説明

内燃エンジン特にディーゼルエンジンの燃料フィルター目詰まり指示装置

内燃エンジン特にディーゼルエンジンの燃料フィルター目詰まり指示装置であり、フィルターが、磁性材料カバー(3)によって閉じられた外部ケーシング(2)と、ディスク(30)と共に接続され、2つのチャンバー(6,7)をそれぞれ燃料入口及び出口用に画定するフィルター要素(5)と、フィルターケーシング内に収容されていて入口と出口との燃料の圧力差を感知する圧力感知手段と、フィルターケーシングの外に位置して、機械的に圧力感知手段(10)に接続していないで、上記圧力差に比例した信号を発信する手段(20)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に内燃エンジン特にディーゼルエンジンで使用のための燃料フィルターに関わる。
【背景技術】
【0002】
通常、ディーゼル燃料は不純物或いは比較的低い温度で分離する多少の固体物質(特にパラフィン)を含んでいる。この理由によりエンジン供給システムは燃料をきれいにできる適切なフィルターを備えなければならない。
【0003】
一般に、最新のディーゼル燃料フィルターはカップ形をしている外部ケーシングと閉鎖カバーを備えている。上記ケーシングは、環状形態の同軸フィルターカートリッジを包含しており、同軸フィルターカートリッジが接続ディスクに固定されている時、カップの内部容量を、燃料の入口チャンバーと出口チャンバーとに分離している。
【0004】
上記不純物を保持していると、次第に上記カートリッジは目詰まりするので、定期的に取り替えなければならない。
【0005】
しかしながら上記目詰まりは常に起きるというのではない、つまり目詰まりの時期は一定ではなく、しかもカートリッジの定期的な交換のためのパラメータとして見なすこともできない。
【0006】
例えば燃料における危険な外部微粒子の生成を防ぐために、交換間隔を決定するための自動識別装置が知られている。
【0007】
十分に信頼性があり且つ重要な範囲で、フィルターの入口と出口の間の燃料圧力差が、フィルター目詰まりの程度に関連した量であるという所見に基づき、上記圧力差の制限値を超えた時に上記装置は指示手段を起動させる。
【0008】
上記装置は、例えば英国特許出願公開明細書GB-A-1057855号に開示されており、一般に一方が燃料の入口と、他方が燃料の出口とに対応する2つの半体チャンバーに分割するために、筒状チャンバーと、その内部に摺動可能ピストンとを備えている。フィルターケーシングの中、或いは分離した容器の中に直接備えることができる上記チャンバーは、圧力差の動作に対してピストンに作用するスプリング手段、及びスプリングの作用に対する上記ピストンの動作によって信号を送る電気機械スイッチ或いは電磁スイッチを収容している。
【0009】
上記装置は、一般に一方が燃料の入口と、他方が燃料の出口とに対応する2つの半体チャンバーに分割するために、筒状チャンバーとその内部に摺動可能ピストンを備えている。直接的にフィルターケーシングの中、或いは別の容器の中に備えられた上記チャンバーは、圧力差の動作に対してピストンに作用するスプリング手段、及びスプリングの動作に対する上記ピストンの運動によって信号を発する電気機械スイッチ或いは電磁スイッチを収容している。
【0010】
上述の装置は、フィルターケーシングの中に備えられ、且つそこに周知の方法で適切なシールガスケットによって固定される複数の適切なシートに取り付けられている。しかしながらこの構成はある欠点を提示している:まず、必然的に外部の環境に対してフィルターの密封時にいくつかの問題が、シートと装置の間を固定するときに起こる;次に、上記シートの配置はその構造をかなり複雑にし、ガスケットの存在により、装置を取り付け及び交換するのをより困難にしている。最終的に、これらの要素は無視することができないコスト増加をも引き起こしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、簡単で、合理的で且つ低コストでの解決手段を含み、提起されたいくつかの欠点を克服することにある。
【0012】
本発明は、特許請求の範囲で示されたいくつかの特徴によって上記目的を達成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
具体的には、本発明はフィルターケーシング内に収容されていて、入口と出口での燃料圧力差を感知する圧力感知手段と、フィルターケーシングの外に位置し、且つ機械的に圧力感知手段に接続していないで、上記圧力差に比例した信号を発信するための手段とを備え、内燃エンジンの燃料フィルターの目詰まりを指示するための装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
この解決手段によって、本発明による装置は、密封の問題を引き起こさず、搭載及び交換が簡単で、そして低価格である。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によると、圧力感知手段は燃料の入口チャンバーの中に取り付けられた、例えば膜或いは蛇腹のような弾性的に変形可能な要素を備える。フィルターカートリッジ接続ディスクに関連して、上記弾性的に変形可能な要素がディスク本体を通る孔を経て、燃料の出口チャンバーに通じる容量を画定する。上記弾性的に変形可能な要素に関連した磁石は、例えば感知手段の変形によって、動くことが出来るように配置される。
【0016】
外見的には、発信手段は下に配置した圧力感知手段に対応する位置で、フィルターカバーにネジ止めにより或いは挿差により或いは接着剤により取り付けられる。
【0017】
本発明によると、上記発信手段は、磁石への接近すなわち圧力差に比例して電圧信号を発するホールセンサーと、それを処理することができる処理装置と、を備える。
【0018】
この解決手段によって、本発明はアナログ信号を取り扱って、フィルターの状態を連続監視するようにでき、公知のいくつかの装置の場合のように、単に目詰まりが起こった時だけ指示するのではない。
【0019】
