説明

内視鏡とアクセサリの一体型治療装置

【課題】内視鏡とアクセサリの一体型治療装置を提供する。
【解決手段】シャフトと、シャフトの先端にある組織並置装置200であって、並置装置制御要素がシャフトの全長に亘って延在し、組織並置装置を制御するために並置装置制御メカニズムがシャフトの基端部に装着されていることを特徴とする組織並置装置とを有し、組織並置装置は、真空チャンバ210であって、組織並置装置の外側に開口し真空チャンバ内を真空にすることで組織を吸引することを特徴とする真空チャンバを有し、組織並置装置は、更に、組織並置装置内でアーチ型の通路204を1方向にだけ移動するように構成されたアーチ型の針と、アーチ型の通路を通じてアーチ型の針を駆動する手段とを有し、アーチ型の針のアーチ型の通路に沿って組織を配置するために該組織が真空チャンバの中に引き込まれる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は米国特許商標庁に2000年9月7日受理され開示文書番号479631を割り当てられた開示文書に関連する。
【0002】
本発明は内視鏡並びに内視鏡を使用した医学的治療を実施するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
観察用内視鏡により、患者体内の疾患部位の遠隔治療が可能になり、自然体腔内を通ってこれらの部位へアクセスすることで場合によっては外科手術の必要性を回避できる。人体の内部疾患治療に内視鏡を使用する利点は、内視鏡先端に装着可能で体内組織領域の機械的操作及び治療を実施する各種の内視鏡アクセサリ治療装置の開発を誘導した。このような内視鏡アクセサリの例としては、縫合装置、切開器具、バンド結紮装置及び鉗子等が特に挙げられる。アクセサリは人体の特定部位用に特別に設計された各種の内視鏡へ固定可能で、これには、腹腔鏡、十二指腸鏡、結腸鏡、S状結腸鏡、気管支鏡、尿道鏡、等が含まれる。遠隔的観察能力と組み合わせると、内視鏡は作業用チャネルを提供しこれを通しての内視鏡に装着されたアクセサリの制御が遠隔手術用に挿入されるように構成されることが多い。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,792,153号明細書
【特許文献2】米国特許第6,010,515号明細書
【特許文献3】米国特許出願第10/220,379号明細書
【特許文献4】米国特許第5,910,105号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
治療用アクセサリが取り付けられた内視鏡は治療部位の直接目視を可能にしつつ遠隔治療能力を提供するが、この組合せの使用において幾つかの欠点が発生する。第一に、別個のアクセサリでは内視鏡先端面から遠位方向に延出するように装着した時に内視鏡先端からの観察能力を制限する。第二に、患者体内にある間に内視鏡からアクセサリが脱落する危険が常に伴い、これは手術が出来ないようにし、脱落したアクセサリを患者から安全に除去する上での問題を提示する。第3に、様々なメーカーが異なる直径の内視鏡とアクセサリを製造しているので、特定のアクセサリを内視鏡に装着する際には直径に互換性がないと問題が生じる。第4に、アクセサリを操作するための制御メカニズムを内視鏡の既存の作業チャンネルから延出する必要があり、手術中に内視鏡を通して追加のアクセサリ又は器具を導入する障害になるか又は妨げになる。また、内視鏡が本来追加の制御に対応するように設計されていなかったためアクセサリの制御は内視鏡と組み合わせて装着し運用する使い勝手が悪いことがある。
【0006】
相互に作動するように設計されている内視鏡と手術治療用アクセサリを提供することにより別々の装置の場合に遭遇する前述の問題を回避することが有利である。本発明の目的は前述の従来技術の装置の欠点を克服する単一構造体として一体型の内視鏡と治療用アクセサリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は安全で、信頼性があり、正確な操作が容易にできる一体型の内視鏡と治療用アクセサリとを提供する。本装置は従来の内視鏡シャフトと同様の構成の内視鏡シャフトを含み、作業チャネルと、観察能力及び光伝送のための光ファイバチャネル、ならびに観察レンズの清掃又は追加の作業チャネル能力を提供する補助チャネルとを設ける。内視鏡シャフトは更に内視鏡先端に配置された一体型治療装置の動作制御要素を長さ方向の空間に沿って提供する。治療装置は内部に独立した移動可能なコンポーネントを配置して特定の医学的治療又は手術を実施する筐体から成る。内視鏡のシャフトを通って延在する要素例えばケーブル、ワイヤ、又は液圧はアクセサリのコンポーネントを作動させるために用いる。アクセサリは内視鏡と一体化されているので、観察用要素は組織に対して治療を行うアクセサリの位置からの観察能力を提供するように特に構成することができる。更に、アクセサリの制御要素が内視鏡シャフトと一体化されているので、別の開放作業チャネルを使わずに残しておき他の装置を受け入れられるようにするか、又は内視鏡シャフトの全体直径において器具が外部に適用されるアクセサリ制御シース又はカテーテルにより劇的に増加しなくて済む。
【0008】
