説明

内燃機関の吸気装置

【課題】部品点数および組付工数を減らして製品コストを低減する。
【解決手段】出力ギヤ7の第1対向部には、ジョイント8の第2対向部側に突出する複数の第1突起41が形成されている。ジョイント8の第2対向部には、出力ギヤ7の第1対向部側に突出する複数の第2突起42が形成されている。複数の第1、第2突起41、42は、伝動機構の周方向に交互に配置されており、伝動機構の周方向に120°間隔でそれぞれ形成されている。また、出力ギヤ7の第1対向部とジョイント8の第2対向部との間に保持されるクッション9には、伝動機構の周方向に圧縮変形可能な複数の圧縮変形部71、72が一体的に形成されている。複数の圧縮変形部71、72は、隣設する第1、第2突起41、42間にそれぞれ挿入配置されている。クッション9には、隣設する圧縮変形部71、72を繋ぐ第1、第2連結部が一体的に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の燃焼室内において吸気渦流を発生させる内燃機関の吸気装置に関するもので、特に内燃機関の吸気ポート内に直進的な流れ(偏流)を発生させる内燃機関の吸気装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来より、内燃機関(エンジン)の燃焼室に連通する吸気通路を開閉するバルブを、吸気通路内において吸入空気流を片寄せして、内燃機関の燃焼室内においてタンブル流やスワール流等の吸気渦流を発生させる吸気渦流制御弁の弁体として使用した内燃機関の吸気装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
これは、内部に吸気通路が形成されるハウジングと、このハウジングの内部に回転自在に収容されたバルブと、このバルブを支持固定するシャフトと、このシャフトを介して、バルブを全開方向または全閉方向に駆動する電動アクチュエータとを備えている。
【0003】
ハウジングには、吸気通路を、2つの第1、第2空気流路に区画する隔壁が設けられている。
バルブは、第2空気流路を全閉することで、吸気通路内において吸入空気流を第1空気流路側に片寄せして、エンジンの吸気ポート内に偏流を発生させる。これにより、エンジンの燃焼室内において吸気渦流が発生するため、エンジンの燃焼効率が改善される。
電動アクチュエータは、バルブを駆動するトルクを発生するモータ、このモータの回転を減速してシャフトに伝達する減速機構、およびこの減速機構を構成する複数のギヤ間に挟まれて配置される衝撃吸収部材等によって構成されている。
【0004】
ここで、図10は電動アクチュエータの減速機構の主要部を示した図である。
減速機構は、モータの出力軸に固定されたウォームギヤ(図示せず)、このウォームギヤに噛み合うヘリカルギヤ101、このヘリカルギヤ101と同一軸線上に配置されたスパーギヤ102、およびこのスパーギヤ102に噛み合う出力ギヤ(図示せず)等を有している。
ヘリカルギヤ101およびスパーギヤ102は、ハウジングに固定された支持軸の外周に回転自在に支持されている。
ヘリカルギヤ101とスパーギヤ102との間には、これらの両ギヤ101、102と一体的に回転動作を行う衝撃吸収部材103が配置されている。
【0005】
衝撃吸収部材103は、冷間圧延鋼(SPCC)板で形成される第1、第2プレート111、112および円筒形状に形成される合成ゴム部材(ゴム弾性体)113よりなる。この衝撃吸収部材103は、モータの出力軸に固定されているウォームギヤに噛み合うヘリカルギヤ101と一体に配置されている。
ここで、トルクの伝達が衝撃的に作用してしまう場合、例えばバルブおよびこのバルブと一体回転可能に連結した部材が全閉ストッパに突き当たる瞬間、衝撃吸収部材103のゴム弾性体113が変形する捩じり作用により、ウォームギヤに伝達される衝撃荷重を緩和させて、ウォームギヤのねじ締め状態が発生することを防止できる。
【0006】
また、モータの動作中は、モータのトルクが衝撃吸収部材103のゴム弾性体113を捩じり作用により撓ませているので、その反力によりウォームギヤとヘリカルギヤ101との間のバックラッシュを詰めた状態とすることができる。これにより、モータの停止時に機能する、ウォームギヤのセルフロック効果と共に、モータの動作、非動作に関係なく、バルブのバタツキを防止できる。
ここで、エンジンの運転中にバックファイヤが発生した場合、通常のエンジン運転条件で発生する吸入空気圧以上の異常圧力であるバックファイヤ圧力がエンジン側よりバルブに加わる可能性がある。そして、バックファイヤ圧力等の異常圧力がバルブに加わった場合であっても、システムの一部が損傷することなく、吸気渦流を発生させる必要がある。
【0007】
そこで、出力ギヤとシャフトとの間に、バックファイヤ圧力等の異常圧力がシステムの各部品に衝撃荷重として加わるのを防ぐ圧力逃がし手段を設置している。
圧力逃がし手段は、スパーギヤをシャフトに固定し、シャフトと共に回転自在な第3プレートをコイルスプリングによって繋ぐことで、バックファイヤ圧力等の異常圧力が発生した時に、バルブに加わる異常圧力に抗してコイルスプリングを撓ませることにより、スパーギヤと嵌合した出力ギヤとを切り離すことができる。これにより、バルブが全閉状態で受ける異常荷重、つまり異常圧力の衝撃荷重に応じて、シャフトと一体のバルブを全閉状態から全開側へ回転させることができる。
【0008】
[従来の技術の不具合]
ところが、従来の内燃機関の吸気装置においては、2つの第1、第2プレート111、112間に衝撃吸収部材103のゴム弾性体113を挟んで、変形量を大きくとり、衝撃吸収性を確保するため、円筒状のゴム弾性体113を2つの第1、第2プレート111、112の対向面にそれぞれ加硫接着して、捩じって使用している。
これにより、全閉ストッパにバルブおよびこのバルブと一体回転可能に連結した部材が突き当たる瞬間において、ゴム弾性体113が変形する捩じり作用により、ウォームギヤに伝達される衝撃荷重を緩和させて、ウォームギヤのねじ締め状態(ウォームロック)を防止している。
【0009】
また、バルブの全閉時に、バックファイヤ圧力等の異常圧力が発生した場合、コイルスプリングを撓ませることにより、バックファイヤ圧力を逃がすことで、全閉状態のバルブが受ける異常荷重が緩和される。これにより、万が一の際のバルブ破損を防止できる。
したがって、従来の内燃機関の吸気装置においては、全閉ストッパへの突き当て時のウォームロックを防止したり、バルブのバタツキを防止したり、万が一の際のバルブ破損を防止したりすることができるが、部品点数および組付工数が多く、コストアップとなるという問題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−248449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、部品点数および組付工数を減らしてコストを低減することのできる内燃機関の吸気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明(内燃機関の吸気装置)は、内燃機関の燃焼室に連通する吸気通路を形成するケーシング(ハウジング、インテークマニホールド)と、このケーシングの内部に回転自在に収容されて、内燃機関の吸気通路を開閉するバルブと、このバルブを支持するシャフトと、動力源であるモータ、このモータの回転を減速する減速機構、およびこの減速機構のギヤからシャフトへモータのトルクを伝達する伝動機構を有するアクチュエータとを備えている。
