内径計測装置およびその方法
【課題】管状の被計測物の内径を容易に計測することができる内径計測装置およびその方法を提供する。
【解決手段】被計測物2の中空部分に挿入される円筒形の測定棒11と、測定棒11の周方向に互いにほぼ等間隔かつ軸方向にほぼ等しい位置に測定棒11表面に対してほぼ垂直に設けられ、伸縮自在である複数の伸縮棒12と、測定棒11とほぼ同軸上に設けられ、被計測物2に対して直接または間接的に固定され測定棒11を被計測物2に対して平行に支持する支持体13とを有する。測定棒11表面から被計測物2の内面に接触する各伸縮棒12の先端までの長さと、測定棒11の直径とに基づいて、伸縮棒12の先端位置に対する外接円の直径を求め、外接円の直径から被計測物2の内径を求める。
【解決手段】被計測物2の中空部分に挿入される円筒形の測定棒11と、測定棒11の周方向に互いにほぼ等間隔かつ軸方向にほぼ等しい位置に測定棒11表面に対してほぼ垂直に設けられ、伸縮自在である複数の伸縮棒12と、測定棒11とほぼ同軸上に設けられ、被計測物2に対して直接または間接的に固定され測定棒11を被計測物2に対して平行に支持する支持体13とを有する。測定棒11表面から被計測物2の内面に接触する各伸縮棒12の先端までの長さと、測定棒11の直径とに基づいて、伸縮棒12の先端位置に対する外接円の直径を求め、外接円の直径から被計測物2の内径を求める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状の被計測物の内径を計測する内径計測装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼管などの管状を有する被計測物の内径を計測する方法として、シリンダゲージを用いる計測方法が知られている。シリンダゲージを用いる場合、計測者は、計測点にシリンダを当て、軸方向に動かして角度を変え、その最小値を読む。さらに計測者は、軸方向を固定しながら周方向に角度を変え最大値を読み取る。
【0003】
周方向に動かす際の軸方向の固定は、計測者の手動により行われる。このため、シリンダゲージを用いた内径計測は、計測者に熟練度が必要とされ、計測に時間がかかってしまう。
【0004】
これに対し、人間系を要しない内径計測装置として、例えば特許文献1に開示された内径測定装置が知られている。
【0005】
内径計測装置は、内径測定バー、芯出しバー、およびスプリングにより本体を支持する測定器支え軸を有する。内径測定バーは、寸法測定端子およびディジタル表示ダイヤルゲージを有する。内径測定バーは、芯出しハンドルおよび芯出しハンドルストッパーによって45度毎に回転し、ディジタル表示ダイヤルゲージの移動量によって内径を表示する。この内径計測装置は、鋼管の内径を高精度に、かつ短時間で自動的に測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−43103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の内径計測装置は、被計測物に挿入される計測装置の中心軸と被計測物の中心軸とを一致させる必要がある。このため、特許文献1の内径計測装置は、芯出しのために被計測物に対して均等の力をかけるための機構が必要であった。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、管状の被計測物の内径を容易に計測することができる内径計測装置およびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る内径計測装置は、上述した課題を解決するために、管状の被計測物の中空部分に挿入される円筒形の測定棒と、前記測定棒の周方向に互いにほぼ等間隔かつ軸方向にほぼ等しい位置に前記測定棒表面に対してほぼ垂直に設けられ、伸縮自在である複数の伸縮棒と、前記測定棒とほぼ同軸上に設けられ、前記被計測物に対して直接または間接的に固定され前記測定棒を前記被計測物に対して平行に支持する支持体と、前記測定棒表面から前記被計測物の内面に接触する各前記伸縮棒の先端までの長さと、前記測定棒の直径とに基づいて、前記伸縮棒の先端位置に対する外接円の直径を求め、前記外接円の直径から前記被計測物の内径を求める演算装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る内径計測装置およびその方法においては、管状の被計測物の内径を容易に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る内径計測装置の第1実施形態を示す全体的な構成図。
【図2】第1実施形態における内径計測装置の測定棒の軸方向に沿う断面図。
【図3】測定データ蓄積演算装置が鋼管の内径を求める際の概念的な説明図。
【図4】第1実施形態における内径計測装置の変形例を示す図。
【図5】本発明に係る内径計測装置の第2実施形態を示す全体的な構成図。
【図6】第2実施形態における内径計測装置の測定棒の軸方向に沿う断面図。
【図7】図6のVII−VII線に沿う内径計測装置および鋼管の断面図。
【図8】本発明に係る内径計測装置の第3実施形態を示す全体的な構成図。
【図9】第3実施形態における内径計測装置の測定棒の軸方向に沿う断面図。
【図10】比較例としての測定棒を鋼管から取り出す操作の説明図。
【図11】(A)はカバーに対して測定棒を回転させる前の説明図、(B)は測定棒が回転し、伸縮バーが縮小した際の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る内径計測装置およびその方法の各実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る内径計測装置の第1実施形態を示す全体的な構成図である。