一体型の内視鏡とアクセサリは個別に装着されるアクセサリとして内視鏡に装着可能なことが現在までに公知となっているあらゆる種類の治療装置を使用することができる。詳しく説明すると、一体型アクセサリには、鉗子、機械的又は電気的切開要素、縫合装置、バンド結紮装置又はその他の組織を操作するメカニズムを含む。アクセサリ用の筐体は内視鏡シャフトへその先端付近で一体化され実施しようとする治療のためにシャフトに沿って適切に配置される。アクセサリを操作するための制御メカニズムは従来の特定アクセサリと同様だがアクセサリに対応するように内視鏡を通って特別に形成された空間を通って延在する。内視鏡の基端では、一体型制御メカニズムを内視鏡先端の制御メカニズムの近傍で使用できるので、ユーザは両方の制御セットを容易に操作することができるようになる。これ以外に、アクセサリ制御は使用を簡易にするため内視鏡制御と一体化できる。更に内視鏡制御は、内視鏡の長さに沿って、医師が内視鏡シャフトを普通に把持して患者体内での動きを制御する便利な位置に配置することができる。
【0009】
一体型アクセサリは内視鏡で使用可能であることが公知となっているあらゆる種類の治療装置を含むことができるが、以下の詳細な説明では胃内視鏡に一体化された組織縫合装置の例を通して一体型内視鏡及びアクセサリ装置の例を図示する。本明細書で提供する例を容易に改変して他の種類の治療を実施するための他の種類のアクセサリに対応できることは当業者には理解されよう。
【0010】
本発明の目的は一体型の内視鏡及び医学的治療装置アクセサリを提供することである。
【0011】
本発明の更なる目的は内視鏡を使用する手術を完了するのに必要とされるステップ数と器具を減少するような一体型内視鏡及び医学的治療装置アクセサリの使用方法を提供することである。
【0012】
本発明の前述及びその他の目的と利点は添付の図面を参照しつつ以下の本発明の更なる説明から更に完全に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は先端に一体型医療装置治療用アクセサリを備える内視鏡を提供する。内視鏡との一体化を企図している装置には、組織並置装置、鉗子又は組織切開器具を含む。組織並置装置を使用する一体型内視鏡の幾つかの実施態様を以下に提示する。
【0014】
一体型内視鏡の一つの実施態様において、米国特許第5,792,153号(特許文献1)に開示された組織並置装置を使用することができる。「153号」特許は参照によりその全体が本明細書に含まれる。従来技術の組織並置装置の構成及び動作の簡単な説明を、図1から図3の従来技術を参照して提示する。
【0015】
図1から図3は米国特許第5,792,153号(特許文献1)に開示された従来技術の内視鏡縫合装置を示す。図1は可撓性内視鏡1の先端を示し、ここに縫合装置2が取り付けてある。内視鏡には図示しない観察用チャネルが設けてあるが、この観察用チャネルは内視鏡先端面にあるレンズに終止する。内視鏡には更に生検又は作業チャネル3と、基端側が真空源(図示していない)に接続された吸引チャネル4が設けてある。吸引チャネル4は図示したような内腔ではなく、内視鏡の外側に沿って走行する別個のチューブを含むことがある。縫合装置2はチューブ5を有し、これが吸引パイプ4と連通し複数のパーフォレーション6を有する。これらのパーフォレーションは縫合装置に形成され上向きに開口した真空チャンバ7と連通する。
【0016】
中空針8は生検チャネル3に取り付けられるが、この場合、傾斜尖端部は縫合装置内に延出する。中空針はこれを貫通して延在するチャネル9を備える。可撓性でワイヤを巻いたケーブル10は前端を針8の後部に取付け、中心ワイヤ11がケーブル10内部をその全長に沿って延在し、これに対して長手方向に移動可能にしてある。ワイヤ11の直径はチャネル9内部で長手方向に移動可能なように、又図1に図示した位置においてワイヤ11の前端部分がチャネル9の後端部分に延出するようにする。タグ12の形をしたねじ付きキャリアがチャネル9に摺動可能かつ開放可能なように取り付けてある。タグは図1Aで詳細に図示してある。タグは中空でその側壁を貫通する開口13を備える。図1でも分かるように、ねじ14の一端は開口13を貫通し充分な長さの結び目15の端部で結紮することによりタグへ固定され、タグからねじが抜け落ちるのを防止している。タグはステンレススチール等の比較的剛性の材料から作製する。
【0017】
縫合装置の先端には中空の頭部16が画成され、これが内部にチャンバ20を画成する。チャンバ20と腔7の間には壁17があり、これに開口18が形成される。開口18は針8の外形より余裕をもって大きい直径を有し、これと整列する。針8と開口18の間のクリアランスは充分小さくして開口部へ組織が押し込まれて針を動かなくするのを防止する。最後に、図1はステッチ(stitch)を形成しようとする患者組織19の一部も図示している。
【0018】
動作において、吸引を吸引パイプ4に加え、これによってチューブ5のパーフォレーション6から腔7に加える。これで図2に図示したように組織19のU字状になった一部19aをこの腔の中に吸引する。中空針8はワイヤを巻いたケーブル10とこれに関連した針8を先端方向へ延出させることでU字状の組織部分19aを通って押し出される。U字状組織部分の両方の襞を通って針が完全に前進した後、針8の先端部分は壁17より先端方向で中空頭部16のチャンバ20内部にある。巻き線ケーブル10内部に摺動可能なように受け入れられているワイヤ11の先端方向への動きでタグ12をチャネル9からチャンバ20へ押し出し、ここでタグが開口18との整列からはずれるように回転しチャンバ内に捕捉される。
【0019】
ワイヤ11は次に基端方向へ引き込まれ、続いてケーブル10が基端方向へ引き込まれ、組織部分19aから針8が抜去される。次に、吸引を中止することでU字状組織部分19aを腔7から開放することができるようになる。図3に図示してあるように、開放された組織はU字状の襞19aを形成する2層の組織を貫通する縫合糸14が付いたままになっている。縫合糸の一端はチャンバ20に捕捉されたままのタグ12に接合されており、縫合糸の他端は患者の食道を通って口から延出する。最後に、内視鏡と縫合装置を患者から抜去する。このようにすると、縫合糸14を組織部分19aから部分的に抜き取ると捕捉タグ12が基端方向に抜け患者体外へ排出される。縫合糸14の両端が患者の体外にあるので、縫合糸を結紮し、米国特許第6,010,515号(特許文献2)等の内視鏡結紮プッシャによって結び目を内視鏡的に縫合部位へ押し込めて切断する。
