内燃機関用ピストン
【課題】内燃機関用ピストンにおいて、ピストンの重量増加を抑制しながら爆発荷重によるピストンの変形を抑制する。
【解決手段】ピストンヘッド11と、ピストンスカート12と、第1,第2ピンボス13,14と、平面視でピストンピン5に直交する方向に延びて第1,第2ピンボス13,14およびピストンスカート12とを連結する第1,第2側壁21,22とを有する内燃機関用ピストン10は、直交方向で第1,第2ピンボス13,14を挟む位置に、いずれも第1側壁21と第2側壁22とを連結する第1,第2連結壁23,24を有する。
【解決手段】ピストンヘッド11と、ピストンスカート12と、第1,第2ピンボス13,14と、平面視でピストンピン5に直交する方向に延びて第1,第2ピンボス13,14およびピストンスカート12とを連結する第1,第2側壁21,22とを有する内燃機関用ピストン10は、直交方向で第1,第2ピンボス13,14を挟む位置に、いずれも第1側壁21と第2側壁22とを連結する第1,第2連結壁23,24を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガスの圧力が作用するピストンヘッドを有する内燃機関用ピストンに関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼ガスの圧力が作用するピストンヘッドと、ピストンピンを支持する1対のピンボスと、ピストンピンに直交する方向に延びて各ピンボスおよびピストンスカートを連結する1対の側壁とを有する内燃機関用ピストンに知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭62−96761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
内燃機関が運転されて燃焼による爆発荷重がピストンヘッドに作用すると、図11に二点鎖線で示されるように、ピストンaは、両ピンボスbの中心軸線(以下、「ピン軸線」という。)の方向(以下、「ピン軸方向」という。)で対向する1対の側壁および各側壁と一体の1対のピンボスbがピン軸方向で広がるように変形して、ピストンaの円滑な運動が妨げられる。この変形の発生原因は、平面視でピン軸線に直交する方向(以下、「直交方向」という。)に沿って側壁およびピンボスが設けられていることにより、ピン軸線回りでの曲げ剛性に比べて、ピストンの中心軸線(以下、「ピストン軸線」という。)に直交すると共にピン軸線を含む平面上でピストン軸線を通りピン軸線に直交する軸線(以下、「直交軸線」という。)回りの曲げ剛性が小さいためと考えられる。ところが、この変形を抑制するために、ピストンヘッド、側壁またはピンボスの肉厚を大きくすると、ピストンの慣性質量が増加して、内燃機関の高速化が困難になり、また慣性質量に起因する振動も増大する。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜3記載の発明は、内燃機関用ピストンにおいて、ピストンの重量増加を抑制しながら爆発荷重によるピストンの変形を抑制することを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、ピストンの軽量化および冷却性の向上を図ることを目的とし、請求項3記載の発明は、さらに、第1,第2側壁を連結する連結部とピストンヘッドとの間に空間部が形成されたピストンの製造コストの削減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、燃焼ガスの圧力が作用するピストンヘッドと、前記ピストンヘッドから下方に延びるピストンスカートと、ピストンピンを支持する第1ピンボスおよび第2ピンボスと、平面視で前記第1ピンボスおよび前記第2ピンボスの中心軸線に直交する方向に延びて前記第1ピンボスと前記ピストンスカートとを連結する第1側壁と、前記直交方向に延びて前記第2ピンボスと前記ピストンスカートとを連結する第2側壁と、を有する内燃機関用ピストンにおいて、前記直交方向で前記第1ピンボスおよび前記第2ピンボスを挟む位置に、いずれも前記第1側壁と前記第2側壁とを連結する第1連結部および第2連結部を有する内燃機関用ピストンである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関用ピストンにおいて、前記各連結部と前記ピストンヘッドの裏面との間に空間部が形成されているものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の内燃機関用ピストンにおいて、前記ピストンヘッド、前記ピストンスカート、前記各ピンボス、前記各側壁および前記各連結部は鋳造により一体成形され、前記空間部は鋳抜き孔により構成されるものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、直交方向で両ボスの両側で第1,第2側壁を連結する第1,第2連結部により、ピストンにおいて、直交軸線回りの曲げ剛性が増加するので、爆発荷重により第1,第2ピンボスおよび第1,第2側壁が直交方向で広がるようなピストンの変形が抑制される。しかも、連結部は第1,第2側壁を部分的に連結するだけであるので、連結部を設けたことによるピストンの重量増加が抑制される。