【0013】
伝動機構は、ギヤまたはこのギヤに一体回転可能に連結する第1連結部材、シャフトまたはこのシャフトに一体回転可能に連結する第2連結部材、およびギヤまたは第1連結部材とシャフトまたは第2連結部材との間に保持された衝撃吸収部材を有している。
ギヤまたは第1連結部材およびシャフトまたは第2連結部材は、伝動機構の周方向に交互に配置される複数の第1、第2突起をそれぞれ有している。つまりギヤまたは第1連結部材には、隣設する第2突起間にそれぞれ挿入配置される複数の第1突起が設けられている。また、シャフトまたは第2連結部材には、隣設する第1突起間にそれぞれ挿入配置される複数の第2突起が設けられている。
衝撃吸収部材は、伝動機構の周方向に圧縮変形可能な複数の圧縮変形部(弾性変形部)を有している。これらの圧縮変形部は、複数の第1、第2突起のうちの隣設する第1、第2突起間にそれぞれ挿入配置されている。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、衝撃吸収部材の保持(搭載)位置を、従来の吸気装置の位置から、ギヤまたは第1連結部材とシャフトまたは第2連結部材との間に移している。つまり衝撃吸収部材が減速機構よりもトルク伝動方向のバルブ側に配置されている。
また、衝撃吸収部材の各圧縮変形部が、従来のコイルスプリングの衝撃吸収機能を兼ねることにより、バックファイヤ圧力等の異常圧力の衝撃荷重に抗して撓むことでバルブ破損を防ぐコイルスプリングを廃止することができる。したがって、部品点数および組付工数を減らすことができるので、コストを低減することができる。
【0015】
また、衝撃吸収部材の各圧縮変形部の変形方向を、従来の捩じり作用による変形から、伝動機構の周方向への圧縮変形に変更することにより、モータからシャフトに伝達されるトルクがギヤ比の分上がり、シャフトの回転速度はギヤ比で割った値になる。これにより、従来の捩じり作用による変形量よりも少ない変形量であっても、衝撃吸収部材の各圧縮変形部の圧縮変形によって、ギヤまたは第1連結部材、あるいはシャフトまたは第2連結部材に伝わる衝撃荷重を吸収することができる。
また、衝撃吸収部材が減速機構よりもバルブ側に配置されているので、従来の捩じり作用による変形と同じ衝撃吸収性能を維持するのに必要な変形量(衝撃吸収部材の各圧縮変形部の圧縮変形量)を減らすことができる。
したがって、従来の捩じり作用による変形から伝動機構の周方向への圧縮変形に変更しても同じ衝撃吸収性能を維持することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、衝撃吸収部材を、例えば合成ゴム等により一体的に形成されるゴム弾性体(ゴムクッション)のみによって形成している。これにより、従来の衝撃吸収部材(2つの第1、第2プレート111、112、ゴム弾性体113:図10参照)よりも部品点数および組付工数を減少できる。したがって、製品コストを低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、衝撃吸収部材に、複数の圧縮変形部のうちの隣設する圧縮変形部を繋ぐ連結部を設けている。これにより、全ての圧縮変形部を連結部で繋ぐことで、複数の圧縮変形部を1つの衝撃吸収部材(一体部品)で構成できるので、部品点数および組付工数を減少できる。したがって、製品コストを低減することができる。
【0017】
ここで、従来の吸気装置の衝撃吸収部材は、2つの第1、第2プレートの対向面にゴム弾性体を加硫接着しているので、何らかの要因によって第1、第2プレートの対向面からゴム弾性体が剥がれてしまう可能性がある。このように、第1、第2プレートの対向面からゴム弾性体が剥がれてしまうと、第1プレートまたは第2プレートとゴム弾性体との接続強度が低下するため、第1プレートまたは第2プレートに衝撃荷重が作用しても、第1、第2プレート間に保持されるゴム弾性体に捩じり作用を与えることができず、衝撃吸収部材としての動作信頼性が低下するという問題がある。
【0018】
そこで、請求項4に記載の発明によれば、ギヤまたは第1連結部材とシャフトまたは第2連結部材との間に衝撃吸収部材が保持され、且つ衝撃吸収部材の各圧縮変形部が、隣設する第1、第2突起間にそれぞれ挿入配置されている。これにより、衝撃吸収部材の各圧縮変形部を、隣設する第1、第2突起に接着(例えば加硫接着等)しなくても、衝撃吸収部材の各圧縮変形部が伝動機構の周方向に圧縮変形できる。つまり衝撃吸収性能が低下することはない。これによって、衝撃吸収部材の各圧縮変形部と複数の第1、第2突起との接着を廃止できるので、衝撃吸収部材としての動作信頼性を向上することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、複数の第1、第2突起は、伝動機構(ギヤまたは第1連結部材およびシャフトまたは第2連結部材)の周方向に所定間隔(例えば等間隔:180°間隔または120°間隔)で形成されている。これにより、衝撃吸収部材の圧縮変形による変形量は、各圧縮変形部間で同じものとなる。
請求項6に記載の発明によれば、ギヤまたは第1連結部材およびシャフトまたは第2連結部材に、内部に衝撃吸収部材を収容する収納空間(例えばシャフトの回転軸方向に平行な所定距離(軸方向距離)を有する隙間(空間))を隔てて対向配置される第1、第2対向部をそれぞれ設けている。
【0020】
ギヤまたは第1連結部材の第1対向部は、シャフトまたは第2連結部材の第2対向部と対向する対向面を有している。
シャフトまたは第2連結部材の第2対向部は、ギヤまたは第1連結部材の第1対向部と対向する対向面を有している。
複数の第1突起は、第1対向部(の対向面)から第2対向部側に向けて突出するように設けられている。
複数の第2突起は、第2対向部(の対向面)から第1対向部側に向けて突出するように設けられている。
【0021】
ここで、複数の第1突起のうちの少なくとも1つの第1突起が、シャフトまたは第2連結部材の第2対向部に接触(摺接)していても構わない。また、複数の第1突起と、シャフトまたは第2連結部材の第2対向部との間に隙間が形成されていても構わない。
複数の第2突起のうちの少なくとも1つの第2突起が、ギヤまたは第1連結部材の第1対向部に接触(摺接)していても構わない。また、複数の第2突起と、ギヤまたは第1連結部材の第1対向部との間に隙間が形成されていても構わない。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、ギヤまたは第1連結部材に、内部に衝撃吸収部材を収容する収納空間を形成する円筒部を設けている。
複数の第1突起は、ギヤまたは第1連結部材の円筒部の内周から径方向内側に向けて突出するように設けられている。
請求項8に記載の発明によれば、シャフトに嵌合部を設けている。この嵌合部は、シャフトの回転軸方向に垂直な断面が多角形状に形成されている。
