説明

再生装置、再生方法、およびプログラム

【課題】CMが終わった直後のコンテンツの本編部分の再生をより簡単に行わせることができるようにする。
【解決手段】放送中の番組をユーザがリアルタイムで視聴している間、番組の本編のデータがバッファ14に常時記録される。揮発性の記録媒体であるバッファ14の記録容量は比較的短い時間の本編のデータを記録可能な分の容量とされる。バッファ14の記録領域に空き領域がなくなった場合、先に記録した古いデータから順に上書きする形で、本編のデータの記録が繰り返される。放送中の番組のデータの再生が行われている場合において、短時間録画機能によって録画していた部分の再生がユーザにより指示された場合、直近のCM明けの位置以降のデータが順にバッファ14から読み出され、直近のCM明け以降の追いかけ再生が行われる。本発明は、録画機器やテレビジョン受像機に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置、再生方法、およびプログラムに関し、特に、CM(Commercial Message)が終わった直後のコンテンツの本編部分の再生をより簡単に行わせることができるようにした再生装置、再生方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDD(Hard Disk Drive)などの記録媒体を搭載し、テレビジョン番組を録画する録画機器が普及してきている。
【0003】
このような録画機器の中には、放送されている番組の視聴中、ユーザが見逃した部分を視聴できるようにするために番組の常時録画を行い、ユーザによる指示に応じて直前の部分に戻って再生を開始するような機能が搭載されているものがある。リモートコントローラの所定のボタンがユーザにより押されたとき、10秒や15秒などの所定の時間だけ前に戻って再生が開始される。
【0004】
これにより、例えば、CMが始まったことから番組の視聴をやめて他の簡単な用事をして戻ったところ、CMが既に終わっていて番組本編が少し始まっていたような場合であっても、ユーザは見逃した番組本編の部分を視聴することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−193892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような常時録画の機能によれば、見逃し始めの位置である、CM明けの位置からちょうど再生を開始させるために手間がかかることがある。例えば、10秒だけ前に戻るためのボタンが用意されている場合、そのボタンを押すことによって戻りすぎてしまったり、反対に、そのボタンを1回押すだけでは見逃し始めの位置まで戻ることができず、複数回押す必要があったりする。
【0007】
また、従来の常時録画の機能によれば、番組のデータをHDDに常時書き込む必要があり、ユーザが実際に見るかどうかが分からない番組のデータを記録することのために機器の消費電力が高くなってしまう。また、HDDは物理的に駆動する部品を多く有する記録媒体であり比較的故障しやすいものであるから、番組のデータを常時書き込むことによってHDDの故障リスクが高くなってしまう。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、CMが終わった直後のコンテンツの本編部分の再生をより簡単に行わせることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面の再生装置は、CMが挿入されているコンテンツを受信する受信手段と、受信中の前記コンテンツを再生する再生手段と、前記コンテンツの再生と並行して、前記コンテンツに挿入されているCMを検出する検出手段と、検出されたCMを除く前記コンテンツの本編のデータを記録し、空き領域がなくなった場合、先に記録したデータから順に上書きして本編のデータを記録する記録手段とを備え、前記再生手段は、ユーザによる指示に応じて、受信中の前記コンテンツの再生に代えて、前記記録手段に記録されているデータに基づいて、所定のCMの直後の本編の開始位置から前記コンテンツを再生する。
【0010】
前記再生手段には、直近のCMの直後の本編の開始位置から前記コンテンツを再生させることができる。
【0011】
前記記録手段は揮発性の記録媒体であるようにすることができる。
【0012】
前記再生手段には、前記記録手段に記録されているデータに基づいて前記コンテンツの再生を行っている場合において、再生位置が、受信中の前記コンテンツの位置と同じ位置になったとき、前記記録手段に記録されているデータに基づいて前記コンテンツの再生を行うことに代えて、受信中の前記コンテンツの再生を行わせることができる。
【0013】
本発明の一側面の再生方法は、CMが挿入されているコンテンツを受信し、受信中の前記コンテンツを再生し、前記コンテンツの再生と並行して、前記コンテンツに挿入されているCMを検出し、検出したCMを除く前記コンテンツの本編のデータを記録し、空き領域がなくなった場合、先に記録したデータから順に上書きして本編のデータを記録し、ユーザによる指示に応じて、受信中の前記コンテンツの再生に代えて、記録しているデータに基づいて、所定のCMの直後の本編の開始位置から前記コンテンツを再生するステップを含む。
【0014】