請求項2記載の事項によれば、空間部が形成される分、連結部がピストンヘッドにも連結される場合に比べて、ピストンが軽量化される。しかも、空間部により、オイルが、ピストンヘッドの裏面を含むピストンの裏面に付着し易くなってオイルによる冷却効果が向上し、ピストンの冷却性が向上する。
請求項3記載の事項によれば、空間部がピストンの鋳造時に形成されることから、空間部を形成する機械加工が不要となるので、第1,第2側壁を連結する連結部とピストンヘッドとの間に空間部が形成されたピストンの製造コストが削減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図1〜図10を参照して説明する。
図1〜図3を参照すると、本発明が適用された内燃機関用ピストン10は、4ストローク内燃機関に備えられるシリンダ1に往復運動可能に嵌合する。該シリンダ1と共に前記内燃機関の機関本体を構成するシリンダヘッド2には、ピストン10の中心軸線方向(シリンダ軸線方向でもあり、以下、「軸線方向」という。)でピストン10に対向して燃焼室3が設けられ、燃焼室3での混合気の燃焼により発生する燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動するピストン10は、コンロッド4を介してクランク軸を回転駆動する。
【0008】
ピストン10は、燃焼圧力を受ける頂面11aを有する円柱状のピストンヘッド11と、ピストンヘッド11から軸線方向に平行に下方に延びるピストンスカート12と、コンロッド4の小端部4aの挿通孔に回動可能に挿入されて連結される1つのピストンピン5を支持する第1,第2ピンボス13,14と、直交方向(平面視で、ピストンピン5の中心軸線に直交する方向でもある。)に延びて第1ピンボス13とピストンスカート12とを連結する第1側壁21と、直交方向に延びて第2ピンボス14とピストンスカート12とを連結する第2側壁22と、直交方向で第1,第2ピンボス13,14を挟む位置に配置されていずれも1対の側壁21,22を連結する第1,第2連結部としての第1,第2連結壁23,24と、を有する。そして、ピストン10は、軽金属としてのアルミニウム合金から形成されて、鋳造としてのダイカストにより成形される。
【0009】
なお、明細書または特許請求の範囲において、上下方向は、ピストン軸線L1に平行な方向であるとし、上方向は、上下方向において、ピストン10において頂面11aが位置する方向であるとする。また、実施形態において、周方向および径方向とはピストン軸線L1を中心としたときのものである。
【0010】
ピストンヘッド11の外周面には、圧縮リングおよびオイルリングがそれぞれ装着される第1リング溝11mおよび第2リング溝11nが設けられる。各ピンボス13,14および各側壁21,22はその上端部で、ピストンヘッド11にその裏面11bにて連結している。
シリンダ孔1aの内周壁に摺接するピストンスカート12は、周方向に間隔をおいて形成された第1,第2スカート部分12a,12bから構成され、各スカート部分12a,12bは、ピン軸方向で、1対のボスの幅Wbよりも小さい幅Wsを有する。
【0011】
併せて図7,図8を参照すると、直交方向で対向する第1,第2スカート部分12a,12bの周方向での一方の端部を第1ピンボス13を介して連結する第1側壁21は、直交方向で第1ピンボス13と第1スカート部分12aとを連結する第1壁部分21aと、直交方向で第1ピンボス13と第2スカート部分12bとを連結する第2壁部分21bとを有する。同様に、直交方向で対向する第1,第2スカート部分12a,12bの周方向での他方の端部を第2ピンボス14を介して連結する第2側壁22は、直交方向で第2ピンボス14と第1スカート部分12aとを連結する第1壁部分22aと、直交方向で第2ピンボス14と第2スカート部分12bとを連結する第2壁部分22bとを有する。
【0012】
各ピンボス13,14には、ピストンピン5が回動可能に嵌合するピン孔13a,14aが設けられる。ピン孔13a,14aの周壁面には、ピストンピン5の抜止用クリップが装着される溝15およびオイルが溜まるオイル溝16,17が設けられる。
【0013】
第1連結壁23は、直交方向で両ピンボス13,14と第1スカート部分12aとの間に配置されて、ピン軸方向および軸線方向に平行に延びて第1壁部分21a,22a同士を連結し、第2連結壁24は、直交方向で両ピンボス13,14と第2スカート部分12bとの間に配置されて、ピン軸方向および軸線方向に平行に延びて第2壁部分21b,22b同士を連結する。両連結壁23,24は、ピストン軸線L1およびピン軸線L2を含む中心平面に対して面対称の位置にある。そして、径方向に平たい壁により構成される各連結壁23,24は、各側壁21,22において、少なくとも、軸線方向でピストンヘッド11とは反対側の端部である下端部21c,22cを含む部位に連結される。
【0014】