第2連結部材は、嵌合部を圧入固定する多角孔形状の圧入孔を有している。
これにより、第2連結部材がシャフトに一体回転可能(相対回転不能)に連結される。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、シャフトまたは第2連結部材に、ギヤまたは第1連結部材を回転自在に支持するピボットを設けている。
なお、シャフトまたは第2連結部材のピボットの中心軸線は、ギヤまたは第1連結部材の回転中心を構成している。また、ギヤまたは第1連結部材は、ピボットの外周に回転自在に嵌め合わされている。また、ギヤまたは第1連結部材は、ピボットの周囲を周方向に取り囲むように円筒部を有している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)は衝撃吸収部材のゴム弾性体を示した模式図で(従来の技術)、(b)はトルク伝動機構の主要部を示した断面図である(実施例1)。
【図2】内燃機関の吸気装置(渦流発生装置)を示した部分断面図である(実施例1)。
【図3】トルク伝動機構の主要部を示した分解図である(実施例1)。
【図4】トルク伝動機構の主要部を示した斜視図である(実施例1)。
【図5】トルク伝動機構の主要部を示した断面図である(実施例1)。
【図6】トルク伝動機構の主要部を示した分解図である(実施例2)。
【図7】トルク伝動機構の主要部を示した分解図である(実施例3)。
【図8】トルク伝動機構の主要部を示した斜視図である(実施例3)。
【図9】トルク伝動機構の主要部を示した断面図である(実施例3)。
【図10】減速機構の主要部を示した分解図である(従来の技術)。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明は、部品点数および組付工数を減らしてコストを低減するという目的を、ギヤまたは第1連結部材およびシャフトまたは第2連結部材に、伝動機構の周方向に交互に配置される複数の第1、第2突起を設け、ギヤまたは第1連結部材とシャフトまたは第2連結部材との間に保持される衝撃吸収部材に、伝動機構の周方向に圧縮変形可能な複数の圧縮変形部を設け、これらの圧縮変形部を、複数の第1、第2突起のうちの隣設する第1、第2突起間にそれぞれ挿入配置することで実現した。
また、衝撃吸収部材の各圧縮変形部と複数の第1、第2突起との接着を廃止して、衝撃吸収部材としての動作信頼性を向上するという目的を、衝撃吸収部材の各圧縮変形部を、隣設する第1、第2突起間にそれぞれ挿入配置することで実現した。
【実施例1】
【0026】
[実施例1の構成]
図1(b)ないし図5は本発明の実施例1を示したもので、図1(b)はトルク伝動機構の主要部を示した図で、図2は渦流発生装置を示した図で、図3ないし図5はトルク伝動機構の主要部を示した図である。
【0027】
本実施例の内燃機関の吸気装置は、複数の気筒を有する内燃機関(エンジン)の各気筒(シリンダ)毎に吸入空気を供給する複数の吸気通路が、エンジンの気筒配列方向に並列配置された吸気通路構造を具備し、エアクリーナ、電子スロットル装置、渦流発生装置等を備えている。また、エンジンは、例えば自動車等の車両のエンジンルーム内に搭載されている。
【0028】
本実施例の渦流発生装置は、エンジンの吸気管の途中に組み込まれる合成樹脂製のダクト1と、このダクト1の内部を流れる吸入空気を開閉動作により制御する合成樹脂製のプレートバルブ(複数のバルブ)2と、これらのバルブ2を連動可能となるように支持する回転軸(金属製のシャフト)3と、このシャフト3を回転駆動して複数のバルブ2を開閉動作させる電動アクチュエータとを備え、エンジンの各気筒毎の燃焼室に供給する吸入空気を制御する内燃機関の吸気制御装置として使用される。
【0029】
ここで、電動アクチュエータは、動力源であるモータMと、このモータMのトルクをシャフト3に伝達する動力伝達機構とを備えている。
動力伝達機構は、モータMの回転を減速する減速機構、およびこの減速機構の最終ギヤからシャフト3へモータMのトルクを伝達するトルク伝動機構(以下伝動機構と略す)を有している。
【0030】
減速機構は、モータMの出力軸(モータシャフト)に固定されたウォームギヤ4、このウォームギヤ4に噛み合って回転するヘリカルギヤ5、このヘリカルギヤ5と同軸的(例えば同一軸線上)に配置されたスパーギヤ6、およびこのスパーギヤ6に噛み合って回転する合成樹脂(または金属)製の最終ギヤ(出力ギヤ)7を有している。
伝動機構は、上述した出力ギヤ7、シャフト3に一体回転可能(相対回転不能)に連結した合成樹脂(または金属)製の第2連結部材(ジョイント)8、および出力ギヤ7とジョイント8との間に保持された合成ゴム製の衝撃吸収部材(ゴム弾性体製のクッション)9を有している。
【0031】
ここで、エンジンは、複数の気筒(第1〜第4気筒)を有し、第1〜第4気筒が気筒配列方向に直列に配置されたシリンダブロックと、複数の吸気ポートおよび複数の排気ポートを有するシリンダブロックとを備えている。
エンジンの各気筒毎の燃焼室に独立して接続される複数の吸気ポートは、ポペット型の吸気バルブによって開閉される。また、エンジンの各気筒毎の燃焼室に独立して接続される複数の排気ポートは、ポペット型の排気バルブによって開閉される。
【0032】
エンジンの吸気ポートには、エンジンの各気筒毎の燃焼室に吸入空気を導入するための吸気管(吸気ダクト)が接続されている。この吸気管の内部には、エアクリーナで濾過された清浄な外気を、電子スロットル装置のスロットルボディ、サージタンク、インテークマニホールド(ダクト1)を経由して、エンジンの各気筒毎の燃焼室に導入するための吸気通路が形成されている。
エンジンの排気ポートには、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスを外部に排出するための排気管(排気ダクト)が接続されている。この排気管の内部には、排気ガスをエキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプ、排気浄化装置、マフラを経由して、外部に排出するための排気通路が形成されている。
【0033】
エンジンのシリンダヘッドには、先端部が各気筒毎の燃焼室内に露出するようにスパークプラグが取り付けられている。また、シリンダヘッドには、各吸気ポート内に最適なタイミングで燃料を噴射するインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)が取り付けられている。
エンジンのシリンダブロックの内部には、気筒配列方向に4つの燃焼室が形成されている。また、シリンダブロックの各気筒の内部に形成されるシリンダボア内には、連接棒を介してクランクシャフトに連結されたピストンがその摺動(往復)方向に摺動自在に支持されている。
【0034】
本実施例の渦流発生装置は、自動車のエンジンルームに設置されて、並列配置された複数の吸気通路の一部を複数のバルブ2により閉じることで、吸気通路内において吸入空気流を片寄せして、エンジンの吸気ポート内に直進的な流れ(偏流)を発生させるシステムである。これにより、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において吸気渦流(タンブル流またはスワール流)が発生する。この渦流発生装置は、電子スロットル装置と共に、エンジンの吸気系統に組み込まれている。そして、渦流発生装置は、複数のバルブ2を、ダクト1の内部にシャフト3の回転軸方向に一定の間隔で並列的に複数配置した多連一体型の吸気通路開閉装置(バルブ開閉装置)である。
