System, Method And Apparatus For Channel Estimation Based on Intra−Symbol Frequency Domain Averaging For Coherent Optical OFDM」と題する、米国特許出願第12/215740号、および2008年10月23日に出願した、「System, Method And Apparatus For Joint Self Phase Modulation Compensation For Coherent Optical Polarization−Division−Multiplexed Orthogonal−Frequency Division−Multiplexing Systems」と題する、米国特許出願第12/288794号に記載されている。
【0037】
図3に示すように、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは4つの出力を有する。そして、検出器はシングル・エンド検出器である。6ポート偏波ダイバーシティ光ハイブリッドを有する光コヒーレント検出器に対して、ハイブリッドは、入力信号Sを基準源Rと混合して4つの混合信号出力を出力する。
【0038】
別の実施形態では、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、図4に示すように、4対の混合信号(すなわち、8つの混合信号)、すなわち、(S±R)、(S±jR)、(S±R)、および(S±jR)を供給する。8つの出力(検出後)は、多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分を表す。そのような一実施形態では、装置は8つのW−DMUXフィルタ330を含み、W−DMUX入力のそれぞれは、偏波ダイバーシティ光ハイブリッド420の8つの出力のうちの対応する1つを供給され、各検出器435は2つのフィルタをかけられたチャネル出力を1つの対応する電気信号に変換するための平衡検出器であり、2つのフィルタをかけられたチャネル出力は互いに相関し合う。したがって、平衡検出された後、n番目のサブ・チャネルに対して4つの出力、(Inx、Qnx、Iny、Qny)が存在する。これらの電気信号は、Inx(y)∝real(Snx(y))、およびQnx(y)∝imag(Snx(y))のように、n番目のサブ・チャネルSの光場の実部と虚部とに関連することができる。W−DMUXフィルタは、アレイ導波路格子(AWG)フィルタであってよい。W−DMUXフィルタは、平面光波回路(PLC)に一体化されてよい。PLCは、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドおよびW−DMUXフィルタを含んでよい。また、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドは、自由空間光通信(free-space optics)で作られてよい。
【0039】
一実施形態では、多波長コヒーレント受信器300、400が、それぞれ、同調可能な光フィルタ305、405を含んでよい。同調可能な光フィルタは、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの第1の入力に供給される多波長信号を出力するように適合される。例えば、同調可能な光フィルタは、偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの第1の入力に供給される1つの多波長信号を結果として出力するために、複数の多波長信号を含んでよい波長分割多重(wavelength-division multiplexed)(WDM)信号をフィルタにかけることができる。しかし、この同調可能な光フィルタは任意選択であり、必要ではない。なぜなら、所与の多波長信号の選択またはフィルタリング(filtering)は、そのMの連続波基準が、選択されるべき多波長信号のMのサブ・チャネルの中心波長を近似するようにMW−OLOを同調することによって実現されうるからである。この場合は、多波長信号の選択またはフィルタリングは、RFフィルタリングによって電子ドメインにおいて効果的になされる。
【0040】
好ましくは、W−DMUXフィルタのそれぞれは、サブ・チャネルの間隔の少なくともM倍に等しい間隔を有する一連の等間隔の周波数がW−DMUXフィルタの出力ポートのうちの1つに経路を決められるように、周期的周波数選択特性を有する。例えば、Mは、受信されるべきサブ・チャネルの数を指してよく、W−DMUXは、保護周波数帯(guard-band)が使用されないときはMの出力を有してよく、または保護周波数帯が使用さるときはMより大きい出力を有してよい。その場合は、Mだけのデータを含む出力が、データを回復するために処理されるであろう。周期的周波数選択特性によって、周期的波長逆多重化特性(cyclic wavelength de-multiplexing feature)が可能となりうる。周期的波長逆多重化特性によって、異なる波長位置(例えば、C帯域内)にある複数の多波長信号を有するWDMシステムにおける任意の所定の多波長信号が、W−DMUXを物理的に変えることなく、またはW−DMUXと検出器との間の物理的接続を変えることなく、同じ多波長コヒーレント受信器で受信されうる。このことは、多波長コヒーレント受信器を順応性のあるもの、または波長敏速(wavelength-agile)なものにする。例えば、C帯域内の異なる波長位置にある8つの多波長信号を有するWDMシステムにおいて、それぞれは、50GHzの格子、すなわち、
位置番号1〜10(その10のサブ・チャネルに対して)における多波長信号1、
位置番号11〜20における多波長信号2、
...