【0014】
図2は、第1実施形態における内径計測装置1の測定棒11の軸方向に沿う断面図である。
【0015】
第1実施形態における内径計測装置1は、鋼管2の軸方向に対して垂直な面を有する管板3により管孔が支持される鋼管2を被計測物とする。鋼管2は、管状であり、中空部分を有する被計測物の一例である。
【0016】
内径計測装置1は、測定棒11、伸縮バー12、キャップ13、および測定データ蓄積演算装置14を有する。
【0017】
測定棒11は、被計測物としての鋼管2に挿入可能なように鋼管2の内径より小さい外径を有する、円筒形の棒である。測定棒11は、鋼管2に挿入される側の端部11a寄りに複数の伸縮バー12を有する。
【0018】
伸縮バー12(伸縮棒)は、測定棒11の表面に対して垂直方向に突出し、スプリングなどの弾性体の作用により測定棒11の表面に対して伸縮する。伸縮バー12は、力を受けていない場合には最大長さとなる。伸縮バー12は、測定棒11の表面方向の力を受けると縮み、その力から解放されるとスプリングの弾性力により最大長さに戻る。
【0019】
伸縮バー12は、測定棒11の表面の周方向に互いに等間隔に配置される。また、各伸縮バー12は、測定棒11の軸方向において等しい位置に配置される。第1実施形態においては、伸縮バー12は、3本設けられ、互いに120度の間隔で配置される。
【0020】
キャップ13(支持体)は、測定棒11とほぼ同軸上に設けられ、一端が開口する中空の筒状である。図2に示すように、キャップ13は、中空部に測定棒11を周方向に沿って支持するためのガイド13aを有する。キャップ13は、頭部13b(図示右端)およびガイド13aで測定棒11を軸方向にスライド可能に支持する。
【0021】
キャップ13は、被計測物である鋼管2の外径より大きい外径を有する。キャップ13は、頭部13bとは反対側の図示左端側である底部13cに固定面13dを有する。固定面13dは、キャップ13の軸方向、すなわち測定棒11の軸方向と垂直である。
【0022】
測定データ蓄積演算装置14(演算装置)は、伸縮バー12と接続されており、伸縮バー12の変位(例えば伸縮バー12を伸縮させるスプリングの変位)を計測し蓄積する。測定データ蓄積演算装置14は、得られた各伸縮バー12の変位と、既知である測定棒11の直径とに基づいて、鋼管2の内径を演算する。測定データ蓄積演算装置14は、演算により求まる鋼管2の内径を蓄積する。
【0023】
測定データ蓄積演算装置14は、求められた内径を、鋼管2の軸方向上の位置とともに蓄積する。鋼管2の軸方向上の位置(測定位置)は、例えば、キャップ13の頭部13bから突出する測定棒11の長さを測ることで取得することができる。これにより、管継手のレデューサーのような軸方向に内径が変化する被計測物の内径の変異を測定することができる。
【0024】
次に、第1実施形態における内径計測装置1を用いた鋼管2の内径計測の方法について説明する。
【0025】
測定棒11は、鋼管2の内径の測定位置に応じてキャップ13に対してスライドされ所望の長さに調整されると、測定位置に伸縮バー12が到達するまで鋼管2内に挿入される。
【0026】
測定棒11は、後述する内径の演算のために、測定棒11と鋼管2との中心軸を平行に維持する必要がある。キャップ13の固定面13dは、管板3の表面と接触する。管板3の表面およびキャップ13の固定面13dは、それぞれ鋼管2の軸方向および測定棒11の軸方向と垂直であるため、固定面13dは測定棒11および鋼管2の中心軸を平行に維持するために作用する。すなわち、キャップ13は、鋼管2に対して管板3を介して間接的に固定される。
【0027】
また、キャップ13は、頭部13bおよびガイド13aの2箇所で測定棒11を支持する。このため、測定棒11は、重力やその他測定棒11に作用する力により軸方向を鋼管2の軸方向と平行に維持される。例えば、図2の測定棒11の端部11aがキャップ13による支持点に対して下がらず、鋼管2と測定棒11との中心軸は、平行に保たれる。
【0028】
各伸縮バー12は、鋼管2への挿入に伴い鋼管2の内面に接触して測定棒11の表面方向に力を受け、これらの力と釣り合う位置までそれぞれ縮む。このとき、各伸縮バー12は鋼管2の内面から力を受けてそれぞれ独立して縮み、それぞれ異なる変位が得られればよいため、鋼管2と測定棒11の中心軸が一致する必要がない。
【0029】
測定データ蓄積演算装置14は、各伸縮バー12の変位を計測し蓄積する。測定データ蓄積演算装置14は、各伸縮バー12の変位(伸縮バー12の先端までの長さ)と測定棒11の直径とから、鋼管2の内径を求める。
【0030】
図3は、測定データ蓄積演算装置14が鋼管2の内径を求める際の概念的な説明図である。
【0031】
3本の伸縮バー12の先端位置を結ぶと、三角形が形成される。このとき、鋼管2の内周はこの三角形の外接円となり、鋼管2の内径はこの外接円の直径とほぼ等しい。測定データ蓄積演算装置14は、各伸縮バー12の変位から求まる各伸縮バー12の長さ、および測定棒11の直径から、外接円の直径、すなわち鋼管2の内径を幾何学的に算出する。
【0032】
この内径計測装置1およびその方法は、鋼管2の中心軸に対して測定棒11の中心軸を一致させる必要がない。このため、内径計測のための作業を簡素化でき、計測者に熟練度を要しない。また内径計測装置1は、計測に要する時間を短縮することができる。
【0033】
なお、第1実施形態における内径計測装置は、1つの内径計測装置に対して複数の測定棒を備えてもよい。
