説明

内部映像信号発生回路及びそれを用いた映像表示装置

【課題】適切な信号発生器の設備を持たない場合でも、正規の信号レベルと等価な信号レベルでの調整を行うことを可能にする。
【解決手段】内部信号発生回路Aは、外部アナログ映像入力端子21と、外部/内部の切換スイッチ1と、信号処理器Bと、ビデオアンプ(ゲイン制御機能付き)3と、を有し、外部/内部の切換スイッチ1が出力側端子が端子aに接続されている場合には、外部アナログ信号が映像処理回路アナログ入力25へ直接接続され、ビデオアンプ3には、内部映像信号発生部及びアナログ信号を発生させるためのD/Aコンバータ部からなる回路ブロック5からの出力が入力され、ゲイン制御用D/Aコンバータ17の出力が、ビデオアンプ3のゲイン制御電圧を変えることによりレベルを可変し、出力側端子が端子bに接続されている場合には、外部アナログ映像入力から切り離され、内部信号回路からの信号が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部映像入力端子を有する映像表示装置に関し、特に、内部映像信号を発生させる際に、内部信号発生回路の基準電位誤差、出力段のインピーダンス誤差等を考慮した、外部入力端子を有する内部映像信号発生回路及びそれを用いた映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像表示装置に入力される映像信号の仕様は多岐にわたるが、その画面表示は、映像表示装置に接続されるコンピュータ等のシステムに依存する。従って、製造過程などにおけるディスプレイの調整、性能評価等を行う場合には、点検修理等における設備や作業量の増加が生じるという問題がある。
【0003】
下記特許文献1では、ディスプレイ装置内に画面調整用簡易信号発生器を設け、任意にこの信号を受信可能とすることにより、設計、製造およびサービス時の設備低減および調整作業性等の改善を図ることを目的としている。図5は、特許文献1に記載のディスプレイ装置の一例を示す回路であり、外部同期信号入力端子101と外部映像信号入力端子106とを有しており、内部映像信号発生回路103は、内部同期信号発生回路104の出力を基準に、内部映像信号発生回路103により調整用内部映像信号を出力する。そして、スイッチ回路102A,102Bによって内部映像信号および内部同期信号を選択する。そして、内部映像信号および内部同期信号を、それぞれ映像系回路108および偏向回路110へ出力して、陰極線管109を駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−30221号公報(ディスプレイ装置)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のディスプレイ装置に用いられる内部映像信号発生回路103では、内部映像信号を発生させる際に、内部信号発生回路の基準電位誤差、出力段のインピーダンス誤差等の管理に関する考慮が十分ではないため、サービスステーションや顧客先など、適切な信号発生器の設備を持たない(充実していない)場合には、正規の信号レベルと等価な信号レベルでの信号の調整が難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、外部アナログ映像入力端子を有する内部映像信号発生回路において、適切な信号発生器の設備を持たない場合でも、正規の信号レベルと等価な信号レベルでの調整を行うことを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、ディスプレイ装置に用いられ、外部映像入力端子を有する映像信号発生回路であって、規格値の正規信号が外部入力された外部信号入力状態における終端後の白と黒との間の信号レベルを検出するA/Dコンバータと、該A/Dコンバータが検出した信号レベルを記憶する記憶部と、内部で発生させた調整用信号に切り替えた内部信号出力状態における終端レベルを前記メモリに記憶された信号レベルと比較し、前記メモリに記憶された信号レベルに合う方向に終端レベルを調整するレベル調整部と、前記レベル調整部により調整することで前記外部信号入力状態と等価なレベルになる制御データを記憶する制御データ記憶部と、を有することを特徴とする映像信号発生回路が提供される。例えば市場で調整を行う際に、内部の信号発生機能を用い、正規信号と等価レベルにする例えばビデオアンプのゲイン制御電圧にするためのD/Aコンバータの設定データを呼び出し、ビデオアンプのゲイン制御を行い、正規信号と同等レベルでの終端レベルにて調整を行えるようにすることができる。また、前記外部信号入力状態において、前記制御データ記憶部に記憶された制御データを用いて内部出力信号を発生させることで、終端レベルを調整することが好ましい。
【0008】
