説明

内視鏡装置

【課題】配管内に挿入された挿入部に生じた異常を操作者に告知する内視鏡装置を提供する。
【解決手段】内視鏡装置1は、挿入部2aの先端側に湾曲部12を有し、操作部2bに湾曲部12を湾曲動作させるジョイスティック22と告知部23とを備える内視鏡2と、湾曲部12の湾曲状態を検出する湾曲部センサー6から出力される検出信号から湾曲状態を抽出して出力するセンサー検出部37及び湾曲部12の湾曲状態とジョイスティック22の操作状態とを比較する判定部38を備える装置本体3と、を具備し、湾曲部センサー6は、カーボンナノチューブをU字形状に形成したU字状カーボンナノチューブ複合体であり、判定部38は、湾曲部12の湾曲状態がジョイスティック22の操作状態と異なる場合、告知部23に告知信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑に屈曲した配管等に挿入される挿入部に湾曲部を有する内視鏡を備える内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野及び工業分野において内視鏡が利用されている。一般に、軟性な挿入部を有する内視鏡では、挿入部の先端部の向きを任意の方向に向けられるように挿入部の先端側に湾曲部が設けられている。湾曲部は、挿入部の基端側に設けられた操作部に備えられた湾曲操作指示装置の操作によって湾曲ワイヤーを牽引弛緩させて湾曲動作するように構成されている。
【0003】
工業用の内視鏡においては、挿入部を複雑に屈曲した配管内に30メートル又はそれ以上に挿入することが要求される。長尺な挿入部の先端側に設けた湾曲部を湾曲ワイヤーで湾曲動作させる構成の場合、湾曲ワイヤーとワイヤー挿通用コイルとの間等に発生する摺動抵抗の増大に伴って、湾曲部を所望する湾曲状態に湾曲させることが困難になるおそれがある。このため、長尺な挿入部を有する内視鏡においては、挿入部の湾曲部又はその近傍に流体圧アクチュエーターを設け、その流体圧アクチュエーターに流体供給チューブを介して空気等の流体を供給して湾曲部を湾曲動作させるように構成している。
【0004】
しかし、流体圧アクチュエーターを備える長尺な挿入部を複雑に屈曲した配管内に挿入する際、挿入部が屈曲されて挿入部内の流体供給チューブが折り曲げられ、流体の供給が困難になって湾曲操作に支障を来すおそれがある。このため、作業中、挿入部の屈曲状態等を知ることができると便利である。
【0005】
例えば、特許文献1の図14には、内視鏡の先端側のアングル状態(湾曲状態)を立体的に表示する処理動作が示されている。この内視鏡によれば、挿入部の先端側の湾曲部付近を湾曲形状モデルとして表示することにより、挿入部の先端側の湾曲状態の把握が容易となる。この内視鏡では、挿入部の内部に複数の検出用コイルが配置され、これら複数の検出用コイルの位置を検出して挿入部の挿入形状を算出し、観察モニターの表示画面上に算出結果に基づく挿入部形状を示す画像を表示する。
【0006】
また、特許文献2には、湾曲動作中に、バイアス部材のひずみ量を検出することによって湾曲部の湾曲量を算出し、湾曲量表示手段に湾曲部の湾曲状態を表示する湾曲部付可撓管装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−287969号公報
【特許文献2】特開平10−14862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の内視鏡では、挿入部の内部に複数の検出用コイルを配置する構成であるため挿入部が長尺になるにしたがってコイルの数、配線等が増大して、検出装置を含めたシステムが高価になる。一方、特許文献2の湾曲部付可撓管装置では、内視鏡の挿入部のように細径な構成においてひずみ量を高精度に検出することが難しく、ひずみ量の検出を高精度に検出しようとした場合、ひずみ量検出部が大きくなって内視鏡の細径化に支障が生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、配管内に挿入された挿入部に生じた異常を操作者に告知する内視鏡装置を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様における内視鏡装置は、細長な挿入部の先端側に湾曲部を有し、前記挿入部の基端部に設けた操作部に前記湾曲部を湾曲動作させる湾曲操作指示装置と告知部とを備える内視鏡と、前記湾曲部に設けられて該湾曲部の湾曲状態を検出する湾曲部湾曲状態検出センサーから出力される検出信号から前記湾曲部の湾曲状態を抽出してその検出結果を出力するセンサー検出部及び前記センサー検出部から出力された検出結果と前記湾曲操作指示装置から出力された傾倒操作指示信号とを比較して当該湾曲部の湾曲状態と当該湾曲操作指示装置の操作状態とを比較する判定部を備える装置本体と、を具備し、
前記湾曲部湾曲状態検出センサーは、カーボンナノチューブ複合体を含み、前記判定部は、前記湾曲部の湾曲状態が前記湾曲操作指示装置の操作状態と異なる場合、前記操作部が備える告知部に告知信号を出力する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、配管内に挿入された挿入部に生じた異常を操作者に告知する内視鏡装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】U字状カーボンナノチューブ複合体を湾曲ゴムの周囲に複数設けた内視鏡と、装置本体とで構成される内視鏡装置を説明する図
【図2】図1の内視鏡装置の構成を説明するブロック図
【図3】流体圧アクチュエーターおよび湾曲ゴムの外表面に設けた湾曲部センサーの第1実施形態であるU字状カーボンナノチューブ複合体を説明する図
【図4】カーボンナノチューブ複合体を湾曲ゴムの外表面の代わりに、膨張収縮体の外表面に設けて構成した湾曲部センサーを説明する図
【図5】カーボンナノチューブ複合体を湾曲ゴムの外表面の代わりに、ケース体の内表面に設ける構成した湾曲部センサーを説明する図
【図6】U字状カーボンナノチューブ複合体を湾曲部に加えて可撓管部に設けて構成される内視鏡を説明する図
【図7】図6の矢印Y7−Y7線断面図
【図8】図6で示した内視鏡の挿入部の作用を説明する図
【図9】温度センサーを備えるU字状カーボンナノチューブ複合体を説明する図
【図10】図10−図12は第2実施形態の湾曲部センサーを説明する図であって、図10は管状カーボンナノチューブ複合体を説明する図
【図11】湾曲駒組及び湾曲駒組に設けられた管状カーボンナノチューブ複合体を説明する図
【図12】最基端湾曲駒に設けられたフレキシブル基板を説明する図
【図13】図13は第3実施形態の湾曲部センサーであって、細長カーボンナノチューブ複合体及び細長管状カーボンナノチューブ複合体が配置される湾曲部組を説明する図
【図14】図14−図15Cは第4実施形態の湾曲部センサー6を説明する図であって、図14は一対のカーボンナノシートと、それらカーボンナノシートの間に配置される異方性導電シートとで構成される湾曲駒を複数備える湾曲駒組を説明する図
【図15A】湾曲駒の構成を説明する図
【図15B】カーボンナノシートに構成された第1導電部及び第2導電部と前口金の基端面に設けた前口金電極との関係を説明する周方向展開図