【0034】
図4は、第1実施形態における内径計測装置の変形例を示す図である。
【0035】
第1実施形態の変形例としての内径計測装置21は、鋼管22の軸方向に対して垂直な面を有する管板23により管孔が支持される複数の鋼管22を被計測物とする。
【0036】
内径計測装置21は、測定棒31、伸縮バー32およびキャップ33からなる複数の測定ユニット30、および1台の測定データ蓄積演算装置34を有する。
【0037】
各測定ユニット30は、各鋼管22に対して対になるように配置される。測定データ蓄積演算装置34は、各鋼管22に挿入された各測定ユニット30から、伸縮バー32の変位を計測し、上述した内径計測装置1と同様に各鋼管22の内径を演算する。
【0038】
この内径計測装置21は、多孔板のように多数の鋼管が被計測物である場合においても、多数の鋼管を同時に計測することができ、計測時間を短縮することができる。
【0039】
[第2実施形態]
図5は、本発明に係る内径計測装置の第2実施形態を示す全体的な構成図である。
【0040】
図6は、第2実施形態における内径計測装置41の測定棒51の軸方向に沿う断面図である。
【0041】
図7は、図6のVII−VII線に沿う内径計測装置41および鋼管42の断面図である。
【0042】
第2実施形態における内径計測装置41は、管孔に管板が取り付けられていない直管からなる鋼管42を被計測物とする。
【0043】
内径計測装置41は、測定棒51、伸縮バー52、キャップ53、および測定データ蓄積演算装置54を有する。測定棒51、伸縮バー52および測定データ蓄積演算装置54は、第1実施形態で説明した測定棒11、伸縮バー12および測定データ蓄積演算装置14とほぼ同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0044】
キャップ53(支持体)は、測定棒51とほぼ同軸上に設けられ、一端が開口する中空の筒状である。キャップ53は、測定棒51を周方向に沿って支持するためのガイド53aを中空部に有する。キャップ53は、図6に示すように、頭部53b(図示右端)およびガイド53aで測定棒51を軸方向にスライド可能に支持する。
【0045】
キャップ53は、被計測物である鋼管42の外径より大きい内径を有する。キャップ53は、中空部内面において複数のサポート56(支持用弾性体)を有する。サポート56は、例えば内部にスプリングを有する弾性体である。
【0046】
サポート56は、周方向に複数個配列され、かつ軸方向に複数個配列される。少なくとも、軸方向に配列されたサポート56のうち隣接して配列されたサポート56(例えば図6における56a、56b)は、ほぼ同一の弾性力を有する。サポート56は、例えば軸方向に2個ずつ、周方向に4個ずつ取り付けられる。
【0047】
キャップ53は、内径測定時においては、中空部に鋼管42を収容し、サポート56を鋼管42の外周に接触させ、鋼管42と測定棒51とを平行に支持する。すなわち、キャップ53は、鋼管42に対して直接的に固定される。
【0048】
次に、第2実施形態における内径計測装置41を用いた鋼管42の内径計測の方法について説明する。
【0049】
測定棒51は、鋼管42の内径の測定位置に応じてキャップ53に対してスライドされ所望の長さに調整されると、測定位置に伸縮バー52が到達するまで鋼管42内に挿入される。キャップ53は、中空部に鋼管42の管孔側(少なくとも一部)を収容し、サポート56と鋼管42とを接触させて支持する。このとき、軸方に並んで配列された2個のサポート56は弾性力がほぼ同一に設定されているため、鋼管42とキャップ53、すなわち鋼管42と測定棒51とは、サポート56が作用し中心軸が平行に維持される。
【0050】
この内径計測装置41およびその方法は、第1実施形態で奏する効果に加え、管板を有していない鋼管42であっても、測定棒51と鋼管42との中心軸を平行に維持し、簡易に鋼管42の内径を測定することができる。
【0051】
[第3実施形態]
図8は、本発明に係る内径計測装置の第3実施形態を示す全体的な構成図である。
【0052】
図9は、第3実施形態における内径計測装置61の測定棒71の軸方向に沿う断面図である。
【0053】
第3実施形態における内径計測装置61は、鋼管2の軸方向に対して垂直な面を有する管板3により管孔が支持される鋼管2であって、内径が伸縮バー72が伸びた状態よりも小さい径を有する鋼管2を被計測物とする。
【0054】
内径計測装置61は、測定棒71、伸縮バー72、キャップ73、カバー77および測定データ蓄積演算装置74を有する。測定棒71、キャップ73および測定データ蓄積演算装置74は、第1実施形態で説明した測定棒11、キャップ13および測定データ蓄積演算装置74とほぼ同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0055】
各伸縮バー72は、伸縮バー72の先端に向かい細くなる傾斜を有するつば72aを有する。つば72aは、伸縮バー72の周方向に向く面に設けられる。つば72aは、伸縮バー72と一体に形成されてもよいし、別体で設けて種々の固定方法により伸縮バー72に固定されてもよい。
【0056】
カバー77は、測定棒71の外径よりも大きい内径を有し、測定棒71と中心軸をほぼ一致させた状態で測定棒71の少なくとも一部を覆う。カバー77は、測定棒71に対して相対的に回転する。カバー77は、伸縮バー72の位置に対応する位置に開口部77aを有し、カバー77から伸縮バー72を突出させる。
【0057】
次に、第3実施形態における内径計測装置61を用いた鋼管2の内径計測の方法について説明する。
