説明

再生装置、再生方法及びプログラム

【課題】再生を中断した位置からデータの再生を再開させる際の所要時間を短縮させる。
【解決手段】映像再生装置107は、データに係る情報を取得してメモリ122において記録させる。映像再生装置107は、データに係る情報に基づいて、映像配信サーバ105からデータを受信して再生する。また、映像再生装置107は、再生を中断した位置から前記データを改めて再生する場合、メモリ122に記憶されるデータに係る情報に基づいて、データを再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置からデータを受信して再生する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを用いたコンテンツ配信サービスが脚光を浴びてきている。コンテンツ配信サービスにおいては、IP(Internet Protocol)放送、ビデオオンデマンド(又は、VODともいう)サービス、ダウンロードサービス等の各種サービスが提供されている。これらのサービスのうち、ビデオオンデマンドサービスを利用するユーザは、所望のコンテンツを選択するために、最初にポータルサーバにアクセスする。即ち、ユーザは、ポータルサーバから送られてくるナビゲーション画面に基づいて所望のコンテンツを選択する。ポータルサーバは、ユーザが所望のコンテンツを選択することにより、当該コンテンツに対応する再生制御情報(又は、再生制御メタファイルともいう)のURL(Uniform Resource Locator)等を映像再生装置に通知する。
【0003】
再生制御情報には、コンテンツの属性情報、権利保護に関する情報及び再生制御に関する情報がXML(Extensible Markup Language)形式にて記述されている。映像再生装置は、再生制御情報を取得して解析することによりライセンスの取得要求を行い、ライセンス取得後にコンテンツの配信を要求する。これにより、映像再生装置は、所望のコンテンツのビデオオンデマンドサービスによって当該コンテンツを受信し、再生を開始する。
【0004】
ビデオオンデマンドサービスに対応した映像再生装置の中には、ユーザが視聴を中断したコンテンツを視聴し直す際の利便性を図るための工夫がされているものがある。例えば、視聴を中断したコンテンツの配信を再び受ける際に、コンテンツの最初からではなく、既に視聴した部分の続きからコンテンツの配信を再開することができる、所謂レジューム機能が備えるものがある(特許文献1参照)。特許文献1に開示される技術によれば、コンテンツの再生を止めたときのレジューム位置を映像再生装置側で記録し、再度同一コンテンツを再生するときに、既に記録されているレジューム位置から受信及び再生を行っている。
【0005】
これ以外にも、コンテンツの再生を中断し、ナビゲーション画面の表示に戻る際に、中断位置を映像再生装置からポータルサーバに通知し、ポータルサーバ側で中断位置を記録する方法が知られている。この場合、再度ナビゲーション画面からユーザが同一コンテンツの再生を指示することにより、ポータルサーバは再生制御情報のURLとともに中断位置を映像再生装置に対して通知する。映像再生装置は、映像配信サーバに対して中断位置からのコンテンツの受信開始を指示することにより、中断位置からのコンテンツの受信及び再生が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−118177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ユーザが視聴を中断したコンテンツを視聴し直す際、即ち、レジューム再生時にも、通常の再生と同様にポータルサーバにアクセスし、再生制御情報を取得しなければならなく、コンテンツの再生再開までに時間がかかるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、再生を中断した位置からデータの再生を再開させる際の所要時間を短縮させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の再生装置は、データに係る情報を取得して記憶手段において記録させる取得手段と、前記データに係る情報に基づいて、外部装置から前記データを受信して再生する再生手段とを有し、前記再生手段は、再生を中断した位置から前記データを改めて再生する場合、前記記憶手段に記憶される前記データに係る情報に基づいて、前記データを再生することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、再生を中断した位置からデータの再生を再開させる際の所要時間を短縮させることでできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るVOD配信システムの構成を示す図である。
【図2】再生制御情報サーバから送信される再生制御情報の構成を示す図である。
【図3】映像再生装置の通常のコンテンツ再生処理を示すシーケンスチャートである。
【図4】第1の実施形態における映像再生装置のコンテンツ再生処理を示すフローチャートである。
【図5】各種ナビゲーション画面の例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係るVOD配信システムのレジューム再生処理を示すシーケンスチャートである。
【図7】第2の実施形態に係るVOD配信システムにおける映像再生装置による、通常のフィルタリング処理を示す図である。
【図8】第2の実施形態に係るVOD配信システムにおける映像再生装置のフィルタリング処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態における映像再生装置によるレジューム再生時のフィルタリング処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るビデオオンデマンドサービスにおけるVOD配信システムの構成を示す図である。図1において、顧客管理サーバ101は、ビデオオンデマンドサービスを提供する事業者が顧客の登録情報及びサービス申込情報を管理するためのサーバである。映像再生装置107からポータルサーバ102に接続された場合、顧客管理サーバ101は、ポータルサーバ102と連携し、認証処理及びコンテンツの購入に伴う課金決済処理を行う。ポータルサーバ102は、映像再生装置107に対して、ユーザがコンテンツを選択するためのナビゲーション画面等を送信する。なお、ナビゲーション画面はHTML(Hypertext Markup Language)形式等で記述される。
【0014】