【0020】
ある種の治療では複数の組織部分を捕捉し、かき集めてこれらを全て保持することが望ましい場合がある。図4Aから図4Cでは、同時出願の米国特許出願第10/220,379号(特許文献3)に開示されている複数の吸引ポートを備える並置装置50の動作を示す。「379号」特許出願は参照によりその全体が本明細書に含まれる。この装置は組織固定装置例えば縫合糸、タグ、又はステープル等を適用するため同時に複数の組織部分52を捕捉できる。本装置は本発明の組織固定装置を供給するように改良しても良い。従来技術の装置が単一の組織部分を固定するのに必要としたのと同じステップ数で2つの組織部分52を固定することにより効率が2倍になり、手術を完了するのに必要とされる内視鏡挿管の総数が減少し、手術を完了するのに必要な時間も減少する。複式吸引ポート実施態様を例示の目的で説明するが、3個又はそれ以上の吸引ポートを有するように多数ポート装置を構成することもできることは理解されるべきである。
【0021】
図4Aに図示してある複式吸引ポート組織並置装置は、両方の組織部分に対し、前述の図1から図3に関連して説明した従来技術の装置と同様の方法で、縫合カプセル62の端部キャップ60に捕捉可能なタグ58が付けてある縫合糸56を貫通させる。図4Bに図示してある複式吸引ポート組織並置装置は端部に永久タグ66を備える縫合糸64を両方の組織部分に貫通させる。本実施態様では、永久タグは縫合装置に捕捉されずに外科的結び目を結紮するためのリードを提供することができる。むしろ永久タグは体内に残留し先端側組織部分の貫通側68に固定される。組織部分は外科的結び目によってではなく、単一の縫合糸リード64に沿って前進させた摩擦係合可能な2個の縫合糸ロック装置70によって相互にきつく固定されて組織部分の基端側側面72に当接する。
【0022】
多数吸引ポート装置の一つの実施態様において、多数吸引ポートは縫合装置上で装置の長軸と平行な共通の長軸に沿って直線配列に画成される。直線配列複式吸引ポート内視鏡組織並置装置50の等角図が図4Cに図示してある。図4Cにおいて、スロットを有し傾斜させた皮下縫合針80が完全に後退させた位置にあり、縫合糸タグ68はまだ装填しておらず、カプセルは組織を受け入れる準備ができている。縫合装置50は金属から切削加工したか又は剛性のポリマー材料から射出成型した円筒状の本体又はカプセル74を特徴とする。本体は非外傷性尖端部76を付けて形成されて装置を供給する体腔の壁面への外傷を起こさないようにしてある。
【0023】
複数の吸引ポート86が長さに沿って本体に形成してある。吸引ポート86はカプセル74を貫通して画成された広い開口部であり1個又はそれ以上の真空チャンバ82へ開口する。チャンバは側壁84を形成する表面によってカプセル内に画成される。吸引ポートと真空チャンバ82との連通によりポートの近傍にある組織へ真空を伝達しチャンバ内への組織部分52の捕捉を完了することができる。カプセル本体上に何個の吸引ポートを形成しても良い。しかし、本明細書では、GERD治療に多用されることから2吸引ポート装置を例示として図示しており、2つの組織襞の列を互いに接合したものが、胃壁に沿ってZ線以下に形成される。更に多くのポートとチャンバを本体に形成できるが、直線配列で必要になる余分な本体長は自然の体腔の湾曲を通って剛性の本体を誘導する際に潜在的に困難を呈することがある。
【0024】
組織部分は空気通路88を通してチャンバへ導入された負圧により吸引ポート内へ更に真空チャンバへ引き込まれる。空気通路は真空線90へ接合されている本体内の独立した内部チャネルへ開口している。真空線はカプセル本体の基端から内視鏡外部で内視鏡の基端へと延在する。患者体外で真空線はポータブル又は施設内の真空源(図示していない)へ接合できる。制御弁をチューブ基端付近で直列に挿入することでユーザによる真空の選択的制御ができる。全部のチャンバの空気通路は接合されており単一の真空線によって制御される。これ以外に、図4Cに図示してあるように、別々の真空線を用いて別の真空チャンバの空気通路へ負圧を供給しても良い。別々の真空線の使用で各真空チューブの基端部で別々の制御弁の使用により数個のチャンバへ提供される負圧の独立した制御ができるようになる。
【0025】
各チャンバの空気通路への独立した真空供給は各チャンバへの充分な真空圧を保証する以外に、チャンバへの組織の順次吸引を可能にする。組織を同時に両方のチャンバへ捕集した場合、先端側のチャンバは図4Bに図示してあるように内視鏡1の先端面46にある観察レンズ48から遮蔽される。したがって、医師は組織が真空チャンバ内へ充分に捕集され、針80を安全に貫通して前進できるようになっているかどうかを目視で決定することが不可能である。先端側チャンバへ最初に真空を印加すると、基端側チャンバへ組織が入ることで視野が遮蔽される前にそのチャンバへの組織捕集を視覚的に確認できる。次に、真空を基端側へ印加することで組織を捕捉して組織が同時に両方のチャンバへ捕集され縫合針(又はステープル)で両方の組織部分を1ストロークにより貫通する準備ができた状態で保持する。しかし、独立した真空線であっても、真空を全チャンバへ同時に印加するのが可能であり望ましい。
【0026】