【0058】
第3実施形態における内径計測装置61の作用を説明する前に、被計測物が階段状に内径が変化する鋼管である場合の課題を説明する。
【0059】
図10は、比較例としての測定棒81を鋼管80から取り出す操作の説明図である。
【0060】
伸縮バー82が最大長さに伸びた状態の測定棒81および伸縮バー82の径方向長さが、鋼管80の内径よりも大きい場合、測定棒81は鋼管80内を移動することができない。例えば、階段状に内径が変化する鋼管80において、内径が大きい箇所から小さい箇所に向かって軸方向に移動する際、伸縮バー82は、階段状に形成された境界80aで引っかかる。これにより、測定棒81は、鋼管80外へ回収できなくなってしまう。
【0061】
第3実施形態における内径計測装置61は、カバー77およびつば72aを有することにより、階段状に内径が変化する場合であっても、測定棒71を回収することができる。
【0062】
図11(A)はカバー77に対して測定棒71を回転させる前の説明図、(B)は測定棒71が回転し、伸縮バー72が縮小した際の説明図である。
【0063】
測定棒71は、計測者の操作により、カバー77に対して時計回りに回転される。伸縮バー72のつば72aは、回転するカバー77の開口部77aを形成する側壁77bと接触し、反時計回り方向に押される。つば72aは、伸縮バー72の先端に向かい細くなるような傾斜を有する。このため、つば72aは、カバー77の側壁77bから与えられる力を伸縮バー72を縮小させる方向の力に変換する。
【0064】
伸縮バー72は、徐々に縮小し、伸縮バー72と測定棒71との径方向長さが鋼管2の内径よりも小さくなると、伸縮バー72の長さによらずに鋼管2内を軸方向に移動することができる。
【0065】
この内径計測装置61によれば、第1実施形態で奏する効果に加え、例えば、上述した図10のような階段状に内径が変化する鋼管においても、内径が大きい箇所から小さい箇所に向かって軸方向に移動することができる。また、鋼管2の内径が一定である場合であっても、内径が伸縮バー72と測定棒71との径方向長さよりも小さい鋼管に対しても容易に挿入および回収できる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0067】
例えば、伸縮バーは、測定棒に対して120度間隔で設けられたが、この角度分布は一例でありこれに限られない。
【符号の説明】
【0068】
1、21、41、61 内径計測装置
11、31、51、71 測定棒
11a 端部
2、22、42 鋼管
3 管板
12、32、52、72 伸縮バー
13、33、53、73 キャップ
13a、53a ガイド
14、34、54、74 測定データ蓄積演算装置
23 管板
30 測定ユニット
56 サポート
72a つば
77 カバー
77a 開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状の被計測物の内径を計測する内径計測装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼管などの管状を有する被計測物の内径を計測する方法として、シリンダゲージを用いる計測方法が知られている。シリンダゲージを用いる場合、計測者は、計測点にシリンダを当て、軸方向に動かして角度を変え、その最小値を読む。さらに計測者は、軸方向を固定しながら周方向に角度を変え最大値を読み取る。
【0003】
周方向に動かす際の軸方向の固定は、計測者の手動により行われる。このため、シリンダゲージを用いた内径計測は、計測者に熟練度が必要とされ、計測に時間がかかってしまう。
【0004】
これに対し、人間系を要しない内径計測装置として、例えば特許文献1に開示された内径測定装置が知られている。
【0005】
内径計測装置は、内径測定バー、芯出しバー、およびスプリングにより本体を支持する測定器支え軸を有する。内径測定バーは、寸法測定端子およびディジタル表示ダイヤルゲージを有する。内径測定バーは、芯出しハンドルおよび芯出しハンドルストッパーによって45度毎に回転し、ディジタル表示ダイヤルゲージの移動量によって内径を表示する。この内径計測装置は、鋼管の内径を高精度に、かつ短時間で自動的に測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−43103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の内径計測装置は、被計測物に挿入される計測装置の中心軸と被計測物の中心軸とを一致させる必要がある。このため、特許文献1の内径計測装置は、芯出しのために被計測物に対して均等の力をかけるための機構が必要であった。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、管状の被計測物の内径を容易に計測することができる内径計測装置およびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る内径計測装置は、上述した課題を解決するために、管状の被計測物の中空部分に挿入される円筒形の測定棒と、前記測定棒の周方向に互いにほぼ等間隔かつ軸方向にほぼ等しい位置に前記測定棒表面に対してほぼ垂直に設けられ、伸縮自在である複数の伸縮棒と、前記測定棒とほぼ同軸上に設けられ、前記被計測物に対して直接または間接的に固定され前記測定棒を前記被計測物に対して平行に支持する支持体と、前記測定棒表面から前記被計測物の内面に接触する各前記伸縮棒の先端までの長さと、前記測定棒の直径とに基づいて、前記伸縮棒の先端位置に対する外接円の直径を求め、前記外接円の直径から前記被計測物の内径を求める演算装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る内径計測装置およびその方法においては、管状の被計測物の内径を容易に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る内径計測装置の第1実施形態を示す全体的な構成図。