また、本発明は、ディスプレイ装置に用いられ、外部映像入力端子を有する映像信号発生回路であって、前記外部映像入力端子からのアナログ入力信号へ接続する外部信号入力状態と内部信号発生回路からの発生信号と接続する内部信号出力状とを切り替える切り替えスイッチと、ゲイン制御機能を備えたビデオアンプと、前記切り替えスイッチの切り替え制御と、前記ビデオアンプのゲイン制御とを行う制御部と、規格値の正規信号が外部入力された前記外部信号入力状態における終端後の白と黒との間の信号レベルを検出するA/Dコンバータと、該A/Dコンバータが検出した信号レベルを記憶する記憶部と、内部で発生させた調整用信号に切り替えた前記内部信号出力状態における終端レベルを前記メモリに記憶された信号レベルと比較し、正規信号入力時の終端レベルに調整するレベル調整部と、を有することを特徴とする映像信号発生回路である。前記外部信号入力時に自動的に内部信出力を使用し、基準信号と同レベルになる前記ビデオアンプのゲイン制御データを呼び出し、内部信号を出力して当該データを調整することが好ましい。
【0009】
また、本発明は、ディスプレイ装置に用いられ、外部映像入力端子を有する映像信号発生回路であって、前記外部映像入力端子からの入力信号へ接続する外部信号入力状態と内部信号発生回路からの発生信号と接続する内部信号出力状態とを切り替える切り替えスイッチと、ゲイン固定のビデオアンプと、OSD回路と兼用の内部映像信号発生部であって、前記ビデオアンプの入力に接続されるD/Aコンバータにより出力レベルを可変にする内部映像信号発生部と、前記切り替えスイッチの切り替え制御と、前記ビデオアンプのゲイン制御とを行う制御部と、規格値の正規信号が外部入力された前記外部信号入力状態における終端後の白と黒との間の信号レベルを検出するA/Dコンバータと、該A/Dコンバータが検出したOSD信号データを記憶する記憶部と、内部で発生させた調整用信号に切り替えた前記内部信号出力状態における外部入力された基準信号と内部出力信号のレベルを比較し、OSDデータを制御する調整部と、を有することを特徴とする映像信号発生回路である。前記外部信号入力時に自動的に内部信出力を使用し、基準信号と同レベルになるOSDデータを呼び出し、内部信号を出力して当該データを調整することが好ましい。前記調整は、OSDデータを可変させることにより、内部信号のレベルを変え、A/Dコンバータによりペデスタル−白間電圧をモニターしながら前記メモリに記憶したレベルになるようにすると良い。また、前記OSDデータに代えて、専用の調整用信号発生回路からのデータを用いても良い。
【0010】
また、本発明は上記のいずれか1に記載の映像信号発生回路と、前記映像信号発生回路の出力を受けて映像信号処理を行う映像信号処理回路とを有することを特徴とする映像処理回路であっても良い。さらに、当該映像処理回路を備えた映像表示装置であっても良い。
【0011】
本発明の他の観点によれば、外部映像入力端子を有する映像信号発生回路における映像信号を利用した終端レベルの調整方法であって、外部信号入力状態において、規格レベルの信号が入力された時に、終端状態でのペデスタル(輝度0の値)と白100%との間のレベルを計測するステップと、計測した信号レベルの値を記憶するステップと、内部信号出力状態に切り替えて、内部で発生させた調整用信号に切り替えた状態における終端レベルを前記記憶された信号レベルと比較し、前記記憶された信号レベルに合う方向に終端レベルを調整するステップと、前記レベルを調整するステップにより調整することで前記外部入力状態と等価なレベルになる制御データを記憶する制御データ記憶ステップと、を有することを特徴とする映像信号調整方法が提供される。前記外部信号入力状態において、前記制御データ記憶部に記憶された制御データを用いて内部出力信号を発生させることで、終端レベルを調整することが好ましい。また、上記に記載の信号調整方法をコンテンツに実行させるためのプログラムであっても良く、当該プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であっても良い。プログラムは、インターネットなどの伝送媒体によって取得されるものでも良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、適切な信号発生器の設備を持たない、又は充実した設備を持っていないサービスステーション、顧客先などでも、正規の信号レベルと等価な信号レベルでの調整を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態による外部アナログ映像入力端子を有する内部信号発生回路の一構成例を示す回路図であり、図5の内部映像信号発生回路に対応する回路である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による外部映像入力端子を有する内部信号発生回路の一構成例を示す回路図であり、図5の内部映像信号発生回路に対応する回路である。
【図3A】本発明の第1の実施の形態の、工程調整時における、記内部映像信号発生回路を利用した処理の流れを示すフローチャート図である。