【0035】
本実施例のダクト1は、合成樹脂によって一体的に形成されて、インテークマニホールドの一部を構成すると共に、内部に複数の吸気通路(独立吸気通路)が形成されたケーシングである。このダクト1の内部には、断面円形状の独立吸気通路が気筒数に対応した個数形成されている。各独立吸気通路は、エンジンのシリンダヘッドに形成される各吸気ポートに互いに独立して接続されている。
【0036】
ダクト1は、各独立吸気通路の周囲を周方向に取り囲むように設置された複数の円筒部(周壁部)10を有している。これらの円筒部10の空気流方向の下流端(エンジン側端部)には、シリンダヘッドの結合端面に締結ボルト等を用いて締結固定される結合端面を有するフランジが一体的に形成されている。
複数の円筒部10は、ダクト1の軸線方向(各独立吸気通路の軸線方向)に延長されている。ダクト1の各円筒部10には、各独立吸気通路を、2つの第1、第2吸気通路11、12に気密的に区画する複数の隔壁13が一体的に形成されている。本実施例では、各第1吸気通路11が各バルブ2によって開閉されるように構成されている。
【0037】
ダクト1は、シャフト3の回転軸方向の一端側に第1軸受け保持部14を有している。また、ダクト1は、シャフト3の回転軸方向の他端側に第2軸受け保持部(図示せず)を有している。
第1軸受け保持部14は、第1軸受け部材(オイルシール15、ベアリング16)を介して、シャフト3の回転軸方向の一端側の第1摺動部を回転自在に支持する第1軸受け孔17を有している。
第2軸受け保持部は、第2軸受け部材(ベアリング)を介して、シャフト3の回転軸方向の他端側の第2摺動部を回転自在に支持する第2軸受け孔を有している。
【0038】
複数のバルブ2は、合成樹脂によって一体的に形成されている。これらのバルブ2は、1本のシャフト3に串刺し状態となるように結合(支持固定)された回転型のバルブである。
複数のバルブ2は、各第1吸気通路11の開口面積が最大となる全開位置から、各第1吸気通路11の開口面積が最小となる全閉位置に至るまでのバルブ作動可能範囲にて回転角度(バルブ開度)が変更されることで、ダクト1に対して相対回転して各第1吸気通路11を開閉する。つまり各第1吸気通路11の各通路断面積を絞る。
【0039】
複数のバルブ2は、エンジンの通常運転時に、電動アクチュエータ、特にモータMのトルクを利用して全開される。つまり複数のバルブ2の開度が、全開開度の状態(全開位置)となるように制御(全開方向に駆動)される。
なお、複数のバルブ2の全開位置とは、ダクト1の各円筒部10の内部に形成される各第1吸気通路11を全開した全開開度の状態(全開姿勢)のことである。そして、全開位置は、各バルブ2の作動可能範囲の一方側の限界位置、つまり複数のバルブ2に一体回転可能に連結したジョイント8の全開ストッパ部(後述する)が、ダクト1に設けられた全開ストッパ(図示せず)に突き当たって、これ以上の各バルブ2の全開作動が規制される全開側規制位置である。
なお、スプリング等の付勢力によって全てのバルブ2が全開位置となるように開弁方向に付勢しても良い。
【0040】
複数のバルブ2は、エンジン始動時またはアイドル運転時に、電動アクチュエータ、特にモータMのトルクを利用して全閉される。つまり複数のバルブ2の開度が、全閉開度の状態(全閉位置)となるように制御(全閉方向に駆動)される。
なお、複数のバルブ2の全閉位置とは、各第1吸気通路11を全閉した全閉開度の状態(全閉姿勢)のことである。そして、全閉位置は、各バルブ2の作動可能範囲の他方側の限界位置、つまりジョイント8の全閉ストッパ部(後述する)が、ダクト1に設けられた全閉ストッパ(図示せず)に突き当たって、これ以上の各バルブ2の全閉作動が規制される全閉側規制位置である。
なお、スプリング等の付勢力によって全てのバルブ2が全閉位置となるように閉弁方向に付勢しても良い。
【0041】
シャフト3は、複数の独立吸気通路の配列方向(エンジンの気筒配列方向に対して並列方向)に対して平行な回転軸方向に真っ直ぐに延びるように配設されている。このシャフト3は、その回転軸方向に垂直な断面が多角形状(例えば四角形状)に形成された多角断面シャフト(角形鋼製シャフト)であって、例えば鉄系金属によって一体的に形成されている。なお、シャフト3の第1、第2摺動部は、その回転軸方向に垂直な断面が円形状に形成されている。
【0042】
シャフト3は、圧入嵌合によって複数のバルブ2の各回転中心部毎に形成される多角孔形状のシャフト圧入孔に挿入されている。このシャフト3は、複数のバルブ2の回転中心部を串刺し状態となるように結合することで、全てのバルブ2を連動可能に連結する1本の駆動軸である。
また、シャフト3は、複数のバルブ2の開度を変更する回転軸であって、複数のバルブ2毎の各シャフト圧入孔の孔壁面に圧入固定されている。これにより、シャフト3は、複数のバルブ2を支持固定することが可能となる。
【0043】
シャフト3の第1摺動部は、第1軸受け部材(オイルシール15、ベアリング16)を介して、ダクト1の第1軸受け孔17に回転方向に摺動自在に支持されている。
シャフト3の第2摺動部は、第2軸受け部材(ベアリング)を介して、ダクト1の第2軸受け孔に回転方向に摺動自在に支持されている。
ここで、シャフト3は、その第1摺動部よりも回転軸方向の一端側に突出した突出部が、伝動機構のジョイント8を嵌合保持するための嵌合部18となっている。この嵌合部18は、その回転軸方向に垂直な断面が多角形状(例えば四角形状)に形成されている。
【0044】
電動アクチュエータは、電力の供給を受けて複数のバルブ2を駆動する駆動力(トルク)を発生するモータMと、このモータMのトルクをシャフト3に伝達する動力伝達機構と、これらの構成部品を収容するアクチュエータケースとを備えている。このアクチュエータケースは、モータMを収容保持するモータハウジング21と、伝動機構を収容するギヤハウジング22と、このギヤハウジング22の開口部を塞ぐプラグ23とを備えている。モータハウジング21およびギヤハウジング22は、合成樹脂によって一体的に形成されている。
【0045】
モータMは、モータハウジング21のモータ収納空間内において収容保持されている。このモータMは、エンジン制御ユニット(エンジン制御装置、電子制御装置:以下ECUと言う)によって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリ(外部電源)に電気的に接続されている。
動力伝達機構は、モータMの回転を所定の減速比となるように減速する減速機構を備えている。減速機構は、ウォームギヤ4、ヘリカルギヤ5、スパーギヤ6および出力ギヤ7を備えている。これらの各ギヤ4〜7は、ギヤハウジング22のギヤ収納空間内において回転自在に収容されている。
【0046】
ウォームギヤ4は、モータシャフトの外周に圧入固定されている。