【図15C】後口金の基端面の構成を説明する図
【図16】図16は第5実施形態に係る湾曲部センサーであって、湾曲部に設けられた検出装置を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1、図2に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、内視鏡2と、装置本体3とを備えて構成されている。内視鏡2は、例えばバッテリ駆動型の工業用内視鏡である。内視鏡2は、挿入部2aと操作部2bとを備えて構成されている。装置本体3は、本体部3aと表示部3bとを備えて構成されている。
【0014】
挿入部2aは、可撓性を有し、挿入部2aの基端側に操作部2bが連設されている。挿入部2aは、長尺であり、先端側から順に先端部11と、例えば上下/左右方向に湾曲するように構成され湾曲部12と、柔軟性を有する可撓管部13とを連設して構成されている。
【0015】
先端部11の先端面には観察部位を照明する照明光学部、照明された観察部位を撮像する観察光学部が設けられている。本実施形態において、照明光学部には例えばLED等の発光素子4が備えられ、観察光学部には例えばCCD等の撮像素子5が備えられている。
【0016】
湾曲部12は、複数の湾曲駒(不図示)を連設して構成されている。湾曲部12には上下/左右の4方向に対応する湾曲部湾曲状態検出センサー(以下、湾曲部センサーと略記する)6が設けられている。また、湾曲部12近傍には4方向に対応する湾曲ワイヤー7wをそれぞれ牽引弛緩操作するための複数の流体圧アクチュエーター7が配設されている。
可撓管部13内には各流体圧アクチュエーター7に一端が接続された流体供給チューブ(以下、流体チューブと略記する)8が配置されている。
【0017】
操作部2bは、例えば略h字形状に構成されている。本実施形態において、操作部2bには、挿入部2aの挿入軸と異なる軸を有する把持部21が設けられている。把持部21の一面には湾曲部12を湾曲動作させる湾曲操作指示装置(以下、ジョイスティックと略記する)22が突出して設けられている。符号23は、告知部であり、モーター等の振動体、或いはランプ等の発光体で構成される。
【0018】
ジョイスティック22は、傾倒方向及び傾倒角度を変化させる傾倒操作を行うことによって、湾曲部12を所望の方向に所望の湾曲量だけ湾曲させるようになっている。ジョイスティック22からは湾曲部12の傾倒方向及び傾倒角度を指示する傾倒操作指示信号が出力される。なお、図に示すようにジョイスティック22が直立状態のとき、湾曲部12は、直線状態になるように構成されている。
【0019】
本体部3a内には、カメラ制御部31と、湾曲制御部32と、湾曲制御電磁弁ユニット33とが設けられている。
湾曲制御電磁弁ユニット33は、4つの電磁弁を備え、それぞれの電磁弁には各流体圧アクチュエーター7から延出された4つの湾曲方向に対応する流体チューブ8の他端が接続されている。
【0020】
カメラ制御部31は、撮像用回路34と照明用回路35とを備えている。撮像用回路34は、信号線を介して撮像素子5に電気的に接続されている。撮像用回路34は、撮像素子5の駆動及びこの撮像素子5から出力される画像信号から映像信号を生成し、表示部3bに出力する。照明用回路35は、電線を介して発光素子に電気的に接続されている。
【0021】
湾曲制御部32は、流体制御部36と、センサー検出部37と、判定部38とを備えている。流体制御部36は、ジョイスティック22から出力される傾倒操作指示信号を受け、その傾倒操作指示信号から湾曲方向及び湾曲角度を算出した上で湾曲制御電磁弁ユニット33が備える4つの電磁弁を制御する。
【0022】
センサー検出部37は、湾曲部センサー6から出力された検出信号を受けて、湾曲部12の湾曲状態を例えば記憶部に予め登録されているテーブルデーターから抽出し、その検出結果を判定部38に出力する。センサー検出部37から出力される検出結果は、湾曲方向と湾曲角度とを含む湾曲データーである。
【0023】
判定部38には、センサー検出部37から出力された検出結果及び流体制御部36で算出した傾倒操作指示信号に対応する湾曲方向及び湾曲角度を示す湾曲情報が入力される。判定部38は、湾曲情報と湾曲データーとを比較して、湾曲部12の湾曲状態がジョイスティック22の傾倒操作に対応しているか否かを判定する。
【0024】
そして、判定部38は、湾曲部12の湾曲状態がジョイスティック22の傾倒操作指示と異なる場合、告知部23に告知信号を出力する。この結果、告知部23が例えば振動体である場合、把持部21を把持する操作者の手指に振動が伝達される。本実施形態において、判定部38は、湾曲部12の湾曲状態とジョイスティック22の傾倒操作指示とが一致している場合、告知部23への信号出力は停止状態である。
【0025】
なお、判定部38は、告知部23が発光体である場合、湾曲部12の湾曲状態がジョイスティック22の傾倒操作と異なるとき、告知部23に警告信号を出力して発光体を例えば赤色発光或いは点滅発光させる。一方、湾曲部12の湾曲状態とジョイスティック22の傾倒操作とが一致しているときには、告知部23に告知信号を出力して発光体を例えば緑色発光或いは一定の発光状態にする。
【0026】
符号9は、ユニバーサルコードである。ユニバーサルコード9内には発光素子に電源を供給する電線、撮像素子の駆動制御信号或いは光電変換した画像信号の授受を行う信号線、湾曲部センサー6から延出された信号線、及び流体圧アクチュエーター7から延出された流体チューブ8が挿通されている。ユニバーサルコード9は、操作部2bの基端側から延出しており、本体部3aにコネクタ9aを介して着脱自在に接続される。
【0027】
図3に示す流体圧アクチュエーター7は、パイプ形状のケース体7aと、ケース体7a内に収納された膨張収縮体7bとを備えて構成されている。
ケース体7aは、可撓性を有し、フッ素樹脂等の樹脂部材、或いは超弾性を有する例えばチタン等の金属パイプで構成されている。ケース体7aは、湾曲部12近傍、言い換えれば、可撓管部13の先端側の予め定めた位置に固設されている。
【0028】
膨張収縮体7bは、柔軟性を有する中空のシリコンチューブなどで構成されている。膨張収縮体7bの一端は、可撓管部13の一端(図3中の右側)に一体的に固定されている。膨張収縮体7bの一端には流体チューブ8が取りつけられ、膨張収縮体7bの他端には湾曲ワイヤー7wが取りつけられている。
【0029】
膨張収縮体7bは、流体である空気が流体チューブ8を介して膨張収縮体7b内に供給されることにより膨張し、膨張収縮体7b内の空気が流体チューブ8を介して排気されることによって収縮する。そして、膨張収縮体7bが膨張するにしたがって湾曲ワイヤー7wを牽引し、膨張収縮体7b内の空気が排気されていくにしたがって湾曲ワイヤー7wを弛んだ状態にする。
【0030】
なお、膨張収縮体7bを膨張或いは収縮させることによって、湾曲ワイヤー7wを牽引、或いは弛ませる構成の代わりに、ケース体7aの他端側に湾曲ワイヤー7wを取りつけ、膨張収縮体7bを膨張或いは収縮に伴って、ケース体7aを膨張或いは収縮させて湾曲ワイヤー7wを牽引、或いは弛ませる構成にしてもよい。