再生制御情報サーバ103は、映像再生装置107に対して、コンテンツの再生に必要な再生制御情報を送信する。図2は、再生制御情報サーバ103から送信される再生制御情報の構成を示す図である。再生制御情報は、ERI、LLI及びNCIと呼ばれる3つのXML文書と、ARIB(社団法人電波産業界)のSTD−B24(「デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式」標準規格)に規定されるリソースリストとが付加された形で構成される。
【0015】
ERI(Entry Resource Information)には、コンテンツ固有の属性情報が規定されている。そして、コンテンツ固有の属性情報には、コンテンツが暗号化されているか否かを識別するための識別情報、コンテンツのタイトル情報、チャプタ再生を行うためのチャプタ情報、及び、コンテンツ本体の参照先となるURL等が含まれる。映像再生装置107は、参照先のURLに対してアクセスすることにより、所望のコンテンツを受信する。
【0016】
LLI(License Link Information)には、コンテンツのライセンス及び権利保護に関する情報が規定されている。そして、ライセンス及び権利保護に関する情報には、ライセンス取得に必要となる情報、ライセンス取得先として適切なサーバに誘導するためのURL、及び、コンテンツのライセンスの利用条件情報等が含まれる。そして、利用条件情報には、視聴可能終了期限や視聴開始からの有効期間情報等、ライセンスの有効性を判定するための情報がテキスト形式で記述されている。従って、映像再生装置107は、利用条件情報を参照することにより、ライセンスの有効性、即ち、ライセンスが有効であるか無効であるかを判定することができる。なお、コンテンツが暗号化されていない場合、LLIは省略される。
【0017】
NCI(Network Content Control Information)には、ストリーミング受信に関る再生制御に関する情報が規定されている。そして、再生制御に関する情報には、プロトコルの識別情報、誤り訂正方式及びそのパラメータ、サービス提供可能な可変速再生の方式と倍速値情報等が含まれる。
【0018】
DRM(Digital Rights Management)サーバ104は、映像再生装置107と暗号通信を行い、暗号化されたコンテンツを復号するための鍵と利用条件とが記述されたライセンス情報を配信するサーバである。映像再生装置107は、再生制御情報のLLIに記述されたURLに基づいてDRMサーバ104にアクセスし、ライセンスを取得する。さらに映像再生装置107は、取得したライセンスに基づいて、映像配信サーバ105から受信した暗号化されたコンテンツを復号し、再生する。
【0019】
映像配信サーバ105は、映像再生装置107に対してコンテンツを配信するサーバである。映像再生装置107は、再生制御情報のERIに記述されたコンテンツ本体の参照先となるURLに基づいて映像配信サーバ105に対してアクセスし、コンテンツを受信する。
【0020】
ネットワーク106は、各種サーバ101〜105及び映像再生装置107がインターネットを介して接続される通信ネットワークである。本実施形態ではIPネットワークを想定している。映像再生装置107は、ネットワーク106を介して各種サーバ101〜105と情報をやり取りするとともに、映像配信サーバ105から所望のコンテンツを受信し、再生する。なお、映像再生装置107は再生装置の適用例となる構成であり、映像配信サーバ105は外部装置の適用例となる構成である。
【0021】
次に、映像再生装置107の構成について説明する。チューナ108は、放送局から電波塔又は衛星経由で配信されるデジタル放送をアンテナ経由で受信し、受信した高周波デジタル変調信号の中から特定周波数の信号を取り出す。またチューナ108は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路等を備えることにより、選択したデジタル変調信号を復調してTS(Transport Stream)をデマルチプレクサ109に対して出力する。
【0022】
デマルチプレクサ109は、チューナ108又は通信部117を介して入力されるTSの中から所望のパケットを分離する。パケットのヘッダ部にはPID(Packet Identifier)が記述されており、このPIDに基づいてパケットの種類が識別される。映像、音声及び字幕等の個別ストリームが収められたPES(Packetized Elementary Stream)パケットは、同じPID番号を持つ複数のTSパケットに分割されて伝送される。またTSパケットには、PSI(Program Specific Information)やSI(Service Information)といった、セクション形式のテーブルで記述された情報のパケットが含まれる(以下、セクションパケットと記述する)。デマルチプレクサ109は、これらのパケットから所望のパケットを選択して分離する。デマルチプレクサ109は、分離したセクションパケットのPSIをPSI処理部110に対して出力する。また、所望のコンテンツに含まれるPCR(Program Clock Reference)パケットはタイミング生成部111に対して出力される。また、音声PESパケットは音声復号部112に対して出力され、映像PESパケットは映像復号部114に対して出力される。なお、図示は省略したが、デマルチプレクサ109は、暗号化されたコンテンツに対し、所定の手段で取得した暗号鍵を用いてパケットのペイロード部の復号処理を行う。
【0023】
PSI処理部110は、デマルチプレクサ109から出力される各種PSIの処理を行う。PSIは、所望の放送チャンネルを選択して受信するのに必要な情報である。PSIには、PAT(Program Association Table)やPMT(Program Map Table)等が含まれる。PSI処理部110は、各種PSIを解析することにより、復号する映像PESパケットや音声PESパケット、及び、それらの復号処理を行うタイミングを示すPCRパケットのPIDを求める。PSI処理部110は、求めたPIDをデマルチプレクサ109に対して指示する。これにより、デマルチプレクサ109は、所望のPCRパケット、映像PESパケット及び音声PESパケットを分離することが可能となる。
【0024】
タイミング生成部111は、デマルチプレクサ109から出力されるPCRパケットを用いて、内部クロックに対してPLL(Phase Locked Loop)の同期をかけることにより、基準クロックであるSTC(System Time Clock)の再生を行う。タイミング生成部111は、再生した同期信号であるSTCを音声復号部112及び映像復号部114に対して出力することにより、映像と音声との同期再生を実現する。
【0025】
