説明

共通の管腔の輪郭外形を有する偏向可能な医学療法提供装置を使用する方法

【課題】
【解決手段】 患者に対し療法を提供するため標的箇所の位置を探知する方法である。該方法は、ステア可能な部分と、テーパー付き部分を有する偏向可能な先端とを備える提供装置を第一の箇所に相応する領域まで前進させるステップと、提供装置を第一の箇所に向けて更に前進させるステップと、提供装置を第一の箇所内にて前進させるステップと、第一の箇所内にて提供装置の末端から造影剤を送り込み、標的箇所の位置を探知するステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、身体の標的領域にアクセスするための医学療法提供装置に関し、特に、本発明は、身体の蛇行路に沿って又は蛇行路の末端に配置された標的位置に対し偏向可能なカテーテルにより直接、アクセスすることを可能にする大径の貫通管腔を有する偏向可能なカテーテルに関する。
【発明の開示】
【0002】
ステア可能又は偏向可能な先端の心臓血管用カテーテルは、多くの適用例にて使用され、一定の先端曲線部を有するカテーテルと比較したとき、操縦性を向上させる。貫通管腔を有する偏向可能なカテーテルは、カテーテルの末端の先端を冠状静脈洞及び関係した冠状静脈のような、身体の標的まで前進させる間、ガイドワイヤー又は造影剤を使用することを許容することにより、左心臓の療法提供方法にて臨床的に極めて重要である。貫通管腔は、ガイドワイヤー及び(又は)造影剤を使用することを可能にし、このことは、カテーテルを正確に且つ効率的に配置する可能性を増し、また、カテーテルを蛇行路内にて多数回、再配置することに起因する静脈の外傷の機会を減少させる。
【0003】
更に、ハンドルからカテーテルの末端まで伸びる管腔内に配置された1つ又はより多くの引張りワイヤーは、一般に、引張りワイヤーをハンドルを通じて操作することによりカテーテルを偏向させることを可能にし得るようカテーテル内に含まれる一方、引張りワイヤーは、カテーテルの末端を圧縮し、末端に沿って偏向させる。貫通管腔が1つ又はより多くの引張りワイヤーを有するカテーテル内に組み込まれるならば、引張りワイヤーは、引張りワイヤー及び貫通管腔に対して別個の管腔を使用することにより貫通管腔から分離される。別個の管腔の追加的な肉厚のため、貫通管腔と別個である1つ又は複数の引張りワイヤーの管腔を追加することは、貫通管腔に対し利用可能な面積量を減少させ、このことは、カテーテル本体の外径が増大しない限り、貫通管腔の最大直径を減少させ、造影剤の導入又はガイドワイヤーの貫通管腔を通じての前進を不確実なものにする。
【0004】
カテーテルが既存の療法提供装置を通じて進むことを許容するため、偏向可能なカテーテルの外径は、7フレンチ以下でなければならない。しかし、かかる制限は、カテーテルの寸法パラメータに制限を課す。当該発明者達は、同時に、臨床的に有用な程度に十分な造影剤を貫通管腔を通すためには、貫通管腔は、0.533mm(0.021インチ)以上の直径を有しなければならないことが分かった。更に、貫通管腔は、0.889mm(0.035インチ)以内の寸法範囲とすることができ、0.635(0.025)及び0.889mm(0.035インチ)が最も一般的な寸法であるガイドワイヤーである導入器型ガイドワイヤーを通すのを許容するのに十分大きくなければならない。引張りワイヤーを操作するため貫通管腔の必要性、既存の療法提供装置を通して前進させ得る寸法、有用な量の造影剤を通すことの可能性、導入器型ガイドワイヤーを通すことの許容性を含む、これらの寸法上の必要条件の全ては、これらの特徴の全てを備える単一のカテーテルを設計することを困難にする。
【0005】
本発明のその他の有利な効果及び特徴は、その図面の全体を亙って同様の部品を同様の参照番号で示す添付図面に関して検討したとき、以下の詳細な説明を参照することにより一層良く理解されることが容易に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明に従った医学療法提供装置の概略図である。図1に示すように、本発明に従った医学療法提供装置100は、ハンドル102と、軸106とを有している。ハンドル102は、基端103と、末端105との間を伸び、また、造影剤又はガイドワイヤーを受容する開口部109を形成する基端103に沿って配置されたハブ107と、偏向調節スライド104とを有している。軸106は、ハンドル102に固定された基端110から末端112まで伸びる編組偏向不能部分108と、偏向不能部分108の末端112に熱溶着された基端116から末端118まで伸びるステア可能な部分114と、ステア可能な部分114の末端118に熱溶着された基端122から末端の先端124まで伸びる柔軟な非外傷性の偏向可能な先端120とを有している。偏向可能な先端120は、装置100が患者の身体内を前進する間、基端127と末端129との間にて先端120に沿って伸びるテーパー付き部分125を有しており(図3参照)、該テーパー付き部分125は、ガイドワイヤーの上方に沿った装置100の追跡能力を増し、静脈の外傷を最小にし且つ、静脈を二次的に選ぶことを許容する。
【0007】
図2は、本発明に従った医学療法提供装置のハンドルの断面図である。図2に示すように、ハンドル102は、例えば、ABS、ナイロン、ポリカーボネート又はポリスチレンのような硬い材料にて製造される円筒状のハウジング126を更に有している。軸106は、ハウジング126の末端132に沿って配置された機械的グリップ部又は接着剤によりハウジング126に固定されており、該機械的グリップ部は、歪み除去部128と、端部キャップ130とを内蔵している。スライド104は、外側リング134と、ハウジングの周縁の回りに配置された内側リング135とを有しており、外側リング134は、ハウジング126の中心軸線の回りにて内側リング135の上を回転し且つ、内側リング135に対し適正に回転したとき、内側リング135と固定状態に係合するよう内側リング135上に配置され、内側リング134及び外側リング135の双方がハウジング126に沿って軸方向に摺動し得るようにする。皮下管136は、ハウジング126の内部に配置された摺動可能な補強板138に固定されており、また、マニプレータワイヤー140は、皮下管136を貫通して軸106のステア可能な部分114の末端118まで伸びている。マニプレータワイヤー140及び皮下管136は、例えば、接着剤を使用し又はクリンピングにより接合される。
【0008】
軸106が患者の体内にて前進するとき、軸106を容易に操縦することを可能にする、軸106のステア可能な部分114が偏向する間、外側リング134は、内側リング135の周りにて回転し且つ、係合ピン142がスロット付き開口部144(図1に図示)と整合されるように配置され、外側リング134及び内側リング135をハウジング126に沿って軸方向に摺動可能に前進することを可能にし、外側リング134及び内側リング135が軸方向に前進することにより、補強板138は相応するように前進し且つ後退し、その結果、マニプレータワイヤー140は相応して前進し且つ後退し、これによりステア可能な部分114の偏向を調節し得るようにする。外側リング134及び内側リング135の一方又は双方は、カム面を有し、このため、ステア可能な部分114の偏向した形状は、外側リング134を内側リング135上にて回転させることにより、所定の位置にて保持され、これにより、内側リング135はハウジング126の外面に対して偏倚され、これにより偏向調節スライド104をハンドル102に沿った所望の長手方向位置に固定する。医学療法提供装置100内に含めることのできるハンドルの一例は、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めた、ウエスト(West)に対する米国特許明細書6,263,244号に記載されている。