各連結壁23,24の上端部23a,24aとピストンヘッド11の裏面11bとの上下方向での間には、直交方向に貫通する空間部25,26が形成されている。各空間部25,26はピストン10の鋳造時に後述する置き中子を利用した鋳抜き孔により構成される。そして、上下方向での各連結壁23,24の高さは、上下方向での各側壁21,22の下端面21e,22eと裏面11bとの間隔の半分以下であり(図2参照)、各連結壁23,24の下端面23e,24eは、各壁部分21a,22a;21b,22bとの連結部位の下端面21e,22eと同じ面上にある。
【0015】
ピストン10には、シリンダ1などに設けられたオイルジェットから噴射されたオイルが供給される。そして、噴射されたオイルは、裏面11bや各ピンボス13,14などに当たり、かつ付着することにより、ピストン10を冷却すると共に、オイル溝16,17を通じて各ピンボス13,14とピストンピン5との摺動部を供給され、また小端部4aに設けられた油孔4cからピストンピン5と小端部4aとの摺動部に供給されて、それら摺動部を潤滑する。
【0016】
次にピストン10の製造方法について説明する。
図4〜図6を参照すると、鋳型Dは、分割面Daにより分割される固定金型40と可動金型50とからなる主型と、該主型に着脱可能に取り付けられる中子としての置き中子60とから構成される。固定金型40、可動金型50および置き中子60により形成されるキャビティCに溶融したアルミニウム合金の溶湯が湯口(図示されず)を通じて注入されて、図7,図8に示されるように、ピストンヘッド11、ピストンスカート12、各ピンボス13,14、各側壁21,22および各連結壁23,24がダイカストにより一体成形されたピストン素材101が成形される。
【0017】
併せて図1,図2を参照すると、可動金型50は、ピン軸方向で、第1側壁21および第1ピンボス13と、第2側壁22および第2ピンボス14とに挟まれた内側空間31を形成する内側型部51と、ピン軸方向で内側空間31を挟む第1,第2外側空間32,33を形成する外側型部52,53とを有する。内側型部51は、直交方向で、置き中子60を境として、第1,第2端部型部51a,51bおよび中央型部51cからなり、それぞれ、直交方向に第1,第2連結壁23,24により仕切られた第1,第2端部空間31a,31bおよび中央空間31cを成形する。中央空間31cには、ピストンピン5およびコンロッド4(図3参照)が配置される。
第1,第2端部空間31a,31bおよび中央空間31cは、上下方向で裏面11b寄りの部分である奥部において、空間部25,26により連通状態にある(図2参照)。
【0018】
各連結壁23,24の上端部23a,24aおよび各空間部25,26を形成する置き中子60は、空間部25,26と同数である2つの置き中子60から構成される。可動金型50に嵌合構造により着脱可能に取り付けられる各置き中子60は、1対の中子半体60a,60bから構成される。第1中子半体60aには、各端部型部51a,51bの溝51eに嵌合する突条60eが設けられ、第2中子半体60bには、中央型部51cの2つの溝51fに嵌合する突条60fが設けられる。軸線方向に平行に直線状に形成された溝51e,51fおよび突条60e,60fから構成される前記嵌合構造により、置き中子60が可動金型50に位置決めされる。
【0019】
それゆえ、キャビティC内への溶湯の注入が終了して、溶融したアルミニウム合金が冷えて固化してピストン素材101(図7,図8参照)が成形された後に、先ず可動金型50が軸線方向に平行に引き抜かれる。次いで、中子半体60aを直交方向でピストン軸線L1から遠ざかる方向に移動して各連結壁23,24から離し、また中子半体60bを直交方向でピストン軸線L1に近づく方向に移動して各連結壁23,24から離した後、各中子半体60a,60bが前記ピストン素材101から軸線方向に引き抜かれる。次いで、固定金型40から前記ピストン素材101(図7,図8参照)が取り出される。
【0020】
その後、該ピストン素材101に、ピン孔13a,14aや溝11m,11n,15,16,17などを形成するための機械加工が施され、さらに仕上げ加工が施されて、図1〜図3に示されるピストン10が完成する。
【0021】
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
ピストン10が、直交方向で第1,第2ピンボス13,14を挟む位置に、いずれも第1,第2側壁21,22を連結する第1,第2連結壁23,24を有することから、直交方向で両ピンボス13,14の両側で第1,第2側壁21,22を連結する第1,第2連結壁23,24により、ピストン10において、直交軸線回りの曲げ剛性が増加するので、爆発荷重により第1,第2ピンボス13,14および第1,第2側壁21,22が直交方向で広がるようなピストン10の変形が抑制される。しかも、各連結壁23,24は第1,第2側壁21,22を部分的に連結するだけであるので、各連結壁23,24を設けたことによるピストン10の重量増加が抑制される。
【0022】
各連結壁23,24とピストンヘッド11の裏面11bとの間に空間部25,26が形成されていることにより、空間部25,26が形成される分、連結壁がピストンヘッド11にも連結される場合に比べて、ピストン10が軽量化される。しかも、空間部25,26により、オイルが、ピストンヘッド11の裏面11bを含むピストン10の裏面に付着し易くなってオイルによる冷却効果が向上し、ピストン10の冷却性が向上する。