針80は従来技術の装置と同様に、カプセル本体50を通って長軸方向に摺動可能である。図4Cに図示してある直線配列複式チャンバ実施態様では、トンネル状の針トラック92が真空チャンバによって画成されない本体の上半分のC中実部分を通って長手方向に延在する。針トラックから細い縫合糸チャネル94が上向きにカプセル本体の頂部表面を通って延在し、縫合糸タグ68を針トラック92経由で針を前進させることで縫合糸リード64が通過できる空間を提供する。チャネル94は縫合糸が通過できるだけの充分な幅しかないが、もっと大きな針又は縫合糸タグ68が通過するには小さすぎるようになっている。チャネルの寸法が小さいので、針と縫合糸タグが一番先端のチャンバから先端方向へ延出するまでこれらを針トラック(needle track)内に保持するのを補助する。拡大した出口チャネル96は針トラックから本体に沿って先端側チャンバ82より先端方向に短い距離だけ上向きに延在する。拡大したチャネルにより本体からの縫合糸タグ68の排出が容易になり、プッシャ−ワイヤ98によって延出した針80から放出された後でもタグが取り付けられている開放された組織に追従するようになる。更に、ランプ(ramp)99は出口チャネル96の長さに沿って針トラックの底部表面に形成される。先端方向に延出しながら上向きに延出することで、ランプ99は出口チャネルから上また外へ、更にカプセル本体から離れるように排出されたタグを案内する補助をする。タグ58が装置の先端76に捕捉される図4Aの複式吸引チャンバ装置の詳細な等角図が図4Dに図示してある。
【0027】
従来技術の組織並置装置は、内視鏡シャフトと一体化され、これが図5Aに図示してあり、図面では並置要素の作業端を通る内視鏡の先端部の断面図が図示されている。図5Aに図示してある一体化された内視鏡51は内視鏡シャフト53と、内視鏡尖端部59の屈折のための制御57を有するハンドル89を含む。又内視鏡シャフトの基端55でハンドル89に一体化されているのはアクセサリの動作制御で、これには米国特許第5,910,105号(特許文献4)に図示してあるような構成の制御を含み、同特許は参照によりその全体が本明細書に含まれる。
【0028】
内視鏡の先端59に配置された組織並置装置61は前述の図1〜3との関連で説明した装置と同様の構成である。並置部分61は真空チャンバ63を含み、吸引された組織が負圧の導入のために真空チャンバ63の底部に沿った複数の吸引ポート65に捕集され選択的にチャンバ内に組織を捕捉する。真空チャンバ63は透明なポリマー材料から形成されて、チャンバ内に捕捉された組織の視認性及び内視鏡と一体化された幾つかの光ポートによって提供される照明を向上させる。図5Aに破線で図示してあるのは針通路67で、これに沿って針が捕捉された組織部分を貫通して長手方向に移動する。チャンバの下側では、内視鏡は先端方向へ継続し、先端面91で終止する。並置部分の尖端部には着脱式キャップ69が設けてあり、これはチャンバを提供し、そこに図1から図3の従来技術の動作において前述したようにタグを運搬する縫合糸が射出される。
【0029】
図5Bは図5Aの線5B〜5Bに沿ってみた一体型内視鏡シャフト53の断面図である。この断面図において、チャネルと内視鏡コンポーネントの構成例が図示してある。チャネルとコンポーネントのその他の構成を使用することもでき、このような別の構成が本発明の精神から逸脱すると見なすべきでないことは理解されるべきである。図5Aに図示してある幾つかのチャネルとコンポーネントの各々は、ユーザがアクセス又は制御できる基端55から、並置部分61でシャフトの先端59まで、内視鏡シャフト53の全長に延在する。
【0030】
生検チャネル71を設けこれを通して針67を移動させる針端部制御ワイヤを挿入する。生検チャネルは直径が約0.275センチメートル(約0.110インチ)である。数個の光チャネル75を設けこれを通る光ファイバが内視鏡基端55から内視鏡の作業並置部分へと光を伝達する。一つのファイバは真空チャンバ63の基端壁73で終止する。他の2本の光チャネルは先端面91で終止する。観察用の主対物レンズ77を設け、内視鏡シャフトを通って内視鏡の基端55へ光ファイバを連絡する。更に、側面観察用対物レンズ79を設け、これも内視鏡シャフト53を通って基端55まで光ファイバが連絡している。内部真空線81は基端55にある真空接続から内視鏡シャフトの先端59で真空を提供する。更に、空気用と水用のポート83と85はシャフトを貫通して設けることができ、主観察レンズ77の清掃手段を提供する。
【0031】
数本の屈折ワイヤ87も治療部位まで誘導する際にシャフトの尖端部を屈曲し湾曲させる目的で内視鏡シャフト53を貫通して提供される。屈折ワイヤは内視鏡シャフトの先端部分59の付近に固定され内視鏡ハンドル89にある制御ノブ57まで基端方向に延在する。内視鏡シャフト53は可撓性に作られているが並置装置61を含む先端の作業部分59は剛性で組織への進入に必要な剛性の針67のスムースな動きを確保するようになっていることに注意する。したがって、内視鏡シャフトの屈折は並置部分よりわずかに基端側である。前述した代表例の内腔及びコンポーネントにより、内視鏡シャフトは1.375センチメートル(0.550インチ)程度の外径を有すると想定される。最後に、前述の実施態様は図4Aから図4Dに図示してあるような多数の真空チャンバ63を備える並置部分61で実現可能であることに注意する。多数チャンバの並置装置の動作及び構成の詳細は米国特許出願第10/220,379号(特許文献3)に見ることができ、参照によりその全体が本明細書に含まれる。
【0032】