【0009】
図3は、本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。図3に示すように、軸106は、以下に詳細に説明する単一の軸管腔151を形成する外側絶縁層150と、軸106及びハンドル102を貫通して伸び且つ、ハブ107と流体的に連通した(図1及び図2参照)貫通管腔154を形成する貫通管腔管152と、軸106のステア可能な部分114の一部に沿って軸管腔151内に配置され、その内部にマニプレータワイヤー140が配置され、また、マニプレータワイヤー140が貫通して伸びるワイヤー管腔166を形成する偏向遷移管158とを有している。絶縁層150は、偏向不能部分108の基端110とステア可能な部分114の末端118との間を伸びており、例えば、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)のような材料にて形成される。絶縁層150は、ステンレス鋼編組部を有し、また、偏向不能部分108の基端110と末端112との間に72Dのデュロメータ硬さ測定値を有し、また、非編組状態にあり、また、ステア可能な部分114の基端116と末端118との間に40Dのデュロメータ硬さ測定値を有する。
【0010】
偏向可能な先端120は、ポリマー内の金属マーカバンド又は別個の放射線不透過性で且つエコー順応性フィラーを不要にしつつ、蛍光透過法又は超音波を使用して偏向可能な先端120を視覚化することを許容し得るよう放射線不透過性且つエコー順応性ポリマーにて形成された偏向可能な管159により形成される。例えば、偏向可能な管159は、ジェット粉砕した炭化タングステンが装填されたPEBA材料にて形成され、また、基端122と末端の先端124との間に35Dのデュロメータ硬さ測定値を有する。管159は、管の基端122とテーパー付き部分125の基端127との間を伸びる約0.61mm(約0.024インチ)の厚さと、テーパー付き部分125の末端129と末端の先端との間を伸びる約0.305mm(約0.012インチ)の厚さとを有し、管の厚さは、テーパー付き部分125の基端127と末端129との間にて次第に減少する。管159は、軸106の軸管腔151内にて貫通管腔管152により形成された貫通管腔154と、偏向可能な先端120の末端の先端124にて管159により形成された末端開口部196と流体的に連通した先端の管腔123を形成する。貫通管腔管152は、例えば、72Dのデュロメータ硬さ測定値を有するPEBA材料により形成され、また、偏向不能部分108の末端112からステア可能な部分114に沿って末端点162まで軸106のステア可能な部分114を貫通して伸びる偏向遷移管158は、例えば、86Dのデュロメータ硬さ測定値を有するポリイミド材料にて形成される。
【0011】
既存の療法提供装置の寸法的に制限された部分内に嵌まるため、軸106は、テーパー付き部分125の基端127と偏向不能部分108の基端110との間に7フレンチ以下の外径を有し、軸106が現在使用されているガイドワイヤーを通って進むのを許容する。偏向可能な先端120は、テーパー付き部分125の基端127と偏向可能な先端120の末端の先端124との間に6フレンチ以下の外径を有し、偏向可能な先端120が冠状静脈洞テベジウス弁、静脈弁等のような狭小な空間を通って進むのを容易にする。
【0012】
更に、貫通管腔154及び末端の管腔123は、0.889mm(0.035インチ)以内の寸法であり、0.635(0.025)及び0.889mm(0.035インチ)が最も一般的である、導入器型ガイドワイヤーが通るのを許容するのに十分に大きい共通の直径を有することが好ましい。これと同時に、貫通管腔154及び先端の管腔123は、臨床的に有用な量の造影剤が通り、また、偏向可能な先端120及び軸106が約0.356mm(約0.014インチ)ないし0.457mm(0.018インチ)の範囲、好ましくは0.406mm(0.016インチ)の直径を有するガイドワイヤーに沿って追跡するのを可能にするのに十分に大きい直径を有するよう形成される。従って、当該出願人は、貫通管腔154及び先端の管腔123は約0.991mm(約0.039インチ)の直径を有することが好ましいと判断した。
【0013】
ステア可能な部分114よりも小さいデュロメータ硬さの材料にて偏向可能な先端120を形成することにより、偏向可能な先端120は、増大した偏向可能な特徴を有し、受動的に偏向可能な(マニプレータワイヤー140を通るステア可能な部分114のより能動的な偏向可能な特徴と比較して)先端部分120を形成し、このことは、偏向可能な先端120をガイドワイヤーに沿ってより容易に追跡し又は偏向させ、患者の体内の標的箇所に直接前進させることを可能にする。
【0014】
例えば、約0.229mm(約0.009インチ)の直径を有するマニプレータワイヤー140は、例えば、溶接技術又ははんだ付けを使用してステンレス鋼定着バンド160に取り付けられ、該ステンレス鋼定着バンド160は、貫通管腔の管152に固定状態に取り付けられたステア可能な部分114の末端118に沿って配置されている。
【0015】
偏向遷移管158は、ステア可能な部分114に沿って配置された端部点162にて終わっており、また、ばねのような可圧縮性部材164が端部点162と定着バンド160との間に配置され、マニプレータワイヤー140は端部点162と定着バンド160との間を可圧縮性部材164を通って伸びるようにする。可圧縮性部材164は、約0.33mm(約0.013インチ)の内径と、例えば、約0.61mm(約0.024インチ)の外径とを有している。このようにして、マニプレータワイヤー140を可圧縮性部材164内で取り囲むことにより、可圧縮性部材164のより大きい直径は、ステア可能な部分114に対して係合するより大きい面積を提供し、これによりマニプレータワイヤー140により圧縮され且つ応力が加えられたとき、ステア可能な部分114を破断させる全体の力を増大させる。更に、可圧縮性部材164の大きい直径は、ステア可能な部分114がマニプレータワイヤー140の操作を介して偏向する間、マニプレータワイヤー140を軸106のステア可能な部分114に沿って軸管腔151内にて適正な向きに維持するのを助ける。
【0016】
本発明に従い、基端166から末端168まで伸びる可圧縮性部材164は、基端166又は基端168の何れかに接続されないままにするか、又は代替例において、外側絶縁層150のステア可能な部分114は、可圧縮性部材164の末端168の回りに接着剤にて接続し又は熱的に流動させ、可圧縮性部材164の末端168が軸106内に固定状態に配置されるようにすることができる。その何れの場合でも、可圧縮性部材164は、ステア可能な部分114が偏向する間、マニプレータワイヤー140及び軸106に対して移動自在である。
【0017】
更に、貫通管腔管152は、偏向可能な先端120の基端122に熱溶着することにより、末端170のみに固定され、偏向不能部分108及びステア可能な部分114のその他の任意の部分に沿って接続されない。その結果、貫通管腔管152は、偏向調節スライド104がハンドル102のスロット付き開口部144内にて前進し且つ後退することにより、マニプレータワイヤー140を操作することを介してステア可能な部分114が偏向する間、軸106内にて摺動自在である。