ヘリカルギヤ5およびスパーギヤ6は、モータMのモータシャフトの軸線方向に対して垂直に配設されたギヤシャフト34の外周に回転自在に支持されている。スパーギヤ6は、ヘリカルギヤ5に直接連結されている。つまりヘリカルギヤ5とスパーギヤ6との間には、従来の衝撃吸収部材103を構成する第1、第2プレート111、112およびゴム弾性体113(図10参照)が設けられていない。
【0047】
ヘリカルギヤ5は、ギヤシャフト34の周囲を周方向に取り囲む円筒状のボス部を有している。このボス部の外周には、ウォームギヤ4と噛み合う複数の凸状歯(ヘリカルギヤ歯)が周方向全体に形成(列設)されている。
スパーギヤ6は、ギヤシャフト34の周囲を周方向に取り囲む円筒状のボス部を有している。このボス部の外周には、出力ギヤ7と噛み合う複数の凸状歯(スパーギヤ歯)が周方向全体に形成(列設)されている。
【0048】
動力伝達機構は、出力ギヤ7、ジョイント8およびクッション9により構成される伝動機構を備えている。
出力ギヤ7およびジョイント8は、合成樹脂によって一体的に形成されている。出力ギヤ7およびジョイント8は、クッション9を介して、モータMのトルクをスパーギヤ6または出力ギヤ7からシャフト3に伝達する機構である。
出力ギヤ7およびジョイント8は、内部にクッション9を収容するクッション収納空間(例えばシャフト3の回転軸方向に平行な所定距離(軸方向距離)を有する隙間(空間))を隔てて対向して配置される第1、第2対向部31、32をそれぞれ有している。
【0049】
出力ギヤ7の第1対向部31には、ジョイント8の第2対向部32と所定距離(軸方向距離)を隔てて対向する対向面が設けられている。ジョイント8の第2対向部32には、出力ギヤ7の第1対向部31と所定距離(軸方向距離)を隔てて対向する対向面が設けられている。
第1対向部31の対向面の中央部には、第1対向部31の対向面から第2対向部側に向けて突出する第1円筒部33が一体的に形成されている。また、第2対向部32の対向面の中央部には、第2対向部32の対向面から第1対向部側に向けて突出する第2円筒部34が一体的に形成されている。
【0050】
ここで、本実施例の第1円筒部33は、第2円筒部34の周囲を周方向に取り囲むように円筒形状に形成されている。また、第1対向部31および第1円筒部33は、第2円筒部34の外周に回転自在に嵌め合わされている。また、第1対向部31および第1円筒部32には、ジョイント8の第2円筒部34が回転自在に嵌合する丸孔形状の嵌合孔35が形成されている。
本実施例の第2円筒部34は、出力ギヤ7の第1円筒部33を回転方向に摺動可能に支持するピボットとしての機能を有している。これにより、出力ギヤ7は、ジョイント8に対して相対回転可能に連結されている。
また、第2対向部32および第2円筒部34には、シャフト3の嵌合部18を圧入固定する多角孔(四角孔)形状の圧入孔36が形成されている。
【0051】
出力ギヤ7およびジョイント8は、図1(b)に示したように、伝動機構(出力ギヤ7、ジョイント8等)の周方向に交互に配置される複数(本例では3つ)の第1、第2突起41、42をそれぞれ有している。
複数の第1突起41は、第1円筒部33よりも径方向外側に放射状に形成される、第1対向部31の対向面から第2対向部側に向けて突出するように設けられている。
複数の第2突起42は、第2円筒部34よりも径方向外側に放射状に形成される、第2対向部32の対向面から第1対向部側に向けて突出するように設けられている。
【0052】
出力ギヤ7の第1対向部31の径方向外側には、第1円筒部33の周囲を周方向に取り囲むように円筒状の歯形成部(外側円筒部、第3円筒部)51が一体的に形成されている。この歯形成部51の内部には、クッション収納空間が形成されている。また、歯形成部51の外周には、スパーギヤ6の凸状歯と噛み合う複数の凸状歯(出力ギヤ歯)52が周方向全体に形成(列設)されている。
なお、出力ギヤ7の第1対向部31は、出力ギヤ7の軸線方向の一端側(図示上端側)の開口部を塞ぐように円環形状に形成されている。
【0053】
ここで、複数の第1突起41は、歯形成部51の内周面から第1円筒部33の外周面へ向けて、つまり径方向外側から径方向内側へ向けて突出するように設けられている。これらの第1突起41は、第1対向部31の底面(図示下端面)上において、出力ギヤ7の軸線方向の他方側(図示下端側)に向けて突出するように設けられている。また、複数の第1突起41は、伝動機構の周方向に所定間隔(等間隔:例えば120°間隔)で形成されている。また、複数の第1突起41は、複数の第2突起42のうちの隣設する2つの第2突起42間にそれぞれ挿入配置されている。
【0054】
ジョイント8には、表面(図示上端面)上に円形状の第2対向部32が形成されるベースプレート61、およびこのベースプレート61の裏面(図示下端面)からバルブ側(第2円筒部34の突出方向に対して逆側)に突出する円筒状のスリーブ62が一体的に形成されている。ベースプレート61の周囲には、鍔状のフランジ63が一体的に形成されている。
第2対向部32に形成される第2円筒部34およびスリーブ62は、シャフト3の嵌合部18の周囲を周方向に取り囲む円筒状の軸方向壁部を構成している。
【0055】
また、スリーブ62には、第2対向部32および第2円筒部34と同様に、シャフト3の嵌合部18を圧入固定する多角孔形状の圧入孔36が形成されている。これにより、ジョイント8がシャフト3に一体回転可能(相対回転不能)に連結される。
圧入孔36は、ジョイント8の回転中心軸線上に設けられて、シャフト3の回転軸方向に延長されている。なお、圧入孔36の回転軸方向(軸線方向)の両端は、開口している。つまり圧入孔36は、第2円筒部34の上端面とスリーブ62の下端面とを連通するように回転軸方向に貫通している。
【0056】
スリーブ62の外周には、スリーブ62の径方向外側へ向けて突出する2つの突条部64、65が一体的に形成されている。2つの突条部64、65のうちの一方の突条部に、バルブ2の全閉時にダクト1の全閉ストッパに係止される全閉ストッパ部としての機能を持たせても良い。また、2つの突条部64、65のうちの他方の突条部に、バルブ2の全開時にダクト1の全開ストッパに係止される全開ストッパ部としての機能を持たせても良い。
【0057】
ここで、複数の第2突起42は、第2対向部32の底面(図示下端面)上において、出力ギヤ7の軸線方向の一方側に向けて突出するように設けられている。また、複数の第2突起42は、伝動機構の周方向に所定間隔(等間隔:例えば120°間隔)で形成されている。また、複数の第2突起42は、複数の第1突起41のうちの隣設する2つの第1突起41間にそれぞれ挿入配置されている。
なお、ジョイント8の第2円筒部34の外周と複数の第2突起42の内面との間には、円環状の嵌合凹部67が形成されている。この嵌合凹部67には、出力ギヤ7の第1円筒部33が嵌め込まれる。
【0058】
クッション9は、例えば合成ゴム(H−NBR)等により一体的に形成されるゴム弾性体のみによって形成されている。このクッション9は、出力ギヤ7またはジョイント8に伝わる衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部材である。
