説明

内視鏡ライトガイド検査システム、内視鏡プロセッサ、および内視鏡ユニット

【課題】ライトガイドの分光劣化を検知する。
【解決手段】内視鏡プロセッサ20はメモリ23、システムコントローラ24、および色差演算回路27を有する。ライトガイド初期設定を実行すると、メモリ23は初期分光信号を格納する。ライトガイド検査機能を実行すると、色差演算回路27は初期分光信号をメモリ23から読出す。また、色差演算回路27は初期分光信号と検査分光信号とに基づいて判別値を算出する。さらに、色差演算回路27は判別値と第1、第2の閾値を比較して、ライトガイド31に分光劣化が生じているか否かを判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に設けられるライトガイドの分光劣化を検査する内視鏡ライトガイド検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
体内や構造物内部を観察するために用いる電子内視鏡が知られている。電子内視鏡では、挿入管を所望の部位に挿入し、挿入管の先端に設けられる撮像素子により被写体像を撮像することにより所望の部位の観察が可能である。
【0003】
通常、体内や構造物内部には外光が照射されていない。それゆえ、被写体像の撮像のために、外部光源から出射した照明光を挿入管内部に設けられたライトガイドによって伝達し、体内などに照明光が照射される。
【0004】
外部光源には高出力なランプが用いられるため、ライトガイドが劣化することがある。ライトガイドの劣化により、伝達の途中で照明光が減衰し、被写体に十分な光量の照明光を照射することが出来ない。そこで、ライトガイドにより伝達された光の輝度を測定することによりライトガイドの劣化状況を認識することが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
しかし、ライトガイド全体の透過率に劣化が進んでいない場合であっても、一部の帯域の透過率が低下することがある。それゆえ、特許文献1によるライトガイドの検査方法では、ライトガイドの分光劣化、すなわち一部の帯域の光の透過率の劣化を検査することは出来なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−44062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明では、ライトガイドの分光劣化を検査する内視鏡ライトガイド検査システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内視鏡ライトガイド検査システムは、光源から出射される照明光を内視鏡の挿入管先端に伝達するライトガイドの伝達特性を検査する内視鏡ライトガイド検査システムであって、挿入管の先端に設けられ撮像素子が照明光を照射された被写体を撮像することにより生成された画像信号を受信する受信部と、画像信号において特定の波長の光の受光量に応じた分光画像信号成分の初期値に相当する初期分光信号を格納するメモリと、ライトガイドの検査を実行させるスイッチと、スイッチがONになるときに受信部が受信する画像信号における分光画像信号成分である検査分光信号とメモリに格納された初期分光信号とを特定の波長毎に比較することにより判別値を算出する算出部と、判別値と閾値との比較に基づいてライトガイドに異常があるか否かを判別する判別部とを備えることを特徴としている。
【0009】
なお、判別値は同じ特定の波長同士で初期分光信号と検査分光信号との差分の絶対値を算出し複数の特定の波長に対して算出される差分の絶対値を合計することにより算出され、判別部は判別値が閾値を超える場合にライトガイドに異常があると判別することが好ましい。
【0010】
あるいは、判別値は初期分光信号生成時にライトガイドから被写体に照射される照明光のうち演色評価数の算出に用いる試験色の波長と同じ波長の光を基準光とし検査分光信号生成時にライトガイドから被写体に照射される照明光のうち基準光の波長と同じ波長の光を演色評価数の試料光として算出される演色評価数であり、判別部は判別値が閾値未満である場合にライトガイドに異常があると判別することが好ましい。
【0011】
また、判別値は試験色毎に算出され、算出される複数の判別値の中で少なくとも一つが閾値未満である場合にライトガイドに異常があると判別されることが好ましい。
【0012】
また、初期分光信号および検査分光信号の生成時に撮像される被写体は、白色に色付けられていることが好ましい。
【0013】
あるいは、初期分光信号および検査分光信号の生成時に撮像される被写体は、白色以外の所定の単一色に色付けられていることが好ましい。
【0014】
また、内視鏡に付与される固有の識別情報を内視鏡から受信する情報受信部と、情報受信部が受信した識別情報に基づいて内視鏡が新規に接続された内視鏡であるか否かを判別する新規性判別部とを備え、内視鏡が新規に接続された内視鏡である場合に分光画像信号成分が初期分光信号としてメモリに格納されることが好ましい。
【0015】
あるいは、分光画像信号成分を初期分光信号としてメモリへの格納を実行させる初期化スイッチを備えることが好ましい。
【0016】