本発明の一側面のプログラムは、CMが挿入されているコンテンツを受信し、受信中の前記コンテンツを再生し、前記コンテンツの再生と並行して、前記コンテンツに挿入されているCMを検出し、検出したCMを除く前記コンテンツの本編のデータを記録し、空き領域がなくなった場合、先に記録したデータから順に上書きして本編のデータを記録し、ユーザによる指示に応じて、受信中の前記コンテンツの再生に代えて、記録しているデータに基づいて、所定のCMの直後の本編の開始位置から前記コンテンツを再生するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0015】
本発明の一側面においては、CMが挿入されているコンテンツが受信され、受信中の前記コンテンツが再生され、前記コンテンツの再生と並行して、前記コンテンツに挿入されているCMが検出される。また、検出されたCMを除く前記コンテンツの本編のデータが記録され、空き領域がなくなった場合、先に記録されたデータから順に上書きして本編のデータが記録される。ユーザによる指示に応じて、受信中の前記コンテンツの再生に代えて、記録しているデータに基づいて、所定のCMの直後の本編の開始位置から前記コンテンツが再生される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、CMが終わった直後のコンテンツの本編部分の再生をより簡単に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】視聴中の番組とバッファに記録されるデータとの関係の例を示す図である。
【図3】視聴中の番組とバッファに記録されるデータとの関係の他の例を示す図である。
【図4】視聴中の番組とバッファに記録されるデータとの関係のさらに他の例を示す図である。
【図5】視聴中の番組とバッファに記録されるデータとの関係の例を示す図である。
【図6】視聴中の番組とバッファに記録されるデータとの関係の他の例を示す図である。
【図7】再生装置の処理について説明するフローチャートである。
【図8】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[再生装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る再生装置の構成例を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、再生装置1は、受信部11、記録制御部12、HDD13、バッファ14、再生制御部15、およびCM検出部16から構成される。CM検出部16などの図1に示す構成のうちの少なくとも一部は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)により所定のプログラムが実行されることによって実現される。
【0020】
再生装置1の受信部11に対しては、テレビジョン放送波によって放送された番組の信号や、インターネットなどのネットワークを介して送信されてきた番組の信号が入力される。番組(コンテンツ)にはCMが所定のタイミングで挿入されている。番組全体は、番組の本編とCMとから構成される。
【0021】
受信部11は、ユーザにより指示された番組の信号を受信し、番組の信号に対してA/D(Analog/Digital)変換処理や復調処理などの信号処理を施す。再生装置1の各部には、リモートコントローラなどの操作機器に対するユーザの操作の内容を表す信号も供給される。
【0022】
受信部11は、信号処理を施すことによって得られた番組のデータを出力する。受信部11から出力された番組のデータは、記録制御部12、再生制御部15、およびCM検出部16に供給される。
【0023】
記録制御部12は、番組の録画(記録)を行う場合、受信部11から供給された番組のデータをHDD13に記録させる。番組の録画は、例えば、ユーザにより設定された録画予約に従って、または、放送予定の番組の中から選択するなどして再生装置1により自動的に設定された録画予約に従って行われる。
【0024】
また、記録制御部12は、録画済みの番組の視聴ではなく、受信中の番組をユーザがリアルタイムで視聴している場合、受信部11から供給された番組全体のデータのうち、本編のデータをバッファ14に記録させる。CMの開始位置と終了位置を表す情報がCM検出部16から記録制御部12に供給されており、記録制御部12においては、番組の本編の区間がCM検出部16から供給された情報に基づいて特定される。
【0025】
番組の本編のデータをバッファ14に記録しておくことは、例えば、受信中の番組をユーザがリアルタイムで視聴している間、常時行われる。バッファ14の記録容量は、10分などの比較的短い時間の本編のデータを記録可能な分の容量とされる。バッファ14の記録領域に空き領域がなくなった場合、先に記録した古いデータから順に上書きする形で、本編のデータの記録が繰り返される。
【0026】
以下、適宜、受信中の番組をユーザがリアルタイムで視聴している間に常時行われる短時間の本編の録画機能を短時間録画機能という。
【0027】
HDD13は記録制御部12から供給された番組のデータを記録する。HDD13には、本編のデータとCMのデータからなる番組全体のデータが記録される。
【0028】
バッファ14はRAM(Random Access Memory)などの揮発性のメモリである。バッファ14は、記録制御部12から供給された番組の本編のデータを記録する。
【0029】
再生制御部15は、録画済みの番組の視聴がユーザにより指示された場合、番組のデータをHDD13から読み出して再生する。再生して得られた番組の映像信号と音声信号は例えば外部のテレビジョン受像機に出力され、テレビジョン受像機において番組の映像の表示と音声の出力が行われる。
【0030】