【0023】
ピストンヘッド11、ピストンスカート12、各ピンボス13,14、各側壁21,22および各連結壁23,24はダイカストにより一体成形され、空間部25,26は置き中子60を利用した鋳抜き孔により構成されることにより、空間部25,26がピストン10の鋳造時に形成されることから、空間部25,26を形成する機械加工が不要となるので、第1,第2側壁21,22を連結する各連結壁23,24とピストンヘッド11との間に空間部25,26が形成されたピストン10の製造コストが削減される。
【0024】
各連結壁23,24は、各側壁21,22の下端部21c,22cに連結されるので、各連結壁23,24の小型化によりピストン10の重量増加を一層抑制しながら、ピストン10の曲げ剛性を増加させることができる。
【0025】
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
図9,図10に示されるように、置き中子が使用されることなく、ピストン10を成形するためにキャビティCを形成する鋳型D1が固定金型40と可動金型70のみにより構成されてもよい。
併せて図2,3を参照すると、可動金型70は、内側空間31を形成する内側型部71と、第1,第2外側空間32,33を形成する第1,第2外側型部72,73とから構成される。
内側型部71は、直交方向に配列される第1〜第7型部71a〜71gにより構成される。第1,第2型部71a,71bにより第1端部空間31aが形成され、第6,第7型部71f,71gにより第2端部空間31bが形成され、第3〜第5型部71c,71d,71eにより中央空間31cが形成される。また、第1連結壁23および空間部25は第2,第3型部71b,71cにより形成され、第2連結壁24および空間部26は第5,第6型部71e,71fにより形成される。
そして、型開きは次のようにして行われる。先ず、第1,第2外側型部72,73および第1,第4,第7型部71a,71d,71gが軸線方向に平行に引き抜かれる。次いで、第2,第3型部71b,71cが第1連結壁23から離れるように直交方向に移動させられ、かつ第5,第6型部71e,71fが第2連結壁24から離れるように直交方向に移動させられた後、第2,第3,第5,第6型部71b,71c,71e,71fが軸線方向に平行に引き抜かれる。
この鋳型D1によれば、各連結壁23,24および空間部25,26が可動金型70により形成されるので、中子が使用される場合に比べて鋳型D1の構造が簡単化され、型開きも容易になるので、ピストン10の製造コストの削減に寄与する。
【0026】
ピストンヘッド11と各連結壁23,24との間に空間部25,26が形成されることなく、各連結壁23,24の上端部23a,24aが裏面11bに連結されていてもよい。また、第1,第2連結壁23,24のそれぞれは、直交方向に間隔をおいて配置される複数の連結壁により構成されてもよい。
前記連結部を構成する各連結壁23,24は、上下方向に平たい壁により形成されてもよく、また前記連結部は、柱状または棒状に形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明が適用された内燃機関用ピストンの下平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のピストンを成形するための鋳型の、図2に相当する断面での断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図4の鋳型の可動金型の部分斜視図である。
【図7】図4の鋳型で成形されたピストン素材の斜視図である。
【図8】図7のピストン素材が、図2に相当する断面で切断されたときの斜視図である。
【図9】図1のピストンを成形するための別の鋳型を示し、図4に対応する断面図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】従来技術のピストンの断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10…ピストン、13,14…ピンボス、21,22…側壁、23,24…連結壁、25,26…空間部、40,50,70…金型、60…置き中子。
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガスの圧力が作用するピストンヘッドを有する内燃機関用ピストンに関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼ガスの圧力が作用するピストンヘッドと、ピストンピンを支持する1対のピンボスと、ピストンピンに直交する方向に延びて各ピンボスおよびピストンスカートを連結する1対の側壁とを有する内燃機関用ピストンに知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭62−96761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