また、本発明の内視鏡プロセッサは、内視鏡の挿入管先端に設けられる撮像素子が光源から挿入管先端までライトガイドによって伝達された照明光を照射された被写体を撮像することにより生成する画像信号を受信する受信部と、画像信号において特定の波長の光の受光量に応じた分光画像信号成分の初期値に相当する初期分光信号を格納するメモリと、ライトガイドの検査を実行させるスイッチと、スイッチがONになるときに受信部が受信する画像信号における分光画像信号成分である検査光信号とメモリに格納された初期分光信号とを波長毎に比較することにより判別値を算出する算出部と、判別値と閾値との比較に基づいてライトガイドに異常があるか否かを判別する判別部とを備えることを特徴としている。
【0017】
また、本発明の内視鏡ユニットは、互いに着脱自在な内視鏡と内視鏡プロセッサによって構成される内視鏡ユニットであって、内視鏡に設けられ光源から出射される照明光を内視鏡の挿入管の先端に伝達するライトガイドと、挿入管の先端に設けられ照明光を照射された被写体を撮像することにより分光画像信号を生成する撮像素子と、内視鏡プロセッサに設けられ画像信号において特定の波長の光の受光量に応じた分光画像信号成分の初期値に相当する初期分光信号を格納するメモリと、内視鏡および内視鏡プロセッサの少なくとも一方に設けられライトガイドの検査を実行させるスイッチと、内視鏡プロセッサに設けられスイッチがONになるときに受信部が受信する画像信号における分光画像信号成分である検査光信号とメモリに格納された初期分光信号とを波長毎に比較することにより判別値を算出する算出部と、内視鏡プロセッサに設けられ判別値と閾値との比較に基づいてライトガイドに異常があるか否かを判別する判別部とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、判別値と閾値を比較することにより、ライトガイドに分光劣化が生じているか否かを判別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態を適用した内視鏡ライトガイド検査システムを含む内視鏡プロセッサを有する内視鏡ユニットの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】第1、第2の実施形態におけるライトガイド初期設定時に実行される動作の制御を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態におけるライトガイド検査機能において実行される動作の制御を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態におけるライトガイド検査機能において実行される動作の制御を示す第1のフローチャートである。
【図5】第2の実施形態におけるライトガイド検査機能において実行される動作の制御を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を適用した内視鏡ライトガイド検査システムを含む内視鏡プロセッサを有する内視鏡ユニットの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【0021】
内視鏡ユニット10は、内視鏡プロセッサ20、分光内視鏡30、およびモニタ11によって構成される。内視鏡プロセッサ20は、分光内視鏡30、およびモニタ11に接続される。
【0022】
内視鏡プロセッサ20から被写体を照明するための照明光が分光内視鏡30に供給される。照明光を照射された被写体が分光内視鏡30により撮像される。分光内視鏡30の撮像により生成する分光画像信号が内視鏡プロセッサ20に送られる。
【0023】
内視鏡プロセッサ20では、分光内視鏡30から得られた分光画像信号に対して所定の信号処理が施される。所定の信号処理を施した分光画像信号はモニタ11に送信され、送信された分光画像信号に相当する画像がモニタ11に表示される。
【0024】
次に、分光内視鏡30の構成について説明する。分光内視鏡30には、ライトガイド31および撮像素子32などが設けられる。
【0025】
ライトガイド31は、内視鏡プロセッサ20と接続されるコネクタ33から挿入管34の先端まで延設される。内視鏡プロセッサ20から供給される照明光がライトガイド31の入射端に入射される。入射端に入射した照明光は出射端まで伝達される。出射端に伝達された照明光が、挿入管34の先端方向の被写体に照射される。
【0026】
照明光が照射された被写体の反射光による光学像が、挿入管34の先端に設けられた撮像素子32の受光面に到達する。撮像素子32は、一定の周期、例えば、1/60秒毎に1フィールドの分光画像信号を生成するように制御される。なお、撮像素子32によって、第1〜第nの波長λ1〜λnの光成分に応じた第1〜第nの波長の分光画像信号φim(λ1)〜φim(λn)が生成される。
【0027】
次に、内視鏡プロセッサ20の構成について説明する。内視鏡プロセッサ20には光源システム21、第1、第2の映像信号処理回路22a、22b、メモリ23、システムコントローラ24、タイミングコントローラ25、入力部26、および色差演算回路27などが設けられる。
【0028】
光源システム21からは照明光が出射される。分光内視鏡30を内視鏡プロセッサ20に接続すると、光源システム21はライトガイド31と光学的に接続される。光源システム21が出射する照明光はライトガイド31の入射端に入射される。
【0029】
分光内視鏡30を内視鏡プロセッサ20に接続すると、撮像素子32は第1の映像信号処理回路22aに電気的に接続される。撮像素子が生成し送信した分光画像信号は第1の映像信号処理回路22aに受信される。