【0018】
図4は、図1の断面線IV−IVに沿った、本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。図3及び図4に示すように、軸管腔151は、軸106の偏向不能部分108の基端110と末端112との間にて全体として円形の形状となるよう外側絶縁層150により形成される。特に、図4に示すように、外側絶縁層150は、外壁153と、内壁155とを有しており、内壁155は外壁153から等しく隔てられており、このため、絶縁層150は、軸106の偏向不能部分108の基端110と末端112との間に全体として等しい厚さTを有する。例えば、本発明の1つの実施の形態に従い、絶縁層150の厚さTは、約0.356mm(約0.014インチ)である。軸管腔151は、貫通管腔154を形成する貫通管腔管152を軸管腔151内に配置することを可能にする直径を有しており、このため、マニプレータワイヤー140は、貫通管腔152の外壁157と外側絶縁層150の内壁155との間にて前進し且つ後退自在であるよう配置することができる。
【0019】
図5は、図1の断面線V−Vに沿った、本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。図3及び図5に示すように、マニプレータワイヤー140は、偏向遷移管158上に配置され且つ、偏向遷移管158を貫通して伸び、このため、マニプレータワイヤー140は、偏向遷移管158の端部点162から且つステア可能な部分114に沿った軸の管腔151内にて外方に定着バンド160まで伸びている。偏向遷移管158は、例えば、ポリイミド、ステンレス鋼、ニチノール又はナイロン材料のような可圧縮性部材164の剛性よりも大きい剛性を有し且つ、全体として可圧縮性部材164よりも剛性な材料にて形成されており、このため、偏向遷移管158は、偏向不能部分108とステア可能な部分114との間に剛性の遷移部を提供する。
【0020】
本発明の1つの好ましい実施の形態に従い、上述した偏向不能部分108及びステア可能な部分114の特定の剛性を考慮して、偏向遷移管158は、約25.4mm(約1インチ)の長さを有する。しかし、偏向遷移管158の長さは、必要と考えられる剛性の遷移に依存する一方、該剛性の遷移は、偏向不能部分108とステア可能な部分114との間の剛性の相違を含む、各種のファクタに依存することができる。このため、本発明は、約25.4mm(約1インチ)の長さを有する偏向遷移管158に限定することを意図するものではない。
【0021】
図3及び図5に示した本発明の1つの実施の形態に従い、ステア可能な部分114の基端116にて開始して、軸106の外側絶縁層150の内壁155は、最早、全体として、全体を亙って円形の形状ではなく且つ、外壁153から等しく隔てられており、このため、絶縁層150は、軸106の偏向不能部分108の基端110と末端112との間の場合のように、全体として等しい厚さTを有する。内壁155は、第一の端部点172から第二の端部点174まで伸びる半円形の形状をした第一の部分170と、全体として矩形の形状をした第二の部分176とを有しており、貫通管腔154を形成する貫通管腔の管152は、第一の部分170内に配置され、偏向遷移管158及びマニプレータワイヤー140は、第二の部分176内に配置される。第二の部分176は、第一の端部点186と第二の端部点188との間を伸びる第二の側壁184に対し実質的に平行に、第一の端部点180と第二の端部点182との間を伸びる第一の側壁178と、第一の側壁178及び第二の側壁184の端部点180、186の間をそれぞれ伸びる湾曲した底部壁182とを有している。最初に、第一のフランジ190は、第一の部分170の第一の端部点172と第一の側壁178の第二の端部点182との間を伸び、第二のフランジ192は、第一の部分170の第二の端部点174と第二の側壁184の第二の端部点188との間を伸び、このため、管腔151の第一の部分170内に配置された管腔管152、側壁178及び側壁184は、偏向遷移管158及びワイヤー140を管腔151の第二の部分176内に維持する。
【0022】
第一のフランジ190及び第二のフランジ192が内壁155により形成される結果、外側絶縁層150の内壁155は外壁153から隔てられている。その結果、外側絶縁層150は、ステア可能な部分114の基端116と末端118との間にて全体として不同の厚さを形成し、第二の部分176を形成する外側絶縁層150の一部分の回りにて外壁153と内壁155との間に増大した厚さを有する、すなわち、第一の部分170の一部分の回りの厚さTよりも厚い厚さを有する。第一のフランジ190及び第二のフランジ192に起因する増大した厚さは、底部壁182に隣接する外側絶縁層150の一部分に沿った領域に比して、第一のフランジ190及び第二のフランジ192に隣接する外側絶縁層150の一部分に沿ってステア可能な部分114を破断させる全体の力を増大させることにより、マニプレータワイヤー140の操作を通じてステア可能な部分114を偏向させることを更に助ける。このように、外側絶縁層150に沿って破断させる増大した全体の力は、ステア可能な部分114をマニプレータワイヤー140を通じて操作する間、外側絶縁層150を偏倚させ、底部壁182の方向に向けて偏向させる効果を有する。
【0023】
図6は、図1の断面線VI−VIに沿った、本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。図3及び図6に示すように、軸管腔151は、上述したのと同一の非円形の形状を依然として有する、すなわち、内壁155は、軸の管腔151が偏向遷移管158の端部点162からステア可能な部分114の端部点118まで軸106を通って更に伸びるとき、半円形の第一の部分170と、矩形の第二の部分176とを有している。しかし、マニプレータワイヤー140は、偏向遷移管158ではなくて、端部点162と末端118との間にて可圧縮性部材164内に配置されており、このため、管腔151の第一の部分170内に配置された貫通管腔の管152、側壁178及び側壁184は、可圧縮性部材164及びマニプレータワイヤー140を管腔151の第二の部分176内に維持する。
【0024】
図7は、図1の断面線VII−VIIに沿った本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。図3及び図7に示すように、マニプレータワイヤー140は、ステア可能な部分114の末端118に沿って可圧縮性部材164の末端168から外方に伸び且つ、例えば、はんだ継手又は溶着継手のような既知の手段を使用して定着バンド160に取り付けられる。貫通管腔152及び外側絶縁層150の双方は、定着バンド160の回りを熱的に流れ、軸106の一定の直径を維持し且つ、定着バンド160を拘束する。貫通管腔管152及び外側絶縁層150が定着バンド160の回りを熱的に流れる結果、軸の管腔151は、定着バンド160にて軸106に沿って円形の形状を有し、外側絶縁層150は、貫通管腔の管152及びマニプレータワイヤー140の回りを流れ、このため、貫通管腔の管152と外壁153との間に空隙は存在しない。
【0025】