また、再生制御部15は、受信中の番組を視聴することがユーザにより指示された場合、受信部11から供給された受信中の番組のデータを再生する。
【0031】
再生制御部15は、受信中の番組のデータの再生を行っている場合において、短時間録画機能によって録画していた部分の再生がユーザにより指示された場合、番組の本編のデータをバッファ14から読み出して再生する。
【0032】
例えば、直近のCMの直後の本編の開始位置以降のデータ、すなわち、直近のCM明けの位置以降のデータが順にバッファ14から読み出され、再生される。再生制御部15においては、CM検出部16から供給されたCM区間の開始位置と終了位置を表す情報に基づいて、直近のCM明けの位置が再生開始ポイントとして管理されている。
【0033】
これにより、番組の現在受信中の位置を基準とすると、所定の時間だけ遡った位置にある本編の開始位置から、いわゆる追いかけ再生が開始されることになる。
【0034】
CMが始まったことから番組の視聴をやめて他の簡単な用事をして戻ったところ、CMが既に終わっていて番組の本編が少し始まっていたような場合であっても、ユーザは、見逃した本編の部分を視聴することが可能になる。
【0035】
また、ユーザは、再生開始ポイントからの再生を指示するだけといった簡単な操作によって、見逃した本編の部分を視聴することができる。再生開始ポイントからの再生の指示は、例えば、リモートコントローラに設けられている所定のボタンを1回押すことによって行われる。
【0036】
短時間録画のために用いられる記録媒体は、録画予約の設定などに従って番組全体を録画するために用いられるHDD13ではなくバッファ14であるため、本編のデータをHDD13に常時記録させておく場合に較べて消費電力を抑えることが可能になる。通常、揮発性の記録媒体であるバッファ14を常時駆動させるのに必要な電力は、HDD13を常時駆動させるときに必要な電力と較べて少ない。さらに、HDD13の故障リスクを低減することが可能になる。
【0037】
CM検出部16は、受信部11から供給された番組のデータを解析し、番組に挿入されているCMを検出する。例えば、音声方式(モノラル音声とステレオ音声)の切り替えを検出することによってCMの検出が行われる。また、受信部11により受信された番組のデータにCMの開始位置と終了位置を表す情報が含まれている場合、その情報を検出することによってCMの検出が行われるようにしてもよい。CM検出部16は、検出したCMの開始位置と終了位置を表す情報を記録制御部12と再生制御部15に出力する。
【0038】
[追いかけ再生について]
以上のような構成を有する再生装置1により行われる追いかけ再生の詳細について説明する。ここでは、テレビジョン放送波によって放送された番組を再生する場合について説明するが、ネットワークを介して送信されてきた番組を再生する場合も同様である。
【0039】
図2は、視聴中の番組と、バッファ14に記録される番組のデータとの関係の例を示す図である。
【0040】
図2の上段の帯はユーザが視聴中の番組(放送中の番組)を表し、下段の帯はバッファ14の記録領域を表す。図2の横軸は時間を表す。
【0041】
所定のチャンネルで放送されている番組の視聴がユーザにより時刻t0において指示されたとき、受信部11から供給されたデータに基づいて、放送中の番組の再生が再生制御部15により開始され、放送中の番組の録画が記録制御部12により開始される。バッファ14には、時刻t0以降の番組の本編のデータが順次記録される。
【0042】
図2の例においては、放送中の現在の番組の位置が時刻t1で表される位置とされている。バッファ14の状態は、時刻t0から時刻t1までの区間の番組の本編のデータが記録された状態になる。
【0043】
また、図2の例においては、バッファ14の記録領域を表す帯の長さが時刻t0から時刻t2までの長さとされている。これは、バッファ14の記録領域の容量が、番組のデータを時刻t0から時刻t2までの分だけ記録可能な容量であることを表す。
【0044】
例えば、番組の放送が時刻t2まで進み、バッファ14の記録領域に空き領域がなくなったとき、図3に示すように、先に記録した古いデータから順に上書きして本編のデータの記録が続けられる。
【0045】
図3の例においては、放送中の現在の番組の位置は時刻t12で表される位置とされている。バッファ14の状態は、先に記録されていた時刻t0から時刻t11までのデータに上書きして時刻t2から時刻t12までの本編のデータが記録された状態になる。
【0046】
このように、放送中の番組の視聴がユーザにより行われている間、番組の本編の録画が記録制御部12により常時行われる。
【0047】
図4は、CMが検出された場合の例を示す図である。
【0048】
図4の例においては、放送中の現在の番組の位置は時刻t25で表される位置とされている。時刻t25までにCM#1とCM#2が検出されている。CM#1の開始時刻は時刻t21、終了時刻は時刻t22であり、CM#2の開始時刻は時刻t23、終了時刻は時刻t24である。バッファ14の状態は、時刻t0から時刻t21、時刻t22から時刻t23、時刻t24から時刻t25のそれぞれの区間の本編のデータが記録された状態になる。
【0049】
この場合、図4に示すように、放送中の現在の番組の位置を基準として直近のCMであるCM#2の終了位置となる時刻t24に対応する位置が、再生開始ポイントPとして再生制御部15により設定され、管理される。例えば、再生制御部15が管理するメモリに位置を表す情報が記録されることによって再生開始ポイントPが管理される。再生開始ポイントPの位置は、CMが検出される毎に、直近のCMの終了位置(CM明けの位置)を常に示すように更新される。