【0030】
第1の映像信号処理回路22aでは、γ補正などの所定の信号処理が施される。第1の映像信号処理回路22aはメモリ23に接続される。所定の信号処理が施された分光画像信号はメモリ23に格納される。
【0031】
メモリ23は第2の映像信号処理回路22bおよび色差演算回路27に接続される。通常の画像観察時には、メモリ23に格納された分光画像信号は第2の映像信号処理回路22bに送信される。後述するライトガイド検査時には、メモリ23に格納された分光画像信号は色差演算回路27に送信される。
【0032】
第2の映像信号処理回路22bでは、受信した分光画像信号に対して、所定の信号処理が施される。所定の信号処理が施された分光画像信号が、映像信号としてモニタ11に送信される。前述のように、1/60秒毎に画像信号は生成され、モニタ11に送信される。モニタ11に表示する画像を1/60秒毎に切替えることにより、モニタ11にはリアルタイムの動画像が表示される。
【0033】
後述するように、色差演算回路27では、ライトガイド初期設定時にメモリ23に格納された分光画像信号である初期分光信号とライトガイド検査時にメモリ23に格納された検査分光信号とに基づいて、判別値Φimが算出される。また、色差演算回路27では、判別値に基づいて、ライトガイド31の分光劣化が検知される。
【0034】
第1、第2の映像信号処理回路22a、22b、およびメモリ23は、バス28を介してシステムコントローラ24およびタイミングコントローラ25に接続される。システムコントローラ24により、第1、第2の映像信号処理回路22a、22b、およびメモリ23の動作が制御される。また、タイミングコントローラ25により、第1、第2の映像信号処理回路22a、22b、およびメモリ23の動作の時期が制御される。
【0035】
また、バス28は入力部26にも接続される。入力部26には使用者による様々な入力操作が可能で、入力操作に応じてシステムコントローラ24は各部位を制御する。
【0036】
内視鏡プロセッサ20には、ライトガイド検査機能が設けられる。ライトガイド検査機能は、入力部26への入力操作により実行される。なお、ライトガイド検査機能を実行する前に、ライトガイド初期設定を行う必要がある。ライトガイド初期設定およびライトガイド検査機能について、色差演算回路27の機能と共に以下に説明する。
【0037】
ライトガイドの初期設定およびライトガイドの検査機能には、ホワイトバランス調整キャップ(図示せず)または検査用カラーチャートを用いる必要がある。
【0038】
ホワイトバランス調整キャップは、従来公知のホワイトバランス調整用のR、Bゲイン算出のためのキャップである。ホワイトバランス調整キャップには挿入管34先端を挿入可能な孔部が設けられ、内部が白色に色付けられる。また、検査用カラーチャートは内部にチャート板が設けられ、外光が入らないように外部から遮光される。チャート板は、例えば青色などの単一の色に色付けられる。
【0039】
ライトガイド初期設定を実行させる操作入力を行うと、通常観察時と同様に、撮像素子32により1/60秒毎に1フィールドの分光画像信号が生成され、リアルタイムの動画像がモニタ11に表示される。
【0040】
動画像を表示中に測定用撮影の操作入力を入力部26に行うと、第1〜第nの波長の分光画像信号φim(λ1)〜φim(λn)が第1〜第nの波長の初期分光信号φim0(λ1)〜φim0(λn)として生成される。生成された初期分光信号は、前述のようにメモリ23に格納される。初期分光信号がメモリ23に格納されると、ライトガイド初期設定は終了する。
【0041】
なお、初期分光信号は、ライトガイド31が劣化していない状態でメモリ23に格納することが好ましく、分光内視鏡30を新規に用いる前および分光内視鏡30の修理後に格納することが推奨される。また、内視鏡プロセッサ20を新規に用いる前や光源システム21の交換時にも、初期分光信号を格納することが推奨される。
【0042】
次に、ライトガイド検査機能について説明する。ライトガイド検査機能を実行させる操作入力を行うと、通常観察時と同様に、撮像素子32により1/60秒毎に1フィールドの分光画像信号が生成され、リアルタイムの動画像がモニタ11に表示される。
【0043】
動画像を表示中に測定用撮影の操作入力を入力部26に行うと、第1〜第nの波長の分光画像信号φim(λ1)〜φim(λn)が第1〜第nの検査分光信号φim1(λ1)〜φim1(λn)として生成される。生成された検査分光信号は、前述のようにメモリ23に格納される。
【0044】
検査分光信号がメモリ23に格納されると、第1〜第nの波長の初期分光信号φim0(λ1)〜φim0(λn)と第1〜第nの波長の検査分光信号φim1(λ1)〜φim1(λn)とが、メモリ23から色差演算回路27に読出される。色差演算回路27では、(1)式によって表される判別値Φimが算出される。
【0045】
【数1】

【0046】
色差演算回路27では、算出された判別値Φimと第1、第2の閾値(第1の閾値<第2の閾値)とが比較される。なお、第1、第2の閾値はROM(図示せず)に格納され、必要に応じて色差演算回路27に読出される。
【0047】
色差演算回路27では、算出された判別値Φimが第1の閾値以下である場合にはライトガイド31は十分に使用可能である、と判別される。算出された判別値Φimが第1の閾値を超え、第2の閾値以下である場合にはライトガイド31の劣化が進んでいる、と判別される。また、算出された判別値Φimが第2の閾値を超える場合にはライトガイド31が正確な色再現には不適である、と判別される。