クッション9は、複数の第1、第2突起41、42のうちの隣設する第1、第2突起41、42間にそれぞれ設置された複数の圧縮変形部71、72、これらの圧縮変形部71、72のうちの隣設する圧縮変形部71、72を繋ぐ第1円筒部側連結部(以下第1連結部と略す)73、および複数の圧縮変形部71、72のうちの隣設する圧縮変形部72、71を繋ぐ第2円筒部側連結部(以下第2連結部と略す)74を有している。
【0059】
複数の圧縮変形部71は、図1(b)に示したように、伝動機構の周方向(シャフト3の中心軸線周り)に圧縮変形可能なゴム弾性体である。これらの圧縮変形部71は、隣設する第1、第2突起41、42間にそれぞれ挿入配置されている。また、複数の圧縮変形部71は、出力ギヤ7の第1対向部31とジョイント8の第2対向部32との間に弾性変形自在に保持されている。
複数の圧縮変形部72は、図1(b)に示したように、伝動機構の周方向(シャフト3の中心軸線周り)に圧縮変形可能なゴム弾性体である。これらの圧縮変形部72は、隣設する第2、第1突起42、41間にそれぞれ挿入配置されている。また、複数の圧縮変形部72は、出力ギヤ7の第1対向部31とジョイント8の第2対向部32との間に弾性変形自在に保持されている。
【0060】
第1連結部73は、圧縮変形部71の一端側(図示上端側)と圧縮変形部72の一端側(図示上端側)とを繋ぐブリッジである。この第1連結部73も圧縮変形部71、72と同様に、伝動機構の周方向に圧縮変形可能である。
第2連結部74は、圧縮変形部72の他端側(図示下端側)と圧縮変形部71の他端側(図示下端側)とを繋ぐブリッジである。この第2連結部74も圧縮変形部71、72および第1連結部73と同様に、伝動機構の周方向に圧縮変形可能である。
【0061】
次に、本実施例の渦流発生装置の作動を図1(b)ないし図5に基づいて簡単に説明する。
ECUは、エンジン始動時またはアイドル運転時に、モータMへの供給電力を制御(例えばモータMを通電)する。このとき、モータMのトルクを利用してシャフト3が閉弁作動方向に駆動されるため、複数のバルブ2が閉じられる。つまり複数のバルブ2が、第1吸気通路11を全閉する。
【0062】
このように、複数のバルブ2が閉じられると、スロットルボディまたはサージタンクからダクト1の内部に流入した吸入空気は、第2吸気通路12を通過して、ダクト1の内部(第2吸気通路12)から吸気ポート内に吹き出す。このとき、吸気ポート内に直進的な流れ(偏流)が形成される。そして、吸気ポート内を流れる偏流は、吸気ポート開口部から燃焼室内に供給される。このとき、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において吸気渦流が発生するため、エンジン始動時またはアイドル運転時における燃焼室内での燃焼効率が向上し、燃費やエミッション(例えばHC低減効果)等が改善される。
【0063】
ここで、トルクの伝達が衝撃的に作用してしまう場合、バルブ2およびシャフト3と一体回転可能に連結したジョイント8に形成される2つの突条部64、65のうちの一方の突条部が全閉ストッパに突き当たる瞬間、クッション9の各圧縮変形部71、72が圧縮変形することにより、モータMの出力軸(モータシャフト)に固定されたウォームギヤ4に伝達される衝撃荷重を緩和させることができるので、ウォームギヤ4のねじ締め状態(ウォームロック)の発生を防止できる。
【0064】
また、モータMの動作中は、モータMのトルクがクッション9の各圧縮変形部71、72を圧縮することにより撓ませているので、その反力によりウォームギヤ4とヘリカルギヤ5との間のバックラッシュ、スパーギヤ6と出力ギヤ7との間のバックラッシュを詰めた状態とすることができる。これにより、モータMの停止時に機能する、ウォームギヤ4のセルフロック効果と共に、モータMの動作、非動作に関係なく、バルブ2のバタツキを防止することができる。
【0065】
また、バックファイヤ圧力等の異常圧力が発生した時に、バルブ2に加わる異常圧力に抗してクッション9の各圧縮変形部71、72が撓むことにより、スパーギヤ6と噛み合う出力ギヤ7とを切り離すことができる。これにより、全閉状態で受ける異常荷重、つまり異常圧力の衝撃荷重に応じて、シャフト3と一体のバルブ2を全閉状態から全開側へ回転させることができる。これにより、バックファイヤ圧力等の異常圧力がバルブ2に加わった場合であっても、渦流発生装置の一部が損傷することなく、吸気渦流を発生させる必要がある。
【0066】
[実施例1の効果]
以上のように、複数のバルブ2を駆動する電動アクチュエータにおいては、動力源であるモータMと、このモータMの回転を減速する減速機構、およびこの減速機構の出力ギヤ7からシャフト3へモータMのトルクを伝達する伝動機構を有している。
そして、伝動機構は、合成樹脂製の出力ギヤ7、合成樹脂製のジョイント8、および合成ゴム製のクッション9により構成されている。
【0067】
出力ギヤ7の第1対向部31の対向面からは、複数の第1突起41がジョイント8の第2対向部側に突出している。また、ジョイント8の第2対向部32の対向面からは、複数の第2突起42が出力ギヤ7の第1対向部側に突出している。
複数の第1、第2突起41、42は、伝動機構の周方向に交互に配置されている。また、複数の第1、第2突起41、42は、伝動機構の周方向に所定間隔(例えば等間隔:120°間隔)で形成されている。これにより、クッション9の各圧縮変形部71、72における圧縮変形による変形量は、各圧縮変形部71、72間で同じものとなる。
【0068】
出力ギヤ7とジョイント8との間に保持されるクッション9には、伝動機構の周方向に圧縮変形可能な複数の圧縮変形部71、72が一体的に形成されている。
複数の圧縮変形部71、72は、複数の第1、第2突起41、42のうちの隣設する第1、第2突起41、42間にそれぞれ挿入配置されて弾性変形自在に保持されている。
【0069】
クッション9には、複数の圧縮変形部71、72のうちの隣設する圧縮変形部71、72を繋ぐ第1連結部73、および複数の圧縮変形部71、72のうちの隣設する圧縮変形部72、71を繋ぐ第2連結部74が一体的に形成されている。これにより、全ての圧縮変形部71、72を第1、第2連結部73、74で繋ぐことで、複数の圧縮変形部71、72を1つのクッション9(一体部品)で構成できるので、部品点数および組付工数を減少できる。したがって、製品コストを低減することができる。
【0070】
本実施例の電動アクチュエータにおいては、クッション9の保持(搭載)位置を、出力ギヤ7とジョイント8との間に移している。つまりクッション9が減速機構の最終ギヤを構成する出力ギヤ7よりもバルブ2側に配置されている。
また、クッション9の各圧縮変形部71、72が、従来のコイルスプリングの衝撃吸収機能を兼ねることにより、バックファイヤ圧力等の異常圧力の衝撃荷重に抗して撓むことでバルブ破損を防ぐコイルスプリングを廃止することができる。したがって、部品点数および組付工数を減らすことができるので、製品コストを低減することができる。
【0071】