【0050】
図4に示すようにして再生開始ポイントPが設定されている場合において、追いかけ再生が指示されたとき、図5に示すように、再生開始ポイントP以降のデータがバッファ14から再生制御部15により順次読み出され、再生される。すなわち、放送中の番組の再生は中断され、受信部11から供給される番組のデータの再生に代えて、バッファ14に記録されている本編のデータの再生が再生制御部15により開始される。
【0051】
図5の例においては、放送中の現在の番組の位置は時刻t32で表される位置であり、再生中の番組の位置は、時刻t32より前の時刻t31で表される位置とされている。バッファ14に記録されているのは番組の本編のデータだけであるから、本編だけの追いかけ再生が行われることになる。追いかけ再生が行われている間も、放送中の番組の本編のデータはバッファ14に順次記録される。
【0052】
追いかけ再生の位置が放送中の現在の番組の位置に追いつき、同じ位置になったとき、追いかけ再生は停止され、バッファ14に記録されているデータの再生に代えて、受信部11から供給される放送中の番組のデータの再生が再生制御部15により再開される。
【0053】
追いかけ再生は番組の本編だけの再生であるから、図6に示すように、CMの放送が行われているときに追いかけ再生の位置が放送中の現在の番組の位置に追いつくことになる。追いかけ再生の位置が放送中の現在の番組の位置に追いついたか否かは、例えば、追いかけ再生の対象になっているバッファ14に記録されているデータに付加されているタイムスタンプの情報と、受信部11から供給される放送中の番組のデータに付加されているタイムスタンプの情報を比較することによって行われる。
【0054】
[再生装置の動作]
図7のフローチャートを参照して、追いかけ再生を行う再生装置1の処理について説明する。
【0055】
図7の処理は、所定の番組をリアルタイムで視聴することがユーザにより指示されたときに開始される。
【0056】
ステップS1において、受信部11は、番組を受信し、信号処理を施すことによって得られた番組のデータを出力する。
【0057】
ステップS2において、再生制御部15は、受信部11から供給された放送中の番組のデータを再生する。
【0058】
ステップS3において、記録制御部12は、受信部11から供給されたデータのうちの番組の本編のデータをバッファ14に常時記録させることを開始する。
【0059】
ステップS4において、CM検出部16はCM検出を行い、CMを検出した場合、CMの開始位置と終了位置を表す情報を出力する。
【0060】
ステップS5において、再生制御部15は、バッファ14に記録されているデータの再生を行っているか否か、すなわち、追いかけ再生中であるか否かを判定する。
【0061】
追いかけ再生中ではないとステップS5において判定した場合、ステップS6において、再生制御部15は、追いかけ再生がユーザにより指示されたか否かを判定する。
【0062】
追いかけ再生が指示されていないとステップS6において判定した場合、ステップS7において、再生制御部15は、放送中の現在の番組の位置がCM明けの位置であるか否かをCM検出部16から供給された情報に基づいて判定する。
【0063】
放送中の現在の番組の位置がCM明けの位置であるとステップS7において判定した場合、ステップS8において、再生制御部15は、そのCM明けの位置を表す情報をメモリに記録するなどして再生開始ポイントを更新する。
【0064】
再生開始ポイントの更新がステップS8において行われた場合、または、放送中の現在の番組の位置がCM明けの位置ではないとステップS7において判定された場合、ステップS1に戻り、以上の処理が繰り返される。
【0065】
一方、追いかけ再生が指示されたとステップS6において判定した場合、ステップS9において、再生制御部15は、放送中の番組の再生を中断し、バッファ14に記録されている再生開始ポイント以降のデータを読み出して再生することによって本編の追いかけ再生を開始する。追いかけ再生が開始された後、ステップS1以降の処理が繰り返される。
【0066】
追いかけ再生中であるとステップS5において判定した場合、ステップS10において、再生制御部15は、追いかけ再生の位置が放送中の現在の番組の位置に追いついたか否かを判定する。
【0067】
追いかけ再生の位置が放送中の現在の番組の位置に追いついたとステップS10において判定した場合、ステップS11において、再生制御部15は、受信部11から供給される放送中の番組のデータの再生を再開する。
【0068】
放送中の番組のデータの再生がステップS11において再開された場合、または、追いかけ再生の位置が放送中の現在の番組の位置に追いついていないとステップS10において判定された場合、ステップS1に戻り、以上の処理が繰り返される。
【0069】
以上の処理により、ユーザは、CMが終わった直後の番組の本編部分の再生をより簡単に行わせることができる。また、そのことを、再生装置1の消費電力を抑えつつ、かつ、HDD13の故障リスクを低減しつつ行うことが可能になる。
【0070】
[変形例]
図1の例においては、再生装置1にHDD13が設けられるものとしたが、HDD13については設けられないようにすることが可能である。HDD13を除く図1の構成がテレビジョン受像機内に設けられるようにすることによって、以上のような短時間録画の機能と追いかけ再生の機能をテレビジョン受像機に搭載することが可能になる。
【0071】