【0048】
判別結果は、第2の映像信号処理回路22bに伝達される。第2の映像信号処理回路22bでは、モニタ11に表示するメッセージの選択が行われる。
【0049】
判別値Φim≦第1の閾値の場合には、ライトガイド31には分光劣化が認められないことを示す第1のメッセージが表示される。第1の閾値<判別値Φim≦第2の閾値の場合には、ライトガイド31の分光劣化があり、交換時期が間近であることを示す第2のメッセージが表示される。また、第2の閾値<判別値Φimである場合には、ライトガイド31の分光劣化が十分に進んでおり、交換が必須であることを示す第3のメッセージが表示される。
【0050】
次に、ライトガイド初期設定時においてシステムコントローラ24および色差演算回路27により実行される各部位の動作の制御を図2のフローチャートを用いて説明する。前述のように、ライトガイド初期設定は入力部26への初期設定操作が入力されるときに開始される。
【0051】
ステップS100では、システムコントローラ24は、1/60秒毎に1フィールドの分光画像信号を生成開始させる。また、生成された分光画像信号に所定の信号処理を施して、モニタ11に送信させ、モニタ11にリアルタイム動画像を表示させる。分光画像信号の生成開始後、ステップS101に進む。
【0052】
ステップS101では、システムコントローラ24は測定用の撮影実行の入力があるか否かを判別する。撮影実行入力が検出されない場合にはステップS101に戻り、以後、撮影実行入力が検出されるまで待機状態となる。撮影実行入力が検出された場合には、ステップS102に進む。
【0053】
ステップS102では、システムコントローラ24は撮像素子32に第1〜第nの波長の分光画像信号φim(λ1)〜φim(λn)を第1〜第nの初期分光信号φim0(λ1)〜φim0(λn)として生成させる。生成開始後、ステップS103に進む。
【0054】
ステップS103では、システムコントローラ24は、第1〜第nの初期分光信号φim0(λ1)〜φim0(λn)をメモリ23に格納する。第1〜第nの初期分光信号φim0(λ1)〜φim0(λn)をメモリ23に別々に格納すると、ライトガイド初期設定の処理を終了する。
【0055】
次に、ライトガイド検査機能においてシステムコントローラ24および色差演算回路27により実行される各部位の動作の制御を図3のフローチャートを用いて説明する。前述のように、ライトガイド検査機能は入力部26への検査実行操作が入力されるときに開始される。
【0056】
ステップS200では、システムコントローラ24は、1/60秒毎に1フィールドの分光画像信号を生成開始させる。また、生成された分光画像信号に所定の信号処理を施して、モニタ11に送信させ、モニタ11にリアルタイム動画像を表示させる。分光画像信号の生成開始後、ステップS201に進む。
【0057】
ステップS201では、システムコントローラ24は測定用の撮影実行の入力があるか否かを判別する。撮影実行入力が検出されない場合にはステップS201に戻り、以後、撮影実行入力が検出されるまで待機状態となる。撮影実行入力が検出された場合には、ステップS202に進む。
【0058】
ステップS202では、システムコントローラ24は撮像素子32に第1〜第nの波長の分光画像信号φim(λ1)〜φim(λn)を第1〜第nの波長の検査分光信号φim1(λ1)〜φim1(λn)として生成させる。検査分光信号生成後、ステップS203に進む。
【0059】
ステップS203では、システムコントローラ24は、第1〜第nの波長の初期分光信号φim0(λ1)〜φim0(λn)をメモリ23から読出して、色差演算回路27に送信する。初期分光信号の送信後、ステップS204に進む。
【0060】
ステップS204では、色差演算回路27は、同じ波長の初期分光信号と検査分光信号の差分の絶対値を算出する。第1〜第nの波長すべての差分の絶対値の算出後、差分の絶対値を合計することにより、判別値Φimを算出する。判別値Φimの算出後、ステップS205に進む。
【0061】
ステップS205では、色差演算回路27はステップS204で算出した判別値Φimが第2の閾値以下であるか否かを判別する。判別値Φimが第2の閾値を超える場合には、ステップS206に進む。判別値Φimが第2の閾値以下である場合には、ステップS207に進む。
【0062】
ステップS206では、システムコントローラ24は、第3のメッセージをモニタ11に表示するように、後段信号処理回路22bに信号処理を実行させる。第3のメッセージの表示後、ライトガイド検査機能の処理を終了する。
【0063】
ステップS207では、色差演算回路27は、ステップS204において算出した判別値Φimが第1の閾値以下であるか否かを判別する。判別値Φimが第1の閾値を超える場合には、ステップS208に進む。判別値Φimが第2の閾値以下である場合には、ステップS209に進む。
【0064】
ステップS208では、システムコントローラ24は、第2のメッセージをモニタ11に表示するように、後段信号処理回路22bに信号処理を実行させる。第2のメッセージの表示後、ライトガイド検査機能の処理を終了する。
【0065】
ステップS209では、システムコントローラ24は、第1のメッセージをモニタ11に表示するように、後段信号処理回路22bに信号処理を実行させる。第1のメッセージの表示後、ライトガイド検査機能の処理を終了する。