【図2】第1実施形態における内径計測装置の測定棒の軸方向に沿う断面図。
【図3】測定データ蓄積演算装置が鋼管の内径を求める際の概念的な説明図。
【図4】第1実施形態における内径計測装置の変形例を示す図。
【図5】本発明に係る内径計測装置の第2実施形態を示す全体的な構成図。
【図6】第2実施形態における内径計測装置の測定棒の軸方向に沿う断面図。
【図7】図6のVII−VII線に沿う内径計測装置および鋼管の断面図。
【図8】本発明に係る内径計測装置の第3実施形態を示す全体的な構成図。
【図9】第3実施形態における内径計測装置の測定棒の軸方向に沿う断面図。
【図10】比較例としての測定棒を鋼管から取り出す操作の説明図。
【図11】(A)はカバーに対して測定棒を回転させる前の説明図、(B)は測定棒が回転し、伸縮バーが縮小した際の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る内径計測装置およびその方法の各実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る内径計測装置の第1実施形態を示す全体的な構成図である。
【0014】
図2は、第1実施形態における内径計測装置1の測定棒11の軸方向に沿う断面図である。
【0015】
第1実施形態における内径計測装置1は、鋼管2の軸方向に対して垂直な面を有する管板3により管孔が支持される鋼管2を被計測物とする。鋼管2は、管状であり、中空部分を有する被計測物の一例である。
【0016】
内径計測装置1は、測定棒11、伸縮バー12、キャップ13、および測定データ蓄積演算装置14を有する。
【0017】
測定棒11は、被計測物としての鋼管2に挿入可能なように鋼管2の内径より小さい外径を有する、円筒形の棒である。測定棒11は、鋼管2に挿入される側の端部11a寄りに複数の伸縮バー12を有する。
【0018】
伸縮バー12(伸縮棒)は、測定棒11の表面に対して垂直方向に突出し、スプリングなどの弾性体の作用により測定棒11の表面に対して伸縮する。伸縮バー12は、力を受けていない場合には最大長さとなる。伸縮バー12は、測定棒11の表面方向の力を受けると縮み、その力から解放されるとスプリングの弾性力により最大長さに戻る。
【0019】
伸縮バー12は、測定棒11の表面の周方向に互いに等間隔に配置される。また、各伸縮バー12は、測定棒11の軸方向において等しい位置に配置される。第1実施形態においては、伸縮バー12は、3本設けられ、互いに120度の間隔で配置される。
【0020】
キャップ13(支持体)は、測定棒11とほぼ同軸上に設けられ、一端が開口する中空の筒状である。図2に示すように、キャップ13は、中空部に測定棒11を周方向に沿って支持するためのガイド13aを有する。キャップ13は、頭部13b(図示右端)およびガイド13aで測定棒11を軸方向にスライド可能に支持する。
【0021】
キャップ13は、被計測物である鋼管2の外径より大きい外径を有する。キャップ13は、頭部13bとは反対側の図示左端側である底部13cに固定面13dを有する。固定面13dは、キャップ13の軸方向、すなわち測定棒11の軸方向と垂直である。
【0022】
測定データ蓄積演算装置14(演算装置)は、伸縮バー12と接続されており、伸縮バー12の変位(例えば伸縮バー12を伸縮させるスプリングの変位)を計測し蓄積する。測定データ蓄積演算装置14は、得られた各伸縮バー12の変位と、既知である測定棒11の直径とに基づいて、鋼管2の内径を演算する。測定データ蓄積演算装置14は、演算により求まる鋼管2の内径を蓄積する。
【0023】
測定データ蓄積演算装置14は、求められた内径を、鋼管2の軸方向上の位置とともに蓄積する。鋼管2の軸方向上の位置(測定位置)は、例えば、キャップ13の頭部13bから突出する測定棒11の長さを測ることで取得することができる。これにより、管継手のレデューサーのような軸方向に内径が変化する被計測物の内径の変異を測定することができる。
【0024】
次に、第1実施形態における内径計測装置1を用いた鋼管2の内径計測の方法について説明する。
【0025】
測定棒11は、鋼管2の内径の測定位置に応じてキャップ13に対してスライドされ所望の長さに調整されると、測定位置に伸縮バー12が到達するまで鋼管2内に挿入される。
【0026】
測定棒11は、後述する内径の演算のために、測定棒11と鋼管2との中心軸を平行に維持する必要がある。キャップ13の固定面13dは、管板3の表面と接触する。管板3の表面およびキャップ13の固定面13dは、それぞれ鋼管2の軸方向および測定棒11の軸方向と垂直であるため、固定面13dは測定棒11および鋼管2の中心軸を平行に維持するために作用する。すなわち、キャップ13は、鋼管2に対して管板3を介して間接的に固定される。
【0027】
また、キャップ13は、頭部13bおよびガイド13aの2箇所で測定棒11を支持する。このため、測定棒11は、重力やその他測定棒11に作用する力により軸方向を鋼管2の軸方向と平行に維持される。例えば、図2の測定棒11の端部11aがキャップ13による支持点に対して下がらず、鋼管2と測定棒11との中心軸は、平行に保たれる。
【0028】