また、以上においては、再生開始ポイントが直近のCM明けの位置に設定されるものとしたが、バッファ14の先頭の位置、バッファ14に記録されているデータのうちの最も古いデータの位置といったように、他の位置に設定されるようにしてもよい。再生開始ポイントが設定される位置をユーザが適宜選択することができるようにしてもよい。
【0072】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0073】
図8は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0074】
CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53は、バス54により相互に接続されている。
【0075】
バス54には、さらに、入出力インタフェース55が接続されている。入出力インタフェース55には、キーボード、マウスなどよりなる入力部56、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部57が接続される。また、入出力インタフェース55には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部58、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部59、リムーバブルメディア61を駆動するドライブ60が接続される。
【0076】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU51が、例えば、記憶部58に記録されているプログラムを入出力インタフェース55及びバス54を介してRAM53にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0077】
CPU51が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア61に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部58にインストールされる。
【0078】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0079】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 再生装置, 11 受信部, 12 記録制御部, 13 HDD, 14 バッファ, 15 再生制御部, 16 CM検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CMが挿入されているコンテンツを受信する受信手段と、
受信中の前記コンテンツを再生する再生手段と、
前記コンテンツの再生と並行して、前記コンテンツに挿入されているCMを検出する検出手段と、
検出されたCMを除く前記コンテンツの本編のデータを記録し、空き領域がなくなった場合、先に記録したデータから順に上書きして本編のデータを記録する記録手段と
を備え、
前記再生手段は、ユーザによる指示に応じて、受信中の前記コンテンツの再生に代えて、前記記録手段に記録されているデータに基づいて、所定のCMの直後の本編の開始位置から前記コンテンツを再生する
再生装置。
【請求項2】
前記再生手段は、直近のCMの直後の本編の開始位置から前記コンテンツを再生する
請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記記録手段は揮発性の記録媒体である
請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
前記再生手段は、前記記録手段に記録されているデータに基づいて前記コンテンツの再生を行っている場合において、再生位置が、受信中の前記コンテンツの位置と同じ位置になったとき、前記記録手段に記録されているデータに基づいて前記コンテンツの再生を行うことに代えて、受信中の前記コンテンツの再生を行う
請求項1に記載の再生装置。
【請求項5】
CMが挿入されているコンテンツを受信し、
受信中の前記コンテンツを再生し、
前記コンテンツの再生と並行して、前記コンテンツに挿入されているCMを検出し、
検出したCMを除く前記コンテンツの本編のデータを記録し、空き領域がなくなった場合、先に記録したデータから順に上書きして本編のデータを記録し、
ユーザによる指示に応じて、受信中の前記コンテンツの再生に代えて、記録しているデータに基づいて、所定のCMの直後の本編の開始位置から前記コンテンツを再生する
ステップを含む再生方法。
【請求項6】
CMが挿入されているコンテンツを受信し、
受信中の前記コンテンツを再生し、
前記コンテンツの再生と並行して、前記コンテンツに挿入されているCMを検出し、
検出したCMを除く前記コンテンツの本編のデータを記録し、空き領域がなくなった場合、先に記録したデータから順に上書きして本編のデータを記録し、
ユーザによる指示に応じて、受信中の前記コンテンツの再生に代えて、記録しているデータに基づいて、所定のCMの直後の本編の開始位置から前記コンテンツを再生する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−4704(P2012−4704A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135916(P2010−135916)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】