また、クッション9の各圧縮変形部71、72の変形方向を、図1(a)に示した従来の捩じり作用から、図1(b)に示した伝動機構の周方向への圧縮変形に変更することにより、モータMからシャフト3に伝達されるトルクがギヤ比の分上がり、シャフト3の回転速度はギヤ比で割った値になる。これにより、従来の捩じり作用による変形量よりも少ない変形量であっても、クッション9の各圧縮変形部71、72の圧縮変形によって、出力ギヤ7、あるいはジョイント8に伝わる衝撃荷重を吸収することができる。
【0072】
また、減速機構の出力ギヤ7よりもバルブ側にクッション9を配置しているので、従来の捩じり作用による変形と同じ衝撃吸収性能を維持するのに必要な変形量(クッション9の各圧縮変形部71、72の圧縮変形量)を減らすことができる。
したがって、本実施例のクッション9においては、従来の捩じり作用による変形から伝動機構の周方向への圧縮変形に変更しても同じ衝撃吸収性能を維持することができる。
【0073】
ここで、従来の吸気装置では、図10に示したように、2つの第1、第2プレート111、112の対向面にゴム弾性体113を加硫接着しているので、何らかの要因によって第1、第2プレート111、112の対向面からゴム弾性体113が剥がれてしまう可能性がある。このように、第1、第2プレート111、112の対向面からゴム弾性体113が剥がれてしまうと、第1プレート111または第2プレート112とゴム弾性体113との接続強度が低下する。
これにより、第1プレート111または第2プレート112に衝撃荷重が作用しても、第1、第2プレート111、112間に保持されるゴム弾性体113に捩じり作用を与えることができず、クッション9としての動作信頼性が低下するという問題がある。
【0074】
そこで、本実施例の渦流発生装置においては、出力ギヤ7の第1対向部31とジョイント8の第2対向部32との間にクッション9が保持され、且つクッション9の各圧縮変形部71、72が隣設する第1、第2突起41、42間にそれぞれ挿入配置されている。
これにより、クッション9の各圧縮変形部71、72を、隣設する第1、第2突起41、42に接着(例えば加硫接着等)しなくても、クッション9の各圧縮変形部71、72が伝動機構の周方向に圧縮変形できる。つまり衝撃吸収性能が低下することはない。これによって、クッション9の各圧縮変形部71、72と複数の第1、第2突起41、42との接着を廃止できるので、クッション9としての動作信頼性を向上することができる。
【実施例2】
【0075】
図6は本発明の実施例2を示したもので、トルク伝動機構の主要部を示した図である。 本実施例の渦流発生装置は、内部空間(エンジンの独立吸気通路)を2つの第1、第2吸気通路11、12に区画する隔壁13を有するダクト(インテークマニホールド)1と、第1吸気通路11を開閉するバルブ2と、このバルブ2を支持固定するシャフト3と、バルブ2を開閉動作させる電動アクチュエータとを備えている。
電動アクチュエータは、動力源であるモータM、このモータMの回転を減速する減速機構、およびこの減速機構からシャフト3へモータMのトルクを伝達する伝動機構を有している。
【0076】
伝動機構は、減速機構のスパーギヤ6の凸状歯と噛み合う複数の凸状歯52を有する合成樹脂製の出力ギヤ7と、シャフト3の回転軸方向の一端部である嵌合部18の外周に嵌合する合成樹脂製のジョイント8と、出力ギヤ7の第1円筒部33とジョイント8の第2円筒部34との間に保持された合成ゴム(ゴム弾性体)製のクッション9とを備えている。
出力ギヤ7は、第1対向部31、第1円筒部33、複数(本例では3つ)の第1突起41および歯形成部51等によって構成されている。
ジョイント8は、第2対向部32、第2円筒部34、複数(本例では3つ)の第2突起42およびスリーブ62等によって構成されている。
【0077】
ここで、出力ギヤ7の第1対向部31および第1円筒部32には、ジョイント8の第2円筒部34が回転方向に摺動自在に嵌合する嵌合孔35が形成されている。
ジョイント8の第2円筒部34は、出力ギヤ7の第1円筒部33を回転方向に摺動可能に支持するピボットとしての機能を有している。また、第2対向部32および第2円筒部34には、シャフト3の嵌合部18を圧入固定する圧入孔36が形成されている。
ここで、本実施例のジョイント8は、図6に示したように、第2対向部32の対向面からの各第2突起42の突出量よりも第2円筒部34の突出量の方が小さい点で実施例1と異なっている。それ以外は、実施例1と同一な構造を備えている。
【0078】
複数の第1、第2突起41、42は、実施例1と同様に、伝動機構の周方向に所定間隔(等間隔:例えば120°間隔)で形成されている。これらの第1、第2突起41、42は、伝動機構の周方向に交互に配置されている。
複数の第1突起41は、出力ギヤ7の第1対向部31の対向面から第2対向部側に向けて突出するように設けられている。
複数の第2突起42は、ジョイント8の第2対向部32の対向面から第1対向部側に向けて突出するように設けられている。
【0079】
クッション9は、実施例1と異なり、複数の第1、第2突起41、42のうちの隣設する第1、第2突起41、42間にそれぞれ設置された複数の圧縮変形部81、82、隣設する圧縮変形部81、82を繋ぐ第1連結部83、および隣設する圧縮変形部82、81を繋ぐ第2連結部84を有している。
複数の圧縮変形部81は、実施例1の圧縮変形部71と同様に、伝動機構の周方向に圧縮変形可能な合成ゴムである。
複数の圧縮変形部82は、実施例1の圧縮変形部72と同様に、伝動機構の周方向に圧縮変形可能な合成ゴムである。
【0080】
第1連結部83は、圧縮変形部81の外周部(半径方向の外側端部)と圧縮変形部82の外周部(半径方向の外側端部)とを繋ぐブリッジである。この第1連結部83も圧縮変形部81、82と同様に、伝動機構の周方向に圧縮変形可能である。
第2連結部84は、圧縮変形部82の内周部(半径方向の内側端部)と圧縮変形部81の内周部(半径方向の内側端部)とを繋ぐブリッジである。この第2連結部84も圧縮変形部81、82および第1連結部83と同様に、伝動機構の周方向に圧縮変形可能である。
【実施例3】
【0081】
図7ないし図9は本発明の実施例3を示したもので、図7ないし図9はトルク伝動機構の主要部を示した図である。
本実施例の出力ギヤ7およびジョイント8は、実施例1及び2と異なり、伝動機構の周方向に交互に配置される複数(本例では2つ)の第1、第2突起41、42をそれぞれ有している。これらの第1、第2突起41、42は、伝動機構の周方向に所定間隔(等間隔:例えば180°間隔)で形成されている。
クッション9は、複数の第1、第2突起41、42のうちの隣設する第1、第2突起41、42間にそれぞれ設置された複数の圧縮変形部91、92、これらの圧縮変形部91、92のうちの隣設する圧縮変形部91、92を繋ぐ第1円筒部側連結部(以下第1連結部と略す)93、および複数の圧縮変形部91、92のうちの隣設する圧縮変形部92、91を繋ぐ第2円筒部側連結部(以下第2連結部と略す)94を有している。
【0082】
複数の圧縮変形部91は、伝動機構の周方向(シャフト3の中心軸線周りの周方向)に圧縮変形可能な合成ゴムである。これらの圧縮変形部91は、隣設する第1、第2突起41、42間にそれぞれ挿入配置されている。また、複数の圧縮変形部91は、出力ギヤ7の第1対向部31とジョイント8の第2対向部32との間に弾性変形自在に保持されている。