各伸縮バー12は、鋼管2への挿入に伴い鋼管2の内面に接触して測定棒11の表面方向に力を受け、これらの力と釣り合う位置までそれぞれ縮む。このとき、各伸縮バー12は鋼管2の内面から力を受けてそれぞれ独立して縮み、それぞれ異なる変位が得られればよいため、鋼管2と測定棒11の中心軸が一致する必要がない。
【0029】
測定データ蓄積演算装置14は、各伸縮バー12の変位を計測し蓄積する。測定データ蓄積演算装置14は、各伸縮バー12の変位(伸縮バー12の先端までの長さ)と測定棒11の直径とから、鋼管2の内径を求める。
【0030】
図3は、測定データ蓄積演算装置14が鋼管2の内径を求める際の概念的な説明図である。
【0031】
3本の伸縮バー12の先端位置を結ぶと、三角形が形成される。このとき、鋼管2の内周はこの三角形の外接円となり、鋼管2の内径はこの外接円の直径とほぼ等しい。測定データ蓄積演算装置14は、各伸縮バー12の変位から求まる各伸縮バー12の長さ、および測定棒11の直径から、外接円の直径、すなわち鋼管2の内径を幾何学的に算出する。
【0032】
この内径計測装置1およびその方法は、鋼管2の中心軸に対して測定棒11の中心軸を一致させる必要がない。このため、内径計測のための作業を簡素化でき、計測者に熟練度を要しない。また内径計測装置1は、計測に要する時間を短縮することができる。
【0033】
なお、第1実施形態における内径計測装置は、1つの内径計測装置に対して複数の測定棒を備えてもよい。
【0034】
図4は、第1実施形態における内径計測装置の変形例を示す図である。
【0035】
第1実施形態の変形例としての内径計測装置21は、鋼管22の軸方向に対して垂直な面を有する管板23により管孔が支持される複数の鋼管22を被計測物とする。
【0036】
内径計測装置21は、測定棒31、伸縮バー32およびキャップ33からなる複数の測定ユニット30、および1台の測定データ蓄積演算装置34を有する。
【0037】
各測定ユニット30は、各鋼管22に対して対になるように配置される。測定データ蓄積演算装置34は、各鋼管22に挿入された各測定ユニット30から、伸縮バー32の変位を計測し、上述した内径計測装置1と同様に各鋼管22の内径を演算する。
【0038】
この内径計測装置21は、多孔板のように多数の鋼管が被計測物である場合においても、多数の鋼管を同時に計測することができ、計測時間を短縮することができる。
【0039】
[第2実施形態]
図5は、本発明に係る内径計測装置の第2実施形態を示す全体的な構成図である。
【0040】
図6は、第2実施形態における内径計測装置41の測定棒51の軸方向に沿う断面図である。
【0041】
図7は、図6のVII−VII線に沿う内径計測装置41および鋼管42の断面図である。
【0042】
第2実施形態における内径計測装置41は、管孔に管板が取り付けられていない直管からなる鋼管42を被計測物とする。
【0043】
内径計測装置41は、測定棒51、伸縮バー52、キャップ53、および測定データ蓄積演算装置54を有する。測定棒51、伸縮バー52および測定データ蓄積演算装置54は、第1実施形態で説明した測定棒11、伸縮バー12および測定データ蓄積演算装置14とほぼ同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0044】
キャップ53(支持体)は、測定棒51とほぼ同軸上に設けられ、一端が開口する中空の筒状である。キャップ53は、測定棒51を周方向に沿って支持するためのガイド53aを中空部に有する。キャップ53は、図6に示すように、頭部53b(図示右端)およびガイド53aで測定棒51を軸方向にスライド可能に支持する。
【0045】
キャップ53は、被計測物である鋼管42の外径より大きい内径を有する。キャップ53は、中空部内面において複数のサポート56(支持用弾性体)を有する。サポート56は、例えば内部にスプリングを有する弾性体である。
【0046】
サポート56は、周方向に複数個配列され、かつ軸方向に複数個配列される。少なくとも、軸方向に配列されたサポート56のうち隣接して配列されたサポート56(例えば図6における56a、56b)は、ほぼ同一の弾性力を有する。サポート56は、例えば軸方向に2個ずつ、周方向に4個ずつ取り付けられる。
【0047】
キャップ53は、内径測定時においては、中空部に鋼管42を収容し、サポート56を鋼管42の外周に接触させ、鋼管42と測定棒51とを平行に支持する。すなわち、キャップ53は、鋼管42に対して直接的に固定される。
【0048】
次に、第2実施形態における内径計測装置41を用いた鋼管42の内径計測の方法について説明する。
【0049】
測定棒51は、鋼管42の内径の測定位置に応じてキャップ53に対してスライドされ所望の長さに調整されると、測定位置に伸縮バー52が到達するまで鋼管42内に挿入される。キャップ53は、中空部に鋼管42の管孔側(少なくとも一部)を収容し、サポート56と鋼管42とを接触させて支持する。このとき、軸方に並んで配列された2個のサポート56は弾性力がほぼ同一に設定されているため、鋼管42とキャップ53、すなわち鋼管42と測定棒51とは、サポート56が作用し中心軸が平行に維持される。
【0050】
この内径計測装置41およびその方法は、第1実施形態で奏する効果に加え、管板を有していない鋼管42であっても、測定棒51と鋼管42との中心軸を平行に維持し、簡易に鋼管42の内径を測定することができる。
【0051】
[第3実施形態]
図8は、本発明に係る内径計測装置の第3実施形態を示す全体的な構成図である。
【0052】
図9は、第3実施形態における内径計測装置61の測定棒71の軸方向に沿う断面図である。