【0066】
以上のように、第1の実施形態を適用した内視鏡ライトガイド検査システムによれば、ホワイトバランス調整キャップのように基準となる色を初期状態として撮影し、後の検査時にも同じ基準となる色を撮影し、撮影により生成された色成分を比較することによりライトガイド31の分光伝達特性の変化を検知することが可能である。
【0067】
さらに、輝度成分が健常状態と変わらない場合であっても、判別値と第1、第2の閾値とを比較することによりライトガイド31の交換時期が近付いていることや、交換すべきであることを警告することが可能である。
【0068】
なお、ライトガイド31の分光伝達特性の変化を検知するために、ランプガイド初期設定時とランプガイド検査時に、単一色で色付けられた同じ色の物品が撮像される。前述のように、ホワイトバランス調整キャップの内部や検査用カラーチャートが撮像される。
【0069】
ホワイトバランス調整キャップを用いる場合には、ホワイトバランス調整のために従来から使用されていた調整キャップを兼用できるので検査用カラーチャートを新規に用意する必要が無い。また、全波長の分光伝達特性を測定可能であるため、劣化の顕著な波長帯域を特定することが可能である。また、単一の白色のみの撮影なので、使用者に煩雑な操作を強いることが無い利点を有する。
【0070】
一方、検査用カラーチャートを用いる場合には、チャート板の色の波長近辺の分光伝達特性の変化が、ホワイトバランス調整キャップを用いる場合に比べて大きくなる。それゆえ、チャート板の色の波長近辺の分光劣化の検査精度を向上させることが可能である。
【0071】
次に、本発明の第2の実施形態を適用した内視鏡ライトガイド検査システムについて説明する。第2の実施形態の内視鏡ライトガイド検査システムは、色差演算回路27で算出される判別値および劣化状況の判別方法において第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1の実施形態と同じ機能を有する部位には、同じ符号を付す。
【0072】
第2の実施形態の内視鏡プロセッサでも、ライトガイドの初期設定およびライトガイドの検査機能ともにホワイトバランス調整キャップおよび検査用カラーチャートを用いることが可能である。
【0073】
ライトガイド初期設定を実行させる操作入力を行うと、第1の実施形態と同様に、通常観察時と同様に、撮像素子32により1/60秒毎に1フィールドの分光画像信号が生成される。
【0074】
第1の実施形態と同様に、動画像を表示中に測定用撮影の操作入力を入力部26に行うと、第1〜第nの波長の分光画像信号が第1〜第nの波長の初期分光信号φim0(λ1)〜φim0(λn)として生成される。生成された初期分光信号は、メモリ23に格納される。初期分光信号がメモリ23に格納されると、ライトガイド初期設定は終了する。
【0075】
次に、第2の実施形態の内視鏡プロセッサにおけるライトガイド検査機能について説明する。ライトガイド検査機能を実行させる操作入力を行うと、通常観察時と同様に、撮像素子32により1/60秒毎に1フィールドの分光画像信号が生成される。
【0076】
第1の実施形態と同様に、動画像を表示中に測定用撮影の操作入力を入力部26に行うと、第1〜第nの波長の分光画像信号φim(λ1)〜φim(λn)が第1〜第nの検査分光信号φim1(λ1)〜φim1(λn)として生成される。生成された検査分光信号は、メモリ23に格納される。
【0077】
第1の実施形態と異なり、検査分光信号がメモリ23に格納されると、初期分光信号と検査分光信号とがメモリ23から色差演算回路27に読出される。なお、同時に、メモリ23から、JIS Z 8726またはCIE、1974によって定められた演色評価数の算出において用いられる15色の試験色の波長も色差演算回路27に読出される。
【0078】
色差演算回路27では、試験No.1の試験色に対応する波長の初期分光信号φim0および検査分光信号φim1に基づいて、試験No.1の演色評価数R1が判別値として算出される。
【0079】
色差演算回路27では、試験No.1の演色評価数R1が第3の閾値と比較される。試験No.1の演色評価数R1が第3の閾値未満である場合にはライトガイド31が正確な色再現には不適である、と判別される。試験No.1の演色評価数R1が第3の閾値以上である場合には、試験No.1の演色評価数R1がメモリ23に格納される。
【0080】
試験No.1の演色評価数R1がメモリ23に格納されると、色差演算回路27では、試験No.2の試験色に対応する波長の初期分光信号φim0および検査分光信号φim1に基づいて、試験No.2の演色評価数R2が判別値として算出される。
【0081】
試験No.1の演色評価数R1と同様に、試験No.2の演色評価数R2が第3の閾値と比較される。試験No.2の演色評価数R2が第3の閾値未満である場合にはライトガイド31が正確な色再現には不適である、と判別される。試験No.2の演色評価数R1が第3の閾値以上である場合には、試験No.2の演色評価数R2がメモリ23に格納される。
【0082】
以後、同様に、演色評価数が第3の閾値未満になるまで、試験No.3〜試験No.15の演色評価数R3〜R15の算出、第3の閾値との比較、およびメモリ23への格納が行われる。
【0083】