音声復号部112は、デマルチプレクサ109から入力した音声PESパケットを復号し、復号した音声データを音声出力部113に対して出力する。即ち、音声復号部112において入力される音声PESパケットは、音声復号部112内の受信バッファに一旦記録される。音声復号部112は、パケットヘッダ内のDTS(Decoding Time Stamp)とタイミング生成部111から入力したSTCとを比較し、復号処理を行うタイミングを調整する。
【0026】
音声出力部113は、音声復号部112から入力した音声データを音声又は音声信号として出力する。即ち、音声出力部113にはスピーカやヘッドホーン出力等が含まれ、それらから音声や音声信号が出力されることになる。
【0027】
映像復号部114は、デマルチプレクサ109から入力した映像PESパケットを復号し、復号した映像データをグラフィック合成部115に対して出力する。即ち、映像復号部114において入力される映像PESパケットは、映像復号部114内の受信バッファに一旦記録される。映像復号部114は、パケットヘッダ内のDTS(Decoding Time Stamp)とタイミング生成部111から受信したSTCとを比較し、復号処理を行うタイミングを調整する。
【0028】
グラフィック合成部115は、映像復号部114から入力した映像データとグラフィック生成部119で生成された画面データとを、時には排他的に、また時には同時に表示するよう合成処理を行って、映像出力部116に対して出力する。
【0029】
映像出力部116は、グラフィック合成部115から入力した映像データを映像又は映像信号として出力する。即ち、映像出力部116には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等のFPD(Flat Panel Display)や映像外部出力等が含まれ、それらから映像や映像信号が出力されることになる。
【0030】
通信部117は、ネットワーク106経由でインターネット上の各種サーバ101〜105と各種情報のやり取りを行う。例えば、通信部117は、ユーザがコンテンツを選択するためのナビゲーション画面をポータルサーバ102から受信し、ブラウザ118に対して出力する。また通信部117は、所望のコンテンツの配信や再生に関する情報である再生制御情報を再生制御情報サーバ103から受信し、それ以外の各種情報とともにメモリ122に記録させる。映像配信サーバ105は、コンテンツそのものを受信すると、TSパケットに付加されているタイムスタンプを削除した後、デマルチプレクサ109に対して出力する。
【0031】
ブラウザ118は、通信部117から入力したナビゲーション画面を解析し、グラフィック合成部115に対して表示を指示する。またブラウザ118は、操作部120からのユーザの各種指示、例えばコンテンツの選択等やそれ以外の入力情報を通信部117経由でポータルサーバ102に対して通知する。
【0032】
グラフィック生成部119は、ブラウザ118から入力したナビゲーション画面、操作部120からのユーザの各種指示に伴う表示情報、及び、映像再生装置107の状態を示す表示情報を、映像出力部116において出力可能な表示データに変換する。
【0033】
操作部120は、不図示のリモコン受光部を含み、ユーザの各種操作を受け付ける。例えば、操作部120においてナビゲーション画面表示時のコンテンツの選択操作を受け付けると、ブラウザ118及び通信部117経由で、どのコンテンツを選択したかを示す情報がポータルサーバ102に対して通知される。また操作部120は、ユーザの各種指示に伴う表示情報をグラフィック生成部119に対して通知し、表示を依頼する。
【0034】
CPU121は、映像再生装置107全体を制御する。即ちCPU121は、メモリ122に記録されたプログラムや各種情報を読み出して実行することにより、各種動作を実現するための制御を行う。
【0035】
メモリ122には、CPU121で実行されるプログラムやプログラムを実行するために必要となる各種情報が記録される。例えば、再生制御情報サーバ103から受信した再生制御情報も、それ以外の各種情報とともにメモリ122において記録される。
【0036】
次に、図3を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るVOD配信システムにおける通常のコンテンツ再生処理について説明する。
【0037】
ステップS301において、映像再生装置107は、ポータルサーバ102からコンテンツ選択画面を受信し、映像出力部116において表示する。ユーザは、操作部120を用いて、映像出力部116において表示されるコンテンツ選択画面上で所望のコンテンツを選択する。ステップS302において、映像再生装置107は、ユーザによるコンテンツの選択操作を受け付ける。
【0038】
ユーザによって所望のコンテンツが選択されると、ステップS303において、映像再生装置107は、再生制御情報サーバ103に対して当該コンテンツの再生制御情報の取得要求を行う。再生制御情報の取得要求は、ユーザによって選択されたコンテンツの再生制御情報のURLに対して映像再生装置107が取得要求を実行することで行われる。ステップS304において、再生制御情報サーバ103は、要求された再生制御情報を映像再生装置107に対して送信し、映像再生装置107は、再生制御情報を再生制御情報サーバ103から受信する。
【0039】
ステップS305において、映像再生装置107は、受信した再生制御情報のERIを解析する。映像再生装置107は、ERIを解析することによって所望のコンテンツ固有の属性情報を取得する。なお、コンテンツ固有の属性情報には、コンテンツが暗号化されているか否かを識別するための識別情報、コンテンツのタイトル情報、チャプタ再生を行うためのチャプタ情報、及び、コンテンツ本体の参照先となるURL情報等が含まれる。映像再生装置107は、コンテンツが暗号化されているか否かを識別するための識別情報を参照することにより、コンテンツが暗号化されているか否か、即ち、再生制御情報にLLIが含まれるか否かを判定することができる。
【0040】
ERIを解析することによってコンテンツが暗号化されていると判定された場合、ステップS306において、映像再生装置107は、受信した再生制御情報のLLIを解析する。LLIを解析することにより、コンテンツのライセンス及び権利保護に関する情報を取得することができる。なお、ライセンス及び権利保護に関する情報には、ライセンス取得に必要となる情報、ライセンス取得先として適切なサーバに誘導するためのURL情報、及び、コンテンツのライセンスの有効性を判定するための利用条件情報等が含まれる。従って、映像再生装置107は、利用条件情報を参照することにより、ライセンスの有効性、即ち、ライセンスが有効であるか無効であるかを判定することができる。なお、コンテンツが暗号化されていない場合、LLIは省略される。
【0041】
コンテンツが暗号化されていると判定された場合、ステップS307において、映像再生装置107は、DRMサーバ104に対してDRMライセンスの取得要求を行う。DRMライセンスの取得要求は、再生制御情報のLLIを解析することで得られるDRMサーバ104のURLに対して取得要求を実行することで行われる。