図6は先端104に組織並置装置102を備える一体型内視鏡100の別の実施態様を示す。組織並置装置102は図7に示した内視鏡の直径が小さくなったコア部分108上に受け入れられる着脱可能な円筒状カートリッジ106を含む。円筒状カートリッジは吸引ポート110と真空チャンバ112とを画成し、ここへ真空下に組織部分を捕集する。カートリッジは又内視鏡の長軸に対して円周方向の経路に沿って組織内へ供給される組織捕捉手段を保持する。カートリッジには組織捕捉手段を予め装填しておき、使用後には破棄できる1回使用型材料として作製できる。カートリッジは直径の小さい部分108へ直径が減少する前に内視鏡の先端面118上にあるねじ穴116へねじ込まれるねじ114によって内視鏡に固定される。
【0033】
直径の小さいコア部分108を通って従来の内視鏡要素の通路が延在する。組合せ吸引腔と作業チャネル120は細長い医療器具を担持するために提供される。内視鏡基端へ観察能力を提供するために伸縮回転式対物レンズ122や固定対物レンズ124が提供される。光ガイド126は直径の減少した部分108の中央に設けて対物レンズを通して観察される領域を照明する。空気及び水ポート128は対物レンズの清掃手段として設ける。また、直径の減少した部分108の側壁には側面吸引ポート130も設け円筒状カートリッジの真空チャンバ112へ真空を連通する。直径の減少した部分108の側壁132に設けてあるのは複式トリガ・メカニズム(破線で示す)134で、長手方向に摺動して円筒状カートリッジの組織捕捉手段開放メカニズムを作動させる。
【0034】
円筒状カートリッジ106の特定の構造が、図6の線8〜8に沿ってみた図8に提示した断面図に図示してある。図8において、組織部分138はカートリッジの吸引ポート110から真空チャンバ112へ吸引され捕集された状態で図示してある。組織部分138の単一の盛り上がりを捕集するか又は吸引ポート110の長さに沿って中央に区画部を配置して2つの独立した組織の盛り上がりを画成するようにしてある場合には2つの別々の盛り上がりを捕集する。カートリッジは組織へ挿入可能で組織の貫通側で締結リング142と係合するプラグ140を含む二組の組織並置手段を担持する。プラグの詳細は図9に図示してある。リングの詳細は図10Aと図10Bに図示してある。
【0035】
プラグは円筒状カートリッジ106の環状断面に画成された円周方向の発射チャンバ144に予め装填し保持される。プラグは発射チャンバ144の円弧形状に追従するように湾曲している。プラグは組織に穿孔するための鋭利な穿孔端148と発射スプリング151に係合されて捕捉した組織138を通って円周方向へまた円筒状カートリッジ106に形成されたリング・レセプタクル152に摩擦力で保持されるリング142へとプラグを駆動する平坦に直径の開大したカップ部分150とを含む。プラグ140は移動中に発射チャンバの外壁156に沿って移動するため、開大した平坦な頭部150はプラグ本体の中心からオフセットして発射スプリング151の駆動力を完全に捕捉しまた発射チャンバ144が前進するにつれチャンバ内部に整列した状態でプラグ140を保持する。
【0036】
発射スプリング151は捕捉した組織部分を貫通してプラグが希望どおりに供給されるまでトリガ156によって圧縮状態に保持される。トリガは後述するように内視鏡の基端への遠隔接続によりスプリングから離れる方向に引き出すことができる。スプリングが開放されると、発射チャンバ144によって画成された円周方向の経路に沿って伸展しプラグ140を組織へと押し出す。プラグが発射されると、プラグ本体146は穴158を通ってリングに摩擦係合するようになる。図10Aと図10Bに最も良く図示してあるように、リング貫通孔はリングの外径と同軸ではなく、リングの片側に位置していて頭部150に対してオフセットしているプラグ本体146の整列状態と一致するようになっている。更に、貫通孔158は中心部で減少した直径のうね160へ徐々に直径が先細になるように構成してプラグ本体146との摩擦係合を増大させるようにしてある。
【0037】
プラグ本体146は一連の直径が大きいリブ162で構成され、リングに貫通孔158のうね160と整列する際にリブは抵抗のピークに達してリングとの摩擦係合を更に増大させるようになっている。前述したように、円筒状カートリッジ106は2個又はそれ以上のリングとプラグのアセンブリをほぼ1センチメートルだけ長手方向に間隔を空けて保持するように構成してあり、組織部分が2個のリングとプラグのアセンブリによって同時に固定されるようになっている。吸引ポート110を長手方向に半分に分割するように分割壁を配置した場合、2つの独立した組織の盛り上がりが形成されて2個のリングとプラグのアセンブリによって別々に捕捉される。
【0038】
別の構成において、吸引ポート110は図11から図14に図示してあるように長手方向に延在する区画壁によって分割される。図11と図12に図示してあるように、円筒状カートリッジ106には吸引ポート110を設け、ポートの区画壁164が長さに沿って長手方向に延在している。組織部分が真空チャンバ112に吸引されると、区画壁164の周囲で分割されて、図11と図13に図示してあるように2つの独立した盛り上がり138を形成する。
【0039】
図12に図示してあるように、区画壁164は吸引ポート110を横断して延在する。図12に図示してある吸引ポート100の上面図は真空チャンバ112全体にわたって間隔の開いている吸引穴111を通して真空チャンバへ真空が導入されることを示している。発射チャンバ144は吸引チャンバの底部に配置されており、予め装填してあるプラグの鋭利な穿孔端148を環状経路に沿って外向きに組織内へ向け、区画壁164によって分離された組織の2つの盛り上がりを貫通して湾曲し真空チャンバ112の対向する側面に配置されたリング保持器152に摩擦で保持される締結リング142を進入させるように構成されている。