【図3B】本発明の第2の実施の形態による工程調整時の処理の流れを示すフローチャート図であり、図3Aと、ステップS7,ステップS8の処理のみが異なる図である。
【図4A】本発明の第1の実施の形態の、サービス調整時の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図4B】本発明の第2の実施の形態によるサービス調整時における処理の流れを示すフローチャート図であり、図4AとステップS14の処理が異なる(ステップS14)。
【図5】特許文献1に記載のディスプレイ装置の一構成例を示す回路である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態による外部映像入力端子を有する内部信号発生回路及びそれを用いた液晶表示装置(液晶テレビなど)について図面を参照しながら説明を行う。図1は、本発明の第1の実施の形態による外部アナログ映像入力端子を有する内部信号発生回路の一構成例を示す回路図であり、図5の内部映像信号発生回路103に対応する回路である。図1に示すように、本実施の形態による外部アナログ映像入力端子を有する内部信号発生回路Aは、外部アナログ映像信号と、内部信号発生回路からの内部信号と、を切り替えて利用できる回路であり、概略、外部アナログ映像入力端子21と、それから順番に、外部/内部の切換スイッチ1と、信号処理器Bと、ビデオアンプ(ゲイン制御機能付き)3と、を有している。外部/内部の切換スイッチ1は、例えば、端子aと端子bとの切換スイッチであり、切換スイッチ1において、出力側端子が端子aに接続されている場合には、外部アナログ入力信号は、映像処理回路アナログ入力25へ直接接続され、外部アナログ信号が映像処理回路アナログ入力25へ出力される。ビデオアンプ3には、内部映像信号発生部及びアナログ信号を発生させるためのD/Aコンバータ部からなる回路ブロック5からの出力が入力される。後述するゲイン制御用D/Aコンバータ(17)の出力が、ビデオアンプ3のゲイン制御電圧を変えることによりレベルを可変とすることができる。切換スイッチ1において、出力側端子が端子bに接続されている場合には、外部アナログ映像入力から切り離され、内部信号回路からの信号が映像処理回路アナログ入力25へ出力される。
【0015】
尚、レベル調整(部)は、図1においては、Video Ampゲイン制御部17でVideo Amp3を、直流コントロール電圧を可変させてレベル制御を行うことにより実行される。
【0016】
尚、映像における調整対象項目は、コントラスト、ブライトネス、ガンマ値などである。さらに、外部アナログ入力信号は、信号処理器Bにおいて、同期分離、及びペデスタルクランプ回路ブロック7、A/Dコンバータ部11(ペデスタル−白間レベルの検出用)、外部・内部信号のレベル比較及びVideo Ampゲイン制御部17(外部入力された基準信号と内部出力信号のレベルを比較し、比較結果に応じて、後述するように端子bに接続される場合にはVideo Ampのゲインを制御するゲイン制御用D/Aコンバータを含む。)を介して端子bに戻るフィードバック回路を構成する。Video Ampゲイン制御部17は、メモリ(基準レベルと等価になるVideo Ampのゲイン制御電圧を保存)15に記憶されているビデオアンプ3のゲイン制御電圧を参照し、外部/内部の切換制御を行うとともに、ゲイン制御用D/Aコンバータ(17)の出力が、ビデオアンプ3のゲイン制御電圧を変えることによりレベルを可変とする。ペデスタルクランプ回路ブロック7は、外部接続時/内部接続時の信号レベル、すなわちペデスタルクランプした状態でのペデスタル−白100間のレベルを検出する。
【0017】
一方、外部/内部の切換スイッチ(アナログスイッチ)1が、外部・内部信号のレベル比較及びVideo Ampゲイン制御部17の切り替え制御信号により、外部・内部信号のレベル比較結果に応じて端子bに接続される場合には、信号処理器Bは外部アナログ映像入力端子21からの映像入力から切り離され、Video Ampゲイン制御部17の出力は、ビデオアンプ3のゲインを、基準信号外部入力時と同じレベルになるように制御する。ビデオアンプ3の出力が、映像処理回路アナログ入力25となる。
【0018】
生産工場等の大規模施設においては、必要十分な精度、校正等の十分な管理が実施された信号を用いて、調整を実施することが容易である。しかしながら、小規模のサービス拠点においては、場所によって設備等の条件も様々である。上記図1に示す回路を用いると、サービス設備の低減、工程調整時の信号レベルと同等となる信号条件の内部信号発生・レベル自動発生により調整精度を上げることができる。
【0019】