【0042】
DRMライセンスの取得を要求されたDRMサーバ104は、映像再生装置107に対してDRMライセンスを発行するか否かを判定する。DRMサーバ104は、DRMライセンスを発行すると判定した場合、ステップS308において、DRMライセンスを発行する。なお、DRMライセンスには、暗号化されたコンテンツを復号するための暗号鍵情報等が含まれる。
【0043】
ステップS309において、DRMサーバ104は、発行したDRMライセンスを映像再生装置107に対して送信し、映像再生装置107はDRMライセンスを受信する。なお、ステップS305にて、コンテンツが暗号化されていないと判定された場合、ステップS306〜S309の処理は省略される。
【0044】
ステップS310において、映像再生装置107は、ステップS304にて受信した再生制御情報のNCIを解析する。映像再生装置107は、NCIを解析することによってコンテンツのストリーミング受信に関する制御情報を取得する。なお、この制御情報には、プロトコルの識別情報、誤り訂正方式及びそのパラメータ、サービス提供可能な可変速再生の方式、並びに、倍速値情報等が含まれる。
【0045】
ステップS311において、映像再生装置107は、プロトコルの識別情報で指定されるプロトコルを用いて、映像配信サーバ105に対してコンテンツの配信を依頼する。即ち、指定されたプロトコルが「http_tts」である場合、映像再生装置107は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)で映像配信サーバ105に対してコンテンツの配信を依頼する。また、指定されたプロトコルが「rtp_tts」である場合、映像再生装置107は、RTSP(Real Time Streaming Protocol)で映像配信サーバ105に対してコンテンツの配信を依頼する。
【0046】
ステップS312において、映像配信サーバ105は、配信を依頼されたコンテンツの読み出しを開始する。ステップS313において、映像配信サーバ105は、読み出したコンテンツを映像再生装置107に対して送信する。なお、映像再生装置107からの配信要求をHTTPで受けた場合、映像配信サーバ105は、HTTPでコンテンツを送信する。一方、映像再生装置107からの配信要求をRTSPで受けた場合、映像配信サーバ105は、RTP(Real-time Transport Protocol)でコンテンツを送信する。
【0047】
ステップS314において、映像再生装置107は、VOD視聴の終了を検知することにより、コンテンツの再生を終了する。なお、HTTPでコンテンツを受信していた場合、映像再生装置107は、自ら再生したコンテンツのトータルサイズからコンテンツ受信終了を検知する。また、RTPでコンテンツを受信していた場合は、映像配信サーバ105から映像再生装置107に対してRTSPでコンテンツ送信終了が通知される。
【0048】
ステップS315において、映像再生装置107は、コンテンツの再生を終了すると、ポータルサーバ102に対して戻り先画面を要求する。戻り先画面を受信すると、映像再生装置107は、戻り先画面を映像出力部116において表示する。
【0049】
次に、図4を参照しながら、第1の実施形態における映像再生装置107のコンテンツ再生処理について説明する。なお、図4に示す一連の処理は、CPU121がメモリ122に記録されたプログラムや各種情報を読み出して実行することにより実現される。
【0050】
ステップS401において、映像再生装置107は、ナビゲーション画面を表示する。即ち、映像再生装置107は、ポータルサーバ102にアクセスし、VOD配信のナビゲーション画面を通信部117経由で受信し、映像出力部116において表示する。
【0051】
図5は、各種ナビゲーション画面の例を示す図である。映像再生装置107が最初にポータルサーバ102にアクセスした場合、図5(a)に示すようなポータルサイトのトップページが映像出力部116において表示される。ユーザが映像出力部116に表示されたナビゲーション画面に対して操作することにより、その操作に対応した要求が映像再生装置107からポータルサーバ102に対して通知される。当該要求を受信したポータルサーバ102は、新たなナビゲーション画面を生成し、映像再生装置107に対して送信する。映像再生装置107は、受信した新たなナビゲーション画面を映像出力部116において表示する。例えば、映像再生装置107の映像出力部116において、図5(a)に示すようなポータルサイトのトップページが表示されている状態で、ユーザによって「VODサービス」が選択されたものとする。その結果、映像再生装置107は、VODサービスのナビゲーション画面をポータルサーバ102に対して要求する。ポータルサーバ102は、新たなナビゲーション画面として、図5(b)に示すようなVODサービスのトップページを映像再生装置107に対して送信する。
【0052】
ステップS402において、映像再生装置107は、ユーザがコンテンツを購入するか否かを判定する。即ち、ステップS401において、コンテンツ購入の選択画面が映像出力部116において表示され、CPU121は、ユーザがコンテンツ購入の意思を示す操作を操作部120に対して行ったか否かを判定する。例えば、映像再生装置107の映像出力部116において、図5(b)に示すようなVODサービスのトップページ画面が表示されている際に、映像再生装置107は、ユーザが「コンテンツ購入」を選択したか否かを判定する。ユーザが「コンテンツ購入」を選択した場合、処理はステップS403に移行する。一方、ユーザが「コンテンツ購入」しなかった場合、処理はステップS418に移行する。
【0053】
ステップS403において、映像再生装置107は、購入用コンテンツリストを表示する。即ち、映像再生装置107はポータルサーバ102にアクセスし、購入用コンテンツリストの画面を通信部117経由で受信し、映像出力部116において表示する。例えば、映像再生装置107の映像出力部116において、図5(c)に示すような購入用コンテンツリストが表示される。ユーザは、操作部120を操作し、映像出力部116に表示される購入用コンテンツリストの中から購入するコンテンツを選択する。
【0054】
ステップS404において、映像再生装置107は、コンテンツの購入処理を行う。即ち、映像再生装置107はポータルサーバ102に対して購入するコンテンツの識別情報と顧客情報とを送信する。ポータルサーバ102は顧客管理サーバ101と連携し、コンテンツ購入処理を行い、その結果を映像再生装置107に対して送信する。例えば、図5(d)に示すような購入完了画面がポータルサーバ102から映像再生装置107に対して送信され、映像再生装置107は映像出力部116において購入完了画面を表示する。ユーザは、操作部120を操作し、購入を完了したコンテンツの「視聴」を購入完了画面で選択する。