【0031】
ここで、図3−図9を参照して第1実施形態の湾曲部センサー6を説明する。
本実施形態において、湾曲部センサー6は、弾性、強度に優れたカーボンナノチューブをU字形状に形成したU字状カーボンナノチューブ複合体(以下、U字カーボンと略記する)40である。U字カーボン40は、湾曲部12を構成する湾曲ゴム43の外表面に周方向に対して等間隔で4つ一体に設けられている。各U字カーボン40の一端には第1配線41の先端部が接続され、他端には第2配線42の先端部が接続されている。
【0032】
本実施形態において、U字カーボン40は、例えば、湾曲ゴム43の外表面をマスク処理を施した上で、カーボンナノチューブ複合体を塗布し、塗布後、マスクを除去して湾曲ゴム43の長手軸方向に沿って一体形成される。U字カーボン40が一体な湾曲ゴム43の外周面側は、破線に示すように絶縁性と可撓性とを有する湾曲部用外チューブ44によって被覆される。
【0033】
配線41、42は、可撓管部13を構成する絶縁性の可撓管部用外チューブ45に予め設けた配線挿通用貫通孔45hを介して操作部2bに延出され、その後、ユニバーサルコード9内を挿通してコネクタ9a内に延出されている。
【0034】
なお、可撓管部用外チューブ45は、外装網管46によって覆われている。外装網管は、可撓管部13を潰れ等から保護する目的で設けられた保護管であり、例えば、網管部及び含浸部等を備えて構成されている。
【0035】
湾曲ゴム43の外表面に設けられたU字カーボン40の抵抗値は、湾曲部12の湾曲状態の変化に伴って変化する。つまり、例えば、作業者が、ジョイスティック22を上方向に湾曲させる傾倒操作を行った場合、挿入部先端部が上方向を向く。このとき、湾曲部12の上方向に一体形成されている上用のU字カーボン40は収縮し、下用のU字カーボン40は伸長する。
すなわち、上用のU字カーボン40の抵抗値及び下用のU字カーボン40の抵抗値がそれぞれ変化する。
【0036】
図2に示したセンサー検出部37は、内視鏡作業中、各U字カーボン40の抵抗値の変化を継続して測定してその抵抗値を算出し、その抵抗値に対応する湾曲部12の湾曲方向及び湾曲角度を示す湾曲データーを予め記憶部に登録されているテーブルデーターから抽出するように構成されている。
【0037】
なお、上述した内視鏡においては、湾曲部12を上下/左右の4方向に湾曲する構成としているが、湾曲部12は上下の2方向に湾曲する構成であってもよい。
上述のように構成した内視鏡装置1の作用を説明する。
【0038】
作業者は、複雑に屈曲した配管の検査等を行うに当たって、長尺な挿入部2aを配管入口近傍に配置する。そして、作業者は、表示部3bの画面上に配管内の内視鏡画像を表示させ、ジョイスティック22の傾倒操作を行って先端部11を配管奥方向に向け、挿入部2aの挿入作業を行う。
【0039】
作業者がジョイスティック22の傾倒操作を行ったとき、万一、配管入口近傍に配置された挿入部2aの一部が折れ曲がっている或いは押し潰れている、又は、配管内で挿入部2aの一部が折れ曲げられている場合、流体チューブ8が変形されて流体圧アクチュエーター7への流体の供給が減少、或いは停止される。この結果、湾曲部12は、ジョイスティック22の傾倒操作とは異なる湾曲状態、或いは湾曲動作できない状態になる。
【0040】
作業中、判定部38は、ジョイスティック22からの傾倒操作指示信号に対応する湾曲情報と各U字カーボン40が伸縮されて変化する抵抗値に対応するセンサー検出部37によって抽出した湾曲データーとを比較し、湾曲部12の湾曲角度がジョイスティック22の傾倒操作指示に対応しているか否かを判定している。
【0041】
そして、判定部38は、湾曲部12の湾曲角度がジョイスティック22の傾倒操作指示と異なると判定したとき、告知部23に告知信号を出力する。この結果、作業者は、振動体である告知部23の振動を手指に感じて、挿入部2aの一部が折れ曲がっている等の異常が生じていると判断して、挿入作業を停止して、挿入部2aの引き戻し作業等を行う、或いは、配管入口近傍に配置された挿入部2aの状態を確認して不具合の解消を図る。
【0042】
このように、本実施の形態においては、湾曲部12を構成する湾曲ゴム43の外表面に湾曲方向に対応するように弾性、強度に優れたカーボンナノチューブ製のU字カーボン40を湾曲方向に対応するように複数配置したことによって、湾曲部12の湾曲状態を高精度に検出することができる。
【0043】
また、内視鏡作業中、判定部38は、センサー検出部37から出力される各U字カーボン40の抵抗値を基に抽出した湾曲部12の湾曲角度と、流体制御部36から出力されるジョイスティック22の傾倒操作指示に対応する湾曲情報とを常時比較している。この結果、湾曲部12の湾曲角度がジョイスティック22の傾倒操作指示と異なると判定したとき、瞬時に、告知部23を介して作業者に挿入部2aに潰れ等の異常が生じていることを告知することができる。
また、異常はないが、湾曲操作をしているにも係らず、湾曲部が期待通りに曲がらない場合には、湾曲を妨げている障害等があるものと判断することができる。
【0044】
なお、上述した実施形態においては、U字カーボン40の一端に第1配線41の先端部を接続し、他端に第2配線42の先端部を接続するとしている。しかし、U字カーボン40の一端及び他端に配線41、42の先端部を接続する代わりに、2つの配線を備えたフレキシブル基板を用意し、各配線の先端部をU字カーボン40の一端及び他端に接続する構成にしてもよい。
【0045】
この構成によれば、フレキシブル基板を可撓管部用外チューブ45と外装網管46との間に挿通配置させる構成にして、可撓管部用外チューブ45の配線挿通用貫通孔45hを不要にして可撓管部用外チューブ45の簡略化及び組み立ての簡略化を図ることができる。
【0046】
また、上述した実施形態においては、湾曲部センサー6を湾曲ゴム43の外表面にマスク処理を施して該外表面の周方向に等間隔でU字カーボン40を一体に設けて構成している。しかし、湾曲ゴム43の外表面にマスク処理を施し、U字カーボン40を一体に設ける作業は繁雑である。
【0047】
図4に示す膨張収縮体7bは、その外表面全体に、カーボンナノチューブ複合体を塗布、又はカーボンナノチューブ複合体を混入させた導電接着剤を接着して構成した、カーボンナノチューブ複合体層7cを備えている。
【0048】
配線41、42のそれぞれの先端部は、ケース体7aの基端開口に固設される絶縁性の第1接続口体7dに設けられている配線挿通孔(不図示)を介してケース体7a内に導入され、膨張収縮体7bの端部に配設された接続部7f、7gに電気的に接続されている。
接続部7f、7gは、絶縁性のパイプ部材であり、外表面に配線41、42を接続するための導電部(不図示)が設けられている。導電部とカーボンナノチューブ複合体層7cとは電気的に接続状態である。符号7eは、絶縁性の第2接続口体であり、ケース体7aの栓体開口に固設される。
【0049】
この構成によれば、湾曲ゴム43の外表面に複数のU字カーボン40を設ける作業に比べ、膨張収縮体7bの外表面にカーボンナノチューブ複合体層7cを容易に設けて湾曲部センサーを得ることができる。この結果、作業性の向上を図れる。