更には、必要に応じて装置の電子パラメータに作用するだけで容易、且つ迅速に圧力差の許容可能制限値を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の特徴と構造上の利点は、本発明を制限しない例として特に好ましい実施例を例示した添付図面を参照し、明確な記述により更に明らかになるであろう。
【0021】
図1は、特にディーゼルエンジンに搭載されたディーゼル燃料フィルターを示す。
【0022】
参照番号1で示された上記フィルターは、カップ形のフィルターケーシング2と、リングナット4でケーシングに気密に取り付けられた磁性材料から成る上部カバー3を備える。
【0023】
ケーシング2の内部で、ディスク30はフィルターカートリッジ5を支持して、フィルターの内部容量を二つのチャンバーに分割しており、一方が濾過しようとするディーゼル燃料用のチャンバー6で、もう一方が濾過されたディーゼル燃料用のチャンバー7であり、それぞれ入口の導管と出口の導管とに連結されている。
【0024】
チャンバー6では、伸長可能な膜11と、膜の内部容量を濾過されたディーゼルオイル用のチャンバー7へ接続する孔12と、上記膜11に取り付けられた磁石13とで構成される圧力感知手段が挿差されて、成っている(図2及び3参照)。
【0025】
濾過しようとするディーゼルオイル用のチャンバー6と、濾過されたディーゼルオイル用チャンバー7の間での圧力差の変化に対応して、膜11の伸長若しくは収縮とそれによる磁石13の軸線方向の運動が起こるように、圧力センサー10が構成されている。
【0026】
カバー3において、発信手段20が、ホールセンサー21、処理装置22、および出力ケーブル23を備えて、感知手段10の近接に取り付けられる。
【0027】
カートリッジ5が目詰まりしていない状態のディーゼルオイルフィルター1の通常操作の間、フィルター上流のチャンバー6の圧力は、実質上下流のチャンバー7にかかる圧力と同等である(図2参照)。
【0028】
この状態において、膜11がその形によって許容された最大伸長状態にあり、磁石13がホールセンサー21から最小距離にあり、よって高い磁場強度を示す。上記の強度は、センサー21によって比例した電圧信号に変換され、きれいなフィルターを示すものとして処理装置22によって認識される。
【0029】
フィルター5が目詰まりを始めると、濾過しようとするディーゼルオイルを包含するチャンバー6の圧力が、濾過されたディーゼルオイルチャンバー7の圧力に対して増加する。膜11の剛性に唯一対抗する圧力差が膜を下げると、それに応じてホールセンサー21から磁石13の離脱する。
【0030】
距離の変化に従って、感知された磁場の強度が変わると、ホールセンサーによって発信された電圧信号の強度を変える。
【0031】
したがって、処理装置はフィルターの寿命の各瞬間で評価することができる、アナログ量(analogue quantity)は有効であり、アナログ量がカートリッジ1の過剰な目詰まりに相当する所定値を下回っている時、その交換の必要性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のフィルターを示す側断面図。
【図2】新しいフィルターカートリッジを用いた状態で、図1の詳細部IIIを示す部分拡大図。
【図3】目詰まりしたカートリッジを用いた状態で、図2と同様な詳細部IIIを示す部分拡大図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃エンジン特にディーゼルエンジンの燃料フィルター目詰まり指示装置であり、フィルターが、磁性材料カバーによって閉じられた外部ケーシングと、ディスクと共に接続され、2つのチャンバーをそれぞれ燃料入口及び出口用に画定するフィルター要素と、フィルターケーシング内に収容されていて入口と出口との燃料の圧力差を感知する圧力感知手段と、フィルターケーシングの外に位置して、機械的に圧力感知手段に接続していないで、上記圧力差に比例した信号を発信する手段と、を備えた指示装置において、
圧力感知手段が、燃料入口或いは出口チャンバー内側に可変な容量可変を画定する弾性変形可能な要素と、上記容量を他方のチャンバーへ接続する導管と、可撓性要素に関連してその伸長或いは収縮に追従して動く磁石と、を備えることを特徴とする内燃エンジンの燃料フィルター目詰まり指示装置。
【請求項2】
上記圧力感知手段が、燃料入口チャンバーに収容されることを特徴とする請求項1に記載の指示装置。
【請求項3】
上記弾性的に変形可能な要素が、公知の手段でフィルターカートリッジ接続ディスクに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の指示装置。
【請求項4】
上記導管が、可撓性要素に対応するフィルターカートリッジ接続ディスクの厚さを通る貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の指示装置。
【請求項5】
上記発信装置が、圧力感知手段の磁石の磁場を感知するホールセンサーと、ホールセンサーによって発生される電圧信号を処理する処理装置とを備えることを特徴とする請求項1に記載の指示装置。
【請求項6】
発信手段が、フィルターカバーに配置されることを特徴とする請求項1に記載の指示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−532815(P2007−532815A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506695(P2007−506695)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003249
【国際公開番号】WO2005/098227
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(503458087)ユーエフアイ フイルターズ ソチエタ ペル アチオーニ (15)
【Fターム(参考)】