図3Aは、工程調整時における、上記内部映像信号発生回路を利用した処理の流れを示すフローチャート図である。図3Aに示すように、ステップS1において、アナログ映像の調整処理を開始すると、まず、ステップS2において、信号処理器Bの同期分離、及びペデスタルクランプ回路ブロック7に対して、基準レベル(ペデスタル−白間0.714Vpp)の信号を入力基準レベルとして入力させる。ステップS3において、切換スイッチ(SW)1を外部入力側(端子a)に選択する。ステップS4において、A/Dコンバータ部11において、ペデスタル−白間のレベルを検出する。次いで、ステップS5において、基準信号入力時の終端レベルV1をメモリ15に保存する。この処理までが、出荷段階までの処理となる。
【0020】
以下の処理は、出荷後(販売後)における処理である。まず、ステップS6において、切換スイッチ(SW)1を内部入力側(端子b)に選択する。ステップS7において、ゲイン制御用のD/Aコンバータ17により、ビデオアンプ3のゲイン制御電圧を変えることにより、内部信号のレベルを変え、A/Dコンバータ11でペデスタル−白間電圧をモニターしながら、ステップS5でメモリ15に記憶したレベルV1になるように調整する。次いで、ステップS8において、基準入力信号入力時と等価なレベルになるD/Aの制御データをメモリ15に記憶する。ステップS9において、切換スイッチ(SW)1を外部入力側(端子a)に選択し、ステップS10で、調整前段階処理を終了し、通常調整処理へ移行する準備ができる(標準信号と同等レベルになるビデオアンプゲイン制御条件が保存される)。
【0021】
サービス提供時においては、サービス調整モードにおいて外部アナログ信号入力時に自動的に内部信出力を使用し、基準信号と同レベルになるビデオアンプのゲイン制御データをメモリ15から呼び出し、内部信号を出力し工程調整時と同等の調整を行えるようにする。図4Aは、サービス調整時の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。まず、ステップS11において、サービス調整処理を開始すると、ステップS12においてサービス調整モードに入り、次いで、ステップS13において、切換スイッチ(SW)1を内部入力側(端子b)に選択し、ステップS14において、基準レベルと等価になるビデオアンプゲイン制御電圧のD/A制御データをメモリ15から読み出し、ゲイン制御用のD/Aコンバータ17を制御し内部出力信号を発生させる。ステップS15において、外部アナログ信号を使用した調整項目の内部信号による調整を実施し調整が終了すると、ステップS16において切換スイッチ(SW)1を外部入力側(端子a)に戻し、ステップS17において、外部アナログ調整処理を終了する。これにより、工程調整時と同等の調整を行えるようになる。次いで、その他の項目の調整を行うことになる。
【0022】
以上に説明したように、規格レベルの信号が入力された時に、終端状態でのペデスタル−白100%間のレベルを計測するA/Dコンバータ、その計測した値を記憶するメモリを設け、内部で発生させた信号を終端した時のレベルを、正規レベルの信号に合わせるためのゲイン制御可能なビデオアンプ及びそれを制御する制御用D/Aコンバータを設ける。そして、市場等で調整を行う際には、内部の信号発生機能を用い、正規信号と等価レベルにするビデオアンプのゲイン制御電圧にするためのD/Aコンバータの設定データを呼び出し、ビデオアンプのゲイン制御を行い、正規信号と同等レベルでの終端レベルにおいて調整を行えるようにすることができる。
【0023】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態による外部映像入力端子を有する内部信号発生回路の一構成例を示す回路図であり、図5の内部映像信号発生回路103に対応する回路である。図1の説明も援用して以下に説明する。
【0024】
図2に示すように、本実施の形態による外部映像入力端子を有する内部信号発生回路A’は、概略、外部アナログ映像入力端子21と、それから順番に、外部/内部の切換スイッチ(アナログスイッチ)1と、信号処理器B’と、ビデオアンプ(ゲイン固定型)33と、を有している。ビデオアンプ33には、内部映像信号発生部及びD/Aコンバータ部からなる回路ブロック35からの出力が入力される。この回路ブロック35は、OSDデータ用の回路と兼用されている。或いは、専用の調整用信号発生回路とし、D/Aコンバータ部47により出力レベルの可変が可能である。外部・内部信号のレベル比較及び内部信号レベルD/A制御部47は、外部入力された基準信号と内部出力信号のレベルとを比較し、OSDデータを制御する。メモリ55は、外部・内部信号のレベル比較及び内部信号レベルD/A制御部47から参照可能であり、基準レベルと等価になるOSDデータを保存する。外部・内部信号のレベル比較及び内部信号レベルD/A制御部47は、メモリ55に記憶されているOSDデータを参照し、外部/内部の切換スイッチ(アナログスイッチ)1における外部/内部の切換制御を行うとともに、内部映像信号発生部及びD/Aコンバータ部からなる回路ブロック35のD/Aを、外部入力時と同じになるようにD/A制御する。同期分離ペデスタルクランプ回路ブロック7は、外部接続時/内部接続時の信号レベル、すなわちペデスタルクランプした状態でのペデスタル−白100間のレベルを検出する。