【0053】
第3実施形態における内径計測装置61は、鋼管2の軸方向に対して垂直な面を有する管板3により管孔が支持される鋼管2であって、内径が伸縮バー72が伸びた状態よりも小さい径を有する鋼管2を被計測物とする。
【0054】
内径計測装置61は、測定棒71、伸縮バー72、キャップ73、カバー77および測定データ蓄積演算装置74を有する。測定棒71、キャップ73および測定データ蓄積演算装置74は、第1実施形態で説明した測定棒11、キャップ13および測定データ蓄積演算装置74とほぼ同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0055】
各伸縮バー72は、伸縮バー72の先端に向かい細くなる傾斜を有するつば72aを有する。つば72aは、伸縮バー72の周方向に向く面に設けられる。つば72aは、伸縮バー72と一体に形成されてもよいし、別体で設けて種々の固定方法により伸縮バー72に固定されてもよい。
【0056】
カバー77は、測定棒71の外径よりも大きい内径を有し、測定棒71と中心軸をほぼ一致させた状態で測定棒71の少なくとも一部を覆う。カバー77は、測定棒71に対して相対的に回転する。カバー77は、伸縮バー72の位置に対応する位置に開口部77aを有し、カバー77から伸縮バー72を突出させる。
【0057】
次に、第3実施形態における内径計測装置61を用いた鋼管2の内径計測の方法について説明する。
【0058】
第3実施形態における内径計測装置61の作用を説明する前に、被計測物が階段状に内径が変化する鋼管である場合の課題を説明する。
【0059】
図10は、比較例としての測定棒81を鋼管80から取り出す操作の説明図である。
【0060】
伸縮バー82が最大長さに伸びた状態の測定棒81および伸縮バー82の径方向長さが、鋼管80の内径よりも大きい場合、測定棒81は鋼管80内を移動することができない。例えば、階段状に内径が変化する鋼管80において、内径が大きい箇所から小さい箇所に向かって軸方向に移動する際、伸縮バー82は、階段状に形成された境界80aで引っかかる。これにより、測定棒81は、鋼管80外へ回収できなくなってしまう。
【0061】
第3実施形態における内径計測装置61は、カバー77およびつば72aを有することにより、階段状に内径が変化する場合であっても、測定棒71を回収することができる。
【0062】
図11(A)はカバー77に対して測定棒71を回転させる前の説明図、(B)は測定棒71が回転し、伸縮バー72が縮小した際の説明図である。
【0063】
測定棒71は、計測者の操作により、カバー77に対して時計回りに回転される。伸縮バー72のつば72aは、回転するカバー77の開口部77aを形成する側壁77bと接触し、反時計回り方向に押される。つば72aは、伸縮バー72の先端に向かい細くなるような傾斜を有する。このため、つば72aは、カバー77の側壁77bから与えられる力を伸縮バー72を縮小させる方向の力に変換する。
【0064】
伸縮バー72は、徐々に縮小し、伸縮バー72と測定棒71との径方向長さが鋼管2の内径よりも小さくなると、伸縮バー72の長さによらずに鋼管2内を軸方向に移動することができる。
【0065】
この内径計測装置61によれば、第1実施形態で奏する効果に加え、例えば、上述した図10のような階段状に内径が変化する鋼管においても、内径が大きい箇所から小さい箇所に向かって軸方向に移動することができる。また、鋼管2の内径が一定である場合であっても、内径が伸縮バー72と測定棒71との径方向長さよりも小さい鋼管に対しても容易に挿入および回収できる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0067】
例えば、伸縮バーは、測定棒に対して120度間隔で設けられたが、この角度分布は一例でありこれに限られない。
【符号の説明】
【0068】
1、21、41、61 内径計測装置
11、31、51、71 測定棒
11a 端部
2、22、42 鋼管
3 管板
12、32、52、72 伸縮バー
13、33、53、73 キャップ
13a、53a ガイド
14、34、54、74 測定データ蓄積演算装置
23 管板
30 測定ユニット
56 サポート
72a つば
77 カバー
77a 開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の被計測物の中空部分に挿入される円筒形の測定棒と、
前記測定棒の周方向に互いにほぼ等間隔かつ軸方向にほぼ等しい位置に前記測定棒表面に対してほぼ垂直に設けられ、伸縮自在である複数の伸縮棒と、
前記測定棒とほぼ同軸上に設けられ、前記被計測物に対して直接または間接的に固定され前記測定棒を前記被計測物に対して平行に支持する支持体と、
前記測定棒表面から前記被計測物の内面に接触する各前記伸縮棒の先端までの長さと、前記測定棒の直径とに基づいて、前記伸縮棒の先端位置に対する外接円の直径を求め、前記外接円の直径から前記被計測物の内径を求める演算装置とを備えることを特徴とする内径測定装置。
【請求項2】
前記被計測物は、前記被計測物の軸方向に対して垂直な面を有する管板により開口部分が支持されており、
前記支持体は、前記管板に対して接触することにより前記測定棒を前記被計測物に対して平行に支持する請求項1記載の内径測定装置。
【請求項3】
前記支持体は、前記被計測物の外径より大きい内径を有し一端が開口する円筒形の中空部と、前記中空部を形成する内面において周方向および軸方向に複数個配列された支持用弾性体とを有し、
軸方向に隣接して配列された前記支持用弾性体は、ほぼ同一の弾性力を有し、