試験No.15の演色評価数R15が第3の閾値以上である場合には、試験No.1の演色評価数R1がメモリ23から色差演算回路27に読出される。色差演算回路27では、試験No.1の演算評価数R1が第4の閾値(>第3の閾値)と比較される。
【0084】
試験No.1の演算評価数R1が第4の閾値未満である場合には、ライトガイド31の劣化が進んでいる、と判別される。試験No.1の演算評価数R1が第4の閾値以上である場合には、メモリ23から試験No.2の演算評価数R2がメモリ23から色差演算回路27に読出される。
【0085】
以後、試験No.1の演算評価数R1と同様に、演色評価数が第4の閾値未満になるまで、試験No.2〜試験No.15の演色評価数R2〜R15の読出し、第4の閾値との比較が行われる。試験No.15の演色評価数R15が第4の閾値以上である場合には、ライトガイド31は十分に使用可能であると、判別される。
【0086】
第1の実施形態と同じく、判別結果は、第2の映像信号処理回路22bに伝達される。第2の映像信号処理回路22bでは、モニタ11に表示するメッセージの選択が行われる。
【0087】
いずれの演色評価数も第4の閾値以上である場合には、ライトガイド31には分光劣化が認められないことを示す第1のメッセージが表示される。いずれかの演色評価数が第3の閾値以上で第4の閾値未満である場合には、ライトガイド31の分光劣化があり、交換時期が間近であることを示す第2のメッセージが表示される。いずれかの演色評価数が第3の閾値未満である場合には、ライトガイド31の分光劣化が十分に進んでおり、交換が必須であることを示す第3のメッセージが表示される。
【0088】
次に、第2の実施形態のライトガイド検査機能においてシステムコントローラ24および色差演算回路27により実行される各部位の動作の制御を図4、5のフローチャートを用いて説明する。前述のように、ライトガイド検査機能は入力部26への検査実行操作が入力されるときに開始される。なお、ライトガイド初期設定時に実行される各部位の制御は、第1の実施形態と同じである(図2参照)。
【0089】
ステップS300では、システムコントローラ24は、1/60秒毎に1フィールドの分光画像信号を生成開始させる。また、生成された分光画像信号に所定の信号処理を施して、モニタ11に送信させ、モニタ11にリアルタイム動画像を表示させる。分光画像信号の生成開始後、ステップS301に進む。
【0090】
ステップS301では、システムコントローラ24は測定用の撮影実行の入力があるか否かを判別する。撮影実行入力が検出されない場合にはステップS301に戻り、以後、撮影実行入力が検出されるまで待機状態となる。撮影実行入力が検出された場合には、ステップS302に進む。
【0091】
ステップS302では、システムコントローラ24は撮像素子32に第1〜第nの波長の分光画像信号φim(λ1)〜φim(λn)を第1〜第nの波長の検査分光信号φim1(λ1)〜φim1(λn)として生成させる。システムコントローラ24は、生成させた第1〜第nの波長の検査分光信号φim1(λ1)〜φim1(λn)をメモリ23に格納する。格納後、ステップS303に進む。
【0092】
ステップS303では、システムコントローラ24は、初期分光信号φim0(λ1)〜φim0(λn)をメモリ23から読出して、色差演算回路27に送信する。初期分光信号の送信後、ステップS304に進む。
【0093】
ステップS304では、システムコントローラ24は試験No.iを1にリセットする。試験No.のリセット後、ステップS305に進む。
【0094】
ステップS305では、システムコントローラ24は、演色評価数の算出に用いられる検査分光信号φim1(λ1)〜φim1(λn)をメモリ23から読出して、色差演算回路27に送信する。送信後、ステップS306に進む。
【0095】
ステップS306では、色差演算回路27は、試験No.iでの演色評価数Riを算出する。演色評価数Riの算出後、ステップS307に進む(図5参照)。
【0096】
ステップS307では、色差演算回路27は、ステップS306において算出した演色評価数Riが第3の閾値未満であるか否かを判別する。演色評価数Riが第3の閾値未満である場合には、ステップS308に進む。演色評価数Riが第3の閾値以上である場合には、ステップS309に進む。
【0097】
演色評価数Riが第3の閾値未満の場合、ライトガイド31が正確な色表現には不適と推定される。したがって、ステップS308では、システムコントローラ24は、前述の第3のメッセージをモニタ11に表示するように、後段信号処理回路22bに信号処理を実行させる。第3のメッセージの表示後、ライトガイド検査機能の処理を終了する。
【0098】
ステップS309では、システムコントローラ24は、ステップS306において算出した演色評価数Riをメモリ23に格納する。なお、演色評価数Riは、試験No.別に格納される。メモリ23への格納後、ステップS310に進む。
【0099】
ステップS310では、システムコントローラ24は、試験No.iが15であるか否かを判別する。試験No.iが15で無い場合には、ステップS311に進む。試験No.iが15である場合には、ステップS312に進む。
【0100】
ステップS311では、システムコントローラ24は、試験No.iに+1をインクリメントする。インクリメント後、ステップS305に戻る(図4参照)。
【0101】
ステップS312では、システムコントローラ24は試験No.iを1にリセットする。試験No.iのリセット後、ステップS313に進む。