【0055】
ステップS405において、映像再生装置107は、所望のコンテンツの再生制御情報を取得し、取得した再生制御情報を記録する。即ち、映像再生装置107は、再生制御情報サーバ103に対して再生制御情報の取得要求を行い、再生制御情報サーバ103から通信部117にて受信した再生制御情報を、それ以外のコンテンツ情報とともにメモリ122に記録する。
【0056】
ステップS406において、映像再生装置107は、受信した再生制御情報のERIを解析する。即ち、CPU121は、メモリ122に記録されている再生制御情報のERIを解析することにより、所望のコンテンツ固有の属性情報を取得する。
【0057】
ステップS407において、映像再生装置107は、再生するコンテンツが暗号化されているか否かを判定する。即ち、CPU121は、メモリ122に記録されている再生制御情報のERIからコンテンツ固有の属性情報を取得し、その属性情報から再生するコンテンツが暗号化されているか否かを判定する。再生されるコンテンツが暗号化されている場合、処理はステップS408に移行する。一方、再生されるコンテンツが暗号化されていない場合、ステップS408及びS409をスキップして、処理はステップS410に移行する。
【0058】
ステップS408において、映像再生装置107は、受信した再生制御情報のLLIを解析する。即ち、CPU121は、メモリ122に記録されている再生制御情報のLLIを解析することにより、コンテンツのライセンス及び権利保護に関する情報を取得する。
【0059】
ステップS409において、映像再生装置107は、所望のコンテンツのDRMライセンスを取得し、取得したDRMライセンスをメモリ122に記録する。即ち、映像再生装置107は、再生制御情報のLLIを解析することによって得られるDRMサーバ104のURLにアクセスすることにより、DRMサーバ104に対してDRMライセンスの取得要求を行う。映像再生装置107は、DRMサーバ104から通信部117にて受信したDRMライセンスを、それ以外のコンテンツ情報(例えば、再生制御情報)とともにメモリ122に記録する。なお、DRMライセンスには、暗号化されたコンテンツを復号するための暗号鍵情報等が含まれる。
【0060】
ステップS410において、映像再生装置107は、受信した再生制御情報のNCIを解析する。即ち、CPU121は、メモリ122に記録されている再生制御情報のNCIを解析することにより、コンテンツのストリーミング受信に関する制御情報を取得する。
【0061】
ステップS411において、映像再生装置107は、所望のコンテンツの配信要求を行う。即ち、映像再生装置107は、再生制御情報のERIを解析することで得られる、コンテンツのURLにアクセスすることにより、映像配信サーバ105に対してコンテンツ配信を要求する。なお、メモリ122に記録されているコンテンツ情報にコンテンツの再生中断位置が含まれる場合、映像再生装置107は、メモリ122から再生中断位置を読み出し、当該再生中断位置からのコンテンツの配信を映像配信サーバ105に対して要求する。
【0062】
ステップS412において、映像再生装置107は、コンテンツの受信及び再生を開始する。即ち、映像再生装置107は、映像配信サーバ105から通信部117経由でコンテンツの受信を開始し、受信したコンテンツのデマルチプレクサ109でのフィルタリング処理を開始する。従って、デマルチプレクサ109は、所望のPCRパケット、音声PESパケット及び映像PESパケットを分離し、タイミング生成部111、音声復号部112及び映像復号部114に対して出力する。なお、受信したコンテンツが暗号化されている場合、CPU121は、ステップS409で取得したDRMライセンスをメモリ122から読み出す。さらに、映像再生装置107は、DRMライセンスに含まれる暗号鍵情報を用いて、パケットのペイロード部の暗号化処理及び復号処理も開始する。
【0063】
タイミング生成部111はPCRからSTCを生成し、音声復号部112及び映像復号部114に対して出力する。音声復号部112及び映像復号部114は、タイミング生成部111から入力したSTCに基づいて復号処理のタイミングを調整するとともに、音声出力部113及びグラフィック合成部115に対する復号データの出力を開始する。グラフィック合成部115は、映像出力部116に対する出力を開始することにより、所望のコンテンツの受信及び再生を開始する。
【0064】
ステップS413において、映像再生装置107は、コンテンツの視聴が中断したか否かを判定する。視聴が中断される要因としては、例えば、ユーザが操作部120からコンテンツの受信及び再生を中断する操作を行うことにより視聴が中断される場合や、映像配信サーバ105からの応答がないために視聴が中断される場合等、様々な要因がある。映像再生装置107はそれら各種の要因により視聴が中断されたか否かを判定する。視聴が中断された場合、処理はステップS416に移行する。一方、視聴が中断されず、継続されている場合、処理はステップS414に移行する。
【0065】
ステップS414において、映像再生装置107は、コンテンツの受信及び再生が最後まで終了したか否かを判定する。即ち、HTTPでコンテンツを受信していた場合、映像再生装置107は自ら受信及び再生したコンテンツのトータルサイズから、コンテンツの受信再生が最後まで終了したか否かを判定する。RTPでコンテンツを受信していた場合、映像再生装置107は、映像配信サーバ105からRTSPで終了通知を受信したかどうかでコンテンツの受信及び再生が最後まで終了したか否かを判定する。コンテンツの受信及び再生が最後まで終了した場合、処理はステップS415に移行する。一方、コンテンツの受信及び再生が最後まで終了していない場合、処理はステップS413に戻る。即ち、映像再生装置107は、ステップS412においてコンテンツの受信及び再生を開始した後、ステップS413において視聴中断を監視し、ステップS414においてコンテンツの受信及び再生を最後まで終了したかを監視している。
【0066】
ステップS415において、映像再生装置107は、コンテンツ情報を削除する。即ち、CPU121は、ステップS414にてコンテンツの受信及び再生を最後まで終了したと判定することにより、メモリ122に既に記録されているコンテンツ情報を削除する。削除されるコンテンツ情報には、ステップS405で記録された再生制御情報、ステップS409で記録されたDRMライセンス、及び、ステップS416で記録された中断位置情報等が含まれる。
【0067】
ステップS416において、映像再生装置107は、中断位置情報を記録する。即ち、CPU121は、ステップS413で視聴が中断したと判定されたコンテンツの視聴中断位置を、既に記録されているコンテンツ情報とともにメモリ122において記録する。