図8は、図1の断面線VIII−VIIIに沿った本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。図3及び図8に示すように、偏向可能な先端120の先端管腔123は、偏向可能な管159により、偏向可能な先端120の基端122と末端124との間にて全体として円形の形状となるように形成され、該先端管腔は、末端側開口部196を形成し、ハブ107の開口部109を介して貫通管腔154を通じて注入された造影剤は、該末端側開口部を通って、先端管腔123から出て、又はガイドワイヤーは、装置100をガイドワイヤー又はガイドワイヤーの伸長体に沿って挿入する間、ハブ107の開口部109を介して貫通管腔154を通して挿入された後、それぞれ先端管腔123に入り又は該先端管腔123から出る。
【0026】
図9は、本発明の1つの実施の形態に従った医学療法提供装置の軸の断面線図である。軸106の外側絶縁層150の内壁155の第二の部分176は、全体として矩形の形状であるとして上述したが、第二の部分176は、本発明の所期の範囲から逸脱せずにその他の形態を有することも可能であると理解される。例えば、図9に示すように、本発明の1つの実施の形態に従い、第二の部分176は、全体として半円形の形状となるように形成され、側壁178、側壁184、底部壁182、第一のフランジ190及び第二のフランジ192を有しており、このため、軸106に沿った特定の位置に依存して、偏向遷移管158、マニプレータワイヤー140及び可圧縮性部材164は、上述したように、貫通管腔154の第一の部分170内に配置された管腔管152、側壁178及び側壁184により、第二の部分176内に配置され且つ、管腔151の第二の部分176内に維持される。
【0027】
図10Aないし図10Iは、本発明に従った医学療法提供装置を使用して冠状静脈洞内にリードを配置する状態を示す、一例としての概略図である。図10Aに示すように、本発明の装置100は、患者に対し療法を提供するため標的箇所の位置を探知すべく利用される。例えば、装置100は、リードのような植込み型医療装置を配置し、又は例えば、薬剤又は生物学的剤を含むその他の治療剤を標的箇所に配置し/置くために使用することができる。例えば、リードを心臓206の冠状静脈洞202内の標的箇所に配置するため、ガイドカテーテル204は、上大静脈(SVC)を通して心臓206の心房内を前進させる。ガイドカテーテル204が心臓206内に配置されたならば、装置100をガイドカテーテル204の末端内に挿入し且つ、末端から外方に前進させ、また、静脈洞口208付近内に配置されるよう前進させる。次に、造影剤210を装置100の貫通管腔154を通して注入し、造影剤210が貫通管腔154を通って前進し且つ、装置100の偏向可能な先端120の末端側開口部196から噴射され、このため、矢印Aで示した注入した造影剤210の流動方向により、静脈洞口208の位置をより正確に識別することができる。造影剤210が装置100を通じて注入され、注入した造影剤210の流れAが観察されたならば、装置100を注入した造影剤210の流れAを通じて更に上流に且つ冠状静脈洞口208に向けて前進させ、装置100の偏向可能な先端120が冠状静脈洞口208を通って直接前進し且つ、冠状静脈洞202内に配置されるようにする。
【0028】
本発明の1つの実施の形態に従い、冠状静脈洞口208の位置を造影剤210を注入する方法以外の技術を使用して識別することができる状況において、偏向可能な先端120のテーパー付き部分125及び偏向可能な先端120を形成する管159の非外傷性の特徴及び減少する厚さは、造影剤210を注入せずに偏向可能な先端120を冠状静脈洞208まで直接前進させることを可能にする。装置100は、心臓206内にて且つ、冠状静脈洞208まで直接前進させるか、又はガイドカテーテル204を通して心臓206内に且つ、冠状静脈洞口208まで前進させる。次に、偏向可能な先端120は、直接的に、又はガイドワイヤー212(図10B)の上方にて冠状静脈洞口208を通し且つ、冠状静脈洞202内を前進させ、該ガイドワイヤー212を冠状静脈洞口208を通って装置100の偏向可能な先端120から外方に前進させ且つ、以下に説明するように冠状静脈洞202内に配置する。
【0029】
図10Bに示すように、本発明の1つの実施の形態に従い、造影剤210が装置100を通じて注入され、また、注入した造影剤210の流れAが観察されたならば、ガイドワイヤー212を装置100の貫通管腔154内に配置し且つ、該貫通管腔154を通して、また、装置100の偏向可能な先端120の末端側開口部196から外方に前進させる。ガイドワイヤー212は、注入した造影剤210の流れAを通り且つ、静脈洞口208に向けて更に上流に前進し、このため、ガイドワイヤー212は、冠状静脈洞口208を通って前進し且つ、冠状静脈洞202内に配置される。次に、装置100の偏向可能な先端120は、ガイドワイヤー212の上方に沿ってたどり、装置100が冠状静脈洞202内に配置されるようにする。
【0030】
他方、ガイドワイヤー212は、装置100が最初に患者の体内にて前進されるとき、既に貫通管腔154内に配置されているようにすることができる。本発明の貫通管腔154の増大した寸法のため、次に、造影剤210を装置100の貫通管腔154を通して注入し、ガイドワイヤー212が貫通管腔154内に配置されている間、造影剤210が偏向可能な先端120にて末端側開口部196を通って前進し且つ、該末端側開口部196から噴射されるようにする。次に、ガイドワイヤー212を更に前進させ、偏向可能な先端120の末端側開口部196から及び注入した造影剤210の流れAを通って冠状静脈洞口208に向けて外方に伸び、ガイドワイヤー212を冠状静脈洞口208を通って前進させ且つ、冠状静脈洞202内に配置することを可能にする。ガイドワイヤーが冠状静脈洞202内に配置されたならば、次に、装置100をガイドワイヤー212の上方に沿って冠状静脈洞202内を前進させる。偏向可能な先端120に沿ってテーパー付き部分125が含まれ、また、偏向可能な先端120を形成する管159の非外傷性の特徴及び減少する厚さの結果、偏向可能な先端120は、ガイドワイヤー212に沿って一層容易に更に前進させ、装置100がガイドワイヤー212の上方に沿ってたどり且つ、冠状静脈洞202内により容易に入ることができる。
【0031】
図10Cに示すように、造影剤210を使用し又は使用せずに、また、直接的に又はガイドワイヤー212を使用して装置100が冠状静脈洞202内に配置されたならば、ガイドカテーテル204を装置100の上方に沿って前進させ且つ、冠状静脈洞202内に配置する。テーパー付き部分125が偏向可能な先端120に沿って含まれ、また、偏向可能な先端120を形成する管159の非外傷性の特徴及び減少する厚さのため、偏向可能な先端120は、装置100をガイドカテーテル204の末端から且つ、冠状静脈洞202内を更に容易に更に外方に前進させることを可能にし、このため、装置100が冠状静脈洞202内にて完全に前進したならば、造影剤210を装置100の偏向可能な先端120にて末端側開口部196から注入し、造影剤210の流動方向により冠状静脈洞202及び1つ又はより多くの冠状静脈洞の静脈211の輪郭をより正確に識別することが可能である。特に、例えば、偏向可能な先端120が冠状静脈洞120内を前進したならば、造影剤210を末端側開口部196から注入し、造影剤210の流れを示す像が得られる。次に、偏向可能な先端120を更に前進させ又は後退させ、造影剤210を再度、末端側開口部196から注入し、造影剤210の流れを示す像が得られる。この要領にて、1つ又は一連の局所的な静脈造影像を利用して冠状静脈洞202又は静脈211の1つの内部の標的箇所の位置を探知することができる。