【0025】
尚、レベル調整(部)は、図2の場合、内部発生信号レベルD/A制御部47で、内部映像信号発生部、D/Aコンバータ部35のOSDレベルを制御することによりレベル制御を行うことで実行される。
【0026】
また、外部アナログ入力信号は、信号処理器B’において、同期分離、及びペデスタルクランプ回路ブロック7、A/Dコンバータ部11(ペデスタル−白間レベルの検出用)、外部・内部信号のレベル比較及び内部信号レベルD/A制御部47を介して、内部映像信号発生部及びD/Aコンバータ部からなる回路ブロック35に、外部入力時と同じレベルになるように出力され、その出力がビデオアンプ33の入力端子に入る。また、外部・内部信号のレベル比較及び内部信号レベルD/A制御部47の出力は、外部/内部の切換スイッチ1による外部/内部の切り替え制御に用いられる。
【0027】
サービスにおいては、サービス調整モードにおいて外部アナログ信号入力時に自動的に内部信出力を使用し、OSDデータを呼び出し、内部信号を出力し工程調整時と同等の調整を行えるようにする。
【0028】
図3Bは、本実施の形態による工程調整時の処理の流れを示すフローチャート図であり、図3Aと、ステップS7,ステップS8の処理のみが異なる。すなわち、本実施の形態では、ステップS7’において、OSDデータを可変させることにより、内部信号のレベルを変え、A/Dコンバータ部11でペデスタル-白間電圧をモニターしながら、前述のようにメモリしたレベルV1になるようにする。次いで、ステップS8’においては、基準入力信号入力時と等価レベルになるOSDのデータをメモリに格納する。このように、同じレベルになるようにOSDデータを可変またはD/Aを制御し、同じレベルになるOSDデータをメモリしておく。
【0029】
図4Bは、サービス調整時における処理の流れを示すフローチャート図であり、図4AとステップS14の処理が異なる。すなわち、ステップS14’において、基準レベルと等価になる内部信号OSDデータをメモリ55から読み出し、内部出力信号を発生させる。
【0030】
以上に説明したように、規格レベルの信号が入力された時に、それと等価になるOSDデータを可変またはD/Aを制御し、同じレベルになるOSDデータをメモリしておき、サービスにおいては、サービス調整モードにおいて外部アナログ信号入力時に自動的に内部信出力を使用し、OSDデータを呼び出し、内部信号を出力し工程調整時と同等の調整を行えるようにする。このようにすると、デジタル機器においても、正規の信号レベルと等価な信号レベルでの調整を行うことができる。
尚、映像処理回路の構成については、一般的な構成であるため、以下においては、その説明を省略する。
【0031】
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0032】
また、本実施の形態で説明した機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0033】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0034】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また前記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、外部アナログ映像入力端子を有する内部映像信号発生回路に利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
A…外部信号発生回路、1…外部/内部の切換スイッチ、B…信号処理器、3…ビデオアンプ(ゲイン制御機能付き)、5…内部映像信号発生部及びアナログ信号を発生させるためのD/Aコンバータ部からなる回路ブロック、7…同期分離、及びペデスタルクランプ回路ブロック、11…A/Dコンバータ部、15…メモリ、17…ゲイン制御用D/Aコンバータ、B…信号処理器、21…外部アナログ映像入力端子、25…映像処理回路アナログ入力。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置に用いられ、外部映像入力端子を有する映像信号発生回路であって、
規格値の正規信号が外部入力された外部信号入力状態における終端後の白と黒との間の信号レベルを検出するA/Dコンバータと、該A/Dコンバータが検出した信号レベルを記憶する記憶部と、
内部で発生させた調整用信号に切り替えた内部信号出力状態における終端レベルを前記メモリに記憶された信号レベルと比較し、前記メモリに記憶された信号レベルに合う方向に終端レベルを調整するレベル調整部と、
前記レベル調整部により調整することで前記外部信号入力状態と等価なレベルになる制御データを記憶する制御データ記憶部と、を有することを特徴とする映像信号発生回路。
【請求項2】