【0068】
ステップS417において、映像再生装置107は、戻り先画面を表示する。即ち、映像再生装置107は、ポータルサーバ102にアクセスし、コンテンツの受信及び再生の終了後の戻り先画面を通信部117経由で受信して映像出力部116において表示する。これにより、コンテンツの受信及び再生が終了する。
【0069】
ステップS418において、映像再生装置107は、購入済みコンテンツリストを表示する。即ち、映像再生装置107は、ポータルサーバ102にアクセスし、購入済みコンテンツリストを通信部117経由で受信し、映像出力部116において表示する。例えば、映像出力部116において、図5(e)に示すような購入済みコンテンツリストが表示される。ユーザは、操作部120を操作し、映像出力部116に表示される購入済みコンテンツリストの中から所望のコンテンツを選択し、「視聴」を選択する。
【0070】
ステップS419において、映像再生装置107は、再生制御情報が記録されているか否かを判定する。即ち、CPU121は、ステップS418で選択されたコンテンツに対応する再生制御情報が、メモリ122に既に記録されているか否かを判定する。メモリ122に再生制御情報が未だ記録されていない場合、改めて再生制御情報を取得するために、処理はステップS405に移行する。一方、メモリ122に再生制御情報が既に記録されている場合、処理はステップS420に移行する。
【0071】
ステップS420において、映像再生装置107は、再生制御情報を読み出す。即ち、CPU121は、ステップS418で選択されたコンテンツに対応する再生制御情報をメモリ122から読み出す。ステップS421において、映像再生装置107は、読み出した再生制御情報のERIを解析する。即ち、CPU121は、メモリ122から読み出した再生制御情報のERIを解析することにより、所望のコンテンツ固有の属性情報を取得する。
【0072】
ステップS422において、映像再生装置107は、再生するコンテンツが暗号化されているか否かを判定する。即ち、映像再生装置107は、メモリ122から読み出した再生制御情報のERIからコンテンツ固有の属性情報を取得し、その属性情報から、再生するコンテンツが暗号化されているか否かを判定する。再生されるコンテンツが暗号化されている場合、処理はステップS423に移行する。一方、再生されるコンテンツが暗号化されていない場合、処理はステップS410に移行する。
【0073】
ステップS423において、映像再生装置107は、読み出した再生制御情報のLLIを解析する。即ち、CPU121は、メモリ122から読み出した再生制御情報のLLIを解析することにより、コンテンツのライセンス及び権利保護に関する情報を取得する。
【0074】
ステップS424において、映像再生装置107は、再生するコンテンツのライセンスが無効となっているか否かを判定する。例えば、映像再生装置107は、再生制御情報のLLIを解析し、そのライセンス及び権利保護に関する情報である利用条件情報からライセンスの有効期限を求め、ライセンスの有効性、即ち、ライセンスが有効であるか無効であるかを判定する。ライセンスが無効である場合、処理はステップS404に移行し、改めてコンテンツの購入が行われる。一方、ライセンスが有効である場合、処理はステップS410に移行する。
【0075】
なお、本実施形態では、視聴中断時、ステップS416において、映像再生装置107はメモリ122に中断位置情報を記録する。そして再生時、ステップS411において、映像再生装置107は、メモリ122から中断位置情報を読み出し、その位置からのコンテンツの配信を映像配信サーバ105に対して要求することでレジューム再生を実現している。これ以外に視聴中断時、ステップS417において、映像再生装置107は、ポータルサーバ102に対して戻り先画面を要求する際に中断位置情報を送信する。そして再生時、ポータルサーバ102から映像再生装置107に対して中断位置情報が送信される。ステップS411において、映像再生装置107は、通知された中断位置情報からのコンテンツの送信を映像配信サーバ105に対して要求することにより、レジューム再生を実現させてもよい。また本実施形態では、有料のコンテンツを例に挙げているが、無料のコンテンツに対しても同様であることはいうまでもない。
【0076】
次に、図6を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係るVOD配信システムのレジューム再生処理について説明する。上述した図3に示す通常のコンテンツ再生処理と比較すると、図6に示すレジューム再生処理は、ステップS303〜S304及びステップS307〜S310の処理が省略されている。即ち、レジューム再生を行う際、映像再生装置107は、メモリ122に既に記録されている再生制御情報を用いることにより、再生制御情報サーバ103から再生制御情報を取得することを省略することができる。また同様に、映像再生装置107は、メモリ122に既に記録されているDRMライセンスを用いることにより、DRMサーバ104からDRMライセンスを取得することを省略することができる。従って、本実施形態によれば、レジューム再生を行う場合、その再生開始の操作から、より短時間でコンテンツの再生を開始させることができる。
【0077】
なお、本実施形態では、中断位置情報、再生制御情報及びDRMライセンスを記録し、レジューム再生時には、既に記録されているこれら情報を用いてレジューム再生を実現させている。再生制御情報に関しては、レジューム再生時にもERI、LLI及びNCIの解析を行っているが、再生制御情報そのものを記録しておくのではなく、ERI、LLI及びNCIの解析結果を記録しておくようにしてもよい。この場合、レジューム再生時のERI、LLI及びNCIの解析が不要となり、より短時間でレジューム再生を開始させることができる。従って、ユーザにとって利便性を向上させた映像再生装置を提供することができる。
【0078】
また、本実施形態では、中断位置情報、再生制御情報及びDRMライセンスの全ての情報を記録し、レジューム再生時には、既に記録しているこれらの情報を用いてレジューム再生を実現させている。但し、必ずしもこれら全ての情報が、既に記録されている情報を用いなければならないわけではない。例えば、中断位置情報に関しては、ポータルサーバ102から通知された情報を用いるようにしてもよい。
【0079】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態に係るVOD配信システムの構成は図1に示した構成と同様であるため、図1に示した符号を用いて第2の実施形態について説明する。
【0080】