【0040】
プラグ140が組織を貫通して押し出され真空チャンバの対向する側にあるリング142と係合した後、吸引を中止すると、プラグとリング140及び142によって捕捉された組織の盛り上がり138は図14と図15に図示してあるように見える。プラグ140は区画された組織138の両方の盛り上がりを貫通して挿入され、組織の一方の側面で保持している大きなキャップ150と組織の反対側の側面に保持されてプラグ140の先端に固定されたリング142によって別々の盛り上がりとして一緒に保持する。図16に図示してあるのはリング162の別の実施態様である。リングはリング142と同様の方法で機能するがプラグの突出した鋭利な尖端148の上に延出する延出円筒状部分164を含み近傍の組織領域が穿孔端によって外傷を受けないようにしてある。
【0041】
図17は選択的に発射スプリング151を開放してプラグをリングに供給するトリガ156とトリガ・メカニズム134の詳細図を示す。トリガ156は円筒状カートリッジ106の内側側壁168と摺動的に係合するスプリング係合部分166を含む。スプリング係合部分はトリガの湾曲部分170へピン止めされ、トリガはトリガ・スロット172へ延出し内視鏡の直径が小さくなった部分108の外表面132に摺動可能なように配置されているトリガ・メカニズム134と係合する。トリガ・メカニズム134は直径が小さくなった部分108を貫通して形成されたスロット174を通って延出し内視鏡シャフト53の全長にわたってハンドル89まで延在するトリガ・ケーブル178を受け入れる鳩目部分を形成し、ここに図18に図示したようにユーザによって作動されるハンドルの外側へ延出するトリガ・レバー180の作業端が接続される。図18のや印182によって示してあるようにレバーを操作すると、トリガ・ケーブル178は基端方向に引かれ、これが図17Aの上面図に図示してあるようにトリガ・メカニズム134を基端方向へ摺動させるように作用する。基端方向へのトリガ・メカニズム134の動きで湾曲部分170とトリガ全体156が基端方向に引かれ、スプリング係合部分166が引かれて発射スプリング151から離れ、これによりスプリングが開放され発射チャンバ144の円周方向の経路に沿ってプラグを発射できるようになる。
【0042】
図19では円筒状カートリッジ位置装置の別の実施態様が図示してある。改良内視鏡185は図6及び図7との関連で説明した先行実施態様と同様に円筒状カートリッジ106を受け入れるための直径の小さな部分108を備える。しかし内視鏡は更に直径の大きな端面118に観察レンズ124と光源184とを含み更なる観察能力を提供する。更に詳しく説明すると、追加の観察レンズと光源によって操作者は円筒状カートリッジ(図19では図示していない)の真空チャンバ112に吸引される組織を直接観察することができる。円筒状カートリッジの真空チャンバはレンズ124の観察能力の障害となる壁を除去するため追加の切り欠きを有する。したがって、カートリッジが内視鏡の直径が小さくなった部分108の上に嵌合したときに真空チャンバ112が被さる部分の周囲に封止ガスケット186を用いる。この封止ガスケットは真空チャンバ内に充分な真空が発生して、プラグとリングの組織へ位置要素の発射前に完全に組織を吸引できるように保証する。
【0043】
更に、センサー188を直径が小さくなった部分108の側壁表面132の吸引穴111の近くに配置しておき、カートリッジの真空チャンバ内に完全に組織が吸引された時点で信号を発生し電気信号を内視鏡基端へ送信して、充分な吸引が得られたことと、組織捕捉手段の発射を開始できることをユーザに通知することができる。
【0044】
図20は一体型内視鏡の先端に実現することができる組織並置装置の別の実施態様を示す。並置装置200は、二組の対向するプーリ206と208によって画成された円形の経路204を通って駆動される半円形の針202を使用する。円形の経路204は真空チャンバ210を貫通して針を誘導し、チャンバには吸引チャンバの底部で真空穴212から真空が導入されたとき吸引によって組織部分138を捕捉する。
【0045】
前述したように、針202は二組のプーリ206と208で画成された円形の通路204と、装置200の先端に形成されている円形の針トラック214を通って移動し、円弧の少なくとも一部が真空チャンバ210を通って移動し針が組織を貫通するようになっている。針トラック214は針の直径よりわずかに大きな直径の円形の通路でプーリによって駆動された針を誘導する。対向するプーリの組は各々が駆動プーリ206とアイドラ・プーリ208とを含み、アイドラ・プーリが駆動プーリに対向している。針を駆動するには、駆動プーリを調節して針トラック214へわずかに移動させ、アイドラ・プーリとの間隔を閉じ、針202がこれらの間に捕捉されるようにする。駆動プーリ206が回転すると、針との係合によって針は針トラック214を通って移動し円形のサイクルを完成する。駆動プーリは内視鏡の基端(図示していない)で制御される機械的リンケージにより係合状態へ又係合状態から移動できる。
【0046】
駆動プーリ206は各プーリの周囲とアイドラ・プーリ208の周囲にねじ切りされている駆動ケーブル216によって駆動され内視鏡を通って基端方向に延出し外部供給源によって駆動される。矢印218によって示された方向に移動する場合、針は穿刺方向へ駆動され、組織部分138を貫通して装着されている縫合糸220を供給する。針が組織部分138を貫通すると、真空を中止して組織部分を開放し内視鏡の尖端部も新しい位置へ移動させ、組織を吸引してから針をまた円形の通路を通って移動させ、同じ縫合糸を供給する。所望の個数の組織位置に縫合糸を配置した後、縫合糸220を担持したまま患者体外へ基端方向に本装置を抜去し、結び目を作るか縫合糸ロック装置を縫合糸に組み付けて固定し、手術を完了する。