前記支持体は、前記内径測定時において前記中空部に前記被計測物の少なくとも一部を収容し、前記支持用弾性体を前記被計測物に接触させることにより前記測定棒を前記被計測物に対して平行に支持する請求項1記載の内径測定装置。
【請求項4】
前記測定棒の少なくとも一部を覆い、前記測定棒に対して回転し、前記伸縮棒に対応する位置に各前記伸縮棒を突出させる複数の開口部を有するカバーをさらに備え、
各前記伸縮棒は、前記カバーの回転に従って前記カバーから与えられる力から前記伸縮棒を縮小させる方向の力を受ける傾斜を有する請求項1〜3のいずれか一項記載の内径計測装置。
【請求項5】
前記測定棒は、前記伸縮棒の前記被計測物内における位置を計測する位置計測部を有し、
前記演算装置は、前記位置計測部から得られる計測結果とともに求めた前記被計測物の内径を蓄積する請求項1〜4のいずれか一項記載の内径計測装置。
【請求項6】
前記測定棒、前記伸縮棒、および前記支持体を有する測定ユニットを複数備える請求項1〜5のいずれか一項記載の内径計測装置。
【請求項7】
管状の被計測物の中空部分に挿入される円筒形の測定棒と、前記測定棒の周方向に互いにほぼ等間隔かつ軸方向にほぼ等しい位置に前記測定棒表面に対してほぼ垂直に設けられ、伸縮自在である複数の伸縮棒とを準備し、
前記測定棒を、前記被計測物に対して平行に支持し、
前記測定棒表面から前記被計測物の内面に接触する各前記伸縮棒の先端までの長さと、前記測定棒の直径とに基づいて、前記伸縮棒の先端位置に対する外接円の直径を求め、前記外接円の直径から前記被計測物の内径を求めることを特徴とする内径測定方法。
【請求項8】
前記測定棒に対して回転し、前記伸縮棒に対応する位置に各前記伸縮棒を突出させる複数の開口部を有するカバーで前記測定棒の少なくとも一部を覆い、
前記伸縮棒に傾斜を設け、
前記カバーを前記測定棒に対して回転させ、前記伸縮棒の傾斜に対して前記カバーから力を与えて前記伸縮棒を縮小させる請求項7記載の内径計測方法。
【請求項1】
管状の被計測物の中空部分に挿入される円筒形の測定棒と、
前記測定棒の周方向に互いにほぼ等間隔かつ軸方向にほぼ等しい位置に前記測定棒表面に対してほぼ垂直に設けられ、伸縮自在である複数の伸縮棒と、
前記測定棒とほぼ同軸上に設けられ、前記被計測物に対して直接または間接的に固定され前記測定棒を前記被計測物に対して平行に支持する支持体と、
前記測定棒表面から前記被計測物の内面に接触する各前記伸縮棒の先端までの長さと、前記測定棒の直径とに基づいて、前記伸縮棒の先端位置に対する外接円の直径を求め、前記外接円の直径から前記被計測物の内径を求める演算装置とを備えることを特徴とする内径測定装置。
【請求項2】
前記被計測物は、前記被計測物の軸方向に対して垂直な面を有する管板により開口部分が支持されており、
前記支持体は、前記管板に対して接触することにより前記測定棒を前記被計測物に対して平行に支持する請求項1記載の内径測定装置。
【請求項3】
前記支持体は、前記被計測物の外径より大きい内径を有し一端が開口する円筒形の中空部と、前記中空部を形成する内面において周方向および軸方向に複数個配列された支持用弾性体とを有し、
軸方向に隣接して配列された前記支持用弾性体は、ほぼ同一の弾性力を有し、
前記支持体は、前記内径測定時において前記中空部に前記被計測物の少なくとも一部を収容し、前記支持用弾性体を前記被計測物に接触させることにより前記測定棒を前記被計測物に対して平行に支持する請求項1記載の内径測定装置。
【請求項4】
前記測定棒の少なくとも一部を覆い、前記測定棒に対して回転し、前記伸縮棒に対応する位置に各前記伸縮棒を突出させる複数の開口部を有するカバーをさらに備え、
各前記伸縮棒は、前記カバーの回転に従って前記カバーから与えられる力から前記伸縮棒を縮小させる方向の力を受ける傾斜を有する請求項1〜3のいずれか一項記載の内径計測装置。
【請求項5】
前記測定棒は、前記伸縮棒の前記被計測物内における位置を計測する位置計測部を有し、
前記演算装置は、前記位置計測部から得られる計測結果とともに求めた前記被計測物の内径を蓄積する請求項1〜4のいずれか一項記載の内径計測装置。
【請求項6】
前記測定棒、前記伸縮棒、および前記支持体を有する測定ユニットを複数備える請求項1〜5のいずれか一項記載の内径計測装置。
【請求項7】
管状の被計測物の中空部分に挿入される円筒形の測定棒と、前記測定棒の周方向に互いにほぼ等間隔かつ軸方向にほぼ等しい位置に前記測定棒表面に対してほぼ垂直に設けられ、伸縮自在である複数の伸縮棒とを準備し、
前記測定棒を、前記被計測物に対して平行に支持し、
前記測定棒表面から前記被計測物の内面に接触する各前記伸縮棒の先端までの長さと、前記測定棒の直径とに基づいて、前記伸縮棒の先端位置に対する外接円の直径を求め、前記外接円の直径から前記被計測物の内径を求めることを特徴とする内径測定方法。
【請求項8】
前記測定棒に対して回転し、前記伸縮棒に対応する位置に各前記伸縮棒を突出させる複数の開口部を有するカバーで前記測定棒の少なくとも一部を覆い、
前記伸縮棒に傾斜を設け、
前記カバーを前記測定棒に対して回転させ、前記伸縮棒の傾斜に対して前記カバーから力を与えて前記伸縮棒を縮小させる請求項7記載の内径計測方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−237715(P2012−237715A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108327(P2011−108327)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]