【0102】
ステップS313では、システムコントローラ24は、試験No.iの演色評価数Riをメモリ23から読出し、色差演算回路27に送信する。送信後、ステップS314に進む。
【0103】
ステップS314では、色差演算回路27は、ステップS312において読出した演色評価数Riが第4の閾値未満であるか否かを判別する。演色評価数Riが第4の閾値未満である場合には、ステップS315に進む。演色評価数Riが第4の閾値以上である場合には、ステップS316に進む。
【0104】
演色評価数Riが第3の閾値以上かつ第4の閾値未満の場合、ライトガイド31の劣化が進んでいると推定される。したがって、ステップS315では、システムコントローラ24は、前述の第2のメッセージをモニタ11に表示するように、後段信号処理回路22bに信号処理を実行させる。第2のメッセージの表示後、ライトガイド検査機能の処理を終了する。
【0105】
ステップS316では、システムコントローラ24は、試験No.iが15であるか否かを判別する。試験No.iが15で無い場合には、ステップS317に進む。試験No.iが15である場合には、ステップS318に進む。
【0106】
ステップS317では、システムコントローラ24は、試験No.iに+1をインクリメントする。インクリメント後、ステップS313に戻る。
【0107】
演色評価数Riが第rの閾値以上である場合、ライトガイド31には分光劣化が認められないと推定される。したがって、ステップS318では、システムコントローラ24は、前述の第1のメッセージをモニタ11に表示するように、後段信号処理回路22bに信号処理を実行させる。第1のメッセージの表示後、ライトガイド検査機能の処理を終了する。
【0108】
以上のように、第2の実施形態を適用した内視鏡ライトガイド検査システムによれば、第1の実施形態と同じく、ライトガイド31の分光伝達特性の変化を検知することが可能である。
【0109】
さらに、第1の実施形態と同じく、輝度成分が健常状態と変わらない場合であっても、判別値と第3、第4の閾値とを比較することによりライトガイド31の交換時期が近付いていることや、交換すべきであることを警告することが可能である。
【0110】
また、第2の実施形態では、第4の閾値未満の演色評価数である試験色が1色でもあれば分光劣化が進んでいると判別するので、特定の波長帯域の光の伝達能の劣化を高い感度で検出することが可能である。
【0111】
なお、第1、第2の実施形態では、ライトガイド初期設定を実行させる操作を入力部26に入力するとライトガイド初期設定が実行開始される構成であるが、新規な分光内視鏡30を内視鏡プロセッサ20に接続すると自動的にライトガイド初期設定が実行開始される構成であってもよい。
【0112】
分光内視鏡30の接続時に電子内視鏡30のシリアル番号を内視鏡プロセッサ20が読出し、それまでに接続された分光内視鏡30のシリアル番号と比較することにより新規であるか否かを判別することは可能である。
【0113】
また、第1、第2の実施形態では、第1(第3)、第2(第4)の閾値と判別値または演色評価数を比較して、第1〜第3のメッセージのいずれかを表示する構成であるが、いずれか一方の閾値とのみ比較して、第1のメッセージと、第2、第3のメッセージのいずれかとのいずれかを表示する構成であってもよい。第2、第3のメッセージのいずれか一方のみが表示され得る構成であっても、使用者にライトガイド31に分光劣化が生じていることを警告可能である。
【0114】
また、第1、第2の実施形態では、第2、第3のメッセージをモニタ11に表示することにより、分光劣化が生じていることを警告する構成であるが、他の方法により警告する構成であってもよい。例えば、アラーム音を発せさせたり、内視鏡プロセッサ20に警告ランプを設け警告ランプを点灯させることにより、警告することも可能である。
【0115】
また、第1、第2の実施形態では、分光画像信号を生成する分光内視鏡が用いられる構成であるが、通常の電子内視鏡が生成するカラー画像信号から分光画像信号成分を生成する構成であってもよい。
【0116】
また、第1の実施形態では初期分光信号と検査分光信号との差の絶対値の合計が判別値として用いられ、第2の実施形態では演色評価数が閾値と比較される判別値として用いられる構成であるが、初期分光信号と検査分光信号とを波長毎に比較した判別値を用いても第1、第2の実施形態と同様の効果を得ることは可能である。
【符号の説明】
【0117】
10 内視鏡ユニット
20 内視鏡プロセッサ
23 メモリ
24 システムコントローラ
26 入力部
27 色差演算回路
30 電子内視鏡
31 ライトガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射される照明光を内視鏡の挿入管先端に伝達するライトガイドの伝達特性を検査する内視鏡ライトガイド検査システムであって、
前記挿入管の先端に設けられ撮像素子が前記照明光を照射された被写体を撮像することにより生成された画像信号を受信する受信部と、
前記画像信号において、特定の波長の光の受光量に応じた分光画像信号成分の初期値に相当する初期分光信号を格納するメモリと、
前記ライトガイドの検査を実行させるスイッチと、
前記スイッチがONになるときに、前記受信部が受信する前記画像信号における前記分光画像信号成分である検査分光信号と前記メモリに格納された前記初期分光信号とを前記特定の波長毎に比較することにより判別値を算出する算出部と、