【0032】
図10Dに示すように、装置100の貫通管腔154を通して注入された造影剤210を使用して標的箇所の位置が探知されたならば、装置100をその標的箇所まで前進させる。次に、ガイドカテーテル204を装置100の上方に沿って標的箇所と関係した静脈211の1つの静脈洞口まで前進させ、その後、装置100をガイドカテーテル204から除去し、リード200をガイドカテーテル204を通して標的箇所まで前進させ、電極214が標的箇所に配置されるようにする。次に、ガイドカテーテル204を除去し、リード200は標的箇所の所要位置に配置されたままであるようにする。
【0033】
造影剤210を装置100の貫通管腔154を通して注入することを可能にすることにより、本発明は、ガイドカテーテルが冠状静脈洞202内に配置されたならば、装置をガイドカテーテル204から除去し、また、造影剤210を注入するため、別個の静脈像バルーンカテーテルをガイドカテーテル204を介して冠状静脈洞202内に挿入することを不要にする。
【0034】
図10Eに示すように、本発明の別の実施の形態に従い、テーパー付き部分125が偏向可能な先端120に沿って含まれ、また、偏向可能な先端120を形成する管159の非外傷性の特徴及び減少する厚さの結果、装置100の貫通管腔154を通して注入された造影剤210を使用して標的箇所の位置が探知されたならば、偏向可能な先端120は冠状静脈洞208を通して且つ、その標的箇所に相応する静脈212内を直接前進させ、装置100が静脈212内に配置されたならば、次に、ガイドカテーテル204を装置100の上方に沿って標的箇所まで前進させることができる。次に、装置100をガイドカテーテル204から除去し、リード200をガイドカテーテル204を通して標的箇所まで前進させ、電極214は標的箇所に配置されるようにする。次に、ガイドカテーテル204を除去し、リード200は標的箇所にて所要位置に配置されたままであるようにする。
【0035】
更に、本発明の別の実施の形態に従い、ガイドワイヤー212は、造影剤210を冠状静脈洞202内に注入する間、貫通管腔154内に配置するか、又は造影剤210を貫通管腔154を通して注入した後、貫通管腔154を通して挿入し且つ、その後に、標的箇所まで前進させることができる。テーパー付き部分125が偏向可能な先端120に沿って含まれ、また、偏向可能な先端120を形成する管159の非外傷性の特徴及び減少する厚さの結果、偏向可能な先端120は、冠状静脈洞202内をガイドワイヤー212の上方に沿って更に容易に更に前進させ、装置100は標的箇所までガイドワイヤー212の上方に沿ってより容易にたどることができる。ガイドカテーテル204は装置100の上方に沿って標的箇所まで前進させ、その後、装置100をガイドカテーテル204から除去し、リード200をガイドカテーテル204を通して標的箇所まで案内し、電極214が標的箇所に配置されるようにする。次に、ガイドカテーテル204を除去し、リード200は標的箇所にて所要位置に配置されたままであるようにする。
【0036】
図10Fに示すように、テーパー付き部分125が偏向可能な先端120に沿って含まれ、また、偏向可能な先端120を形成する管159の非外傷性の特徴及び減少する厚さのため、装置100を冠状静脈洞202に直接挿入することができ、また、リードは、ガイドカテーテル204を利用せずに標的箇所に配置することができる。特に、装置100は、SVCを通して心臓206の心房内に前進させ且つ、冠状静脈洞202の領域内に配置する。次に、造影剤210を装置100の貫通管腔154を通じて注入し、冠状静脈洞口208の位置を探知する。冠状静脈洞口208の位置が探知されたならば、装置100の偏向可能な先端120を冠状静脈洞口208を通し且つ、冠状静脈洞202内にて直接前進させるか、又はガイドワイヤー212を冠状静脈洞口208を通して冠状静脈洞202内を前進させ、また、装置100の偏向可能な先端120をガイドワイヤー212の上方に沿って前進させ、装置100を冠状静脈洞202内に配置する。装置100が冠状静脈洞202内に配置されたならば、上述したように、造影剤210を貫通管腔154を通して注入し、冠状静脈洞202の静脈211の1つ内の標的箇所に配置されるようにする。次に、偏向可能な先端120を冠状静脈洞202内を標的箇所に向けて更に前進させ、次に、ガイドワイヤー212を偏向可能な先端120の末端の先端196から標的箇所まで伸ばすか、又は、偏向可能な先端120を冠状静脈洞202内更に前進させずに、ガイドワイヤー212を偏向可能な先端120の末端の先端196から標的箇所まで直接伸ばす。ガイドワイヤー212が標的箇所に配置されたならば、装置100を除去し、ガイドワイヤー212を所要位置に残し、リード200をガイドワイヤー212の上方に沿って標的箇所まで前進させる。リード200が標的箇所に配置されたならば、ガイドワイヤー212を除去する。
【0037】
その結果、ガイドカテーテル204を利用する必要性を無くすことにより、本発明は、現在の既知のリード配置システムにて必要とされるように、ガイドカテーテル204をリード200から且つ、リード200のコネクタ(図示せず)の上方に沿って除去することができるようガイドカテーテル204にスリットを形成することを不要にする。
【0038】
テーパー付き部分125が偏向可能な先端120に沿って含まれ、また、偏向可能な先端120を形成する管159の非外傷性の特徴及び減少する厚さのため、偏向可能な先端120をガイドワイヤー212の上方に沿ってより容易に前進させることが可能となるため、本発明の装置100は、冠状静脈洞口208が例えば、テベジウス弁220により部分的に閉塞され、又は冠状静脈洞202の脈管組織内にてより末端方向が閉塞される患者にて、冠状静脈洞202内にカニューレを挿入することの困難性を軽減する。かかる場合、上述したように、装置100を冠状静脈洞口208まで前進させるとき、装置100の貫通管腔154を通して注入された造影剤210は、閉塞部220の回りの通路をより容易に識別することを可能にする。同一の要領にて、装置100が冠状静脈洞202内に配置されたとき、装置100の貫通管腔154を通して注入された造影剤210はより末端方向に配置された閉塞部の周囲の経路を開通する。
【0039】
経路が識別されたならば、ガイドワイヤー212を該経路を通して閉塞部220の回りにて且つ、冠状静脈洞202内に前進させる。図10G、図10Hに示すように、ガイドワイヤー212が閉塞部220を経て前進し且つ、冠状静脈洞202内の閉塞部220から末端方向に配置されたならば、次に、上述した方法を使用して装置100の偏向可能な先端120をガイドワイヤー212の上方に沿って閉塞部220を経て前進させ、装置100が冠状静脈洞202内を末端方向に前進し、標的箇所の位置を探知するようにする。
【0040】
図10Iに示すように、装置100が閉塞部220から且つ、冠状静脈洞202内を末端方向に前進したならば、次に、ガイドカテーテル204を装置100の上方に沿って、閉塞部220を経て且つ、冠状静脈洞202内を末端方向に前進させる。この要領にて、装置100は、細い操作可能なガイドワイヤー212と太いより剛性なガイドカテーテル204との間の架橋部として作用し、ガイドカテーテル204を閉塞部220を経て前進させることの困難さを軽減する。次に、上述した方法の任意の方法を使用して、造影剤210(図10Iに図示せず)を装置100の貫通管腔154を通して注入し、標的箇所を識別し且つ、リード200を標的箇所に配置することができる。