複数の圧縮変形部92は、伝動機構の周方向に圧縮変形可能な合成ゴムである。これらの圧縮変形部92は、隣設する第2、第1突起42、41間にそれぞれ挿入されている。また、複数の圧縮変形部92は、出力ギヤ7の第1対向部31とジョイント8の第2対向部32との間に弾性変形自在に保持されている。
【0083】
第1連結部93は、圧縮変形部91の一端側(図示上端側)と圧縮変形部92の一端側(図示上端側)とを繋ぐブリッジである。この第1連結部93も圧縮変形部91、92と同様に、伝動機構の周方向に圧縮変形可能である。
第2連結部94は、圧縮変形部92の他端側(図示下端側)と圧縮変形部91の他端側(図示下端側)とを繋ぐブリッジである。この第2連結部94も圧縮変形部91、92および第1連結部93と同様に、伝動機構の周方向に圧縮変形可能である。
【0084】
[変形例]
本実施例では、本発明の内燃機関の吸気装置を、渦流発生装置に適用しているが、本発明の内燃機関の吸気装置を、電子スロットル装置(内燃機関のスロットル装置)や、内燃機関の吸気通路長や吸気通路断面積を変更する可変吸気装置に適用しても良い。
本実施例では、ケーシングとしてダクト(インテークマニホールド)1を採用しているが、ケーシングとして、スロットルボディ、エンジンヘッドカバーまたはシリンダヘッドを用いても良い。
【0085】
本実施例では、ギヤまたはギヤに一体回転可能に連結する第1連結部材として、減速機構の最終ギヤである出力ギヤ7を採用しているが、ギヤまたは第1連結部材として、減速機構の最終ギヤに一体回転可能に連結する駆動側部品を採用しても良い。
本実施例では、シャフトまたはシャフトに一体回転可能に連結する第2連結部材として、バルブ2のシャフト3に一体回転可能に連結するジョイント(従動側部品、第2連結部材)8を採用しているが、シャフトまたは第2連結部材として、バルブ2のシャフト3を採用しても良い。
【符号の説明】
【0086】
M モータ
1 ダクト(ケーシング)
2 バルブ
3 シャフト
4 ウォームギヤ(減速機構)
5 ヘリカルギヤ(減速機構)
6 スパーギヤ(減速機構)
7 出力ギヤ(ギヤまたは第1連結部材、減速機構、伝動機構)
8 ジョイント(シャフトまたは第2連結部材、伝動機構)
9 クッション(衝撃吸収部材、伝動機構)
11 第1吸気通路
12 第2吸気通路
13 隔壁
18 シャフトの嵌合部
31 出力ギヤの第1対向部
32 ジョイントの第2対向部
33 出力ギヤの第1円筒部
34 ジョイントの第2円筒部(ピボット)
35 出力ギヤの嵌合孔
36 ジョイントの圧入孔
41 出力ギヤの第1突起
42 ジョイントの第2突起
51 出力ギヤの歯形成部(円筒部)
52 出力ギヤの凸状歯(出力ギヤ歯)
61 ジョイントのベースプレート
62 ジョイントのスリーブ
64 ジョイントの突条部(全閉ストッパ部または全開ストッパ部)
65 ジョイントの突条部(全開ストッパ部または全閉ストッパ部)
71 クッションの圧縮変形部
72 クッションの圧縮変形部
73 クッションの第1連結部
74 クッションの第2連結部
81 クッションの圧縮変形部
82 クッションの圧縮変形部
83 クッションの第1連結部
84 クッションの第2連結部
91 クッションの圧縮変形部
92 クッションの圧縮変形部
93 クッションの第1連結部
94 クッションの第2連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)内燃機関の燃焼室に連通する吸気通路を形成するケーシングと、
(b)このケーシングの内部に回転自在に収容されて、前記吸気通路を開閉するバルブと、
(c)このバルブを支持するシャフトと、
(d)動力源であるモータ、このモータの回転を減速する減速機構、およびこの減速機構のギヤから前記シャフトへ前記モータのトルクを伝達する伝動機構を有するアクチュエータと
を備えた内燃機関の吸気装置において、
前記伝動機構は、前記ギヤまたはこのギヤに一体回転可能に連結する第1連結部材、前記シャフトまたはこのシャフトに一体回転可能に連結する第2連結部材、および前記ギヤまたは第1連結部材と前記シャフトまたは第2連結部材との間に保持された衝撃吸収部材を有し、
前記ギヤまたは第1連結部材および前記シャフトまたは第2連結部材は、前記伝動機構の周方向に交互に配置される複数の第1、第2突起をそれぞれ有し、
前記衝撃吸収部材は、前記伝動機構の周方向に圧縮変形可能な複数の圧縮変形部を有し、
前記複数の圧縮変形部は、前記複数の第1、第2突起のうちの隣設する第1、第2突起間にそれぞれ挿入配置されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記衝撃吸収部材は、ゴム弾性体のみによって形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記衝撃吸収部材は、前記複数の圧縮変形部のうちの隣設する圧縮変形部を繋ぐ連結部を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記複数の圧縮変形部は、前記隣設する第1、第2突起間にそれぞれ挿入配置されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記複数の第1、第2突起は、前記ギヤまたは第1連結部材および前記シャフトまたは第2連結部材の周方向に所定間隔で形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記ギヤまたは第1連結部材および前記シャフトまたは第2連結部材は、内部に前記衝撃吸収部材を収容する収納空間を隔てて対向配置される第1、第2対向部をそれぞれ有し、
前記複数の第1、第2突起は、前記第1対向部または前記第2対向部から前記第2対向部側または前記第1対向部側に向けて突出するように設けられていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記ギヤまたは第1連結部材は、内部に前記衝撃吸収部材を収容する収納空間を形成する円筒部を有し、
前記複数の第1突起は、前記円筒部の内周から径方向内側に向けて突出するように設けられていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記シャフトは、その回転軸方向に垂直な断面が多角形状に形成された嵌合部を有し、 前記第2連結部材は、前記嵌合部を圧入固定する多角孔形状の圧入孔を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記シャフトまたは第2連結部材は、前記ギヤまたは第1連結部材を回転自在に支持するピボットを有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−154291(P2012−154291A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16097(P2011−16097)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】