【0047】
図21は図4Aから図4Dに図示した多数吸引ポート組織並置装置の別の実施態様を示す。特に、図21では真空穴226経由で真空の導入により組織が吸引される多数の吸引チャンバ224を有する一体型内視鏡222を示す。作業チャネル腔228と真空腔230に加えて、内視鏡は追加の観察ポート232と相補的に隣接する清掃ポート234とを備えた構成である。観察ポート232は内視鏡基端まで延在する光ファイバを含む腔236へ接続しここを通して観察能力が得られる。清掃ポート234は内視鏡基端へ基端方向に延在する腔へ開口し洗浄液及び空気の排出により観察ポートレンズ232の清掃が可能になる。
【0048】
装置の尖端部240の観察及び清掃ポートは並置装置の構造によって阻害されない観察に有利な点を提供することにより意図している組織部位へ内視鏡を誘導するのを支援する。真空チャンバ242の底部に終止する観察及び清掃ポート232及び234は組織の盛り上がりの全体がチャンバ内に吸引されたときの観察に有用である。組織の盛り上がりが完全に捕集されたとき、観察ポート232の正面と接触して「レッド・アウト」状態を作り出し、これによって操作者は組織部分の全体が吸引され組織の盛り上がりを貫通して縫合糸を担持する針を供給しても安全であることを確認できる。
【0049】
図22は組織並置装置250が先端252に一体化されている一体型内視鏡の別の実施態様の部分断面側面図である。本装置は内視鏡の長軸からおよそ45度角度が付けてある先端面254を提示する角度付き先端を使用する。吸引ポート256は真空チャンバ258へ吸引された組織を受け入れるため先端面に形成される。真空チャンバの背面壁260に沿って、本出願に記載した他の実施態様の内視鏡にある数個の従来のアクセサリ・ポートが配置されている。
【0050】
更に詳しく説明すると、2つのチャネルに接続される真空ポート262が提供されて、同一のポートから真空チャンバ258へ真空又は膨張用圧力のいずれかを導入できる。また背面壁には光ファイバに接続された観察レンズ264とレンズ清掃用の空気及び水ポート266がある。剛性の針268は角度の付いた先端面54の長軸に沿った経路に向けられて、真空チャンバ258を直角に横断し、捕捉した組織に正確に穿刺するようになっている。針268は適切に形成された摺動腔内の45度の角度のコーナー272を横断することが可能な可撓性プッシャ−270の長手方向の移動によって押し出され、組織を貫通して針を押し出すのに充分なカラム強度を有する。針は中空で内腔から永久タグを供給し従来技術の装置の図4Aと図4Cの実施態様に図示してあるように組織を縫合糸で固定する。
【0051】
図23は捕捉した組織を貫通してステープル282を打ち込む並置装置280を含む一体型内視鏡の別の実施態様を示す。多数の組織の盛り上がりが分割区画壁286によって分離された複式吸引ポート284へ吸引される。区画壁の存在により吸引された組織は2つの独立した盛り上がりを区画壁286の周囲に形成する。図24に図示してあるように、区画壁のギャップ288はステープルが区画壁286に捕捉されることなくステープル止めした組織部分を真空チャンバ290から分離できるように設けてある。
【0052】
使用時には、組織の盛り上がりを真空チャンバ290へ吸引した後、内視鏡の作業チャネルを介して案内されるプッシャ・ロッド292でステープル282を先端方向へ前進させる。プッシャ・ロッドは先端方向へ前進してステープルを組織138の両方の盛り上がりに穿刺させ、アンビル294と係合して、アンビルがステープルの端部を折り曲げて畳み、従来のステープルで行うように組織内にステープルを固定する。
【0053】
1回の挿管で装置が多数の襞を作れるようにするためには、ステープル・マガジン296を提供して、各々の穿孔するステープルが排出されたら、プッシャ・ロッド292で直線的に順次ステープルを前進させる。マガジン296はステープル供給に対して一定の力を維持するスプリング299の付いた筐体298を含み、各ステープルが排出されプッシャ・ロッド292がマガジン位置を通りすぎて基端側へ復帰すると自動的に筐体から排出されるようにして、ステープルがプッシャ・シャフト通路297へ排出できるようにする。
【0054】
図25は組織を把持して操作することができる多数のアクセス・ポート302を有する並置装置300を提供する一体型内視鏡/アクセサリの概念の別の実施態様を示す。組織は図25に図示してあるような鉗子304等を用いてポート302経由で把持される。鉗子304は作業チャネル308から前進し屈曲点310で上向きに折れ曲がってアクセス・ポート302から延出し組織部分138を把持するようになっている。鉗子がアクセス・ポート302経由で引き戻されると、組織の盛り上がりがポートの側面と係合し装置に引き込まれることで形成される。
【0055】
一旦把持したら、組織の盛り上がり138には内視鏡の別のチャネルから導入される針で生体吸収性増量剤を注入する。これ以外に、組織の盛り上がりは各々の組織の盛り上がりの上に結紮バンドを配置することにより保持できる。組織の盛り上がりは例えば返しの付いた槍、投げ輪、ローラ等の他の手段によってアクセス・ポート経由で把持しても良い。
【0056】
図26に図示してあるように、把持メカニズムは単一アクセス・ポート314を提供する内視鏡実施態様312の開放している先端を経由して使用できる。図26は把持装置例えば鉗子304が内視鏡312の先端にある開放チャンバ313内に最初に誘導され組織の位置315へ案内される連続ステップを示す。所望の組織位置に到達したら、鉗子304を開放チャンバ313から前進させ開口させて組織部分を把持する。組織部分を把持したら、鉗子を閉じて内視鏡312の開放チャンバ313へ引込み、組織の盛り上がり138を画成すると、これを組織固定装置で操作できるようになる。