位置番号71〜80における多波長信号8
の上に10のサブ・チャネルを含む。(ここで、位置番号1、2、3、...、80は、50GHzの間隔を有する80の連続した光周波数の位置である。)次いで、対象となる多波長チャネルは、例示的受信器の偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの中で、そのサブ波長(sub-wavelength)が多波長信号のサブ波長にほぼ調整されたMW−OLOと混合されうる。したがって、MW−OLOは、一実施形態では同調可能でもある。W−DMUXのそれぞれは、1つの入力ポートと、出力周波数帯域が、「周期的または反復的」方式で以下の位置
W−DMUX出力1:位置番号1、11、21、31、...71、
W−DMUX出力2:位置番号2、12、22、32、...72、
...
W−DMUX出力10:位置番号10、20、30、...80、
に中心を置かれた出力周波数帯域を含む10の出力とを有してよい。W−DMUXフィルタの各出力に対する周波数帯域のそれぞれの3dB帯域幅は、およそ、周波数帯域間の間隔であってよく、この例の場合に対して50GHzである。
【0041】
別の例として、C帯域内の異なる波長位置にある8つの多波長信号を有するWDMシステムにおいて、それぞれは、50GHzの格子、すなわち、
位置番号1〜9(その9のサブ・チャネルに対して)における多波長信号1、
位置番号11〜19における多波長信号2、
...
位置番号71〜79における多波長信号8
の上に9のサブ・チャネルを含む。W−DMUXのそれぞれは、出力周波数帯域が、「周期的または反復的」方式で以下の位置
W−DMUX出力1:位置番号1、11、21、31、...71、
W−DMUX出力2:位置番号2、12、22、32、...72、
...
W−DMUX出力9:位置番号9、19、29、39、...79、
W−DMUX出力10:位置番号10、20、30、...80(使用されない)、
に中心を置かれた出力周波数帯域を含む10の出力とを有してよい。上の例では、多波長信号間に保護周波数帯が有効に存在し、そのことが、これらの信号間のクロストーク(crosstalk)を低減するために有利でありうる。
【0042】
上述のように、検出器は、1入力を有するシングル・エンド検出器または2入力を有する平衡検出器であってよい。シングル・エンド検出器および平衡検出器の両方に対して各検出器からの唯一の出力が存在し、受信器内のADCの数は4Mのままである。さらに、装置は、対応するディジタル信号を処理し、多波長信号の内容を検索するためのディジタル・シグナル・プロセッサを含んでよい。ADCからの対応するディジタル信号は、Mのサブ・チャネルを表す。適切な信号処理アルゴリズムを応用することによって、未知の入力信号の振幅および位相を求めることができる。さらに、サブ・チャネルは、別々に処理されてよいが、一括して多波長信号全体に対するデータを形成することができる。例えば、多波長信号の10の100Gb/sのサブ・チャネルが一括処理されて、多波長信号の中に含まれる1Tb/sのデータを得ることができる。
【0043】
本発明の多波長コヒーレント受信器は、少なくとも4つの出力を有する偏波ダイバーシティ光ハイブリッドを含む。したがって、図3の例示的実施形態に示すように、多波長コヒーレント受信器300は、多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分を表す4つの光信号を出力するように適合された偏波ダイバーシティ光ハイブリッド320を備える。この例示的実施形態は、各W−DMUXフィルタが光ハイブリッドから出力された光信号のうちの1つを受けるように適合され、かつMの単一波長信号を出力するように適合された、4つのW−DMUXフィルタ330と、各検出器がフィルタをかけられた単一波長信号のうちの1つを対応する電気信号に変換するように適合された4Mの検出器335であって、1つの単一波長信号が各W−DMUXフィルタから来る4つの単一波長信号からなる1セットが第1のサブ・チャネルを代表する、4Mの検出器335と、各ADCが電気信号のうちの1つを対応するディジタル信号に変換するように適合された4MのADC340と、多波長信号の第1のサブ・チャネルに対する内容を検索するために、第1のサブ・チャネルを表す4つの対応するディジタル信号からなる1セットを処理するように適合されたディジタル・シグナル・プロセッサ350とをさらに含む。
【0044】