内燃機関が運転されて燃焼による爆発荷重がピストンヘッドに作用すると、図11に二点鎖線で示されるように、ピストンaは、両ピンボスbの中心軸線(以下、「ピン軸線」という。)の方向(以下、「ピン軸方向」という。)で対向する1対の側壁および各側壁と一体の1対のピンボスbがピン軸方向で広がるように変形して、ピストンaの円滑な運動が妨げられる。この変形の発生原因は、平面視でピン軸線に直交する方向(以下、「直交方向」という。)に沿って側壁およびピンボスが設けられていることにより、ピン軸線回りでの曲げ剛性に比べて、ピストンの中心軸線(以下、「ピストン軸線」という。)に直交すると共にピン軸線を含む平面上でピストン軸線を通りピン軸線に直交する軸線(以下、「直交軸線」という。)回りの曲げ剛性が小さいためと考えられる。ところが、この変形を抑制するために、ピストンヘッド、側壁またはピンボスの肉厚を大きくすると、ピストンの慣性質量が増加して、内燃機関の高速化が困難になり、また慣性質量に起因する振動も増大する。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜3記載の発明は、内燃機関用ピストンにおいて、ピストンの重量増加を抑制しながら爆発荷重によるピストンの変形を抑制することを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、ピストンの軽量化および冷却性の向上を図ることを目的とし、請求項3記載の発明は、さらに、第1,第2側壁を連結する連結部とピストンヘッドとの間に空間部が形成されたピストンの製造コストの削減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、燃焼ガスの圧力が作用するピストンヘッドと、前記ピストンヘッドから下方に延びるピストンスカートと、ピストンピンを支持する第1ピンボスおよび第2ピンボスと、平面視で前記第1ピンボスおよび前記第2ピンボスの中心軸線に直交する方向に延びて前記第1ピンボスと前記ピストンスカートとを連結する第1側壁と、前記直交方向に延びて前記第2ピンボスと前記ピストンスカートとを連結する第2側壁と、を有する内燃機関用ピストンにおいて、前記直交方向で前記第1ピンボスおよび前記第2ピンボスを挟む位置に、いずれも前記第1側壁と前記第2側壁とを連結する第1連結部および第2連結部を有する内燃機関用ピストンである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関用ピストンにおいて、前記各連結部と前記ピストンヘッドの裏面との間に空間部が形成されているものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の内燃機関用ピストンにおいて、前記ピストンヘッド、前記ピストンスカート、前記各ピンボス、前記各側壁および前記各連結部は鋳造により一体成形され、前記空間部は鋳抜き孔により構成されるものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、直交方向で両ボスの両側で第1,第2側壁を連結する第1,第2連結部により、ピストンにおいて、直交軸線回りの曲げ剛性が増加するので、爆発荷重により第1,第2ピンボスおよび第1,第2側壁が直交方向で広がるようなピストンの変形が抑制される。しかも、連結部は第1,第2側壁を部分的に連結するだけであるので、連結部を設けたことによるピストンの重量増加が抑制される。
請求項2記載の事項によれば、空間部が形成される分、連結部がピストンヘッドにも連結される場合に比べて、ピストンが軽量化される。しかも、空間部により、オイルが、ピストンヘッドの裏面を含むピストンの裏面に付着し易くなってオイルによる冷却効果が向上し、ピストンの冷却性が向上する。
請求項3記載の事項によれば、空間部がピストンの鋳造時に形成されることから、空間部を形成する機械加工が不要となるので、第1,第2側壁を連結する連結部とピストンヘッドとの間に空間部が形成されたピストンの製造コストが削減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図1〜図10を参照して説明する。
図1〜図3を参照すると、本発明が適用された内燃機関用ピストン10は、4ストローク内燃機関に備えられるシリンダ1に往復運動可能に嵌合する。該シリンダ1と共に前記内燃機関の機関本体を構成するシリンダヘッド2には、ピストン10の中心軸線方向(シリンダ軸線方向でもあり、以下、「軸線方向」という。)でピストン10に対向して燃焼室3が設けられ、燃焼室3での混合気の燃焼により発生する燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動するピストン10は、コンロッド4を介してクランク軸を回転駆動する。
【0008】
ピストン10は、燃焼圧力を受ける頂面11aを有する円柱状のピストンヘッド11と、ピストンヘッド11から軸線方向に平行に下方に延びるピストンスカート12と、コンロッド4の小端部4aの挿通孔に回動可能に挿入されて連結される1つのピストンピン5を支持する第1,第2ピンボス13,14と、直交方向(平面視で、ピストンピン5の中心軸線に直交する方向でもある。)に延びて第1ピンボス13とピストンスカート12とを連結する第1側壁21と、直交方向に延びて第2ピンボス14とピストンスカート12とを連結する第2側壁22と、直交方向で第1,第2ピンボス13,14を挟む位置に配置されていずれも1対の側壁21,22を連結する第1,第2連結部としての第1,第2連結壁23,24と、を有する。そして、ピストン10は、軽金属としてのアルミニウム合金から形成されて、鋳造としてのダイカストにより成形される。