【0050】
また、内視鏡作業中、各膨張収縮体7bの外表面に設けられたカーボンナノチューブ複合体層7cの抵抗値の変化を継続して測定し、その抵抗値に対応する湾曲部12の湾曲方向及び湾曲角度を予め記憶部に登録されているからテーブルデーターから抽出し、判定部38に出力することにより、上述した実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0051】
上述したようにケース体7aの他端側に湾曲ワイヤー7wを取りつけ、膨張収縮体7bの膨張或いは収縮に伴って、ケース体7aを膨張或いは収縮させて湾曲ワイヤー7wを牽引、或いは弛ませる構成の場合、図5に示すように膨張或いは収縮されるケース体7aの内表面全体にカーボンナノチューブ複合体層7cを設ける。そして、第1配線41の先端部を第2接続口体7eを介してケース体7a内に挿入し、第2配線42の先端部を第1接続口体7dを介してケース体7a内に挿入してカーボンナノチューブ複合体層7cの予め定め位置に接続する。このことにより、図4に示した実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0052】
上述した実施形態においては、U字カーボン40を湾曲部12のみに設けている。しかし、U字カーボン40を湾曲部12及び可撓管部13に設ける構成であってもよい。
図6−図8は可撓管部にU字状カーボンナノチューブ複合体を設けた内視鏡に係り、図6はU字状カーボンナノチューブ複合体を湾曲部に加えて可撓管部に設けて構成される内視鏡を説明する図、図7は図6の矢印Y7−Y7線断面図、図8は図6で示した内視鏡の挿入部の作用を説明する図である。
【0053】
図6に示すように本実施形態の内視鏡2Aにおいては、湾曲部12に加えて可撓管部13の湾曲部12近傍に上下左右の4方向に対応する可撓管部U字カーボン40Aを設けている。可撓管部U字カーボン40Aは、挿入部形状検出センサーであって、図6、図7に示すように可撓管部用外チューブ45を構成する樹脂製の外層表面に設けられている。
【0054】
そして、本実施形態において、センサー検出部37は、内視鏡作業中、U字カーボン40の抵抗値に対応する湾曲角度等の抽出に加えて、可撓管部U字カーボン40Aの抵抗値の変化を測定して、その抵抗値に対応する可撓管部13の挿入形状を予め記憶部に登録されているテーブルデーターから抽出して判定部38に可撓管部湾曲データーを出力する。
【0055】
したがって、本実施形態において、判定部38には、流体制御部36から出力される湾曲情報及び判定部38か出力される湾曲データーに加えて、判定部38か出力される可撓管部湾曲データーが入力される。
判定部38は、湾曲情報と湾曲部12の湾曲データーと可撓管部湾曲データーとを比較する。そして、湾曲部12の湾曲状態がジョイスティック22の傾倒操作に対応しているか否かを判定するとともに、湾曲部12の湾曲動作に追随して可撓管部13が湾曲動作しているか否かを判定する。
【0056】
例えば、図8に示すように挿入部2aが、第1ストレート管51と、エルボー管52と、第2ストレート管53とで構成された配管50内を通過する場合、湾曲部12は、第1ストレート管51内においてはストレート状態である。そして、第1ストレート管51からエルボー管52内に侵入する際には、作業者のジョイスティック操作によってストレート状態から適宜湾曲動作され、エルボー管52内通渦中においても湾曲動作されて湾曲状態である。そして、エルボー管52から第2ストレート管53に侵入する際には、湾曲状態からストレート状態になるように湾曲動作されて、第2ストレート管53に導かれ進行する。
【0057】
そして、配管50内を通過する可撓管部13は、第1ストレート管51内に移動中、湾曲部12と同様にストレート状態である。そして、第1ストレート管51からエルボー管52内に侵入する際には湾曲部12と同様にストレート状態から湾曲状態に変化し、エルボー管52通過中は湾曲状態に保持される。そして、エルボー管52から第2ストレート管53に侵入する際には、湾曲部12と同様に湾曲状態から徐々にストレート状態に変化して第2ストレート管53に導かれる。つまり、可撓管部13は、湾曲部12の湾曲状態に追従して挿入形状が変化する。
【0058】
しかし、図に示すように先端部11が第1ストレート管51に当接するとともに、湾曲部12が連結部54に当接して前進不能になってしまった場合に、作業者が挿入部2aを奥方向に進行させる挿入作業を行うと、可撓管部13の湾曲状態がさらに大きく湾曲するように変化される。このとき、判定部38は、可撓管部13の挿入形状変化が湾曲部12の湾曲動作に追随していないと判定して、告知部23に告知信号を出力する。
【0059】
判定部38から出力される告知信号は、湾曲部12の湾曲状態がジョイスティック22の傾倒操作指示と異なる場合に出力される告知信号とは異なる第2告知信号であって、告知部23である振動体は、予め定めた間隔で振動される。この結果、把持部21を把持する作業者は、可撓管部13が湾曲部12に追従して前進していないと判断して、挿入作業を停止し、その後、挿入部2aの引き戻し作業等を行って不具合の解消を図れる。
【0060】
このように、湾曲部12にU字カーボン40を配置し、可撓管部13に可撓管部U字カーボン40Aを配置することによって、湾曲部12の湾曲状態の検出に加えて可撓管部13の挿入形状変化を検出して、挿入部2aの挿入作業性の向上を図ることができる。
【0061】
なお、挿入部が長尺な場合、複数の可撓管部U字カーボン40Aを予め定めた間隔で可撓管部長手方向に設けるようにしてもよい。
また、図9に示すように可撓管部13に可撓管部U字カーボン40Aを設ける代わりに、温度センサー47付きの可撓管部U字カーボン40Bを設けるようにしてもよい。
【0062】
この構成において、センサー検出部37は、可撓管部13の挿入形状変化が変化すると、U字カーボン40の抵抗値が変化し、表面の熱の伝わり易さが変わるため、挿入部の曲げにより可撓管部U字カーボン40Bの表面温度が微妙に変化する。この温度変化を温度センサー47が検知する。
【0063】
この結果、上述と同様に湾曲部12の湾曲状態の検出に加えて可撓管部13の挿入形状変化を検出して、挿入部2aの挿入作業性の向上を図れる。なお、図中の符号47aは信号線であり、温度センサー47から延出している。
さらに、挿入作業時に挿入部2aが例えば配管に接触することで、接触部から熱が伝達されて表面の温度が変化する。挿入部2aが配管により強く接触すると、その接触部からの熱が伝わり易く、例えば熱が逃げることにより温度が低下する。この温度を検知することで、表面の状態を検出するものであってよい。
なお、挿入部表面にU字カーボン40を設ける方法ではなく、カーボンナノ複合体(カーボンナノ)、複合体(カーボンナノと樹脂とで構成)に温度センサーを設けることで、その表面の温度を検知して配管の接続を判別するものであってもよい。
【0064】
図10−図12を参照して第2実施形態の湾曲部センサー6について説明する。