【0057】
しかし本発明の前述の説明は単に本発明の例示を意図したものであり、その他の変更、実施態様及び等価物が本発明の精神から逸脱することなく当業者には明らかであろうことは理解されるべきである。以上説明した本発明において特許法により請求し保護を希望する発明は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来技術のシングルステッチ縫合装置の動作の連続ステップを示す。
【図2】従来技術のシングルステッチ縫合装置の動作の連続ステップを示す。
【図3】従来技術のシングルステッチ縫合装置の動作の連続ステップを示す。
【図4】図4Aは、手術の各種段階での複数吸引ポート並置装置の略図である。図4Bは、手術の各種段階での複数吸引ポート並置装置の略図である。図4Cは、手術の各種段階での複数吸引ポート並置装置の略図である。図4Dは、手術の各種段階での複数吸引ポート並置装置の略図である。
【図5】図5Aは、一体型内視鏡と治療装置アクセサリの部分断面側面図である。図5Bは、線5B〜5Bに沿ってみた図5Aの一体型内視鏡の断面図である。
【図6】内視鏡先端に組み付けられた円筒状カートリッジを含む一体型内視鏡及び医学的治療装置アクセサリの実施態様の等角図である。
【図7】円筒状カートリッジを内視鏡先端から取り外してある一体型内視鏡及び医学的治療装置アクセサリの実施態様の等角図である。
【図8】線8〜8に沿ってみた図6に図示した一体型内視鏡の断面図である。
【図9】組織並置手段装置のプラグ部分の側面図である。
【図10】図10Aは、組織並置手段のリング部分の略図である。図10Bは、組織並置手段のリング部分の略図である。
【図11】線8〜8に沿ってみた図6に図示した円筒状カートリッジの別の実施態様の断面図である。
【図12】図11に図示した円筒状カートリッジの吸引ポートの上面図である。
【図13】図12に図示した吸引ポートへ吸引された後の2つの組織部分の略図である。
【図14】図9から図10Bに図示した並置装置により相互に固定される組織部分の略図である。
【図15】図9から図10Bに図示した並置装置により相互に補足された組織部分の側面断面図である。
【図16】図9から図10Bに図示した組織並置装置の改良版により相互に補足された組織部分の側面断面図である。
【図17】図6に図示した円筒状カートリッジのトリガ・メカニズムの詳細図である。図17Aは、図7に図示した一体型内視鏡の直径減少部分の一部の上面図である。
【図18】トリガ・レバーを使用する内視鏡制御ハンドルの上面図である。
【図19】改良した直径減少部分を使用する円筒状カートリッジ一体型内視鏡実施態様の変化である。
【図20】補足した組織部分を通して縫合糸を配置するための半円形の針を適用する一体型内視鏡及びアクセサリの側面断面図である。
【図21】追加の光学系及び光学系清掃ポートを使用する一体型内視鏡の部分断面側面図である。
【図22】角度の付いた先端面を使用する一体型内視鏡の部分断面側面図である。
【図23】ステープルを配備する組織並置装置を使用する一体型内視鏡の部分断面側面図である。
【図24】ステープルを配備する組織並置装置を使用する一体型内視鏡の上面図である。
【図25】多数のアクセス・ポートを使用する一体型内視鏡及びアクセサリの部分断面等角図である。
【図26】手術の各種段階における単一のアクセス・ポートと把持装置とを備えた一体型内視鏡の一連の3面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型内視鏡であって、
基端と先端とを有するシャフトと、
前記シャフトの先端にある組織並置装置(102、200)であって、少なくとも1個の並置装置制御要素が前記シャフトの全長に亘って延在し、前記組織並置装置(102、200)を制御するために並置装置制御メカニズムが前記シャフトの基端部に装着されていることを特徴とする組織並置装置(102、200)とを有し、
前記組織並置装置(102、200)は、少なくとも1個の真空チャンバ(112、210)であって、前記組織並置装置(102、200)の外側に開口し該真空チャンバ(112、210)内を真空にすることで組織を吸引することを特徴とする少なくとも1個の真空チャンバ(102、200)を有し、
前記組織並置装置(102、200)は、更に、該組織並置装置(102、200)内でアーチ型の通路(144、204)を1方向にだけ移動するように構成されたアーチ型の針(140、202)と、該アーチ型の通路(144、204)を通じて該アーチ型の針(140、202)を駆動する手段とを有し、該アーチ型の針(140、202)のアーチ型の通路(144、204)に沿って組織を配置するために該組織が真空チャンバ(112、210)の中に引き込まれる
ことを特徴とする一体型内視鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−179115(P2010−179115A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50803(P2010−50803)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【分割の表示】特願2004−534766(P2004−534766)の分割
【原出願日】平成15年9月8日(2003.9.8)
【出願人】(592017079)シー・アール・バード・インク (6)
【Fターム(参考)】