【0009】
なお、明細書または特許請求の範囲において、上下方向は、ピストン軸線L1に平行な方向であるとし、上方向は、上下方向において、ピストン10において頂面11aが位置する方向であるとする。また、実施形態において、周方向および径方向とはピストン軸線L1を中心としたときのものである。
【0010】
ピストンヘッド11の外周面には、圧縮リングおよびオイルリングがそれぞれ装着される第1リング溝11mおよび第2リング溝11nが設けられる。各ピンボス13,14および各側壁21,22はその上端部で、ピストンヘッド11にその裏面11bにて連結している。
シリンダ孔1aの内周壁に摺接するピストンスカート12は、周方向に間隔をおいて形成された第1,第2スカート部分12a,12bから構成され、各スカート部分12a,12bは、ピン軸方向で、1対のボスの幅Wbよりも小さい幅Wsを有する。
【0011】
併せて図7,図8を参照すると、直交方向で対向する第1,第2スカート部分12a,12bの周方向での一方の端部を第1ピンボス13を介して連結する第1側壁21は、直交方向で第1ピンボス13と第1スカート部分12aとを連結する第1壁部分21aと、直交方向で第1ピンボス13と第2スカート部分12bとを連結する第2壁部分21bとを有する。同様に、直交方向で対向する第1,第2スカート部分12a,12bの周方向での他方の端部を第2ピンボス14を介して連結する第2側壁22は、直交方向で第2ピンボス14と第1スカート部分12aとを連結する第1壁部分22aと、直交方向で第2ピンボス14と第2スカート部分12bとを連結する第2壁部分22bとを有する。
【0012】
各ピンボス13,14には、ピストンピン5が回動可能に嵌合するピン孔13a,14aが設けられる。ピン孔13a,14aの周壁面には、ピストンピン5の抜止用クリップが装着される溝15およびオイルが溜まるオイル溝16,17が設けられる。
【0013】
第1連結壁23は、直交方向で両ピンボス13,14と第1スカート部分12aとの間に配置されて、ピン軸方向および軸線方向に平行に延びて第1壁部分21a,22a同士を連結し、第2連結壁24は、直交方向で両ピンボス13,14と第2スカート部分12bとの間に配置されて、ピン軸方向および軸線方向に平行に延びて第2壁部分21b,22b同士を連結する。両連結壁23,24は、ピストン軸線L1およびピン軸線L2を含む中心平面に対して面対称の位置にある。そして、径方向に平たい壁により構成される各連結壁23,24は、各側壁21,22において、少なくとも、軸線方向でピストンヘッド11とは反対側の端部である下端部21c,22cを含む部位に連結される。
【0014】
各連結壁23,24の上端部23a,24aとピストンヘッド11の裏面11bとの上下方向での間には、直交方向に貫通する空間部25,26が形成されている。各空間部25,26はピストン10の鋳造時に後述する置き中子を利用した鋳抜き孔により構成される。そして、上下方向での各連結壁23,24の高さは、上下方向での各側壁21,22の下端面21e,22eと裏面11bとの間隔の半分以下であり(図2参照)、各連結壁23,24の下端面23e,24eは、各壁部分21a,22a;21b,22bとの連結部位の下端面21e,22eと同じ面上にある。
【0015】
ピストン10には、シリンダ1などに設けられたオイルジェットから噴射されたオイルが供給される。そして、噴射されたオイルは、裏面11bや各ピンボス13,14などに当たり、かつ付着することにより、ピストン10を冷却すると共に、オイル溝16,17を通じて各ピンボス13,14とピストンピン5との摺動部を供給され、また小端部4aに設けられた油孔4cからピストンピン5と小端部4aとの摺動部に供給されて、それら摺動部を潤滑する。
【0016】
次にピストン10の製造方法について説明する。
図4〜図6を参照すると、鋳型Dは、分割面Daにより分割される固定金型40と可動金型50とからなる主型と、該主型に着脱可能に取り付けられる中子としての置き中子60とから構成される。固定金型40、可動金型50および置き中子60により形成されるキャビティCに溶融したアルミニウム合金の溶湯が湯口(図示されず)を通じて注入されて、図7,図8に示されるように、ピストンヘッド11、ピストンスカート12、各ピンボス13,14、各側壁21,22および各連結壁23,24がダイカストにより一体成形されたピストン素材101が成形される。
【0017】
併せて図1,図2を参照すると、可動金型50は、ピン軸方向で、第1側壁21および第1ピンボス13と、第2側壁22および第2ピンボス14とに挟まれた内側空間31を形成する内側型部51と、ピン軸方向で内側空間31を挟む第1,第2外側空間32,33を形成する外側型部52,53とを有する。内側型部51は、直交方向で、置き中子60を境として、第1,第2端部型部51a,51bおよび中央型部51cからなり、それぞれ、直交方向に第1,第2連結壁23,24により仕切られた第1,第2端部空間31a,31bおよび中央空間31cを成形する。中央空間31cには、ピストンピン5およびコンロッド4(図3参照)が配置される。