本実施形態において、湾曲部センサー6は、図10に示すようにカーボンナノチューブを円柱状に形成した管状カーボンナノチューブ複合体(以下、管状カーボンと略記する)60と、先端面側に設けられた環状の第1電極61と、基端面側に設けられた環状の第2電極62とを備えて構成されている。管状カーボン60、第1電極61、及び第2電極62には、それぞれ湾曲ワイヤー7wが挿通するワイヤー用孔63と、第1電線(図11の符号65参照)が挿通する第1電線用孔64とが設けられている。
第1電線65の先端は、例えば第1電極61の第1電線用孔64内で電気的に接続されている。第2電線66の先端は、例えば第2電極62の第2電線接続部67内で電気的に接続されている。
【0065】
図11に示すように管状カーボン60は、例えば湾曲部12を構成するn個の湾曲駒71を連設して構成された湾曲駒組70の最基端湾曲駒71rと、最基端湾曲駒71rの1つ先端側に配置された第(n-1)湾曲駒71pとの間に配置される。この配置状態おいて、第1電極61と第(n-1)湾曲駒71pの基端面との間、および、第2電極62と最基端湾曲駒71rの先端面との間には予め定めた隙間が形成されている。
【0066】
図12に示すように最基端湾曲駒71rの外周面にはフレキシブル基板75が設けられている。フレキシブル基板75は、最基端湾曲駒71rの外周面を覆う基板本体76と、基板本体76の基端側から延出する延出部77と、基板本体76の先端側に予め定めた間隔で突出して設けられた4つの突起部78とを備えて構成されている。各突起部78の一面は第2電極62と電気的に接続される接点部79として構成されている。そして、突起部78には、管状カーボン60、第1電極61、及び第2電極62と同様に湾曲ワイヤー7wが挿通するワイヤー用孔63と、第1電線65が挿通する第1電線用孔64とが設けられるとともに、第2電線66が挿通する第2電線用孔68とが設けられている。
【0067】
また、最基端湾曲駒71rにも、図示は省略するが湾曲ワイヤー7wが挿通するワイヤー用孔63と、第1電線65が挿通する第1電線用孔64と、第2電線66が挿通する第2電線用孔68とが設けられている。湾曲ワイヤー7wの先端は最先端湾曲駒(不図示)に接続固定されている。そして、最先端湾曲駒を除く他の湾曲駒71には湾曲ワイヤー7wが挿通するワイヤー用孔63が設けられている。
【0068】
本実施形態において、センサー検出部37は、各管状カーボン60が縮められることによって変化する抵抗値を検出するとともに、その抵抗値に対応する湾曲方向及び湾曲角度を含んだ湾曲データーを判定部38に出力する。
【0069】
上述のように構成した管状カーボン60を備える内視鏡の作用を説明する。
本実施形態において、作業者が、ジョイスティック22の傾倒操作を行って湾曲部12を例えば上方向に湾曲させていくと、湾曲ワイヤー7wの牽引弛緩に伴って湾曲駒組70が徐々に上方向に湾曲していく。
【0070】
すると、最基端湾曲駒71rと第(n-1)湾曲駒71pとの間に配置されている湾曲上方向に対応する管状カーボン60に備えられた第1電極61と第(n-1)湾曲駒71pの基端面に接触すると共に、第2電極62と最基端湾曲駒71rに設けられたフレキシブル基板75の接点部79とが電気的に接触する。一方、上方向以外の管状カーボン60、すなわち下左右方向にそれぞれ対応する管状カーボン60の第1電極61と第(n-1)湾曲駒71pの基端面との間、又は、第2電極62と最基端湾曲駒71rの先端面との間に形成されている隙間は拡がる。
【0071】
つまり、湾曲駒組70が徐々に上方向に湾曲していくことによって、第2電極62と最基端湾曲駒71rに設けられたフレキシブル基板75の接点部79とが電気的に接触してセンサー検出部37によって湾曲上方向に対応する管状カーボン60の抵抗値が検出されて判定部38に湾曲データーが出力される。
【0072】
作業者によるジョイスティック22の傾倒操作が続行されることにより、湾曲駒組70は、さらに上方向に湾曲されていく。すると、最基端湾曲駒71rと第(n-1)湾曲駒71pとの間に配置されている湾曲上方向に対応する管状カーボン60は、湾曲部12が湾曲されていくにしたがって押し潰されていく。
【0073】
一方、下左右方向にそれぞれ対応する管状カーボン60の第1電極61と第(n-1)湾曲駒71pの基端面との間、または、第2電極62と最基端湾曲駒71rの先端面との間に形成されている隙間はさらに拡がっていく。この結果、センサー検出部37は、湾曲方向に対応する管状カーボン60の抵抗値の変化だけを検出し、その抵抗値に対応する湾曲データーを判定部38に出力する。
【0074】
判定部38は、上述した第1実施形態と同様にジョイスティック22からの傾倒操作指示信号に対応する湾曲情報とセンサー検出部37から出力された湾曲データーとを比較し、湾曲部12の湾曲角度がジョイスティック22の傾倒操作指示に対応しているか否かを判定する。
【0075】
このように、湾曲部12を構成する湾曲駒組70の予め定めた湾曲駒同士の間に弾性に優れたカーボンナノチューブ製の管状カーボン60を湾曲方向に対応するように複数配設することによって、湾曲部12の湾曲状態を高精度に検出することができる。
【0076】
なお、本実施形態においては、管状カーボン60を湾曲駒組70の最基端湾曲駒71と、最基端湾曲駒71の1つ先端側に配置された第(n-1)湾曲駒71pとの間に配置するとしている。しかし、管状カーボン60の配置位置は、最基端湾曲駒71と第(n-1)湾曲駒71pとの間に限定されるものではなく、第(n-1)湾曲駒71pよりも先端側に配置されている湾曲駒同士の間であってもよい。また、最基端湾曲駒71と第(n-1)湾曲駒71pとの間に加えて、他の湾曲駒同士の間に管状カーボン60を配置するようにしてもよい。
【0077】
図13を参照して第3実施形態の湾曲部センサー6について説明する。
本実施形態において、湾曲部センサー6は、図13に示す牽引部80であり、細長パイプ形状に形成した細長カーボンナノチューブ複合体(以下、細長カーボンと略記する)81と、細長カーボン81の長手軸貫通孔81hに進退自在に挿通される可撓性及び導電性を有する金属製の内棒82とを備えて構成されている。細長カーボン81は、弾性、強度に優れたカーボンナノチューブ製である。
【0078】
内棒82は、先端部に細長カーボン81の先端面81pに当接する太径部83を備えている。内棒82の表面全面には絶縁コート(不図示)が施され、内棒82の基端側には内棒電極84が設けられている。一方、細長カーボン81の基端側にはカーボン用電極85が設けられている。
【0079】
本実施形態において、細長カーボン81及び内棒82は、湾曲部12の4つの湾曲方向に対応して4つずつ用意されている。湾曲駒組86を構成する各湾曲駒87には4つの湾曲方向にそれぞれ対応する4つのセンサー挿通孔87hが形成されている。各センサー挿通孔87h内には、細長カーボン81が予め定め状態で挿通配置されている。内棒82の太径部83は、最先端湾曲駒87fの先端面87fpに当接配置されている。
【0080】
また、細長カーボン81のカーボン用電極85には第1配線88が接続され、内棒82の内棒電極84には第2配線89が接続されている。なお、各湾曲駒87は、絶縁樹脂製、又は金属製で、金属製の場合、その表面全面には絶縁シート(不図示)が設けられている。
【0081】