先ず、図7を参照しながら、第2の実施形態に係るVOD配信システムにおける映像再生装置107による、通常のフィルタリング処理について説明する。図7は、映像再生装置107におけるコンテンツ再生の開始から、音声出力部113及び映像出力部116から実際に音声や映像の出力が開始されるまでの、デマルチプレクサ109におけるフィルタリング処理の流れを示している。
【0081】
映像再生装置107におけるコンテンツ再生が開始された場合、通信部117で受信されたコンテンツ、即ち、個々のTSパケットはデマルチプレクサ109にてフィルタリング処理が行なわれる。ステップS701において、デマルチプレクサ109は、PIDが0のTSパケットをフィルタリング処理する。PIDが0のTSパケットは、PATを意味する。デマルチプレクサ109は、PATを検出した場合、検出したPATをPSI処理部110に対して出力する。
【0082】
ステップS702において、PSI処理部110は、デマルチプレクサ109から入力したPATを解析し、TSパケットに含まれる個々のプログラム番号に対応する、PMTのPIDを求める。なお、VOD配信で配信されるTSパケットは、通常唯一のプログラムから構成される。従って、PSI処理部110は、唯一のPMTのPIDを求めることになる。PSI処理部110は、求めたPMTのPIDをデマルチプレクサ109に出力する。
【0083】
ステップS703において、デマルチプレクサ109は、PSI処理部110から入力したPMTのPIDと一致するTSパケット、即ち、PMTのフィルタリング処理を実行する。デマルチプレクサ109は、PMTを検出した場合、検出したPMTを、再生するコンテンツの構成情報としてPSI処理部110に対して出力する。
【0084】
ステップS704において、PSI処理部110は、デマルチプレクサ109から入力したPMTを解析し、TSパケットに含まれるPCR、音声PESパケット及び映像PESパケットに対応するパケットのPIDを求める。PSI処理部110は、求めたPCR、音声PESパケット及び映像PESパケットのPIDをデマルチプレクサ109に対して出力する。
【0085】
ステップS705において、デマルチプレクサ109は、PSI処理部110から入力したPCRのPIDと一致するTSパケット、即ちPCRのフィルタリング処理を実行する。デマルチプレクサ109は、PCRを検出した場合、検出したPCRをタイミング生成部111に対して出力する。
【0086】
PCRと同様に、ステップS706及びS707において、デマルチプレクサ109は、音声PESパケット及び映像PESパケットのPIDと一致するTSパケットのフィルタリング処理を実行する。デマルチプレクサ109は、音声PESパケットを検出した場合、検出した音声PESパケットを音声復号部112に対して出力し、映像PESパケットを検出した場合、検出した映像PESパケットを映像復号部114に対して出力する。タイミング生成部111、音声復号部112及び映像復号部114に対して出力されたデータは夫々、図1を用いて説明した処理が行われる。
【0087】
なお、デマルチプレクサ109でのPCR、音声PESパケット及び映像PESパケットのフィルタリング処理(ステップS705、ステップS706及びステップS707)は、その順番に依存関係がなく、同時に実行されるように実施してもよい。従って、検出も先に検出されたものから処理されることになり、PCR以外のパケット、即ち、音声PESパケット又は映像PESパケットを先に検出した場合、先に処理されることになる。
【0088】
次に、図8を参照しながら、第2の実施形態に係るVOD配信システムにおける映像再生装置107のフィルタリング処理について説明する。なお、図8に示す一連の処理は、CPU121がメモリ122に記憶されたプログラムや各種情報を読み出して実行することにより実現される。また、映像再生装置107にて実行される、コンテンツ再生時のフィルタリング処理は、例えば、第1の実施形態の図4におけるステップS412の処理の一部に相当する。
【0089】
ステップS801において、映像再生装置107は、PMTが既に記録済みであるか否かを判定する。即ち、CPU121は、再生を行うコンテンツの構成情報であるPMTが、既にメモリ122に記録されているコンテンツ情報に含まれているか否かを判定する。PMTが既にメモリ122に記録されている場合、処理はステップS802に移行する。PMTが未だメモリ122に記録されていない場合、処理はステップS803に移行する。
【0090】
ステップS802において、映像再生装置107はPMTを読み出す。即ち、CPU121は、再生を行うコンテンツの構成情報であるPMTを、メモリ122に記録されているコンテンツ情報から読み出す。
【0091】
ステップS803において、映像再生装置107は、PATのフィルタリング処理を実行する。即ち、デマルチプレクサ109は、通信部117で受信したコンテンツに対し、PIDが0のTSパケットのフィルタリング処理を実行する。なお、PIDが0のTSパケットはPATを意味する。
【0092】
ステップS804において、映像再生装置107は、PATを取得したか否かを判定する。即ち、CPU121は、デマルチプレクサ109にてPIDが0のTSパケットが検出されたか否かを判定する。PATが取得された場合、処理はステップS805に移行する。PATが取得されていない場合、処理はステップS804に戻る。なお、検出されたPATは、デマルチプレクサ109からPSI処理部110に対して出力される。
【0093】
ステップS805において、映像再生装置107はPATを解析する。即ち、PSI処理部110は、ステップS804にて検出されたPATを解析し、TSパケットに含まれる個々のプログラム番号に対応するPMTのPIDを求める。なお、TSパケットは、通常唯一のプログラムから構成される。従って、PSI処理部110は、唯一のPMTのPIDを求めることになる。次にPSI処理部110は、求めたPMTのPIDをデマルチプレクサ109に通知する。
【0094】
ステップS806において、映像再生装置107は、PMTのフィルタリング処理を実行する。即ち、デマルチプレクサ109は、ステップS805にてPSI処理部110から通知されたPMTのPIDと一致するTSパケットのフィルタリング処理を実行する。
【0095】
ステップS807において、映像再生装置107は、PMTを取得したか否かを判定する。即ち、デマルチプレクサ109は、PSI処理部110から通知されたPMTのPIDと一致するTSパケットが検出されたか否かを判定する。PMTのPIDと一致するTSパケットが検出された場合、処理はステップS808に移行する。一方、PMTのPIDと一致するTSパケットが検出されていない場合、処理はステップS807に移行する。なお、検出されたPMTは、デマルチプレクサ109からPSI処理部110に対して出力される。
【0096】