【0041】
更に、図10Fに関して上述したように、ガイドカテーテル200を利用せずに、リード200は閉塞部220を超える位置に配置し、造影剤210を装置100の貫通管腔154を通して注入し、冠状静脈洞口208及び閉塞部220の位置を探知することにより、装置100を冠状静脈洞202内に直接挿入することもできる。閉塞部220の回りの経路が識別されたならば、ガイドワイヤー212を該経路を通し且つ、閉塞部220を超えて冠状静脈洞202内にて末端方向に前進させ、次に、上述した方法を使用して、装置100の偏向可能な先端120をガイドワイヤー212の上方に沿って閉塞部220を経て前進させ、装置100を冠状静脈洞202内にて末端方向に前進させ、標的箇所の位置を探知する。何れの場合でも、次に、上述したように、提供装置100が標的箇所に配置されたならば、提供装置100から末端方向外方に前進させることにより直接的に、又は提供装置100を介して、ガイドワイヤー212を標的箇所に配置し、次に、装置100を除去し、ガイドワイヤー212は所要位置に残るようにする。次に、リード200をガイドワイヤー212の上方に沿って標的箇所まで前進させる。リード200が標的箇所に配置されたならば、ガイドワイヤー212を除去する。
【0042】
最初に、装置100は、造影剤210を貫通管腔154を通して注入することにより、冠状静脈洞口208内を前進するものとして説明したが、装置100のステア可能な部分114の結果、テーパー付き部分125が、偏向可能な先端120に沿って含まれ、偏向可能な先端120を形成する管159の非外傷性の特徴及び減少する厚さのため、得られる造影剤210の流れの像により、冠状静脈洞口208の位置を探知すべく造影剤210を注入せずに、冠状静脈洞口208の位置を直接探知し且つ、カニューレ挿入のため偏向可能な先端120を使用することができる。
【0043】
本発明の特定の実施の形態について示し且つ説明したが、形態変更例が具体化可能である。このため、本発明の真の精神及び範囲に属する、かかる全ての変更及び形態変更例を特許請求の範囲の範囲に包含することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に従った医学療法提供装置の概略図である。
【図2】本発明に従った医学療法提供装置のハンドルの断面図である。
【図3】本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。
【図4】図1の断面線IV−IVに沿った本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。
【図5】図1の断面線V−Vに沿った本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。
【図6】図1の断面線VI−VIに沿った本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。
【図7】図1の断面線VII−VIIに沿った本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。
【図8】図1の断面線VIII−VIIIに沿った本発明に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。
【図9】本発明の1つの実施の形態に従った医学療法提供装置の軸の断面図である。
【図10】10Aは、本発明に従った医学療法提供装置を使用してリードを冠状静脈洞内に配置する状態を示す、一例としての概略図である。10Bは、本発明に従った医学療法提供装置を使用してリードを冠状静脈洞内に配置する状態を示す、別の一例としての概略図である。10Cは、本発明に従った医学療法提供装置を使用してリードを冠状静脈洞内に配置する状態を示す、更に別の一例としての概略図である。10Dは、本発明に従った医学療法提供装置を使用してリードを冠状静脈洞内に配置する状態を示す、更に別の一例としての概略図である。10Eは、本発明に従った医学療法提供装置を使用してリードを冠状静脈洞内に配置する状態を示す、更に別の一例としての概略図である。10Fは、本発明に従った医学療法提供装置を使用してリードを冠状静脈洞内に配置する状態を示す、更に別の一例としての概略図である。10Gは、本発明に従った医学療法提供装置を使用してリードを冠状静脈洞内に配置する状態を示す、更に別の一例としての概略図である。10Hは、本発明に従った医学療法提供装置を使用してリードを冠状静脈洞内に配置する状態を示す、更に別の一例としての概略図である。10Iは、本発明に従った医学療法提供装置を使用してリードを冠状静脈洞内に配置する状態を示す、更に別の一例としての概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に対し療法を提供するため標的箇所の位置を探知する方法において、
ステア可能な部分と、テーパー付き部分を有する偏向可能な先端とを備える提供装置を第一の箇所に相応する領域まで前進させるステップと、
提供装置を第一の箇所に向けて更に前進させるステップと、
提供装置を第一の箇所内にて前進させるステップと、
第一の箇所内にて提供装置の末端から造影剤を送り込み、標的箇所の位置を探知するステップとを備える、患者に対し療法を提供するため標的箇所の位置を探知する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
貫通管腔を通り且つ、貫通管腔と流体的に連通した提供装置の末端から外方に造影剤を送り込み、造影剤を第一の箇所に沿って配置するステップを更に備える、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所内に送り込まれた造影剤を通じて標的箇所まで前進させるステップと、
ガイドワイヤーを提供装置の貫通管腔を通して標的箇所まで前進させるステップと、
ペーシングリードをガイドワイヤーの上方に沿って標的箇所まで前進させるステップとを更に備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
提供装置の貫通管腔を通り且つ、第一の箇所内に送り込まれた造影剤を通してガイドワイヤーを標的箇所まで前進させるステップと、
ペーシングリードをガイドワイヤーの上方に沿って標的箇所まで前進させるステップとを更に備える、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所に沿って領域まで前進させるステップは、
ガイドカテーテルを患者の体内にて前進させるステップと、
提供装置をガイドカテーテルを介して第一の箇所に沿った領域まで前進させるステップとを備える、方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所に沿った領域まで前進させる前に、ガイドワイヤーを貫通管腔内に挿入するステップを更に備える、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
ガイドカテーテルを患者の体内にて前進させるステップを更に備え、
提供装置を第一の箇所に沿った領域まで前進させるステップは、提供装置をガイドカテーテルの末端を通り且つ、該末端から外方に前進させるステップを更に備える、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