図4に示す別の例示的実施形態では、多波長コヒーレント受信器が、多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分を表す8つの光信号を出力するように適合された偏波ダイバーシティ光ハイブリッド420を含む。この例示的多波長コヒーレント受信器は、各W−DMUXフィルタが光ハイブリッドからの出力光信号のうちの1つを受けるように適合され、かつMの単一波長信号を出力するように適合された8つのW−DMUXフィルタ330と、各検出器が、互いに相関し合う2つのフィルタをかけられた単一波長出力を1つの対応する電気信号に変換するための平衡検出器である4Mの検出器435であって、1つの単一波長信号が各W−DMUXフィルタから来る8つの単一波長信号からなる1セットが第1のサブ・チャネルを表す、4Mの検出器435と、各ADCが電気信号のうちの1つを対応するディジタル信号に変換するための4MのADC340と、多波長信号の第1のサブ・チャネルに対する内容を検索するために、第1のサブ・チャネルを表す4つの対応するディジタル信号からなる1セットを処理するように適合されたディジタル・シグナル・プロセッサ450とをさらに含む。
【0045】
ディジタル・コヒーレント検出の例示的な一方法は、多波長信号Sを受けるステップと、Mの連続波基準を含む基準源を受けるステップとを含む。多波長信号は、各サブ・チャネルが異なる波長にあるMのサブ・チャネルを含む。各連続波基準は、Mのサブ・チャネルのうちの1つの中心波長を近似する異なる波長にある。多波長信号および基準信号が混合されて、多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分に対応する少なくとも4つの出力信号になる。出力信号のそれぞれがフィルタにかけられて、Mの単一波長信号になる。少なくとも1つのサブ・チャネルに対応する単一波長信号がディジタル・ドメインに変換され、少なくとも1つのサブ・チャネルに対して対応するディジタル信号が、多波長信号の少なくとも1つのサブ・チャネルに対する内容を検索するために処理される。
【0046】
上で説明した方法の機能は、光学素子、および例えばソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアのプログラミングの中に組み入れられた適切な命令のもとで動作する専用もしくは汎用のディジタル情報処理デバイスによって容易に実行される。例えば、DSPおよび他の論理回路の機能モジュールは、半導体技術で構築されるASIC(特定用途向け集積回路)として実施されうる。あるいは、種々のモジュールが、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array))および他のハードウェア・ブロックで実施されうる。そのように、本明細書で説明した処理ステップは、種々の代替実施形態において、ソフトウェア、ハードウェア、およびソフトウェアとハードウェアとの組合せによって同等に実施されるものとして、広く解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各サブ・チャネルが異なる波長にあるMのサブ・チャネルを含む多波長信号を受けるための第1の入力を有し、各連続波基準が前記Mのサブ・チャネルのうちの1つの中心波長を近似する異なる波長にある、Mの連続波基準を含む基準光源を受けるための第2の入力を有し、少なくとも4つの出力を有する偏波ダイバーシティ光ハイブリッドと、
各波長逆多重化(W−DMUX)フィルタがW−DMUX入力を有し、前記W−DMUX入力のそれぞれが前記光ハイブリッドの前記出力のうちの対応する1つを供給され、各W−DMUXフィルタがMのフィルタをかけられた光チャネル出力を供給する、少なくとも4つの波長逆多重化(W−DMUX)フィルタと、
各検出器が、前記フィルタをかけられたチャネル出力のうちの少なくとも1つを対応する電気信号に変換するためのものである、4Mの検出器と、
各アナログ・ディジタル変換器(ADC)が前記電気信号のうちの1つを対応するディジタル信号に変換するためのものである、4Mのアナログ・ディジタル変換器とを備え、
Mが1より大きい整数である、装置。
【請求項2】
前記対応するディジタル信号を処理し、前記多波長信号の内容を検索するためのディジタル・シグナル・プロセッサをさらに備え、前記対応するディジタル信号が前記Mのサブ・チャネルを表す、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