ステップS808において、映像再生装置107は取得したPMTを記録する。即ち、CPU121は、デマルチプレクサ109にて検出されたコンテンツの構成情報であるPMTを、それ以外のコンテンツ情報とともにメモリ122に記録する。
【0097】
ステップS809において、映像再生装置107は、コンテンツの構成情報であるPMTを解析する。即ち、PSI処理部110は、ステップS807にて取得されたPMT、又は、ステップS802にてメモリ122から読み出されたPMTを解析し、TSパケットに含まれるPCR、音声PESパケット及び映像PESパケットに対応するパケットのPIDを求める。次にPSI処理部110は、求めたPIDをデマルチプレクサ109に対して通知する。
【0098】
ステップS810において、映像再生装置107は、PCR、音声PESパケット及び映像PESパケットのフィルタリング処理を実行する。即ち、デマルチプレクサ109は、ステップS809にてPSI処理部110から通知されたPCR、音声PESパケット及び映像PESパケットのPIDと一致するTSパケットのフィルタリング処理を実行する。
【0099】
なお、デマルチプレクサ109でのフィルタリング処理後、検出されたPCRはタイミング生成部111に出力され、音声PESパケットは音声復号部112に出力され、映像PESパケットは映像復号部114に出力され、処理されることになる。
【0100】
次に、図9を参照しながら、第2の実施形態における映像再生装置107によるレジューム再生時のフィルタリング処理について説明する。上述した図7に示す通常のフィルタリング処理と比較し、図9に示すレジューム再生時のフィルタリング処理は、ステップS701〜S703の処理が省略されている。即ち、レジューム再生を行う際、映像再生装置107は、メモリ122に既に記録されているPMTを用いることにより、デマルチプレクサ109でのPAT及びPMTのフィルタリング処理、及び、PATの解析処理を省略することができる。言い換えれば、PAT及びPMTを取得する前に、PCRや音声PESパケット及び映像PESパケットの取得が可能となる。つまり、受信したコンテンツの先頭からPCR、音声PESパケット及び映像PESパケットの取得が可能となり、レジューム再生を行う場合、より短時間でコンテンツを再生させることができる。さらに、受信したコンテンツの先頭からPCR、音声PESパケット及び映像PESパケットの取得が可能となることから、受信したコンテンツの先頭から再生することが可能となる。
【0101】
なお、第2の実施形態では、ステップS808において、PMTそのものをメモリ122に記録するようにしているが、ステップS809において、PMTの解析結果をメモリ122に記録するようにしてもよい。この場合、レジューム再生時、ステップS802において、メモリ122に記録されているPMTの解析結果に基づいて、ステップS810にてフィルタリング処理を実行することになる。即ち、レジューム再生時、ステップS809でのPMTの解析が不要となり、より短時間でレジューム再生を開始させることができる。従って、ユーザにとって利便性を向上させた映像再生装置を提供することができる。
【0102】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0103】
101:顧客管理サーバ、102:ポータルサーバ、103:再生制御情報サーバ、104:DRMサーバ、105:映像配信サーバ、106:ネットワーク、107:映像再生装置、108:チューナ、109:デマルチプレクサ、110:PSI処理部、111:タイミング生成部、112:音声復号部、113:音声出力部、114:映像復号部、115:グラフィック合成部、116:映像出力部、117:通信部、118:ブラウザ、119:グラフィック生成部、120:操作部、121:CPU、122:メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データに係る情報を取得して記憶手段において記録させる取得手段と、
前記データに係る情報に基づいて、外部装置から前記データを受信して再生する再生手段とを有し、
前記再生手段は、再生を中断した位置から前記データを改めて再生する場合、前記記憶手段に記憶される前記データに係る情報に基づいて、前記データを再生することを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記データに係る情報は、前記データの利用条件情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記利用条件情報に基づいて、前記データのライセンスの有効性を判定する判定手段を更に有し、
前記取得手段は、前記判定手段により前記データのライセンスが無効であると判定された場合、前記データに係る情報を再度取得することを特徴とする請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記データに係る情報は、前記データの構成情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項5】
前記データの構成情報は、PMT(Program Map Table)であることを特徴とする請求項4に記載の再生装置。
【請求項6】
前記データに係る情報は、前記データの参照先を示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項7】
前記データに係る情報は、暗号化された前記データを復号するための鍵情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項8】
再生装置によって実行される再生方法であって、
データに係る情報を取得して記憶手段において記録させる取得ステップと、
前記データに係る情報に基づいて、外部装置から前記データを受信して再生する再生ステップとを有し、
前記再生ステップは、再生を中断した位置から前記データを改めて再生する場合、前記記憶手段に記憶される前記データに係る情報に基づいて、前記データを再生することを特徴とする再生方法。
【請求項9】
データに係る情報を取得して記憶手段において記録させる取得ステップと、
前記データに係る情報に基づいて、外部装置から前記データを受信して再生する再生ステップとをコンピュータに実行させ、
前記再生ステップは、再生を中断した位置から前記データを改めて再生する場合、前記記憶手段に記憶される前記データに係る情報に基づいて、前記データを再生することを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−115630(P2013−115630A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260383(P2011−260383)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】