ガイドカテーテルを提供装置の上方に沿って第一の箇所内にて前進させるステップを更に備える、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
第一の箇所内に送り込まれた造影剤を利用して提供装置を標的箇所まで前進させるステップと、
ガイドカテーテルを提供装置の上方に沿って標的箇所まで前進させるステップと、
提供装置をガイドカテーテルから除去するステップと、
ガイドカテーテルを通して療法を標的箇所に提供するステップとを更に備える、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
提供装置が前進する間、マニプレータワイヤーを操作するステップを更に備え、
提供装置は、貫通管腔の周りに配置された第一の管腔部分と、第一の管腔部分から変位(offset)され且つ、該第一の管腔部分と流体的に連通した第二の管腔部分とを有する単一の軸管腔を備え、
第二の管腔部分は、第一の側壁と、第二の側壁と、該第一の側壁と該第二の側壁との間を伸びる底部壁とを有し、
貫通管腔、第一の側壁、第二の側壁及び底部壁は、マニプレータワイヤーを第二の管腔部分内に配置する、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所内にて前進させるステップは、
ガイドワイヤーを提供装置の貫通管腔を通って末端から外方に且つ、第一の箇所内にて前進させるステップと、
提供装置をガイドワイヤーの上方に沿って前進させるステップとを備える、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
提供装置は、提供装置の基端とテーパー付き部分の基端との間に7フレンチ(French)以下の外径を有し、
偏向可能な先端は、テーパー付き部分の基端と末端の先端との間に6フレンチ以下の外径を有する、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
偏向可能な先端は、ジェット粉砕した炭化タングステンが装填され且つ、35Dのデュロメータ硬さ測定値を有するPEBA材料にて形成される、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、
偏向可能な先端は、貫通管腔と、末端の先端の末端開口部と流体的に連通する先端管腔を形成する外壁と、内壁とを有し、外壁は、偏向可能な先端の基端とテーパー付き部分の基端との間にて内壁から約0.61mm(約0.024インチ)隔てられ且つ、テーパー付き部分の末端と末端の先端との間にて内壁から約0.305mm(約0.012インチ)隔てられ、
外壁と内壁との間の距離は、テーパー付き部分の基端と末端との間にて次第に減少する、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法において、
第一の箇所は、冠状静脈洞であり、
標的箇所は冠状静脈洞の静脈内にある、方法。
【請求項16】
患者に対し療法を提供するため標的箇所の位置を探知する方法において、
ステア可能な部分と、テーパー付き部分を有する偏向可能な先端とを備える提供装置を第一の箇所に相応する領域まで前進させるステップと、
貫通管腔を通り且つ、貫通管腔と流体的に連通した提供装置の末端から外方に造影剤を送り込み、造影剤を第一の箇所に沿って配置するステップと、
提供装置を第一の箇所内に向けて更に前進させるステップと、
提供装置を第一の箇所内にて前進させるステップと、
第一の箇所内にて提供装置の末端から造影剤を送り込み、標的箇所の位置を探知するステップとを備える、患者に対し療法を提供するため標的箇所の位置を探知する方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
貫通管腔を通り且つ、貫通管腔と流体的に連通した提供装置の末端から外方に造影剤を送り込み、造影剤を第一の箇所に沿って配置するステップを更に備える、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所内に送り込まれた造影剤を通じて標的箇所まで前進させるステップと、
ガイドワイヤーを提供装置の貫通管腔を通して標的箇所まで前進させるステップと、
ペーシングリードをガイドワイヤーの上方に沿って標的箇所まで前進させるステップとを更に備える、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、
提供装置の貫通管腔を通り且つ、第一の箇所内に送り込まれた造影剤を通してガイドワイヤーを標的箇所まで前進させるステップと、
ペーシングリードをガイドワイヤーの上方に沿って標的箇所まで前進させるステップとを更に備える、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所に沿って領域まで前進させるステップは、
ガイドカテーテルを患者の体内にて前進させるステップと、
提供装置をガイドカテーテルを介して第一の箇所に沿った領域まで前進させるステップとを備える、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所に沿った領域まで前進させる前に、ガイドワイヤーを貫通管腔内に挿入するステップを更に備える、方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法において、
ガイドカテーテルを患者の体内にて前進させるステップを更に備え、
提供装置を第一の箇所に沿った領域まで前進させるステップは、提供装置をガイドカテーテルの末端を通り且つ、該末端から外方に前進させるステップを更に備える、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、
ガイドカテーテルを提供装置の上方に沿って第一の箇所内にて前進させるステップを更に備える、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
第一の箇所内に送り込まれた造影剤を利用して提供装置を標的箇所まで前進させるステップと、
ガイドカテーテルを提供装置の上方に沿って標的箇所まで前進させるステップと、
提供装置をガイドカテーテルから除去するステップと、
ガイドカテーテルを通して療法を標的箇所に提供するステップとを更に備える、方法。
【請求項25】
請求項16に記載の方法において、
提供装置が前進する間、マニプレータワイヤーを操作するステップを更に備え、
提供装置は、貫通管腔の回りに配置された第一の管腔部分と、第一の管腔部分から変位(offset)され且つ、該第一の管腔部分と流体的に連通した第二の管腔部分とを有する単一の軸管腔を備え、
第二の管腔部分は、第一の側壁と、第二の側壁と、該第一の側壁と該第二の側壁との間を伸びる底部壁とを有し、
貫通管腔、第一の側壁、第二の側壁及び底部壁は、マニプレータワイヤーを第二の管腔部分内に配置する、方法。
【請求項26】
請求項16に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所内にて前進させるステップは、
ガイドワイヤーを提供装置の貫通管腔を通って末端から外方に且つ、第一の箇所内にて前進させるステップと、
提供装置をガイドワイヤーの上方に沿って前進させるステップとを備える、方法。
【請求項27】
請求項16に記載の方法において、
提供装置は、提供装置の基端とテーパー付き部分の基端との間に7フレンチ以下の外径を有し、