多波長光局部発振器(MW−OLO)をさらに備え、前記MW−OLOが前記Mの連続波基準を供給するように適合される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記MW−OLOが、異なる波長にあるMの別個の連続波レーザ源と波長合波デバイスとを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記MW−OLOが、少なくとも1つの連続波レーザ源と少なくとも1つの位相変調器または振幅変調器とを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記偏波ダイバーシティ光ハイブリッドが、前記多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分を表す4つの出力を供給する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記偏波ダイバーシティ光ハイブリッドが8つの出力を供給し、前記8つの出力が、前記多波長信号の2つの直交偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分を表す、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
8つのW−DMUXフィルタを有し、前記W−DMUX入力のそれぞれが前記偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの前記8つの出力のうちの対応する1つを供給され、
各検出器が、2つの前記フィルタをかけられたチャネル出力を1つの対応する電気信号に変換するための平衡検出器であり、前記2つのフィルタ・チャネル出力が互いに相関し合う、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
各W−DMUXフィルタが周期的周波数選択特性を有し、それにより、前記サブ・チャネルの間隔の少なくともM倍に等しい前記間隔を有する一連の等間隔周波数が、前記W−DMUXフィルタの前記出力ポートのうちの1つに経路を定められる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記多波長信号の前記サブ・チャネル間の前記周波数間隔が約50GHzである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記多波長信号が、偏波分割多重化(PDM)信号である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
同調可能光フィルタをさらに含み、前記同調可能光フィルタが、前記偏波ダイバーシティ光ハイブリッドの前記第1の入力に供給される前記多波長信号を出力するためのものである、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記多波長信号の前記サブ・チャネルがある周波数間隔を有し、前記ADCのサンプリング・レートが、ほぼ、前記サブ・チャネルの前記周波数間隔である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
各サブ・チャネルが異なる波長にあるMのサブ・チャネルを含む多波長信号を受けるステップと、
各連続波基準が前記Mのサブ・チャネルのうちの1つの中心波長を近似する異なる波長にあるMの連続波基準を含む基準光源を受けるステップと、
前記多波長信号と前記基準光源とを混合して、前記多波長信号の2つの直交する偏波成分のそれぞれの同相成分および直交成分に対応する少なくとも4つの出力信号にするステップと、
W−DMUXフィルタによって前記出力信号のそれぞれをフィルタにかけてMの単一波長信号にするステップと、
少なくとも1つのサブ・チャネルに対応する前記単一波長信号をディジタル・ドメインに変換するステップと、
前記少なくとも1つのサブ・チャネルに対して対応するディジタル信号を処理して前記多波長信号のうちの前記少なくとも1つのサブ・チャネルに対する内容を検索するステップと、を含む方法。
【請求項15】
前記W−DMUXフィルタが周期的周波数選択特性を有し、それにより、前記サブ・チャネルの間隔の少なくともM倍に等しい前記間隔を有する一連の等間隔周波数が、前記W−DMUXフィルタの出力ポートのうちの1つに経路を定められる、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−515468(P2012−515468A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545383(P2011−545383)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/020005
【国際公開番号】WO2010/080721
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】