第1,第2端部空間31a,31bおよび中央空間31cは、上下方向で裏面11b寄りの部分である奥部において、空間部25,26により連通状態にある(図2参照)。
【0018】
各連結壁23,24の上端部23a,24aおよび各空間部25,26を形成する置き中子60は、空間部25,26と同数である2つの置き中子60から構成される。可動金型50に嵌合構造により着脱可能に取り付けられる各置き中子60は、1対の中子半体60a,60bから構成される。第1中子半体60aには、各端部型部51a,51bの溝51eに嵌合する突条60eが設けられ、第2中子半体60bには、中央型部51cの2つの溝51fに嵌合する突条60fが設けられる。軸線方向に平行に直線状に形成された溝51e,51fおよび突条60e,60fから構成される前記嵌合構造により、置き中子60が可動金型50に位置決めされる。
【0019】
それゆえ、キャビティC内への溶湯の注入が終了して、溶融したアルミニウム合金が冷えて固化してピストン素材101(図7,図8参照)が成形された後に、先ず可動金型50が軸線方向に平行に引き抜かれる。次いで、中子半体60aを直交方向でピストン軸線L1から遠ざかる方向に移動して各連結壁23,24から離し、また中子半体60bを直交方向でピストン軸線L1に近づく方向に移動して各連結壁23,24から離した後、各中子半体60a,60bが前記ピストン素材101から軸線方向に引き抜かれる。次いで、固定金型40から前記ピストン素材101(図7,図8参照)が取り出される。
【0020】
その後、該ピストン素材101に、ピン孔13a,14aや溝11m,11n,15,16,17などを形成するための機械加工が施され、さらに仕上げ加工が施されて、図1〜図3に示されるピストン10が完成する。
【0021】
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
ピストン10が、直交方向で第1,第2ピンボス13,14を挟む位置に、いずれも第1,第2側壁21,22を連結する第1,第2連結壁23,24を有することから、直交方向で両ピンボス13,14の両側で第1,第2側壁21,22を連結する第1,第2連結壁23,24により、ピストン10において、直交軸線回りの曲げ剛性が増加するので、爆発荷重により第1,第2ピンボス13,14および第1,第2側壁21,22が直交方向で広がるようなピストン10の変形が抑制される。しかも、各連結壁23,24は第1,第2側壁21,22を部分的に連結するだけであるので、各連結壁23,24を設けたことによるピストン10の重量増加が抑制される。
【0022】
各連結壁23,24とピストンヘッド11の裏面11bとの間に空間部25,26が形成されていることにより、空間部25,26が形成される分、連結壁がピストンヘッド11にも連結される場合に比べて、ピストン10が軽量化される。しかも、空間部25,26により、オイルが、ピストンヘッド11の裏面11bを含むピストン10の裏面に付着し易くなってオイルによる冷却効果が向上し、ピストン10の冷却性が向上する。
【0023】
ピストンヘッド11、ピストンスカート12、各ピンボス13,14、各側壁21,22および各連結壁23,24はダイカストにより一体成形され、空間部25,26は置き中子60を利用した鋳抜き孔により構成されることにより、空間部25,26がピストン10の鋳造時に形成されることから、空間部25,26を形成する機械加工が不要となるので、第1,第2側壁21,22を連結する各連結壁23,24とピストンヘッド11との間に空間部25,26が形成されたピストン10の製造コストが削減される。
【0024】
各連結壁23,24は、各側壁21,22の下端部21c,22cに連結されるので、各連結壁23,24の小型化によりピストン10の重量増加を一層抑制しながら、ピストン10の曲げ剛性を増加させることができる。
【0025】
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
図9,図10に示されるように、置き中子が使用されることなく、ピストン10を成形するためにキャビティCを形成する鋳型D1が固定金型40と可動金型70のみにより構成されてもよい。
併せて図2,3を参照すると、可動金型70は、内側空間31を形成する内側型部71と、第1,第2外側空間32,33を形成する第1,第2外側型部72,73とから構成される。
内側型部71は、直交方向に配列される第1〜第7型部71a〜71gにより構成される。第1,第2型部71a,71bにより第1端部空間31aが形成され、第6,第7型部71f,71gにより第2端部空間31bが形成され、第3〜第5型部71c,71d,71eにより中央空間31cが形成される。また、第1連結壁23および空間部25は第2,第3型部71b,71cにより形成され、第2連結壁24および空間部26は第5,第6型部71e,71fにより形成される。