前記判別値と閾値との比較に基づいて、前記ライトガイドに異常があるか否かを判別する判別部とを備える
ことを特徴とする内視鏡ライトガイド検査システム。
【請求項2】
前記判別値は、同じ前記特定の波長同士で前記初期分光信号と前記検査分光信号との差分の絶対値を算出し、複数の前記特定の波長に対して算出される前記差分の絶対値を合計することにより算出され、
前記判別部は、前記判別値が前記閾値を超える場合に前記ライトガイドに異常があると判別する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ライトガイド検査システム。
【請求項3】
前記判別値は、前記初期分光信号生成時に前記ライトガイドから前記被写体に照射される前記照明光のうち前記演色評価数の算出に用いる試験色の波長と同じ波長の光を基準光とし、前記検査分光信号生成時に前記ライトガイドから前記被写体に照射される前記照明光のうち前記基準光の波長と同じ波長の光を試料光として算出される前記演色評価数であり、
前記判別部は、前記判別値が前記閾値未満である場合に前記ライトガイドに異常があると判別する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ライトガイド検査システム。
【請求項4】
前記判別値は前記試験色毎に算出され、算出される複数の前記判別値の中で少なくとも一つが前記閾値未満である場合に前記ライトガイドに異常があると判別されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡ライトガイド検査システム。
【請求項5】
前記初期分光信号および前記検査分光信号の生成時に撮像される被写体は、白色に色付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の内視鏡ライトガイド検査システム。
【請求項6】
前記初期分光信号および前記検査分光信号の生成時に撮像される被写体は、白色以外の所定の単一色に色付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の内視鏡ライトガイド検査システム。
【請求項7】
前記内視鏡に付与される固有の識別情報を前記内視鏡から受信する情報受信部と、
前記情報受信部が受信した前記識別情報に基づいて、前記内視鏡が新規に接続された内視鏡であるか否かを判別する新規性判別部とを備え、
前記内視鏡が新規に接続された内視鏡である場合に、前記分光画像信号成分が前記初期分光信号として前記メモリに格納される
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の内視鏡ライトガイド検査システム。
【請求項8】
前記分光画像信号成分を前記初期分光信号として前記メモリへの格納を実行させる初期化スイッチを備えることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の内視鏡ライトガイド検査システム。
【請求項9】
内視鏡の挿入管先端に設けられる撮像素子が、光源から前記挿入管先端までライトガイドによって伝達された照明光を照射された被写体を撮像することにより生成する画像信号を受信する受信部と、
前記画像信号において、特定の波長の光の受光量に応じた分光画像信号成分の初期値に相当する初期分光信号を格納するメモリと、
前記ライトガイドの検査を実行させるスイッチと、
前記スイッチがONになるときに、前記受信部が受信する前記画像信号における前記分光画像信号成分である検査光信号と前記メモリに格納された前記初期分光信号とを波長毎に比較することにより判別値を算出する算出部と、
前記判別値と閾値との比較に基づいて、前記ライトガイドに異常があるか否かを判別する判別部とを備える
ことを特徴とする内視鏡プロセッサ。
【請求項10】
互いに着脱自在な内視鏡と内視鏡プロセッサによって構成される内視鏡ユニットであって、
前記内視鏡に設けられ、光源から出射される照明光を内視鏡の挿入管の先端に伝達するライトガイドと、
前記挿入管の先端に設けられ、前記照明光を照射された被写体を撮像することにより分光画像信号を生成する撮像素子と、
前記内視鏡プロセッサに設けられ、前記画像信号において特定の波長の光の受光量に応じた分光画像信号成分の初期値に相当する初期分光信号を格納するメモリと、
前記内視鏡および前記内視鏡プロセッサの少なくとも一方に設けられ、前記ライトガイドの検査を実行させるスイッチと、
前記内視鏡プロセッサに設けられ、前記スイッチがONになるときに、前記受信部が受信する前記画像信号における前記分光画像信号成分である検査光信号と前記メモリに格納された前記初期分光信号とを波長毎に比較することにより判別値を算出する算出部と、
前記内視鏡プロセッサに設けられ、前記判別値と閾値との比較に基づいて、前記ライトガイドに異常があるか否かを判別する判別部とを備える
ことを特徴とする内視鏡ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−152245(P2012−152245A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11375(P2011−11375)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】