上述のように構成した細長カーボン81及び内棒82を湾曲駒組86に備える内視鏡の作用を説明する。
本実施形態においては、作業者が、ジョイスティック22の傾倒操作を行って湾曲部12を例えば上方向に湾曲させていくと、湾曲方向に対応する内棒82が牽引される。すると、内棒82が挿通されている細長カーボン81と共に湾曲部12が徐々に上方向に湾曲していく。このとき、上方向に対向する下方向の細長カーボン81も内棒82の弾性力に抗して湾曲されていく。
【0082】
上方向及び下方向に対応する細長カーボン81が湾曲されていくことによって、各細長カーボン81の抵抗値が変化を開始する。センサー検出部37は、配線88、89を介して湾曲することによって変化する細長カーボン81の抵抗値を継続して測定する。
【0083】
作業者によるジョイスティック22の傾倒操作が続行されることにより、細長カーボン81と共に湾曲部12がさらに上方向に湾曲されていく。この結果、センサー検出部37では、湾曲方向の管状カーボン60及びその湾曲方向に対向する管状カーボン60の抵抗値の変化を検出し、その抵抗値に対応する湾曲データーを判定部38に出力する
判定部38は、上述した第1実施形態等と同様にジョイスティック22からの傾倒操作指示信号に対応する湾曲情報とセンサー検出部37から出力された湾曲データーとを比較し、湾曲部12の湾曲角度がジョイスティック22の傾倒操作指示に対応しているか否かを判定する。
【0084】
このように、湾曲駒組86を構成する各湾曲駒87に形成したセンサー挿通孔87h内に細長カーボン81を挿通配置させ、内棒82を牽引して、細長カーボン81を湾曲させることによって、細長カーボン81の変化する抵抗値をセンサー検出部37で測定することによって、上述と同様に湾曲部12の湾曲状態を検出して同様の作用及び効果を得ることができる。
【0085】
図14−図15Cを参照して第4実施形態の湾曲部センサー6について説明する。
図14に示す湾曲駒組90は、湾曲部センサー6であって、前口金91と後口金92と、前口金91と後口金92との間に配設された複数の湾曲駒93とによって構成されている。本実施形態において、前口金91及び後口金92は、絶縁樹脂製であり、複数の湾曲駒93の外周面には絶縁コートが施されている。
【0086】
湾曲駒93は、図15Aに示すように一対のカーボンナノシート94と、カーボンナノシート94の間に配置される異方性導電シート95とを一体にして構成されている。カーボンナノシート94f、94rには、それぞれ放射状に例えば8つの導電部94aと絶縁部94bとを交互に備えられている。絶縁部94bには湾曲ワイヤー7wが挿通する湾曲ワイヤー用孔94hが軸方向に沿って形成されている。つまり、1つの湾曲ワイヤー7wを挟んで一対の導電部94a1、94a2が配置される構成になっている。
なお、湾曲ワイヤー用孔94hは、前口金91、後口金92及び異方性導電シート95にも形成されている。
異方性導電シート95は、前口金91方向から後口金92方向に向けて電流が流れるように形成されている。
【0087】
図15Bに示すように前口金91の基端面には湾曲ワイヤー7wを挟んで配置された一対の導電部94a同士を電気的に接続する前口金電極91aが各一対の導電部94aに対向して4つ形成されている。
一方、図15Cに示すように後口金92には湾曲ワイヤー7wを挿通される湾曲ワイヤー用孔94hを挟んで設けられた一対の後口金電極92a1、92a2の基端面が形成されている。第1後口金電極92a1の先端面は、湾曲駒93の第1導電部94a1に対向し、第2後口金電極92a2の先端面は、湾曲駒93の第2導電部94a2に対向して設けられている。
【0088】
そして、各第1後口金電極92a1には第1配線96aが接続され、各第2後口金電極92a2には第2配線96bが接続されている。
本実施形態において、判定部38は、作業中、ジョイスティック22からの傾倒操作指示信号に対応する湾曲情報と、湾曲駒93が圧縮されてカーボンナノシート94の抵抗値の変化に伴って変化する電流値に対応するセンサー検出部37によって抽出した湾曲データーとを比較する。
【0089】
上述のように構成した湾曲駒組90を備える内視鏡の作用を説明する。
本実施形態において、作業者が、ジョイスティック22の傾倒操作を行って湾曲部12を例えば上方向に湾曲させる操作を行うと、湾曲方向に対応する湾曲ワイヤー7wが牽引されて湾曲駒組90を構成する各湾曲駒93の上方向が圧縮されて湾曲部12が徐々に上方向に湾曲していく。
【0090】
このとき、湾曲駒93を構成する異方性導電シート95が圧縮されて先端側カーボンナノシート94fと基端側カーボンナノシート94rとが導通状態になる。この結果、湾曲上方向に対応する第1配線96a、後口金92の第1後口金電極92a1、湾曲駒93の第1導電部94a1、前口金電極91a、湾曲駒93第2導電部94a2、後口金92の第2後口金電極92a2、第2配線96bが電気的に接続されてセンサー検出部37に電流が流れる。この結果、センサー検出部37による電流値の検出が開始されて判定部38へ湾曲データーが出力されていく。
【0091】
なお、異方性導電シート95が圧縮されて先端側カーボンナノシート94fと基端側カーボンナノシート94rとが導通状態のとき、各湾曲駒93の上方向以外の第1導電部94a1同士および第2導電部94a2同士は電気的に接続されていない。
【0092】
作業者によるジョイスティック22の傾倒操作が続行されることにより、湾曲部12がさらに上方向に湾曲されて湾曲駒93がさらに圧縮される。この結果、センサー検出部37では、湾曲駒組90内を流れる電流値の変化を検出し、その電流値に対応する湾曲データーを判定部38に出力する
判定部38は、上述した第1実施形態等と同様にジョイスティック22からの傾倒操作指示信号に対応する湾曲情報とセンサー検出部37から出力された湾曲データーとを比較し、湾曲部12の湾曲角度がジョイスティック22の傾倒操作指示に対応しているか否かを判定する。
【0093】
このように、湾曲駒組90を構成する各湾曲駒93を一対のカーボンナノシート94f、94rと、カーボンナノシート94の間に配置される異方性導電シート95とで構成する。この結果、湾曲部12を湾曲させた際、湾曲方向に対応する湾曲ワイヤー7wを挟んで配設された湾曲方向に対応する一対の導電部94a1、94a2に流れる電流値の変化をセンサー検出部37で測定することによって、上述と同様に湾曲部12の湾曲状態を検出して同様の作用及び効果を得ることができる。
【0094】
図16を参照して第5実施形態の湾曲部センサー6について説明する。
本実施形態において、湾曲部センサー6は、図16に示すように湾曲部12の外周面側に設けられる、湾曲部湾曲状態検出装置(以下、検出装置と略記する)100である。
【0095】
検出装置100は、第1螺旋管101と、第2螺旋管102と、湾曲方向に対応する4つの温度センサー103と、先端導電部材104とを備えて構成されている。
第1螺旋管101は、下層を構成する細長でバネ性を有する例えばリン青銅製の薄板105と、上層を構成する細長で複数の配線107を備えたフレキシブル基板106とを一体にして細板部材によって構成されている。