前記レベル調整部は、前記外部信号入力状態において、前記制御データ記憶部に記憶された制御データを用いて内部出力信号を発生させることで、終端レベルを調整することを特徴とする請求項1に記載の映像信号発生装置。
【請求項3】
ディスプレイ装置に用いられ、外部映像入力端子を有する映像信号発生回路であって、
前記外部映像入力端子からのアナログ入力信号へ接続する外部信号入力状態と内部信号発生回路からの発生信号と接続する内部信号出力状態とを切り替える切り替えスイッチと
ゲイン制御機能を備えたビデオアンプと、
前記切り替えスイッチの切り替え制御と、前記ビデオアンプのゲイン制御とを行う制御部と、
規格値の正規信号が外部入力された前記外部信号入力状態における終端後の白と黒との間の信号レベルを検出するA/Dコンバータと、該A/Dコンバータが検出した信号レベルを記憶する記憶部と、
内部で発生させた調整用信号に切り替えた前記内部信号出力状態における終端レベルを前記メモリに記憶された信号レベルと比較し、正規信号入力時の終端レベルに調整するレベル調整部と、を有することを特徴とする映像信号発生回路。
【請求項4】
前記レベル調整部は、前記外部信号入力時に自動的に内部信出力を使用し、基準信号と同レベルになる前記ビデオアンプのゲイン制御データを呼び出し、内部信号を出力して当該データを調整することを特徴とする請求項3に記載の映像信号発生回路。
【請求項5】
ディスプレイ装置に用いられ、外部映像入力端子を有する映像信号発生回路であって、
前記外部映像入力端子からの入力信号へ接続する外部信号入力状態と内部信号発生回路からの発生信号と接続する内部信号出力状態とを切り替える切り替えスイッチと
ゲイン固定のビデオアンプと、
OSD回路と兼用の内部映像信号発生部であって、前記ビデオアンプの入力に接続されるD/Aコンバータにより出力レベルを可変にする内部映像信号発生部と、
前記切り替えスイッチの切り替え制御と、前記ビデオアンプのゲイン制御とを行う制御部と、
規格値の正規信号が外部入力された前記外部信号入力状態における終端後の白と黒との間の信号レベルを検出するA/Dコンバータと、該A/Dコンバータが検出したOSD信号データを記憶する記憶部と、
内部で発生させた調整用信号に切り替えた前記内部信号出力状態における外部入力された基準信号と内部出力信号のレベルを比較し、OSDデータを制御するレベル調整部と、を有することを特徴とする映像信号発生回路。
【請求項6】
前記レベル調整部は、前記外部信号入力時に自動的に内部信出力を使用し、基準信号と同レベルになるOSDデータを呼び出し、内部信号を出力して当該データを調整することを特徴とする請求項5に記載の映像信号発生回路。
【請求項7】
前記レベル調整部による調整は、OSDデータを可変させることにより、内部信号のレベルを変え、A/Dコンバータによりペデスタル−白間電圧をモニターしながら前記メモリに記憶したレベルになるようにすることを特徴とする請求項6に記載の映像信号発生回路。
【請求項8】
前記OSDデータに代えて、専用の調整用信号発生回路からのデータを用いることを特徴とする請求項5に記載の映像信号発生回路。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の映像信号発生回路と、
前記映像信号発生回路の出力を受けて映像信号処理を行う映像信号処理回路と
を有することを特徴とする映像処理回路。
【請求項10】
請求項9に記載の映像処理回路を備えた映像表示装置。
【請求項11】
外部映像入力端子を有する映像信号発生回路における映像信号を利用した終端レベルの調整方法であって、
外部信号入力状態において、規格レベルの信号が入力された時に、終端状態でのペデスタル(輝度0の値)と白100%との間のレベルを計測するステップと、
計測した信号レベルの値を記憶するステップと、
内部信号出力状態に切り替えて、内部で発生させた調整用信号に切り替えた状態における終端レベルを前記記憶された信号レベルと比較し、前記記憶された信号レベルに合う方向に終端レベルを調整するステップと、
前記レベルを調整するステップにより調整することで前記外部入力状態と等価なレベルになる制御データを記憶する制御データ記憶ステップと、を有することを特徴とする映像信号調整方法。
【請求項12】
前記外部信号入力状態において、前記制御データ記憶部に記憶された制御データを用いて内部出力信号を発生させることで、終端レベルを調整することを特徴とする請求項11に記載の信号調整方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の信号調整方法をコンテンツに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−81125(P2011−81125A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232299(P2009−232299)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】