偏向可能な先端は、テーパー付き部分の基端と末端の先端との間に6フレンチ以下の外径を有する、方法。
【請求項28】
請求項16に記載の方法において、
偏向可能な先端は、ジェット粉砕した炭化タングステンが装填され且つ、35Dのデュロメータ硬さ測定値を有するPEBA材料にて形成される、方法。
【請求項29】
請求項16に記載の方法において、
偏向可能な先端は、貫通管腔及び末端の先端の末端開口部と流体的に連通する先端管腔を形成する外壁と、内壁とを有し、
外壁は、偏向可能な先端の基端とテーパー付き部分の基端との間にて内壁から約0.61mm(約0.024インチ)隔てられ且つ、テーパー付き部分の末端と末端の先端との間にて内壁から約0.305mm(約0.012インチ)隔てられ、
外壁と内壁との間の距離は、テーパー付き部分の基端と末端との間にて次第に減少する、方法。
【請求項30】
請求項16に記載の方法において、
第一の箇所は、冠状静脈洞であり、
標的箇所は冠状静脈洞の静脈内にある、方法。
【請求項31】
患者に対し療法を提供するため標的箇所の位置を探知する方法において、
ステア可能な部分と、テーパー付き部分を有する偏向可能な先端とを備える提供装置を第一の箇所に相応する領域まで前進させるステップと、
マニプレータワイヤーを介して提供装置の第二の位置に対する提供装置の第一の位置の偏向を調節するステップと、
貫通管腔を通り且つ、貫通管腔と流体的に連通した提供装置の末端から外方に造影剤を送り込み、造影剤を第一の箇所に沿って配置するステップと、
提供装置を第一の箇所内に向けて更に前進させるステップと、
提供装置を第一の箇所内にて前進させるステップと、
第一の箇所内にて提供装置の末端から造影剤を送り込み、標的箇所の位置を探知するステップとを備え、
提供装置は、貫通管腔の回りに配置された第一の管腔部分と、第一の管腔部分から変位(オフセット)され且つ、該第一の管腔部分と流体的に連通した第二の管腔部分とを有する単一の軸管腔を備え、
第二の管腔部分は、第一の側壁と、第二の側壁と、該第一の側壁と該第二の側壁との間を伸びる底部壁とを有し、
貫通管腔、第一の側壁、第二の側壁及び底部壁は、マニプレータワイヤーを第二の管腔部分内に配置し、
提供装置は、提供装置の基端とテーパー付き部分の基端との間に7フレンチ以下の外径を有し、
偏向可能な先端は、テーパー付き部分の基端と末端の先端との間に6フレンチ以下の外径を有する、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、
提供装置は、第一の部分に沿ってステンレス鋼編組部を有し且つ、72Dのデュロメータ硬さ測定値を有し、また、軸の第二の部分に沿って非編組状態であり、40Dのデュロメータ硬さ測定値を有する、方法。
【請求項33】
請求項31に記載の方法において、
偏向可能な先端は、ジェット粉砕した炭化タングステンが装填され且つ、35Dのデュロメータ硬さ測定値を有するPEBA材料にて形成される、方法。
【請求項34】
請求項31に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所内に送り込まれた造影剤を通じて標的箇所まで前進させるステップと、
ガイドワイヤーを提供装置の貫通管腔を通して標的箇所まで前進させるステップと、
ペーシングリードをガイドワイヤーの上方に沿って標的箇所まで前進させるステップとを更に備える、方法。
【請求項35】
請求項31に記載の方法において、
提供装置の貫通管腔を通り且つ、第一の箇所内に送り込まれた造影剤を通してガイドワイヤーを標的箇所まで前進させるステップと、
ペーシングリードをガイドワイヤーの上方に沿って標的箇所まで前進させるステップとを更に備える、方法。
【請求項36】
請求項31に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所に沿って領域まで前進させるステップは、
ガイドカテーテルを患者の体内にて前進させるステップと、
提供装置をガイドカテーテルを介して第一の箇所に沿った領域まで前進させるステップとを備える、方法。
【請求項37】
請求項34に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所に沿った領域まで前進させる前に、ガイドワイヤーを貫通管腔内に挿入するステップを更に備える、方法。
【請求項38】
請求項31に記載の方法において、
ガイドカテーテルを患者の体内にて前進させるステップを更に備え、
提供装置を第一の箇所に沿った領域まで前進させるステップは、提供装置をガイドカテーテルの末端を通り且つ、該末端から外方に前進させるステップを更に備える、方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法において、
ガイドカテーテルを提供装置の上方に沿って第一の箇所内にて前進させるステップを更に備える、方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法において、
第一の箇所内に送り込まれた造影剤を通して提供装置を標的箇所まで前進させるステップと、
ガイドカテーテルを提供装置の上方に沿って標的箇所まで前進させるステップと、
提供装置をガイドカテーテルから除去するステップと、
ガイドカテーテルを通して療法を標的箇所に提供するステップとを更に備える、方法。
【請求項41】
請求項31に記載の方法において、
提供装置を第一の箇所内にて前進させるステップは、
ガイドワイヤーを提供装置の貫通管腔を通って末端から外方に且つ、第一の箇所内にて前進させるステップと、
提供装置をガイドワイヤーの上方に沿って前進させるステップとを備える、方法。
【請求項42】
請求項31に記載の方法において、
偏向可能な先端は、貫通管腔及び末端の先端の末端開口部と流体的に連通する先端管腔を形成する外壁と、内壁とを有し、
外壁は、偏向可能な先端の基端とテーパー付き部分の基端との間にて内壁から約0.61mm(約0.024インチ)隔てられ且つ、テーパー付き部分の末端と末端の先端との間にて内壁から約0.305mm(約0.012インチ)隔てられ、
外壁と内壁との間の距離は、テーパー付き部分の基端と末端との間にて次第に減少する、方法。
【請求項43】
請求項31に記載の方法において、
提供装置は、第一の部分に沿ってステンレス鋼編組部を有し且つ、72Dのデュロメータ硬さ測定値を有し、また、軸の第二の部分に沿って非編組状態であり、40Dのデュロメータ硬さ測定値を有し、
偏向可能な先端は、ジェット粉砕した炭化タングステンが装填され且つ、35Dのデュロメータ硬さ測定値を有するPEBA材料にて形成される、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図10I】
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【公表番号】特表2007−503952(P2007−503952A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526168(P2006−526168)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/028446
【国際公開番号】WO2005/025662
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(591007804)メドトロニック・インコーポレーテッド (243)
【Fターム(参考)】