複数の配線107は、フレキシブル基板106の長手軸に直交する向きに予め定めた間隔で配列されている。
【0096】
第2螺旋管102は、第1螺旋管101が形成する螺旋部空間内に略当接して配置される。第2螺旋管102は、細長な一対の円板形状のカーボンナノシート108と、先端側カーボンナノシート108fと基端側カーボンナノシート108rとの間に配置される細長な異方性導電シート109とを一体にした細長シートによって構成されている。
異方性導電シート109は、湾曲部12に配設した状態において、先端部11方向から可撓管部13方向に向けて電流が流れるように形成されている。
【0097】
温度センサー103は、第1螺旋管101のフレキシブル基板106の表面に設けられている。符号103aは信号線であって、温度センサー103から延出している。温度センサー103から延出する信号線103aは、例えば一纏めにされて、可撓管部用外チューブ45と外装網管46との間に挿通配置されている。
【0098】
先端導電部材104は、導電性部材で構成された環状部材であって、検出装置100の先端部を構成する。本実施形態において、先端導電部材104には装置本体3から延出された接続線111が接続されている。また、先端導電部材104の予め定めた位置には第1螺旋管101の先端部が絶縁部材を介して一体的に固定されている。
【0099】
本実施形態において、センサー検出部37は、湾曲部12の湾曲形状を、温度センサー103が測定した第1螺旋管101の表面温度を基に、予め記憶部に登録されているテーブルデーターから抽出して判定部38に出力する。
【0100】
上述のように構成した検出装置100の作用を説明する。
本実施形態において、作業者が、ジョイスティック22の傾倒操作を行って湾曲部12を例えば上方向に湾曲させる操作を行うと、湾曲方向に対応する湾曲ワイヤー7wが牽引されて湾曲部12が徐々に上方向に湾曲していく。
【0101】
このとき、湾曲部12の湾曲動作に伴って、湾曲部12に設けられている検出装置100の先端導電部材104の基端面と第1螺旋管101の先端面とが密着すると共に、第1螺旋管101の湾曲上方向に対応する螺旋部空間の間隔が狭められる。
【0102】
この結果、第2螺旋管102が第1螺旋管101によって圧縮されて第1螺旋管101の湾曲上方向に対応するフレキシブル基板106の配線107同士が第2螺旋管102の先端側カーボンナノシート108f、異方性導電シート109及び基端側カーボンナノシート108rを介して電気的に導通状態になって、湾曲上方向に配置されている複数の配線107が発熱する。この配線107の発熱は、湾曲上方向に対応する温度センサー103によって検出される。センサー検出部37は、配線107の温度から湾曲データーを抽出して判定部38へ出力する。
【0103】
なお、湾曲部12の湾曲角度が大きくなるにしたがって、先端側カーボンナノシート108f及び基端側カーボンナノシート108rが圧縮されて抵抗が増大して温度が上昇していく。また、第1螺旋管101の湾曲上方向以外の螺旋部空間の間隔が拡がることにより、第1螺旋管101の湾曲上方向以外の配線107は電気的に接続されていない。
【0104】
判定部38は、上述した実施形態等と同様にジョイスティック22からの傾倒操作指示信号に対応する湾曲情報とセンサー検出部37から出力された湾曲データーとを比較し、湾曲部12の湾曲角度がジョイスティック22の傾倒操作指示に対応しているか否かを判定する。
【0105】
このように、湾曲部12に複数の配線107を備えたフレキシブル基板106を有する第1螺旋管101とカーボンナノシート108f、108r及び異方性導電シート109を有する第2螺旋管102と、温度センサー103とを備えて構成された検出装置100を配置する。この構成によれば、湾曲部12を湾曲状態にしたとき、その湾曲方向に対応するフレキシブル基板106の配線107同士が第2螺旋管102のカーボンナノシート108f、108r及び異方性導電シート109を介して接続されて発熱する。
そして、温度センサー103が検出した温度をセンサー検出部37に出力することによって、上述と同様に湾曲部12の湾曲状態を検出して同様の作用及び効果を得ることができる。
【0106】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0107】
1…内視鏡装置 2、2A…内視鏡 2a…挿入部 2b…操作部 3…装置本体
3a…本体部 3b…表示部 4…発光素子 5…撮像素子 6…湾曲部センサー
7…流体圧アクチュエーター 7a…ケース体 7b…膨張収縮体
7c…カーボンナノチューブ複合体層 7d…第1接続口体 7e…第2接続口体
7f…接続部 7w…湾曲ワイヤー 8…流体チューブ 9…ユニバーサルコード
9a…コネクタ 11…先端部 12…湾曲部 13…可撓管部 21…把持部
22…ジョイスティック 23…告知部 31…カメラ制御部 32…湾曲制御部
33…湾曲制御電磁弁ユニット 34…撮像用回路 35…照明用回路
36…流体制御部 37…センサー検出部 38…判定部 40…U字カーボン
40A、40B…可撓管部U字カーボン 41…第1配線 42…第2配線
43…湾曲ゴム 44…湾曲部用外チューブ 45…可撓管部用外チューブ
45h…配線挿通用貫通孔 46…外装網管 47…温度センサー 47a…信号線
50…配管 51…第1ストレート管 52…エルボー管 53…第2ストレート管
54…連結部 60…管状カーボン 61…第1電極 62…第2電極
63…ワイヤー用孔 64…第1電線用孔 65…第1電線 66…第2電線
67…第2電線接続部 68…第2電線用孔 70…湾曲駒組 71…最基端湾曲駒
71p…第(n−1)湾曲駒 71r…最基端湾曲駒 75…フレキシブル基板
76…基板本体 77…延出部 78…突起部 79…接点部 80…牽引部
81…細長カーボン 81h…長手軸貫通孔 81p…先端面 82…内棒
83…太径部 84…内棒電極 85…カーボン用電極 86…湾曲駒組 87…湾曲駒
87f…最先端湾曲駒 87fp…先端面 87h…センサー挿通孔 88…第1配線
89…第2配線 90…湾曲駒組 91…前口金 91a…前口金電極 92…後口金
92a1…第1後口金電極 92a2…第2後口金電極 93…湾曲駒
94…カーボンナノシート 94a…導電部 94a1…第1導電部
94a2…第2導電部 94b…絶縁部 94f…先端側カーボンナノシート
94h…湾曲ワイヤー用孔 94r…基端側カーボンナノシート
95…異方性導電シート 96a…第1配線 96b…第2配線 100…検出装置
101…第1螺旋管 102…第2螺旋管 103…温度センサー 103a…信号線
104…先端導電部材 105…薄板 106…フレキシブル基板 107…配線
108…カーボンナノシート 108f…先端側カーボンナノシート
108r…基端側カーボンナノシート 109…異方性導電シート 111…接続線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長な挿入部の先端側に湾曲部を有し、前記挿入部の基端部に設けた操作部に前記湾曲部を湾曲動作させる湾曲操作指示装置と告知部とを備える内視鏡と、