そして、型開きは次のようにして行われる。先ず、第1,第2外側型部72,73および第1,第4,第7型部71a,71d,71gが軸線方向に平行に引き抜かれる。次いで、第2,第3型部71b,71cが第1連結壁23から離れるように直交方向に移動させられ、かつ第5,第6型部71e,71fが第2連結壁24から離れるように直交方向に移動させられた後、第2,第3,第5,第6型部71b,71c,71e,71fが軸線方向に平行に引き抜かれる。
この鋳型D1によれば、各連結壁23,24および空間部25,26が可動金型70により形成されるので、中子が使用される場合に比べて鋳型D1の構造が簡単化され、型開きも容易になるので、ピストン10の製造コストの削減に寄与する。
【0026】
ピストンヘッド11と各連結壁23,24との間に空間部25,26が形成されることなく、各連結壁23,24の上端部23a,24aが裏面11bに連結されていてもよい。また、第1,第2連結壁23,24のそれぞれは、直交方向に間隔をおいて配置される複数の連結壁により構成されてもよい。
前記連結部を構成する各連結壁23,24は、上下方向に平たい壁により形成されてもよく、また前記連結部は、柱状または棒状に形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明が適用された内燃機関用ピストンの下平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のピストンを成形するための鋳型の、図2に相当する断面での断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】図4の鋳型の可動金型の部分斜視図である。
【図7】図4の鋳型で成形されたピストン素材の斜視図である。
【図8】図7のピストン素材が、図2に相当する断面で切断されたときの斜視図である。
【図9】図1のピストンを成形するための別の鋳型を示し、図4に対応する断面図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】従来技術のピストンの断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10…ピストン、13,14…ピンボス、21,22…側壁、23,24…連結壁、25,26…空間部、40,50,70…金型、60…置き中子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼ガスの圧力が作用するピストンヘッドと、前記ピストンヘッドから下方に延びるピストンスカートと、ピストンピンを支持する第1ピンボスおよび第2ピンボスと、平面視で前記第1ピンボスおよび前記第2ピンボスの中心軸線に直交する方向に延びて前記第1ピンボスと前記ピストンスカートとを連結する第1側壁と、前記直交方向に延びて前記第2ピンボスと前記ピストンスカートとを連結する第2側壁と、を有する内燃機関用ピストンにおいて、
前記直交方向で前記第1ピンボスおよび前記第2ピンボスを挟む位置に、いずれも前記第1側壁と前記第2側壁とを連結する第1連結部および第2連結部を有することを特徴とする内燃機関用ピストン。
【請求項2】
前記各連結部と前記ピストンヘッドの裏面との間に空間部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用ピストン。
【請求項3】
前記ピストンヘッド、前記ピストンスカート、前記各ピンボス、前記各側壁および前記各連結部は鋳造により一体成形され、前記空間部は鋳抜き孔により構成されることを特徴とする請求項2記載の内燃機関用ピストン。
【請求項1】
燃焼ガスの圧力が作用するピストンヘッドと、前記ピストンヘッドから下方に延びるピストンスカートと、ピストンピンを支持する第1ピンボスおよび第2ピンボスと、平面視で前記第1ピンボスおよび前記第2ピンボスの中心軸線に直交する方向に延びて前記第1ピンボスと前記ピストンスカートとを連結する第1側壁と、前記直交方向に延びて前記第2ピンボスと前記ピストンスカートとを連結する第2側壁と、を有する内燃機関用ピストンにおいて、
前記直交方向で前記第1ピンボスおよび前記第2ピンボスを挟む位置に、いずれも前記第1側壁と前記第2側壁とを連結する第1連結部および第2連結部を有することを特徴とする内燃機関用ピストン。
【請求項2】
前記各連結部と前記ピストンヘッドの裏面との間に空間部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用ピストン。
【請求項3】
前記ピストンヘッド、前記ピストンスカート、前記各ピンボス、前記各側壁および前記各連結部は鋳造により一体成形され、前記空間部は鋳抜き孔により構成されることを特徴とする請求項2記載の内燃機関用ピストン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−309271(P2007−309271A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140857(P2006−140857)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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