前記湾曲部に設けられて該湾曲部の湾曲状態を検出する湾曲部湾曲状態検出センサーから出力される検出信号から前記湾曲部の湾曲状態を抽出してその検出結果を出力するセンサー検出部及び前記センサー検出部から出力された検出結果と前記湾曲操作指示装置から出力された傾倒操作指示信号とを比較して当該湾曲部の湾曲状態と当該湾曲操作指示装置の操作状態とを比較する判定部を備える装置本体と、を具備し、
前記湾曲部湾曲状態検出センサーは、カーボンナノチューブ複合体を含み、
前記判定部は、前記湾曲部の湾曲状態が前記湾曲操作指示装置の操作状態と異なる場合、前記操作部が備える告知部に告知信号を出力することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブ複合体を含む湾曲部湾曲状態検出センサーを、前記湾曲部を構成する湾曲ゴムの外表面に長手軸に沿って、且つ、前記湾曲部の湾曲方向に対応して周方向に対して等間隔に複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブ複合体を含む湾曲部湾曲状態検出センサーは、前記湾曲ゴムの外表面をマスク処理を施した上で、カーボンナノチューブ複合体を塗布し、塗布後、マスク除去を行って該湾曲ゴムの外表面に一体に設けられることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記湾曲ゴムの外表面に設けた湾曲部湾曲状態検出センサーは、前記挿入部の先端側に曲部を有するU字形状であって、
前記U字形状の湾曲部湾曲状態検出センサーの端部にはそれぞれ配線の端部が接続され、
前記配線は、前記湾曲部の基端側に設けられた可撓性を有する可撓管部を構成する絶縁性の可撓管部用外チューブに形成された配線挿通用貫通孔を介して前記操作部に延出させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
外表面にカーボンナノチューブ複合体を含む湾曲部湾曲状態検出センサーが一体に形成されている前記湾曲ゴムの外周面側に絶縁性と可撓性とを有する湾曲部用外チューブを被覆したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記カーボンナノチューブ複合体を含む湾曲部湾曲状態検出センサーにフレキシブル基板の配線を接続し、前記フレキシブル基板を前記可撓管部用外チューブと該可撓管部用外チューブを覆う外装網管との間に挿通配置して前記操作部に延出することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記湾曲部を湾曲動作させる湾曲ワイヤーを流体圧アクチュエーターによって牽引弛緩させる内視鏡において、
前記流体圧アクチュエーターは、パイプ形状のケース体と、前記ケース体内に収納された膨張収縮体とを備え、前記膨張収縮体の外表面全体にカーボンナノチューブ複合体層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記膨張収縮体の膨張或いは収縮に伴って、前記流体圧アクチュエーターのケース体を膨張或いは収縮させて前記湾曲ワイヤーを牽引、弛緩する構成において、
前記カーボンナノチューブ複合体層を前記ケース体の内表面全体に設けたことを特徴とする請求項7に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
前記湾曲部の基端側に可撓性を有する可撓管部を備える構成において、
前記可撓管部を構成する可撓管部用外チューブの樹脂製の外層表面に、該可撓管部の長手軸に沿って、且つ、前記湾曲部の湾曲方向に対応して周方向に対して等間隔に複数のカーボンナノチューブ複合体を含む可撓管部湾曲状態検出センサーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
前記可撓管部湾曲状態検出センサーに温度センサーを設けたことを特徴とする請求項9に記載の内視鏡装置。
【請求項11】
前記カーボンナノチューブ複合体を含む湾曲部湾曲状態検出センサーは、カーボンナノチューブを円柱状に形成した管状カーボンナノチューブ複合体と、先端面側に設けられた環状の第1電極と、基端面側に設けられた環状の第2電極とを備えて構成され、
当該湾曲部湾曲状態検出センサーは、前記湾曲部を構成する複数の湾曲駒を連設して構成された湾曲駒組の隣り合う湾曲駒の間に湾曲ワイヤーを挿通して配設されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項12】
前記カーボンナノチューブ複合体を含む湾曲部湾曲状態検出センサーは、カーボンナノチューブを細長パイプ形状に形成した細長カーボンナノチューブ複合体と、細長カーボンの長手軸貫通孔に進退自在に挿通される可撓性及び導電性を有する金属製の内棒とを備えて構成され、
当該湾曲部湾曲状態検出センサーは、前記湾曲部を構成する湾曲駒組が有する複数の湾曲駒に湾曲方向に対応して形成されたセンサー挿通孔内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項13】
前記カーボンナノチューブ複合体を含む湾曲部湾曲状態検出センサーは、前記挿入部の先端側を構成する前口金と、該挿入部の基端側を構成する後口金と、前記前口金と前記後口金との間に配設された複数の湾曲駒とによって構成され、
前記湾曲駒は、複数の導電部と複数の絶縁部とを交互に放射状に備えて形成された一対のカーボンナノシートと、前記一対のカーボンナノシートの間に配置され電流が先端側から基端側に向かって流れるように構成された異方性導電シートとを備え、
前記前口金は、絶縁性を備え、基端面に各湾曲ワイヤーがそれぞれ挿通される湾曲ワイヤー用孔を有する前記絶縁部を挟んで設けられた一対の導電部同士を電気的に接続する前口金電極を備え、
前記後口金は、絶縁性を備え、前記湾曲ワイヤーが挿通される各湾曲ワイヤー用孔を挟んで一対の後口金電極を備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項14】
前記カーボンナノチューブ複合体を含む湾曲部湾曲状態検出センサーは、前記挿入部の湾曲部の外周面側に設けられる湾曲部湾曲状態検出装置であって、
前記湾曲部湾曲状態検出装置は、
下層を構成するバネ性を有する細長な金属性の薄板と、上層を構成する細長で複数の配線を長手軸に直交する向きに予め定めた間隔で配列したフレキシブル基板とを一体にした細板部材で構成された第1螺旋管と、
細長な一対の円板形状のカーボンナノシートと、一方のカーボンナノシートと他方のカーボンナノシートとの間に配置され、細長で、予め定めた方向に向けで電流が流れる異方性導電シートとを一体にした細長シートで構成された第2螺旋管と、
前記第1螺旋管を構成するフレキシブル基板の表面に湾曲方向に対応して設けられた複数の温度センサーと、
導電性部材で構成され前記第1螺旋管の先端と絶縁部材を介して一体に固定された、前記装置本体から延出された接続線が接続された先端導電部材と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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